(第1の実施形態)
以下に添付図面を参照して、画像処理装置、情報処理システムおよび電子機器の実施形態を詳細に説明する。
学校等では、新聞を教材として活用するNIE(Newspaper in Education)活動が進められている。全国47都道府県に教育界、新聞界の代表で構成されるNIE推進協議会が設立され、地域のNIE活動の核となっている。また、近年では、新聞だけではなく、さまざまな教育用コンテンツが教材として学校で活用されている。これは、紙だけではなく、タブレットなどの携帯端末で教育用コンテンツを活用する事例も年々増えてきている。
そこで、本実施形態の情報処理システムは、学校において、ファイルサーバからMFPを介して携帯端末に教育用コンテンツ(教材、学生新聞、新聞フォーム等)を送信する場合について説明する。具体的には、例えば、教育用コンテンツを作成してファイルサーバに保存しておく。そして、学生が学校等に設置されたMFPからファイルサーバに保存されている教育用コンテンツを選択し取得する。そして、所持するタブレット等の携帯端末をMFPに近づけることでMFPが取得した教育用コンテンツが携帯端末に送信(転送)される。
これにより、外部ネットワークに接続されていない携帯端末でも、MFPを介してファイルサーバに保存された教育用コンテンツを受信でき、携帯端末において当該教育用コンテンツを活用することができる。また、教材会社などの教育用コンテンツを提供する側は、各学校にDVDに保存した教育用コンテンツを郵送するなどの作業は必要なく、ファイルサーバに当該教育用コンテンツを配置(保存)するだけで、学生の携帯端末に教育用コンテンツを提供することができる。さらに、教育用コンテンツのアップデートも容易である。
図1は、第1の実施形態にかかる情報処理システムの全体構成図である。図1に示すように、情報処理システムは、MFP100と、ファイルサーバ300とがインターネット、LAN等のIP(Internet Protocol)ネットワークであるネットワーク30を介して接続されている。ネットワーク30は、第1のネットワークの一例である。
また、MFP100と、情報処理端末200とがネットワーク70を介して接続されている。ネットワーク70は、外部のネットワークとの接続には制限があって、自由にインターネット等を閲覧したりアップロードしたりできないが、所定の範囲内(例えば、本実施形態では学校内)の独自の回線には繋がっている。ネットワーク70は、第2のネットワークの一例である。
さらに、情報処理端末200がMFP100から所定範囲内に近接した場合は、MFP100と、情報処理端末200とは、近距離無線通信の一例であるNFC(Near Field Communication)通信により接続される。
ファイルサーバ300は、画像や文書等のファイル、当該ファイルに関する情報等を保存する装置である。ファイルサーバ300は、例えば、無線LAN等によってネットワーク30に接続されている。ファイルサーバ300は、例えば、MFP100からの要求により、ファイル等を送信したり、ファイルに関する各種情報を保存する装置である。本実施形態のファイルは、上述した教育コンテンツが含まれている。ファイルサーバ300は、外部装置の一例である。
MFP100は、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、プリンタ機能などの各種機能を有する装置である。MFP100は、例えば、無線LAN等によってネットワーク30、70に接続されている。また、MFP100には、近距離無線通信の機能を有するNFCタグ150(図3等参照)が設けられている。
NFCタグ150は、近距離無線通信の機能を有し、MFP100の通信情報を記憶している。通信情報とは、MFP100が接続されたネットワークに接続するために用いる情報である。例えば、近距離無線通信の機能を有する情報処理端末200が、MFP100のNFCタグ150から所定範囲(近距離無線通信が可能な範囲)内に近接した場合、近距離無線通信によって通信情報を情報処理端末200に送信する。そして、情報処理端末200は受信した通信情報によりMFP100が接続されたネットワーク70に接続することで、MFP100とネットワーク70を介した通信が可能となる。
また、MFP100には、転送アプリケーション(以下、「転送アプリ」と称する。)がインストールされている。転送アプリは、MFP100の機能を利用して、画像データやドキュメントなどのファイルであって、ユーザにより選択されたファイル(対象ファイル)をファイルサーバ300から取得して情報処理端末200に送信するためのソフトウェアである。転送アプリは、例えば、操作部20(図3等参照)で実行されるAndroid(登録商標)上で動作するJava(登録商標)のアプリケーションである。本実施形態では、転送アプリは、MFP100にインストールするタイプのアプリケーションであるが、ブラウザアプリケーションを介してMFP100にて操作可能なWebタイプのアプリケーションでもよい。
なお、MFP100は、画像処理装置および電子機器の一例であって、プリンタ、スキャナ、コピー機、ファクシミリ装置等の単機能を有する装置であってもよい。また、電子機器は、画像処理装置のほかに、電子黒板装置、テレビ会議装置、プロジェクタ等のオフィス機器等を含む。また、図1に示す情報処理システムでは、1台のMFP100が接続されているが、MFPの台数は任意であって、2台以上設置されていてもよい。また、NFCタグ150は、利用者が情報処理端末200を近接させ易いようにMFP100に設けられていることが望ましい。
情報処理端末200は、通常のコンピュータであって、例えば、携帯可能なスマートフォンや、タブレット端末等の情報処理装置である。情報処理端末200は、例えば、近距離無線通信により受信した通信情報を用いて、無線LAN等によってネットワーク70に接続される。情報処理端末200は、例えば、MFP100から送信されたファイルを受信して表示する。情報処理端末200は、情報処理装置の一例である。
また、本実施形態の情報処理端末200は、近距離無線通信の機能を有しており、情報処理端末200をMFP100に設けられたNFCタグ150(図3等参照)から所定範囲内(例えば、10cm以内)まで近接させることにより、当該NFCタグ150とNFC通信を行う。なお、本実施形態の情報処理端末200は、近距離無線通信としてNFC通信を行う場合を説明するが、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信機能など、NFC通信以外の他の通信規格等に基づいて近距離無線通信を行ってもよい。
上記構成により、ユーザが情報処理端末200をMFP100に設けられたNFCタグ150にかざす(近接させる)ことによって、MFP100の通信情報を取得し、情報処理端末200とMFP100の間の通信を確立することができる。
従って、本実施形態では、ユーザによりMFP100においてファイルが選択され、情報処理端末200がNFCタグ150に近接されることにより、情報処理端末200とMFP100との間で通信が確立され、選択されたファイル(対象ファイル)の送信要求を送信できる。情報処理端末200からファイルの送信要求を受信したMFP100は、選択されたファイルをファイルサーバ300から取得して、取得したファイルを情報処理端末200に送信する。
次に、ファイルサーバ300のハードウェア構成について説明する。図2は、第1の実施形態のファイルサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、ファイルサーバ300は、CPU(Central Processing Unit)601と、ROM(Read Only Memory)602と、RAM(Random Access Memory)603と、HDD(Hard Disk Drive)604と、ディスプレイ605と、通信I/F(インターフェース)606と、キーボード607と、マウス608と、を備えている。
CPU601は、ファイルサーバ300全体の動作を制御する。CPU601は、RAM603をワークエリアとしてROM602またはHDD604等に格納されたプログラムを実行することで、ファイルサーバ300全体の動作を制御する。
ディスプレイ605は、文字または画像等の各種情報を表示する表示部である。ディスプレイ605は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等である。
