JP7046610B2 - 電子写真用光輝性トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる電子写真用光輝性トナーの製造方法に関する。
特許文献1には、イエロー、マゼンタ及びシアンからなる着色剤と薄片状無機結晶基質上に二酸化チタンの薄層を被覆させたパール顔料とから少なくとも構成される着色成分を、結着樹脂に分散してなることを特徴とする電子写真用光沢トナーが開示されている。
特開2008-139464号公報
二軸混練機等の溶融混練方式で光輝性トナーを製造する場合、溶融混練時に光輝性顔料が破壊され光輝性が失われるという課題がある。
本発明は、溶融混練方式で光揮性顔料を用いてトナーを製造しても、光揮性に優れた電子写真用光輝性トナーが得られる方法に関する。
本発明は、少なくとも結着樹脂と光輝性顔料を溶融混練する工程(溶融混練工程)、得られた混練物を粉砕する工程(粉砕工程)、及び得られた粉砕物を分級する工程(分級工程)を含む方法により電子写真用光輝性トナーを製造する方法であって、前記結着樹脂の軟化点が100℃以上135℃以下であり、前記光揮性顔料の含有量が、結着樹脂100質量部に対して、30質量部以上であり、前記溶融混練工程を、前記結着樹脂の軟化点より20℃以上高い混練温度で行う、電子写真用光輝性トナーの製造方法に関する。
本発明の方法により、溶融混練方式で光揮性顔料を用いてトナーを製造しても、光揮性に優れた電子写真用光輝性トナーを得ることができる。
本発明は、少なくとも結着樹脂と光輝性顔料を溶融混練する工程(溶融混練工程)、得られた混練物を粉砕する工程(粉砕工程)、及び得られた粉砕物を分級する工程(分級工程)を含む方法により電子写真用光輝性トナーを製造する方法である。溶融混練方式で光輝性トナーを製造する場合に、溶融混練時に光輝性顔料が破壊され光輝性が失われる原因として、溶融混練時に光輝性顔料に与えられるシェアに着目して検討した結果、結着樹脂の軟化点と混練温度の関係を制御することにより光輝性が良好な粉砕トナーが得られることを見出した。なお、本発明において、「光輝性トナー」とは、該トナーによる定着画像等が金属光沢を有するものをいう。
原料として用いる結着樹脂としては、特に限定されず、ポリエステル樹脂、スチレン-アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、これらの樹脂を2種以上含む複合樹脂等が挙げられるが、本発明では、低温定着性、耐久性、及び保存性の両立の観点から、ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。さらに、本発明では、結着樹脂の軟化点と混練温度の関係を制御することにより光輝性顔料が破壊され難くなり光輝性が向上する一方で、光輝性顔料が破壊され難い混練条件ではトナーの内添物、特にワックスの分散性低下により、トナーの耐久性が低下しやすい。従って、溶融混練工程で、さらにワックスを用いる場合、ワックスの分散性に優れる複合樹脂、特にポリエステル樹脂とスチレン系樹脂とを有する複合樹脂を結着樹脂として用いることがより好ましい。
ポリエステル樹脂は、2価以上のアルコールを含むアルコール成分と2価以上のカルボン酸系化合物を含むカルボン酸成分との重縮合物であることが好ましい。
2価のアルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール、好ましくは炭素数2以上20以下、より好ましくは炭素数2以上15以下の脂肪族ジオールや、式(I):
Figure 0007046610000001
(式中、OR及びROはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の値は、1以上、好ましくは1.5以上であり、そして、16以下、好ましくは8以下、より好ましくは6以下、さらに好ましくは4以下である)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。脂肪族ジオールとして、具体的には、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等が挙げられる。
アルコール成分としては、低温定着性、耐久性、及び保存性の両立の観点から、式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは100モル%である。
2価のカルボン酸系化合物としては、例えば、炭素数3以上30以下、好ましくは炭素数3以上20以下、より好ましくは炭素数3以上10以下のジカルボン酸、それらの無水物、又はアルキル基の炭素数が1以上3以下のアルキルエステル等の誘導体等が挙げられる。ジカルボン酸の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸や、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
カルボン酸成分は、低温定着性、耐久性、及び保存性の両立の観点から、テレフタル酸又は/及びフマル酸を含むことが好ましい。テレフタル酸又はフマル酸の含有量は、カルボン酸成分中、好ましくは40モル%以上、より好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上である。テレフタル酸及びフマル酸が併用されている場合は、両者の総含有量が、上記範囲内であることが好ましい。
