JP7056433B2 - 車両用照明装置、および車両用灯具 - Google Patents
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Description
車両用照明装置に設けられるソケットには、発光モジュールにおいて発生した熱の放熱性が高いことが望まれている。そのため、ソケットは、高熱伝導性樹脂や金属から形成されている。
ここで、ソケットは、ツイストロックにより車両用灯具の筐体に取り付けられる。そのため、発光モジュールにおいて発生した熱の一部は、ソケットを介して筐体に伝わることになる。近年においては、車両用照明装置の高輝度化が進み、発光モジュールにおいて発生する熱量が増加している。そのため、ソケットを介して車両用灯具の筐体に伝わる熱量が増加している。
そこで、車両用灯具の筐体に熱が伝わるのを抑制することができる技術の開発が望まれていた。
L3>L4
本実施の形態に係る車両用照明装置1は、例えば、自動車や鉄道車両などに設けることができる。自動車に設けられる車両用照明装置1としては、例えば、フロントコンビネーションライト(例えば、デイライトランニングランプ(DRL;Daylight Running Lamp)、ポジションランプ、ターンシグナルランプなどが適宜組み合わされたもの)や、リアコンビネーションライト(例えば、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、バックランプ、フォグランプなどが適宜組み合わされたもの)などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
図2は、車両用照明装置1の模式分解図である。
図1および図2に示すように、車両用照明装置1には、ソケット10、発光モジュール20、給電部30、および伝熱部40が設けられている。
装着部11は、フランジ13の、放熱フィン14が設けられる側とは反対側の面13aに設けられている。装着部11の外形形状は、柱状とすることができる。装着部11の外形形状は、例えば、円柱状である。装着部11は、フランジ13側とは反対側の端面に開口する凹部11aを有する。すなわち、装着部11は、フランジ13の一方の面に設けられ、フランジ13側とは反対側の端部に開口する凹部11aを有する。
孔10bには、シール部材105aを有するコネクタ105が挿入される。そのため、孔10bの断面形状は、シール部材105aを有するコネクタ105の断面形状に適合したものとなっている。
発光モジュール20は、基板21、発光素子22、抵抗23、制御素子24、枠部25、および封止部26を有する。
基板21は、接着部を介して伝熱部40に設けられている。すなわち、基板21は、伝熱部40の基板21側の面に接着されている。基板21は、板状を呈している。基板21の平面形状は、例えば、四角形とすることができる。基板21の材料や構造には特に限定はない。例えば、基板21は、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものであってもよい。なお、金属板の表面を絶縁性材料で被覆する場合には、絶縁性材料は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。発光素子22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものなどを例示することができる。また、基板21は、単層構造を有するものであってもよいし、多層構造を有するものであってもよい。
ただし、チップ状の発光素子22とすれば、狭い領域に多くの発光素子22を設けることができる。そのため、発光モジュール20の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。発光素子22は、配線21bにより配線パターン21aと電気的に接続されている。発光素子22と配線パターン21aとは、例えば、ワイヤーボンディング法により電気的に接続することができる。
