JP7046065B2 - 印刷用前処理液、印刷用基材の製造方法、インクセット、及び画像記録方法 - Google Patents
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Description
インクジェット法を利用した画像記録方法には種々の形態が提案されている。
例えば、水及び着色剤を含むインクと、インク中の成分を凝集させる凝集剤を含む印刷用前処理液と、を併用したインクセットを使用する方法が知られている。この方法では、インクと印刷用前処理液とを接触させることにより、例えば、解像度に優れた画像を形成することができる。
しかし、本発明者らは鋭意検討した結果、特許文献1に記載の方法により印刷を行った場合には、上記表面処理組成物の上記下地層と基材、又は、上記下地層とインク画像との密着性が低く、印刷された画像が剥離してしまう場合があることを見出した。
特に、印刷工程において印刷後の基材を巻き取ってロールとして用いる際に、印刷面における非画像部と、基材の裏面とがロール中で接するため、印刷面から剥離した画像が基材の裏面に付着してしまう場合があった。
例えば、基材として透明の基材(例えば、樹脂基材)を用いて、このような剥離した画像が基材の裏面に付着すると、印刷面から裏面に付着した剥離画像が視認され、印刷物の外観が損なわれる場合があった。
更に、本開示に係る別の実施形態が解決しようとする課題は、得られる印刷物からの画像の剥離が抑制される印刷用基材、印刷用基材の製造方法、インクセット、又は、画像記録方法を提供することである。
<1> 下記式Iにより表される構成単位Iを含む重合体と、
水と、を含む
印刷用前処理液。
<2> 上記重合体が、下記式IIにより表される構成単位IIを更に含む、上記<1>に記載の印刷用前処理液。
<6> 印刷用前処理液における上記重合体の固形分量と、上記凝集剤の固形分量との質量比が、上記重合体の含有量:凝集剤の含有量=10:1~1:2である上記<5>に記載の印刷用前処理液。
<7> 上記凝集剤が有機酸を含む、上記<5>又は<6>に記載の印刷用前処理液。
<8> 上記有機酸がジカルボン酸を含む、上記<5>~<7>のいずれか1つに記載の印刷用前処理液。
<9> 非浸透性媒体と
上記<1>~<8>のいずれか1つに記載の印刷用前処理液の固化物を含む
印刷用基材。
<10> 非浸透性媒体に対し、上記<1>~<8>のいずれか1つに記載の印刷用前処理液を付与する前処理工程を有する
印刷用基材の製造方法。
<11> 着色剤及び水を含むインク組成物、並びに、
上記<1>~<8>のいずれか1つに記載の印刷用前処理液を含む
インクセット。
<12> 非浸透性媒体に対し、上記<1>~<8>のいずれか1つに記載の印刷用前処理液を付与する前処理工程と、
上記印刷用前処理液が付与された面に、着色剤及び水を含むインク組成物をインクジェット法により吐出して画像を記録する画像記録工程と、を有する
画像記録方法。
<13> 上記<10>に記載の上記印刷用前処理液が付与された面に、着色剤及び水を含むインク組成物をインクジェット法により吐出して画像を記録する画像記録工程と、を有する
画像記録方法。
更に、本開示に係る別の実施形態によれば、得られる印刷物からの画像の剥離が抑制される印刷用基材、印刷用基材の製造方法、インクセット、又は、画像記録方法を提供することができる。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する上記複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルの少なくとも一方を意味し、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を意味する。
本開示において、特に断りのない限り、ポリマー成分における重量平均分子量(Mw)又は数平均分子量(Mn)は、テトラヒドロフラン(THF)を溶剤とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定されるポリスチレン換算の値である。
本開示において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示に係る印刷用前処理液は、上記式Iにより表される構成単位Iを含む重合体(以下、「特定重合体」ともいう。)と、
水と、を含む。
上記効果が得られる理由は明確ではないが、以下のように推測される。
詳細な機構は不明であるが、印刷用前処理液中の特定重合体が式Iにより表される構成単位Iを含むことにより、基材(特に、非浸透性の樹脂基材)と、上記特定重合体との密着性に優れ、また、上記特定重合体とインクとの密着性にも優れると考えられる。
以下、本開示に係る印刷用前処理液に含まれる各成分について詳細を説明する。
〔式Iにより表される構成単位I〕
本開示に係る印刷用前処理液は、下記式Iにより表される構成単位I(単に「構成単位I」ともいう。)を含む重合体を含む。
式Iにより表される構成単位Iは、例えば、特定重合体を得るためのモノマーとして2-スルホサクシン酸ジメチルを使用することにより特定重合体に導入することができる。
式I中、Z+は、SO3 -と結合していてもよいし、解離していてもよいが、少なくとも一部が解離していることが好ましい。
式I中、Z+はNa+、K+又はH+であることが好ましい。
本開示に用いられる特定重合体は、式IIにより表される構成単位II(単に「構成単位II」ともいう。)を更に含むことが好ましい。
本開示において用いられる特定重合体が構成単位IIを更に含むことにより、得られる画像の剥離が更に抑制される。
また、本開示において用いられる特定重合体が構成単位IIを更に含有することにより、得られる画像の耐擦性が向上する。
構成単位IIは、例えば、特定重合体を得るためのモノマーとしてフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル又はテレフタル酸ジメチルを使用することにより特定重合体に導入することができる。
また、本開示において用いられる特定重合体は、構成単位Iの含有量と、構成単位IIの含有量のモル比が、構成単位I:構成単位II=1:0.1~1:60であることが好ましく、1:0.5~1:50であることがより好ましく、1:1~1:40であることが更に好ましい。
本開示に用いられる特定重合体は、式IIIにより表される構成単位III(単に「構成単位III」ともいう。)を更に含むことが好ましい。
本開示において用いられる特定重合体が構成単位IIIを更に含むことにより、得られる画像の剥離が更に抑制される。
また、本開示において用いられる特定重合体が構成単位IIIを更に含有することにより、得られる画像の耐擦性が向上する。
構成単位IIIは、例えば、特定重合体を得るためのモノマーとして1,4-シクロヘキサンジメタノールを使用することにより特定重合体に導入することができる。
構成単位IIIにおける2つの-CH2-O-の結合位置は、特に限定されないが、構成単位III中のシクロヘキサン環構造において、1位及び4位の炭素原子にそれぞれ結合するか、または、1位及び2位の炭素原子にそれぞれ結合することが好ましく、1位及び4位の炭素原子にそれぞれ結合することがより好ましい。
また、本開示において用いられる特定重合体は、構成単位Iの含有量と、構成単位IIIの含有量のモル比が、構成単位I:構成単位III=1:0.1~1:60であることが好ましく、1:0.5~1:50であることがより好ましく、1:1~1:40であることが更に好ましい。
