JP7055706B2 - 樹脂の臭気低減化剤 - Google Patents
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Description
<(a)成分>
本発明のオレフィン系樹脂の臭気低減化剤は、(a)成分として、モノカルボン酸と一価又は二価のアルコールとのモノエステル又はジエステルであって、総炭素数が8以上30以下である化合物から選ばれる1種以上を含有する。
(a)成分の原料となる一価又は二価のアルコールの炭素数は、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは8以下、より更に好ましくは6以下である。但し、一価又は二価のアルコールの炭素数は、(a)成分の総炭素数が前記範囲となるように制限される。
R11の炭素数は、臭気低減化及び基剤臭の観点から、1以上、そして、20以下、好ましくは17以下である。R11は、臭気低減化及び基剤臭の観点から、炭化水素基、好ましくはアリール基、アラルキル基、直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又は直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、より好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又は直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基、更に好ましくは直鎖のアルキル基、又は直鎖のアルケニル基である。
R21の炭素数は、臭気低減化及び基剤臭の観点から、1以上、好ましくは3以上、そして、20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは8以下である。R21は、臭気低減化及び基剤臭の観点から、炭化水素基、好ましくはアリール基、アラルキル基、直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又は直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基、より好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又は直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基である。
但し、R11及びR21の各炭素数は、R11及びR21の合計炭素数が前記範囲となるように制限される。
R12、R13の各炭素数は、臭気低減化及び基剤臭の観点から、それぞれ独立に、1以上、そして、20以下、好ましくは18以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは5以下、より更に好ましくは2以下である。R12、R13は、臭気低減化及び基剤臭の観点から、炭化水素基、好ましくはアリール基、アラルキル基、直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又は直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、より好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又は直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、更に好ましくは直鎖のアルキル基、又は直鎖のアルケニル基である。
R22の炭素数は、臭気低減化及び基剤臭の観点から、1以上、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、そして、18以下、好ましくは16以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは8以下である。R22は、臭気低減化及び基剤臭の観点から、炭化水素基、好ましくはアリーレン基、アラルキレン基、直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基、又は直鎖若しくは分岐鎖のアルケニレン基であり、より好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基、又は直鎖若しくは分岐鎖のアルケニレン基であり、更に好ましくは直鎖のアルキレン基、又は直鎖のアルケニレン基である。
但し、R12、R13及びR22の各炭素数は、R12、R13及びR22の合計炭素数が前記範囲となるように制限される。
本発明のオレフィン系樹脂の臭気低減化剤は、臭気低減化及び貯蔵安定性の観点から、(b)成分として、界面活性剤を含有することが好ましい。
アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、臭気低減化及び貯蔵安定性の観点から、好ましくは0超、より好ましくは1以上、更に好ましくは3以上、より更に好ましくは5以上、そして、好ましくは50以下、より好ましくは30以下、更に好ましくは20以下、より更に好ましくは15以下である。
