JP7041092B2 - ビアリールホスフィンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、Buchwaldホスフィン配位子として有用なビアリールホスフィンの製造方法に関するものである。
マサチューセッツ工科大学Buchwald教授らのグループは電子豊富でかさ高い一連のホスフィン類を提案した(例えば、特許文献1~5等)。これらは、Buchwaldホスフィン配位子と呼ばれ、種々のC-C,C-N,C-O結合生成を左右する機能が注目されている。
Buchwaldホスフィン配位子として、t-BuBrettPhos、RockPhoss、BrettPhos等のビアリールホスフィンが知られている。
これらのビアリールホスフィンの製造方法としては、例えば下記の特許文献5、非特許文献1及び非特許文献2に、反応スキーム1に従ってグリニャール試薬と反応させる工程を含む方法が提案されている。
Figure 0007041092000001
しかしながら、特許文献5、非特許文献1及び非特許文献2では、グリニャール試薬を用いるため、これを別途調整する工程が必要であり、反応及び副生物の処理等が煩雑になり工業的に有利でない。加えて副生成物を除き純度を高めるために、一旦中間体(反応スキーム1の6の化合物)を単離する必要があった。
国際公開第2000/02887号パンフレット 国際公開第2002/085838号パンフレット 国際公開第2004/052939号パンフレット 国際公開第2006/074315号パンフレット 国際公開第2009/076622号パンフレット
Advanced Synthesis & Catalysis, 2012,354,2031-2037 Journal of the American Chemical Society,2008,130,13552-S.I.
したがって、本発明の目的は、Buchwaldホスフィン配位子として有用なビアリールホスフィンをより簡便で工業的に有利な方法で製造することができる方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、少なくとも下記一般式(1)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体をリチオ化したリチオ化物と、下記一般式(2)で表されるベンゼン誘導体とを反応させる工程を含む一連の工程を行うことにより、目的とする下記一般式(5)で表されるビアリールホスフィンを純度よく得ることができることを見出し、本発明を完成するに到った。
したがって、本発明が提供する第1の発明は、
下記一般式(1)
Figure 0007041092000002
(式中、R~Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基又はアミノ基を示し、該アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基及びアミノ基は、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基で置換されていてもよい。R~Rは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体をリチオ化し、得られるリチオ化物と、
下記一般式(2)
Figure 0007041092000003
(式中、R~Rは、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基又はアミノ基を示し、該アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基及びアミノ基は、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基で置換されていてもよい。R~Rは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるベンゼン誘導体とを反応させて下記一般式(3)
Figure 0007041092000004
(式中、R~Rは前記と同義。)で表されるビフェニル誘導体を得る第A工程、
次いで、該ビフェニル誘導体と、下記一般式(4):
(R)(R)PX(4)
(式中、R~Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基又はヘテロアラルキル基を示し、R~Rは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。該アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基は、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基で置換されていてもよい。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン化ホスフィンとを反応させる第B工程
とを、有する下記一般式(5)
Figure 0007041092000005
(式中、R~Rは前記と同義。)で表されるビアリールホスフィンの製造方法である。
また、本発明が提供する第2の発明は、下記一般式(1)
Figure 0007041092000006
(式中、R~Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基又はアミノ基を示し、該アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基及びアミノ基は、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基で置換されていてもよい。R~Rは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体をリチオ化し、得られるリチオ化物と、
下記一般式(2)
Figure 0007041092000007
(式中、R~Rは、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基又はアミノ基を示し、該アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基及びアミノ基は、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基で置換されていてもよい。R~Rは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるベンゼン誘導体とを反応させて下記一般式(3)
Figure 0007041092000008
(式中、R~Rは前記と同義。)で表されるビフェニル誘導体を得る第A工程、
次いで、該ビフェニル誘導体と、臭素化剤又はヨウ素化剤とを反応させて、下記一般式(6)
Figure 0007041092000009
(式中、R~Rは前記と同義。Aは臭素原子又はヨウ素原子を示す。)で表されるハロゲン化ビフェニル誘導体を得る第C工程、
次いで、該ハロゲン化ビフェニル誘導体をリチオ化し、得られるリチオ化物と、下記一般式(4):
(R)(R)PX(4)
