JP7036692B2 - サーマルヘッドおよびサーマルプリンタ - Google Patents

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Description

本開示は、サーマルヘッドおよびサーマルプリンタに関する。
従来、ファクシミリあるいはビデオプリンタ等の印画デバイスとして、種々のサーマルヘッドが提案されている。例えば、基板と、前記基板上に位置する発熱部と、前記基板上に位置し、前記発熱部に繋がっている電極と、前記発熱部および前記電極の一部を被覆する第1保護層と、前記第1保護層上に位置する第2保護層と、を備えるものが知られている(特許文献1参照)。
実開平8-1155号公報
本開示のサーマルヘッドは、基板と、発熱部と、電極と、第1保護層と、第2保護層とを備える。発熱部は、基板上に位置する。電極は基板上に位置し、発熱部に繋がっている。第1保護層は、発熱部および電極の一部を被覆する。第2保護層は、第1保護層上に位置する。第1保護層は、第1結晶粒子を含む。第2結晶粒子を含む第2結晶粒子の平均結晶粒径は、第1結晶粒子の平均結晶粒径よりも大きい。
本開示のサーマルプリンタは、上記に記載のサーマルヘッドと、前記発熱部上に記録媒体を搬送する搬送機構と、前記記録媒体を押圧するプラテンローラと、を備える。
図1は、第1の実施形態に係るサーマルヘッドの概略を示す分解斜視図である。 図2は、図1に示すサーマルヘッドの概略を示す平面図である。 図3は、図2のIII-III線断面図である。 図4は、図1に示すサーマルヘッドの保護層の近傍を拡大して示す断面図である。 図5は、第1の実施形態に係るサーマルプリンタを示す概略図である。
従来のサーマルヘッドでは、保護層の信頼性を向上させるために、発熱部および電極の一部を被覆する第1保護層と、第1保護層上に位置する第2保護層とを備えるサーマルヘッドが知られている。今般においては、保護層のさらなる信頼性の向上が求められている。
本開示のサーマルヘッドは、保護層の信頼性を向上させることができる。以下、本開示のサーマルヘッドおよびそれを用いたサーマルプリンタについて、詳細に説明する。
<第1の実施形態>
サーマルヘッドX1について図1~4を参照して説明する。図1は、サーマルヘッドX1の構成を概略的に示している。図2は、保護層25、被覆層27、および封止部材12を一点鎖線にて示しており、被覆部材29を破線にて示している。図3は、図2のIII-III線断面図である。なお、図3において、保護層25の層構造を省略して示してい
る。図4は、サーマルヘッドX1の保護層25の近傍を拡大して示している。
サーマルヘッドX1は、ヘッド基体3と、コネクタ31と、封止部材12と、放熱板1と、接着部材14とを備えている。なお、コネクタ31、封止部材12、放熱板1、および接着部材14は、必ずしも備えていなくてもよい。
放熱板1は、ヘッド基体3の余剰の熱を放熱する。ヘッド基体3は、接着部材14を介して放熱板1上に載置されている。ヘッド基体3は、外部から電圧が印加されることにより、記録媒体P(図5参照)に印画を行う。接着部材14は、ヘッド基体3と放熱板1とを接着している。コネクタ31は、ヘッド基体3を外部に電気的に接続する。コネクタ31は、コネクタピン8とハウジング10とを有している。封止部材12は、コネクタ31とヘッド基体3とを接合している。
放熱板1は、直方体形状である。放熱板1は、例えば、銅、鉄またはアルミニウム等の金属材料で形成されており、ヘッド基体3の発熱部9で発生した熱のうち、印画に寄与しない熱を放熱する。
ヘッド基体3は、平面視して、長方形状であり、基板7上にサーマルヘッドX1を構成する各部材が配置されている。ヘッド基体3は、外部より供給された電気信号に従い、記録媒体Pに印字を行う機能を有する。
図1~3を用いて、ヘッド基体3を構成する各部材、封止部材12、接着部材14およびコネクタ31について説明する。
