JP7065079B2 - 熱可塑性樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献2には、構造の一部に-CH2-O-で表される部位を有するジヒドロキシ化合物(A)と、炭酸ジエステルとを混合してからの経過時間が5時間未満となるように反応器へ連続的に供給し、溶融重縮合する、または、これらを混合せずに独立に反応器へ連続的に供給し、溶融重縮合するポリカーボネート樹脂の製造方法が開示されている。
また、ポリカーボネート樹脂成形品の機械強度をより高めるために、ガラスフィラー等を添加することが行われている。しかしながら、ガラスフィラーで補強したポリカーボネート樹脂成形品は透明性が低下するという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、黄変を抑制し、透明性に優れた成形品を与える熱可塑性樹脂の製造方法を提供することにある。
すなわち本発明は、以下の<1>~<15>を提供するものである。
工程1:反応器に原料モノマーを投入し、1mmHg以下の真空下で原料モノマーを溶融する工程
工程2:該工程1の後に、原料モノマーが溶融した状態で反応器内部の気相部を不活性ガスで置換する工程
工程3:該工程2の後に、反応器に触媒を投入し、原料モノマーを重合させて熱可塑性樹脂を製造する工程
<2>前記熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂であって、前記原料モノマーがジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを含む、上記<1>に記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
<3>前記ポリカーボネート樹脂の波長589.3nmにおける屈折率が1.450以上1.590以下である、上記<2>に記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
<4>前記ポリカーボネート樹脂が、脂肪族ジヒドロキシ化合物に由来する脂肪族カーボネート繰り返し単位(A)を含み、前記脂肪族カーボネート繰り返し単位(A)が、下記式(I)で表されるものである、上記<2>又は<3>に記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
(式中、X1は炭素数2~20の2価の脂肪族炭化水素基又は炭素数4~22の2価の脂環式炭化水素基を示す。前記2価の脂肪族炭化水素基及び2価の脂環式炭化水素基は、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含んでもよく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選ばれる少なくとも1つのハロゲン原子を含んでもよい。)
<5>前記繰り返し単位(A)が、下記一般式(a-1)、(a-2)及び(a-3)で表される繰り返し単位からなる群より選ばれる一つ以上を有する、上記<4>に記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
<6>前記工程3における触媒が金属触媒と有機系触媒との組み合わせである、上記<2>~<5>のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
<7>前記金属触媒の添加量が原料モノマー全量に対して2モルppm以下、前記有機系触媒の添加量が原料モノマー全量に対して300モルppm以下である、上記<6>に記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
<8>前記工程1における昇温後の反応器内の温度が70℃以上180℃以下である、上記<1>~<7>のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
<9>前記工程3における重合温度が100℃以上330℃以下である、上記<1>~<8>のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
<10>炭酸ジエステルの10質量%溶液における吸光度を光路長50mmで測定した場合に、波長420nmにおける吸光度が0.015以下である炭酸ジエステルを原料として用いる、上記<2>~<9>のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
<11>前記工程3において、酸化防止剤の存在下で原料モノマーを重合させる、上記<1>~<10>のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
<12>工程3の重合反応終了後に酸化防止剤を混合する、上記<1>~<11>のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
<13>上記<1>~<12>のいずれか一項に記載の製造方法により得られた熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物。