(式中、R~Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基又はヘテロアラルキル基を示し、R~Rは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。該アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基は、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基で置換されていてもよい。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン化ホスフィンとを反応させる第D工程
とを、有する下記一般式(5)
Figure 0007041092000010
(式中、R~Rは前記と同義。)で表されるビアリールホスフィンの製造方法である。
また、本発明が提供する第3の発明は、下記一般式(1)
Figure 0007041092000011
(式中、R~Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基又はアミノ基を示し、該アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基及びアミノ基は、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基で置換されていてもよい。R~Rは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体をリチオ化し、得られるリチオ化物と、
下記一般式(2)
Figure 0007041092000012
(式中、R~Rは、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基又はアミノ基を示し、該アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基及びアミノ基は、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基で置換されていてもよい。R~Rは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるベンゼン誘導体とを反応させて下記一般式(3)
Figure 0007041092000013
(式中、R~Rは前記と同義。)で表されるビフェニル誘導体を得る第A工程、
次いで、該ビフェニル誘導体と、臭素化剤又はヨウ素化剤とを反応させる第D工程とを、有する下記一般式(6)
Figure 0007041092000014
(式中、R~Rは前記と同義。Aは臭素原子又はヨウ素原子を示す。)で表されるハロゲン化ビフェニル誘導体の製造方法である。
本発明によれば、Buchwaldホスフィン配位子として有用なビアリールホスフィンを工業的に有利な方法で、純度よく得ることができる。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて説明する。
本発明の第A工程は、一般式(1)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体をリチオ化し、得られるリチオ化物と、一般式(2)で表されるベンゼン誘導体とを反応させて一般式(3)で表されるビフェニル誘導体を得る工程である。
一般式(1)の式中のR~Rとしては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基、アミノ基が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素原子数が好ましくは1~12、更に好ましくは1~8の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、2-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-ペンチル基、tert-ペンチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、5-メチルペンチル基等が挙げられる。
前記シクロアルキル基としては、例えば炭素数3~16のシクロアルキル基が挙げられる。具体的にはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル、2-メチルシクロペンチル基、3-メチルシクロペンチル基、シクロヘプチル基、2-メチルシクロヘキシル基、3-メチルシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基が挙げられる。シクロアルキル基には多環アルキル基も含まれる。その例としては、メンチル基、ボルニル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
前記アリール基としては、例えば炭素数6~16のフェニル基が挙げられる。具体的にはフェニル基、4-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、2-メチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
前記ヘテロアリール基としては、例えば5員又は6員の単環の芳香族複素環基や多環の芳香族複素環基が好ましく挙げられる。例えばヘテロアリール基として、1~3個の例えば窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる芳香族複素環基が挙げられる。具体的にはピリジル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、フルフリル基、ピラニル基、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基等が挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば炭素数7~12のアラルキル基が挙げられる。具体的にはベンジル基、2-フェニルエチル基、1-フェニルプロピル基、2-フェニルプロピル基、3-フェニルプロピル基、1-フェニルブチル基、2-フェニルブチル基、3-フェニルブチル基、4-フェニルブチル基、1-フェニルペンチル基、2-フェニルペンチル基、3-フェニルペンチル基、4-フェニルペンチル基、5-フェニルペンチル基、1-フェニルヘキシル基、2-フェニルヘキシル基、3-フェニルヘキシル基、4-フェニルヘキシル基、5-フェニルヘキシル基、6-フェニルヘキシル基等が挙げられる。
前記ヘテロアラルキル基は、ヘテロアリール基にアルキル基が結合した構造を有するものである。前記ヘテロアラルキル基としては、例えば、炭素数6~16のヘテロアラルキル基が挙げられる。具体的には2-ピリジルメチル基、4-ピリジルメチル基、イミダゾリルメチル基、チアゾリルエチル基等が挙げられる。
前記アルコシキ基は、上述したアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基及びヘテロアラルキル基が酸素を介して結合する基である。例えば、メトキシ基、エトキシ基、フェニルオキシ基、ベンジルオキシ基、p-メトキシベンジルオキシ基等が挙げられる。
