以下、本出願にて開示する好適な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
以下の各実施形態で共通する構成については、同一の符号を付して明細書での重複説明を省略する。さらに、各実施形態で共通する使用方法及び作用効果についても重複説明を省略する。ここで、本明細書及び特許請求の範囲において、「第1」、「第2」、「第3」及び「第4」と記載する場合、それらは、異なる構成要素を区別するために用いるものであり、特定の順序や優劣等を示すために用いるものではない。本明細書及び特許請求の範囲では、便宜上、図1等に示されるように、本開示の一態様としてのベントキャップ1の正面における左右方向をX方向、正面を前とし背面を後ろとする前後方向をY方向、高さ方向をZ方向として記載する。
第1実施形態〔図1-図4〕
以下、本出願の第1実施形態としてのベントキャップ1について図面を参照しつつ説明する。ここでは、ベントキャップ1が屋外に取り付けられる例について記載し、Y方向については前側(ベントキャップ1の正面側、図2における上方)を屋外側とし、後側(ベントキャップ1の背面側)を建物の内部空間(屋内)側として説明する。しかしながら、これらの記載は、ベントキャップ1の使用方法や取付け場所等を限定するものではない。
ベントキャップ1
ベントキャップ1は、建物の壁面W(図3等参照)に形成された換気口等に取り付けられ、風の吹き込み、雨水の浸入、虫の侵入等を防ぐ設備である。ベントキャップ1は、図1及び図2で示すように、ベース10と、カバー20とを備えている。
ベース10及びカバー20は、金属材料によって形成されている。特にベントキャップ1は、屋外に設置されるため、ベース10及びカバー20には、大気中での耐食性、耐酸性に強く、加工性に優れたステンレス鋼材、例えばSUS304が用いられる。しかしながら、本実施形態のベントキャップ1は、例えば風雨等にさらされずに強固な耐久性が必要とならないような箇所に適用する場合には、金属材料に限らず、樹脂成形体等によって構成することができる。
ベース10は、ベントキャップ1を換気口に取り付けるとともに、カバー20を支持するための部位である。ベース10は、ベントキャップ1のY方向における後端側に位置する。ベース10は、図2で示すように、背面板11と、差込筒12とを有する。
背面板11は、ベントキャップ1を換気口に取り付けたときに、壁面Wに沿って配置される部位である。背面板11は、XZ平面に沿った長方形状の板面を有する平板形状とされている。
差込筒12は、そのY方向における後端側から換気口に差し込まれる部位である。差込筒12は、背面板11の背面側の板面に接続されている。差込筒12は、ベントキャップ1の正面視において円環形状で背面板11の板面における中央部からY方向における後方に向かって伸長する中空の円筒形状とされている。すなわち、差込筒12の軸方向、言い換えると筒軸方向は、Y方向と一致している。差込筒12の外径及び内径は、差込筒12のY方向での位置によらず一定とされている。背面板11には、差込筒12の内径に合わせて、板面における中央部をY方向に貫通する開口部が設けられている。これによって、ベース10は、差込筒12の径方向内方の領域においてY方向に貫通している。
カバー20は、ベース10の開口部を覆う部位である。カバー20は、ベントキャップ1のY方向における前端側においてベース10に組み付けられる。カバー20は、Y方向における後端に開口が設けられた箱形状とされている。カバー20は、左右対称かつ上下対称の形状とされている。カバー20は、前面部21と、側面部22、22と、天面部23と、底面部24とを有する。
前面部21は、差込筒12の前方を覆う部位である。前面部21は、カバー20のY方向における前端に位置する。前面部21は、図1で示すように、XZ平面に沿った長方形状の板面を有する平板形状とされている。前面部21の背面は、差込筒12と連通する背面板11の開口部と対向配置されている。ベントキャップ1は、前面部21がY方向における前方からの外風を受け止めてベントキャップ1の内部への侵入を抑制することによって、耐外風性能を有する。
側面部22は、差込筒12からの気流が主に吹き出される部位である。側面部22は、ベース10と前面部21との間に位置する。側面部22は、側面基部25と、側面傾斜部26とを有する。上述のようにカバー20が左右対称の形状であるので、前面部21の左端部及び右端部からそれぞれ側面部22、22がY方向に沿って後方に向かって伸長している。
天面部23は、カバー20の上部を覆う部位である。天面部23は、カバー20のZ方向における上端に位置する。天面部23は、図1で示すように、XY平面に沿った略等脚台形状、厳密には六角形状の板面を有する平板形状とされている。天面部23の背面は、底面部24と対向配置されている。