<14>ガラスフィラーを熱可塑性樹脂100質量部に対して5質量部以上80質量部以下含む、上記<13>に記載の熱可塑性樹脂組成物。
<15>上記<13>又は<14>に記載の熱可塑性樹脂組成物を含む成形品。
本発明は、下記工程1~3を有する熱可塑性樹脂の製造方法に関する。
工程1:反応器に原料モノマーを投入し、1mmHg以下の真空下で原料モノマーを溶融する工程
工程2:該工程1の後に、原料モノマーが溶融した状態で反応器内部の気相部を不活性ガスで置換する工程
工程3:該工程2の後に、反応器に触媒を投入し、原料モノマーを重合させて熱可塑性樹脂を製造する工程
本発明者らは、溶融重合法による熱可塑性樹脂の製造方法において、真空下で原料モノマーを溶融することで、重合時の酸化反応を抑制し、その結果、熱可塑性樹脂の黄変を効果的に抑制することができることを見出したものである。すなわち、熱可塑性樹脂の黄変が抑制され、透明性に優れた成形品が得られる。以下、各工程について詳細に説明する。
本発明方法における工程1は、反応器に原料モノマーを投入し、1mmHg以下の真空下で原料モノマーを溶融する工程である。溶融状態の原料モノマーは、酸素によって酸化劣化しやすく、このような原料モノマーを用いて重合反応を行うと、着色した熱可塑性樹脂が得られると推測される。本発明において、1mmHg以下の真空下で原料モノマーを溶融することにより、溶融状態の原料モノマーが酸素と接触するのを防ぐことができ、その結果、熱可塑性樹脂の黄変を抑制することができると考えられる。
本発明において真空下とは、反応器内の圧力条件として、1mmHg以下(0.133kPa以下)の減圧度を保った状態を意味する。空気漏れ込み量が1mmHg/h以下である反応装置を用いることにより、前記範囲内の減圧度を保つことができる。
原料モノマーとは、前記熱可塑性樹脂の重合の原料として用いるモノマーであって、前記樹脂の構成単位の少なくとも一部を構成するものである。
本発明方法における工程2は、前記工程1の後に、原料モノマーが溶融した状態で反応器内部の気相部を不活性ガスで置換する工程である。不活性ガスとしては、例えばヘリウム、アルゴン、窒素等のガスが挙げられ、好ましくは窒素ガスである。反応器内部の気相部を不活性ガスで置換するとは、圧力が1mmHg以下の真空下に保たれた反応器内に不活性ガスを導入して、真空圧から常圧に復圧する操作を行うことをいう。この操作を、少なくとも1回行えばよいが、2回以上繰り返すことが好ましい。
不活性ガスの復圧操作は加圧条件下で行なってもよい。復圧時の圧力は、反応器の耐圧上限値以下の範囲内で高圧であるほど置換率が上がるので好ましい。一方で、高圧すぎると脱圧時に一方内部溶液が同伴して排出されてしまう恐れがあることから、復圧時の不活性ガス圧力は1.0MPa以下が好ましい。
本発明方法における工程3は、該工程2の後に、反応器に触媒を投入し、原料モノマーを重合させて熱可塑性樹脂を製造する工程である。この工程3の重合工程は、熱可塑性樹脂の種類に応じて、公知の方法に従って行うことができる。例えば、熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂である場合には、工程3は、後述するエステル交換法(溶融重合法)によってポリカーボネート樹脂を製造する工程であることが好ましい。
工程3は、工程2で置換された不活性ガス雰囲気下で実施されることが好ましい。
ホスファイト系酸化防止剤及びホスフィン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルノニルホスファイト、ジフェニル(2-エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、トリス(2-エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジブチルハイドロジェンホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4’-ビフェニレンジホスホナイト、4,4’-イソプロピリデンジフェノールドデシルホスファイト、4,4’-イソプロピリデンジフェノールトリデシルホスファイト、4,4’-イソプロピリデンジフェノールテトラデシルホスファイト、4,4’-イソプロピリデンジフェノールペンタデシルホスファイト、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェニル)ジトリデシルホスファイト、1,1,3-トリス(2-メチル-4-トリデシルホスファイト-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、3,4,5,6-ジベンゾ-1,2-オキサホスファン-2-オキシド、トリフェニルホスフィン、ジフェニルブチルホスフィン、ジフェニルオクタデシルホスフィン、トリス(p-トリル)ホスフィン、トリス(p-ノニルフェニル)ホスフィン、トリス(ナフチル)ホスフィン、ジフェニル(ヒドロキシメチル)ホスフィン、ジフェニル(アセトキシメチル)ホスフィン、ジフェニル(β-エチルカルボキシエチル)ホスフィン、トリス(p-クロロフェニル)ホスフィン、トリス(p-フルオロフェニル)ホスフィン、ジフェニルベンジルホスフィン、ジフェニル-β-シアノエチルホスフィン、ジフェニル(p-ヒドロキシフェニル)ホスフィン、ジフェニル-1,4-ジヒドロキシフェニル-2-ホスフィン、フェニルナフチルベンジルホスフィン等が挙げられる。
