JP7024927B2 - ポリカーボネート変性アクリル樹脂、塗料及び該塗料で塗装されたプラスチック成形品 - Google Patents

ポリカーボネート変性アクリル樹脂、塗料及び該塗料で塗装されたプラスチック成形品 Download PDF

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Description

本発明は、ポリカーボネート変性アクリル樹脂、塗料及び該塗料で塗装されたプラスチック成形品に関する。
従来、ポリオールの存在下、不飽和単量体を反応させることで得られるポリカーボネート変性アクリル樹脂が提案されており、その硬化塗膜は基材への付着性、機械物性等に優れることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このポリカーボネート変性アクリル樹脂から得られる塗膜は、耐擦傷性等に優れるものの、近年、プラスチック用塗料等で要求される耐芳香剤性が不十分であるという欠点があった。そこで、従来の付着性等に加え、耐芳香剤性を付与することができる材料が求められていた。
国際公開第WO2015/045562号
本発明が解決しようとする課題は、プラスチック基材との高い付着性を有し、耐水付着性及び耐芳香剤性に優れる塗膜を得ることができるポリカーボネート変性アクリル樹脂、塗料及び該塗料で塗装されたプラスチック成形品を提供することである。
本発明者等は、上記の課題を解決するため鋭意研究した結果、特定のポリカーボネートジオールと、特定の不飽和単量体を必須成分として含有する不飽和単量体混合物との反応物であるポリカーボネート変性アクリル樹脂を用いることで、プラスチック基材との高い付着性を有し、耐水付着性及び耐芳香剤性に優れる塗膜を得ることができることを見出し、発明を完成させた。
すなわち、本発明は、1,5-ペンタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールを原料としたポリカーボネートジオール(A)と、メチルメタクリレート、水酸基を有する不飽和単量体(b1)、カルボキシル基を有する不飽和単量体(b2)及び炭素原子数10~24のアルキル基を有する不飽和単量体(b3)を必須成分として含有する不飽和単量体混合物(B)との反応物であるポリカーボネート変性アクリル樹脂であって、前記不飽和単量体混合物(B)中の、メチルメタクリレートの質量比率が30~95質量%であり、前記不飽和単量体(b2)の質量比率が10質量%未満であることを特徴とするポリカーボネート変性アクリル樹脂、塗料及び該塗料で塗装されたプラスチック成形品に関する。
本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂は、プラスチック基材との高い付着性を有し、耐水付着性及び耐芳香剤性に優れる塗膜を得られることから、塗料に有用であり、該塗料を各種プラスチック成形品に塗装することができる。したがって、本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パソコン、デジタルカメラ、ゲーム機等の電子機器の筐体;テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン等の家電製品の筐体;自動車、鉄道車輌等の各種車輌の内装材などの各種物品を塗装する塗料に好適に用いることができる。
本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂は、1,5-ペンタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールを原料としたポリカーボネートジオール(A)と、メチルメタクリレート、水酸基を有する不飽和単量体(b1)、カルボキシル基を有する不飽和単量体(b2)及び炭素原子数10~24のアルキル基を有する不飽和単量体(b3)を必須成分として含有する不飽和単量体混合物(B)との反応物であるポリカーボネート変性アクリル樹脂であって、前記不飽和単量体混合物(B)中の、メチルメタクリレートの質量比率が30~95質量%であり、前記不飽和単量体(b2)の質量比率が10質量%未満であるものである。
まず、ポリカーボネートジオール(A)について説明する。このポリカーボネートジオール(A)は、1,5-ペンタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールを原料としたポリカーボネートジオールであり、例えば、1,5-ペンタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールと、炭酸エステルまたはホスゲンとの反応により得られるものである。
次に、前記不飽和単量体混合物(B)について説明する。この不飽和単量体混合物(B)は、メチルメタクリレート、水酸基を有する不飽和単量体(b1)、カルボキシル基を有する不飽和単量体(b2)及び炭素原子数10~24のアルキル基を有する不飽和単量体(b3)を必須成分として含有するものであり、メチルメタクリレートの質量比率が30~95質量%であり、前記不飽和単量体(b2)の質量比率が10質量%未満であるものである。
前記水酸基を有する不飽和単量体(b1)としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシ-n-ブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-n-ブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-n-ブチル(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシブチレンモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、得られる塗膜の外観、耐水付着性、耐芳香剤性が優れることから、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。なお、これらの不飽和単量体(b1)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリロイル基」とは、メタクリロイル基とアクリロイル基の一方又は両方をいう。
前記カルボキシル基を有する不飽和単量体(b2)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はこれら不飽和ジカルボン酸のハーフエステルなどが挙げられる。これらの中でも、得られる塗膜の耐芳香剤性がより優れることから、(メタ)アクリル酸が好ましい。また、これらの不飽和単量体(b2)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記炭素原子数10~24のアルキル基を有する不飽和単量体(b3)としては、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、これらの中でも、得られる塗膜の耐芳香剤性がより優れることから、炭素原子数10~18のアルキル基を有する不飽和単量体が好ましい。また、これらの不飽和単量体(b3)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
