JP7047972B2 - エレベーターの滑り検出システム - Google Patents

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Description

本発明は、エレベーターの滑り検出システムに関する。
特許文献1にエレベーターシステムの例が記載されている。エレベーターシステムは、基準階床から所定の階床の階床板が検出されるまでの間に出力されたパルスエンコーダーの信号に基づいて主索の滑りを検出する。
日本特開2014-43291号公報
しかしながら、特許文献1に記載のエレベーターシステムにおいて、かごは、基準階床から走行する。このため、かごの基準の位置について、かごの走行方向における階床板の長さの分の誤差が生じうる。
本発明は、このような課題を解決するためになされた。本発明の目的は、より高い精度で主索の滑りを検出できる滑り検出システムを提供することである。
本発明に係るエレベーターの滑り検出システムは、エレベーターの主索が巻き掛けられている綱車の回転によって主索を駆動する巻上機の回転角を検出する回転角検出部と、綱車に対して主索の一方側に設けられるかごおよび綱車に対して主索の他方側に設けられる釣合い錘が走行する昇降路に固定される第1被検知体と、かごまたは釣合い錘に設けられ、第1被検知体の高さにおける第1検知領域にあるか否かによって検知状態が切り替わる位置検出部と、かごの走行により位置検出部が第1検知領域の第1境界を通過することで検知状態が切り替わるときに回転角検出部が検出する巻上機の回転角を第1回転角として記憶し、第1回転角が検出された後にかごの走行により位置検出部が第1境界を通過することで検知状態が切り替わるときに回転角検出部が検出する巻上機の回転角を第2回転角として記憶する記憶部と、記憶部が記憶した第1回転角および第2回転角の差分に基づいて主索および綱車の間の滑り量を算出する算出部と、を備え、算出部は、かごが上昇または下降のいずれかの走行方向に走行しているときに検出された第1回転角、およびかごが当該走行方向に走行しているときに検出された第2回転角の差分に基づいて滑り量を算出する。
本発明に係るエレベーターの滑り検出システムは、エレベーターの主索が巻き掛けられている綱車の回転によって主索を駆動する巻上機の回転角を検出する回転角検出部と、綱車に対して主索の一方側に設けられるかごおよび綱車に対して主索の他方側に設けられる釣合い錘が走行する昇降路に固定される第1被検知体と、かごまたは釣合い錘に設けられ、第1被検知体の高さにおける第1検知領域にあるか否かによって検知状態が切り替わる位置検出部と、かごの走行により位置検出部が第1検知領域の第1境界を通過することで検知状態が切り替わるときに回転角検出部が検出する巻上機の回転角を第1回転角として記憶し、第1回転角が検出された後にかごの走行により位置検出部が第1境界を通過することで検知状態が切り替わるときに回転角検出部が検出する巻上機の回転角を第2回転角として記憶する記憶部と、記憶部が記憶した第1回転角および第2回転角の差分に基づいて主索および綱車の間の滑り量を算出する算出部と、滑り量の検出においてかごが昇降路を走行する距離である基準走行距離に対する滑り量の比率が予め設定された閾値を超える場合に異常として判定する判定部と、を備え、算出部は、滑り量を基準走行距離で除して比率を算出する。
本発明によれば、滑り検出システムは、回転角検出部と、第1被検知体と、位置検出部と、記憶部と、算出部と、を備える。エレベーターの主索は、綱車に巻き掛けられている。巻上機は、綱車の回転によって主索を駆動する。回転角検出部は、巻上機の回転角を検出する。かごは、綱車に対して主索の一方側に設けられる。釣合い錘は、綱車に対して主索の他方側に設けられる。第1被検知体は、かごおよび釣合い錘が走行する昇降路に固定される。位置検出部は、かごまたは釣合い錘に設けられる。位置検出部は、第1被検知体の高さにおける第1検知領域にあるか否かによって検知状態が切り替わる。記憶部は、かごの走行により位置検出部が第1検知領域の第1境界を通過することで検知状態が切り替わるときに回転角検出部が検出する巻上機の回転角を、第1回転角として記憶する。記憶部は、第1回転角が検出された後にかごの走行により位置検出部が第1境界を通過することで検知状態が切り替わるときに回転角検出部が検出する巻上機の回転角を、第2回転角として記憶する。算出部は、記憶部が記憶した第1回転角および第2回転角の差分に基づいて、主索および綱車の間の滑り量を算出する。これにより、滑り検出システムは、より高い精度で主索の滑りを検出できる。
実施の形態1に係る滑り検出システムの構成図である。 実施の形態1に係る滑り検出システムの要部の構成図である。 実施の形態1に係る滑り検出システムによる滑り検出の例を示す図である。 実施の形態1に係る滑り検出システムの動作の例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る滑り検出システムの動作の例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る滑り検出システムの主要部のハードウェア構成を示す図である。 実施の形態2に係る滑り検出システムによる滑り検出の例を示す図である。 実施の形態3に係る滑り検出システムによる滑り検出の例を示す図である。
本発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る滑り検出システムの構成図である。
図1において、滑り検出システム1を備えるエレベーター2が示される。エレベーター2は、複数の階床を有する建築物に設けられる。この例において、建築物の最下階は1階である。この例において、建築物の最上階は3階である。建築物は、1階および3階の間に2階を有する。建築物において、エレベーター2の昇降路3は、複数の階床の各々を貫く。建築物において、エレベーター2の乗場4は、複数の階床の各々に設けられる。乗場4は、乗場出入口によって昇降路3に通じる。乗場出入口は、乗場4と昇降路3とを繋ぐ開口である。