前記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基及びアミノ基は、更に置換基を有していてもよい。該置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、アルコシキ基が挙げられる。なお、置換基のアルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、アルコシキ基は、前記したR~Rの種類と同様なものが例示される。これらの中、置換基は、直鎖状又は分岐状の炭素数1~10のアルキル基が好ましい。
一般式(1)中のR~Rは、それぞれが同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。R~Rは同一の基であることが好ましい。特に、本製造方法では、Buchwaldホスフィン配位子として有用なビアリールホスフィンを製造する観点から、R~Rはiso-プロピル基であることが好ましい。一般式(1)中のXの種類としては、例えばフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子が挙げられる。
一般式(2)の式中のR~Rとしては、アルキル基、アルコシキ基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アミノ基が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素原子数が好ましくは1~12、更に好ましくは1~8の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、2-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-ペンチル基、tert-ペンチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、5-メチルペンチル基等が挙げられる。
前記シクロアルキル基としては、例えば炭素数3~16のシクロアルキル基が挙げられる。具体的にはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル、2-メチルシクロペンチル基、3-メチルシクロペンチル基、シクロヘプチル基、2-メチルシクロヘキシル基、3-メチルシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基が挙げられる。シクロアルキル基には多環アルキル基も含まれる。その例としては、メンチル基、ボルニル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
前記アリール基としては、例えば炭素数6~16のフェニル基が挙げられる。具体的にはフェニル基、4-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、2-メチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
前記ヘテロアリール基としては、例えば5員又は6員の単環の芳香族複素環基や多環の芳香族複素環基が好ましく挙げられる。例えばヘテロアリール基として、1~3個の例えば窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる芳香族複素環基が挙げられる。具体的にはピリジル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、フルフリル基、ピラニル基、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基等が挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば炭素数7~12のアラルキル基が挙げられる。具体的にはベンジル基、2-フェニルエチル基、1-フェニルプロピル基、2-フェニルプロピル基、3-フェニルプロピル基、1-フェニルブチル基、2-フェニルブチル基、3-フェニルブチル基、4-フェニルブチル基、1-フェニルペンチル基、2-フェニルペンチル基、3-フェニルペンチル基、4-フェニルペンチル基、5-フェニルペンチル基、1-フェニルヘキシル基、2-フェニルヘキシル基、3-フェニルヘキシル基、4-フェニルヘキシル基、5-フェニルヘキシル基、6-フェニルヘキシル基等が挙げられる。
前記ヘテロアラルキル基としては、例えば、炭素数6~16のヘテロアラルキル基が挙げられ、具体的には2-ピリジルメチル基、4-ピリジルメチル基、イミダゾリルメチル基、チアゾリルエチル基等が挙げられる。
前記アルコシキ基は、上述したアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基及びヘテロアラルキル基が酸素を介して結合する基である、例えば、メトキシ基、エトキシ基、フェニルオキシ基、ベンジルオキシ基、p-メトキシベンジルオキシ基等が挙げられる。
前記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基及びアミノ基は、更に置換基を有していてもよい。該置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、アルコシキ基が挙げられる。なお、置換基のアルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、アルコシキ基は、前記したR~Rの種類と同様なものが例示される。これらの中、置換基は、直鎖状又は分岐状の炭素数1~10のアルキル基が好ましい。これらのうち、置換基は、直鎖状又は分岐状の炭素数1~10のアルキル基が好ましい。
一般式(2)の式中のR~Rは、同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。特に、本製造方法では、Buchwaldホスフィン配位子として有用なビアリールホスフィンを製造する観点から、R~Rはメチル基又はメトキシ基が好ましい。同様の観点から、R~Rは同一の基であることが好ましい。一般式(2)の式中のXの種類としては、例えばフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子が挙げられる。
第A工程の反応操作では、一般式(1)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体をリチオ化し、得られるリチオ化物を含む溶液(以下、「a液」と言うことがある。)を調製する。またa液とは別に、一般式(2)で表されるベンゼン誘導体を含む溶液(以下、「b液」と言うことがある。)を調製する。次いで、a液にb液を添加するか、又はb液にa液を添加することにより反応を行うことが好ましい。
a液は一般式(1)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体を含む液に、リチオ化剤を添加し得られるハロゲン化ベンゼン誘導体のリチオ化物を含む溶液である。a液中の一般式(1)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体の濃度は、1質量%~30質量%、特に5質量%~20質量%とすることが、反応性を高める観点や、副生成物を制御する観点から好ましい。
a液に係るリチオ化剤としては、例えば、有機リチウム化合物が用いられる。有機リチウム化合物の例としては、メチルリチウム、エチルリチウム、n-プロピルリチウム、sec-プロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム等が挙げられる。これらのうち、n-ブチルリチウムが適度な塩基性と十分な反応性の観点から好ましい。