底面部24は、カバー20の下部を覆う部位である。底面部24は、カバー20のZ方向における下端に位置する。底面部24は、図2で示すように、XY平面に沿った略等脚台形状、厳密には六角形状の板面を有する平板形状とされている。ベントキャップ1は、底面部24がZ方向における下方から吹き上げる外風を受け止めてベントキャップ1の内部への侵入を抑制することによっても、耐外風性能を有する。
側面基部25は、ベース10と結合するとともに側面傾斜部26を支持する部位である。側面基部25は、カバー20及び側面部22のY方向における後端に位置する。側面基部25は、図1で示すように、YZ平面に沿った長方形状の板面を有する平板形状とされている。ここで、側面傾斜部26がベース10と結合可能であり、これらを直接結合した際に他の部位と干渉しないのであれば、ベントキャップ1は側面基部25を有しない構成とすることもできる。しかしながら、ベントキャップ1は、側面基部25を有すると、ベントキャップ1の換気性能をより向上させるとともに、側面開口部27から吹き出される気流の方向をより前方に向けることができて好ましい。
側面傾斜部26は、差込筒12からの気流が主に吹き出される部位である。側面傾斜部26は、側面部22のY方向における前端に位置する。側面傾斜部26は、側面基部25のY方向における前端からY方向における前方に向かって突出している。ただし、側面傾斜部26は、図2で示すように、ベース10の側から前面部21の側、すわわち、Y方向における前方に向かってX方向で差込筒12の軸心に近づくように傾斜、すなわち、差込筒12の軸方向に対して傾斜している。これによって、カバー20は、平面視において、前面部21の側が先細りとなるテーパー形状とされている。図1及び図2で例示されるベントキャップ1では、側面傾斜部26がY方向に対して20°傾斜している。側面傾斜部26は、側面基部25と同じ板厚で、長方形状の板面を有する平板形状とされている。側面傾斜部26には、側面開口部27が形成されている。
側面開口部27は、差込筒12からの気流を吹き出す部位である。側面開口部27は、側面傾斜部26の多くの部分を占める。本実施形態では、側面傾斜部26の略全域が側面開口部27として用いられている。側面開口部27は、側面傾斜部26を板厚方向に貫通する長方形状の開口とされている。このため、側面開口部27は、差込筒12からカバー20の内部に吹き込まれた気流の吹き出し口として機能する。そして、側面傾斜部26に側面開口部27が設けられているので、側面開口部27による開口がカバー20のX方向における側方だけでなく、カバー20のY方向における前方にも向いた構成となる。側面開口部27には、桟28が設けられている。
桟28は、側面開口部27の開口面積を絞る部位である。桟28は、側面開口部27のZ方向における上端と下端との間に架け渡されている。桟28は、側面傾斜部26から連続してZ方向における上下方向に伸長し、長方形状の板面を有する平板形状とされている。桟28の板面は、側面傾斜部26と同様に、Y方向における前方に向かってX方向で差込筒12の軸心に近づくように傾斜している。図1及び図2で例示されるベントキャップ1では、桟28が前後方向に4mmの長さを有する。側面開口部27には、同じ形状の複数の桟28がY方向で等間隔に配置されている。図1及び図2で例示されるベントキャップ1では、5本の桟28が形成されている。そして、複数の桟28のそれぞれには、整流翼片29が設けられている。
桟28は、側面開口部27の開口面積を絞ることによって、側面開口部27から吹き出す気流の速度を高めることができる。この速度の高まった気流には、周りの気流を引き寄せる効果が生じる。さらに、桟28は、差込筒12からカバー20の内部に吹き込む気流を桟28からではなく側面開口部27から吹き出すように、桟28に沿って受け流すことができる。これによって、桟28は、気流を桟28から側面開口部27に向けて前方に整流することができる。したがって、桟28は、側面開口部27からベントキャップ1の正面方向、すなわち、Y方向における前向きに吹き出す気流の割合を増やすことができる。
整流翼片29は、側面開口部27から吹き出される気流の方向を変更する部位である。整流翼片29は、桟28のY方向における後端からY方向における後方に向かって突出している。ただし、整流翼片29は、Y方向における後方に向かってX方向で差込筒12の軸心に近づくように傾斜している。このように整流翼片29は、差込筒12に向けて伸長している。これによって、桟28と整流翼片29とは、カバー20の水平方向における断面視において、X方向における外端で屈曲するV字形状とされている。側面開口部27には、同じ形状の複数の整流翼片29が桟28に対応してY方向で等間隔に配置され、いわゆるがらり(羽板)を形成している。図1及び図2で例示されるベントキャップ1では、5本の整流翼片29(がらりの羽根)が形成されている。
