JP7060241B2 - 上部曲面護岸の設計波圧導出方法、上部曲面護岸の設計方法及び上部曲面護岸の作製方法 - Google Patents

上部曲面護岸の設計波圧導出方法、上部曲面護岸の設計方法及び上部曲面護岸の作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、上部曲面護岸の設計に用いられる設計波圧を導出するための設計波圧導出方法、その設計波圧導出方法により導出された設計波圧を用いた上部曲面護岸の設計方法、及び、その上部曲面護岸の作製方法に関する。
旧来から海岸沿いに設置される護岸として、沖側を向く沖側面が直立した平面(垂直面)である直立護岸が知られている。また、近年、このような直立護岸に比べてより高い越波阻止性能を有する新規護岸として、沖側面の上部が上側へ向かうにつれて沖側へ滑らかに迫り出す曲面状をなす上部曲面護岸が開発されている。上部曲面護岸では、沖側面に打ち寄せた波をその沖側面の曲面形状に沿って反転させて沖側へ返すことができるため、直立護岸に比べて越波阻止性能が高くなる。下記特許文献1には、このような上部曲面護岸の一例である上部フレア護岸が開示されている。
上部曲面護岸では沖側面の上部の曲面部が最も大きい波圧を受けることから、当該上部曲面護岸が設計される際にはその上部曲面護岸が海岸に設置された場合に曲面部が受けるであろう波圧を設計波圧として予め導出し、その設計波圧に対して十分に耐え得る強度を有するように当該上部曲面護岸が設計される。従来では、上部曲面護岸の前記設計波圧は、水理実験を行うことによって求められている。
特開2017-227065号公報
ところで、水理実験に基づいて信頼性の高い設計波圧を導出するためには、上部曲面護岸の設置予定場所を模擬した水理模型を用い、波浪条件等の各種条件を変更して多数回にわたる波圧の計測を行う必要がある。このような水理実験を上部曲面護岸の設計の都度行うとなると、その実験に要する時間が多大なものとなる。従って、設計波圧の導出に費やす時間が多大になる。
本発明の目的は、上部曲面護岸の設計波圧として信頼性の高い設計波圧を導出可能であるとともにその設計波圧の導出に要する時間を削減可能な上部曲面護岸の設計波圧導出方法、その設計波圧導出方法を用いた上部曲面護岸の設計方法及び当該上部曲面護岸の作製方法を提供することである。
本発明により提供されるのは、沖側を向く沖側面を有していて、この沖側面が、その高さ方向の中間位置から上側へ向かうにつれて沖側へ迫り出す曲面形状をなす曲面部と、前記沖側面の前記中間位置から下側の部分であって鉛直方向に延びる平面状をなす垂直面部とを有する上部曲面護岸の設計波圧を導出する方法である。この導出方法は、沖側を向く沖側面を有していてこの沖側面全体が鉛直方向に延びる平面状をなす直立護岸の設計波圧を導出するための既知の設計式に基づいて、前記上部曲面護岸の設置予定場所の海域の海底条件及び波浪条件における前記直立護岸の設計波圧を算出する直立護岸波圧算出工程と、前記直立護岸の設計波圧を前記上部曲面護岸の設計波圧に換算するための換算倍率を決定する換算倍率決定工程と、前記換算倍率決定工程で決定した前記換算倍率を前記直立護岸波圧算出工程で算出した前記直立護岸の設計波圧にかけることにより前記上部曲面護岸の設計波圧を算出する上部曲面護岸波圧算出工程と、を備える。なお、前記垂直面部がなす前記鉛直方向に延びる平面状とは、完全に鉛直方向に延びる平面状に限定されるものではなく、垂直面部に意図せず生じる鉛直方向からの微小な傾き程度は許容される概念である。
この導出方法では、旧来から海岸に設置されてきた直立護岸の設計波圧を導出するための既知の設計式に基づいて導出した直立護岸の設計波圧に換算倍率をかけることにより上部曲面護岸の設計波圧を算出するため、上部曲面護岸の設計波圧として信頼性の高い設計波圧を導出できる。また、この導出方法によれば、上部曲面護岸の設計の都度、その上部曲面護岸の設置予定場所に応じた水理実験を行うことなく、計算によって上部曲面護岸の設計波圧を求めることができる。このため、上部曲面護岸の設計波圧の導出に要する時間を削減できる。
前記直立護岸の沖側面は、前記上部曲面護岸の前記曲面部の高さ方向の範囲と同じ範囲に亘る曲面部対応領域を有し、前記換算倍率決定工程は、前記直立護岸の前記曲面部対応領域に作用する波圧の指標値に対する前記上部曲面護岸の前記曲面部に作用する波圧の指標値の比である波圧指標値比と設計波高に対する水深の比である水深/波高比との相関関係を用意する用意工程と、前記上部曲面護岸の設置予定場所における水深/波高比を導出する水深/波高比導出工程と、前記水深/波高比導出工程により導出した前記水深/波高比に対応する前記波圧指標値比を前記用意工程により用意した前記相関関係に基づいて導出し、この導出した波圧指標値比を前記換算倍率とする換算倍率導出工程と、を含むことが好ましい。
こうすれば、上部曲面護岸の設置予定場所の水深/波高比に応じた換算倍率を導出できる。このため、導出した換算倍率をかけることによって算出した上部曲面護岸の設計波圧を設置予定場所の水深/波高比に応じた値にすることができる。
本発明による上部曲面護岸の設計方法は、上部曲面護岸を設計するための方法であって、前記の設計波圧導出方法により前記上部曲面護岸の設計波圧を導出する設計波圧導出工程と、前記上部曲面護岸が前記設計波圧導出工程により導出した設計波圧に耐え得る強度を有するように当該上部曲面護岸の構造の因子を決定する構造因子決定工程と、を備える。
この設計方法によれば、上部曲面護岸が信頼性の高い設計波圧に耐え得る強度を有するように当該上部曲面護岸を設計することができるので、上部曲面護岸を設置予定場所に設置した場合に当該上部曲面護岸が受ける波圧に対して信頼性の高い上部曲面護岸を設計することができる。また、この設計方法では、前記の設計波圧導出方法により上部曲面護岸の設計波圧を導出するので、上部曲面護岸の設計にかかる時間を削減することができる。
前記上部曲面護岸は、地盤上に立設されて前記沖側面の前記垂直面部を構成する基部と、その基部上に設置されて前記沖側面の前記曲面部を構成する曲面ブロックと、を有し、前記曲面ブロックは、コンクリートにより形成されて前記曲面部を構成する曲面壁と、その曲面壁内に設置される複数の鉄筋と、を有し、前記構造因子決定工程では、前記上部曲面護岸の構造の因子として前記複数の鉄筋の各々の直径及び前記曲面壁内での前記複数の鉄筋の配置間隔を決定してもよい。