リチオ化剤の添加量は、一般式(1)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体に対するリチオ化剤のモル比で、2.0~7.0、特に2.1~6.5とすることが、経済性と反応性の観点から好ましい。
a液で用いることができる溶媒としては、一般式(1)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体及び生成するリチオ化物を溶解することができ、且つ反応に不活性な溶媒であれば、特に制限はない。該溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、ヘキサン、トルエン等が挙げられる。これらの溶媒は単独又は混合溶媒として用いることができる。これらのうち、特にテトラヒドロフランがリチオ化物の溶解性の観点から好ましい。
前記リチオ化剤の添加温度は、副生成物を制御する観点から、-80~20℃とすることが好ましく、-80~-10℃とすることがより好ましい。一般式(1)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体を含む液に、リチオ化剤を添加することにより、一般式(1)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体のリチオ化が速やかに行われる。リチオ化の反応を完結させることを目的として、必要に応じてリチオ化剤の添加終了後に引き続き熟成反応を行ってもよい。
b液は一般式(2)で表されるベンゼン誘導体を溶媒に溶解した溶液である。b液中の一般式(2)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体の濃度は5質量~90質量%、特に10~50質量%とすることが反応性や副生成物の制御の観点から好ましい。
b液で用いることができる溶媒としては、前記一般式(2)で表されるベンゼン誘導体を溶解することができ且つ反応に不活性な溶媒であれば、特に制限はない。該溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、ヘキサン、トルエン等が挙げられる。これらの溶媒は単独又は混合溶媒として用いることができる。これらのうち、特にテトラヒドロフランが極性及び溶解性の観点から好ましい。
a液とb液との混合は、b液中の一般式(2)で表されるベンゼン誘導体に対する、a液中の一般式(1)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体の仕込みモル比が、1.0~5.0となるように行うことが、副生成物を制御しつつ収率を向上できる観点から好ましい。
特に本製造方法を、後述する「(1)の製造方法」により行う場合は、b液中の一般式(2)で表されるベンゼン誘導体に対する、a液中の一般式(1)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体の仕込みモル比が1.0~5.0、特に1.0~3.0、とりわけ1.2~2.5となるように両者を添加することが収率向上と経済性の観点から好ましい。
また本製造方法を、後述する「(2)の製造方法」により行う場合も同様であり、b液中の一般式(2)で表されるベンゼン誘導体に対する、a液中の一般式(1)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体の仕込みモル比が1.0~5.0、好ましくは1.0~3.0、特に1.2~2.5となるように添加することが収率向上と経済性の観点から好ましい。
a液及び/又はb液の添加速度は特に制限されるものではない。安定した品質の目的物を得る観点から一定速度で添加することが好ましい。a液及び/又はb液の添加は連続的であってもよく、断続的であってもよい。a液とb液とを混合している間の混合液の内温は、以下に述べるa液又はb液の好ましい添加温度の範囲内に維持することが好ましい。
a液及びb液の添加温度は、純度が高い目的物を高収率で得る観点から、それぞれ独立に-80~20℃、特に-80~-10℃とすることが好ましい。
a液とb液との混合後、必要により、反応を完結させるため熟成反応を引き続き行うことができる。熟成反応の温度は、反応促進の観点と副生成物を制御する観点から-80℃~20℃、特に-80℃~-10℃とすることが好ましい。熟成反応の終了はガスクロマトグラフィー分析により、(2)で表されるベンゼン誘導体の存在の有無で確認することができる。反応時間は、反応条件等にもよるが、通常1時間以上、好ましくは3~12時間で、満足すべき目的物を得ることができる。
本製造方法においては、第A工程後に、下記の(1)第B工程(以下、「(1)の製造方法」ということがある。)、あるいは(2)第C~D工程(以下、「(2)の製造方法」ということがある。)を行うことにより、本製造方法で目的とする一般式(5)で表されるビアリールホスフィンを製造することができる。
<(1)の製造方法>
第B工程は、下記反応スキーム2に従って、第A工程で得られたビフェニル誘導体と、一般式(4)で表されるハロゲン化ホスフィンとを反応させて目的とする一般式(5)で表されるビアリールホスフィンを製造する工程である。
Figure 0007041092000015
(式中、R~R及びXは前記と同義。)
本製造方法において、第B工程は第A工程からの連続反応でもよく、また、第A工程終了後に一般式(3)で表されるビフェニル誘導体を反応液から回収した後、必要により精製を行い、次いで第B工程を行ってもよい。
一般式(4)で表されるハロゲン化ホスフィンの式中のR及びRは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基又はヘテロアラルキル基を示す。
前記アルキル基としては、炭素原子数が好ましくは1~12、更に好ましくは1~8の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、2-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-ペンチル基、tert-ペンチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、5-メチルペンチル基等が挙げられる。
前記シクロアルキル基としては、例えば炭素数3~16のシクロアルキル基が挙げられる。具体的にはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル、2-メチルシクロペンチル基、3-メチルシクロペンチル基、シクロヘプチル基、2-メチルシクロヘキシル基、3-メチルシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基が挙げられる。シクロアルキル基には多環アルキル基も含まれる。その例としては、メンチル基、ボルニル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
前記アリール基としては、例えば炭素数6~16のフェニル基が挙げられる。具体的にはフェニル基、4-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、2-メチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
