JP7050729B2 - インク組成物、インクジェット記録用インク、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インク組成物、インクジェット記録用インク、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Description

本発明は、インク組成物、インクジェット記録用インク、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、更にカラー記録が容易であることから、急速に普及し、更に発展しつつある。
インクジェット記録方法に用いられるインク組成物としては、種々の着色剤(色素)を含む組成物が提案されている。また、様々な性能を向上させるべく、インク組成物に添加する化合物についても検討がされている。
例えば、特許文献1には、フタロシアニン色素と特定の平面状化合物とを併用することで、インクジェット印画物のブロンズ光沢が抑制されたシアンインクとすることが開示されている。
特開2005-105261号公報
しかしながら、近年、インクの分野については更なる性能の向上が求められており、特に、グレーからブラックの画像について、自然経時(特に湿度の変化)により、色調が変化してしまうという問題があった。また、印画濃度、耐光性、及び耐オゾン性についても高い性能が求められる。
本発明の課題は、グレーからブラックの色相、及び印画濃度に優れ、かつ耐湿性、耐光性、及び耐オゾン性に優れた画像を形成することができるインク組成物、インクジェット記録用インク、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明者らは、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
[1]
下記一般式(V)で表される着色剤及び下記一般式(VI)で表される着色剤のいずれか少なくとも1種、水、下記一般式(II)で表される化合物、及び下記一般式(III)で表される調色剤を含有するインク組成物。
Figure 0007050729000001

Figure 0007050729000002

一般式(V)及び一般式(VI)中、R 30 は置換されていてもよい芳香族基を表す。R 4S は-NO 、-NHCOR 5S 、-NHSO 5S 、又は-NHCONHR 5S を表す。R 5S は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいヘテロ環基を表す。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
Figure 0007050729000003

一般式(II)中、Ar 20 はベンゼン環又はナフタレン環を表す。R 21 ~R 28 はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R 21 とR 22 が結合して環を形成してもよい。R 23 とR 24 が結合して環を形成してもよい。R 25 とR 26 が結合して環を形成してもよい。R 27 とR 28 が結合して環を形成してもよい。R 29 は置換基を表す。Ar 20 がベンゼン環を表す場合、kは0~4の整数を表す。Ar 20 がナフタレン環を表す場合、kは0~6の整数を表す。R 29 が複数存在する場合、複数のR 29 はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R 29 が複数存在する場合、複数のR 29 が結合して環を形成してもよい。ただし、一般式(II)で表される化合物は、少なくとも1つの親水性基を有する。
Figure 0007050729000004

一般式(III)中、Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Zは2価の連結基を表す。
[2]
下記一般式(M1)~(M8)のいずれかで表される調色剤を含有する[1]に記載のインク組成物。
Figure 0007050729000005

一般式(M1)中、R 41 及びR 42 はそれぞれ独立に置換基を表す。p1及びp2はそれぞれ独立に0~5の整数を表す。R 41 及びR 42 が複数存在する場合は、それぞれ同一でも異なってもよい。少なくとも2つのR 41 が互いに結合して環を形成してもよい。少なくとも2つのR 42 が互いに結合して環を形成してもよい。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
Figure 0007050729000006

一般式(M2)中、Ar 及びAr はそれぞれ独立に置換基を有してもよい芳香族基又は置換基を有してもよいヘテロ環基を表す。L は2価の連結基を表す。Z 及びZ はそれぞれ独立に-OM’又はハロゲン原子を表す。M及びM’はそれぞれ独立に水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。M’が複数存在する場合、複数のM’はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
Figure 0007050729000007

一般式(M3)中、R 43 及びR 44 はそれぞれ独立に置換基を表す。p3及びp4はそれぞれ独立に0~5の整数を表す。R 43 及びR 44 が複数存在する場合は、それぞれ同一でも異なってもよい。少なくとも2つのR 43 が互いに結合して環を形成してもよい。少なくとも2つのR 44 が互いに結合して環を形成してもよい。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
Figure 0007050729000008

一般式(M4)中、R 45 、R 46 及びR 47 はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R 46 及びR 47 が互いに結合して環を形成してもよい。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
Figure 0007050729000009

一般式(M5)中、R 51 ~R 512 はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R 51 及びR 52 が互いに結合して環を形成してもよい。R 53 及びR 54 が互いに結合して環を形成してもよい。R 58 ~R 512 の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。一般式(M5)で表される調色剤は少なくとも1つの-SO Mを有する。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。
Figure 0007050729000010

一般式(M6)中、R 61 ~R 66 はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R 63 ~R 66 の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。
Figure 0007050729000011

一般式(M7)中、R 71 ~R 74 はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。L は2価の連結基を表す。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
Figure 0007050729000012

