JP7056807B2 - 三酸化モリブデン粉体及びその製造方法 - Google Patents

三酸化モリブデン粉体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、三酸化モリブデン粉体及びその製造方法に関する。
本願は、2019年9月24日に、日本に出願された特願2019-172915号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
特許文献1には、フラックス蒸発法による金属酸化物の製造装置および前記金属酸化物の製造方法が開示されており、フラックスとしてモリブデン化合物を用いた場合には、粉体化された三酸化モリブデンが回収される。
また、特許文献2には、ナノ結晶モリブデン混合酸化物の製造方法、該モリブデン混合酸化物の化学変換のための触媒としての使用が開示されている。
国際公開第2018/003481号 特表2011-516378号公報
硫化モリブデンの前駆体として三酸化モリブデン粉体を用いる場合、市販の三酸化モリブデン粉体は、α結晶構造のものであり、硫化反応性に難がある。また、三酸化モリブデンの純度が高い方が、純度の高い硫化モリブデンを得ることができ、純度が低いと、不純物由来の硫化物が生成する可能性がある。通常、硫化モリブデン以外の硫化物は安定性が悪く、酸や水などで簡単に分解され、毒性の高い硫化水素を発生させてしまう。したがって、保存安定性(硫化水素の発生)の観点で、純度が極めて高いことが求められる。
そこで、本発明は、硫化モリブデンの前駆体として好適な三酸化モリブデン粉体、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を包含するものである。
[1]三酸化モリブデンのβ結晶構造を含む一次粒子の集合体からなり、蛍光X線(XRF)で測定されるMoOの含有割合が99.6%以上であり、前記一次粒子の平均粒径が1μm以下である三酸化モリブデン粉体。
[2]X線源としてCu-Kα線を用いた粉末X線回折(XRD)から得られるスペクトルにおいて、MoOのβ結晶の(011)面に帰属するピーク強度の、MoOのα結晶の(021)面に帰属するピーク強度に対する比(β(011)/α(021))が0.1以上である、前記[1]に記載の三酸化モリブデン粉体。
[3]BET法で測定される比表面積が10m/g~100m/gである、前記[1]又は[2]に記載の三酸化モリブデン粉体。
[4]モリブデンのK吸収端の広域X線吸収微細構造(EXAFS)スペクトルから得られる動径分布関数において、Mo-Oに起因するピークの強度IとMo-Moに起因するピーク強度IIとの比(I/II)が、1.1より大きい、前記[1]~[3]のいずれか一項に記載の三酸化モリブデン粉体。
[5]酸化モリブデン前駆体化合物を気化させて、三酸化モリブデン蒸気を形成し、
前記三酸化モリブデン蒸気を冷却することを含む、
前記[1]~[4]のいずれか一項に記載の三酸化モリブデン粉体の製造方法。
[6]酸化モリブデン前駆体化合物、及び、前記酸化モリブデン前駆体化合物以外の金属化合物を含む原料混合物を焼成し、前記酸化モリブデン前駆体化合物を気化させて、三酸化モリブデン蒸気を形成することを含み、
前記原料混合物100質量%に対する、前記金属化合物の割合が、酸化物換算で70質量%以下である、前記[5]に記載の三酸化モリブデン粉体の製造方法。
[7]前記三酸化モリブデン蒸気を空気雰囲気下で冷却することを含む、前記[5]又は[6]に記載の三酸化モリブデン粉体の製造方法。
[8]前記三酸化モリブデン蒸気を冷却して得られた粉体を、再度、100℃~320℃の温度で焼成する、前記[5]~[7]のいずれか一項に記載の三酸化モリブデン粉体の製造方法。
本発明の三酸化モリブデン粉体は、硫化モリブデンの前駆体として好適である。
本発明の一実施形態の三酸化モリブデン粉体の製造に用いられる装置の一例の概略図である。 本発明の一実施形態の三酸化モリブデン粉体のX線回折(XRD)パターンの結果を、三酸化モリブデンのα結晶の標準パターン(α-MoO)及びβ結晶の標準パターン(β-MoO)と共に示したものである。 市販品の三酸化モリブデン粉体のX線回折(XRD)パターンの結果を、三酸化モリブデンのα結晶の標準パターン(α-MoO)と共に示したものである。 本発明の一実施形態の三酸化モリブデン粉体を用いて測定された、モリブデンのK吸収端の広域X線吸収微細構造(EXAFS)スペクトルである。
<三酸化モリブデン粉体>
本実施形態の三酸化モリブデン粉体は、三酸化モリブデンのβ結晶構造を含む一次粒子の集合体からなり、蛍光X線(XRF)で測定されるMoOの含有割合が99.6%以上であり、前記一次粒子の平均粒径が1μm以下である。
本実施形態の三酸化モリブデン粉体は、一次粒子の平均粒径が1μm以下であり、三酸化モリブデンのβ結晶構造を含む一次粒子の集合体からなるので、結晶構造としてα結晶のみからなる従来の三酸化モリブデン粉体に比べて、硫黄との反応性が良好である。また、本実施形態の三酸化モリブデン粉体は、蛍光X線(XRF)で測定されるMoOの含有割合が99.6%以上であるので、硫化反応をさせることで、高純度な、不純物由来の硫化物が生成するおそれがない、保存安定性の良好な硫化モリブデンを得ることができる。したがって、本実施形態の三酸化モリブデン粉体は、硫化モリブデンの前駆体として好適に用いることができる。
三酸化モリブデン粉体の、硫黄との反応性は、例えば、評価対象の三酸化モリブデン粉体1.00gと、硫黄1.57gとを混合し、窒素雰囲気下、320℃で4時間焼成を行い、得られる黒色粉末のMoSへの転化率を求めることにより、評価することができる。