通信I/F606は、ネットワーク30と接続してデータ通信をするためのインターフェースである。通信I/F606は、例えば、10Base-T、100Base-TXまたは1000Base-T等のEthernet(登録商標)に対応したインターフェースである。
キーボード607は、文字、数字、各種指示の選択等を行う入力装置である。マウス608は、各種指示の選択および実行、処理対象の選択等を行うための入力装置である。
上述のCPU601、ROM602、RAM603、HDD604、ディスプレイ605、通信I/F606、キーボード607、およびマウス608は、アドレスバスおよびデータバス等のバス611によって互いに通信可能に接続されている。
次に、MFP100のハードウェア構成について説明する。図3は、第1の実施形態のMFPのハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、MFP100は、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、およびプリンタ機能などの各種の機能を実現可能な本体10と、ユーザによる操作入力を受け付ける操作部20とを備えている。また、MFP100は、通信部とメモリとを内蔵するNFCタグ150が設けられている。
なお、ユーザによる操作入力を受け付けるとは、ユーザの操作に応じて入力される情報(画面の座標値を示す信号等を含む。)を受け付けることを含む概念である。本体10と操作部20は、専用の通信路40を介して相互に通信可能に接続されている。通信路40は、例えばUSB規格のものを用いることもできるが、有線か無線かを問わず任意の規格のものであってよい。
また、本体10は、操作部20で受け付けた操作入力に応じた動作を行うことができる。また、本体10は、ファイルサーバ300等の外部装置とも通信可能であり、外部装置から受信した指示に応じた動作を行うこともできる。
まず、本体10のハードウェア構成例について説明する。図3に示すように、本体10は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、HDD14と、通信I/F15と、接続I/F16と、エンジン部17とを備え、これらがシステムバス18を介して相互に接続されている。
CPU11は、本体10の動作を統括的に制御するものである。CPU11は、RAM13をワークエリア(作業領域)としてROM12またはHDD14等に格納されたプログラムを実行することで、本体10全体の動作を制御し、上述したコピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、プリンタ機能などの各種機能を実現する。
通信I/F15は、ネットワーク30、70と接続するためのインターフェースである。接続I/F16は、通信路40を介して操作部20と通信するためのインターフェースである。
エンジン部17は、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、および、プリンタ機能を実現させるための、汎用的な情報処理および通信以外の処理を行うハードウェアである。例えば、原稿の画像をスキャンして読み取るスキャナ(画像読取部)、用紙等の記録媒体への印刷を行うプリンタ(画像形成部)、ファクス通信を行うファクスなどを備えている。さらに、印刷済み記録媒体を仕分けるフィニッシャや、原稿を自動給送するADF(自動原稿給送装置:Auto Document Feeder)のような特定のオプションを備えることもできる。
次に、操作部20のハードウェア構成例について説明する。図3に示すように、操作部20は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、フラッシュメモリ24と、通信I/F25と、接続I/F26と、操作パネル27と、外部接続I/F28とを備え、これらがシステムバス29を介して相互に接続されている。
CPU21は、操作部20の動作を統括的に制御するものである。CPU21は、RAM23をワークエリア(作業領域)としてROM22またはフラッシュメモリ24等に格納されたプログラムを実行することで、操作部20全体の動作を制御し、ユーザから受け付けた入力に応じた情報(画像)の表示などの後述する各種機能を実現する。
通信I/F25は、ネットワーク30、70と接続するためのインターフェースである。接続I/F26は、通信路40を介して本体10と通信するためのインターフェースである。外部接続I/F28は、ICカードリーダなどと接続するためのインターフェースである。
操作パネル27は、ユーザの操作に応じた各種の入力を受け付けるとともに、各種の情報(例えば、受け付けた操作入力に応じた情報、各種画面など)を表示する。この例では、操作パネル27は、タッチパネル機能を搭載した液晶表示装置(LCD)で構成されるが、これに限られるものではない。例えばタッチパネル機能が搭載された有機EL表示装置で構成されてもよい。さらに、これに加えてまたはこれに代えて、ハードウェアキー等の操作部やランプ等の表示部を設けることもできる。なお、操作パネル27は表示部の一例である。
なお、本実施形態では、機能の独立性を保つために、本体10側のソフトウェアと操作部20側のソフトウェアが互いに異なる。つまり、本体10と操作部20は、別々のオペレーティングシステム(OS:Operating System)で互いに独立して動作する。例えば、本体10側のソフトウェアとしてLinux(登録商標)を用い、操作部20側のソフトウェアとしてAndroid(登録商標)を用いることも可能である。
以上のように、本実施形態のMFP100において、本体10と操作部20は別々のオペレーティングシステムで動作するため、本体10と操作部20との間の通信は、共通の装置内のプロセス間通信ではなく、異なる装置間の通信として行われる。操作部20が受け付けた情報(ユーザからの指示内容)を本体10へ伝達する動作(コマンド通信)や、本体10が操作部20へイベントを通知する動作などがこれに該当する。
ここでは、操作部20が本体10へコマンド通信を行うことにより、本体10の機能を使用することができる。また、本体10から操作部20に通知するイベントには、本体10における動作の実行状況、本体10側で設定された内容などが挙げられる。
次に、情報処理端末200のハードウェア構成について説明する。図4は、第1の実施形態の情報処理端末のハードウェア構成の一例を示す図である。図4に示すように、情報処理端末200は、CPU701と、ROM702と、RAM703と、HDD704と、操作パネル705と、通信I/F706と、近距離無線通信部707と、を備えている。
CPU701は、情報処理端末200全体の動作を制御する。CPU701は、RAM703をワークエリアとしてROM702またはHDD704等に格納されたプログラムを実行することで、情報処理端末200全体の動作を制御する。
操作パネル705は、例えば、タッチパネルとディスプレイが一体化されたタッチパネルディスプレイ等であり、情報処理端末200に操作を行うための入力部と、情報処理端末200の処理結果等を表示する表示部とを含む。なお、操作パネル705のように入力部と表示部とが一体化されてなく、入力部と表示部とが別々に設けられているものであってもよいし、表示部および入力部の少なくとも一つが情報処理端末200の外部に設けられた構成となっていてもよい。
通信I/F706は、ネットワーク70と接続してデータ通信をするためのインターフェースである。通信I/F706は、例えば、10Base-T、100Base-TXまたは1000Base-T等のEthernet(登録商標)に対応したインターフェースである。
近距離無線通信部707は、NFCタグ150等と近距離無線通信を行うためのインターフェースである。情報処理端末200は、近距離無線通信部707をNFCタグ150に近接させることにより、NFCタグ150とNFC通信を行う。
上述のCPU701、ROM702、RAM703、HDD704、操作パネル705、通信I/F706、および近距離無線通信部707は、アドレスバスおよびデータバス等のバス711によって互いに通信可能に接続されている。
次に、ファイルサーバ300の機能構成について説明する。図5は、第1の実施形態のファイルサーバの構成を示す機能ブロック図である。図5に示すように、ファイルサーバ300は、通信制御部301と、保存制御部302と、記憶部310とを備えており、互いに接続されている。
