JP7035873B2 - 高清浄鋼の溶製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高清浄鋼の溶製方法に係り、更に詳細には、Al脱酸による高清浄鋼の溶製方法に関する。
転炉等の精錬容器において、大気圧下で吹酸脱炭して製造した一次精錬終了後の溶鋼は、鋼中の溶存酸素濃度が高いため、脱酸処理及び合金添加等による成分調整が施された後に鋳造され、製品としての特性を得ている。
脱酸には、酸素と結合して酸化物を生成する元素の添加が一般に行われており、Al(アルミニウム)の他、Si(珪素)、C(炭素)、Ti(チタン)、Ca(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)、REM(希土類金属)等を、脱酸材として用いることが知られている。
このうち、脱酸材として用いるAlは、安価で、かつ、強い脱酸効果があり、これを用いて製造した鋼材は、飲料缶や自動車用部品材料等の用途を含めて使用実績があるため、汎用性が高い。
しかし、Alによる脱酸反応後に生成するアルミナ(Al)は、凝固後の鋼材(連続鋳造して得た鋳片)中に介在物として残存し、その粒径が粗大であると製品品質を著しく損なう原因となる場合がある。例えば、飲料缶の素材として用いる際の製缶加工時の割れの原因となるため、品質の向上を図る上で、アルミナ介在物の悪影響を排除する必要がある。
更に、溶鋼中にアルミナが多量に存在すると、鋳造時において、浸漬ノズル内面へのアルミナの付着や凝集が促進され、鋳型(モールド)内での偏流発生や浸漬ノズル閉塞が生じることに起因して、湯面の変動量が大きくなり、モールドパウダーの混入(パウダー系介在物)による品質劣化の原因となる。
このため、溶鋼の高清浄化が求められている。
高清浄化については、従来、真空脱ガス装置を活用する方法が検討されている。この方法には、二本の浸漬管が設けられた真空脱ガス装置を用いるRH法と、一本足形状の浸漬管を備えた真空脱ガス装置を用いるREDA法とがあるが、本発明では一本足形状の浸漬管を備えた真空脱ガス装置を用いるREDA法を前提とする。
例えば、特許文献1は、真空脱炭処理後に大気圧まで復圧させる過程で脱酸を行うことを記載している(例えば、請求項4)。更に、大気圧まで復圧させる過程で、真空度を500~760Torrにして、0.5~2分間保持する条件を記載している(段落[0042]、表6参照)。
特許文献2は、真空脱炭処理により溶鋼の炭素濃度を30ppm(0.003重量%)以下とした後に、浸漬管内の圧力を400Torr以上で大気圧以下の高圧真空とし、金属アルミニウムを溶鋼に添加し不活性ガスを溶鋼に吹き込みながら5分以上脱酸することを記載している。この方法は、炭素を十分に低下させた後(酸素と炭素を十分に反応させた後)に金属アルミニウムを供給することで脱酸生成物の生成を抑制し、また、浸漬管の形状や浸漬深さを所定の値とすることで、浸漬管内外のスラグ中のFeO濃度を下げる方法であり、これにより、溶鋼中のアルミニウムとFeOの反応による脱酸生成物の生成を抑制することを、効果としている。
特許文献3は、一本足形状の浸漬管ではなくRH真空脱ガス装置(環流型脱ガス装置)を用いた例であるが、介在物の浮上除去を記載している。具体的には、RH真空脱ガス装置での脱炭処理に続いて、真空槽内圧力を一定あるいは更に減圧して、Alを添加すること及び取鍋内の溶鋼に対する浸漬管の浸漬深さを浅くすることが記載されている。なお、一般に、処理中に浸漬管の浸漬深さを浅くする操作は行わないが、特許文献3では、この操作によって真空槽内の溶鋼深さを浅くすることができ、この状態で環流処理を行うことにより、非金属介在物の凝集浮上を促進させることが記載されている。具体的には、浸漬管の浸漬深さを浅くする操作により、環流処理時の真空槽内の溶鋼深さを50mm以上100mm未満の範囲とすることが、効率的な介在物除去条件として記載されている。
特開平8-199225号公報 特開平8-109409号公報 特開2016-40400号公報
しかしながら、上記した特許文献1に記載の方法によると、本発明例と比較例のいずれについても、溶鋼のトータル酸素濃度(全酸素濃度[T・O])が30ppm未満の清浄鋼の製造を達成しているものの、更なる清浄化が望まれている。特に、特許文献1は、溶鋼表面に存在するスラグが溶鋼へ懸濁することを課題とする技術であり(例えば、段落[0009]参照)、更なる清浄化には、溶鋼中に浮遊して浮上除去し難い脱酸生成物(介在物)に着目した対策も必要である。
また、特許文献2に記載の方法では、相応の溶鋼の清浄性は得られるものの、更なる溶鋼の清浄性向上には、生成した脱酸生成物を浮上除去する必要があり、この観点の対策が望まれる。
更に、特許文献3に記載の方法では、相応の清浄化効果が得られるが、更なる溶鋼の清浄性向上が望まれている。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、従来の技術よりも脱酸生成物(アルミナ介在物)を除去して低減した高清浄鋼を溶製して鋳造することが可能な高清浄鋼の溶製方法を提供することを目的とする。
本願発明者らは種々の実験により、一本足形状の浸漬管を取鍋内の溶鋼に浸漬し、取鍋の底部から不活性ガスを吹き込んで真空脱ガス処理を行う方式(REDA法)での環流処理において、以下の知見を見出した。
低圧真空処理(脱ガス処理)を行う前にAl脱酸を行い、この低圧真空処理後に、真空槽内の湯面と溶鋼を貯蔵する取鍋の底面との距離で決定される溶鋼の環流高さを低くし、この期間の不活性ガスの吹き込み量(以下、吹き込みガス流量とも記載)を適正な少量の範囲に制御する。これにより、介在物の凝集の促進効果と介在物の強度の向上効果が得られ、この溶鋼を所定の条件のタンディッシュを用いて連続鋳造することで、溶鋼中の介在物を破壊せずに浮上除去できる。