MoSへの転化率は、この黒色粉末をX線回折(XRD)測定することにより得られるスペクトルデータから、RIR(参照強度比)法により求めることができる。硫化モリブデン(MoS)のRIR値Kおよび硫化モリブデン(MoS)の(002)面または(003)面に帰属される、2θ=14.4°±0.5°付近のピークの積分強度I、並びに、各酸化モリブデン(原料であるMoO、および反応中間体であるMo25、Mo11、MoOなど)のRIR値Kおよび各酸化モリブデン(原料であるMoO、および反応中間体であるMo25、Mo11、MoOなど)の最強線ピークの積分強度Iを用いて、次の式(1)からMoSへの転化率Rを求めることができる。
(%)=(I/K)/(Σ(I/K))×100 ・・・(1)
ここで、RIR値は、ICSDデータベースに記載されている値をそれぞれ用いることができ、解析には、統合粉末X線解析ソフトウェア(PDXL)(Rigaku社製)を用いることができる。
本実施形態の三酸化モリブデン粉体の一次粒子の平均粒径は1μm以下であり、表面積が大きく、硫黄との反応性の点から、600nm以下が好ましく、400nm以下がより好ましく、200nm以下が特に好ましい。本実施形態の三酸化モリブデン粉体の一次粒子の平均粒径は10nm以上であってもよく、20nm以上であってもよく、40nm以上であってもよい。
三酸化モリブデン粉体の一次粒子の平均粒径とは、三酸化モリブデン粉体を、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する最小単位の粒子(すなわち、一次粒子)について、その長径(観察される最も長い部分のフェレ径)と短径(その最も長い部分のフェレ径に対して、垂直な向きの短いフェレ径)を計測し、その平均値を一次粒子径としたとき、ランダムに選ばれた50個の一次粒子の一次粒子径の平均値を云う。
本実施形態の三酸化モリブデン粉体の、蛍光X線(XRF)で測定されるMoOの含有割合は、全検出ピーク強度に対して、99.6%~100.0%である。
本実施形態の三酸化モリブデン粉体は、三酸化モリブデンのβ結晶構造を含む一次粒子の集合体からなり、β結晶構造は、X線源としてCu-Kα線を用いた粉末X線回折(XRD)から得られるスペクトルにおいて、MoOのβ結晶の(011)面に帰属する、(2θ:23.01°付近、No.86426(無機結晶構造データベース、ICSD))のピークの存在によって、確認することができる。三酸化モリブデンのα結晶構造は、MoOのα結晶の(021)面(2θ:27.32°付近_No.166363(無機結晶構造データベース、ICSD))のピークの存在によって、確認することができる。
本実施形態の三酸化モリブデン粉体は、X線源としてCu-Kα線を用いた粉末X線回折(XRD)から得られるスペクトルにおいて、MoOのβ結晶の(011)面に帰属するピーク強度の、MoOのα結晶の(021)面に帰属するピーク強度に対する比(β(011)/α(021))が0.1以上であることが好ましい。
MoOのβ結晶の(011)面に帰属するピーク強度、及び、MoOのα結晶の(021)面に帰属するピーク強度は、それぞれ、ピークの最大強度を読み取り、前記比(β(011)/α(021))を求める。
本実施形態の三酸化モリブデン粉体において、前記比(β(011)/α(021))は、0.1~10.0であることが好ましく、0.2~10.0であることがより好ましく、0.4~10.0であることが特に好ましい。
本実施形態の三酸化モリブデン粉体は、BET法で測定される比表面積が10m/g~100m/gであることが好ましい。
本実施形態の三酸化モリブデン粉体において、前記比表面積は、硫黄との反応性が良好になることから、10m/gであることが好ましく、20m/gであることが好ましく、30m/gであることが好ましい。本実施形態の三酸化モリブデン粉体において、製造が容易になることから、100m/gであることが好ましく、90m/gであってもよく、80m/gであってもよい。
本実施形態の三酸化モリブデン粉体は、モリブデンのK吸収端の広域X線吸収微細構造(EXAFS)スペクトルから得られる動径分布関数において、Mo-Oに起因するピークの強度IとMo-Moに起因するピーク強度IIとの比(I/II)が、1.1より大きいことが好ましい。
Mo-Oに起因するピークの強度I、及び、Mo-Moに起因するピーク強度IIは、それぞれ、ピークの最大強度を読み取り、前記比(I/II)を求める。前記比(I/II)は、三酸化モリブデン粉体において、MoOのβ結晶が得られていることの目安になると考えられ、前記比(I/II)が大きいほど、硫黄との反応性に優れる。
本実施形態の三酸化モリブデン粉体において、前記比(I/II)は、1.1~5.0であることが好ましく、1.2~4.0であってもよく、1.2~3.0であってもよい。
<三酸化モリブデン粉体の製造方法>
本実施形態の三酸化モリブデン粉体の製造方法は、前記実施形態の三酸化モリブデン粉体の製造方法であって、酸化モリブデン前駆体化合物を気化させて、三酸化モリブデン蒸気を形成し、前記三酸化モリブデン蒸気を冷却することを含む。
本実施形態の三酸化モリブデン粉体の製造方法は、酸化モリブデン前駆体化合物、及び、前記酸化モリブデン前駆体化合物以外の金属化合物を含む原料混合物を焼成し、前記酸化モリブデン前駆体化合物を気化させて、三酸化モリブデン蒸気を形成することを含み、前記原料混合物100質量%に対する、前記金属化合物の割合が、酸化物換算で70質量%以下であることが好ましい。
本実施形態の三酸化モリブデン粉体の製造方法は、図1に示す製造装置1を用いて好適に実施することができる。
