JP7039167B2 - 異なる粒径を有する球状粒子を含む粉末化粧用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚等のケラチン物質用のパウダー状化粧用組成物に関し、特に、異なる粒径を有する少なくとも2種のシリコーン粉末を含むパウダー状化粧用組成物に関する。
ファンデーション等のケラチン物質用のパウダー状化粧用組成物は、一般に、しみ、しわ及び毛穴等の欠点を隠すために皮膚等のケラチン物質に塗布される。したがって、皮膚の欠点をカバーするための特性が、パウダー状化粧用組成物の重要な機能の一つである。皮膚の欠点をカバーする性能を改善するために、一般に、球状有機粉末がパウダー状化粧用組成物に使用される。
現在までに、球状有機粉末を含むパウダー状化粧料に関する従来技術文献がいくつか公開されている。
JP-A-2000-038317は、(A)異なる種類のオルガノポリシロキサンから構成される複合粉末、(B)着色粉末を含有する粉末、及び(C)油剤を含むメイクアップ化粧品を開示している。
JP-A-2008-208158は、球状ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子の製造方法であって、(A)オルガノトリアルコキシシランを酸水溶液中で加水分解及び部分縮合する工程、(B)生成物を静置して、上層液と、部分縮合生成物から構成される下層とに分離させ、下層の部分縮合生成物を分離し、アルコールと混合する工程、及び(C)部分縮合生成物のアルコール混合物をアルカリ水溶液と混合して、縮合反応を完結させる工程を含む方法を開示している。
JP-A-2012-250914は、(A)粒子直径が25から35μmの球状粒子及び(B)光輝性粉末を含む化粧品を開示している。
JP-A-2007-269729は、(a)屈折率が1.5を超え2.0未満の粉末、(b)着色顔料及び/又は光輝性粉末、(c)20℃での屈折率が1.47を超える油剤を含み、総粉末中の構成成分(a)の含有量が50~100質量%であるメイクアップ化粧品を開示している。
しかしながら、皮膚の欠点をカバーする性能が改善されたパウダー状化粧料に対する需要が依然として存在する。
JP-A-2000-038317 JP-A-2008-208158 JP-A-2012-250914 JP-A-2007-269729 特許出願EP-A-295 886 特許US 5 538 793
本発明の目的は、皮膚の欠点をカバーする特性が改善された、皮膚等のケラチン物質用のパウダー状化粧用組成物を提供することである。
上記の本発明の目的は、
(a)平均一次粒径が7μm以上、好ましくは10μm以上の少なくとも1種の第1の球状シリコーン粉末、及び
(b)平均一次粒径が3μm以下、好ましくは1μm以下の少なくとも1種の第2の球状シリコーン粉末
を含むパウダー状化粧用組成物によって実現することができる。
第1の球状シリコーン粉末及び第2の球状シリコーン粉末は、それぞれ独立に、ポリオルガノシルセスキオキサン粉末及びシリコーン樹脂で被覆されたオルガノポリシロキサンエラストマー粉末から選択することができる。
第1の球状シリコーン粉末及び第2の球状シリコーン粉末は、それぞれ独立に、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー及びポリメチルシルセスキオキサン粉末から選択することができる。
第1の球状シリコーン粉末及び第2の球状シリコーン粉末の総量は、組成物の総質量に対して、0.2質量%から20質量%、好ましくは1質量%から15質量%、一層好ましくは2質量%から10質量%の範囲とする。
好ましくは、本発明による組成物は、屈折率が1.48以上、好ましくは1.50以上、更に一層好ましくは1.53以上の、少なくとも1種の親油性液体物質を更に含む。
親油性液体物質は、芳香族シリコーン油、少なくとも1つのフェニル基を含む不揮発性炭化水素油、有機UV遮蔽剤、及びそれらの混合物から選択することができる。
芳香族シリコーン油は、主鎖の末端に、少なくとも1つのフェニル基で置換されている少なくとも1つのSi原子を有する芳香族シリコーン油から選択することができる。
有機UV遮蔽剤は、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル及びオクトクリレンから選択することができる。
少なくとも1つのフェニル基を含む不揮発性炭化水素油は、安息香酸C12~C15アルキルとすることができる。
親油性液体物質は、組成物の総質量に対して、0.1質量%から20質量%、好ましくは1質量%から15質量%、一層好ましくは3質量%から12質量%、特に5質量%から10質量%の範囲の含有量で存在することができる。
好ましくは、本発明による組成物は少なくとも1種の無機充填剤を更に含み、無機充填剤は、タルク、マイカ、合成マイカ及びシリカから選択され、好ましくは疎水性に表面処理されている。
好ましくは、本発明による組成物は少なくとも1種の有機充填剤を更に含む。
本発明による組成物は、無水でもよいし、又は組成物の総質量に対して、3質量%未満の水、好ましくは1質量%未満の水を含有してもよい。
本発明はまた、第1の球状シリコーン粉末と第2の球状シリコーン粉末とを混合することによって本発明による組成物を調製する方法にも関する。
本発明はまた、皮膚等のケラチン物質用の化粧方法であって、ケラチン物質に本発明による組成物を塗布する工程を含む化粧方法にも関する。
鋭意検討の結果、本発明者らは驚くべきことに、7μm以上及び3μm以下の異なる粒径を有する少なくとも2種の球状シリコーン粉末を使用すると、皮膚の欠点をカバーする優れた特性をパウダー状化粧用組成物に与えることができることを発見し、このようにして本発明を完成させた。
したがって、本発明による、ケラチン物質、好ましくは皮膚用のパウダー状化粧用組成物は、
(a)平均一次粒径が7μm以上、好ましくは10μm以上の少なくとも1種の第1の球状シリコーン粉末、及び
(b)平均一次粒径が3μm以下、好ましくは1μm以下の少なくとも1種の第2の球状シリコーン粉末
を含む。