エレベーター2は、綱車5と、主索6と、巻上機7と、かご8と、釣合い錘9と、複数の乗場扉10と、ブレーキ11と、調速器12と、制御盤13と、を備える。綱車5は、巻上機7と同軸に設けられるシーブである。主索6は、綱車5に巻き掛けられる。巻上機7は、例えば昇降路3の上部または下部に設けられる。巻上機7は、綱車5の回転によって主索6を駆動する装置である。かご8は、昇降路3において、綱車5に対して主索6の一方側に設けられる。釣合い錘9は、昇降路3において、綱車5に対して主索6の他方側に設けられる。かご8は、巻上機7に駆動される主索6に追従して昇降路3を鉛直方向に走行することで、建築物の複数の階床の間で利用者などを輸送する装置である。かご8は、かご扉14を備える。かご扉14は、かご8が複数の階床のいずれかに停止しているときに、利用者が当該階床の乗場4からかご8に乗降しうるように開閉する装置である。釣合い錘9は、主索6を通じて綱車5にかかるかご8の荷重との釣合いを取る装置である。釣合い錘9は、巻上機7に駆動される主索6に追従して昇降路3をかご8の反対方向に走行する。複数の乗場扉10の各々は、複数の階床の各々の乗場出入口に設けられる。乗場扉10は、利用者がかご8に乗降しうるようにかご扉14に連動して開閉する装置である。ブレーキ11は、かご8の走行を制動する装置である。ブレーキ11は、巻上機7に設けられる。調速器12は、かご8の走行の速度を制限する装置である。制御盤13は、例えば昇降路3の上部または下部に設けられる。制御盤13は、エレベーター2の動作を制御する装置である。エレベーター2の動作は、例えばかご8の走行、かご扉14の開閉、およびブレーキ11の作動などを含む。
エレベーター2において、遠隔運転装置15は、制御盤13に接続される。遠隔運転装置15は、制御盤13に運転の指令を出力する装置である。遠隔運転装置15が出力する指令は、例えば通常運転を行う指令、および診断運転を行う指令などを含む。ここで、通常運転は、建築物の複数の階床の間で利用者などを輸送するエレベーター2の通常の運転である。通常運転におけるかご8の停止位置は、複数の階床のいずれかの位置である。複数の階床の各々は、エレベーター2の停止階の例である。診断運転は、エレベーター2の状態を自動診断する運転である。診断運転におけるかご8の停止位置は、昇降路3における任意の位置であってもよい。
エレベーター2の滑り検出システム1は、エンコーダー16と、はかり装置17と、複数の階床板18と、着床センサー19と、情報処理装置20と、を備える。
エンコーダー16は、巻上機7の回転角を検出する装置である。エンコーダー16は、回転角検出部の例である。エンコーダー16は、巻上機7に設けられる。
はかり装置17は、かご8の積載重量を測定する装置である。はかり装置17は、例えばかご8の上部に設けられる。
複数の階床板18の各々は、昇降路3に固定される。複数の階床板18の各々は、第1被検知体または第2被検知体の例である。複数の階床板18の各々は、例えば建築物の複数の階床の各々において、乗場出入口の下方に設けられる。
着床センサー19は、かご8に設けられる。着床センサー19は、例えばかご8の下部に設けられる。着床センサー19は、位置検出部の例である。着床センサー19は、かご8が複数の階床のいずれかに停止していることを検出する装置である。
情報処理装置20は、滑りの検出に係る情報を処理する装置である。情報処理装置20は、例えば昇降路3の上部または下部に設けられる。情報処理装置20は、制御盤13に接続される。情報処理装置20は、記憶部21と、算出部22と、判定部23と、指令部24と、を備える。
記憶部21は、滑りの検出に係る情報を記憶する部分である。記憶部21が記憶する情報は、巻上機7の回転角を含む。記憶部21は、例えばエンコーダー16が検出する巻上機7の回転角を取得する。
算出部22は、滑りの検出に係る情報を算出する部分である。算出部22が算出する情報は、主索6および綱車5の間の滑り量を含む。算出部22は、例えば記憶部21が記憶している巻上機7の回転角に基づいて滑り量を算出する。
判定部23は、算出部22が算出する情報に基づいて検出された滑りの異常を判定する部分である。
指令部24は、滑りの検出に係る動作の指令を出力する部分である。指令部24は、例えば制御盤13に指令を出力することによって、滑りの検出に係る動作をエレベーター2にさせる。
図2は、実施の形態1に係る滑り検出システムの要部の構成図である。
図2において、複数の階床のいずれかに停止している状態のかご8が示される。図2において、かご8の左右方向は、紙面に垂直な方向である。
階床板18は、例えば金属板である。この例において、階床板18は、厚さ方向を水平方向に向ける。階床板18は、厚さ方向をかご8の左右方向に向ける。階床板18は、昇降路3を走行するかご8に干渉しないように、例えばかご8の外側面より左右方向の外側に配置される。
着床センサー19は、例えば階床板18の近接を検出する電磁式の近接センサーを備える。着床センサー19は、検知状態を有する。この例において、着床センサー19の検知状態は、ON状態またはOFF状態である。着床センサー19の検知状態は、着床センサー19が検知領域にあるときにON状態となる。着床センサー19の検知状態は、着床センサー19が検知領域にないときにON状態となる。検知領域は、階床板18の高さの領域である。検知領域は、例えば階床板18が設けられる階床の着床範囲である。検知領域は、例えば階床板18の上端から当該階床板18の下端までの間の領域である。このとき、検知領域の境界は、階床板18の上端または下端の高さに対応する位置である。着床センサー19の検知状態は、着床センサー19が検知領域の境界を通過するときに切り替えられる。検知状態は、ON状態およびOFF状態の間で切り替えられる。