本開示に用いられる特定重合体は、構成単位II及び構成単位IIIの少なくとも一方を含み、上記特定重合体における上記構成単位Iの含有量と、上記特定重合体における、上構成単位II及び構成単位IIIの含有量の和と、のモル比が、構成単位Iの含有量:構成単位II及び構成単位IIIの含有量の和=1:0.1~1:60であることが好ましく、1:0.5~1:50であることがより好ましく、1:1~1:40であることが更に好ましい。
なお、上記態様において、構成単位II及び構成単位IIIのいずれか一方を含まない場合、含まない構成単位の含有量は0であるとして計算する。
また、得られる画像の剥離を抑制する観点及び耐擦性の観点から、上記態様において、本開示に用いられる特定重合体は、構成単位II及び構成単位IIIの両方を含むことが好ましい。
本開示に係る特定重合体は、下記式A-1~式A-4により表される構成単位のうち少なくとも一つを更に含んでもよい。
得られる画像の剥離を抑制する観点、及び、得られる画像の耐擦性を向上する観点から、本開示に係る特定重合体における、構成単位I、構成単位II及び構成単位IIIの合計含有量は、特定重合体の全質量に対し、20質量%~95質量%であることが好ましく、35質量%~90質量%であることがより好ましく、50質量%~80質量%であることが更に好ましい。
本開示に係る特定重合体は、反応性に富み合成上簡便である、乳化分散効果の付与の観点から、下記式A-1により表される構成単位(以下、「構成単位A-1」ともいう。)を含有することが好ましい。
構成単位A-1は、例えば、特定重合体を得るためのモノマーとしてジエチレングリコールやエチレングリコール等のジオール化合物を使用することにより特定重合体に導入することができる。
本明細書において、「アルキレン基」は、特別の記載がない限り、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、アルキレン基を構成する炭素原子の一部又は全部が環状構造を形成してもよいものとする。
上記アルキレン基は、炭素数2~20のアルキレン基が好ましく、炭素数2~10のアルキレン基がより好ましく、炭素数2~4のアルキレン基が更に好ましい。
上記アリーレン基は、炭素数6~20のアリーレン基が好ましく、炭素数6~10のアリーレン基がより好ましく、フェニレン基が更に好ましい。
また、特定重合体は、3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)に由来する構成単位を更に含有してもよい。
本開示に係る特定重合体は、下記式A-2により表される構成単位(以下、「構成単位A-2」ともいう。)を含有してもよい。
構成単位A-2は、例えば、特定重合体を得るためのモノマーとしてアルキレンジカルボン酸メチル等のジカルボン酸エステル化合物を使用することにより特定重合体に導入することができる。
上記アルキレン基は、炭素数1~20のアルキレン基が好ましく、炭素数1~10のアルキレン基がより好ましく、炭素数1~6のアルキレン基が更に好ましい。
上記アリーレン基は、炭素数6~20のアリーレン基が好ましく、炭素数6~10のアリーレン基がより好ましく、フェニレン基が更に好ましい。
また、特定重合体は、3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)に由来する構成単位を更に含有してもよい。
本開示に係る特定重合体は、下記式A-3により表される構成単位(以下、「構成単位A-3」ともいう。)を含有してもよい。
式A-3により表される構成単位は、例えば、特定重合体を得るためのモノマーとしてヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物を使用することにより特定重合体に導入することができる。
上記ジイソシアネート化合物は、例えば、他のモノマーのヒドロキシ基と反応してウレタン結合を形成する、他のモノマーのアミノ基と反応してウレア結合を形成する、等の反応により特定重合体を形成する。
上記アルキレン基は、炭素数1~20のアルキレン基が好ましく、炭素数1~10のアルキレン基がより好ましく、炭素数1~4のアルキレン基が更に好ましい。
上記アリーレン基は、炭素数6~20のアリーレン基が好ましく、炭素数6~10のアリーレン基がより好ましく、フェニレン基が更に好ましい。
式A-3中、2つの窒素原子と結合する水素原子はそれぞれ独立に、置換されていてもよい。好ましい置換基としてはアルキル基が挙げられる。
本開示に係る特定重合体は、下記式A-4により表される構成単位(以下、「構成単位A-4」ともいう。)を含有してもよい。
式A-4により表される構成単位は、例えば、特定重合体を得るためのモノマーとしてヘキサメチレンジアミン等のジアミン化合物を使用することにより特定重合体に導入することができる。
上記ジアミン化合物は、例えば、他のモノマーのカルボキシ基又はカルボン酸エステル構造と反応してアミド結合を形成する、他のモノマーのイソシアネート基と反応してウレア結合を形成する、等の反応により特定重合体を形成する。
式A-4中、2つの窒素原子と結合する水素原子はそれぞれ独立に、置換されていてもよい。好ましい置換基としてはアルキル基が挙げられる。
上記アルキレン基は、炭素数1~20のアルキレン基が好ましく、炭素数1~10のアルキレン基がより好ましく、炭素数1~4のアルキレン基が更に好ましい。
上記アリーレン基は、炭素数6~20のアリーレン基が好ましく、炭素数6~10のアリーレン基がより好ましく、フェニレン基が更に好ましい。
本開示に用いられる特定重合体は、得られる画像の剥離が抑制される、重合体の製造方法における取り出し工程の粘度的取り出しやすさ、の観点から、重量平均分子量が1,000~500,000であることが好ましく、2,000~250,000であることがより好ましく、3,000~100,000であることが更に好ましい。
本開示において、樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定することができる。
具体的な測定方法は、JIS K 7121(1987年)又はJIS K 6240(2011年)に記載の方法に順じて行う。本明細書におけるガラス転移温度は、補外ガラス転移開始温度(以下、Tigと称することがある)を用いている。
ガラス転移温度の測定方法をより具体的に説明する。
ガラス転移温度を求める場合、予想される樹脂のTgより約50℃低い温度にて装置が安定するまで保持した後、加熱速度:20℃/分で、ガラス転移が終了した温度よりも約30℃高い温度まで加熱し,示差熱分析(DTA)曲線又はDSC曲線を作成する。
補外ガラス転移開始温度(Tig)、すなわち、本明細書におけるガラス転移温度Tgは、DTA曲線又はDSC曲線における低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になる点で引いた接線との交点の温度として求める。
本明細書中において、「水溶性」とは、水に一定濃度以上溶解できる性質を指す。「水溶性」としては、25℃の水100gに対して5g以上(より好ましくは10g以上)溶解する性質が好ましい。
本開示において、「水分散性」とは、25℃の水中で、水溶性ではない化合物が沈殿を生じない状態であることを意味し、具体的には、化合物が、水に溶解している状態、水中でミセルを形成している状態、水中で均一に分散されている状態などを意味する。