この場合には、複数の鉄筋により強化される曲面ブロックの曲面壁が前記の信頼性の高い設計波圧に耐え得る強度を有するように当該曲面壁を設計できる。
また、前記上部曲面護岸は、地盤上に立設されて前記沖側面の前記垂直面部を構成する基部と、その基部上に設置されて前記沖側面の前記曲面部を構成する曲面ブロックと、を有し、前記曲面ブロックは、コンクリートにより形成されて前記曲面部を構成する曲面壁と、その曲面壁の陸側に配置されて前記曲面壁を支える鋼製のフレームと、を有し、前記構造因子決定工程では、前記上部曲面護岸の構造の因子として前記フレームを構成する鋼板の厚みを決定してもよい。
この場合には、曲面ブロックのフレームが前記の信頼性の高い設計波圧に耐え得る強度を有するように当該フレームを設計できる。
また、前記上部曲面護岸は、地盤上に立設されて前記沖側面の前記垂直面部を構成する基部と、その基部上に設置されて前記沖側面の前記曲面部を構成する曲面ブロックと、前記曲面ブロックを前記基部に固定するアンカーボルトと、を有し、前記構造因子決定工程では、前記上部曲面護岸の構造の因子として前記アンカーボルトの径及び前記上部曲面護岸が有する前記アンカーボルトの本数を決定してもよい。
この場合には、曲面ブロックを基部に固定するアンカーボルトが前記の信頼性の高い設計波圧に耐え得る強度を有するように当該アンカーボルトの径及び本数を決定できるため、波圧に対して信頼性の高い曲面ブロックの固定を実現できる。
本発明による上部曲面護岸の作製方法は、前記設計方法により上部曲面護岸を設計してその設計図面を作成する上部曲面護岸の設計工程と、前記設計工程により作成した設計図面に従って上部曲面護岸を作製する作製工程と、を備える。
この作製方法によれば、信頼性の高い設計波圧に耐え得る強度を有する上部曲面護岸を作製することができる。このため、上部曲面護岸を設置予定場所に設置した場合に当該上部曲面護岸が受ける波圧に対して信頼性の高い上部曲面護岸を作製することができる。
以上のように、本発明によれば、上部曲面護岸の設計波圧として信頼性の高い設計波圧を導出可能であるとともにその設計波圧の導出に要する時間を削減可能な上部曲面護岸の設計波圧導出方法、その設計波圧導出方法を用いた上部曲面護岸の設計方法及び当該上部曲面護岸の作製方法を提供できる。
海岸に設置された上部曲面護岸を海岸に沿う方向から見た状態で模式的に示す図である。 上部曲面護岸の構造をより具体的に示す図である。 海岸に設置された直立護岸を海岸に沿う方向から見た状態で模式的に示す図である。 合田式での計算により得られる直立護岸の波圧分布を示す図である。 平均波圧比の分布を求めるための元データである波圧を計測する水理実験で用いた小曲面護岸モデルを模式的に示す図である。 平均波圧比の分布を求めるための元データである波圧を計測する水理実験で用いた中曲面護岸モデルを模式的に示す図である。 平均波圧比の分布を求めるための元データである波圧を計測する水理実験で用いた大曲面護岸モデルを模式的に示す図である。 水理実験で用いた直立護岸モデルを模式的に示す図である。 海底勾配が1/10で且つ波形勾配が0.012である条件における小曲面護岸モデル、中曲面護岸モデル及び大曲面護岸モデルについての複数の異なる水深/波高比h/H’毎の平均波圧比の分布図である。 海底勾配が1/10で且つ波形勾配が0.036である条件における小曲面護岸モデル、中曲面護岸モデル及び大曲面護岸モデルについての複数の異なる水深/波高比h/H’毎の平均波圧比の分布図である。
本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
本実施形態による上部曲面護岸1の設計方法によって設計され、本実施形態による上部曲面護岸1の作製方法によって作製される上部曲面護岸1は、図1に示すように、海の沖側を向いて波を受ける沖側面2を有し、この沖側面2のうちの上部領域が上側へ向かうにつれて沖側へ滑らかに迫り出す凹状の曲面をなすものである。
具体的に、沖側面2は、曲面部4と、垂直面部6とを有する。曲面部4は、沖側面2の高さ方向における所定の中間位置10から上側の全領域であり、前記中間位置10から上側へ向かうにつれて沖側へ滑らかに迫り出す曲面形状を呈する。この曲面部4の曲面形状は、当該曲面部4の下端(中間位置10)から上側へ向かうにつれて曲率が徐々に減少し、その上端において水平面に対して約30°の仰角をなすような形状である。垂直面部6は、沖側面2の前記中間位置10から下側の全領域である。この垂直面部6は、垂直面、すなわち略鉛直方向に延びる平面である。
図1では、上部曲面護岸1を模式的に示しているが、本実施形態による上部曲面護岸1は、より具体的には、図2に示すような構造を有する。上部曲面護岸1は、地盤上に立設されて前記垂直面部6を構成する基部12と、その基部12上に設置されて前記曲面部4を構成する曲面ブロック14と、その曲面ブロック14を基部12に固定する複数のアンカーボルト16と、背後構造体17とを有する。
基部12は、鉄筋コンクリート製もしくはコンクリート製の構造体である。基部12は、沖側を向く垂直面(略鉛直方向に延びる平面)を有していて、この垂直面が前記垂直面部6となる。この基部12は、上部曲面護岸1が設置される際に新設されるものだけではなく、既設の護岸を利用して形成されるものであってもよい。
曲面ブロック14は、コンクリート製の曲面壁18と、その曲面壁18内に設置された複数の鉄筋19と、鋼製のフレーム20と、を有する。
曲面壁18は、ある厚みを有する湾曲したコンクリート壁である。当該曲面壁18は、沖側を向く湾曲面を有していて、この湾曲面が前記曲面部4となっている。
複数の鉄筋19は、曲面壁18内に埋設されており、曲面壁18を強化するものである。複数の鉄筋19は、曲面部4に沿って湾曲した形状をなしていて図2の紙面に垂直な方向に配列された複数の縦鉄筋19aと、それらの縦鉄筋19aに対して交差するように配列されていて図2の紙面に垂直な方向に延びる複数の横鉄筋19bと、を有する。
フレーム20は、曲面壁18の陸側に配置されて曲面壁18を支えるものである。このフレーム20は、曲板部21と、一対の側板部22と、一対の架設材23とを有する。
曲板部21は、鋼板からなり、曲面壁18の湾曲した形状に沿う湾曲形状をなす。この曲板部21は、曲面壁18の陸側を向く面に沿うように配置されてその曲面壁18に固定されている。