図1は、本実施形態の三酸化モリブデン粉体の製造に用いられる装置の一例の概略図である。製造装置1は、酸化モリブデン前駆体化合物、又は、前記原料混合物を焼成し、前記酸化モリブデン前駆体化合物を気化させる焼成炉2と、前記焼成炉2に接続され、前記焼成により気化した三酸化モリブデン蒸気を粉体化する十字(クロス)型の冷却配管3と、前記冷却配管3で粉体化した三酸化モリブデン粉体を回収する回収手段である回収機4と、を有する。この際、前記焼成炉2および冷却配管3は、排気口5を介して接続されている。また、前記冷却配管3は、左端部には外気吸気口(図示せず)に開度調整ダンパー6が、上端部には観察窓7がそれぞれ配置されている。回収機4には、第1の送風手段である排風装置8が接続されている。当該排風装置8が排風することにより、回収機4および冷却配管3が吸引され、冷却配管3が有する開度調整ダンパー6から外気が冷却配管3に送風される。すなわち、排風装置8が吸引機能を奏することによって、受動的に冷却配管3に送風が生じる。なお、製造装置1は、外部冷却装置9を有していてもよく、これによって焼成炉2から生じる三酸化モリブデン蒸気の冷却条件を任意に制御することが可能となる。
開度調整ダンパー6により、外気吸気口からは空気を取り入れ、焼成炉2で気化した三酸化モリブデン蒸気を空気雰囲気下で冷却し、三酸化モリブデン粉体とすることで、前記比(I/II)を1.1より大きくすることができ、三酸化モリブデン粉体において、MoOのβ結晶が得られ易い。逆に、三酸化モリブデン蒸気を、液体窒素を用いて冷却した場合など、窒素雰囲気下の酸素濃度が低い状態での三酸化モリブデン蒸気の冷却は、酸素欠陥密度を増加させ、前記比(I/II)を低下させ易い。
酸化モリブデン前駆体化合物としては、本発明の三酸化モリブデン粉体を形成するための前駆体化合物であれば特に制限されない。
前記酸化モリブデン前駆体化合物としては、焼成することで三酸化モリブデン蒸気を形成するものであれば特に制限されないが、金属モリブデン、三酸化モリブデン、二酸化モリブデン、硫化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸(HPMo1240)、ケイモリブデン酸(HSiMo1240)、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸ケイ素、モリブデン酸マグネシウム(MgMo3n+1(n=1~3))、モリブデン酸ナトリウム(NaMo3n+1(n=1~3))、モリブデン酸チタニウム、モリブデン酸鉄、モリブデン酸カリウム(KMo3n+1(n=1~3))、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸ホウ素、モリブデン酸リチウム(LiMo3n+1(n=1~3))、モリブデン酸コバルト、モリブデン酸ニッケル、モリブデン酸マンガン、モリブデン酸クロム、モリブデン酸セシウム、モリブデン酸バリウム、モリブデン酸ストロンチウム、モリブデン酸イットリウム、モリブデン酸ジルコニウム、モリブデン酸銅等が挙げられる。これらの酸化モリブデン前駆体化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。酸化モリブデン前駆体化合物の形態は、特に限定されず、例えば、三酸化モリブデンなどの粉体状であっても良く、モリブデン酸アンモニウム水溶液のような液体であっても良い。好ましくは、ハンドリング性かつエネルギー効率の良い粉体状である。
酸化モリブデン前駆体化合物として、市販のα結晶の三酸化モリブデンを用いることが好ましい。また、酸化モリブデン前駆体化合物として、モリブデン酸アンモニウムを用いる場合には、焼成により熱力学的に安定な三酸化モリブデンに変換されることから、気化する酸化モリブデン前駆体化合物は前記三酸化モリブデンとなる。
これらの酸化モリブデン前駆体化合物のうち、得られる三酸化モリブデン粉体の純度、一次粒子の平均粒径、結晶構造を制御しやすい観点から、三酸化モリブデンを含むことが好ましい。
酸化モリブデン前駆体化合物、及び、前記酸化モリブデン前駆体化合物以外の金属化合物を含む原料混合物混合物を焼成することでも、三酸化モリブデン蒸気を形成することができる。
前記酸化モリブデン前駆体化合物以外の金属化合物としては、特に制限されないが、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、チタン化合物、マグネシウム化合物、ナトリウム化合物、カリウム化合物、ジルコニウム化合物、イットリウム化合物、亜鉛化合物、銅化合物、鉄化合物等が挙げられる。これらのうち、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、チタン化合物、マグネシウム化合物を用いることが好ましい。
酸化モリブデン前駆体化合物と前記酸化モリブデン前駆体化合物以外の金属化合物とが中間体を生成する場合があるが、この場合でも焼成により中間体が分解して、三酸化モリブデンを熱力学的に安定な形態で気化させることができる。
前記酸化モリブデン前駆体化合物以外の金属化合物としては、これらのうち、アルミニウム化合物を用いることが、焼成炉の傷つき防止のために好ましく、三酸化モリブデン粉体の純度を向上させるために前記酸化モリブデン前駆体化合物以外の金属化合物を用いないことでもよい。
アルミニウム化合物としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、擬ベーマイト、遷移酸化物アルミニウム(γ-酸化物アルミニウム、δ-酸化物アルミニウム、θ-酸化物アルミニウムなど)、α-酸化物アルミニウム、2種以上の結晶相を有する混合酸化物アルミニウム等が挙げられる。
酸化モリブデン前駆体化合物、及び、前記酸化モリブデン前駆体化合物以外の金属化合物を含む原料混合物を焼成するに際して、前記原料混合物100質量%に対する、前記酸化モリブデン前駆体化合物の含有割合は、40%~100%であることが好ましく、45%~100%であってもよく、50%~100%であってもよい。
