JP7052472B2 - 溝加工方法、溝加工装置及び鋼板 - Google Patents

溝加工方法、溝加工装置及び鋼板 Download PDF

Info

Publication number
JP7052472B2
JP7052472B2 JP2018058579A JP2018058579A JP7052472B2 JP 7052472 B2 JP7052472 B2 JP 7052472B2 JP 2018058579 A JP2018058579 A JP 2018058579A JP 2018058579 A JP2018058579 A JP 2018058579A JP 7052472 B2 JP7052472 B2 JP 7052472B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
groove
melt
laser beam
solidified portion
steel plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018058579A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019166566A (ja
Inventor
浩文 今井
晃 岡田
康寛 岡本
京 北川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2018058579A priority Critical patent/JP7052472B2/ja
Publication of JP2019166566A publication Critical patent/JP2019166566A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7052472B2 publication Critical patent/JP7052472B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)

Description

本発明は、溝加工方法、溝加工装置及び鋼板に関する。
近年、鋼板の高機能化のため表面に機能膜を設けた鋼板が開発されている。特許文献1には、機能膜の鋼板表面への密着性向上を図るために、レーザ光によって鋼板表面に溝を加工することが開示されている。また、溝を加工する手法として、特許文献2には、レーザ光の照射部位にアシストガスを吹き付けつつ、鋼板に対して所定角度でレーザ光を照射し、アシストガスのガス圧より溶融物等を鋼板表面から除去しながら鋼板表面に溝を加工することが開示されている。
国際公開第2014/156989号 国際公開第2016/171130号
特許文献1及び特許文献2には、レーザ出力として、1000W以下についても開示されているものの、実際には鋼板表面に20μm以上の深い溝を確実に形成するためには、ピーク出力の高い短いパルスレーザ光源、又は、連続波レーザでレーザ出力を1000W超としたレーザ光源を用い、溶融部分の蒸発現象を主体として溝を加工する必要があった。そのため、深い溝を加工する場合には、高価な高出力レーザ光源を用いる必要があり、その分、設備コストやランニングコスト等がかかり、高コスト化するという問題があった。
また、特許文献1では、レーザ光を用いて鋼板表面に不規則な凹凸を形成して溝を加工することができるものの、所望する凹状の溝を安定的に形成できる条件は明確に開示されておらず、特許文献1の開示内容から所望形状の溝を安定的に加工することは困難である。
特許文献2では、アシストガスを用いて溶融物を吹き飛ばして溝を加工しているため、アシストガスの流量やガス圧を大きくする必要がある。そのため、特許文献2では、アシストガスによって溶融部の形状が変形してしまう恐れもあり、所望形状の溝を安定的に加工することは困難である。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、所望形状の溝を加工することができるとともに、コスト低減を図ることができる、溝加工方法、溝加工装置及び鋼板を提供することを目的とする。
本発明の溝加工方法は、レーザ光により鋼板表面に溝を加工する溝加工方法において、レーザ光源から照射される前記レーザ光を、前記鋼板表面の法線と前記レーザ光とを含む平面内で、前記法線から所定角度傾けて前記鋼板表面に照射する照射工程と、前記レーザ光源に対して前記鋼板を1.5m/s以上100m/s以下で相対的に移動させる移動工程と、前記レーザ光源のレーザ出力を100W以上1000W以下とするレーザ出力制御工程と、を備え、
前記レーザ光により前記鋼板を溶融して加工し、前記溝の深さを10.5μm以上50μm以下とし、溝延在方向と直交する溝幅方向断面で前記溝を見た場合に、溝開口端幅の中心を溝開口中心線と定義し、前記鋼板の内部で前記溝の周辺に形成された溶融凝固部を、前記溝開口中心線を境に第1溶融凝固部と第2溶融凝固部とに分けたとき、前記溝延在方向に沿って、前記溝開口中心線を境に、前記レーザ光の入射側にある前記第1溶融凝固部と、前記レーザ光の非入射側にある前記第2溶融凝固部とが非対称形状であり、前記第1溶融凝固部が前記第2溶融凝固部よりも大きく形成する、ものである。
また、本発明の溝加工装置は、レーザ光により鋼板表面に溝を加工する溝加工装置において、前記鋼板表面の法線と前記レーザ光とを含む平面内で、前記レーザ光を前記法線から所定角度傾けて前記鋼板表面に照射するレーザ光源と、前記レーザ光源に対して鋼板を1.5m/s以上100m/s以下で相対的に移動させる移動機構と、前記レーザ光源のレーザ出力を100W以上1000W以下とするレーザ出力制御部と、を備え、
前記レーザ光により前記鋼板を溶融して加工し、前記溝の深さを10.5μm以上50μm以下とし、溝延在方向と直交する溝幅方向断面で前記溝を見た場合に、溝開口端幅の中心を溝開口中心線と定義し、前記鋼板の内部で前記溝の周辺に形成された溶融凝固部を、前記溝開口中心線を境に第1溶融凝固部と第2溶融凝固部とに分けたとき、前記溝延在方向に沿って、前記溝開口中心線を境に、前記レーザ光の入射側にある前記第1溶融凝固部と、前記レーザ光の非入射側にある前記第2溶融凝固部とが非対称形状であり、前記第1溶融凝固部を前記第2溶融凝固部よりも大きく形成する、ものである。
また、本発明の鋼板は、鋼板表面に溝が加工された鋼板において、前記溝の深さが10.5μm以上50μm以下であり、溝延在方向と直交する溝幅方向断面で前記溝を見た場合に、溝開口端幅の中心を溝開口中心線と定義し、前記鋼板の内部で前記溝の周辺に形成された溶融凝固部を、前記溝開口中心線を境に第1溶融凝固部と第2溶融凝固部とに分けたとき、前記溝延在方向に沿って、前記溝開口中心線を境に前記第1溶融凝固部と前記第2溶融凝固部とが非対称形状であり、前記第1溶融凝固部が前記第2溶融凝固部よりも大きく形成されている、ものである。