一対の側板部22は、鋼板からなり、図2の紙面に垂直な方向に間隔をあけて互いに平行に配置され、曲板部21に固定されている。
一対の架設材23は、形鋼からなり、一対の側板部22間に配置されてその一対の側板部22が並ぶ方向(図2の紙面に垂直な方向)に延びている。この一対の架設材23は、一対の側板部22のそれぞれに対して固定されている。各架設材23には、上下方向に貫通する穴が形成されている。
アンカーボルト16は、基部12の上面から突出するように当該基部12に固定されている。このアンカーボルト16の基部12から突出した部分は架設材23の前記穴に挿通されてその架設材23に固定され、それによって当該アンカーボルト16を介して曲面ブロック14のフレーム20が基部12に固定されている。
背後構造体17は、曲面ブロック14のフレーム20を全体的に覆うとともに曲面壁18の陸側を向く面を覆うように基部12上に施工されたコンクリート製の構造体である。
本実施形態による上部曲面護岸1の作製方法は、以上のような構成の上部曲面護岸1を作製するための方法である。この作製方法は、上部曲面護岸1の設計波圧の導出を含む上部曲面護岸1の設計工程と、上部曲面護岸1を作製する作製工程とを含む。以下、この上部曲面護岸1の作製方法の各工程について具体的に説明する。
(a)上部曲面護岸1の設計工程
この設計工程は、上部曲面護岸1の天端高を導出する天端高導出工程と、上部曲面護岸1の設計波圧を導出する設計波圧導出工程と、上部曲面護岸1の構造の因子を決定する構造因子決定工程と、とを含む。
(a-1)天端高導出工程
この天端高導出工程では、上部曲面護岸1の設置予定場所に応じた設計条件に基づいて、その設置予定場所に上部曲面護岸1を設置する場合に必要な上部曲面護岸1の天端高を導出する。前記設計条件は、設置予定場所の海域における設計波高(換算沖波波高)、設計波長(沖波波長)、設置予定場所に上部曲面護岸1が設置された場合の沖側面2の位置での水深、設置予定場所の海底勾配、許容越波流量、設計潮位といったパラメータからなる。この天端高の導出には、特開2017-227065号公報に開示された既知の天端高推定方法を用いる。
(a-2)設計波圧導出工程
この設計波圧導出工程では、上部曲面護岸1の構造の因子の決定に用いられる設計波圧を導出する。この設計波圧導出工程で用いる設計波圧の導出方法は、旧来から直立護岸100(図3参照)の設計波圧の導出に用いられている既知の設計式を用いて上部曲面護岸1の設置予定場所の海域の海底条件及び波浪条件における直立護岸100の設計波圧をまず算出し、その算出した設計波圧に換算倍率をかけることによってその設計波圧を上部曲面護岸1の設計波圧に換算するものである。具体的に、この設計波圧導出工程は、直立護岸波圧算出工程と、換算倍率決定工程と、上部曲面護岸波圧算出工程と、を含む。
(a-2-1)直立護岸波圧算出工程
この工程では、直立護岸100の設計波圧を算出するための既知の設計式に基づいて、上部曲面護岸1の設置予定場所の海域の海底条件及び波浪条件において上部曲面護岸1と同じ天端高を有する直立護岸100の設計波圧を算出する。直立護岸100は、図3に示すように、海の沖側を向いて波を受ける沖側面102を有し、この沖側面102が垂直面、すなわち略鉛直方向に延びる平面をなすものであり、旧来から海岸に設置される一般的な護岸である。
本実施形態による設計波圧導出方法で用いる直立護岸100について既知の設計式は、合田式(「防波堤の設計波圧に関する研究」、港湾技術研究所報告 第12巻 第3号、31頁~69頁、1973年9月)である。合田式は、広範な水理実験の結果に基づいて導出された信頼性の高い設計式であり、旧来から多くの直立護岸100の設計に用いられてきた十分な実績を有する設計式である。合田式は、具体的には以下の式(1)~(4)からなる。
Figure 0007060241000001
Figure 0007060241000002
Figure 0007060241000003
Figure 0007060241000004
ηは、静水面104(図4参照)の上方で波圧が0となる位置105の静水面104からの高さである。pは、静水面104の位置で直立護岸100の沖側面102に作用する波圧である。pは、海底面106における直立護岸100の沖側面102に対応する位置での波圧である。pは、直立護岸100の底面103の位置での波圧である。ρgは、水の単位体積当たりの重量である。βは、波高が最大となる波の沖側面102への入射方向である波の主方向から±15°の範囲内で最も大きい波圧が沖側面102に作用する方向と、海岸に沿う方向(図4の紙面に垂直な方向)に延びる沖側面102上の護岸平行ラインに対して垂直で且つ沖側から陸側へ向かう方向に延びる垂線とがなす角度である。λ及びλは、波圧の補正係数である。hは、直立護岸100の沖側面102の位置における水深、すなわちその沖側面102の位置における静水面104から海底面106までの距離である。
また、αは次式(5)によって表される数値であり、αは次式(6)によって表される数値であり、αは次式(7)によって表される数値である。
Figure 0007060241000005
Figure 0007060241000006
Figure 0007060241000007
式(6)において、hは、直立護岸100の沖側面102から沖側へ有義波高の5倍の距離の地点における水深である。また、式(6)において、dは、海底面106上にマウンドが設けられてそのマウンド上に直立護岸100が設置され、そのマウンド上で沖側面102に隣接した位置に根固め工が設置されるとともに、マウンド上を覆う被覆工が設けられている場合には、根固め工の天端の位置の水深と被覆工の天端の位置の水深とのうちいずれか浅い方の水深である。また、マウンドが設けられない場合には、直立護岸100は海底面106上に直接設置され、根固め工及び被覆工も設けられない。この場合、dは、沖側面102の位置における海底面106までの水深となり、前記水深hと同じ値である。また、式(7)において、h’は、直立護岸100の底面103の位置の水深、すなわち底面103から静水面104までの距離である。
また、前記各式において、Lは、水深hにおける波圧の計算に用いる波長であり、最高波の波長である。この波長Lは、有義波周期に対応する波長となる。また、前記各式において、Hは、波圧の計算に用いる波高であり、最高波の波高である。最高波が砕波の影響を受けない場合には、波高Hは、直立護岸100の沖側面102の位置での水深における進行波としての最高波の波高であり、かつ、直立護岸100の沖側面102の位置での水深における進行波としての有義波の波高の1.8倍の波高に相当する。また、最高波が砕波の影響を受ける場合には、波高Hは、不規則波の砕波変形を勘案した最高波の波高である。