焼成温度としては、使用する酸化モリブデン前駆体化合物、金属化合物、および所望とする三酸化モリブデン粉体等によっても異なるが、通常、中間体が分解できる温度とすることが好ましい。例えば、酸化モリブデン前駆体化合物としてモリブデン化合物を、金属化合物としてアルミニウム化合物を用いる場合には、中間体として、モリブデン酸アルミニウムが形成されうることから、焼成温度は500℃~1500℃であることが好ましく、600℃~1550℃であることがより好ましく、700℃~1600℃であることがさらに好ましい。
焼成時間についても特に制限はなく、例えば、1分~30時間とすることができ、10分~25時間とすることができ、100分~20時間とすることができる。
昇温速度は、使用する酸化モリブデン前駆体化合物、前記金属化合物、および所望とする三酸化モリブデン粉体の特性等によっても異なるが、製造効率の観点から、0.1~100℃/分であることが好ましく、1~50℃/分であることがより好ましく、2~10℃/分であることがさらに好ましい。
焼成炉内の内部圧力は、特に制限されず、陽圧であっても減圧であってもよいが、酸化モリブデン前駆体化合物を好適に焼成炉から冷却配管に排出する観点から、焼成は減圧下で行われることが好ましい。具体的な減圧度としては、-5000~-10Paであることが好ましく、-2000~-20Paであることがより好ましく、-1000~-50Paであることがさらに好ましい。減圧度が-5000Pa以上であると、焼成炉の高気密性や機械的強度が過度に要求されず、製造コストが低減できることから好ましい。一方、減圧度が-10Pa以下であると、焼成炉の排出口での酸化モリブデン前駆体化合物の詰まりを防止できることから好ましい。
なお、焼成中に焼成炉に気体を送風する場合、送風する気体の温度は、5~500℃であることが好ましく、10~100℃であることがより好ましい。
また、気体の送風速度は、焼成炉の有効容積が100Lに対して、1~500L/minであることが好ましく、10~200L/minであることがより好ましい。
気化した三酸化モリブデン蒸気の温度は、使用する酸化モリブデン前駆体化合物の種類によっても異なるが、200~2000℃であることが好ましく、400~1500℃であることがより好ましい。なお、気化した三酸化モリブデン蒸気の温度が2000℃以下であると、通常、冷却配管において、外気(0~100℃)の送風により容易に粉体化することができる傾向がある。
焼成炉から排出される三酸化モリブデン蒸気の排出速度は、使用する前記酸化モリブデン前駆体化合物量、前記金属化合物量、焼成炉の温度、焼成炉内への気体の送風、焼成炉排気口の口径により制御することができる。冷却配管の冷却能力によっても異なるが、焼成炉から冷却配管への三酸化モリブデン蒸気の排出速度は、0.001~100g/minであることが好ましく、0.1~50g/minであることがより好ましい。
また、焼成炉から排出される気体中に含まれる三酸化モリブデン蒸気の含有量は、0.01~1000mg/Lであることが好ましく、1~500mg/Lであることがより好ましい。
次に、前記三酸化モリブデン蒸気を冷却して粉体化する。
三酸化モリブデン蒸気の冷却は、冷却配管を低温にすることにより行われる。この際、冷却手段としては、上述のように冷却配管中への気体の送風による冷却、冷却配管が有する冷却機構による冷却、外部冷却装置による冷却等が挙げられる。
三酸化モリブデン蒸気の冷却は、空気雰囲気下で行うことが好ましい。三酸化モリブデン蒸気を空気雰囲気下で冷却し、三酸化モリブデン粉体とすることで、前記比(I/II)を1.1より大きくすることができ、三酸化モリブデン粉体において、MoOのβ結晶が得られ易い。
冷却温度(冷却配管の温度)は、特に制限されないが、-100~600℃であることが好ましく、―50~400℃であることがより好ましい。
三酸化モリブデン蒸気の冷却速度は、特に制限されないが、100~100000℃/sであることが好ましく、1000~50000℃/sであることがより好ましい。なお、三酸化モリブデン蒸気の冷却速度が早くなるほど、粒径の小さく、比表面積の大きい三酸化モリブデン粉体が得られる傾向がある。
冷却手段が、冷却配管中への気体の送風による冷却である場合、送風する気体の温度は―100~300℃であることが好ましく、―50~100℃であることがより好ましい。
また、気体の送風速度は、0.1~20m/minであることが好ましく、1~10m/minであることがより好ましい。気体の送風速度が0.1m/min以上であると、高い冷却速度を実現することができ、冷却配管の詰まりを防止できることから好ましい。一方、気体の送風速度が20m/min以下であると、高価な第1の送風手段(排風機等)が不要となり、製造コストを低くすることができることから好ましい。
三酸化モリブデン蒸気を冷却して得られた粉体は、回収機に輸送されて回収される。
本実施形態の三酸化モリブデン粉体の製造方法は、前記三酸化モリブデン蒸気を冷却して得られた粉体を、再度、100℃~320℃の温度で焼成してもよい。
すなわち、本実施形態の三酸化モリブデン粉体の製造方法で得られた三酸化モリブデン粉体を、再度、100℃~320℃の温度で焼成してもよい。再度の焼成の焼成温度は、120℃~280℃であってもよく、140℃~240℃であってもよい。再度の焼成の焼成時間は、例えば、1分~4時間とすることができ、10分~5時間とすることができ、100分~6時間とすることができる。ただし、再度、焼成することにより、三酸化モリブデンのβ結晶構造の一部は、消失してしまい、350℃以上の温度で4時間焼成すると、三酸化モリブデン粉体中のβ結晶構造は消失して、前記比(β(011)/α(021))が0になって、硫黄との反応性が損なわれる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[三酸化モリブデン粉体の一次粒子の平均粒径の測定方法]