一般式(M8)中、R 81 ~R 812 はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R 81 ~R 85 の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。R 86 ~R 810 の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。
[3]
上記一般式(II)で表される化合物が、少なくとも1つのイオン性親水性基を有する[1]又は[2]に記載のインク組成物。
[4]
上記一般式(II)中のR 21 ~R 29 のいずれか少なくとも1つがイオン性親水性基を有する[1]~[3]のいずれか1項に記載のインク組成物。
[5]
上記一般式(II)で表される化合物の含有量が、インク組成物の全質量を基準として、0.5~1.5質量%であり、グレーインク用である、[1]~[4]のいずれか1項に記載のインク組成物。
[6]
上記一般式(II)で表される化合物の含有量が、インク組成物の全質量を基準として、3.0~5.0質量%であり、ブラックインク用である、[1]~[4]のいずれか1項に記載のインク組成物。
[7]
キレート剤を含有し、上記キレート剤の含有量が、上記インク組成物の全質量を基準として、0.001~0.3質量%である、[1]~[6]のいずれか1項に記載のインク組成物。
[8]
[1]~[7]のいずれか1項に記載のインク組成物を含むインクジェット記録用インク。
[9]
[8]に記載のインクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法。
本発明は、上記[1]~[9]に係る発明であるが、以下、それ以外の事項についても参考のため記載している。
<1>
下記一般式(I)で表される着色剤、水、下記一般式(II)で表される化合物、及び下記一般式(III)で表される調色剤を含有するインク組成物。
Figure 0007050729000013
一般式(I)中、R、R、及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。mは1~6の整数を表す。Gは窒素原子又は-C(-W)=を表す。Wはハメットの置換基定数σp値が0.2以上の電子求引性基を表す。Rは置換基を有していてもよい芳香族基又は置換基を有していてもよいヘテロ環基を表す。
Figure 0007050729000014
一般式(II)中、Ar20はベンゼン環又はナフタレン環を表す。R21~R28はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R21とR22が結合して環を形成してもよい。R23とR24が結合して環を形成してもよい。R25とR26が結合して環を形成してもよい。R27とR28が結合して環を形成してもよい。R29は置換基を表す。Ar20がベンゼン環を表す場合、kは0~4の整数を表す。Ar20がナフタレン環を表す場合、kは0~6の整数を表す。R29が複数存在する場合、複数のR29はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R29が複数存在する場合、複数のR29が結合して環を形成してもよい。ただし、一般式(II)で表される化合物は、少なくとも1つの親水性基を有する。
Figure 0007050729000015
一般式(III)中、Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Zは2価の連結基を表す。
<2>
下記一般式(M1)~(M8)のいずれかで表される調色剤を含有する<1>に記載のインク組成物。
Figure 0007050729000016
一般式(M1)中、R41及びR42はそれぞれ独立に置換基を表す。p1及びp2はそれぞれ独立に0~5の整数を表す。R41及びR42が複数存在する場合は、それぞれ同一でも異なってもよい。少なくとも2つのR41が互いに結合して環を形成してもよい。少なくとも2つのR42が互いに結合して環を形成してもよい。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
Figure 0007050729000017
一般式(M2)中、Ar及びArはそれぞれ独立に置換基を有してもよい芳香族基又は置換基を有してもよいヘテロ環基を表す。Lは2価の連結基を表す。Z及びZはそれぞれ独立に-OM’又はハロゲン原子を表す。M及びM’はそれぞれ独立に水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。M’が複数存在する場合、複数のM’はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
Figure 0007050729000018
一般式(M3)中、R43及びR44はそれぞれ独立に置換基を表す。p3及びp4はそれぞれ独立に0~5の整数を表す。R43及びR44が複数存在する場合は、それぞれ同一でも異なってもよい。少なくとも2つのR43が互いに結合して環を形成してもよい。少なくとも2つのR44が互いに結合して環を形成してもよい。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
Figure 0007050729000019
一般式(M4)中、R45、R46及びR47はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R46及びR47が互いに結合して環を形成してもよい。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
Figure 0007050729000020
一般式(M5)中、R51~R512はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R51及びR52が互いに結合して環を形成してもよい。R53及びR54が互いに結合して環を形成してもよい。R58~R512の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。一般式(M5)で表される調色剤は少なくとも1つの-SOMを有する。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。
Figure 0007050729000021
一般式(M6)中、R61~R66はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R63~R66の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。
Figure 0007050729000022
一般式(M7)中、R71~R74はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。Lは2価の連結基を表す。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
Figure 0007050729000023
一般式(M8)中、R81~R812はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R81~R85の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。R86~R810の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。
<3>
上記一般式(I)で表される着色剤が、下記一般式(IV)で表される着色剤である<1>又は<2>に記載のインク組成物。
Figure 0007050729000024
一般式(IV)中、Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。nは1又は2を表す。Gは、窒素原子又は-C(-W)=を表す。W及びWはそれぞれ独立にハメットの置換基定数σp値が0.2以上の電子求引性基を表す。R30は置換されていてもよい芳香族基を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。
<4>
上記一般式(I)で表される着色剤が、下記一般式(V)で表される着色剤及び下記一般式(VI)で表される着色剤のいずれか少なくとも1種を含む<1>~<3>のいずれか1項に記載のインク組成物。
Figure 0007050729000025
Figure 0007050729000026
一般式(V)及び一般式(VI)中、R30は置換されていてもよい芳香族基を表す。R4Sは-SOM、-NO、-NHCOR5S、-NHSO5S、又は-NHCONHR5Sを表す。R5Sは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいヘテロ環基を表す。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
<5>
上記一般式(II)で表される化合物が、少なくとも1つのイオン性親水性基を有する<1>~<4>のいずれか1項に記載のインク組成物。
<6>
上記一般式(II)中のR21~R29のいずれか少なくとも1つがイオン性親水性基を有する<1>~<5>のいずれか1項に記載のインク組成物。
<7>
上記一般式(II)で表される化合物の含有量が、インク組成物の全質量を基準として、0.5~1.5質量%であり、グレーインク用である、<1>~<6>のいずれか1項に記載のインク組成物。
<8>
上記一般式(II)で表される化合物の含有量が、インク組成物の全質量を基準として、3.0~5.0質量%であり、ブラックインク用である、<1>~<6>のいずれか1項に記載のインク組成物。
<9>
キレート剤を含有し、上記キレート剤の含有量が、上記インク組成物の全質量を基準として、0.001~0.3質量%である、<1>~<8>のいずれか1項に記載のインク組成物。
<10>
<1>~<9>のいずれか1項に記載のインク組成物を含むインクジェット記録用インク。
<11>
<10>に記載のインクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法。
本発明によれば、グレーからブラックの色相、及び印画濃度に優れ、かつ耐湿性、耐光性、及び耐オゾン性に優れた画像を形成することができるインク組成物、インクジェット記録用インク、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。
<インク組成物>
本発明のインク組成物は、下記一般式(I)で表される着色剤、水、下記一般式(II)で表される化合物、及び下記一般式(III)で表される調色剤を含有するインク組成物である。
Figure 0007050729000027
一般式(I)中、R、R、及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。mは1~6の整数を表す。Gは窒素原子又は-C(-W)=を表す。Wはハメットの置換基定数σp値が0.2以上の電子求引性基を表す。Rは置換基を有していてもよい芳香族基又は置換基を有していてもよいヘテロ環基を表す。
Figure 0007050729000028
一般式(II)中、Ar20はベンゼン環又はナフタレン環を表す。R21~R28はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R21とR22が結合して環を形成してもよい。R23とR24が結合して環を形成してもよい。R25とR26が結合して環を形成してもよい。R27とR28が結合して環を形成してもよい。R29は置換基を表す。Ar20がベンゼン環を表す場合、kは0~4の整数を表す。Ar20がナフタレン環を表す場合、kは0~6の整数を表す。R29が複数存在する場合、複数のR29はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R29が複数存在する場合、複数のR29が結合して環を形成してもよい。ただし、一般式(II)で表される化合物は、少なくとも1つの親水性基を有する。
Figure 0007050729000029
一般式(III)中、Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Zは2価の連結基を表す。
本発明のインク組成物が、グレーからブラックの色調に優れ、かつ耐湿性に優れた画像を形成することができる理由については完全には明らかになっていないが、本発明者らは以下のように推定している。
一般式(I)で表される着色剤と、一般式(III)で表される調色剤とを含むインク組成物を用いて、インクジェット法により、グレーからブラックの色調に優れた画像を形成することができる。形成された直後の画像では、一般式(I)で表される着色剤は比較的安定な会合状態を形成していると考えられる。一方で、周囲の環境の湿度が高くなると、水溶性の高い一般式(I)で表される着色剤は、水分をドライビングフォースとして、更に安定な会合状態へ進行する(色素のH会合体のような存在状態の変化)と考えられ、その結果、画像の色調が変化(H会合体に由来する色調の短波長シフト)してしまうと推定している。
そこで、本発明では、平面性の高い化合物である一般式(II)で表される化合物を添加することで、インクジェット法により形成された直後の画像における、一般式(I)で表される着色剤の比較的安定な会合状態を、一般式(I)で表される着色剤と一般式(II)で表される化合物の分子間相互作用にて安定化する、又は画像形成直後から一般式(I)で表される着色剤と一般式(II)で表される化合物の分子間相互作用にてより安定な会合状態を形成できる。その結果、周囲の環境(湿度・光・活性ガス)変化による、一般式(I)で表される着色剤が会合状態の変化を引き起こすことなく、画像の色調の変化を抑制することができ、画像堅牢性(耐湿性・耐光性・耐オゾン性)を向上できたと考えられる。
(一般式(I)で表される着色剤)
一般式(I)で表される着色剤について説明する。
Figure 0007050729000030
一般式(I)中、R、R、及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。mは1~6の整数を表す。Gは窒素原子又は-C(-W)=を表す。Wはハメットの置換基定数σp値が0.2以上の電子求引性基を表す。Rは置換基を有していてもよい芳香族基又は置換基を有していてもよいヘテロ環基を表す。
、R、及びRがそれぞれ置換基を表す場合、置換基としては、特に限定されないが、例えば、下記置換基群Aから選ばれる置換基を挙げることができる。
<置換基群A>
置換基群Aは以下の置換基を含む。
ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、シアノ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、ヘテロ環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロ環スルフィニル基、スルファモイル基、アゾ基、イオン性親水性基及びこれらを組み合わせてなる置換基。
以下、置換基群Aの各置換基について詳細に説明する。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
脂肪族基としては、例えば、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基、及び置換アラルキル基が挙げられる。脂肪族基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は1~20であることが好ましく、1~16であることがさらに好ましい。アラルキル基および置換アラルキル基のアリール基部分はフェニル基またはナフチル基であることが好ましく、フェニル基が特に好ましい。脂肪族基の例には、メチル基、エチル基、ブチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル基、シアノエチル基、トリフルオロメチル基、3-スルホプロピル基、4-スルホブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、2-フェネチル基、ビニル基およびアリル基を挙げることができる。
芳香族基としては、例えば、アリール基、置換アリール基が挙げられる。アリール基は、フェニル基またはナフチル基であることが好ましい。芳香族基の炭素原子数は6~20であることが好ましく、6~16がさらに好ましい。芳香族基の例には、フェニル基、p-トリル基、p-メトキシフェニル基、o-クロロフェニル基およびm-(3-スルホプロピルアミノ)フェニル基が含まれる。
ヘテロ環基には、置換基を有するヘテロ環基および無置換のヘテロ環基が含まれる。ヘテロ環に脂肪族環、芳香族環または他のヘテロ環が縮合していてもよい。ヘテロ環基としては、5員または6員環のヘテロ環基が好ましく、ヘテロ環のヘテロ原子としてはN、O、およびSを挙げることができる。上記置換基の例には、脂肪族基、ハロゲン原子、アルキル基及びアリールスルホニル基、アシル基、アシルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、イオン性親水性基などが含まれる。ヘテロ環基の例には、2-ピリジル基、2-チエニル基、2-チアゾリル基、2-ベンゾチアゾリル基、2-ベンゾオキサゾリル基および2-フリル基が含まれる。
カルバモイル基には、置換基を有するカルバモイル基および無置換のカルバモイル基が含まれる。上記置換基の例には、アルキル基が含まれる。上記カルバモイル基の例には、メチルカルバモイル基およびジメチルカルバモイル基が含まれる。
アルコキシカルボニル基には、置換基を有するアルコキシカルボニル基および無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数が2~20のアルコキシカルボニル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニル基およびエトキシカルボニル基が含まれる。
アリールオキシカルボニル基には、置換基を有するアリールオキシカルボニル基および無置換のアリールオキシカルボニル基が含まれる。アリールオキシカルボニル基としては、炭素原子数が7~20のアリールオキシカルボニル基が好ましい。上記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アリールオキシカルボニル基の例には、フェノキシカルボニル基が含まれる。
ヘテロ環オキシカルボニル基には、置換基を有するヘテロ環オキシカボニル基および無置換のヘテロ環オキシカルボニル基が含まれる。ヘテロ環オキシカルボニル基としては、炭素原子数が2~20のヘテロ環オキシカルボニル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。ヘテロ環オキシカルボニル基の例には、2-ピリジルオキシカルボニル基が含まれる。
アシル基には、置換基を有するアシル基および無置換のアシル基が含まれる。アシル基としては、炭素原子数が1~20のアシル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アシル基の例には、アセチル基およびベンゾイル基が含まれる。
アルコキシ基には、置換基を有するアルコキシ基および無置換のアルコキシ基が含まれる。アルコキシ基としては、炭素原子数が1~20のアルコキシ基が好ましい。置換基の例には、アルコキシ基、ヒドロキシル基、およびイオン性親水性基が含まれる。アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ基および3-カルボキシプロポキシ基が含まれる。
アリールオキシ基には、置換基を有するアリールオキシ基および無置換のアリールオキシ基が含まれる。アリールオキシ基としては、炭素原子数が6~20のアリールオキシ基が好ましい。置換基の例には、アルコキシ基およびイオン性親水性基が含まれる。アリールオキシ基の例には、フェノキシ基、p-メトキシフェノキシ基およびo-メトキシフェノキシ基が含まれる。
ヘテロ環オキシ基には、置換基を有するヘテロ環オキシ基および無置換のヘテロ環オキシ基が含まれる。ヘテロ環オキシ基としては、炭素原子数が2~20のヘテロ環オキシ基が好ましい。置換基の例には、アルキル基、アルコキシ基、およびイオン性親水性基が含まれる。ヘテロ環オキシ基の例には、3-ピリジルオキシ基、3-チエニルオキシ基が含まれる。
シリルオキシ基としては、炭素原子数が1~20の脂肪族基、芳香族基が置換したシリルオキシ基が好ましい。シリルオキシ基の例には、トリメチルシリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシが含まれる。
アシルオキシ基には、置換基を有するアシルオキシ基および無置換のアシルオキシ基が含まれる。アシルオキシ基としては、炭素原子数1~20のアシルオキシ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アシルオキシ基の例には、アセトキシ基およびベンゾイルオキシ基が含まれる。