アルキレンオキサイドは、臭気低減化及び貯蔵安定性の観点から、好ましくはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、及びブチレンオキサイドから選ばれる1種以上であり、より好ましくはエチレンオキサイド、及びプロピレンオキサイドから選ばれる1種以上であり、更に好ましくはエチレンオキサイドである。
また、陰イオン界面活性剤としては、アルキル硫酸塩が挙げられる。アルキル硫酸塩のアルキル基は、炭素数8以上、好ましくは10以上、そして、18以下、好ましくは14以下が好ましい。
陰イオン界面活性剤の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩などが挙げられ、アルカリ金属塩が好ましい。
本発明は、前記オレフィン系樹脂の臭気低減化剤を食品由来の臭気が付着浸透したオレフィン系樹脂と接触させる、オレフィン系樹脂から食品由来の臭気を低減させる方法である。
本発明のオレフィン系樹脂から食品由来の臭気を低減させる方法では、前記オレフィン系樹脂の臭気低減化剤を、希釈せずに液状で、食品由来の臭気が付着浸透したオレフィン系樹脂に接触させることが好ましい。
本発明のオレフィン系樹脂から食品由来の臭気を低減させる方法では、前記オレフィン系樹脂の臭気低減化剤を、希釈せずに液状で、食品由来の臭気が付着浸透したオレフィン系樹脂に接触させ、機械力などの外力をかけずに洗浄することが好ましい。
本発明のオレフィン系樹脂から食品由来の臭気を低減させる方法では、前記オレフィン系樹脂の臭気低減化剤を、希釈せずに液状で、食品由来の臭気が付着浸透したオレフィン系樹脂に接触させ、機械力などの外力をかけずに放置して洗浄することが好ましい。
前記オレフィン系樹脂の臭気低減化剤を、食品由来の臭気が付着浸透したオレフィン系樹脂に接触させる方法としては、前記オレフィン系樹脂の臭気低減化剤に前記オレフィン系樹脂を浸漬させる方法や、前記オレフィン系樹脂に前記樹脂の臭気低減化剤を液状で塗布又はスプレイヤーを用いて液状で噴霧する方法が挙げられる。
機械力などの外力をかけずに食品由来の臭気が付着浸透したオレフィン系樹脂を洗浄するとは、例えば、組成物の接触以外に、洗浄のための意図的な操作を行わないことである。例えば、接触させた組成物が食品由来の臭気が付着浸透したオレフィン系樹脂の表面を自然に流下することや、洗浄を意図しない振動が食品由来の臭気が付着浸透したオレフィン系樹脂に伝わることなどは、機械力などの外力をかけずに食品由来の臭気が付着浸透したオレフィン系樹脂を洗浄すると理解できる。
前記オレフィン系樹脂の臭気低減化剤を希釈せずに食品由来の臭気が付着浸透したオレフィン系樹脂と接触させる、とは、該樹脂の臭気低減化剤を、意図的に水などで希釈した後、食品由来の臭気が付着浸透したオレフィン系樹脂と接触させないことである。例えば、前記オレフィン系樹脂の臭気低減化剤を水滴等が付着したオレフィン系樹脂と接触させたり、前記オレフィン系樹脂の臭気低減化剤をオレフィン系樹脂に接触させた後、オレフィン系樹脂に水滴が付着したりする場合は、前記オレフィン系樹脂の臭気低減化剤を希釈せずに食品由来の臭気が付着浸透したオレフィン系樹脂と接触させていると理解できる。
放置した後は、オレフィン系樹脂を水で濯ぐ。濯ぐ際は、手などで外力(物理的力)を掛けてもよく、単に水流ですすいでもよい。
なお、放置する際の温度は、室温、例えば、10℃以上30℃以下が挙げられる。
表1~3のオレフィン系樹脂の臭気低減化剤は、常法により調製した。即ち、室温(25℃)で、適量のイオン交換水に(b)成分を添加した溶液に、(a)成分、又は(a’)成分を溶解させて調製した。調製した各オレフィン系樹脂の臭気低減化剤のpH(25℃)は6程度であった。なお、表1~3中の配合成分の質量%は、全て有効分に基づく数値である。
(a)成分
・(a-1):ヘキサン酸エチル(総炭素数8、一般式(1)中、R11が炭素数5のアルキル基、R21が炭素数2のアルキル基である化合物)
・(a-2):フェニル酢酸メチル(総炭素数9、一般式(1)中、R11が炭素数7のアラルキル基、R21が炭素数1のアルキル基である化合物)
・(a-3):trans-2-オクテン酸メチル(総炭素数9、一般式(1)中、R11が炭素数7のアルケニル基、R21が炭素数1のアルキル基である化合物)
・(a-4):ヘキサン酸n-プロピル(総炭素数9、一般式(1)中、R11が炭素数5のアルキル基、R21が炭素数3のアルキル基である化合物)
・(a-5):オクタン酸メチル(総炭素数9、一般式(1)中、R11が炭素数7のアルキル基、R21が炭素数1のアルキル基である化合物)
・(a-6):酢酸2-エチルへキシル(総炭素数10、一般式(1)中、R11が炭素数1のアルキル基、R21が炭素数8のアルキル基である化合物)
・(a-7):ヘキサン酸n-ブチル(総炭素数10、一般式(1)中、R11が炭素数5のアルキル基、R21が炭素数4のアルキル基である化合物)