本発明は、以上の知見をもとになされたものであり、その要旨は以下の通りである。
前記目的に沿う本発明に係る高清浄鋼の溶製方法は、大気圧下で吹酸脱炭する一次精錬を行った溶鋼に金属アルミニウムを添加して、溶鋼中の溶存酸素濃度を40ppm以下とした取鍋内の溶鋼に、真空脱ガス装置の一本足形状の浸漬管を浸漬し、前記取鍋の底から不活性ガスを吹き込んで真空脱ガス処理を行う際に、
前記真空脱ガス処理の前半に、前記浸漬管に連通する真空槽内を1.3kPa以下の低圧真空雰囲気、かつ、不活性ガスの吹き込み量を1.3~4.0NL/分/トンとした上で、15~45分間の脱ガス処理を行い、
前記真空脱ガス処理の後半に、前記真空槽内を40~67kPaの高圧真空雰囲気、かつ、不活性ガスの吹き込み量を0.3~1.1NL/分/トンとした上で、5~15分間の脱ガス処理を行った後、
溶鋼を受け入れる受湯部と、該溶鋼を連続鋳造する鋳型に注入する排湯部とに仕切る堰が内部に、底部から上方に向けて突出させた状態で設けられ、該堰の高さを溶鋼深さの0.3倍以上0.8倍以下としたタンディッシュに、前記真空脱ガス処理した溶鋼を注湯する。
本発明の第1の特徴は、上記したように、真空脱ガス処理において、低圧真空雰囲気での脱ガス処理(脱炭処理)に続く処理として、高圧真空雰囲気で脱ガス処理を行うことにある。具体的には、真空槽を高圧真空雰囲気に変更し(圧力を上昇させ)、かつ、吹き込みガス流量を低減させることで、溶鋼の環流量を減らして、溶鋼を狭い範囲で環流させている。
一方、前記した特許文献1に記載の方法は、本発明の低圧真空雰囲気での処理に相当する脱ガス処理(真空脱ガス処理の前半処理)後に、500~760Torr(66.7~101kPa)の高圧雰囲気に復圧し、2.6NL/分/トンで不活性ガスを吹込んで0.5~2分間処理することを記載している(段落[0042]、表6)。この条件は、本発明の高圧真空雰囲気での脱ガス処理と比較して、真空槽内の圧力が高めであり、ガスの吹き込み量が多い点で相違し、しかも、処理時間が短い点で相違する。
また、特許文献2は、上記したように、真空脱炭処理である低圧真空処理(真空脱ガス処理の前半処理)後に400Torr以上に復圧し、金属アルミニウム投入の後、ガス吹き込み処理を5~20分間行うことを記載している。ガス吹き込み量は、250トン取鍋に収容した溶鋼にアルゴンガスを3Nm/分吹き込んだことが記載(段落[0031])されているため、12NL/分/トンとなる。このガス吹き込み量は、本発明の0.3~1.1NL/分/トンと比較して多い点で相違する。
そして、特許文献3は、真空槽内の圧力を変更することなく(低圧真空雰囲気のまま)、取鍋内の溶鋼に対する浸漬管の浸漬深さを浅くする特殊な操作を記載しており、本発明のように高圧真空雰囲気とすることは記載されていない。
本発明の第2の特徴は、上記した真空脱ガス処理を行った後の介在物(凝集合体させ強度を向上させた介在物)を、破壊させずに浮上除去する条件、即ち、内部に、底部から上方に向けて突出させた状態で設けられ、その高さを規定した堰が設けられたタンディッシュを用いることにある。
本発明に係る高清浄鋼の溶製方法は、真空脱ガス処理の前半に、真空槽内を1.3kPa以下の低圧真空雰囲気、かつ、不活性ガスの吹き込み量を1.3~4.0NL/分/トンとした上で、15~45分間の脱ガス処理を行い、真空脱ガス処理の後半に、真空槽内を40~67kPaの高圧真空雰囲気(圧力を上昇)、かつ、不活性ガスの吹き込み量を0.3~1.1NL/分/トン(吹き込みガス流量を低減)とした上で、5~15分間の脱ガス処理を行うので、真空脱ガス処理の後半における、真空槽内の湯面と溶鋼を貯蔵する取鍋の底面との距離で決定される溶鋼の環流高さを低くし、この期間の不活性ガスの吹き込み量を適正な少量の範囲に制御できる。これにより、介在物の凝集の促進効果と介在物の強度の向上効果が得られる。
そして、この溶鋼を、受湯部と排湯部とに仕切り、底部から上方に向けて突出した所定高さの堰が設けられたタンディッシュに注湯して連続鋳造するので、上記した真空脱ガス処理により凝集促進と強度向上が図られた溶鋼中の介在物を、その破壊を抑制して浮上除去できる。
従って、従来の技術よりもアルミナ介在物を低減した高清浄鋼を製造でき、特に従来技術では困難であった、粒径(長径)が20μmクラスのアルミナ介在物の個数を低減し、全酸素量(T.[O]値)が概ね15ppm程度又はそれ以下の極めて高度な清浄性の鋼を安定して鋳造することが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る高清浄鋼の溶製方法の説明図である。 同高清浄鋼の溶製方法を適用するタンディッシュの説明図である。 同タンディッシュの堰の正面図である。 比較例に係る高清浄鋼の溶製方法を適用するタンディッシュの説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
まず、本発明の高清浄鋼の溶製方法に想到した経緯について説明する。
(本発明者らの新しい知見)
前記した特許文献1~3等の従来技術では、ある程度の清浄化効果は認められるものの、いずれも単一の真空脱ガス工程(真空脱ガス装置)のみの処理であるため、例えば、鋼材製品中に残存する粒径20μmクラスの介在物の個数を低減したうえで、極めて厳しい清浄度(例えば、全酸素量(T.[O]値)≦15ppm)が求められる鋼材の製造への対応は困難であった(更なる清浄化に関する記載はなかった)。