ヘッド基体3は、基板7と、蓄熱層13と、電気抵抗層15と、共通電極17と、個別電極19と、第1接続電極21と、接続端子2と、導電部材23と、駆動IC(Integrated Circuit)11と、被覆部材29と、保護層25と、被覆層27とを有している。なお、これらの部材は、必ずしもすべて備えていなくてもよい。また、ヘッド基体3は、これら以外の部材を備えていてもよい。なお、保護層25は、後述する第1保護層25aおよび第2保護層25bを総称している。
基板7は、放熱板1上に配置されており、平面視して、矩形状である。基板7は、第1面7fと、第2面7gと、側面7eとを有している。第1面7fは、第1長辺7aと、第2長辺7bと、第1短辺7cと、第2短辺7dとを有している。第1面7f上にヘッド基体3を構成する各部材が配置されている。第2面7gは、第1面7fと反対側に位置している。第2面7gは、放熱板1側に位置しており、接着部材14を介して放熱板1に接合されている。側面7eは、第1面7fと第2面7gとを接続しており、第2長辺7b側に位置している。
基板7は、例えば、アルミナセラミックス等の電気絶縁性材料あるいは単結晶シリコン等の半導体材料等によって形成されている。
蓄熱層13は、基板7の第1面7f上に位置している。蓄熱層13は、第1面7fから上方に***している。言い換えると、蓄熱層13は、基板7の第1面7fから遠ざかる方向に突出している。
蓄熱層13は、基板7の第1長辺7aに隣り合うように配置され、主走査方向に沿って延びている。蓄熱層13の断面が略半楕円形状であることにより、発熱部9上に形成された保護層25が、印画する記録媒体Pに良好に接触する。蓄熱層13の基板7の第1面7fからの高さとして、30~60μmを例示できる。
蓄熱層13は、熱伝導性の低いガラスで形成されており、発熱部9で発生する熱の一部を一時的に蓄積する。そのため、発熱部9の温度を上昇させるのに要する時間を短くすることができ、サーマルヘッドX1の熱応答特性を高めることができる。
蓄熱層13は、例えば、ガラス粉末に適当な有機溶剤を混合して得た所定のガラスペーストをスクリーン印刷等によって基板7の第1面7fに塗布し、これを焼成することで形成される。
電気抵抗層15は、蓄熱層13の上面に位置しており、電気抵抗層15上には、共通電極17、個別電極19、第1接続電極21および第2接続電極26が形成されている。共通電極17と個別電極19との間には、電気抵抗層15が露出した露出領域が形成されている。電気抵抗層15の露出領域は、図2に示すように、蓄熱層13上に列状に配置されており、各露出領域が発熱部9を構成している。
なお、電気抵抗層15は、各種電極と蓄熱層13との間に必ずしも位置する必要はなく、共通電極17と個別電極19とを電気的に接続するように、例えば、共通電極17と個別電極19との間のみに位置していてもよい。
複数の発熱部9は、説明の便宜上、図2では簡略化して記載しているが、例えば、100dpi~2400dpi(dot per inch)等の密度で配置される。電気抵抗層15は、例えば、TaN系、TaSiO系、TaSiNO系、TiSiO系、TiSiCO系またはNbSiO系等の電気抵抗の比較的高い材料によって形成されている。そのため、発熱部9に電圧が印加されたときに、ジュール発熱によって発熱部9が発熱する。
共通電極17は、主配線部17a,17dと、副配線部17bと、リード部17cとを備えている。共通電極17は、複数の発熱部9と、コネクタ31とを電気的に接続している。主配線部17aは、基板7の第1長辺7aに沿って延びている。副配線部17bは、基板7の第1短辺7cおよび第2短辺7dのそれぞれに沿って延びている。リード部17cは、主配線部17aから各発熱部9に向かって個別に延びている。主配線部17dは、基板7の第2長辺7bに沿って延びている。
複数の個別電極19は、発熱部9と駆動IC11との間を電気的に接続している。また、複数の発熱部9は、複数の群に分かれており、各群の発熱部9と各群に対応して配置された駆動IC11とが、個別電極19によって電気的に接続されている。
複数の第1接続電極21は、駆動IC11とコネクタ31との間を電気的に接続している。各駆動IC11に接続された複数の第1接続電極21は、異なる機能を有する複数の配線で構成されている。
