JP7040533B2 - 含フッ素ジエン化合物、含フッ素重合体及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
中でも、原料モノマーとなる含フッ素化合物が炭素-炭素二重結合を2個有する含フッ素ジエン化合物であって、該炭素-炭素二重結合の間に介在する炭素原子及び酸素原子の合計数が2個または3個(炭素-炭素二重結合を構成する炭素原子は数に含まれない。枝分かれ(分枝)した構造がある際には、分枝に含まれる炭素原子及び酸素原子は数に含まれない)の場合、環化重合が可能であり、主として主鎖に5員環または6員環構造を有するポリマーが生成する。このような含フッ素ジエン化合物は、従来多段階で合成されることが常であった。
非特許文献1には、ペルフルオロアリルフルオロスルフェート(CF2=CFCF2OSO2F)がヘキサフルオロプロペン(CF2=CFCF3)から1工程で得られることが記載されており、当該ペルフルオロアリルフルオロスルフェートから、様々な化合物が合成可能であることが報告されている。
<1>下記一般式Iで表される含フッ素ジエン化合物。
<3>塩基の存在下、下記一般式aで表される化合物と下記一般式bで表される化合物とを反応させる、下記一般式Iで表される含フッ素ジエン化合物を製造する方法。
<5>前記塩基が脂肪族3級アミンである、前記<3>又は<4>に記載の含フッ素ジエン化合物を製造する方法。
<6>前記溶媒がグライム及びニトリルの少なくともいずれか一方を含む、前記<4>又は<5>に記載の含フッ素ジエン化合物を製造する方法。
<7>下記一般式I’で表される含フッ素化合物を原料モノマーとする含フッ素重合体。
<9>前記一般式IにおけるR1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子であり、R3は水素原子、塩素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であり、R4及びR5はそれぞれ独立して、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である前記<8>に記載の含フッ素重合体。
<10>下記一般式I’で表される含フッ素化合物を含む原料モノマーを重合させる工程を含む、含フッ素重合体の製造方法。
<11>前記一般式I’で表される含フッ素化合物が下記一般式Iで表される含フッ素ジエン化合物である前記<10>に記載の含フッ素重合体の製造方法。
<12>前記一般式IにおけるR1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子であり、R3は水素原子、塩素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であり、R4及びR5はそれぞれ独立して、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である前記<11>に記載の含フッ素重合体の製造方法。
さらに、上記有用な含フッ素ジエン化合物を少ない工程数で合成可能な、低コストで効率的な製造方法が提供される。
本明細書において、ペルフルオロアルキル基とは、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換された基を意味する。また(ペル)フルオロアルキル基とは、フルオロアルキル基とペルフルオロアルキル基とを合わせた総称で用いる。すなわち該基は1個以上のフッ素原子を有するアルキル基である。
本発明の含フッ素ジエン化合物は、前記一般式Iで表される含フッ素ジエン化合物である。
一般式Iにおいて、R1~R7はそれぞれ独立して、水素原子、塩素原子、フッ素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~5のアルキル基であり、kは0または1であり、前記R1~R7のうち少なくとも1は水素原子である。
一般式Iにおいて、R1~R7のうち少なくとも1は水素原子であることから、本発明の含フッ素ジエン化合物は部分フッ素化された化合物であり、ペルフルオロ化合物ではない。
R3は水素原子、塩素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であることが含フッ素ジエン化合物の重合反応性が高くなるので好ましい。
R4及びR5はそれぞれ独立して、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であることが後述する式(a)で表される化合物(化合物a)が安定となるので好ましい。R4又はR5がフッ素原子である場合、フッ化水素(HF)として脱離しやすくなることから、構造が不安定になりやすい。
R6及びR7はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子であることが原料の入手がしやすく、重合反応性も高いので好ましい。
本発明の一般式Iで表される含フッ素ジエン化合物は、塩基の存在下、好ましくは溶媒存在下で、下記一般式aで表される化合物(化合物a)と下記一般式bで表される化合物(化合物b、ペルフルオロアリルフルオロスルフェート)とを反応させることにより合成することができる。
得られた化合物bに対して塩基の存在下で化合物aがアルコキシドと同様に振る舞い、下記スキームに示すように求核試薬(Nu-)として反応し、フルオロ硫酸イオンが脱離して、化合物aと化合物bの反応が進行する。
脂肪族3級アミンとしては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等が挙げられる。3級アミンは環構造を含有していてもよく、分子内に複数の3級アミン構造を有していてもよい。
反応時間は特に限定されないが、例えば1時間~1日程度であり、ガスクロマトグラフィー等を用いて得られた化合物の同定を行い、その結果を見ながら反応を停止させてもよい。
反応雰囲気は、不活性ガス雰囲気が好ましい。不活性ガスとしては、窒素、アルゴンが挙げられる。