記憶部310は、各種情報や画面等を保存するものであって、ROM602やHDD604(図2参照)により実現される。本実施形態では、記憶部310は、画像や文書等のファイルを保存している。当該ファイルは、画像データやドキュメントなどであって、上述した教育用コンテンツの例では、画像や文書を用いて作成された参考書や新聞等の学生に表示させる情報である。
記憶部310は、ファイルを、ファイルを識別するファイル識別情報に関連付けて保存している。具体的には、例えば、本実施形態の記憶部310は、ファイルに、ファイルを識別する固有のファイル名を付して保存している。さらに、記憶部310では、フォルダ名を付したフォルダに、関連する複数のファイルをまとめて保存している。フォルダには、当該フォルダを識別する固有のフォルダ名が付けられている。
通信制御部301は、MFP100などのネットワーク30を介して接続された外部装置との間で、通信I/F606(図2参照)により行われる通信を制御する。例えば、本実施形態の通信制御部301は、MFP100からの要求を受信し、当該要求に応じた情報をMFP100に送信する。
具体的には、例えば、通信制御部301は、MFP100から、複数のファイルを保存しているフォルダのフォルダ名の一覧の要求を受信した場合、記憶部310を参照し、フォルダのフォルダ名の一覧をMFP100に送信する。
また、通信制御部301は、MFP100から、ルートフォルダのフォルダ名を受信し、ファイル名の一覧および当該ファイル名が示すファイルの更新日時の要求を受信した場合、記憶部310を参照し、受信したルートフォルダのフォルダ名が示すフォルダに保存されているファイルのファイル名の一覧および更新日時をMFP100に送信する。
また、通信制御部301は、MFP100から、ファイルの要求を受信した場合、記憶部310を参照し、要求されたファイルをMFP100に送信する。
ここで、ファイルサーバ300は、このような各種情報の要求を受信してそれに応じた情報の送信(情報の要求および送信)を行う際には、ユーザがMFP100を介して各種情報を取得する権限を有するか否かを判断する認証処理を行う。このため、通信制御部301は、MFP100との間で情報の要求および送信を行う場合、まずは、情報の要求を送信したMFP100に認証情報の要求を送信し、MFP100からユーザによって入力された認証情報を受信する。そして、ファイルサーバ300は、受信した認証情報を用いて認証処理を行い、認証成功した場合に要求された情報の送信を行う。認証情報とは、ユーザを識別可能な情報であって、例えば、ユーザIDおよびパスワードなどである。
本実施形態の認証処理は、例えば、MFP100から要求した認証情報を受信すると、その受信した認証情報と、ファイルサーバ300に予め登録されている認証情報(情報を取得する権限を有するユーザの認証情報)とを比較する。そして、受信した認証情報と登録されている認証情報とが一致する場合は、ユーザは情報を取得する権限を有すると判断する。一方、受信した認証情報と登録されている認証情報とが一致しない場合は、ユーザは情報を取得する権限を有していないと判断する。そして、その判断結果をMFP100に送信する。
保存制御部302は、記憶部310に各種情報の保存や更新、削除を行う。本実施形態では、保存制御部302は、例えば、記憶部310に、外部装置から受信したファイル等の保存や更新、削除を行う。
次に、MFP100の機能構成について説明する。図6は、第1の実施形態のMFPの構成を示す機能ブロック図である。図6に示すように、MFP100の操作部20は、入力受付部101と、表示制御部102と、通信制御部103と、取得部104と、保存制御部105と、サムネイル生成部107と、接続制御部108と、記憶部110とを備えており、関連機能は互いに接続されている。また、MFP100の本体10は、通信制御部121と、印刷制御部122と、第4の通信部である接続制御部123と、記憶部120とを備えており、関連機能は互いに接続されている。操作部20と本体10は互いに、接続制御部108と接続制御部123によって接続されている。接続制御部108は、図3の接続I/F26、接続制御部123は、接続I/F16であるWebAPIで実現される。
ここで、本実施形態のMFP100は、本体10と操作部20とが1つの装置に含まれている構成となっているが、複数の装置に分かれて構成されていてもよい。すなわち、本実施形態のように本体装置(本体)と操作装置(操作部)とが1つの装置であってもよいし、操作装置がタブレット端末装置のように、本体装置とは別体の装置であってもよい。
記憶部110は、操作部20に備えられ、各種情報や画面等を保存するものであって、ROM22やフラッシュメモリ24(図3参照)により実現される。本実施形態では、例えば、記憶部110は、各種画面を構成する情報などを保存する。
記憶部120は、本体10に備えられ、各種情報や画面等を保存するものであって、HDD14(図3参照)により実現される。本実施形態では、記憶部120は、ファイルサーバ300に関する情報であるサーバ情報を登録したり、ファイルから生成されたサムネイル、保存されているサムネイルに関する情報を管理するキャッシュ管理情報、および画像や文書等のファイル等を保存する。
ここで、サーバ情報とは、MFP100からファイルサーバ300にアクセスする際に必要となる情報であって、例えば、ファイルサーバ300のアドレス(IPアドレス等)、認証情報(ユーザID、パスワード)、およびルートフォルダのフォルダ名が登録されている。なお、本実施形態では、ファイルサーバ300のサーバ情報のみを登録しているが、複数台のファイルサーバと接続されている場合は接続されている全てのサーバ情報を登録してもよい。
また、キャッシュ管理情報とは、MFP100に保存されているファイルのサムネイルに関する情報であって、ファイルのサムネイルが保存されているか否かの判断に用いる。図7は、MFPの記憶部に保存されているキャッシュ管理情報の一例を示す図である。図7に示すように、キャッシュ管理情報には、例えば、ファイルのファイル名と、サムネイルの生成日時と、サムネイルの保存場所とが対応付けて登録されている。
「ファイルのファイル名」とは、ファイルを識別できる情報であって、本実施形態では、ファイルサーバ300におけるファイルの所在を示す所在情報である。具体的には、ファイルのファイル名は、例えば、ファイルのフルパスである。図7では、「\\192.168.0.1\SharedFiles\教材\算数A.pdf」と登録されている。フルパスとは、ファイルやフォルダの所在を示す文字列(パス)の表記法であって、階層構造の頂点である最上位階層(ここでは、ファイルサーバ300のアドレス)から目的のファイルまでの道筋を省略なくすべて記述した情報である。このように、キャッシュ管理情報に、ファイルのフルパスを登録することで、別のフォルダや別のファイルサーバに存在する同一ファイル名のファイル等と区別することができる。
図7では、例えば、ファイルのファイル名「\\192.168.0.1\SharedFiles\教材\算数A.pdf」と、サムネイルの生成日時「2016/02/27/12:00:30」と、サムネイルの保存場所「Cache\1231248yt3.jpg」とが対応付けられている。これにより、ファイル名「\\192.168.0.1\SharedFiles\教材\算数A.pdf」のサムネイルが、2016年2月27日12時00分30秒に生成され、記憶部120における「Cache\1231248yt3.jpg」に保存されていることがわかる。
次に、MFP100の本体10の機能について説明する。通信制御部121は、通信I/F15により、ネットワーク30を介してファイルサーバ300などの外部装置との間で通信を行い、各種情報や画面等を送受信する。例えば、通信制御部121は、ユーザにより選択されたファイルである対象ファイルを、ネットワーク30を介してファイルサーバ300から受信する。通信制御部121が第1の通信部の一例である。
接続制御部123は、接続I/F16により、操作部20との間で通信を行い、各種情報や画面等を送受信する。
印刷制御部122は、エンジン部17により、ユーザにより指定されたファイルを印刷するものである。