前記ヘテロアリール基としては、例えば5員又は6員の単環の芳香族複素環基や多環の芳香族複素環基が好ましく挙げられる。例えばヘテロアリール基として、1~3個の例えば窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる芳香族複素環基が挙げられる。具体的にはピリジル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、フルフリル基、ピラニル基、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基等が挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば炭素数7~12のアラルキル基が挙げられる。具体的にはベンジル基、2-フェニルエチル基、1-フェニルプロピル基、2-フェニルプロピル基、3-フェニルプロピル基、1-フェニルブチル基、2-フェニルブチル基、3-フェニルブチル基、4-フェニルブチル基、1-フェニルペンチル基、2-フェニルペンチル基、3-フェニルペンチル基、4-フェニルペンチル基、5-フェニルペンチル基、1-フェニルヘキシル基、2-フェニルヘキシル基、3-フェニルヘキシル基、4-フェニルヘキシル基、5-フェニルヘキシル基、6-フェニルヘキシル基等が挙げられる。
前記ヘテロアラルキル基としては、例えば、炭素数6~16のヘテロアラルキル基が挙げられ、具体的には2-ピリジルメチル基、4-ピリジルメチル基、イミダゾリルメチル基、チアゾリルエチル基等が挙げられる。
前記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基及びヘテロアラルキル基は、更に置換基を有していてもよい。該置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、アルコシキ基が挙げられる。なお、置換基のアルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、アルコシキ基は、前記したR及びRの種類と同様なものが例示される。これらのうち、置換基は、直鎖状又は分岐状の炭素数1~10のアルキル基が好ましい。なお、置換基のアルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、アルコシキ基は、前記したR及びRの種類と同様なものが例示される。これらのうち、置換基は、直鎖状又は分岐状の炭素数1~10のアルキル基が好ましい。
一般式(4)の式中のR~Rは、同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。R~Rは同一の基であることが好ましい。特に、本製造方法では、Buchwaldホスフィン配位子として有用なビアリールホスフィンを製造する観点から、R~Rはアダマンチル基、tert-ブチル基又はシクロヘキシル基であることが好ましい。一般式(1)の式中のXの種類は、例えばフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子が挙げられる。
第B工程においては、第A工程で得られたビフェニル誘導体と、一般式(4)で表されるハロゲン化ホスフィンとを溶媒中で反応させることが好ましい。第B工程で用いることができる溶媒としては、一般式(3)で表されるビフェニル誘導体を溶解することができ、且つ一般式(4)のハロゲン化ホスフィン及び一般式(5)で表されるビアリールホスフィンに対して不活性な溶媒であれば、特に制限はない。該溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、ヘキサン、トルエン等が挙げられる。これらの溶媒は単独又は混合溶媒として用いることができる。これらのうち、特にテトラヒドロフランが極性及び溶解性の観点から好ましい。
一般式(4)のハロゲン化ホスフィンの添加量は、一般式(3)で表されるビフェニル誘導体に対する、一般式(4)のハロゲン化ホスフィンのモル比で表して1.0~3.0、好ましくは1.0~1.5とすることが経済性と反応性の観点から好ましい。
第B工程での反応温度は、反応促進と副生成物の制御する観点から-50~80℃、特に-30~50℃とすることが好ましい。
第B工程の反応の終了は、ガスクロマトグラフィー分析により、(3)で表されるビフェニル誘導体の存在の有無で確認することができる。反応時間は反応条件等にもよるが、通常1時間以上、好ましくは1~10時間で満足すべき目的物を得ることができる。
第B工程の反応終了後、生成した一般式(5)で表されるビアリールホスフィンは、必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー、抽出といった精製作業に付してもよい。
<(2)の製造方法>
第C工程は、下記反応スキーム3に従って、第A工程で得られたビフェニル誘導体と、臭素化剤又はヨウ素化剤とを反応させて、一般式(6)で表されるハロゲン化ビフェニル誘導体を得る工程である。
Figure 0007041092000016
(式中、R~Rは前記と同義。Aは臭素原子又はヨウ素原子を示す)
本製造方法において、第C工程は第A工程からの連続反応で行うことが好ましい。
第C工程に係るヨウ素化剤としては、例えば、ヨウ素、N-ヨードスクシンイミド、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等が挙げられ、この中、ヨウ素が安価な汎用原料の観点から好ましく用いられる。また臭素化剤としては、例えば、臭素、N-ブロモスクシンイミド、三臭化リン、臭化カリウム等が挙げられ、この中、臭素が安価な汎用原料の観点から好ましく用いられる。
臭素化剤及びヨウ素化剤の添加量は、一般式(3)で表されるビフェニル誘導体に対する臭素化剤及びヨウ素化剤のモル比で表して、1.0~5.0、特に1.0~2.0とすることが経済性と反応性の観点から好ましい。
第C工程では、第A工程で得られたビフェニル誘導体と、臭素化剤又はヨウ素化剤とを溶媒中で反応させることが好ましい。第C工程で用いることができる溶媒としては、一般式(3)で表されるビフェニル誘導を溶解することができ、且つ一般式(3)で表されるビフェニル誘導体及び一般式(6)で表されるビフェニル誘導体に対して不活性な溶媒であれば、特に制限はない。該溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、ヘキサン、トルエン等が挙げられる。これらの溶媒は単独又は混合溶媒として用いることができる。これらのうち、特にテトラヒドロフランが反応性の観点から好ましい。
第C工程での反応温度は、反応性と副反応を制御する観点から、-80~50℃とすることが好ましく、-20~20℃とすることがより好ましい。
第C工程での反応の終了はガスクロマトグラフィー分析により、(3)で表されるビフェニル誘導体の存在の有無で確認することができる。反応時間は反応条件等にもよるが、通常1時間以上、好ましくは1~10時間で満足すべき目的物を得ることができる。
第D工程は、下記反応スキーム4に従って、第C工程で得られた臭化ビフェニル誘導体又はヨウ化ビフェニル誘導体をリチオ化剤によってリチオ化した後、一般式(4)で表されるハロゲン化ホスフィンと反応させて、目的とする一般式(5)で表されるビアリールホスフィンを製造する工程である。
Figure 0007041092000017
