JP7063113B2 - 車室への騒音抑制構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車室への騒音抑制構造に関する。
特許文献1には、ダッシュパネルに空気層を介して緻密多孔室吸音体を取付けた車両が開示されている。
特開2005-112088号公報
特許文献1の車両において、ダッシュパネルと、インストルメントパネルの下壁部の前端面との間には、開口部が形成されている。ここで、車両のパワーユニット室内でのエンジン等の駆動による騒音や前輪のロードノイズによる騒音は、ダッシュパネルで一部が遮音されるものの、残りがダッシュパネルとインストルメントパネルとの間の空間部に伝達される。そして、この騒音は、空間部から開口部を通して車室に伝達される。つまり、車両において、ダッシュパネルとインストルメントパネルの下壁部とで形成される開口部から車室に伝達される騒音を抑制するには、改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、ダッシュパネルとインストルメントパネルの下壁部とで形成される開口部から車室に伝達される騒音を抑制することができる車室への騒音抑制構造を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係る車室への騒音抑制構造は、車両前方側に配置されたパワーユニット室と車室とを隔成するダッシュパネルと、車両前方側へ延出されて前記ダッシュパネルとで開口部を形成する下壁部を備え、前記ダッシュパネルを車両後方側から覆うインストルメントパネルと、前記開口部を覆うカバー部及び前記ダッシュパネルと前記インストルメントパネルとの間の空間部を車幅方向に仕切る仕切部の少なくとも一方とを備える遮音部材と、を有し、前記遮音部材は、前記ダッシュパネルの後面に取付けられた基部をさらに有し、前記カバー部及び前記仕切部は、前記下壁部よりも車両上方側において前記基部に重ねて固定された縦板部を備えており、前記カバー部は、前記縦板部の下端部から車両後方側へ延在されて前記下壁部と接触し前記開口部を覆う横板部を備えており、前記仕切部は、前記縦板部の車幅方向一端部から車両後方側へ延在されて前記下壁部と接触し前記空間部を運転席側と助手席側とに仕切る側板部を備えている
請求項1に記載の本発明に係る車室への騒音抑制構造では、ダッシュパネルに対するパワーユニット室側からの騒音が、ダッシュパネルとインストルメントパネルとの間の空間部に伝達される。この空間部に伝達された騒音の一部は、インストルメントパネルで反射され、開口部に向けて伝達される。ここで、開口部に向けて伝達される騒音は、開口部を覆うカバー部及び空間部を仕切る仕切部の少なくとも一方において、反射等による分散作用、遮音部材を振動させるための運動エネルギーとして消費される消費作用等により低減される。これにより、開口部から車室に伝達される騒音が、遮音部材が無い構成の騒音に比べて低減されるので、開口部から車室に伝達される騒音を抑制することができる。
また、請求項に記載の本発明に係る車室への騒音抑制構造の遮音部材は、ダッシュパネルの後面に取付けられた基部を有する。さらに、カバー部及び仕切部は、下壁部よりも車両上方側において基部に重ねて固定された縦板部を備えており、カバー部は、縦板部の下端部から車両後方側へ延在されて下壁部と接触し開口部を覆う横板部を備えており、仕切部は、縦板部の車幅方向一端部から車両後方側へ延在されて下壁部と接触し空間部を運転席側と助手席側とに仕切る側板部を備えている。
請求項に記載の本発明に係る車室への騒音抑制構造では、パワーユニット室側からダッシュパネルとインストルメントパネルとの間の空間部に向かう騒音が、ダッシュパネルに取付けられた基部における分散作用、消費作用等により低減される。さらに、カバー部を備えている場合、ダッシュパネルとインストルメントパネルとの間の空間部から開口部を通って車室に向かう騒音が、開口部を覆うカバー部における分散作用、消費作用等により低減される。このように、騒音が二段階で低減されるので、開口部から車室に伝達される騒音をさらに抑制することができる。
一方、仕切部を備えている場合、空間部において、助手席側から運転席側に向かう騒音及び運転席側から助手席側に向かう騒音が、仕切部における分散作用、消費作用等により低減される。このように、パワーユニット室側から空間部に向かう騒音が低減されると共に、該空間部における運転席側に向かう騒音及び助手席側に向かう騒音が低減されるので、開口部から車室に伝達される騒音をさらに抑制することができる。
請求項に記載の本発明に係る車室への騒音抑制構造の前記基部は、弾性変形可能とされ、前記遮音部材は、前記基部の密度よりも高い密度を有する高密度部を備え、前記高密度部は、前記開口部よりも車両下方側で車両後方側から前記基部に取付けられている。
請求項に記載の本発明に係る車室への騒音抑制構造では、開口部よりも車両下方側において、パワーユニット室側からダッシュパネルを介して、直接、車室に向かう騒音が存在する。ここで、弾性変形可能な基部がバネとして機能することで、騒音のエネルギーの一部が、基部を弾性変形させる運動エネルギーに変換されて消費される。さらに、高密度部がマスとして機能することで、高密度部の自重(重力加速度)による抵抗力が、基部の振動を減衰させる。このように、騒音のエネルギーの一部が基部及び高密度部によって減衰されるので、パワーユニット室側からダッシュパネルを介して、直接、車室に向かう騒音を抑制することができる。
請求項に記載の本発明に係る車室への騒音抑制構造の前記高密度部は、前記横板部と接触する。