本発明による組成物は、しみ、しわ及び毛穴等の皮膚の欠点をカバーする特性が改善されている。特に、本発明による組成物は、毛穴を隠す効果が強化されている。本発明の皮膚の欠点をカバーする改善された効果によれば、消費者は多量の組成物をケラチン物質、例えば顔面皮膚に塗布する必要がない。したがって、本発明による組成物は、塗布される組成物の量が減少したために、より自然な外見及びセミマットな外見を作り出すこともできる。
以下に、本発明による組成物を詳細に説明していく。
[組成物]
本発明によるパウダー状化粧用組成物は、異なる粒径を有する少なくとも2種の球状シリコーン粉末を含む。
(球状シリコーン粉末)
とりわけ、本発明によるパウダー状化粧用組成物は、(a)平均一次粒径が7μm以上、好ましくは10μm以上の少なくとも1種の第1の球状シリコーン粉末、及び(b)平均一次粒径が3μm以下、好ましくは1μm以下の少なくとも1種の第2の球状シリコーン粉末を含む。
(a)第1の球状シリコーン粉末及び(b)第2の球状シリコーン粉末に加えて、互いに異なる平均一次粒径を有する1種又は複数種の追加の球状シリコーン粉末を組成物中に使用することができる。例えば、(a)第1の球状シリコーン粉末及び(b)第2の球状シリコーン粉末を含む、互いに異なる平均一次粒径を有する3種、4種、又は5種の球状シリコーン粉末を使用することができる。好ましくは、本発明による組成物は、(a)第1の球状シリコーン粉末及び(b)第2の球状シリコーン粉末とは異なる平均一次粒径を有する2種の球状シリコーン粉末を含む。
「球状」という用語は、本明細書で使用する場合、真球形状だけではなく、略球形状、さらには楕円球形状も意味する。本発明では、「球状粉末」という用語は、アスペクト比が2以下の粉末を表すことができる。好ましくは、本発明の球状粉末は、アスペクト比が1.5以下である。アスペクト比は、当技術分野の一般的な技術、例えば、電子顕微鏡を使用する画像解析によって測定することができる。
(a)第1の球状シリコーン粉末は、平均一次粒径が7μm以上、好ましくは10μm以上である。第1の球状シリコーン粉末の平均一次粒径の上限は限定されるものではないが、概して、200μm未満、好ましくは100μm未満、一層好ましくは50μm未満である。
(b)第2の球状シリコーン粉末は、平均一次粒径が3μm以下、好ましくは1μm以下である。第2の球状シリコーン粉末の平均一次粒径の下限は限定されるものではないが、概して、少なくとも0.05μm(50nm)、好ましくは少なくとも0.1μm(100nm)、一層好ましくは少なくとも0.2μm(200nm)である。
「平均一次粒径」という用語は、本明細書で使用する場合、集団の半数に対して統計的粒径分布によって与えられる数平均粒子径を表し、D50と称される。例えば、数平均粒子径は、レーザー回折粒径分布アナライザー、例えばMalvern Corp社によるMastersizer 2000で測定することができる。
(a)第1の球状シリコーン粉末及び(b)第2の球状シリコーン粉末は、化学構造が同じであってもよいし、化学構造が異なっていてもよい。
球状シリコーン粉末は、ポリオルガノシルセスキオキサン粉末、好ましくはポリメチルシルセスキオキサン粉末、シリコーン樹脂で被覆されたオルガノポリシロキサンエラストマー粉末、及びオルガノシリコーン粒子の粉末から選ばれるのが有利である。
ポリオルガノシルセスキオキサン粉末は、一般式RnSiXmOyの、分枝状、かご状のオリゴシロキサンで形成される一種のシリコーン材料であり、式中、Rは非反応性置換基、通常はMe又はPhであり、Xは官能基(H、OH、Cl又はOR)である。これらの基を更に縮合して、高度に架橋した不溶性ポリシロキサン網目を得ることができる。
市販のポリメチルシルセスキオキサン粉末は、化粧料用途に広く使用されて、撥水性、潤滑性をもたらし、滑らかでシルキーな感触及び/又は外観を皮膚に付与する。Momentive Performance Materials社により「TOSPEARL」の商標名で販売されている材料、及び日興リカ株式会社によりMSP-N050及びMSP-N080の名称で販売されている材料が、かかるポリメチルシルセスキオキサンシリコーン樹脂、別称T-樹脂又はメチルシルセスキオキサンの例である。
オルガノポリシロキサンエラストマー粉末は、例えば、架橋していてもよく、ケイ素に結合した少なくとも1つの水素を含むジオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合したエチレン性不飽和基を含むジオルガノポリシロキサンとを、例えば、白金触媒の存在下で架橋付加反応させるか、又はヒドロキシル末端基を含むジオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合した少なくとも1つの水素を含むジオルガノポリシロキサンとを、例えば、有機スズの存在下で脱水素架橋縮合反応させるか、又はヒドロキシル末端基を含むジオルガノポリシロキサンと、加水分解性オルガノポリシランとを架橋縮合反応させるか、又はオルガノポリシロキサンを、例えば、有機過酸化物触媒の存在下で熱架橋するか、又はオルガノポリシロキサンを、ガンマ線、紫外線若しくは電子線等の高エネルギー照射によって架橋することによって得ることができる。
一実施形態において、オルガノポリシロキサンエラストマー粉末は架橋しており、これは、(A2)それぞれケイ素に結合した少なくとも2つの水素を含むジオルガノポリシロキサンと、(B2)ケイ素に結合した少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含むジオルガノポリシロキサンとを、例えば特許出願EP-A-295 886に記載の通り、例えば(C2)白金触媒の存在下で架橋付加反応させることによって得られる。
例えば、オルガノポリシロキサンエラストマー粉末は、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むジメチルポリシロキサンと、トリメチルシロキシ末端基を含むメチルハイドロジェンポリシロキサンとを、白金触媒の存在下で反応させることによって得ることができる。