安定剤は塩基性物質が好ましく、無機塩基、有機塩基のいずれも使用可能である。無機塩基としては、例えばNaHCO3、KHCO3、Na2CO3、K2CO3、Mg0.7Al0.3O1.15等が挙げられる。また、有機塩基としては、例えば脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミンが挙げられる。
また、含フッ素ジエン化合物は窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で保管されるのが好ましい。安定剤として添加された無機塩基は、重合前にろ過または真空蒸留により分離除去することができる。
一般式I’で表される含フッ素化合物を原料モノマーとして重合することにより、含フッ素重合体が得られる。一般式I’で表される含フッ素化合物は環化重合反応性を有しており、主鎖に環構造を有する含フッ素重合体が得られる。
一般式I’において、R11~R17のうち少なくとも1は水素原子であることから、上記含フッ素化合物は部分フッ素化された化合物であり、ペルフルオロ化合物ではない。
一般式I’で表される含フッ素化合物としては、一般式Iで表される含フッ素ジエン化合物が好ましい。
R13は水素原子、塩素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であることが含フッ素化合物の重合反応性が高くなるので好ましい。
R14及びR15はそれぞれ独立して、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であることが、一般式I’で表される含フッ素化合物を製造する際の原料となる化合物が安定となるので好ましい。R14又はR15がフッ素原子である場合、フッ化水素(HF)として脱離しやすくなることから、構造が不安定になりやすい。
R16及びR17はそれぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子であることが、重合反応性に富み、原料の入手や合成が容易となるので好ましい。
そのため、一般式I’で表される含フッ素化合物の分子量は188以上が好ましく、光硬化材料や熱硬化材料として用いる場合には400以上がより好ましい。また、硬化反応性の点から、上限は5000以下が好ましく、2000以下がより好ましく、1000以下がさらに好ましい。モノマー精製は蒸留で行うことが容易であり好ましい。蒸留精製のためには蒸気圧を確保するという観点から、一般式I’で表される含フッ素化合物の分子量は1000以下が好ましく、更に好ましくは700以下であり、500以下が特に好ましい。
重合体は1種のモノマーを重合して得たホモポリマーでもよく、複数種のモノマーを重合して得たコポリマー(共重合体)でもよい。1種のモノマーから複数種の繰り返し単位(例えば、5員環構造と6員環構造)が生成する場合もある。
一般式I’のk=0で表されるモノマーと共重合するモノマーは一般式I’で表される構造を有する他のモノマーであってもよいし、一般式I’で表される構造を有しない他のモノマーであってもよい。
一般式I’のk=1で表されるモノマーと共重合するモノマーは一般式I’で表される構造を有する他のモノマーであってもよいし、一般式I’で表される構造を有しない他のモノマーであってもよい。
Tgが高すぎると加熱溶融成形やアニール時の温度がかなり高くなるため、成形加工装置や対象物品の周辺材料への影響が懸念され、投入するエネルギーの観点からも好ましくない。Tgは示差走査熱量計(DSC)により測定することができる。高いTgを与えるモノマーとしては、下記構造を有するモノマーが好ましい。
Tdは270℃以上が好ましく、300℃以上がより好ましく、350℃以上が更に好ましい。上限は特に限定されないが、一般に含フッ素重合体のTdは500℃以下である。
空気中でのTdよりも窒素など不活性ガス中でのTdのほうが高い場合には、真空中または不活性ガス雰囲気にすれば、空気中よりも高温に曝すことができる。
溶媒として、例えば、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル、ジクロロメタン、ペルフルオロベンゼン等に可溶であることが好ましい。
含フッ素重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて重合体溶液の条件下で測定することができるが、開始剤の量や連鎖移動剤の種類と量、重合温度等により制御することができる。
本発明の含フッ素重合体の製造方法は、一般式I’で表される含フッ素化合物を含む原料モノマーを重合させる工程を含む。具体的には、例えば、原料モノマーを溶媒に溶解させ、開始剤の添加により反応を進行させることで合成することができる。
水酸基や架橋部位となるエポキシ基などの官能基を有するモノマーを共重合することもできる。水酸基を有するモノマーとしては、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル等が挙げられる。エポキシ基を有するモノマーとしてはグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルアリルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、(3-エチルオキセタンー3-イル)メチルメタクリレート等を挙げることができる。無水マレイン酸、イタコン酸無水物、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物などのラジカル重合反応性の二重結合を有する酸無水物を共重合することもできる。
原料のモノマーとしては、一般式I’で表される含フッ素化合物を主モノマーとして用いてもよいし、コモノマーとして用いてもよいが、主モノマーとして用いることが低屈折率、低誘電率、化学耐久性、撥液性向上の点から好ましい。また、他のオレフィン化合物を2種以上用いることで、3元系以上の多元共重合体とすることもできる。