カルバモイルオキシ基には、置換基を有するカルバモイルオキシ基および無置換のカルバモイルオキシ基が含まれる。置換基の例には、アルキル基が含まれる。カルバモイルオキシ基の例には、N-メチルカルバモイルオキシ基が含まれる。
アルコキシカルボニルオキシ基には、置換基を有するアルコキシカルボニルオキシ基および無置換のアルコキシカルボニルオキシ基が含まれる。アルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数が2~20のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。アルコキシカルボニルオキシ基の例には、メトキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基が含まれる。
アリールオキシカルボニルオキシ基には、置換基を有するアリールオキシカルボニルオキシ基および無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が含まれる。アリールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数が7~20のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。アリールオキシカルボニルオキシ基の例には、フェノキシカルボニルオキシ基が含まれる。
アミノ基には、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基で置換されたアミノ基が含まれ、アルキル基、アリール基およびヘテロ環基はさらに置換基を有していてもよい。アルキルアミノ基としては、炭素原子数1~20のアルキルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アルキルアミノ基の例には、メチルアミノ基およびジエチルアミノ基が含まれる。アリールアミノ基には、置換基を有するアリールアミノ基および無置換のアリールアミノ基、さらにはアニリノ基が含まれる。アリールアミノ基としては、炭素原子数が6~20のアリールアミノ基が好ましい。置換基の例としては、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。アリールアミノ基の例としては、フェニルアミノ基および2-クロロフェニルアミノ基が含まれる。ヘテロ環アミノ基には、置換基を有するヘテロ環アミノ基および無置換のヘテロ環アミノ基が含まれる。ヘテロ環アミノ基としては、炭素数2~20個のヘテロ環アミノ基が好ましい。置換基の例としては、アルキル基、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。
アシルアミノ基には、置換基を有するアシルアミノ基および無置換基のアシルアミノ基が含まれる。上記アシルアミノ基としては、炭素原子数が2~20のアシルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アシルアミノ基の例には、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、N-フェニルアセチルアミノおよび3,5-ジスルホベンゾイルアミノ基が含まれる。
ウレイド基には、置換基を有するウレイド基および無置換のウレイド基が含まれる。ウレイド基としては、炭素原子数が1~20のウレイド基が好ましい。置換基の例には、アルキル基およびアリール基が含まれる。ウレイド基の例には、3-メチルウレイド基、3,3-ジメチルウレイド基および3-フェニルウレイド基が含まれる。
スルファモイルアミノ基には、置換基を有するスルファモイルアミノ基および無置換のスルファモイルアミノ基が含まれる。置換基の例には、アルキル基が含まれる。スルファモイルアミノ基の例には、N,N-ジプロピルスルファモイルアミノ基が含まれる。
アルコキシカルボニルアミノ基には、置換基を有するアルコキシカルボニルアミノ基および無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が2~20のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の例には、エトキシカルボニルアミノ基が含まれる。
アリールオキシカルボニルアミノ基には、置換基を有するアリールオキシカボニルアミノ基および無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が含まれる。アリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が7~20のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アリールオキシカルボニルアミノ基の例には、フェノキシカルボニルアミノ基が含まれる。
アルキル及びアリールスルホニルアミノ基には、置換基を有するアルキル及びアリールスルホニルアミノ基、および無置換のアルキル及びアリールスルホニルアミノ基が含まれる。スルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1~20のスルホニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。これらスルホニルアミノ基の例には、メチルスルホニルアミノ基、N-フェニル-メチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、および3-カルボキシフェニルスルホニルアミノ基が含まれる。
ヘテロ環スルホニルアミノ基には、置換基を有するヘテロ環スルホニルアミノ基および無置換のヘテロ環スルホニルアミノ基が含まれる。ヘテロ環スルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1~12のヘテロ環スルホニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。ヘテロ環スルホニルアミノ基の例には、2-チオフェンスルホニルアミノ基、3-ピリジンスルホニルアミノ基が含まれる。
アルキル、アリール及びヘテロ環チオ基には、置換基を有するアルキル、アリール及びヘテロ環チオ基と無置換のアルキル、アリール及びヘテロ環チオ基が含まれる。アルキル、アリール及びヘテロ環チオ基としては、炭素原子数が1から20のものが好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アルキル、アリール及びヘテロ環チオ基の例には、メチルチオ基、フェニルチオ基、2-ピリジルチオ基が含まれる。
アルキルおよびアリールスルホニル基には、置換基を有するアルキルおよびアリールスルホニル基、無置換のアルキルおよびアリールスルホニル基が含まれる。アルキルおよびアリールスルホニル基の例としては、それぞれメチルスルホニル基およびフェニルスルホニル基を挙げることができる。
ヘテロ環スルホニル基には、置換基を有するヘテロ環スルホニル基および無置換のヘテロ環スルホニル基が含まれる。ヘテロ環スルホニル基としては、炭素原子数が1~20のヘテロ環スルホニル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。ヘテロ環スルホニル基の例には、2-チオフェンスルホニル基、3-ピリジンスルホニル基が含まれる。
アルキルおよびアリールスルフィニル基には、置換基を有するアルキルおよびアリールスルフィニル基、無置換のアルキルおよびアリールスルフィニル基が含まれる。アルキルおよびアリールスルフィニル基の例としては、それぞれメチルスルフィニル基およびフェニルスルフィニル基を挙げることができる。
ヘテロ環スルフィニル基には、置換基を有するヘテロ環スルフィニル基および無置換のヘテロ環スルフィニル基が含まれる。ヘテロ環スルフィニル基としては、炭素原子数が1~20のヘテロ環スルフィニル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。ヘテロ環スルフィニル基の例には、4-ピリジンスルフィニル基が含まれる。
スルファモイル基には、置換基を有するスルファモイル基および無置換のスルファモイル基が含まれる。置換基の例には、アルキル基が含まれる。スルファモイル基の例には、ジメチルスルファモイル基およびジ-(2-ヒドロキシエチル)スルファモイル基が含まれる。
アゾ基には、例えばフェニルアゾ基、4-メトキシフェニルアゾ基、4-ピバロイルアミノフェニルアゾ基、2-ヒドロキシ-4-プロパノイルフェニルアゾ基、置換基を有するヘテロ環アゾ基、無置換のヘテロ環アゾ基などを挙げることができる。
イオン性親水性基の例としては、スルホ基(-SOM)、カルボキシ基(-COOM)、リン酸基(-PO(OM))及び4級アンモニウム基、アシルスルファモイル基(-SOCOR)、スルホニルカルバモイル基(-CONSO-R)、スルホニルスルファモイル基(-SOSO-R)等が含まれる。上記Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。上記Rは一価の置換基(例えば、アルキル基、アリール基)等が含まれる。中でも、スルホ基(-SOM)、カルボキシ基(-COOM)、及びリン酸基(-PO(OM))が好ましく、特にスルホ基(-SOM)、及びカルボキシ基(-COOM)が好ましい。
上記のとおり、イオン性親水性基は塩の状態であってもよく、塩を形成するカウンターカチオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジニウムイオン、テトラメチルホスホニウムイオン)が含まれる。
Mは水素原子、アンモニウムイオン又はアルカリ金属イオンであることが好ましく、アルカリ金属イオンであることがより好ましく、リチウムイオン、ナトリウムイオン又はカリウムイオンであることが更に好ましく、リチウムイオン又はナトリウムイオンであることが特に好ましく、リチウムイオンであることが最も好ましい。
上記一般式(I)においてRは、水素原子、総炭素数1~8のアルキル基、総炭素数6~12のアリール基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、総炭素数1~6のアルキルアミノ基、総炭素数1~12のアリールアミノ基、又は総炭素数1~11のヘテロ環アミノ基であることが好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、フェニル基、ヒドロキシ基、又はアミノ基であることがより好ましく、水素原子、メチル基、又はエチル基であることが更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
上記一般式(I)においてRは、ハメットの置換基定数σp値が0.2以上の電子求引性基であることが好ましく、σp値が0.30以上の電子求引性基であることがより好ましく、σp値が0.45以上の電子求引性基であることが更に好ましく、σp値が0.60以上の電子求引性基であることが特に好ましい。Rはσp値が1.0を超えないことが望ましい。
本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について説明する。
ハメット則はベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw-Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96~103頁、1979年(南光堂)に詳しい。なお、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に含まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。本発明にかかる化合物はベンゼン誘導体ではないが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用する。本発明においては今後、σp値をこのような意味で使用する。
は、更に詳しくは、総炭素数2~20のアシル基、総炭素数2~20のアルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、総炭素数1~20のアルキルスルホニル基、総炭素数6~20のアリールスルホニル基、総炭素数1~20のカルバモイル基、又は総炭素数1~20のハロゲン化アルキル基であることが好ましい。Rは、シアノ基、総炭素数2~10のアルキルオキシカルボニル基、総炭素数1~20のアルキルスルホニル基、又は総炭素数6~20のアリールスルホニル基であることがより好ましく、シアノ基、メチルオキシカルボニル基、メチルスルホニル基、又はフェニルスルホニル基であることが特に好ましく、シアノ基であることが最も好ましい。
上記一般式(I)においてRは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、ヘテロ環スルホニルアミノ基、アゾ基(例えば、-N=N-アリール、-N=N-ヘテロ環)、又はイオン性親水性基であることが好ましく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、総炭素数1~8のアルキルアミノ基、総炭素数6~12のアリールアミノ基、総炭素数1~10のヘテロ環アミノ基、総炭素数1~7のアルキルカルボニルアミノ基、総炭素数1~6のアルキルスルホニルアミノ基、総炭素数6~12のアリールスルホニルアミノ基、総炭素数1~7のヘテロ環スルホニルアミノ基、スルホ基(及びその塩)、又はカルボキシ基(及びその塩)であることがより好ましく、水素原子、ニトロ基、総炭素数1~5のアルキルカルボニルアミノ基、又はスルホ基(及びその塩)であることが特に好ましい。
上記一般式(I)においてRが表す芳香族基又はヘテロ環基としては、例えば、前述の置換基群Aとして挙げた芳香族基又はヘテロ環基が挙げられる。
は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族ヘテロ環基を表すことが好ましく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表すことがより好ましい。
より具体的には、Rは、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基(例えばピロール環基、チオフェン環基、イミダゾール環基、チアゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ピリジン環基またはピリダジン環基)であることが好ましく、置換フェニル基(特にパラ位置換のフェニル基)、置換もしくは無置換のβ-ナフチル基、2-ピリジン環基、3-ピリジン環基、4-ピリジン環基、又はチアゾール環基であることがより好ましく、無置換のβ-ナフチル基であることが最も好ましい。
上記一般式(I)においてGは、窒素原子または=CW-を表し、Wは、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性基を表す。Wは、σp値が0.30以上の電子求引性基であることが好ましく、σp値が0.45以上の電子求引性基であることが更に好ましく、σp値が0.60以上の電子求引性基であることが特に好ましい。Wのσp値は1.0を超えないことが望ましい。
Gは、窒素原子または=CW-を表し、Wが総炭素数2~20のアシル基、炭素数2~20のアルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1~20のアルキルスルホニル基、炭素数6~20のアリールスルホニル基、炭素数1~20のカルバモイル基、又は炭素数1~20のハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
Gは、窒素原子または=CW-を表し、Wがシアノ基、炭素数1~20のアルキルスルホニル基、又は炭素数6~20のアリールスルホニル基であることがより好ましい。
Gは、窒素原子または=CW-を表し、Wがシアノ基、メチルスルホニル基、又はフェニルスルホニル基であることが更に好ましい。
Gは、窒素原子または=CW-を表し、Wがシアノ基であることがアゾ色素の色相、酸化電位及び会合性(画像堅牢性)の観点から特に好ましい。
上記一般式(I)においてMは水素原子又はカウンターカチオンを表す。カウンターカチオンとしては特に制限はなく、例えばアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、有機カチオン(テトラメチルアンモニウム、グアニジニウム、ピリジニウムなど)を挙げることができる。
Mは水素原子、アンモニウムイオン又はアルカリ金属イオンであることが好ましく、アルカリ金属イオンであることがより好ましく、リチウムイオン、ナトリウムイオン又はカリウムイオンであることが更に好ましく、リチウムイオン又はナトリウムイオンであることが特に好ましく、リチウムイオンであることが最も好ましい。特にスルホ基のリチウム塩(-SOLi)は染料の溶解性を高めインク安定性を向上させるため好ましい。
なお、Mは2価のカウンターカチオンであってもよい。Mが2価のカウンターカチオンである場合は、2つの-SO のカウンターカチオンを1つのMが兼ねる形態などをとり得る。
水溶性の観点から、Mは1価のカウンターカチオンであることが好ましい。
Mがリチウムイオンを表す場合は、すべてのMがリチウムイオンでなくてもよいが、実質的には最も存在比率が高いカウンターカチオンがリチウムイオンであることが好ましい。このような存在比率の条件下において、Mとして水素原子、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン)、アルカリ土類金属イオン(例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなど)、4級アンモニウムイオン、4級ホスホニウムイオン、スルホニウムイオンなどを含むことができる。リチウムイオンの量としては、M全体に対して、50%以上であることが好ましく、より好ましくは60%以上であり、更に好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上であり、上限としては100%が好ましい。
上記一般式(I)において、mは1~6の整数を表し、2~4の整数であることが好ましく、2又は3であることがアゾ染料分子の会合性付与とアゾ色素の水溶性の両立の観点から特に好ましく、2であることが最も好ましい。
上記一般式(I)において、R、R、R、R、Wで表される各置換基が更に置換基を有することができる場合の置換基として、例えば、上述の置換基群Aから選ばれる置換基を挙げることができる。
また、一般式(I)で表される着色剤は、Rが表す芳香族基又はヘテロ環基が置換基を有する態様として、以下の一般式(I-2)で表される着色剤であってもよい。
Figure 0007050729000031
一般式(I-2)中、R、R、及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。mは1~6の整数を表す。Gは窒素原子又は-C(-W)=を表す。Wはハメットの置換基定数σp値が0.2以上の電子求引性基を表す。Rは置換基を有していてもよい芳香族基又は置換基を有していてもよいヘテロ環基を表す。複数のR、R、R、M、m、G、及びRは、それぞれ同じでも異なってもよい。Z10は2価の連結基を表す。
一般式(I-2)中、R、R、R、M、m、G、及びRは、それぞれ一般式(I)中のR、R、R、M、m、G、及びRと同義であり好ましい範囲も同じである。
上記一般式(I)で表される着色剤は、下記一般式(IV)で表される着色剤であることが好ましい。
Figure 0007050729000032
一般式(IV)中、Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。nは1又は2を表す。Gは、窒素原子又は-C(-W)=を表す。W及びWはそれぞれ独立にハメットの置換基定数σp値が0.2以上の電子求引性基を表す。R30は、置換されていてもよい芳香族基を表す。Rは、水素原子又は置換基を表す。
上記一般式(IV)において、nは1又は2を表す。nが2を表すことがアゾ色素分子の会合性付与とアゾ色素の水溶性の両立の観点から特に好ましい。
上記一般式(IV)において、Wの好ましい範囲は上記一般式(I)中のRと同じである。
上記一般式(IV)において、Mは上記一般式(I)中のMと同義であり、好ましい範囲も同じである。
上記一般式(IV)において、Gは上記一般式(I)中のGと同義であり、好ましい範囲も同じである。
上記一般式(IV)において、R30の好ましい範囲は、上記一般式(I)中のRの置換されていてもよい芳香族基(置換基を有していてもよい芳香族基)の好ましい範囲と同じである。
上記一般式(IV)において、Rは上記一般式(I)中のRと同義であり、好ましい範囲も同じである。
上記一般式(IV)で表される着色剤は、下記一般式(IV-2)で表される着色剤であることが好ましい。
Figure 0007050729000033
一般式(IV-2)中、Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。nは1又は2を表す。Gは、窒素原子又は-C(-W)=を表す。W及びWはそれぞれ独立にハメットの置換基定数σp値が0.2以上の電子求引性基を表す。R30は、置換されていてもよい芳香族基を表す。Rは、水素原子又は置換基を表す。