化合物(A2)は、シリコーン粉末の形成のための塩基試薬であり、架橋は、化合物(A2)と化合物(B2)とを触媒(C2)の存在下で付加反応させることによって行われる。化合物(A2)は、例えば、少なくとも2つの低級アルケニル基(例えばC2~C4)を含むジオルガノポリシロキサンとすることができ、低級アルケニル基は、ビニル基、アリル基及びプロペニル基から選ぶことができる。これらの低級アルケニル基は、オルガノポリシロキサン分子の任意の位置に置くことができるが、一実施形態では、オルガノポリシロキサン分子の末端に置かれている。オルガノポリシロキサン(A2)は、分枝鎖、直鎖、環状又は網目の構造を有していてもよく、一実施形態では、直鎖構造を使用してもよい。概して、化合物(A2)は、液体状態からガム状態までの範囲の粘度を有していてもよい。例えば、化合物(A2)は、25℃で少なくとも100センチストークの粘度を有していてもよい。
オルガノポリシロキサン(A2)は、メチルビニルシロキサン、メチルビニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-ジフェニルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端基を含むジメチル-シロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むメチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、及びジメチルビニルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)シロキサンコポリマーから選ぶことができる。
化合物(B2)は、例えば、各分子中に、ケイ素に結合した少なくとも2つの水素を含むオルガノポリシロキサンとすることができ、したがって、化合物(A2)のための架橋剤となる。一実施形態では、化合物(A2)の1分子当たりのエチレン性基の数と、化合物(B2)の1分子当たりのケイ素に結合した水素原子の数との和は、少なくとも4である。
化合物(B2)はいずれの分子構造のものであってもよい。一実施形態では、化合物(B2)は直鎖若しくは分枝鎖の構造又は環状構造である。化合物(B2)は、トリメチルシロキシ末端基を含むメチルハイドロジェンポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、及び環状ジメチルシロキサン-メチルハイドロジェンシロキサンコポリマーから選ぶことができる。化合物(B2)は、25℃で1から50,000センチストークの範囲の粘度を有することにより、例えば、化合物(A)との混和性を良好にすることができる。一実施形態では、化合物(B2)を、化合物(B2)中のケイ素に結合した水素原子の総量と、化合物(A2)中の全てのエチレン性不飽和基の総量との間の分子比が1:1から20:1の範囲内になるような量で添加することができる。
化合物(C2)は、架橋反応触媒であり、例えば、クロロ白金酸、クロロ白金酸-オレフィン錯体、クロロ白金酸-アルケニルシロキサン錯体、クロロ白金酸-ジケトン錯体、白金黒、及び担持体上の白金から選ぶことができる。触媒(C2)は、例えば、清浄白金金属として、化合物(A2)及び(B2)の総量の1000質量部当たり0.1から1000質量部、更に例えば1から100質量部の範囲の量で添加することができる。
他の有機基は、前述のオルガノポリシロキサン(A2)及び(B2)中のケイ素に結合していてもよく、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル又はオクチル等のアルキル基;2-フェニルエチル、2-フェニルプロピル又は3,3,3-トリ-フルオロプロピル等の置換アルキル基;フェニル、トリル又はキシリル等のアリール基;フェニルエチル等の置換アリール基;及びエポキシ基、カルボン酸エステル基又はメルカプト基等の置換されている一価の炭化水素系基である。
本組成物中に使用することができる、シリコーン樹脂で被覆されたオルガノポリシロキサンエラストマー粉末には、シリコーン樹脂で、特にシルセスキオキサン樹脂で被覆されたオルガノポリシロキサンエラストマー粉末が含まれ、これは例えば特許US 5 538 793に記載されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。かかるエラストマー粉末は、信越化学工業株式会社によりKSP-100、KSP-101、KSP-102、KSP-103、KSP-104及びKSP-105の名称で販売されており、INCI名は(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーである。好ましくは、シリコーン樹脂で被覆されたオルガノポリシロキサンエラストマー粉末は、INCI名が(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーである化合物である。挙げることができるシリコーンエラストマー粉末には、Dow Corning社によりTrefil(登録商標)Powder E-505C及びTrefil(登録商標)Powder E-506Cの名称で販売されている粉末が含まれる。
他のシリコーン粉末は、例えば信越化学工業株式会社により「KSP-200」の名称で販売されている、フルオロアルキル基で官能化されたハイブリッドシリコーンの粉末、及び例えば信越化学工業株式会社により「KSP-300」の名称で販売されている、フェニル基で官能化されたハイブリッドシリコーンの粉末とすることができる。
一実施形態では、(a)第1の球状シリコーン粉末及び(b)第2のシリコーン粉末は、それぞれ独立に、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー及びポリメチルシルセスキオキサン粉末から選択される。
一実施形態では、(a)第1の球状シリコーン粉末は、シリコーン樹脂で被覆されたオルガノポリシロキサンエラストマー粉末から選択され、(b)第2のシリコーン粉末は、ポリメチルシルセスキオキサン粉末から選択される。