3価以上のカルボン酸系化合物としては、例えば、炭素数4以上20以下、好ましくは炭素数6以上20以下、より好ましくは炭素数7以上15以下、さらに好ましくは炭素数8以上12以下、さらに好ましくは炭素数9以上10以下の3価以上のカルボン酸、それらの無水物、又はアルキル基の炭素数が1以上3以下のアルキルエステル等の誘導体等が挙げられる。具体的には、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸)、又はそれらの酸無水物等が挙げられる。
3価以上のカルボン酸系化合物の含有量は、カルボン酸成分中、耐高温オフセット性の観点から、好ましくは1モル%以上、より好ましくは3モル%以上、さらに好ましくは5モル%以上であり、そして、低温定着性の観点から、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは15モル%以下である。
なお、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸系化合物が、ポリエステル樹脂の分子量及び軟化点を調整する観点から、適宜含有されていてもよい。
カルボン酸成分とアルコール成分との当量比(COOH基/OH基)は、ポリエステル樹脂の軟化点を調整する観点から、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.75以上であり、そして、好ましくは1.1以下、より好ましくは1.05以下である。
ポリエステル樹脂は、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中、好ましくはエステル化触媒の存在下、さらに必要に応じて、エステル化助触媒、重合禁止剤等の存在下、好ましくは130℃以上、より好ましくは170℃以上、そして、好ましくは250℃以下、より好ましくは240℃以下の温度で重縮合させて製造することができる。
エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられ、錫化合物が好ましい。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、そして、好ましくは1.5質量部以下、より好ましくは1質量部以下である。エステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、そして、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。重合禁止剤としては、t-ブチルカテコール等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、そして、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。
なお、本発明において、ポリエステル樹脂は、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステル樹脂であってもよい。変性されたポリエステル樹脂としては、例えば、特開平11-133668号公報、特開平10-239903号公報、特開平8-20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステル樹脂が挙げられるが、変性されたポリエステル樹脂のなかでは、ポリエステル樹脂をポリイソシアネート化合物でウレタン伸長したウレタン変性ポリエステル樹脂が好ましい。
スチレン系樹脂は、少なくとも、スチレン、又はα-メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体(以下、スチレンとスチレン誘導体をまとめて「スチレン化合物」という)を含む原料モノマーの付加重合体である。
スチレン化合物、好ましくはスチレンの含有量は、スチレン樹脂の原料モノマー中、ワックスの分散性を向上させる観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であり、そして、トナーの低温定着性を向上させる観点から、好ましくは95質量%以下、より好ましくは93質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下である。
また、スチレン系樹脂は、原料モノマーとしてアルキルエステルの炭素数が7以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含んでもよい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸(イソ)オクチル、(メタ)アクリル酸(イソ)デシル、(メタ)アクリル酸(イソ)ステアリル等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることが好ましい。なお、本明細書において、「(イソ)」は、この基が存在している場合とそうでない場合の双方を含むことを意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルであることを示す。また、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸、メタクリル酸、又はその両者を示す。
