JP7023217B2 - アルカリ接触する表面を有する構成要素 - Google Patents

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Description

本発明は、アルカリ接触する表面を有する構成要素に関し、詳しくは、アルカリ洗浄を必要とする器具または製造ラインに使用される構成要素に関する。
ビニリデンフルオライド(VdF)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体やVdF/HFP/テトラフルオロエチレン(TFE)共重合体などのVdFを必須の構成モノマーとする含フッ素エラストマー(フッ素ゴム)はその卓越した耐熱性、耐薬品性、耐油性などの特性から、高温や種々の薬品への曝露など苛酷な使用条件が要求される分野、たとえば自動車産業、航空機産業、半導体産業などの分野で各種の部品の材料として使用されている。
しかし、非特許文献1のように、VdFを構成単位とする含フッ素エラストマーにおいてはアルカリ溶液に対しての耐性が乏しいことが知られている。
ところで、特許文献1には、ガラス転移温度が低く、耐アミン性に優れた非晶質の含フッ素エラストマーを含む架橋性組成物が開示されている。
特開2013-216915号公報
Polymer Degradation and Stability 83 (2004)195-206.
本発明は、耐水蒸気性および耐酸性を有したうえで、特にアルカリに対しても膨潤や収縮が少なく、充填剤の溶出も生じにくい構成要素を提供することを目的とする。
本発明者らは、耐アルカリ性について検討を進めたところ、特定の含フッ素エラストマーを含有する組成物で表面を形成すると、酸や水蒸気にさらしても良好な耐性を維持したうえで、アルカリ溶液に曝露させても、膨潤や収縮が少なく、充填剤の溶出といった劣化も生じにくいことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、pH8.0以上の溶液に接触する表面が
ビニリデンフルオライド、下記一般式(1):
CH=CFRf (1)
(式中、Rfは炭素数1~12で直鎖又は分岐していてもよく水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたフルオロアルキル基である。)
で表される含フッ素単量体、及び、これらと共重合可能な他の単量体からなる共重合体であり、ビニリデンフルオライド単位/上記式(1)で表される含フッ素単量体単位のモル比が87/13~20/80であり、他の単量体単位が全単量体単位の0~50モル%であり、ガラス転移温度が25℃以下である非晶質の含フッ素エラストマーの架橋物からなる構成要素に関する。
また、本発明の構成要素は、食品産業、化粧品産業、医療産業、または、製薬産業で使用される器具に使用されることが好ましい。
本発明の構成要素は、高温の水蒸気、酸やアルカリに対して高い耐性を有しているため、食品産業、化粧品産業、医療産業、製薬産業で使用される器具の一部や、製造ラインの一部に好適に適用することができる。
本発明の構成要素は、pH8.0以上の溶液に接触する表面が
ビニリデンフルオライド、下記一般式(1):
CH=CFRf (1)
(式中、Rfは炭素数1~12で直鎖又は分岐していてもよく水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたフルオロアルキル基である。)
で表される含フッ素単量体、及び、これらと共重合可能な他の単量体からなる共重合体であり、ビニリデンフルオライド単位/上記式(1)で表される含フッ素単量体単位のモル比が87/13~20/80であり、他の単量体単位が全単量体単位の0~50モル%であり、ガラス転移温度が25℃以下である非晶質の含フッ素エラストマーの架橋物からなることを特徴とする。
含フッ素エラストマーは、特定の構成を有することによって、極めて低いガラス転移温度を示す。また、上記一般式(1)で表される含フッ素単量体(1)単位を含む含フッ素ポリマーは、耐薬品性、耐油性、耐熱性、柔軟性及び耐寒性を有しており、高温でアルカリと接触しても劣化しにくい。また、架橋特性に優れており、製造が容易であるという利点もある。また、上記含フッ素エラストマーは、非晶質である。
含フッ素エラストマーは、ガラス転移温度が25℃以下である。また、0℃以下とすることもできる。ガラス転移温度は、-5℃以下が好ましく、-10℃以下がより好ましい。更には-20℃以下とすることも可能である。含フッ素エラストマーは、このように極めて低いガラス転移温度を示すので、低温特性(耐寒性)にも優れる。ここで、ガラス転移温度は、示差走査熱量計(日立テクノサイエンス社製、X-DSC823e)を用い、-75℃まで冷却した後、試料10mgを20℃/分で昇温することによりDSC曲線を得て、DSC曲線の二次転移前後のベースラインの延長線と、DSC曲線の変曲点における接線との交点を示す温度をガラス転移温度とした。