別の実施形態では、(a)第1の球状シリコーン粉末は、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー粉末から選択され、(b)第2のシリコーン粉末は、ポリメチルシルセスキオキサン粉末から選択される。
(a)第1の球状シリコーン粉末は、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、一層好ましくは1質量%以上の含有量で存在することができる。(a)第1の球状シリコーン粉末は、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、一層好ましくは5質量%以下の含有量で存在することができる。
(a)第1の球状シリコーン粉末は、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して、0.1質量%から15質量%、好ましくは0.5質量%から10質量%、一層好ましくは1質量%から5質量%の範囲の含有量で存在することができる。
(b)第2の球状シリコーン粉末は、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、一層好ましくは1質量%以上の含有量で存在することができる。(b)第2の球状シリコーン粉末は、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、一層好ましくは5質量%以下の含有量で存在することができる。
(b)第2の球状シリコーン粉末は、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して、0.1質量%から15質量%、好ましくは0.5質量%から10質量%、一層好ましくは1質量%から5質量%の範囲の含有量で存在することができる。
(a)第1の球状シリコーン粉末及び(b)第2の球状シリコーン粉末の総量は、組成物の総質量に対して、0.2質量%以上、好ましくは1質量%以上、一層好ましくは2質量%以上とすることができる。(a)第1の球状シリコーン粉末及び(b)第2の球状シリコーン粉末の総量は、組成物の総質量に対して、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、一層好ましくは10質量%以下とすることができる。
(a)第1の球状シリコーン粉末及び(b)第2の球状シリコーン粉末の総量は、組成物の総質量に対して、0.2質量%から20質量%、好ましくは1質量%から15質量%、一層好ましくは2質量%から10質量%の範囲とすることができる。
(他の成分)
・屈折率が1.48以上の親油性液体物質
本発明による組成物には、好ましくは屈折率が1.48以上の少なくとも1種の親油性液体物質を含めることができる。屈折率が1.48以上の2種以上の親油性液体物質を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一の種類の親油性液体物質、又は異なる種類の親油性液体物質の組合せを使用することができる。
「親油性の」という用語は、疎水性で、常温(25℃)及び大気圧(760mmHg)で水不溶性の有機化合物を意味する。親油性液体物質の水溶解性は、5質量%未満、好ましくは1質量%未満、一層好ましくは0.1質量%未満である。
「液体」という用語は、「固体」状態に対し、物質が液体状態である、即ち、25℃及び大気圧(760mmHg)で、物質がその自重で流動することが可能であることを意味するものである。
親油性液体物質は屈折率が少なくとも1.48である。好ましくは、親油性液体物質は、屈折率が1.5以上、一層好ましくは1.53以上である。本明細書における屈折率は、本発明における25°Cでの測定値である。
本発明による組成物中に使用することができる親油性液体物質には、例えば、芳香族シリコーン油、及び少なくとも1つのフェニル基を含む不揮発性炭化水素油等の油、及び有機UV遮蔽剤、並びにそれらの混合物が含まれる。
「芳香族シリコーン油」(「フェニルシリコーン油」又は「フェニル化シリコーン油」とも呼ばれる)という表現は、本明細書で使用する場合、少なくとも1つのフェニル置換基を有するシリコーン油を意味する。好ましくは、芳香族シリコーン油は不揮発性油である。
芳香族シリコーン油は以下から選ばれ得る。
i)次式(I):
Figure 0007039167000001
[式中、R基は、互いに独立にメチル又はフェニルを表し、但し、少なくとも1つのR基はフェニルを表す]に相当する芳香族シリコーン油。好ましくは、この式中、芳香族シリコーン油は、フェニル基を少なくとも3つ、例えば、少なくとも4つ、少なくとも5つ又は少なくとも6つ含む。
ii)次式(II):
Figure 0007039167000002
[式中、R基は、互いに独立にメチル又はフェニルを表し、但し、少なくとも1つのR基はフェニルを表す]に相当する芳香族シリコーン油。好ましくは、この式中、芳香族シリコーン油は、フェニル基を少なくとも3つ、例えば、少なくとも4つ又は少なくとも5つ含む。
iii)次式(III):
Figure 0007039167000003
[式中、Meはメチルを表し、yは1から1,000の間であり、Xは-CH2-CH(CH3)(Ph)を表す]に相当する芳香族シリコーン油。
iv)下記の式(IV):
Figure 0007039167000004
[式中、Meはメチルであり、Phはフェニルであり、OR'は-OSiMe3基を表し、yは0であるか、又は1から1000の間を範囲とし、zは1から1000の間を範囲とする]に相当する芳香族シリコーン油。とりわけ、y及びzは、化合物(IV)が不揮発性油であるような数である。
第1の実施形態によれば、yは1から1000の間を範囲とする。使用できるのは、例えば、Wacker社により、特にBelsil PDM 1000の参照名で販売されているトリメチルシロキシフェニルジメチコンである。