スチレン系樹脂の原料モノマーとしての(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキルエステルの炭素数は、トナーの低温定着性を向上させる観点から、好ましくは7以上、より好ましくは8以上であり、そして、保存安定性の観点から、好ましくは12以下、より好ましくは10以下である。なお、該アルキルエステルの炭素数は、エステルを構成するアルコール成分由来の炭素数をいう。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、スチレン樹脂の原料モノマー中、トナーの低温定着性を向上させる観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、そして、ワックスの分散性を向上させる観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
スチレン樹脂の原料モノマーには、スチレン化合物及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の原料モノマー、例えば、エチレン、プロピレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン類;ブタジエン等のジオレフィン類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のエチレン性モノカルボン酸エステル;メチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化物;N-ビニルピロリドン等のN-ビニル化合物類等が含まれていてもよい。
スチレン系樹脂の原料モノマーの付加重合反応は、例えば、ジクミルパーオキサイド等の重合開始剤、重合禁止剤、架橋剤等の存在下、有機溶媒存在下又は無溶媒下で行うことができるが、温度条件としては、好ましくは110℃以上、より好ましくは140℃以上であり、そして、好ましくは200℃以下、より好ましくは170℃以下である。
付加重合反応の際に有機溶媒を使用する場合、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン等を用いることができる。有機溶媒の使用量は、スチレン系樹脂の原料モノマー100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下が好ましい。
本発明において、複合樹脂は、低温定着性、耐久性、及び保存性の両立の観点から、ポリエステル樹脂の原料モノマー及びスチレン系樹脂の原料モノマーのいずれとも反応し得る、両反応性モノマーを介してポリエステル樹脂とスチレン系樹脂が化学結合した樹脂が好ましい。
両反応性モノマーは、分子内に、水酸基、カルボキシ基、エポキシ基、第1級アミノ基及び第2級アミノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基、好ましくは水酸基及び/又はカルボキシ基、より好ましくはカルボキシ基と、エチレン性不飽和結合とを有する化合物が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸及び無水マレイン酸からなる群より選ばれた少なくとも1種がより好ましく、重縮合反応及び付加重合反応の反応性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸及びフマル酸からなる群より選ばれた少なくとも1種がさらに好ましい。但し、重合禁止剤と共に用いた場合は、フマル酸等のエチレン性不飽和結合を有する多価カルボン酸系化合物は、ポリエステル樹脂の原料モノマーとして機能する。この場合、フマル酸等は両反応性モノマーではなく、ポリエステル樹脂の原料モノマーである。
また、両反応性モノマーは、アルキル基の炭素数が6以下であるアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれた1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸エステルであってもよい。
(メタ)アクリル酸エステルは、エステル交換に対する反応性の観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、アルキル基の炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、そして、好ましくは6以下、より好ましくは4以下である。アルキル基は、水酸基等の置換基を有していてもよい。
両反応性モノマーの使用量は、ポリエステル樹脂のアルコール成分の合計100モルに対して、スチレン系樹脂とポリエステル樹脂との分散性を高め、トナーの耐久性を向上させる観点から、好ましくは1モル以上、より好ましくは2モル以上であり、そして、低温定着性の観点から、好ましくは30モル以下、より好ましくは20モル以下、さらに好ましくは10モル以下である。
また、両反応性モノマーの使用量は、スチレン系樹脂の原料モノマーの合計100質量部に対して、スチレン系樹脂とポリエステル樹脂との分散性を高め、トナーの耐久性を向上させる観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、そして、低温定着性の観点から、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。ここで、スチレン系樹脂の原料モノマーの合計に重合開始剤は含める。