整流翼片29は、差込筒12からカバー20に吹き込む気流を自身の板面に沿わせることによって、前面部21のY方向における前方に向かって吹き出すように整流することができる。すなわち、上述のように整流翼片29は、前面部21と対向する前側の板面では桟28とV字形状で連結されているので、気流を桟28の方向に受け流すことができる。他方で、整流翼片29は、背面板11と対向する後ろ側の板面では側面開口部27に通じているので、気流を板面に沿って側面開口部27から吹き出すことができる。したがって、桟28に連結されている整流翼片29は、Y方向における前方で隣接する整流翼片29との間で、前側の板面、桟28、後ろ側の板面のそれぞれに沿ったS字状に気流の方向を整流することができる。
ここで、側面部22のY方向における前部においては、前面部21から回り込んだY方向における後ろ向きの気流が到達しているので、側面開口部27から吹き出す気流が前向きにはなりにくい。しかしながら、整流翼片29は、前面部21から回り込んだ気流がそのまま後ろ向きに側面開口部27から吹き出すのを阻止するとともに、自身の板面に沿わせることによって気流の方向を前向きに整流する。さらに、桟28は、側面開口部27の領域を絞ることによって、前面部21から回り込んで整流翼片29を迂回する気流を曲率のより大きなU字状、すなわち、前向きに整流する。このような効果は、前面部21の付近の気流が整流翼片29に沿うように、側面開口部27をY方向における前後方向で適切に絞る幅を有する桟28が設けられることによって、実現することができる。
こうした構成を有するベントキャップ1によれば、側面開口部27から吹き出す気流が前向きにはなりにくい側面部22の前部においても、側面開口部27からの気流を前向きとすることができる。そして、ベントキャップ1は、特にこの前面部21に近い前側において側面開口部27から吹き出した速度の高い前向きの気流が背面板11に近い後ろ側から吹き出す気流を引きつけることによって、全体として気流を前向きとすることができる。
差込筒12の軸方向に対する整流翼片29の傾斜角度の範囲には厳密な限定はない。しかしながら、適切な傾斜角度で配置された整流翼片29によって、差込筒12から前方に向けた気流をせき止めることなく気流の方向を変えることができる。よって、側面開口部27から吹き出される気流の方向を効果的に前方に向けることができる。整流翼片29は、差込筒12の軸方向に対して例えば45°以下の傾斜角度を有するように構成されると、上述の効果をより高めることができる。そして、整流翼片29は、差込筒12の軸方向に対して例えば25°以上40°以下の傾斜角度を有するように構成されると、上述の効果を更に高めることができる。
ここで、側面開口部27が差込筒12の軸方向に対して傾斜していない側面に設けられた場合には、そもそも開口がカバー20のY方向における前方に向くことがない。このような場合においては、図3で示す流線のように、側面開口部27から吹き出す気流が前向きにはなっているとは言い難い。図3で示した例では、最も壁寄りに吹き出す気流は、壁面Wから20°の位置にある。すなわち、図3で示した例では、気流の左端及び右端は壁面Wから45°を大きく下回り、気流はY方向における前方よりもX方向における外方に近い方向に吹き出している。
しかしながら、側面開口部27は、側面傾斜部26に設けられることによって、開口が前方を向いた状態にできる。これによって、側面開口部27から吹き出す気流をより前向きとすることができる。それにもかかわらず、側面開口部27の領域には桟28及び整流翼片29が設けられることによって、カバー20はY方向における前方に向かって開口が大きく露出することが抑制されている。したがって、ベントキャップ1では、その耐外風性能を高めることができ、それとともに意匠性を高めることができる。こうして、ベントキャップ1では、耐外風性能、意匠性といった機能を満たしつつも、図4で示すように、側面開口部27から吹き出す気流を前向きとすることができる。
図4で示した例では、最も壁寄りに吹き出す気流は、壁面Wから50°の位置にある。すなわち、図4で示した例では、気流の左端及び右端が壁面Wから45°を上回る位置にあり、X方向における外方よりもY方向における前方に近い方向、すなわち、前向きに気流が吹き出していると言える。
さらに、側面開口部27が差込筒12の軸方向に対して傾斜していない側面に設けられた場合には、カバー20のY方向における前部の空間では、気流がX方向に大きく回り込まないと側面開口部27まで到達せずに滞留した状態となりやすい。
これに対し、側面開口部27は、側面傾斜部26に設けられることによって、左右いずれかの端部からある程度の範囲を起点とした気流を側面開口部27の後部において速やかに吹き出させることができる。このため、左右端付近が起点でありながら側面開口部27から吹き出されずに側面開口部27の前部において滞留してしまう気流の量を削減することができる。したがって、側面開口部27は、側面傾斜部26に設けられることによって、カバー20の前部の空間において、気流をX方向に回り込ませなくても側面開口部27に到達させることができる。
これによって、気流がX方向に回り込んでいないので、特に側面部22の前部において、気流が側面開口部27から吹き出す方向をより前向きとすることができる。それとともに、カバー20の前部の空間において気流が滞留しにくいので、側面開口部27において、カバー20のY方向における後ろ側から到達した気流を速やかに吹き出させることができ、ベントキャップ1の換気性能を向上させることができる。