特許文献1は、本発明の低圧真空雰囲気での処理相当の脱ガス処理(真空脱ガス処理の前半)後に、高圧雰囲気に復圧することによって浸漬管外へ介在物の浮上除去が可能となることを段落[0028]に記載し、段落[0042]等に具体的な条件を記載している。
上記条件について、本発明者らの知見では、スラグ粒子よりは小さいが例えば70μm以上の粒径が大きな介在物については効果が見込めるものの、粒径が小さな介在物(例えば、50μm以下)に対しては顕著な効果が望めないことを知見した。
更に、本発明者らは、ガス吹き込みによる溶鋼環流(溶鋼流)における介在物の挙動は、介在物の凝集合体と溶鋼流の剪断力による介在物の破壊のバランスによって決定されるものと考え、高圧真空に復圧させた後のガスの吹き込み処理によって、条件次第では崩壊を抑制しながら粒径が小さな介在物(例えば、50μm以下)の凝集合体が可能であることを知見した。
具体的には、特許文献1に記載の条件よりも、ガス吹き込み量を削減し、かつ、長時間処理を行うことで、介在物の崩壊を抑制して介在物を凝集合体させることが可能となり、更に、介在物の高強度化が可能となる。これによって、取鍋で浮上除去できる程度とは言えないものの介在物の凝集合体効果が得られ、連続鋳造までの間に崩壊しない程度の介在物強度が得られるため、連続鋳造のタンディッシュでの介在物浮上除去につなげることができる。
特許文献2は、本発明の低圧真空雰囲気での処理相当の脱ガス処理(真空脱ガス処理の前半)後に、高圧雰囲気に復圧し、アルミニウムを添加した上でガス吹き込みをすることによって浸漬管外のスラグのFeOを還元することを記載しているが、脱酸生成物の凝集合体や浮上除去については記載していない。また、特許文献2は、上記した作用を得るための条件として、高圧真空に復圧させた後に、アルゴンガスを12NL/分/トン吹き込む条件を記載している。
本発明者らは、当該条件ではガス吹き込みによって介在物の凝集合体は起こるものの、介在物の崩壊も顕著であることを知見した。即ち、特許文献2に記載の条件よりもガス吹き込み量を削減することで、崩壊を抑制して介在物の凝集合体が可能であり、更に、介在物の高強度化が可能である。これによって、取鍋で浮上除去できる程度とは言えないものの介在物の凝集合体効果が得られ、連続鋳造までの間に崩壊しない程度の介在物強度が得られるため、連続鋳造のタンディッシュでの介在物浮上除去につなげることができる。
特許文献3はRH法において、脱炭処理に続くAl添加後に、取鍋内の溶鋼に対する浸漬管の浸漬深さを浅くする特殊な操作によって、真空槽内の溶鋼深さを50mm以上100mm未満の範囲とすることを記載している。
この方法では、真空槽内の溶鋼量が少なくなり、真空槽内の溶鋼の単位体積当たりの撹拌力が大きくなるため、及び、溶鋼の浮上に要する時間が短くなるため、溶鋼中の介在物の凝集や浮上が促進されるとしている。
しかしながら、真空槽内の少量容積の溶鋼に対する撹拌が激しすぎると、凝集合体した粒子の一部は合体直後に剪断による崩壊を起こすこととなり、崩壊により再度細粒化した粒子が取鍋内へと排出されることとなる。
更に、当該技術においては、脱炭後に浸漬管の浸漬深さを浅くする特殊な操作により真空槽内の溶鋼深さを調整するため、溶鋼を貯蔵する取鍋の底面から真空槽内の溶鋼の湯面(溶鋼ヘッド)までの距離は脱炭処理時から不変であり、また、真空槽内の圧力は一定(低圧真空のまま)であるため溶鋼の吸い上げ力も一定であり、取鍋内の撹拌(環流速度)も概ね同一となる。
このため、真空槽内と取鍋内を循環する溶鋼について、循環時における高低差は一定であり、循環する単位時間当たりの溶鋼量も一定であるため、本発明者らは、介在物の凝集合体以外に、循環する環流の剪断力による介在物の崩壊が発生して、高清浄化が進みにくいものと考えた。
そこで、本発明では、真空脱ガス処理を行う際に、低圧真空雰囲気での脱炭処理時の介在物の凝集合体や浮上除去の後に、高圧真空雰囲気での処理を設けて溶鋼の撹拌を弱める(高圧真空化及びガス吹き込み量の削減)条件を規定した。
即ち、上記した高圧真空雰囲気での処理により、真空槽内の溶鋼の湯面を低下させ、取鍋の底面から真空槽内の溶鋼の湯面までの距離を短縮させて、環流時における溶鋼の循環高さ方向の距離を短くし位置エネルギーを低減することで撹拌エネルギーを弱め、かつ、撹拌を弱めること(高圧真空化及びガス吹き込み量の削減)でも撹拌エネルギーを弱め、これにより、凝集した介在物の崩壊を防止し、介在物の凝集合体を緩やかに促進する。また、一定の時間(5~15分)処理することで、凝集合体した介在物の強度向上を図る。
(真空脱ガス処理による介在物除去に関する従来知見)
真空脱ガス処理の方法としては、RH真空脱ガス装置を用いたRH法が一般的であるが、これとは別に、図1に示す真空脱ガス装置(以下、単に脱ガス装置とも記載)10を用いたREDA法が考案され実用化されている。この真空脱ガス装置10は従来公知のものであり、真空槽11と、この真空槽11の下部に連通する一本足形状の浸漬管(大径浸漬管)12とを有し、取鍋13の底部に設けられたガス吹き込み孔14から不活性ガスを吹き込む(底吹きする)ことで、脱ガス処理を行うものである。
本発明者らは、RH法とREDA法のいずれについても、真空脱ガス処理における清浄化(介在物除去)は、真空槽内に吸い上げられた介在物の凝集合体と、凝集物の槽外排出(取鍋内浮上)のバランスにより決まるものと考えた。
この介在物の凝集合体に関しては、「介在物粒子が耐火物壁へ衝突することにより、壁面での介在物の凝集が促進される」ことや、「溶鋼流動における乱流成分中での介在物粒子同士の衝突による凝集合体促進」などの現象が唱えられている。
一般的に、真空脱ガス処理においては、溶鋼環流量が増加することにより、ある程度のレベルまでの介在物の凝集合体及び浮上除去が促進されることが知られており、その効果は低圧真空処理で顕著である。