両反応性モノマーを用いて得られる複合樹脂は、具体的には、以下の方法により製造することが好ましい。両反応性モノマーは、トナーの耐久性を向上させる観点、トナーの低温定着性及び耐熱保存性を向上させる観点から、スチレン系樹脂の原料モノマーとともに付加重合反応に用いることが好ましい。
複合樹脂は、例えば、ポリエステル樹脂の原料モノマーによる重縮合反応の工程(A)と、スチレン系樹脂の原料モノマー及び両反応性モノマーによる付加重合反応の工程(B)とを含む方法により製造することができる。
工程(A)の後に工程(B)を行ってもよいし、工程(B)の後に工程(A)を行ってもよく、工程(A)と工程(B)を同時に行ってもよい。
工程(A)において、カルボン酸成分の一部を重縮合反応に供し、次いで工程(B)を実施した後に、カルボン酸成分の残部を重合系に添加し、工程(A)の重縮合反応及び必要に応じて両反応性モノマーとの反応をさらに進める方法がより好ましい。また、工程(A)と工程(B)は、同一容器内で行うことが好ましい。
また、重縮合反応を行う工程(A)の代わりに、予め重合した重縮合系樹脂を用いてもよい。工程(A)と工程(B)を並行して進行する際には、ポリエステル樹脂の原料モノマーを含有した混合物中に、スチレン系樹脂の原料モノマーを含有した混合物を滴下して反応させることもできる。
さらに、本発明のトナーにおいて、複合樹脂は、耐久性の観点から、ワックスをあらかじめ複合樹脂に含有させたワックス内添複合樹脂であることがさらに好ましい。ワックス内添複合樹脂は、ワックスの存在下でポリエステル樹脂の原料モノマーの重縮合反応及び/又はスチレン系樹脂の原料モノマーの付加重合反応を行って得られる。
ワックスとしては、後述の離形剤と同様のものを用いることができるが、低温定着性の観点から、パラフィンワックスが好ましい。
ワックスの内添量は、ポリエステル樹脂の原料モノマーとスチレン系樹脂の原料モノマーと両反応性モノマーの総量100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは1.5質量部以上であり、そして、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは7質量部以下である。
複合樹脂の製造段階でワックスを用いる場合、重縮合反応をワックスの存在下で行うことが好ましく、例えば、工程(A)の際に、ポリエステル樹脂の原料モノマーとともにワックスを添加し、重縮合反応を行う方法が挙げられる。
複合樹脂におけるスチレン系樹脂とポリエステル樹脂の質量比(スチレン系樹脂/ポリエステル樹脂)は、ワックス分散性の観点から、好ましくは3/97以上、より好ましくは7/93以上、さらに好ましくは10/90以上であり、そして、低温定着性、耐久性、及び保存性の両立の観点から、好ましくは45/55以下、より好ましくは40/60以下、さらに好ましくは35/65以下、さらに好ましくは30/70以下、さらに好ましくは25/75以下である。なお、上記の計算において、ポリエステル樹脂の質量は、用いられるポリエステル樹脂の原料モノマーの合計量であり、両反応性モノマーの量は、ポリエステル樹脂の原料モノマー量に含める。また、スチレン系樹脂の量は、スチレン系樹脂の原料モノマーと重合開始剤の合計量である。
ポリエステル系樹脂、好ましくは前記複合樹脂の含有量は、結着樹脂中、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。
結着樹脂の軟化点は、100℃以上135℃以下である。結着樹脂の軟化点は、耐久性及び耐高温オフセット性の観点から、100℃以上であり、好ましくは105℃以上、より好ましくは110℃以上であり、そして、溶融混練時に光輝性顔料を破壊させない観点から、135℃以下であり、好ましくは130℃以下、より好ましくは125℃以下である。
結着樹脂のガラス転移温度は、保存安定性の観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上であり、そして、低温定着性の観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下である。
結着樹脂の酸価は、帯電の立ち上がり性の観点から、好ましくは1mgKOH/g以上、より好ましくは5mgKOH/g以上、さらに好ましくは10mgKOH/g以上であり、そして、吸湿性の観点から、好ましくは25mgKOH/g以下、より好ましくは22mgKOH/g以下である。
結着樹脂が複数の樹脂からなる場合は、各樹脂の物性の加重平均値が上記範囲内となることが好ましい。
光揮性顔料としては、パール調顔料、エフェクト顔料等が挙げられ、トナーに限定されず光揮性顔料として用いられているものを用いることができる。
パール調顔料としては、マイカの粉砕物を基材として、その表面に金属酸化物を被覆した顔料、オキシ塩化ビスマスを各種ビヒクルに溶媒で分散させたビスマスタイプの顔料等が挙げられる。
エフェクト顔料としては、アルミナフレーク、シリカフレーク、フレーク状ガラス等の人口的に製造されたフレークを基材として、その表面に金属酸化物を被覆した顔料等が挙げられる。
