JP7059553B2 - ステルスダイシング用粘着テープ及びダイシングダイボンディング一体型テープ、並びに半導体装置の製造方法 - Google Patents

ステルスダイシング用粘着テープ及びダイシングダイボンディング一体型テープ、並びに半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ダイシング用粘着テープ及びダイシングダイボンディング一体型テープに関する。
従来、半導体装置は以下の工程を経て製造される。まず、ダイシング用粘着シートに半導体ウエハを貼り付け、その状態で半導体ウエハを半導体チップに個片化する。その後、エキスパンド工程、ピックアップ工程、マウンティング工程、リフロー工程及びダイボンディング工程等が実施される。
近年、半導体ウエハを分断することによって半導体チップを得る方法として、半導体ウエハを完全に切断せずに、折り目となる溝を加工する工程、あるいは、切断予定ライン上の半導体ウエハ内部にレーザー光を照射して改質領域を形成する工程を実施した後、半導体ウエハに対して外力を加えることにより、半導体ウエハを分断する方法が提案されている。前者はハーフカットダイシング、後者はステルスダイシング(例えば、特許文献1,2参照)と呼ばれる。
特許第4358502号公報 特開2009-164556号公報
上記特許文献2は、粘着テープと接着剤フィルムとを備えるウエハ加工用テープを使用してステルスダイシングを実施する態様を開示する。特許文献2に記載の発明によれば、-15~5℃の低温条件下でエキスパンドを実施することで、接着剤フィルムの分断性を高い状態に維持しつつ、接着剤フィルムを個々のチップに対応して良好に分断することができるとされている。しかし、本発明者らの検討によれば、低温条件下でエキスパンドを実施した場合、粘着テープの伸びが不十分となり、ネッキングが起こり易い傾向がある。粘着テープにネッキングが起こると、半導体ウエハの端部と中央部とで上記テープの伸張性が不均一となり、良好な分断性を得ることが困難となる。また、ステルスダイシングに従来用いられている粘着テープは、半導体チップのピックアップ性についても改善の余地があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ステルスダイシングを含む半導体装置の製造プロセスにおいて、半導体ウエハの分断性及び半導体チップのピックアップ性の両方を十分に高水準に達成できるダイシング用粘着テープ及びダイシングダイボンディング一体型テープを提供することを目的とする。
本発明はダイシング用粘着テープを提供する。この粘着テープは、基材層と、基材層上に設けられた粘着剤層とを少なくとも備え、粘着剤層は、(メタ)アクリル系樹脂と、光重合開始剤と、架橋剤とを含むとともに、紫外線照射による硬化処理前において、-15℃における貯蔵弾性率が40MPa以上(条件1)であり、かつ、紫外線照射による硬化処理後において、25℃における貯蔵弾性率が100MPa以上(条件2)である。
本発明に係る粘着テープによれば、粘着剤層が貯蔵弾性率についての上記条件(条件1,2)を満たすことで、ステルスダイシングを含む半導体装置の製造プロセスにおいて、半導体ウエハの分断性及び半導体チップのピックアップ性の両方を十分に高水準に達成できる。
本発明による上記効果をより一層安定的に得る観点から、(メタ)アクリル系樹脂が1つ又は複数の芳香環を有することが好ましい。同様の観点から、(メタ)アクリル系樹脂は、連鎖重合可能な官能基を含み、当該官能基がアクリロイル基及びメタクリロイル基から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明において、上記架橋剤として、例えば、一分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する多官能イソシアネートと、一分子中に3つ以上のOH基を有する多価アルコールの反応物を採用できる。本発明において、光重合開始剤として、例えば、光ラジカル重合開始剤を採用できる。
本発明は、ダイシングダイボンディング一体型テープを提供する。この一体型テープは、上記粘着シートと、上記粘着シートが備える粘着剤層上に設けられた接着剤層とを備える。この一体型テープによれば、粘着剤層が貯蔵弾性率についての上記条件(条件1,2)を満たすことで、ステルスダイシングを含む半導体装置の製造プロセスにおいて、半導体ウエハの分断性及び半導体チップのピックアップ性の両方を十分に高水準に達成できる。
本発明によれば、ステルスダイシングを含む半導体装置の製造プロセスにおいて、半導体ウエハの分断性及び半導体チップのピックアップ性の両方を十分に高水準に達成できるダイシング用粘着テープ及びダイシングダイボンディング一体型テープが提供される。
図1は本発明に係るダイシングダイボンディング一体型テープの一実施形態を模式的に示す断面図である。 図2は本発明に係るダイシング用粘着テープの一実施形態を模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
図1は、本実施形態に係るダイシングダイボンディング一体型テープを模式的に示す断面図である。同図に示すダイシングダイボンディング一体型テープ10(以下、単に「テープ10」ということがある。)は、基材層1と、基材層1上に設けられた粘着剤層3と、粘着剤層3上に設けられた接着剤層5とを備える。粘着剤層3は、ステルスダイシングを含む半導体装置の製造プロセスにおいて、半導体ウエハを個片化する工程(特に低温条件下におけるエキスパンド工程)及びピックアップ工程で効果を発揮するものである。接着剤層5は、ステルスダイシングを経て得られた半導体チップを基板等に接着する工程で効果を発揮するものである。
<粘着剤層>
粘着剤層3は、(メタ)アクリル系樹脂と、光重合開始剤と、架橋剤とを含むとともに、貯蔵弾性率に関して以下の条件1及び条件2の両方を満たすものである。
(条件1)
紫外線照射による硬化処理前において、-15℃における貯蔵弾性率が40MPa以上である。
(条件2)
紫外線照射による硬化処理後において、25℃における貯蔵弾性率が100MPa以上である。
条件1に関し、粘着剤層3に対する紫外線照射による硬化処理前において、-15℃における貯蔵弾性率が40MPa未満であると、粘着剤層3をダイシングテープとして使用して低温条件下(例えば、-15℃~-5℃)でエキスパンド工程を実施したときに、粘着剤層3が柔らかいため、粘着テープにネッキングが起こりやすく半導体ウエハ及びダイボンドフィルムの一部が未分断となり、ピックアップ不良となる。この貯蔵弾性率は、40~200MPaであることが好ましく、50~150MPaであることがより好ましく、60~100MPaであることが更に好ましい。粘着剤層3に対する紫外線照射による硬化処理前において、-15℃における貯蔵弾性率が200MPa以上であると、エキスパンド時に粘着剤層3と接着剤層5間で剥離が生じる可能性がある。この現象は「DAF(Die Attach Film)飛び」と称される。
条件2に関し、粘着剤層3の紫外線照射による硬化処理後において、25℃における貯蔵弾性率が100MPa未満であると、接着剤層5と粘着剤層3の剥離性が不十分となるとともに、突き上げピンの衝撃を吸収してしまいピックアップ不良となる。この貯蔵弾性率は、100~500MPaであることが好ましく、120~300MPaであることがより好ましく、150~250MPaであることが更に好ましい。