直鎖状高分子は、例えば、ジオール化合物と、ジカルボン酸アルキルエステル化合物と、必要に応じてジイソシアネート化合物及びジアミン化合物の少なくとも一方と、を反応させることにより得られる。
以下、特定重合体の具体例を示すが、これに限定されるものではない。
なお、下記構造式中、括弧の添字はモル含有率を表す。
本開示に係る印刷用前処理液は、印刷物からの画像の剥離を抑制する観点から、特定重合体を、印刷用前処理液の全質量に対し、1質量%~25質量%含有することが好ましく、3質量%~15質量%含有することがより好ましく、5質量%~10質量%含有することが更に好ましい。
本開示に係る印刷用前処理液は、水を含む。
水の含有量は、印刷用前処理液の全質量に対し、50質量%~95質量%であることが好ましく、60質量%~90質量%であることがより好ましく、70質量%~85質量%であることが更に好ましい。
本開示に係る印刷用前処理液は、多価金属化合物の塩、有機酸、及び、カチオン性化合物、よりなる群から選ばれる少なくとも一種の凝集剤を更に含むことが好ましい。
各成分の詳細については後述する。
印刷用前処理液が凝集剤を含むことにより、画質に優れた画像が得られやすい。
また、本開示において用いられる特定重合体と凝集剤とを併用することにより、得られる印刷物における凝集剤の漏れ出しが抑制され、凝集剤等の印刷用前処理液に含まれる成分の転写が抑制されると考えられる。上記転写が抑制されるメカニズムは定かではないが、特定重合体と凝集剤との親和性が高く、特に凝集剤の転写が抑制されるためであると推測される。
本開示において、固形分量とは、各成分の水、有機溶剤等の溶媒を除いた残部をいう。
以下、本開示において用いられる凝集剤の詳細について説明する。
有機酸としては、酸性基を有する有機化合物が挙げられる。
酸性基としては、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、及びカルボキシ基等を挙げることができる。上記酸性基は、インクの凝集速度の観点から、リン酸基又はカルボキシ基であることが好ましく、カルボキシ基であることがより好ましい。
なお、上記酸性基は、印刷用前処理液中において、少なくとも一部が解離していることが好ましい。
ジカルボン酸としては、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、酒石酸、4-メチルフタル酸、又はクエン酸がより好ましく、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、又はクエン酸が好ましい。
これにより、カルボキシ基等の弱酸性の官能基で分散安定化しているインク中の顔料やポリマー粒子などの粒子の表面電荷を、よりpKaの低い有機酸性化合物と接触させることにより減じ、分散安定性を低下させることができる。
多価金属化合物の塩としては、二価以上の多価金属イオンとこれら多価金属イオンに結合する陰イオンとから構成される。また、多価金属化合物の塩は水溶性であることが好ましい。
多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+などの二価金属イオン、Al3+、Fe3+、Cr3+などの三価金属イオンがあげられる。陰イオンとしては、Cl-、NO3 -、I-、Br-、ClO3 -、SO4 2-、カルボン酸イオン等が挙げられる。
は炭素数7~11の炭素環式モノカルボン酸から誘導されるものである。炭素数1~6の
飽和脂肪族モノカルボン酸の好ましい例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イ
ソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヘキサン酸などが挙げられる。特に蟻酸、酢酸
が好ましい。
カチオン性化合物としては、カチオン性界面活性剤が好適に挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、第1級、第2級、又は第3級アミン塩型の化合物が好ましい。このアミン塩型の化合物の例として、塩酸塩もしくは酢酸塩等の化合物(例えば、ラウリルアミン、ヤシアミン、ステアリルアミン、ロジンアミンなど)、第4級アンモニウム塩型化合物(例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウムなど)、ピリジニウム塩型化合物(例えば、セチルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムブロマイドなど)、イミダゾリン型カチオン性化合物(例えば、2-ヘプタデセニル-ヒドロキシエチルイミダゾリンなど)、高級アルキルアミンのエチレンオキシド付加物(例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミンなど)を挙げることができる。また、ポリアリルアミン類を用いても良い。これらのほか、所望のpH領域でカチオン性を示す両性界面活性剤も使用可能であり、例えば、アミノ酸型の両性界面活性剤、R-NH-CH2CH2-COOH型の化合物(Rはアルキル基等を表す)、カルボン酸塩型両性界面活性剤(例えば、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなど)、硫酸エステル型、スルホン酸型、又はリン酸エステル型等の両性界面活性剤、等が挙げられる。
印刷用前処理液は、水溶性高分子化合物を含んでもよい。
水溶性高分子化合物としては特に限定はなく、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等の公知の水溶性高分子化合物を用いることができる。
また、水溶性高分子化合物としては、後述する特定高分子化合物や、特開2013-001854号公報の段落0026~0080に記載された水溶性高分子化合物も好適である。
含有量が0.1質量%以上であれば、インク滴の広がりをより促進でき、含有量が10質量%以下であれば、印刷用前処理液の増粘をより抑制できる。また、含有量が10質量%以下であれば、印刷用前処理液中の泡に起因する印刷用前処理液の塗布ムラをより抑制できる。
特定高分子化合物におけるイオン性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ボロン酸基、アミノ基、第四級アンモニウム基、又はこれらの塩等が挙げられる。中でも、好ましくは、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、又はこれらの塩であり、より好ましくは、カルボキシ基、スルホン酸基、又はこれらの塩であり、更に好ましくは、スルホン酸基又はその塩である。
イオン性基(好ましくはアニオン性基)を有する親水性の構造単位としては、イオン性基(好ましくはアニオン性基)を有する(メタ)アクリルアミド化合物に由来する構造単位が好ましい。
水溶性高分子化合物中におけるイオン性基(好ましくはアニオン性基)を有する親水性の構造単位の含有量としては、水溶性高分子化合物の全質量中、例えば10質量%~100質量%とすることができ、10質量%~90質量%であることが好ましく、10質量%~70質量%であることがより好ましく、10質量%~50質量%であることが更に好ましく、20質量%~40質量%であることが更に好ましい。