ここで、本実施形態のベントキャップ1では、上述のように側面傾斜部26の略全域が側面開口部27として用いられているので、側面開口部27は、側面傾斜部26の壁面Wの側における端に接して形成されている。このため、側面部22において側面傾斜部26が折れ曲がる端に形成される側面開口部27によって、差込筒12から側面部22の左右端に近い領域に吹き込む気流を速やかにカバー20の外に吹き出すことができる。そして、気流の上流側である壁面Wの側における側面開口部27(後側)からの気流の吹き出し量を増やすことができ、その結果として、側面開口部27の前側における気流の滞留を抑制することができる。よって、ベントキャップ1の換気性能をより向上させることができる。
以上のようにベントキャップ1は、差込筒12に向けて伸長する整流翼片29を有するので、整流翼片29によって、差込筒12から側面開口部27を通り抜ける気流を整流翼片29に沿うように整流することができる。よって、側面開口部27から吹き出される気流の方向を前方に向けることができる。
さらに、ベントキャップ1は、側面開口部27に桟28を有するので、桟28によって、側面開口部27から吹き出される気流を絞って容易に整流翼片29及び桟28に沿わせることができる。よって、側面開口部27から吹き出される気流の方向をより前方に向けることができる。
そして、ベントキャップ1は、側面開口部27が形成された側面傾斜部26を有するので、側面傾斜部26によって、差込筒12からの気流を差込筒12の軸方向と直交する方向で満遍なく側面開口部27を通過させることができる。よって、ベントキャップ1の換気性能を向上させるとともに、側面開口部27から吹き出される気流の方向をより前方に向けることができる。
第2実施形態〔図5-図8〕
以下、本出願の第2実施形態としてのベントキャップ2について図面を参照しつつ説明する。図5で示すように、第2実施形態のベントキャップ2は、前面部21を有するカバー20に換えて前面部41を有するカバー40によって構成されている点で、第1実施形態とは異なる。第2実施形態のベントキャップ2は、それ以外については第1実施形態のベントキャップ1と同様である。ここでは、第1実施形態とは異なる点について説明する。
前面部41には、整流用前面通気部43が設けられている。整流用前面通気部43は、気流を前面部41の前方に吹き出す部位である。整流用前面通気部43は、前面部41の左右における端部から近い領域に位置する。この位置は、側面開口部27に隣接した領域である。整流用前面通気部43は、前面部41のX方向に比べてZ方向に長い角丸長方形状で、前面部41の板厚方向、すなわち、Y方向に貫通する開口であるいわゆるスリット形状とされている。整流用前面通気部43は、差込筒12からカバー40の内部に吹き込まれた気流の吹き出し口として機能する。
ベントキャップ2では、前面部41に整流用前面通気部43が設けられているので、差込筒12からカバー40の内部に吹き込まれた気流を側面開口部27だけでなく、整流用前面通気部43から吹き出させることができる。このため、整流用前面通気部43において、前面部41に到達した気流を速やかに吹き出させることができ、ベントキャップ2の換気性能を向上させることができる。
さらに、整流用前面通気部43は、上述のように細長く形成されて自身の開口面積を絞ることによって、整流用前面通気部43から吹き出す気流の速度を高めることができる。この速度の高まった気流には、周りの気流を引き寄せる効果が生じる。ベントキャップ2では、整流用前面通気部43が側面開口部27に隣接して設けられているので、整流用前面通気部43から吹き出す気流が側面開口部27から吹き出す気流を引き寄せて前面部41の前方側に吹き出すように誘導することができる(図6参照)。さらに、整流用前面通気部43からの気流は、側面開口部27からの気流と合流して自身も前方に向かって流れる。したがって、ベントキャップ2によれば、カバー40から吹き出す気流を全体的に前向きとすることができる。
図6で示した例では、最も壁寄りに吹き出す気流は、壁面Wから56°の位置にある。すなわち、図6で示した例では、気流の左端及び右端が壁面Wから45°を大きく上回る位置にあり、X方向における外方よりもY方向における前方に近い方向、すなわち、前向きに気流が吹き出していると言える。
整流用前面通気部43は、X方向に例えば5mmの幅を有すれば、整流用前面通気部43から吹き出す気流が側面開口部27からの気流を引き寄せて前面部41の前方側に吹き出すように誘導する効果を充分に発揮することができる。さらに、整流用前面通気部43は、X方向に幅を広げるほど、X方向に例えば15mmの幅を有すると、気流が側面開口部27から吹き出す方向をより前向きとすることができ、それとともにベントキャップ2の換気性能を向上させることができる。