一般式(IV-2)中、M、n、G、W、W、R30、及びRは、それぞれ一般式(IV)中のM、n、G、W、W、R30、及びRと同義であり、好ましい範囲も同様である。
上記一般式(I)で表される着色剤、上記一般式(IV)で表される着色剤、及び上記一般式(IV-2)で表される着色剤が、下記一般式(V)で表される着色剤及び下記一般式(VI)で表される着色剤のいずれか少なくとも1種を含むことが好ましい。
Figure 0007050729000034
Figure 0007050729000035
一般式(V)及び一般式(VI)中、R30は置換されていてもよい芳香族基を表す。R4Sは-SOM、-NO、-NHCOR5S、-NHSO5S、又は-NHCONHR5Sを表す。R5Sは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいヘテロ環基を表す。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
上記一般式(V)及び(VI)において、Mは上記一般式(IV)中のMと同義であり、好ましい範囲も同じである。
上記一般式(V)及び(VI)において、R30は上記一般式(IV)中のR30と同義であり、好ましい範囲も同じである。
上記一般式(V)及び(VI)において、R4Sは-SOM(スルホ基又はその塩)、-NO(ニトロ基)、-NHCOR5S(アシルアミノ基)、-NHSO5S(アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、若しくはヘテロ環スルホニルアミノ基)、又は-NHCONHR5S(ウレイド基)を表す。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表し、上記一般式(IV)中のMと同義であり、好ましい範囲も同じである。
4Sは-SOM、-NO、-NHCOR5S、又は-NHSO5S(好ましくはアルキルスルホニルアミノ基)であることが好ましく、-SOM、-NO、又は-NHCOR5Sであることが着色剤の会合性及び分子間相互作用の観点から更に好ましく、-NO又は-NHCOR5Sであることが特に好ましく、-NHCOR5Sであることが最も好ましい。
5Sは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいヘテロ環基を表す。
5Sが表すアルキル基、アリール基、又はヘテロ環基としては、前述の置換基群Aにおいて挙げたアルキル基、アリール基、又はヘテロ環基が具体例として挙げられる。
5Sは炭素数1~12のアルキル基、又は炭素数6~12のアリール基であることが好ましく、炭素数1~12のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1~8のアルキル基であることが更に好ましく、炭素数1~6のアルキル基であることが水溶性の観点から最も好ましい。R5Sは置換基を有していてもよく、置換基としては例えば置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。R5Sは置換基を有していない(すなわち無置換)であることが好ましい。
上記一般式(I)、(IV)、(IV-2)、(V)、又は(VI)で表される着色剤の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる着色剤は、下記の例に限定されるものではない。下記具体例において、イオン性親水性基(-SOM、-COM)のMはリチウムイオンに代えて他のカチオン又は水素原子であってもよい。ただし、前述の通り、最も存在比率が高いものがリチウムイオンであることが好ましく、すべてリチウムイオンであることが最も好ましい。
Figure 0007050729000036
Figure 0007050729000037
Figure 0007050729000038
Figure 0007050729000039
Figure 0007050729000040
Figure 0007050729000041
Figure 0007050729000042
Figure 0007050729000043
Figure 0007050729000044
Figure 0007050729000045
本発明のインク組成物における一般式(I)で表される着色剤の含有量は、インク組成物の全質量を基準として、0.01~10.0質量%であることが好ましく、0.1~10.0質量%であることがより好ましい。
本発明のインク組成物をグレーインクとして用いる場合には、一般式(I)で表される化合物の含有量は、インク組成物の全質量を基準として、0.1~10.0質量%であることが好ましく、0.2~7.0質量%であることがより好ましく、0.3~5.0質量%であることが更に好ましく、0.3~3.0質量%であることが特に好ましく、0.5~2.0質量%であることがインク組成物中に共存する一般式(II)で表される化合物との分子間相互作用を高める目的と一般式(III)で表される調色剤とのグレー色相調整の観点からから最も好ましい。
本発明のインク組成物をブラックインクとして用いる場合には、一般式(I)で表される着色剤の含有量は、インク組成物の全質量を基準として、0.1~10.0質量%であることが好ましく、0.5~7.0質量%であることがより好ましく、1.0~6.0質量%であることが更に好ましく、3.0~5.5質量%であることが特に好ましく、3.5~5.0質量%であることがインク組成物中に共存する一般式(II)で表される化合物との分子間相互作用を高める目的と一般式(III)で表される調色剤とのブラック色相調整の観点からから最も好ましい。
(一般式(II)で表される化合物)
本発明のインク組成物に含まれる一般式(II)で表される化合物について説明する。
Figure 0007050729000046
一般式(II)中、Ar20はベンゼン環又はナフタレン環を表す。R21~R28はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R21とR22が結合して環を形成してもよい。R23とR24が結合して環を形成してもよい。R25とR26が結合して環を形成してもよい。R27とR28が結合して環を形成してもよい。R29は置換基を表す。Ar20がベンゼン環を表す場合、kは0~4の整数を表す。Ar20がナフタレン環を表す場合、kは0~6の整数を表す。R29が複数存在する場合、複数のR29はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R29が複数存在する場合、複数のR29が結合して環を形成してもよい。ただし、一般式(II)で表される化合物は、少なくとも1つの親水性基を有する。
一般式(II)で表される化合物は、1分子中に10を超える非局在化π電子を有する無色の水溶性平面状化合物であることが好ましい。
非局在化したπ電子系を構成するπ電子の数が増え、π電子系が広がると可視域に吸収を持つことが多い。本発明で無色とは、画像に影響を及ぼさない範囲で極わずかに着色している状態も含まれる。また、一般式(II)で表される水溶性化合物は、蛍光性の化合物であっても良いが、蛍光のない化合物が好ましく、さらに好ましくは最も長波側の吸収ピークの波長(λmax)が350nm以下、より好ましくは320nm以下で、且つモル吸光係数が1万以下の化合物である。
一般式(II)で表される化合物の1分子中の非局在化π電子の数の上限に特に制限はないが、80個以下が好ましく、中でも50個以下が好ましく、特に30個以下が好ましい。また、10個を超えるπ電子が1つの大きな非局在系を形成していてもよいが、2つ以上の非局在系を形成していてもよい。特に、1分子中に2つ以上の芳香族環を有する化合物が好ましい。芳香族環は、芳香族炭化水素環であっても良いしヘテロ原子を含む芳香族ヘテロ環であっても良く、縮環して1つの芳香族環を形成するものであっても良い。芳香族環の例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環などを挙げることができる。
一般式(II)で表される化合物は、水溶性であることが好ましく、20℃において100gの水に対して少なくとも1g以上溶解する化合物であることが好ましい。より好ましくは5g以上溶解する化合物であり、最も好ましくは10g以上溶解する化合物である。
一般式(II)で表される化合物は、1分子中に少なくとも1つの親水性基を有する。1分子中に2つ以上の芳香族環を有する化合物の場合には、分子中の芳香族環に結合している少なくとも2つの親水性基を有することが特に好ましい。
親水性基としては、スルホ基(-SOM)、カルボキシル基(-COOM)、ヒドロキシ基、リン酸基(-PO(OM))、カルボンアミド基、スルホンアミド基、4級アンモニウム基などが含まれるが、これらに限定されない。親水性基としては、イオン性親水性基が好ましく、スルホ基(-SOM)、カルボキシル基(-COOM)がより好ましく、スルホ基(-SOM)が最も好ましい。
一般式(II)で表される化合物が、少なくとも1つのイオン性親水性基を有することが好ましい。
Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。カウンターカチオンとしては特に制限はなく、例えばアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、有機カチオン(テトラメチルアンモニウム、グアニジニウム、ピリジニウムなど)を挙げることができる。
Mは水素原子、アンモニウムイオン又はアルカリ金属イオンであることが好ましく、アルカリ金属イオンであることがより好ましく、リチウムイオン、ナトリウムイオン又はカリウムイオンであることが更に好ましく、リチウムイオン又はナトリウムイオンであることが特に好ましい。また、カウンターカチオンは単独塩であっても混合塩であっても良い。
一般式(II)で表される化合物は、1分子中に、親水性基を1~10個有することが好ましく、2~8個有することがより好ましい。
一般式(II)で表される化合物は、1分子中に、イオン性親水性基を2~6個有することが好ましく、2~4個有することがより好ましい。
一般式(II)中のR21~R29のいずれか少なくとも1つがイオン性親水性基を有することが好ましく、-SOMを有することがより好ましく、R21~R29の2~6つが-SOMを有することが更に好ましく、R21~R29の2~4つが-SOMを有することが特に好ましい。
一般式(II)中、R21~R28はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、置換基としては、前述の置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アミノ基(アニリノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシル基、アシルアミノ基、ウレイド基、ハロゲン原子、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホンアミド基、スルホニル基、スルフェニル基、スルフィニル基、親水性基等を挙げることができ、これらは更に置換基を有していても良い。
21~R28はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表すことが好ましい。上記アルキル基は、炭素数1~12のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~8のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1~6のアルキル基であることが最も好ましい。上記アルキル基は、前述の親水性基を置換基として有することが水系インクの保存安定性の観点から好ましい。
21とR22、R23とR24、R25とR26、R27とR28はそれぞれ結合して環を形成してもよい。環としては、特に限定されないが、芳香族環であっても、非芳香族環であってもよく、5員環又は6員環であることが好ましい。また、上記環は、R21~R28が結合している窒素原子以外にヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子)を含んでいてもよい。
29は置換基を表し、置換基としては、前述の置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アミノ基(アニリノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシル基、アシルアミノ基、ウレイド基、ハロゲン原子、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホンアミド基、スルホニル基、スルフェニル基、スルフィニル基、親水性基等を挙げることができ、これらは更に置換基を有していても良い。
29が複数存在する場合、複数のR29はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R29が複数存在する場合、複数のR29が結合して環を形成してもよい。環としては、特に限定されないが、芳香族環であっても、非芳香族環であってもよく、5員環又は6員環であることが好ましい。また、上記環はヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子)を含んでいてもよい。
一般式(II)中、Ar20はベンゼン環又はナフタレン環を表し、ベンゼン環を表すことが好ましい。
Ar20がベンゼン環を表す場合、kは0~4の整数を表し、0~2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
Ar20がナフタレン環を表す場合、kは0~6の整数を表し、0~4の整数であることが好ましく、0~2の整数であることがより好ましく、0又は1であることが更に好ましい。
一般式(II)で表される化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0007050729000047
Figure 0007050729000048
Figure 0007050729000049
Figure 0007050729000050
Figure 0007050729000051
Figure 0007050729000052
Figure 0007050729000053
本発明のインク組成物における一般式(II)で表される化合物の含有量は、インク組成物の全質量を基準として、0.01~10.0質量%であることが好ましく、0.1~10.0質量%であることがより好ましい。
本発明のインク組成物をグレーインクとして用いる場合には、一般式(II)で表される化合物の含有量は、インク組成物の全質量を基準として、0.1~10.0質量%であることが好ましく、0.2~7.0質量%であることがより好ましく、0.3~5.0質量%であることが更に好ましく、0.3~3.0質量%であることが特に好ましく、その中でも0.5~1.5質量%であることがインク組成物中に共存する一般式(I)で表される着色剤との分子間相互作用を高める理由から最も好ましい。
本発明のインク組成物をブラックインクとして用いる場合には、一般式(II)で表される化合物の含有量は、インク組成物の全質量を基準として、0.1~10.0質量%であることが好ましく、0.5~7.0質量%であることがより好ましく、1.0~6.0質量%であることが更に好ましく、3.0~5.5質量%であることが特に好ましく、3.0~5.0質量%であることがインク組成物中に共存する一般式(I)で表される着色剤との分子間相互作用を高める理由から最も好ましい。
一般式(II)で表される化合物は公知の方法(例えば、特開2005-105261号公報などに記載の方法)で合成することが可能である。
(一般式(III)で表される調色剤)
本発明のインク組成物は、下記一般式(III)で表される調色剤を含む。
下記一般式(III)で表される調色剤を含むことで、本発明のインク組成物は、グレーからブラックの色調、印画濃度及び褪色バランスの観点で優れる。
Figure 0007050729000054
一般式(III)中、Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Zは2価の連結基を表す。
上記一般式(III)においてMは水素原子又はカウンターカチオンを表し、水素原子、アンモニウムイオン又はアルカリ金属イオンを表すことが好ましく、アルカリ金属イオンを表すことがより好ましい。Mはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリムイオンが好ましく、特にリチウムイオン、ナトリウムイオンが好ましく、その中でもリチウムイオンが一般式(III)で表されるアゾ色素の水溶解性を高め、インク貯蔵安定性を向上させることから特に好ましい。Mは、すべてリチウムイオンでなくてもよいが、実質的には最も存在比率が高い対カチオンがリチウムイオンであることが好ましい。
Mとして最も存在比率が高いものがリチウムイオンである場合において、リチウムイオン以外のMとしては、水素原子、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン)4級アンモニウムイオン、4級ホスホニウムイオン、スルホニウムイオンなどが挙げられる。リチウムイオンの量としては、M全体に対して、50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上であることが好ましく、上限としては100%が好ましい。
上記一般式(III)において、Zは2価の連結基を表し、アルキレン基、アルケニレン基、-CO-、-SO-(nは0、1、又は2を表す)、ヘテロ環基、-O-、およびこれらの連結基を組み合わせた2価の基を表すことが好ましい。Zは、総炭素数1~5のアルキレン基、フェニレン基、-CO-、5~6員の含窒素ヘテロ環基が好ましく、更に-CO-、又は6員の含窒素ヘテロ環が好ましく、その中でも-CO-、又はs-トリアジン環が好ましく、-CO-がアゾ色素分子の会合性付与とアゾ色素の水溶性の両立の観点から特に好ましい。
上記一般式(III)において、Zで表される2価の連結基が更に置換基を有することができる場合は、置換基を有してもよい。置換基としては、上述の置換基群Aから選ばれる置換基を挙げることができる。
上記一般式(III)で表される調色剤の具体例を以下に示すが、下記の例に限定されるものではない。下記具体例において、イオン性親水性基(-SOM)のMはリチウムイオンに代えて他のカチオン又は水素原子であってもよい。ただし、前述の通り、最も存在比率が高いものがリチウムイオンであることが好ましく、すべてリチウムイオンであることが最も好ましい。
Figure 0007050729000055
本発明のインク組成物における一般式(III)で表される調色剤の含有量は、インク組成物の全質量を基準として、0.01~10.0質量%であることが好ましく、0.05~5.0質量%であることがより好ましい。
本発明のインク組成物をグレーインクとして用いる場合には、一般式(III)で表される調色剤の含有量は、インク組成物の全質量を基準として、0.01~5.0質量%であることが好ましく、0.03~3.0質量%であることがより好ましく、0.05~1.0質量%であることが更に好ましく、0.05~0.50質量%であることが特に好ましく、0.05~0.10質量%であることがインク組成物中に共存する一般式(I)で表される着色剤との色相調整(ニュートラルグレイ調色)の観点から最も好ましい。
本発明のインク組成物をブラックインクとして用いる場合には、一般式(III)で表される調色剤の含有量は、インク組成物の全質量を基準として、0.10~10.0質量%であることが好ましく、0.50~5.0質量%であることがより好ましく、1.0~4.0質量%であることが更に好ましく、1.0~3.0質量%であることが特に好ましく、1.5~2.0質量%であることがインク組成物中に共存する一般式(I)で表される着色剤との色相調整(ブラック調色)の観点から最も好ましい。
本発明のインク組成物における一般式(I)で表される着色剤/一般式(II)で表される化合物/一般式(III)で表される調色剤の好ましい配合比は、インク組成物の全質量を基準として、
一般式(I)で表される着色剤(0.01~10.0質量%)/一般式(II)で表される化合物(0.01~10.0質量%)/一般式(III)で表される調色剤(0.01~10.0質量%)であることが好ましく、
一般式(I)で表される着色剤(0.05~5.0質量%)/一般式(II)で表される化合物(0.05~5.0質量%)/一般式(III)で表される調色剤(0.05~5.0質量%)であることがより好ましい。
本発明のインク組成物をグレーインクとして用いる場合には、
インク組成物の全質量を基準として、
一般式(I)で表される着色剤(0.30~5.0質量%)/一般式(II)で表される化合物(0.30~5.0質量%)/一般式(III)で表される調色剤(0.05~1.0質量%)であることが好ましく、
一般式(I)で表される着色剤(0.30~3.0質量%)/一般式(II)で表される化合物(0.30~3.0質量%)/一般式(III)で表される調色剤(0.05~0.5質量%)であることがより好ましく、