耐薬品性、耐油性、耐熱性、柔軟性及び耐寒性に優れ、高温でアルカリと接触しても劣化しにくいことから、一般式(1)で表される含フッ素単量体は、Rfが直鎖のフルオロアルキル基である単量体が好ましく、Rfが直鎖のパーフルオロアルキル基である単量体がより好ましい。Rfの炭素数は1~6であることが好ましい。一般式(1)で表される含フッ素単量体としては、CH=CFCF、CH=CFCFCF、CH=CFCFCFCF、CH=CFCFCFCFCF等があげられ、なかでも、CH=CFCFで示される2,3,3,3-テトラフルオロプロペンであることが好ましい。
含フッ素エラストマーは、更に、ビニリデンフルオライド及び式(1)で表される含フッ素単量体以外の他の単量体からなるものであってもよい。他の単量体としては、ビニリデンフルオライド及び式(1)で表される含フッ素単量体と共重合可能な単量体であれば特に限定されず、1種又は2種以上の単量体を使用してよい。
他の単量体は、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブテン、フッ化ビニル、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテル、及び、架橋部位を与える単量体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、TFE、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブテン、フッ化ビニル、エチレン、アルキルビニルエーテル、及び、架橋部位を与える単量体からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。更に好ましくはTFEである。TFEのみであることも好ましい形態の一つである。
含フッ素エラストマーにおいて、架橋部位を与える単量体としては、たとえば、一般式:
CX =CX-RfCHR
(式中、Xは、水素原子、フッ素原子または-CH、Rfは、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロ(ポリ)オキシアルキレン基またはパーフルオロ(ポリ)オキシアルキレン基、Rは、水素原子または-CH、Xは、ヨウ素原子または臭素原子である。)で表されるヨウ素または臭素含有単量体、一般式:
CF=CFO(CFCF(CF)O)(CF-X
(式中、mは0~5の整数、nは1~3の整数、Xは、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、又は臭素原子である。)で表される単量体、一般式:
CH=CFCFO(CF(CF)CFO)(CF(CF))-X
(式中、mは0~5の整数、nは1~3の整数、Xは、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子、又は-CHOHである。)で表される単量体、があげられる。
なかでも、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCN、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCOOH、CF=CFOCFCFCHI、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCHI、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CN、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)COOH、及び、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CHOHからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。架橋部位を与える単量体としては、CF=CFOCFCFCHIが、パーオキサイドを用いた架橋において、架橋密度を向上させて、圧縮永久歪を良好にすることができるので、特に好ましい。その他、後述する共重合体(III)において、架橋部位を与える単量体として例示される単量体も好適に使用できる。
含フッ素エラストマーは、ビニリデンフルオライド単位/式(1)で表される含フッ素単量体(1)単位のモル比は、87/13~20/80が好ましく、85/15~20/80がより好ましい。ビニリデンフルオライド単位/式(1)で表される含フッ素単量体(1)単位のモル比は、22/78以上が好ましく、50/50以上がより好ましく、60/40以上が更に好ましい。また、他の単量体単位は、全単量体単位の0~50モル%であるが、0~20モル%がより好ましい。