次に、MFP100の操作部20の機能について説明する。入力受付部101は、操作パネル27から、ユーザによる各種操作入力を受け付ける制御を行う。具体的には、入力受付部101は、ファイルを取得して送信する処理を実行する転送アプリケーション(転送アプリ)の起動を受け付ける。また、入力受付部101は、サーバアドレス入力画面(図10参照)から、接続を所望するファイルサーバを特定するアドレス(IPアドレス等)の入力を受け付ける。また、入力受付部101は、認証情報入力画面(図11参照)から、認証情報の入力を受け付ける。また、入力受付部101は、フォルダ選択画面(図12参照)から、一階層下のフォルダに移動する場合のフォルダの選択や、ルートフォルダとして登録するフォルダの選択を受け付ける。
また、入力受付部101は、ファイル一覧表示画面(図17参照)から、当該ファイル一覧のうち、情報処理端末200へ送信を所望する少なくとも一つのファイルの選択を受け付ける。また、入力受付部101は、ファイル一覧表示画面を再表示する場合、ファイル一覧表示画面を再表示する旨の再表示指示の入力を受け付ける。なお、各種画面の詳細は後述する。
表示制御部102は、操作パネル27に、上述の各種画面や各種情報を表示する制御を行う。具体的には、表示制御部102は、接続を所望するファイルサーバのアドレスを入力するためのサーバアドレス入力画面(図10参照)を表示する。また、表示制御部102は、認証情報を入力するための認証情報入力画面(図11参照)を表示する。また、表示制御部102は、フォルダを選択するためのフォルダ選択画面(図12参照)を表示する。
また、表示制御部102は、ファイルサーバ300が保存するファイルの一覧であって、ファイルを選択するためのファイル一覧表示画面(図17参照)を表示する。そして、表示制御部102は、入力受付部101によりファイルの選択を受け付けた場合、ネットワーク70を介して情報処理端末200に選択されたファイルである対象ファイルを送信するための所定の動作を促す旨のメッセージを操作パネル27に表示する。ここで、所定の動作とは、NFC通信部151による近距離無線通信が可能な所定範囲内に情報処理端末200を移動させる近接動作である。従って、例えば、表示制御部102は、「情報処理端末をMFPの所定位置にかざしてください」等のメッセージを表示する。
通信制御部103は、情報処理端末200がNFC通信部151により送信された通信情報を用いてネットワーク70に接続された場合、通信I/F25により、ネットワーク70を介して情報処理端末200との間で通信を行い、各種情報を送受信する。
例えば、通信制御部103は、情報処理端末200がネットワーク70に接続された後、情報処理端末200から選択されたファイル(対象ファイル)の送信要求を受信する。そして、通信制御部103は、ファイルサーバ300からネットワーク30を介して受信したファイル(対象ファイル)を、ネットワーク70を介して情報処理端末200に送信(転送)する。
接続制御部108は、接続I/F26により、本体10との間で各種情報や画面等を送受信する。従って、接続制御部108は、接続I/F26により、本体10の接続制御部123を経由して通信制御部121によってファイルサーバ300などの外部装置から受信した各種情報を受信したり、各種情報をファイルサーバ300などの外部装置に送信する。
取得部104は、記憶部120から所望の情報を取得する。具体的には、例えば、取得部104は、ファイル一覧表示画面を表示する際にファイルサーバ300と接続するため、記憶部120からファイルサーバ300のサーバ情報を検索して取得する。また、取得部104は、ファイル一覧表示画面を表示する際、記憶部120にサムネイルが保存されている場合は当該サムネイルを取得する。また、取得部104は、ユーザによりファイル一覧表示画面よりファイルが選択され、ファイルの送信要求を受信した場合、記憶部120から選択されたファイルを検索して取得する。
保存制御部105は、記憶部120に情報を保存する制御を行う。具体的には、保存制御部105は、サーバ情報として、ユーザから入力されたファイルサーバ300のアドレス(IPアドレス等)、認証情報(ユーザID、パスワード等)、およびフォルダ選択画面から選択されたルートフォルダのフォルダ名を記憶部120に登録する。また、保存制御部105は、通信制御部121によりファイルサーバ300からユーザにより選択されたファイルを受信した場合、当該ファイルを記憶部120に保存する。
サムネイル生成部107は、ファイルを縮小してサムネイルを生成する。サムネイルは、多数の画像や文書を一覧表示するためにファイルを本来のサイズより縮小した画像データである。本実施形態では、記憶部120に保存されたキャッシュ管理情報に表示を所望するファイルのサムネイルが保存されていない場合に、サムネイル生成部107は、サムネイルを生成する。具体的には、サムネイル生成部107は、通信制御部121によりファイルサーバ300から受信したファイルを、接続制御部108および接続制御部123を経由して取得し、取得したファイルを縮小してサムネイルを生成する。
また、保存制御部105は、追加された際にサムネイルの合計サイズが予め規定したサイズを超えた場合、サムネイルの生成日時の古い順にサムネイルの削除を行う。このように、保存したサムネイルが規定したサイズを超えないようにすることで、MFP100の記憶部120を必要以上に圧迫することがない。
次に、MFP100に設けられた本体のNFCタグ150の機能について説明する。NFCタグは、NFC通信部151と、記憶部152とを備えている。
記憶部152は、情報処理端末200がMFP100とネットワーク70を介した通信を行う際に用いる通信情報が予め記憶されている。
ここで、通信情報とは、例えば、「SSID(Service Set Identifier)」、「暗号化方式」、「パスワード」、「IP(Internet Protocol)アドレス」、「HTTP(Hypertext Transfer Protocol)ポート番号」、「HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)ポート番号」および「機種ID」の各項目を含んでいる。
項目「SSID」は、接続するネットワーク70を特定するための識別情報(SSID)が示される。項目「暗号化方式」は、接続するネットワーク70で用いられる暗号化方式が示される。また、項目「パスワード」は、接続するネットワーク70において情報処理端末200が認証を受けるために用いるパスワードが示される。
情報処理端末200は、これら項目「SSID」、「暗号化方式」、および「パスワード」に示される各値を通信設定として設定することで、ネットワーク70に対する通信が可能となる。
項目「IPアドレス」は、MFP100のネットワーク70上でのアドレス(IPアドレス)が示される。項目「HTTPポート番号」は、ネットワーク70を介してMFP100の機能を利用する際の通信を行うための、MFP100側の通信ポートの番号が示される。項目「HTTPSポート番号」は、ネットワーク70を介してMFP100の機能を利用する際の通信を、転送するデータパケットを暗号化して行う場合のMFP100側の通信ポートの番号が示される。項目「機種ID」は、MFP100の機種を特定するための識別情報が示される。
このように、本実施形態では、MFP100をネットワーク70を介して利用する場合には、HTTPをプロトコルとして用いてMFP100に対する通信を行う。これはこの例に限定されず、MFP100をネットワーク70を介して利用する際のポート番号を、例えばLPR(Line PRinter daemon protocol)ポートや標準TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)ポートといった他のポート番号としてもよい。
NFCタグ150を用いる場合、これら各項目「IPアドレス」、「HTTPポート番号」および「HTTPSポート番号」は、NFCタグ150が設けられたMFP100における各値が格納される。例えば情報処理端末200側において、「IPアドレス」、「HTTPポート番号」、および「HTTPSポート番号」のうち何れか一方を設定することで、MFP100とネットワーク70を介した通信を行い、当該通信によってMFP100の機能を利用することが可能となる。
NFC通信部151は、NFCタグ150から所定範囲内に近接された、近距離無線通信機能を有する外部装置(他の装置の一例)との間で近距離無線通信を行い、各種情報を送信する。例えば、NFC通信部151は、情報処理端末200が所定範囲内に近づいた場合(近接動作が行われた場合)、記憶部152から通信情報を読み出し、読み出した通信情報をNFC通信により情報処理端末200に送信する。