(式中、R~R、X及びAは前記と同義。)
本製造方法において、第D工程は第C工程からの連続反応でもよく、また、第C工程終了後に一般式(6)で表されるハロゲン化ビフェニル誘導体を反応液から回収した後、必要により精製を行い、次いで第D工程を行ってもよい。
一般式(4)で表されるハロゲン化ホスフィンの式中のR及びRとしては、前述した第B工程と同じものを用いることができる。
一般式(6)で表されるビフェニル誘導体のリチオ化剤としては、例えば、有機リチウム化合物が用いられる。有機リチウム化合物の例としては、メチルリチウム、エチルリチウム、n-プロピルリチウム、sec-プロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム等が挙げられる。これらのうち、n-ブチルリチウムが適度な塩基性と十分な反応性の観点から好ましい。
リチオ化剤の添加量は、一般式(6)で表されるビフェニル誘導体に対するリチオ化剤のモル比で表して、1.0~2.0、特に1.1~1.5とすることが、経済性と反応性の観点から好ましい。
一般式(6)で表されるビフェニル誘導体のリチオ化物と、一般式(4)で表されるハロゲン化ホスフィンとの反応は溶媒中で行うことが好ましい。用いることができる溶媒としては、一般式(6)で表されるハロゲン化ビフェニル誘導体及びそのリチオ化物を溶解することができ、且つ一般式(4)で表されるハロゲン化ホスフィン及び一般式(5)で表されるビアリールホスフィンに対して不活性な溶媒であれば、特に制限はない。該溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、ヘキサン、トルエン等が挙げられる。これらの溶媒は単独又は混合溶媒として用いることができる。これらのうち、特にテトラヒドロフランが極性及び溶解性の観点から好ましい。
一般式(4)で表されるハロゲン化ホスフィンの添加量は、一般式(6)で表されるハロゲン化ビフェニル誘導体に対する一般式(4)で表されるハロゲン化ホスフィンのモル比で表して、1.0~3.0、特に1.0~1.5とすることが経済性と反応性の観点から好ましい。
第D工程での反応温度は、反応促進と副生成物を制御する観点から-50~80℃、特に-30~50℃とすることが好ましい。
第D工程での反応の終了はガスクロマトグラフィー分析により、(3)で表されるビフェニル誘導体の存在の有無で確認することができる。反応時間は反応条件等にもよるが、通常1時間以上、好ましくは1~10時間で満足すべき目的物を得ることができる。
第D工程の反応終了後、生成した一般式(5)で表されるビアリールホスフィンは、必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー、抽出といった精製作業に付してもよい。
本製造方法で得られる一般式(5)で表されるビアリールホスフィンは、特にBuchwaldホスフィン配位子として有用である。また、本製造方法で得られる中間体の一般式(6)で表されるハロゲン化ビフェニル誘導体は、ビアリールホスフィンの中間原料として有用である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
{実施例1}
Figure 0007041092000018
<第A工程>
十分に乾燥した1Lの四つ口フラスコを窒素置換した後、2,4,6-トリイソプロピルブロモベンゼン(a1)(56.1g、198mmol)とテトラヒドロフラン(450ml)を仕込み、窒素雰囲気下で-78℃へ冷却した後、15質量%のn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(140.9g、330mmol)を1時間かけて滴下した。次いで-78℃で1時間熟成し、これをa液とした。
別の300mLの四つ口フラスコを窒素置換した後、1-クロロ-2,5-ジメトキシベンゼン(a2)(22.7g、132mmol)をテトラヒドロフラン(120ml)に溶解させてb液とした。b液を1時間かけて内温が-80℃付近(反応温度A)を維持するようにa液へ連続的に添加した。-10℃へ徐々に昇温して8時間熟成したところ、黄色透明液となった。
<第B工程>
クロロジシクロヘキシルホスフィン(CyPCl、30.7g、132mmol)を30分かけて内温が-10℃付近を維持するように、第A工程で得られた液に連続的に添加した。次いで-10℃で5時間熟成した。
50gの水を添加して反応を停止させると、液は橙色透明に変化した。真空ポンプを用いて500mlまで溶媒留去し、0.9質量%の重曹400mlと水450mlで順番に反応液を洗浄して水層を廃棄した。次いで真空ポンプを用いて溶媒留去すると橙色固体が析出した。酢酸エチル100mlを加えて60℃まで昇温して析出物を溶解させた。更に、メタノール300mlを、内温55℃付近を保ちながら連続的に添加した。液を徐々に冷却すると50℃付近で結晶の析出が開始した。更に5℃まで液を冷却し続けた。次いで析出物をグラスフィルターでろ過し、冷メタノールでリンスした後に減圧乾燥して2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル(BrettPhos)を得た(30.7g、収率42.4%)。31P NMRで測定したところ、99%以上の純度であり、ガスクロマトグラフィーの測定でも99%以上の純度であった。
(BrettPhosの同定データ)
融点193-194℃
H NMR(500.15MHz、CDCl):δ0.95(d,J=6.8 Hz,6H),1.22(d,J=6.8 Hz,6H),1.33(d,J=7.0Hz,6H),1.43-0.94(m,10H),1.73-1.63(m,6H),1.85-1.81(m,2H),2.25-2.17(m,2H),2.44(septet,J=6.8Hz,2H),2.95(septet,J=7.0Hz,1H),3.56(s,3H),3.83(s,3H),6.80(d,J=8.8Hz,1H),6.86(d,J=8.8Hz,1H),6.89(s,2H);
13C NMR(125.76MHz、CDCl):δ23.5,23.9,25.0,26.50,26.51,27.4,27.6,27.8,27.9,30.4,30.8,30.9,32.7,32.9,33.7,36.5,36.6,54.5,55.0,108.5,110.6,120.0,126.5,126.8,132.5,132.6,138.8,139.1,145.8,145.9,146.8,152.1,152.3,156.2,156.3;
31P NMR(202.46MHz、CDCl):δ1.6
{実施例2}
a液において、2,4,6-トリイソプロピルブロモベンゼン(a1)を93.5g(330mmol)に変更し、a液において15質量%のn-ブチルリチウムのヘキサン溶液を197.3g(462mmol)に変更した以外は実施例1と同様にしてBrettPhosを合成した。(38.7g、収率54.7%)。
{実施例3}
第A工程において、2,4,6-トリイソプロピルブロモベンゼン(a1)のリチオ化物と1-クロロ-2,5-ジメトキシベンゼン(a2)との反応温度Aを-30℃とした以外は、実施例1と同様にしてBrettPhosを合成した。(26.6g、収率37.6%)。
{実施例4}
Figure 0007041092000019