前記β、λ、λ、L及びHの値は波浪条件に相当し、前記h、h、d及びh’の値は海底条件に相当する。このβ、λ、λ、L、H、h、h、d及びh’の値として、直立護岸100を上部曲面護岸1の設置予定場所に設置した場合における各々の値を採用する。また、前記dの値としては、上部曲面護岸1の設置予定場所でのマウンド、根固め工及び被覆工の有無に応じた値を採用する。すなわち、設置予定場所においてマウンド、根固め工及び被覆工が設けられる場合には、前記dの値として根固め工の天端の位置の水深と被覆工の天端の位置の水深とのうちいずれか浅い方の水深を採用し、設置予定場所においてマウンド、根固め工及び被覆工が設けられない場合には、前記dの値として前記水深hと同じ値を採用する。
以上のように直立護岸100を上部曲面護岸1の設置予定場所に設置した場合におけるβ、λ、λ、L、H、h、h、d及びh’の値に基づいて、前記合田式により高さη及び波圧p,p,pを算出する。そして、この算出した高さη及び波圧p,p,pから図4に示すような波圧分布110が得られる。この得られた波圧分布110から、直立護岸100の沖側面102における所望の領域の波圧の平均値を算出し、その算出した平均値を設計波圧とする。具体的には、直立護岸100の沖側面102は、上部曲面護岸1の曲面部4の高さ方向の範囲と同じ範囲に亘る曲面部対応領域102a(図3参照)を有し、この曲面部対応領域102aの波圧の平均値を波圧分布110から算出し、その算出した波圧の平均値を設計波圧とする。
(a-2-2)換算倍率決定工程
この換算倍率決定工程では、前記のようにして求めた直立護岸100の設計波圧を上部曲面護岸1の設計波圧に換算するための換算倍率を決定する。この換算倍率決定工程は、平均波圧比分布図用意工程と、水深/波高比算出工程と、換算倍率導出工程とを含む。
(a-2-2-1)平均波圧比分布図用意工程
この工程では、前記換算倍率の決定に用いられる平均波圧比と水深/波高比との相関関係を示す相関関係線を含む平均波圧比分布図を用意する。具体的には、上部曲面護岸1の縮尺モデル及び直立護岸100の縮尺モデルを用いて波圧を計測する水理実験の結果に基づいて、前記相関関係線を含む平均波圧分布図を作成する。この平均波圧比分布図用意工程は、本発明における用意工程の一例である。
水深/波高比は、設計波高(換算沖波波高)に対する護岸の設置場所の水深の比である。平均波圧比は、直立護岸100の縮尺モデルの沖側面102のうち上部曲面護岸1の曲面部4に対応する領域についての平均波圧に対する上部曲面護岸1の縮尺モデルの曲面部4についての平均波圧の比であり、本発明における波圧指標値比の一例である。直立護岸100の縮尺モデルの沖側面102のうち上部曲面護岸1の曲面部4に対応する領域についての平均波圧は、本発明における直立護岸100の沖側面102の曲面部対応領域102aに作用する波圧の指標値の一例である。また、上部曲面護岸1の縮尺モデルの曲面部4についての平均波圧は、本発明における上部曲面護岸1の曲面部4に作用する波圧の指標値の一例である。
前記水理実験では、図5~図7にそれぞれ示す上部曲面護岸1の縮尺モデル1a,1b,1cと、図8に示す直立護岸100の縮尺モデル100aとを用意した。
図5に示す縮尺モデル1aは、曲面部4が比較的小さい上部曲面護岸1の縮尺モデルである。以下、この図5の縮尺モデル1aのことを小曲面護岸モデル1aと称する。図6に示す縮尺モデル1bは、前記小曲面護岸モデル1aの曲面部4よりも大きい曲面部4を有する上部曲面護岸1の縮尺モデルである。以下、この図6の縮尺モデル1bのことを中曲面護岸モデル1bと称する。図7に示す縮尺モデル1cは、前記中曲面護岸1bの曲面部4よりも大きい曲面部4を有する上部曲面護岸1の縮尺モデルである。以下、この図7の縮尺モデル1cのことを大曲面護岸モデル1cと称する。また、図8に示す直立護岸100の縮尺モデル100aのことを直立護岸モデル100aと称する。
小曲面護岸モデル1a、中曲面護岸モデル1b、大曲面護岸モデル1c及び直立護岸モデル100aは、いずれも同じ230mmの天端高(最下端から天端までの高さ)を有する。また、小曲面護岸モデル1aの曲面部4の高さ方向の寸法は65mmであり、中曲面護岸モデル1bの曲面部4の高さ方向の寸法は88mmであり、大曲面護岸モデル1cの曲面部4の高さ方向の寸法は110mmである。
前記水理実験では、海底勾配が1/10になるように設定した水理模型を作製し、その水理模型中に前記小曲面護岸モデル1a、中曲面護岸モデル1b、大曲面護岸モデル1c及び直立護岸モデル100aをそれぞれ設置した。そして、設計波高H’に対する護岸モデルの設置場所の水深hの比である水深/波高比h/H’が種々異なる条件で波形勾配が0.012となる規則波を各護岸モデルの沖側面に作用させて波圧を計測した。また、水深/波高比h/H’が種々異なる条件で波形勾配が0.036となる規則波を各護岸モデルの沖側面に作用させて波圧を計測した。ここで、波形勾配は、設計波長(沖波波長)に対する設計波高H’の比である。0.012から0.036の波形勾配は、一般的な護岸の設置場所の海域での波形勾配のほぼ全範囲をカバーするため、その範囲の最小の波形勾配0.012と最大の波形勾配0.036のそれぞれの場合について、波圧を計測する水理実験を行った。
波圧の計測は、小曲面護岸モデル1a、中曲面護岸モデル1b及び大曲面護岸モデル1cの各々の沖側面2と直立護岸モデル100aの沖側面102とにそれぞれ6個ずつ設置した波圧計50により行った。6個の波圧計50は、沖側面2,102に沿って高さ方向に間隔をおいて配置される。波圧計50は、圧電素子を有するものであり、受けた波圧を示す電気信号を出力する。各波圧計50は、その波圧計50の位置で沖側面2,102に対して法線方向に作用する波圧を計測する。沖側面2,102には、連続した規則波を作用させ、その規則波についての波圧を各波圧計50で計測した。
以上のようにして計測した波圧のデータから、小曲面護岸モデル1a、中曲面護岸モデル1b及び大曲面護岸モデル1cのそれぞれについて複数の異なる水深/波高比h/H’毎の平均波圧比を算出した。