一般式(I)で表される着色剤(0.50~2.0質量%)/一般式(II)で表される化合物(0.50~1.5質量%)/一般式(III)で表される調色剤(0.05~0.10質量%)であることが更に好ましい。
本発明のインク組成物をブラックインクとして用いる場合には、
インク組成物の全質量を基準として、
一般式(I)で表される着色剤(1.0~6.0質量%)/一般式(II)で表される化合物(1.0~6.0質量%)/一般式(III)で表される調色剤(1.0~4.0質量%)であることが好ましく、
一般式(I)で表される着色剤(3.0~5.5質量%)/一般式(II)で表される化合物(3.0~5.5質量%)/一般式(III)で表される調色剤(1.0~3.0質量%)であることがより好ましく、
一般式(I)で表される着色剤(3.5~5.0質量%)/一般式(II)で表される化合物(3.0~5.0質量%)/一般式(III)で表される調色剤(1.5~2.0質量%)であることが更に好ましい。
(マゼンタ染料)
本発明のインク組成物は、グレーからブラックの色調をより良好にするために、マゼンタ染料を調色剤として含有することが好ましく、下記一般式(M1)~(M8)のいずれかで表される調色剤を含有することがより好ましい。そのなかでも、下記一般式(M7)又は(M8)で表される調色剤を含有することが特に好ましく、下記一般式(M7)で表される調色剤を含有することが最も好ましい。
Figure 0007050729000056
一般式(M1)中、R41及びR42はそれぞれ独立に置換基を表す。p1及びp2はそれぞれ独立に0~5の整数を表す。R41及びR42が複数存在する場合は、それぞれ同一でも異なってもよい。少なくとも2つのR41が互いに結合して環を形成してもよい。少なくとも2つのR42が互いに結合して環を形成してもよい。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
Figure 0007050729000057
一般式(M2)中、Ar及びArはそれぞれ独立に置換基を有してもよい芳香族基又は置換基を有してもよいヘテロ環基を表す。Lは2価の連結基を表す。Z及びZはそれぞれ独立に-OM’又はハロゲン原子を表す。M及びM’はそれぞれ独立に水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。M’が複数存在する場合、複数のM’はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
Figure 0007050729000058
一般式(M3)中、R43及びR44はそれぞれ独立に置換基を表す。p3及びp4はそれぞれ独立に0~5の整数を表す。R43及びR44が複数存在する場合は、それぞれ同一でも異なってもよい。少なくとも2つのR43が互いに結合して環を形成してもよい。少なくとも2つのR44が互いに結合して環を形成してもよい。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
Figure 0007050729000059
一般式(M4)中、R45、R46及びR47はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R46及びR47が互いに結合して環を形成してもよい。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
Figure 0007050729000060
一般式(M5)中、R51~R512はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R51及びR52が互いに結合して環を形成してもよい。R53及びR54が互いに結合して環を形成してもよい。R58~R512の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。一般式(M5)で表される調色剤は少なくとも1つの-SOMを有する。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。
Figure 0007050729000061
一般式(M6)中、R61~R66はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R63~R66の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。
Figure 0007050729000062
一般式(M7)中、R71~R74はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。Lは2価の連結基を表す。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
Figure 0007050729000063
一般式(M8)中、R81~R812はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R81~R85の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。R86~R810の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(M1)中、R41及びR42はそれぞれ独立に置換基を表し、置換基としては上述の置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環基、イオン性親水性基が好ましく、スルホ基(-SOM)又はカルボキシ基(-COOM)が特に好ましい。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表し、水素原子、アンモニウムイオン又はアルカリ金属イオンを表すことが好ましく、アルカリ金属イオンを表すことがより好ましく、リチウムイオン、カリウムイオン、ナトリウムイオンを表すことが更に好ましく、リチウムイオン又はナトリウムイオンを表すことが特に好ましく、リチウムイオンを表すことが最も好ましい。
一般式(M1)中のMは水素原子又はカウンターカチオンを表し、好ましい範囲は上記と同様である。
p1及びp2はそれぞれ独立に0~5の整数を表し、0~3の整数が好ましい。
少なくとも2つのR41が互いに結合して環を形成してもよく、少なくとも2つのR42が互いに結合して環を形成してもよい。上記環としては、芳香族環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。上記環は置換基を有していてもよく、置換基としては上述の置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
一般式(M2)中、Ar及びArはそれぞれ独立に置換基を有してもよい芳香族基又は置換基を有してもよいヘテロ環基を表し、これらの例としては、上述の置換基群Aとして挙げたものを挙げることができる。Ar及びArは置換基を有してもよい芳香族基を表すことが好ましい。
は2価の連結基を表し、-NH-、芳香族基、ヘテロ環基、又はこれらを組み合わせてなる2価の連結基が好ましい。上記2価の連結基は更に置換基を有していてもよく、置換基としては上述の置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
Mは水素原子又はカウンターカチオンを表し、好ましい範囲は一般式(M1)中のMと同じである。
及びZはそれぞれ独立に-OM’又はハロゲン原子を表し、-OM’又は塩素原子を表すことが好ましい。
M’は水素原子又はカウンターカチオンを表す。M’がカウンターカチオンを表す場合の具体例及び好ましい範囲は上記Mがカウンターカチオンを表す場合と同じである。M’は水素原子を表すことが好ましい。
一般式(M3)中、R43及びR44はそれぞれ独立に置換基を表し、置換基としては上述の置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環基、イオン性親水性基が好ましい。
p3及びp4はそれぞれ独立に0~5の整数を表し、0~3の整数を表すことが好ましい。
少なくとも2つのR43が互いに結合して環を形成してもよく、少なくとも2つのR44が互いに結合して環を形成してもよい。上記環としては、芳香族環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。上記環は置換基を有していてもよく、置換基としては上述の置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
Mは水素原子又はカウンターカチオンを表し、好ましい範囲は一般式(M1)中のMと同じである。
一般式(M4)中、R45、R46及びR47はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。置換基としては上述の置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環基、イオン性親水性基が好ましい。
46及びR47が互いに結合して環を形成してもよく、上記環は置換基を有していてもよい。
Mは水素原子又はカウンターカチオンを表し、好ましい範囲は一般式(M1)中のMと同じである。
一般式(M5)中、R51~R54、R56~R512はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。置換基としては上述の置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環基、イオン性親水性基が好ましい。
一般式(M5)中、R55は水素原子又は置換基を表し、ハメットの置換基定数σp値が0.2以上の電子求引性基であることが好ましく、σp値が0.30以上の電子求引性基であることがより好ましく、σp値が0.45以上の電子求引性基であることが更に好ましく、σp値が0.60以上の電子求引性基であることが特に好ましい。R55のσp値は1.0を超えないことが望ましい。R55は更に詳しくは、総炭素数2~20のアシル基、総炭素数2~20のアルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、総炭素数1~20のアルキルスルホニル基、総炭素数6~20のアリールスルホニル基、総炭素数1~20のカルバモイル基、又は総炭素数1~20のハロゲン化アルキル基であることが好ましい。R55はシアノ基、総炭素数2~10のアルキルオキシカルボニル基、総炭素数1~20のアルキルスルホニル基、又は総炭素数6~20のアリールスルホニル基であることが更に好ましく、シアノ基、メチルオキシカルボニル基、メチルスルホニル基、又はフェニルスルホニル基であることが特に好ましく、シアノ基であることが最も好ましい。
51及びR52が互いに結合して環を形成してもよく、R53及びR54が互いに結合して環を形成してもよく、R58~R512の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。上記環は置換基を有していてもよく、置換基としては上述の置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
一般式(M5)で表される調色剤は少なくとも1つの-SOMを有する。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表し、好ましい範囲は一般式(M1)中のMと同じである。
一般式(M6)中、R61~R66はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。置換基としては上述の置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、アミノ基、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環基、イオン性親水性基が好ましい。
63~R66の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。上記環は置換基を有していてもよく、置換基としては上述の置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
Mは水素原子又はカウンターカチオンを表し、好ましい範囲は一般式(M1)中のMと同じである。
一般式(M7)中、R71~R74はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。置換基としては上述の置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、アミノ基、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環基、イオン性親水性基が好ましい。
は2価の連結基を表し、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環基又はこれらを組み合わせてなる2価の連結基が好ましい。上記2価の連結基は置換基を有していてもよく、置換基としては上述の置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
Mは水素原子又はカウンターカチオンを表し、好ましい範囲は一般式(M1)中のMと同じである。
一般式(M8)中、R81~R812はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。置換基としては上述の置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、アミノ基、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環基、イオン性親水性基が好ましい。
81~R85の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよく、R86~R810の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。上記環は置換基を有していてもよく、置換基としては上述の置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
81、R85、R86、R810はそれぞれ独立にアルキル基を表すことが好ましく、炭素数1~6のアルキル基を表すことがより好ましい。
811、R812はそれぞれ独立に水素原子又はスルホ基(-SOM)を表すことが好ましく、スルホ基(-SOM)を表すことがより好ましい。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表し、好ましい範囲は一般式(M1)中のMと同じである。
82、R83、R84、R87、R88、R89はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、スルホ基(-SOM)、又は置換基を有してもよいアリールスルホニルアミノ基を表すことが好ましく、少なくともR84、R89はそれぞれ独立に置換基を有してもよいアリールスルホニルアミノ基を表すことが特に好ましい。上記置換基としては上述の置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、イオン性親水性基が好ましく、スルホ基(-SOM)がより好ましい。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表し、好ましい範囲は一般式(M1)中のMと同じである。
一般式(M1)~(M8)のいずれかで表される調色剤の具体例を以下に示すが、これらに限定されない。下記構造式中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、(i)Pr及びPr(i)はイソプロピル基を表し、t-Buはtert-ブチル基を表し、(n)C11又はC11(n)はn-ペンチル基を表す。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。
Figure 0007050729000064
Figure 0007050729000065
Figure 0007050729000066
Figure 0007050729000067
Figure 0007050729000068
Figure 0007050729000069
Figure 0007050729000070
Figure 0007050729000071
Figure 0007050729000072
本発明のインク組成物におけるマゼンタ染料の含有量は、用いる染料の色価(単位重量当たりの着色力)により異なるが、インク組成物の全質量を基準として、0.01~10.0質量%であることが好ましく、0.05~5.0質量%であることがより好ましい。
本発明のインク組成物をグレーインクとして用いる場合には、マゼンタ染料の含有量は、インク組成物の全質量を基準として、0.01~5.0質量%であることが好ましく、0.03~3.0質量%であることがより好ましく、0.05~2.0質量%であることが更に好ましく、0.05~1.0質量%であることが特に好ましく、0.05~0.10質量%であることがインク組成物中に共存する一般式(I)で表される着色剤との色相調整(ニュートラルグレイ調色)の観点から最も好ましい。
本発明のインク組成物をブラックインクとして用いる場合には、マゼンタ染料の含有量は、インク組成物の全質量を基準として、0.10~10.0質量%であることが好ましく、0.50~7.0質量%であることがより好ましく、1.0~6.0質量%であることが更に好ましく、1.0~4.0質量%であることが特に好ましく、1.0~2.0質量%であることがインク組成物中に共存する一般式(I)で表される着色剤との色相調整(ブラック調色)の観点から最も好ましい。
(その他の調色剤)
本発明のインク組成物は、その他の調色剤を含有していてもよい。
その他の調色剤としては、例えば下記構造の染料が挙げられる。
Figure 0007050729000073
Figure 0007050729000074
また、上記調色染料1~6以外にも、本発明のインク組成物が含有することができる調色染料を以下に例示するがこれらに限定されない。
・C.I.ダイレクトイエロー9、11、28、29、35、39、41、53、59、68、87、93、95、96、106、108、109、122、130、142、144、161、163など
・C.I.アシッドイエロー19、39、49、50、61、64、79、110、127、135、143、151、159、169、174、190、195、196、197、199、218、219、222、227など
・C.I.リアクティブイエロー2、3、13、14、15、17、18、23、24、25、26、27、29、35、37、41、42など
・C.I.ベーシックイエロー1、2、4、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、39、40など。
本発明のインク組成物は、その他の調色剤を含有しても含有しなくてもよいが、含有する場合は、本発明のインク組成物中のその他の調色剤の含有量(複数種の場合は総量)は、本発明のインク組成物の全質量を基準として、以下の範囲であることが好ましい。
本発明のインク組成物をグレーインクとして用いる場合には、0.01~1.0質量%であることが好ましく、0.01~0.08質量%であることがより好ましく、0.01~0.05質量%であることが更に好ましく、0.01~0.3質量%であることがインク組成物中に共存する一般式(I)で表される着色剤との色相調整(ニュートラルグレイ調色)の観点から最も好ましい。
本発明のインク組成物をブラックインクとして用いる場合は、0.10~5.0質量%であることが好ましく、0.10~3.0質量%であることがより好ましく、0.10~2.0質量%であることが更に好ましく、0.10~1.5質量%であることが特に好ましく、0.20~1.0質量%であることがインク組成物中に共存する一般式(I)で表される着色剤との色相調整(ブラック調色)の観点から最も好ましい。
<キレート剤>
本発明のインク組成物は、キレート剤を含有しても良い。
キレート剤(「キレート化剤」とも呼ぶ。)は、無機又は金属カチオン(特に好ましくは多価カチオン)に結合してキレート化合物を生成する化合物である。
本発明において、キレート剤は無機または金属カチオン(特に多価カチオン)に由来する水系インク組成物中の不溶性の析出異物の形成及び生長を防止する機能を有する(すなわち可溶化剤として機能する)。
本発明のインク組成物(水系インク組成物)は、キレート剤を含有することで、水系インク組成物の長期保存においても析出異物の発生を抑制することができ、長期保存後の水系インク組成物を用いたインクジェット記録用インクとして使用してインクジェットプリンターで印画する際に、ノズル等でのインク詰まりが起こりにくく、高品質な印画物を得ることが可能となる。本発明に使用可能なキレート剤としては、特に限定はなく、種々のものが使用可能である。
キレート剤としては、キレート作用により、インク組成物(水系インク組成物)中に存在するカチオンと錯体を形成して、水系インク組成物中に析出異物の発生及び生長を抑制する効果のある可溶化剤であれば、種々のものが単独または複数組み合わせて使用可能であるが、好ましくは水溶性の化合物である。