続いて、図3を用いて、滑り検出システム1の機能を説明する。
図3は、実施の形態1に係る滑り検出システムによる滑り検出の例を示す図である。
図3において、グラフの横軸は時間を表す。図3において、グラフの縦軸はかご8の位置を表す。
遠隔運転装置15は、制御盤13に診断運転を行う指令を出力する。エレベーター2は、診断運転を開始する。診断運転の一部として、エレベーター2は、滑り検出の運転を行う。図3において、滑り検出の運転におけるかご8の動きが示される。例えば、滑り検出の運転を開始するときに、制御盤13は、情報処理装置20に滑り検出の運転の開始を通知する。あるいは、遠隔運転装置15は、滑り検出の運転を開始する指令を情報処理装置20に出力してもよい。
情報処理装置20の指令部24は、滑り検出の運転の指令を制御盤13に出力する。指令部24は、滑り検出の運転を行っている間、かご扉14を閉じたまま保つ指令を制御盤13に出力する。制御盤13は、入力された指令にしたがって、滑り検出の運転を行っている間かご扉14を閉じたまま保つ。制御盤13は、例えば指令部24から入力される指令に従って、滑り検出の運転に係る動作をかご8にさせる。
この例において、かご8は、滑り検出の運転の開始時に1階に停止している。滑り検出の運転において、かご8は、1階から3階まで連続して走行する。その後、かご8は、3階から1階まで連続して走行する。その後、かご8は、1階から2階まで走行する。ここで、1階は、第1停止階の例である。1階の階床板18は、第1被検知体の例である。1階の階床板18の高さの検知領域は、第1検知領域の例である。1階の階床板18の上端の高さに対応する検知領域の境界は、第1境界の例である。3階は、第2停止階の例である。3階の階床板18は、第2被検知体の例である。3階の階床板18の高さの検知領域は、第2検知領域の例である。3階の階床板18の下端の高さに対応する検知領域の境界は、第2境界の例である。
情報処理装置20は、例えば次のようにエレベーター2の滑り検出を行う。
a点において、かご8は、1階から3階まで上昇する走行を開始する。b点において、着床センサー19は、1階の階床板18の上端の高さに対応する検知領域の境界を通過する。記憶部21は、このときにエンコーダー16が検出する巻上機7の回転角θ1を、第1回転角として記憶する。
c点において、かご8は、3階で走行を停止する。d点において停止しているかご8は、その後、e点において上昇から下降に走行方向を反転させた走行を開始する。ここで、d点におけるかご8の位置は、1階の階床板18の上端の高さに対応する検知領域の境界より上方の位置である。d点におけるかご8の位置は、第1反転位置の例である。
f点において、かご8は、1階で走行を停止する。g点において停止しているかご8は、その後、h点において下降から上昇に走行方向を反転させた走行を開始する。ここで、g点におけるかご8の位置は、1階の階床板18の上端の高さに対応する検知領域の境界より下方の位置である。g点におけるかご8の位置は、第2反転位置の例である。その後、i点において、着床センサー19は、1階の階床板18の上端の高さに対応する検知領域の境界を通過する。記憶部21は、このときにエンコーダー16が検出する巻上機7の回転角θ2を、第2回転角として記憶する。
j点において、かご8は、2階で走行を停止する。
その後、算出部22は、第1回転角と第2回転角との差分に基づいて、主索6および綱車5の間の滑り量を算出する。算出部22は、例えば第1回転角と第2回転角との差分を主索6および綱車5の間の滑り量としてもよい。
指令部24は、算出された滑り量を表示する指令を例えば制御盤13に出力する。制御盤13は、例えば図示されないエレベーター2の表示装置に滑り量を表示させる。エレベーター2の表示装置は、例えば制御盤13の表示部、かご表示盤、または乗場表示盤などである。指令部24は、滑り量を通知する指令を遠隔運転装置15に出力してもよい。遠隔運転装置15は、例えば遠隔地にいるエレベーター2の管理者などに滑り量を通知する。
算出された滑り量が閾値を超える場合に、判定部23は、滑りの診断結果を異常と判定する。算出された滑り量が閾値を超えない場合に、判定部23は、滑りの診断結果を正常と判定する。ここで、主索6および綱車5の間に滑りがない場合においても、かご8と釣合い錘9の重量の差による主索6の伸びによって、第1回転角と第2回転角との間に差が生じうる。このため、滑り量の閾値は、かご8と釣合い錘9の重量の差による主索6の伸びによって生じうる回転角の差より大きい値として予め設定される。
指令部24は、判定された滑りの診断結果を表示する指令を例えば制御盤13に出力する。指令部24は、判定された滑りの診断結果を通知する指令を例えば遠隔運転装置15に出力してもよい。
続いて、図4および図5を用いて、滑り検出システム1の動作の例を説明する。
図4および図5は、実施の形態1に係る滑り検出システムの動作の例を示すフローチャートである。
図4において、滑り検出の全体に係る滑り検出システム1の動作の例が示される。
ステップS1において、滑り検出システム1は、滑り量を算出する。その後、滑り検出システム1の動作は、ステップS2に進む。
ステップS2において、指令部24は、算出された滑り量を表示する指令を出力する。その後、滑り検出システム1の動作は、ステップS3に進む。
ステップS3において、判定部23は、算出された滑り量が閾値を超えるかを判定する。判定結果がYesの場合に、滑り検出システム1の動作は、ステップS4に進む。判定結果がNoの場合に、滑り検出システム1の動作は、ステップS5に進む。
ステップS4において、判定部23は、滑りの診断結果を異常と判定する。その後、滑り検出システム1の動作は、ステップS6に進む。
