JP7062460B2 - 発酵乳の製造方法 - Google Patents

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Description

本技術は、発酵乳の製造方法、発酵乳、及び発酵乳の風味向上に関する。
ヨーグルト等の発酵乳は、発酵による乳酸や香気成分といった風味が良好であること、乳酸菌やビフィズス菌等の発酵菌の存在による整腸作用があること等の理由から、毎日のように食される健康に良い飲食品として定着している。
ところで、先進諸国を中心として、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症等の生活習慣病の患者又はその予備軍(いわゆる境界領域型の者)が増加している。また、ヒト以外の動物でも、家庭内飼育やペットフードの給餌によってペットの生活習慣病が発生している。
生活習慣の改善策として食事の内容の見直しがある。その見直しのなかで、ヨーグルト等の発酵乳の摂取による生活習慣病の改善があるとの報告があるので、発酵乳の摂取を推奨する場合もある。
さらに、生活習慣病対策のために機能性を高める発酵乳の製造方法が検討されている。例えば、特許文献1には、低リン化され、且つ風味が良好な発酵乳を製造できる発酵乳の製造方法が提案されている。
特開2017-184682号公報
本発明者らは、発酵乳の機能性を高めるために、乳タンパク質加水分解物及び/又は難消化性デキストリンを含む発酵乳の製造方法を検討した。なお、カゼイン加水分解物又は難消化性デキストリンには、血糖値上昇抑制作用等の生活習慣病の予防又は改善効果等の報告がある。
しかし、後記〔実施例〕に示すように、乳タンパク質加水分解物を発酵乳原料として使用した発酵乳には、乳タンパク質加水分解物由来の不快な苦味が発生した。また、難消化性デキストリンを発酵乳原料として使用した発酵乳には、難消化性デキストリン由来の不快な糊臭が発生した。また、乳タンパク質加水分解物及び難消化性デキストリンを発酵乳原料として使用した発酵乳には、より強い不快臭が発生し、さらに発酵乳の風味が低下した。
一方で、ペプチド由来の苦味やペプチド独特の臭い(以下ペプチド臭という)、デキストリン由来の糊臭等に対してマスキング効果のある化合物を使用することも考えられるが、マスキング効果によって発酵乳の重要な香り及び風味を損なってしまうことが懸念される。
このようなことから、本技術は、乳タンパク質加水分解物及び/又は難消化性デキストリンを発酵乳原料として使用しても、乳タンパク質加水分解物及び/又は難消化性デキストリン由来の苦味、糊臭及び不快臭を良好にマスキングしつつ、発酵乳特有の香り及び/または風味をできるだけ損なわない発酵乳を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、後記〔実施例〕に示すように、カゼイン加水分解物及び/又は難消化性デキストリンを含む発酵乳において、スクラロースを使用した場合、発酵乳の香りを損なうと共に、不快臭と糊臭に対して十分なマスキング効果も得られなかった。また、希少単糖含有シロップでマスキングを行った場合、発酵乳の香りを損なうと共に、苦味や不快臭に対して十分なマスキング効果も得られなかった。上述したマスキング効果によって発酵乳の重要な風味香り及び風味を損なってしまう懸念のとおりの結果となった。
しかしながら、本発明者らは、鋭意検討した結果、原料として、スクラロースと、フルクトース、プシコース及びアロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上の単糖とを併用することで、乳タンパク質加水分解物及び/又は難消化性デキストリンを原料として使用しても、ペプチドの苦味や不快臭、糊の不快臭をマスキングしつつ、発酵乳特有の香りをできるだけ損なわない発酵乳が得られることを見出した。
さらに、本発明者らは、これらスクラロース及び希少糖含有シロップに加えて、原料として、ラクチュロース含有シロップを使用することで、乳タンパク質加水分解物及び/又は難消化性デキストリンを原料とした場合でも、より良好にミルク風味が向上した発酵乳が得られることも見出した。
なお、本技術における原料は、発酵乳の製造方法の何れの工程で使用してもよい原料であり、前発酵の原料及び/又は後発酵の原料として使用してもよい。
このようにして、本発明者らは、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の〔1〕~〔10〕のとおりである。
〔1〕
(A)乳タンパク質加水分解物及び/又は(B)難消化性デキストリンを含む発酵乳の製造方法であり、
(C)スクラロース並びに(D)フルクトース、プシコース及びアロースを含む、発酵乳の製造方法。
〔2〕
さらに(E)ラクチュロースを含むものである、前記〔1〕に記載の発酵乳の製造方法。
〔3〕
前記乳タンパク質加水分解物が、カゼイン加水分解物である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の発酵乳の製造方法。
〔4〕
前記乳タンパク質加水分解物が、Met-Lys―Proからなるペプチドを含むものである、前記〔1〕~〔3〕の何れか1に記載の発酵乳の製造方法。
〔5〕
風味が向上した発酵乳である、前記〔1〕~〔4〕の何れか1に記載の発酵乳の製造方法。
〔6〕
以下の(A)及び/又は(B)を含み、かつ以下の(C)及び(D)を含む、発酵乳。
(A)乳タンパク質加水分解物、
(B)難消化性デキストリン、
(C)スクラロース、
(D)フルクトース、プシコース及びアロース。
〔7〕
さらに(E)ラクチュロースを含むものである、前記〔6〕に記載の発酵乳。
〔8〕
風味が向上した発酵乳である、前記〔7〕に記載の発酵乳。
〔9〕
(A)乳タンパク質加水分解物及び/又は(B)難消化性デキストリンを含む発酵乳の風味向上方法であり、
(C)スクラロース並びに(D)フルクトース、プシコース及びアロースを使用する、発酵乳の風味向上方法。
〔10〕
さらに(E)ラクチュロースを使用する前記〔9〕に記載の発酵乳の風味向上方法。
乳タンパク質加水分解物及び/又は難消化性デキストリンを発酵乳原料として使用しても、乳タンパク質加水分解物及び/又は難消化性デキストリン由来の苦味、糊臭及び不快臭をマスキングしつつ、発酵乳特有の香りをできるだけ損なわない発酵乳を提供することができる。
なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本技術中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
以下、本技術を実施するための好適な実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本開示の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。なお、本明細書において、数値範囲を「下限~上限」で表現するものに関しては、上限は「以下」であっても「未満」であってもよく、下限は「以上」であっても「超」であってもよい。また、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
本技術は、(A)乳タンパク質加水分解物及び/又は(B)難消化性デキストリンを含む発酵乳の製造方法であり、
(C)スクラロース並びに(D)フルクトース、プシコース及びアロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上の単糖を含む又は使用する、発酵乳の製造方法である。さらに、(E)ラクチュロースを含む又は使用することが好適である。
前記(A)~(E)は、発酵乳原料として、発酵乳の製造工程の何れの工程において添加又は使用してもよく、発酵工程前又は発酵工程後の何れで添加又は使用してよい。
そして、(C)スクラロース並びに(D)フルクトース、プシコース及びアロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上の単糖を併用するにより、(A)乳タンパク質加水分解物及び/又は(B)難消化性デキストリンに対するマスキング効果が得られつつ、前記(A)及び/又は(B)を含むを含む発酵乳の風味が向上する。さらに(E)ラクチュロースを使用することで、前記(A)及び/又は(B)を含む発酵乳のミルク風味がさらに向上し、発酵乳全体がより良好な風味となる。
なお、本明細書における「発酵乳の風味向上」とは、前記(C)~(E)を含まず(A)乳タンパク質加水分解物及び/又は(B)難消化性デキストリンを含む発酵乳と比較したときに、苦味、糊臭及び不快臭を少なくともマスキングしつつ、発酵乳特有の香りを少なくとも損なわないことをいう。
一般に、(A)乳タンパク質加水分解物と(B)難消化性デキストリンを合わせると苦味と糊臭以外に獣臭として感じるヒトもいる。また、一般的にヒトが発酵乳特有の香りとして感じる成分として、未だ不明な点も多いが、例えば、発酵乳の成分の香りや乳酸菌の発酵の香りとして、ジアセチル、アセトアルデヒドが知られている。ミルク風味として、乳のコク、乳脂肪感、牛乳としての風味等が挙げられる。
さらに、本技術の製造方法により製造される発酵乳は、乳タンパク質加水分解物及び/又は難消化性デキストリンを含むので、これら単独又は併用によって発揮される種々の効能が発揮される。
そして、本技術の製造方法により製造される発酵乳は、(A)乳タンパク質加水分解物及び/又は(B)難消化性デキストリンを含む発酵乳と比較したときに、前記(A)及び/又は前記(B)に起因する苦味、糊臭及び不快臭をマスキングしつつ、発酵乳特有の香りを損なわないので、発酵乳の風味が向上し、良好な風味を有するものである。本技術において、発酵乳の総合的な風味を向上できることも優れた効果といえる。
このように本技術の発酵乳は良好な風味を有するため、本技術の発酵乳は、上述の前記(A)及び/又は(B)による効能を期待する者が、本技術の発酵乳を日常的に摂取しやすいので、効能も持続的に発揮させやすい観点からも、有効である。また、本技術の発酵乳は、発酵乳原料に使用する前記(C)~(E)の何れか又は組み合わせによって発揮される効能も期待することができる。
<1.発酵乳の製造方法>
<発酵乳原料>
本技術の製造方法に使用する発酵乳原料として、前記(A)乳タンパク質加水分解物及び/又は(B)難消化性デキストリンが使用され、さらに(C)スクラロース並びに(D)フルクトース、プシコース及びアロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上の単糖(以下、「(D)単糖」ともいう)が使用される。さらに、本技術の発酵乳原料として、(E)ラクチュロースが使用されることが好適である。
本技術で使用される前記(A)~(E)は、発酵乳の製造方法に使用する原料として、それぞれ、発酵乳の製造工程のいずれの工程で添加してもよく、発酵前に添加してもよいし、発酵後に添加してもよく、最終製品である発酵乳に含まれていればよい。また、本技術では、前記(A)~(E)の各成分は、発酵乳の原材料として使用されるものであるが、発酵させなくともよく、発酵後に添加してもよい。
本技術の一例として、発酵後の発酵乳に、発酵前に添加していない前記(A)~(D)の何れか1種以上又は全てを添加してもよい。また、本技術の一例として、前記(A)~(D)の何れか1種又は2種以上を、発酵前及び発酵後の両方に添加して、最終製品に前記(A)~(D)を含有させればよい。また、前記(E)は、発酵前及び/又は発酵後に添加し、最終製品に含有させることが好適である。