三酸化モリブデン粉体を、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した。二次元画像上の凝集体を構成する最小単位の粒子(すなわち、一次粒子)について、その長径(観察される最も長い部分のフェレ径)及び短径(その最も長い部分のフェレ径に対して、垂直な向きの短いフェレ径)を計測し、その平均値を一次粒子径とした。同様の操作をランダムに選ばれた50個の一次粒子に対して行い、その一次粒子の一次粒子径の平均値から、一次粒子の平均粒径を算出した。
[三酸化モリブデンの純度測定:XRF分析]
蛍光X線分析装置PrimusIV(株式会社リガク製)を用い、回収した三酸化モリブデン粉体の試料約70mgをろ紙にとり、PPフィルムをかぶせて組成分析を行った。XRF分析結果により求められるモリブデン量を、三酸化モリブデン粉体100質量%に対する三酸化モリブデン換算(質量%)により求めた。
[結晶構造解析:XRD法]
回収した三酸化モリブデン粉体、又は、その硫化物の試料を0.5mm深さの測定試料用ホルダーにのせ、一定荷重で平らになるように充填し、それを広角X線回折(XRD)装置(株式会社リガク製 UltimaIV)にセットし、Cu/Kα線、40kV/40mA、スキャンスピード2度/分、走査範囲10°≦2θ≦70°で測定を行った。
三酸化モリブデンのβ結晶構造は、この条件で測定された粉末X線回折(XRD)のスペクトルにおいて、MoOのβ結晶の(011)面に帰属する、2θ:23.01°付近、No.86426(無機結晶構造データベース、ICSD)のピークの存在によって確認した。
また、三酸化モリブデンのα結晶構造は、MoOのα結晶の(021)面(2θ:27.32°付近_No.166363(無機結晶構造データベース、ICSD))のピークの存在によって確認した。
[MoSへの転化率R
評価対象の三酸化モリブデン粉体1.00gと、硫黄1.57gとを混合し、窒素雰囲気下、320℃で4時間焼成を行い、得られた黒色粉末をX線回折(XRD)測定した。次に、RIR(参照強度比)法により、硫化モリブデン(MoS)のRIR値Kおよび硫化モリブデン(MoS)の(002)面または(003)面に帰属される、2θ=14.4°±0.5°付近のピークの積分強度I、並びに、各酸化モリブデン(原料であるMoO、および反応中間体であるMo25、Mo11、MoOなど)のRIR値Kおよび各酸化モリブデン(原料であるMoO、および反応中間体であるMo25、Mo11、MoOなど)の最強線ピークの積分強度Iを用いて、次の式(1)からMoSへの転化率Rを求めた。
(%)=(I/K)/(Σ(I/K))×100 ・・・(1)
ここで、RIR値は、ICSDデータベースに記載されている値をそれぞれ用い、解析には、統合粉末X線解析ソフトウェア(PDXL)(Rigaku社製)を用いて行った。
[比表面積測定:BET法]
回収した三酸化モリブデン粉体の試料について、比表面積計(マイクロトラックベル製、BELSORP-mini)にて測定した。BET法による窒素ガスの吸着量から測定された試料1g当たりの表面積を、比表面積(m/g)として算出した。
[広域X線吸収微細構造(EXAFS)測定]
回収した三酸化モリブデン粉末32.76mgと窒化ホウ素333.0mgとを乳鉢で混合した。この混合物121.92mgを量り取り、φ8mmの錠剤に圧縮成形し、測定サンプルを得た。この測定サンプルを用いて、あいちシンクロトロン光センターのBL5S1にて透過法で広域X線吸収微細構造(EXAFS)を測定した。解析にはAthena(インターネット<URL: https://bruceravel.github.io/demeter/>)を用いた。
<実施例1>
遷移酸化アルミニウム(和光純薬工業株式会社製、活性アルミナ、平均粒径45μm)1kgと、三酸化モリブデン(太陽鉱工株式会社製)1kgと、を混合し、次いでサヤに仕込み、図1に示す製造装置1のうち焼成炉2で、温度1100℃で10時間焼成した。焼成中、焼成炉2の側面および下面から外気(送風速度:50L/min、外気温度:25℃)を導入した。三酸化モリブデンは、焼成炉2内で蒸発した後、回収機4付近で空気雰囲気下で冷却され、粒子として析出した。焼成炉2としてRHKシミュレーター(株式会社ノリタケカンパニーリミテド製、有効容積は115L)を用い、回収機4としてVF-5N集塵機(アマノ株式会社製)を用いた。
焼成後、サヤから1.0kgの青色の粉末である酸化アルミニウムと、回収機4で回収した三酸化モリブデン粉体0.85kgを取り出した。回収した実施例1の三酸化モリブデン粉体は、一次粒子の平均粒径が80nmであり、蛍光X線(XRF)測定にて、三酸化モリブデン(MoO)の含有割合(純度)は99.7%であることが確認できた。
また、実施例1の三酸化モリブデン粉体のX線回折(XRD)を測定した。X線回折パターンの結果を、三酸化モリブデンのα結晶の標準パターン(α-MoO)及びβ結晶の標準パターン(β-MoO)と共に、図2に示す。MoOのα結晶に帰属するピークとMoOのβ結晶に帰属するピークが観察され、その他のピークは観察されなかった。MoOのβ結晶の(011)面とMoOのα結晶の(021)面のピーク強度比(β(011)/α(021))を求めたところ、β(011)/α(021)は5.2であった。
磁製坩堝中で、実施例1の三酸化モリブデン粉体1.00gと、硫黄粉末(関東化学製)1.57gとを、粉末が均一になるように攪拌棒にて混合し、窒素雰囲気下、320℃で4時間焼成を行い、黒色粉末を得た。この黒色粉末をX線回折(XRD)により結晶構造解析した結果、MoSへの転化率が98%であり、硫黄との反応が速やかに起こることが確認できた。
実施例1の三酸化モリブデン粉体の、BET法で測定される比表面積(SA)は、44.0m/gであった。
実施例1の三酸化モリブデン粉体を用いて、広域X線吸収微細構造(EXAFS)を測定した。モリブデンのK吸収端の広域X線吸収微細構造(EXAFS)スペクトルを図4に示す。このスペクトルから得られる動径分布関数において、Mo-Oに起因するピークの強度IとMo-Moに起因するピーク強度IIとの比(I/II)は、2.0であった。