ステップS5において、判定部23は、滑りの診断結果を正常と判定する。その後、滑り検出システム1の動作は、ステップS6に進む。
ステップS6において、指令部24は、判定された診断結果を表示する指令を出力する。その後、滑り検出システム1の動作は、終了する。
図5において、滑り量の算出に係る滑り検出システム1の動作の例が示される。
ステップS11において、指令部24は、第1停止階に停止しているかご8の走行を開始させる指令を出力する。その後、滑り量の算出に係る滑り検出システム1の動作は、ステップS12に進む。
ステップS12において、記憶部21は、例えばエンコーダー16に検出された第1回転角を記憶する。その後、滑り量の算出に係る滑り検出システム1の動作は、ステップS13に進む。
ステップS13において、指令部24は、第2停止階にかご8を停止させる指令を出力する。その後、滑り量の算出に係る滑り検出システム1の動作は、ステップS14に進む。
ステップS14において、指令部24は、第2停止階に停止しているかご8に走行方向を反転させた走行を開始させる指令を出力する。その後、滑り量の算出に係る滑り検出システム1の動作は、ステップS15に進む。
ステップS15において、指令部24は、第1停止階にかご8を停止させる指令を出力する。その後、滑り量の算出に係る滑り検出システム1の動作は、ステップS16に進む。
ステップS16において、指令部24は、第1停止階に停止しているかご8に走行方向を反転させた走行を開始させる指令を出力する。その後、滑り量の算出に係る滑り検出システム1の動作は、ステップS17に進む。
ステップS17において、記憶部21は、例えばエンコーダー16に検出された第2回転角を記憶する。その後、滑り量の算出に係る滑り検出システム1の動作は、ステップS18に進む。
ステップS18において、指令部24は、かご8を停止させる指令を出力する。その後、滑り量の算出に係る滑り検出システム1の動作は、終了する。
以上に説明したように、滑り検出システム1は、回転角検出部と、第1被検知体と、位置検出部と、記憶部21と、算出部22と、を備える。エレベーター2の主索6は、綱車5に巻き掛けられている。巻上機7は、綱車5の回転によって主索6を駆動する。回転角検出部は、巻上機7の回転角を検出する。かご8は、綱車5に対して主索6の一方側に設けられる。釣合い錘9は、綱車5に対して主索6の他方側に設けられる。第1被検知体は、かご8および釣合い錘9が走行する昇降路3に固定される。位置検出部は、かご8に設けられる。位置検出部は、第1被検知体の高さにおける第1検知領域にあるか否かによって検知状態が切り替わる。記憶部21は、かご8の走行により位置検出部が第1検知領域の第1境界を通過することで検知状態が切り替わるときに回転角検出部が検出する巻上機7の回転角を、第1回転角として記憶する。記憶部21は、第1回転角が検出された後にかご8の走行により位置検出部が第1境界を通過することで検知状態が切り替わるときに回転角検出部が検出する巻上機7の回転角を、第2回転角として記憶する。算出部22は、記憶部21が記憶した第1回転角および第2回転角の差分に基づいて、主索6および綱車5の間の滑り量を算出する。
第1回転角および第2回転角は、検知領域の境界において検出される回転角である。検知領域の境界は、かご8の走行方向に長さを持たない。このため、滑り検出システム1は、滑り検出に用いる第1回転角および第2回転角を高い精度で取得できる。第1回転角が検出されるときの位置検出部の位置は、第2回転角が検出されるときの位置検出部の位置と同一である。このため、第1回転角および第2回転角の差分は、主索6および綱車5の間の滑りを直接反映する。これにより、滑り検出システム1は、より高い精度で主索6の滑りを検出できる。また、滑り検出システム1は、単一の被検知体を用いて滑り量を算出する。このため、滑り検出システム1は、滑り量の算出において、複数の被検知体の間の相対的な設置状態の差異の影響を受けない。
また、算出部22は、エレベーター2が診断運転を行っているときに検出された第1回転角、およびエレベーター2が当該診断運転を行っているときに検出された第2回転角の差分に基づいて滑り量を算出する。
診断運転において、エレベーター2は、利用者に利用されない。このため、滑り量の算出において、利用者の利用状況による不確定性が生じない。
また、算出部22は、かご8が第1停止階から第2停止階まで連続して走行するときに検出された第1回転角、およびかご8が第1停止階から第2停止階まで連続して走行するときに検出された第2回転角の差分に基づいて滑り量を算出する。
滑り量は、第1回転角を検出するときのかご8の走行速度などの条件と、第2回転角を検出するときのかご8の走行速度などの条件とを同一の条件として算出される。このため、位置検出部による検知がかご8の走行速度に依存する場合においても、滑り量の算出において、かご8の走行速度の違いによる誤差が抑えられる。
また、算出部22は、かご8が最下階ならびに最上階の間を連続して走行するときに検出された第1回転角、およびかご8が最下階ならびに最上階の間を連続して走行するときに検出された第2回転角の差分に基づいて滑り量を算出する。
滑り量は、かご8が連続して走行する距離が最長の条件において算出される。かご8の走行距離が長いほど、綱車5に駆動される主索6の長さは長くなる。このとき、滑り量の絶対値は大きくなる。このため、算出部22は、より高い精度で滑り量を算出できる。
また、算出部22は、かご8が上昇または下降のいずれかの走行方向に走行しているときに検出された第1回転角、およびかご8が当該走行方向に走行しているときに検出された第2回転角の差分に基づいて滑り量を算出する。
滑り量は、第1回転角を検出するときのかご8の走行方向と、第2回転角を検出するときのかご8の走行方向とを同一として算出される。このため、位置検出部による検知がかご8の走行方向に依存する場合においても、滑り量の算出において、かご8の走行方向の違いによる誤差が抑えられる。