さらに、前記不飽和単量体混合物(B)の成分として、上記の必須原料であるメチルメタクリレート、不飽和単量体(b1)、不飽和単量体(b2)、及び不飽和単量体(b3)以外のその他の単量体(b4)を用いても構わない。その他の単量体(b4)としては、例えば、メチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-ヘプチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート;アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、グリシジル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、エチレングリコールジアクリレート等のジアクリレート化合物などが挙げられる。また、これらの不飽和単量体は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記不飽和単量体混合物(B)は、メチルメタクリレートの質量比率が30~95質量%であるが、得られる塗膜の耐水付着性及び耐芳香剤性がより向上することから、55~90質量%が好ましく、75~90質量%がより好ましい。
前記不飽和単量体混合物(B)は、前記不飽和単量体(b2)の質量比率が10質量%未満であるが、得られる塗膜の耐芳香剤性がより向上することから、1~8質量%の範囲が好ましく、2~6質量%の範囲がより好ましい。
前記不飽和単量体混合物(B)は、メチルメタクリレート及び前記不飽和単量体(b2)以外に、前記不飽和単量体(b1)及び前記不飽和単量体(b3)を必須成分として含有するものであるが、得られる塗膜の耐芳香剤性が優れることから、前記不飽和単量体(b1)の質量比率が1~40質量%の範囲であり、前記不飽和単量体(b3)の質量比率が1~30質量%の範囲であることが好ましく、前記不飽和単量体(b1)の質量比率が3~30質量%の範囲であり、前記不飽和単量体(b3)の質量比率が3~15質量%の範囲であることがより好ましい。
また、前記不飽和単量体混合物(B)のFOXの式で計算されるガラス転移温度(以下、「設計Tg」と略称する。)は、得られる塗膜の耐薬品性が向上することから、60~110℃の範囲が好ましい。
なお、本発明において、FOXの式で計算されるガラス転移温度とは、
FOXの式:1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・
(Tg:求めるべきガラス転移温度、W1:成分1の重量分率、Tg1:成分1のホモポリマーのガラス転移温度)
に従い計算により求めたものである。各成分のホモポリマーのガラス転移温度の値は
、Polymer Handbook(4th Edition)J.Brandrup,E.H.Immergut,E.A.Grulke著(Wiley Interscience)記載の値を用いた。
本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂を得る方法としては、前記ポリカーボネートジオール(A)及び溶剤の存在下、前記不飽和単量体混合物(B)をラジカル重合する方法が簡便であることから好ましい。
上記のラジカル重合法は、原料である各単量体を溶剤に溶解し、重合開始剤存在下で重合反応を行う方法である。この際に用いることができる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素化合物;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素化合物;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン化合物;酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル化合物;n-ブタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール化合物;エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール化合物;ヘプタン、ヘキサン、オクタン、ミネラルターペン等の脂肪族炭化水素化合物などが挙げられる。
前記重合開始剤としては、例えば、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド化合物;1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(tert-ブチルパーオキシ)バレレート、2,2-ビス(4,4-ジtert-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジtert-アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジtert-ヘキシルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジtert-オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジクミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール化合物;クメンハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド化合物;1,3-ビス(tert-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、tert-ブチルクミルパーオキサイド、ジtert-ブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド化合物;デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド化合物;ビス(tert-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート化合物;tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル化合物などの有機過酸化物と、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチル)ブチロニトリル、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)等のアゾ化合物とが挙げられる。
また、前記ポリカーボネートジオール(A)と前記不飽和単量体混合物(B)との質量比[(A)/(B)]は、得られる塗膜の耐水付着性、及び耐芳香剤性がより向上することから、2/98~80/20の範囲が好ましく、3/97~60/40の範囲が好ましく、4/96~40/60の範囲がさらに好ましい。
本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂の水酸基価は、得られる塗膜の耐芳香剤性がより向上することから、20~150の範囲が好ましく、60~130の範囲がより好ましい。
本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、得られる塗膜の耐水付着性、及び耐芳香剤性がより向上することから、2,000~50,000の範囲が好ましく、4,000~30,000の範囲がより好ましい。ここで、重量平均分子量(Mw)はゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略記する。)測定に基づきポリスチレン換算した値である。