本発明は、上記した処理に加え、脱ガス処理の後半で高圧真空処理及びガス吹込み量の削減を行うことにより、緩やかな凝集合体を促進しつつ、介在物の崩壊防止や強度向上を実現することを特徴としている。このとき、一部の介在物の浮上除去は進行するが、当該精錬処理に続く連続鋳造工程において、タンディッシュにより、最終的に介在物を浮上除去させる特徴も有している。
(タンディッシュに関する知見)
連続鋳造においては、連続鋳造速度に対応する量で溶鋼がタンディッシュに注湯されるため(例えば、8トン/分以下程度の量)、タンディッシュ内での溶鋼の流動速度が、取鍋のガス撹拌における溶鋼の撹拌流速よりも小さく、介在物の凝集合体の効果が望みにくい。
しかし、タンディッシュの内部に堰(下堰)を立設し、タンディッシュ内の溶鋼に上昇流を発生させると、タンディッシュ内の湯面に存在するスラグの撹拌効果を抑制した状態で、30~50μm程度の粒子径を有する溶鋼中の介在物を浮上させ、これをスラグに捕捉させる効果が期待できる。
なお、タンディッシュ内の溶鋼流による剪断力で、30~50μm程度の粒子径を有する介在物は崩壊し浮上除去が困難となる可能性があるが、上記した高圧真空処理によって30~50μm程度の介在物は強度が向上されているため、タンディッシュ内での浮上除去が促進される。
本発明の真空脱ガス処理で得られる30~50μm程度の粒子径を有する介在物(凝集合体した介在物)は、その強度が向上しているものの、溶鋼の剪断力で破壊する可能性は残るため、内部に下堰を立設したタンディッシュを用いることで、破壊を抑制した介在物の浮上を促進できる。これは、下堰の代わりに、例えばタンディッシュ溶鋼の上部分を仕切る上堰を用いると、溶鋼流が一旦強制的に下降流となった後に、上堰の下流側に回り込む上昇流が強制的に発生して介在物に剪断力が作用する原因となるが、下堰を用いる場合は、このような堰の下流側に回り込む溶鋼流が弱くなる(更には発生しない)ため、剪断力が弱くなる(更には発生しない)ことによるものと考えられる。
従って、タンディッシュの内部に下堰を立設する必要がある。
以上の知見に基づき、本発明者らは、従来の技術よりも脱酸生成物(アルミナ介在物)を除去して低減した高清浄鋼を溶製して鋳造することが可能な高清浄鋼の溶製方法に想到した。
即ち、図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る高清浄鋼の溶製方法は、大気圧下で吹酸脱炭する一次精錬を行った溶鋼に金属アルミニウムを添加して、溶鋼中の溶存酸素濃度を40ppm以下とした取鍋13内の溶鋼に、一本足形状の浸漬管12を備えた真空脱ガス装置10を用いて真空脱ガス処理を行う際に、真空脱ガス処理の前半に低圧真空雰囲気かつ所定のガス吹き込み量で脱ガス処理を行い、引き続き、真空脱ガス処理の後半に高圧真空雰囲気でガス吹き込み量を削減して脱ガス処理を行った後、タンディッシュ15に注湯して連続鋳造する方法である。
以下、詳しく説明する。
まず、大気圧下で吹酸脱炭する一次精錬(代表例:転炉での吹錬)を行った溶鋼を、取鍋13へ供給する。
通常、吹酸脱炭が行われた溶鋼中の溶存酸素濃度は100~800ppm程度であるため、脱酸する必要がある。
本発明では、金属アルミニウムを添加する(金属アルミニウムを含むものを添加することも含む)ことで、溶鋼中の溶存酸素濃度を40ppm以下とすることを前提としている。
上記した処理により、溶鋼中にはアルミニウム酸化物(アルミナ:以下、介在物とも記載)が存在することとなる。
上記した金属アルミニウムの添加により生成した介在物の浮上除去、凝集合体、破壊防止の各処理、即ち、高清浄化処理を行う精錬工程として、脱ガス処理を用いる。
この高清浄化の手段としては、前記した真空脱ガス装置10を用いる。
具体的には、図1に示すように、溶鋼中の溶存酸素濃度を40ppm以下とした取鍋13内の溶鋼に、真空脱ガス装置10の一本足形状の浸漬管12を浸漬し、取鍋13の底部に設けられたガス吹き込み孔14から不活性ガスを吹き込むことで真空脱ガス処理を行う。なお、ここでは、取鍋13の内径(取鍋13内の溶鋼湯面の直径)Dと浸漬管12の内径(浸漬部分の浸漬管12内の溶鋼湯面の直径)dとの比d/Dを0.3~0.9とし、取鍋13に設けられたガス吹き込み孔14と浸漬管12の水平方向の中心間距離を0.1d~0.5dとしている。
これにより、脱炭反応速度を極低炭素域まで高位に維持し、炭素濃度10ppm以下まで、工業的に採用できる脱ガス時間で処理できる。
この真空脱ガス処理は、以下のように、前半と後半に分けて行う。
まず、真空脱ガス処理の前半(以下、前半処理又は低圧真空処理とも記載)に、浸漬管12に連通する真空槽11内を1.3kPa(9.75Torr)以下の低圧真空雰囲気、かつ、不活性ガスの吹き込み量(以下、底吹きガス流量とも記載)を1.3~4.0NL/分/トンとした上で、15~45分間の脱ガス処理を行う。
この脱ガス処理の第一目的は、溶鋼の炭素濃度の調整(脱炭)であるため、上記した条件を採用する必要がある。
ここで、真空槽11内の圧力が1.3kPaを超える場合、脱炭反応が遅くなって処理時間が遅延するため、溶鋼の温度低下を招く。
底吹きガス流量が1.3NL/分/トン未満である場合、真空度悪化時と同様に脱炭反応が遅くなり、処理時間遅延による溶鋼温度の低下を招く。一方、底吹きガス流量が4.0NL/分/トンを超える場合、スプラッシュの多量発生による槽内の地金付着に起因した溶鋼歩留まりの低下や、処理時間の遅延等による脱炭処理の不都合が生じる場合がある。
なお、上記した真空槽11内の圧力、かつ、底吹きガス流量の範囲であれば、15~45分程度の時間で、脱ガス処理を完了させることができる。