具体的に、小曲面護岸モデル1aについては、曲面部4に設置された2つの波圧計50のそれぞれにより計測された波圧に基づいてその曲面部4に作用する平均波圧を算出した。ここで、曲面部4に設置された2つの波圧計50のうち上側の波圧計50を第1波圧計50a(図5参照)とし、下側の波圧計50を第2波圧計50b(図5参照)とする。また、第1波圧計50aにより計測された波圧をP1とし、第2波圧計50bにより計測された波圧をP2とする。連続した規則波の10波についての前記波圧P1の平均値と、その連続した規則波の10波についての前記波圧P2の平均値とを求め、それらの波圧P1の平均値と波圧P2の平均値とのさらに平均値を算出し、その算出した平均値を当該実験条件での小曲面護岸モデル1aの曲面部4についての平均波圧とした。
また、直立護岸モデル100aについて、小曲面護岸モデル1aの曲面部4に対応する領域に設けられた2つの波圧計50(図8に示す第1波圧計50a及び第2波圧計50b)により計測された波圧のデータから小曲面護岸モデル1aの場合と同様にして当該実験条件での直立護岸モデル100aの前記曲面部4に対応する領域についての平均波圧を求めた。
そして、前記のように求めた小曲面護岸モデル1aの曲面部4についての平均波圧を直立護岸モデル100aの前記曲面部4に対応する領域についての平均波圧で割ることによって平均波圧比を算出した。
また、中曲面護岸モデル1bについての平均波圧比の求め方は、基本的には小曲面護岸モデル1aについての平均波圧比の求め方と同様であるが、当該中曲面護岸モデル1bの曲面部4には図6に示すように3つの波圧計50が設置されており、その3つの波圧計50のそれぞれによって計測された波圧のデータに基づいて当該中曲面護岸モデル1bの曲面部4についての平均波圧を算出するとともに、直立護岸モデル100aの沖側面102のうち中曲面護岸モデル1bの曲面部4に対応する領域に設置された3つの波圧計50によって計測された波圧のデータに基づいて直立護岸モデル100aの沖側面102のうち前記曲面部4に対応する領域についての平均波圧を算出し、それらの算出した平均波圧から中曲面護岸モデル1bについての平均波圧比を算出した。この中曲面護岸モデル1bについての平均波圧比の算出方法は、具体的には以下の通りである。
中曲面護岸モデル1bの曲面部4に設置された3つの波圧計50のうち最も上側の波圧計50を第1波圧計50aとし、上から2番目の波圧計50を第2波圧計50bとし、上から3番目の波圧計50を第3波圧計50cとする。また、第1波圧計50aにより計測された波圧をP1とし、第2波圧計50bにより計測された波圧をP2とし、第3波圧計50cにより計測された波圧をP3とする。そして、前記小曲面護岸モデル1aの場合と同様の連続した規則波の10波について計測された前記波圧P1の平均値と、その連続した規則波の10波について計測された前記波圧P2の平均値と、その連続した規則波の10波について計測された前記波圧P3の平均値とを求め、それらの波圧P1の平均値、波圧P2の平均値及び波圧P3の平均値のさらに平均値を算出し、その算出した平均値を当該実験条件での中曲面護岸モデル1bの曲面部4についての平均波圧とした。
また、中曲面護岸モデル1bについての換算倍率を求めるために用いる直立護岸モデル100aの波圧のデータとしては、直立護岸モデル100aの沖側面102のうち中曲面護岸モデル1bの曲面部4に対応する領域に設けられた3つの波圧計50(図8に示す第1波圧計50a、第2波圧計50b及び第3波圧計50c)により計測された波圧のデータを用いた。この3つの波圧計50により計測された直立護岸モデル100aの波圧P1,P2,P3のデータについて、前記の方法と同様の方法で、直立護岸モデル100aの沖側面102のうち中曲面護岸モデル1bの曲面部4に対応する領域についての平均波圧を求めた。
そして、前記のように求めた中曲面護岸モデル1bの曲面部4についての平均波圧を直立護岸モデル100aについての平均波圧で割ることによって平均波圧比を算出した。
また、大曲面護岸モデル1cについての平均波圧比は、中曲面護岸モデル1bについての平均波圧比と同様の方法で求めた。
以上のようにして求めた小曲面護岸モデル1a、中曲面護岸モデル1b及び大曲面護岸モデル1cのそれぞれについての複数の異なる水深/波高比h/H’毎の平均波圧比のデータをプロットすることによって、図9及び図10に示す小曲面護岸モデル1a、中曲面護岸モデル1b及び大曲面護岸モデル1cについての平均波圧比の分布図を作成した。
図9は、海底勾配が1/10で且つ波形勾配が0.012である条件における小曲面護岸モデル1a、中曲面護岸モデル1b及び大曲面護岸モデル1cについての複数の異なる水深/波高比h/H’毎の平均波圧比の分布図である。また、図10は、海底勾配が1/10で且つ波形勾配が0.036である条件における小曲面護岸モデル1a、中曲面護岸モデル1b及び大曲面護岸モデル1cについての複数の異なる水深/波高比h/H’毎の平均波圧比の分布図である。
図9及び図10には、小曲面護岸モデル1aについての平均波圧比の分布を示す点群の上縁に位置する点同士を結んだ破線、中曲面護岸モデル1bについての平均波圧比の分布を示す点群の上縁に位置する点同士を結んだ破線、及び、大曲面護岸モデル1cについての平均波圧比の分布を示す点群の上縁に位置する点同士を結んだ破線がそれぞれ示されている。これらの破線は、換算倍率の決定に用いる平均波圧比と水深/波高比との相関関係を示すものであり、以下、これらの各破線のことを、相関関係線と称する。
(a-2-2-2)水深/波高比算出工程
この工程では、上部曲面護岸1の設置予定場所における水深/波高比を算出する。具体的には、上部曲面護岸1の設置予定場所の水深をその設置予定場所の海域の設計波高(沖波換算波高)で割ることによって水深/波高比を算出する。
(a-2-2-3)換算倍率導出工程
この換算倍率導出工程では、前記水深/波高比算出工程により算出した水深/波高比に対応する平均波圧比を前記平均波圧比分布図用意工程で用意した平均波圧比の分布図中の相関関係線に基づいて導出し、その導出した平均波圧比を、直立護岸100についての設計波圧を上部曲面護岸1についての設計波圧に換算するための換算倍率とする。