<発酵乳原料の各成分(A)~(E)>
本技術で発酵乳原料として使用される前記(A)~(E)の各成分について、以下に説明する。
<(A)乳タンパク質加水分解物>
本技術で使用される(A)乳タンパク質加水分解物は、特に限定されないが、牛乳あるいは脱脂粉乳等の乳製品由来の乳タンパク質の加水分解物が好ましい。
前記加水分解は、例えば、酸加水分解、アルカリ加水分解、酵素加水分解等が挙げられる。このうち、酵素加水分解が、目的とする種々のペプチド成分を調製し易い観点から、好ましい。当該酵素加水分解は、後述の酵素加水分解条件に基づき行うことが可能である。
前記乳由来のタンパク質として、例えば、カゼインタンパク質、ホエイタンパク質等が挙げられ、これらを1種又は2種以上選択することができる。
一般的に、カゼインタンパク質は、α-カゼイン、β-カゼイン、κ-カゼインの3種に分類できる。また、一般的に、ホエイタンパク質は、乳清タンパク質、可溶性タンパク質とも呼ばれる。
また、一般に、ホエイタンパク質は、血清アルブミン、β-ラクトアルブミン、α-ラクトアルブミン、免疫グロブリン、プロテオース・ペプトン等に分類できる。
本技術において、カゼインタンパク質の加水分解物(以下、「カゼイン加水分解物」ともいう)が、本技術の発酵乳風味改善を良好に行える観点及びカゼイン加水分解物に期待する効能を有効に利用する観点から、好ましい。
<カゼイン加水分解物>
以下、本技術に用いるカゼイン加水分解物について、詳述する。
本技術に使用するカゼイン加水分解物は、乳由来のカゼインタンパク質を加水分解して得られるものであり、カゼインタンパク質由来の種々の分解成分が含まれている。
前記カゼイン加水分解物は、次の(a1)~(a4)の少なくとも何れかを満たすものが好適である。さらに、次の(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)のうち2種又は3種以上の条件を満たすものがより好適である。
(a1)前記カゼイン加水分解物の平均分子量が1200ダルトン以下、
(a2)前記カゼイン加水分解物の分解率が20~30%、
(a3)前記カゼイン加水分解物に含まれる全アミノ酸の質量合計に占める遊離アミノ酸の質量割合が10質量%以下、
(a4)Met-Lys-Proからなるペプチドを含む。
前記カゼイン加水分解物は、Met-Lys-Proからなるペプチド(配列番号1)(以下、「トリペプチドMKP」ともいう)を少なくとも含むことが、本技術の効能をより良好に発揮させる観点から、好適である。
好ましくは、前記カゼイン加水分解物は、トリペプチドMKPを含み、かつさらに前記(a1)、(a2)及び(a3)から選択される1種又は2種以上の条件を満たすものが好適である。さらに、前記カゼイン加水分解物は、前記(a1)~(a4)の全ての条件を満たすものがより好適である。
なお、本技術のトリペプチドMKPは、アンジオテンシン変換酵素阻害作用、ジペプチジルペプチダーゼ-IV阻害作用等の効能が知られている(例えば、参考文献1(WO2003/044044)、参考文献2(WO2013/125622)、参考文献3(特開2016-069343号公報)等)。
前記カゼイン加水分解物中のトリペプチドMKPの含有率は特に限定されないが、トリペプチドMKPの含有率の下限値は、本技術の効能をより良好に発揮させる観点から、好ましくは0.005質量%以上であり、より好ましくは0.01質量%以上であり、その上限値は、本技術の分解物の製造効率の観点から、好ましくは0.2質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下である。当該数値範囲は、さらに好ましくは0.01~0.1質量%である。
以下に、本技術に使用するカゼイン加水分解物の製造方法について、詳述する。
<カゼイン加水分解物の原料>
原料であるカゼインは、乳由来の蛋白質を主成分とするものであり、当該カゼインは特に限定されないが、例えば、市販の各種カゼイン、カゼイネート等を利用することができる。より具体的には、乳酸カゼイン、硫酸カゼイン、塩酸カゼイン、ナトリウムカゼイネート、カリウムカゼイネート、カルシウムカゼイネート、マグネシウムカゼイネート又はこれらの任意の混合物等が挙げられる。また、牛乳、脱脂乳、全脂粉乳、脱脂粉乳から常法により精製したカゼイン等を利用することもできる。
本技術の有効成分であるカゼイン加水分解物は、生体材料として比較的安価な乳由来の原料であるカゼインを加水分解することにより製造されるため、安定して簡便に、しかも大量に製造することができる。
<カゼイン加水分解物の製造方法>
カゼイン加水分解物の製造方法は特に限定されないが、酸又はアルカリを用いて製造する方法、蛋白質分解酵素等の酵素を用いて製造する方法等が挙げられる。このうち酵素を用いることが、目的のペプチド等を含ませることができるので好適である。
以下、蛋白質分解酵素を用いて、カゼイン加水分解物を製造する方法について、具体的に説明する。
まず、原料(カゼイン)を水に分散し溶解させる。
該溶解液の濃度は特に限定されないが、通常、蛋白質換算で5~15質量%前後の濃度範囲にするのが効率性及び操作性から好ましい。
次に、溶解液のpHを、使用する蛋白質分解酵素の至適pH付近に調整することにより原料水溶液を調製する。具体的には、溶解液のpHを、アルカリ溶液を用いて、多くの蛋白質分解酵素の至適pHがその範囲内に含まれるpH7~10に調整することが好ましい。
pH調整に用いるアルカリ剤は特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
次に、調製した原料水溶液に蛋白質分解酵素を添加する。
蛋白質分解酵素としては、細菌由来、動物由来、植物由来の蛋白質分解酵素等があり、いずれのものも使用することができる。
細菌由来の蛋白質分解酵素は特に限定されないが、例えば、バシラス属由来のエンドプロテアーゼとして、アルカラーゼ(ノボザイムズ社製)、ニュートラーゼ(ノボザイムズ社製)、プロチンA(大和化成社製)、プロチンP(大和化成社製)、プロレザー(天野エンザイム社製)、プロテアーゼN(天野エンザイム社製)、コロラーゼ7089(樋口商会社製)、ビオプラーゼ(ナガセケムテック社製)、オリエンターゼ90N(エイチビイアイ社製)、オリエンターゼ22BF(エイチビイアイ社製)等が挙げられる。
動物由来の蛋白質分解酵素は特に限定されないが、例えば、トリプシンを主成分とするPTN(ノボザイムズ社製)、トリプシンV(日本バイオコン社製)等が挙げられる。
植物由来の蛋白質分解酵素は特に限定されないが、パパイン(天野エンザイム社製)、ブロメライン(天野エンザイム社製)等が挙げられる。
また、上述した蛋白質分解酵素は、単独又は2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
蛋白質分解酵素は、4~10℃の冷水に分散し、溶解して使用することが好ましい。該蛋白質分解酵素の溶解液の濃度は特に限定されないが、通常、酵素濃度が3~10%程度となる量で使用することが効率性及び操作性から望ましい。
カゼイン加水分解に用いる蛋白質分解酵素の使用量は、基質濃度、酵素力価、反応温度、及び反応時間等により異なるが、一般的には、カゼインの蛋白質換算質量1g当たり1000~20000単位(活性単位)の割合を望ましい態様として挙げられる。
蛋白質分解酵素の活性単位は、使用する蛋白質分解酵素の種類に応じて測定することができる。
蛋白質分解酵素の添加に当たっては、1種類ずつ溶解し、添加することが望ましいが、添加の順番は特に制限されない。
酵素反応中、反応系の温度は特に限定されず、酵素作用の発現する最適温度範囲を含む実用に供され得る範囲から選ばれ、通常30~60℃の範囲から選ばれる。
反応継続時間は、反応温度、初発pH等の反応条件によって進行状態が異なり、例えば、酵素反応の反応継続時間を一定とすると製造バッチ毎に異なる理化学的性質を有する分解物が生じる可能性等の問題があるため、一概に決定することが難しいことがある。したがって、酵素反応をモニターすることにより、カゼイン加水分解物の理化学的性質が所望の値となるように反応継続時間を決定することが望ましい。
なお、酵素反応のモニタリング方法としては、例えば、前記反応溶液の一部を採取し、蛋白質の分解率等を測定する方法等が挙げられる。
次に、酵素反応を停止させる。
酵素反応の停止は、加水分解液中の酵素を失活させることにより行われる。失活処理は、常法、例えば、加熱失活処理等により実施することができる。
加熱失活処理の条件(加熱温度、加熱時間等)は、使用した酵素の熱安定性を考慮し、十分に失活できる条件を適宜設定することができ、例えば、80~130℃の温度範囲で30分間~2秒間の保持時間で行うことができる。
酵素反応停止後、得られた加水分解失活液を、(1)濾過、(2)精密濾過、限外濾過膜等の膜分離処理、及び(3)樹脂吸着分離からなる群から選択される、いずれか1種又はこれらの2種以上の組合せによって精製することが好ましい。
上述した精製を行うことにより、当該失活液中に含まれる不溶物の除去、脂肪や乳糖、その他の不要な成分の低減等を行うことができる。その結果、溶液状態で透明であり、かつ、溶液状態での長期保存においても混濁、沈殿、凝集及び褐変等が生じない、いわゆる保存安定性に優れたカゼイン加水分解物を得ることができる。
また、上述した精製を行うことにより、本技術で用いるカゼイン加水分解物の風味、外観等も向上させることができる。
前記(1)の濾過は、公知の方法により実施することができ、例えば、珪藻土を用い、公知の装置により実施することができる。
濾過を行うことにより、加水分解失活液中に存在する加水分解反応時及び/又は酵素加熱失活時に生成した不溶物を除去できる。
前記(2)の膜分離処理は、公知の装置を用いて行うことができる。公知の装置としては特に限定されないが、例えば、精密濾過モジュール等、限外濾過モジュールSEP1053(旭化成社製、分画分子量3,000)、SIP1053(旭化成社製、分画分子量6,000)、SLP1053(旭化成社製、分画分子量10,000)等が挙げられる。
この場合、膜分離処理後の膜透過画分としてカゼイン加水分解物を含有する溶液が得られる。
膜分離処理を行うことにより、前記(1)の濾過と同様、加水分解失活液中に存在する加水分解反応時及び/又は酵素加熱失活時に生成した不溶物を除去できる。
前記(3)の樹脂吸着分離は、公知の方法により実施することができ、例えば、樹脂をカラムに充填し、前記加水分解失活液を、当該カラムを通過させることにより実施することができる。樹脂としては特に限定されないが、例えば、商品名:ダイヤイオン、セパビーズ(三菱化学社製)、アンバーライトXAD(オルガノ社製)、KS-35(味の素ファインテクノ社製)等が挙げられる。
樹脂吸着分離は、これらの樹脂をカラムに充填して前記加水分解失活液を連続的に流入させ、流出させることによる連続方式で行うこともでき、また、前記加水分解失活液中に樹脂を投入し、一定時間接触させた後、加水分解失活液と樹脂とを分離するバッチ方式で行うこともできる。
加水分解失活液中には、保存期間中に混濁、沈殿、凝集及び褐変等を惹起する因子(例えば、疎水性アミノ酸を多く含むペプチド等)が残存している可能性があり、樹脂吸着分離を行うことにより、これらの因子を除去できる。