疎水性の構造単位としては、(メタ)アクリル酸エステル(好ましくは、(メタ)アクリル酸の炭素原子数1~4のアルキルエステル)に由来する構造単位が好ましい。
印刷用前処理液は、水溶性溶剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。
水溶性溶剤としては、公知のものを特に制限なく用いることができる。
水溶性溶剤としては、例えば、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類;2-ブテン-1,4-ジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ペンタンジオール、4-メチル-1,2-ペンタンジオール等のアルカンジオールなどの多価アルコール類;特開2011-42150号公報の段落0116に記載の、糖類や糖アルコール類、ヒアルロン酸類、炭素原子数1~4のアルキルアルコール類、グリコールエーテル類、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン;等が挙げられる。
中でも、画像の剥離を抑制する観点から、ポリアルキレングリコール又はその誘導体であることが好ましく、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールから選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
印刷用前処理液は、界面活性剤の少なくとも1種を含んでもよい。
界面活性剤は、表面張力調整剤又は消泡剤として用いることができる。表面張力調整剤又は消泡剤としては、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ベタイン界面活性剤等が挙げられる。中でも、インクの凝集速度の観点から、ノニオン性界面活性剤又はアニオン性界面活性剤が好ましい。
印刷用前処理液は、必要に応じ、上記以外のその他の成分を含んでいてもよい。
印刷用前処理液に含有され得るその他の成分としては、固体湿潤剤、コロイダルシリカ、無機塩、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、粘度調整剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
印刷用前処理液は、インクの凝集速度の観点から、25℃におけるpHが0.1~3.5であることが好ましい。
印刷用前処理液のpHが0.1以上であると、基材のザラツキがより低減され、画像部の密着性がより向上する。
印刷用前処理液のpHが3.5以下であると、凝集速度がより向上し、基材上におけるインクによるドット(インクドット)の合一がより抑制され、画像のザラツキがより低減される。
印刷用前処理液のpH(25℃)は、0.2~2.0がより好ましい。
本開示に係る印刷用基材は、非浸透性媒体と、上記式Iにより表される構成単位Iを含む重合体を含む固化物と、を含む。
本開示において用いられる非浸透性媒体の「非浸透性」とは、インク組成物に含まれる水の吸収が少ない又は吸収しないことをいい、具体的には、水の吸収量が10.0g/m2以下である性質をいう。
なお、非浸透性媒体の水の吸収量は、非浸透性媒体の画像記録面の100mm×100mmの大きさの領域に水を接触させた状態で25℃にて1分間保持し、吸収された水の質量を求め、単位面積当たりの吸収量を算出することで得られる。
本開示において用いられる非浸透性媒体は、印刷物の生産性の観点からは、シート状又はフィルム状の非浸透性媒体を巻き取ることによりロールが形成可能な非浸透性媒体であることが好ましい。
中でも、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を含む媒体が好ましい。
非浸透性媒体は、表面処理がなされていてもよい。
表面処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理、熱処理、摩耗処理、光照射処理(UV処理)、火炎処理等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、インクを付与して画像を記録する前に、予め非浸透性媒体の表面にコロナ処理を施すと、非浸透性媒体の表面エネルギーが増大し、非浸透性媒体の表面の湿潤及び非浸透性媒体へのインクの接着が促進される。コロナ処理は、例えば、コロナマスター(信光電気計社製、PS-10S)等を用いて行なうことができる。コロナ処理の条件は、非浸透性媒体の種類、インクの組成等、場合に応じて適宜選択すればよい。例えば、下記の処理条件としてもよい。
・処理電圧:10kV~15.6kV
・処理速度:30mm/s~100mm/s
本開示に係る印刷用基材は、固化物を含む。上記固化物は、印刷用基材の印刷される面の少なくとも一部に含まれていればよく、印刷される面の全面に含まれる態様や、印刷される面の端部を除いた箇所に含まれる態様等が挙げられる。
非浸透媒体がシート状又はフィルム状である場合、固化物は非浸透媒体の片面に含まれていてもよいし、両面に含まれていてもよい。
また、固化物は、非浸透性基材上で層状であることが好ましい。
すなわち、本開示に係る印刷用基材は、非浸透性基材上の少なくとも一方の面上に、固化物を含む層を有することが好ましい。
上記固化物を含む層は、固化物よりなる層であることが好ましい。
また、本開示において、固化物を含む層又は固化物よりなる層は連続層であってもよいし、不連続層であってもよいし、厚さが不均一な層であってもよい。
上記固化物を含む層の厚さは、0.01μm~10μmであることが好ましく、0.05μm~1μmであることがより好ましい。
上記厚さは、印刷用基材を切断して、切断面を走査型電子顕微鏡により観察することにより測定される。厚さの測定方法としては、試料を液体窒素で冷却した後に、ミクロトームを用いて薄切片化を行い、断面部分の厚さを5カ所の平均厚さを算出するなどの方法で測定を行う。
また、上記固化物は、水を含有しないか、水の含有量が固化物の全質量に対し、0質量%を超え20質量%以下であり、水を含有しないか、水の合計含有量が固化物の全質量に対し、0質量%を超え5質量%以下であることが好ましい。
水の含有量の測定は、下記カールフィッシャー測定法などにより行われる。
カールフィッシャー滴定装置(三菱化成製CA-06型 電量滴定式水分測定装置)を用いて水分量(mg)を測定し、下記式(A)により含水率(%)を算出した。なお、測定サンプルは、基材から固化物のみを取り出した試料のことを指す。
含水率(%)=[水分量(mg)/測定サンプル(mg)]×100 式(A)
測定に関する詳細な条件は、JISK0113:2005に準じた。
上記固化物は、例えば、本開示に係る印刷用前処理液を乾燥することにより得られる。
上記乾燥とは、印刷用前処理液に含まれる水のうち少なくとも一部を除くことをいう。乾燥方法は特に限定されず、加熱による乾燥、送風による乾燥、自然乾燥等が挙げられる。
固化物に含まれる凝集剤は、上述の本開示に係る印刷用前処理液に含まれる凝集剤と同義であり、好ましい態様も同様である。
上記固化物に含まれる水溶性高分子化合物、界面活性剤、及び、その他の添加剤は、上述の本開示に係る印刷用前処理液に含まれる水溶性高分子化合物、界面活性剤、及び、その他の添加剤と同義であり、好ましい態様も同様である。
