JP7048931B2 - 無線中継装置および無線中継方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無線中継装置および無線中継方法に関する。
無線LANの利用拡大や無線監視カメラなど通信機能を有する機器の増加により無線通信のトラヒックが急激に増大しており、周波数利用効率を向上させて、限りある無線リソースにより多くのトラヒックを収容することが求められている。
すなわち、近年、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)が密に配置され、かつ、IoTならびにM2M通信に対するそれらの需要のために、周波数資源の不足が急速に進行している。そして、一般には、このような無線通信トラヒックの収容先として、ISM(Industry-Science-Medical)帯のような免許不要帯域の複数システム共用周波数帯域が使用されることが多い。
また、このような無線通信方式においては、誤り訂正を目的として、符号化方式に畳込み符号が使用され、復号方式にはビタビ復号が用いられる場合がある。
ビタビ復号は、畳込み符号に対して最尤復号を容易に実現できる復号法として実用上重要であり,また,軟判定復号を容易に適用することができるので優れた誤り性能を得ることができることが知られている。
そして、このようなビタビ復号については、たとえば、特許文献1に、加算比較選択演算(Add, Compare, Select演算、以下ACS演算と称す)を、ACS演算済みの入力データが「打ち切り長」に達するまで繰り返し、トレースバック演算器によってトレースバック処理を行い復号結果の取得を行う構成が開示されている。特許文献1では、誤り訂正能力を十分に向上させることを目的として、ACS演算器が、復号データに誤りがある場合に再度、受信データに対して加算比較選択演算を実行する構成が開示されている。
また、特許文献2には、消費電力の削減を図ることを目的として、以下のような構成が開示されている。すなわち、特許文献2に開示の受信装置は、畳み込み符号化されたデータを復号化するビタビ復号器と、受信データフレームのヘッダ内に記述されたデータからビタビ復号器で用いられるパラメータのトレースバック長を制御するトレースバック長制御手段と、復号データのヘッダを用いてその中の情報を読み取るヘッダ解析手段で構成される。受信装置は、畳み込み符号化されたデータを受信し、その後、複数のメモリを備えた並列処理のできるビタビ復号器によって最尤復号化が行われる際、受信したデータのヘッダ内の情報を用いてトレースバック長を制御し、複数ある並列メモリについて使用か不使用かを設定し、不使用となる並列メモリがある場合には、それらを静止してスタンバイモードにする。
ただし、あくまで、これらのビタビ復号についての従来技術は、個々の受信機において、誤り訂正能力の向上や、ビタビ復号器の構成が複雑化した場合の消費電力の低減などを目的としたものである。
ところで、各送信機の最大送信電力を増加させることなく、カバーエリアを拡大する方法として、中継方式(リレー方式)があり、たとえば、IEEE 802.11sなどで規格化されている。
従来のリレー方式には、主として、以下の2種類がある(たとえば、特許文献3を参照)。
すなわち、Decode-and-Forward(DF)と呼ばれるリレー方式と、Amplify-and-Forward(AF)と呼ばれる方式である。
特開2009-159482号明細書 特開2011-35568号明細書 特開2013-175817号明細書
DF方式では、リレー対象となるフレームの復号処理を行い、受信フレームに誤りがないことを確認してから、誤り訂正後のビット列について再符号化/変調を施してリレー送信を行う。このDF方式では、リレー装置において誤り訂正を行うことで、転送先への誤り伝搬を防ぐことができるが、復号処理が完了するまで、リレー送信を開始できないため、大きな遅延が生じてしまう。特に、誤り訂正が不要となるような良い通信状況の場合には、復号完了までの遅延時間は大きなロスとなる。
一方、AF方式では、復調/復号などを行わず受信して即座に転送を開始するが、受信信号に含まれているノイズもそのまま増幅して送信するため、受信信号電力が高いにも関わらずS/N比が劣化することがある。また、受信フレームが転送必要かどうかを確認せずにリレーを行ってしまう。そのため不要なフレーム送信が発生し、リソースの浪費や干渉の増加を招く恐れがある。
すなわち、従来のリレー方式では、変動しうる通信状況下において、誤り率の抑制と遅延時間の短縮を両立させることが困難であるという問題があった。
言い換えると、S/N比が変動しうる通信状況下において、中継機における復号処理や、符号化および変調処理をどのように制御すれば、遅延時間の短縮が可能かが必ずしも明らかではなかった。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、リソースの浪費や干渉の増加を抑制可能な無線中継装置および無線中継方法を提供することである。
この発明の他の目的は、誤り率を抑制しつつ、遅延時間の短縮が可能な無線中継装置および無線中継方法を提供することである。
この発明の1つの局面に従うと、全二重通信が可能な無線通信方式で通信し、送信元ノードからの第1のフレーム信号を中継し宛先ノードに第2のフレーム信号として転送するための無線中継装置であって、送信元ノードからの信号を受信する受信手段と、受信手段で受信した第1のフレーム信号を復調し、第1のフレーム信号の少なくともヘッダの情報を復号する復調復号手段と、ヘッダの情報に基づいて、第1のフレーム信号を中継することが必要と判断されることに応じて中継処理を制御するための中継制御手段と、中継制御手段の制御に応じて、第1のフレーム信号の受信期間と少なくとも一部で重複する期間において、復調復号手段からのデータを符号化および変調して第2のフレーム信号を生成するための符号化・変調手段と、符号化・変調手段の出力を宛先ノードに向けて送信するための送信手段とを備え、復調復号手段は、所定の復調処理を実行してビット列を生成するための復調手段と、ビット列に基づき、トレリス符号に対する復号処理を実行するための復号手段と、復号手段の出力に対して誤り検知を実行するための誤り検知手段とを含み、符号化・変調手段は、中継制御手段の制御に応じて、復調手段または復号手段のいずれかから出力されるデータを選択的に受けて、符号化および変調して第2のフレーム信号を生成する。