また、精製後、得られたカゼイン加水分解物を含有する溶液を殺菌してもよい。
殺菌方法は、常法による加熱処理方法等を用いることができる。
加熱処理時の加熱温度と保持時間は、殺菌できる条件を適宜設定すればよく、例えば、70~140℃で2秒間~30分間加熱処理することにより殺菌できる。
加熱殺菌の方式は、バッチ方式、連続方式のいずれの方式も可能であり、連続方式においてもプレート熱交換方式、インフュージョン方式、インジェクション方式等の方式を用いることができる。
さらに、得られたカゼイン加水分解物を含有する溶液は、そのまま使用することもでき、また、必要に応じて、該溶液を公知の方法により、濃縮した濃縮液として使用することもできる。また、該濃縮液を公知の方法により乾燥し、粉末にして使用することもできる。
加えて、カゼイン加水分解物の前記不溶物の成分を除去した後、風味改善又は物性改善等を目的として、エンドプロテアーゼ又はエキソプロテアーゼを添加して、二次的な加水分解を行ってもよい。
ここで、本技術に用いるカゼイン加水分解物としては、その平均分子量が、好ましくは1200ダルトン以下、より好ましくは1000ダルトン以下、さらに好ましくは800ダルトン以下、より好ましくは450ダルトン以下になるように、カゼイン加水分解物を調製することが、より良好な本技術の効能を発揮させる観点から、好ましい。当該平均分子量が、より好ましくは250~450ダルトン、さらに好ましくは360~390ダルトンに調製することが好ましい。
また、本技術に用いるカゼイン加水分解物としては、その分解率が、その上限は好ましくは10%以上、その下限は好ましくは40%以下、さらにより好ましくは20~30%になるように、カゼイン加水分解物を調製することが、より良好な本技術の効能を発揮させる観点から、好ましい。
本技術において、加水分解の程度を、加水分解に伴って発生する不溶物を濾過により除去した後の濾液中に含まれるカゼイン加水分解物の平均分子量が目的の範囲となるように、及び/又は、その分解率が目的の範囲となるように、反応温度、反応継続時間等の反応条件を決定することが好ましい。
また、本技術で用いるカゼイン加水分解物としては、これに含まれる全アミノ酸の質量合計に占める遊離アミノ酸の質量合計の割合が、好ましくは15質量%以下に、より好ましくは10質量%以下になるように、カゼイン加水分解物を調製することが、より良好な本技術の効能を発揮させる観点から、より好ましい。
また、本技術で用いるカゼイン加水分解物としては、これに含まれるトリペプチドMKPの割合が、好ましくは0.001~1質量%、より好ましくは0.005~0.5質量%、さらに好ましくは0.01~0.1質量%になるように調製することが、効能及び製造効率の観点から、好ましい。
本技術において、遊離アミノ酸の質量合計の割合又はトリペプチドMKPの割合は、それぞれの目的の割合になるように、カゼインを加水分解させる際の酵素の種類、酵素の添加量、反応時間、及び/又は加水分解後の精製条件(膜分離、樹脂吸着分離)等により調整することができる。
なお、本技術のカゼイン加水分解物における<アミノ酸の分解率>、<平均分子量の算定方法>、<アミノ酸遊離率の算定方法>、<トリペプチドMKP含有量の測定>について、以下に説明する。
<分子量の算定方法>
本技術におけるカゼイン加水分解物の平均分子量(Da:ダルトン)は、以下の数平均分子量の概念により求めるものである。
数平均分子量(Number Average of Molecular Weight)は、例えば文献(社団法人高分子学会編、「高分子科学の基礎」、第116~119頁、株式会社東京化学同人、1978年)に記載されているとおり、高分子化合物の分子量の平均値を次のとおり異なる指標に基づき示すものである。
すなわち、タンパク質加水分解物等の高分子化合物は不均一な物質であり、かつ分子量に分布があるため、タンパク質加水分解物の分子量は、物理化学的に取り扱うためには、平均分子量で示す必要があり、数平均分子量(以下、Mnと略記することがある。)は、分子の個数についての平均であり、ペプチド鎖iの分子量がMiであり、その分子数をNiとすると、次の数式(1)により定義される。
Figure 0007062460000001
<分解率の算定方法>
カゼイン加水分解物の分解率は、下記の数式(2)で算出することができる。
Figure 0007062460000002
<アミノ酸遊離率の算定方法>
本技術において、遊離アミノ酸の質量合計の割合は、例えば、以下の手順で求めることができる。
(i)アミノ酸組成の測定
トリプトファン、システイン及びメチオニン以外のアミノ酸については、試料を6N塩酸で110℃、24時間加水分解し、トリプトファンについては、水酸化バリウムで110℃、22時間アルカリ分解し、システイン及びメチオニンについては、過ギ酸処理後、6N塩酸で110℃、18時間加水分解し、それぞれアミノ酸分析機(日立製作所製、835型)により分析し、アミノ酸の質量を測定する。
なお、この方法では、試料のグルタミンとグルタミン酸の量は、両者を合わせた合計量であるグルタミン酸分析値として定量される。
(ii)遊離アミノ酸の質量合計の割合の算定
試料中の各アミノ酸組成を前記(i)アミノ酸組成の測定の方法により測定し、これを合計して試料中の全アミノ酸の質量を算出する。次いで、スルホサリチル酸で試料を除蛋白し、残留する各遊離アミノ酸の質量を前記(i)アミノ酸組成の測定の方法により測定し、これを合計して試料中の全遊離アミノ酸の質量を算出する。これらの値から、試料中の遊離アミノ酸の質量合計の割合を下記の数式(3)により算出する。
Figure 0007062460000003
<トリペプチドMKP含有量の測定>
(i)試料粉末を、1.0mg/mLとなるように、0.2%ギ酸水溶液に希釈溶解し、10分間超音波破砕したのち、0.22μm口径のPVDFフィルター(Millipore社製)でろ過して粉末溶液を調製し、下記測定条件によるLC/MS分析を実施する。一方、トリペプチドMKPの化学合成標準ペプチド(ペプチド研究所社製)の溶解液を濃度別に数点調製し、下記測定条件によるLC/MS分析を実施し、検量線を作成する。
前記粉末溶液の分析におけるピークのうち、標準ペプチドと分子量及びリテンションタイムが一致するものを、標準ペプチドと同一の配列として同定する。標準ペプチドのピーク面積と資料粉末のピーク面積を対比することにより、前記粉末溶液中にトリペプチドMKPの含有量を求める。
(ii)MKP含有量(mg/カゼイン加水分解物1g)
MKP含有量(mg/カゼイン加水分解物1g)=〔得られたカゼイン加水分解物中のトリペプチドMKP測定値(mg)〕/〔得られたカゼイン加水分解物の質量(g)〕
〔得られたカゼイン加水分解物中のトリペプチドMKP測定値(mg)〕は、下記「LC/MS」による、試料中のトリペプチドMKPの測定値である。
(iii)LC/MS使用機器
質量分析計:TSQ Quantum Discovery MAX(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)。
高速液体クロマトグラフ:Prominence (島津製作所社製)、カラム:XBridge BEH300 C18 φ2.1 mm×250 mm,3.5 μm(Waters社製)。
(iv)LC/MS測定条件
移動相A:0.2重量% ギ酸-水溶液
移動相B:0.2重量% ギ酸-アセトニトリル溶液
タイムプログラム:2%B(0.0分)-25%B(5.0分)-65%B(5.1分)-65%B(10分)-85%B(10.1分)-85%B(13.0%)-2%B(13.1分)-STOP(30.0分)。
試料注入量:10μL、カラム温度:40℃、液体流量:200μL/min
分析モード:SRM測定。
Product Mass:m/z=260.10(Parent m/z = 375.21)
<(B)難消化性デキストリン>
本技術で使用される難消化性デキストリンは、澱粉から調製して得られる水溶性の食物繊維の一種である。当該難消化性デキストリンは、例えば、焙焼デキストリンを酵素消化して得ることができるものであり、酵素消化後次いで水素添加して得ることができるものでもよい。また、市販品を用いてもよい。
本技術の難消化性デキストリンは、例えば、とうもろこし、小麦、米、豆類、イモ類、タピオカなどの植物由来の澱粉を加酸(例えば塩酸を添加)及び/又は加熱して得た焙焼デキストリンを、必要に応じてαアミラーゼ及び/又はグルコアミラーゼで酵素処理した後、必要に応じて脱塩、脱色した水溶性食物繊維であり、難消化性の特徴を持つものをいう。かかる難消化性デキストリンには、平成11年4月26日付衛新第13号(「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」)に記載の食物繊維の分析方法である高速液体クロマトグラフ法(酵素-HPLC法)で測定される難消化性成分を含むデキストリン、好ましくは85~95重量%の難消化性成分を含むデキストリンなどが含まれる。本発明で用いる難消化性デキストリンには、便宜上、水素添加により製造される、難消化性デキストリンの還元物も含まれるものとする。なお、難消化性デキストリンやその還元物(還元難消化性デキストリン)は、粉末、細粒、顆粒などの形態で市販されており、いずれの形態のものでも本発明に使用することができる。
本明細書において、難消化性デキストリンの「難消化性」とは、ヒトの消化酵素で消化されにくいことをいう。
また、難消化性デキストリンは、高速液体クロマトグラフ法(酵素-HPLC法(AOAC2001.03))にて定量することができる(例えば、参考文献4(特開2001-252064号公報、参考文献5(Indigestible Fractions of Starch Hydrolysates and Their Determination Method, Kazuhiro Okuma and Isao Matsuda, J. Appl. Glycosci., Vol.49 No.4 p479-485(2002))、参考文献6(澱粉の熱変性と酵素作用―難消化性デキストリンの特性―, 大隈一裕、松田功、勝田康夫、半野敬夫, 澱粉科学(Denpun kagaku) Vol.37 No.2 p107-114(1990))、参考文献7(焙焼デキストリンからの難消化性デキストリンの調製, 大隈一裕、松田功, J. Appl. Glycosci., Vol.50 No.3 p389-394(2003))。
なお、難消化性デキストリンは、低カロリーで低脂肪の食品素材であり、整腸作用、血糖上昇抑制作用、血清コレステロール低下作用、腸内環境改善、中性脂肪低下作用等の生理活性効果を有しているとされている(例えば、参考文献8特開2001-252064号公報、参考文献9(特開平4-91765号公報)等)。
また、難消化性デキストリンの製造方法として、より具体的には、例えば、澱粉に鉱酸を添加して加熱処理した後にアミラーゼ処理を行う、若しくは澱粉に塩酸を添加してエクストルーダーを用いて加熱処理を行う、又はこれらの組合せにより得られる組成物から、必要に応じて塩類やグルコースなどを除去して難消化性成分を適宜精製することによって得られる。
また、原料である澱粉は特に限定されないが、例えば、トウモロコシ、馬鈴薯、甘藷、タピオカ、小麦、大麦、米等の澱粉を使用することができ、このうちトウモロコシ澱粉が好適である。また、鉱酸として、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等が挙げられ、このうち塩酸が好適である。