本発明によれば、低出力のレーザ出力としつつ、溶融部の湯流れを制御して鋼板表面に所望形状の溝を加工でき、溶融物を吹き飛ばすアシストガスや高出力のレーザ光源を用いずに所望形状の溝を加工できる。また、溶融物を吹き飛ばすアシストガスや高出力のレーザ光源が不要となる分、コスト低減を図ることができる。
第1の実施形態による溝加工装置の全体構成を示す概略図である。 鋼板及びレーザ光について詳細に説明するための概略図である。 図3Aは、図2のA-A´でのレーザ光照射当初の溝幅方向断面の構成を示した概略図であり、図3Bは、レーザ光照射中の溝幅方向断面の構成を示した概略図である。 図2のB-B´での溝幅方向断面であり、鋼板に加工される溝の詳細な構成を示した概略図である。 レーザ出力175W、レーザ光の照射角度45度として、走査速度を変えて加工したときの溝を光学顕微鏡で観察したときの写真であり、図5Aは、走査速度1.0m/sのときの写真、図5Bは、走査速度1.5m/sのときの写真、図5Cは、走査速度2.0m/sのときの写真である。 レーザ出力175W、レーザ光の照射角度45度として、走査速度を変えて加工したときの溝の溝幅方向断面をSEMにより観察したときの写真であり、図6Aは、走査速度1.0m/sのときの写真、図6Bは、走査速度1.5m/sのときの写真、図6Cは、走査速度2.0m/sのときの写真である。 レーザ出力200W、レーザ光の照射角度45度として、走査速度を変えて加工したときの溝を光学顕微鏡で観察したときの写真であり、図7Aは、走査速度1.0m/sのときの写真、図7Bは、走査速度1.5m/sのときの写真、図7Cは、走査速度2.0m/sのときの写真である。 レーザ出力200W、レーザ光の照射角度45度として、走査速度を変えて加工したときの溝の溝幅方向断面をSEMにより観察したときの写真であり、図8Aは、走査速度1.0m/sのときの写真、図8Bは、走査速度1.5m/sのときの写真、図8Cは、走査速度2.0m/sのときの写真である。 第2の実施形態による溝加工装置の全体構成を示す概略図である。 図10Aは、図9に示した溝加工装置において、傾斜させた鋼板に対してレーザ光を照射する様子を示した概略図であり、図10Bは、図10Aから所定時間経過後の様子を示す概略図である。 図11Aは、図10Aに示した、レーザ光照射当初の溝幅方向断面Sを示した概略図であり、図11Bは、レーザ光照射中の溝幅方向断面Sを示した概略図である。 図10Bに示した溝幅方向断面Sを示した概略図である。 レーザ出力200W、レーザ光の照射角度40度、走査速度2.0m/sとし、シールドガスを用いずに溝を加工したときの鋼板表面をSEMにより撮影したときの写真である。 レーザ出力200W、レーザ光の照射角度40度、走査速度2.0m/sとして、シールドガスのガス圧を変えて加工したときの溝の溝幅方向断面をSEMにより観察したときの写真であり、図14Aは、シールドガスを用いなかったときの写真、図14Bは、シールドガスのガス圧が0.1MPaのときの写真、図14Cは、シールドガスのガス圧が1.0MPaのときの写真である。 レーザ出力200W、レーザ光の照射角度40度として、走査速度を変えて加工したときの溝の溝幅方向断面をSEMにより観察したときの写真であり、図15Aは、走査速度1.0m/sのときの写真、図15Bは、走査速度1.5m/sのときの写真、図15Cは、走査速度2.0m/sのときの写真である。 レーザ出力150W、レーザ光の照射角度45度として、走査速度を変えて加工したときの溝の溝幅方向断面をSEMにより観察したときの写真であり、図16Aは、走査速度1.0m/sのときの写真、図16Bは、走査速度1.5m/sのときの写真、図16Cは、走査速度2.0m/sのときの写真である。
以下図面について、本発明の一実施形態を詳述する。以下の説明において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(1)第1の実施形態
<第1の実施形態による溝加工装置の構成>
図1は、鋼板5に溝を加工する本発明の溝加工装置1の全体構成を示した概略図である。溝加工装置1では、鋼板5をX方向に向けて移動させながら、鋼板表面5aに対して所定角度からレーザ光Lを照射する。これにより、溝加工装置1は、鋼板表面5aのレーザ光Lが照射された照射位置(図中、ax2に沿った位置)に溝を加工できる。なお、図1において、X方向は、溝が形成される溝延在方向となり、Zは、鋼板表面5aの法線ax1と平行な法線方向を示し、Yは、溝延在方向X及び法線方向Zと直交する溝幅方向を示す。
この場合、溝加工装置1は、レーザ光Lを発するレーザ光源2と、レーザ出力制御部6と、移動機構7とを有する。レーザ光源2から出射したレーザ光Lはレンズ3により集光された後、鋼板表面5aに照射される。鋼板5はレーザ光Lの照射位置が溶融され凝固することで、鋼板表面5aに凹状の溝が加工される。この際、鋼板表面5a上でのレーザ光Lのパワー密度は、レーザ光Lの照射中にレーザ光Lにより溶融部にキーホール(後述する図3Bに示すKHであり、レーザ光Lの熱と、これにより生じた金属蒸気ガスの圧力とによって一時的に生じる、レーザ光Lの光軸方向に延在する溶融金属(溶融部)内の円柱状の穴)が形成される必要があることから、1MW/cm以上であることが望ましい。
レーザ光源2は、鋼板表面5aの法線ax1とレーザ光Lの光軸とを含む平面内で、レーザ光Lが法線ax1から所定角度θ傾けられており、鋼板表面5aに対して斜め方向からレーザ光Lを照射する。より具体的には、本実施形態の場合、鋼板表面5aの法線ax1とレーザ光Lの光軸とを含む平面内で、法線ax1とレーザ光Lの光軸とのなす角度(以下、照射角度とも称する)θが、20度以上80度以下に設定されていることが望ましい。
レーザ光Lの照射角度θは、20度未満にすると、鋼板5内部の溝の周辺で形成される溶融部を偏在させた所望形状の溝を加工し難い。一方、照射角度θを80度超にすると、レーザ光Lが鋼板表面5aで反射してしまい、所望する深さの溝を加工し難い。よって、レーザ光Lの照射角度θは20度以上80度以下が望ましい。
ここで、本発明に係る溝加工の原理は下記のように考察される。レーザ光Lにより溝を加工する際、レーザ光Lの照射部位には、キーホール(後述する図3Bに示す)と呼ばれる金属蒸気による円柱状空洞が、レーザ光Lの光軸上に沿って斜めに形成される。これにより、キーホールの奥側先端部(図3B中、10bで示し、溶融物の量が少なく皮が薄い部分)にて溶融物が破裂して金属蒸気ガスが、レーザ光Lの非入射側から外部へと抜ける。この際、周囲が固相であるために反力で溶融物が押される。このため、後述する溶融凝固凸部等が形成されたり、或いは、溶融凝固部がレーザ光Lの入射側と非入射側とで偏在すると考えられる。
照射角度θが45度以下では金属蒸気ガスが押しのける溶融物の量が多いため、溶融物の流動が不安定になり溝形状が必ずしも安定しない恐れがある。一方、照射角度θが75度以上ではレーザ光Lが射影されるためキーホールが形成し難い場合がある。よって、レーザ光Lの照射角度θは、より好ましくは、45度超75度未満にすることが望ましい。