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはその塩(例えば、EDTA-4ナトリウム(4ナトリウム塩)、EDTA-4リチウム(4リチウム塩)など)、ピコリン酸またはその塩(例えば、ピコリン酸ナトリウム)、キノリン酸またはその塩(例えば、キノリン酸ナトリウム)、1,10―フェナントロリン、8-ヒドロキシキノリン、3-ヒドロキシ-2,2’-イミノジコハク酸4ナトリウム、メチルグリシン2酢酸(MGDA)またはその塩、L-グルタミン酸2酢酸(GLDA)またはその塩、L-アスパラギン酸2酢酸(ASDA)またはその塩、ヒドロキシエチルイミノ2酢酸(HIDA)またはその塩、3-ヒドロキシ-2,2’-イミノジコハク酸(HIDS)またはその塩、ジカルボキシメチルグルタミン酸(CMGA)またはその塩、(S,S)-エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)またはその塩などが挙げられる。上記キレート剤のうちの塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウムなどの1価の金属塩の他に、アンモニウム、アミンなどの塩が好ましい。これらは、上記のキレート剤の中でも、インク組成物のpH変化に対するキレート作用の減衰がさらに小さい。そのため、より広範囲のpHにおいてキレート作用が発現し、例えば、経時変化などのインク組成物のpH変化への対応性をさらに向上させることができる。
キレート剤の含有量は、インク組成物の全質量を基準として、0.001質量%以上、1.1質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、0.001質量%以上、0.5質量%以下であり、さらに好ましくは、0.001質量%以上、0.3質量%以下である。
キレート剤の含有量が、0.001質量%以上であれば、キレート作用を効果的に発現させることができ、1.1質量%以下であれば、キレート剤の添加によって、染料インク組成物の粘度が過剰に増大することや、pHが過剰に増加することを抑えることができる。
また、インク組成物中における、キレート剤と染料(ここでの「染料」とは、一般式(I)で表される着色剤、一般式(III)で表される調色剤、及びその他の併用してもよいマゼンタ染料などを含めたすべての染料を意味する。)との比率(キレート剤の質量基準の含有量:染料の質量基準の含有量)は、0.0001:1~0.15:1の範囲であることが好ましい(キレート剤:染料が、0.0001~0.15であることが好ましい)。より好ましくは0.0001:1~0.05:1の範囲であり、さらに好ましくは0.0002:1~0.005:1の範囲である。
金属塩を形成する可能性があるのは、染料の製造プロセスで混入するか、インク組成物のインク収容容器に含まれ、インク組成物中に溶出する可能性のある金属であるが、上記の比率であれば、インクジェットヘッドの目詰まりの要因となる異物の発生を効果的に抑制できる。また、キレート作用を効果的に発現させることができ、インク組成物の粘度が過剰に増大することや、pHが過剰に増加することを抑えることができる。
本発明のインク組成物の用途としては、画像を形成するための画像記録材料が挙げられ、具体的には、以下に詳述するインクジェット方式記録材料を始めとして、感熱記録材料、感圧記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等があり、好ましくはインクジェット方式記録材料、感熱記録材料、電子写真方式を用いる記録材料であり、更に好ましくはインクジェット方式記録材料である。
また、本発明のインク組成物は、CCD(Charge-Coupled Device)などの固体撮像素子やLCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)等のディスプレーで用いられるカラー画像を記録・再現するためのカラーフィルター、各種繊維の染色の為の染色液にも適用できる。
本発明のインク組成物は、その用途に適した溶解性、分散性、熱移動性などの物性を、置換基で調整して使用することができる。また、本発明に用いる色素は、用いられる系に応じて溶解状態、乳化分散状態、さらには固体分散状態でも使用する事ができる。
本発明のインク組成物は、特にインクジェット記録用インクとして好適である。
本発明のインク組成物は、媒体として水を用い、必要に応じて、更に親油性媒体又は水性媒体を用いて、それらの中に、着色剤、調色剤、添加剤を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水等が挙げられる。
本発明のインク組成物は、水に加えて、その他の溶剤を含有することができる。その他の溶剤としては、水混和性有機溶剤が好ましい。
水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、t-ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、モルホリン、N-エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピロリドン、2-オキサゾリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。水混和性有機溶剤は、二種類以上を併用してもよい。
本発明のインク組成物において、水の含有量は、インク組成物の全質量を基準として、40~80質量%であることが好ましく、45~70質量%であることがより好ましく、50~60質量%であることが、インクの吐出安定性及び貯蔵安定性の観点から更に好ましい。
本発明のインク組成物が水混和性有機溶剤を含有する場合は、水混和性有機溶剤の含有量は、インク組成物の全質量を基準として、10~55質量%であることが好ましく、20~50質量%であることがより好ましく、30~45質量%であることが更に好ましい。
本発明のインクは、必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有しうる。
その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤(特開2003-306623号公報に記載)が挙げられる。
[インクジェット記録方法]
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8-169172号公報、同8-27693号公報、同2-276670号公報、同7-276789号公報、同9-323475号公報、特開昭62-238783号公報、特開平10-153989号公報、同10-217473号公報、同10-235995号公報、同10-337947号公報、同10-217597号公報、同10-337947号公報等に記載のインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。
画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり、耐候性を改善する目的からポリマーラテックス化合物を併用してもよい。
本発明のインクジェットの記録方法の記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、実施例1~7、10~15、17~28、30~32、34、35は「実施例」とあるのを「参考例」に読み替えるものとする。
実施例1
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-1)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
添加剤(P-4) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
プロキセルXLII(s)はLONZA(株)製の防腐剤である。
実施例2
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-2)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料1:M=Naイオン) 0.08g
添加剤(P-4) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例3
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-3)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料3:M=Naイオン) 0.06g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例4
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-4)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料7:M=Liイオン) 0.07g
添加剤(P-4) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例5
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-5)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14::M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例6
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-6)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料27::M=Naイオン) 0.05g
添加剤(P-4) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例7
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-7)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料30:M=Naイオン) 0.05g
添加剤(P-4) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例8
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-8)を調製した。
着色剤(例示化合物I-3) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例9
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-9)を調製した。
着色剤(例示化合物I-17) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例10
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-10)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 1.0g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例11
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-11)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 1.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例12
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-12)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-2) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例13
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-13)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-3) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例14
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-14)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-4) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例15
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-15)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-5) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例16
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-16)を調製した。
着色剤(例示化合物I-6) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例17
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-17)を調製した。
着色剤(例示化合物I-21) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例18
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-18)を調製した。
着色剤(例示化合物I-22) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例19
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-19)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料4:M=Naイオン) 0.08g
添加剤(P-4) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例20
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-20)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料5:M=Naイオン) 0.08g
添加剤(P-4) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例21
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-21)を調製した。
着色剤(例示化合物I-22) 0.7g
調色剤(例示化合物III-5) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料9:M=Naイオン) 0.2g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例22
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-22)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-1) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例23
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-23)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-2) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例24
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-23)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-17) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例25
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-25)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-25) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例34
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-34)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 1.0g
EDTA(4ナトリウム塩) 0.01g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例35
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-35)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Liイオン) 0.1g
添加剤(P-4) 1.0g
EDTA(4リチウム塩) 0.01g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例36
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-36)を調製した。
着色剤(例示化合物I-5) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
EDTA(4ナトリウム塩) 0.01g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例37
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-37)を調製した。
着色剤(例示化合物I-5) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Liイオン) 0.1g
添加剤(P-4) 0.5g
EDTA(4リチウム塩) 0.01g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例38
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-38)を調製した。
着色剤(例示化合物I-17) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
EDTA(4ナトリウム塩) 0.01g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
実施例39
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(G-39)を調製した。
着色剤(例示化合物I-17) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Liイオン) 0.1g
添加剤(P-4) 0.5g
EDTA(4リチウム塩) 0.01g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
比較例1
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(GR-1)を調製した。
着色剤(例示化合物I-3) 0.7g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
比較例2
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(GR-2)を調製した。
着色剤(例示化合物I-3) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
比較例3
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(GR-3)を調製した。
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
比較例4
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(GR-4)を調製した。
着色剤(比較化合物IR-1) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
