JP7043051B2 - 表面プラズモン励起増強蛍光検出装置および検出方法 - Google Patents

表面プラズモン励起増強蛍光検出装置および検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、検出装置および検出方法に関し、より詳細には、蛍光標識抗体と特異的に結合する抗原を、表面プラズモン励起増強蛍光法により検出する、検出装置および検出方法に関する。
患者が或る特定の病態にあるときに分泌が増加する特定のタンパク質が知られており、このようなタンパク質は病態マーカと呼ばれている。近年では、医療現場において病態マーカを測定するニーズが増加しており、病態マーカを測定する様々な装置が開発されている。
病態マーカを測定する方法の一つに、イムノアッセイがある。マイクロプレート上での典型的なイムノアッセイでは、まず、定量対象である抗原を認識する一次抗体を、抗原と結合させる。この一次抗体を蛍光標識しておく場合と、一次抗体を認識する二次抗体を、蛍光試薬を用いて蛍光標識し、蛍光標識した二次抗体を一次抗体に結合させる場合とがある。蛍光標識された抗体をマイクロプレートに固定化した状態で励起光を入射すると、蛍光標識された二次抗体から蛍光が放出される。この放出される蛍光の量を測定する(すなわち蛍光量を積算する)ことにより、抗原の濃度を定量することができる。
イムノアッセイの感度を向上させるための一つの方法として、プラズモニックチップを用いる方法がある。これは、プラズモニックチップにおける共鳴条件で励起光を入射することで入射光強度を高めて、蛍光分子から放出される蛍光の強度(蛍光量)を高める効果と蛍光分子から放出される蛍光がプラズモン共鳴によって再度増強される効果との2つの効果によって蛍光を増強する手法である。
プラズモニックチップは、基板の表面が、光の波長サイズの周期構造を有する金属薄膜で覆われたマイクロプレートであり、ある特定の角度で照射された光を透過させず、反射させず、基板表面に留めることができる。このような、金属の表面に光を留める現象は、表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance : SPR)と呼ばれている。イムノアッセイにプラズモニックチップを用いると、基板表面に固定化された抗原に結合された蛍光分子は、単なるガラス基板上に固定化される場合と比較して、非常に強い強度の光が照射されている状態となり、放出される蛍光の強度が増大する。このような、表面プラズモン共鳴により励起光の強度を増強させて、励起した蛍光分子から放出される蛍光の強度を増強させる手法は、表面プラズモン励起増強蛍光(Surface Plasmon Fluorescence)法と呼ばれている。
下記特許文献1には、表面プラズモン共鳴を利用して、検体に含まれる被検出物質の検出を行う表面プラズモン増強蛍光測定方法が開示されている。
特開2015-21889号公報
患者の病態を早期に特定するためには、例えば約10-12~約10-15mol/L程度の低濃度の病態マーカを検出することが可能な高感度かつ高精度の測定装置が必要とされている。しかしながら、このニーズは十分に満たされておらず、対象となる病態マーカによってはさらなる高感度化のニーズがある。
高感度かつ高精度測定を達成するためには、蛍光強度が最大となる入射角および検出角の設定と、バックグラウンドノイズを減少させるための入射角に対する相対的な検出角の設定とが重要になる。プラズモニックチップに照射する光の入射角について、特許文献1を参照しても、蛍光物質からの蛍光の強度が最も強くなる角度が好ましい(段落[0031])ことについて言及するだけである。特許文献1には、高感度測定を達成するための入射角および検出角の具体的な設定方法については何ら開示されていない。
本発明の目的は、被検出物質である抗原をより高感度かつ高精度に検出することができる光学系の設定を有する、表面プラズモン励起増強蛍光法による検出装置および検出方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を進めていたところ、増強蛍光ピークがマイクロプレートの法線方向(後述する角度θpfが0°方向)で現われる条件のプラズモニックチップでは、法線方向から大きく離れた他の角度に増強蛍光ピークがある場合と比べて約2倍近い増強蛍光が得られることを見出した。このようなプラズモニックチップでは、検出器をチップの法線方向に設置し、検出角θfを0°付近とすることで、蛍光分子から放出される増強蛍光FLを効率的に検出することが可能となる。
さらに、本発明者は、入射光の偏光軸をプラズモニックチップの表面に投影したベクトル(投影ベクトル)が、マイクロプレート表面に形成された周期構造の配置パターンを示すベクトル(格子ベクトル)に対して方向付けられている場合に、光の結合効率が最大となる伝播型の表面プラズモン共鳴が生じることを見出した。
従来は、入射光がp偏光であるという前提の下で、検出装置の入射角および検出角を設定していた。しかしながら、本発明者によるこの知見によると、入射光の偏光軸がプラズモニックチップ表面に対してp偏光であるかまたはs偏光であるかにかかわらず、格子ベクトルと投影ベクトルとが平行なときに、最も結合効率が高い伝播型の表面プラズモン共鳴を生じさせることが可能となった。すなわち、本発明者によるこの知見によると、入射光がp偏光であるという制限をかけずに入射光の偏光軸の投影ベクトルとプラズモニックチップの格子ベクトルとを平行にして、光の結合効率が最大となる伝播型の表面プラズモン共鳴を生じさせ、さらに、 上記した知見として説明したように、θpfが0°になるプラズモニックチップを用い、蛍光検出器をチップの法線方向に設置することで、最大の増強蛍光FLを検出することが可能となった。そして、入射光を照射する光源と検出器との光学配置を最適化することで、蛍光の高精度な計測を実現することが可能となった。
すなわち、上記目的を達成するための本発明は、以下に示す態様を含む。
(項1)