しかしながら、ベントキャップ2では、整流用前面通気部43のX方向における幅が狭いほど、その耐外風性能を高めることができ、それとともに意匠性を高めることができる。これらのことから、整流用前面通気部43は、X方向に5mmの幅を有すれば充分であり、これによって、側面開口部27から吹き出す気流を引き寄せて前面部41の前方側に吹き出すように誘導する効果を充分に発揮することができる。
ここで、図7は気流の方向を矢印で示すとともに、気流の速度分布を濃淡図で示したものであり、色が濃いほど速度が高いことを示している。図7で示すように、整流用前面通気部43が前面部41の左右における端部から離れすぎていると、整流用前面通気部43から吹き出す気流が側面開口部27からの気流を引き寄せにくくなってしまう。そして、整流用前面通気部43から吹き出す気流は、側面開口部27からの気流とは合流せずに単独で前方に向かって流れることとなる。さらに、整流用前面通気部43から吹き出す気流が側面開口部27から吹き出す気流と合流しないと、側面開口部27からの気流を引き寄せにくくなるので、ベントキャップ2の換気性能が低下してしまう。
これに対し、図8で示すように、整流用前面通気部43が前面部41の左右における端部から適切な距離であることによって、整流用前面通気部43から吹き出す気流が側面開口部27からの気流を引き寄せるように作用することができる。整流用前面通気部43は、前面部41の左右における端部からの位置が近いほど、側面開口部27から吹き出す気流を引き寄せて前面部41の前方側に吹き出すように誘導する効果を高めることができる。このとき、整流用前面通気部43が前面部41の左右における端部からの位置が近いほど、整流用前面通気部43から吹き出す気流がX方向における外方からY方向における前方を向いてくる。そして、整流用前面通気部43からY方向における前方に向かって吹き出す気流が側面開口部27から吹き出す気流と合流することによって、カバー40から吹き出す気流を全体的に前向きとすることができる。
整流用前面通気部43は、前面部41の左右方向における全幅に対し、前面部41の左右における端部から例えば30%未満の位置に設けられれば良い。これは、例えば内径が150mmの換気口に取り付けられ、前面部41の全幅が169mmに形成されたベントキャップ2の場合には、前面部41の左右における端部から51mm未満の位置に相当する。これによって、整流用前面通気部43から吹き出す気流が側面開口部27からの気流を引き寄せて前面部41の前方側に吹き出すように誘導する効果を充分に発揮することができる。整流用前面通気部43は、前面部41の左右における端部から離間している必要はなく、製造上可能な位置に設けられていれば良い。このとき、整流用前面通気部43は、前面部41の左右における端部から例えば5%の位置に設けることができる。これは、上述と同様のベントキャップ2の場合には、端部から9mmの位置に相当する。
以上のように前面部41には、整流用前面通気部43が側面開口部27に隣接して設けられている。このため、整流用前面通気部43によって、差込筒12からの気流を通過可能とするとともに、その通過後の気流によって、側面開口部27からの気流を引き寄せて前方に吹き出すように誘導することができる。よって、ベントキャップ2の換気性能をより向上させるとともに、側面開口部27から吹き出される気流の方向をより前方に向けることができる。
第3実施形態〔図9-図12〕
以下、本出願の第3実施形態としてのベントキャップ3について図面を参照しつつ説明する。図9及び図10で示すように、第3実施形態のベントキャップ3では、ベース50、前面部61及び側面傾斜部66が第2実施形態のベース10、前面部41及び側面傾斜部26とは異なる。第3実施形態のベントキャップ3は、それ以外については第2実施形態のベントキャップ2と同様である。ここでは、第2実施形態とは異なる点について説明する。
ベントキャップ3は、図9で示すように、ベース50と、カバー60とを備えている。そして、ベース50は、図10で示すように、背面板11と、差込筒12とに加えて、ベルマウス51を有する。
ベルマウス51は、自身の内壁面に沿って気流の方向を整流する部位である。ベルマウス51は、背面板11の正面側の板面に接続されている。ベルマウス51は、ベントキャップ3の正面視において六角形状で背面板11の板面における中央部からY方向における前方に向かって伸長する中空の六角筒形状とされている。ベルマウス51の外寸及び内寸(対辺及び対角)は、ベルマウス51のY方向における前方に向かって末広がりとなるテーパー形状とされている。これによって、ベルマウス51は、前方に向かって次第に開口面積が大きくなる形状とされている。ベルマウス51は、Y方向においては、側面基部25と側面傾斜部66との境界の手前まで前方に向かって伸長している。ベルマウス51のY方向における前端には、ベルマウス51の径方向外方に突出するフランジ部52が形成されていても良い。