Figure 0007050729000075
比較例5
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(GR-5)を調製した。
着色剤(比較化合物IR-2) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
Figure 0007050729000076
比較例6
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(GR-6)を調製した。
着色剤(比較化合物IR-3) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
Figure 0007050729000077
比較例7
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(GR-7)を調製した。
着色剤(比較化合物IR-4) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
Figure 0007050729000078
比較例8
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(GR-8)を調製した。
着色剤(比較化合物IR-5) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
Figure 0007050729000079
比較例9
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(GR-9)を調製した。
着色剤(比較化合物IR-6) 0.7g
調色剤(例示化合物III-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
Figure 0007050729000080
比較例10
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してグレー用インク(GR-10)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 0.7g
調色剤(比較化合物IIIR-1) 0.1g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 0.1g
添加剤(P-3) 0.5g
トリエチレングリコール 8.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.6g
2-ピロリドン 2.9g
グリセリン 7.3g
プロピレングリコール 0.3g
プロキセルXLII(s) 0.1g
Figure 0007050729000081
(画像記録及び評価)
上記で作製したインクを用いて、以下のように画像記録を行い、評価した。各実施例及び比較例は、以下に示すインクジェットプリンターと記録用紙の組み合わせで画像記録を行い、実技評価した。
実施例1~25、34~39、比較例1~10のインクは、各インクをインクカートリッジに装填し、インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製;PX-045A)で写真用紙(セイコーエプソン(株)製写真紙<光沢>)に記録した画像を用いて評価したものである。
<色相>
印画したサンプルを目視で観測し、以下の3段階で評価した。
A:ニュートラルグレー
B:やや赤みがかった黄色に近いグレー、やや赤色に近いグレー、又は、やや青色に近いグレー
C:明らかにグレーから逸脱した色(更なる調色が必要な場合)
<印画濃度(着色力)>
前述のインクジェットプリンター及び記録用紙の組み合わせで、各インクを用いて、ベタ塗り画像(印加電圧100%での印画画像)を記録した。
作成したベタ塗りグレー画像の印画濃度を反射濃度計(商品名 i1 PUBLISH PRO 2、エックスライト社製)を用いて測定し、ビジュアルのフィルター用いた際の印画濃度(Optical Density)が1.0以上の場合をA、0.8以上1.0未満の場合をB、0.7以上0.8未満の場合をC、0.7未満の場合をDとして、4段階で評価した。
<耐湿性>
調色グレーの階段パッチ画像を印字し、25℃で24時間経過したところで、階段パッチ部分の各濃度域から、ステータスA フィルター(Visual)が標準装備されたi1 PUBLISH PRO 2濃度計を用いて反射濃度(OD≒1.0)の(L1,a1,b1)を測定した。この画像サンプルを45℃、相対湿度85%の条件下、7日間保存後、再び保存後に初期反射濃度(OD≒1.0)の箇所の(L2,a2,b2)を測定し、暴露試験後の変色・褪色の指標として色差(ΔE)を算出した。
(L1,a1,b1)と(L2,a2,b2)のΔEは下記の計算式から算出した。
ΔE=〔(L1-L2)+(a1-a2)+(b1-b2)1/2
上式よりΔEを求め、下記判定基準により耐湿性を評価した。
A:ΔEが3未満の場合
B:ΔEが3以上10未満の場合
C:ΔEが10以上の場合
<耐光性>
調色グレーの階段パッチ画像を印字し、25℃で24時間経過したところで、階段パッチ部分の各濃度域から、ステータスA フィルター(Visual)が標準装備されたi1 PUBLISH PRO 2濃度計を用いて反射濃度(OD≒1.0)の(L3,a3,b3)を測定した。低温サイクルキセノンウェザーメーター(XL75 スガ試験機社製)を用いて、この画像サンプルにキセノン光(10万ルクス)を28日間照射し、初期反射濃度(OD≒1.0)の箇所の(L4,a4,b4)を測定し、暴露試験後の変色・褪色の指標として色差(ΔE)を算出した。
(L3,a3,b3)と(L4,a4,b4)のΔEは下記の計算式から算出した。
ΔE=〔(L3-L4)+(a3-a4)+(b3-b4)1/2
上式よりΔEを求め、下記判定基準により耐光性を評価した。
A:ΔEが10未満の場合
B:ΔEが10以上20未満の場合
C:ΔEが20以上の場合
<耐オゾン性>
調色グレーの階段パッチ画像を印字し、25℃で24時間経過したところで、階段パッチ部分の各濃度域から、ステータスA フィルター(Visual)が標準装備されたi1 PUBLISH PRO 2濃度計を用いて反射濃度(OD≒1.0)の(L5,a5,b5)を測定した。シーメンス型オゾナイザーの二重ガラス管内に乾燥空気を通しながら、5kV交流電圧を印加し、これを用いてオゾンガス濃度が10.0±0.5ppm(parts per million)、室温(20℃)、暗所に設定されたボックス内に、画像を形成した紙を3日間放置し、初期反射濃度(OD≒1.0)の箇所の(L6,a6,b6)を測定し、暴露試験後の変色・褪色の指標として色差(ΔE)を算出した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG-EM-01)を用いて設定した。
(L5,a5,b5)と(L6,a6,b6)のΔEは下記の計算式から算出した。
ΔE=〔(L5-L6)+(a5-a6)+(b5-b6)1/2
上式よりΔEを求め、下記判定基準により耐オゾン性を評価した。
A:ΔEが10未満の場合
B:ΔEが10以上20未満の場合
C:ΔEが20以上の場合
実施例26~30、比較例11~13
実施例1、5、7、9、11及び比較例1、2、3で用いたインクを用い、インクジェットブリンターと印画紙をそれぞれインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製;PX-045A)と写真用紙(セイコーエプソン(株)製写真紙<光沢>)に代えて、インクジェットプリンター(キヤノン(株)製;PIXUS Pro9000MkII)とインクジェット専用紙(キヤノン(株)製;フォト光沢紙PT-201)とした以外は、同様の操作により画像を作成し、評価した(実施例26、27、28、29、30及び比較例11、12、13)。その結果、実施例26、27、28、29、30及び比較例11、12、13は、それぞれ実施例1、5、7、9、11及び比較例1、2、3と同様の効果を示すことを確認した。
実施例31
下記の成分をそれぞれ下記添加量で含む混合物に脱イオン水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後10mol/Lの水酸化リチウム水溶液にてpH=9.0に調製し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しブラック用インク(BK-31)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 3.50g
調色剤(例示化合物III-1) 1.50g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 1.50g
添加剤(P-3) 3.50g
グリセリン 10.00g
トリエチレングリコール 2.00g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.00g
2-ピロリドン 2.00g
サーフィノール(エアープロダクツアンドケミカルズ社製) 1.00g
プロキセルXLII(s) 0.11g
実施例32
下記の成分をそれぞれ下記添加量で含む混合物に脱イオン水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後10mol/Lの水酸化リチウム水溶液にてpH=9.0に調製し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しブラック用インク(BK-32)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 3.50g
調色剤(例示化合物III-1) 1.50g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 1.50g
添加剤(P-3) 5.00g
グリセリン 10.00g
トリエチレングリコール 2.00g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.00g
2-ピロリドン 2.00g
サーフィノール(エアープロダクツアンドケミカルズ社製) 1.00g
プロキセルXLII(s) 0.11g
実施例33
下記の成分をそれぞれ下記添加量で含む混合物に脱イオン水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後10mol/Lの水酸化リチウム水溶液にてpH=9.0に調製し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しブラック用インク(BK-33)を調製した。
着色剤(例示化合物I-3) 4.50g
調色剤(例示化合物III-1) 1.50g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 1.50g
添加剤(P-3) 3.00g
グリセリン 6.50g
1,5-ペンタンジオール 2.90g
2-ピロリドン 3.70g
トリエチレングリコール 2.30g
サーフィノール(エアープロダクツアンドケミカルズ社製) 0.50g
プロキセルXLII(s) 0.11g
実施例40
下記の成分をそれぞれ下記添加量で含む混合物に脱イオン水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後10mol/Lの水酸化リチウム水溶液にてpH=9.0に調製し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しブラック用インク(BK-40)を調製した。
着色剤(例示化合物I-17) 4.5g
調色剤(例示化合物III-1) 1.5g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Liイオン) 1.5g
添加剤(P-4) 3.0g
EDTA(4リチウム塩) 0.02g
グリセリン 6.5g
1,5-ペンタンジオール 2.9g
2-ピロリドン 3.7g
トリエチレングリコール 2.3g
サーフィノール(エアープロダクツアンドケミカルズ社製) 0.5g
プロキセルXLII(s) 0.1g
比較例14
下記の成分をそれぞれ下記添加量で含む混合物に脱イオン水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後10mol/Lの水酸化リチウム水溶液にてpH=9.0に調製し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しブラック用インク(BKR-14)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 3.50g
調色剤(例示化合物III-1) 1.50g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 1.50g
グリセリン 10.00g
トリエチレングリコール 2.00g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.00g
2-ピロリドン 2.00g
サーフィノール(エアープロダクツアンドケミカルズ社製) 1.00g
プロキセルXLII(s) 0.11g
比較例15
下記の成分をそれぞれ下記添加量で含む混合物に脱イオン水を加え100gとした後、30~40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後10mol/Lの水酸化リチウム水溶液にてpH=9.0に調製し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しブラック用インク(BKR-15)を調製した。
着色剤(例示化合物I-1) 4.50g
調色剤(例示化合物III-1) 1.50g
マゼンタ染料(マゼンタ染料14:M=Naイオン) 1.50g
グリセリン 6.50g
1,5-ペンタンジオール 2.90g
2-ピロリドン 3.70g
トリエチレングリコール 2.30g
サーフィノール(エアープロダクツアンドケミカルズ社製) 0.50g
プロキセルXLII(s) 0.11g
実施例31、32、比較例14のインクは、各インクをインクカートリッジに装填し、インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製;PX-045A)で写真用紙(セイコーエプソン(株)製写真紙<光沢>)に記録した画像を用いて評価した。
実施例33、40、比較例15のインクは、各インクをインクカートリッジに装填しインクジェットプリンター(キヤノン(株)製;PIXUS Pro9000MkII)とインクジェット専用紙(キヤノン(株)製;フォト光沢紙PT-201)で記録した画像を用いて評価した。
<色相>
印画したサンプルを目視で観測し、以下の3段階で評価した。
A:ブラック
B:やや赤みがかった黄色に近いブラック、やや赤色に近いブラック、又は、やや青色に近いブラック
C:明らかにブラックから逸脱した色(更なる調色が必要な場合)
<印画濃度(着色力)>
前述のインクジェットプリンター及び記録用紙の組み合わせで、各インクを用いて、ベタ塗り画像(印加電圧100%での印画画像)を記録した。
作成したベタ塗りブラック画像の印画濃度を反射濃度計(商品名 i1 PUBLISH PRO 2、エックスライト社製)を用いて測定し、ビジュアルのフィルター用いた際の印画濃度(Optical Density)が2.4以上の場合をA、2.2以上2.4未満の場合をB、2.0以上2.2未満の場合をC、2.0未満の場合をDとして、4段階で評価した。
<耐湿性>
ブラック色調の階段パッチ画像を印字し、25℃で24時間経過したところで、階段パッチ部分の各濃度域から、ステータスA フィルター(Visual)が標準装備されたi1 PUBLISH PRO 2濃度計を用いて反射濃度(OD≒1.0)の(L1,a1,b1)を測定した。この画像サンプルを45℃、相対湿度85%の条件下、7日間保存後、再び保存後に初期反射濃度(OD≒1.0)の箇所の(L2,a2,b2)を測定し、暴露試験後の変色・褪色の指標として色差(ΔE)を算出した。
(L1,a1,b1)と(L2,a2,b2)のΔEは下記の計算式から算出した。
ΔE=〔(L1-L2)+(a1-a2)+(b1-b2)1/2
上式よりΔEを求め、下記判定基準により耐湿性を評価した。
A:ΔEが3未満の場合
B:ΔEが3以上10未満の場合
C:ΔEが10以上の場合
<耐光性>
ブラック色調の階段パッチ画像を印字し、25℃で24時間経過したところで、階段パッチ部分の各濃度域から、ステータスA フィルター(Visual)が標準装備されたi1 PUBLISH PRO 2濃度計を用いて反射濃度(OD≒1.0)の(L3,a3,b3)を測定した。低温サイクルキセノンウェザーメーター(XL75 スガ試験機社製)を用いて、この画像サンプルにキセノン光(10万ルクス)を28日間照射し、初期反射濃度(OD≒1.0)の箇所の(L4,a4,b4)を測定し、暴露試験後の変色・褪色の指標として色差(ΔE)を算出した。
(L3,a3,b3)と(L4,a4,b4)のΔEは下記の計算式から算出した。
ΔE=〔(L3-L4)+(a3-a4)+(b3-b4)1/2
上式よりΔEを求め、下記判定基準により耐光性を評価した。
A:ΔEが10未満の場合
B:ΔEが10以上20未満の場合
C:ΔEが20以上の場合
<耐オゾン性>
ブラック色調の階段パッチ画像を印字し、25℃で24時間経過したところで、階段パッチ部分の各濃度域から、ステータスA フィルター(Visual)が標準装備されたi1 PUBLISH PRO 2濃度計を用いて反射濃度(OD≒1.0)の(L5,a5,b5)を測定した。シーメンス型オゾナイザーの二重ガラス管内に乾燥空気を通しながら、5kV交流電圧を印加し、これを用いてオゾンガス濃度が10.0±0.5ppm、室温(20℃)、暗所に設定されたボックス内に、画像を形成した紙を3日間放置し、初期反射濃度(OD≒1.0)の箇所の(L6,a6,b6)を測定し、暴露試験後の変色・褪色の指標として色差(ΔE)を算出した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG-EM-01)を用いて設定した。
(L5,a5,b5)と(L6,a6,b6)のΔEは下記の計算式から算出した。
ΔE=〔(L5-L6)+(a5-a6)+(b5-b6)1/2
上式よりΔEを求め、下記判定基準により耐オゾン性を評価した。
A:ΔEが10未満の場合
B:ΔEが10以上20未満の場合
C:ΔEが20以上の場合
実施例及び比較例の結果を下記表1及び表2に示す。
Figure 0007050729000082
Figure 0007050729000083
<インク吐出安定性>
インク吐出安定性については、実施例1~25、31~32、34~39で調製したインク組成物をインクジェット記録装置(商品名:PM-700C、セイコーエプソン株式会社製)用のインクカートリッジに充填し、このカートリッジをインクジェット記録装置にセットし、全ノズルからのインクの吐出を確認した後、A4の紙100枚(インクジェット専用紙、セイコーエプソン(株)製写真紙<光沢>)に出力し、以下の基準で評価した。
また、実施例26~30、33、40で調製したインク組成物をインクジェット記録装置(商品名:PIXUS Pro9000MkII、キヤノン(株)製)用のインクカートリッジに充填し、カートリッジをインクジェット記録装置にセットし、全ノズルからのインクの吐出を確認した後、A4の紙100枚(インクジェット専用紙、キヤノン(株)製;フォト光沢紙PT-201)に出力し、以下の基準で評価した。
A:印刷開始から終了まで印字の乱れが殆ど無し
B:印字の乱れのある出力が少数発生する
C:印字の乱れのある出力が多数発生する
D:印刷開始から終了まで終始印字の乱れあり
インク吐出安定性の試験は、インク組成物を調製した直後と、インクカートリッジ中で40℃、相対湿度80%の条件下で4週間保存した後に行った。
下記表3において、調製した直後のインク組成物を用いた場合の結果を、「インク調製直後」の欄に記載した。インクカートリッジ中で40℃、相対湿度80%の条件下で4週間保存した後に行った場合の結果を、「強制試験 4週間後」の欄に記載した。
<貯蔵安定性>
実施例1~40で調製したインク組成物に関して、強制試験として、60℃の条件で4週間保存した後、及び60℃の条件で10週間保存した後、インク貯蔵安定性の評価を実施した。
調製直後のインク組成物と同等の性能を保っているものをA、強制試験後に評価項目(色相、印画濃度、耐湿性、耐光性、耐オゾン性、及び吐出安定性)の1項目でも性能が低下したものをBとし、2段階で評価した。
実施例の結果を下記表3に示す。
Figure 0007050729000084
以上の結果より、本発明の実施例のインクは、グレーからブラックの色相、及び印画濃度に優れ、かつ耐湿性、耐光性、及び耐オゾン性に優れた画像を形成することができるインク組成物であることが分かった。特に、本発明の実施例のインクは、耐湿性に優れており、インクジェット印画物の自然経時(特に高湿度時)の保存性に関して優れていた。更に、本発明のインク組成物は、長期保存した際の貯蔵安定性、並びに長期保存後のインクの印画品質、及び吐出安定性に関して優れていた。