次に、情報処理端末200の機能構成について説明する。図8は、第1の実施形態の情報処理端末の構成を示す機能ブロック図である。図8に示すように、情報処理端末200は、入力受付部201と、表示制御部202と、通信制御部203と、制御部205と、NFC通信部206と、記憶部210とを備えており、関連機能は互いに接続されている。
記憶部210は、各種情報や画面等を保存するものであって、ROM702やHDD704(図4参照)により実現される。本実施形態では、例えば、記憶部210は、MFP100から受信したファイルなどを保存する。
入力受付部201は、操作パネル705から、ユーザによる各種操作入力を受け付ける制御を行う。具体的には、入力受付部201は、例えば、MFP100において選択されたファイルの送信指示の入力を受け付ける。
表示制御部202は、操作パネル705に、各種情報や画面を表示する制御を行う。具体的には、表示制御部202は、例えば、MFP100において選択されたファイルの送信を確認する送信確認画面を表示する。この送信確認画面から、上述のファイルの送信指示の入力が可能となっている。
制御部205は、情報処理端末200全体を制御する。また、制御部205は、受信したファイルを記憶部210に保存したり、記憶部210から取得する制御を行う。
NFC通信部206は、NFCタグ150から所定範囲内に近接された場合に、近距離無線通信により各種情報を受信する。例えば、NFC通信部206は、情報処理端末200がMFP100に設けられたNFCタグ150から所定範囲内に近接された場合に、MFP100からNFC通信によりネットワーク70に接続するための通信情報を受信する。
通信制御部203は、通信I/F706により、ネットワーク70を介してMFP100との間で通信を行い、各種情報を送受信する。通信制御部203は、例えば、MFP100において選択されたファイルの送信要求を、ネットワーク70を介してMFP100に送信し、MFP100から送信されたファイルを受信する。
次に、MFP100に接続するファイルサーバ300のサーバ情報をMFP100に登録する処理について説明する。図9は、第1の実施形態のMFPにおけるファイルサーバのサーバ情報の登録処理を示すシーケンス図である。
まず、操作部20は、ユーザから、ファイルサーバ300から取得したファイルを情報処理端末200に送信するための転送アプリの起動を受け付けると(ステップS10)、記憶部120に対してサーバ情報があるか否かの検索を行う(ステップS11)。MFP100の初回起動時には、ファイルサーバ300と接続されたことがないため、サーバ情報は未登録である(ステップS12)。従って、操作部20は、サーバアドレス入力画面を表示して(ステップS13)、ユーザに利用するファイルサーバのアドレスの入力を促す。
ここで、サーバアドレス入力画面について説明する。図10は、サーバアドレス入力画面の一例を示す図である。図10に示すように、サーバアドレス入力画面D1では、ファイルサーバのアドレスの入力を促す文字が表示されるとともに、ファイルサーバ300のアドレス(コンピュータ名またはIPアドレス)を入力する入力領域aが表示されている。
図9に戻り、操作部20は、サーバアドレス入力画面から、ユーザからのファイルサーバのアドレスの入力を受け付ける(ステップS14)。ここでは、ファイルサーバ300のアドレスが入力された場合について説明する。従って、例えば、ユーザにより、図10に示すサーバアドレス入力画面D1の入力領域aにファイルサーバ300のIPアドレスが入力される。
次に、操作部20は、サーバアドレス入力画面D1の画面遷移ボタン(図10における「次へ」ボタンk)が押下されることで画面遷移指示の入力を受け付けた場合、フォルダ情報の要求コマンド(フォルダ名の一覧の要求コマンド)を送信し、フォルダ名の一覧をファイルサーバ300に要求する(ステップS15)。
その応答として、SMBプロトコルにより、ファイルサーバ300が操作部20に認証情報の要求を送信する(ステップS16)。フォルダ名の一覧の要求後には、ファイルサーバ300からフォルダ名の一覧を送信する応答を行ってもよい。当該要求を受けた操作部20は、認証情報入力画面を表示し(ステップS17)、ユーザに認証情報の入力を促す。
ここで、認証情報入力画面について説明する。図11は、認証情報入力画面の一例を示す図である。図11に示すように、認証情報入力画面D2では、認証情報であるユーザIDとパスワードの入力を促す文字が表示されるとともに、ユーザIDを入力する入力領域bと、パスワードを入力する入力領域cと、処理を戻す「戻る」ボタンd、および処理を進める「次へ」ボタンeが表示されている。
図9に戻り、操作部20は、認証情報入力画面から、ユーザからの認証情報の入力を受け付け(ステップS18)、受け付けた認証情報をファイルサーバ300に送信する(ステップS19)。例えば、ユーザにより、図11に示す認証情報入力画面D2の入力領域bにユーザIDが入力され、入力領域cにパスワードが入力される。
ファイルサーバ300においてユーザの認証処理が成功すると、ファイルサーバ300は、操作部20にフォルダ名の一覧を送信する(ステップS20)。フォルダ名の一覧を受信した操作部20は、フォルダ名を用いてフォルダ選択画面を表示し(ステップS21)、ユーザにルートフォルダの選択を促す。
ここで、フォルダ選択画面について説明する。図12は、フォルダ選択画面の一例を示す図である。図12に示すように、フォルダ選択画面D3では、フォルダの選択を促す文字が表示されるとともに、選択されたフォルダが表示される表示領域fと選択可能な複数のフォルダ群gが画面中央に表示され、処理を戻す「戻る」ボタンh、および処理を進める「次へ」ボタンiが表示されている。ユーザは、複数のフォルダ群gのうちのいずれかのフォルダを長押しすると、さらに一階層下のフォルダ群が表示され、さらにその中のいずれかのフォルダを選択することで一階層下のフォルダに移動できる。また、ユーザが複数のフォルダ群gのうちのいずれかのフォルダを押下することでフォルダが選択されると、表示領域fに選択されたフォルダが表示され、さらに「次へ」ボタンiを押下すると、選択したフォルダがルートフォルダとして決定され、登録される。
図9に戻り、必要に応じて、フォルダ選択画面に表示されたフォルダ名の一階層下のフォルダへ移動する場合、ユーザからのフォルダの移動を受け付ける(ステップS22)。その場合、操作部20は、ファイルサーバ300に、再度、選択されたフォルダ名とともに一階層下のフォルダ名の一覧を要求し(ステップS23)、ファイルサーバ300は、操作部20に一階層下のフォルダのフォルダ名の一覧を送信する(ステップS24)。フォルダ名の一覧を受信した操作部20は、フォルダ名を用いてフォルダ選択画面(図12参照)を表示し(ステップS25)、ユーザにルートフォルダの選択を促す。
一階層下のフォルダに移動しない場合は、ステップS22~25までの処理は行わない。また、さらに一階層下のフォルダに移動する場合は、ステップS22~25までの処理を繰り返す。
そして、操作部20は、フォルダ選択画面(図12参照)から、ユーザからのルートフォルダとして登録するフォルダの選択を受け付ける(ステップS26)。例えば、ユーザにより、図12のフォルダ選択画面D3のフォルダ群gのうちいずれかのフォルダが押下されることでフォルダが選択される。操作部20は、選択されたフォルダをルートフォルダとして、次回以降のファイルサーバ300へのアクセスに必要なサーバ情報(アドレス、認証情報、ルートフォルダ)を、記憶部120に登録する(ステップS27、28)。そして、操作部20は、サーバ情報が登録完了した旨を表示する(ステップS29)。これにより、ユーザがファイルサーバ300と接続可能であることを認識する。
次に、ファイルサーバ300に保存されたファイルの一覧をMFP100に表示する処理について説明する。図13は、第1の実施形態のMFPにおけるファイルの一覧の表示処理を示すシーケンス図である。
まず、操作部20は、ユーザから、ファイルサーバ300から取得したファイルを情報処理端末200に送信するための転送アプリの起動を受け付けると(ステップS40)、記憶部120に対してサーバ情報があるか否かの検索を行い(ステップS41)、登録済みであるファイルサーバ300のサーバ情報を取得する(ステップS42)。
操作部20は、取得したサーバ情報のアドレスによってファイルサーバ300にアクセスし、認証情報・ルートフォルダのフォルダ名を送信し、ファイル名の一覧・ファイル更新日時を要求する(ステップS43)。