本開示に係る印刷用基材の製造方法は、非浸透性媒体上に、本開示に係る印刷用前処理液を付与する前処理工程を含む。
前処理工程における印刷用前処理液の付与は、塗布法、インクジェット法、浸漬法などの公知の方法を適用して行うことができる。塗布法としては、バーコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等を用いた公知の塗布方法によって行うことができる。インクジェット法の詳細については、後述する画像記録工程におけるインクジェット法と同様である。
印刷用前処理液の乾燥は、加熱による乾燥、送風による乾燥又は自然乾燥のいずれであってもよいが、加熱による乾燥であることが好ましい。
加熱乾燥を行うための手段としては、ヒータ等の公知の加熱手段、ドライヤ等の公知の送風手段、及び、これらを組み合わせた手段が挙げられる。
画像の加熱乾燥を行うための方法としては、例えば、非浸透性媒体の印刷用前処理液の塗布面とは反対側からヒータ等で熱を与える方法、非浸透性媒体の上記塗布面に温風又は熱風をあてる方法、記録媒体の上記塗布面又は上記塗布面とは反対側から、赤外線ヒータで熱を与える方法、これらの複数を組み合わせた方法、等が挙げられる。
加熱温度の上限には特に制限はないが、上限としては、例えば100℃が挙げられ、90℃が好ましい。
本開示に係るインクセットは、着色剤及び水を含むインク組成物、並びに、本開示に係る印刷用前処理液を含む。
例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインク組成物と、本開示に係る印刷用前処理液とを含むインクセットが挙げられる。
以下、本開示において用いられるインクセットに含まれるインク組成物の詳細について説明する。
以下、本開示において用いられるインク組成物について説明する。
本開示において用いられるインク組成物は、着色剤及び水を含み、水性インク組成物であることが好ましい。本開示において、水性インク組成物とは、水を、インクの全質量に対し、50質量%以上含むインク組成物をいう。
また、本開示におけるインク組成物は、有機溶剤の含有量が、インク組成物の全質量に対し、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
更に、本開示におけるインク組成物は、重合性化合物を含まないか、重合性化合物の含有量が0質量%を超え、10質量%以下であることが好ましく、重合性化合物を含まないことがより好ましい。
重合性化合物としては、カチオン性重合性化合物及びラジカル重合性化合物が挙げられる。
着色剤としては、特に限定されず、インクジェット用インクの分野で公知の着色剤が使用可能であるが、有機顔料又は無機顔料が好ましい。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。
着色剤としては、特開2009-241586号公報の段落0096~0100に記載の着色剤が好ましく挙げられる。
インク組成物は、水を含有する。
水の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは50質量%~90質量%であり、より好ましくは60質量%~80質量%である。
本開示において用いられるインク組成物は、上記着色剤を分散するための分散剤を含有してもよい。分散剤としては、ポリマー分散剤、又は低分子の界面活性剤型分散剤のいずれでもよい。また、ポリマー分散剤は、水溶性の分散剤、又は非水溶性の分散剤のいずれでもよい。
分散剤としては、例えば、特開2016-145312号公報の段落0080~0096に記載の分散剤が好ましく挙げられる。
本開示におけるインク組成物は、樹脂粒子の少なくとも1種を含有することが好ましい。樹脂粒子を含有することにより、主にインク組成物の記録媒体(基材)への定着性及び耐擦過性をより向上させることができる。また、樹脂粒子は、既述の凝集剤と接触した際に凝集又は分散不安定化してインク組成物を増粘させることにより、インク組成物、すなわち画像を固定化させる機能を有する。このような樹脂粒子は、水及び含水有機溶媒に分散されているものが好ましい。
樹脂粒子としては、例えば、特開2016-188345号公報の段落0062~0076に記載の樹脂粒子が好ましく挙げられる。
本開示に用いられるインク組成物は、水溶性有機溶媒の少なくとも1種を含有することが好ましい。水溶性有機溶媒は、乾燥防止又は湿潤の効果を得ることができる。乾燥防止には、噴射ノズルのインク吐出口においてインクが付着乾燥して凝集体ができ、目詰まりするのを防止する乾燥防止剤として用いられ、乾燥防止や湿潤には、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶媒が好ましい。
このうち、乾燥防止剤としては、グリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールが好ましい。
乾燥防止剤は、1種単独で用いても2種以上併用してもよい。乾燥防止剤の含有量は、インク組成物中に10~50質量%の範囲とするのが好ましい。
本開示において用いられるインク組成物は、上記成分以外にその他の添加剤を用いて構成することができる。その他の添加剤としては、例えば、上述した以外の乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、上述した以外の分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
本開示に係る画像記録方法は、非浸透性媒体に対し、本開示に係る印刷用前処理液を付与する前処理工程と、上記印刷用前処理液が付与された面に、着色剤及び水を含むインク組成物をインクジェット法により吐出して画像を記録する画像記録工程と、を有する。
前処理工程における印刷用前処理液の付与は、塗布法、インクジェット法、浸漬法などの公知の方法を適用して行うことができる。塗布法としては、バーコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等を用いた公知の塗布方法によって行うことができる。インクジェット法の詳細については、後述する画像記録工程におけるインクジェット法と同様である。
加熱温度としては、非浸透性媒体の種類や印刷用前処理液の組成に応じて適宜設定すればよいが、非浸透性媒体の温度を30℃~70℃とすることが好ましく、30℃~60℃とすることがより好ましい。
表面処理としては、本開示に係る印刷用基材における非浸透性媒体の表面処理として記載された処理が挙げられ、これらの処理は公知の方法により行うことが可能である。
本開示に係る画像記録方法は、上記非浸透性媒体の上記印刷用前処理液が付与された面に、着色剤及び水を含むインク組成物をインクジェット法により吐出して画像を記録する画像記録工程を含む。
画像記録工程は、インク組成物を非浸透性媒体にインクジェット法で付与する工程である。
本工程では、非浸透性媒体上に選択的にインクを付与でき、所望の可視画像を形成できる。
画像記録工程において用いられるインク組成物としては、本開示に係るインクセットに含まれる上述のインク組成物が好適に用いられる。
本開示に係る画像記録方法は、乾燥工程を含んでもよい。
乾燥工程は、前処理工程後画像記録工程前、及び、画像記録工程後のいずれか一方又は両方のタイミングで行うことが可能である。
上記乾燥としては、加熱乾燥が好ましい。