なお、本実施形態においては、図1に示すように、溝幅方向Yと法線方向Zとがなす平面内で法線ax1に対してレーザ光Lの照射角度θが規定されているが、本発明はこれに限らない。本発明では、鋼板表面5aの法線ax1とレーザ光Lの光軸とを含む平面内で法線ax1に対してレーザ光Lの照射角度θが規定されていればよく、例えば、溝幅方向Yと法線方向Zとがなす平面外で、当該平面内の法線ax1に対してレーザ光Lを照射角度θ傾けるようにしてもよい。
レーザ出力制御部6は、レーザ光源2と接続されており、レーザ光源2のレーザ出力を100W以上1000W以下、より好ましくは150W以上900W以下に制御する。レーザ出力を100W未満にすると、レーザ出力が弱すぎ、所望形状の溝を加工し難くなる。一方、レーザ出力を1000W超にすると、レーザ出力が高出力となり、設備コストやランニングコスト等がかかり、高コスト化する。よって、レーザ出力は100W以上1000W以下であることが望ましい。
また、レーザ出力を、より好ましい150W以上900W以下にしたときには、レーザ光源2として、比較的安価なシングルモードファイバレーザを用いることができる。
移動機構7は、鋼板5をX方向に所定の走査速度で移動させることにより、鋼板表面5aに対してレーザ光Lを走査させる。この場合、鋼板5は、1.5m/s以上100m/s以下、より好ましくは2m/s以上90m/s以下の走査速度で移動させることが望ましい。走査速度を1.5m/s未満にすると、キーホール上に乗る溶融物の量が多くなり排除しきれなくなるため、有意な溝深さを得ることができなくなる。一方、走査速度を100m/s超とすると、全体の溶融量が少なくなるため有意な溝深さを得られなくなる。
また、走査速度を、より好ましい2m/s以上90m/s以下にしたときには、レーザ光Lの照射箇所における溶融量と排除圧力(金属蒸気ガスが溶融物を排除する圧力)とのバランスが良いため、安定して有意な溝深さを得ることができる。
<本発明の溝加工装置により加工される溝について>
次に、本発明の溝加工装置1により加工される溝について詳細に説明する。図2に示すように、法線方向Z及び溝幅方向Yと直交するX方向に鋼板5を移動させ、移動する鋼板表面5aに対して、鋼板表面5aの法線ax1とレーザ光Lの光軸とを含む平面内で鋼板表面5aの法線ax1から所定角度θ傾けてレーザ光Lを照射する。これにより、本実施形態では、鋼板5が移動するX方向に沿って直線状の溝8が鋼板表面5aに加工されてゆく。なお、鋼板表面5aには、例えば、複数の溝8が、溝幅方向Yに向かって所定間隔で並び、溝延在方向Xに並走するように形成されてもよい。
ここで、図3は、図2において、溝延在方向X及び法線方向Zと直交する溝幅方向Yに延びるA-A´での溝幅方向断面を示す。図3Aに示すように、鋼板表面5aに対して、法線ax1から照射角度θだけ傾けてレーザ光Lが照射され始めると、レーザ光Lの照射当初、レーザ光Lが照射される溝加工位置10には、鋼板5が溶融した溶融部10aが形成される。
更に、鋼板5が移動しながら、この溶融部10aにレーザ光Lが照射されると、図3Bに示すように、レーザ光Lの照射中、溶融部10a内に、レーザ光Lの光軸方向に沿って斜めに傾いた、円柱状空洞のキーホールKHが一時的に形成される。このようなキーホールKHは、レーザ光Lの熱と、金属蒸気ガスの圧力とにより形成されるものである。そして、例えば、キーホールKHの奥側先端部10bで、溶融物の量が少なく溶融物厚が薄い、レーザ光Lの非入射側部分が、金属蒸気ガスの圧力等により破裂し、キーホールKH内の金属蒸気ガスが、レーザ光Lの非入射側から外部へ抜ける。これにより、溶融部10aには、レーザ光L1の非入射側に溝8が形成され易くなると考えられる。
その後、鋼板5が移動して、レーザ光Lが照射し終えると、鋼板表面5aには溝8が加工される。ここで、図4は、図2におけるB-B´での溝幅方向断面を示す。図4は、レーザ光Lが照射し終えて、溝8が加工された後の溝幅方向断面であり、溝8の周辺を拡大したものである。この場合、鋼板表面5aには断面凹状の溝8が形成されるとともに、鋼板5の内部には溝8の周辺に溶融部10aが凝固した溶融凝固部11が形成される。ここで、溝8の加工途中でキーホールKHが形成されていたことにより、図4に示すように、溶融凝固部11は、溝8を基準としたときにレーザ光Lの入射側と非入射側とで偏在し、レーザ光Lの入射側には、鋼板表面5aから膨出した溶融凝固凸部11aが形成される。
溝8を規定するにあたり、溝幅方向断面で溝8を見た場合に、鋼板表面5aに沿って延びる直線を、表面基準線BLと定義する。この表面基準線BLは、例えば、鋼板表面5aの表面粗さ曲線を求め、表面粗さ曲線を平均化することで求めることができる。
鋼板表面5aに加工された溝8の深さdは、図4に示すように、溝延在方向X及び法線方向Zに直交する溝幅方向断面で溝8を見た際に、表面基準線BLから溝8の最深部8cまでの距離であり、10.5μm以上50μm以下であることが望ましい。
また、溝幅方向断面で溝8を見た場合に、溝8の向かい合う溝開口端部9a,9b間の距離を、溝開口端幅Wと定義する。さらに、溝幅方向断面で溝8を見た場合に、溝開口端幅Wの中心Oを通り、かつ法線方向Zと平行な直線を溝開口中心線BLと定義する。
鋼板5内に形成された溝8の溝内面は、溝延在方向Xに沿って、溝開口中心線BLを境に、レーザ光Lの入射側(図4でいえば右側)にある第1溝面8aと、レーザ光Lの非入射側にある第2溝面8bと、に分けることができる。なお、図4に示す溝8では、レーザ光Lの非入射側(図4でいえば左側)にある第2溝面8bに最深部8cが形成されており、レーザ光Lの入射側にある第1溝面8aが壁状に形成されている。
また、溶融凝固部11は、これら表面基準線BL及び溝開口中心線BLを境に、溝延在方向Xに沿って、溶融凝固凸部11aと、第1溶融凝固部11bと、第2溶融凝固部11cとに分けることができる。
溝開口中心線BLは、鋼板5の内部にある溶融凝固部11を、第1溶融凝固部11bと、第2溶融凝固部11cとに分け、表面基準線BLは、鋼板5の内部にある第1溶融凝固部11bと、鋼板表面5aから膨出した溶融凝固凸部11aとを分ける。
この場合、第1溶融凝固部11bは、レーザ光Lの入射側にある第1溝面8a周辺に形成された、鋼板5内の溶融凝固部11であり、表面基準線BL及び溝開口中心線BLに囲まれた溶融凝固部11を示す。一方、第2溶融凝固部11cは、レーザ光Lの非入射側にある第2溝面8b周辺に形成された、鋼板5内の溶融凝固部11であり、溝開口中心線BLに囲まれた溶融凝固部11を示す。また、溶融凝固凸部11aは、表面基準線BLを境に、鋼板表面5aから上方に膨出した溶融凝固部11を示す。
溝延在方向Xに沿って溝幅方向断面で溝8を見た場合に、第1溶融凝固部11bは、第2溶融凝固部11cよりも大きく形成されている。これにより、溝8の加工後であっても、溝幅方向断面を観察することで、製造時におけるレーザ光L1の入射側と非入射側とを推測することができる。