上記の条件1及び条件2の両方を満たす粘着剤層3は、特定の(メタ)アクリル系樹脂を含む粘着剤組成物を使用することによって形成することができる。以下、粘着剤組成物の含有成分について詳細に説明する。
[(メタ)アクリル系樹脂]
(メタ)アクリル系樹脂は、既知の方法で合成することで得ることができる。合成方法としては、例えば、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、塊状重合法、析出重合法、気相重合法、プラズマ重合法、超臨界重合法が挙げられる。また、重合反応の種類としては、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、リビングラジカル重合、リビングカチオン重合、リビングアニオン重合、配位重合、イモーダル重合等の他、ATRP(原子移動ラジカル重合)及びRAFT(可逆的付加開裂連鎖移動重合)といった手法も挙げられる。この中でも、溶液重合法を用いてラジカル重合により合成することは、経済性の良さ、反応率の高さ、重合制御の容易さなどの他、重合で得られた樹脂溶液をそのまま用いて配合できる等の利点を有する。
ここで、溶液重合法を用いてラジカル重合によって、(メタ)アクリル系樹脂を得る方法を例に、(メタ)アクリル系樹脂の合成法について詳細に説明する。
(メタ)アクリル系樹脂を合成する際に用いられるモノマーとしては、一分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有するものであれば特に制限はない。その具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、モノ(2-(メタ)アクリロイロキシエチル)スクシネート等の脂肪族(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、モノ(2-(メタ)アクリロイロキシエチル)テトラヒドロフタレート、モノ(2-(メタ)アクリロイロキシエチル)ヘキサヒドロフタレート等の脂環式(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、o-ビフェニル(メタ)アクリレート、1-ナフチル(メタ)アクリレート、2-ナフチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p-クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、1-ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、2-ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(o-フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(1-ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(2-ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;2-テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-N-カルバゾール等の複素環式(メタ)アクリレート、これらのカプロラクトン変性体、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、α-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、α-プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、α-ブチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、α-エチル-6,7-エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル等のエチレン性不飽和基とエポキシ基を有する化合物;(2-エチル-2-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(2-メチル-2-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、2-(2-エチル-2-オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、2-(2-メチル-2-オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、3-(2-エチル-2-オキセタニル)プロピル(メタ)アクリレート、3-(2-メチル-2-オキセタニル)プロピル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基とオキセタニル基を有する化合物;2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のエチレン性不飽和基とイソシアネート基を有する化合物;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基とヒドロキシル基を有する化合物が挙げられ、これらを適宜組み合わせて目的とする(メタ)アクリル系樹脂を得ることができる。
(メタ)アクリル系樹脂は、上記条件1,2を満たす粘着剤層3を得やすい点から、1つ又は複数の芳香環を有することが好ましい。この場合、(メタ)アクリル系樹脂を合成するためのモノマーとして、スチレン、α-メチルスチレン、α-エチルスチレン、α-プロピルスチレン、α-イソプロピルスチレン、α-ブチルスチレン、α-イソブチルスチレン、α-tert-ブチルスチレン、2-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2-エチルスチレン、4-エチルスチレン、2-プロピルスチレン、4-プロピルスチレン、2-イソプロピルスチレン、4-イソプロピルスチレン、2-ブチルスチレン、4-ブチルスチレン、2-イソブチルスチレン、4-イソブチルスチレン、2-tert-ブチルスチレン、4-tert-ブチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、o-ビフェニル(メタ)アクリレート、1-ナフチル(メタ)アクリレート、2-ナフチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p-クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、1-ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、2-ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(o-フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(1-ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(2-ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレートから選ばれる1種を単独で、あるいは、2種以上を併用することが好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂は、後述する官能基導入化合物又は架橋剤との反応点として、水酸基、グリシジル基及びアミノ基等から選ばれる少なくとも1種の官能基を有することが好ましい。水酸基を有する(メタ)アクリル系樹脂を合成するためのモノマーとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基とヒドロキシル基を有する化合物が挙げられ、これらは1種を単独で、あるいは、2種以上を併用することができる。