・(a-8):オクタン酸イソプロピル(総炭素数11、一般式(1)中、R11が炭素数7のアルキル基、R21が炭素数3のアルキル基である化合物)
・(a-9):デカン酸メチル(総炭素数11、一般式(1)中、R11が炭素数9のアルキル基、R21が炭素数1のアルキル基である化合物)
・(a-10):ラウリン酸エチル(総炭素数14、一般式(1)中、R11が炭素数11のアルキル基、R21が炭素数2のアルキル基である化合物)
・(a-11):メタクリル酸ドデシル(総炭素数16、一般式(1)中、R11が炭素数3のアルケニル基、R21が炭素数12のアルキル基である化合物)
・(a-12):ミリスチン酸イソプロピル(総炭素数17、一般式(1)中、R11が炭素数13のアルキル基、R21が炭素数3のアルキル基である化合物)
・(a-13):オレイン酸メチル(総炭素数19、一般式(1)中、R11が炭素数17のアルケニル基、R21が炭素数1のアルキル基である化合物)
・(a-14):オレイン酸エチル(総炭素数20、一般式(1)中、R11が炭素数17のアルケニル基、R21が炭素数2のアルキル基である化合物)
・(a-15):オクタデカン酸n-ブチル(総炭素数22、一般式(1)中、R11が炭素数17のアルキル基、R21が炭素数4のアルキル基である化合物)
・(a-16):ヘキシレングリコールジアセタート(総炭素数10、一般式(2)中、R12及びR13が炭素数1のアルキル基、R22が炭素数6のアルキレン基である化合物)
・(a’-1):ミリスチン酸2-オクチルドデシル(総炭素数34、一般式(1)中、R11が炭素数13のアルキル基、R21が炭素数20のアルキル基である化合物)
・(a’-2):ステアリン酸ステアリル(総炭素数36、一般式(1)中、R11が炭素数17のアルキル基、R21が炭素数18のアルキル基である化合物)
・(b-1):ポリオキシエチレン(6)ラウリルエーテル(アルキル基の炭素数12、エチレンオキシド平均付加モル数6)、エマルゲン108(花王(株)製)
・(b-2):ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル(アルキル基の炭素数12、エチレンオキシド平均付加モル数9)、エマルゲン109P(花王(株)製)、
・(b-3):ポリオキシエチレン(7)アルキル(C12-14)エーテル(炭素数12~14の分岐鎖2級アルキル基、エチレンオキシド平均付加モル数7)、ソフタノール70H((株)日本触媒製)
・(b-4):ドデシル硫酸ナトリウム(東京化成工業(株)製)
オレフィン系樹脂基板(1.0mm(厚さ)×25mm(横)×70mm(縦)、材質:ポリプロピレン、メーカー名:(株)エンジニアリングテストサービス)に市販の即席カレールー(商品名:ボンカレーゴールド中辛 メーカー名:大塚食品(株))0.5gをオレフィン系樹脂基板の片面に均一に塗り広げたものを室温にて15時間以上静置し、モデル汚染樹脂基板とした。
前記評価と同時に2名のパネラーにより(a)成分そのものの臭い[基剤臭]が浸漬後の前記樹脂基板から発するかどうかを下記の評価基準で評価し、2名のパネラーの評価の合計点を求めた。その点数が小さいほど、基剤臭が少ないことがいえる。結果を表1~3に示す。
5:強烈な臭い
4:強い臭い
3:楽に感知できる臭い
2:何の臭いかわかる臭い
1:やっと感知できる臭い
0:無臭
0:基剤臭がする
1:基剤臭が全くしない
Claims (7)
- (a)モノカルボン酸と一価又は二価のアルコールとのモノエステル又はジエステルであって、総炭素数が8以上30以下である化合物から選ばれる1種以上[以下、(a)成分という]と、(b)界面活性剤[以下、(b)成分という]を含有し、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(b)/(a)が、50以下、10/5.2以上である、オレフィン系樹脂の臭気低減化剤。
- (b)成分が、ポリオキシアルキレンモノアルキル又はアルケニルエーテル、及びアルキル硫酸塩から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載のオレフィン系樹脂の臭気低減化剤。
- CIP洗浄(Cleaning in Place)で用いるものを除く、請求項1~3の何れか1項に記載のオレフィン系樹脂の臭気低減化剤。
- 請求項1~4の何れか1項に記載のオレフィン系樹脂の臭気低減化剤を食品由来の臭気が付着浸透したオレフィン系樹脂と接触させる、オレフィン系樹脂から食品由来の臭気を低減させる方法。
- 前記オレフィン系樹脂の臭気低減化剤をオレフィン系樹脂に接触後、10℃以上30℃以下で放置する、請求項5に記載のオレフィン系樹脂から食品由来の臭気を低減させる方法。
- 前記オレフィン系樹脂の臭気低減化剤をオレフィン系樹脂に接触後、10秒以上60分以下放置する、請求項5又は6に記載のオレフィン系樹脂から食品由来の臭気を低減させる方法。
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