ここで、MFP100からファイルサーバ300に送信する認証情報およびルートフォルダのフォルダ名を送信し、ファイル名の一覧および更新日時を要求する処理について、図14を参照して具体的に説明する。図14は、MFPからファイルサーバに認証情報およびルートフォルダのフォルダ名を送信してファイル名の一覧および更新日時を要求する際の説明図である。図14に示すように、ファイルサーバ300に送信する情報の項目として、コマンド、ルートフォルダのフォルダ名、および認証情報であるユーザIDとパスワードがある。そして、図14では、これらの項目に対応する具体的な内容が示されている。すなわち、MFP100は、コマンドである“ファイル名の一覧および更新日時の取得”と、ルートフォルダのフォルダ名である“\\192.168.0.1\SharedFiles\教材”(フルパス)と、認証情報であるユーザ名である“userB”と、認証情報であるパスワードである“password”とをファイルサーバ300に送信する。
図13に戻り、操作部20は、ルートフォルダに保存されているファイルのファイル名の一覧および更新日時を受信する(ステップS44)。
ここで、MFP100がファイルサーバ300から受信するファイル名の一覧および更新日時(図14の情報に対する応答)について、図15、16を参照して具体的に説明する。図15は、MFPがファイルサーバから受信するファイル名の一覧および更新日時の説明図である。図15に示すように、ファイルサーバ300から受信する情報の項目として、種別と、名前、アクセス許可情報、所有者、作成日時、最終更新日時、およびサイズがある。そして、図15では、これらの項目に対応する具体的な内容が示されている。
すなわち、「種別」は、フラグ型のデータ形式であって、フォルダ/ファイルのいずれかを示すものである。また、「名前」は、文字列型のデータ形式であって、ファイルのファイル名またはファイルが保存されたフォルダのフォルダ名を示すものである。図15では、種別がファイルであった場合の名前の例であって、ファイル名「\\192.168.0.1\SharedFiles\教材\算数A.pdf」を示している。また、「アクセス許可情報」は、フラグ型のデータ形式であって、読み書き可能/読み込みのみ/アクセス不可のいずれかを示すものである。また、「所有者」は、文字列型のデータ形式であって、ファイルを生成した者を示しており、図15では、“userB”を示している。また、ファイルの「作成日時」および「最終更新日時」は、整数のデータ形式であり、図15では、両者とも日時「2016/02/25/13:00:05」である旨を示している。また、「サイズ」は、整数のデータ形式であり、ファイルのサイズとして、図15では、1048576バイトである旨を示している。
また、ファイルサーバ300に保存されている1つのフォルダには、例えば、複数のフォルダやファイルが存在する場合がある。このため、図16を参照して、ファイルサーバ300から図15に示した項目に対して複数の情報が応答として送信される場合について説明する。図16は、ファイルサーバからMFPに送信するファイル名の一覧および更新日時の説明図である。
ファイルサーバ300に保存されているフォルダに複数のフォルダやファイルが存在する場合、図16に示すように、各項目(種別、名前、アクセス許可情報、所有者、作成日時、最終更新日時、およびサイズ)に対応して複数の情報が応答される。図16では、3つのファイルと、1つのフォルダが保存されている例を示している。
図13に戻り、操作部20は、受信したファイル名の一覧に基づいて、ファイル一覧表示画面を表示する(ステップS45)。
ここで、ファイル一覧表示画面について説明する。図17は、ファイル一覧表示画面の一例を示す図である。図17に示すように、ファイル一覧表示画面D4では、ファイルのサムネイルの一覧(サムネイルP1~P6)が表示されている。ファイル一覧表示画面D4は、ファイルの一覧の一例である。
図13では、転送アプリが起動された場合に、ファイル一覧表示画面を表示する処理について説明したが、他のタイミングでファイル一覧表示画面を表示してもよい。具体的には、例えば、ファイル一覧表示画面の再表示指示の入力を受け付けた場合、およびファイルが情報処理端末200に送信された場合にも、ファイル一覧表示画面を表示する構成としてもよい。すなわち、操作部20によりユーザからの再表示指示の入力を受け付けた場合、または、本体10によりファイルが送信された場合、記憶部120に対してサーバ情報があるか否かの検索を行って、ファイル一覧表示画面を表示する(ステップS41~45)。
次に、ファイルのサムネイルを生成する処理について説明する。MFP100では、図13に示したファイルの一覧の表示処理の実行に並行して、サムネイルの生成処理を非同期で行っている。図18は、第1の実施形態のMFPにおけるサムネイル生成処理の流れを示すフローチャートである。
MFP100では、ファイル一覧表示画面の表示時に、ファイルサーバ300から取得したファイル名の一覧のうちサムネイルのないファイルがあれば、すべてのファイルを操作部20に取得してまとめてサムネイルを作成する。
まず、操作部20は、ファイル一覧表示画面を表示する際、キャッシュ管理情報を参照して、ファイルのサムネイルが記憶部120に保存されているか否かを検索する(ステップS60)。サムネイルが保存されている場合(ステップS61:Yes)、記憶部120に保存されているサムネイルを取得する(ステップS62)。
一方、サムネイルが保存されていない場合(ステップS61:No)、操作部20は、ファイルサーバ300にファイルを要求する(ステップS63)。ファイルサーバ300は、要求されたファイルを操作部20に送信する(ステップS64)。
操作部20は、ファイルサーバ300からファイルを受信し(ステップS65)、受信したファイルからサムネイルを生成する(ステップS66)。操作部20は、生成したサムネイルを記憶部120に保存するとともに、キャッシュ管理情報に生成したサムネイルの情報を登録する(ステップS67)。
そして、操作部20は、図13のステップS45において、図18のステップS62において取得したサムネイルと、図18のステップS66において生成したサムネイルとを用いてファイル一覧表示画面を表示する。
ここで、サムネイルを取得または生成して、ファイル一覧表示画面を表示する際の画面について説明する。図19は、サムネイルが表示されていないファイル一覧表示画面の一例を示す図である。図20は、1つ目のサムネイルが表示されたファイル一覧表示画面の一例を示す図である。
まず、表示制御部102は、ファイル一覧表示画面にサムネイルを表示する場合の初期状態において、図19に示すように全てのファイルのサムネイルを読み込み待ちのアイコンとし、サムネイルが全て表示されていないファイル一覧表示画面D5を表示する。
記憶部120には、サムネイルの情報を登録したキャッシュ管理情報が保存されている(図7参照)。図7および図19を参照して説明すると、「算数A.pdf」のファイルのサムネイルを表示する場合、表示制御部102は、まず、サムネイルP1「算数A.pdf」の情報が、キャッシュ管理情報(図7参照)に存在するかを検索する。検索の結果、キャッシュ管理情報に存在するため、表示制御部102は、「算数A.pdf」のファイルの最終更新日時と、サムネイルの生成日時を比較する。
比較の結果、サムネイルの生成日時の方が新しければ、表示制御部102は、キャッシュデータあり(サムネイルあり)と判定する。一方、ファイルの最終更新日時の方が新しければ、表示制御部102は、MFP100にキャッシュされたサムネイルの生成後に、ファイルサーバ300のファイルが更新(修正)された可能性があるため、キャッシュデータなし(サムネイルなし)と判定する。
キャッシュデータありと判定された場合、記憶部120から「算数A.pdf」のファイルのサムネイルを取得して、ファイル一覧表示画面D6に表示する(図20参照)。一方、キャッシュデータなしと判定された場合、通信制御部121を介して「算数A.pdf」のファイルを取得して、サムネイル生成部107は、取得したファイルから新規にサムネイルを生成する。そして、生成されたサムネイルをファイル一覧表示画面D6に表示する(図20参照)。保存制御部105は、生成したサムネイルをキャッシュデータとして、サムネイルキャッシュの保存場所である記憶部120に保存した後、図7に示すキャッシュ管理情報に生成したサムネイルの情報(ファイルのファイル名、サムネイルの生成日時、サムネイルの保存場所)を保存する。