具体的には、まず、波形勾配が0.012である条件における図9の平均波圧比の分布図と波形勾配が0.036である条件における図10の平均波圧比の分布図とのうち上部曲面護岸1の設置予定場所の海域における波形勾配に近い方の条件の平均波圧比の分布図を選択する。また、小曲面護岸モデル1a、中曲面護岸モデル1b及び大曲面護岸モデル1cの中から、設計対象の上部曲面護岸1の垂直面部6の高さ方向の寸法に対する曲面部4の高さ方向の寸法の比率に最も近い護岸モデルを選択する。そして、選択した平均波圧比の分布図において、選択した護岸モデルについての相関関係線上で前記水深/波高比算出工程により算出した水深/波高比に対応する点を特定する。具体的には、その選択した平均波圧比の分布図の横軸上において前記水深/波高比算出工程により算出した水深/波高比に相当する位置から真上に直線を延ばし、その直線と選択した護岸モデルについての相関関係線とが交わる点を特定する。そして、この特定した点の平均波圧比を読み取り、この読み取った平均波圧比を換算倍率とする。
また、上部曲面護岸1の設置予定場所の海域における波形勾配が0.012と0.036との間の値である場合には、図9の平均波圧比の分布図と図10の平均波圧比の分布図の両方において前記の平均波圧比の読み取り方と同様に平均波圧比をそれぞれ読み取り、その読み取った2つの平均波圧比の値から公知の内挿法により上部曲面護岸1の設置予定場所の海域における波形勾配に対応する平均波圧比の値を算出し、その算出した平均波圧比の値を換算倍率としてもよい。
図9及び図10の平均波圧比の分布図から判るように、これらの分布図のいずれにおいても小曲面護岸モデル1a、中曲面護岸モデル1b及び大曲面護岸モデル1cについての前記相関関係線が2.0から4.0の平均波圧比の範囲内に入っている。このため、当該換算倍率決定工程により決定される前記換算倍率は2倍から4倍の間の任意の倍率になる。
(a-2-3)上部曲面護岸波圧算出工程
この工程では、前記換算倍率決定工程により決定した換算倍率(前記換算倍率導出工程で導出した換算倍率)を前記直立護岸波圧算出工程により算出した直立護岸100の設計波圧にかけることにより上部曲面護岸1の設計波圧を算出する。具体的には、換算倍率を直立護岸100の沖側面102のうち上部曲面護岸1の曲面部4の高さ方向の範囲に対応する領域についての設計波圧にかけることにより、上部曲面護岸1の曲面部4についての設計波圧に換算する。
(a-3)構造因子決定工程
この工程では、前記設計波圧導出工程により導出した上部曲面護岸1の設計波圧(前記上部曲面護岸波圧算出工程により算出した設計波圧)に基づいて上部曲面護岸1の構造の因子を決定する。具体的には、上部曲面護岸1が前記設計波圧導出工程により導出した上部曲面護岸1の設計波圧に耐え得る強度を有するように上部曲面護岸1の構造の因子を決定する。この構造因子決定工程は、設計外力の決定工程と、上部曲面護岸1の構成部材の構造因子決定工程と、設計図面作成工程と、を含む。
(a-3-1)設計外力の決定工程
この工程では、上部曲面護岸1の構成部材としての曲面ブロック14及びアンカーボルト16の構造因子の決定に用いる設計外力を決定する。具体的には、曲面部4に波が当たる波浪時についての設計外力として、曲面ブロック14の自重、及び、前記設計波圧導出工程で導出した上部曲面護岸1の曲面部4についての設計波圧から算出した曲面部4についての設計波力を考慮した設計外力を決定する。曲面部4についての設計波力は、前記設計波圧導出工程の上部曲面護岸波圧算出工程で算出した設計波圧に曲面部4の面積をかけることによって算出する。
(a-3-2)上部曲面護岸1の構成部材の構造因子決定工程
この工程では、上部曲面護岸1の構成部材としての曲面ブロック14及びアンカーボルト16の構造因子を決定する。具体的には、この工程では、前記設計外力の決定工程で決定した設計外力に対して曲面ブロック14及びアンカーボルト16が耐え得る強度を有するように曲面ブロック14及びアンカーボルト16の構造因子として曲面ブロック14の曲面壁18内に設置される鉄筋19の直径、その曲面壁18内での鉄筋19の配置間隔、曲面ブロック14のフレーム20の曲板部21及び側板部22を構成する鋼板の厚み、そのフレーム20の架設材23を構成する形鋼のサイズ、アンカーボルト16の径及び上部曲面護岸1が有するアンカーボルト16の本数を決定する。
詳細には、まず、前記設計外力に基づいて、曲面ブロック14及び背後構造体17の水平断面における設計断面力、具体的には曲げモーメント及びせん断力を算出する。そして、この算出した設計断面力に相当する力が曲面ブロック14及び背後構造体17に作用した場合に、曲面ブロック14のフレーム20、曲面壁18内の各鉄筋19及び各アンカーボルト16にそれぞれ生じる応力を算出する。そして、算出したフレーム20に生じる応力が当該フレーム20の曲板部21及び側板部22を構成する鋼板及び架設材23を構成する形鋼の許容応力度以下であるかを確認する。また、算出した鉄筋19に生じる応力がその鉄筋19の許容応力度以下であるかを確認する。また、算出したアンカーボルト16に生じる応力がそのアンカーボルト16の許容応力度以下であるかを確認する。
算出した前記各応力が許容応力度以下ではない場合、すなわち算出した前記各応力が許容応力度を超えている場合には、曲面ブロック14及びアンカーボルト16の規定の構成に変更を加える。具体的には、鉄筋19の直径、曲面壁18内の鉄筋19の配置間隔、フレーム20の曲板部21及び側板部22を構成する鋼板の厚み、フレーム20の架設材23を構成する形鋼のサイズ、アンカーボルト16の径及びアンカーボルト16の本数などを変更して、フレーム20、鉄筋19及びアンカーボルト16において、前記の算出した応力が許容応力度以下になるようにする。以上のようにして、曲面ブロック14及びアンカーボルト16の構造因子を決定する。
(a-3-3)設計図面作成工程
この工程では、前記構造因子決定工程により決定した上部曲面護岸1の構造の因子、すなわち鉄筋19の直径、鉄筋19の配置間隔、フレーム20の曲板部21及び側板部22を構成する鋼板の厚み、フレーム20の架設材23を構成する形鋼のサイズ、アンカーボルト16の径及び本数に基づいて上部曲面護岸1の設計図面を作成する。この工程では、上部曲面護岸1の規定の標準設計図面に変更を加えたり、別途、詳細設計図面を作成したりする。なお、この工程では、一から設計図面を作成してもよい。
(b)上部曲面護岸1の作製工程
この工程では、前記設計図面作成工程により作成した設計図面に従って上部部曲面護岸1を作製する。この上部曲面護岸1の作製工程は、曲面ブロック14の作製工程と、搬送工程と、上部曲面護岸1の施工工程とを含む。