光揮性顔料の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、光輝性発現の観点から、30質量部以上であり、好ましくは40質量部以上、より好ましくは60質量部以上、さらに好ましくは70質量部以上であり、そして、低温定着性の観点から、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、さらに好ましくは120質量部以下である。
得られるトナー中に分散する光輝性顔料の平均粒径は、光輝性発現の観点から、好ましくは8μm以上、より好ましくは10μm以上であり、そして、トナー中に光輝性顔料を均一に分散させる観点から、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下である。
溶融混練に供する原料として、結着樹脂及び光揮性顔料以外に、離型剤(ワックス)、荷電制御剤、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤を用いてもよい。
離型剤(ワックス)としては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンポリエチレン共重合体ワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、サゾールワックス等の炭化水素系ワックス及びそれらの酸化物;カルナウバワックス、モンタンワックス及びそれらの脱酸ワックス、脂肪酸エステルワックス等のエステル系ワックス;脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を用いることができる。これらの中では、耐久性の観点から、カルナウバワックスが好ましい。
離型剤の融点は、トナーの転写性の観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上であり、そして、低温定着性の観点から、好ましくは160℃以下、より好ましくは140℃以下、さらに好ましくは130℃以下、さらに好ましくは120℃以下である。
離型剤の使用量は、トナーの低温定着性と耐オフセット性の観点及び結着樹脂中への分散性の観点から、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは1.5質量部以上であり、そして、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは7質量部以下である。
荷電制御剤は、特に限定されず、正帯電性荷電制御剤及び負帯電性荷電制御剤のいずれを含有していてもよい。
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN-01」、「ボントロンN-04」、「ボントロンN-07」、「ボントロンN-09」、「ボントロンN-11」(以上、オリヱント化学工業(株)製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP-51」(オリヱント化学工業(株)製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PX VP435」(クラリアント社製)等;ポリアミン樹脂、例えば「AFP-B」(オリヱント化学工業(株)製)等;イミダゾール誘導体、例えば「PLZ-2001」、「PLZ-8001」(以上、四国化成工業(株)製)等;スチレン-アクリル系樹脂、例えば「FCA-701PT」(藤倉化成(株)製)等が挙げられる。
また、負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、例えば「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS-31」、「ボントロンS-32」、「ボントロンS-34」、「ボントロンS-36」(以上、オリヱント化学工業(株)製)、「アイゼンスピロンブラックTRH」、「T-77」(保土谷化学工業(株)製)等;ベンジル酸化合物の金属化合物、例えば、「LR-147」、「LR-297」(以上、日本カーリット(株)製)等;サリチル酸化合物の金属化合物、例えば、「ボントロンE-81」、「ボントロンE-84」、「ボントロンE-88」、「ボントロンE-304」(以上、オリヱント化学工業(株)製)、「TN-105」(保土谷化学工業(株)製)等;銅フタロシアニン染料;4級アンモニウム塩、例えば「COPY CHARGE NX VP434」(クラリアント社製)、ニトロイミダゾール誘導体等;有機金属化合物等が挙げられる。
荷電制御剤の使用量は、トナーの帯電安定性の観点から、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上であり、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下である。
少なくとも結着樹脂及び光揮性顔料を含む溶融混練に供する原料は、一度に混練に供しても、分割して混練に供してもよいが、あらかじめヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機で混合した後、混練機に供給することが好ましい。
溶融混練には、密閉式ニーダー、一軸もしくは二軸の押出機、オープンロール型混練機等の公知の混練機を用いて行うことができる。