本発明の塗料は、本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂を含有するものであるが、得られる塗膜の物性がより向上することから、硬化剤(C)を含有するものであることが好ましい。
前記硬化剤(C)としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂等が挙げられるが、得られる塗膜の耐水付着性、及び耐芳香剤性が優れることから、ポリイソシアネート化合物が好ましい。また、これらの硬化剤(C)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、m-フェニレンビス(ジメチルメチレン)ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2-メチル-1,3-ジイソシアナトシクロヘキサン、2-メチル-1,5-ジイソシアナトシクロヘキサン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネート化合物などが挙げられる。
また、前記ポリイソシアネート化合物として、上記のジイソシアネート化合物を多価アルコールと付加反応させて得られるイソシアネート基を有するプレポリマー;上記のジイソシアネート化合物を環化三量化させて得られるイソシアヌレート環を有する化合物;上記のジイソシアネート化合物を水と反応させて得られる尿素結合やビュレット結合を有するポリイソシアネート化合物;2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、3-イソプロペニル-α,α-ジメチルベンジルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート等のイソシアネート基を有するアクリル単量体の単独重合体;前記イソシアネート基を有するアクリル単量体と、その他のアクリル単量体、ビニルエステル化合物、ビニルエーテル化合物、芳香族ビニル単量体、フルオロオレフィン等の単量体と共重合することによって得られるイソシアネート基を有する共重合体なども用いることができる。
上記のポリイソシアネート化合物は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記硬化剤(C)がポリイソシアネート化合物である場合の配合量としては、高強度の塗膜が得られることから、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基と、本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂中の水酸基との当量比(イソシアネート基/水酸基)で、0.5~2.0となる範囲が好ましく、0.7~1.3となる範囲がより好ましい。
なお、上記のウレタン化反応は、反応の進行を促進させるため、ウレタン化触媒の存在下で行うこともできる。前記ウレタン化触媒としては、例えば、トリエチルアミン等のアミン化合物、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、ジオクチル錫ジネオデカネート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル酸錫等の有機錫化合物、オクチル酸亜鉛(2-エチルヘキサン酸亜鉛)等の有機金属化合物などが挙げられる。
本発明の塗料は、本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂及び硬化剤(C)を含有するものであるが、その他の配合物として、溶剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、顔料分散剤等の添加剤を使用することができる。また、酸化チタン、炭酸カルシウム、アルミニウム粉末、銅粉末、雲母粉末、酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、トルイジンレッド、ペリレン、キナクリドン、ベンジジンイエロー等の顔料を使用することもできる。
本発明の塗料は、プラスチック基材との高い付着性を有することから、各種プラスチック成形品を塗装する塗料として好適に用いることができるが、本発明の塗料を塗装することのできるプラスチック成形品としては、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パソコン、デジタルカメラ、ゲーム機等の電子機器の筐体;テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン等の家電製品の筐体;自動車、鉄道車輌等の各種車輌の内装材などが挙げられる。
本発明の塗料の塗装方法としては、例えば、スプレー、アプリケーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、コンマコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、キスコーター、シャワーコーター、ホイーラーコーター、スピンコーター、ディッピング、スクリーン印刷等の方法が挙げられる。また、塗装後、塗膜とする方法としては、常温~120℃の範囲で乾燥させる方法が挙げられる。
以下に本発明を具体的な実施例を挙げてより詳細に説明する。なお、本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂の水酸基価は、JIS試験方法K 0070-1992に準拠して測定したものである。また、重量平均分子量(Mw)は、下記のGPC測定条件で測定したものである。
[GPC測定条件]
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC-8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度4mg/mLのテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-550」
(実施例1:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、1,5-ペンタンジオールと1,6-ヘキサンジオールとを原料としたポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ株式会社製「デュラノールT5650J」、水酸基価139.5、数平均分子量800;以下、「ポリカーボネートジオール(A-1)」と略記する。)、50質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート500質量部を加え、内温を120℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート770質量部、ラウリルメタクリレート50質量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート100質量部、メタクリル酸30質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部、及びtert-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート40質量部の混合物を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、質量比[(A)/(B)]が5/95、重量平均分子量が13,000であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)の溶液を得た。