側面傾斜部66は、カバー60の側面部62に形成されている。そして、側面傾斜部66は、上部閉塞部64を有する。上部閉塞部64は、側面部62の上部を塞ぐ部位である。上部閉塞部64は、図9等で示すように、側面傾斜部66の上下方向に比べて前後方向に長い長方形状の板面を有する平板形状とされている。ベントキャップ3では、側面傾斜部66が上部閉塞部64を有することによって、側面開口部67、桟68及び整流翼片69の上端が上部閉塞部64のZ方向における長さの分だけ下方に位置している。
前面部61には、整流用前面通気部63が設けられている。整流用前面通気部63の上端も、側面開口部67、桟68及び整流翼片69の上端に合わせて上部閉塞部64のZ方向における長さの分だけ下方に位置している。
ベルマウス51の前端は、側面開口部67の後端よりも後方に一段下がった配置とされている(図15も参照)。この配置によって、ベルマウス51から吹き出す気流を側面開口部67においてその後端からも効率良く吹き出させることができる。したがって、このような配置のベルマウス51は、ベントキャップ3の換気性能をより向上させることができる。
さらに、差込筒12の軸方向に対し、ベルマウス51の傾斜角度は、整流翼片69の傾斜角度よりも小さく構成されている(図15も参照)。このような角度の関係によって、ベルマウス51から吹き出す気流を整流翼片69の背面側の板面に効果的に当てることができる。そして、整流翼片69の板面に当たった気流を側面開口部67から効率良く吹き出させることができる。したがって、このような角度の関係を有するベルマウス51及び整流翼片69は、ベントキャップ3の換気性能をより向上させることができる。
ここで、図11で示すように、ベントキャップ3がベルマウス51及び上部閉塞部64を有しないと、カバー60から吹き出す気流が上下方向にやや広がってしまう。図11で示した例では、気流の上端及び下端は、それぞれ壁面Wから65°及び62°の位置にある。
これに対し、図12で示すように、ベントキャップ3がベルマウス51及び上部閉塞部64を有することによって、カバー60から吹き出す気流の上下方向、特に上方向への広がりを抑えることができる。図12で示した例では、気流の上端及び下端は、それぞれ壁面Wから84°及び80°の位置にある。特に気流の上端が壁面Wに対して略垂直方向となっている。
ベントキャップ3では、側面傾斜部66が上部閉塞部64を有することによって、側面開口部67の上下方向における長さが短くなるので、側面開口部67から吹き出す気流の上下方向への広がりを抑えることができる。
ここで、カバー60の上下方向における中央部では、その上部及び下部と比べると、上下方向へ拡散性の高い気流が吹き出しやすい。
しかしながら、ベントキャップ3では、側面開口部67の開口面積が絞られることによって、底面部24に沿って整流されてZ方向について直進性の高い気流が側面開口部67の下部からより高速度で吹き出すようになる。これによって、下方に拡散する気流が上方に引き寄せられ、下方に向かう気流の量を減少させることができる。他方で、側面開口部67の上部からもZ方向について直進性の高い気流が吹き出すものの、カバー60の上部の空間で滞留する気流の影響を受けて、側面開口部67の下部ほどは速度の高い気流が吹き出すようにはならない。これによって、上方に拡散する気流が下方に引き寄せられる量は、下方に拡散する気流と比べると少なくなるものの、上方に向かう気流の量を減少させることができる。
以上のようにベントキャップ3では、側面傾斜部66が上部閉塞部64を有することによって、側面開口部67から吹き出す気流の下方への広がりを抑えることができ、それとともに、上方への広がりをやや抑えることができる。
図9及び図10で示すように、上部閉塞部64は、Z方向について、カバー60の上端から差込筒12の内周面の上端までを塞ぐ長さを有すると良い。これによって、側面開口部67から吹き出す気流の上下方向への広がりを抑えることができ、それとともに、側面開口部67の開口面積が狭くなることによる換気性能の低下を抑えることができる。上部閉塞部64は、Z方向について、例えばカバー60の15%以上25%以下の長さを有するように構成されると、上述の効果を更に高めることができる。図9及び図10で示すベントキャップ3では、上部閉塞部64は、Z方向について、カバー60の18.3%の長さを有する。
ベルマウス51は、差込筒12からの気流を徐々に差込筒12の径方向における外方に拡散させることができる。すなわち、ベルマウス51は、差込筒12からカバー60に吹き込む気流を整流して、カバー60の内部の空間において気流の滞留を抑制することができる。これによって、側面開口部67から吹き出す気流の上下方向への広がりを抑えることができ、それとともに、ベントキャップ3の換気性能の低下を抑えることができる。
さらに、ベルマウス51は、差込筒12と連通してベース50のY方向における前方に向かって伸長しているので、ベルマウス51の前端が差込筒12からの流路の出口となって側面開口部67との距離を短くすることができる。このため、カバー60の内部に吹き込む気流を側面開口部67から速やかに吹き出させることができ、カバー60の内部における滞留の発生を抑制することができる。したがって、ベントキャップ3の換気性能を向上させることができ、それとともに、側面開口部67から吹き出す気流の上下方向への広がりを抑えることができる。