<実施例2>
実施例1における焼成温度1100℃を、焼成温度950℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして、三酸化モリブデン粉体を製造した。
焼成後、サヤから1.0kgの青色の粉末である酸化アルミニウムと、回収機4で回収した三酸化モリブデン粉体0.8kgを取り出した。回収した実施例2の三酸化モリブデン粉体は、一次粒子の平均粒径が130nmであり、蛍光X線(XRF)測定にて、三酸化モリブデン(MoO)の含有割合(純度)は99.8%であることが確認できた。
また、実施例2の三酸化モリブデン粉体をX線回折(XRD)により結晶構造解析したところ、MoOのβ結晶に帰属するピークとMoOのα結晶に帰属するピークが観察され、その他のピークは観察されなかった。次いでβ結晶の(011)面とα結晶の(021)面のピーク強度比(β(011)/α(021))を求めたところ、β(011)/α(021)は4.4であった。
磁製坩堝中で、実施例2の三酸化モリブデン粉体1.00gと、硫黄粉末(関東化学製)1.57gとを、粉末が均一になるように攪拌棒にて混合し、窒素雰囲気下、320℃で4時間焼成を行い、黒色粉末を得た。この黒色粉末をX線回折(XRD)により結晶構造解析した結果、MoSへの転化率が97%であり、硫黄との反応が速やかに起こることが確認できた。
<実施例3>
実施例1における焼成温度1100℃を、焼成温度1500℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして、三酸化モリブデン粉体を製造した。
焼成後、サヤから1.0kgの青色の粉末である酸化アルミニウムと、回収機4で回収した三酸化モリブデン粉体0.95kgを取り出した。回収した実施例3の三酸化モリブデン粉体は、一次粒子の平均粒径が120nmであり、蛍光X線(XRF)測定にて、三酸化モリブデン(MoO)の含有割合(純度)は99.6%であることが確認できた。
また、実施例3の三酸化モリブデン粉体をX線回折(XRD)により結晶構造解析したところ、MoOのβ結晶に帰属するピークとMoOのα結晶に帰属するピークが観察され、その他のピークは観察されなかった。次いでβ結晶の(011)面とα結晶の(021)面のピーク強度比(β(011)/α(021))を求めたところ、β(011)/α(021)は6.2であった。
磁製坩堝中で、実施例3の三酸化モリブデン粉体1.00gと、硫黄粉末(関東化学製)1.57gとを、粉末が均一になるように攪拌棒にて混合し、窒素雰囲気下、320℃で4時間焼成を行い、黒色粉末を得た。この黒色粉末をX線回折(XRD)により結晶構造解析した結果、MoSへの転化率が99%であり、硫黄との反応が速やかに起こることが確認できた。
<実施例4>
実施例1の三酸化モリブデン粉体1gを坩堝に入れ、再度、200℃で4時間焼成して、実施例4の三酸化モリブデン粉体とした。
実施例4の三酸化モリブデン粉体は、一次粒子の平均粒径が80nmであり、蛍光X線(XRF)測定にて、三酸化モリブデン(MoO)の含有割合(純度)は99.7%であることが確認できた。
また、実施例4の三酸化モリブデン粉体をX線回折(XRD)により結晶構造解析したところ、MoOのβ結晶に帰属するピークとMoOのα結晶に帰属するピークが観察され、その他のピークは観察されなかった。次いでβ結晶の(011)面とα結晶の(021)面のピーク強度比(β(011)/α(021))を求めたところ、β(011)/α(021)は2.0であった。
磁製坩堝中で、実施例4の三酸化モリブデン粉体1.00gと、硫黄粉末(関東化学製)1.57gとを、粉末が均一になるように攪拌棒にて混合し、窒素雰囲気下、320℃で4時間焼成を行い、黒色粉末を得た。この黒色粉末をX線回折(XRD)により結晶構造解析した結果、MoSへの転化率が96%であり、硫黄との反応が速やかに起こることが確認できた。
<実施例5>
実施例1の三酸化モリブデン粉体1gを坩堝に入れ、再度、300℃で4時間焼成して、実施例5の三酸化モリブデン粉体とした。
実施例5の三酸化モリブデン粉体は、一次粒子の平均粒径が130nmであり、蛍光X線(XRF)測定にて、三酸化モリブデン(MoO)の含有割合(純度)は99.7%であることが確認できた。
また、実施例5の三酸化モリブデン粉体をX線回折(XRD)により結晶構造解析したところ、MoOのβ結晶に帰属するピークとMoOのα結晶に帰属するピークが観察され、その他のピークは観察されなかった。次いでβ結晶の(011)面とα結晶の(021)面のピーク強度比(β(011)/α(021))を求めたところ、β(011)/α(021)は1.7であった。
磁製坩堝中で、実施例5の三酸化モリブデン粉体1.00gと、硫黄粉末(関東化学製)1.57gとを、粉末が均一になるように攪拌棒にて混合し、窒素雰囲気下、320℃で4時間焼成を行い、黒色粉末を得た。この黒色粉末をX線回折(XRD)により結晶構造解析した結果、MoSへの転化率が95%であり、硫黄との反応が速やかに起こることが確認できた。
<実施例6>
実施例1における、遷移酸化アルミニウム(和光純薬工業株式会社製、活性アルミナ、平均粒径45μm)1kgと、三酸化モリブデン(太陽鉱工株式会社製)1kgとの混合を、遷移酸化アルミニウム(和光純薬工業株式会社製、活性アルミナ、平均粒径45μm)0.5kgと、三酸化モリブデン(太陽鉱工株式会社製)1kgとの混合に変更したこと以外は実施例1と同様にして、三酸化モリブデン粉体を製造した。
焼成後、サヤから1.0kgの青色の粉末である酸化アルミニウムと、回収機4で回収した三酸化モリブデン粉体0.87kgを取り出した。回収した実施例6の三酸化モリブデン粉体は、一次粒子の平均粒径が120nmであり、蛍光X線(XRF)測定にて、三酸化モリブデン(MoO)の含有割合(純度)は99.9%であることが確認できた。