ここで、溝幅方向断面で溝8を見る場合には、例えば、溝8が加工された鋼板5を、例えば機械研磨によって溝幅方向Yに沿って断面研磨した後、ナイタール又はピクリン酸にて腐食処理することで、溝幅方向断面を得る。そして、得られた溝幅方向断面を、SEMを用いて観察し、画像処理により、鋼板5における、溶融凝固部11と、レーザ光Lが未照射の未溶融部とを区別する。
ここで、溶融凝固部11と鋼板5の未溶融部とは、金属組織の連続性より区別できる。
次に、SEMにより得られた溝幅方向断面の画像について画像解析を行い、画像内の溝8の断面形状や、鋼板表面5aの断面形状から、表面基準線BL及び溝開口中心線BLを求める。そして、画像解析によって、表面基準線BL及び溝開口中心線BLを境に、画像内の溶融凝固部11を、溶融凝固凸部11aと第1溶融凝固部11bと第2溶融凝固部11cとに区分けする。
これにより、表面基準線BL及び溝開口中心線BLで囲まれた鋼板5内の第1溶融凝固部11bと、溝開口中心線BLで囲まれた鋼板5内の第2溶融凝固部11cとの面積を測定することができる。このようにして、鋼板5の内部において、第1溶融凝固部11bが第2溶融凝固部11cよりも大きく形成されていることが確認できる。
なお、鋼板表面5aから膨出した溶融凝固凸部11aは、鋼板表面5aを研磨等して平坦化する平坦化処理によって除去するようにしてもよい(平坦化工程)。これにより、平坦化させた鋼板表面5aに溝8のみを加工した鋼板5を得ることができる。
<検証試験>
次に、溝加工装置1を用いた検証試験について説明する。ここでの検証試験では、溝を加工する試料として、一般構造用圧延鋼材(SS400)からなり、厚さ4mm、長さ100mm、幅50mmの長方形でなる鋼板5を用意した。この検証試験では、始めに、レーザ出力(Power)を175Wとし、レーザ光Lの照射角度θを45度として、走査速度(Scanning speed)を1.0m/s、1.5m/s、2.0m/sに変えて、各鋼板表面5aにそれぞれ溝を加工した。
そして、鋼板表面5aの溝8の形成状態を、光学顕微鏡で観察したところ、図5A、図5B及び図5Cに示すような結果が得られた。図5A、図5B及び図5Cでは、紙面右側がレーザ光Lの入射側となり、紙面左側がレーザ光Lの非入射側となる。これら図5A、図5B及び図5Cに示すように、レーザ光Lの非入射側には凹領域Lが直線状に形成されており、鋼板表面5aに溝8が形成されていることが確認できた。しかしながら、走査速度を1.0m/sとした図5Aでは、画像内の色の濃淡具合から、走査速度を1.5m/s以上とした図5B及び図5Cよりも溝8が浅くなることが確認できた。
また、図5A、図5B及び図5Cに示すように、レーザ光Lの入射側には凹領域Lに沿って直線状の凸領域Hが形成されており、溶融凝固凸部11aが形成されていることが確認できた。しかしながら、走査速度を1.0m/sとした図5Aでは、走査速度を1.5m/s以上とした図5B及び図5Cよりも凸領域Hが低くなることも確認できた。
次に、図5A、図5B及び図5Cに示す各鋼板5について、回転研磨機により、溝幅方向Yに沿って断面研磨し、ピクリン酸にて腐食処理することで、溝幅方向断面を得た。そして、各溝幅方向断面をSEMにより撮影したところ、図6A、図6B及び図6Cに示すような画像が得られた。図6Aは、走査速度(Velocityと表記)1.0m/sのときの溝幅方向断面であり、図6Bは、走査速度(Velocityと表記)1.5m/sのときの溝幅方向断面であり、図6Cは、走査速度(Velocityと表記)2.0m/sのときの溝幅方向断面である。
図6Aでは、レーザ光Lの入射側に、溝8と隣接して僅かに凸状に膨れた溶融凝固凸部11aが確認できたが、溝8の深さdが10.4μmと浅く、有意な溝深さを得ることができないことが確認できた。また、図6Bでは、溝8の深さdが13.0μmであり、10.5μm以上の有意な溝深さが得られ、さらに、レーザ光Lの入射側に鋼板表面5aよりも高い溶融凝固凸部11aが確認できた。図6Cでも、溝8の深さdが20.2μmであり、10.5μm以上の有意な溝深さが得られ、さらに、レーザ光Lの入射側に鋼板表面5aよりも高い溶融凝固凸部11aが確認できた。
図6B及び図6Cでは、金属組織の違いを目安に、溶融凝固部11と未溶融部とを目視により区別することができた。また、図6B及び図6Cの各画像について、表面基準線BL及び溝開口中心線BLをそれぞれ求め、第1溶融凝固部11bと第2溶融凝固部11cとの各面積を比較したところ、第2溶融凝固部11cよりも第1溶融凝固部11bが大きいことが確認できた。
次に、レーザ出力を200Wに変えて、鋼板表面5aに溝を加工した。レーザ出力以外の条件は、上記の検証試験と同じ条件(レーザ光L1の照射角度θを45度とし、走査速度(Scanning speed)を1.0m/s、1.5m/s、2.0m/sに変えて、各鋼板表面5aにそれぞれ溝を加工した。
そして、鋼板表面5aの溝8の形成状態を、光学顕微鏡で観察したところ、図7A、図7B及び図7Cに示すような結果が得られた。図7A、図7B及び図7Cでは、紙面右側がレーザ光Lの入射側となり、紙面左側がレーザ光Lの非入射側となる。これら図7A、図7B及び図7Cに示すように、レーザ光Lの非入射側には、溝8に相当する凹領域Lが直線状に形成されており、レーザ光Lの入射側には、溶融凝固凸部11aに相当する凸領域Hが凹領域Lに沿って直線状の形成されることが確認できた。しかしながら、走査速度を1.0m/sとした図7Aでは、画像内の色の濃淡具合から、走査速度を1.5m/s以上とした図7B及び図7Cよりも、溝に相当する凹領域Lが浅くなり、凸領域Hが低くなることが確認できた。
次に、図7A、図7B及び図7Cに示す各鋼板5について、回転研磨機により、溝幅方向Yに沿って断面研磨し、ピクリン酸にて腐食処理することで、溝幅方向断面を得た。そして、各溝幅方向断面をSEMにより撮影したところ、図8A、図8B及び図8Cに示すような画像が得られた。図8Aは、走査速度(Velocityと表記)1.0m/sのときの溝幅方向断面であり、図8Bは、走査速度(Velocityと表記)1.5m/sのときの溝幅方向断面であり、図8Cは、走査速度(Velocityと表記)2.0m/sのときの溝幅方向断面である。
図8Aでは、レーザ光Lの入射側の溝8と隣接した領域に僅かに凸状に膨れた溶融凝固凸部11aが確認できたが、溝8の深さdが7.8μmと浅く、有意な溝深さを得ることができないことが確認できた。また、図8Bでは、溝8の深さdが22.2μmであり、10.5μm以上の有意な溝深さが得られ、さらに、レーザ光Lの入射側に鋼板表面5aよりも高い溶融凝固凸部11aが確認できた。図8Cでは、溝8の深さdが26.1μmであり、10.5μm以上の有意な溝深さが得られ、さらに、レーザ光Lの入射側に鋼板表面5aよりも高い溶融凝固凸部11aが確認できた。
図8B及び図8Cでも、上記の検証試験と同様に、金属組織の違いを目安に、溶融凝固部11と未溶融部とを目視により区別することができた。また、図8B及び図8Cの各画像について、表面基準線BL及び溝開口中心線BLをそれぞれ求め、第1溶融凝固部11bと第2溶融凝固部11cとの各面積を比較したところ、上記の検証試験と同様に、第2溶融凝固部11cよりも第1溶融凝固部11bが大きいことが確認できた。