<(C)スクラロース>
本技術で使用されるスクラロース(別名 4,1’,6’-トリクロロガラクトスクロース)は、高甘味度甘味料とも呼ばれることがあり、ショ糖と比べて高い甘味を有し、微量の添加で飲食品に甘味を付与することができる人工甘味料として知られている。当該スクラロースは、市販品として入手可能である。また、スクラロースは、高速液体クロマトグラフ(HPLC)法による糖の定量分析にて測定することができる。
<(D)フルクトース、プシコース及びアロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上単糖>
本技術で使用されるフルクトース、プシコース及びアロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上の単糖は、甘味料として知られている。フルクトースは、果糖とも呼ばれ、D型が好ましい。プシコース及びアロースは、希少糖の1種であり、D型が好ましく、血糖上昇抑制、体脂肪低減があることが知られている。
本技術で使用されるフルクトース、プシコース及びアロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上の単糖として、希少糖含有シロップを用いることが、本技術の目的を達成し易い観点及び入手し易い観点から、望ましい。
希少糖であるプシコース及びアロースは、自然界に少ないため、例えば、参考文献10(WO2010/113785号公報)記載の製造方法にて製造される、希少糖含有シロップ(以下、「希少糖含有異性化糖」ともいう)を用いてもよいし、また、市販品の希少糖含有シロップ(レアシュガースウィート、松谷化学工業社製)を用いてもよい。フルクトース、グルコース、プシコース及びアロースは、高速液体クロマトグラフ(HPLC)法による糖の定量分析にて測定することができる。
希少糖含有シロップには、D-プシコース0.5~17質量%、D-アロース0.2~10質量%、D-フラクトース10~40(好適には25~35)質量%、D-グルコース15~55(好適には35~50)質量%が含まれることが好ましい。他の希少糖を含んでいてもよい。
本技術で使用される希少糖含有シロップは、異性化糖及び希少糖を含むシロップであり、異性化糖100質量部に対して希少糖1~150質量部の割合で含むことが好ましい。異性化糖とは、グルコース(ブドウ糖)及びフルクトース(果糖)を主成分とする液状糖である。
希少糖含有シロップは、D-グルコース、D-フラクトース、又は異性化糖のうち1種或いは2種以上を0.005mol/L以上のアルカリにより異性化することで得られるものであり、D-グルコース及びD-フラクトース以外の糖の含有率が60質量%未満にすることが好ましい。
一般的に、異性化糖は、澱粉を糖化して糖化液とし、これをグルコースイソメラーゼにて処理して製造される。例えば、糖化液は、澱粉を酵素で加水分解しデキストリンとし、これを更に別の酵素で加水分解してブドウ糖溶液として製造される。グルコースイソメラーゼによるブドウ糖の果糖への異性化反応は平衡反応であり、異性化糖のグルコース:フルクトースの質量比率は、通常58:42程度である。さらに甘味を強くするためフラクトースを添加することにより通常45:55程度にすることもある。このように工業的な異性化糖では、グルコース:フルクトースの質量比率は、通常45~58:55~42程度である。
本技術に用いる希少糖含有シロップは、原料糖液の異性化糖液を塩基性イオン交換樹脂、アルカリ、及びカルシウム塩からなる群から選ばれる1種以上が存在する系で処理することにより異性化反応を生じさせることで、製造することができる。これにより、D-プシコース、D-アロース、D-フラクトース及びD-グルコースを含有するシロップを得ることができ、当該シロップ中に、D-プシコース0.5~17質量%、D-アロース0.2~10質量%が含まれている。
さらに好適には、(1)塩基性イオン交換樹脂が存在する系で処理する際に、あらかじめ原料糖液の異性化糖液をアルカリ性の溶液に調製してアルカリ条件下での異性化反応を前記樹脂上で行いD-プシコース及びD-アロースの収率を高めること、(2)アルカリが存在する系で処理する際に、原料糖液中の前記アルカリの濃度が0.005~2mol/Lであるように維持すること、(3)前記カルシウム塩が存在する系で処理する際に、原料糖液中のカルシウム塩濃度が、0.005~6mol/Lであるように維持すること;を全て又は少なくとも1つ行うことが好ましく、この全てを行うことがより好ましい。
またさらに、異性化糖液を塩基性イオン交換樹脂、アルカリ、及びカルシウム塩からなる群から選ばれる1種以上が存在する系で処理後に、酸性イオン交換樹脂及び/又はミックス樹脂に通液することによって、反応、中和、脱塩を一連の工程で行うことが、好ましい。
以下の製造例に本技術の希少糖含有シロップが限定されることはないが、希少糖含有シロップのより具体的な一例として、市販異性化糖(果糖42%)を、0.1M NaOH溶液にて30%(w/v)となるよう調整し、温度60℃、SV(Space velocity:流量(l)/時間(h)/樹脂量(l))1で、充填後の強塩基性イオン交換樹脂に送液する(樹脂:アンバーライトIRA900J[OH])。次に、溶出する糖液を定法に従って、イオン交換樹脂にて精製、濃縮して希少糖を含む異性化糖を得る。D-グルコース約44質量%、D-フラクトース約32質量%、D-プシコース約6質量%、D-アロース約1.5質量%、その他希少糖単糖約6質量%となる。なお、当該単糖の質量割合は、HPLC(検出器;RI、カラム;三菱化成 MCI GEL CK 08EC)にて分析して、そのピーク面積から算出することができる。
<(E)ラクチュロース>
本技術において好適に使用されるラクチュロースは、乳糖を原料として得られる、ガラクトースとフラクトースが結合した二糖類であり、ラクチュロース含有シロップ(「ミルクオリゴ糖」ともいう)の主成分として含まれるオリゴ糖である。本技術に使用されるラクチュロースとして、ミルクオリゴ糖を用いることが、本技術の目的を達成し易い観点及び入手し易い観点から、望ましい。
前記ラクチュロースは、例えば、参考文献11(特開平3-169888号公報)及び参考文献12(特開平6-228179号公報)に開示された方法により、製造することができ、また、市販されているものを使用してもよい。ラクチュロースは、高速液体クロマトグラフ(HPLC)法による糖の定量分析にて測定することができる。
前記ラクチュロース「ミルクオリゴ糖MLC-97」(森永乳業社製)や「ミルクオリゴ糖MLP-95」(森永乳業社製)「MLS-95」森永乳業社製)等の市販のミルクオリゴ糖を使用することもできる。
前記ミルクオリゴ糖は、ラクチュロース以外の乳糖由来の糖類、例えばガラクトオリゴ糖等を含んでいてもよい。前記ミルクオリゴ糖は、ラクチュロースを、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上含有する。
<発酵乳最終製品の各成分(A)~(E)の量>
本技術では、前記(A)~(E)のそれぞれの含有量は、発酵乳の最終製品中に以下のようになるように発酵乳の製造工程において調整すればよい。例えば、発酵後に、前記(A)~(E)の各成分を適宜添加することによって、発酵乳の最終製品中の前記(A)~(E)の各成分の含有量を調整することができる。
本技術では、最終製品中の(A)乳タンパク質加水分解物の含有量は、特に限定されず、この下限値は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.25質量%以上、さらに好ましくは当該分解物の効能発揮の観点から0.45質量%以上であり、また、この上限値は、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは風味を良好にする観点から1質量%以下である。前記最終製品中の(A)乳タンパク質加水分解物の含有量は、より好ましくは0.1~1.0質量%、さらに好ましくは0.3~0.8質量%である。当該範囲であれば、効能発揮の観点で好ましい。
本技術では、最終製品中に、(a4)トリペプチドMKPが含まれることが好適であり、当該最終製品中の(a4)トリペプチドMKPの含有量は、特に限定されず、この下限値は、好ましくは0.00002質量%以上、より好ましくは0.00009質量%以上、さらに好ましくは当該ペプチドの効能発揮の観点から0.0001質量%以上であり、また、この上限値は、好ましくは0.001質量%以下、より好ましくは0.0008質量%以下、さらに好ましくは0.0005質量%以下である。前記最終製品中の(a4)トリペプチドMKPの含有量は、より好ましくは0.00002~0.001質量%、さらに好ましくは0.00009~0.0008質量%、よりさらに好ましくは0.0001~0.0005質量%である。当該範囲であれば、効能発揮の観点で好ましい。
本技術では、最終製品中の(B)難消化性デキストリンの含有量は、特に限定されず、この下限値は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは当該難消化性デキストリンの効能発揮の観点から4質量%以上であり、また、この上限値は、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは風味を良好にする観点から8質量%以下である。前記最終製品中の(B)難消化性デキストリンの含有量は、より好ましくは1~10質量%、さらに好ましくは4~8質量%である。当該範囲であれば、効能発揮の観点で好ましい。
本技術で使用される(A)乳タンパク質加水分解物及び(B)難消化性デキストリンの使用割合は特に限定されないが、より良好な本技術の効能を発揮させる観点から、質量比で、最終製品中に、難消化性デキストリン:乳タンパク質加水分解物=10:0.001~1:1の割合で含有することが好ましく、難消化性デキストリン:乳タンパク質加水分解物=1:0.001~10:1の割合で含有することがより好ましい。
本技術で使用される(a4)トリペプチドMKP及び(B)難消化性デキストリンの使用割合は特に限定されないが、より良好な本技術の効能を発揮させる観点から、最終製品中に、トリペプチドMKP1質量部に対して、難消化性デキストリンの下限値は好ましくは5000質量部以上であり、より好ましくは10000質量部以上であり、その上限値は好ましくは100000質量部以下、より好ましくは80000質量部以下である。よりさらに好ましくは、トリペプチドMKP1質量部に対して、難消化性デキストリン15000~50000質量部である。
本技術では、最終製品中の(C)スクラロースの含有量は、特に限定されず、この下限値は、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.004質量%以上、さらに好ましくは0.007質量%以上であり、また、この上限値は、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下である。前記最終製品中の(C)スクラロースの含有量は、より好ましくは0.001~0.1質量%、さらに好ましくは0.005~0.02質量%である。当該範囲であれば、苦味、糊臭及び不快臭をマスキングしつつ発酵乳特有の香りを損なわずに発酵乳の風味が良好な観点で好ましい。