画像の加熱乾燥を行うための手段としては、ヒータ等の公知の加熱手段、ドライヤ等の公知の送風手段、及び、これらを組み合わせた手段が挙げられる。
画像の加熱乾燥を行うための方法としては、例えば、非浸透性媒体の画像形成面とは反対側からヒータ等で熱を与える方法、記録媒体の画像形成面に温風又は熱風をあてる方法、記録媒体の画像形成面又は画像形成面とは反対側から、赤外線ヒータで熱を与える方法、これらの複数を組み合わせた方法、等が挙げられる。
加熱温度の上限には特に制限はないが、上限としては、例えば100℃が挙げられ、90℃が好ましい。
画像の加熱乾燥の時間には特に制限はないが、3秒~60秒が好ましく、5秒~30秒がより好ましく、5秒~20秒が特に好ましい。
また、本開示に係る画像記録方法の別の態様は、本開示に係る印刷用基材の、上記印刷用前処理液が付与された面に、着色剤及び水を含むインク組成物をインクジェット法により吐出して画像を記録する画像記録工程と、を有する。
画像記録工程は、上述の画像記録方法における画像記録工程と同義であり、好ましい態様も同様である。
また、上記画像記録方法の別の態様は、乾燥工程を含んでもよい。乾燥工程の詳細は、上述の画像記録方法における乾燥工程と同義であり、好ましい態様も同様である。
本開示に係る画像記録方法に用いることができる画像形成装置には、特に制限はなく、特開2010-83021号公報、特開2009-234221号公報、特開平10-175315号公報等に記載の公知の画像形成装置を用いることができる。
次に、本開示に係る画像記録方法を実施するのに好適なインクジェット記録装置の一例を図1を参照して具体的に説明する。
図1は、インクジェット記録装置全体の構成例を示す概略構成図である。
塗布ローラ22は、対向ローラ24と対をなして記録媒体を搬送可能に構成されており、記録媒体は、塗布ローラ22と対向ローラ24との間を通って印刷用前処理液乾燥ゾーン13に送られる。
また、溶媒除去ローラ等を用いて溶媒除去を行なってもよい。他の態様として、エアナイフで余剰な溶媒を記録媒体から取り除く方式も用いられる。
上記特色インク(A)、及び特色インク(B)としては、ホワイト、オレンジ、グリーン、パープル、ライトシアン、ライトマゼンタ色のインク等が挙げられる。
本開示に係るインクジェット記録装置では、インク吐出用ヘッド30A及び30Bは、省略されていてもよい。また、インク吐出用ヘッド30A及び30Bに加え、その他の特色インク吐出用ヘッドを備えていてもよい。
また、インク吐出用ヘッド30A及び30Bの位置は、図1中では便宜上イエロー(Y)インク吐出用ヘッド30Yの後に記載してあるが、特に限定されず、特色インクの明度等を考慮して適宜設定すればよい。
例えば、イエローインク吐出用ヘッド30Yとマゼンタインク吐出用ヘッド30Mの間に位置する態様や、マゼンタインク吐出用ヘッド30Mとシアンインク吐出用ヘッド30Cの間に位置する態様等が考えられる。
また、30Bはホワイトインク吐出用ヘッドであることが好ましい。
スルホコハク酸70%水溶液(アルドリッチ社製、50.0g)に、メタノール(100g)を添加し、外温80℃で減圧留去した。再度、メタノール(100g)を添加し、外温80℃で減圧留去することを2回繰り返した。得られた濃縮物にメタノール(150g)を加え、20℃以下の条件で系内を撹拌しながら、50%水酸化ナトリウム水溶液(51.0g)を少しずつ滴下し、pH7に調整した。その後、そのまま撹拌を1時間続けたところ、析出が見られた。この析出物をろ別し、80℃で減圧乾燥を行い、白色固体であるスルホコハク酸ジメチルナトリウム(SSA-Me、36.8g)を得た。
スルホコハク酸ジメチルナトリウム(20.0g)、イソフタル酸ジメチル(和光純薬工業(株)製、71.3g)、ジエチレングリコール(和光純薬工業(株)製、51.3g)、シクロヘキサンジメタノール(和光純薬工業(株)製、29.7g)、およびオルトチタン酸テトラエチル(東京化成工業(株)製、100μL)の混合物を窒素気流下、180℃で3時間加熱撹拌し、生成したメタノールを留去した。次いで、2Torr(1Torr=(101325/760)Pa)以下で減圧下、180℃で3時間加熱撹拌した。その後、得られた反応物をポリテトラフルオロエチレン加工の耐熱容器に取り出し、ポリエステル重合体P-1を得た。
使用する単量体を表1に記載の組成に変更した以外は、合成例1と同様に反応を行い、対応するポリエステル重合体P-2~重合体P-9を得た。
また、単量体の欄に記載のSSA-Meは上記スルホコハク酸ジメチルを示し、それ以外の略語は下記構造式により表される化合物を示す。下記構造式中、Meはメチル基を表す。
表1中、式I:(式II+式III)(モル比)の欄の記載は、重合体における上記構成単位Iの含有量と、重合体における上構成単位II及び構成単位IIIの含有量の和のモル比(構成単位Iの含有量:構成単位II及び構成単位IIIの含有量の和)を示す。
単量体の欄の「I」、「II」又は「III」の記載は、各単量体に由来する構成単位が構成単位I~構成単位IIIのうち、いずれの構成単位に該当するかを示しており、「-」の記載は、その単量体に由来する構成単位が構成単位I~構成単位IIIのいずれにも該当しないことを示している。
例えば、「I」の記載があるSSA-Meに由来する構成単位は、特定重合体中で構成単位Iに該当する。
重合体P-1~重合体P-9のポリエステルが20質量%となるように、水を75質量%、イソプロパノール5質量%の割合で加え、80℃で一時間加熱撹拌し、ポリエステル重合体水分散物PE-1~PE-9を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた三口フラスコに、メチルエチルケトン360.0gを仕込んで、75℃まで昇温した。その後、フラスコ内温度を75℃に保ちながら、イソボルニルメタクリレート72.0g、メチルメタクリレート252.0g、メタクリル酸36.0g、メチルエチルケトン72g、及び「V-601」(和光純薬工業(株)製の重合開始剤、化合物名:(ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート))1.44gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、これに「V-601」0.72g及びメチルエチルケトン36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間撹拌後、さらに「V-601」0.72g及びイソプロパノール36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間撹拌した。その後、85℃に昇温して、さらに2時間撹拌を続け、イソボルニルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸(=20/70/10(質量比))共重合体のポリマー溶液を得た。
得られた共重合体の、上記同様に測定した重量平均分子量(Mw)は、60000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で算出)であり、酸価は64.9mgKOH/gであった。
下記「マゼンタインクの組成」に記載の各成分を混合し、マゼンタインクを調製した。
また、下記「シアンインクの組成」に記載の各成分を混合し、シアンインクを調製した。