上記した処理条件により、介在物の挙動が以下に示すようになることを、本発明者らは知見した。なお、介在物の挙動はその大きさに応じて特徴があるため、代表的な粒径を、70μm以上、30~50μm、20μm以下、の3種類として記述した。
(70μm以上)
凝集合体により70μm以上となった介在物は、溶鋼中の流動において慣性力が高いものと推定され、真空槽11と取鍋13を循環する溶鋼流(環流)から外れ、取鍋内を浮上する傾向が強い。
従って、環流に残存することにより、剪断力を受けて破壊することが少ないものと推定される。
(30~50μm)
凝集合体により30~50μmとなった介在物は、粒径の増加(凝集合体)は果たせたものの、顕著な浮上除去は起こりにくく、環流中に残存する傾向が強いものと推定される。
このため、介在物は、剪断力を受けて破壊される傾向があるものと考えられた。
剪断力は、溶鋼流の存在に伴って不可避的に発生するものであり、その発生条件としては、脱ガス処理を長時間行う場合、溶鋼の搬送中に取鍋底からガスが吹き込まれる場合、取鍋からタンディッシュへ溶鋼を落下流で供給する場合、等があげられる。
(20μm以下)
20μm以下の介在物は、凝集合体を経ても30~50μmと同様に顕著な浮上除去は起こりにくく、環流中に残存する傾向が強いものと考えられる。また、30~50μmの介在物と同様に、剪断力を受けて破壊される傾向があるものと考えられる。
上記した前半処理に引き続き真空脱ガス処理の後半(以下、後半処理又は高圧真空処理とも記載)に、真空槽11内を40kPa(300Torr)以上67kPa(500Torr)以下の高圧真空雰囲気、かつ、不活性ガスの吹き込み量(以下、底吹きガス流量とも記載)を0.3~1.1NL/分/トンとした上で、5~15分間の脱ガス処理を行う。これにより、介在物の凝集合体や強度向上(剪断力によって破壊しない程度の強度向上)の作用効果を狙う。
このような脱ガス処理を行うことで、溶鋼の高清浄化の効果が得られることについて、本発明者らは以下の機構が働いたものと考えた。
脱炭を主目的とする前半処理に比較して後半処理は、高圧真空(40kPa~67kPa)としており、取鍋13の底面から真空槽11内の溶鋼湯面(溶鋼ヘッド)までの距離(湯面高さ、環流高さ)を短縮できる。これによって、真空槽11内と取鍋13内を循環し環流する溶鋼について、環流の循環高さ方向の距離を低減して位置エネルギーを低減することで、撹拌エネルギーを弱めることができる。
また、高圧真空とすることで、溶鋼の吸い上げ量が低減し、更に、底吹きガス流量の低下と組み合わせることで、環流速度を低減でき、撹拌エネルギーを弱めることもできる。
ここで、真空槽内の圧力が40kPa未満の低圧真空である場合、たとえ底吹きガス流量が適正範囲内であっても撹拌エネルギーが大きく、凝集合体した介在物の顕著な破壊抑制効果が得られない。一方、真空槽内の圧力が67kPa超の場合、真空槽内の環流が停滞し粒子の衝突頻度が極端に低下するため微細粒子の凝集合体が進まず、その後のタンディッシュでの浮上除去が困難となる。
底吹きガス流量が0.3NL/分/トン未満である場合、環流の停滞による粒子衝突の頻度低下に起因した凝集合体(粒子の粗大化)が不足し、タンディッシュでの浮上除去が困難となる。一方、底吹きガス流量が1.1NL/分/トンを超える場合、撹拌エネルギーが強く凝集合体した介在物粒子の破壊抑制効果が低下することとなる。
ここで、上記した底吹きガス流量の上限は、介在物粒子同士の合体頻度が高く、崩壊が実質的に発生せず、強度向上が可能と考えられるため、好ましくは0.5NL/分/トンとするとよい。
上記した真空槽11内の圧力と底吹きガス流量により、凝集合体した介在物の崩壊防止と、環流を継続することによる緩やかな介在物の凝集合体の進行と、凝集合体させた介在物の強度の向上とが得られるが、その顕著な効果を得るためには、処理時間を5~15分とする必要がある。
具体的には、前記した低圧真空処理によって凝集合体した直後の介在物は強度が低く、溶鋼流の剪断力を受けて破壊する場合がある。このため、処理時間は15分以下とするとよい。一方、5分以上の処理であれば、凝集合体した介在物は強度を向上できる。
これにより、後述するタンディッシュでの処理まで介在物の破壊を抑制できる(タンディッシュでの浮上除去が可能となる)。
粒径に応じた介在物の挙動は以下の通りである。
(70μm以上)
低圧真空処理時(前半処理時)に概ね取鍋13内での浮上が終了しており、一部溶鋼中に残存したとしても、高圧真空処理時(後半処理時)にも取鍋13内で浮上するものと考えらえる。
(30~50μm)
低圧真空処理時の凝集合体により30~50μmとなった介在物は、環流中に残存する傾向が強いが、高圧真空処理時にも溶鋼の環流中に存在し、破壊を抑制しながら強度は向上するものと考えられた。また、介在物の凝集合体を緩やかに促進する。
これによって、介在物は破壊が進行することなく、真空脱ガス処理以降の工程に搬送される溶鋼中に存在することとなるが、この介在物は、後述するタンディッシュでの浮上除去につなげることができる。
(20μm以下)
低圧真空処理による凝集合体を経ても20μm以下の介在物は、高圧真空処理において破壊を防止しながら環流処理による凝集合体が緩やかに進み、強度も向上するものと考えられる。
従って、真空脱ガス処理以降に供給される溶鋼は、20μm以下の介在物が減少し、例えば、30~50μm程度に凝集合体してその強度も向上しているものと考えられ、この介在物がタンディッシュで浮上除去される。
上記した高圧真空処理を経た溶鋼からは、70μm以上の介在物が浮上除去されている。