次に、情報処理端末200がMFP100に接続される処理について説明する。図21は、第1の実施形態の情報処理端末からMFPへの接続処理を示すシーケンス図である。
まず、本実施形態の情報処理システムでは、情報処理端末200からネットワーク70を介して特定のMFP100に接続する。図21に示すように、MFP100は、ネットワーク70に対して、アクセスポイント(AP)71において予め接続され、通信可能な状態となっているものとする(ステップS1)。
この状態において、ユーザは、情報処理端末200からMFP100を利用する場合、情報処理端末200を、MFP100のNFCタグ150から所定範囲内の位置に近接させる。これにより、情報処理端末200とMFP100のNFCタグ150との間でNFC通信(近距離無線通信)が行われる。
NFC通信により、情報処理端末200は、NFCタグ150に含まれる記憶部152に記憶される通信情報を取得する(ステップS2)。情報処理端末200は、ステップS2で取得した通信情報に含まれる、SSID、暗号化方式およびパスワード等を示す情報を用いて、アクセスポイント71と接続する(ステップS3)。これにより、情報処理端末200は、MFP100とネットワーク70を介して通信可能な状態となる。
次に、情報処理端末200がMFP100に接続され、MFP100を介してファイルサーバ300に保存されたファイルを情報処理端末200に送信する処理について説明する。図22は、第1の実施形態のMFPを介してファイルサーバに保存されたファイルを情報処理端末に送信する処理を示すシーケンス図である。
上述したように、MFP100は、ネットワーク70に対してアクセスポイント71によって既に接続されているものとする(ステップS80)。MFP100にファイル一覧表示画面(図17参照)が表示されると、MFP100は、ユーザから情報処理端末200に送信を所望するファイルの選択を受け付ける(ステップS81)。
ファイルの選択を受け付けると、MFP100は、情報処理端末200をNFCタグ150から所定範囲内に近接させる(かざす)旨のメッセージを表示する(ステップS82)。そして、ユーザが情報処理端末200をMFP100に近接させる(ステップS83)。これにより、情報処理端末200とMFP100のNFCタグ150との間でNFC通信(近距離無線通信)が開始される。
NFC通信部206は、NFC通信により、NFCタグ150に含まれるNFC通信部151に対して、通信情報の要求を送信する(ステップS84)。NFC通信部151は、この要求に応じて、記憶部152から通信情報を読み出して、読み出した通信情報をNFC通信により情報処理端末200に送信する(ステップS85)。この通信情報は、情報処理端末200のNFC通信部206に受信され、通信制御部203に渡される。
情報処理端末200の通信制御部203は、NFC通信部206から受け取った通信情報に含まれるSSIDに基づき、ネットワーク70におけるアクセスポイント71を特定する(ステップS86)。そして、通信制御部203は、通信情報から暗号化方式およびパスワードを取得し、アクセスポイント71に接続する(ステップS87)。以上の処理により、情報処理端末200がMFP100と同一のネットワーク70に接続した状態となる(ステップS88)。
次に、情報処理端末200がファイルの送信を確認する送信確認画面を表示し(ステップS89)、ユーザによりファイルの送信指示を受け付ける(ステップS90)。そうすると、情報処理端末200は、MFP100において選択されたファイルの送信要求を、ネットワーク70を介してMFP100に送信する(ステップS91)。
ファイルの送信要求を受信したMFP100は、選択されたファイル(対象ファイル)を、ファイルサーバ300から取得し(ステップS92)、情報処理端末200に当該ファイルを送信する(ステップS93)。
情報処理端末200は、MFP100から受信したファイルを、記憶部210に保存し(ステップS94)、当該ファイルを操作パネル705に表示する(ステップS95)。
次に、MFP100におけるサーバ情報の登録処理の流れを説明する。図23は、第1の実施形態のMFPにおけるサーバ情報の登録処理の流れを示すフローチャートである。
まず、入力受付部101は、ユーザから、選択した対象ファイルをファイルサーバ300から取得して送信する転送アプリの起動を受け付けると(ステップS100)、取得部104は、記憶部120にサーバ情報が登録されているか否かを判断し(ステップS101)、登録されている場合(ステップS101:Yes)、ファイル一覧表示画面の表示処理(図24)へ進む。
一方、記憶部120にサーバ情報が登録されていない場合(ステップS101:No)、MFP100はファイルサーバ300と接続されたことがないと判断し、表示制御部102は、サーバアドレス入力画面(図10参照)を表示する(ステップS102)。
入力受付部101は、サーバアドレス入力画面からファイルサーバ300のアドレスの入力を受け付けるまで待機する(ステップS103:No)。入力受付部101がファイルサーバ300のアドレスの入力を受け付けた場合(ステップS103:Yes)、転送アプリは、接続制御部108、接続制御部123、および通信制御部121を介して、ファイルサーバ300にフォルダ名の一覧を要求する(ステップS104)。
次に、転送アプリは、接続制御部108、接続制御部123、および通信制御部121を介して、ファイルサーバ300が送信した認証情報の要求を受信する(ステップS105)。表示制御部102は、認証情報を入力するための認証情報入力画面(図11参照)を表示する(ステップS106)。
入力受付部101は、認証情報入力画面から認証情報の入力を受け付けるまで待機する(ステップS107:No)。入力受付部101が認証情報の入力を受け付けた場合(ステップS107:Yes)、転送アプリは、接続制御部108、接続制御部123、および通信制御部121を介して、ファイルサーバ300に認証情報を送信する(ステップS108)。
ファイルサーバ300においてユーザの認証処理が成功した場合、転送アプリは、接続制御部108、接続制御部123、および通信制御部121を介して、ファイルサーバ300が送信したフォルダ名の一覧を受信する(ステップS109)。表示制御部102は、受信したフォルダ名を基に、フォルダ選択画面(図12参照)を表示する(ステップS110)。
入力受付部101がフォルダの移動を受け付けた場合(ステップS111:Yes)、転送アプリは、接続制御部108、接続制御部123、および通信制御部121を介して、ファイルサーバ300に一階層下のフォルダ名の一覧を要求して(ステップS112)、フォルダ名の一覧を受信し(ステップS113)、ステップS110の処理に戻る。
一方、入力受付部101がフォルダの移動を受け付けず(ステップS111:No)、
フォルダの選択を受け付けた場合(ステップS114:Yes)、保存制御部105は、選択されたフォルダをルートフォルダと判断し、ファイルサーバ300のアドレス、認証情報、およびルートフォルダをサーバ情報として記憶部120に登録する(ステップS115)。
一方、入力受付部101がフォルダの移動を受け付けず(ステップS111:No)、フォルダの選択も受け付けなかった場合(ステップS114:No)、ステップS111に戻って処理を繰り返す。
次に、MFP100にサーバ情報が登録されている場合におけるファイル一覧表示画面(図17参照)の表示処理の流れを説明する。図24は、第1の実施形態のMFPにおけるファイル一覧表示画面の表示処理の流れを示すフローチャートである。
図23のステップS101において、記憶部120にサーバ情報が登録されている場合(ステップS101:Yes)、取得部104は、記憶部120からサーバ情報を取得する(ステップS120)。
次に、転送アプリは、接続制御部108、接続制御部123、および通信制御部121を介して、ファイルサーバ300にサーバ情報に含まれている認証情報とルートフォルダのフォルダ名を送信するとともに、ファイル名の一覧および更新日時を要求(図14参照)する(ステップS121)。
そして、転送アプリは、接続制御部108、接続制御部123、および通信制御部121を介して、ファイルサーバ300から、ルートフォルダに保存されているファイルのファイル名の一覧および更新日時(図16参照)を受信する(ステップS122)。表示制御部102は、受信したファイル名の一覧により、ファイル一覧表示画面(図17参照)を表示する(ステップS123)。