以上、レーザ出力を低出力である175W及び200Wとした場合、走査速度を大きくすると、溶融凝固凸部11aが大きくなり、鋼板表面5aから突出する高さが高くなることが分かった。また、溶融凝固凸部11aが大きくなるにつれて、溝8が深くなることが確認できた。このような検証試験の結果から、深い溝8を加工する場合には、走査速度を1.5m/s以上とすることが望ましいことが確認できた。
<作用及び効果>
以上の構成において、溝加工装置1では、レーザ光源2に対して鋼板5を1.5m/s以上100m/s以下で相対的に移動させつつ(移動工程)、鋼板表面5aの法線ax1とレーザ光Lとを含む平面内で、レーザ光Lを法線ax1から所定角度θ傾け、鋼板5に照射するようにした(照射工程)。
この際、溝加工装置1では、鋼板5の溝加工位置に対するレーザ光源2のレーザ出力を100W以上1000W以下にするようにした(レーザ出力制御工程)。
これにより、溝加工装置1は、深さdが10.5μm以上50μm以下の溝8を鋼板表面5aに加工できる。また、このようにして加工された溝8は、溝幅方向断面で溝8を見た場合に、溝延在方向Xに沿って、溝開口中心線BLを境に、レーザ光Lの入射側にある第1溶融凝固部11bと、レーザ光Lの非入射側にある第2溶融凝固部11cとが非対称形状となり、第1溶融凝固部11bが第2溶融凝固部11cよりも大きく形成できる。
以上、溝加工装置1では、低出力のレーザ出力としつつ、溶融部10aの湯流れを制御して鋼板表面5aに所望形状の溝8を加工でき、溶融物を吹き飛ばすアシストガスや高出力のレーザ光源を用いずに所望形状の溝8を加工できる。また、溶融物を吹き飛ばすアシストガスや高出力のレーザ光源が不要となる分、コスト低減を図ることができる。
(2)第2の実施形態
<第2の実施形態による溝加工装置の構成>
次に、第2の実施形態の溝加工装置について以下説明する。図9に示すように、この溝加工装置21は、鋼板5を傾斜させ、傾いた鋼板表面5aに対して鉛直方向からレーザ光Lを照射している点で上述した第1の実施形態と相違している。
これにより、溝加工装置21では、第1の実施形態と同様に、鋼板表面5aの法線ax1とレーザ光Lとを含む平面内で、レーザ光Lを法線ax1から所定角度θ傾けるようにしている。この場合、溝加工装置21は、鋼板5をX方向に向けて移動させながら、傾いた鋼板表面5aに対して鉛直方向からレーザ光Lを照射することによって鋼板表面5aに溝を加工する。
なお、本実施形態の場合でも、鋼板表面5aの法線ax1とレーザ光Lとを含む平面内で、法線ax1とレーザ光Lとのなす角度(照射角度)θが、20度以上80度以下に設定されていることが望ましく、より好ましくは、45度超75度未満であることが望ましい。
本実施形態でも、図9に示すように、溝幅方向Yと法線方向Zとがなす平面内で、法線ax1に対してレーザ光Lを照射角度θ傾けるようにしているが、本発明はこれに限らない。本発明では、鋼板表面5aの法線ax1とレーザ光Lとがなす平面内で法線ax1に対してレーザ光Lの照射角度θが規定されていればよく、例えば、溝幅方向Yと法線方向Zとがなす平面外で、当該平面内の法線ax1に対してレーザ光Lを照射角度θ傾けるようにしてもよい。
この場合、溝加工装置21は、レーザ光Lが鉛直方向に沿って照射されるようにレーザ光源2が所定位置に固定されている。溝加工装置21は、移動機構22を備えており、移動機構22によって、鋼板5を傾斜させるとともに、傾斜させた鋼板5をX方向に沿って移動させる。
移動機構22は、基台23とスライド台24と傾斜支持部25と移動制御部26とを備えており、スライド台24が基台23上に移動可能に設けられている。スライド台24は、移動制御部26により制御され、移動制御部26からの制御信号に基づいて一定速度でX方向に沿って移動する。
傾斜支持部25は、スライド台24上に設置されており、スライド台24とともにX方向に沿って移動する。傾斜支持部25は、傾斜面を有しており、傾斜面上に鋼板5が設置されることで、鋼板5を傾斜させる。この場合、傾斜支持部25は、水平線ax3と傾斜面とのなす角度θが選定されており、角度θを調整することで、鋼板表面5aに対するレーザ光Lの照射角度θを設定する。
なお、本実施形態の場合、θは水平線ax3と傾斜面とのなす角度であるため、傾斜した鋼板表面5aの法線ax1と、鉛直方向に照射されるレーザ光Lとがなす角度θは、傾斜支持部25の角度θと同じになる。
このように、溝加工装置21では、第1の実施形態とは異なり、レーザ光Lの照射方向を変えずに、傾斜支持部25によって鋼板5の角度θを変えることで、鋼板表面5aに対してレーザ光Lを所定角度θに傾けて照射することができる。
この際、レーザ光源2のレーザ出力、レーザ光源2に対する鋼板5の走査速度等の各条件については、上述した第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明は省略する。
<本発明の溝加工装置により加工される溝について>
次に、本発明による第2の実施形態の溝加工装置21により加工される溝8について詳細に説明する。ここで、図10A及び図10Bに示すように、鋼板5は、傾斜支持部25により角度θで傾斜された状態で、1.5m/s以上100m/s以下、より好ましくは2m/s以上90m/s以下の走査速度でX方向に移動されながら、傾斜した鋼板表面5aに鉛直方向からレーザ光Lが照射される。
この際、図10Aにおいて、レーザ光Lが照射されている溝加工位置の溝幅方向断面Sを、図11A及び図11Bに示す。図11Aに示すように、傾いた鋼板表面5aに対して、鉛直方向からレーザ光Lが照射され始めると、レーザ光Lの照射当初、溝加工位置10には、鋼板5が溶融した溶融部10aが形成される。
更に、鋼板5が移動しながら、この溶融部10aにレーザ光Lが照射されると、図11Bに示すように、レーザ光Lの照射中、溶融部10a内に、レーザ光Lの光軸方向に沿って斜めに傾いた、円柱状空洞のキーホールKHが一時的に形成される。このようなキーホールKHは、第1の実施形態と同じものであり、鋼板5を傾けた場合にも形成される。そして、例えば、キーホールKHの奥側先端部10bで、溶融物の量が少なく溶融物厚が薄い、レーザ光Lの非入射側部分が、金属蒸気ガスの圧力等により破裂し、キーホールKH内の金属蒸気ガスが、レーザ光Lの非入射側から外部へ抜ける。よって、第2の実施形態でも、溶融部10aには、レーザ光L1の非入射側に溝8が形成され易くなると考えられる。
その後、鋼板5が移動して、レーザ光Lが照射し終えると、鋼板表面5aには溝8が加工される。
図12は、図10Bにおいて、レーザ光Lが照射し終え、溝8が形成された箇所の溝幅方向断面Sを示したものである。この場合、鋼板表面5aには断面凹状の溝8が形成されるとともに、鋼板5の内部には溝8の周辺に溶融部10aが凝固した溶融凝固部11が形成される。図12に示すように、溶融凝固部11は、溝8の加工途中でキーホールKHが形成されていたことにより、レーザ光Lの入射側と非入射側とで偏在し、レーザ光Lの入射側には、鋼板表面5aから膨出した溶融凝固凸部11aが形成される。