本技術では、最終製品中の前記(D)単糖の含有量は、特に限定されず、この下限値は、好ましくは0.0005質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.015質量%以上であり、また、この上限値は、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.25質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下である。
前記最終製品中の前記(D)単糖の含有量は、より好ましくは0.0005~0.5質量%、さらに好ましくは0.005~0.25質量%、よりさらに好ましくは0.015~0.1質量%である。当該範囲であれば、発酵乳の香り及びミルク風味向上の観点で好ましい。
本技術では、最終製品中の前記(D)希少糖含有シロップの含有量は、特に限定されず、この下限値は、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.03質量%以上であり、また、この上限値は、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.2質量%以下である。前記最終製品中の前記(D)単糖の含有量は、より好ましくは0.001~1質量%、さらに好ましくは0.01~0.5質量%、よりさらに好ましくは0.03~0.2質量%である。当該範囲であれば、苦味、糊臭及び不快臭をマスキングしつつ発酵乳特有の香りを損なわずに発酵乳の風味が良好な観点で好ましい。
本技術では、前記(E)ラクチュロースを最終製品に含ませることが好適であり、最終製品中の(E)ラクチュロースの含有量は特に限定されず、この下限値は、好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、よりさらに好ましくは1質量%以上であり、また、この上限値は、好ましくは8質量%以下、より好ましくは6質量%以下、よりさらに好ましくは4質量%以下である。
前記最終製品中の(E)ラクチュロースの含有量は、より好ましくは0.5~6質量%、さらに好ましくは1~4質量%である。当該範囲であれば、発酵乳の香り及びミルク風味向上の観点で好ましい。
<発酵乳の製法工程>
本技術の製造方法は、以下の(A)及び/又は(B)を含み、かつ以下の(C)及び(D)を含む調乳液を発酵させる工程を含む、発酵乳の製造方法であることが好適である。(A)乳タンパク質加水分解物;(B)難消化性デキストリン;(C)スクラロース;(D)フルクトース、プシコース及びアロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上の単糖。
本技術の製造方法は、前記調乳液が、さらに(E)ラクチュロースを含むものが好適である。
本技術の発酵乳の製造方法は、(A)乳タンパク質加水分解物及び/又は(B)難消化性デキストリンを含む発酵乳の製造方法であり、原料調製工程(I)と、発酵工程(II)とを、含むことが好適である。また、本技術では、必要に応じて、原料調製工程(I)において、加熱処理を行うこともできる。また、本技術では、必要において、発酵工程(II)の後に、前記(A)~(E)の何れか1種又は2種以上を添加する添加工程を含むことも可能である。
本技術の製造方法において使用する前記(A)~(E)の各成分は、少なくとも発酵工程前に又は発酵工程後に、発酵乳原料として、適宜、各製造工程の製造物に添加されてもよい。
本技術の発酵乳の製造方法において、前記(C)及び前記(D)を、マスキング成分の資化が少ない観点から、マスキング剤として発酵前に使用することが望ましい。また、本技術の発酵乳の製造方法において、発酵乳の風味向上の観点から、前記(C)、前記(D)及び前記(E)を発酵後に使用することが望ましい。
本技術の製造方法に使用される、前記(A)及び/又は前記(B)を含み、かつ前記(C)及び(D)或いは前記(C)~(E)を含む発酵原料は、発酵原料溶液にした後に調乳液に調製することが、殺菌等の製造効率向上の観点から、好適である。
本技術の製造方法は、前記(A)~(D)から選択される1種又は2種以上を、同時期に又は別々に、発酵前及び発酵後に、使用することを含んでもよい。
さらに、本技術の製造方法は、発酵前及び/又は発酵後に、前記(E)を使用することを含んでもよい。
以下、本技術の製造方法の各工程について、より詳細に説明する。
本技術において、発酵原料とは、乳の発酵のために使用する発酵前の原料であり、乳由来の原料を加熱処理したものにビフィドバクテリウム属細菌及び/又は乳酸菌スターターとを添加して得られる発酵乳の製造に用いられる原料である。当該発酵原料(以下、「発酵前原料」ともいう)は特に制限されず、通常発酵乳の製造に用いられているものを発酵原料として使用することができ、市販のものを使用することができる。
前記乳由来の原料は、発酵乳の製造に通常用いられる乳又は乳製品であれば特に限定なく用いることができる。例えば、牛乳、水牛乳、羊乳、山羊乳、馬乳、脱脂乳、脱脂濃縮乳、脱脂粉乳、濃縮乳、全脂粉乳、クリーム、バター、バターミルク、練乳、乳蛋白等がある。これらは1種類のみ用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
乳由来の原料には必要に応じて水、甘味料、安定剤、脂肪、添加剤、香料、フルーツ、フルーツソース等の発酵乳の製造において通常用いられる成分を含んでもよい。水は食品製造に通常用いられるものを用いる。
甘味料としては特に限定されず、グルコース、砂糖、水あめ、粉飴、オリゴ糖等の糖類;アセスルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム、アリテーム、ネオテーム、ステビア抽出物に含まれるステビオサイド等の高甘味度甘味料等を用いることができる。
安定剤としては特に限定されず、例えば、寒天、ゼラチン等が挙げられる。
香料としては特に限定されず、例えば、天然香料、各種フレーバー類等が挙げられる。
本技術の発酵乳の製造では、前記(A)~(E)以外に、発酵乳のタイプに応じて、発酵原料(発酵前原料)又は発酵乳原料として一般的に使用される種々の成分を選択し、その各量を調整することが可能である。
「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(以下、「乳等省令」という。)において、発酵乳とは「乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させ、糊状又は液状にしたもの又はこれらを凍結したもの」と定義されている。その成分規格は「無脂乳固形分8%以上、乳酸菌数又は酵母数(1ml当たり)1,000万以上、大腸菌群陰性」とされている。なお、本明細書において乳酸菌数又はビフィズス菌数の単位は、CFU(colony forming unit;コロニー形成単位)で表される。
また、乳等省令において乳製品乳酸菌飲料とは「乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させたものを加工し、又は主要原料とした飲料(発酵乳を除く。)」と定義されている。その成分規格は「無脂乳固形分3%以上、乳酸菌数又は酵母数(1mL当たり)1,000万以上、大腸菌群陰性」とされている。
乳等省令において乳等を主要原料とする食品の乳酸菌飲料とは「乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させたものを加工し、又は主要原料とした飲料(発酵乳を除く。)」と定義されている。その成分規格は「無脂乳固形分3%未満、乳酸菌数又は酵母数(1mL当たり)1,000万以上、大腸菌群陰性」とされている。
本明細書において「発酵乳」とは、固形状、糊状、液状のいずれの形状であってもよく、上記乳等省令の発酵乳の定義に加えて、乳等省令に定義された乳製品乳酸菌飲料、乳等を主要原料とする食品の乳酸菌飲料のいずれも含む。
また、発酵乳の種類としては、大別すると、(i)容器に原料を充填して発酵させた固形状のヨーグルト(静置型ヨーグルト、後発酵タイプのヨーグルト)と、(ii)タンクに原料を入れて発酵し、生じたカードを砕き、これを容易に充填した液状又は糊状ヨーグルト(撹拌型ヨーグルト、前発酵タイプのヨーグルト)と、がある。
前記静置型ヨーグルトとしては、プレーンヨーグルト、ハードヨーグルト等が挙げられる。前記撹拌型ヨーグルトとしては、ソフトヨーグルト、ドリンクヨーグルト、フローズンヨーグルト等が挙げられる。
(1)原料調製工程(I)
原料調製工程(I)は、発酵原料(発酵前原料)の溶液を均質処理して調乳液を調製する工程である。
当該発酵前原料溶液は、作業効率の観点から、(A)乳タンパク質加水分解物及び/又は(B)難消化性デキストリンを含み、さらに(C)スクラロース及び(D)フルクトース、プシコース及びアロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上の単糖を含むものが好適である。当該発酵前原料溶液は、さらに(E)ラクチュロースを含むものが好適である。前記(A)~(E)は、発酵乳の原料であるので、上述のように調乳液の原料(発酵前の原料)として使用することができるが、発酵乳製造工程の何れかで使用すればよく、発酵前に使用せずに発酵後に使用してもよい。
本技術における「発酵原料溶液(発酵前原料溶液)」とは、発酵原料(発酵前原料)等を溶媒に溶解させて得られる溶液である。
発酵原料(発酵前原料)を溶媒に溶解させて溶液とする方法としては特に限定されず、通常用いられている方法により行なうことができる。
前記溶媒も特に限定されず、公知の溶媒を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。具体的には、例えば、水、温湯等を用いることができる。
溶解時の溶媒の温度も、本技術の効果を損なわない限り特に限定されず、自由に設定することができる。
更に、必要に応じて、溶解機として、パワーブレンダー、ミキサー、高速攪拌機等を用いてもよい。
本技術において、前記発酵原料溶液(発酵前原料溶液)には、本技術の効果を損なわない範囲で、甘味料、安定剤、香料等が含有されていてもよい。
本技術における「調乳液」とは、前記発酵原料溶液(発酵前原料溶液)が均質処理されたものであれば特に限定されず、後述する加熱処理を終えた後のものも含む概念である。
原料調製工程(I)における均質処理の方法は特に限定されず、通常用いられている方法により行なうことができる。具体的には、例えば、ホモジナイザー等を用い、65~90℃に加温した溶液に10~20MPa程度の圧力を加え、均質処理する方法等が挙げられる。
本技術では、均質処理を行なう時点は特に限定されず、後述する加熱処理の前に行なってもよいし、加熱処理の後であって発酵工程(II)の前に行なってもよい。しかし、衛生的な観点から、加熱処理の前に行なうことが好ましい。
本技術では、原料調製工程(I)において、前記発酵原料溶液(発酵前原料溶液)の均質処理後に70~100℃で5~15分間加熱処理してもよい。これにより、加熱処理による殺菌効果を得ることができる。
通常、発酵乳を製造する場合の加熱処理の条件としては、(i)温度85℃で30分間、(ii)温度90~95℃で10分~5分間、(iii)温度120℃で5~3秒間、が一般的に知られている(「最新食品加工講座乳とその加工」初版,建帛社発行,昭和62年,第282頁等参照)。
