JP7042143B2 - プラズマ発生装置 - Google Patents
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Description
またアンテナコイルを絶縁膜の外周面に熱的に接触させることにより、真空管を効果的に冷却することができる。従って、アンテナコイル及び真空管の間にファラデーシールド膜を設けた場合であっても、冷媒流路を有するアンテナコイルにて、真空管を効率的に冷却することができる。また、アンテナコイル及びプラズマの誘導結合の度合いを向上させることができる。
また、複数のファラデーシールド膜の全部を基準電位に接続するのでは無く、その一部のファラデーシールド膜を基準電位に接続する構成であるため、静電結合の度合いを調整することができる。
(実施形態1)
図1は本実施形態1に係るプラズマ発生装置の構成例を示すブロック図である。実施形態1に係るプラズマ発生装置は、ICP型のプラズマ発生装置である。プラズマ発生装置は、真空管1内にプラズマを発生させるためのアンテナコイル2と、アンテナコイル2に高周波電圧を印加する高周波電源3と、アンテナコイル2及び高周波電源3間に設けられたインピーダンス整合回路4とを備える。
このようなプラズマ発生装置では、高周波電源3から出力する高周波電圧及び高周波電流がインピーダンス整合回路4を介してアンテナコイル2に供給されるので、アンテナコイル2に高周波電流が流れる。一方、真空管1内には、後述するように材料ガスが供給される。その結果、アンテナコイル2に流れる高周波電流による誘導結合よって材料ガスがプラズマ化し、プラズマが生成される。このプラズマを利用して、各種の処理(エッチング等)が行われる。
なお、高周波電源3から出力する高周波電圧の周波数は、1~3MHz程度である。しかし、これに限定されるものではなく、プラズマを発生させるために適した周波数であれば、上記に示した周波数以外でもよい。
また、10μmオーダでファラデーシールド膜5の厚みを調整することができる。
その結果、表1に示すように、アンテナコイル2と真空管1の外周面との距離D=10mmの場合(金属板の厚みが10mmの場合に相当)には、誘導結合の度合いR=約53%となるので、誘導結合の度合いが約47%低下することが分かった。
また、アンテナコイル2と真空管1の外周面との距離D=1mmの場合には、誘導結合の度合いR=約90%となるので、誘導結合の度合いが約10%低下することが分かった。
このように、アンテナコイル2と真空管1との距離が大きくなると、誘導結合の度合いが大きく低下し、ひいては大きな電力損失が生じてしまうことが分かった。
・真空管1の形状:円筒形状
・真空管1の材質:石英、アルミナ等の非導電性材料
・真空管1の内径:約76mm
・真空管1の外径:約80mm
・真空管1の厚み:約2mm
・真空管1の長手方向の長さ:約310mm
・アンテナコイル2の材質:銅
・アンテナコイル2:10mm角のエッジワイズ
・アンテナコイル2の内径:真空管1外周面と距離D(0~10mm)だけ離隔する寸法
・アンテナコイル2に流れる電流の周波数:1MHz
同様に、表1を参照すると、アンテナコイル2と真空管1の外周面との距離が100μmの場合(ファラデーシールド膜5の厚みが100μmの場合において、ファラデーシールド膜5が無い箇所におけるアンテナコイル2と真空管1の外周面との距離に相当)には、誘導結合の度合いが約0.7%しか低下しない。
当然ながら、アンテナコイルと真空管の外周面との距離が100μm未満の場合は、誘導結合の低下度合いは更に低くなる。
例えば、20℃におけるアルミナの体積抵抗率は、1014[Ω・cm]超なので、10μmの厚さのアルミナの薄膜を20cm×10cm角に形成した場合、抵抗値は約500[MΩ]となり、絶縁材として十分な機能を有することが分かる。
なお、上記絶縁膜6の膜厚の範囲は、100μm、300μmを基準値として、公差を許容するものである。例えば、100μm程度には、公差の範囲で100μmより薄い又は厚い絶縁膜6も含まれる。また、300μm程度の膜厚には、公差の範囲で300μmより薄い又は厚い絶縁膜6も含まれる。
そのため、ファラデーシールド膜5及び絶縁膜6の厚みの上限は、各膜の厚みの合計が、例えば300μm未満となるように設定すると良い。好ましくは、各膜の厚みの合計が、200μm未満となるように設定すると良い。