グリシジル基を有する(メタ)アクリル系樹脂を合成するためのモノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、α-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、α-プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、α-ブチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、α-エチル-6,7-エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル等のエチレン性不飽和基とエポキシ基を有する化合物が挙げられ、これらは1種を単独で、あるいは、2種以上を併用することができる。
これらのモノマーから合成される(メタ)アクリル系樹脂は、連鎖重合可能な官能基を含むことが好ましい。連鎖重合可能な官能基は、例えば、アクリロイル基及びメタクリロイル基から選ばれる少なくとも1種である。連鎖重合可能な官能基は、例えば、上述のように合成された(メタ)アクリル系樹脂に以下の化合物(官能基導入化合物)を反応させることにより、当該(メタ)アクリル系樹脂中に導入することができる。官能基導入化合物の具体例として、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタ-イソプロペニル-α,α-ジメチルベンジルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート、アリルイソシアネート、1,1-(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート;ジイソシアネート化合物またはポリイソシアネート化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートもしくは4-ヒドロキシブチルエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物;ジイソシアネート化合物またはポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物などが挙げられる。これらの中でも、特に2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネートが好ましい。これらの化合物は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
[光重合開始剤]
光重合開始剤としては、紫外線、電子線及び可視光線から選ばれる少なくとも1種を照射することで連鎖重合可能な活性種を発生するものであれば、特に制限はなく、例えば、光ラジカル重合開始剤が挙げられる。ここで連鎖重合可能な活性種とは、連鎖重合可能な官能基と反応することで重合反応が開始されるものを意味する。
光ラジカル重合開始剤としては、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン等のベンゾインケタール;1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン等のα-ヒドロキシケトン;2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、1,2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン等のα-アミノケトン;1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタジオン-2-(ベンゾイル)オキシム等のオキシムエステル;ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド;2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体;ベンゾフェノン、N,N´-テトラメチル-4,4´-ジアミノベンゾフェノン、N,N´-テトラエチル-4,4´-ジアミノベンゾフェノン、4-メトキシ-4´-ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;2-エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ベンズアントラキノン、2-フェニルアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-メチルアントラキノン、1,4-ナフトキノン、9,10-フェナントラキノン、2-メチル-1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルアントラキノン等のキノン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル化合物;9-フェニルアクリジン、1,7-ビス(9、9´-アクリジニルヘプタン)等のアクリジン化合物:N-フェニルグリシン、クマリンが挙げられる。
粘着剤組成物における光重合開始剤の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂の含有量100質量部に対し、例えば、0.1~30質量部であり、0.3~10質量部であることが好ましく、0.5~5質量部であることがより好ましい。光重合開始剤の含有量が0.1質量部未満であると粘着剤層3が紫外線照射後に硬化不足となり、ピックアップ不良が起こりやすい。光重合開始剤の含有量が30質量部を超えると接着剤層への汚染(光重合開始剤の接着剤層への転写)が生じやすい。
[架橋剤]
架橋剤は、例えば、粘着剤層3の弾性率及び/又は粘着性の制御を目的に用いられる。架橋剤は、上記(メタ)アクリル系樹脂が有する水酸基、グリシジル基及びアミノ基等から選ばれる少なくとも1種の官能基と反応し得る官能基を一分子中に2つ以上有する化合物であればよい。架橋剤と(メタ)アクリル系樹脂との反応によって形成される結合としては、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、ウレア結合等が挙げられる。