工程3の重合反応後に使用する酸化防止剤の使用量としては、原料モノマーの合計に対して、好ましくは500~6000質量ppm、より好ましくは500~4000質量ppmである。酸化防止剤としてリン系酸化防止剤及びフェノール系酸化防止剤を組み合わせて使用する場合には、それぞれの使用量が、原料モノマーの合計に対して、好ましくは500~3000質量ppm、より好ましくは500~2000質量ppmである。
本発明方法で製造される熱可塑性樹脂としては、溶融重合法により製造されるものであれば特に制限がなく種々の熱可塑性樹脂を用いることができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、(変性)ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性及び耐衝撃性等の機械特性の観点から、ポリカーボネート樹脂、(変性)ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂が好ましく、ポリカーボネート樹脂がより好ましい。
熱可塑性樹脂としてのポリカーボネート樹脂は、芳香族ポリカーボネート樹脂であっても脂肪族ポリカーボネート樹脂であってもよいが、耐傷付性、耐候性、平行光線透過率に優れたポリカーボネート樹脂成形品を得る観点から、脂肪族ジヒドロキシ化合物に由来する脂肪族カーボネート繰り返し単位(A)を含む脂肪族ポリカーボネート樹脂が好ましい。本発明に係るポリカーボネート樹脂は、前記脂肪族カーボネート繰り返し単位(A)及び芳香族ジヒドロキシ化合物(二価フェノール)に由来する芳香族カーボネート繰り返し単位(B)を含むことがより好ましい。
X1で示される2価の基の具体例としては、後述する脂肪族ジヒドロキシ化合物から2つの水酸基を除いた2価の基が挙げられ、中でも下記一般式(1)で示される脂肪族ジヒドロキシ化合物から2つの水酸基を除いた2価の基が好ましい。
前記繰り返し単位(A)としては、下記一般式(a-1)、(a-2)及び(a-3)で表される繰り返し単位からなる群より選ばれる一つ以上を有することが好ましい。
脂肪族カーボネート繰り返し単位(A)は、脂肪族ジヒドロキシ化合物から誘導される。
脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。前記脂肪族ジヒドロキシ化合物は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
X2における芳香族基を含む炭化水素残基としては、芳香族炭化水素基がX2に隣接する酸素原子に結合する構造を有するものが好ましい。X2における芳香族基を含む炭化水素残基の中に、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、及びケイ素原子から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子から選ばれる少なくとも1つのハロゲン原子;炭素数1~20の脂肪族炭化水素基;炭素数5~20脂環式炭化水素基;並びに炭素数6~20の芳香族炭化水素基から選ばれる1種以上の基を含んでいてもよい。
X2で示される芳香族基を含む炭化水素残基の具体例として、後述する芳香族ジヒドロキシ化合物から2つの水酸基を除いた基等が挙げられる。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、様々なものを挙げることができるが、特に2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホキシド、及びビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトン等を挙げることができる。この他、ハイドロキノン、レゾルシン及びカテコール等を挙げることもできる。これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系が好ましく、特にビスフェノールAが好適である。
本発明に係るポリカーボネート樹脂の組成比は、脂肪族カーボネート繰り返し単位(A)と芳香族カーボネート繰り返し単位(B)のモル比(A/B)が、好ましくは99/1~0.5/99.5である。より好ましくは95/5~20/80、さらに好ましくは95/5~40/60である。
脂肪族カーボネート繰り返し単位比率を高くすることで、アッベ数が大きくなり易く、つまり色収差の少ない領域とすることが出来る。
また、脂肪族カーボネート繰り返し単位(A)を含むものを用いることで、芳香族カーボネート繰り返し単位(B)のみからなるポリカーボネート樹脂に比べて、さらに耐傷付性、耐候性、平行光線透過率に優れたポリカーボネート樹脂成形品を得ることができる。
脂肪族カーボネート繰り返し単位(A)及び芳香族カーボネート繰り返し単位(B)を有する共重合ポリカーボネートを1種単独、または2種以上を適宜組み合わせてブレンドすることにより、所望の組成比率に調整することができる。