複数の第2接続電極26は、隣り合う駆動IC11を電気的に接続している。複数の第2接続電極26は、異なる機能を有する複数の配線で構成されている。
これらの共通電極17、個別電極19、第1接続電極21、および第2接続電極26は、導電性を有する材料で形成されており、例えば、アルミニウム、金、銀および銅のうちのいずれか一種の金属またはこれらの合金によって形成されている。
複数の接続端子2は、共通電極17および第1接続電極21をFPC5に接続するために、第1面7fの第2長辺7b側に配置されている。接続端子2は、後述するコネクタ31のコネクタピン8に対応して配置されている。
各接続端子2上には、導電部材23が設けられている。導電部材23としては、例えば、はんだ、あるいはACP(Anisotropic Conductive Paste)等を例示することができる。なお、導電部材23と接続端子2との間にNi、Au、あるいはPdによるめっき層を配置してもよい。
上記のヘッド基体3を構成する各種電極は、各々を構成するAl、Au、あるいはNi等の金属の材料層を蓄熱層13上に、スパッタリング法等の薄膜成形技術によって順次積層して積層体を形成する。次に、積層体をフォトエッチング等の技術を用いて所定のパターンに加工することにより形成することができる。なお、ヘッド基体3を構成する各種電極は、同じ工程によって同時に形成することができる。
駆動IC11は、図2に示すように、複数の発熱部9の各群に対応して配置されている。また、駆動IC11は、個別電極19と第1接続電極21とに接続されている。駆動IC11は、各発熱部9の通電状態を制御する機能を有している。駆動IC11としては、スイッチングICを用いることができる。
保護層25は、発熱部9、共通電極17および個別電極19の一部を被覆している。保護層25は、被覆した領域を、大気中に含まれている水分等の付着による腐食、あるいは印画する記録媒体Pとの接触による摩耗から保護するためのものである。
被覆層27は、共通電極17、個別電極19、第1接続電極21および第2接続電極26を部分的に被覆するように基板7上に配置されている。被覆層27は、被覆した領域を、大気との接触による酸化、あるいは大気中に含まれている水分等の付着による腐食から保護するためのものである。被覆層27は、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、あるいはシリコーン系樹脂等の樹脂材料により形成することができる。
駆動IC11は、個別電極19、第1接続電極21および第2接続電極26に接続された状態で、エポキシ樹脂、あるいはシリコーン樹脂等の樹脂からなる被覆部材29によって封止されている。被覆部材29は、主走査方向に延びるように配置されており、複数の駆動IC11を一体的に封止している。
コネクタ31は、複数のコネクタピン8と、複数のコネクタピン8を収納するハウジング10とを有している。複数のコネクタピン8は、第1端と第2端とを有している。第1端がハウジング10の外部に露出しており、第2端がハウジング10の内部に収容され、外部に引き出されている。コネクタピン8の第1端は、ヘッド基体3の接続端子2に電気的に接続されている。それにより、コネクタ31は、ヘッド基体3の各種電極と電気的に接続されている。
封止部材12は、第1封止部材12aと第2封止部材12bとを有している。第1封止部材12aは、基板7の第1面7f上に位置している。第1封止部材12aは、コネクタピン8と各種電極とを封止している。第2封止部材12bは、基板7の第2面7g上に位置している。第2封止部材12bは、コネクタピン8と基板7との接触部を封止するように配置されている。
封止部材12は、接続端子2、およびコネクタピン8の第1端が外部に露出しないように配置されており、例えば、エポキシ系の熱硬化性の樹脂、紫外線硬化性の樹脂、あるいは可視光硬化性の樹脂により形成することができる。なお、第1封止部材12aと第2封止部材12bとが同じ材料により形成されていてもよい。また、第1封止部材12aと第2封止部材12bとが別の材料により形成されていてもよい。