重合は、ラジカルが生起する条件で行われる。ラジカルを生起させる方法としては、紫外線、γ線、電子線等の放射線を照射する方法、ラジカル開始剤を添加する方法等が挙げられる。重合反応器中でラジカル開始剤を添加する場合の重合温度は、通常、10~150℃、好ましくは15~100℃であり、重合時間は、通常1~24時間、好ましくは2~10時間である。また、光ラジカル開始剤を用いて、可視光や紫外線を照射して重合することもできる。塗膜の硬化で放射線照射の場合の照射時間は、0.1秒~10分程度で、通常は1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどの光ラジカル開始剤が添加される。
溶液重合法においては、溶媒中にモノマー、非イオン性のラジカル開始剤等を添加し、溶媒中にてラジカルを生起させてモノマーの重合を行う。モノマーおよび開始剤の添加は、一括添加であってもよく、逐次添加であってもよく、連続添加であってもよい。
懸濁重合法においては、水を分散媒として用い、該分散媒中にモノマー、および非イオン性のラジカル開始剤等を添加し、モノマーの重合を行う。
非イオン性のラジカル開始剤としては、ビス(フルオロアシル)ペルオキシド類、ビス(クロロフルオロアシル)ペルオキシド類、ジアルキルペルオキシジカーボネート類、ジアシルペルオキシド類、ペルオキシエステル類、ジアルキルペルオキシド類、ビス(フルオロアルキル)ペルオキシド類、アゾ化合物類等が挙げられる。懸濁重合法においては、助剤として前記溶媒を、懸濁粒子の凝集を防ぐ分散安定剤として界面活性剤等をそれぞれ添加してもよい。
また原料モノマーが液体である場合(加熱して液化する場合も含む)は、溶媒を用いないでバルク重合とすることもできる。
イオン液体としては、例えば、各種ピリジニウム塩、各種イミダゾリウム塩等を用いることができる。
連鎖移動剤としては分子量調整剤として炭化水素系化合物が好ましく、ヘキサン、メタノール、イソプロピルアルコール、モノグライム等を挙げることができる。
停止剤としてはパラベンゾキノン、2,5-ジ-tert-ブチルベンゾキノン等のキノン類、ハイドロキノン、4-メトキシフェノール、2-(1,1-ジメチルエチル)-4,6-ジメチルフェノール等のフェノール類、フェノチアジン、チオ尿素、N,N-ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム等の含イオウ化合物類、N-ニトロソジフェニルアミン、N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等のニトロソ化合物類、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル等のピペリジン-1-オキシル類、酢酸銅、ジアルキルジチオカルバミン酸銅、酢酸マンガン等の遷移金属化合物類等を使用することができる。
また、原料モノマーを開始剤や溶媒と共に反応容器に投入した後に凍結脱気等を行うことで、開始剤や溶媒等と共に脱気(脱酸素)を行うこともできる。窒素ガスなどの不活性ガスによる加圧とパージを繰り返すことで脱酸素することもできる。必要に応じて、パージ後に減圧にしても良い。減圧操作と常圧の不活性ガス(例えば窒素ガス)導入を繰り返すことで脱酸素することもできる。
共重合体を合成する場合には、原料となる2種以上のモノマーを反応容器にあらかじめ混合してから投入しても、別々に投入しても構わない。
重合反応を終えた後、残モノマーは公知の方法により取り除くことができ、目的物である含フッ素重合体は公知の方法で単離することができる。
本実施例において、合成した含フッ素ジエン化合物及び含フッ素重合体の諸特性は下記により評価した。
(構造解析)
得られた化合物及び重合体の構造は日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置(JNM-AL300またはECA600)により1H-NMR、13C-NMR、19F-NMR測定や、それらの二次元NMRを用いた解析を行うことで同定した。実施例記載の1H-NMRおよび19F-NMRのケミカルシフトの基準物質は、それぞれテトラメチルシラン、CFCl3である。
(重量平均分子量)
ポリマーの重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定装置(東ソー製、HLC-8320GPC)を用い、PMMA換算の重量平均分子量を求めた。溶媒は、アサヒクリンAK-225 SECグレード-1、AGC社製を用いた。カラムは、PLgel 5μm MIXED-C(ポリマーラボラトリー社製)を2本直列につなぎ合わせて用いた。測定温度は40℃とした。検出器は、蒸発光散乱検出器を用いた。
(熱分解温度Td)
示差熱重量同時測定装置 STA7200(日立ハイテクサイエンス)を用いて、乾燥空気中または窒素中、10℃/分で昇温して、3%重量減少温度Td(3%)を求めた。
(ガラス転移温度Tg)
Tgの測定には、DSC装置(ティー・エイ・インスツルメント社製、装置名:Q100、または、NETZSCH社製、装置名:DSC 204 F1 Phoenix)を用いた。ポリマーを示差走査熱量計(DSC)用のアルミニウム製容器に入れて、実測されたTgよりも少なくとも30℃以上高い温度まで昇温した後、10℃/分で-50℃まで冷却した。次いで、10℃/分で昇温して転移終了時よりも少なくとも30℃以上高い温度まで加熱し、DSC曲線を描いてTg(中間点ガラス転移温度)を求めた。
なお、実施例2-1~2-14、2-16で製造したポリマーのガラス転移温度はティー・エイ・インスツルメント社製装置を用い、実施例2-15、2-17~2-21で製造したポリマーのガラス転移温度はNETZSCH社製装置を用いて測定した。
(試薬)
PFAS:ペルフルオロアリルフルオロスルフェート(CF2=CFCF2OSO2F)
(モノマー)
FHDAE:CH2=CHCH2OCF2CF=CF2
1M-FHDAE:CH3-CH=CHCH2OCF2CF=CF2
2M-FHDAE:CH2=C(CH3)CH2OCF2CF=CF2
3M-FHDAE:CH2=CHCH(CH3)OCF2CF=CF2
33DFM-FHDAE:CH2=CHC(CF3)2OCF2CF=CF2
FHBAE:CH2=CHCH2CH2OCF2CF=CF2
44DFM-FHBAE:CH2=CHCH2C(CF3)2OCF2CF=CF2