また、算出部22は、第1回転角、および第1回転角が検出されてからかご8の走行方向がちょうど2回反転した後に検出された第2回転角の差分に基づいて滑り量を算出する。
循環移動しないかご8は、昇降路3の同一の位置を同一の走行方向で通過するために2回以上の走行方向の反転を必要とする。このため、滑り検出システム1は、滑り量の算出においてかご8の走行方向の違いによる誤差が抑えるための走行方向の反転を最低限にできる。
また、滑り検出システム1は、指令部24を備える。指令部24は、第1回転角が検出されてから第2回転角が検出されるまでの間、かご8のかご扉14を閉じたままに保つ指令を出力する。
滑り検出におけるかご8の走行の間に、かご8の内部に利用者または保守員などが乗り込まない。このため、滑り検出におけるかご8の走行の間のかご8の積載重量の変化が防止される。
また、滑り検出システム1は、判定部23を備える。判定部23は、算出部22が算出した滑り量が予め設定された閾値を超える場合に異常として判定する。
滑り検出システム1は、滑り量によって、トラクションの低下を異常として判定できる。ここで、トラクションの低下は、例えば綱車5の溝の磨耗、および主索6への異物の付着などによって生じる。
なお、算出部22は、第1回転角、および第1回転角が検出されてからかご8の走行方向が停止階の間において反転した後に検出された第2回転角の差分に基づいて滑り量を算出してもよい。例えば、第1回転角または第2回転角の少なくとも一方は、1階および2階の間の位置から2階および3階の間の位置までかご8が走行するときに検出される回転角であってもよい。
これにより、かご8の走行距離を階床の高さによらずに設定できる。このため、滑り検出システム1は、例えば主索6の局所的な滑りを検出できる。このとき、滑り検出システム1は、例えば主索6において滑りが発生する箇所の特定に利用できる。
また、回転角検出部は、エンコーダー16の他の装置であってもよい。回転角検出部は、例えば主索6の送り量を観測することによって回転角を検出する装置であってもよい。回転角検出部は、巻上機7の電流値から回転角を算出する装置であってもよい。
また、被検知体および位置検出部は、階床板18および着床センサー19の他の装置であってもよい。位置検出部は、例えば光学式、静電容量式、超音波式、またはその他の原理に基づいて被検知体を検知する装置であってもよい。被検知体は、隣接する階床の間の位置に設けられてもよい。このとき、滑り検出システム1は、かご8を隣接する階床の間で走行させることによって滑り量を検出できる。また、位置検出部は、釣合い錘9に設けられてもよい。
また、情報処理装置20の一部または全部は、制御盤13と一体のハードウェアに設けられてもよい。情報処理装置20の一部または全部は、遠隔運転装置15と一体のハードウェアに設けられてもよい。情報処理装置20の一部または全部の機能は、例えば制御盤13または遠隔運転装置15によって実現されてもよい。
また、エレベーター2において、建築物に機械室が設けられていてもよい。このとき、例えば巻上機7、制御盤13、および情報処理装置20は、機械室に設けられていてもよい。また、エレベーター2は、1:1ローピング、2:1ローピング、またはその他のローピングのエレベーターであってもよい。
続いて、図6を用いて滑り検出システム1のハードウェア構成の例について説明する。
図6は、実施の形態1に係る滑り検出システムの主要部のハードウェア構成を示す図である。
滑り検出システム1の各機能は、処理回路により実現し得る。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ1bと少なくとも1つのメモリ1cとを備える。処理回路は、プロセッサ1bおよびメモリ1cと共に、あるいはそれらの代用として、少なくとも1つの専用のハードウェア1aを備えてもよい。
処理回路がプロセッサ1bとメモリ1cとを備える場合、滑り検出システム1の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。そのプログラムはメモリ1cに格納される。プロセッサ1bは、メモリ1cに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、滑り検出システム1の各機能を実現する。
プロセッサ1bは、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。メモリ1cは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等により構成される。
処理回路が専用のハードウェア1aを備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。
滑り検出システム1の各機能は、それぞれ処理回路で実現することができる。あるいは、滑り検出システム1の各機能は、まとめて処理回路で実現することもできる。滑り検出システム1の各機能について、一部を専用のハードウェア1aで実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。このように、処理回路は、ハードウェア1a、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで滑り検出システム1の各機能を実現する。
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1で開示された例と相違する点について詳しく説明する。実施の形態2で説明しない特徴については、実施の形態1で開示された例のいずれの特徴が採用されてもよい。
図7は、実施の形態2に係る滑り検出システムによる滑り検出の例を示す図である。
図7において、グラフの横軸は時間を表す。図7において、グラフの縦軸はかご8の位置を表す。