本実施形態においては、架橋剤として、一分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物を採用することが好ましい。このような化合物を用いると、上記(メタ)アクリル系樹脂が有する水酸基、グリシジル基及びアミノ基等と容易に反応し、強固な架橋構造を形成することができる。
一分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物としては、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4´-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4´-ジイソシアネート、3-メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4´-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-2,4´-ジイソシアネート、リジンイソシアネート等のイソシアネート化合物が挙げられる。
架橋剤として、上述のイソシアネート化合物と、一分子中に2つ以上のOH基を有する多価アルコールの反応物(イソシアナート基含有オリゴマー)を採用してもよい。一分子中に2つ以上のOH基を有する多価アルコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジオールが挙げられる。
これらの中でも、架橋剤として、一分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する多官能イソシアネートと、一分子中に3つ以上のOH基を有する多価アルコールの反応物(イソシアナート基含有オリゴマー)であることが更に望ましい。このようなイソシアネート基含有オリゴマーを架橋剤として用いることで、粘着剤層3が緻密な架橋構造を形成し、これにより、ピックアップ工程において接着剤層5に粘着剤が付着することを十分に抑制できる。
粘着剤組成物における架橋剤の含有量は、粘着剤層3に対して求められる凝集力及び破断伸び率、並びに、接着剤層5との密着性等に応じて適宜設定すればよい。具体的には、架橋剤の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂の含有量100質量部に対し、例えば、3~30質量部であり、5~15質量部であることが好ましく、7~10質量部であることがより好ましい。架橋剤の含有量を上記範囲とすることで、ダイシング工程において粘着剤層3に求められる特性と、ダイボンディング工程において粘着剤層3に求められる特性とをバランスよく両立することが可能であるとともに、優れたピックアップ性も達成し得る。
架橋剤の含有量が(メタ)アクリル系樹脂の含有量100質量部に対して3質量部未満であると、架橋構造の形成が不十分となりやすく、これに起因して、ピックアップ工程において、接着剤層5との界面密着力が十分に低下せずにピックアップ時に不良が発生しやすい。他方、架橋剤の含有量が(メタ)アクリル系樹脂の含有量100質量部に対して30質量部を超えると、粘着剤層3が過度に硬くなりやすく、これに起因して、エキスパンド工程において半導体チップが剥離しやすい。
粘着剤層3の厚さは、エキスパンド工程の条件(温度及び張力等)に応じて適宜設定すればよく、例えば、1~200μmであり、5~50μmであることが好ましく、10~20μmであることがより好ましい。粘着剤層3の厚さが1μm未満であると粘着性が不十分となりやすく、200μmを超えると、クールエキスパンド時に分断性が不十分になりやすい。
粘着剤層3は基材層1上に形成されている。粘着剤層3の形成方法としては、既知の手法を採用できる。例えば、基材層1と粘着剤層3との積層体を二層押し出し法で形成してもよいし、粘着剤層3の形成用ワニスを調製し、これを基材層1の表面に塗工する、あるいは、離型処理されたフィルム上に粘着剤層3を形成し、これを基材層1に転写してもよい。
粘着剤層3の形成用ワニスは、(メタ)アクリル系樹脂、光重合開始剤及び架橋剤を溶解し得る有機溶剤であって加熱により揮発するものを使用して調製することが好ましい。有機溶剤の具体例としては、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン、p-シメン等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等の環状エーテル;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン等のエステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の多価アルコールアルキルエーテルアセテート;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミドが挙げられる。
これらの中で、溶解性及び沸点の観点から、例えば、トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N,N-ジメチルアセトアミドであることが好ましい。これらの有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。ワニスの固形分濃度は、通常10~60質量%であることが好ましい。
<基材層>
基材層1としては、既知のポリマーシート又はフィルムを用いることができ、低温条件下において、エキスパンド工程を実施可能なものであれば、特に制限はない。具体的には、基材層1として、結晶性ポリプロピレン、非晶性ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、低密度直鎖ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、エチレン-ブテン共重合体、エチレン-ヘキセン共重合体、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、全芳香族ポリアミド、ポリフェニルスルフイド、アラミド(紙)、ガラス、ガラスクロス、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース系樹脂、シリコーン樹脂、又は、これらに可塑剤を混合した混合物、あるいは、電子線照射により架橋を施した硬化物が挙げられる。
基材層1は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン-ポリプロピレンランダム共重合体、ポリエチレン-ポリプロピレンブロック共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂を主成分とする表面を有し、この表面と粘着剤層3が接していることが好ましい。これらの樹脂は、ヤング率、応力緩和性及び融点等の特性、並びに、価格面、使用後の廃材リサイクル等の観点からも良好な基材である。基材層1は、単層でも構わないが、必要に応じて異なる材質からなる層が積層された多層構造を有していてもよい。粘着剤層3との密着性を制御するため、基材層1の表面に対して、マット処理、コロナ処理等の表面粗化処理を施してもよい。