・Projet Magenta APD1000(FUJIFILM Imaging Colorants社製、マゼンタ顔料分散液、顔料濃度:14%):30質量%
・自己分散性ポリマー粒子水分散物:8質量%
・PG(プロピレングリコール):20.0質量%
・オルフィンE1010(界面活性剤、日信化学工業(株)製):1.0質量%
・イオン交換水:全体で100質量%としたときの残量
・Projet Cyan APD1000(FUJIFILM Imaging Colorants社製、シアン顔料分散液、顔料濃度:12%):20質量%
・自己分散性ポリマー粒子水分散物:8質量%
・PG(プロピレングリコール;水溶性溶剤):20.0質量%
・オルフィンE1010(界面活性剤、日信化学工業(株)製):1.0質量%
・イオン交換水:全体で100質量%としたときの残量
下記「印刷用前処理液の組成」に記載の各成分を混合し、印刷用前処理液を調製した。
・重合体水分散物:表2又は表3に記載の種類及び量
・凝集剤:表2又は表3に記載の種類及び量
・PG(プロピレングリコール):10.0質量%
・消泡剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製TSA-
739(15%);エマルジョン型シリコーン消泡剤):消泡剤の固形分量として0.01質量%
・イオン交換水:合計で100質量%となる残量
<密着性の評価>
各実施例又は比較例において、FE2001(PET媒体、フタムラ化学(株)製)を635mm/秒で搬送し、表2又は表3に記載の印刷用前処理液をワイヤーバーコーターで約1.7g/m2となるように塗布し、直後に50℃で2秒間乾燥させた。その後、下記画像記録条件で、調製した上述のシアンインク及び上述のマゼンタインクを用いて、ブルー(シアンインク+マゼンタインク)色のベタ画像を印字した。印字直後、80℃のホットプレート上で30秒乾燥後の画像をセロテープ(登録商標、No.405、ニチバン(株)製、幅12mm)で剥離し、目視により剥離の程度を評価した。(シアン+マゼンタ)色のベタ画像を印字した。印字直後、80℃のホットプレート上で30秒乾燥し、画像を形成した。
得られた画像にセロテープ(登録商標、No.405、ニチバン(株)製、幅12mm、以下、単に「テープ」ともいう。)を貼り付け、テープを画像から剥離することにより、画像の密着性を評価した。密着性の評価結果が優れているほど、画像の剥離が抑制されているといえる。評価結果は表2又は表3に記載した。
テープの貼り付けは、具体的には、下記の方法により行った。
一定の速度でテープを取り出して、約75mmの長さの小片にカットした。
テープを画像に重ね、テープの中央部の幅12mm、25mmの長さの領域を指で貼り付けた。
塗膜に正しく接触させるために,指先でしっかりとテープをこすった。
テープを付着して5分以内に、できるだけ60°に近い角度でテープの端をつかみ,0.5~1.0秒で確実に引き離すようにした。
・ヘッド:1,200dpi(dot per inch、1 inchは2.54cm)/20inch幅ピエゾフルラインヘッドを4色分配置したヘッドを用いた。
・吐出液滴量:各2.4pLとした。
・駆動周波数:30kHz(基材搬送速度635mm/秒)とした。
A:剥離が認められなかった
B:テープ側に色付きの剥離が認められたが画像側は目立った剥離が認められなかった
C:テープ側に色付きの剥離が認められ、画像側もインクのわずかな剥がれがみられたが、基材は確認されなかったため、実用上許容範囲内である。
D:テープ側に色付きの剥離が認められ、画像側もほとんどインクが剥がれ基材が確認された
幅10mm×長さ100mmの乾燥後の100%ベタ画像(以下、「記録画像」ともいう)上に、記録していない記録媒体(記録に用いたものと同じ記録媒体)を重ね、荷重5kg/m2をかけて500往復擦る操作を行い、下記の基準に従って評価した。評価結果は表2又は表3に記載した。
記録媒体はFE2001(PET媒体、フタムラ化学製)とし、画像記録条件は上述の密着性の評価における画像記録条件と同様とした。
A:記録画像に傷が認められず、また記録していない記録媒体へのインクの転写も全くなく、画像の耐擦性が非常に優れている。
B:記録画像に傷が認められないが、記録していない記録媒体へのインクの転写が僅かに認められるものの、画像の耐擦性は優れている。
C:記録画像に傷が僅かに認められ、かつ、記録していない記録媒体へのインクの転写も僅かに認められるが、画像の耐擦性は実用上許容範囲内である。
D:記録画像の傷が顕著であり、かつ、記録していない記録媒体へのインクの転写も顕著で、画像の耐擦性が極めて悪い。
各実施例又は比較例において、FE2001(PET媒体、フタムラ化学製)を用い、表2に記載の印刷用前処理液をワイヤーバーコーターで約1.7g/m2となるように塗布し、直後に50℃で2秒間乾燥させた。その後、上記密着性の評価における画像記録条件と同様の画像記録条件により、図2に記載の文字(unicode:U+9DF9)を2pt、3pt、4pt、5ptにてそれぞれ出力し、下記評価基準により評価した。ptはフォントサイズを表すDTPポイントを意味し、1ptは1/72inchである。評価結果は表2又は表3に記載した。
A:2pt文字が再現可能
B:3pt文字が再現可能であったが、2ptの文字は再現できなかった。
C:4pt文字が再現可能であったが、3pt以下の文字は再現できなかった。
D:4pt文字が再現できなかった。
なお、上記再現可能であるとは、0.5m離れた場所から目視で確認して図2に記載の文字のうち、図3に記載の11で表された横線と、図3に記載の12で表された横線とが、それぞれ分離して印刷されていることが確認できることをいう。
各実施例又は比較例において、FE2001(樹脂基材、ポリエチレンテレフタレート(PET)媒体、フタムラ化学(株)製、幅500mm、長さ2000m)を500mm/秒で搬送し、表2に記載の印刷用前処理液をワイヤーバーコーターで約1.7g/m2(液体塗布量)となるように塗布し、80℃のホットプレート上で30秒間乾燥後、面圧が50kPaになるようにロール状に巻取り、室温(25℃)で1日間放置した。その後巻取りをほどき、塗布面が接触した基材裏面への印刷用前処理液影響による目視の視認性を評価した。
長さ1000m地点をA4サイズ(基材の長さ方向に29.7cm、基材の幅方向に21cm)に切り出した後に、目視で確認を行い、下記A~Cの基準にしたがって評価した。評価結果は表2又は表3に記載した。
長さ方向の切り出し位置は、上記1000mの位置でA4サイズの領域の長さ方向の中心となるようにした。
幅方向の切り出し位置は、切り出したA4サイズの領域の幅方向の中心が、樹脂基材の幅方向の中心となるようにした。
A: A4サイズ全面で転写を確認することができず、基材の透明部分の視認性が損なわれていない。
B: A4サイズ全面で転写がわずかに確認され、基材の透明部分の視認性がやや損なわれているが、実用上許容範囲内である。
C: A4サイズ全面で転写が明らかに確認でき、基材の透明部分の視認性が著しく損なわれている。
表2中、凝集剤の欄に記載の化合物の詳細は下記の通りである
・マロン酸(有機酸):東京化成工業社製 マロン酸
・酢酸(有機酸):東京化成工業社製 酢酸
・硫酸マグネシウム(多価金属塩):ナカライテスク社製 硫酸マグネシウム・七水和物
・ポリアリルアミン(カチオン性化合物):ニットーボーメディカル社製 PAA-HCL-01