第2の実施形態によれば、yは0に等しい。使用できるのは、例えば、特にDow Corning 556 Cosmetic Grade Fluid(DC556)の参照名で販売されているフェニルトリメチルシロキシトリシロキサンである。
v)下記の式(V):
Figure 0007039167000005
[式中:
- R1からR10は、互いに独立に、飽和又は不飽和の、直鎖状、環状又は分枝状のC1~C30炭化水素系基であり、
- m、n、p及びqは、互いに独立に、0から900の間の整数であり、但し、n+m+qの和は0以外である]に相当する芳香族シリコーン油、及びそれらの混合物。
好ましくは、m+n+qの和は1から100の間である。好ましくは、m+n+p+qの和は、1から900の間であり、更により良好には1から800の間である。好ましくは、qは0に等しい。
好ましくは、R1からR10は、互いに独立に、飽和又は不飽和の、好ましくは飽和の、直鎖状又は分枝状のC1~C30炭化水素基、特にC1~C12炭化水素系基、特定するとC3~C16、より特定するとC4~C10、又は単環式若しくは多環式のC6~C14、特にC10~C13アリール基、又はアラルキル基を表す。好ましくは、R1からR10は、それぞれ、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、デシル、ドデシル又はオクタデシル基を表し、或いはフェニル、トリル、ベンジル又はフェネチル基を表す。R1からR10は、特に同一であってもよく、更にメチル基であってもよい。
vi)下記の式(VI):
Figure 0007039167000006
[式中:
- R1からR6は、互いに独立に、飽和又は不飽和の、直鎖状、環状又は分枝状のC1~C30炭化水素系基であり、好ましくは、R1からR6は、C1~C30アルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、
- m、n及びpは、互いに独立に、0から100の間の整数であり、但し、n+mの和は1から100の間である]に相当する芳香族シリコーン油、及びそれらの混合物。
好ましくは、R1からR6は、互いに独立に、飽和又は不飽和の、好ましくは飽和の、直鎖状又は分枝状のC1~C30炭化水素基、特にC1~C12炭化水素系基、特定するとC3~C16、より特定するとC4~C10、又は単環式若しくは多環式のC6~C14及び特にC10~C13アリール基、又はアラルキル基を表す。好ましくは、R1からR6は、それぞれ、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、デシル、ドデシル又はオクタデシル基を表し、或いはフェニル、トリル、ベンジル又はフェネチル基を表す。
R1からR6は、特に同一であってもよく、更にメチル基であってもよい。好ましくは、式(VI)中、m=1若しくは2若しくは3、及び/又はn=0及び/又はp=0若しくは1が適用され得る。
vii)次式(VII):
Figure 0007039167000007
[式中:
R1、R2、R5及びR6は、共に又は別々に、1から6個の炭素原子を含むアルキル基であり、
R3及びR4は、共に又は別々に、1から6個の炭素原子を含むアルキル基、又はアリール基であり、但し、R3及びR4のうちの少なくとも1つはフェニル基であり、
Xは、1から6個の炭素原子を含むアルキル基、ヒドロキシル基又はビニル基であり、
n及びpは、1以上の整数であり、質量平均分子質量が200,000g/mol未満、好ましくは150,000g/mol未満、一層好ましくは100,000g/mol未満である油が得られるように選ばれる]に相当する芳香族シリコーン油、及びそれらの混合物。
好ましい芳香族シリコーン油として、挙げることができる例には、以下のようなシリコーン油:
- 好ましくは以下から選ばれるフェニルシリコーン油:テトラメチルテトラフェニルトリシロキサン(例えばDow Corning社製PH-1554 HRI又はDow Corning 554 Cosmetic Fluid)、トリメチルシロキシフェニルジメチコン(例えばWacker社製Belsil PDM 1000(上記式(IV)を参照))、フェニルトリメチコン(例えばDow Corning社によりDC556の商品名で販売されているフェニルトリメチコン)、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン(例えば信越化学工業株式会社製KF-54(400 cSt)、信越化学工業株式会社製KF54HV(5000 cSt)、信越化学工業株式会社製KF-50-300CS(300 cSt)、信越化学工業株式会社製KF-53(175cSt)、信越化学工業株式会社製KF-50-100CS(100 cSt))、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸2-フェニルエチル、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン(例えばDow Corning社によりDow Corning PH-1555 HRI Cosmetic fluidの名称で販売されている製品)、
及び
- それらの混合物が含まれる。
芳香族シリコーンは:
- フェニルトリメチコン、
- ジフェニルシロキシフェニルジメチコン、
- トリメチルペンタフェニルトリシロキサン、
- フェニルジメチコン、
- フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、
- ジフェニルジメチコン、
- ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、及び
- トリメチルシロキシケイ酸2-フェニルエチル、並びに
- それらの混合物
から選ばれるのが一層好ましい。
好ましくは、本発明による芳香族シリコーン油の質量平均分子量は、500から10,000g/mol、一層好ましくは500から5,000g/mol、特に500から1,000g/molの範囲とする。
一態様において、芳香族シリコーン油は、ジメチコン部分のない1種又は複数種の芳香族シリコーン油から選ばれる。