抗原抗体反応により蛍光標識抗体と特異的に結合する抗原を、伝播型の表面プラズモン共鳴光によって増強される蛍光により検出する検出装置であって、
表面に周期構造を有するマイクロプレートに光を照射する光源と、
前記マイクロプレートの表面に搭載される試料中の抗原と特異的に結合する蛍光分子から放出される増強蛍光を検出する検出器と、
を備え、
前記検出器の検出方向と前記マイクロプレートの法線方向との角度が、0°以上15°以下の範囲内である、検出装置。
(項2)
前記光源の照射方向と前記マイクロプレートの前記法線方向との角度が、20°以上65°以下の範囲内である、項1に記載の検出装置。
(項3)
前記光の偏光軸を前記マイクロプレートの表面に投影した投影ベクトルが、前記周期構造の配置パターンを示す格子ベクトルに対して方向付けられている、項1または2に記載の検出装置。
(項4)
前記投影ベクトルと前記格子ベクトルとが平行である、項3に記載の検出装置。
(項5)
前記光の偏光軸を前記光の進行方向の周りに回転させた角度と、前記マイクロプレートを前記マイクロプレートの前記法線方向の周りに回転させた角度とが対応付けられている、項3または4に記載の検出装置。
(項6)
表面プラズモン共鳴が格子結合型であり、前記周期構造の間隔が前記蛍光分子の蛍光波長に基づいて決定されている、項1から5のいずれかに記載の検出装置。
(項7)
前記検出器の検出方向と前記マイクロプレートの前記法線方向との角度が、0°以上10°以下の範囲内である、項1に記載の検出装置。
(項8)
前記光源の照射方向と前記マイクロプレートの前記法線方向との角度が、30°以上60°以下の範囲内である、項2に記載の検出装置。
(項9)
前記周期構造が、前記マイクロプレートの平面内において回転対称な構造を有する、項1から8のいずれかに記載の検出装置。
(項10)
前記周期構造が、二次元の周期構造であり、4回または6回の回転対称な構造である、項9に記載の検出装置。
(項11)
前記二次元の周期構造は、穴部または突部が平面上に周期的に配置された構造であり、前記穴部および前記突部の立体形状が、円柱、多角柱、円錐、多角錐、円錐台、および多角錐台のいずれかの形状である、項10に記載の検出装置。
(項12)
前記光源の照射方向と前記マイクロプレートの前記法線方向との角度が、前記表面プラズモン共鳴により生じる低角側および高角側の2つの共鳴角のうち、高角側の共鳴角である、項10または11に記載の検出装置。
(項13)
前記周期構造が、一次元の周期構造であり、2回の回転対称な構造である、項9に記載の検出装置。
(項14)
前記一次元の周期構造は、一方向に連続する溝部または突部が筋状に周期的に配置された構造であり、前記溝部または前記突部の断面形状が、矩形、三角形、台形、および半円形のいずれかの形状である、項13に記載の検出装置。
(項15)
抗原抗体反応により蛍光標識抗体と特異的に結合する抗原を、伝播型の表面プラズモン共鳴光によって増強される蛍光により検出する方法であって、
表面に周期構造を有するマイクロプレートに光を照射するステップと、
前記マイクロプレートの表面に搭載される試料中の抗原と特異的に結合する蛍光分子から放出される増強蛍光を検出するステップと、
を含み、
前記増強蛍光を検出する方向と前記マイクロプレートの法線方向との角度が、0°以上15°以下の範囲内である、方法。
(項16)
前記光を照射する方向と前記マイクロプレートの前記法線方向との角度が、20°以上65°以下の範囲内である、項15に記載の方法。
(項17)
前記光の偏光軸を前記マイクロプレートの表面に投影した投影ベクトルを、前記周期構造の配置パターンを示す格子ベクトルに対して方向付ける、項15または16に記載の方法。
(項18)
前記投影ベクトルと前記格子ベクトルとが平行である、項17に記載の方法。
(項19)
前記光の偏光軸を前記光の進行方向の周りに回転させた角度と、前記マイクロプレートを前記マイクロプレートの前記法線方向の周りに回転させた角度とを対応付ける、項17または18に記載の方法。
本発明によると、被検出物質である抗原をより高感度に検出することができる光学系の設定を有する、表面プラズモン励起増強蛍光法による検出装置および検出方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る検出装置の構成を概略的に示す模式図である。 増強蛍光FLの検出角θfの説明を補足するための模式図である。 表面プラズモン励起増強蛍光法による従来の測定から提案される、検出装置の入射角および検出角の構成を概略的に示す模式図である。 入射光の偏光軸とマイクロプレート表面の周期構造とを所定の配置関係とすることにより伝播型の表面プラズモン共鳴を生じさせる本発明者による知見を説明するための模式図である。 格子結合型の表面プラズモン共鳴の共鳴条件を満たす波数ベクトルを説明するための模式図である。 第1の実施形態に係るマイクロプレートの概略的な構成を示す断面図である。 第1の実施形態に係るマイクロプレートの概略的な構成を示す平面図である。 第1の実施形態に係るマイクロプレートの表面に形成された周期構造のデューティ比を説明するための模式的な断面図である。 第2の実施形態に係るマイクロプレートの概略的な構成を示す平面図である。 第3の実施形態に係るマイクロプレートの概略的な構成を示す平面図である。 界面の平均屈折率を変化させたマイクロプレートを複数作製して増強蛍光の共鳴ピーク角θpfの測定を行った結果を示すグラフである。 (A)は、入射光Liの偏光軸polの回転角Ψiと一次元周期構造のマイクロプレートの回転角Ψpとの関係を説明する概略的な模式図である。(B)は、(A)に示す測定系について行った入射角θiに依存する反射率計測の結果を示すグラフである。 入射光Liの偏光軸polの回転角Ψiと一次元周期構造のマイクロプレートの回転角Ψpとの関係を説明する概略的な模式図である。 図13に示す測定系について行った入射角θiに依存する反射率計測の結果を示すグラフである。 一次元周期構造のマイクロプレートの回転角をΨp=0°~80°まで回転させて行った反射率計測の結果を示すグラフである。 二次元周期構造のマイクロプレートの回転角をΨp=+8°~-8°まで回転させて行った反射率計測の結果を示すグラフである。 入射光Liの偏光軸polの回転角Ψiとマイクロプレート20,30の回転角Ψpとの関係を説明する概略的な模式図である。 入射光Liの偏光軸polの回転角Ψiとマイクロプレート20,30の回転角Ψpとの関係を説明する概略的な模式図である。 入射光Liの偏光軸polの回転角Ψiとマイクロプレート20,30の回転角Ψpとの関係を説明する概略的な模式図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明および図面において、同じ符号は同じまたは類似の構成要素を示すこととし、よって、同じまたは類似の構成要素に関する説明を省略する。