含フッ素エラストマーは、ビニリデンフルオライド、一般式(1)で表される含フッ素単量体(1)及び他の単量体のみからなる共重合体であることが好ましい。
含フッ素エラストマーは、ヨウ素原子及び臭素原子の少なくとも一方を有するもので質量%が好ましい。
耐薬品性、耐油性、耐熱性、柔軟性及び耐寒性に優れ、高温でアルカリと接触しても劣化しにくいことから、含フッ素エラストマーは、
ビニリデンフルオライド及び含フッ素単量体(1)のみからなり、ビニリデンフルオライド単位/含フッ素単量体(1)単位のモル比が87/13~22/78である共重合体(I)、
ビニリデンフルオライド、含フッ素単量体(1)、および、これらと共重合可能な他の単量体のみからなり、ビニリデンフルオライド単位/含フッ素単量体(1)単位のモル比が85/15~20/80であり、他の単量体単位が全単量体単位の1~50モル%である共重合体(II)、及び、
ビニリデンフルオライド、含フッ素単量体(1)、および、これらと共重合可能な他の単量体からなり、ビニリデンフルオライド単位/含フッ素単量体(1)単位のモル比が85/15~20/80であり、他の単量体単位が全単量体単位の0~50モル%であり、ヨウ素原子または臭素原子を有し、その含有量の合計が0.001~10質量%である共重合体(III)、
からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
共重合体(I)は、ビニリデンフルオライド及び式(1)で表される含フッ素単量体のみからなり、ビニリデンフルオライド単位/式(1)で表される含フッ素単量体(1)単位のモル比が87/13~20/80であるが、85/15~22/78が好ましい。耐薬品性、耐油性、耐熱性、柔軟性及び耐寒性に優れることから、共重合体(I)は、ビニリデンフルオライド単位/式(1)で表される含フッ素単量体(1)単位のモル比が85/15~60/40がより好ましい。
共重合体(II)は、ビニリデンフルオライド、式(1)で表される含フッ素単量体、並びに、ビニリデンフルオライド及び式(1)で表される含フッ素単量体と共重合可能な他の単量体のみからなる共重合体であり、ビニリデンフルオライド単位/式(1)で表される含フッ素単量体(1)単位のモル比が85/15~20/80であり、他の単量体単位が全単量体単位の1~50モル%である。耐薬品性、耐油性、耐熱性、柔軟性及び耐寒性に優れることから、共重合体(II)は、ビニリデンフルオライド単位/式(1)で表される含フッ素単量体(1)単位のモル比が85/15~50/50が好ましく、85/15~60/40がより好ましい。
耐薬品性、耐油性、耐熱性、柔軟性及び耐寒性に優れることから、共重合体(II)は、他の単量体単位は、全単量体単位の1~40モル%が好ましい。他の単量体としては、上述したものが好適である。
共重合体(III)は、ビニリデンフルオライド、下記一般式(1):
CH=CFRf (1)
(式中、Rfは炭素数1~12で直鎖又は分岐していてもよく水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたフルオロアルキル基である。)で表される含フッ素単量体、並びに、ビニリデンフルオライド及び上記含フッ素単量体と共重合可能な他の単量体からなる共重合体であり、ビニリデンフルオライド単位/含フッ素単量体(1)単位のモル比が85/15~20/80であり、他の単量体単位が全単量体単位の0~50モル%であり、ガラス転移温度が25℃以下であり、ヨウ素原子及び臭素原子の少なくとも一方を有し、その含有量の合計が0.001~10質量%である。
共重合体(III)は、ビニリデンフルオライド及び下記一般式(1):
CH=CFRf (1)
(式中、Rfは炭素数1~12で直鎖又は分岐していてもよく水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたフルオロアルキル基である。)で表される含フッ素単量体のみからなる共重合体、又は、ビニリデンフルオライド、下記一般式(1):
CH=CFRf (1)
(式中、Rfは炭素数1~12で直鎖又は分岐していてもよく水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたフルオロアルキル基である。)で表される含フッ素単量体、並びに、ビニリデンフルオライド及び上記含フッ素単量体と共重合可能な他の単量体のみからなる共重合体であることが好ましい。この場合、共重合体(III)は、実質的にビニリデンフルオライド、及び、式(1)で表される含フッ素単量体のみからなる共重合体、若しくは、実質的にビニリデンフルオライド、式(1)で表される含フッ素単量体、及び上記他の単量体のみからなる共重合体であるが、本発明の効果を損なわない範囲で、反応性乳化剤を使用して製造したものであってもよい。また、連鎖移動剤に由来するヨウ素または臭素末端等を含んでいてもよい。