この例において、滑り検出システム1は、エレベーター2が通常運転を行っているときに滑り検出を行う。滑り検出システム1は、例えば利用者がかご8に乗車していないと判定するときに、エレベーター2に滑り検出の運転を行わせる。このとき、滑り検出システム1は、例えばはかり装置17が測定するかご8の積載重量に基づいて、利用者がかご8に乗車しているかの判定を行う。あるいは、滑り検出システム1は、例えばかご8に設けられるカメラが撮影する画像に基づいて、利用者がかご8に乗車しているかの判定を行ってもよい。
この例において、かご8は、実施の形態1に示した例と同様に走行する。情報処理装置20は、例えば次のようにエレベーター2の滑り検出を行う。
かご8が1階から3階の間を上昇する間に、k点において、着床センサー19は、2階の階床板18の下端の高さに対応する検知領域の境界を通過する。記憶部21は、このときにエンコーダー16が検出する巻上機7の回転角φ1を、第1回転角として記憶する。
その後、かご8が2階に停止するときに、l点において、着床センサー19は、2階の階床板18の下端の高さに対応する検知領域の境界を通過する。記憶部21は、このときにエンコーダー16が検出する巻上機7の回転角φ2を、第2回転角として記憶する。
その後、算出部22は、第1回転角および第2回転角の差分に基づいて滑り量を算出する。
第1回転角が検出されてから第2回転角が検出されるまでの間に、はかり装置17は、測定している積載重量の変動が予め設定された範囲内であるかを監視する。積載重量の変動の範囲は、例えば利用者がかご8に乗降したときの積載重量の変動より小さい範囲に設定される。あるいは、積載重量の変動の範囲は、例えば主索6および綱車5との間の滑り量に与える影響が無視できる範囲に設定されてもよい。はかり装置17は、積載重量の変動が予め設定された範囲を超えるときに、当該積載重量の変動を情報処理装置20に通知する。このとき、情報処理装置20は、滑り量の算出を中止する。
以上に説明したように、実施の形態2に係る滑り検出システム1は、はかり装置17を備える。はかり装置17は、かご8の積載重量を測定する。算出部22は、第1回転角が検出されてから第2回転角が検出されるまでの間にはかり装置17が測定する積載重量の変動が予め設定された範囲内であるときに、滑り量を算出する。
かご8の積載重量によって、主索6および綱車5との間の滑り量は変化する。算出部22は、滑り量の算出のための運転の途中において積載重量の変化が小さいときに、滑り量を算出する。これにより、かご8の積載重量の変化による滑り量の誤差の発生が防止される。
第1回転角および第2回転角は、昇降路3においてかご8が異なる区間を走行するときに検出された回転角であってもよい。例えば滑り量の算出のための運転の途中に乗場呼びの操作がされた場合に、滑り検出システム1は、当該運転を中止してもよい。このとき、算出部22は、例えば既に取得されていた回転角の情報を用いて滑り量を算出できる。これにより、滑り検出システム1は、より多くの機会に滑り量を算出できる。
実施の形態3.
実施の形態3では、実施の形態1または実施の形態2で開示された例と相違する点について詳しく説明する。実施の形態3で説明しない特徴については、実施の形態1または実施の形態2で開示された例のいずれの特徴が採用されてもよい。
図8は、実施の形態3に係る滑り検出システムによる滑り検出の例を示す図である。
図8において、グラフの横軸は時間を表す。図8において、グラフの縦軸はかご8の位置を表す。
この例において、かご8は、実施の形態1に示した例と同様に走行する。情報処理装置20は、例えば次のようにエレベーター2の滑り検出を行う。
第1回転角は、b点において検出される。
その後、かご8が1階から3階の間を上昇する間に、m点において、着床センサー19は、3階の階床板18の下端の高さに対応する検知領域の境界を通過する。記憶部21は、このときにエンコーダー16が検出する巻上機7の回転角θ3を、第3回転角として記憶する。
その後、第2回転角は、i点において検出される。
その後、算出部22は、第1回転角および第2回転角の差分に基づいて滑り量を算出する。算出部22は、基準走行距離を算出する。基準走行距離は、滑り量の検出においてかご8が昇降路3を走行する距離である。算出部22は、例えば第1回転角と第3回転角との差分に基づいて基準走行距離を算出する。あるいは、算出部22は、第2回転角と第3回転角との差分に基づいて基準走行距離を算出してもよい。あるいは、算出部22は、第1回転角および第2回転角の平均値と第3回転角との差分に基づいて基準走行距離を算出してもよい。算出部22は、滑り量を基準走行距離で除した比率を算出する。
算出された比率が閾値を超える場合に、判定部23は、滑りの診断結果を異常と判定する。算出された比率が閾値を超えない場合に、判定部23は、滑りの診断結果を正常と判定する。ここで、滑り量を基準走行距離で除した比率の閾値は、かご8と釣合い錘9の重量の差による主索6の伸びによって生じうる回転角の差による値より大きい値として予め設定される。
以上に説明したように、実施の形態3に係る滑り検出システム1は、判定部23を備える。判定部23は、基準走行距離に対する滑り量の比率が予め設定された閾値を超える場合に異常として判定する。基準走行距離は、滑り量の検出においてかご8が昇降路3を走行する距離である。算出部22は、滑り量を基準走行距離で除して比率を算出する。
第1回転角および第2回転角の差分は、かご8が走行する距離に依存する。ここで、かご8の走行距離が長い場合に、滑りによらない第1回転角および第2回転角の差分も大きくなる。この場合においても、第1回転角および第2回転角の差分を基準走行距離で規格化した比率によって診断結果が判定されるので、誤って異常と診断されることが抑制される。