本発明では、溶融混練工程を、前記結着樹脂の軟化点より20℃以上高い混練温度で行う。この温度条件で原料を混練することにより、光揮性顔料を破壊することなく、結着樹脂に混ぜ合わせることができる。ここで、混練温度とは、混練機の排出部で測定した混練物の温度とする。従って、使用する混練機は、混練物の温度の制御が容易な一軸押出機又は二軸押出機が好ましく、二軸押出機がより好ましい。
混練温度と結着樹脂の軟化点の差は、好ましくは25℃以上、より好ましくは30℃以上であり、好ましくは70℃以下、より好ましくは60℃以下である。
溶融混練工程の後、混練物を粉砕可能な硬度に達するまで適宜冷却し、粉砕工程、及び分級工程を行ってトナー粒子を得ることが好ましい。ここで、冷却とは、混練物を0℃以上50℃以下まで冷却すること、または、混練物中の結着樹脂のガラス転移温度以下まで冷却することを言う。
粉砕工程は、得られた混練物を粉砕して、トナー粒子を得る工程である。混練物は、所望の粒径まで一度に粉砕しても、段階的に粉砕してもよいが、効率よく、かつより均一に粉砕する観点から、粗粉砕と微粉砕の2段階で行うことが好ましい。
粗粉砕に用いられる粉砕機としては、ハンマーミル、カッターミル、アトマイザー、ロートプレックス等が挙げられる。
粗粉砕では、最大径が3mm以下になるまで粉砕することが好ましい。最大径が3mm以下の粉砕物は、混練物を、粒径が0.05mm以上3mm以下程度になるまで適宜粗粉砕した後、目開きが3mmの篩に通し、篩を通過した粉砕物として得ることができる。
微粉砕に用いる粉砕機としては、流動層式ジェットミル、衝突板式ジェットミル等のジェットミル、機械式ミル等が挙げられる。
微粉砕の程度は、目的とするトナーの粒径に応じて、適宜調整することが好ましい。
分級工程に用いられる分級機としては、気流式分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げられる。
本発明では、分級工程により得られたトナー粒子を、さらに、外添剤と混合する外添工程を有することが好ましい。
本発明のトナーには、転写性を向上させるために、外添剤を用いることが好ましい。外添剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化亜鉛等の無機微粒子や、メラミン系樹脂微粒子、ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粒子等の樹脂粒子等の有機微粒子が挙げられ、2種以上が併用されていてもよい。これらの中では、シリカが好ましく、トナーの転写性の観点から、疎水化処理された疎水性シリカであることがより好ましい。
シリカ粒子の表面を疎水化するための疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)、シリコーンオイル、オクチルトリエトキシシラン(OTES)、メチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
外添剤の平均粒子径は、トナーの帯電性や流動性、転写性の観点から、好ましくは10nm以上、より好ましくは15nm以上であり、そして、好ましくは250nm以下、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは90nm以下である。
外添剤の使用量は、トナーの帯電性や流動性、転写性の観点から、外添剤で処理する前のトナー100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上であり、そして、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。
外添剤によるトナー粒子の被覆率は、トナーの流動性及び耐久性の観点から、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上であり、そして、感光体への外添剤移行防止の観点から、好ましくは200%以下、より好ましくは170%以下、さらに好ましくは150%以下である。
本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは12μm以上であり、そして、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下である。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。また、トナーを外添剤で処理している場合には、外添剤で処理する前のトナー粒子の体積中位粒径をトナーの体積中位粒径とする。
本発明の方法により得られるトナーは、一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。樹脂等の物性は、以下の方法により測定した。
〔樹脂の軟化点(Tm)〕
フローテスター「CFT-500D」((株)島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂のガラス転移温度〕