接着部材14は、放熱板1上に配置されており、ヘッド基体3の第2面7gと放熱板1とを接合している。接着部材14としては、両面テープ、あるいは樹脂性の接着剤を例示することができる。
図4を用いて、保護層25について詳細に説明する。
保護層25は、第1保護層25aと第2層保護層25bとを備えている。第1保護層25aは、基板7上に位置している。より詳細には、第1保護層25aは、発熱部9の全域を被覆している。また、第1保護層25aは、図2に示されるように、電極の一部を被覆している。より詳細には、第1保護層25aは、主配線部17aの全域、副配線部17bの第1長辺7a側の一部、リード部17cの全域を被覆している、また、第1保護層25aは、個別電極19の発熱部9側の一部を被覆している。
第1保護層25aとしては、TiN、TiON、TiCrN、TiAlON等を例示することができる。第1保護層25aとして、TiNを用いた場合、例えば、Tiを40~60原子%、Nを40~60原子%含有するように設定できる。なお、第1保護層25aは、例えば、SiN,SiON,SiO,SiAlON,SiC等でもよい。以下、第1保護層25aをTiNで形成した場合の例に基づいて説明する。
第1保護層25aは、第1結晶粒子を含んでいる。この例において、第1結晶粒子はTiNである。第1結晶粒子の平均結晶粒径は、例えば、80~240nmである。また、第1結晶粒子の平均結晶粒径の標準偏差は、例えば、73~120nmである。
第1保護層25aの厚みは、2~6μmに設定することができる。第1保護層25aの厚みを2μm以上とすることにより、発熱部9および電極との密着性が向上する。また、第1保護層25aの厚みを6μm以下とすることにより、発熱部9の熱を記録媒体Pに伝達しやすくなり、サーマルヘッドX1の熱効率が向上する。
第1保護層25aの算術表面粗さRaは、例えば、30.0nm以下である。それにより、第1保護層25a上に設けられる第2保護層25bとの密着性が向上する。
第2保護層25bは、第1保護層25aと同様の材料により形成されていてもよい。すなわち、第1保護層25aがTiNで形成されている場合第2保護層25bもTiNで形成されていてよい。また、第2保護層25bが、第1保護層25aと異なる材料で形成されていてもよい。以下、第2保護層25bもTiNで形成した場合の例に基づいて説明する。
第2保護層25bは、第2結晶粒子を含んでいる。この例において、第2結晶粒子はTiNである。第2結晶粒子の平均結晶粒径は、例えば、240~720nmである。また、第2結晶粒子の平均結晶粒径の標準偏差は、例えば、220~360nmである。
第2保護層25bの厚みは、2~6μmに設定することができる。第2保護層25bの厚みを2μm以上とすることにより、耐摩耗性が向上する。また、第2保護層25bの厚みを6μm以下とすることにより、発熱部9の熱を記録媒体Pに伝達しやすくなり、サーマルヘッドX1の熱効率が向上する。なお、第2保護層25bは、最外層にあたり、記録媒体Pと接触するものである。
第2保護層25bの算術表面粗さRaは、例えば、67.7nm以下である。それにより第2保護層25bと記録媒体Pとの接触面積を低減することができ、それゆえ、第2保
護層25bと記録媒体Pとに生じる摩擦力を低減することができる。その結果、第2保護層25bの耐摩耗性を向上できる。
サーマルヘッドX1は、第2結晶粒子の平均結晶粒径が、第1結晶粒子の平均結晶粒径よりも大きい。そのため、保護層25の信頼性が向上する。以下、詳細を説明する。
上記構成により、記録媒体と接触する第2保護層25bにおいて、比較的粒径の大きな第2結晶粒子が位置することとなる。その結果、粒界と記録媒体Pとの単位面積当たりの接触面積が小さくなり、第2保護層25bに生じる摩擦力を小さくなる。それゆえ、第2保護層25bが摩耗しにくくなり、保護層25の耐摩耗性を向上させることができる。