<接着剤層>
接着剤層5には、既知のダイボンディングテープを構成する接着剤組成物を適用できる。具体的には、接着剤層5を構成する接着剤組成物は、エポキシ基含有アクリル共重合体、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤を含有することが好ましい。これらの成分を含む接着剤層5によれば、チップ/基板間、チップ/チップ間の接着性に優れ、また電極埋め込み性及びワイヤー埋め込み性等も付与可能で、かつダイボンディング工程では低温で接着でき、短時間で優れた硬化が得られる、封止剤でモールド後は優れた信頼性を有する等の特徴があり好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジリエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジリエーテル化物、フェノール類のジグリシジリエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びこれらのアルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加物等の二官能エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。また、多官能エポキシ樹脂及び複素環含有エポキシ樹脂等、一般に知られているその他のエポキシ樹脂を適用してもよい。これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。なお、特性を損なわない範囲でエポキシ樹脂以外の成分が不純物として含まれていてもよい。
エポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、フェノール化合物と2価の連結基であるキシリレン化合物を、無触媒又は酸触媒の存在下に反応させて得ることができるフェノール樹脂のようなものが挙げられる。フェノール樹脂の製造に用いられるフェノール化合物としては、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-エチルフェノール、p-エチルフェノール、o-n-プロピルフェノール、m-n-プロピルフェノール、p-n-プロピルフェノール、o-イソプロピルフェノール、m-イソプロピルフェノール、p-イソプロピルフェノール、o-n-ブチルフェノール、m-n-ブチルフェノール、p-n-ブチルフェノール、o-イソブチルフェノール、m-イソブチルフェノール、p-イソブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、2,4-キシレノール、2,6-キシレノール、3,5-キシレノール、2,4,6-トリメチルフェノール、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、4-メトキシフェノール、o-フェニルフェノール、m-フェニルフェノール、p-フェニルフェノール、p-シクロヘキシルフェノール、o-アリルフェノール、p-アリルフェノール、o-ベンジルフェノール、p-ベンジルフェノール、o-クロロフェノール、p-クロロフェノール、o-ブロモフェノール、p-ブロモフェノール、o-ヨードフェノール、p-ヨードフェノール、o-フルオロフェノール、m-フルオロフェノール、p-フルオロフェノール等が例示される。これらのフェノール化合物は、単独で用いてもよく、二種類以上を混合して用いてもよい。フェノール樹脂の製造に用いられる2価の連結基であるキシリレン化合物としては、次に示すキシリレンジハライド、キシリレンジグリコール及びその誘導体が用いることができる。すなわち、α,α´-ジクロロ-p-キシレン、α,α´-ジクロロ-m-キシレン、α,α´-ジクロロ-o-キシレン、α,α´-ジブロモ-p-キシレン、α,α´-ジブロモ-m-キシレン、α,α´-ジブロモ-o-キシレン、α,α´-ジヨード-p-キシレン、α,α´-ジヨード-m-キシレン、α,α´-ジヨード-o-キシレン、α,α´-ジヒドロキシ-p-キシレン、α,α´-ジヒドロキシ-m-キシレン、α,α´-ジヒドロキシ-o-キシレン、α,α´-ジメトキシ-p-キシレン、α,α´-ジメトキシ-m-キシレン、α,α´-ジメトキシ-o-キシレン、α,α´-ジエトキシ-p-キシレン、α,α´-ジエトキシ-m-キシレン、α,α´-ジエトキシ-o-キシレン、α,α´-ジ-n-プロポキシ-p-キシレン、α,α´-ジ-n-プロポキシ-m-キシレン、α,α´-ジ-n-プロポキシ-o-キシレン、α,α´-ジ-イソプロポキシ-p-キシレン、α,α´-ジイソプロポキシ-m-キシレン、α,α´-ジイソプロポキシ-o-キシレン、α,α´-ジ-n-ブトキシ-p-キシレン、α,α´-ジ-n-ブトキシ-m-キシレン、α,α´-ジ-n-ブトキシ-o-キシレン、α,α´-ジイソブトキシ-p-キシレン、α,α´-ジイソブトキシ-m-キシレン、α,α´-ジイソブトキシ-o-キシレン、α,α´-ジ-tert-ブトキシ-p-キシレン、α,α´-ジ-tert-ブトキシ-m-キシレン、α,α´-ジ-tert-ブトキシ-o-キシレンを挙げることができる。これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記したフェノール化合物とキシリレン化合物を反応させる際には、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸等の鉱酸類;ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機カルボン酸類;トリフロロメタンスルホン酸等の超強酸類;アルカンスルホン酸型イオン交換樹脂のような、強酸性イオン交換樹脂類;パーフルオロアルカンスルホン酸型イオン交換樹脂の様な、超強酸性イオン交換樹脂類(商品名:ナフィオン、Nafion、Du Pont社製、「ナフィオン」は登録商標);天然及び合成ゼオライト類;活性白土(酸性白土)類等の酸性触媒を用い、50~250℃において実質的に原料であるキシリレン化合物が消失し、且つ反応組成が一定になるまで反応させて得られる。反応時間は原料及び反応温度にもよるが、おおむね1時間~15時間程度であり、実際には、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)等により反応組成を追跡しながら決定すればよい。