(実施例2:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(2)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A-1)50質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート500質量部を加え、内温を120℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート770質量部、ステアリルメタクリレート50質量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート100質量部、メタクリル酸30質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部、及びtert-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート40質量部の混合物を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、質量比[(A)/(B)]が5/95、重量平均分子量が13,000であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(2)の溶液を得た。
(実施例3:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(3)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A-1)50質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート500質量部を加え、内温を120℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート770質量部、イソボルニルメタクリレート50質量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート100質量部、メタクリル酸30質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部、及びtert-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート40質量部の混合物を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、質量比[(A)/(B)]が 5/95、重量平均分子量が13,000であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(3)の溶液を得た。
(実施例4:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(4)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A-1)300質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート500質量部を加え、内温を120℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート500質量部、イソボルニルメタクリレート50質量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート100質量部、メタクリル酸50質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部、及びtert-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート40質量部の混合物を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、質量比[(A)/(B)]が 30/70、重量平均分子量が14,600であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(4)の溶液を得た。
(実施例5:ポリカーボネート変性アクリル樹脂(5)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A-1)50質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート500質量部を加え、内温を120℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート770質量部、イソボルニルメタクリレート80質量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート100質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部、及びtert-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート40質量部の混合物(アクリル部設計Tg℃)を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、質量比[(A)/(B)]が 5/95、重量平均分子量が13,000であるポリカーボネート変性アクリル樹脂(5)の溶液を得た。
(比較例1:比較用樹脂(R1)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート500質量部を加え、内温を120℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート770質量部、イソボルニルメタクリレート50質量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート150質量部、メタクリル酸30質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部、及びtert-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート40質量部の混合物を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、質量比[(A)/(B)]が0/100、重量平均分子量が12,600である比較用樹脂(R1)の溶液を得た。
(比較例2:比較用樹脂(R2)の合成)