本発明に係るポリカーボネート樹脂の組成は、前記繰り返し単位(A)及び(B)の他に効果を失わない程度に他のジヒドロキシ化合物に由来する繰り返し単位を含有してもよい。割合としては前記繰り返し単位(A)及び(B)の合計モル数に対して10モル%以下が好ましい。前記モル比は、プロトンNMRにて測定して算出する。
[η]=1.23×10-5Mv0.83
本発明に係るポリカーボネート樹脂の重量平均分子量(Mw)は、前記と同様の観点から、好ましくは10,000~50,000、より好ましくは10,000~35,000である。この重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により測定される。
ポリカーボネート樹脂の波長486.1nmの光に対する屈折率(nF)と波長656.3nmの光に対する屈折率(nC)との差(nF-nC)は、0.015以下であることが好ましく、0.013以下がより好ましく、0.011以下が更に好ましい。
本発明では、溶融重合法(エステル交換法)により原料モノマーを重合させることにより、ポリカーボネート樹脂が製造される(工程3)。好ましくは末端停止剤の存在下に、原料モノマーであるジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとをエステル交換法等により反応させることにより、ポリカーボネート樹脂が製造される。
炭酸ジエステルとしては、炭酸ジアリール化合物、炭酸ジアルキル化合物及び炭酸アルキルアリール化合物から選択される少なくとも1種の化合物である。
炭酸ジアリール化合物は、下記一般式(4)で表される化合物、又は下記一般式(5)で表される化合物である。
式(5)中、Ar3及びAr4はそれぞれアリール基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、D1は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸基2個を除いた残基を示す。
式(7)中、R23及びR24はそれぞれ炭素数1~20のアルキル基又は炭素数4~20のシクロアルキル基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、D2は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸基2個を除いた残基を示す。
そして、炭酸アルキルアリール化合物は、下記一般式(8)で表される化合物、又は下記一般式(9)で表される化合物である。
式(9)中、Ar6はアリール基,R26は炭素数1~20のアルキル基又は炭素数4~20のシクロアルキル基、D1は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸基2個を除いた残基を示す。
また、炭酸ジアルキル化合物としては、例えば、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ビスフェノールAビスメチルカーボネート等が挙げられる。
そして、炭酸アルキルアリール化合物としては、例えば、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカーボネート、ブチルフェニルカーボネート、シクロヘキシルフェニルカーボネート、ビスフェノールAメチルフェニルカーボネート等が挙げられる。
本発明において、炭酸ジエステルとしては、上記の化合物1種又は2種以上を適宜選択して用いるが、これらの中では、ジフェニルカーボネートを用いるのが好ましい。
例えば、ジヒドロキシ化合物のジエステル類として、例えば、ビスフェノールAのジ酢酸エステル、ビスフェノールAのジプロピオン酸エステル、ビスフェノールAのジブチル酸エステル、ビスフェノールAのジ安息香酸エステル等を挙げることができる。
また、ジヒドロキシ化合物のジ炭酸エステル類として、例えば、ビスフェノールAのビスメチル炭酸エステル、ビスフェノールAのビスエチル炭酸エステル、ビスフェノールAのビスフェニル炭酸エステル等を挙げることができる。
そして、ジヒドロキシ化合物のモノ炭酸エステル類として、例えば、ビスフェノールAモノメチル炭酸エステル、ビスフェノールAモノエチル炭酸エステル、ビスフェノールAモノプロピル炭酸エステル、ビスフェノールAモノフェニル炭酸エステル等を挙げることができる。
ポリカーボネート樹脂の製造においては、必要に応じて末端停止剤を用いることができる。末端停止剤としては、ポリカーボネート樹脂の製造における公知の末端停止剤を用いればよく、例えば、その具体的化合物としては、フェノール、p-クレゾール、p-tert-ブチルフェノール、p-tert-オクチルフェノール、p-クミルフェノール、p-ノニルフェノール、及びp-tert-アミルフェノール等の一価フェノールを挙げることができる。末端停止剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、必要に応じて、分岐剤を用いることもできる。分岐剤としては、例えばフロログルシン;トリメリット酸;1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン;1-〔α-メチル-α-(4’-ヒドロキシフェニル)エチル〕-4-〔α’,α’-ビス(4”-ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン;α,α’,α”-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼン;イサチンビス(o-クレゾール)などが挙げられる。分岐剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、ジヒドロキシ化合物、炭酸ジエステル、触媒、及び必要に応じ末端停止剤あるいは分岐剤等を用いてエステル交換反応を行い、ポリカーボネート樹脂を得ることができる。具体的には、公知のエステル交換法(溶融重合法)に準じて反応を進行させればよい。以下に、本発明の好ましい製造方法の手順及び条件を具体的に示す。