共重合体(III)は、ビニリデンフルオライド及び下記一般式(1):
CH=CFRf (1)
(式中、Rfは炭素数1~12で直鎖又は分岐していてもよく水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたフルオロアルキル基である。)で表される含フッ素単量体のみからなる共重合体であり、ビニリデンフルオライド単位/含フッ素単量体(1)単位のモル比が80/20~20/80であることがより好ましい。
共重合体(III)は、また、ビニリデンフルオライド単位/含フッ素単量体(1)単位のモル比が85/15~50/50であり、他の単量体単位が全単量体単位の0~50モル%であることも好ましい。
各単量体単位の含有量は、NMR法により測定する値である。
共重合体(III)は、ヨウ素原子及び臭素原子の少なくとも一方を有し、その含有量の合計が0.001~10質量%である。ヨウ素原子及び臭素原子の含有量の合計は、0.01~5質量%であることが好ましく、0.1~5質量%であることがより好ましい。ヨウ素含有量の測定は、試料(含フッ素ポリマー)12mgにNaSOを5mg混ぜ、純水20mlにNaCOとKCOとを1対1(質量比)で混合したものを30mg溶解した吸収液を用い、石英製の燃焼フラスコ中、酸素中で燃焼させ、30分放置後、島津20Aイオンクロマトグラフを用い測定することができる。検量線はKI標準溶液、ヨウ素イオン0.5ppmを含むもの又は1.0ppmを含むものを用いることができる。
ヨウ素原子及び臭素原子の結合位置は、共重合体(III)の主鎖の末端でも側鎖の末端でもよく、もちろん両者であってもよい。このような共重合体においては、当該ヨウ素末端又は臭素末端が架橋点(架橋部位)となり、架橋密度が高い、架橋した含フッ素ポリマーが得られる他、パーオキサイド架橋をより容易に行うことが可能になる。
共重合体(III)は、架橋部位を与える単量体としてヨウ素または臭素含有単量体を使用しても良く、重合開始剤又は連鎖移動剤として臭素化合物又はヨウ素化合物を使用して製造することができる。
共重合体(III)において、他の単量体は、ビニリデンフルオライド及び式(1)で表される含フッ素単量体と共重合可能な単量体であれば特に限定されず、1種又は2種以上の単量体を使用してよい。
共重合体(III)において、他の単量体は、全単量体単位の0~50モル%であることが好ましい。0~40モル%であることがより好ましく、0~20モル%であることがさらに好ましい。
共重合体(III)において、架橋部位を与える単量体としては、たとえば、一般式:
CX =CX-RfCHR
(式中、Xは、水素原子、フッ素原子または-CH、Rfは、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロ(ポリ)オキシアルキレン基またはパーフルオロ(ポリ)オキシアルキレン基、Rは、水素原子または-CH、Xは、ヨウ素原子または臭素原子である。)で表されるヨウ素または臭素含有単量体、一般式:
CX =CX-Rf
(式中、Xは、水素原子、フッ素原子または-CH、Rfは、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロ(ポリ)オキシアルキレン基またはパーフルオロ(ポリ)オキシアルキレン基、Xは、ヨウ素原子または臭素原子である。)で表されるヨウ素または臭素含有単量体(好ましくは、一般式:CH=CH(CFI(nは2~8の整数である。)で表されるヨウ素含有単量体)、一般式:
CF=CFO(CFCF(CF)O)(CF-X
(式中、mは0~5の整数、nは1~3の整数、Xは、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、又は臭素原子である。)で表される単量体、一般式:
CH=CFCFO(CF(CF)CFO)(CF(CF))-X
(式中、mは0~5の整数、nは1~3の整数、Xは、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子又は-CHOHである。)で表される単量体、一般式:
CR=CR-Z-CR=CR
(式中、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基である。Zは、直鎖又は分岐状で酸素原子を有していてもよい、炭素数1~18のアルキレン基、炭素数3~18のシクロアルキレン基、少なくとも部分的にフッ素化している炭素数1~10のアルキレン若しくはオキシアルキレン基、又は、-(Q)-CFO-(CFCFO)(CFO)-CF-(Q)
(式中、Qはアルキレンまたはオキシアルキレン基である。pは0または1である。m/nが0.2~5である。)で表され、分子量が500~10000である(パー)フルオロポリオキシアルキレン基である。)で表される単量体等が挙げられる。
上記一般式:
CR=CR-Z-CR=CR