C6FMA:CH2=C(CH3)COO(CH2)2(CF2)6F
(ラジカル開始剤)
IPP:ジイソプロピルペルオキシジカーボネート
PFBPO:ペルフルオロベンゾイルペルオキシド(下記式で表される化合物)
HCFC-225cb:CClF2CF2CHClF
還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えた50mLの四つ口丸底フラスコに、窒素雰囲気下でモレキュラーシーブ4Aで脱水したジグライム(13.5g)、炭酸ナトリウム(1.09g、10.3mmol)及びアリルアルコール(9.00g、155mmol)を仕込み、撹拌子で撹拌しながら、氷水で内温を5℃以下まで冷却した。内温を15℃以下に保ちながら、PFAS(4.50g、19.6mmol)を15分かけて滴下した。滴下終了時の内温は2℃であった。氷水バスから氷を取り除いて5時間撹拌すると内温は12℃であった。反応液のガスクロマトグラフ(GC)分析からFHDAEの反応収率を求めたところ65%であった。
FHDAEと副生したジアリルエーテル(CH2=CHCH2OCH2CH=CH2)の面積比率は26:1であった。なお、反応収率は、あとで蒸留精製して得たFHDAEとジグライムを使用して求めたガスクロマトグラフピークの感度比を用いて算出した。PFASの反応率は100%であった。同様の反応を行い、反応液を3回水洗し、モレキュラーシーブ4Aで乾燥して4,4’-ビピリジルを添加して蒸留したところ、沸点45.8℃/26.6kPaで、GC純度99%以上のFHDAEを得た。
19F-NMR(CDCl3):δ(ppm)-73.7(2F),-95.3(1F)、-107.4(1F)、-189.4(1F)。
還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えた4つ口200mLの丸底フラスコに、窒素雰囲気下でモレキュラーシーブ4Aで脱水したテトラグライム(60.8g)、トリエチルアミン(10.7g、106mmol)及びアリルアルコール(6.13g、106mmol)を仕込み、撹拌子で撹拌しながら、氷水で内温を5℃以下まで冷却した。内温を10℃以下に保ちながら、PFAS(20.3g、88.0mmol)を30分かけて滴下した。滴下終了時の内温は7℃であった。氷水バスから氷を取り除いて5時間撹拌すると内温は18℃であった。反応液のGC分析より、PFASの反応率は100%で、FHDAEの反応収率は71%であった。ジアリルエーテルは生成していなかった。なお、反応収率は、蒸留精製して得たFHDAEとテトラグライムを用いて求めたガスクロマトグラフピークの感度比を用いて算出した。
還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えた4つ口200mLの丸底フラスコに、窒素雰囲気下でモレキュラーシーブ4Aで脱水したテトラグライム(60.8g)、トリプロピルアミン(15.1g、106mmol)、及びアリルアルコール(6.13g、106mmol)を仕込み、撹拌子で撹拌しながら、氷水で内温を5℃以下まで冷却した。内温を10℃以下に保ちながら、PFAS(20.3g、88.0mmol)を25分かけて滴下した。滴下終了時の内温は8℃であった。氷水バスから氷を取り除いて1時間撹拌すると内温は15℃であった。引き続き室温で一晩反応させた。
滴下ロートと還流冷却器を取り外し、4つ口フラスコに室温の水浴をセットし、ドライアイス-エタノールで冷却した冷却トラップと液体窒素で冷却した冷却トラップを介して真空ポンプに接続し、撹拌しながら低沸点成分を冷却トラップに抜き出した。ドライアイス-エタノールに少量のトリプロピルアミンを含有するFHDAE13.7gが得られた。ジアリルエーテルは含まれていなかった。この粗生成物を1N HClで処理した後、水洗することで、トリプロピルアミンを含有しないFHDAEがGC純度99.5%で得られた。目的物の収量は12.2g、単離収率は74%であった。
還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えた4つ口1Lの丸底フラスコに、窒素雰囲気下でモレキュラーシーブ4Aで脱水したテトラグライム(182g)、トリプロピルアミン(45.4g、317mmol)及びβ-メタリルアルコール(22.8g、317mmol)を仕込み、撹拌子で撹拌しながら、氷水で内温を5℃以下まで冷却した。内温を10℃以下に保ちながら、PFAS(60.8g、264mmol)を40分かけて滴下した。滴下終了時の内温は9℃であった。氷水バスから氷を取り除いて1時間撹拌すると内温は16℃であった。引き続き室温で一晩反応させた。反応液のGC分析より、PFASの反応率は100%で、2M-FHDAEの反応収率は81%であった。なお、反応収率は、あとで蒸留精製して得た2M-FHDAEとテトラグライムを使用して求めたガスクロマトグラフピークの感度比を用いて算出した。反応後水洗し、1N HClで処理した後に再度水洗、蒸留を行った。沸点52.4℃/16kPaで、GC純度99.5%以上の2M-FHDAEを得た。
19F-NMR(CDCl3):δ(ppm)-73.7(2F),-95.2(1F),-107.4(1F),-189.4(1F)。
還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えた4つ口200mLの丸底フラスコに、窒素雰囲気下でモレキュラーシーブ4Aで脱水したテトラグライム(60.8g)、トリプロピルアミン(15.1g、106mmol)及びクロチルアルコール(7.62g、106mmol)を仕込み、撹拌子で撹拌しながら、氷水で内温を5℃以下まで冷却した。内温を10℃以下に保ちながら、PFAS(20.3g、88.0mmol)を40分かけて滴下した。滴下終了時の内温は9.8℃であった。氷水バスから氷を取り除いて1時間撹拌すると内温は16℃であった。引き続き室温で一晩反応させた。反応後水洗し、1N HClで処理した後に再度水洗を行った。その結果、GC純度89%の1M-FHDAEを収率67%で得た。
19F-NMR(CDCl3):δ(ppm)-73.5(2F)、-95.5(1F),-107.5(1F)、-189.2(1F)。