(b-1)曲面ブロック14の作製工程
この工程では、前記設計図面作成工程により作成した設計図面に従って曲面ブロック14を作製する。具体的には、フレーム20の製作工場において、鋼板から曲板部21及び一対の側板部22を作製するとともに、形鋼から一対の架設材23を作製する。そして、それらの曲板部21、一対の側板部22及び一対の架設材23を組み立てて溶接することによりフレーム20を作製する。そして、別の工場にて、フレーム20の曲板部20と一体となるように曲面壁18を形成する。具体的には、フレーム20の曲板部20に対して曲面壁18を形作るための型枠を組み、その型枠内に複数の鉄筋19(複数の縦鉄筋19a及び複数の横鉄筋19b)を縦横に配筋する。そして、その型枠内にコンクリートを打設し、コンクリートが固化した後、型枠を外す。以上のようにして複数の鉄筋19が内部に設置された曲面壁18が形成され、曲面ブロック14が完成する。
(b-2)搬送工程
この工程では、前記のように作製した曲面ブロック14を上部曲面護岸1の設置場所へ主に陸上搬送する。
(b-3)上部曲面護岸1の施工工程
この施工工程では、設置場所にて、鉄筋コンクリート製もしくはコンクリート製の構造体である基部12を作製するとともに、その基部12の上面から突出するようにアンカーボルト16を設置する。なお、基部12は、設置場所において一から施工することによって作製してもよいし、既存の護岸を利用して作製してもよい。基部12には、前記設計図面作成工程により作成した設計図面に記載の径を有するアンカーボルト16をその設計図面に記載の本数で設置する。
そして、基部12上に搬送してきた曲面ブロック14を載置するとともに、その曲面ブロック13のフレーム20の各架設材23の穴にアンカーボルト16を挿通し、当該アンカーボルト16を各架設材23に固定する。その後、背後構造体17を施工するための型枠を設置し、その型枠内にコンクリートを打設して背後構造体17を形成する。背後構造体17のコンクリートが固化した後、型枠を取り外して上部曲面護岸1が完成する。
本実施形態では、旧来から海岸に設置されてきた直立護岸100の設計波圧を導出するための既知の設計式であり、高い信頼性と十分な実績を有する合田式を用いて導出した直立護岸100の設計波圧に換算倍率をかけることにより上部曲面護岸1の設計波圧を算出する。このため、上部曲面護岸1の設計波圧として信頼性の高い設計波圧を導出できる。
そして、導出した設計波圧から算出した設計波力を含む設計外力に基づいて、上部曲面護岸1の曲面ブロック14及びアンカーボルト16が波圧に起因して受ける外力に対して高い信頼性を有する強度を持つようにそれらの曲面ブロック14及びアンカーボルト16を設計できる。具体的には、曲面ブロック14の曲面壁18が波力に対して高い信頼性を有する強度を持つようにその曲面壁18内の複数の鉄筋19の各々の直径及び曲面壁18内での鉄筋19の配置間隔を決定できる。また、曲面ブロック14のフレーム20が波圧に起因して受ける外力に対して高い信頼性を有する強度を持つようにフレーム20を設計できる。また、曲面ブロック14を基部12に固定するアンカーボルト16が波圧に起因する外力に対して高い信頼性を有する強度を持つように当該アンカーボルト16の径及び本数を決定できる。そして、以上のように設計した曲面ブロック14及びアンカーボルト16を用いて波圧(波力)に対して高い信頼性を有する強度を持つ上部曲面護岸1を作製できる。
しかも、本実施形態では、上部曲面護岸1の設計の都度、その上部曲面護岸1の設置予定場所に応じた水理実験を行うことなく、計算によって上部曲面護岸1の設計波圧を導出できるため、上部曲面護岸1の設計波圧の導出に要する時間を削減できる。
また、本実施形態では、平均波圧比の分布図中の相関関係線から上部曲面護岸1の設置予定場所の水深/波高比に応じた平均波圧比を求め、その求めた平均波圧比を換算倍率とするため、上部曲面護岸1の設置予定場所の水深/波高比に応じた換算倍率を導出できる。このため、その導出した換算倍率をかけることによって算出した上部曲面護岸1の設計波圧を設置予定場所の水深/波高比に応じた値にすることができる。
本発明による上部曲面護岸の設計波圧導出方法、上部曲面護岸の設計方法及び上部曲面護岸の作製方法は、前記したものに必ずしも限定されない。本発明には、例えば以下のような構成を採用可能である。
上部曲面護岸の設計波圧の算出の基となる直立護岸の設計波圧の算出に用いる設計式は、合田式に必ずしも限定されない。直立護岸の設計波圧を算出するための設計式として、合田式以外にも信頼性があり且つ実績もある設計式が知られている。例えば、そのような設計式として、富永・久津見の式(「海岸堤防に作用する砕波後の波圧」、第18回海岸工学講演会論文集、215頁~221頁、1971年)が知られている。上部曲面護岸の設置予定場所の条件に応じて前記の合田式もしくは富永・久津見の式のうち適切な方を選択して用いてもよい。
また、上部曲面護岸の設計工程において設計波圧に基づいて曲面ブロック及びアンカーボルトの構成を決定するときに、既存の規定の構成に変更を加えることによって曲面ブロック及びアンカーボルトの構成を決定するのではなく、曲面ブロック及びアンカーボルトの構成を一から設計してもよい。
上部曲面護岸の天端高導出工程は、前記特開2017-227065号公報に開示された天端高推定方法を用いるものに必ずしも限定されない。例えば、水理実験を行い、その水理実験の結果に基づいて、許容越波流量の条件をクリアできる上部曲面護岸の天端高を導出してもよい。
また、前記実施形態の換算倍率決定工程では、図9及び図10の平均波圧比の分布図中の相関関係線に基づいて換算倍率を導出したため、換算倍率が2倍から4倍の間の倍率になったが、図9及び図10の平均波圧比の分布図にプロットされた平均波圧比のデータの点は、概ね平均波圧比1.0から4.0の範囲に分布しているため、換算倍率を1倍から4倍の間の任意の倍率に決定してもよい。
また、換算倍率決定工程において、上部曲面護岸の設置予定場所の波浪条件(波形勾配及び水深/波高比)にかかわらず、換算倍率を所定の倍率に決定してもよい。具体的には、換算倍率決定工程において、平均波圧比の分布図中の相関関係線に基づいて水深/波高比に対応する平均波圧比を求める工程を行うことなく、換算倍率を所定の倍率に決定してもよい。この場合、換算倍率を1倍から4倍の間の所定の倍率に決定してもよい。また、波圧に起因する外力に対する上部曲面護岸の信頼性をより高めたい場合には、換算倍率を4倍以上の所定の倍率に決定すればよい。