第2の実施形態による溝加工装置21により鋼板表面5aに加工される溝8については、上述した第1の実施形態と同様に、図4に示すような構成を有する。この場合、溝延在方向X及び法線方向Zに直交する溝幅方向断面で溝8を見た場合に、溝8の深さdは、10.5μm以上50μm以下であることが望ましい。
また、この第2の実施形態でも、図4に示したように、溝幅方向断面で溝8を見た場合に、鋼板5内に形成された溝8の溝面は、溝延在方向Xに沿って、溝開口中心線BLを境に、レーザ光Lの入射側にある第1溝面8aと、レーザ光Lの非入射側にある第2溝面8bと、に分けることができる。
溶融凝固部11は、表面基準線BL及び溝開口中心線BLを境に、溝延在方向Xに沿って、溶融凝固凸部11aと、第1溶融凝固部11bと、第2溶融凝固部11cとに分けることができる。溝開口中心線BLは、鋼板5の内部にある溶融凝固部11を、第1溶融凝固部11bと、第2溶融凝固部11cとに分け、表面基準線BLは、鋼板5の内部にある第1溶融凝固部11bと、鋼板表面5aから膨出した溶融凝固凸部11aとを分けている。
そして、第2の実施形態においても、溝延在方向Xに沿って溝幅方向断面で溝8を見た場合に、溝延在方向Xに沿って、溝開口中心線BLを境に、レーザ光Lの入射側にある第1溶融凝固部11bと、レーザ光Lの非入射側にある第2溶融凝固部11cとが非対称形状となり、第1溶融凝固部11bが第2溶融凝固部11cよりも大きい溝8を加工することができる。
<検証試験>
次に、図9に示した溝加工装置21を用いた検証試験について説明する。溝を加工する試料として、一般構造用圧延鋼材(SS400)からなり、厚さ4mm、長さ100mm、幅50mmの長方形でなる鋼板5を用意した。最初の検証試験では、レーザ出力(Power)を200W、試料傾斜によるレーザ光Lの照射角度θを40度、走査速度(Scanning speed)を2.0m/sとし、シールドガスを用いずに、鋼板表面5aに溝8を加工した。
鋼板表面5aの溝8の形成状態をSEMで観察したところ、図13に示すような結果が得られた。図13に示すように、レーザ光Lを走査した方向に沿って直線状の溝8を加工できるとともに、レーザ光Lの入射側に溝8と並走するようにして溶融凝固凸部11aが形成されることが確認できた。
次に、レーザ出力を200W、試料傾斜によるレーザ光Lの照射角度θを40度、走査速度を2.0m/sとし、シールドガスの条件を変えて、各鋼板表面5aにそれぞれ溝を加工した。そして、シールドガスを用いない場合と、シールドガスの流量10L/s、ガス圧0.1MPaとした場合と、シールドガスの流量20L/s、ガス圧1.0MPaとした場合と、について、それぞれ溝の形成状態を確認した。
得られた各鋼板5について、回転研磨機により、溝幅方向Yに沿って断面研磨し、ピクリン酸にて腐食処理することで、溝幅方向断面を得た。そして、各溝幅方向断面をSEMにより撮影したところ、図14A、図14B及び図14Cに示すような画像が得られた。なお、図14A、図14B及び図14Cでは、傾斜させた鋼板5の上下方向を「Slope」で示し、上側を「U」と示し、下側を「L」と示す。
シールドガスを用いなかった場合は、図14Aに示すように、レーザ光Lの入射側に、鋼板表面5aから膨出した溶融凝固凸部11aが形成され、溝開口端幅が広く、かつ深さが22.6μmと深い溝8を加工できることが確認できた。
また、シールドガスを流量10L/s、ガス圧0.1MPaとした場合は、図14Bに示すように、レーザ光Lの入射側に、鋼板表面5aから膨出した溶融凝固凸部11aが形成されることが確認できた。また、図14Aに比較すると、深さが23.9μmと深い溝8を加工できたが、溝8の溝開口端幅が狭くなってしまうことが確認できた。
一方、シールドガスを流量20L/s、ガス圧1.0MPaとした場合には、図14Cに示すように、深さ26.9μmの凹領域が形成されるものの、レーザ光Lの入射側に形成された溶融凝固凸部11aが非入射側に倒れ、溶融凝固凸部11aによって溝が塞がってしまい、溝を加工し難いことが確認できた。よって、シールドガスを流量20L/s未満、ガス圧1.0MPa未満にすることが望ましく、さらに好ましくは、流量10L/s以下、ガス圧0.1MPa以下であること、シールドガスを用いないことが望ましいことが確認できた。なお、このようなシールドガスの望ましい条件については、上述した第1の実施形態でも同様である。
また、図14A及び図14Bでは、金属組織の違いを目安に、溶融凝固部11と未溶融部とを目視により区別することができた。図14A及び図14Bについて、表面基準線BL及び溝開口中心線BLをそれぞれ求め、第1溶融凝固部11bと第2溶融凝固部11cとの各面積を比較したところ、第2溶融凝固部11cよりも第1溶融凝固部11bが大きいことが確認できた。
次に、レーザ出力(Power)を200Wとし、試料傾斜によるレーザ光Lの照射角度θを45度として、走査速度(Scanning speed)を1.0m/s、1.5m/s、2.0m/sに変えて、各鋼板表面5aにそれぞれ溝を加工した。
得られた各鋼板5について、回転研磨機により、溝幅方向Yに沿って断面研磨し、ピクリン酸にて腐食処理することで、溝幅方向断面を得た。そして、各溝幅方向断面をSEMにより撮影したところ、図15A、図15B及び図15Cに示すような画像が得られた。なお、図15A、図15B及び図15Cでは、傾斜させた鋼板5の上下方向を「Slope」で示し、上側を「U」と示し、下側を「L」と示す。
走査速度を1.0m/sとした場合には、図15Aに示すように、レーザ光Lの入射側に、鋼板表面5aから僅かに膨出した溶融凝固凸部11aが形成されたが、深さが10.5μm未満の浅い溝8しか加工できないことが確認できた。
一方、走査速度を1.5m/s、2.0m/sとした場合には、図15B及び図15Cに示すように、レーザ光Lの入射側に、鋼板表面5aから膨出した溶融凝固凸部11aが形成され、溝開口端幅が広く、かつ深さが24.1μm、26.2μmと、10.5μm以上の深い溝8をそれぞれ加工できることが確認できた。以上より、走査速度を1.5m/s超とすることで、溝開口端幅が広く、かつ一段と深い溝8を加工できることが確認できた。
なお、図15B及び図15Cでも、金属組織の違いを目安に、溶融凝固部11と未溶融部とを目視により区別することができた。図15B及び図15Cについて、表面基準線BL及び溝開口中心線BLをそれぞれ求め、第1溶融凝固部11bと第2溶融凝固部11cとの各面積を比較したところ、第2溶融凝固部11cよりも第1溶融凝固部11bが大きいことが確認できた。
次に、レーザ出力を150Wに下げて、鋼板表面5aに溝を加工した。レーザ出力以外の条件は、上記の検証試験と同じ条件(試料傾斜によるレーザ光L1の照射角度θを40度)とし、走査速度(Scanning speed)を1.0m/s、1.5m/s、2.0m/sに変えて、各鋼板表面5aにそれぞれ溝を加工した。