また、30~50μm程度の介在物は、上記した脱ガス処理により従来技術に比べて破壊が発生しなくなったため、その存在割合を高位に維持でき、更に強度も向上させているため、存在割合が高位の状態で、溶鋼をタンディッシュまで搬送できる。
更に、20μm以下の介在物は、上記した精錬処理(一次精錬~真空脱ガス処理)を経て、破壊を抑制した凝集合体(例えば、30μm以上に凝集合体)が起こり、従来の技術に比べて存在割合を低減させた(あるいは20μm以下の介在物の増加を抑制した)状態で、溶鋼をタンディッシュまで搬送できる。
続いて、真空脱ガス処理した溶鋼を、取鍋13(溶鋼鍋)から、ロングノズル16を介してタンディッシュ15に注湯する(図2参照)。
タンディッシュ15には、その内部を、取鍋13からロングノズル16を介して溶鋼を受け入れる受湯部17と、溶鋼を連続鋳造する鋳型18に注入する排湯部19とに仕切る堰(下堰)20が設けられている。なお、排湯部19の底部には浸漬ノズル21が設けられ、排湯部19内の溶鋼を浸漬ノズル21を介して鋳型18に注入している。
堰20は、タンディッシュ15の底面22から浴面(湯面)に向かうように(底部から上方へ向けて突出させた状態で)立設されたものであり、その高さを、溶鋼深さ(浴深)H(m)の0.3倍(0.3×H)以上0.8倍(0.8×H)以下にしたものである。なお、溶鋼深さH(m)とは、堰20を配置した部分のタンディッシュ15の底面22から浴面までの距離を意味する。
前記したように、タンディッシュ内で溶鋼の上昇流を有効に作用させるには、堰の高さを、溶鋼深さの0.3倍以上にする必要がある。一方、堰の高さが溶鋼深さの0.8倍を超える場合、上昇流がタンディッシュ内の湯面スラグを撹拌する可能性があり好ましくない。
従って、堰20の高さを、溶鋼深さH(m)の0.3倍(好ましくは、0.4倍)以上0.8倍(好ましくは、0.7倍)以下にした。
なお、堰は、タンディッシュ内の溶鋼の流れ方向に、間隔を有して複数設置することもできる。この場合、溶鋼の流れ方向に隣り合う堰の間に、溶鋼に下降流を形成するための上堰を設置して、溶鋼の流れを側面視して上下方向にジグザグ状にし、タンディッシュ内での溶鋼の滞留時間を長くすることもできる。
なお、前記した本発明の脱ガス処理に従えば、30~50μm程度の介在物の強度は向上しているため、堰を複数設置しても従来に比べると介在物の浮上除去を促進できるが、複数の堰を用いる際には下堰を必須とし、上堰の数を抑制すると良い。これは、同じ数の堰を設置する場合であっても、上堰の数が増えるに従って介在物の破壊が進むものと考えられるためである。
また、堰20の底部近傍には、使用後のタンディッシュ15内の残湯の排出を容易にするため、一般に貫通孔23を設けている(図3参照)。この貫通孔23の形状は、正面視して四角形であり、浴面の幅をWとすると、高さ方向の内幅W1が1/5×W、幅方向の内幅W2が1/5×Wである。なお、貫通孔の構成は、残湯の排出を容易にできる構成であれば、特に限定されるものではなく、例えば、高さ方向の内幅W1を1/5×W以下の範囲で、また、幅方向の内幅W2を1/5×W以下の範囲で、それぞれ調整できる。
この貫通孔23は、堰20に2個(1個又は複数個でもよい)形成されているが、この程度の貫通孔23であれば、前記した溶鋼に上昇流を発生させる作用効果は得られる。また、上記した貫通孔と開口面積が同等か、それ以下の貫通孔であれば、タンディッシュ内の溶鋼に上昇流を発生させることが可能であり、本発明の作用効果は得られるものと考えられる。
これにより、タンディッシュ15内の溶鋼に上昇流を発生させ、凝集合体した30~50μm程度の粒子径を有するアルミナ介在物を浮上させて、これを湯面上のスラグに捕捉させる効果が得られる。
従って、得られた溶鋼を連続鋳造することで、従来よりもアルミナ介在物の個数を低減でき、特に粒径が20μm以下クラスのアルミナ介在物の個数を低減した鋼材(成品)を製造できる。特に、この鋼材は、介在物の含有量規制に対して最も要求の厳しい高炭素系の高清浄鋼を用いた製品においても、介在物に起因する製品不合(製品不良)を著しく低減できることが可能となる。なお、高炭素系の高清浄鋼とは、例えば、炭素含有量が0.1質量%以上の鋼材であり、上限については、高炭素系の高清浄鋼であれば特に限定されるものではないが、常用される鋼材であれば1.5質量%程度である。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
ここでは、以下の方法を基本として実機水準にて各条件を変更し、鋳造後の定常部鋳片の清浄性の評価を行った。ここで、定常部鋳片とは、鋳造するチャージの連続鋳造長さの概ね中央部分(品質が安定した部分)を意味する。なお、評価対象の鋼種は、高清浄性が求められる棒線材の鋼種(歯車用鋼)とした。
350トンの転炉にて一次精錬を行った後、取鍋内に出鋼した溶鋼(炭素濃度:0.20~0.22質量%、溶鋼中溶存酸素濃度:質量割合で100~300ppm、程度で一定)を、取鍋精錬設備(LF)に移動して取鍋精錬処理を行った。その際、取鍋内の溶鋼に金属アルミニウムを、出鋼時と合計で溶鋼1トンあたり3.0~9.0kg添加し、脱酸処理とスラグ精錬を行い溶鋼中のT.[O]濃度を30~40ppmの概ね一定に調整した。
その後、更に取鍋を移動し、真空脱ガス装置(REDA)による真空脱ガス処理を実施した。そして、この取鍋内の溶鋼をタンディッシュに注湯して、連続鋳造を実施した。
試験条件とその結果及び評価を、表1に示す。
Figure 0007035873000001
表1には、真空脱ガス装置による真空脱ガス処理の前半(「脱ガス処理前半」)と後半(「脱ガス処理後半」)の各処理条件(「時間」、「真空槽内圧力」、及び、「底吹きガス流量」)を記載している。