好ましくは、符号化・変調手段は、中継制御手段の制御に応じて、復調復号手段での復調および復号の方式とは独立に制御される符号化および変調の方式により、第2のフレーム信号を生成する。
好ましくは、全二重通信が可能な無線通信方式は、互いに分離した複数の周波数帯のそれぞれの無線チャネルを利用して無線通信する方式である。
好ましくは、復号手段は、トレリス符号に対する復号処理に対してトレリス上での打切り長を設定可能であり、中継制御手段は、第1のフレーム信号に基づき、送信元ノードと無線中継装置との間の通信品質を推定する通信品質推定手段と、推定された通信品質に基づいて、第2のフレーム信号の転送に要する時間の期待値を小さくするように、打切り長を設定する中継条件設定手段とを含む。
好ましくは、通信品質推定手段は、第1のフレーム信号に基づき、伝搬路推定値や雑音電力推定値を取得して、通信品質としてフレームエラーレートを推定するエラーレート推定手段を含む。
好ましくは、中継条件設定手段は、通信品質に基づき、再送を含めて、第1のフレーム信号の送信に要する時間の期待値を算出し、期待値が最小となるように、符号化・変調手段における符号化および変調の方式を所定の方式のうちから選択する。
好ましくは、中継条件設定手段は、中継伝送に必要な中継時間を算出し、中継時間が第1のフレームのフレーム期間より長い場合は、ヘッダ受信後に中継伝送を開始する。
好ましくは、中継条件設定手段は、中継伝送に必要な中継時間を算出し、中継時間が第1のフレームのフレーム期間より短い場合は、転送データが不足することのないタイミングとなるまで第1のフレームのデータがバッファされてから、中継伝送を開始する。
この発明の他の局面に従うと、全二重通信が可能な無線通信方式で通信し、送信元ノードからの第1のフレーム信号を中継し宛先ノードに第2のフレーム信号として転送するための無線中継方法であって、送信元ノードからの信号を受信するステップと、受信した第1のフレーム信号を復調し、第1のフレーム信号の少なくともヘッダの情報を復号する復調復号ステップと、ヘッダの情報に基づいて、第1のフレーム信号を中継することが必要と判断されることに応じて中継処理を制御する中継制御ステップと、中継処理の制御に応じて、第1のフレーム信号の受信期間と少なくとも一部で重複する期間において、復調復号ステップでの処理の完了前のデータを受けて符号化および変調して第2のフレーム信号を生成する符号化・変調ステップと、変調後の第2のフレーム信号を宛先ノードに向けて送信するステップとを備え、復調復号ステップは、所定の復調処理を実行してビット列を生成する復調ステップと、ビット列に基づき、トレリス符号に対する復号処理を実行する復号ステップと、復号ステップの結果に対して誤り検知を実行するステップとを含み、符号化・変調ステップは、中継制御ステップにおける制御に応じて、復調ステップまたは復号ステップの結果のいずれかのデータを選択的に受けて、符号化および変調して第2のフレーム信号を生成する。
この発明によれば、無線中継装置においてリソースの浪費や干渉の増加を抑制ことが可能である。
また、無線中継装置において遅延時間を縮小することが可能である。
また、この発明によれば、誤り率を抑制しつつ、遅延時間を縮小することを両立させることが可能である。
本実施の形態の無線中継装置1000の中継動作の概念を説明するための図である。 本実施の形態の無線中継装置1000の構成を説明するための機能ブロック図である。 無線中継装置1000が、送信元ノードから受信するフレーム信号の構成を説明するための概念図である。 復調/復号部110、リレー制御部112、符号化/変調部120の構成を説明するためのブロック図である。 従来のDF方式において、中継ノードで実行される処理を説明する概念図である。 TDF方式において、中継ノードで実行される処理を説明する概念図である。 中継方式における伝送の時間経過を示す図である。 再送制御を説明するためのフローチャートである。 シミュレーション・パラメータを示す図である。 変調および符号化方式(MCS)およびシミュレーション条件を示す図である。 図10(b)の条件5の下での各中継伝送方式の遅延時間を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態の無線通信システムおよび無線中継装置の構成を説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素および処理工程は、同一または相当するものであり、必要でない場合は、その説明は繰り返さない。
なお、以下では、本発明の無線中継装置は、「全二重通信」が可能な無線通信方式で動作するものとして説明する。その場合、本発明の無線中継装置を説明する一例として、互いに大きく分離した複数の既存の免許不要帯域(たとえば、IoTなどに使用される920MHz帯、無線LANに使用される2.4GHz帯と5GHz帯)において、複数の周波数帯を同時に利用し、送信元モードから中継機までの伝送と中継機から宛先ノードまでの伝送とを互いに異なる周波数帯で同時並行して実行する無線中継装置を例とする実施の形態を説明する。
ただし、全二重通信を実現する方式としては、必ずしも、このような複数の周波数帯を使用する方式に限られず、たとえば、同一の周波数帯であっても、いわゆる空間分割により、全二重通信が可能な方式であってもよい。
このような同一の周波数帯において、全二重通信を実現する方式を実現する方式として、以下の文献に開示がある。
文献 : Jung Il Choiy, Mayank Jainy, Kannan Srinivasany, Philip Levis, Sachin Katti、”Achieving Single Channel, Full Duplex Wireless Communication”,pp.1-12, Proc. of the 16th Annual International Conference on Mobile Computing and Networking (Mobicom 2010).