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01~0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱ピークを測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。ただし、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01~0.02gをアルミパンに計量し、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温し、その温度から降温速度5℃/minで-10℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/分で180℃まで昇温し測定する。そこで得られる融解吸熱カーブから観察される吸熱の最高ピーク温度を離型剤の融点とする。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター(株)製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター(株)製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター(株)製)
分散液:電解液にエマルゲン109P(花王(株)製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB(グリフィン):13.6)を溶解して5質量%に調整したもの
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機(機械名:(株)エスエヌディー製US-1、出力:80W)にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mLに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
〔外添剤の平均粒子径〕
平均粒子径は、個数平均粒子径を指し、走査型電子顕微鏡(SEM)写真から500個の粒子の粒径(長径と短径の平均値)を測定し、それらの数平均値とする。
〔外添剤による被覆率〕
下記式より算出する。
被覆率(%)=√3/2π×(D・ρt)/(d・ρs)×C×100
(式中、Dは外添工程前のトナー粒子の体積中位粒径(D50)(μm)、dは外添剤の平均粒径(μm)、ρtはトナー粒子の比重、ρsは外添剤の比重、Cはトナー粒子と外添剤の質量比(外添剤/トナー粒子)を示す)
外添剤の総被覆率は、各外添剤について算出した被覆率の総和とする。なお、すべての実施例及び比較例において、トナー粒子の比重を1.2、シリカの比重を2.2として求める。
樹脂製造例1
表1に示すフマル酸及び無水トリメリット酸以外のポリエステル樹脂の原料モノマー、2-エチルヘキサン酸錫(II)40g、及び没食子酸1gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃にて8時間反応を行った。反応後、8.3kPaにて1時間反応させた。さらに、210℃に降温して、無水トリメリット酸、フマル酸、及びターシャリブチルカテコール5gを添加し、所望の軟化点に達するまで反応を行い、ポリエステル樹脂(樹脂A、B)を得た。
樹脂製造例2
表1に示すフマル酸及び無水トリメリット酸以外のポリエステル樹脂の原料モノマー、2-エチルヘキサン酸錫(II)40g、及び没食子酸1gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃にて8時間反応を行った後、8.3kPaにて1時間反応させた。
170℃に降温し、スチレン系樹脂の原料モノマー、両反応性モノマー、及びジクミルパーオキサイドの混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下した。170℃に保持したまま1時間付加重合反応を熟成させた後、210℃に昇温し、8.3kPaにて1時間スチレン系樹脂の原料モノマーの除去、及び両反応性モノマーとポリエステル部位の反応を行った。さらに、210℃にて、無水トリメリット酸、フマル酸、及びターシャリブチルカテコール5gを添加し、所望の軟化点に達するまで反応を行い、複合樹脂(樹脂C)を得た。
樹脂製造例3
表1に示すフマル酸及び無水トリメリット酸以外のポリエステル樹脂の原料モノマー、2-エチルヘキサン酸錫(II)40g、没食子酸1g、及びワックスを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、230℃にて8時間反応を行った後、8.3kPaにて1時間反応させた。
その後、樹脂製造例2と同様にして、複合樹脂(樹脂D)を得た。
Figure 0007046610000002
実施例1~10及び比較例1~4
表2に示す結着樹脂、光輝性顔料「Xirallic-NXT260-30」(メルク(株)製、エフェクト顔料)、荷電制御剤「Bontron E-304」(オリヱント化学工業(株)製、負帯電性荷電制御剤)、及びワックス「HNP-9」(日本精蝋社製、パラフィンワックス、融点:79℃)を、ヘンシェルミキサーを用いて1分間予備混合した後、二軸押出機「PCM-87」(池貝鉄工社製)を用いて溶融混練した。溶融混練の条件は、原料のフィード量 3.0kg/min、混練部のスクリュー回転数を表2に示す速度に設定し、混練物の吐出部で測定した混練物の温度が表2に示す温度となるようにバレル設定温度を表2に示す温度に調整して、混練物を得た。得られた混練物を冷却ロールで圧延しながら20℃以下に冷却し、冷却された溶融混練物をロートプレックス(東亜機械社製)で3mm程度に粗粉砕した。
得られた粗砕物をカッターミル(奈良機械製作所製)を用いて体積中位粒径(D50)が1.5~2.5mmに粗粉砕した後、衝突板式ジェットミル「I-20型」(日本ニューマチック工業社製)で微粉砕した。