また、表2及び表3中、Z446はプラスコートZ446(互応化学工業(株)製)を示す。なお、プラスコートZ446は、25質量%の水分散物であり、上述の構成単位Iを含まない樹脂である。
また、実施例1、2及び4と、実施例5との結果から、重合体が構成単位IIを含有する場合には、密着性及び耐擦性に更に優れた画像が得られることがわかる。
さらに、実施例1、2及び3と、実施例5との結果から、重合体が構成単位IIIを含有する場合には、密着性及び耐擦性に更に優れた画像が得られることがわかる。
実施例1及び2と、実施例6~9との結果から、構成単位Iの含有量:構成単位II及び構成単位IIIの含有量の和=1:1~1:40であれば、密着性及び印刷用前処理液に含まれる成分の転写の抑制に更に優れた画像が得られることがわかる。
実施例1と、実施例10及び11との結果から、凝集剤が有機酸を含む場合には、耐擦性及び画質に更に優れた画像が得られることがわかる。
実施例1と、実施例12~15の結果から、印刷用前処理液における特定重合体の固形分量と、凝集剤の固形分量の質量比が、特定重合体の含有量:凝集剤の含有量=10:1~1:2であれば、耐擦性及び画質に更に優れ、かつ、印刷用前処理液に含まれる成分の転写の抑制に更に優れた画像が得られることがわかる。
実施例1と、実施例16との結果から、有機酸としてジカルボン酸を含む場合には、画質及び耐擦性に更に優れた画像が得られることがわかる。
また、実施例17と、実施例18との結果から、重合体が構成単位II及び構成単位IIIを含む場合には、密着性に更に優れた画像が得られることがわかる。
実施例17と、実施例19~22との結果から、構成単位Iの含有量:構成単位II及び構成単位IIIの含有量の和=1:1~1:40であれば、密着性に更に優れた画像が得られることがわかる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び、技術規格は、個々の文献、特許出願、及び、技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
12 印刷用前処理液付与部
13 印刷用前処理液乾燥ゾーン
14 インク吐出部
15 インク乾燥ゾーン
16 集積部
20 アニロックスローラ
22 塗布ローラ
24 対向ローラ
30K、30C、30M、30Y、30A、30B インク吐出用ヘッド
41,42,43,44,45,46 搬送ローラ
Claims (31)
- 非浸透性媒体に対し、印刷用前処理液を付与する前処理工程と、
前記印刷用前処理液が付与された面に、着色剤及び水を含むインク組成物をインクジェット法により吐出して画像を記録する画像記録工程と、を有する
画像記録方法における前記印刷用前処理液として用いられ、
下記式Iにより表される構成単位Iを含む重合体と、
水と、を含む
印刷用前処理液であって、
多価金属化合物の塩、有機酸、及び、カチオン性化合物、よりなる群から選ばれる少なくとも一種の凝集剤を更に含み、
印刷用前処理液における前記重合体の固形分量と、前記凝集剤の固形分量との質量比が、前記重合体の含有量:凝集剤の含有量=10:1~1:2である、
印刷用前処理液。
式I中、Z+は、SO3 -と結合していてもよいし、解離していてもよい対カチオンを表す。 - 前記有機酸がジカルボン酸を含む、請求項1又は請求項2に記載の印刷用前処理液。
- 非浸透性媒体に対し、印刷用前処理液を付与する前処理工程を有する印刷用基材の製造方法であって、
前記印刷用基材は、前記印刷用基材の前記印刷用前処理液が付与された面に、着色剤及び水を含むインク組成物をインクジェット法により吐出して画像を記録する画像記録工程を有する画像記録方法に用いられ、
前記印刷用前処理液は、非浸透性媒体に対し、印刷用前処理液を付与する前処理工程と、前記印刷用前処理液が付与された面に、着色剤及び水を含むインク組成物をインクジェット法により吐出して画像を記録する画像記録工程と、を有する画像記録方法における前記印刷用前処理液として用いられ、下記式Iにより表される構成単位Iを含む重合体と、水と、を含む印刷用前処理液である、
印刷用基材の製造方法。
式I中、Z + は、SO 3 - と結合していてもよいし、解離していてもよい対カチオンを表す。 - 前記印刷用前処理液が、多価金属化合物の塩、有機酸、及び、カチオン性化合物、よりなる群から選ばれる少なくとも一種の凝集剤を更に含む、請求項7~請求項10のいずれか1項に記載の印刷用基材の製造方法。
- 前記印刷用前処理液における前記重合体の固形分量と、前記凝集剤の固形分量との質量比が、前記重合体の含有量:凝集剤の含有量=10:1~1:2である請求項11に記載の印刷用基材の製造方法。
- 前記凝集剤が有機酸を含む、請求項11又は請求項12に記載の印刷用基材の製造方法。
- 前記有機酸がジカルボン酸を含む、請求項11~請求項13のいずれか1項に記載の印刷用基材の製造方法。
- 前記印刷用前処理液が、多価金属化合物の塩、有機酸、及び、カチオン性化合物、よりなる群から選ばれる少なくとも一種の凝集剤を更に含む、請求項15~請求項18のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記印刷用前処理液における前記重合体の固形分量と、前記凝集剤の固形分量との質量比が、前記重合体の含有量:凝集剤の含有量=10:1~1:2である請求項19に記載のインクセット。
- 前記凝集剤が有機酸を含む、請求項19又は請求項20に記載のインクセット。
- 前記有機酸がジカルボン酸を含む、請求項19~請求項21のいずれか1項に記載のインクセット。
- 非浸透性媒体に対し、印刷用前処理液を付与する前処理工程と、前記印刷用前処理液が付与された面に、着色剤及び水を含むインク組成物をインクジェット法により吐出して画像を記録する画像記録工程と、を有する画像記録方法であって、
前記印刷用前処理液は、非浸透性媒体に対し、印刷用前処理液を付与する前処理工程と、前記印刷用前処理液が付与された面に、着色剤及び水を含むインク組成物をインクジェット法により吐出して画像を記録する画像記録工程と、を有する画像記録方法における前記印刷用前処理液として用いられ、下記式Iにより表される構成単位Iを含む重合体と、水と、を含む印刷用前処理液である、画像記録方法。
式I中、Z + は、SO 3 - と結合していてもよいし、解離していてもよい対カチオンを表す。
- 前記印刷用前処理液が、多価金属化合物の塩、有機酸、及び、カチオン性化合物、よりなる群から選ばれる少なくとも一種の凝集剤を更に含む、請求項23~請求項26のいずれか1項に記載の画像記録方法。
- 前記印刷用前処理液における前記重合体の固形分量と、前記凝集剤の固形分量との質量比が、前記重合体の含有量:凝集剤の含有量=10:1~1:2である請求項27に記載の画像記録方法。
- 前記凝集剤が有機酸を含む、請求項27又は請求項28に記載の画像記録方法。
- 前記有機酸がジカルボン酸を含む、請求項27~請求項29のいずれか1項に記載の画像記録方法。
- 請求項7~請求項14のいずれか1項に記載の印刷用基材の製造方法によって印刷用基材を製造する工程と、
前記印刷用基材の前記印刷用前処理液が付与された面に、着色剤及び水を含むインク組成物をインクジェット法により吐出して画像を記録する画像記録工程と、を有する
画像記録方法。
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