請求項に記載の本発明に係る車室への騒音抑制構造では、開口部よりも車両下方側で基部に取付けられた高密度部が横板部と接触することで、カバー部が高密度部により支持される。これにより、カバー部の自重による変形が高密度部から受ける反力によって抑制されるので、カバー部の形状を保持することができる。
請求項に記載の本発明に係る車室への騒音抑制構造の助手席側の前記開口部の大きさは、運転席側の前記開口部の大きさに比べて小さくされ、前記遮音部材の車幅方向中央よりも助手席側に位置する部分の質量は、前記遮音部材の車幅方向中央よりも運転席側に位置する部分の質量に比べて小さくされている。
請求項に記載の本発明に係る車室への騒音抑制構造では、助手席側の開口部の大きさが運転席側の開口部の大きさに比べて小さい。このため、助手席側の空間部から助手席側の開口部を通る騒音は、運転席側の空間部から開口部を通る騒音に比べて小さくなる。つまり、助手席側の開口部から車室に伝達される騒音は、運転席側の開口部から車室に伝達される騒音よりも小さくなる。ここで、助手席側に位置する遮音部材の質量が、運転席側に位置する遮音部材の質量に比べて小さくても、助手席側の騒音が小さいことから、車室に騒音が伝達され難い。つまり、助手席側の遮音部材の質量を過剰に増やさずに騒音が抑制されるので、助手席側において、防音品質が過剰となるのを抑制することができる。
請求項1に係る車室への騒音抑制構造によれば、ダッシュパネルとインストルメントパネルの下壁部とで形成される開口部から車室に伝達される騒音を抑制することができる。
また、請求項に係る車室への騒音抑制構造によれば、開口部から車室に伝達される騒音をさらに抑制することができる。
請求項に係る車室への騒音抑制構造によれば、パワーユニット室側からダッシュパネルを介して、直接、車室に向かう騒音を抑制することができる。
請求項に係る車室への騒音抑制構造によれば、カバー部の形状を保持することができる。
請求項に係る車室への騒音抑制構造によれば、助手席側において、防音品質が過剰となるのを抑制することができる。
第1実施形態に係る車両の全体構成図である。 第1実施形態に係る車室においてインストルメントパネルを車両後方側から見た正面図である。 第1実施形態に係る遮音部材が取付けられたダッシュパネルを車両後方側から見た正面図である。 第1実施形態に係るダッシュパネルを車両後方側から見た正面図である。 第1実施形態に係る車室において車両前方側の部分を車両後方側から見た状態を模式的に示す説明図である。 第1実施形態に係る車室において車両前方側且つ運転席側の部分を車幅方向から見た場合の縦断面図(図5の6-6線断面図)である。 第1実施形態に係る遮音部材のスリットを示す説明図である。 第1実施形態に係る車室において車両前方側且つ助手席側の部分を車幅方向から見た場合の縦断面図(図5の8-8線断面図)である。 第2実施形態に係る車室において車両前方側の部分を車両後方側から見た状態を模式的に示す説明図である。 第2実施形態に係る車室において車両前方側且つ運転席側の部分を車幅方向から見た場合の縦断面図(図9の10-10線断面図)である。 第2実施形態に係る車室において車両前方側且つ助手席側の部分を車幅方向から見た場合の縦断面図(図9の11-11線断面図)である。 第2実施形態に係る遮音部材の側板部及び側板部の周辺部を示す説明図である。 変形例に係る車室において車両前方側の部分を車両後方側から見た状態を模式的に示す説明図である。 変形例に係る遮音部材を示す説明図である。 他の変形例に係る遮音部材の構成を示す説明図である。
[第1実施形態]
第1実施形態の車両10について説明する。各図に適宜示す矢印FRは車両前方(進行方向)を示しており、矢印UPは車両上方を示しており、矢印OUTは車幅方向外側を示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、進行方向を向いた場合の車幅方向の左右を示すものとする。なお、図1では、車両10における騒音を模式的に矢印Sで示している。
図1に示す車両10は、車体11と、車室への騒音抑制構造の一例としての騒音抑制構造30とを含んで構成されている。また、車両10は、一例として、右ハンドル仕様とされている。さらに、車両10は、車両前方側に配置されたパワーユニット室12と、乗員Pが着座する図示しないシートが設けられた車室14とを有する。パワーユニット室12には、パワーユニット22が収容されている。
車体11は、車室14の床を構成するフロアパネル16を含んでいる。フロアパネル16の車幅方向略中央部には、車両上方側へ突出され且つ車両前後方向に延在された図示しないフロアトンネルが設けられている。このフロアトンネルによって、車室14の前部が、運転席21と助手席23(図2参照)とに区画されている。
〔騒音抑制構造〕
騒音抑制構造30は、ダッシュパネル32と、インストルメントパネル34と、遮音部材36とを有する。
<ダッシュパネル>
ダッシュパネル32は、車室14の前部を構成している。ダッシュパネル32の車両後方側には、後述するインストルメントパネル34が設けられている。また、ダッシュパネル32は、車幅方向から見た場合に、フロアパネル16の前端部から斜め上方へ延びる傾斜部32Aと、傾斜部32Aの上端部から車両上下方向に沿って上側へ延びる縦壁部32Bとを有する。そして、ダッシュパネル32は、パワーユニット室12と車室14とを車両前後方向に隔成している。なお、ダッシュパネル32は、車両後方側の面である後面の一例としての被取付面35を有する。
図4に示すダッシュパネル32は、鋼板がプレス成形されることで形成されている。また、ダッシュパネル32は、車両後方側から見た場合に、上壁部33A、左右のサイド部33B、33C及び左右の下壁部33D、33Eを含んで構成されている。上壁部33Aは、ダッシュパネル32の車両上方側の部分を構成すると共に、車両前後方向を板厚方向として所定の高さまで延在されている。