[第1の実施形態]
<検出装置の構成>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る検出装置の構成を概略的に示す模式図である。
本発明の第1の実施形態に係る検出装置10は、光源1と検出器2とを備え、表面プラズモン励起増強蛍光法に基づいて、抗原抗体反応により蛍光標識抗体と特異的に結合する抗原を、伝播型の表面プラズモン共鳴光によって増強される蛍光FLにより検出する。
光源1は、表面に周期構造を有するマイクロプレート20に、直線偏光した光Liを照射する。マイクロプレート20表面の周期構造には、試料Sが搭載されている。検出器2は、試料S中の抗原と特異的に結合する蛍光分子から放出される増強蛍光FLを検出する。光源1が照射する光Liは直線偏光しており、光Liの進行方向に垂直な面内において、進行方向周りに角度Ψ回転した偏光軸polを有する。本実施形態では、光源1は、例えば出力波長633nmのHe-Neレーザである。検出器2は、例えば光電子増倍管(Photomultiplier Tube: PMT)である。
マイクロプレート20の法線方向をnとする。本実施形態では、検出器2の検出方向とマイクロプレート20の法線方向nとの角度θfが、好ましくは0°以上15°以下の範囲内であり、より好ましくは0°以上10°以下の範囲内であるように、検出器2が配置される。また、本実施形態では、光源1が入射光Liを照射する方向とマイクロプレート20の法線方向nとの角度θiが、好ましくは20°以上65°以下の範囲内であり、より好ましくは30°以上60°以下の範囲内であるように、光源1が配置される。
図2は、増強蛍光FLの検出角θfの説明を補足するための模式図である。図2に示すように、検出角0°の定義がマイクロプレート20の法線方向nであるので、入射面PLiと直交する平面PLpに対し、入射側の方位角側にふれている角度をマイナス側とし、入射面PLiの反射側の方位角側にふれている角度をプラス側とする。なお、本明細書において特に明示しない限り、検出角θfはプラス側の角度およびマイナス側の角度の両方の意味として解釈することができるものとする。
蛍光の増強度を高めて増強蛍光FLを高感度に検出するためには、入射光Liの入射角θiの設定と増強蛍光FLの検出角θfの設定とが重要になる。すなわち、入射角θiおよび検出角θfをどちらもそれぞれ入射光の波長における共鳴角と蛍光の波長における共鳴角とに設定することが好ましい。
まず、本発明では、検出器2をマイクロプレート20の法線方向n(すなわち検出角θfが0°方向)に配置することにより、蛍光分子から放出される増強蛍光FLを効率的に検出する。増強蛍光FLの蛍光ピーク角度θpfが0°付近に現われる条件のプラズモニックチップは、プラス側に現われる増強蛍光ピークと、マイナス側に現われる増強蛍光ピークがすべて重なり合い、強力な増強蛍光FLの検出が期待されるからである。ここで、蛍光分子から発せられる増強蛍光FLのピーク角は、後述する共鳴条件により決定されることから、以下の説明では、共鳴条件で決まる検出側の増強蛍光FLの蛍光ピーク角をθpfと表現し、励起光の(入射側の)共鳴角をθpiと表現する。入射角θiおよび検出角θfはそれぞれ、図1に示すように、光源1および検出器2の光学的な配置を意味する角度である。
次に、本発明では、バックグラウンドノイズを抑えるために、入射光Liの入射角θiと増強蛍光FLの検出角θfとを互いに干渉しない角度に設定する。一般的な知見として、イムノアッセイでよく用いられているAlexaやCyシリーズなどの蛍光分子の励起波長と蛍光分子が放出する蛍光波長とはそれほど離れておらず、波長差は概ね50nm~100nm程度である。すなわち、入射側の共鳴角θpiと検出側の共鳴角θpfとはそれほど離れた角度とならず、角度差は概ね5°~10°程度である。
図3は、表面プラズモン励起増強蛍光法による一般的な知見から提案される、検出装置の入射角および検出角の構成を概略的に示す模式図である。
図3に示すように、検出器2をマイクロプレート20の法線方向n(すなわち検出角θfが0°方向)に配置しようとすると、入射側の共鳴角θpiと検出側の共鳴角θpfとの角度差が概ね5°~10°程度であることから、検出に最適な入射角θiも概ね5°~10°程度となる。しかしながら、一般的な知見に基づくこのような検出器2および光源1の配置では、検出器2に反射光または散乱光が入射してしまい、蛍光分子から放出される増強蛍光FLを高感度に検出することができない。
本発明では、入射光の偏光軸とマイクロプレート表面の周期構造とを所定の配置関係とすることにより伝播型の表面プラズモン共鳴を生じさせ、共鳴角を高角側にシフトさせることにより、入射角θiと検出角θfとを分離させる。
図4は、入射光の偏光軸とマイクロプレート表面の周期構造とを所定の配置関係とすることにより伝播型の表面プラズモン共鳴を生じさせる本発明者による知見を説明するための模式図である。
光と表面プラズモンとを結合(カップリング)させるタイプには、プリズム結合(prism couple)型と、格子結合(grating couple)型との2つのタイプがある。本発明において使用するマイクロプレート20には表面に周期構造が形成されており、格子結合型の表面プラズモン共鳴が実現される。したがって、本発明では、表面プラズモン共鳴の発生にプリズムは不要である。