以下の説明では、上述とおり、異なる周波数帯を同時に使用するものとして、説明する。
[実施の形態]
図1は、本実施の形態の無線中継装置1000の中継動作の概念を説明するための図である。
なお、以下では、説明の簡単のために、送信元ノードと宛先ノードとの間に、無線中継装置1000が1台介在するものとして説明する。ただし、無線中継装置1000の構成および動作は、必ずしも、このような場合に限定されず、複数台の中継装置が介在するようなマルチホップの場合にも適用可能である。
図1に示されるように、無線中継装置1000は、送信元ノード1010からの信号を受信して、宛先ノード1020に対して、信号を中継する。
ここで、後に詳しく説明するように、無線中継装置1000は、受信処理中に,部分的に復号が完了した信号のリレー送信を、受信とは異なる周波数帯において開始することで低遅延のリレーを実現する。
また、無線中継装置1000は、受信信号の復号処理方法を、受信フレームの誤り率予測結果に応じて適応的に選択する。たとえば、畳込み符号に対する復号処理の打ち切り長を打ち切りなしも含めて選択することで,復号処理での遅延を最小化して低遅延なリレーを可能にする構成を有する。
なお、以下では、上述したような複数の周波数帯の各周波数帯における変調方式として、直交周波数分割多重方式(OFDM:orthogonal frequency-division multiplexing)を例とし、誤り訂正のための通信路符号化の方式としては、畳込み符号を使用し、復号方式としては、ビタビ復号を用いるものを一例として説明する。ただし、後述するように、本発明は、このような例に限定されるものではない。
図2は、本実施の形態の無線中継装置1000の構成を説明するための機能ブロック図である。
図2を参照して、無線中継装置1000は、第1の周波数帯において伝送される送信元ノードからのフレーム信号を受信するための受信アンテナ100と、受信アンテナからのフレーム信号に対して、低雑音増幅などの高周波処理を実行するためのRF部102と、RF部102で受信される信号のプリアンブル信号を利用して同期処理を実行する同期処理部104と、同期処理部104からの同期信号に同期して、RF部102からの信号に対して、OFDM復調処理を実行するためのOFDM復調部106と、OFDM復調部106からのパイロット信号に基づいて、伝送路推定値および雑音電力推定値を算出する伝搬路推定部108とを備える。
無線中継装置1000において、後述するように、復調/復号部110は、OFDM復調部106からのフレーム信号(ヘッダおよびフレーム本体データの信号)を受けて、受信したフレーム信号のうち、少なくともヘッダ部分の情報を復号する。リレー制御部112は、復号されたヘッダ情報に基づき、受信したフレーム信号が中継処理を要するものであるかを判断し、中継処理を要するものである場合、伝搬路推定部108からの伝送路推定値および雑音電力推定値に基づいて、受信フレームの誤り率を予測し、予測結果に応じて、受信したフレーム信号に対する復号処理方法を適応的に選択する。
特に限定されないが、たとえば、リレー制御部112は、受信フレームの誤り率の予測結果について事前に設定されているランクに応じて、以下のように、フレーム本体のデータに対する復号方式を切換えるものとする。
i)ビタビ復号における打ち切りなし
ii)ビタビ復号において打切り長Lで復号を実行し、実行結果を転送する。
この場合、打切り長Lについても、予測結果の複数のランクにそれぞれ応じて、複数の値が事前に設定されていてもよい。
iii)ビタビ復号処理を実行せず、復調結果を転送する。
この場合、ビタビ復号において、打ち切り処理を行わないことは、無線中継装置1000において、誤り訂正能力が最も高くなることに相当するので、これは、受信フレームの誤り率の予測が、誤り率が最も高いとされるランクに相当する場合に選択される。ただし、この場合、復号を誤り訂正等に要する処理時間が最も長くなるため、無線中継装置1000における遅延は、最も大きくなる。
打切り長Lが長いほど、誤り訂正能力が高くなることから、受信フレームの誤り率の予測において、誤り率が低くなるほど、打切り長Lを短く設定することができる。この場合は、打切り長Lが短いほど、無線中継装置1000における遅延は、小さくなる。
さらに、ビタビ復号処理を実行せず、復調結果を転送するということは、受信フレームの誤り率の予測が、誤り率が最も低いとされるランクに相当する場合に選択される。この場合、誤り率が低いので、無線中継装置1000において、誤り訂正を行わなくとも、宛先ノードにおける誤り率は、低く抑えられると期待されるからである。そして、この場合は、無線中継装置1000における遅延は、最小となる。
図2に戻って、無線中継装置1000において、リレー制御部112は、中継処理を要するものである場合、伝搬路推定部108からの伝送路推定値および雑音電力推定値に基づいて予測した受信フレームの誤り率に応じて、受信時の変調方式/符号化率に対して、独立に転送するフレーム信号に対する変調方式/符号化率を変更することができるものとする。
ここで、変調方式および符号化率は、事前に、MCS(Modulation and Coding Scheme)として、インデックス化しておくことができる。
このようにして、変調方式および符号化率を変更することで、後述するように、送信元ノードから無線中継装置1000に対して送信されるフレーム信号のフレーム期間に対して、無線中継装置1000から宛先ノードへのフレーム信号のフレーム期間を変更することができ、リレー制御部112が、中継する信号の送信タイミングを調整することが可能となる。