で表される化合物としては、例えば、CH=CH-(CF-CH=CH、CH=CH-(CF-CH=CH、CH=CH-(CF-CH=CH、下記式:
CH=CH-Z-CH=CH
(式中、Zは、-CHOCH-CFO-(CFCFO)m1(CFO)n1-CF-CHOCH-で表されるフルオロポリオキシアルキレン基であり、m1/n1は0.5であり、分子量は2000である。)で表される単量体等が挙げられる。
架橋部位を与える単量体としては、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCN、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCOOH、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCHI、CF=CFOCFCFCHI、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CN、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)COOH、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CHOH、及び、CH=CHCFCFI、CH=CH(CFCH=CHからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい形態の一つである。上記架橋部位を与える単量体としては、CF=CFOCFCFCHIが、パーオキサイドを用いた架橋において、架橋密度を向上させて、圧縮永久歪を良好にすることができるので、特に好ましい。
架橋部位を与える単量体としてはまた、たとえば、一般式:
CX =CX-RfCHR
(式中、Xは、水素原子、フッ素原子または-CH、Rfは、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロポリオキシアルキレン基またはパーフルオロポリオキシアルキレン基、Rは、水素原子または-CH、Xは、ヨウ素原子または臭素原子である)
で表されるヨウ素または臭素含有単量体、一般式:
CX =CX-Rf
(式中、Xは、水素原子、フッ素原子または-CH、Rfは、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロポリオキシアルキレン基またはパーフルオロポリオキシアルキレン基、Xは、ヨウ素原子または臭素原子である)
で表されるヨウ素または臭素含有単量体(好ましくはCH=CH(CFI(nは2~8の整数である)で表されるヨウ素含有単量体)、一般式:
CF=CFO(CFCF(CF)O)(CF-X
(式中、mは0~5の整数、nは1~3の整数、Xはヨウ素原子または臭素原子である)
で表される単量体、及び、一般式:
CH=CFCFO(CF(CF)CFO)(CF(CF))-X
(式中、mは0~5の整数、nは1~3の整数、Xはヨウ素原子または臭素原子である)
で表される単量体、からなる群より選択される少なくとも1種の単量体であることも好ましい形態の一つである。このようなヨウ素または臭素含有単量体を上記他の単量体として使用することによって、共重合体(III)を製造することもできる。
共重合体(III)において、架橋部位を与える単量体は、全単量体単位の0.01~10モル%であることが好ましく、0.01~2モル%であることがより好ましい。
耐薬品性、耐油性、耐熱性、柔軟性及び耐寒性に優れることから、含フッ素エラストマーは共重合体(III)であることが更に好ましい。
含フッ素エラストマーは、耐薬品性、耐油性、耐熱性、柔軟性及び耐寒性に優れ、高温でアルカリ溶液と接触しても劣化しにくいことから、数平均分子量(Mn)が7000~500000であることが好ましく、重量平均分子量(Mw)が10000~1000000であることが好ましく、Mw/Mnが1.3~4.0であることが好ましい。上記数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及び、Mw/Mnは、GPC法により測定する値である。
含フッ素エラストマーは、成型加工性が良好である点から、100℃におけるムーニー粘度(ML1+10(100℃))は2以上が好ましく、5以上がより好ましい。また、同様に成型加工性が良好であるという点から、200以下が好ましく、150以下がより好ましく、100以下がさらに好ましい。ムーニー粘度は、ASTM-D1646およびJIS K6300に準拠して測定した値である。
含フッ素エラストマーは、一般的なラジカル重合法により製造することができる。重合形態は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合及び乳化重合のいずれの形態でもよいが、工業的に実施が容易であることから、乳化重合であることが好ましい。