いま、表面に周期構造を有するマイクロプレート20に、偏光軸polを有する直線偏光した光Liを照射することを考える。図4に示す状態では、入射光Liはp偏光であり、入射光Liの偏光軸polをマイクロプレート20の表面に投影したベクトル(以下、投影ベクトルと呼ぶ)Pjは、マイクロプレート20表面の周期構造の配置パターンを示すベクトル(以下、格子ベクトルと呼ぶ)kg1と平行になっている。図4に示す状態では、入射光Liの入射面PLiは格子ベクトルkg1と平行であり、入射光Liはp偏光である。入射光Liの偏光状態と格子ベクトルkg1との関係に関する従来の知見によると、図4に示す状態では、伝播型の表面プラズモン共鳴が生じている。
ここで、入射光Liの偏光軸polを入射光Liの進行方向周りに角度Ψ回転させ、さらに、偏光軸polを回転させた角度Ψと同じ角度Ψで、マイクロプレート20を法線方向nのまわりに回転させることにより、光の結合効率が最大となる伝播型の表面プラズモン共鳴が生じることが、本発明者により見出された。すなわち、入射光Liの偏光状態がp偏光であることが必要なのではなく、その偏光軸と格子ベクトルとが平行であれば、結合効率が最大の伝播型の表面プラズモン共鳴場を発生させることができる。
入射光Liの偏光軸polの回転角Ψiおよびマイクロプレート20の法線方向まわりの回転角Ψpについて補足する。入射光Liの偏光軸polの回転角Ψiについて、例えば図4に示す状態では入射光Liはp偏光であり、このときの偏光軸polの回転角を回転角Ψiの0°位置とする。マイクロプレート20の回転角Ψpについては、ピッチが最も小さい格子ベクトルの1本が入射面PLiと一致する方向を、回転角Ψpの0°位置とする。例えば図4に示す状態では、一次元周期構造のマイクロプレート20において、ピッチが最も小さい格子ベクトルkg1は入射面PLiと一致しているので、回転角Ψp=0°である。
図5は、格子結合型の表面プラズモン共鳴の共鳴条件を満たす波数ベクトルを説明するための模式図である。
格子結合型の表面プラズモン共鳴の共鳴条件は、次の式1および式2で与えられる。
Figure 0007043051000001

Figure 0007043051000002
ここで、ksppは表面プラズモンの波数ベクトルであり、kph、kphxは入射光Liの波数ベクトルおよびそのx成分のベクトルであり、kはマイクロプレート20表面の周期構造の波数ベクトルである。mは0以上の整数値である。θは、入射光Liとマイクロプレート20の法線nとがなす角度であり、表面プラズモン共鳴角に対応する角度である。εは界面の誘電体の複素誘電率であり、εはプレート表面の金属の複素誘電率である。
図5(A)に示すように、入射光Liの入射面PLiがマイクロプレート20の格子ベクトルに平行な場合、すなわち、入射光Liの偏光状態と格子ベクトルkg1との関係が図4に示す状態の場合を、Ψi=Ψp=0°、共鳴角はθ(0°)とする。ここで、図5(B)に示すようにΨpを回転すると、(式1)の関係から理解されるように、kphsinθが大きくなり、共鳴角もθ(0°)からθ(Ψp)に増大する。すなわち、マイクロプレート20を法線方向n(z軸)のまわりに角度Ψp回転させることにより、表面プラズモン共鳴の共鳴角度を高角側にシフトさせ、入射角θiと検出角θfとを互いに干渉しない角度に設定することが可能となる。さらに、入射光Liの偏光軸polを入射光Liの進行方向周りに角度Ψi回転させることにより、光の結合効率が最大となる伝播型の表面プラズモン共鳴を生じさせることが可能となる。
<一次元周期構造のマイクロプレートの構成>
図6は、第1の実施形態に係るマイクロプレートの概略的な構成を示す断面図であり、図7は、第1の実施形態に係るマイクロプレートの概略的な構成を示す平面図である。図8は、第1の実施形態に係るマイクロプレートの表面に形成された周期構造のデューティ比を説明するための模式的な断面図である。
本発明の第1の実施形態に係るマイクロプレート20は、表面に周期構造が形成されたベース基板21と、ベース基板21の表面に形成された金属層22と、金属層22の表面に形成された消光抑制層23とを備える。消光抑制層23は任意の構成である。なお、図では省略して記載しているが、隣接する2つの層の間には接着層を備えていることが好ましい。
マイクロプレート20のベース基板21には、一次元の周期構造である格子が表面に形成されている。ベース基板21は、入射光Liに対して透明な材質、例えばガラスまたはプラスチック等で形成されている。一次元の周期構造は、例えば一方向に連続する溝部20aまたは突部20bが筋状に周期的に配置された構造である。
図6および図7に示す一次元周期構造のマイクロプレート20の場合、周期構造の配置パターンを示す格子ベクトルは、図示するkg1の1本である。ここで、一次元周期構造のマイクロプレート20を法線方向(紙面に垂直な方向)の周りに回転させることを考えると、一次元周期構造のマイクロプレート20は、2回の回転対称構造を有する。n回の回転対称とは、二次元で表される図形において、図形を中心の周りに[360/n]°回転させると元の図形と重なる性質をいう。格子ベクトルkg1は、回転軸である法線方向と垂直である。
溝部20aまたは突部20bの断面形状は、例えば矩形、三角形、台形、および半円形等である。周期構造の周期、すなわち隣接する溝部20a間の間隔は、照射する光Liの波長以下であり、例えば約10~約1000nmであり、好ましくは約100~約600nmである。周期構造の高さd(すなわち溝部20aの深さdまたは突部20bの高さd)は、約10~約40nmであり、デューティ比は約0.3~約0.8である。周期構造に対する溝部20aの長さの割合をM%とし、突部20bの長さの割合をV%とすると、デューティ比はM/(M+V)で与えられる。好ましくは、溝部20aの長さの割合Mは、溝部20aの深さdの略中央において規定され、突部20bの長さの割合Vは、突部20bの深さdの略中央において規定される。