符号化/変調部120は、リレー制御部112の制御の下で、復調/復号部110から受け取ったデータに対して、選択された変調方式および符号化率で、符号化および変調処理を実行する。
OFDM変調部122は、符号化/変調部120からの信号に対して、OFDM変調処理を実行し、RF部124は、第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯で、中継されるフレーム信号を送出するための電力増幅などの高調波処理を実行して、送信アンテナ130から中継波が送信される。
なお、以上の説明では、通信路符号化の符号化方式としては、「畳み込み符号化」とし、復号処理としては、「ビタビ復号」であるものとしている。ただし、本実施の形態の無線中継装置1000では、より一般に、通信路符号化の符号化方式として、「トレリス符号」を用いることが可能である。
ここで、「トレリス符号」とは、トレリス線図上で定義できるツリー符号であり、トレリス線図とは、入力されるビット系列に従って、有限状態マシンである符号器が状態を変化させていく過程で生成する符号列を表すものである。言い換えると、トレリス線図では、ラベル付きグラフの始点から終点に至るパスが符号語系列に対応する。したがって、トレリス符号では、符号系列が符号器から出力される時点の情報系列だけでなく、それ以前の情報系列にも依存して定まることになる。
そして、トレリス符号では、符号化器の状態数がそれほど大きくない場合においては、トレリスの特性を利用したビタビ復号法による最尤復号が可能である。ただし、トレリス符号の復号方法としては、ビタビ復号法に限られるものではない。
ここで、「畳み込み符号」とは、「トレリス符号」のうち、符号系列が符号器から出力される時点の情報系列だけでなく,それ以前の情報系列も依存して定まる「線形符号」のことをいう。
また、ビタビ復号において、「打ち切り長」について説明した。通常、ビタビ復号する際には、打切り長により復号を打切り、トレリス上において、打ち切った時点で最も尤度の高いステートメトリックを持つステートからトレースバックを開始する。そしてトレースバックを行った結果、得られたデータが復号結果になる。尤度の高いステートメトリックを持つステートとは、ビタビアルゴリズムの実行を打ち切ったトレリス線図上の時点に存在する状態(ステート)のうち、最小のステートメトリック値を有する状態のことをいう。
ただし、復号処理において、「打ち切り長」を考慮することが可能な復号方法としては、ビタビ復号の他にも、たとえば、SW-BCJRアルゴリズムやSOVA(soft output Viterbi algorithm)などがある。SW-BCJRアルゴリズムについては、たとえば、以下の文献に開示がある。
文献 : 特開2010-73264号公報
また、SOVAについては、以下の文献に開示がある。
文献 : 特開2002-217748号公報
図3は、無線中継装置1000が、送信元ノードから受信するフレーム信号の構成を説明するための概念図である。
図3(a)に示すように、フレーム信号は、プリアンブルと、ヘッダおよびフレーム本体とを含み、この順序で受信される。
ここで、プリアンブルは、畳込み符号化はされておらず、この部分の信号により、上述のとおり、同期処理が実行される。
ヘッダおよびフレーム本体データは、畳込み符号化されている。上述のとおり、復調/復号部110は、まず、ヘッダについて、ビタビ復号化し、リレー制御部112が、このヘッダの内容を解析して、受信フレームが、中継対象のフレームであるか否かを判断する。
図3(b)は、現状のIEEE 802.11に準拠する場合のMACヘッダの構成を説明する図である。
MACヘッダのうち、Address1~Address3の情報により、リレー送信の必要/不要の判断を行うことができる。すなわち、リレーの対象となる宛先/送り元のアドレスが,事前に指示されているため、アドレスを確認することで,リレーの必要/不要を判断することができる。
なお、この場合は、アドレスを確認するためには、物理層のデータフレーム構造中において、データ本体に存在するPSDU(Physical Layer convergence protocol Service Data Unit)部分まで復号することが必要となるため、上述したような「復調のみ」を選択する利点は小さくなる。
図3(c)は、現状のIEEE 802.11aに準拠する場合の物理ヘッダの構成を説明する図である。
そこで、MACヘッダではなく、物理ヘッダの情報を利用して、中継の要否を指定することも可能である。すなわち、図3(c)に示すように、物理ヘッダには、リザーブビットrsvが1ビット割り当てられている。したがって、このリザーブビットを利用して、リレーの必要/不要を指示する構成とすることができる。中継が必要の指示が示されている場合は、予め決められた送り先へリレー送信を行う構成とすることができる。
この場合は、物理ヘッダの復号は必要となるが,PSDU部分までの復号は必須ではなく、復調のみを行う場合は処理遅延は、物理ヘッダを読むまでとなり、より遅延の小さい中継をすることが可能となる。
なお、IEEE 802.11n,IEEE 802.11acなどでも物理ヘッダにリザーブビットがあるため、同様に、このリザーブビットを利用することで、中継処理の要不要を指示することができる。
図4は、図2で説明した復調/復号部110、リレー制御部112、符号化/変調部120の構成を説明するためのブロック図である。
図4を参照して、リレー制御部112は、上述のとおり、伝搬路推定部108からの伝送路推定値および雑音電力推定値により受信フレームについてのフレームエラーレートを予測するフレームエラーレート予測部1122と、復調/復号部110からのヘッダ情報に基づいて、中継処理の要否を判断するヘッダ解析部1124と、ヘッダ解析部1124により中継処理が必要であると判断された場合、フレームエラーレートの予測結果に応じて、上述したような復号処理の条件や、変調方式や符号化率の条件を設定する中継条件設定部1126とを含む。