また、発熱部9および電極の一部を被覆する第1保護層25aにおいて、比較的粒径の小さな第1結晶粒子が位置することとなる。その結果、発熱部9および電極の表面に形成される微細な凹部に第1結晶粒子が入り込みやすくなり、第1保護層25aと、発熱部9および電極との密着性が向上する。それにより、保護層25の密着性が向上する。以上のことから、保護層25の信頼性を向上させることができる。
また、第2結晶粒子の平均結晶粒径が、240~720nmであってもよい。それにより、さらに粒界と記録媒体との単位面積当たりの接触面積が小さくなり、第2保護層25bの耐摩耗性が向上する。それゆえ、保護層25の信頼性が向上する。
また、第1結晶粒子の平均結晶粒径が、80~240nmであってもよい。それにより、さらに発熱部9および電極の表面に形成される微細な凹部に第1結晶粒子が入り込みやすくなり、第1保護層25aの密着性が向上する。それゆえ、保護層25の信頼性が向上する。
また、第2結晶粒子の平均結晶粒径の標準偏差が、第1結晶粒子の平均結晶粒径の標準偏差よりも大きくてもよい。それにより、保護層25の信頼性が向上する。以下詳細に説明する。
上記構成により、記録媒体Pと接触する第2保護層25bにおいて、様々な大きさの第2結晶粒子が位置することとなる。その結果、粒径の大きな第2結晶粒子が記録媒体Pを支えるとともに、粒径の小さな第2結晶粒子が第2保護層25bを緻密にすることができる。すなわち、粒径の大きな第2結晶粒子により第2保護層25bが主に構成され、粒径の大きな第2結晶粒子の粒子間に、粒径の小さな第2結晶粒子が位置することにより、第2保護層25bを緻密にすることができる。それゆえ、第2保護層25bの耐摩耗性が向上する。
また、第1結晶粒子の平均結晶粒径の標準偏差が、第2結晶粒子の平均結晶粒径の標準偏差よりも小さいときには、発熱部9および電極の一部を被覆する第1保護層25aにおいて、比較的粒径がそろった第1結晶粒子が位置することとなる。その結果、発熱部9および電極の表面に形成される微細な凹部に第1結晶粒子が入り込みやすくなり、第1保護層25aの密着性が向上する。以上のことから、保護層25の信頼性を向上させることができる。
なお、第2結晶粒子の平均結晶粒径は、例えば、以下の方法で確認できる。まず、第2保護層25bの表面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron
Microscope)を用いて撮影する。続いて、撮影した表面写真から第2結晶粒子をマーキングして、画像解析を行い、第2結晶粒子の粒径データを測定する。なお、本明細書においては、平均結晶粒径とは、メジアン径(d50)を意味する。また、平均結
晶粒径の標準偏差は、結晶粒子の粒径データを基に算出することができる。
また、第1結晶粒子の平均結晶粒径は、第2保護層25bを研磨、あるいは切断により除去し、第1保護層25aを露出させて、第1保護層25aの露出面をSEMを用いて撮影する。以下、第2結晶粒子と同じため説明は省略する。
また、第2保護層25bの厚みの値が、第1保護層25aの厚みの値よりも大きくてもよい。それにより、記録媒体Pと接触する第2保護層25bにおいて、厚みの値が大きいことにより、保護層25の耐摩耗性が向上する。また、第1保護層25aの厚みの値が小さいことにより、発熱部9の熱を効率よく第2保護層25bに伝熱することができ、サーマルヘッドX1の熱効率を向上できる。
さらに、第2保護層25bは、平均結晶粒径が、第1保護層25aよりも大きいことにより、第1保護層25aに比べて熱伝導しやすい構成となっている。すなわち、第2保護層25bは、平均結晶粒径が大きく、保護層25の厚み方向に結晶が成長しており、熱伝導しやすい。そのため、第2保護層25bの厚みが厚くなっても、記録媒体Pに効率よく伝熱できる。
なお、第1保護層25aおよび第2保護層25bの厚みは、サーマルヘッドX1を厚み方向に切断し、切断面から測定する。
また、第2保護層25bの算出表面粗の値さが、第1保護層25aの算術表面粗さの値よりも大きくてもよい。それにより、記録媒体Pと接触する第2保護層25bにおいて、算術表面粗さの値が大きいことにより、第2保護層25bと記録媒体Pとの接触面積が減少する。その結果、第2保護層25bに記録媒体Pが貼りつく、いわゆるスティッキングが生じにくくなる。