金属層22は、表面プラズモン共鳴を発生することが可能な金属であればよく、金、銀、銅、プラチナ、ニッケル等の遷移金属であることが好ましい。金属層22の膜厚は、約10~約500nmが好ましく、より好ましくは約50~約200nmである。
消光抑制層23には、例えばポリカーボネートおよびポリメタクリル酸メチルのような有機高分子やシリカ(SiO)など、入射光Liや放出される増強蛍光FLの波長領域で吸収が無いまたは吸収が少ない透明な薄膜を用いる。表面プラズモン励起増強蛍光法の特徴である増強蛍光FLは、蛍光分子と金属との距離が近いと、強い励起場で励起された蛍光も金属表面にエネルギー移動して消光されてしまう。したがって、試料Sを金属層22から所定距離だけ離隔させて消光を抑制することが好ましい。また、表面プラズモン共鳴による励起場は近接場であるため、金属表面から離れるにしたがってその電場強度は減衰し、金属表面からおよそ100nm以内に存在する蛍光分子のみが効率よく励起される。そのため、消光抑制層23の膜厚は、約10nm~約100nmの範囲で金属層22の種類に応じて決定される。例えば、膜厚の最適値は、金属層22が銀の場合約10~約50nmであり、より好ましくは約20~約50nmである。金属層22が金の場合、膜厚の最適値は約10~約70nmであり、より好ましくは約40~約70nmである。
格子結合型の表面プラズモン共鳴の共鳴条件を、界面の誘電率を用いて表現すると、上記した式1および式2の通りである。
マイクロプレート表面の周期構造の間隔(ピッチ)Λを用いると、周期構造の波数ベクトルkは、k=2π/Λで表される。すなわち、マイクロプレート表面の周期構造の間隔Λを変化させることによっても、波数ベクトルkが変化して入射角θが変化し、表面プラズモン共鳴の共鳴角θを変化させることができる。
なお、周期構造の間隔(ピッチ)Λは、法線方向(θf=0°)で増強蛍光ピークが現われるように調整することができるが、それは蛍光波長λにおいて(式1)の共鳴条件が成り立つときである。
また、金属によってプラズモン増強効果が得られる波長は異なるが、(式2)より、ピッチΛのおおよその値は、金属層22の材質毎に以下のように決めることができる。以下に示す蛍光波長λの範囲は、周期構造のピッチΛと蛍光波長λとの関係が線形性を示し、プラズモン増強が得られる波長範囲である。
Λ = 0.8 ・λ-60 380<λ<800nm 銀(Ag)
Λ = 0.81・λ-80 530<λ<800nm 金(Au)
Λ = 0.75・λ-10 300<λ<800nm アルミニウム(Al)
<効果>
本発明の第1の実施形態に係る検出装置10によると、検出器2をマイクロプレート20の法線方向n(すなわち検出角度θfが0°方向)に配置することにより、蛍光分子から放出される増強蛍光FLを効率的に検出することが可能となる。
さらに、本発明の第1の実施形態に係る検出装置10によると、マイクロプレート20が法線方向nのまわりに角度Ψ回転されることにより、表面プラズモン共鳴の共鳴角度を高角側にシフトさせ、入射角と検出角とを互いに干渉しない角度に設定することが可能となる。さらに、入射光Liの偏光軸polが入射光Liの進行方向周りに角度Ψ回転されることにより、光の結合効率が最大となる伝播型の表面プラズモン共鳴を生じさせることが可能となる。
これにより、本発明の第1の実施形態に係る検出装置10によると、入射角θiと検出角θfとが互いに干渉しない角度設定において、表面プラズモン励起増強蛍光法による測定を行うことが可能となる。さらに、入射角θiおよび検出角θfをどちらもそれぞれ共鳴角(θpi,θpf)近傍の角度に設定することにより、蛍光の増強度を高めて、増強蛍光FLを高感度に検出することが可能となる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る検出装置は、第1の実施形態に係る検出装置10と同じ構成を有する。第2の実施形態では、マイクロプレート30の表面に形成されている周期構造が二次元の周期構造である。
<二次元周期構造のマイクロプレートの構成>
図9は、第2の実施形態に係るマイクロプレートの概略的な構成を示す平面図である。第2の実施形態に係るマイクロプレート30は、表面に形成されている周期構造が二次元である以外は、第1の実施形態に係るマイクロプレート20と同じである。
マイクロプレート30のベース基板には、二次元の周期構造である格子が表面に形成されている。二次元の周期構造は、例えば穴部30a(または台状部30b)が平面上に周期的に配置された構造である。
図9に示す二次元周期構造のマイクロプレート30の場合、周期構造の配置パターンを示す格子ベクトルは、図示するkg1およびkg2の2本である。ここで、二次元周期構造のマイクロプレート30を法線方向(紙面に垂直な方向)の周りに回転させることを考えると、二次元周期構造のマイクロプレート30は、4回の回転対称構造を有する。
格子ベクトルkg1,kg2はいずれも、回転軸である法線方向と垂直である。好ましくは、2本の格子ベクトルkg1,kg2の関係は、格子ベクトルkg1と格子ベクトルkg2とが垂直であり、格子ベクトルkg1の大きさが格子ベクトルkg2の大きさと同じである。すなわち、好ましくは、kg1⊥kg2かつ|kg1|=|kg2|である。
穴部30aの立体形状は、例えば円柱、多角柱、円錐、多角錐、円錐台、および多角錐台等である。周期構造の周期、すなわち隣接する穴部30a間の間隔は、照射する光Liの波長以下であり、例えば約10~約1000nmであり、好ましくは約100~約600nmである。周期構造の高さ(すなわち穴部30aの深さ)は、約10~約40nmであり、デューティ比は約0.3~約0.8である。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る検出装置は、第1の実施形態に係る検出装置10と同じ構成を有する。第3の実施形態では、マイクロプレート40の表面に形成されている二次元の周期構造が、第2の実施形態のマイクロプレート30と異なる。