枠部25は、基板21の、凹部11aの底面11a1側とは反対側に設けられている。枠部25は、基板21の上に設けられている。枠部25は、基板21に接着されている。枠部25は、枠状を呈し、内側に発光素子22が配置されるようになっている。例えば、枠部25は、複数の発光素子22を囲んでいる。枠部25は、樹脂から形成することができる。樹脂は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、PET、ナイロン(Nylon)、PP(polypropylene)、PE(polyethylene)、PS(polystyrene)などの熱可塑性樹脂とすることができる。
また、枠部25を設けずに封止部26のみを設けることもできる。封止部26のみを設ける場合には、ドーム状の封止部26が基板21の上に設けられる。
複数の給電端子31は、棒状体とすることができる。複数の給電端子31は、凹部11aの底面11a1から突出している。複数の給電端子31は、所定の方向に並べて設けることができる。複数の給電端子31は、絶縁部32の内部に設けられている。複数の給電端子31は、絶縁部32の内部を延び、絶縁部32の発光モジュール20側の端面、および絶縁部32の放熱フィン14側の端面から突出している。複数の給電端子31の発光モジュール20側の端部は、基板21に設けられた配線パターン21aと電気的および機械的に接続されている。すなわち、複数の給電端子31の一方の端部は、配線パターン21aと半田付けされている。複数の給電端子31の放熱フィン14側の端部は、孔10bの内部に露出している。孔10bの内部に露出する複数の給電端子31には、コネクタ105が嵌め合わされる。複数の給電端子31は、導電性を有する。複数の給電端子31は、例えば、銅合金などの金属から形成することができる。なお、複数の給電端子31の数、形状、配置、材料などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
ここで、自動車に設けられる車両用照明装置1の場合には、使用環境の温度が、-40℃~85℃となる。そのため、絶縁部32の材料の熱膨張係数は、ソケット10の材料の熱膨張係数となるべく近くなるようにすることが好ましい。この様にすれば、絶縁部32とソケット10との間に発生する熱応力を低減させることができる。例えば、絶縁部32の材料は、ソケット10に含まれる高熱伝導性樹脂としたり、この高熱伝導性樹脂に含まれる樹脂としたりすることができる。
絶縁部32は、例えば、ソケット10に設けられた孔10aに圧入したり、孔10aの内壁に接着したりすることができる。また、インサート成形法により、ソケット10と、給電部30とを一体成形することもできる。
なお、ソケット10が金属から形成されたり、発光素子22の発熱量が少なかったりした場合には、伝熱部40を省くこともできる。
図3は、中心軸10cに平行な方向におけるソケット10の模式断面図である。
図4は、ソケット10を装着部11側から見た模式平面図である。
車両用照明装置1を車両用灯具100の筐体101や取付部材に取り付ける際には、装着部11が筐体101や取付部材に設けられた孔101aの内部に挿入される。この際、車両用照明装置1の位置がばらつくと所定の配光パターンが得られなくなるおそれがあるので、孔101aの内径と装着部11の外径との差がなるべく小さくなるようにされている。そのため、装着部11の側面の少なくとも一部が孔101aの内壁に接触している。
図3に示すように、発光モジュール20において発生した熱は、主に、凹部11aの底面11a1から放熱フィン14に向かう。この場合、熱は、中心軸10c方向にほぼ直線的に伝搬する。一方、熱の一部は、中心軸10cと交差する方向に伝搬し、装着部11の側面に到達する。
この場合、図3、図4に示すように、複数の凹部15が装着部11の側面に設けられていれば、複数の凹部15が設けられた部分において、装着部11の側面から筐体101の孔101aの内壁に熱が伝わるのを抑制することができる。
凹部15のフランジ13側とは反対側の端部15bと、フランジ13の面13aとの間の距離をL3とし、バヨネット12のフランジ13側の面12aと、フランジ13の面13aとの間の距離をL4とする。この場合、L3>L4となるようにすることが好ましい。 すなわち、車両用照明装置1を筐体101に取り付けた際に、凹部15の端部15aの位置と、凹部15の端部15bの位置との間に、孔101aの内壁が位置するようにすることが好ましい。
この様にすれば、凹部15が設けられた部分においては、装着部11の側面と孔101aの内壁が接触することがないので、筐体101に熱が伝わるのを抑制することができる。そのため、孔101aの近傍が変形するのを抑制することができるので、所定の配光パターンを得るのが容易となる。