左のサイド部33Bは、ダッシュパネル32の車幅方向他方側(助手席23側)の部分を構成しており、車両後方側に膨出されている。また、左のサイド部33Bは、車両10の前輪13(図1参照)が納まるホイールハウス24の一部を構成している。右のサイド部33Cは、ダッシュパネル32の車幅方向一方側(運転席21側)の部分を構成しており、車両後方側に膨出されている。なお、右のサイド部33Cは、車両10の車幅方向中央に対して左のサイド部33Bと左右対称に構成されている。
左の下壁部33Dは、上壁部33Aよりも車両下方側から車両後方下側に延出され且つ左のサイド部33Bと繋がっている。右の下壁部33Eは、上壁部33Aよりも車両下方側から車両後方下側に延出され且つ右のサイド部33Cと繋がっている。左の下壁部33Dと右の下壁部33Eとは、車幅方向に離れて配置されている。これにより、ダッシュパネル32の車幅方向中央下部には、車両下方側に開放された切欠部33Fが形成されている。切欠部33Fには、図示しないフロアトンネルが接続されている。
図3に示すように、ダッシュパネル32の被取付面35には、遮音部材36が取付けられている。なお、遮音部材36の詳細については後述する。
図2に示すダッシュパネル32の運転席21側の部分には、アクセルペダル26及びブレーキペダル28が設けられている。アクセルペダル26は、ダッシュパネル32に取付けられたハウジング25A(図5参照)から吊り下げられている。ブレーキペダル28は、ダッシュパネル32に取付けられたハウジング25B(図5参照)から吊り下げられている。アクセルペダル26は、ハウジング25Aから下側へ延びるアーム部26Aと、アーム部26Aに取付けられたペダル部26Bとを有する。ブレーキペダル28は、ハウジング25Bから下側へ延びるアーム部28Aと、アーム部28Aに取付けられたペダル部28Bとを有する。
<インストルメントパネル>
インストルメントパネル34は、車両10の内装部材の一部を構成している。また、インストルメントパネル34は、ダッシュパネル32の縦壁部32Bを車両後方側から覆っている。インストルメントパネル34の運転席21側における車幅方向中央下部からは、図示しないステアリング用連結柱が上斜め後方へ向かって延出されている。このステアリング用連結柱の後端部には、ステアリングホイール29が設けられている。
さらに、インストルメントパネル34は、車幅方向及び車両前後方向に延在された上壁部42と、上壁部42の車両前後方向後端部から下側へ延在された後壁部43と、後壁部43の下端から車両前方側へ延出された下壁部44とを含んで構成されている。下壁部44は、インストルメントパネル34の車両上下方向の下端部を構成している。また、下壁部44は、運転席21側の第1下壁44Aと、助手席23側の第2下壁44Bとを有する。
図6に示すように、下壁部44の前端面45とダッシュパネル32とで、開口部46が形成されている。開口部46は、車両上下方向に開口されている。また、開口部46は、ダッシュパネル32とインストルメントパネル34との間の空間部48と、車室14とを連通させている。なお、以後の説明では、運転席21側の開口部46を第1開口部46Aと称し、助手席23(図8参照)側の開口部46を第2開口部46B(図8参照)と称して区別する。ハウジング25A及びハウジング25B(図5参照)は、空間部48に配置されている。
第1開口部46Aには、アーム部26A及びアーム部28A(図2参照)が車両前後方向に移動可能となるように、車両上下方向に挿通されている。換言すると、第1開口部46Aの車両前後方向の幅は、アーム部26A及びアーム部28Aの移動を規制しない大きさに設定されている。
図8に示す第2開口部46Bの車両前後方向の幅は、第1開口部46A(図6参照)の車両前後方向の幅よりも狭く、一例として、5mm程度とされている。つまり、第2開口部46Bの大きさは、第1開口部46Aの大きさに比べて小さくされている。なお、助手席23側において、空間部48には、図示しないエアコンユニットが設けられている。
<遮音部材>
図5には、インストルメントパネル34を透過させて遮音部材36を車両後方側から見た状態が模式的に示されている。遮音部材36は、ダッシュパネル32の被取付面35に取付けられており、ダッシュインナサイレンサとして機能する部材である。なお、ダッシュパネル32のパワーユニット室12(図1参照)側には、図示しないダッシュアウタサイレンサが取付けられている。
遮音部材36は、一例として、下壁部44よりも車両上方側に配置された上側抑制部52と、下壁部44よりも車両下方側に配置された下側抑制部54とを有する。そして、遮音部材36は、開口部46を覆うように配置されており、車室14に伝達される騒音を、後述する分散作用、消費作用等により抑制する機能を有する。
(上側抑制部)
図6に示すように、上側抑制部52は、基部の一例としての第1吸音部材56と、カバー部の一例としての第2吸音部材58とを有する。上側抑制部52の構造は、第1吸音部材56及び第2吸音部材58がダッシュパネル32側からこの順に重ねられた二層構造とされている。なお、上側抑制部52は、後述するスリット66を除いて、運転席21側と助手席23(図2参照)側とで同様の構成とされている。また、上側抑制部52は、下壁部44の下面44Cの車両上下方向における高さを表す仮想線Cよりも車両上方側に配置されている。