各鋼板5について、回転研磨機により、溝幅方向Yに沿って断面研磨し、ピクリン酸にて腐食処理することで、溝幅方向断面を得た。そして、各溝幅方向断面をSEMにより撮影したところ、図16A、図16B及び図16Cに示すような画像が得られた。図16A、図16B及び図16Cでは、傾斜させた鋼板5の上下方向を「Slope」で示し、上側を「U」と示し、下側を「L」と示す。
走査速度を1.0m/sとした場合には、図16Aに示すように、レーザ光Lの入射側に、鋼板表面5aから僅かに膨出した溶融凝固凸部11aが形成されたが、深さが10.5μm未満の浅い溝8しか加工できないことが確認できた。
一方、走査速度が1.5m/sの場合、レーザ出力を150Wに下げると、レーザ出力を200Wとしたときの溝8の深さ((図15Bに示す20μm超)よりも浅い溝8となった。しかしながら、溝開口端幅が広く、深さが10.5μm以上である、10.7μmの溝8を加工できることが確認できた。
また、走査速度を2.0m/sとした場合には、図16Cに示すように、レーザ出力を150Wに下げても、溝開口端幅が広く、かつ深さが26.9μmと深い溝8を加工できることが確認できた。以上より、レーザ出力を150Wに下げたときでも、走査速度を1.5m/s超とすることで、溝開口端幅が広く、かつ深い溝8を加工できることが確認できた。また、レーザ出力を150Wに下げたときに一段と深い溝8を加工する場合には、走査速度を2.0m/s以上とすることが望ましいことが確認できた。
なお、図16B及び図16Cでも、金属組織の違いを目安に、溶融凝固部11と未溶融部とを目視により区別することができた。図16B及び図16Cについて、表面基準線BL及び溝開口中心線BLをそれぞれ求め、第1溶融凝固部11bと第2溶融凝固部11cとの各面積を比較したところ、第2溶融凝固部11cよりも第1溶融凝固部11bが大きいことが確認できた。
<作用及び効果>
以上の構成において、溝加工装置21では、鋼板5を傾斜させることで、鋼板表面5aの法線ax1とレーザ光Lとを含む平面内で、レーザ光Lを法線ax1から所定角度θ傾け、鋼板5にレーザ光を照射するようにした。
そして、このような溝加工装置1でも、レーザ光を発するレーザ光源2のレーザ出力を100W以上1000W以下とすることで、深さdが10.5μm以上50μm以下の溝8を鋼板表面5aに加工できる。
また、このようにして加工された溝8は、溝幅方向断面で溝8を見た場合に、溝延在方向Xに沿って、溝開口中心線BLを境に、レーザ光Lの入射側にある第1溶融凝固部11bと、レーザ光Lの非入射側にある第2溶融凝固部11cとが非対称形状となり、第1溶融凝固部11bが第2溶融凝固部11cよりも大きく形成できる。
以上、溝加工装置21でも、低出力のレーザ出力としつつ、溶融部10aの湯流れを制御して鋼板表面5aに所望形状の溝8を加工でき、溶融物を吹き飛ばすアシストガスや高出力のレーザ光源を用いずに所望形状の溝8を加工できる。また、溶融物を吹き飛ばすアシストガスや高出力のレーザ光源が不要となる分、コスト低減を図ることができる。
(3)他の実施形態
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、溝を加工する鋼板として、放熱鋼板やラミネート鋼板、電磁鋼板等その他種々の鋼板原板を適用してもよい。
また、上述した実施形態においては、レーザ光に対して鋼板を相対的に移動させる移動機構として、固定したレーザ光源2に対して鋼板5を移動させる移動機構7、22を適用したが、本発明はこれに限らない。例えば、固定した鋼板5に対してレーザ光源2を移動させる移動機構を適用しても良い。
また、上述した実施形態においては、レーザ光Lに対して鋼板5を直線的に移動させ、鋼板表面5aに直線状に延びた溝8を加工する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、レーザ光源2又は鋼板5の移動方向を制御して弓状等の湾曲した溝を加工するようにしてもよい。
1、21 溝加工装置
2 レーザ光源
5 鋼板
5a 鋼板表面
6 レーザ出力制御部
7、22 移動機構
11a 溶融凝固凸部
11b 第1溶融凝固部
11c 第2溶融凝固部

Claims (5)

  1. レーザ光により鋼板表面に溝を加工する溝加工方法において、
    レーザ光源から照射される前記レーザ光を、前記鋼板表面の法線と前記レーザ光とを含む平面内で、前記法線から20度以上80度以下の角度に傾けて前記鋼板表面に照射する照射工程と、
    前記レーザ光源に対して前記鋼板を1.5m/s以上100m/s以下で相対的に移動させる移動工程と、
    前記レーザ光源のレーザ出力を100W以上1000W以下とするレーザ出力制御工程と、
    を備え、
    前記レーザ光により前記鋼板を溶融して加工し、前記溝の深さを10.5μm以上50μm以下とし、
    溝延在方向と直交する溝幅方向断面で前記溝を見た場合に、溝開口端幅の中心を溝開口中心線と定義し、前記鋼板の内部で前記溝の周辺に形成された溶融凝固部を、前記溝開口中心線を境に第1溶融凝固部と第2溶融凝固部とに分けたとき、
    前記溝延在方向に沿って、前記溝開口中心線を境に、前記レーザ光の入射側にある前記第1溶融凝固部と、前記レーザ光の非入射側にある前記第2溶融凝固部とが非対称形状であり、前記第1溶融凝固部が前記第2溶融凝固部よりも大きく形成する、溝加工方法。
  2. 前記照射工程では、
    前記レーザ光の照射によって、前記レーザ光の入射側に、前記鋼板表面から膨出した溶融凝固凸部が形成される、請求項1に記載の溝加工方法。
  3. 前記溶融凝固凸部を除去して前記鋼板表面を平坦化する平坦化工程を備える、請求項に記載の溝加工方法。
  4. レーザ光により鋼板表面に溝を加工する溝加工装置において、
    前記鋼板表面の法線と前記レーザ光とを含む平面内で、前記レーザ光を前記法線から20度以上80度以下の角度に傾けて前記鋼板表面に照射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源に対して鋼板を1.5m/s以上100m/s以下で相対的に移動させる移動機構と、
    前記レーザ光源のレーザ出力を100W以上1000W以下とするレーザ出力制御部と、
    を備え、
    前記レーザ光により前記鋼板を溶融して加工し、前記溝の深さを10.5μm以上50μm以下とし、
    溝延在方向と直交する溝幅方向断面で前記溝を見た場合に、溝開口端幅の中心を溝開口中心線と定義し、前記鋼板の内部で前記溝の周辺に形成された溶融凝固部を、前記溝開口中心線を境に第1溶融凝固部と第2溶融凝固部とに分けたとき、
    前記溝延在方向に沿って、前記溝開口中心線を境に、前記レーザ光の入射側にある前記第1溶融凝固部と、前記レーザ光の非入射側にある前記第2溶融凝固部とが非対称形状であり、前記第1溶融凝固部を前記第2溶融凝固部よりも大きく形成する、溝加工装置。