復調/復号部110は、OFDM復調部106からの信号に対して、たとえば多値変調に対する復調処理を実行する復調処理部1101と、復調されたビット列に対して、デインターリーブ処理を実行するデインターリーブ処理部1102と、デインタリーブされた信号に対してデパンクチャリング処理を実行するためのデパンクチャリング部1103とを含む。デパンクチャリング部1103は、デパンクチャリング処理を実行するための内部メモリ1103.2と、デパンクチャリング処理を実行するデパンクチャ処理部1103.1とを含む。
さらに、復調/復号部110は、デパンクチャリング処理された信号に対して、ビタビ復号を実行するためのビタビ復号部1104を含む。ビタビ復号部1104は、ビタビ復号処理を実行するための内部メモリ1104.2と、ビタビ復号処理を実行するビタビ復号処理部1104.1とを含む。ビタビ復号処理部1104.1は、たとえば、上述したようなACS演算や、トレースバック処理を実行する。このとき、中継条件設定部1126の設定により、打切り長が設定される。
さらに、復調/復号部110は、ビタビ復号された信号に対して、CRC(Cyclic Redundancy Check)などの誤り検出符号により、誤り検出を行うための誤り検出部1105を含む。
誤り検出部1105の出力は、メモリ111に一旦格納される。
次に、符号化/変調部120は、メモリ111に格納されたデータに対して、CRCなどの誤り検出符号を付加する誤り検出符号付加部1201と、畳込み符号化を実行するための畳込み符号化部1202とを含む。
メモリ111に格納されたデータが誤り検出符号付加部1201に送られる場合は、上述した「ビタビ復号における打ち切りなし」に相当する。
後述するように、中継条件設定部1126の設定により、ビタビ復号部1104内の内部メモリ1104.2に格納されたデータが、直接、畳込み符号化部1202に入力される場合もある。これは、上述した「ビタビ復号において打切り長Lで復号を実行し、実行結果を転送」に相当する。
さらに、符号化/変調部120は、畳込み符号化された信号について、パンクチャリング処理を実行するパンクチャリング部1203を含む。後述するように、中継条件設定部1126の設定により、デパンクチャリング部1103内の内部メモリ1103.2に格納されたデータが、直接、パンクチャリング部1203に入力される場合もある。これは、上述した「ビタビ復号処理を実行せず、復調結果を転送」に相当する。
さらに、符号化/変調部120は、パンクチャリング処理された信号に対して、インターリーブ処理を実行するインターリーブ処理部1204と、インターリーブ処理された信号に対して、変調処理を実行する変調処理部1205とを含む。
(本実施の形態の中継伝送方式)
以下では、従来の中継伝送方式(DF方式)と本実施の形態の中継伝送方式とを対比して説明する。
表現を単純化するために、「S-Rフレーム」および「R-Dフレーム」との用語を定義する。前者は、送信元ノード(S)と中継ノード(R)の間のフレームを表し、後者は、中継ノード(R)と宛先ノード(D)の間のフレームを表す。
本実施の形態の無線中継装置1000では、中継ノードは、ある周波数帯でのデータフレームを受信する一方で、別の周波数帯上でデータフレームを転送する。[従来中継伝送方式(DF方式)]
図5は、従来のDF方式において、中継ノードで実行される処理を説明する概念図である。
図7は、各中継方式におけるを示す図である。
図5に示すように、畳込み符号が使用されるものとし、DF方式の中継伝送方式による中継ノードは、復調処理、デインターリーブ処理、デパンクチャリング処理、ビタビ復号および、CRC符号を使用するフレームエラーチェックを実行する。
受信フレームにフレームエラーが 検出されない場合、復号されたビット列は、誤り検出符号が付加された後、畳込み符号化処理、パンクチャリング処理、インターリーブ処理および変調処理の後に、送信される。
ここで、TSRとTRDは、それぞれS-RフレームとR-Dフレームのフレーム伝送期間であるものとする。
図7(a)に、DF方式の伝送時間が示される。
図7(a)から、DF方式では、中継の伝送時間(中継の遅延時間)TDFはTSRとTRDの合計であることがわかる。[本実施の形態の中継伝送方式(TDF方式)]
次に、遅延時間を縮小するための本実施の形態の中継伝送方式について以下説明する。
本実施の形態の中継方式は、復号処理を途中で打ち切ることによりフレーム受信の完了の前に、復号されたビット列を転送し始める。
ここでは、このような本実施の形態の中継方式を「打ち切りDF (TDF:Truncated- Decode-and-Forward) 方式」または単に「TDF方式」と呼ぶことにする。
図6は、TDF方式において、中継ノードで実行される処理を説明する概念図である。
図6(a)に示すように、「ビタビ復号処理を実行せず、復調結果を転送」の場合(L=0に相当)は、復調/復号部110においてデパンクチャリング処理がされた結果が、符号化/変調部120に送られて、その後、インターリーブ処理および変調処理の後に、送信される。
一方、図6(b)に示すように、「ビタビ復号において打切り長Lで復号を実行し、実行結果を転送」の場合は、復調/復号部110において、復調処理、デインターリーブ処理、デパンクチャリング処理、およびパス打ち切りを伴うビタビ復号処理が実行される。パス打ち切りで復号されたビット列は、符号化/変調部120において、畳込み符号化、パンクチャリング処理、インターリーブ処理および変調処理の後に、送信される。