また、滑り検出システム1は、第2被検知体を備える。第2被検知体は、昇降路3において第1被検知体の上方または下方に固定される。位置検出部は、第2被検知体の高さにおける第2検知領域にあるか否かによって検知状態が切り替わる。記憶部21は、第1回転角が検出されてから第2回転角が検出される前にかご8の走行により位置検出部が第2検知領域の第2境界を通過することで検知状態が切り替わるときに回転角検出部が検出する巻上機7の回転角を、第3回転角として記憶する。算出部22は、第1回転角または第2回転角および第3回転角に基づいて第1境界および第2境界の間の距離を基準走行距離として算出する。
基準走行距離は、滑り検出におけるかご8の走行によって測定される。このため、算出部22は、基準走行距離で規格化された滑り量の比率を容易に算出できる。なお、基準走行距離は滑り量に対して十分大きく取ることができる。このため、規格化に用いられる基準走行距離そのものについて、滑りによる相対的な変動は、小さくすることができる。ここで、昇降路3におけるかご8の往復を考慮して、基準走行距離は、第1境界および第2境界の間の距離を2倍することによって算出されてもよい。
なお、情報処理装置20は、例えば次のようにエレベーター2の滑り検出を行ってもよい。
第1回転角は、b点において検出される。
その後、かご8は、d点において走行方向を反転させる。記憶部21は、d点においてエンコーダー16が検出する巻上機7の回転角θ4を、第4回転角として記憶する。ここで、回転角θ4は、例えばエンコーダー16のカウントの上昇および下降が反転するときの回転角である。
その後、かご8は、g点において走行方向をふたたび反転させる。記憶部21は、g点においてエンコーダー16が検出する巻上機7の回転角θ5を、第5回転角として記憶する。ここで、回転角θ5は、例えばエンコーダー16のカウントの下降および上昇が反転するときの回転角である。
その後、第2回転角は、i点において検出される。
その後、算出部22は、第1回転角および第2回転角の差分に基づいて滑り量を算出する。算出部22は、例えば第4回転角と第5回転角との差分に基づいて基準走行距離を算出する。算出部22は、滑り量を基準走行距離で除した比率を算出する。
算出された比率が閾値を超える場合に、判定部23は、滑りの診断結果を異常と判定する。算出された比率が閾値を超えない場合に、判定部23は、滑りの診断結果を正常と判定する。
以上のように、記憶部21は、第1回転角が検出された後に第1反転位置においてかご8の走行方向が反転するときに回転角検出部が検出する巻上機7の回転角を第4回転角として記憶する。記憶部21は、第4回転角が検出されてから第2回転角が検出される前に第2反転位置においてかご8の走行方向が反転するときに回転角検出部が検出する巻上機7の回転角を第5回転角として記憶する。第1反転位置は、第1境界の一方側の位置である。第2反転位置は、第1境界の他方側の位置である。算出部22は、第4回転角および第5回転角に基づいて第1反転位置および第2反転位置の間の距離を基準走行距離として算出する。
基準走行距離は、かご8の走行方向が反転される位置によって算出される。反転位置において、かご8は一旦停止する。このため、基準走行距離の算出において、かご8の走行速度による誤差が生じない。これにより、算出部22は、第1回転角および第2回転角の差分を基準走行距離で規格化した比率を、より高い精度で算出できる。
本発明に係る滑り検出システムは、エレベーターに適用できる。
1 滑り検出システム、 2 エレベーター、 3 昇降路、 4 乗場、 5 綱車、 6 主索、 7 巻上機、 8 かご、 9 釣合い錘、 10 乗場扉、 11 ブレーキ、 12 調速器、 13 制御盤、 14 かご扉、 15 遠隔運転装置、 16 エンコーダー、 17 はかり装置、 18 階床板、 19 着床センサー、 20 情報処理装置、 21 記憶部、 22 算出部、 23 判定部、 24 指令部、 1a ハードウェア、 1b プロセッサ、 1c メモリ

Claims (13)

  1. エレベーターの主索が巻き掛けられている綱車の回転によって前記主索を駆動する巻上機の回転角を検出する回転角検出部と、
    前記綱車に対して前記主索の一方側に設けられるかごおよび前記綱車に対して前記主索の他方側に設けられる釣合い錘が走行する昇降路に固定される第1被検知体と、
    前記かごまたは前記釣合い錘に設けられ、前記第1被検知体の高さにおける第1検知領域にあるか否かによって検知状態が切り替わる位置検出部と、
    前記かごの走行により前記位置検出部が前記第1検知領域の第1境界を通過することで前記検知状態が切り替わるときに前記回転角検出部が検出する前記巻上機の回転角を第1回転角として記憶し、前記第1回転角が検出された後に前記かごの走行により前記位置検出部が前記第1境界を通過することで前記検知状態が切り替わるときに前記回転角検出部が検出する前記巻上機の回転角を第2回転角として記憶する記憶部と、
    前記記憶部が記憶した前記第1回転角および前記第2回転角の差分に基づいて前記主索および前記綱車の間の滑り量を算出する算出部と、
    を備え
    前記算出部は、前記かごが上昇または下降のいずれかの走行方向に走行しているときに検出された前記第1回転角、および前記かごが当該走行方向に走行しているときに検出された前記第2回転角の差分に基づいて前記滑り量を算出する
    エレベーターの滑り検出システム。
  2. 前記算出部は、前記第1回転角、および前記第1回転角が検出されてから前記かごの走行方向がちょうど2回反転した後に検出された前記第2回転角の差分に基づいて前記滑り量を算出する
    請求項1に記載のエレベーターの滑り検出システム。
  3. 前記算出部が算出した前記滑り量が予め設定された閾値を超える場合に異常として判定する判定部
    を備える請求項1または請求項2に記載のエレベーターの滑り検出システム。