  5. 鋼板表面に溝が加工された鋼板において、
    前記溝の深さが10.5μm以上50μm以下であり、
    溝延在方向と直交する溝幅方向断面で前記溝を見た場合に、溝開口端幅の中心を溝開口中心線と定義し、前記鋼板の内部で前記溝の周辺に形成された溶融凝固部を、前記溝開口中心線を境に第1溶融凝固部と第2溶融凝固部とに分けたとき、
    前記溝延在方向に沿って、前記溝開口中心線を境に前記第1溶融凝固部と前記第2溶融凝固部とが非対称形状であり、前記第1溶融凝固部が前記第2溶融凝固部よりも大きく形成されている、鋼板。
JP2018058579A 2018-03-26 2018-03-26 溝加工方法、溝加工装置及び鋼板 Active JP7052472B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018058579A JP7052472B2 (ja) 2018-03-26 2018-03-26 溝加工方法、溝加工装置及び鋼板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018058579A JP7052472B2 (ja) 2018-03-26 2018-03-26 溝加工方法、溝加工装置及び鋼板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019166566A JP2019166566A (ja) 2019-10-03
JP7052472B2 true JP7052472B2 (ja) 2022-04-12

Family

ID=68106945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018058579A Active JP7052472B2 (ja) 2018-03-26 2018-03-26 溝加工方法、溝加工装置及び鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7052472B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015510543A (ja) 2011-12-29 2015-04-09 ポスコ 電気鋼板およびその製造方法
WO2016171130A1 (ja) 2015-04-20 2016-10-27 新日鐵住金株式会社 方向性電磁鋼板
WO2017126814A1 (ko) 2016-01-22 2017-07-27 주식회사 포스코 방향성 전기강판의 자구미세화 방법과 그 장치

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015510543A (ja) 2011-12-29 2015-04-09 ポスコ 電気鋼板およびその製造方法
WO2016171130A1 (ja) 2015-04-20 2016-10-27 新日鐵住金株式会社 方向性電磁鋼板
WO2017126814A1 (ko) 2016-01-22 2017-07-27 주식회사 포스코 방향성 전기강판의 자구미세화 방법과 그 장치
JP2019509394A (ja) 2016-01-22 2019-04-04 ポスコPosco 方向性電磁鋼板の磁区微細化方法及びその装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019166566A (ja) 2019-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102137215B1 (ko) 레이저 빔과 레이저 툴과 레이저 장치와 제어 장치를 이용한 피가공물 가공 방법 및 툴
CN108161250A (zh) 多焦点动态分布激光加工脆性透明材料的方法及装置
US20210162539A1 (en) Welding method and welding apparatus
KR101165977B1 (ko) 취성 재료 기판의 가공 방법
WO2000030798A1 (fr) Procede et appareil de marquage au laser, et objet ainsi marque
EP3819070B1 (en) Laser machining device and laser machining method
JP2016505390A (ja) レーザ微細加工によりイメージを形成する方法
TW201210728A (en) Laser processing method
JP4256840B2 (ja) レーザ切断方法及びその装置
JP5201424B2 (ja) 炭素膜被覆切削工具およびその製造方法
US20160263701A1 (en) Laser marking method and system and laser marked object
JP2004042140A (ja) 薄膜除去方法及び装置
CN110614435A (zh) 激光焊接方法及焊接构造体
KR100976864B1 (ko) 레이져 어블레이션을 이용한 초발수성 표면 가공방법과듀얼 스케일의 미세구조를 갖는 초발수성 표면의 고체기재
JP7052472B2 (ja) 溝加工方法、溝加工装置及び鋼板
KR101335688B1 (ko) 미세 요철부를 형성하기 위한 레이저 가공 방법
JP4086796B2 (ja) 基板割断方法
KR101728876B1 (ko) 자동 초점 조절 구조의 레이저 마킹 장치 및 그에 의한 레이저 마킹 방법
JP2015174096A (ja) レーザ切断方法及びレーザ切断装置
JP2559947B2 (ja) 薄肉鋳片鋳造用冷却ドラムのディンプル加工装置および加工方法
KR100692876B1 (ko) 대상물의 표면에 잔주름 형상 패턴을 형성하기 위한 장치및 방법
JP2022032620A (ja) レーザ加工方法及びレーザ加工装置
JP7332940B2 (ja) 溝加工装置及び溝加工方法
Exner et al. High rate laser micro processing using high brilliant cw laser radiation
JP2015062927A (ja) 脆性材料基板の加工方法および加工装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210914

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220314

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7052472

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151