図10は、第3の実施形態に係るマイクロプレートの概略的な構成を示す平面図である。第2の実施形態では、二次元周期構造のマイクロプレート30は、穴部30aが平面上に周期的に配置された構造である。しかしながら、第3の実施形態では、穴部30aの配置はこれに限定されず、図10に示すような、例えば穴部40a(または台状部40b)が平面上に周期的に配置された構造であってもよい。
図10に示す二次元周期構造のマイクロプレート40の場合、周期構造の配置パターンを示す格子ベクトルは、図示するkg1,kg2およびkg3の3本である。ここで、二次元周期構造のマイクロプレート40を法線方向(紙面に垂直な方向)の周りに回転させることを考えると、二次元周期構造のマイクロプレート40は、6回の回転対称構造を有する。
格子ベクトルkg1,kg2およびkg3はいずれも、回転軸である法線方向と垂直である。好ましくは、3本の格子ベクトルkg1,kg2,kg3の関係は、kg1・kg2=|kg1||kg2|cos120°であり、kg2・kg3=|kg2||kg3|cos120°であり、|kg1|=|kg2|=|kg3|である。なお、記号「・」はベクトルの内積を意味する。
[付記事項]
以上、本発明を特定の実施の形態によって説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
上記第1~第3の実施形態では、光源1は直線偏光した光Liをマイクロプレート20,30へ照射しているが、光源1は直線偏光した光を照射する光源に限定されない。光源が直線偏光していない光を照射し、例えば直線偏光板等の追加の光学素子を介して光を直線偏光させて、マイクロプレート20,30,40へ照射してもよい。
以下に、本発明の実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
一次元周期構造のマイクロプレート20について、界面の平均屈折率を変化させたマイクロプレートを複数作製して、増強蛍光FLの共鳴ピーク角θpfの測定を行った。ピーク角θpfは、θf=-15°~10°の範囲において測定した。増強蛍光FLの強度計測の結果を図11に示す。図11中、実線で示された測定結果を波長分解したものが波線で示されており、増強蛍光ピーク角θpfを解析すると、図11において、(A)はθpf=0°という計測結果であり、(B)はθpf=4°という計測結果であり、(C)はθpf=7°という計測結果であった。
(A)に示されるように、増強蛍光ピーク角θpf=0°において、蛍光強度のピーク値が最大(1秒間あたり約4.3×10カウント)となり、θpfがプラス側のピークとマイナス側のピークとが重なり合って、より強い強度の増強蛍光を検出していると考えられる。また、(B)および(C)に示されるように、θpfが0°から離れるにしたがって、増強蛍光ピーク角θpfはプラス側のピークとマイナス側のピークとの重なり合いが弱まり、蛍光強度のピーク値も徐々に低下した。(C)に示されるように、増強蛍光ピーク角θpf=7°では、蛍光強度のピーク値は、1秒間あたり約3.3×10カウントとなった。θpf=7°からさらにピークが0°から離れると、蛍光強度のピーク値も低下したことから、0°以上7°以下の範囲内にθpfが現われるようなプラズモニックチップが最適であることが示された。
一次元周期構造のマイクロプレート20について、入射光Liの偏光軸polをマイクロプレート20の表面に投影した投影ベクトルPjが、マイクロプレート表面に形成された周期構造の配置パターンを示す格子ベクトルkg1,k2に対して略平行に方向付けられている場合に、光の結合効率が向上した伝播型の表面プラズモン共鳴が生じることを確認した。
図12の(A)は、入射光Liの偏光軸polの回転角Ψiと一次元周期構造のマイクロプレート20の回転角Ψpとの関係を説明する概略的な模式図である。(B)は、(A)に示す測定系について行った入射角θiに依存する反射率計測の結果を示すグラフである。
図12の(A)に示すように、マイクロプレート20を角度Ψp=90°回転させた状態で、入射光Liがp偏光(Ψi=0°)の場合と、s偏光(Ψi=90°)の場合とのそれぞれについて、入射角θiを変化させて反射率計測を行った。
入射光Liがp偏光の場合には、(B)に示されているように反射率が概ね90%以上となり、表面プラズモン共鳴光の観測が困難であることが示された。(A)に示すように、この場合の、投影ベクトルPjと格子ベクトルkg1とは平行ではない。一方で、入射光Liがs偏光の場合には、入射角θi=約28°において反射率が極小となり、表面プラズモン共鳴光が生じていることが示された。この場合、投影ベクトルPjと格子ベクトルkg1とは平行になっている。
従来の知見によると、光との結合効率を最大にできる伝播型の表面プラズモン共鳴を生じさせるためには、マイクロプレート表面に対してp偏光となる入射光が必要とされていた。しかしながら、p偏光の状態(Ψi=0°)からs偏光の状態(Ψi=90°)への偏光軸polの回転角90°に対応させて、マイクロプレート20を角度90°回転させることによっても、光との結合効率を最大にできる伝播型の表面プラズモン共鳴場を生じさせることが可能であることが示された。
図13の(A)に示すように、入射光Liをs偏光(Ψi=90°)とした状態で、一次元周期構造のマイクロプレート20の回転角を角度Ψp=80°~100°回転させて反射率計測を行った。比較用に、(B)に示すように、一次元周期構造のマイクロプレート20を回転させず(Ψp=0°)入射光Liをp偏光(Ψi=0°)とした状態でも、反射率計測を行った。(A)および(B)どちらの状態でも表面プラズモン共鳴光は観測された。反射率計測の結果を図14に示す。
入射光がs偏光(Ψi=90°)の場合には、マイクロプレート20の回転角Ψp=90°において、投影ベクトルPjと格子ベクトルkg1とは平行になっている。回転角Ψp=90°(実線●)から±10°ずれた80°(破線▲)または100°(実線□)においても、表面プラズモン共鳴光は観測されていることが確認された。入射角θiの共鳴角θpiは低角側にシフトしていることが確認された。