凹部15の数や配置にも限定はないが、数が少なすぎると孔101aの近傍が加熱されやすくなる。数が多すぎると、装着部11の強度が弱くなり、熱や走行に伴う振動で装着部11が破損し易くなる。
この場合、車両用照明装置1の用途や大きさが変われば、発光モジュール20において発生する熱量も変化する。そのため、凹部15の幅寸法、深さ寸法、数、および配置は、車両用照明装置1の用途や大きさなどに応じて、実験やシミュレーションを行うことで適宜決定することが好ましい。
図6は、複数の凸部16を例示するための模式平面図である。
図5、図6に示すように、装着部11の側面に複数の凸部16を設けることもできる。複数の凸部16は、装着部11の側面から外方に向けて突出している。凹部15を設ける場合には、装着部11の側面と孔101aの内壁が接触したが、凸部16を設ける場合には、凸部16の頂部と孔101aの内壁が接触する。すなわち、車両用照明装置1を、筐体101の孔101a、または、筐体101に設けられた取付部材の孔101aに挿入した際に、複数の凸部16の少なくともいずれかの頂部が、孔101aの内壁に接触する。凸部16と凸部16の間に形成される空間が凹部15の機能を有することになる。そのため、複数の凸部16が装着部11の側面に設けられていれば、凸部16と凸部16との間の部分においては、装着部11の側面と孔101aの内壁が接触することがない。そのため、装着部11の側面から孔101aの内壁に熱が伝わるのを抑制することができる。
この場合、凸部16の頂部の面積が小さくなる様な形状とすれば、筐体101に伝わる熱を少なくすることができる。一方、凸部16の頂部の面積がある程度大きくなれば、凸部16の数を少なくしても車両用照明装置1の姿勢を安定させることができる。
凸部16の高さ寸法にも特に限定はないが、高さを高くしすぎると、複数の凸部16の強度が低くなり、熱や走行に伴う振動で複数の凸部16が破損し易くなる。高さを低くしすぎると、凸部16と凸部16の間に形成された空間の深さ寸法が小さくなるので、輻射などにより筐体101に伝わる熱が多くなるおそれがある。
この場合、車両用照明装置1の用途や大きさが変われば、発光モジュール20において発生する熱量も変化する。そのため、凸部16の形状、幅寸法、高さ寸法、数、および配置は、車両用照明装置1の用途や大きさなどに応じて、実験やシミュレーションを行うことで適宜決定することが好ましい。
次に、車両用灯具100について例示する。
なお、以下においては、一例として、車両用灯具100が自動車に設けられるフロントコンビネーションライトである場合を説明する。ただし、車両用灯具100は、自動車に設けられるフロントコンビネーションライトに限定されるわけではない。車両用灯具100は、自動車や鉄道車両などに設けられる車両用灯具であればよい。
図7に示すように、車両用灯具100には、車両用照明装置1、筐体101、カバー102、光学要素部103、シール部材104、およびコネクタ105が設けられている。
すなわち、車両用照明装置1が、直接的または取付部材を介して取り付けられる筐体であればよい。
また、コネクタ105は、段差部分を有している。そして、シール部材105aが、段差部分に取り付けられている。シール部材105aは、孔10bの内部に水が侵入するのを防ぐために設けられている。シール部材105aを有するコネクタ105が孔10bに挿入された際には、孔10bが水密となるように密閉される。
なお、図8は、筐体201の孔201aの近傍を例示するための模式断面図である。
図9は、図8における筐体201のA-A線方向の模式断面図である。
図8、図9に示すように、筐体201の底面には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分が挿入される孔201aが設けられている。孔201aの周縁には、装着部11に設けられたバヨネット12が挿入される凹部201bが設けられている。なお、筐体201に孔201aが直接設けられる場合を例示したが、孔201aを有する取付部材が筐体201に設けられていてもよい。また、筐体201の形状、材料、機能などは、前述した筐体101と同様とすることができる。