また、発熱部9および電極の一部を被覆する第1保護層25aにおいて、算術表面粗さの値が小さいことにより、発熱部9および電極と、第1保護層25aとの接触面積が増加し、保護層25の密着性が向上する。
なお、算術表面粗さRaは、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)を用いて測定する。また、接触型、あるいは非接触型の表面粗さ計を用いてもよい。
保護層25は、アークプラズマ方式イオンプレーティング、あるいはホロカソード方式イオンプレーティングにより形成することができる。
第1結晶粒子および第2結晶粒子の平均結晶粒径の制御は、例えば、以下の方法により制御することができる。例えば、アークプラズマ方式イオンプレーティング法によって保護層25を形成する場合、第2保護層25bの成膜時に印加する基板バイアス電圧の絶対値を、第1保護層25aを形成するときよりも小さくすればよい。また、第2保護層25bの成膜時の成膜圧を、第1保護層25aを形成するときよりも大きくすればよい。また、第2保護層25bの成膜時の温度を、第1保護層25aを形成するときよりも高くすればよい。
次に、サーマルヘッドX1を有するサーマルプリンタZ1について、図5を参照しつつ説明する。
本実施形態のサーマルプリンタZ1は、上述のサーマルヘッドX1と、搬送機構40と
、プラテンローラ50と、電源装置60と、制御装置70とを備えている。サーマルヘッドX1は、サーマルプリンタZ1の筐体(不図示)に配置された取付部材80の取付面80aに取り付けられている。なお、サーマルヘッドX1は、搬送方向Sに直交する方向である主走査方向に沿うようにして、取付部材80に取り付けられている。
搬送機構40は、駆動部(不図示)と、搬送ローラ43,45,47,49とを有している。搬送機構40は、感熱紙、インクが転写される受像紙等の記録媒体Pを図5の矢印S方向に搬送して、サーマルヘッドX1の複数の発熱部9上に位置する保護層25上に搬送するためのものである。駆動部は、搬送ローラ43,45,47,49を駆動させる機能を有しており、例えば、モータを用いることができる。搬送ローラ43,45,47,49は、例えば、ステンレス等の金属からなる円柱状の軸体43a,45a,47a,49aを、ブタジエンゴム等からなる弾性部材43b,45b,47b,49bにより被覆して構成することができる。なお、記録媒体Pが、インクが転写される受像紙等の場合は、記録媒体PとサーマルヘッドX1の発熱部9との間に、記録媒体Pとともにインクフィルム(不図示)を搬送する。
プラテンローラ50は、記録媒体PをサーマルヘッドX1の発熱部9上に位置する保護層25上に押圧する機能を有する。プラテンローラ50は、搬送方向Sに直交する方向に沿って延びるように配置され、記録媒体Pを発熱部9上に押圧した状態で回転可能となるように両端部が支持固定されている。プラテンローラ50は、例えば、ステンレス等の金属からなる円柱状の軸体50aを、ブタジエンゴム等からなる弾性部材50bにより被覆して構成することができる。
電源装置60は、上記のようにサーマルヘッドX1の発熱部9を発熱させるための電流および駆動IC11を動作させるための電流を供給する機能を有している。制御装置70は、上記のようにサーマルヘッドX1の発熱部9を選択的に発熱させるために、駆動IC11の動作を制御する制御信号を駆動IC11に供給する機能を有している。
サーマルプリンタZ1は、プラテンローラ50によって記録媒体PをサーマルヘッドX1の発熱部9上に押圧しつつ、搬送機構40によって記録媒体Pを発熱部9上に搬送しながら、電源装置60および制御装置70によって発熱部9を選択的に発熱させることにより、記録媒体Pに所定の印画を行う。なお、記録媒体Pが受像紙等の場合は、記録媒体Pとともに搬送されるインクフィルム(不図示)のインクを記録媒体Pに熱転写することによって、記録媒体Pへの印画を行う。