Claims (9)

  1. 下記一般式(V)で表される着色剤及び下記一般式(VI)で表される着色剤のいずれか少なくとも1種、水、下記一般式(II)で表される化合物、及び下記一般式(III)で表される調色剤を含有するインク組成物。
    Figure 0007050729000085

    Figure 0007050729000086

    一般式(V)及び一般式(VI)中、R 30 は置換されていてもよい芳香族基を表す。R 4S は-NO 、-NHCOR 5S 、-NHSO 5S 、又は-NHCONHR 5S を表す。R 5S は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいヘテロ環基を表す。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
    Figure 0007050729000087

    一般式(II)中、Ar20はベンゼン環又はナフタレン環を表す。R21~R28はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R21とR22が結合して環を形成してもよい。R23とR24が結合して環を形成してもよい。R25とR26が結合して環を形成してもよい。R27とR28が結合して環を形成してもよい。R29は置換基を表す。Ar20がベンゼン環を表す場合、kは0~4の整数を表す。Ar20がナフタレン環を表す場合、kは0~6の整数を表す。R29が複数存在する場合、複数のR29はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R29が複数存在する場合、複数のR29が結合して環を形成してもよい。ただし、一般式(II)で表される化合物は、少なくとも1つの親水性基を有する。
    Figure 0007050729000088

    一般式(III)中、Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Zは2価の連結基を表す。
  2. 下記一般式(M1)~(M8)のいずれかで表される調色剤を含有する請求項1に記載のインク組成物。
    Figure 0007050729000089

    一般式(M1)中、R41及びR42はそれぞれ独立に置換基を表す。p1及びp2はそれぞれ独立に0~5の整数を表す。R41及びR42が複数存在する場合は、それぞれ同一でも異なってもよい。少なくとも2つのR41が互いに結合して環を形成してもよい。少なくとも2つのR42が互いに結合して環を形成してもよい。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
    Figure 0007050729000090

    一般式(M2)中、Ar及びArはそれぞれ独立に置換基を有してもよい芳香族基又は置換基を有してもよいヘテロ環基を表す。Lは2価の連結基を表す。Z及びZはそれぞれ独立に-OM’又はハロゲン原子を表す。M及びM’はそれぞれ独立に水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。M’が複数存在する場合、複数のM’はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
    Figure 0007050729000091

    一般式(M3)中、R43及びR44はそれぞれ独立に置換基を表す。p3及びp4はそれぞれ独立に0~5の整数を表す。R43及びR44が複数存在する場合は、それぞれ同一でも異なってもよい。少なくとも2つのR43が互いに結合して環を形成してもよい。少なくとも2つのR44が互いに結合して環を形成してもよい。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
    Figure 0007050729000092

    一般式(M4)中、R45、R46及びR47はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R46及びR47が互いに結合して環を形成してもよい。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
    Figure 0007050729000093

    一般式(M5)中、R51~R512はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R51及びR52が互いに結合して環を形成してもよい。R53及びR54が互いに結合して環を形成してもよい。R58~R512の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。一般式(M5)で表される調色剤は少なくとも1つの-SOMを有する。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。
    Figure 0007050729000094

    一般式(M6)中、R61~R66はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R63~R66の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。
    Figure 0007050729000095

    一般式(M7)中、R71~R74はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。Lは2価の連結基を表す。Mは水素原子又はカウンターカチオンを表す。複数のMはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
    Figure 0007050729000096

    一般式(M8)中、R81~R812はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R81~R85の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。R86~R810の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。
  3. 前記一般式(II)で表される化合物が、少なくとも1つのイオン性親水性基を有する請求項1又は2に記載のインク組成物。
  4. 前記一般式(II)中のR21~R29のいずれか少なくとも1つがイオン性親水性基を有する請求項1~のいずれか1項に記載のインク組成物。
  5. 前記一般式(II)で表される化合物の含有量が、インク組成物の全質量を基準として、0.5~1.5質量%であり、グレーインク用である、請求項1~のいずれか1項に記載のインク組成物。
  6. 前記一般式(II)で表される化合物の含有量が、インク組成物の全質量を基準として、3.0~5.0質量%であり、ブラックインク用である、請求項1~のいずれか1項に記載のインク組成物。
  7. キレート剤を含有し、前記キレート剤の含有量が、前記インク組成物の全質量を基準として、0.001~0.3質量%である、請求項1~のいずれか1項に記載のインク組成物。
  8. 請求項1~のいずれか1項に記載のインク組成物を含むインクジェット記録用インク。
  9. 請求項に記載のインクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法。
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