したがって、この場合のTDF方式は、打ち切り復号を行なうものの、中継伝送を始める前にCRCによってS-Rフレームエラーのチェックを実行しない。
なお、本実施の形態の中継方式でも、「ビタビ復号における打ち切りなし」の場合は、図5の従来のDF方式と同様の処理で、中継が実行されることになる。
図7を参照して、TDF方式では、中継ノードは、ある周波数帯上で、フレームのヘッダを受信し、中継伝送が必要な場合、中継ノードは別の周波数帯上の中継伝送を始める一方で、中継ノードは、図7(b)に示されるようなフレームの受信を行っている。
TDF方式では、直交周波数分割多重(OFDM)シンボルの受信の完了からその中継伝送の開始までの期間が短いので、「処理遅延」の期間は無視できない。ここで、「処理遅延」とは、L個の復号されたビットを得るために、ビット列を受信する期間であると考える。また、Lはビタビ復号における打ち切りパスの長さである。
TDF方式の遅延時間は、以下のように表現される。
Figure 0007048931000001
ここで、Tpreは、プリアンブルの期間であり、Tsymは、ガードインターバル(GI)のあるOFDMシンボルの期間であり、NbをOFDMシンボルごとの情報ビットの数であるとするとき、Nは、以下の式で表される。
Figure 0007048931000002
ここで、以下の関数は、一般に天井関数と呼ばれ、引数xに対して、x以上の最小の整数を表す。
Figure 0007048931000003
SR≦TRDである場合、リレー制御部112は、S-Rフレームのヘッダの受信および復号の完了後、所定の処理遅延の時間後に、R-Dフレームの中継伝送が始められるように制御する。この場合、処理遅延の時間は、打ち切り長によって異なり、事前に設定されているものとする。
SR>TRDである場合、リレー制御部112は、中継伝送が、転送フレームを生成するための受信データのバッファリングの完了後に、始められるように制御する。このようにすることで、転送途中で転送すべきデータが不足することを避けることができる。
この場合、R-Dフレームの送信の終了は、式(1)のとおり、処理遅延を考慮して、S-Rフレームの終了から2Tsym後であると考える。
ただし、L=0の場合は、式(1)の処理遅延を表わす項N・Tsymは、ゼロになる。[適応的な中継伝送選択(ARTS:adaptive relay transmission selection)] 上述したように、本実施の形態の中継伝送方式は遅延時間を縮小することができる。しかし、復号における誤り訂正能力が復号の打切りによって下がるので、そのフレームエラーレート(FER)は劣化する傾向にある。
これは、再送信の発生を招き、遅延時間をより増加させる結果となる可能性がある。
したがって、本実施の形態の中継方式では、送信元ノードと中継ノードの間の信号対雑音比(SNR:signal-to-noise power ratio)のようなチャネル条件によって中継伝送を選択する。
適切な中継伝送方式を選択するために、フレームエラーレート予測部1122は、たとえば、相互情報に基づいた実効SNRマッピング(MIESM:mutual information based effective SNR mapping)技術を使用することにより、S-Rフレームのフレームエラーレート(FER)を推定する。
ここで、MIESMは、SNRから得られた相互情報を使用して、FERを評価する技術であり、たとえば、以下の文献に開示がある。
文献 : L. Wan, S. Tsai, and M. Almgren, ”A Fading-Insensitive Performance Metric for a Unified Link Quality Model,” Proc. IEEE WCNC2006, Apl. 2006.
以下、FERの予測について、上記文献に従い、簡単に説明する。
M値変調(M=2B)に対して、SNRがγkであるk番目のサブキャリアについてのシンボル情報が算出される。
シンボル情報は、以下の式(2)で定義される。
Figure 0007048931000004
ここで、xは、送信されたシンボルであり、yは、SNRがγkであるチャネルを通過した受信シンボルであり、P(x)はxの事前確率であり、P(y|x,γk)は、条件付き確率密度関数である。
送信されたシンボルがそれぞれ同じ確率で生成されると考え、P(x)=1/Mとする。
ここで、式(2)は、以下のように書き換えることができる。
Figure 0007048931000005
ここで、zは、分散0.5γkで平均0の複素ガウス確率変数であり、Xは変調シンボルの集合である。
各サブキャリアのSNRに対しては、SI(γk,M)は、式(3)によって計算される。
式(3)の計算は、一般には、計算量が多いため、各変調方式について式(3)の計算結果を含んでいるルックアップテーブルが事前に生成されており、式(3)をその都度計算する代わりに使用するものとする。
次に、受信ビット情報率(RBIR:received bit information rate)は、すべてのサブキャリアについてSI(γk,M)を平均することにより計算される。
したがって、RBIRは以下の式(4)で与えられる。
Figure 0007048931000006
ここで、Kはサブキャリアの数である。
フレームエラーレート予測部1122は、FERを、RBIR値および符号化率に応じて、FER曲線を予めメモリに記憶しておき、その曲線を参照することにより推定する。
個々の利用可能な符号化率に関してのFER曲線は、加法性白色ガウス雑音(AWGN)チャネルの下で予め測定されており、これらも参照テーブルに格納されているものとする。