上記のエステル交換反応に当たって、前記の一価フェノール等からなる末端停止剤の存在量が、ジヒドロキシ化合物に対して、0.05~10モル%の範囲にあると、得られるポリカーボネート樹脂の水酸基末端が封止されるため、耐熱性及び耐水性に充分優れたポリカーボネート樹脂が得られる。
末端停止剤は、予め反応系に全量添加しておいてもよく、また予め反応系に一部添加しておき、反応の進行に伴って残部を添加してもよい。さらに場合によっては、前記ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのエステル交換反応が一部進行した後に、反応系に全量添加してもよい。
上述した通り、ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルとともに、酸化防止剤を同時に反応器に投入し、酸化防止剤存在下でエステル交換反応を行うことが好ましい。
また、反応圧力は、使用するモノマーの蒸気圧や反応温度に応じて設定される。これは、反応が効率良く行われるように設定されればよく、限定されるものではない。通常、反応初期においては、1~50atm(760~38,000torr)までの大気圧(常圧)ないし加圧状態にしておき、反応後期においては、減圧状態、好ましくは最終的には1.33~1.33×104Pa(0.01~100torr)にする場合が多い。
さらに、反応時間は、目標の分子量となるまで行えばよく、通常、0.2~10時間程度である。
また、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で行ってもよく、不活性ガスとしては、例えばアルゴン、二酸化炭素、一酸化二窒素、窒素等のガス、クロロフルオロ炭化水素、エタンやプロパン等のアルカン、エチレンやプロピレン等のアルケン等、各種のものが挙げられる。
このような重合触媒としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の、有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物、及びアルコキシド;4級アンモニウムヒドロキシド;アリール基を含む4級ホスホニウム塩等が好ましく用いられる。重合触媒は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アリール基を含む4級ホスホニウム塩は、含窒素有機塩基性化合物と組合せることが好ましく、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシドとテトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートとの組合せが好ましい。
前記金属触媒の使用量は、原料モノマー全量に対して好ましくは2モルppm以下、より好ましくは0.5~2モルppm、更に好ましくは0.8~2モルppmであり、前記有機系触媒の使用量は、原料モノマー全量に対して好ましくは300モルppm以下、より好ましくは2.5~200モルppm、更に好ましくは5~100モルppmである。
これらの触媒失活剤の使用量はアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物から選ばれる少なくとも1種の重合触媒を用いた場合、その触媒1モル当たり好ましくは0.5~50モルの割合で、より好ましくは0.5~10モルの割合で、更に好ましくは0.8~5モルの割合で使用することができる。
前記でも述べたように、触媒失活剤を添加し、重合反応を終了させた後に酸化防止剤を混合することが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記工程1~3を有する製造方法により得られた熱可塑性樹脂を含む。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、熱可塑性樹脂が有する特性を損なわない範囲で、周知の添加剤を用いることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、用途や必要に応じて公知の添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、各種フィラー、酸化防止剤、熱安定剤、可塑剤、光安定剤、重合金属不活性化剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、離型剤等が挙げられる。