エポキシ基含有アクリル共重合体は、原料としてグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートを、得られる共重合体に対し0.5~6質量%となる量用いて得られた共重合体であることが好ましい。この量が0.5質量%以上であることで高い接着力を得やすく、他方、6質量%以下であることでゲル化を抑制できる。その残部はメチルアクリレート、メチルメタクリレート等の炭素数1~8のアルキル基を有するアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、及びスチレン、アクリロニトリル等の混合物を用いることができる。これらの中でもエチル(メタ)アクリレート及び/又はブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。混合比率は、共重合体のTgを考慮して調整することが好ましい。Tgが-10℃未満であるとBステージ状態での接着剤層5のタック性が大きくなる傾向があり、取り扱い性が悪化する傾向にある。なお、エポキシ基含有アクリル共重合体のガラス転移点(Tg)の上限値は、例えば、30℃である。重合方法は特に制限がなく、例えば、パール重合、溶液重合が挙げられる。市販のエポキシ基含有アクリル共重合体としては、例えば、HTR-860P-3(商品名、ナガセケムテックス株式会社製)が挙げられる。
エポキシ基含有アクリル共重合体の重量平均分子量は10万以上であり、この範囲であると接着性及び耐熱性が高く、30万~300万であることが好ましく、50万~200万であることがより好ましい。重量平均分子量が300万以下であると、半導体チップと、これを支持する基板との間の充填性が低下することを抑制できる。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)で標準ポリスチレンによる検量線を用いたポリスチレン換算値である。
接着剤層5は、必要に応じて、第三級アミン、イミダゾール類、第四級アンモニウム塩類等の硬化促進剤を更に含有してもよい。硬化促進剤の具体例としては、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテートが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
接着剤層5は、必要に応じて、無機フィラーを更に含有してもよい。無機フィラーの具体例としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイスカ、窒化ほう素、結晶質シリカ、非晶質シリカが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
接着剤層5の厚さは、例えば、1~300μmであり、5~150μmであることが好ましく、10~100μmであることがより好ましい。接着剤層5の厚さが1μm未満であると接着性が不十分となりやすく、他方、300μmを超えるとエキスパンド時の分断性及びピックアップ性が不十分となりやすい。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、基材層1と、粘着剤層3と、接着剤層5とをこの順序で備えるダイシングダイボンディング一体型テープ10を例示したが、接着剤層5を備えない態様であってもよい。図2は、本発明に係るダイシング用粘着テープの一実施形態を模式的に示す断面図である。同図に示すダイシング用粘着テープ20は、基材層1と、基材層1上に設けられた粘着剤層3とを備える。また、テープ10,20は、基材層1と反対側の最外層を保護するカバーテープ(不図示)を更に備えてもよい。すなわち、テープ10は、接着剤層5を覆うカバーテープを更に備えてもよく、テープ20は、粘着剤層3を覆うカバーテープを更に備えてもよい。
以下、本発明について、実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限するものではない。なお、特に記述がない限り、薬品は全て試薬を使用した。
<実施例1>
[アクリル樹脂の合成(製造例1)]
スリーワンモータ、撹拌翼、窒素導入管が備え付けられた容量2000mlのフラスコに以下の成分を入れた。
・酢酸エチル(溶剤):635g
・2-エチルヘキシルアクリレート:395g
・2-ヒドロキシエチルアクリレート:100g
・メタクリル酸:5g
・アゾビスイソブチロニトリル:0.2g
均一になるまで内容物を撹拌した後、流量500ml/分にて60分間バブリングを実施し、系中の溶存酸素を脱気した。1時間かけて78℃まで昇温し、昇温後6時間重合させた。次に、スリーワンモータ、撹拌翼、窒素導入管が備え付けられた容量2000mlの加圧釜に反応溶液を移し、120℃、0.28MPaにて4.5時間加温後、室温(25℃、以下同様)に冷却した。
次に酢酸エチルを490g加えて撹拌し希釈した。これに重合禁止剤としてメトキノンを0.025g、ウレタン化触媒として、ジオクチルスズジラウレートを0.10g添加した後、2-メタクリロキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズMOI(商品名))を81g加え、70℃で6時間反応させた後、室温に冷却した。次いで、酢酸エチルを加え、アクリル樹脂溶液中の不揮発分含有量が35質量%となるよう調整し、連鎖重合可能な官能基を有する(A)アクリル樹脂(製造例1)を含む溶液を得た。
上記のようにして得た(A)アクリル樹脂を含む溶液を60℃で一晩真空乾燥した。これによって得られた固形分を全自動元素分析装置(エレメンタール社製、商品面:varioEL)にて元素分析し、導入された2-メタクリロキシエチルイソシアネートの含有量を窒素含有量から算出したところ、0.89mmol/gであった。
また、以下の装置を使用して(A)アクリル樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量を求めた。すなわち、東ソー株式会社製SD-8022/DP-8020/RI-8020を使用し、カラムには日立化成株式会社製Gelpack GL-A150-S/GL-A160-Sを用い、溶離液にテトラヒドロフランを用いてGPC測定を行った。その結果、ポリスチレン換算重量平均分子量は28万であった。JIS K0070に記載の方法に準拠して測定した水酸基価及び酸価は32.8mgKOH/g及び6.5mgKOH/gであった。これらの結果を表1にまとめて示す。
[ダイシングテープ(粘着剤層)の作製]
以下の成分を混合することで、粘着剤層形成用のワニスを調製した(表2参照)。酢酸エチル(溶剤)の量は、ワニスの総固形分含有量が25質量%となるように調整した。
・(A)アクリル樹脂溶液(製造例1):100g(固形分)
・(B)光重合開始剤(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チバスペシャリティケミカルズ株式会社製、イルガキュア184、「イルガキュア」は登録商標):0.8g
・(B)光重合開始剤(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、チバスペシャリティケミカルズ株式会社製、イルガキュア819、「イルガキュア」は登録商標):0.2g
・(C)架橋剤(多官能イソシアネート、日本ポリウレタン工業株式会社製、コロネートL、固形分:75%):8.0g(固形分)
・酢酸エチル(溶剤)
一方の面に離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(幅450mm、長さ500mm、厚さ38μm)を準備した。離型処理が施された面に、アプリケータを用いて粘着剤層形成用のワニスを塗布した後、80℃で5分間乾燥した。これにより、ポリエチレンテレフタレートフィルムと、その上に形成された厚さ10μmの粘着剤層とからなる積層体(ダイシングテープ)を得た。