第1吸音部材56は、弾性変形可能な繊維材が圧縮されることで形成された板状のフェルト材(不織布)で構成されている。また、第1吸音部材56は、ダッシュパネル32の被取付面35のほぼ全体に亘って配置させることが可能な大きさ及び形状に形成されている。そして、第1吸音部材56は、傾斜部32A及び縦壁部32Bの被取付面35に、接着剤を用いて取付けられている。つまり、上側抑制部52の第1吸音部材56は、一例として、後述する下側抑制部54の第1吸音部材56と一体とされている。
第2吸音部材58は、弾性変形可能な繊維材が圧縮されることで形成された板状のフェルト材(不織布)で構成されている。また、第2吸音部材58は、第1吸音部材56に対して車両後方側から重ねられ、接着剤で固定されている。第2吸音部材58の密度(単位面積当たりの質量で表される面密度)は、一例として、第1吸音部材56の密度と同程度に設定されている。
具体的には、第2吸音部材58は、第1吸音部材56に固定された縦板部62と、縦板部62の下端部から車両後方側へ延在された横板部64とを有する。第2吸音部材58を車幅方向から見た場合の断面形状は、略L字状とされている。横板部64の形状及び大きさは、第1開口部46Aを上方から覆う形状及び大きさとされている。つまり、横板部64は、縦板部62の下端部から第1下壁44Aの上面まで車両前後方向に延在されており、車両上下方向から見た場合に第1開口部46Aを車両上方側から覆っている。さらに、横板部64の車両後方側の一部は、第1下壁44Aの上面と接触されている。
図7に示すように、横板部64を車両上方側から見た場合に、横板部64の運転席21側の一部には、スリット66が形成されている。なお、図7では、スリット66の構成を分かり易く示すために、スリット66を車両前後方向及び車幅方向に拡大して示している。また、横板部64には、スリット66が2つ形成されているが、図7では、一方のスリット66を示しており、他方のスリット66の図示を省略している。
スリット66は、車両上方側から見た場合に、車両前後方向を長手方向とし車幅方向を短手方向とする矩形状に形成されている。また、スリット66は、横板部64を車両上下方向に貫通している。そして、スリット66には、アーム部26Aが車両上下方向に挿通されている。他方のスリット66には、アーム部28A(図2参照)が車両上下方向に挿通されている。スリット66の車両前後方向の長さは、アーム部26A及びアーム部28Aの移動範囲における車両前後方向の長さに合わせて設定されている。
ここで、アーム部26A及びアーム部28Aが車両前後方向に移動された場合に、スリット66の内壁面は、アーム部26A及びアーム部28Aと僅かに接触される。しかし、横板部64は、自重によって垂れ下がり且つ第1下壁44Aに載っているために、アーム部26A及びアーム部28Aが車両前後方向に移動しても、ほとんど変位されない。つまり、アーム部26A及びアーム部28Aが車両前後方向に移動された場合でも、開口部46は、横板部64によって覆われる(閉止される)ようになっている。
図8に示すように、横板部64は、助手席23側において、第2下壁44Bまで延びている。そして、横板部64は、第2開口部46Bを車両上方側から覆っている。このように、上側抑制部52は、第1開口部46A(図6参照)及び第2開口部46Bを覆っている。
(下側抑制部)
図5に示す下側抑制部54は、ダッシュパネル32の車幅方向中央に対する運転席21側の部位を構成する運転席側抑制部72と、ダッシュパネル32の車幅方向中央に対する助手席23側の部位を構成する助手席側抑制部74とを有する。つまり、遮音部材36は、車両後方側から見た場合に、車両前後方向の層構成が異なる3つの部位で構成されている。
図6に示す運転席側抑制部72は、第1吸音部材56と、高密度部の一例としての高密度部材76と、第3吸音部材78とを備えている。運転席側抑制部72の構造は、第1吸音部材56、高密度部材76及び第3吸音部材78がダッシュパネル32側からこの順に重ねられた三層構造とされている。
運転席側抑制部72における第1吸音部材56は、仮想線Cからフロアパネル16の前端部近傍まで延びている。また、運転席側抑制部72における第1吸音部材56は、傾斜部32A及び縦壁部32Bの被取付面35に車両後方側から重ねられ、接着剤を用いて取付けられている。
高密度部材76は、第1吸音部材56及び第2吸音部材58の材質よりも密度が高い材質で構成され、一例として、オレフィン樹脂を含む樹脂材料で構成されている。換言すると、高密度部材76は、第1吸音部材56及び第2吸音部材58の密度よりも高い密度を有する。また、高密度部材76は、下壁部44(開口部46)よりも車両下方側で車両後方側から、第1吸音部材56に接着剤を用いて取付けられている。さらに、高密度部材76は、縦板部62の下端から第1吸音部材56の下端まで延在されている。高密度部材76の上端は、仮想線Cよりも上側で且つ第1開口部46A内に配置されており、第2吸音部材58の横板部64と接触されている。換言すると、高密度部材76は、横板部64を支持している。
第3吸音部材78は、横板部64の車両前方側の下面からフロアパネル16の前端部近傍まで延びている。また、第3吸音部材78は、高密度部材76に車両後方側から重ねられ、接着剤を用いて取付けられている。第3吸音部材78の密度は、一例として、第2吸音部材58の密度と同程度に設定されている。なお、第3吸音部材78は、運転席側抑制部72の意匠面を構成している。第3吸音部材78も横板部64を支持している。
図8に示す助手席側抑制部74は、一例として、第1吸音部材56及び高密度部材76を有する。なお、助手席側抑制部74は、第3吸音部材78(図6参照)を有していない。このため、助手席側抑制部74の質量は、運転席側抑制部72(図6参照)の質量に比べて小さい。換言すると、遮音部材36の車幅方向中央よりも助手席23側に位置する部分の質量は、遮音部材36の車幅方向中央よりも運転席21(図6参照)側に位置する部分の質量に比べて小さくされている。助手席側抑制部74の構造は、第1吸音部材56及び高密度部材76がダッシュパネル32側からこの順に重ねられた二層構造とされている。