酸化防止剤は、熱可塑性樹脂組成物の製造時や成形時の樹脂の分解を抑制することができる。酸化防止剤として例えば、工程3の説明で例示したものを用いることができる。
各種フィラーについて以下詳述する。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に配合することができるフィラーとしては、球状フィラー、板状フィラー、繊維状フィラー等が挙げられる。
球状フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、カオリン(ケイ酸アルミニウム)、シリカ、パーライト、シラスバルーン、セリサイト、ケイソウ土、亜硫酸カルシウム、焼成アルミナ、ケイ酸カルシウム、結晶ゼオライト、非晶質ゼオライト等が挙げられる。
板状フィラーとしては、例えば、タルク、マイカ、ワラストナイト等挙げられる。
繊維状フィラーとしては、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、ウオラストナイトのような針状のもの、マグネシウムオキシサルフェイト、チタン酸カリウム繊維、繊維状炭酸カルシウムのような繊維状のもの等が挙げられる。
ガラス繊維としては、含アルカリガラス、低アルカリガラス、及び無アルカリガラス等を原料としたいずれをも好適に使用することができる。
これらのガラス繊維の形態は、特に制限はなく、例えば、ロービング、ミルドファイバー、及びチョップドストランド等いずれの形態のものも使用することができる。
ガラス繊維の市販品としては、CSH-3PA(日東紡績株式会社製)、T511(日本電気硝子株式会社製)、MA409C(旭ファイバーグラス株式会社製)等が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を強化する観点から、ガラスフィラーを含むことが好ましく、ガラス繊維を含むことがより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物中に含まれるガラスフィラーの含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましくは5質量部以上80質量部以下で、より好ましくは10質量部以上60質量部以下、さらに好ましくは15質量部以上40質量部以下である。
前記ガラスフィラーの含有量が5質量部未満の場合、機械物性の向上が充分に得られない。また、前記ガラスフィラーの含有量が80質量部を超えると、樹脂とガラスとの接触界面が増大し、成形品の高い透明性が低下し、成形時の流動性が低下する。
本発明の成形品は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を含むものである。当該成形品は、前記熱可塑性樹脂組成物の溶融混練物、又は、溶融混練を経て得られたペレットを原料として、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法、及び発泡成形法等により製造することができる。特に、得られたペレットを用いて、射出成形法又は射出圧縮成形法により成形品を製造することが好ましい。
中でも、耐候性が良好で、経時的な成形品表面の摩耗を防ぐことができることから、ハードコート膜の被膜が形成されていることが特に好ましい。ハードコート膜の材質は特に限定されず、アクリレート系ハードコート剤、シリコーン系ハードコート剤、無機系ハードコート剤等の公知の材料を用いることができる。
前記光学物性を備えた成形品は透明性に優れたものであるので、高い透明性を要求される用途において使用することができる。なお、可視光に対する全光線透過率はJIS-K7361もしくはASTM D1003に準じて測定し、ヘイズはJIS-K7105もしくはASTM D1003に準じて測定することができる。
なお、各例における特性値は、以下に示す要領に従って求めた。
核磁気共鳴(NMR)測定装置(日本電子株式会社製;JNM-AL500)を用いて、1H-NMRを測定し、各原料モノマーの共重合量(組成比)を算出し、ポリカーボネート樹脂の末端構造のヒドロキシル基/フェノール末端のモル比を算出した。
ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液(濃度:g/L)の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求め、次式(Schnell式)にて粘度平均分子量(Mv)を算出した。
[η]=1.23×10-5Mv0.83
重量平均分子量(Mw)は、展開溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した。GPCは、カラムとして東ソー株式会社製TSKgel MultiporeHXL-Mを2本及びShodex KF801を1本、連結して用い、検出器に示差屈折率検出器(RI)を用いて温度40℃、流速1.0mL/分の条件で測定を行い、標準ポリスチレン換算分子量(重量平均分子量:Mw)として測定した。
アッベ屈折計(METRICON社製 MODEL 2010/M PRISM COUPLER)で、波長656.3nm(C線)、589.3nm(D線)、486.1nm(F線)の干渉フィルターを用いて、各波長の屈折率、nC、nD、nFを測定した。