重合においては、重合開始剤、連鎖移動剤、界面活性剤、及び、溶媒を使用することができ、それぞれ従来公知のものを使用することができる。共重合体の重合において、重合開始剤として油溶性ラジカル重合開始剤、または水溶性ラジカル開始剤を使用できる。
油溶性ラジカル重合開始剤としては、公知の油溶性の過酸化物であってよく、たとえばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジsec-ブチルパーオキシジカーボネートなどのジアルキルパーオキシカーボネート類、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシピバレートなどのパーオキシエステル類、ジt-ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類などが、また、ジ(ω-ハイドロ-ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(ω-ハイドロ-テトラデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(ω-ハイドロ-ヘキサデカフルオロノナノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロブチリル)パーオキサイド、ジ(パーフルパレリル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロノナノイル)パーオキサイド、ジ(ω-クロロ-ヘキサフルオロブチリル)パーオキサイド、ジ(ω-クロロ-デカフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(ω-クロロ-テトラデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ω-ハイドロ-ドデカフルオロヘプタノイル-ω-ハイドロヘキサデカフルオロノナノイル-パーオキサイド、ω-クロロ-ヘキサフルオロブチリル-ω-クロ-デカフルオロヘキサノイル-パーオキサイド、ω-ハイドロドデカフルオロヘプタノイル-パーフルオロブチリル-パーオキサイド、ジ(ジクロロペンタフルオロブタノイル)パーオキサイド、ジ(トリクロロオクタフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(テトラクロロウンデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(ペンタクロロテトラデカフルオロデカノイル)パーオキサイド、ジ(ウンデカクロロドトリアコンタフルオロドコサノイル)パーオキサイドのジ[パーフロロ(またはフルオロクロロ)アシル]パーオキサイド類などが代表的なものとしてあげられる。
水溶性ラジカル重合開始剤としては、公知の水溶性過酸化物であってよく、たとえば、過硫酸、過ホウ酸、過塩素酸、過リン酸、過炭酸などのアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、t-ブチルパーマレエート、t-ブチルハイドロパーオキサイドなどがあげられる。サルファイト類、亜硫酸塩類のような還元剤も併せて含んでもよく、その使用量は過酸化物に対して0.1~20倍であってよい。
ラジカル重合開始剤の添加量は、特に限定はないが、重合速度が著しく低下しない程度の量(たとえば、数ppm対水濃度)以上を重合の初期に一括して、または逐次的に、または連続して添加すればよい。上限は、装置面から重合反応熱を除熱出来る範囲である。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤などが使用でき、パーフルオロオクタン酸アンモニウム、パーフルオロヘキサン酸アンモニウムなどの炭素数4~20の直鎖又は分岐した含フッ素アニオン性界面活性剤が好ましい。添加量(対重合水)は、好ましくは10~5000ppmである。より好ましくは50~5000ppmである。また、界面活性剤として反応性乳化剤を使用することができる。反応性乳化剤は、不飽和結合と親水基とをそれぞれ1つ以上有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)COONH、CH=CFCFCF(CF)OCFCFCOONH、CF=CFOCFCF(CF)OCF(CF)COONHがあげられる。添加量(対重合水)は、好ましくは10~5000ppmである。より好ましくは、50~5000ppmである。
溶媒としては、連鎖移動性を持たない溶媒であることが好ましい。溶液重合の場合、ジクロロペンタフルオロプロパン(R-225)があげられ、乳化重合及び懸濁重合の場合、水、水と水溶性有機溶媒との混合物、又は、水と非水溶性有機溶媒との混合物があげられる。