一方の面にコロナ処理が施されたポリオレフィンフィルム(幅450mm、長さ500mm、厚さ100μm)を準備した。コロナ処理が施された面と、上記積層体の接着剤層とを室温にて貼り合わせた。次いで、ゴムロールで押圧することで粘着剤層をポリオレフィンフィルム(カバーフィルム)に転写した。その後、室温で3日間放置することでカバーフィルム付きのダイシングテープを得た。
[ダイボンディングテープ(接着剤層)の作製]
まず、以下の組成物にシクロヘキサノン(溶剤)を加えて攪拌混合した後、更にビーズミルを用いて90分混練した。
・エポキシ樹脂(YDCN-703(商品名)、新日鉄住金化学株式会社製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210、分子量1200、軟化点80℃):55質量部
・フェノール樹脂(ミレックスXLC-LL(商品名)、三井化学株式会社製、フェノール樹脂、水酸基当量175、吸水率1.8%、350℃における加熱重量減少率4%):45質量部
・シランカップリング剤(NUC A-189(商品名)、株式会社NUC製、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン):1.7質量部
・シランカップリング剤(NUCA-1160(商品名)、日本ユニカー株式会社製、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン):3.2質量部
・フィラー(アエロジルR972(商品名)、日本アエロジル株式会社製、シリカ、平均粒径0.016μm):32質量部
なお、「アエロジルR972」は、メチル基などの有機基をシリカ粒子の表面に有するフィラーであって、シリカ粒子の表面をジメチルジクロロシランで被覆した状態とし、400℃の反応器中でジメチルジクロロシランを加水分解させることによって得られたものである。
上記のようにして得た組成物に以下の成分を加えた後、攪拌混合及び真空脱気の工程を経て接着剤層形成用のワニスを得た。
・エポキシ基含有アクリル共重合体(HTR-860P-3(商品名)、ナガセケムテックス株式会社製、重量平均分子量80万):280質量部
・硬化促進剤(キュアゾール2PZ-CN(商品名)、四国化成工業株式会社製、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、「キュアゾール」は登録商標)0.5質量部
一方の面に離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ35μm)を準備した。離型処理が施された面に、アプリケータを用いて接着剤層形成用のワニスを塗布した後、140℃で5分間加熱乾燥した。これにより、ポリエチレンテレフタレートフィルム(キャリアテープ)と、その上に形成された厚さ10μmの接着剤層(Bステージ状態)とからなる積層体(ダイボンディングテープ)を得た。
[ダイシングダイボンディング一体型テープの作製]
接着剤層とキャリアフィルムとからなるダイボンディングテープを、キャリアテープごと直径335mmの円形にカットした。これにポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離したダイシングテープを室温で貼り付け後、室温で1日放置した。その後、直径370mmの円形にダイシングテープをカットした。これにより、実施例1に係るダイシングダイボンディング一体型テープを得た。
(1)粘着剤層の貯蔵弾性率の測定(紫外線照射による硬化処理前)
株式会社ユービーエム製の動的粘弾性測定装置を使用し、以下のようにして、粘着剤層を構成する粘着剤組成物の貯蔵弾性率を測定した。上記ダイシングテープ(ポリエチレンテレフタレートフィルムと、厚さ10μmの粘着剤層とからなる積層体)の粘着剤層を順次積層することで、厚さ150μmの粘着剤組成物からなる試料を得た。測定の条件は、チャック間距離20mm、周波数1Hz、昇温速度3℃/分とし、-70℃~100℃までの貯蔵弾性率を測定した。この測定結果から、紫外線照射による硬化処理前における-15℃での貯蔵弾性率を求めた。
(2)粘着剤層の貯蔵弾性率の測定(紫外線照射による硬化処理後)
紫外線が照射された粘着剤組成物からなる厚さ150μmの試料を測定対象としたことの他は、上記(1)と同様にして、粘着剤組成物の-70℃~100℃までの貯蔵弾性率を測定した。この測定結果から、紫外線照射による硬化処理後における25℃での貯蔵弾性率を求めた。なお、コンベアUV照射装置CS60(株式会社ジーエス・ユアサコーポレーション製)を使用して上記試料に対して紫外線(光源:メタルハライドランプ、主波長:365nm)を照射した。照度70mW/cmで3秒にわたって紫外線を照射した。
(3)ステルスダイシング性の評価
半導体ウエハにレーザーを照射することによって改質領域を形成した後、エキスパンド工程を実施することで、ステルスダイシング性(ウエハ分断性及び接着剤層分断性)を評価した。すなわち、半導体ウエハ(シリコンウエハ、厚さ50μm、外径12インチ)を準備した。ダイシングダイボンディング一体型テープからポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離することによって、接着剤層を露出させた。半導体ウエハの一方面に接着剤層が密着するように、半導体ウエハに対してダイシングダイボンディング一体型テープを貼り合わせた。
レーザーダイシング装置(株式会社東京精密製、MAHOHDICING MACHINE)を使用し、半導体ウエハを含む積層体(半導体ウエハ/接着剤層/粘着剤層/基材層)に対してステルスダイシングを行った。条件は以下のとおりとした。
・レーザー光源:半導体レーザー励起Nd(YAGレーザー)
波長:1064nm
レーザー光スポット断面積:3.14×10-8cm
発振形態:Qスイッチパルス
繰り返し周波数:100kHz
パルス幅:30ns
出力:20μJ/パルス
レーザー光品質:TEM00
偏光特性:直線偏光
・集光用レンズ倍率:50倍
・NA:0.55
・レーザー光波長に対する透過率:60%
・半導体ウエハが載置される台の移動速度:100mm/秒
改質領域形成後の半導体ウエハを含む積層体(半導体ウエハ/接着剤層/粘着剤層/基材層)をエキスパンド装置に固定した。次いで、以下の条件下で、ダイシングテープ(粘着剤層/基材層)をエキスパンドすることによって、接着剤層及び半導体ウエハを分割した。これにより、接着剤片付きの半導体チップを得た。なお、本試験例では、下記の条件でエキスパンドを実施したが、基材フィルムの物性及び温度条件等によってエキスパンド条件(「高さ」及び「スピード」等)を適宜調整すればよい。
装置:(株)ディスコ製DDS2300(Fully Automatic Die Separator)
クールエキスパンド条件:
温度:-15℃、高さ(Height):9mm、冷却時間:60秒
スピード:300mm/秒、待機時間(Waiting time):0秒
エキスパンド後の半導体ウエハ及び接着剤層について、半導体ウエハ側から顕微鏡で観察することによって、半導体ウエハ及び接着剤層が所定の位置で分断させているかを評価した。顕微鏡による観察は、ウエハ周辺部と中央部に対して実施し、以下の基準に従って分断性を評価した。