実施例1で用いたb液において1-クロロ-2,5-ジメトキシベンゼン(a2)を1-フルオロ-2,5-ジメトキシベンゼン(a2)(20.6g、0.132mmol)に変更した以外は、実施例1と同様にしてBrettPhosを合成した。(35.1g、収率49.6%)。
Figure 0007041092000020
{実施例5}
Figure 0007041092000021
<第A工程>
十分に乾燥した1Lの四つ口フラスコを窒素置換した後、2,4,6-トリイソプロピルブロモベンゼン(a1)(93.5g、330mmol)とテトラヒドロフラン(450ml)を仕込み、窒素雰囲気下で-78℃へ冷却した後、15質量%のn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(197.3g、462mmol)を1時間かけて滴下した。次いで-78℃で1時間熟成し、これをa液とした。
別の300mLの四つ口フラスコを窒素置換した後、1-クロロ-2,5-ジメトキシベンゼン(a2)(22.7g、132mmol)をテトラヒドロフラン(120ml)に溶解させてb液とした。b液を1時間かけて内温が-80℃付近(反応温度A)を維持するようにa液へ連続的に添加した。-10℃へ徐々に昇温して8時間熟成したところ、黄色透明液となった。
<第C工程>
あらかじめtert-ブチルメチルエーテル(200ml)にヨウ素(67.0g、264mmol)を溶解させておき、そのヨウ素のtert-ブチルメチルエーテル溶液を、第A工程で得られた液に-10℃でゆっくり滴下した。その後そのまま6時間撹拌した。10質量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液250mlで2回有機層を洗浄した後、純水250mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、酢酸-メタノール混合溶媒(1:1)で再結晶した。得られた結晶を、冷メタノールでリンスした後に減圧乾燥して2-ヨード-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル(ヨウ素中間体)を得た(42.3g、90.5mmol、68.6%)。ガスクロマトグラフィーの測定で99%以上の純度であった。
(Biaryl-Iの同定データ)
融点199-200℃
H NMR(500.15MHz、CDCl):δ0.99(d,J=6.9Hz,6H),1.17(d,J=6.9Hz,6H),1.31(d,J=6.9Hz,6H),2.36(septet,J=6.9Hz,2H),2.95(septet,J=6.9 Hz,1H),3.65(s,3H),3.89(s,3H),6.80(d,J=8.9Hz,1H),6.89(d,J=8.9 Hz,1H),7.04(s,2H);
13C NMR(125.76MHz、CDCl):δ23.6,24.0,24.5,30.8,34.1,55.5,56.8,96.4,109.2,110.0,120.7,135.9,136.2,145.7,148.2,152.3,152.5.
{実施例6}
Figure 0007041092000022
<第D工程>
十分に乾燥した1Lの四つ口フラスコを窒素置換した後、実施例5の第C工程において得られた2-ヨード-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル(ヨウ素中間体)(19.3g、41.3mmol)と、シクロペンチルメチルエーテル(200mL)とを仕込み、窒素雰囲気下で-30℃へ冷却した。次いで、15質量%のn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(18.0g、42.1mmol)を1時間かけて滴下した。次いで-30℃で1時間熟成した後、クロロジシクロヘキシルホスフィン(CyPCl、9.6g、41.3mmol)を30分かけて内温が-10℃付近を維持するように連続的に添加した。次いで-10℃で10時間熟成した。
20gの水を添加して反応を停止させた後、5質量%の重曹100mlと水150mlで順番に反応液を洗浄して水層を廃棄した。次いで真空ポンプを用いて溶媒留去すると橙色固体が析出した。析出物に酢酸エチル55mlを加えて60℃まで昇温して溶解させ、メタノール165mlを、内温55℃付近を保ちながら連続的に添加した。徐々に液を冷却すると50℃付近で結晶の析出が開始した。更に5℃まで液を冷却し続けた。次いで析出物をグラスフィルターでろ過し、冷メタノールでリンスした後に減圧乾燥して2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル(BrettPhos)を得た(16.9g、収率76.3%)。31P NMRで測定したところ、99%以上の純度であり、ガスクロマトグラフィーの測定でも99%以上の純度であった。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0007041092000023

    (式中、R~Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基又はアミノ基を示し、該アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基及びアミノ基は、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。R~Rは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体を含む液にリチオ化剤を、前記一般式(1)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体に対するリチオ化剤のモル比が2.0~7.0となるように添加してリチオ化し、得られるリチオ化物を含むa液と、
    下記一般式(2)
    Figure 0007041092000024

    (式中、R~Rは、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基又はアミノ基を示し、該アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基及びアミノ基は、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。R~Rは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるベンゼン誘導体を含むb液を調製し、前記一般式(2)で表されるベンゼン誘導体に対する、前記一般式(1)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体の仕込みモル比が1.2~3.0となるようにa液とb液とを混合して反応を行って下記一般式(3)
    Figure 0007041092000025

    (式中、R~Rは前記と同義。)で表されるビフェニル誘導体を得る第A工程、
    次いで、該ビフェニル誘導体と、下記一般式(4):
    (R)(R)PX(4)
    (式中、R~Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基又はヘテロアラルキル基を示し、R~Rは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。該アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基は、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン化ホスフィンとを反応させる第B工程