還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えた4つ口300mLの丸底フラスコに、窒素雰囲気下でモレキュラーシーブ4Aで脱水したテトラグライム(91.1g)、トリエチルアミン(16.0g、158mmol)及び1-ブテン-3-オール(8.57g、119mmol)を仕込み、撹拌子で撹拌しながら、氷水で内温を10℃以下まで冷却した。内温を10℃以下に保ちながら、PFAS(30.4g、6132mmol)を45分かけて滴下した。滴下終了時の内温は7℃であった。滴下終了して30分後に氷水バスから氷を取り除いて30分撹拌すると内温は7℃であった。引き続き室温で一晩反応させた。PFASを0.9g(4mmol)添加して室温で1日撹拌したところ、PFASの反応率は100%であった。
滴下ロートと還流冷却器を取り外し、4つ口フラスコに室温の水浴をセットし、ドライアイス-エタノールで冷却した冷却トラップと液体窒素で冷却した冷却トラップを介して真空ポンプに接続し、撹拌しながら低沸点成分を冷却トラップに抜き出した。水浴温度を室温(約20℃)で1時間保持した後、水浴温度を30℃、40℃、50℃に順に上げてそれぞれの温度で30分、60℃で2時間保持した。ドライアイス-エタノール冷却トラップに少量のトリエチルアミンを含有する3M-FHDAE21.4gを得た。この粗生成物を1N HClで処理した後、水洗することで、トリエチルアミンを含有しない3M-FHDAEをGC純度96.9%で得た。目的物の収量は15.6g、単離収率は65%であった。
19F-NMR(CDCl3):δ(ppm)-73.0(2F)、-95.8(1F),-107.5(1F),-188.9(1F)。
還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えた4つ口200mLの丸底フラスコに、窒素雰囲気下でモレキュラーシーブ4Aで脱水したテトラグライム(45.6g)、トリプロピルアミン(11.4g、79.2mmol)及びCH2=CHC(CF3)2OH(SYNQUEST LABORATORIES製)(15.4g、79.2mmol)を仕込み、撹拌子で撹拌しながら、氷水で内温を5℃以下まで冷却した。内温を10℃以下に保ちながら、PFAS(15.2g、66.0mmol)を20分かけて滴下した。滴下終了時の内温は8℃であった。15分後に内温は4℃に低下した。氷水バスから氷を取り除いて1時間撹拌すると内温は6℃であった。引き続き室温で一晩反応させた。
滴下ロートと還流冷却器を取り外し、4つ口フラスコに室温の水浴をセットし、ドライアイス-エタノールで冷却した冷却トラップと液体窒素で冷却した冷却トラップを介して真空ポンプに接続し、撹拌しながら低沸点成分を冷却トラップに抜き出した。この粗生成物を1N HClで処理した後、水洗することで、トリプロピルアミンを含有しない33DFM-FHDAE(沸点52℃/13.3kPa)がGC純度98.6%で得られた。目的物の収量は13.9g、単離収率は65%であった。
19F-NMR(CDCl3):δ(ppm)-65.3(2F)、-74.3(6F),-93.2(1F),-105.8(1F)、-189.5(1F)。
還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えた4つ口200mLの丸底フラスコに、窒素雰囲気下でモレキュラーシーブ4Aで脱水したテトラグライム(45.6g)、トリエチルアミン(8.02g、79.2mmol)及び3-ブテン-1-オール(4.28g、59.4mmol)を仕込み、撹拌子で撹拌しながら、氷水で内温を5℃以下まで冷却した。内温を10℃以下に保ちながら、PFAS(15.2g、66.0mmol)を30分かけて滴下した。滴下終了時の内温は6℃であった。滴下終了して15分後に氷水バスから氷を取り除いて45分撹拌すると内温は9℃であった。引き続き室温で一晩反応させた。反応液のGC分析より、PFASの反応率は100%であった。
滴下ロートと還流冷却器を取り外し、4つ口フラスコに室温の水浴をセットし、ドライアイス-エタノールで冷却した冷却トラップと液体窒素で冷却した冷却トラップを介して真空ポンプに接続し、撹拌しながら低沸点成分を冷却トラップに抜き出した。水浴温度を室温(約20℃)で1時間保持した後、水浴温度を30℃、40℃、50℃に順に上げてそれぞれの温度で30分、60℃で2時間保持した。ドライアイス-エタノール冷却トラップに少量のトリエチルアミンを含有するFHBAE10.9gを得た。この粗生成物を1N HClで処理した後、水洗することで、トリエチルアミンを含有しないFHBAEをGC純度99.0%で得た。目的物の収量は7.6g、単離収率は64%であった。
1H-NMR(CDCl3):δ(ppm)2.44(2H)、4.02(2H)、5.13(2H)、5.79(1H)
19F-NMR(CDCl3):δ(ppm)-73.9(2F)、-95.4(2F)、-107.4(1F),-189.4(1F)。
還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えた4つ口500mLの丸底フラスコに、窒素雰囲気下でモレキュラーシーブ4Aで脱水したテトラグライム(136.7g)、トリエチルアミン(24.1g、238mmol)及び1,1-ビス(トリフルオロメチル)-3-ブテン-1-オール(37.1g、178mmol)を仕込み、撹拌子で撹拌しながら、氷水で内温を5℃以下まで冷却した。内温を10℃以下に保ちながら、PFAS(45.6g、198mmol)を1時間かけて滴下した。滴下終了して30分後に氷水バスから氷を取り除いて引き続き室温で一晩撹拌した。反応液のGC分析より、PFASの反応率は100%であった。
滴下ロートと還流冷却器を取り外し、4つ口フラスコに室温の水浴をセットし、ドライアイス-エタノールで冷却した冷却トラップと液体窒素で冷却した冷却トラップを介して真空ポンプに接続し、撹拌しながら低沸点成分を冷却トラップに抜き出した。水浴温度を室温で2時間保持した後、40℃に昇温して2時間保持した。ドライアイス-エタノール冷却トラップに少量のトリエチルアミンを含有する44DFM-FHBAE60.1gを得た。この粗生成物を1N HClで処理した後、3.0N食塩水で洗浄した。下層を分液採取してトリエチルアミンを含有しない44DFM-FHBAEをGC純度97.9%で得た。目的物の収量は53.7g、単離収率は90%であった。