原料調製工程(I)における加熱処理の方法は特に限定されず、通常用いられている方法により行なうことができる。具体的には、例えば、前記発酵原料溶液(発酵前原料溶液)を、プレート式殺菌機、チューブラー式殺菌機、直接加熱式殺菌機、ジャケット付きタンク等の加熱処理装置等を用いて行なうことができる。
また、本技術では、加熱処理後、所定の温度まで前記調乳液を冷却してもよい。具体的には、例えば、後述する発酵工程(II)における発酵温度付近まで冷却する。
(2)発酵工程(II)
発酵工程(II)は、前記調乳液に乳発酵細菌(具体的には、乳酸菌、ビフィドバクテリウム属細菌等)を添加して発酵させる工程である。
本技術では、前記調乳液に添加する乳発酵細菌、発酵の条件(発酵温度、時間等)は特に制限されず、通常用いられているものを使用することができる。
一般的に、「乳酸菌」とは、ラクトコッカス属細菌、ラクトバチルス属細菌、及びストレプトコッカス属細菌に属する細菌であって、代謝により乳酸を生成する細菌類の総称である。また、ビフィドバクテリウム属細菌は、代謝により乳酸及び酢酸を生成する細菌類の総称である「ビフィズス菌」とも呼ばれている。
なお、これらの乳酸菌は、スターター(種菌)とも呼ばれ、市販品のスターターを使用してもよい。
ラクトコッカス(Lactococcus)属細菌の例としては、ラクトコッカス・ラクティス(L. lactis)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス(L. lactis subsp. lactis)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス・バイオバラエティ・ジアセチラクティス(L. lactis subsp. lactis biovar. diacetylactis)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(L. lactis subsp. cremoris)等の菌株;ラクトバチルス(Lactobacillus)属細菌の例としては、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ラクティス(L. delbrueckii subsp. lactis)、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス(L. delbrueckii subsp. bulgaricus)、ラクトバチルス・ブルガリカス(L.bulgaricus)、ラクトバチルス・ロイテリ(L. reuteri)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(L. helveticus)等の菌株;ストレプトコッカス(Streptococcus)属細菌の例として、ストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモフィラス(S. salivarius subsp. thermophilus)、ストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)等の菌株等が挙げられ、これらの細菌を1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
スターターとして、発酵乳の製造効率及び発酵乳の効能の観点から、好ましくは、ラクトバチルス属細菌及びストレプトコッカス属細菌が好ましく、これらの例示から選択される1種又は2種以上のものがより好ましい。
本技術のスターターとして、さらに、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス、ラクトバチルス・ブルガリカス、ストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモフィラス、ストレプトコッカス・サーモフィラスからなる群から選択される1種又は2種以上のものである。
より好ましくは、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス及びストレプトコッカス・サーモフィラスの組み合わせであり、前記(A)~(D)又は前記(A)~(E)の組み合わせにおいて発酵乳の効能及び風味をより良好にすることができる。前記(A)乳タンパク質加水分解物を発酵原料として使用する場合、トリペプチドMKPの効能が期待できるように、当該MKPを資化しないスターターを選択することが好ましい。
また、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属細菌の例としては、ビフィドバクテリウム・ロンガム(B. longum)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(B. breve)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(B. bifidum)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(B. infantis)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(B. animalis)等の菌株が挙げられ、これらの細菌を1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの乳酸菌の前記調乳液に対する添加量は、通常の範囲内で適宜調節することができる。例えば、前記調乳液における細菌濃度が、少なくとも1×10CFU/g程度、好ましくは少なくとも1×10CFU/g程度となるような量を添加することが好ましい。
前記調乳液への細菌の添加方法は特に制限されず、菌末の状態で添加する方法;カルチャー(培養物)の状態で添加する方法等が挙げられる。
発酵温度は特に限定されず、乳酸菌等の細菌が効率よく増殖する範囲であればよく、通常30~50℃程度であり、35~43℃程度が好ましい。また、発酵時間は特に限定されず、3~10時間程度、好ましくは3~7時間程度である。
また、発酵のpHは、通常前記調乳液のpHが5.0以下になるまで、好ましくは前記調乳液のpHが4.8以下になるまで、より好ましくは前記調乳液のpHが4.2~4.8程度になるまで行なえばよい。
また、本技術では、発酵工程(II)後、所定の温度まで発酵後の前記調乳液を冷却してもよい。具体的には、例えば、10℃以下まで冷却する。
前記発酵乳として静置型ヨーグルトを製造する場合には、発酵菌が添加された前記調乳液を容器に充填してから発酵させることができる。また、前記発酵乳として撹拌型ヨーグルトを製造する場合には、発酵工程(II)後に、形成したカードを破砕し、容器に充填することができる。前記容器としては、プラスチック製の容器、紙製の容器等が挙げられる。
(3)その他の工程
本技術では、本技術の効果を損なわない範囲で、その他の工程を行なうことができる。
その他の工程としては、前記(A)~(E)を、発酵工程後に添加する添加工程等が挙げられる。また、その他の工程としては、例えば、安定剤、添加剤、香料、フルーツ、フルーツソース等を添加する添加工程等が挙げられる。
<2.発酵乳の風味向上の用途>
本技術は、前記(A)乳タンパク質加水分解物及び/又は前記(B)難消化性デキストリンを含む発酵乳の風味向上方法であり、前記(C)スクラロース並びに前記(D)フルクトース、プシコース及びアロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上の単糖を使用する、発酵乳の風味向上方法である。好適には、さらに前記(E)ラクチュロースを使用するものである。
また、本技術の発酵乳の風味向上剤は、前記(A)乳タンパク質加水分解物及び/又は前記(B)難消化性デキストリンを含む発酵乳の風味向上剤であり、当該風味向上剤には、前記(C)スクラロース、並びに、前記(D)フルクトース、プシコース及びアロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上の単糖を含むものである。好適には、さらに前記(E)ラクチュロースを含むものである。
本技術の前記(C)及び(D)、又は前記(C)~(E)は、上記<1.発酵乳の製造方法>の何れかの工程において、前記(A)及び/又は前記(B)を含む発酵乳の風味向上のために、使用することが好適である。なお、前記(A)乳タンパク質加水分解物及び/又は前記(B)難消化性デキストリンは、上記<1.発酵乳の製造方法>の何れかの工程において使用され、最終製品に含有されていればよく、発酵前及び/又は発酵後に使用されていればよい。
本技術の前記(C)及び前記(D)(好適には前記(C)、前記(D)及び前記(E)の3成分)の使用又は添加のタイミングは、本技術の効果を損なわなければ、特に限定されず、それぞれ発酵前及び/又は発酵後に、使用又は添加されればよい。
本技術の前記(C)及び前記(D)(好適には前記(C)、前記(D)及び前記(E)の3成分)を、発酵前の発酵乳原料として同時期に又は別々に添加することが、作業効率の観点から、好適である。より好適には、本技術の前記(C)及び前記(D)(好適には前記(C)、前記(D)及び前記(E)の3成分)を、調乳液原料又は調乳液として使用することである。
また、本技術の前記(C)及び前記(D)(好適には前記(C)、前記(D)及び前記(E)の3成分)を、発酵後の発酵乳原料として同時期に又は別々に添加することが、風味向上の観点から、好適である。
本技術の前記(A)は、カゼイン加水分解物であることが、好適である。
本技術の前記(A)~(E)の各使用方法及び各使用量は、上記<1.発酵乳の製造方法>のとおりである。
本技術の前記(C)及び前記(D)(好適には前記(C)、前記(D)及び前記(E)の3成分)は、前記(A)及び/又は前記(B)を使用する発酵乳の風味向上のために用いることが可能である。従って、本技術の前記(C)及び(D)(好適には前記(C)、前記(D)及び前記(E)の3成分)は、有効成分として、前記(A)及び/又は前記(B)を使用する発酵乳の風味向上の目的のために、発酵乳に含有させることができ、或いは、これら発酵乳等に使用される素材又は製剤であってもよい。
本技術の前記(C)及び(D)(好適には前記(C)、前記(D)及び前記(E)の3成分)は、これら自体をそのまま前記(A)及び/又は前記(B)に対して使用することが可能であり、又は食品学的に許容される通常の担体若しくは希釈剤と共に混合して用いることもできる。
また、本技術の前記(C)及び(D)(好適には前記(C)、前記(D)及び前記(E)の3成分)は、前記(A)及び/又は(B)を使用する発酵乳の風味向上用の組成物又は製剤等の製造のために使用することができる。
本技術により、乳タンパク質加水分解物及び/又は難消化性デキストリンを発酵乳原料として使用しても、乳タンパク質加水分解物及び/又は難消化性デキストリン由来の苦味、糊臭及び不快臭を良好にマスキングしつつ、発酵乳特有の香りをできるだけ損なわない発酵乳を提供することができる。これにより、乳タンパク質加水分解物及び/又は難消化性デキストリンに起因して低下した発酵乳の風味を向上させることができる。
<発酵乳>