    とを、有する下記一般式(5)
    Figure 0007041092000026

    (式中、R~Rは前記と同義。)で表されるビアリールホスフィンの製造方法。
  2. 下記一般式(1)
    Figure 0007041092000027

    (式中、R~Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基又はアミノ基を示し、該アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基及びアミノ基は、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基で置換されていてもよい。R~Rは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体を含む液にリチオ化剤を、前記一般式(1)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体に対するリチオ化剤のモル比が2.0~7.0となるように添加してリチオ化し、得られるリチオ化物を含むa液と、
    下記一般式(2)
    Figure 0007041092000028

    (式中、R~Rは、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基又はアミノ基を示し、該アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基及びアミノ基は、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基で置換されていてもよい。R~Rは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるベンゼン誘導体を含むb液を調製し、前記一般式(2)で表されるベンゼン誘導体に対する、前記一般式(1)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体の仕込みモル比が1.2~3.0となるようにa液とb液とを混合して反応を行って下記一般式(3)
    Figure 0007041092000029

    (式中、R~Rは前記と同義。)で表されるビフェニル誘導体を得る第A工程、
    次いで、該ビフェニル誘導体と、臭素化剤又はヨウ素化剤とを反応させて、下記一般式(6)
    Figure 0007041092000030

    (式中、R~Rは前記と同義。Aは臭素原子又はヨウ素原子を示す。)で表されるハロゲン化ビフェニル誘導体を得る第C工程、
    次いで、該ハロゲン化ビフェニル誘導体をリチオ化し、得られるリチオ化物と、下記一般式(4):
    (R)(R)PX(4)
    (式中、R~Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基又はヘテロアラルキル基を示し、R~Rは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。該アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基は、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基で置換されていてもよい。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン化ホスフィンとを反応させる第D工程
    とを、有する下記一般式(5)
    Figure 0007041092000031

    (式中、R~Rは前記と同義。)で表されるビアリールホスフィンの製造方法。
  3. 第B工程は、第A工程からの連続反応で行う請求項1に記載のビアリールホスフィンの製造方法。
  4. 式中のR~Rが同一の基であり、且つR~Rが同一の基である請求項1乃至3の何れか一項に記載のビアリールホスフィンの製造方法。
  5. 式中のR~Rがiso-プロピル基である請求項4に記載のビアリールホスフィンの製造方法。
  6. 式中のR~Rがメトキシ基又はメチル基である請求項4又は5に記載のビアリールホスフィンの製造方法。
  7. 式中のR~Rが同一の基である請求項4記載のビアリールホスフィンの製造方法。
  8. 式中のR~Rが、アダマンチル基、tert-ブチル基又はシクロヘキシル基である請求項7に記載のビアリールホスフィンの製造方法。
  9. 下記一般式(1)
    Figure 0007041092000032

    (式中、R~Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基又はアミノ基を示し、該アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基及びアミノ基は、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基で置換されていてもよい。R~Rは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体を含む液にリチオ化剤を、前記一般式(1)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体に対するリチオ化剤のモル比が2.0~7.0となるように添加してリチオ化し、得られるリチオ化物を含むa液と、
    下記一般式(2)
    Figure 0007041092000033

    (式中、R~Rは、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基又はアミノ基を示し、該アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルコキシ基及びアミノ基は、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基で置換されていてもよい。R~Rは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるベンゼン誘導体を含むb液を調製し、前記一般式(2)で表されるベンゼン誘導体に対する、前記一般式(1)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体の仕込みモル比が1.2~3.0となるようにa液とb液とを混合して反応を行って下記一般式(3)
    Figure 0007041092000034

    (式中、R~Rは前記と同義。)で表されるビフェニル誘導体を得る第A工程、
    次いで、該ビフェニル誘導体と、臭素化剤又はヨウ素化剤とを反応させる第C工程とを、
    有する下記一般式(6)
    Figure 0007041092000035

    (式中、R~Rは前記と同義。Aは臭素原子又はヨウ素原子を示す。)で表されるハロゲン化ビフェニル誘導体の製造方法。
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