また、10μmオーダでファラデーシールド膜5の厚みを調整することができる。
しかし、図6Bに示すように、絶縁膜6表面の凹凸の度合いが大きい場合、図6C~図6Eに示す平坦化処理を行うと良い。
アンテナコイル2を構成する導線は絶縁膜6に対して熱的に接触している。より具体的には、当該導線は絶縁膜6に対して面接触している。アンテナコイル2は絶縁膜6に対して直接的に接触していても良いし、熱伝導材料を介して絶縁膜6に接触していても良い。なお、熱伝導材料は、非導電性材料であり、好ましくは弾性を有する。
同様に、真空管1(非導電性材料)にファラデーシールド膜5(導電性材料)を形成すると異種接合になるので、真空管1の非導電性材料とファラデーシールド膜5の導電性材料との中間的物性を有する傾斜機能材料からなる中間層を真空管1及びファラデーシールド膜5間に形成しても良い。
実施形態2に係るプラズマ発生装置は、ファラデーシールド膜5の基準電位への接続に係る構成が実施形態1と異なるため、以下では主に上記相違点を説明する。その他の構成及び作用効果は実施形態1と同様であるため、対応する箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
そのため、基準電位に接続していないファラデーシールド膜5が形成された部分では、真空管1の内部に高周波電界が入り込む。もちろん、ファラデーシールド膜5が形成されていない部分に比べると、真空管1の内部に入り込む高周波電界の大きさは小さいが、基準電位に接続したファラデーシールド膜5の場合よりも真空管1の内部に入り込む高周波電界の大きさは大きい。
しかし、静電結合の度合いが弱まる分、プラズマの着火性が低くなる。そのため、プラズマの着火性を確保しつつ、アンテナコイル2とプラズマとの間の静電結合の度合いを弱めるという目的を達成するために、必要に応じてファラデーシールド膜5を基準電位に接続させればよい。
例えば、複数のファラデーシールド膜5のうち、基準電位に接続するファラデーシールド膜5の数を調整することによって、プラズマの着火性、静電結合の度合いを調整することができる。
この際、基準電位に接続したファラデーシールド膜5及び基準電位に接続していないファラデーシールド膜5は、それぞれ真空管1の周方向に等間隔に複数設けることが好ましい。このようにすれば、真空管1の周方向における等方性を向上させることができ、プラズマの均一性を向上させることができる。
1a 流入口
1b 流出口
2 アンテナコイル
2a 冷媒流路
3 高周波電源
4 インピーダンス整合回路
5 ファラデーシールド膜
6 絶縁膜
7 放熱部材
8 グランド線
81 スイッチ
82 制御部
Claims (1)
- 材料ガスが流入する真空管と、該真空管の外周に巻回され、該真空管内に材料ガスのプ
ラズマを発生させるためのアンテナコイルとを備えるプラズマ発生装置であって、
前記アンテナコイルは、内部に冷媒が通流する冷媒流路を有し、前記真空管に対して熱
的に接触しており、
前記真空管の軸方向における前記アンテナコイルの間隙に配され、前記アンテナコイル
又は前記真空管の熱を放熱する放熱部材と、
前記真空管の外周面に成膜された導電性材料からなるファラデーシールド膜と、
該ファラデーシールド膜を覆う絶縁膜と
を備え、
前記アンテナコイルは前記絶縁膜に対して熱的に接触しており、
前記ファラデーシールド膜と絶縁膜との間、又は前記真空管と前記ファラデーシールド膜との間に中間層を有する
プラズマ発生装置。
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JP7042143B2 true JP7042143B2 (ja) | 2022-03-25 |
Family
ID=68278868
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018070223A Active JP7042143B2 (ja) | 2018-03-30 | 2018-03-30 | プラズマ発生装置 |
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