助手席側抑制部74における第1吸音部材56は、仮想線Cからフロアパネル16の前端部近傍まで延びている。また、助手席側抑制部74における第1吸音部材56は、傾斜部32A及び縦壁部32Bの被取付面35に車両後方側から重ねられ、接着剤を用いて取付けられている。
高密度部材76は、第1吸音部材56に車両後方側から重ねられ、接着剤を用いて取付けられている。また、高密度部材76は、縦板部62の下端から第1吸音部材56の下端まで延在されている。高密度部材76の上端は、仮想線Cよりも上側で且つ第2開口部46Bに配置されており、第2吸音部材58の横板部64と接触されている。換言すると、高密度部材76は、横板部64を支持している。
ここで、運転席側抑制部72の第1吸音部材56(図6参照)と、助手席側抑制部74の第1吸音部材56とは、一体とされている。運転席側抑制部72の高密度部材76(図6参照)と助手席側抑制部74の高密度部材76とは、一体とされている。
図6及び図8に示す下側抑制部54において、第1吸音部材56は、高密度部材76に比べて密度が低いので弾性変形され易い。一方、高密度部材76は、第1吸音部材56に比べて密度が高いので弾性変形され難い。つまり、第1吸音部材56及び高密度部材76について微視的に見ると、第1吸音部材56の一部がバネとして機能すると共に、高密度部材76の一部がマスとして機能する振動系(バネマス系)が構成されているとみなすことができる。
下側抑制部54の振動系では、パワーユニット室12からの騒音によって第1吸音部材56が加振されることで、騒音のエネルギーの一部が、振動系の運動エネルギーに変換されて消費される。また、この振動系では、高密度部材76の自重(重力加速度)等による抵抗力が作用する。騒音の持つエネルギーによる振動系の振動は、この抵抗力によって減衰される。つまり、下側抑制部54では、振動系を有さない構成に比べて、騒音の吸収性能が高められている。
〔作用並びに効果〕
次に、第1実施形態の騒音抑制構造30の作用並びに効果について説明する。
図6及び図8に示す騒音抑制構造30では、ダッシュパネル32に対するパワーユニット室12側からの騒音が、空間部48に伝達される。空間部48に伝達された騒音の一部は、インストルメントパネル34で反射されることで開口部46に向けて伝達されるが、この騒音は、遮音部材36によって抑制される。
具体的には、遮音部材36を透過する騒音は、主に2つの作用によって、遮音部材36を透過する前に比べて低減される。1つの作用は、騒音の一部が遮音部材36の内部で分散(反射を含む)される分散作用である。もう1つの作用は、騒音のエネルギーの一部が遮音部材36に吸収され、遮音部材36を振動させるための運動エネルギーとして消費される消費作用である。これらの作用により、開口部46から車室14に伝達される騒音が、遮音部材36が無い構成の騒音に比べて低減されるので、開口部46から車室14に伝達される騒音を抑制することができる。
また、騒音抑制構造30では、パワーユニット室12側から空間部48に向かう騒音が、ダッシュパネル32に取付けられた第1吸音部材56における分散作用、消費作用等により低減される。さらに、空間部48から開口部46を通って車室14に向かう騒音が、開口部46を覆う第2吸音部材58における分散作用、消費作用等により低減される。このように、騒音が二段階で低減されるので、車室14に伝達される騒音をさらに抑制することができる。
騒音抑制構造30では、開口部46よりも車両下方側において、パワーユニット室12側からダッシュパネル32を介して、直接(空間部48を経由せずに)、車室14に向かう騒音が存在する。ここで、弾性変形可能な第1吸音部材56がバネとして機能することで、騒音のエネルギーの一部が、第1吸音部材56を弾性変形させる運動エネルギーに変換されて消費される。さらに、高密度部材76がマスとして機能することで、高密度部材76の自重(重力加速度)による抵抗力が、第1吸音部材56の振動を減衰させる。このように、騒音のエネルギーの一部が第1吸音部材56及び高密度部材76によって減衰されるので、パワーユニット室12側からダッシュパネル32を介して、直接、車室14に向かう騒音を抑制することができる。
さらに、騒音抑制構造30では、高密度部材76が第2吸音部材58の横板部64と接触することで、横板部64が高密度部材76により支持されている。これにより、第2吸音部材58(横板部64)の自重による車両下方側への変形が、高密度部材76から受ける反力によって抑制されるので、第2吸音部材58の形状を保持することができる。
加えて、騒音抑制構造30では、助手席23側の第2開口部46Bの大きさが、運転席21側の第1開口部46Aの大きさに比べて小さい。このため、助手席23側の空間部48から助手席23側の第2開口部46Bを通る騒音は、運転席21側の空間部48から第1開口部46Aを通る騒音に比べて小さくなる。換言すると、第2開口部46Bから車室14に伝達される騒音は、第1開口部46Aから車室14に伝達される騒音よりも小さくなる。ここで、助手席23側に位置する遮音部材36の質量が、運転席21側に位置する遮音部材36の質量に比べて小さくても、助手席23側の騒音が小さいことから、車室14に騒音が伝達され難い。つまり、騒音抑制構造30では、助手席23側の遮音部材36の質量を過剰に増やさずに騒音が抑制されるので、助手席23側において、防音品質が過剰となるのを抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る車室への騒音抑制構造の一例としての騒音抑制構造80について説明する。