本技術の発酵乳は、前記(C)スクラロース及び前記(D)フルクトース、プシコース及びアロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上の単糖を併用して含むことで、前記(A)乳タンパク質加水分解物及び/又は前記(B)難消化性デキストリンに起因する苦味、糊臭及び不快臭が良好にマスキングされつつ、発酵乳特有の香りが損なっていない、良好な発酵乳の風味を有するものである。
さらに、本技術の発酵乳は、さらに、前記(E)ラクチュロースを含むことで、発酵乳の香り及びミルク風味がより良好な発酵乳の風味を有するものである。
なお、本技術の発酵乳は、上記<1.発酵乳の製造方法>のようにして製造することができるが、これに限定されるものではない。
本技術の発酵乳は、前記(A)乳タンパク質加水分解物及び/又は前記(B)難消化性デキストリンを含むことを特徴とするので、当該乳タンパク質加水分解物及び/又は難消化性デキストリンが有する効能を期待できる。また、本技術の発酵乳は、発酵乳中の乳発酵菌(例えば、乳酸菌、ビフィズス菌等)の持つ効能(例えば、プロバイオティクス効果、整腸作用、免疫賦活作用等)を期待できる。
従って、本技術の発酵乳は、良好な発酵乳風味を有するため、健康の維持や増進を目的とした日々摂取可能な飲食品としても応用できる。
本技術の発酵乳では、前記(C)スクラロース及び前記(D)フルクトース、プシコース及びアロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上の単糖(好適には、前記(C)、前記(D)及び前記(E)の3成分)を発酵乳の風味向上に使用することで、発酵乳原料に一般的に使用する糖類(好適には、グルコース等のようなエネルギー源となる糖質)の使用量を少なくすることができる。本技術の発酵乳は、一般的な発酵乳と比較して、好適には糖質を約30%オフ、より好適には糖質を40%オフとすることができる。
従って、本技術の発酵乳は、生活習慣病(例えば、肥満、糖尿病、高血圧症、高脂血症、及び合併症、又はこれらに起因する疾患又は症状等)の予防・改善・治療を目的とした又は健康の維持若しくは増進を目的とした組成物(例えば、医薬品用、飲食品用、飼料用等)としても応用できる。
本技術の発酵乳は、具体的には、例えば、血糖値上昇抑制、血圧降下、血中中性脂肪低減、血中コレステロール上昇抑制等の用途をコンセプトとする健康食品、機能性食品、機能性表示食品、病者用食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品、及び血糖値が気になる方、肥満が気になる方、コレステロールや中性脂肪が気になる方、塩分摂取が気になる方、生活習慣病を予防したい方等の旨の用途が表示された特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品等にも応用できる。
なお、上述したような表示を行うために使用する文言は、「生活習慣病」という文言のみに限られるわけではなく、それ以外の文言であっても、生活習慣病に関連する各種疾患や症状の予防、改善及び/又は治療の効果を表す文言であれば、本技術の効能の範囲に包含されることは言うまでもない。そのような文言としては、例えば、需要者に対して、生活習慣病の予防・改善等の効果を認識させるような種々の用途に基づく表示も可能である。
また、本技術は、治療目的使用であっても、非治療目的使用であってもよい。
「非治療目的」とは、医療行為、すなわち、治療による人体への処置行為を含まない概念である。例えば、健康増進、美容行為等が挙げられる。
「改善」とは、疾患、症状又は状態の好転;疾患、症状又は状態の悪化防止、遅延;疾患又は症状の進行の逆転、防止又は遅延をいう。
「予防」とは、適用対象における疾患若しくは症状の発症の防止や遅延、又は適用対象の疾患若しくは症状の危険性の低下をいう。
本技術の発酵乳中の前記(A)~(E)の含有量は、上記<1.発酵乳の製造方法>の<発酵乳最終製品の各成分(A)~(E)の量>のとおりである。
本技術では、前記発酵乳中の(A)乳タンパク質加水分解物の含有量は、特に限定されず、効能発揮の観点で、好ましくは0.1~1.0質量%である。
本技術では、前記発酵乳中のトリペプチドMKPの含有量は、特に限定されず、効能発揮の観点で、好ましくは0.00009~0.0008質量%である。
本技術では、前記発酵乳中の(B)難消化性デキストリンの含有量は、特に限定されず、効能発揮の観点で好ましくは1~10質量%である。
本技術では、前記発酵乳中に(A)乳タンパク質加水分解物及び(B)難消化性デキストリンが含まれる場合、(A)乳タンパク質加水分解物及び(B)難消化性デキストリンの質量割合は特に限定されないが、より良好な本技術の効能を発揮させる観点から、質量比で、難消化性デキストリン:乳タンパク質加水分解物=1:0.001~10:1の割合で含有することがより好ましい。
本技術では、前記発酵乳中の(a4)トリペプチドMKP及び(B)難消化性デキストリンの質量割合は特に限定されないが、より良好な本技術の効能を発揮させる観点から、好ましくは、トリペプチドMKP1質量部に対して、難消化性デキストリン15000~50000質量部である。
本技術では、前記発酵乳中の(C)スクラロースの含有量は、特に限定されず、苦味、糊臭及び不快臭をマスキングしつつ発酵乳特有の香りを損なわずに発酵乳の風味が良好な観点で好ましくは0.001~0.1質量%である。
本技術では、前記発酵乳中の(D)フルクトース、プシコース及びアロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上の単糖の含有量は、特に限定されず、苦味、糊臭及び不快臭をマスキングしつつ発酵乳特有の香りを損なわずに発酵乳の風味が良好な観点で好ましくは0.015~0.1質量%である。
本技術では、(E)ラクチュロースを発酵乳に含ませることが好適であり、前記発酵乳中の(E)ラクチュロースの含有量は、特に限定されずで好ましくは1~4質量%である。
本技術では、前記発酵乳中の乳酸菌の含有量は、1×10~1×1012CFU/mLであるのが好ましく、1×106~1×1011cfu/mLであることがより好ましく、1×107~1×1010cfu/mLであることがさらに好ましい。
本技術では、前記発酵乳中のビフィドバクテリウム属細菌の含有量は、0.5×10~10×10CFU/mLであることが好ましく、1×10~10×10CFU/mLであることがより好ましい。
なお、本技術において、「表示」行為には、需要者に対して上述した用途を知らしめるための全ての行為が含まれ、前記用途を想起・類推させうるような表現であれば、表示の目的、表示の内容、表示する対象物・媒体等の如何に拘わらず、全て本技術の「表示」行為に該当する。
また、「表示」は、需要者が上記用途を直接的に認識できるような表現により行われることが好ましい。具体的には、飲食品に係る商品又は商品の包装に前記用途を記載したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引き渡しのために展示し、輸入する行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に上記用途を記載して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に上記用途を記載して電磁気的(インターネット等)方法により提供する行為等が挙げられる。
一方、表示内容としては、行政等によって認可された表示(例えば、行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様で行う表示等)であることが好ましい。また、そのような表示内容を、包装、容器、カタログ、パンフレット、POP(Point of purchase advertising)等の販売現場における宣伝材、その他の書類等へ付することが好ましい。
また、「表示」には、健康食品、機能性食品、病者用食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品、特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品、医薬用部外品等としての表示も挙げられる。この中でも特に、消費者庁によって認可される表示、例えば、特定保健用食品制度、機能性表示食品制度、これらに類似する制度にて認可される表示等が挙げられる。より具体的には、特定保健用食品としての表示、条件付き特定保健用食品としての表示、機能性表示食品としての表示、身体の構造や機能に影響を与える旨の表示、疾病リスク低減表示等を挙げることができる。この中でも典型的な例としては、健康増進法施行規則(平成15年4月30日日本国厚生労働省令第86号)に定められた特定保健用食品としての表示(特に保健の用途の表示)、食品表示法(平成25年法律第70号)に定められた機能性表示食品としての表示及びこれらに類する表示等が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本技術を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本技術の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
[製造例1:カゼイン加水分解物]
(A)乳タンパク質加水分解物として、カゼイン加水分解物を用いた。
市販のカゼイン(牛乳由来、ニュージーランドデーリーボード社製)100mgに水900mgを加え、よく分散させ、水酸化ナトリウムを添加して溶液のpHを7.0に調整し、カゼインを完全に溶解し、濃度約10%のカゼイン水溶液を調製した。
該カゼイン水溶液を85℃で10分間加熱殺菌し、50℃に温度調整し、水酸化ナトリウムを添加してpHを9.0に調整した後、パンクレアチン2mg(天野エンザイム社製)、プロテアーゼA4mg(天野エンザイム社製)を添加して、加水分解反応を開始した。8時間後に80℃で6分間加熱して酵素を失活させて酵素反応を停止し、10℃に冷却した。
この加水分解液を分画分子量1000の限外ろ過膜(日本ポール社製)で限外ろ過し、濃縮後凍結乾燥し、カゼイン分解物を85mg得た。
(A)カゼイン加水分解物は、上記工程を複数ロット実施した結果、分解率20~30%、平均分子量800Da以下、アミノ酸遊離率10%以下、トリペプチドMKP0.01~0.1質量%の範囲であった。これらは上述の<アミノ酸の分解率>、<平均分子量の算定方法>、<アミノ酸遊離率の算定方法>、<トリペプチドMKP含有量の測定>にて算定した。なお、カゼイン加水分解物は、平均分子量360~390Daに調製可能である。
発酵乳原料として、以下の成分を使用した。
脱脂濃縮乳として、脱脂濃縮乳(森永乳業社製)を使用した。
クリームとして、クリーム(森永乳業社製)を使用した。
(A)乳タンパク質加水分解物は、上記製造例1のカゼイン加水分解物を使用した。
(B)難消化性デキストリンは、ファイバーソル2(松谷化学工業社製)を使用した。
(C)スクラロースは、スクラロース(三栄源エフエフアイ社製)を使用した。
(D)希少糖含有シロップは、レアシュガースウィート(松谷化学工業社製)を使用した。当該希少糖含有シロップには、D-フラクトース31質量%、D-グルコース44質量%、D-プシコース6質量%、D-アロース質4質量%が含まれていた。
(E)ラクチュロース含有シロップは、ミルクオリゴ糖 MLS(R)-50(森永乳業社製)を使用した。ラクチュロース含有シロップ(ミルクオリゴ糖)には、ラクチュロース50質量%が含まれていた。