また、上部曲面護岸の曲面部の曲面形状は、前記実施形態で示した曲面形状、すなわち曲面部の下端から上側へ向かうにつれて曲率が徐々に減少して上端で水平面に対して約30°の仰角をなすような形状に必ずしも限定されない。例えば、曲面部の上端の位置での仰角は、30°よりも大きいもしくは小さくてもよい。また、曲面部の曲面形状は、当該曲面部の下端から上端まで曲率が一定である円弧、例えば1/4円弧をなす曲面形状であってもよい。
曲面部が1/4円弧をなす曲面状である場合であっても、前記上部曲面護岸の曲面部についての設計波圧の導出方法と同様に、当該1/4円弧をなす曲面状の曲面部(以下、1/4円弧状曲面部と称する)についての波圧の計測値から平均波圧比の分布図を作成し、その作成した分布図に基づいて換算倍率を導出し、その導出した換算倍率を直立護岸について既知の設計式に基づいて算出した設計波圧に掛けることによって当該1/4円弧状曲面部についての設計波圧を算出することができる。ただし、1/4円弧状曲面部は、その上端の位置で水平(仰角が0°)になるため、前記実施形態における曲面部よりも大きい波圧、例えば直立護岸の曲面部対応領域に作用する波圧の4倍以上の波圧を受ける場合がある。その場合、当該1/4円弧状曲面部についての設計波圧を算出するための換算倍率は、4倍以上の倍率に決定される。また、この場合、曲面ブロックの曲面壁に、1/4円弧状曲面部について算出した設計波圧に耐え得る強度を持たせるため、曲面壁内に配置する鉄筋の本数を増やすとともに鉄筋の配置間隔を縮小することによって、曲面壁を補強することが必要である。
また、上部曲面護岸の作製において、曲面ブロックの作製は必ずしも工場内にて行わなくてもよく、例えば屋外で曲面ブロックを作製してもよい。この場合、上部曲面護岸の設置場所にて曲面ブロックを作製してもよい。
1 上部曲面護岸
2 沖側面
4 曲面部
6 垂直面部
12 基部
14 曲面ブロック
16 アンカーボルト
18 曲面壁
19 鉄筋
20 フレーム

Claims (7)

  1. 沖側を向く沖側面を有していて、この沖側面が、その高さ方向の中間位置から上側へ向かうにつれて沖側へ迫り出す曲面形状をなす曲面部と、前記沖側面の前記中間位置から下側の部分であって鉛直方向に延びる平面状をなす垂直面部とを有する上部曲面護岸の設計波圧を導出する方法であって、
    沖側を向く沖側面を有していてこの沖側面全体が鉛直方向に延びる平面状をなす直立護岸の設計波圧を導出するための既知の設計式に基づいて、前記上部曲面護岸の設置予定場所の海域の海底条件及び波浪条件における前記直立護岸の設計波圧を算出する直立護岸波圧算出工程と、
    前記直立護岸の設計波圧を前記上部曲面護岸の設計波圧に換算するための換算倍率を決定する換算倍率決定工程と、
    前記換算倍率決定工程で決定した前記換算倍率を前記直立護岸波圧算出工程で算出した前記直立護岸の設計波圧にかけることにより前記上部曲面護岸の設計波圧を算出する上部曲面護岸波圧算出工程と、を備える、上部曲面護岸の設計波圧導出方法。
  2. 前記直立護岸の沖側面は、前記上部曲面護岸の前記曲面部の高さ方向の範囲と同じ範囲に亘る曲面部対応領域を有し、
    前記換算倍率決定工程は、前記直立護岸の前記曲面部対応領域に作用する波圧の指標値に対する前記上部曲面護岸の前記曲面部に作用する波圧の指標値の比である波圧指標値比と設計波高に対する水深の比である水深/波高比との相関関係を用意する用意工程と、前記上部曲面護岸の設置予定場所における水深/波高比を導出する水深/波高比導出工程と、前記水深/波高比導出工程により導出した前記水深/波高比に対応する前記波圧指標値比を前記用意工程により用意した前記相関関係に基づいて導出し、この導出した波圧指標値比を前記換算倍率とする換算倍率導出工程と、を含む、請求項1に記載の上部曲面護岸の設計波圧導出方法。
  3. 上部曲面護岸を設計するための方法であって、
    請求項1又は2に記載の設計波圧導出方法により前記上部曲面護岸の設計波圧を導出する設計波圧導出工程と、
    前記上部曲面護岸が前記設計波圧導出工程により導出した設計波圧に耐え得る強度を有するように当該上部曲面護岸の構造の因子を決定する構造因子決定工程と、を備える、上部曲面護岸の設計方法。
  4. 前記上部曲面護岸は、地盤上に立設されて前記沖側面の前記垂直面部を構成する基部と、その基部上に設置されて前記沖側面の前記曲面部を構成する曲面ブロックと、を有し、前記曲面ブロックは、コンクリートにより形成されて前記曲面部を構成する曲面壁と、その曲面壁内に設置される複数の鉄筋と、を有し、
    前記構造因子決定工程では、前記上部曲面護岸の構造の因子として前記複数の鉄筋の各々の直径及び前記曲面壁内での前記複数の鉄筋の配置間隔を決定する、請求項3に記載の上部曲面護岸の設計方法。
  5. 前記上部曲面護岸は、地盤上に立設されて前記沖側面の前記垂直面部を構成する基部と、その基部上に設置されて前記沖側面の前記曲面部を構成する曲面ブロックと、を有し、前記曲面ブロックは、コンクリートにより形成されて前記曲面部を構成する曲面壁と、その曲面壁の陸側に配置されて当該曲面壁を支える鋼製のフレームと、を有し、
    前記構造因子決定工程では、前記上部曲面護岸の構造の因子として前記フレームを構成する鋼板の厚みを決定する、請求項3に記載の上部曲面護岸の設計方法。
  6. 前記上部曲面護岸は、地盤上に立設されて前記沖側面の前記垂直面部を構成する基部と、その基部上に設置されて前記沖側面の前記曲面部を構成する曲面ブロックと、前記曲面ブロックを前記基部に固定するアンカーボルトと、を有し、
    前記構造因子決定工程では、前記上部曲面護岸の構造の因子として前記アンカーボルトの径及び前記上部曲面護岸が有する前記アンカーボルトの本数を決定する、請求項3に記載の上部曲面護岸の設計方法。
  7. 請求項3~6のいずれか1項に記載の設計方法により上部曲面護岸を設計してその設計図面を作成する上部曲面護岸の設計工程と、
    前記設計工程により作成した設計図面に従って上部曲面護岸を作製する作製工程と、を備える、上部曲面護岸の作製方法。
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