測定試料は樹脂を130~220℃で圧縮成形し、厚み1mmの板を作製、測定試験片とした。
ポリカーボネート樹脂を用いてティー・エイ・インスツルメント(株)製の熱分析システムDSC-2910を使用して、JIS K 7121:2012に準拠して窒素雰囲気下(窒素流量:40mL/min)、昇温速度:20℃/minの条件下で測定した。
重合により得られたポリカーボネート樹脂3gをガラススクリュー管に入れ、そこへクロロホルム27gを投入する。その後、1時間程度シェーカーにて振とうし、ポリカーボネート樹脂を完全にクロロホルムに溶解させる。得られた10質量%クロロホルム溶液を光路長50mm石英ガラスセルに注ぎ込み、200~800nmの吸光度を測定する。
(工程1)
攪拌装置、及び蒸留器を備えた、500mLのステンレス製反応器に、原料モノマーとして、ビスフェノールA(出光興産株式会社製)38.4g、イソソルビド(ロケット・フレール社製)49.0g、トリシクロデカンジメタノール(オクセアジャパン株式会社製)65.9g、及び炭酸ジフェニル(三井化学ファイン株式会社製)183.0gを投入した。真空チューブを用い反応装置を真空ポンプと接続した。また窒素ガスを供給するため、窒素ラインを反応装置と接続した。用いた炭酸ジフェニルの10質量%溶液における吸光度を光路長50mmで測定した、波長420nmにおける吸光度は0.004であった。
室温状態で、真空ポンプのフルバキューム下、1mmHg(0.133kPa)以下へ減圧する操作と、窒素ラインを使い窒素ガスを供給しながら常圧へ復圧する操作(窒素復圧)とを3回繰り返し、反応器内部の気相部を窒素ガスで置換した。
次に、フルバキューム状態で内温を100℃に昇温し、100℃に到達した後、原料モノマーが完全に溶融するまで20rpm程度の撹拌速度で撹拌した。
目視でモノマーの溶融を確認した後、上記と同様にして、窒素置換操作を3回実施した。
次に、触媒として0.01mol/L水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)0.1mL及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド20質量%水溶液(和光純薬工業株式会社製)0.08mLを反応器に投入し、撹拌回転数を150rpmにセットし、20~30分程度かけて反応器温度180℃、減圧度100mmHg(13.3kPa)まで昇温・減圧し、180℃、100mmHgに到達後、フェノール留出量が75mLとなるまで上記反応条件を保持した。フェノール留出量が75mLとなったら10~20分程度かけて反応器の内温200℃、減圧度10mmHg(1.33kPa)まで昇温・減圧し、200℃、10mmHgに到達後、フェノール留出量が130mLとなるまで上記反応条件を保持した。さらに、フェノール留出量が130mLとなったら、10~20分程度かけて反応器内を減圧度5mmHgまで減圧し、減圧度が5mmHgに到達したら、10~20分程度かけて1mmHg以下まで減圧した。その後、所定反応時間となったら窒素復圧(大気圧)し、失活剤として、p-トルエンスルホン酸ブチル(東京化成工業株式会社製)0.02mL、及びフェノール系酸化防止剤(ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASFジャパン株式会社製、商品名:イルガノックス1010)を原料モノマー合計に対して1,500質量ppm、及びリン系酸化防止剤(トリス-(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、BASFジャパン株式会社製、商品名:イルガフォス168)を原料モノマー合計に対して1,500質量ppmを投入し、5分以上撹拌した後、反応器内から目的のポリカーボネート共重合体(共重合PC)を得た。ポリカーボネート共重合体の重量平均分子量、波長589.3nmの光に対する屈折率(nD)、アッベ数、ガラス転移温度及び溶液吸光度(波長420nm)を測定した結果を表1に示す。
実施例1の(工程1)における原料モノマー溶融時に、圧力を1mmHg(133.3Pa)以下に減圧する操作を行わず、(工程1)及び(工程2)を、大気圧の窒素ガス雰囲気下で実施したこと以外は実施例1と同様に実施した。
二軸押出成形機(東芝機械株式会社製、TEM-37SS)を用い、シリンダー温度240℃にて実施例1で得られた共重合PC(80質量部)及び、GFとしてガラス繊維(T511:日本電気硝子株式会社製、20質量部)を混練し、熱可塑性樹脂組成物のペレット(GF-PCペレット)を作製した。このGF-PCペレットを塩化メチレンに投入して、メンブレンフィルターを用いたろ過により塩化メチレンに不溶なGFを除去した。得られる共重合PC溶液を100℃窒素気流下で乾燥させ、塩化メチレンを除去することにより共重合PCを得た。得られた共重合PCから作製したクロロホルム溶液(10質量%)の吸光度を測定すると、420nmにおける吸光度(光路長50mm)は0.11であり、黄変度が小さく良好な外観を有することを確認した。