以上のようにベントキャップ3では、側面部62は、側面部62の上部を塞ぐ上部閉塞部64を有する。このため、側面開口部67から吹き出される気流の方向をより前方に向けることができることに加え、上部閉塞部64によって、差込筒12からの気流が上(建物の天井)側に吹き出されることを抑制することができる。
さらに、ベントキャップ3では、ベース50は、前方に向かって次第に開口面積が大きくなるベルマウス51を有する。このため、ベルマウス51によって、差込筒12からの気流を徐々に差込筒12の径方向における外方に拡散させることができる。その際に、ベース50の前方に向かって形成されるベルマウス51と側面開口部67との距離を短くすることができる。このため、ベルマウス51から吹き込む気流を側面開口部67から速やかに吹き出すことができ、これによって、上部閉塞部64で気流の滞留を抑制することができる。よって、ベントキャップ3の換気性能を向上させるとともに、気流が建物の天井の側に吹き出されることを抑制することができる。
第4実施形態〔図13-図17〕
以下、本出願の第4実施形態としてのベントキャップ4について図面を参照しつつ説明する。図13~図15で示すように、第4実施形態のベントキャップ4では、前面部81、側面傾斜部86の構成及び差込筒12と側面傾斜部86との位置関係が第3実施形態とは異なる。第4実施形態のベントキャップ4は、それ以外については第3実施形態のベントキャップ3と同様である。ここでは、第3実施形態とは異なる点について説明する。
ベントキャップ4は、図13及び図15で示すように、ベース50と、カバー80とを備えている。そして、カバー80の前面部81は、傾斜面90を有する。傾斜面90は、差込筒12からの気流をカバー80の側面部82における側面開口部87に受け流す部位である。傾斜面90は、少なくともカバー80の内面側を構成する前面部81の背面側に設けられる。傾斜面90は、前面部81のX方向における中心から左右それぞれの外方に向かってY方向で前方に傾斜している。このような傾斜面90によって背面が構成される前面部81は、図15で示すように、カバー80の水平方向における断面視において、X方向における中心を後端として屈曲するV字形状とされている。
差込筒12からの気流が傾斜面90に当たって前向きの推進力を保持したまま更に前方に進むと、傾斜面90に沿ってX方向における外方に進むこととなる。そして、気流は、側面開口部87又は整流用前面通気部63を経由してカバー80の外に吹き出される。
傾斜面90は、差込筒12からカバー80に吹き込む気流を自身の板面に沿わせることによって、前面部81のX方向における外方に向かうように整流することができる。すなわち、上述のように傾斜面90は、X方向における中心から左右それぞれの外方に向かってY方向で前方に傾斜しているので、気流を側面開口部87又は整流用前面通気部63の方向に受け流すことができる。他方で、傾斜面90の終端部には側面開口部87又は整流用前面通気部63が設けられているので、整流して誘導した気流をカバー80の外に速やかに吹き出すことができる。したがって、ベントキャップ4では、傾斜面90によって、気流を滞留させずに誘導し、速やかに排出することができるので、換気性能を向上させることができる。
ここで、差込筒12の軸方向の直交方向、すなわち、X方向に対する傾斜面90の傾きを傾斜面90の傾斜角度と定義する。このとき、傾斜面90は、0°を超える傾斜角度を有することによって、傾斜角度を有しない場合と比べてベントキャップ4の換気性能を向上させることができる。さらに、傾斜面90は、5°を超える例えば7°の傾斜角度を有することによって、ベントキャップ4の換気性能をより向上させることができる。
他方で、傾斜面90は傾斜角度が大きいほど換気性能を向上させることができて、その値には厳密な上限はない。しかしながら、傾斜面90が15°以下の傾斜角度を有する構成であると、カバー80がY方向に大きく突出することがなく、ベントキャップ4を小型化(薄型化)することができて好ましい。そして、傾斜面90が15°以下の傾斜角度を有することによって、この傾斜面90によって、差込筒12からの気流を適切に整流することができる。よって、ベントキャップ4の換気性能をより向上させることができる。
なお、前面部81は一様の板厚を有するので、前面部81の正面側の中央部にはY方向における後方に向かって陥没する凹みが形成されている。これによって、ベントキャップ4では、前面部81が一面平坦に形成される構成と比べて意匠性を高めることができる。しかしながら、傾斜面90は前面部81の背面側にさえ形成されていれば良く、前面部81の正面側の形状には特に制限はない。
以上のように、前面部81は差込筒12からの気流を側面開口部87に受け流す傾斜面90を有するので、傾斜面90の整流作用によって、ベントキャップ4の換気性能をより向上させることができる。