一次元周期構造のマイクロプレート20の回転角Ψpを、角度Ψpとp偏光の状態からの偏光軸polの回転角Ψiとを同期させて、Ψp=0°~80°まで回転させながら反射率計測を行った。すなわち、入射光Liの偏光軸polの回転角Ψiとマイクロプレート20の回転角Ψpとは同じ値であり、例えば回転角Ψp=30°のときは、回転角Ψi=30°となるよう入射光Liの偏光軸polを回転させて反射率計測を行った。反射率計測の結果を図15に示す。図15に示されるように、マイクロプレート20の回転角Ψpが増加するにつれ、表面プラズモン共鳴光がピークとなる入射角θi(すなわち共鳴角θpi)が高角側にシフトすることが示された。これは、図5を用いて説明した考察に対応する測定結果である。
二次元周期構造のマイクロプレート30の回転角Ψpを、角度Ψpとp偏光の状態からの偏光軸polの回転角Ψiとを同期させて、Ψp=+9°~-7°まで回転させて反射率計測を行った。反射率計測の結果を図16に示す。図16に示されるように、すべての回転角Ψpについて、低角側(約6.5°)と高角側(約36°~約54°)との2つの共鳴角θpiが観測された。どのような回転角Ψpについても、低角側の共鳴角(約6.5°)の角度はほぼ変化しなかった。
強力な増強蛍光FLの検出を期待して、検出角θfは0°方向に設定されている。したがって、低角側および高角側の2つの共鳴角θpiのうち、高角側の共鳴角(約36°~約54°)を光Liの入射角θiに設定することにより、入射角θiと検出角θfとが互いに干渉しない角度設定の検出装置とすることができる。
[総括]
図17~図19は、入射光Liの偏光軸polの回転角Ψiとマイクロプレート20,30の回転角Ψpとの関係を説明する概略的な模式図である。
まず、蛍光強度の比較のために、マイクロプレート20,30を用いないガラス基板の表面に試料Sを載置して、蛍光強度の測定を行った。検出器2の露光時間は、1つの計測角度につき1秒とした。入射角θiが約6.5°~約36°の範囲内では、蛍光強度の計数値は1.25万カウントであり、入射角θiが約50°では、蛍光強度の計数値は約1.7万カウントであった。
図17の(A)に示す、一次元周期構造のマイクロプレート20に対するΨp=90°、Ψi=90°、共鳴角θpi=28°の測定系で、蛍光強度の測定を行った。蛍光強度の計数値は約420万カウント(ガラス基板比で約300倍以上)であり、標準偏差は約20万であった。投影ベクトルPjは格子ベクトルkg1と平行であった。
図17の(B)に示す一次元周期構造のマイクロプレート20に対するΨp=0°、Ψi=0°、共鳴角θpi=6.5°の測定系で、蛍光強度の測定を行った。蛍光強度の計数値は約710万カウント(ガラス基板比で約300倍以上)であり、標準偏差は約410万であった。投影ベクトルPjは格子ベクトルkg1と平行であった。
図18の(C)に示す、二次元周期構造のマイクロプレート30に対するΨp=0°、Ψi=90°、共鳴角θpi=36°の測定系で、蛍光強度の測定を行った。蛍光強度の計数値は約350万カウント(ガラス基板比で約280倍程度)であり、標準偏差は約30万であった。投影ベクトルPjは格子ベクトルkg1と平行であった。
図18の(D)に示す、二次元周期構造のマイクロプレート30に対するΨp=0°、Ψi=0°、低角側の共鳴角θpi=6.5°の測定系で、蛍光強度の測定を行った。蛍光強度の計数値は約400万カウント(ガラス基板比で約300倍以上)であり、標準偏差は約380万であった。投影ベクトルPjは格子ベクトルkg2と平行であった。
図18の(E)に示す、二次元周期構造のマイクロプレート30に対するΨp=0°、Ψi=0°、高角側の共鳴角θpi=51°の測定系で、蛍光強度の測定を行った。蛍光強度の計数値は約240万カウント(ガラス基板比で約200倍程度)であり、標準偏差は約240万であった。投影ベクトルPjは格子ベクトルkg2と平行であった。
図19の(F)に示す、二次元周期構造のマイクロプレート30に対するΨp=45°、Ψi=45°、共鳴角θi=26°の測定系で、蛍光強度の測定を行った。蛍光強度の計数値は約410万カウント(ガラス基板比で約300倍以上)であった。投影ベクトルPjは格子ベクトルkg2と平行であった。
図19の(G)に示す、二次元周期構造のマイクロプレート30に対するΨp=0°、Ψi=45°、共鳴角θi=34°の測定系で、蛍光強度の測定を行った。蛍光強度の計数値は約390万カウント(ガラス基板比で約300倍以上)であった。投影ベクトルPjは、周期構造の斜め45°方向の配置パターンを示す格子ベクトルkg45と平行であった。二次元周期構造のマイクロプレート30の場合、入射光Liの偏光軸polを45°回転させると、図19(E)に図示する斜め45°方向の配置パターンを示す格子ベクトルkg45が、表面プラズモン共鳴光の発生に寄与していると考えられる。
図17~19の(A)~(G)に示すいずれの測定系においても、投影ベクトルPjと、格子ベクトルkg1およびkg2のいずれかとは常に平行であった。(F)に示す測定系では、入射光Liの偏光軸polの回転角に対応して、マイクロプレート30を同じ角度で回転させることにより、表面プラズモン共鳴光が生じていることが示された。(G)に示す測定系では、入射光Liの偏光軸polの回転角に対応して、マイクロプレート30を同じ角度で回転させていない。しかしながら、二次元周期構造のマイクロプレート30の場合は、図19(E)に図示するように斜め45°方向の配置パターンを示す格子ベクトルkg45が存在することから、格子ベクトルkg45が投影ベクトルPjと平行になり、結合効率のよい表面プラズモン共鳴光が生じていると考えられる。
測定系(B)および(D)の結果が示すように、一次元周期構造のマイクロプレート20および二次元周期構造のマイクロプレート30のどちらについても、入射面PLiと偏光軸polとを平行にして低角側の共鳴角を測定に用いると、蛍光強度は高くなる(約300倍以上)ものの、ばらつきも大きくなることが示された。