予測される遅延時間は、推定されたFERを使用して計算される。
(再送制御)
図8は、再送制御を説明するためのフローチャートである。
図8(a)は、DF方式での再送制御を示す。
DF方式では、まず、中継ノードが、再送回数が最大送信回数となったかを判断し(S100)、最大回数となっていない場合(S100でN)、中継ノードは、S-Rフレームを受信して、S-Rフレームエラーをチェックする(S104)。
S-Rフレームにエラーが生じた場合(S104でN)、送信元ノードへ再送要求が送信され、送信元ノードからS-Rフレームが再送信され、中継ノードが受信する(S102)。
再送信の数が所定の上限値に達するまで、再送信が繰り返される。
S-Rフレーム送信が成功した後(S104でY)、中継ノードは、R-Dフレームを送信し(S106)、宛先ノードから正常受信が返送されたか、あるいは、最大送信回数に達したかを判断する(S108)。正常受信でなく、かつ、最大送信回数に達していない場合(S108でN)、R-Dフレームを再送信する。そうでない場合(S108でY)、送信を終了する。
図8(b)は、TDF方式での再送制御を示す。
TDF方式では、中継ノードがS-Rフレームエラーをチェックすることはなく、中継ノードが、再送回数が最大送信回数となっていないと判断した場合(S200でN)、中継ノードはS-Rフレームを受信すると(S202)、そのまま、R-Dフレームを宛先ノードに送信し(S204)、宛先ノードはR-Dフレームのエラーをチェックする。
宛先ノードからの返信が正常受信でなく、かつ、最大送信回数に達していない場合(S206でN)、送信元ノードからS-Rフレームが再送信され、中継ノードからR-Dフレームを再送信する。そうでない場合(S206でY)、送信を終了する。
したがって、DF方式で予測される待ち時間およびTDF方式で予測される遅延時間は、それぞれ、以下の式(5)および(6)によって表現される。
Figure 0007048931000007
ここで、TTDF currentは、TDF方式を使用する現在の伝送の遅延時間であり、TTDF nextは、TDF方式を使用してフレームエラーによって引き起こされる次の再送信の遅延時間であり、これらは、それぞれ式(1)で与えられる。
中継条件設定部1126は、最小の遅延時間が予測される中継伝送方式となるように、復号処理の条件を選択する。
したがって、TDF方式において、中継条件設定部1126は、パス打ち切りの長さにいくつかの選択肢がある場合、予期された遅延時間はすべての選択肢につき計算され、中継ノードは、さらにパス打ち切りの長さも、最小の遅延時間となるように選択する。
(パフォーマンス評価)
以下では、コンピューター・シミュレーションによってTDF方式およびARTS方式のパフォーマンスの評価結果を説明する。
図9は、シミュレーション・パラメータを示す図である。
図10は、変調および符号化方式(MCS)およびシミュレーション条件を示す図である。
図10(a)に示されるような符号化率および変調方式は、IEEE 802.11aの標準に基づく。
図10(b)は、シミュレーションにおける条件の一覧である。
図11は、図10(b)の条件5の下での各中継伝送方式の遅延時間を示すグラフである。
S-Rフレームに対して使用された初期的なMCSは図11中に示される。R-D間の使用MCSは、BPSK R=1/2であり、R-D間のSNR=5dBである。
図11では、状況によって,DF/TDFは優劣が入れ替わるときはあるものの、適応制御を行ったARTS方式では、最小またはほぼ最小となる遅延時間を達成していることがわかる。
したがって、ARTS方式は、適切な中継伝送方式を選択でき、遅延時間を縮小することがわかる。
以上、実施の形態として、無線中継装置1000の具体的な構成および動作として説明したように、TDF方式は、受信の完了の前に、復号の打ち切りをすることにより得られるビット列を転送する。TDF方式では、中継ノードは、ある周波数帯のフレームのヘッダを受信する。ヘッダ情報により中継伝送が必要な場合、中継ノードはある周波数帯上で中継伝送を始める一方で、中継ノードは、他の周波数帯上のフレームの受信を実行する。
TDF方式により、中継伝送の遅延時間を縮小するが、打ち切りのない復号を行うDF方式と比較して、そのFER特性は劣化する傾向にある。そこで、送信元ノードから宛先ノードへの送信が完了するまでのトータルの遅延時間が増加することがないように、チャネル状態によって中継伝送方式を選択する。この場合、最小の遅延時間を達成する中継伝送方式が選択される。
すなわち、以上に説明したように、本実施の形態の無線中継装置1000およびその実行する無線中継方法によれば、ヘッダを確認してから転送を行うことで不要なリレー送信を抑えることができる。
また、通信状況が良い場合は、遅延の少ないリレー方式とすることで低遅延でリレー送信を行うことができ、通信状況が悪い場合は、誤り率特性が優れるリレー方式とすることで、再送による遅延を回避し、最小限の遅延に抑えることができる。
今回開示された実施の形態は、本発明を具体的に実施するための構成の例示であって、本発明の技術的範囲を制限するものではない。本発明の技術的範囲は、実施の形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲の文言上の範囲および均等の意味の範囲内での変更が含まれることが意図される。