図9に示す第2実施形態に係る騒音抑制構造80は、第1実施形態の車両10において、騒音抑制構造30(図1参照)に換えて設けられている。また、騒音抑制構造80の構成は、遮音部材36(図1参照)に換えて、遮音部材82が設けられた構成とされている。遮音部材82以外の構成は、第1実施形態と同様の構成とされている。なお、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同じ符号を付して説明を適宜省略する。
<遮音部材>
遮音部材82は、ダッシュパネル32の被取付面35に取付けられており、ダッシュインナサイレンサとして機能する部材である。また、遮音部材82は、一例として、ダッシュパネル32の車幅方向中央よりも運転席21側に配置された運転席側抑制部83と、該車幅方向中央よりも助手席23側に配置された助手席側抑制部84とを有する。そして、遮音部材82は、空間部48を車幅方向に仕切るように配置されており、車室14に伝達される騒音を、分散作用、消費作用等により抑制する機能を有する。
(運転席側抑制部)
図10に示すように、運転席側抑制部83は、第1吸音部材56と、高密度部材76と、第3吸音部材78とを備えている。運転席側抑制部83の構造は、第1吸音部材56、高密度部材76及び第3吸音部材78がダッシュパネル32側からこの順に重ねられた三層構造とされている。
第1吸音部材56は、被取付面35のほぼ全体に亘って配置されており、被取付面35に接着剤を用いて取付けられている。高密度部材76の車両上下方向の長さは、第1吸音部材56の車両上下方向の長さとほぼ同じとされている。高密度部材76は、車両後方側から第1吸音部材56に接着剤を用いて取付けられている。第3吸音部材78の車両上下方向の長さは、高密度部材76の車両上下方向の長さとほぼ同じとされている。第3吸音部材78は、車両後方側から高密度部材76に接着剤を用いて取付けられている。
(助手席側抑制部)
図11に示すように、助手席側抑制部84は、下壁部44(第2開口部46B)よりも車両上方側に配置された上側抑制部86と、下壁部44よりも車両下方側に配置された下側抑制部88とを有する。換言すると、遮音部材82は、車両後方側から見た場合に、一例として、車両前後方向の層構成が異なる3つの部位で構成されている。空間部48には、エアコンユニット90が設けられている。エアコンユニット90は、インストルメントパネル34に形成された図示しない送風口から車室14に向けて送風する。
上側抑制部86は、基部の一例としての第1吸音部材56と、仕切部の一例としての第2吸音部材92とを備えている。上側抑制部86の構造は、第1吸音部材56及び第2吸音部材92がダッシュパネル32側からこの順に重ねられた二層構造とされている。なお、上側抑制部86は、仮想線Cよりも上側に配置されている。
第2吸音部材92は、弾性変形可能な繊維材が圧縮されることで形成された板状のフェルト材(不織布)で構成されている。また、第2吸音部材92は、第1吸音部材56に対して車両後方側から重ねられ、接着剤で固定されている。第2吸音部材92の密度は、一例として、第1吸音部材56の密度と同程度に設定されている。具体的には、第2吸音部材92は、第1吸音部材56に固定された縦板部94と、縦板部94の車幅方向一端部(車両10の車幅方向中央に近い側の端部)から車両後方側へ延在された側板部96とを有している。
図12に示すように、第2吸音部材92を車両上下方向から見た場合の断面形状は、略L字状とされている。側板部96の形状及び大きさは、車幅方向から見た場合に、縦板部94とエアコンユニット90との間の空間部91を覆う形状及び大きさとされている。換言すると、側板部96は、縦板部94の車幅方向一端部からエアコンユニット90の側面の車両前後方向中央部まで、車幅方向を厚さ方向として車両前後方向に延在されている。
側板部96の下面は、下壁部44の上面と接触されている。また、側板部96の縦板部94側の側面は、エアコンユニット90の側面と接触されている。なお、図9及び図12では、エアコンユニット90の外形を明確に示すために、側板部96とエアコンユニット90の側面とを車幅方向に離して示しているが、実際には、側板部96とエアコンユニット90の側面とが接触されている。
側板部96は、空間部48を運転席21側と助手席23側とに仕切っている。これにより、空間部48における助手席23側から運転席21側に向かう騒音及び運転席21側から助手席23側に向かう騒音が、側板部96により低減されるようになっている。具体的には、助手席23側の空間部91から、運転席21側の第1開口部46Aに向かう騒音、及び運転席21側の空間部48から助手席23側の空間部91に向かう騒音が、側板部96における分散作用、消費作用等によって抑制されるようになっている。
図11に示す下側抑制部88は、一例として、第1吸音部材56及び高密度部材76を備えている。下側抑制部88の構造は、第1吸音部材56及び高密度部材76がダッシュパネル32側からこの順に重ねられた二層構造とされている。ここで、助手席側抑制部84は、第3吸音部材78(図10参照)を有していない。このため、助手席側抑制部84の質量は、運転席側抑制部83(図10参照)の質量に比べて小さい。換言すると、遮音部材82の車幅方向中央よりも助手席23側の質量は、遮音部材82の車幅方向中央よりも運転席21側の質量に比べて小さい。
下側抑制部88における第1吸音部材56は、仮想線Cからフロアパネル16の前端部近傍まで延びている。また、下側抑制部88における第1吸音部材56は、傾斜部32A及び縦壁部32Bの被取付面35に車両後方側から重ねられ、接着剤を用いて取付けられている。