減圧蒸留により、純度99.5%以上の目的生成物を蒸留収率68%で得た。沸点は59℃/6.7kPaであった。
1H-NMR(CDCl3):δ(ppm)3.11(2H)、5.30(2H)、5.83(1H)
19F-NMR(CDCl3):δ(ppm)-66.3(2F)、-73.8(6F、)、-93.2(1F)、-105.5(1F),-189.6(1F)。
内容積120mLのハステロイ製オートクレーブに、2M-FHDAE(6.00g)を仕込んだ。イソプロピルアルコール(0.93g)をHCFC-225cbで10倍に希釈して加え、次に、IPP(48mg)をHCFC-225cbで200倍に希釈した液を加え、最後にHCFC-225cbを加えて、仕込んだHCFC-225cbの全量を53.02gとした。
液体窒素を用いて凍結脱気を2回繰り返した後、約0℃まで戻し、窒素ガスを0.3MPaG(Gはゲージ圧を示す)まで導入した。オートクレーブをウォーターバスにセットし、内温を40℃に保持しつつ、6時間撹拌した後、オートクレーブを氷水に浸けて、20℃以下まで冷却した。
反応液をオートクレーブからビーカーに移し替え、HCFC-225cbの洗液と合わせて内容物の全量を104gとした。30分間撹拌後、n-ヘキサン126gを添加してさらに30分間撹拌した。減圧ろ過したのち、得られた固形分に酢酸エチルを加えて全量を58gとした。30分撹拌した後、n-ヘキサン126gを添加してポリマーを凝集し、減圧ろ過した。酢酸エチルとn-ヘキサンを用いた同様の操作をもう1回繰り返した。
60℃で一晩真空乾燥して白色のポリマー4.72gを得た。重量平均分子量は40,100、空気中のTd(3%)は316℃、窒素中のTd(3%)は415℃、Tgは176℃であった。
1H-,13C-,19F-NMRとそれらの二次元NMRを用いた解析により、得られたポリマーは、下記に示す繰返し単位からなるホモポリマーであることが確認された。
実施例2-1における仕込みの各条件を表1に記載の条件に変更した以外は実施例2-1と同様にして、2M-FHDAEポリマーを重合した。得られたポリマー収量、重量平均分子量、熱分解開始温度及びガラス転移温度も表1に示した。
なお、実施例2-6のポリマーは、ポリマー濃度3質量%において、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジクロロメタン、ペルフルオロベンゼンのすべてに溶解した。
実施例2-6のポリマーを濃度10質量%で酢酸エチルとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの混合溶媒(この順に質量比4:1)に溶解した。PFAシャーレを用いて室温でキャストして一晩放置し、60℃で2時間乾燥した後、220℃で30分アニールし、更に220℃で熱プレスすることにより表面が平滑な厚さ約100μmの無色透明な膜を得た。島津製作所社製UV-3100を用いて200nm~1700nmの吸収スペクトルを測定したところ、400~1700nmにおいて吸収は認められなかった。
上述の実施例2-6の膜について、屈折率測定装置(米国メトリコン社製プリズムカプラ:2010/M)を用いて、膜の波長473nm、594nmおよび658nmの光に対する屈折率を測定し、装置付属のMetricon Fitを用いて波長589nmの光に対する屈折率を算出したところ、屈折率は1.41(589nm)であった。
上述の実施例2-6の膜について、装置付属のMetricon Fitを用いて波長486nm、589nm、および656nmにおける屈折率を算出し、下式(I)からアッベ数を算出したところ、アッベ数は57.26であった。
νD=(nD-1)/(nF-nC) (I)
ただし、νDは、アッベ数であり、nDは、波長589nmの光に対する屈折率であり、nFは、波長486nmの光に対する屈折率であり、nCは、波長656nmの光に対する屈折率である。
内容積120mLのハステロイ製オートクレーブに、2M-FHDAE(3.00g)を仕込んだ。イソプロピルアルコール(3.73g)を加え、次に、IPP(38mg)をHCFC-225cbで20倍に希釈した液を加え、最後にHCFC-225cbを加えて、仕込んだHCFC-225cbの全量を52.89gとした。以下、実施例2-1と同様にして重合、後処理を行い、白色のポリマー1.44gを得た。重量平均分子量は7,400、空気中のTd(3%)は307℃、Tgは154℃であった。
内容積120mLのハステロイ製オートクレーブに、2M-FHDAE(3.00g)を仕込んだ。CF3(CF2)3-I(6.44g)を加え、次に、IPP(38mg)をHCFC-225cbで200倍に希釈した液を加え、最後にHCFC-225cbを加えて、仕込んだHCFC-225cbの全量を50.52gとした。以下、実施例2-1と同様にして重合、後処理を行い、白色のポリマー2.15gを得た。重量平均分子量は12,200、空気中のTd(3%)は296℃、Tgは157℃であった。
次に、国際公開第2017/086465号記載の方法に従って、以下のようにして、末端基を安定化した。
内容積120mLのハステロイ製オートクレーブに、得られたポリマー1.35gをHCFC-225cb(40.00g)に溶解して仕込んだ。次に、IPP(38mg)とHCFC-225cb(5.50g)とn-ヘキサン(0.675g)の混合液を添加し、さらにHCFC-225cbを添加して、仕込み液の全量を67.50gにした。
液体窒素を用いて凍結脱気を2回繰り返した後、約0℃まで戻し、窒素ガスを0.3MPaGまで導入した。オートクレーブをウォーターバスにセットし、内温を70℃に保持しつつ、7時間撹拌した後、放冷した。