測定系(E)の結果が示すように、二次元周期構造のマイクロプレート30について、入射面PLiと偏光軸polとを平行にして高角側の共鳴角を測定に用いると、低角側の共鳴角を測定に用いる測定系(D)と比較して蛍光強度は少し低め(約200倍程度)となり最適ではないものの、測定系(D)よりばらつきは小さくなり、表面プラズモン共鳴光が十分に高感度に計測可能であることが示された。このように、高角側の共鳴角を測定に用いる測定系(E)においても、高感度計測に十分な蛍光強度が得られた。二次元周期構造のマイクロプレート30の場合には、図19(E)に図示するように斜め45°方向の配置パターンを示す格子ベクトルkg45が存在し、この格子ベクトルkgの投影ベクトルPjと平行な成分(図中、kg45x)が、表面プラズモン共鳴の結合効率の向上に寄与していると考えられる。
測定系(A)および(C)の結果が示すように、一次元周期構造のマイクロプレート20および二次元周期構造のマイクロプレート30のどちらについても、入射面PLiと偏光軸polとを垂直にした測定系によると、蛍光強度が高く(約280倍~約300倍程度の強度)、かつ、ばらつきも小さくなることが示された。すなわち、表面プラズモン共鳴光の高感度の計測に向いている測定系は、一次元周期構造のマイクロプレート20の場合には、(A)の測定系であり、二次元周期構造のマイクロプレート30の場合には、(C)の測定系であることが示された。測定系(A)および(C)ではいずれも、入射光Liはs偏光であり、p偏光ではなかった。
測定系(F)および(G)の結果が示すように、二次元周期構造のマイクロプレート30の場合には、45°偏光であっても、格子ベクトルと投影ベクトルとが平行であれば、表面プラズモン共鳴光の高感度の計測が可能であることが示された。
1 光源
2 検出器
10 検出装置
20 マイクロプレート
20a 溝部
20b 突部
21 ベース基板
22 金属層
23 消光抑制層
30 マイクロプレート
30a 穴部
40 マイクロプレート
40a 穴部
FL 蛍光
kg1,kg2,kg3 格子ベクトル
Pj 投影ベクトル
Li 入射光
PLi 入射面
pol 偏光軸
S 試料
Λ ピッチ
λ 蛍光波長

Claims (13)

  1. 抗原抗体反応により蛍光標識抗体と特異的に結合する抗原を、伝播型の表面プラズモン共鳴光によって増強される蛍光により検出する検出装置であって、
    表面に周期構造を有するマイクロプレートに光を照射する光源と、
    前記マイクロプレートの表面に搭載される試料中の抗原と特異的に結合する蛍光分子から放出される増強蛍光を検出する検出器と、
    を備え、
    前記検出器の検出方向と前記マイクロプレートの法線方向との角度が、0°以上15°以下の範囲内であり、
    前記光源の照射方向と前記マイクロプレートの前記法線方向との角度が、20°以上65°以下の範囲内であり、
    前記光の偏光軸を前記マイクロプレートの表面に投影した投影ベクトルが、前記周期構造の配置パターンを示す格子ベクトルに対して方向付けられており、
    前記光の偏光軸を前記光の進行方向の周りに回転させた角度と、前記マイクロプレートを前記マイクロプレートの前記法線方向の周りに回転させた角度とが対応付けられている、検出装置。
  2. 前記投影ベクトルと前記格子ベクトルとが平行である、請求項に記載の検出装置。
  3. 表面プラズモン共鳴が格子結合型であり、前記周期構造の間隔が前記蛍光分子の蛍光波長に基づいて決定されている、請求項1または2に記載の検出装置。
  4. 前記検出器の検出方向と前記マイクロプレートの前記法線方向との角度が、0°以上10°以下の範囲内である、請求項1に記載の検出装置。
  5. 前記光源の照射方向と前記マイクロプレートの前記法線方向との角度が、30°以上60°以下の範囲内である、請求項に記載の検出装置。
  6. 前記周期構造が、前記マイクロプレートの平面内において回転対称な構造を有する、請求項1からのいずれかに記載の検出装置。
  7. 前記周期構造が、二次元の周期構造であり、4回または6回の回転対称な構造である、請求項に記載の検出装置。
  8. 前記二次元の周期構造は、穴部または突部が平面上に周期的に配置された構造であり、前記穴部および前記突部の立体形状が、円柱、多角柱、円錐、多角錐、円錐台、および多角錐台のいずれかの形状である、請求項に記載の検出装置。
  9. 前記光源の照射方向と前記マイクロプレートの前記法線方向との角度が、表面プラズモン共鳴により生じる低角側および高角側の2つの共鳴角のうち、高角側の共鳴角である、請求項またはに記載の検出装置。
  10. 前記周期構造が、一次元の周期構造であり、2回の回転対称な構造である、請求項に記載の検出装置。
  11. 前記一次元の周期構造は、一方向に連続する溝部または突部が筋状に周期的に配置された構造であり、前記溝部または前記突部の断面形状が、矩形、三角形、台形、および半円形のいずれかの形状である、請求項10に記載の検出装置。
  12. 抗原抗体反応により蛍光標識抗体と特異的に結合する抗原を、伝播型の表面プラズモン共鳴光によって増強される蛍光により検出する方法であって、
    表面に周期構造を有するマイクロプレートに光を照射するステップと、
    前記マイクロプレートの表面に搭載される試料中の抗原と特異的に結合する蛍光分子から放出される増強蛍光を検出するステップと、
    を含み、
    前記増強蛍光を検出する方向と前記マイクロプレートの法線方向との角度が、0°以上15°以下の範囲内であり、
    前記光を照射する方向と前記マイクロプレートの前記法線方向との角度が、20°以上65°以下の範囲内であり、
    前記光の偏光軸を前記マイクロプレートの表面に投影した投影ベクトルが、前記周期構造の配置パターンを示す格子ベクトルに対して方向付けられており、
    前記光の偏光軸を前記光の進行方向の周りに回転させた角度と、前記マイクロプレートを前記マイクロプレートの前記法線方向の周りに回転させた角度とを対応付ける、方法。
  13. 前記投影ベクトルと前記格子ベクトルとが平行である、請求項12に記載の方法。
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