ここで、実施例1~12と比較例1~9には上記した各処理条件を記載しているが、従来法については、真空脱ガス処理の後半の高圧真空処理を行わず、処理終了まで低圧真空雰囲気下(1.3kPa以下)で脱ガス処理を行っているため、真空脱ガス処理の後半については「(処理なし)」と記載している。なお、従来法の真空脱ガス処理後に行う後述するタンディッシュの鋳造条件は実施例1と同一である。
「タンディッシュ」の欄には、「堰の形状」と「下堰高さ」を記載している。
ここで、「堰の形状」とは、タンディッシュ内に配置される堰の構造であり、「A」はタンディッシュ内を受湯部と排湯部に仕切る下堰の構造(図2参照)を、「B」は図4に示すタンディッシュ30に設置された上堰31の構造を、それぞれ指している。
上記した下堰は、タンディッシュの底部に立設され、その高さを溶深H(m)に対して0.2×H~0.9×Hの範囲で設定した堰である。なお、下堰の底部近傍には、使用後のタンディッシュ内の残湯の排出を容易にするため貫通孔を設けている(図3参照)。この貫通孔は、浴面の幅をWとして、高さ方向の内幅W1が1/5×W(0.26m)であり、幅方向の内幅W2が1/5×W(0.26m)である。
また、上堰31は、受湯部32側の溶鋼深さをH(m)とすると、深さ方向の上部部分(湯面部分)「0.3×H(Hの0.3倍)」のみを、受湯部32側と排湯部33側とに区切る堰である。この場合、溶鋼の深さ方向の上部分を流れる溶鋼流は、上堰31に沿って上堰31の下側に回り込む強制的な流れが発生(強制的な下降流が生成した後、上堰31の下側を通過して、強制的な上昇流が生成)する。
「鋳片の清浄度」の欄には、「20μm以上の介在物検出個数の評価」と「T.[O]」を記載している。
「20μm以上の介在物検出個数の評価」には、定常部鋳片の代表位置から切り出したサンプル(一辺が概ね30mmの矩形)を鏡面研磨後に光学顕微鏡にて調査した、長径が20μm以上のアルミナ介在物個数(単位面積当たりのアルミナ介在物の検出個数に換算)を用いて行った。なお、表1では、従来法の試験条件下で得られた長径20μm以上の介在物検出個数を「1.00」として、他の試験条件で得られた介在物検出個数を指数化し、この指数が1.00以上を「不合格」とし、1.00未満を「合格」として、評価した。
「T.[O]」の欄には、定常部鋳片の代表位置のトータル酸素濃度(全酸素量)を測定し、従来法で得られた18ppm(×評価)を基準として、この基準より高い値となった場合を×評価(不合格)とし、低い値となった場合を○評価(合格)として、それぞれ示した。
「総合評価」は、「20μm以上の介在物検出個数の評価」の欄が合格評価かつ「T.[O]」の欄が○評価の場合を○評価(合格)、これ以外の評価の組み合わせを×評価(不合格)と判断した。
表1中の実施例1~12は、真空脱ガス装置10を用いて、真空脱ガス処理の前半に、低圧真空雰囲気かつ所定の底吹きガス流量の下で脱ガス処理(真空槽内圧力:1.3kPa以下、底吹きガス流量:1.3~4.0NL/分/トン、処理時間:15~45分間)を行い、引き続き、真空脱ガス処理の後半に、高圧真空雰囲気かつ底吹きガス流量を低減させた下で脱ガス処理(真空槽内圧力:40~67kPa、底吹きガス流量:0.3~1.1NL/分/トン、処理時間:5~15分間)を行った後、適正範囲の高さ(0.3×H~0.8×Hの範囲)の下堰を有するタンディッシュへ注湯して、連続鋳造した結果である。
この場合、真空脱ガス処理による介在物の凝集の促進効果と凝集合体した介在物の強度の向上効果、及び、タンディッシュによる凝集合体したアルミナ介在物の浮上除去効果が得られた。
その結果、表1に示すように、「20μm以上の介在物検出個数の評価」と「T.[O]」は共に良好であり、鋳片の清浄性を良好にできた(総合評価:○)。
一方、比較例1は、実施例1の条件に対し、脱ガス処理後半の時間の条件を適正範囲の上限値超(20分)とした場合の結果であり、表1に示すように、鋳片中に存在するアルミナ介在物の個数が多くなり、鋳片の清浄性が悪くなった(総合評価:×)。
これは、脱ガス処理後半での処理時間が長くなり過ぎ、凝集した介在物の破壊を招くため、タンディッシュでの介在物の浮上除去が不足したことによるものと考えられる。
比較例2は、実施例6の条件に対し、脱ガス処理後半の時間の条件を適正範囲の下限値未満(1分)とした場合の結果であり、表1に示すように、鋳片中に存在するアルミナ介在物の個数が多くなり、鋳片の清浄性が悪くなった(総合評価:×)。
これは、脱ガス処理後半での処理時間が不足し、凝集した介在物の強度向上が不足したため、真空脱ガス処理以降から鋳造までにおいて、凝集した介在物の破壊を招き、タンディッシュでの浮上除去が不足したことによるものと考えられる。
比較例3は、実施例1の条件に対し、脱ガス処理後半の真空槽内圧力の条件を適正範囲の下限値未満(10kPa)とした場合の結果であり、表1に示すように、鋳片中に存在するアルミナ介在物の個数が多くなり、鋳片の清浄性が悪くなった(総合評価:×)。
これは、真空槽内の圧力が低くなり過ぎ、脱ガス処理前半に対する、取鍋の底面から真空槽内の溶鋼湯面までの距離の短縮が不足する結果となり、撹拌エネルギーの低減が不足して凝集合体した介在物の破壊を招き、タンディッシュでの浮上除去が不足したことによるものと考えられる。
比較例4は、実施例7の条件に対し、脱ガス処理後半の真空槽内圧力の条件を適正範囲の上限値超(90kPa)とした場合の結果であり、表1に示すように、鋳片中に存在するアルミナ介在物の個数が多くなり、鋳片の清浄性が悪くなった(総合評価:×)。
これは、真空槽内の圧力が高くなり過ぎ、真空槽内の環流が停滞して粒子の衝突頻度が極端に低下するため、微細粒子の凝集合体が進まず、その後のタンディッシュでの浮上除去が困難になったことによるものと考えられる。