下側抑制部88における高密度部材76は、第1吸音部材56に車両後方側から重ねられ、接着剤を用いて取付けられている。また、下側抑制部88における高密度部材76は、縦板部94の下端から第1吸音部材56の下端まで延在されている。高密度部材76の上端は、仮想線Cよりも上側で且つ第2開口部46Bに臨んで配置されており、縦板部94と接触されている。
〔作用並びに効果〕
次に、第2実施形態の騒音抑制構造80の作用並びに効果について説明する。
図10及び図11に示す騒音抑制構造80では、ダッシュパネル32に対するパワーユニット室12側からの騒音が、空間部48に伝達される。空間部48に伝達された騒音の一部は、インストルメントパネル34で反射されることで開口部46に向けて伝達されるが、この騒音は、遮音部材82によって抑制される。
具体的には、側板部96を助手席23側から運転席21側へ透過する騒音及び側板部96を運転席21側から助手席23側へ透過する騒音は、既述の分散作用及び消費作用によって、側板部96を透過する前に比べて低減される。これらの作用により、開口部46から車室14に伝達される騒音が、遮音部材82が無い構成の騒音に比べて低減されるので、開口部46から車室14に伝達される騒音を抑制することができる。
また、騒音抑制構造80では、パワーユニット室12側から空間部48に向かう騒音が、ダッシュパネル32に取付けられた第1吸音部材56における分散作用、消費作用等により低減される。さらに、空間部48の騒音が、既述のように、側板部96における分散作用、消費作用等により低減される。このように、パワーユニット室12側から空間部48に向かう騒音が低減されると共に、空間部48における運転席21側に向かう騒音及び助手席23側に向かう騒音が低減されるので、開口部46から車室14に伝達される騒音をさらに抑制することができる。
さらに、騒音抑制構造80では、開口部46よりも車両下方側において、パワーユニット室12側からダッシュパネル32を介して、直接、車室14に向かう騒音が存在する。ここで、既述のように、騒音のエネルギーの一部が、第1吸音部材56を弾性変形させる運動エネルギーに変換されて消費される。さらに、高密度部材76の自重による抵抗力が、第1吸音部材56の振動を減衰させる。このように、騒音のエネルギーの一部が第1吸音部材56及び高密度部材76によって減衰されるので、パワーユニット室12側からダッシュパネル32を介して、直接、車室14に向かう騒音を抑制することができる。
加えて、騒音抑制構造80では、助手席23側に位置する遮音部材82の質量が、運転席21側に位置する遮音部材82の質量に比べて小さくても、助手席23側の騒音が小さいことから、車室14に騒音が伝達され難い。つまり、騒音抑制構造80では、助手席23側に位置する遮音部材82の質量を過剰に増やさずに騒音が抑制されるので、助手席23側において、防音品質が過剰となるのを抑制することができる。
〔変形例〕
次に、変形例に係る車室への騒音抑制構造の一例としての騒音抑制構造100について説明する。
図13に示す変形例に係る騒音抑制構造100は、第1実施形態の車両10において、騒音抑制構造30(図1参照)に換えて設けられている。また、騒音抑制構造100の構成は、遮音部材36(図1参照)に換えて、遮音部材110が設けられた構成とされている。遮音部材110以外の構成は、第1実施形態と同様の構成とされている。なお、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同じ符号を付して説明を適宜省略する。
<遮音部材>
遮音部材110は、ダッシュパネル32の被取付面35に取付けられており、ダッシュインナサイレンサとして機能する部材である。また、遮音部材110は、一例として、ダッシュパネル32の車幅方向中央よりも運転席21側に配置された運転席側抑制部112と、該車幅方向中央よりも助手席23側に配置された助手席側抑制部114とを有する。
運転席側抑制部112は、下壁部44よりも車両上方側に配置された上側抑制部52と、下壁部44よりも車両下方側に配置された運転席側抑制部72とを有する。換言すると、運転席側抑制部112の構成は、遮音部材36(図5参照)の運転席21側の構成と同様とされている。
助手席側抑制部114は、下壁部44よりも車両上方側に配置された上側抑制部86と、下壁部44よりも車両下方側に配置された下側抑制部88とを有する。換言すると、助手席側抑制部114は、助手席側抑制部84(図9参照)の構成と同様とされている。このように、遮音部材110は、車両後方側から見た場合に、一例として、車両前後方向の層構成が異なる4つの部位で構成されている。
図14に示すように、騒音抑制構造100の車幅方向中央よりも運転席21側では、空間部48から車室14に向かう騒音が、開口部46を覆う第2吸音部材58によって抑制される。また、騒音抑制構造100の車幅方向中央よりも助手席23側では、空間部48及び空間部91において、助手席23側から運転席21側に向かう騒音、及び運転席21側から助手席23側に向かう騒音が、第2吸音部材92の側板部96によって抑制される。
このように、第1実施形態の遮音部材36(図5参照)と、第2実施形態の遮音部材82(図9参照)とを組合せた遮音部材110を用いてもよい。なお、下壁部44(開口部46)を境界として遮音部材110を上下に区分する場合には、騒音抑制の観点から、車両下方側に位置する遮音部材110の質量が、車両上方側に位置する遮音部材110の質量よりも大きいことが好ましい。また、車両における車幅方向の中央を境界として遮音部材110を運転席21側と助手席23側とに区分する場合には、騒音抑制の観点から、運転席21側に位置する遮音部材110の質量が、助手席23側に位置する遮音部材110の質量よりも大きいことが好ましい。