香料として、ヨーグルトフレーバー(三栄源エフエフアイ社製)を使用した。
乳酸菌スターターとして、YO-MIX(ダニスコ社製)を使用した。YO-MIX(ダニスコ社製)には、ストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)及びラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス(L. delbrueckii subsp. bulgaricus)並びにショ糖及びマルトデキストリンが含まれている。
〔試験例1~20:発酵乳:ドリンクヨーグルトの製造〕
試験例1~20の発酵乳:ドリンクヨーグルト(撹拌型ヨーグルト)の製造に使用する原料を表1~4に示す。原料は、各成分を配合し、溶解水で100質量%になるように調整した。
なお、試験例20で使用した調乳液には、(A)カゼイン加水分解物 0.50質量%、(B)難消化性デキストリン 5.00質量%、(C)スクラロース0.01質量%、(D)希少糖含有シロップ 0.05質量%(発酵乳原料中、D-グルコース 0.022質量%、D-フルクトース 0.0155質量%、D-プシコース 0.003質量%、D-アロース約0.002質量%)、(E)ラクチュロース含有シロップ2.00質量%(発酵乳原料中、ラクチュロース 1.00質量%)が含まれている。
Figure 0007062460000004
Figure 0007062460000005
Figure 0007062460000006
Figure 0007062460000007
(1)原料調製工程(I)
まず、ミキサーを用いて、表1~4に示す各原料を混合して、試験例1~20の各発酵乳原料溶液(ペクチン配合なし)を調製した。
次いで、試験例1~20の各発酵乳原料溶液を、ホモジナイザーにより加温・均質処理(温度85℃で圧力20MPa)した。加温・均質処理した各発酵乳原料溶液を、加熱殺菌処理(90℃で10分間)し、冷却(42℃)した。このようにして、試験例1~20の各発酵乳用の調乳液(ペクチン配合なし)を調製した。
(2)発酵工程(II)
冷却後の試験例1~20の各調乳液に乳酸菌スターター(ストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)とラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス(L. delbrueckii subsp. bulgaricus)の混合培養物:YO-MIX(R);DANISCO社製)を添加した後に、発酵処理(40℃、7時間)し、表1~4に示すようにペクチンを混合し、冷却(5℃)し破砕した後、容器に充填した。このようにして、試験例1~20の各発酵乳を調製した。
得られた試験例18及び20の各発酵乳の各成分について測定を行った場合、以下の範囲内にある。(A)カゼイン加水分解物 0.3~0.8質量%(トリペプチドMKP 0.0001~0.0005質量%)、(B)難消化性デキストリン 4~8質量%、(C)スクラロース0.005~0.02質量%、(D)D-プシコース及びD-アロース 0.015~0.1質量%(プシコース:アロース(質量比)=0.5~17:0.2~10)、(E)ラクチュロース 1~4質量%。
得られた試験例1~20の各発酵乳の官能評価(苦味、糊臭、不快臭、発酵乳の香り、ミルク風味)を行った。
〔官能評価〕
各試験例の発酵乳について、パネラー10名で官能評価を実施し、その平均値を表5~9に示した。
〔苦味評価〕
4 苦味がほとんどない。
3 苦味が少しある。
2 苦味がやや強い。
1 苦味が強い。
〔糊臭評価〕
4 糊臭がほとんどない。
3 糊臭が少しある。
2 糊臭がやや強い。
1 糊臭が強い。
〔不快臭評価〕
4 不快臭がほとんどない。
3 不快臭が少しある。
2 不快臭がやや強い。
1 不快臭が強い。
〔発酵乳の香り・及び風味評価〕
4 発酵乳の香りと風味が強い。
3 発酵乳の香りと風味がやや強い。
2 発酵乳の香りと風味が弱い。
1 発酵乳の香りと風味がほとんどない。
〔ミルク風味評価〕
4 ミルク風味が強い。
3 ミルク風味がやや強い。
2 ミルク風味が弱い。
1 ミルク風味がほとんどない。
Figure 0007062460000008
Figure 0007062460000009
Figure 0007062460000010
Figure 0007062460000011
Figure 0007062460000012
以上の結果より、スクラロースのみでは、乳タンパク質加水分解物及び/又は難消化性デキストリンに対する、苦味及び糊臭のマスキング効果はあるが、発酵乳の風味が損なわれる。
希少糖含有シロップのみでは、難消化性デキストリンに対する糊臭のマスキング効果はあるが、発酵乳に対する発酵香り及び風味のマスキング効果もあり、発酵乳の風味が損なわれる。ラクチュロース含有シロップのみでは、乳タンパク質加水分解物及び/又は難消化性デキストリンに対する、不快臭へのマスキング効果が小さい。このように、スクラロース、希少糖含有シロップ、ラクチュロース含有シロップの単体では、乳タンパク質加水分解物及び/又は難消化性デキストリンを含み、これらの効能を期待する場合、発酵乳の風味を損なってしまう。
しかしながら、スクラロース+希少糖含有シロップの併用することによって、それぞれ単体で使用するより、乳タンパク質加水分解物及び/又は難消化性デキストリンを含む発酵乳に対して、苦味、糊臭及び不快臭のマスキング効果が高い上に、発酵の香りも残り、発酵乳の風味が損なわれない。
スクラロース+希少糖含有シロップに、さらにラクチュロース含有シロップを併用することで、乳タンパク質加水分解物及び/又は難消化性デキストリンを含む発酵乳に対して、さらにミルク風味、発酵の香りを付与する効果があり、発酵乳の風味が改善される又は向上する。
また、後述する試験例21~24に示すように幅広い形態のヨーグルトにおいても、スクラロース+希少糖含有シロップの併用、又は、さらにラクチュロース含有シロップを併用することで、乳タンパク質加水分解物及び/又は難消化性デキストリンを含む発酵乳に対して、苦味、糊臭及び不快臭のマスキング効果が高い上に、発酵の香りも残り、発酵乳の風味が損なわれず、さらに発酵乳の風味が向上する。
〔試験例21及び22:ドリンクヨーグルト(前発酵)〕
(1)原料調製工程(I)
まず、ミキサーを用いて、表10に示す各原料を混合して、試験例21及び22の各発酵乳原料溶液(ペクチン配合なし)を調製した。
次いで、試験例21及び22の各発酵乳原料溶液を、ホモジナイザーにより加温・均質処理(温度85℃で圧力20MPa)した。加温・均質処理した各発酵乳原料溶液を、加熱殺菌処理(90℃で10分間)し、冷却(42℃)した。このようにして、試験例21及び22の各発酵乳用の調乳液を調製した。
(2)発酵工程(II)
冷却後の試験例21及び22の各調乳液に乳酸菌スターター(ストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)とラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス(L. delbrueckii subsp. bulgaricus)の混合培養物:YO-MIX(R) ;DANISCO社製)を添加した後に、発酵処理(40℃、7時間)し、冷却(5℃)し破砕した後、容器に充填した。このようにして、試験例21及び22の各発酵乳を調製した。
得られた試験例21及び22の各発酵乳の官能評価(苦味、糊臭、不快臭、発酵乳の香り、ミルク風味)を行った。
試験例21及び22の各発酵乳は、苦味、糊臭、不快臭がマスキングされ、発酵乳の香りも良好であり、得られた発酵乳の風味は良好であった。試験例22の発酵乳は、試験例21の発酵乳よりも、不快臭が改善され及びミルク風味が良好であった。
Figure 0007062460000013
〔試験例23及び24:発酵乳:固形状のヨーグルト〕
発酵乳:固形状のヨーグルト(静置型ヨーグルト:後発酵タイプ)の製造に使用する原料を表11に示す。
(1)原料調製工程(I)
まず、ミキサーを用いて、表11に示す各原料を混合して、試験例23及び24の各発酵乳原料溶液を調製した。
次いで、試験例23及び24の各発酵乳原料溶液を、それぞれホモジナイザーにより加温・均質処理(温度85℃で圧力20MPa)した。加温・均質処理した各発酵乳原料溶液を、加熱殺菌処理(90℃で10分間)し、冷却(42℃)した。このようにして、試験例21及び22の各発酵乳用の調乳液を調製した。
(2)発酵工程(II)
冷却後の試験例23及び24の各調乳液に乳酸菌スターター(ストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)とラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス(L. delbrueckii subsp. bulgaricus)の混合培養物:YO-MIX(R) U;DANISCO社製)を添加した後に、容器に充填した。充填後に、容器内の調製乳を発酵処理(40℃、7時間)し、冷蔵(10℃以下)した。このようにして、試験例23及び24の各発酵乳(静置型の凝固状ヨーグルト)を調製した。
得られた試験例23及び24の各発酵乳の官能評価(苦味、糊臭、不快臭、発酵乳の香り、ミルク風味)を行った。
試験例23の発酵乳は、苦味、糊臭、不快臭、発酵乳の香りともに良好であった。試験例24の発酵乳は、苦味、糊臭、不快臭、発酵乳の香り、ミルク風味ともに良好であり、不快臭及びミルク風味については試験例23の発酵乳より良好であった。
Figure 0007062460000014

Claims (10)

  1. (A)乳タンパク質加水分解物及び/又は(B)難消化性デキストリンを含む発酵乳の製造方法であり、
    (C)スクラロース並びに(D)フルクトース、プシコース及びアロースを含む、発酵乳の製造方法。
  2. さらに(E)ラクチュロースを含むものである、請求項1に記載の発酵乳の製造方法。
  3. 前記乳タンパク質加水分解物が、カゼイン加水分解物である、請求項1又は2に記載の発酵乳の製造方法。
  4. 前記乳タンパク質加水分解物が、Met-Lys―Proからなるペプチドを含むものである、請求項1~3の何れか1項に記載の発酵乳の製造方法。
  5. 風味が向上した発酵乳である、請求項1~4の何れか1項に記載の発酵乳の製造方法。
  6. 以下の(A)及び/又は(B)を含み、かつ以下の(C)及び(D)を含む、発酵乳。
    (A)乳タンパク質加水分解物、
    (B)難消化性デキストリン、
    (C)スクラロース、
    (D)フルクトース、プシコース及びアロース。
  7. さらに(E)ラクチュロースを含むものである、請求項6に記載の発酵乳。
  8. 風味が向上した発酵乳である、請求項7に記載の発酵乳。
  9. (A)乳タンパク質加水分解物及び/又は(B)難消化性デキストリンを含む発酵乳の風味向上方法であり、
    (C)スクラロース並びに(D)フルクトース、プシコース及びアロースを使用する、発酵乳の風味向上方法。
  10. さらに(E)ラクチュロースを使用する請求項9に記載の発酵乳の風味向上方法。
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