比較例5は、実施例8の条件に対し、脱ガス処理後半の底吹きガス流量の条件を適正範囲の下限値未満(0.1NL/分/トン)とした場合の結果であり、表1に示すように、鋳片中に存在するアルミナ介在物の個数が多くなり、鋳片の清浄性が悪くなった(総合評価:×)。
これは、底吹きガス流量を低下させ過ぎ、真空槽内の環流の停滞による粒子の衝突頻度の低下に起因して、微細粒子の凝集合体が不足し、タンディッシュでの浮上除去が困難になったことによるものと考えられる。
比較例6は、実施例10の条件に対し、脱ガス処理後半の底吹きガス流量の条件を適正範囲の上限値超(1.5NL/分/トン)とした場合の結果であり、表1に示すように、鋳片中に存在するアルミナ介在物の個数が多くなり、鋳片の清浄性が悪くなった(総合評価:×)。
これは、底吹きガス流量を増加させ過ぎ、撹拌エネルギーが強くなって凝集合体した介在物粒子の破壊抑制効果が低下したため、その後のタンディッシュでの浮上除去が不足したことによるものと考えられる。
比較例7は、実施例11の条件に対し、下堰の高さ位置を適正範囲の下限値未満(0.2×H)にした場合の結果であり、表1に示すように、鋳片中に存在するアルミナ介在物の個数が多くなり、鋳片の清浄性が悪くなった(総合評価:×)。
これは、下堰の高さが低くなり過ぎて、本発明の真空脱ガス処理条件に従う処理を実施しても、タンディッシュでの介在物の浮上除去の際に、上昇流の発生が不足したことによる。
比較例8は、実施例12の条件に対し、下堰の高さ位置を適正範囲の上限値超(0.9×H)にした場合の結果であり、表1に示すように、鋳片中に存在するアルミナ介在物の個数が多くなり、鋳片の清浄性が悪くなった(総合評価:×)。
これは、下堰の高さが高くなり過ぎて、上昇流がタンディッシュ内の湯面スラグを撹拌し、浮上した介在物が再度溶鋼中へ巻き込まれたことによるものと考えられる。
比較例9は、実施例1の条件に対し、タンディッシュの堰の構造が異なる(図4に示す上堰を採用)場合の結果である。
比較例9は従来法に比べて、介在物検出個数は増加し、トータル酸素濃度(T.[O]ppm)も増加する結果が得られている(総合評価:×)。
比較例9では、溶鋼深さ方向の上部分を流れる溶鋼流が、上堰に沿って上堰の下側を回り込む強制的な流れが発生(強制的な下降流が生成した後、上堰の下側を通過して、強制的な上昇流が生成)するため、溶鋼に与える剪断力が実施例1や従来法に比べて大きいものと推察され、凝集した介在物の破壊を招き、タンディッシュでの介在物の浮上除去が不足したものと推察された。
なお、定常部鋳片における20μm以上の介在物検出個数の評価は、実施例1よりも比較例9の方が多い結果が得られているが、タンディッシュで浮上除去しにくい20μm程度の介在物個数も比較例9の方が多い傾向にあった。このため、比較例9の条件である上堰は、介在物を崩壊させる剪断力が実施例1に比べて大きいものと推定された。
従来法は、前記したように、実施例1の条件に対し、真空脱ガス処理の後半処理を実施することなく、連続鋳造前に溶鋼を貯蔵した取鍋を連続鋳造機のそば(近傍)で10分間静置する時間を取った後、連続鋳造を実施した場合の結果であり、表1に示すように、鋳片中に存在するアルミナ介在物の個数が多くなり、鋳片の清浄性が悪くなった(総合評価:×)。
これは、凝集合体した介在物の強度向上の効果や、凝集した介在物の崩壊を防ぎながら更に凝集合体を促進する効果が不足し、タンディッシュでの浮上除去が不足したことによるものと考えられる。
従って、本発明の高清浄鋼の溶製方法を用いることで、従来の技術よりもアルミナ介在物を低減した高清浄鋼を製造でき、特に粒径が20μmクラスのアルミナ介在物の個数を低減し、全酸素量(T.[O]値)が概ね15ppm程度又はそれ以下の極めて高度な清浄性の鋼を安定して鋳造できることを確認できた。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の高清浄鋼の溶製方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
10:真空脱ガス装置、11:真空槽、12:浸漬管、13:取鍋、14:ガス吹き込み孔、15:タンディッシュ、16:ロングノズル、17:受湯部、18:鋳型、19:排湯部、20:堰、21:浸漬ノズル、22:底面、23:貫通孔、30:タンディッシュ、31:上堰、32:受湯部、33:排湯部

Claims (1)

  1. 大気圧下で吹酸脱炭する一次精錬を行った溶鋼に金属アルミニウムを添加して、溶鋼中の溶存酸素濃度を40ppm以下とした取鍋内の溶鋼に、真空脱ガス装置の一本足形状の浸漬管を浸漬し、前記取鍋の底から不活性ガスを吹き込んで真空脱ガス処理を行う際に、
    前記真空脱ガス処理の前半に、前記浸漬管に連通する真空槽内を1.3kPa以下の低圧真空雰囲気、かつ、不活性ガスの吹き込み量を1.3~4.0NL/分/トンとした上で、15~45分間の脱ガス処理を行い、
    前記真空脱ガス処理の後半に、前記真空槽内を40~67kPaの高圧真空雰囲気、かつ、不活性ガスの吹き込み量を0.3~1.1NL/分/トンとした上で、5~15分間の脱ガス処理を行った後、
    溶鋼を受け入れる受湯部と、該溶鋼を連続鋳造する鋳型に注入する排湯部とに仕切る堰が内部に、底部から上方に向けて突出させた状態で設けられ、該堰の高さを溶鋼深さの0.3倍以上0.8倍以下としたタンディッシュに、前記真空脱ガス処理した溶鋼を注湯することを特徴とする高清浄鋼の溶製方法。
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