内容物をHCFC225cbの洗液と共にナスフラスコに移し、内容物が27.0gになるまでエバポレーターで濃縮した。n-ヘキサンで凝集、ろ過した後、得られた固形分にHCFC225cbを加えて全量を27gにして撹拌して溶解させた。この凝集、ろ過、溶解の操作を繰り返した後、n-ヘキサンで凝集して60℃で18時間真空乾燥した。得られた白色ポリマーは1.22gであった。ペルフルオロベンゼンに溶解して19F-NMRを測定したところ、IPP/n-ヘキサンで処理する前にあったポリマー末端の-40~-50ppmの-CF2-Iに基づくピークが消失していた。
内容積120mLのハステロイ製オートクレーブに、2M-FHDAE(6.00g)を仕込んだ。次に、IPP(24mg)を酢酸エチルで400倍に希釈した液を加え、最後に酢酸エチルを加えて、仕込んだ酢酸エチルの全量を53.98gとした。
液体窒素を用いて凍結脱気を2回繰り返した後、約0℃まで戻し、窒素ガスを0.3MPaGまで導入した。オートクレーブをウォーターバスにセットし、内温を40℃に保持しつつ、6時間撹拌した後、オートクレーブを氷水に浸けて、20℃以下まで冷却した。
反応液をオートクレーブからビーカーに移し替え、酢酸エチルの洗液と合わせて内容物の全量を70gとした。30分間撹拌後、n-ヘキサン153gを添加してさらに30分間撹拌した。減圧ろ過したのち、得られた固形分に酢酸エチルを加えて全量を70gとした。30分撹拌した後、n-ヘキサン153gを添加してポリマーを凝集し、減圧ろ過した。酢酸エチルとn-ヘキサンを用いた同様の操作をもう1回繰り返した。
60℃で一晩真空乾燥して白色のポリマー5.05gを得た。重量平均分子量は62,200、空気中のTd(3%)は304℃、窒素中のTd(3%)は386℃、Tgは188℃であった。
撹拌子を入れた50mlの3つ口フラスコにFHDAE(3.00g)を添加し、イソプロピルアルコール(0.47g)をHCFC-225cbで10倍に希釈して加え、次に、IPP(96mg)をHCFC-225cbで100倍に希釈した液を加え、最後にHCFC-225cbを加えて、仕込んだHCFC-225cbの全量を26.44gとした。
ジムロート冷却器を装着し、液体窒素を用いて凍結脱気を2回繰り返した後、約0℃まで戻し、系内に窒素ガスを導入した。窒素シールした状態で40℃に加温して6時間撹拌した。氷水で冷却後、内容物をビーカーに移した。HCFC-225cbの洗液と合わせて内容物の全量は52gであった。
30分撹拌後n-ヘキサン63gを添加してさらに30分撹拌した。減圧ろ過後、酢酸エチルを加えて全量を41gにして30分撹拌した。n-ヘキサン88gを添加して30分撹拌して減圧ろ過をした。酢酸エチルとn-ヘキサンを用いた同様の操作をもう1回繰り返した。
60℃で一晩真空乾燥して白色のポリマー2.21gを得た。得られたポリマーの空気中の熱分解温度Td(3%)は301℃であった。このポリマーはアセトンに0.5質量%の濃度で溶解した。
得られるポリマーは下記に示す繰り返し単位を含むものとなる。
内容積120mLのハステロイ製オートクレーブに、3M-FHDAE(6.00g)を仕込んだ。IPP(120mg)をHCFC-225cbで100倍に希釈した液を加え、最後にHCFC-225cbを加えて、仕込んだHCFC-225cbの全量を53.88gとした。以下、重合温度を45℃にした以外は、実施例2-1と同様にして重合した。内容物をビーカーに移し、HCFC-225cbによる洗浄液をそれに加えた。全量は115gであった。30分撹拌した後、メタノール172gを添加してポリマーを凝集させ、30分撹拌してろ過した。得られたポリマーをHCFC-225cbの93gに溶解し、142gのメタノールでポリマーを凝集してろ過した。同様の操作をもう一回繰り返した後、60℃で16時間真空乾燥した。白色のポリマー5.17gを得た。重量平均分子量は54,800、空気中のTd(3%)は352℃、窒素中のTd(3%)は405℃、Tgは103℃であった。
得られるポリマーは下記に示す繰り返し単位を含むものとなる。
内容積30mLのハステロイ製オートクレーブに、33DFM-FHDAE(3.00g)を仕込んだ。次に、PFBPO(75mg)をHCFC-225cbで40倍に希釈した液を加え、最後にHCFC-225cbを加えて、仕込んだHCFC-225cbの全量を11.93gとした。
液体窒素を用いて凍結脱気を2回繰り返した後、約0℃まで戻し、窒素ガスを0.3MPaGまで導入した。オートクレーブをオイルバスにセットし、内温を80℃に保持しつつ、6時間撹拌した後、オートクレーブを氷水に浸けて、20℃以下まで冷却した。得られた反応液は、無色透明の液体であった、
上記反応液をオートクレーブからビーカーに移し替え、撹拌しながら、n-ヘキサン17.5gを添加してさらに30分間撹拌した。減圧ろ過したのち、得られた固形分にHCFC-225cbを加えて全量を29gとした。30分撹拌した後、n-ヘキサン38gを添加してポリマーを凝集し、減圧ろ過した。HCFC-225cbとn-ヘキサンを用いた同様の操作をもう1回繰り返した。
60℃で32時間真空乾燥して白色のポリマー2.78gを得た。重量平均分子量は20,300、空気中のTd(3%)は389℃、Tgは119℃であった。
得られるポリマーは下記に示す繰り返し単位を含むものとなる。
内容積120mLのハステロイ製オートクレーブに、FHBAE(6.00g)を仕込んだ。IPP(120mg)をHCFC-225cbで100倍に希釈した液を加え、最後にHCFC-225cbを加えて、仕込んだHCFC-225cbの全量を53.88gとした。以下、重合温度を45℃にした以外は、実施例2-1と同様にして重合、後処理を行い、白色のポリマー2.4gを得た。重量平均分子量は10,300、空気中のTd(3%)は323℃、窒素中のTd(3%)は372℃、Tgは124℃であった。得られたポリマーはHCFC-225cb、アセトンに溶解した。
得られるポリマーは下記に示す繰り返し単位を含むものとなる。
内容積120mLのハステロイ製オートクレーブに、44DFM-FHBAE(6.00g)を仕込んだ。IPP(24mg)をHCFC-225cbで400倍に希釈した液を加え、最後にHCFC-225cbを加えて、仕込んだHCFC-225cbの全量を53.98gとした。以下、実施例2-1と同様にして重合、後処理を行い、白色のポリマー5.01gを得た。重量平均分子量は318,200、空気中のTd(3%)は369℃、窒素中のTd(3%)は433℃、Tgは145.5℃であった。得られたポリマーはアセトン、テトラヒドロフラン、HCFC-225cbに溶解した。