さらに、得られた粉砕物を気流分級機「DSF型」(日本ニューマチック工業社製)で分級し、表2に示す体積中位粒径(D50)のトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部と、外添剤として疎水性シリカ「R972」(日本アエロジル社製、疎水化処理剤:DMDS、平均粒子径16nm)と疎水性シリカ「RY-50」(日本アエロジル社製、疎水化処理剤:シリコーンオイル、平均粒子径40nm)を表2に示す量で添加し、ヘンシェルミキサーにて3分間混合して、トナーを得た。
得られたトナーをスライドグラス上に溶融させ光学顕微鏡で顔料の平均粒径を測定した。平均粒径は、光学顕微鏡で観察された任意の100個の顔料粒子の内、大きい方から上位30個の粒径の平均値とし、顔料が短径と長径を有する場合は長径をその粒子の粒径として採用した。結果を表2に示す。
試験例1〔光輝性〕
(1) 基準サンプルの作製
〔基準A〕
樹脂A100質量部と光輝性顔料「Xirallic-NXT260-30」30質量部を混合した試料をスライドグラス上に乗せ、200℃に設定したホットプレートで10秒間加熱し溶融させた。溶融した試料の光輝性を、基準Aとした。
〔基準C〕
樹脂A100質量部及び光輝性顔料「Xirallic-NXT260-30」15質量部と、乳鉢で十分にすり潰した光輝性顔料「Xirallic-NXT260-30」15質量部とを混合した試料をスライドグラス上に乗せ、200℃に設定したホットプレートで10秒間加熱し溶融させた。溶融した試料の光輝性を、基準Cとした。
〔基準E〕
樹脂A100質量部と乳鉢で十分にすり潰した光輝性顔料「Xirallic-NXT260-30」30部を混合した試料をスライドグラス上に乗せ、200℃に設定したホットプレートで10秒間加熱し溶融させた。溶融した試料の光輝性を、基準Eとした。
(2) 高揮性評価
実施例及び比較例で得られた各トナー0.01gをスライドグラス上に乗せ、200℃、10秒間ホットプレートで加熱しトナーを溶融させた。溶融したトナーの光輝性を目視で観察し、基準サンプルの光揮性(基準A、基準C、基準E)と比較して、5段階で評価した。結果を表2に示す。
〔評価基準〕
A:光輝性非常に良好
B:光輝性良好
C:光輝性低下
D:大きく光輝性低下
E:殆ど光輝性なし
試験例2〔耐久性〕
非磁性一成分現像装置「OKI COREFIDO B431dn」(沖データ社製)のIDカートリッジにトナーを実装し、温度25℃、相対湿度50%の条件下で、25r/min(13枚/分相当)で空回し運転を行い、現像ロール表面を1時間毎に目視にて観察し、スジムラが発生するまでの時間を測定することで、耐久性の指標とした。最大10時間まで行い、数値が大きいほど、耐久性に優れることを示す。結果を表2に示す。
なお、スジムラとは現像ロール上に付着しているトナー量にばらつきが発生している状態のことをいい、スジムラの発生により、印字の際に画像濃度に濃淡が発生する。
Figure 0007046610000003
以上の結果より、実施例1~10で得られたトナーは、光揮性に優れていることが分かる。なかでも、実施例1と実施例9、10との対比から、結着樹脂として複合樹脂、特にワックス内添複合樹脂を用いることにより、耐久性が向上することが分かる。
これに対し、比較例1、2のように、結着樹脂の軟化点と混練温度の差は大きすぎても小さすぎても、顔料が溶融混練時に破壊されるため光揮性に欠けている。また、顔料の量が少なすぎる比較例3、結着樹脂の軟化点が高すぎる比較例4でも、光揮性に優れたトナーは得られていない。
本発明の方法により得られる電子写真用光輝性トナーは、静電荷像現像法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられるものである。

Claims (4)

  1. 少なくとも結着樹脂と光輝性顔料を溶融混練する工程(溶融混練工程)、得られた混練物を粉砕する工程(粉砕工程)、及び得られた粉砕物を分級する工程(分級工程)を含む方法により電子写真用光輝性トナーを製造する方法であって、前記結着樹脂の軟化点が100℃以上125℃以下であり、前記光揮性顔料の含有量が、結着樹脂100質量部に対して、30質量部以上であり、前記溶融混練工程を、前記結着樹脂の軟化点より20℃以上高く、前記結着樹脂の軟化点との差が60℃以下である混練温度(ここで、混練温度とは混練機の排出部で測定した混練物の温度である)で行い、前記溶融混練工程において、さらにワックスを用いる、又は前記結着樹脂がポリエステル樹脂とスチレン系樹脂とを有するワックス内添複合樹脂を含有する、電子写真用光輝性トナーの製造方法。
  2. 得られるトナーの体積中位粒径が5μm以上である、請求項1記載の製造方法。
  3. 分級工程により得られたトナー粒子を、さらに、外添剤と混合する外添工程を有し、外添剤によるトナー粒子の被覆率が50%以上である、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 溶融混練工程で、さらにワックスを用いる場合に、結着樹脂がポリエステル樹脂とスチレン系樹脂とを有する複合樹脂を含有する、請求項1~3いずれか記載の製造方法。
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