なお、記録媒体Pとして、カット紙を用いてもよい。カット紙は、搬送が終わるたびに、カット紙の後端が、第2保護層25bにたたきつけられることとなるが、サーマルヘッドX1においては、第2結晶粒子の平均結晶粒径が、第1結晶粒子の平均結晶粒径よりも大きいことから、第2保護層25bの耐摩耗性が向上している。そのため、保護層25の信頼性が向上しており、信頼性の向上したサーマルプリンタZ1とすることができる。
以上、本開示のサーマルヘッドは、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、電気抵抗層15を薄膜によって形成した、発熱部9の薄い薄膜ヘッドを例示して示したが、これに限定されるものではない。各種電極をパターニングした後に、電気抵抗層15を厚膜によって形成した、発熱部9の厚い厚膜ヘッドであってもよい。
また、発熱部9が基板7の第1面7f上に形成された平面ヘッドを例示して説明したが、発熱部9が基板7の端面に位置する端面ヘッドでもよい。
また蓄熱層13上に共通電極17および個別電極19を形成し、共通電極17と個別電極19との間の領域のみに電気抵抗層15を形成することにより、発熱部9を形成してもよい。
また、封止部材12を、駆動IC11を被覆する被覆部材29と同じ材料により形成してもよい。その場合、被覆部材29を印刷する際に、封止部材12が形成される領域にも印刷して、被覆部材29と封止部材12とを同時に形成してもよい。
また、基板7に直接コネクタ31を接続した例を示したが、基板7にフレキシブル配線基板(FPC:Flexible printed circuits)を接続してもよい。
X1 サーマルヘッド
Z1 サーマルプリンタ
1 放熱板
3 ヘッド基体
7 基板
9 発熱部
11 駆動IC
12 封止部材
13 蓄熱層
14 接着部材
15 電気抵抗層
17 共通電極
19 個別電極
21 第1接続電極
25 保護層
25a 第1保護層
25b 第2保護層
26 第2接続電極
27 被覆層
31 コネクタ

Claims (7)

  1. 基板と、
    前記基板上に位置する発熱部と、
    前記基板上に位置し、前記発熱部に繋がっている電極と、
    前記発熱部および前記電極の一部を被覆する第1保護層と、
    前記第1保護層上に位置する第2保護層と、を備え、
    前記第1保護層は、第1結晶粒子を含み、
    前記第2保護層は、第2結晶粒子を含み、
    前記第2結晶粒子の平均結晶粒径が、前記第1結晶粒子の平均結晶粒径よりも大きく、
    前記第2結晶粒子の平均結晶粒径の標準偏差が、前記第1結晶粒子の平均結晶粒径の標準偏差よりも大きい、サーマルヘッド。
  2. 基板と、
    前記基板上に位置する発熱部と、
    前記基板上に位置し、前記発熱部に繋がっている電極と、
    前記発熱部および前記電極の一部を被覆する第1保護層と、
    前記第1保護層上に位置する第2保護層と、を備え、
    前記第1保護層は、第1結晶粒子を含み、
    前記第2保護層は、第2結晶粒子を含み、
    前記第2結晶粒子の平均結晶粒径が、前記第1結晶粒子の平均結晶粒径よりも大きく、い、
    前記第2保護層の厚みの値が、前記第1保護層の厚みの値よりも大きい、サーマルヘッド。
  3. 前記第2結晶粒子の平均結晶粒径が、240nm~720nmである、請求項1または2に記載のサーマルヘッド。
  4. 前記第1結晶粒子の平均結晶粒径が、80nm~240nmである、請求項に記載のサーマルヘッド。
  5. 前記第2保護層の算術表面粗値が、前記第1保護層の算術表面粗さの値よりも大きい、請求項1~4のうちいずれか一項に記載のサーマルヘッド。
  6. 請求項1~のうちいずれか一項に記載のサーマルヘッドと、
    前記発熱部上に記録媒体を搬送する搬送機構と、
    前記記録媒体を押圧するプラテンローラと、を備える、サーマルプリンタ。
  7. 前記記録媒体が、カット紙である、請求項に記載のサーマルプリンタ。
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