100 受信アンテナ 102,124 RF部、104 同期処理部、106 OFDM復調部、108 伝搬路推定部、110 復調/復号部、111 メモリ、112 リレー制御部、120 符号化/変調部、122 OFDM変調部、130 送信アンテナ、1000 無線中継装置、1010 送信元ノード、1020 宛先ノード、1101 復調処理部、1102 デインターリーブ処理部、1103 デパンクチャリング部、1104 ビタビ復号部、1105 誤り検出部、1122 フレームエラーレート予測部、1124 ヘッダ解析部、1126 中継条件設定部、1201 誤り検出符号付加部、1202 畳込み符号化処理部、1203 パンクチャリング部、1204 インターリーブ処理部、1205 変調処理部。

Claims (9)

  1. 全二重通信が可能な無線通信方式で通信し、送信元ノードからの第1のフレーム信号を中継し宛先ノードに第2のフレーム信号として転送するための無線中継装置であって、
    前記送信元ノードからの信号を受信する受信手段と、
    前記受信手段で受信した前記第1のフレーム信号を復調し、前記第1のフレーム信号の少なくともヘッダの情報を復号する復調復号手段と、
    前記ヘッダの情報に基づいて、前記第1のフレーム信号を中継することが必要と判断されることに応じて中継処理を制御するための中継制御手段と、
    前記中継制御手段の制御に応じて、前記第1のフレーム信号の受信期間と少なくとも一部で重複する期間において、前記復調復号手段からのデータを符号化および変調して前記第2のフレーム信号を生成するための符号化・変調手段と、
    前記符号化・変調手段の出力を前記宛先ノードに向けて送信するための送信手段とを備え、
    前記復調復号手段は、
    所定の復調処理を実行してビット列を生成するための復調手段と、
    前記ビット列に基づき、トレリス符号に対する復号処理を実行するための復号手段と、
    前記復号手段の出力に対して誤り検知を実行するための誤り検知手段とを含み、
    前記符号化・変調手段は、前記中継制御手段の制御に応じて、前記復調手段または前記復号手段のいずれかから出力される前記データを選択的に受けて、符号化および変調して前記第2のフレーム信号を生成する、無線中継装置。
  2. 前記符号化・変調手段は、前記中継制御手段の制御に応じて、前記復調復号手段での復調および復号の方式とは独立に制御される符号化および変調の方式により、前記第2のフレーム信号を生成する、請求項記載の無線中継装置。
  3. 前記全二重通信が可能な無線通信方式は、互いに分離した複数の周波数帯のそれぞれの無線チャネルを利用して無線通信する方式である、請求項1または2に記載の無線中継装置。
  4. 前記復号手段は、前記トレリス符号に対する前記復号処理に対してトレリス上での打切り長を設定可能であり、
    前記中継制御手段は、前記第1のフレーム信号に基づき、前記送信元ノードと前記無線中継装置との間の通信品質を推定する通信品質推定手段と、
    前記推定された通信品質に基づいて、前記第2のフレーム信号の転送に要する時間の期待値を小さくするように、前記打切り長を設定する中継条件設定手段とを含む、請求項に記載の無線中継装置。
  5. 前記通信品質推定手段は、前記第1のフレーム信号に基づき、伝搬路推定値や雑音電力推定値を取得して、前記通信品質としてフレームエラーレートを推定するエラーレート推定手段を含む、請求項記載の無線中継装置。
  6. 前記中継条件設定手段は、前記通信品質に基づき、再送を含めて、前記第1のフレーム信号の送信に要する時間の期待値を算出し、前記期待値が最小となるように、前記符号化・変調手段における前記符号化および変調の方式を所定の方式のうちから選択する、請求項記載の無線中継装置。
  7. 前記中継条件設定手段は、中継伝送に必要な中継時間を算出し、前記中継時間が前記第1のフレーム信号のフレーム期間より長い場合は、前記ヘッダ受信後に中継伝送を開始する、請求項記載の無線中継装置。
  8. 前記中継条件設定手段は、中継伝送に必要な中継時間を算出し、前記中継時間が前記第1のフレーム信号のフレーム期間より短い場合は、転送データが不足することのないタイミングとなるまで前記第1のフレーム信号のデータがバッファされてから、中継伝送を開始する、請求項記載の無線中継装置。
  9. 全二重通信が可能な無線通信方式で通信し、送信元ノードからの第1のフレーム信号を中継し宛先ノードに第2のフレーム信号として転送するための無線中継方法であって、
    前記送信元ノードからの信号を受信するステップと、
    前記受信した前記第1のフレーム信号を復調し、前記第1のフレーム信号の少なくともヘッダの情報を復号する復調復号ステップと、
    前記ヘッダの情報に基づいて、前記第1のフレーム信号を中継することが必要と判断されることに応じて中継処理を制御する中継制御ステップと、
    前記中継処理の制御に応じて、前記第1のフレーム信号の受信期間と少なくとも一部で重複する期間において、前記復調復号ステップでの処理の完了前のデータを受けて符号化および変調して前記第2のフレーム信号を生成する符号化・変調ステップと、
    前記変調後の前記第2のフレーム信号を前記宛先ノードに向けて送信するステップとを備え、
    前記復調復号ステップは、
    所定の復調処理を実行してビット列を生成する復調ステップと、
    前記ビット列に基づき、トレリス符号に対する復号処理を実行する復号ステップと、
    前記復号ステップの結果に対して誤り検知を実行するステップとを含み、
    前記符号化・変調ステップは、前記中継制御ステップにおける制御に応じて、前記復調ステップまたは前記復号ステップの結果のいずれかのデータを選択的に受けて、符号化および変調して前記第2のフレーム信号を生成する、無線中継方法。
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