得られるポリマーは下記に示す繰り返し単位を含むものとなる。
内容積120mLのハステロイ製オートクレーブに、FHDAE2.30g(12.2mmol)と2M-FHDAE3.70g(18.3mmol)を仕込んだ。イソプロピルアルコール(0.466g)をHCFC-225cbで20倍に希釈して加え、IPP(24mg)をHCFC-225cbで100倍に希釈した液を加え、最後にHCFC-225cbを加えて、仕込んだHCFC-225cbの全量を53.51gとした。以下、実施例2-1と同様にして重合を行った。内容物をビーカーに移し、HCFC-225cbによる洗浄液もそれに加えた。全量は95gであった。これに良溶媒である酢酸エチルを20g添加して30分撹拌した。139gのn-ヘキサンを加えてポリマーを凝集させて30分撹拌した。ろ過後、得られた固体を撹拌しながら39gの酢酸エチルに溶解して、86gのn-ヘキサンで凝集し、ろ過をした。酢酸エチルに溶解、n-ヘキサンで凝集させる操作をもう一度繰り返し、ろ過後60℃で16時間真空乾燥した。白色のポリマー3.38gを得た。重量平均分子量は95,300、空気中のTd(3%)は303℃、窒素中のTd(3%)は423℃、Tgは166℃であった。
得られるポリマーは下記に示す繰り返し単位を含むものとなる。
内容積120mLのハステロイ製オートクレーブに、2M-FHDAE4.85g(24.0mmol)とC6FMA1.15g(2.67mmol)を仕込んだ。IPP(120mg)をHCFC-225cbで100倍に希釈した液を加え、最後にHCFC-225cbを加えて、仕込んだHCFC-225cbの全量を53.88gとした。以下、実施例2-1と同様にして重合を行った。内容物をビーカーに移し、HCFC-225cbによる洗浄液をそれに加えた。全量は108gであった。30分撹拌した後、メタノール166gを添加してポリマーを凝集させ、30分撹拌してろ過した。得られたポリマーをHCFC-225cbの43gに溶解し、66gのメタノールでポリマーを凝集してろ過した。同様の操作をもう一回繰り返した後、室温で16時間真空乾燥した。白色のポリマー0.78gを得た。重量平均分子量は21,200、空気中のTd(3%)は267℃、窒素中のTd(3%)は292℃、Tgは66℃であった。ペルフルオロベンゼンにポリマーを溶解して19F-NMRを測定したところ、2M-FHDAEとC6FMAの繰り返し単位の比率は、57:43であった。
得られるポリマーは下記に示す繰り返し単位を含むものとなる。
内容積120mLのハステロイ製オートクレーブに、2M-FHDAE2.21g(10.9mmol)と(ペルフルオロヘキシル)エチレン3.79g(10.9mmol)を仕込んだ。IPP(120mg)をHCFC-225cbで100倍に希釈した液を加え、最後にHCFC-225cbを加えて、仕込んだHCFC-225cbの全量を53.88gとした。以下、重合温度を45℃にした以外は、実施例2-1と同様にして重合を行った。内容物をビーカーに移し、HCFC-225cbによる洗浄液をそれに加えた。全量は108gであった。30分撹拌した後、n-ヘキサン134gを添加してポリマーを凝集させ、30分撹拌してろ過した。得られたポリマーをHCFC-225cbの68gに溶解し、88gのn-ヘキサンでポリマーを凝集してろ過した。同様の操作をもう一回繰り返した後、60℃で24時間真空乾燥した。白色のポリマー1.84gを得た。空気中のTd(3%)は289℃、窒素中のTd(3%)は387℃、Tgは142℃であった。ペルフルオロベンゼンにポリマーを溶解して19F-NMRを測定したところ、2M-FHDAEと(ペルフルオロヘキシル)エチレンの繰り返し単位の比率は、84:16であった。
得られるポリマーは下記に示す繰り返し単位を含むものとなる。
Claims (12)
- 前記一般式IにおけるR1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子であり、R3は水素原子、塩素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であり、R4及びR5はそれぞれ独立して、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である、請求項1に記載の含フッ素ジエン化合物。
- 前記反応を溶媒存在下で行う、請求項3に記載の含フッ素ジエン化合物を製造する方法。
- 前記塩基が脂肪族3級アミンである、請求項3又は4に記載の含フッ素ジエン化合物を製造する方法。
- 前記溶媒がグライム及びニトリルの少なくともいずれか一方を含む、請求項4又は5に記載の含フッ素ジエン化合物を製造する方法。
- 前記一般式IにおけるR1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子であり、R3は水素原子、塩素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であり、R4及びR5はそれぞれ独立して、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である請求項8に記載の含フッ素重合体。
- 前記一般式IにおけるR1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子であり、R3は水素原子、塩素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であり、R4及びR5はそれぞれ独立して、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である請求項11に記載の含フッ素重合体の製造方法。
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