好ましくは、芳香族シリコーン油は少なくとも1つのアルキル基に直接結合している少なくとも1つのSi(ケイ素)原子を有し、これは主鎖の末端にあるのではない。即ち、芳香族シリコーン油は、主鎖の末端ではなく、主鎖の中にアルキルシロキサン単位を有するのが好ましい。
好ましくは、芳香族シリコーン油は、主鎖の末端に、少なくとも1つのフェニル基で置換されている少なくとも1つのSi原子を有する。
最も好ましくは、(b)芳香族シリコーン油は、次式(VIII):
Figure 0007039167000008
[式中、Meはメチルを表し、Phはフェニルを表す]で表されるトリメチルペンタフェニルトリシロキサンである。
本発明で使用する少なくとも1つのフェニル基を含む不揮発性炭化水素油は、好ましくは安息香酸C12~C15アルキルである。
有機UV遮蔽剤は「親油性UV遮蔽剤」とも呼ばれる。本発明で使用する有機UV遮蔽剤には、限定されるものではないが、トリアジン化合物、パラ-アミノ安息香酸化合物、サリチル酸化合物、ケイ皮酸化合物、例えばメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、β,β-ジフェニルアクリレート化合物、例えばオクトクリレン、ベンジリデンカンファー化合物、フェニルベンゾイミダゾール化合物、イミダゾリン化合物、ベンザルマロネート化合物、及びメロシアニン化合物、並びにそれらの組合せを含めることができる。
親油性液体物質は、組成物の総質量に対して、0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、一層好ましくは3質量%以上、特に5質量%以上の含有量で存在することができる。親油性液体物質は、組成物の総質量に対して、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、一層好ましくは12質量%以下、特に10質量%以下の含有量で存在することができる。
親油性液体物質は、組成物の総質量に対して、0.1質量%から20質量%、好ましくは1質量%から15質量%、一層好ましくは3質量%から12質量%、特に5質量%から10質量%の範囲の含有量で存在することができる。
・充填剤
本発明による組成物には、好ましくは球状シリコーン粉末に加えて、1種又は複数種の有機充填剤及び/又は無機充填剤を含めることができる。
「充填剤」という用語は、組成物が製造される温度にかかわりなく、組成物の媒体に不溶性である、無色又は白色の、無機又は合成の、任意の形状の粒子を意味すると理解されるべきである。
充填剤は、結晶形(例えば、層状、立方晶、六方晶、斜方晶等)にかかわりなく、いずれの形状でもよく、血小板形状、球状、又は長楕円形でもよい。
無機充填剤として、タルク、マイカ、シリカ、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリメチルシロキシケイ酸、カオリン、ベントン、炭酸カルシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、フルオロフロゴパイト、セリサイト、焼成タルク、焼成マイカ、焼成セリサイト、合成マイカ、ラウロイルリシン、金属石けん、オキシ塩化ビスマス、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、及びそれらの混合物を挙げることができ、これらは任意選択により親水性処理又は疎水性処理がされている。無機充填剤は、例えば、シリコーン又はアミノ酸で疎水性に表面処理されているのが好ましい。例えば、シリコーンで疎水性に表面処理されたマイカ又はシリカを使用することができる。
有機充填剤として、(メタ)アクリル粉末又は(メタ)アクリレート粉末、例えば、ポリメタクリル酸メチル粉末;ポリアクリロニトリル粉末;オルガノポリシロキサン粉末、ポリアミド粉末、ポリ-β-アラニン粉末及びポリエチレン粉末、ポリテトラフルオロエチレン粉末、ラウロイルリシン、デンプン、テトラフルオロエチレンポリマー粉末、例えばアクリル酸(アルキル)を含む中空ポリマーマイクロスフェア、8から22個の炭素原子を含む有機カルボン酸から誘導された金属石けん、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、シリコーン樹脂マイクロビーズ、ポリウレタン粉末、例えば、東色ピグメント株式会社によりPlastic Powder D-400の名称で販売されている、ヘキサメチレンジイソシアネート/トリメチロールヘキシルラクトンコポリマー(CTFA名:(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー(HDI/Trimethylol Hexyllactone Crosspolymer))で形成される粉末、カルナウバマイクロワックス、合成マイクロワックス、カルナウバワックスとポリエチレンワックスとの混合物から形成されるマイクロワックス、カルナウバワックスと合成ワックスとの混合物から形成されるマイクロワックス、及びポリエチレンマイクロワックスを挙げることができる。
充填剤は、組成物の総質量に対して、10質量%から90質量%、好ましくは30質量%から85質量%、一層好ましくは50質量%から80質量%の範囲の含有量で存在することができる。
・着色剤
本発明による組成物には、好ましくは、当業者に周知の、顔料、脂溶性染料、真珠光沢剤及び光輝性フレーク、並びにそれらの混合物から選ばれ得る1種又は複数種の着色剤を含めることができる。特に、本組成物は着色剤として顔料を含む。
「顔料」という用語は、水性溶液に不溶性である、白色又は有色の、無機又は有機の粒子を意味すると理解されるべきである。本発明で使用することができる顔料として、酸化チタン、酸化ジルコニウム又は酸化セリウム、更には酸化亜鉛、酸化鉄又は酸化クロム、フェリクブルー、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー及びクロム水和物も挙げることができる。顔料は、例えば、シリコーン又はアミノ酸で疎水性に表面処理されているのが好ましい。例えば、シリコーンで疎水性に表面処理された二酸化チタンを使用することができる。