冷却菅、温度計、滴下漏斗、および攪拌機を備えたフラスコに、ポリカーボネートジオール(A-1)50質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート500質量部を加え、内温を120℃まで上げた。次いで、メチルメタクリレート750質量部、イソボルニルメタクリレート20質量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート70質量部、メタクリル酸110質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部、及びtert-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート40質量部の混合物を5時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度で17時間反応を継続した後、不揮発分60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈し、質量比[(A)/(B)]が5/95、重量平均分子量が14,600である比較用樹脂(R2)の溶液を得た。
上記で得られたポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)~(5)及び比較用樹脂(R1)~(R2)の組成を表1及び2に示す。
Figure 0007024927000001
表中の略号は、それぞれ下記のものである。
MMA:メチルメタクリレート
HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート
MAA:メタクリル酸
LMA:ラウリルメタクリレート
SMA:ステアリルメタクリレート
IBXMA:イソボルニルメタクリレート
Figure 0007024927000002
(実施例6:塗料(1)の調製及び評価)
[塗料の調製]
上記の実施例1で得られたポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)の溶液(不揮発分60質量%)、レベリング剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製「BYK-333」)、ジブチル錫ジラウレート、及び硬化剤(住化コベストロウレタン株式会社製「スミジュール N-3300」)を均一に混合した。なお、ポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)と硬化剤の配合比率は、ポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)中の水酸基の当量と硬化剤中のイソシアネート基の当量とが1:1となる量とし、ジブチル錫ジラウレートの配合量は、ポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)に対し、0.1質量%とした。次いで、粘度がアネスト岩田株式会社製「粘度カップNK-2」で9~10秒(23℃)になるように混合溶剤(メチルイソブチルケトン/ダイアセトンアルコール/酢酸エチル/酢酸イソブチル=30/30/30/10(質量比))で希釈して塗料(1)を調製した。
[評価用硬化塗膜Xの作製]
上記で得られた塗料(1)を、PC(ポリカーボネート)基材(50mm×70mm×1mm)に乾燥後の膜厚が20~30μmとなるようにスプレー塗装し、乾燥機にて80℃で30分間加熱乾燥した後、25℃で7日間乾燥して評価用硬化塗膜を作製した。
[評価用硬化塗膜Yの作製]
上記で得られた塗料(1)を、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)基材(50mm×70mm×1mm)に乾燥後の膜厚が20~30μmとなるようにスプレー塗装し、乾燥機にて80℃で30分間加熱乾燥した後、25℃で7日間乾燥して評価用硬化塗膜を作製した。
[付着性の評価]
上記で得られた評価用硬化塗膜Xの上にカッターで1mm幅の切込みを入れ碁盤目の数を100個とした。次いで、全ての碁盤目を覆うようにセロハンテープを貼り付け、すばやく引き剥がす操作を4回行い、付着して残っている碁盤目の数から、下記の基準により付着性を評価した。
○:100個
△:70~99個
×:69個以下
[耐水付着性の評価]
上記で得られた評価用硬化塗膜Xを40℃の水に240時間浸漬した後、上記付着性評価と同様の操作を行い、下記の基準により耐水付着性を評価した。
○:100個
△:70~99個
×:69個以下
[耐芳香剤性の評価]
上記で得られた評価用硬化塗膜Y上に、芳香剤(リトルツリーエアフレッシュナー「ロイヤルパイン」)を15mm×15mmにカットしたものを載せ、500gの分銅で荷重をかけながら74℃で4時間乾燥した後、芳香剤を取り除き、外観を目視で観察し、下記基準により耐芳香剤性を評価した。
5:塗膜上に痕跡なし
4:塗膜上にわずかに痕跡あり
3:塗膜上に痕跡あり
2:基材の素地が露出
1:粘着状態で基材から芳香剤が取り除けない
(実施例7~10:塗料(2)~(5)の調製及び評価)
実施例6のポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)を、ポリカーボネート変性アクリル樹脂(2)~(5)に変更した以外は実施例6と同様に操作することにより塗料を調製後、評価用硬化塗膜を作製し、各評価を行った。
(比較例3~4:塗料(R1)~(R2)の調製及び評価)
実施例6のポリカーボネート変性アクリル樹脂(1)を、比較用樹脂(R1)~(R2)に変更した以外は実施例6と同様に操作することにより塗料を調製後、評価用塗膜を作製し、各評価を行った。
上記で得られた塗料(1)~(5)、及び塗料(R1)~(R2)の評価結果を表3示す。
Figure 0007024927000003
本発明のポリカーボネート変性アクリル樹脂である実施例1~5から得られる硬化塗膜は、付着性、耐水付着性、及び耐芳香剤性に優れることが確認された(実施例6~10)。
一方、比較例1は、ポリカーボネート変性していないアクリル樹脂の例であるが、得られる塗膜の付着性及び耐水付着性が劣ることが確認された(比較例3)。
比較例2は、不飽和単量体混合物中のカルボキシル基を有する不飽和単量体の質量比率が、本発明の上限である10質量%より大きい例であるが、得られる硬化塗膜の耐水付着性が劣ることが確認された(比較例4)。

Claims (5)

  1. 1,5-ペンタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールを原料としたポリカーボネートジオール(A)の存在下、メチルメタクリレート、水酸基を有する不飽和単量体(b1)、カルボキシル基を有する不飽和単量体(b2)及び炭素原子数10~24のアルキル基を有する不飽和単量体(b3)を必須成分として含有する不飽和単量体混合物(B)をラジカル重合開始剤を用いて反応させたポリカーボネート変性アクリル樹脂であって、前記不飽和単量体混合物(B)中の、メチルメタクリレートの質量比率が30~95質量%であり、前記不飽和単量体(b2)の質量比率が10質量%未満であり、前記不飽和単量体(b3)の質量比率が1~15質量%であることを特徴とするポリカーボネート変性アクリル樹脂。
  2. 前記ポリカーボネートジオール(A)と前記不飽和単量体混合物(B)との質量比[(A)/(B)]が、2/98~80/20の範囲である請求項1記載のポリカーボネート変性アクリル樹脂。
  3. 前記不飽和単量体混合物(B)中の、前記不飽和単量体(b1)の質量比率が1~40質量%である請求項1又は2記載のポリカーボネート変性アクリル樹脂。
  4. 請求項1~3のいずれか1項記載のポリカーボネート変性アクリル樹脂及び硬化剤(C)を含有することを特徴とする塗料。
  5. 請求項4記載の塗料で塗装されたことを特徴とするプラスチック成形品。
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