A:ウエハ及び接着剤層の分断性が95%以上100%以下であった。
B:ウエハ及び接着剤層のF分断性が90%以上95%未満であった。
C:ウエハ及び接着剤層の分断性が30%以上90%未満であった。
D:ウエハ及び接着剤層の分断性が30%未満であった。
なお、分断性(単位:%)は、分断すべきラインの総数に対して分断できているラインの本数の割合である。
(4)ピックアップ性の評価
エキスパンド工程後の半導体ウエハ(半導体チップ)に対し、基材層側から照度70mW/cmで3秒にわたって紫外線を照射した。半導体チップのピックアップ性を、ルネサス東日本セミコンダクタ社製のフレキシブルダイボンダーDB-730(商品名)を使用して評価した。ピックアップ用コレットには、マイクロメカニクス社製のRUBBER TIP 13-087E-33(商品名、サイズ:5×5mm)を用いた。突上げピンには、マイクロメカニクス社製のEJECTOR NEEDLE SEN2-83-05(商品名、直径:0.7mm、先端形状:直径350μmの半円)を用いた。突上げピンは、ピン中心間隔4.2mmで5本配置した。ピックアップ時のピンの突上げ速度:10mm/秒、突上げ高さ:200μmの条件でピックアップ性の評価を実施し、以下の基準に従ってピックアップ性を評価した。
A:100チップを連続的にピックアップし、チップ割れ又はピックアップミス等が発生しなかった。
B:100チップを連続的にピックアップし、チップ割れ又はピックアップミス等が発生した割合が0%よりも大きく5%以下であった。
C:100チップを連続的にピックアップし、チップ割れ又はピックアップミス等が発生した割合が5%以上であった。
<実施例2~7及び比較例1~3>
[アクリル樹脂の合成(製造例2~9)]
表1に示すモノマーを使用したことの他は、製造例1と同じ手法を用いて、製造例2~9に係る(A)アクリル樹脂の溶液を得た。粘着剤層の組成を表2及び表3に示す組成としたことの他は、実施例1と同様にして、実施例2~7及び比較例1~3に係るダイシングダイボンディング一体型テープを作製し、各種の評価を行った。
Figure 0007059553000001
Figure 0007059553000002
Figure 0007059553000003
表2に示されたとおり、実施例1~7に係るダイシングダイボンディング一体型テープは、ステルスダイシング後における半導体ウエハ及び接着剤層の分断性に優れるとともに、突上げ高さが200μmと低くてもピックアップ可能である。
比較例1は、製造例1に係るアクリル樹脂が使用されているものの、架橋剤の量が実施例1と比較して少ない比較例である。比較例1では、ステルスダイシング後において、接着剤層の未分断が特に発生し、また、ピックアップ性も不十分であった。これらは、紫外線照射による硬化処理前(UV前)の-15℃における貯蔵弾性率が低かったことに起因すると推察される。
比較例2は、製造例8に係るアクリル樹脂(4-ヒドロキシブチルアクリレートを原料の一部に使用)を用いた比較例である。比較例2では、ステルスダイシング後において、半導体ウエハ及び接着剤層の未分断が発生し、その後のピックアップを実施できなかった。
比較例3は、製造例9に係るアクリル樹脂(連鎖移動可能な官能基が製造例2と比較して少ないアクリル樹脂)を用いた比較例である。比較例3では、ピックアップを実施できなかった。これは、紫外線照射による硬化処理前(UV後)の貯蔵弾性率が低かったことに起因すると推察される。
本発明によれば、ステルスダイシングを含む半導体装置の製造プロセスにおいて、半導体ウエハの分断性及び半導体チップのピックアップ性の両方を十分に高水準に達成できるダイシング用粘着テープ及びダイシングダイボンディング一体型テープが提供される。
1…基材層、3…粘着剤層、5…接着剤層、10…ダイシングダイボンディング一体型テープ、20…ダイシング用粘着テープ

Claims (10)

  1. 基材層と、
    前記基材層上に設けられた粘着剤層と、
    を少なくとも備えるステルスダイシング用粘着テープであって、
    前記粘着剤層は、(メタ)アクリル系樹脂と、光重合開始剤と、架橋剤とを含むとともに、紫外線照射による硬化処理前において、-15℃における貯蔵弾性率が40MPa以上であり、かつ、紫外線照射による硬化処理後において、25℃における貯蔵弾性率が100MPa以上である、ステルスダイシング用粘着テープ。
  2. 前記(メタ)アクリル系樹脂が1つ又は複数の芳香環を有する、請求項1に記載のステルスダイシング用粘着テープ。
  3. 前記(メタ)アクリル系樹脂が連鎖重合可能な官能基を含み、
    前記官能基がアクリロイル基及びメタクリロイル基から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のステルスダイシング用粘着テープ。
  4. 前記架橋剤が、一分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する多官能イソシアネートと、一分子中に3つ以上のOH基を有する多価アルコールの反応物である、請求項1~3のいずれか一項に記載のステルスダイシング用粘着テープ。
  5. 前記光重合開始剤が光ラジカル重合開始剤である、請求項1~4のいずれか一項に記載のステルスダイシング用粘着テープ。
  6. 前記粘着剤層は、紫外線照射による硬化処理後において、25℃における貯蔵弾性率が150MPa以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載のステルスダイシング用粘着テープ。
  7. 前記粘着剤層は、紫外線照射による硬化処理後において、25℃における貯蔵弾性率が300MPa以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載のステルスダイシング用粘着テープ。
  8. 前記粘着剤層は、紫外線照射による硬化処理前において、-15℃における貯蔵弾性率が200MPa以下である、請求項1~7のいずれか一項に記載のステルスダイシング用粘着テープ。
  9. 請求項1~のいずれか一項に記載のステルスダイシング用粘着テープと、
    前記粘着テープの前記粘着剤層上に設けられた接着剤層と、
    を備える、ダイシングダイボンディング一体型テープ。
  10. (A)レーザーの照射によって半導体ウエハに改質領域を形成することにより、前記半導体ウエハに対してステルスダイシングを実施する工程と、
    (B)請求項9に記載のダイシングダイボンディング一体型テープの前記接着剤層の表面に前記半導体ウエハを貼る工程と、
    (C)冷却条件下において前記基材層をエキスパンドすることによって、前記半導体ウエハ及び前記接着剤層が個片化されてなる接着剤片付きの半導体チップを得る工程と、
    (D)前記粘着剤層に紫外線を照射することによって、前記接着剤片付きの半導体チップに対する前記粘着剤層の粘着力を低下させる工程と、
    (E)前記接着剤片付きの半導体チップを前記粘着剤層からピックアップする工程と、
    を含む、半導体装置の製造方法。
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