着色剤は、組成物の総質量に対して、0.1質量%から20質量%、好ましくは1質量%から15質量%、一層好ましくは2質量%から10質量%の範囲の含有量で存在することができる。
・無機UV遮蔽剤
本発明による組成物には、好ましくは少なくとも1種の無機UV遮蔽剤を含めることができる。無機UV遮蔽剤は、金属酸化物から選択することができ、例えば酸化チタン(ルチル及び又はアナターゼの形態にある、非晶質又は結晶性)、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム又は酸化セリウムであり、これらは全てUV光防護剤として周知である。無機UV遮蔽剤はナノ粒子であるのが好ましい。例えば、ナノ二酸化チタンを無機UV遮蔽剤として使用することができる。
・添加剤
本発明による組成物には、添加剤が本発明の効果を損なわず、化粧料用途に許容される限り、それらの添加剤を含めることができる。添加剤は、植物由来又は動物由来等の油、合成油、シリコーン油、炭化水素油、及び脂肪族アルコール;陰イオン性、陽イオン性、非イオン性又は両性のポリマー;天然又は合成の増粘剤;滑沢剤又は分散剤、例えばソルビタン脂肪酸エステル、例えばセスキオレイン酸ソルビタン;ゲル化剤;動物又は植物由来の天然抽出物;ワックス;化粧料として許容される疎水性有機溶媒;ペプチド及びその誘導体;タンパク加水分解物;防腐剤;補助防腐剤;殺菌剤;ビタミン又はプロビタミン;香料;安定化剤、並びにそれらの混合物から選択することができる。
添加剤の量は、限定されるものではないが、本発明による組成物の総質量に対して0.1から30質量%とすることができる。
本発明の組成物は、化粧用組成物とすることができ、好ましくは、例えば、顔、首及び身体の皮膚等のケラチン物質用の固体の化粧用組成物とすることができ、一層好ましくは皮膚の化粧用メイクアップ組成物とすることができる。本発明による組成物は、コンパクトパウダー、特にパウダーファンデーション又はルースパウダーの形態で提供することができる。
本発明による組成物は、好ましくは無水であり、又は組成物の総質量に対して、3質量%未満の水、好ましくは1質量%未満の水を含有する。「無水」という用語は、好ましくは組成物に水が意図的に添加されていないこと、一層好ましくは組成物中に水が存在していないこと、しかし組成物に使用される種々の化合物中に水が微量に存在していてもよいことを特に意味する。
本発明による組成物は、(a)第1の球状シリコーン粉末と、(b)第2の球状シリコーン粉末と、必要に応じて1種又は複数種の他の成分とを、ヘンシェルミキサー等のミキサーで混合して、パウダー状混合物を得ることによって製造することができる。次いで、得られた混合物を、ピンミル及びハンマーミル等の微粉砕機で微粉砕し、次いで篩で篩過することができる。本発明による組成物がコンパクトパウダーの形態である場合、混合物は、更にプレス機で皿の中にプレスすることができる。
[化粧方法]
本発明による組成物は、好ましくは皮膚等のケラチン物質用の化粧用組成物として使用することができる。特に、本発明による組成物は、魅力的な外観を作るため、しみ、しわ、毛穴等の欠点を隠すため、及びケラチン物質をUV光線から防護するために、例えば、顔、首及び身体の皮膚等のケラチン物質に塗布するように意図され得る。組成物は概して、皮膚等のケラチン物質にスポンジ塗布具で塗布される。
したがって、本発明はまた、皮膚、好ましくは顔面皮膚に、本発明による組成物を塗布する工程を含む化粧方法にも関する。化粧方法は、好ましくは、皮膚、好ましくは顔面皮膚をメイクアップ及び/又はケアする工程を含む。組成物は、スポンジ、パフ又はブラシ等の塗布具で、粉末をこすり取ることによって取り上げることができる。次いで組成物は、塗布具を皮膚に接触させることにより、塗布具から皮膚に移される。
本発明に従って使用される組成物は、好ましくはリーブインタイプの化粧用組成物として使用するように意図されている。「リーブイン」という用語は、塗布直後に洗い落としたり除去したりすることを意図していない組成物を意味する。
本発明の皮膚の欠点をカバーする改善された効果によれば、本発明による化粧方法は、皮膚の欠点をカバーする改善された効果を付与することができる。特に、本発明による化粧方法は、毛穴を隠す優れた効果を付与することができる。更に、本発明の皮膚の欠点をカバーする改善された効果により、消費者は多量の組成物をケラチン物質に、例えば顔面皮膚に塗布する必要がない。したがって、本発明による化粧方法は、塗布されるべき組成物の量が減少したために、より自然な外見及びセミマットな外見を作り出すこともできる。
本発明はまた、化粧用組成物中、好ましくは固体スキンケア化粧用組成物中の、メイクアップ活性物としての、(a)平均一次粒径が7μm以上、好ましくは10μm以上の少なくとも1種の第1の球状シリコーン粉末と、(b)平均一次粒径が3μm以下、好ましくは1μm以下の少なくとも1種の第2の球状シリコーン粉末との組合せの使用にも関する。
本発明を、実施例を通してより詳細に説明していく。しかしながら、これらの実施例が本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
[組成物]
実施例1から3並びに比較例1及び2の組成物はTable 1(表1)に示されており、これらを以下の調製プロトコールに従って調製した。Table 1(表1)中、全ての成分は活性物質の原材料としての「質量部」に基づいている。(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーは信越化学工業株式会社から入手し(商品名:KSP-102)、ポリメチルシルセスキオキサンは日興リカ株式会社から入手した(商品名:MSP-N050)。Table 1(表1)において、「D50値」は集団の半分に対して統計的粒径分布で与えられる数平均粒子径を意味し、「R.I.」は屈折率を意味する。
[調製プロトコール]
1)全粉末成分(Table 1(表1)のタイプ(a)の成分)をミキサーで混合して、粉末混合物を調製する。