使用するPCを比較例1で得られたPCを使う以外は、実施例2と同様に実施した。F-PCペレットからGFを除去して得られた共重合PCから作製したクロロホルム溶液(10質量%)の吸光度を測定すると、420nmにおける吸光度(光路長50mm)は0.79であった。比較例2で得られたコンパウンドの黄変度は大きく、外観不良を引き起こすことがわかる。
Claims (15)
- 下記工程1~3を有し、該下記工程の原料モノマーが、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、1,3-アダマンタンジメタノール、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン、3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、2-(5-エチル-5-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキサン-2-イル)-2-メチルプロパン-1-オール、イソソルビド、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオールからなる群より選ばれる少なくとも一つの脂肪族ジヒドロキシ化合物を含む、ポリカーボネート樹脂の製造方法。
工程1:反応器に原料モノマーを投入し、1mmHg以下の真空下で原料モノマーを溶融する工程
工程2:該工程1の後に、原料モノマーが溶融した状態で反応器内部の気相部を不活性ガスで置換する工程
工程3:該工程2の後に、反応器に触媒を投入し、原料モノマーを重合させてポリカーボネート樹脂を製造する工程 - 前記原料モノマーが前記脂肪族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを含む、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記ポリカーボネート樹脂の波長589.3nmにおける屈折率が1.450以上1.590以下である、請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記ポリカーボネート樹脂が、前記脂肪族ジヒドロキシ化合物に由来する脂肪族カーボネート繰り返し単位(A)を含み、前記脂肪族カーボネート繰り返し単位(A)が、下記式(I)で表されるものである、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
(式中、X1は炭素数2~20の2価の脂肪族炭化水素基又は炭素数4~22の2価の脂環式炭化水素基を示す。前記2価の脂肪族炭化水素基及び2価の脂環式炭化水素基は、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含んでもよく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選ばれる少なくとも1つのハロゲン原子を含んでもよい。) - 前記工程3における触媒が金属触媒と有機系触媒との組み合わせである、請求項1~5のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記金属触媒の添加量が原料モノマー全量に対して2モルppm以下、前記有機系触媒の添加量が原料モノマー全量に対して300モルppm以下である、請求項6に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記工程1における昇温後の反応器内の温度が70℃以上180℃以下である、請求項1~7のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記工程3における重合温度が100℃以上330℃以下である、請求項1~8のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 炭酸ジエステルの10質量%溶液における吸光度を光路長50mmで測定した場合に、波長420nmにおける吸光度が0.015以下である炭酸ジエステルを原料として用いる、請求項2~9のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記工程3において、酸化防止剤の存在下で原料モノマーを重合させる、請求項1~10のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 工程3の重合反応終了後に酸化防止剤を混合する、請求項1~11のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記原料モノマーがさらに芳香族ジヒドロキシ化合物を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記芳香族ジヒドロキシ化合物がビスフェノールAを含む、請求項13に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記重合がエステル交換法による重合である請求項1~14のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
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