本実施の形態に係る孔201aの内壁には、複数の凹部215(第2の凹部の一例に相当する)が設けられている。複数の凹部215は、筐体201の底面を厚み方向に貫通する溝とすることができる。この場合、凹部215の幅寸法および深さ寸法は、凹部201bの幅寸法および深さ寸法よりも小さくすることができる。複数の凹部215が設けられていれば、複数の凹部215が設けられた部分においては、装着部11の側面と孔201aの内壁が接触することがないので、熱伝導により筐体201に熱が伝わるのを抑制することができる。そのため、孔201aの近傍が熱により変形するのを抑制することができるので、所定の配光パターンを得るのが容易となる。
図11は、複数の凸部216を例示するための模式平面図である。
図10、図11に示すように、孔201aの内壁には複数の凸部216を設けることもできる。複数の凸部216は、孔201aの内壁から孔201aの内部に突出している。凹部215を設ける場合には、孔201aの内壁と装着部11の側面が接触したが、凸部216を設ける場合には、凸部216の頂部と装着部11の側面が接触する。凸部216と凸部216の間に形成される空間が凹部215の機能を有することになる。
図12(a)~(d)は、凹部15、凸部16、凹部215、および凸部216の組み合わせを例示するための模式図である。
例えば、装着部11の側面に複数の凹部15を設け、孔201aの内壁に複数の凸部216を設けることができる。この場合、図12(a)に示すように、凸部216の先端が凹部15の内部に設けられるようにすることができる。この様にすれば、ソケット10(車両用照明装置1)の中心軸10c周りの位置を決めることができる。
既存の車両用照明装置を取り付ける場合には、凹部215または凸部216が設けられた筐体201を用いるようにすればよい。
この様にすれば、既存の車両用灯具100または既存の車両用照明装置を用いる場合であっても、車両用灯具の筐体に熱が伝わるのを抑制することができる。
なお、凹部15または凸部16が設けられた装着部11を有する車両用照明装置1を、凹部215または凸部216が設けられた筐体201に取り付けることもできる。
Claims (4)
- フランジと;
前記フランジの一方の面に設けられ、側面に、複数の第1の凹部を有する装着部と;
前記装着部の側面に設けられた複数のバヨネットと;
前記装着部の、前記フランジ側とは反対側の端部に設けられ、少なくとも1つの発光素子を有する発光モジュールと;
を具備し、
前記複数の第1の凹部の、前記フランジ側とは反対側の端部と、前記フランジの、前記バヨネット側の面との間の距離をL3とし、前記バヨネットの前記フランジ側の面と、前記フランジの、前記バヨネット側の面との間の距離をL4とした場合に以下の式を満足する車両用照明装置。
L3>L4 - フランジと;
前記フランジの一方の面に設けられ、側面に、複数の第1の凹部を有する装着部と;
前記装着部の側面に設けられた複数のバヨネットと;
前記装着部の、前記フランジ側とは反対側の端部に設けられ、少なくとも1つの発光素子を有する発光モジュールと;
を具備し、
前記複数の第1の凹部の、前記フランジ側の端部と、前記フランジの、前記バヨネット側の面との間の距離をL1とし、前記車両用照明装置が取り付けられる筐体の、前記フランジ側の面、または、前記筐体に設けられた取付部材の、前記フランジ側の面と、前記フランジの、前記バヨネット側の面との間の距離をL2とした場合に以下の式を満足する車両用照明装置。
L1<L2 - 請求項1または2に記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置が、直接的または取付部材を介して取り付けられる筐体と;
を具備した車両用灯具。 - 車両用照明装置と;
前記車両用照明装置が、直接的または取付部材を介して取り付けられる筐体と;
を具備し、
前記車両用照明装置は、
フランジと;
前記フランジの一方の面に設けられた装着部と;
前記装着部の側面に設けられた複数のバヨネットと;
前記装着部の、前記フランジ側とは反対側の端部に設けられ、少なくとも1つの発光素子を有する発光モジュールと;
を備え、
前記筐体、または、前記取付部材には、前記装着部が挿入される孔が設けられ、
前記孔の内壁には、複数の第2の凹部、または複数の第2の凸部が設けられ、
前記装着部の側面には、複数の第1の凹部、または複数の第1の凸部がさらに設けられている車両用灯具。
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