2)液状成分又は油状成分(Table 1(表1)のタイプ(b)の成分)をガラスビーカーに入れ、それを約50℃まで加熱して、液体相を調製する。
3)液体相をミキサー中の粉末混合物に添加し、それらをミキサーで混合する。
4)得られた混合物を微粉砕機で微粉砕する。
5)得られたバルクを篩で篩過し、次いでプレス機で皿の中にプレスして、試験試料を得る。
[評価]
実施例1から3並びに比較例1及び2の試験組成物の各々の毛穴を隠す効果の性能を、以下の試験によって評価した。試験組成物の各々及び従来の粉末化粧用組成物を、熟練エステティシャンが女性6名の顔面皮膚に塗布具で塗布した。次いで、試験組成物の各々のメイクアップ仕上がりを、制御した光条件下で従来の粉末化粧用組成物と比較した。毛穴を隠す効果を以下の基準で評価した。
極めて良好:毛穴を隠す効果が従来の粉末化粧用組成物と比較して著しく良好であった
良好:毛穴を隠す効果が従来の粉末化粧用組成物と比較してわずかに良好であった
不良:毛穴を隠す効果が従来の粉末化粧用組成物と同等又はそれより低かった
Figure 0007039167000009
Figure 0007039167000010
平均一次粒径が7μm以上の球状シリコーン粉末及び平均一次粒径が3μm以下の球状シリコーン粉末を含む実施例1から3の組成物は、従来の粉末化粧用組成物より良好な毛穴を隠す効果を示した。
とりわけ、2種の球状シリコーン粉末に加えて、屈折率が1.50以上の親油性液体物質を含む実施例1及び2の組成物は、従来の粉末化粧用組成物より著しく良好な毛穴を隠す効果を示した。2種の球状シリコーン粉末に加えて、屈折率が1.48以上(但し1.50未満)の親油性液体物質を含む実施例3の組成物は、従来の粉末化粧用組成物よりわずかに良好な毛穴を隠す効果を示した。
それに対して、平均一次粒径が7μm以上の球状シリコーン粉末と平均一次粒径が3μm以下の球状シリコーン粉末の組合せを含まない比較例1及び2の組成物は、従来の粉末化粧用組成物と同等又はそれより低い毛穴を隠す効果を示した。とりわけ、平均一次粒径が0.5μm及び5μmの球状シリコーン粉末の組合せを含む比較例1の組成物は、良好な毛穴を隠す効果を示さなかった。同様に、平均一次粒径が5μm及び30μmの球状シリコーン粉末の組合せを含む比較例2の組成物は、良好な毛穴を隠す効果を示さなかった。
これらの実施例は、本発明が皮膚の欠点をカバーする優れた特性を付与することができるため、大きな有益性を有し、したがって、本発明による組成物は、皮膚のメイクアップ化粧用組成物として極めて有用であることを明白に示している。

Claims (12)

  1. (a)平均一次粒径が7μm以上200μm未満の少なくとも1種の第1の球状シリコーン粉末
    (b)平均一次粒径が0.05μm以上1μm以下の少なくとも1種の第2の球状シリコーン粉末、及び
    (c)組成物の総質量に対して、0.1質量%から20質量%の含有量の、屈折率が1.48以上の少なくとも1種の親油性液体物質を含み、
    第1の球状シリコーン粉末及び第2の球状シリコーン粉末の総量が、組成物の総質量に対して、0.2質量%から20質量%の範囲であり、
    前記親油性液体物質は、少なくとも1つのフェニル基を含む不揮発性炭化水素油、有機UV遮蔽剤、及びそれらの混合物から選択される、1.48以上1.54以下の屈折率を有する少なくとも1種の親油性液体物質を含むパウダー状化粧用組成物。
  2. 第1の球状シリコーン粉末及び第2の球状シリコーン粉末が、それぞれ独立に、ポリオルガノシルセスキオキサン粉末及びシリコーン樹脂で被覆されたオルガノポリシロキサンエラストマー粉末から選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. 第1の球状シリコーン粉末及び第2の球状シリコーン粉末が、それぞれ独立に、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー及びポリメチルシルセスキオキサン粉末から選択される、請求項2に記載の組成物。
  4. 親油性液体物質が、芳香族シリコーン油、少なくとも1つのフェニル基を含む不揮発性炭化水素油、有機UV遮蔽剤、及びそれらの混合物から選択される、請求項に記載の組成物。
  5. 芳香族シリコーン油が、主鎖の末端に、少なくとも1つのフェニル基で置換されている少なくとも1つのSi原子を有する芳香族シリコーン油から選択される、請求項に記載の組成物。
  6. 有機UV遮蔽剤が、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル及びオクトクリレンから選択される、請求項に記載の組成物。
  7. 少なくとも1つのフェニル基を含む不揮発性炭化水素油が、安息香酸C12~C15アルキルである、請求項に記載の組成物。
  8. 疎水性に表面処理されているか又は疎水性に表面処理されていない、タルク、マイカ、合成マイカ及びシリカから選択される少なくとも1種の無機充填剤を更に含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 少なくとも1種の有機充填剤を更に含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 組成物が、無水であるか、又は組成物の総質量に対して、3質量%未満の水を含有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 第1の球状シリコーン粉末と第2の球状シリコーン粉末とを混合することによる、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物を調製する方法。
  12. ケラチン物質用の化粧方法であって、ケラチン物質に請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物を塗布する工程を含む、化粧方法。
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