  4. 前記滑り量の検出において前記かごが前記昇降路を走行する距離である基準走行距離に対する前記滑り量の比率が予め設定された閾値を超える場合に異常として判定する判定部
    を備え、
    前記算出部は、前記滑り量を前記基準走行距離で除して前記比率を算出する
    請求項1または請求項2に記載のエレベーターの滑り検出システム。
  5. エレベーターの主索が巻き掛けられている綱車の回転によって前記主索を駆動する巻上機の回転角を検出する回転角検出部と、
    前記綱車に対して前記主索の一方側に設けられるかごおよび前記綱車に対して前記主索の他方側に設けられる釣合い錘が走行する昇降路に固定される第1被検知体と、
    前記かごまたは前記釣合い錘に設けられ、前記第1被検知体の高さにおける第1検知領域にあるか否かによって検知状態が切り替わる位置検出部と、
    前記かごの走行により前記位置検出部が前記第1検知領域の第1境界を通過することで前記検知状態が切り替わるときに前記回転角検出部が検出する前記巻上機の回転角を第1回転角として記憶し、前記第1回転角が検出された後に前記かごの走行により前記位置検出部が前記第1境界を通過することで前記検知状態が切り替わるときに前記回転角検出部が検出する前記巻上機の回転角を第2回転角として記憶する記憶部と、
    前記記憶部が記憶した前記第1回転角および前記第2回転角の差分に基づいて前記主索および前記綱車の間の滑り量を算出する算出部と、
    前記滑り量の検出において前記かごが前記昇降路を走行する距離である基準走行距離に対する前記滑り量の比率が予め設定された閾値を超える場合に異常として判定する判定部と、
    を備え
    前記算出部は、前記滑り量を前記基準走行距離で除して前記比率を算出する
    エレベーターの滑り検出システム。
  6. 前記昇降路において前記第1被検知体の上方または下方に固定される第2被検知体
    を備え、
    前記位置検出部は、前記第2被検知体の高さにおける第2検知領域にあるか否かによって前記検知状態が切り替わり、
    前記記憶部は、前記第1回転角が検出されてから前記第2回転角が検出される前に前記かごの走行により前記位置検出部が前記第2検知領域の第2境界を通過することで前記検知状態が切り替わるときに前記回転角検出部が検出する前記巻上機の回転角を、第3回転角として記憶し、
    前記算出部は、前記第1回転角または前記第2回転角および前記第3回転角に基づいて前記第1境界および前記第2境界の間の距離を前記基準走行距離として算出する
    請求項4または請求項5に記載のエレベーターの滑り検出システム。
  7. 前記記憶部は、前記第1回転角が検出された後に前記第1境界の一方側の第1反転位置において前記かごの走行方向が反転するときに前記回転角検出部が検出する前記巻上機の回転角を第4回転角として記憶し、前記第4回転角が検出されてから前記第2回転角が検出される前に前記第1境界の他方側の第2反転位置において前記かごの走行方向が反転するときに前記回転角検出部が検出する前記巻上機の回転角を第5回転角として記憶し、
    前記算出部は、前記第4回転角および前記第5回転角に基づいて前記第1反転位置および前記第2反転位置の間の距離を前記基準走行距離として算出する
    請求項4または請求項5に記載のエレベーターの滑り検出システム。
  8. 前記算出部は、前記エレベーターが診断運転を行っているときに検出された前記第1回転角、および前記エレベーターが当該診断運転を行っているときに検出された前記第2回転角の差分に基づいて前記滑り量を算出する
    請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のエレベーターの滑り検出システム。
  9. 前記算出部は、前記かごが第1停止階から第2停止階まで連続して走行するときに検出された前記第1回転角、および前記かごが前記第1停止階から前記第2停止階まで連続して走行するときに検出された前記第2回転角の差分に基づいて前記滑り量を算出する
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のエレベーターの滑り検出システム。
  10. 前記算出部は、前記かごが最下階ならびに最上階の間を連続して走行するときに検出された前記第1回転角、および前記かごが前記最下階ならびに前記最上階の間を連続して走行するときに検出された前記第2回転角の差分に基づいて前記滑り量を算出する
    請求項9に記載のエレベーターの滑り検出システム。
  11. 前記算出部は、前記第1回転角、および前記第1回転角が検出されてから前記かごの走行方向が停止階の間において反転した後に検出された前記第2回転角の差分に基づいて前記滑り量を算出する
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のエレベーターの滑り検出システム。
  12. 前記かごの積載重量を測定するはかり装置
    を備え、
    前記算出部は、前記第1回転角が検出されてから前記第2回転角が検出されるまでの間に前記はかり装置が測定する積載重量の変動が予め設定された範囲内であるときに、前記滑り量を算出する
    請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のエレベーターの滑り検出システム。
  13. 前記第1回転角が検出されてから前記第2回転角が検出されるまでの間、前記かごのかご扉を閉じたままに保つ指令を出力する指令部
    を備える請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のエレベーターの滑り検出システム。
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