側面傾斜部86は、側面部82に形成されている。そして、側面傾斜部86は、壁面側閉塞部91を有する。壁面側閉塞部91は、側面傾斜部86の壁面側、すなわち、Y方向における後部を塞ぐ部位である。壁面側閉塞部91は、図13等で示すように、側面傾斜部86の前後方向に比べて上下方向に長い長方形状の板面を有する平板形状とされている。ベントキャップ4では、側面傾斜部86が壁面側閉塞部91を有することによって、側面開口部87の後端が壁面側閉塞部91のY方向における長さの分だけ前方に位置している。そして、図13等で例示されるベントキャップ4では、側面開口部67に比べて壁面側閉塞部91のY方向における長さの分だけ短くなった側面開口部87に対応して、3本の桟88及び3本の整流翼片89が形成されている。
なお、図13等で例示されるベントキャップ4では、側面傾斜部86がY方向に対して27°傾斜している。さらに、図13等で例示されるベントキャップ4では、桟88が前後方向に6mmの長さを有する。そして、図13等で例示されるベントキャップ4では、整流翼片89が前後方向に15mmの長さを有し、差込筒12の軸方向に対して35°の傾斜角度を有する。図13等で示すベントキャップ3では、上部閉塞部64は、Z方向について、換気口の内径が150mmの場合にはカバー60の17.1%の長さを有し、換気口の内径が100mmの場合にはカバー60の22.5%の長さを有する。このように、換気口の内径が小さい場合には、Z方向について、カバー60に対する上部閉塞部64の長さの割合が大きくなっても良い。
壁面側閉塞部91は、カバー80の側面部82において、気流が吹き出されることのない領域である。このため、壁面側閉塞部91は、少なくとも自身のY方向における長さ分だけ、気流がカバー80の側面部82から吹き出す位置を壁面Wから遠ざけることができる。このように側面部82は、建物の壁面Wの側で側面部82を塞ぐ壁面側閉塞部91を有するので、壁面側閉塞部91によって、気流が壁面Wの付近から吹き出されることを抑制することができる。
壁面側閉塞部91は、側面傾斜部86における壁面Wの側の端からY方向における前方に向かって例えば5mm以上30mm以下の長さを有することによって、気流が壁面Wの付近から吹き出されることを抑制することができる。さらに、壁面側閉塞部91は、ベントキャップ4の小型化(Y方向での薄型化)の及び換気性能の観点から側面傾斜部86における壁面Wの側の端からY方向における前方に向かって例えば15mm以上20mm以下の長さを有することがより好ましい。図13等で例示されるベントキャップ4では、壁面側閉塞部91は、17.5mmの長さを有する。
ベントキャップ4では、側面開口部87は、図14及び図15で示すように、差込筒12のY方向における前方への延長線上に位置する。すなわち、ベントキャップ4は、差込筒12のX方向における左右端付近からY方向における前方に向かって直進する気流が側面開口部87に到達可能な位置関係に構成されている。ここでは、側面部82の形状が同一のベントキャップ4であって、側面開口部87が差込筒12の前方への延長線上に位置するものと位置しないもの(例えば図10参照)との比較を行う。
このとき、側面開口部87が差込筒12の前方への延長線上に位置するものでは、この位置関係によって、そうでないものと比べると、特に差込筒12の軸方向と直交する方向において差込筒12と側面開口部87との距離を短くすることができる。このため、気流の上流側である壁面W(後ろ)の側における側面開口部87からの気流の吹き出し量を増やすことができ、その結果として、気流の下流側である側面開口部87の前側で気流の滞留を抑制することができる。よって、ベントキャップ4の換気性能をより向上させることができる。
さらに、ベントキャップ4では、前面部81が差込筒12からの気流を側面開口部87に受け流す傾斜面90を有する構成と、側面開口部87が差込筒12のY方向における前方への延長線上に位置する構成とを併有することが好ましい。このような構成を有するベントキャップ4では、前面部81に近い側面開口部87から吹き出す気流をより前向きとすることができる。よって、ベントキャップ4の換気性能をより向上させることができ、それとともに、側面開口部87から吹き出す気流をより前向きとすることができる。
本出願にて開示する「ベントキャップ」では、各実施形態で示した構成を矛盾の生じない範囲で自由に組み合わせることができる。例えば第3実施形態におけるベルマウス51及び上部閉塞部64の少なくとも一方は、第1実施形態の構成又は第2実施形態の構成と組み合わされても良い。例えば第4実施形態における傾斜面90及び壁面側閉塞部91の少なくとも一方は、第1実施形態の構成、第2実施形態の構成又は第3実施形態の構成と組み合わされても良い。例えば第4実施形態における差込筒12と側面傾斜部86との位置関係は、第1実施形態の構成、第2実施形態の構成又は第3実施形態の構成と組み合わされても良い。
なお、上記のように本発明の各実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。