次に、MFP100においてユーザによりファイル一覧表示画面(図17参照)から選択されたファイルを、ファイルサーバ300からMFP100を介して情報処理端末200に送信する処理の流れを説明する。図25は、第1の実施形態の情報処理端末がMFPを介してファイルを受信する処理の流れを示すフローチャートである。図26は、第1の実施形態のMFPがファイルサーバに保存されたファイルを情報処理端末に送信する処理の流れを示すフローチャートである。
まず、MFP100にファイル一覧表示画面が表示され、ユーザにより、情報処理端末200で受信するファイルの選択を受け付けた後、図25に示すように、ユーザにより、情報処理端末200がMFP100のNFCタグ150から所定範囲内にかざされ(ステップS110)、NFC通信が開始される。
NFC通信部206は、NFC通信により、MFP100に通信情報の要求を送信し(ステップS111)、NFC通信により、MFP100から通信情報を受信する(ステップS112)。そして、通信制御部203は、受信した通信情報により、ネットワーク70におけるアクセスポイント71を特定し(ステップS113)、MFP100と同一のネットワーク70に接続する(ステップS114)。
次に、表示制御部202は、ファイルの送信を確認する送信確認画面を表示し(ステップS115)、入力受付部201は、ユーザによりファイルの送信指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS116)。ファイルの送信指示を受け付けていない場合(ステップS116:No)、受け付けるまで待機する。
一方、ファイルの送信指示を受け付けた場合(ステップS116:Yes)、通信制御部203は、MFP100において選択されたファイルの送信要求を、ネットワーク70を介してMFP100に送信する(ステップS117)。
その後、通信制御部203は、ファイルを受信し(ステップS118)、当該ファイルを操作パネル705に表示する(ステップS119)。なお、MFP100において、ファイルの送信ができない場合、通信制御部203は、送信不可である旨をMFP100から受信し、その旨を表示する。
また、図26に示すように、MFP100の表示制御部102がファイル一覧表示画面を表示すると、入力受付部101は、ユーザにより情報処理端末200に送信するファイルの選択を受け付ける(ステップS130)。そして、ユーザにより、情報処理端末200がMFP100のNFCタグ150から所定範囲内にかざされ(ステップS131)、NFC通信が開始される。
NFCタグ150のNFC通信部151は、NFC通信により、情報処理端末200から通信情報の要求を受信すると(ステップS132)、NFC通信部151は、記憶部152に記憶されている通信情報を、情報処理端末200に送信する(ステップS133)。
その後、送信した通信情報により、情報処理端末200がネットワーク70に接続されると、通信制御部103は、ネットワーク70を介して、情報処理端末200からファイルの送信要求を受信する(ステップS134)。
ファイルの送信要求を受信すると、通信制御部121は、ファイルサーバ300から選択されたファイル(対象ファイル)を取得し、記憶部120に保存する。通信制御部103は、選択されたファイルを情報処理端末200に送信可能か否かを判断する(ステップS135)。例えば、ファイルの送信要求を送信したユーザの認証処理が成功しているか否かによりファイルの送信可否を判断する。
ファイルの送信要求を送信したユーザが認証処理に成功している(情報を取得する権限を有する)場合(ステップS135:Yes)、通信制御部103は、接続制御部108、接続制御部123を介して記憶部120からファイルを取得して、情報処理端末200にファイルを送信する(ステップS136)。
一方、ファイルの送信要求を送信したユーザが認証処理に成功していない(情報を取得する権限を有していない)場合(ステップS135:No)、通信制御部103は、ファイルを送信不可である旨を情報処理端末200に送信する(ステップS137)。
このように、本実施形態の情報処理システムは、MFP100においてファイルサーバ300に保存されたファイル一覧からファイルを選択した後、情報処理端末200をNFCタグ150に近接させることで、近距離無線通信(NFC通信)により、MFP100から情報処理端末200に通信情報を送信する。そして、通信情報により情報処理端末200とMFP100とを同一のネットワーク70に接続し、MFP100において選択されたファイルをMFP100を介して、ファイルサーバ300から情報処理端末200に送信する。これにより、外部インターネットへの接続が制限されている情報処理端末200に、ファイルサーバ300に保存されたファイルをMFP100を介して容易に送信することができる。
(第1の実施形態の変形例)
上述した第1の実施形態の情報処理システムでは、情報処理端末200が近距離無線通信によりMFP100の通信情報を取得し、当該通信情報を用いてMFP100とネットワーク70により通信を開始する。そして、ネットワーク70により、ファイルサーバ300に保存されたファイルを、MFP100を介して情報処理端末200に送信(転送)するものであった。これに対し、本変形例では、近距離無線通信により、MFP100を介してファイルサーバ300から情報処理端末200にファイルを送信するものである。また、本変形例では、近距離無線通信としてNFC通信より通信容量が大きいBLE通信を用いた場合について説明する。
図27は、第1の実施形態の変形例にかかる情報処理システムの全体構成図である。図27に示すように、情報処理システムは、MFP100と、ファイルサーバ300とがインターネット、LAN等のIPネットワークであるネットワーク30を介して接続されている。ネットワーク30は、第1のネットワークの一例である。
また、情報処理端末200がMFP100から所定範囲内に近づいた場合は、MFP100と、情報処理端末200とは、近距離無線通信の一例であるBLE通信により接続される。近距離無線通信は、第2のネットワークの一例である。
すなわち、本実施形態の情報処理システムは、MFP100においてファイルサーバ300に保存されているファイルの一覧からファイルが選択され、情報処理端末200がMFP100からBLE通信が可能な所定範囲内に移動されることで、情報処理端末200とMFP100との間でBLE通信が開始される。そして、MFP100は、選択されたファイルをファイルサーバ300からネットワーク30を介して受信する。そして、MFP100は、受信したファイルをBLE通信により情報処理端末200に送信する。これにより、外部インターネットへの接続が制限されている情報処理端末200に、ファイルサーバ300に保存されたファイルをMFP100を介して容易に送信することができる。
なお、本実施形態のMFP100で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態のMFP100で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施形態のMFP100で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態のMFP100で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
本実施形態のMFP100で実行されるプログラムは、上述した各部(入力受付部、表示制御部、取得部、保存制御部、通信制御部、サムネイル生成部、接続制御部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、上記各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。また、例えば、上述した各部の機能のうちの一部または全部が専用のハードウェア回路で実現されてもよい。
なお、上記実施形態では、本発明の画像処理装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機(MFP)に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像処理装置であればいずれにも適用することができる。