また、実施例6の三酸化モリブデン粉体をX線回折(XRD)により結晶構造解析したところ、MoOのβ結晶に帰属するピークとMoOのα結晶に帰属するピークが観察され、その他のピークは観察されなかった。次いでβ結晶の(011)面とα結晶の(021)面のピーク強度比(β(011)/α(021))を求めたところ、β(011)/α(021)は4.5であった。
磁製坩堝中で、実施例6の三酸化モリブデン粉体1.00gと、硫黄粉末(関東化学製)1.57gとを、粉末が均一になるように攪拌棒にて混合し、窒素雰囲気下、320℃で4時間焼成を行い、黒色粉末を得た。この黒色粉末をX線回折(XRD)により結晶構造解析した結果、MoSへの転化率が97%であり、硫黄との反応が速やかに起こることが確認できた。
<実施例7>
実施例1における、遷移酸化アルミニウム(和光純薬工業株式会社製、活性アルミナ、平均粒径45μm)を用いることなく、三酸化モリブデン(太陽鉱工株式会社製)1kgをサヤに仕込み、温度1100℃で10時間焼成したこと以外は実施例1と同様にして、回収機4から、実施例7の三酸化モリブデン粉体0.88kgを回収した。
回収した実施例7の三酸化モリブデン粉体は、一次粒子の平均粒径が80nmであり、蛍光X線(XRF)測定にて、三酸化モリブデン(MoO)の含有割合(純度)は100.0%であることが確認できた。
また、実施例7の三酸化モリブデン粉体をX線回折(XRD)により結晶構造解析したところ、MoOのβ結晶に帰属するピークとMoOのα結晶に帰属するピークが観察され、その他のピークは観察されなかった。次いでβ結晶の(011)面とα結晶の(021)面のピーク強度比(β(011)/α(021))を求めたところ、β(011)/α(021)は4.2であった。
磁製坩堝中で、実施例7の三酸化モリブデン粉体1.00gと、硫黄粉末(関東化学製)1.57gとを、粉末が均一になるように攪拌棒にて混合し、窒素雰囲気下、320℃で4時間焼成を行い、黒色粉末を得た。この黒色粉末をX線回折(XRD)により結晶構造解析した結果、MoSへの転化率が97%であり、硫黄との反応が速やかに起こることが確認できた。
<比較例1>
実施例1における、遷移酸化アルミニウム(和光純薬工業株式会社製、活性アルミナ、平均粒径45μm)1kgと、三酸化モリブデン(太陽鉱工株式会社製)1kgとの混合を、遷移酸化アルミニウム(和光純薬工業株式会社製、活性アルミナ、平均粒径45μm)4.0kgと、三酸化モリブデン(太陽鉱工株式会社製)1.0kgとの混合に変更したこと以外は実施例1と同様にして、三酸化モリブデン粉体を製造した。
焼成後、サヤから1.0kgの青色の粉末である酸化アルミニウムと、回収機4で回収した三酸化モリブデン粉体0.80kgを取り出した。回収した比較例1の三酸化モリブデン粉体は、一次粒子の平均粒径が100nmであり、蛍光X線(XRF)測定にて、三酸化モリブデン(MoO)の含有割合(純度)は99.3%であった。
また、比較例1の三酸化モリブデン粉体をX線回折(XRD)により結晶構造解析したところ、MoOのβ結晶に帰属するピークとMoOのα結晶に帰属するピークが観察され、その他のピークは観察されなかった。次いでβ結晶の(011)面とα結晶の(021)面のピーク強度比(β(011)/α(021))を求めたところ、β(011)/α(021)は2.7であった。
磁製坩堝中で、比較例1の三酸化モリブデン粉体1.00gと、硫黄粉末(関東化学製)1.57gとを、粉末が均一になるように攪拌棒にて混合し、窒素雰囲気下、320℃で4時間焼成を行い、黒色粉末を得た。この黒色粉末をX線回折(XRD)により結晶構造解析した結果、MoSへの転化率が96%であり、硫黄との反応が速やかに起こることが確認できた。
<比較例2>
実施例1における、遷移酸化アルミニウム(和光純薬工業株式会社製、活性アルミナ、平均粒径45μm)1kgと、三酸化モリブデン(太陽鉱工株式会社製)1kgとの混合を、遷移酸化アルミニウム(和光純薬工業株式会社製、活性アルミナ、平均粒径45μm)3.0kgと、三酸化モリブデン(太陽鉱工株式会社製)1.0kgとの混合に変更したこと以外は実施例1と同様にして、三酸化モリブデン粉体を製造した。
焼成後、サヤから1.0kgの青色の粉末である酸化アルミニウムと、回収機4で回収した三酸化モリブデン粉体0.85kgを取り出した。回収した比較例2の三酸化モリブデン粉体は、一次粒子の平均粒径が120nmであり、蛍光X線(XRF)測定にて、三酸化モリブデン(MoO)の含有割合(純度)は99.5%であった。
また、比較例2の三酸化モリブデン粉体をX線回折(XRD)により結晶構造解析したところ、MoOのβ結晶に帰属するピークとMoOのα結晶に帰属するピークが観察され、その他のピークは観察されなかった。次いでβ結晶の(011)面とα結晶の(021)面のピーク強度比(β(011)/α(021))を求めたところ、β(011)/α(021)は5.0であった。
磁製坩堝中で、比較例2の三酸化モリブデン粉体1.00gと、硫黄粉末(関東化学製)1.57gとを、粉末が均一になるように攪拌棒にて混合し、窒素雰囲気下、320℃で4時間焼成を行い、黒色粉末を得た。この黒色粉末をX線回折(XRD)により結晶構造解析した結果、MoSへの転化率が98%であり、硫黄との反応が速やかに起こることが確認できた。
<比較例3>
実施例1の三酸化モリブデン粉体1gを坩堝に入れ、再度、350℃で4時間焼成して、比較例3の三酸化モリブデン粉体とした。
比較例3の三酸化モリブデン粉体は、一次粒子の平均粒径が140nmであり、蛍光X線(XRF)測定にて、三酸化モリブデン(MoO)の含有割合(純度)は99.6%であることが確認できた。