なお、図13及び図14では、エアコンユニット90の外形を明確に示すために、側板部96とエアコンユニット90の側面とを離して示しているが、実際には、側板部96とエアコンユニット90の側面とが接触されている。
〔他の変形例〕
騒音抑制構造30において、縦板部62が無く、横板部64が第1吸音部材56と一体とされていてもよい。また、下壁部44よりも車両上方側の第1吸音部材56が無く、開口部46が横板部64で覆われている構成であってもよい。さらに、遮音部材36が高密度部材76を有していなくてもよい。加えて、高密度部材76が第2吸音部材58の横板部64と接触していなくてもよい。また、遮音部材36の車幅方向中央よりも助手席23側に位置する部分の質量は、遮音部材36の車幅方向中央よりも運転席21側に位置する部分の質量と同じでもよい。
横板部64の構成は、単層の構成に限らず、複数層の構成とされていてもよい。また、第2吸音部材58の断面形状は、車幅方向から見た場合にL字状のものに限らず、例えば、車両上方側に開口されたU字状であってもよい。さらに、車両上下方向において、下壁部44の高さが縦板部62の下端の高さよりも低い高さとされ、横板部64が下壁部44に向けて斜め下方に延在されていてもよい。また、横板部64は、下壁部44の下面に接着剤を用いて固定されてもよい。
騒音抑制構造80において、縦板部94が無く、側板部96が第1吸音部材56と一体とされていてもよい。また、下壁部44よりも車両上方側の第1吸音部材56が無く、空間部91が側板部96で覆われている構成であってもよい。さらに、遮音部材82が高密度部材76を有していなくてもよい。加えて、遮音部材82の車幅方向中央よりも助手席23側に位置する部分の質量は、遮音部材82の車幅方向中央よりも運転席21側に位置する部分の質量と同じでもよい。
側板部96の構成は、単層の構成に限らず、複数層の構成とされていてもよい。また、側板部96の構成は、縦板部94と同じ厚さの構成に限らず、縦板部94に比べて車幅方向に拡幅された構成であってもよい。
図15に示すように、第1吸音部材56に取付けられる第2吸音部材58と、高密度部材76に取付けられる第3吸音部材78とを同じ材料で構成し且つ一体の吸音部材としてもよい。これにより、高密度部材76の上端の段差部分が吸音部材で覆われるので、第1吸音部材56からの高密度部材76の剥離が抑制され且つ防音性能が向上される。
エアコンユニット90が車両10の車幅方向中央部に設けられている場合には、側板部96が、エアコンユニット90の運転席21から遠い側の側面と接触するように、縦板部94の一部から車両後方側へ延在されていてもよい。
アーム部26A及びアーム部28Aは、スリット66の内壁面と接触しなくてもよい。
第1吸音部材56、第2吸音部材58、第2吸音部材92は、フェルト製に限らず、ウレタン製であってもよい。
10 車両
12 パワーユニット室
14 車室
30 騒音抑制構造(車室への騒音抑制構造の一例)
32 ダッシュパネル
34 インストルメントパネル
35 被取付面(後面の一例)
36 遮音部材
44 下壁部
46 開口部
48 空間部
56 第1吸音部材(基部の一例)
58 第2吸音部材(カバー部の一例)
76 高密度部材(高密度部の一例)
80 騒音抑制構造(車室への騒音抑制構造の一例)
82 遮音部材
92 第2吸音部材(仕切部の一例)
100 騒音抑制構造(車室への騒音抑制構造の一例)
110 遮音部材

Claims (4)

  1. 車両前方側に配置されたパワーユニット室と車室とを隔成するダッシュパネルと、
    車両前方側へ延出されて前記ダッシュパネルとで開口部を形成する下壁部を備え、前記ダッシュパネルを車両後方側から覆うインストルメントパネルと、
    前記開口部を覆うカバー部及び前記ダッシュパネルと前記インストルメントパネルとの間の空間部を車幅方向に仕切る仕切部の少なくとも一方とを備える遮音部材と、
    を有し、
    前記遮音部材は、前記ダッシュパネルの後面に取付けられた基部をさらに有し、
    前記カバー部及び前記仕切部は、前記下壁部よりも車両上方側において前記基部に重ねて固定された縦板部を備えており、
    前記カバー部は、前記縦板部の下端部から車両後方側へ延在されて前記下壁部と接触し前記開口部を覆う横板部を備えており、
    前記仕切部は、前記縦板部の車幅方向一端部から車両後方側へ延在されて前記下壁部と接触し前記空間部を運転席側と助手席側とに仕切る側板部を備えている、
    車室への騒音抑制構造。
  2. 前記基部は、弾性変形可能とされ、
    前記遮音部材は、前記基部の密度よりも高い密度を有する高密度部を備え、
    前記高密度部は、前記開口部よりも車両下方側で車両後方側から前記基部に取付けられている請求項1に記載の車室への騒音抑制構造。
  3. 前記高密度部は、前記横板部と接触する請求項2に記載の車室への騒音抑制構造。
  4. 助手席側の前記開口部の大きさは、運転席側の前記開口部の大きさに比べて小さくされ、
    前記遮音部材の車幅方向中央よりも助手席側に位置する部分の質量は、前記遮音部材の車幅方向中央よりも運転席側に位置する部分の質量に比べて小さくされている請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の車室への騒音抑制構造。
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