また、比較例3の三酸化モリブデン粉体をX線回折(XRD)により結晶構造解析したところ、MoOのα結晶に帰属するピークが観察され、その他のピークは観察されなかった。β結晶の(011)面とα結晶の(021)面のピーク強度比(β(011)/α(021))は0であった。
磁製坩堝中で、比較例3の三酸化モリブデン粉体1.00gと、硫黄粉末(関東化学製)1.57gとを、粉末が均一になるように攪拌棒にて混合し、窒素雰囲気下、320℃で4時間焼成を行い、黒色粉末を得た。この黒色粉末をX線回折(XRD)により結晶構造解析した結果、MoSへの転化率が25%であり、硫黄との反応性が劣っていた。
<比較例4>
実施例1の三酸化モリブデン粉体1gを坩堝に入れ、再度、400℃で4時間焼成して、比較例4の三酸化モリブデン粉体とした。
比較例4の三酸化モリブデン粉体は、一次粒子の平均粒径が150nmであり、蛍光X線(XRF)測定にて、三酸化モリブデン(MoO)の含有割合(純度)は99.7%であることが確認できた。
また、比較例4の三酸化モリブデン粉体をX線回折(XRD)により結晶構造解析したところ、MoOのα結晶に帰属するピークのみが観察され、その他のピークは観察されなかった。β結晶の(011)面とα結晶の(021)面のピーク強度比(β(011)/α(021))は0であった。
磁製坩堝中で、比較例4の三酸化モリブデン粉体1.00gと、硫黄粉末(関東化学製)1.57gとを、粉末が均一になるように攪拌棒にて混合し、窒素雰囲気下、320℃で4時間焼成を行い、黒色粉末を得た。この黒色粉末をX線回折(XRD)により結晶構造解析した結果、MoSへの転化率が20%であり、硫黄との反応性が劣っていた。
<比較例5>
比較例5として、市販の三酸化モリブデン粉体(Aldrich製)のX線回折(XRD)を測定した。X線回折パターンの結果を、三酸化モリブデンのα結晶の標準パターン(α-MoO)と共に、図3に示す。結晶構造解析したところ、MoOのα結晶に帰属するピークが観察され、その他のピークは観察されなかった。β結晶の(011)面とα結晶の(021)面のピーク強度比(β(011)/α(021))は0であった。
磁製坩堝中で、比較例5の三酸化モリブデン粉体1.00gと、硫黄粉末(関東化学製)1.57gとを、粉末が均一になるように攪拌棒にて混合し、窒素雰囲気下、320℃で4時間焼成を行い、黒色粉末を得た。この黒色粉末をX線回折(XRD)により結晶構造解析した結果、MoSへの転化率が5%であり、硫黄との反応性が劣っていた。
実施例及び比較例の結果を、表1にまとめて示した。
実施例1~7の三酸化モリブデン粉体は、一次粒子の平均粒径が1μm以下であり、三酸化モリブデンのβ結晶構造を含む一次粒子の集合体からなるので、結晶構造としてα結晶のみからなる比較例3~5の三酸化モリブデン粉体に比べて、硫黄との反応性が良好である。また、実施例1~7の三酸化モリブデン粉体は、蛍光X線(XRF)で測定されるMoOの含有割合が99.6%以上であるので、硫化反応をさせることで、高純度な、不純物由来の硫化物が生成するおそれがない、保存安定性の良好な硫化モリブデンを得ることができる。したがって、本実施形態の三酸化モリブデン粉体は、硫化モリブデンの前駆体として好適に用いることができる。
Figure 0007056807000001
1・・・製造装置、2・・・焼成炉、3・・・冷却配管、4・・・回収機、5・・・排気口、6・・・開度調整ダンパー、7・・・観察窓、8・・・排風装置、9・・・外部冷却装置。

Claims (8)

  1. 三酸化モリブデンのβ結晶構造を含む一次粒子の集合体からなり、蛍光X線(XRF)で測定されるMoOの含有割合が99.6%以上であり、前記一次粒子の平均粒径が1μm以下であり、BET法で測定される比表面積が10m /g~100m /gである、三酸化モリブデン粉体。
  2. X線源としてCu-Kα線を用いた粉末X線回折(XRD)から得られるスペクトルにおいて、MoOのβ結晶の(011)面に帰属するピーク強度の、MoOのα結晶の(021)面に帰属するピーク強度に対する比(β(011)/α(021))が0.1以上である、請求項1に記載の三酸化モリブデン粉体。
  3. X線源としてCu-Kα線を用いた粉末X線回折(XRD)から得られるスペクトルにおいて、MoO のβ結晶の(011)面に帰属するピーク強度の、MoO のα結晶の(021)面に帰属するピーク強度に対する比(β(011)/α(021))が6.2以下である、請求項2に記載の三酸化モリブデン粉体。
  4. モリブデンのK吸収端の広域X線吸収微細構造(EXAFS)スペクトルから得られる動径分布関数において、Mo-Oに起因するピークの強度IとMo-Moに起因するピーク強度IIとの比(I/II)が、1.1より大きい、請求項1~3のいずれか一項に記載の三酸化モリブデン粉体。
  5. 酸化モリブデン前駆体化合物を気化させて、三酸化モリブデン蒸気を形成し、
    前記三酸化モリブデン蒸気を冷却することを含む、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の三酸化モリブデン粉体の製造方法。
  6. 酸化モリブデン前駆体化合物、及び、前記酸化モリブデン前駆体化合物以外の金属化合物を含む原料混合物を焼成し、前記酸化モリブデン前駆体化合物を気化させて、三酸化モリブデン蒸気を形成することを含み、
    前記原料混合物100質量%に対する、前記金属化合物の割合が、酸化物換算で70質量%以下である、請求項5に記載の三酸化モリブデン粉体の製造方法。
  7. 前記三酸化モリブデン蒸気を空気雰囲気下で冷却することを含む、請求項5又は6に記載の三酸化モリブデン粉体の製造方法。
  8. 前記三酸化モリブデン蒸気を冷却して得られた粉体を、再度、100℃~320℃の温度で焼成する、請求項5~7のいずれか一項に記載の三酸化モリブデン粉体の製造方法。
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