共重合体(I)及び(II)の重合において、連鎖移動剤としては、たとえばマロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、コハク酸ジメチルなどのエステル類のほか、イソペンタン、メタン、エタン、プロパン、イソプロパノール、アセトン、各種メルカプタン、四塩化炭素、シクロヘキサンなどがあげられる。
連鎖移動剤として臭素化合物又はヨウ素化合物を使用してもよい。臭素化合物又はヨウ素化合物を使用して行う重合方法としては、たとえば、実質的に無酸素状態で、臭素化合物又はヨウ素化合物の存在下に、加圧しながら水媒体中で乳化重合を行う方法があげられる(ヨウ素移動重合法)。使用する臭素化合物又はヨウ素化合物の代表例としては、たとえば、一般式:
Br
(式中、xおよびyはそれぞれ0~2の整数であり、かつ1≦x+y≦2を満たすものであり、Rは炭素数1~16の飽和もしくは不飽和のフルオロ炭化水素基またはクロロフルオロ炭化水素基、または炭素数1~3の炭化水素基であり、酸素原子を含んでいてもよい)で表される化合物があげられる。臭素化合物又はヨウ素化合物を使用することによって、ヨウ素または臭素が重合体に導入され、架橋点として機能する。
ヨウ素化合物としては、たとえば1,3-ジヨードパーフルオロプロパン、2-ヨードパーフルオロプロパン、1,3-ジヨード-2-クロロパーフルオロプロパン、1,4-ジヨードパーフルオロブタン、1,5-ジヨード-2,4-ジクロロパーフルオロペンタン、1,6-ジヨードパーフルオロヘキサン、1,8-ジヨードパーフルオロオクタン、1,12-ジヨードパーフルオロドデカン、1,16-ジヨードパーフルオロヘキサデカン、ジヨードメタン、1,2-ジヨードエタン、1,3-ジヨード-n-プロパン、CFBr、BrCFCFBr、CFCFBrCFBr、CFClBr、BrCFCFClBr、CFBrClCFClBr、BrCFCFCFBr、BrCFCFBrOCF、1-ブロモ-2-ヨードパーフルオロエタン、1-ブロモ-3-ヨードパーフルオロプロパン、1-ブロモ-4-ヨードパーフルオロブタン、2-ブロモ-3-ヨードパーフルオロブタン、3-ブロモ-4-ヨードパーフルオロブテン-1、2-ブロモ-4-ヨードパーフルオロブテン-1、ベンゼンのモノヨードモノブロモ置換体、ジヨードモノブロモ置換体、ならびに(2-ヨードエチル)および(2-ブロモエチル)置換体などがあげられ、これらの化合物は、単独で使用してもよく、相互に組み合わせて使用することもできる。
これらのなかでも、重合反応性、架橋反応性、入手容易性などの点から、1,4-ジヨードパーフルオロブタン、1,6-ジヨードパーフルオロヘキサン、2-ヨードパーフルオロプロパンを用いるのが好ましい。
共重合体(III)の重合においては、連鎖移動剤として臭素化合物又はヨウ素化合物を使用することが好ましい。臭素化合物又はヨウ素化合物を使用して行う重合方法としては、たとえば、実質的に無酸素状態で、臭素化合物又はヨウ素化合物の存在下に、加圧しながら水媒体中で乳化重合を行う方法があげられる(ヨウ素移動重合法)。使用する臭素化合物又はヨウ素化合物の代表例としては、たとえば、一般式:
Br
(式中、xおよびyはそれぞれ0~2の整数であり、かつ1≦x+y≦2を満たすものであり、Rは炭素数1~16の飽和もしくは不飽和のフルオロ炭化水素基またはクロロフルオロ炭化水素基、または炭素数1~3の炭化水素基であり、酸素原子を含んでいてもよい)で表される化合物があげられる。臭素化合物又はヨウ素化合物を使用することによって、ヨウ素または臭素が重合体に導入され、架橋点として機能する。
ヨウ素化合物としては、たとえば1,3-ジヨードパーフルオロプロパン、2-ヨードパーフルオロプロパン、1,3-ジヨード-2-クロロパーフルオロプロパン、1,4-ジヨードパーフルオロブタン、1,5-ジヨード-2,4-ジクロロパーフルオロペンタン、1,6-ジヨードパーフルオロヘキサン、1,8-ジヨードパーフルオロオクタン、1,12-ジヨードパーフルオロドデカン、1,16-ジヨードパーフルオロヘキサデカン、ジヨードメタン、1,2-ジヨードエタン、1,3-ジヨード-n-プロパン、CFBr、BrCFCFBr、CFCFBrCFBr、CFClBr、BrCFCFClBr、CFBrClCFClBr、BrCFCFCFBr、BrCFCFBrOCF、1-ブロモ-2-ヨードパーフルオロエタン、1-ブロモ-3-ヨードパーフルオロプロパン、1-ブロモ-4-ヨードパーフルオロブタン、2-ブロモ-3-ヨードパーフルオロブタン、3-ブロモ-4-ヨードパーフルオロブテン-1、2-ブロモ-4-ヨードパーフルオロブテン-1、ベンゼンのモノヨードモノブロモ置換体、ジヨードモノブロモ置換体、ならびに(2-ヨードエチル)および(2-ブロモエチル)置換体などがあげられ、これらの化合物は、単独で使用してもよく、相互に組み合わせて使用することもできる。これらのなかでも、重合反応性、架橋反応性、入手容易性などの点から、1,4-ジヨードパーフルオロブタン、1,6-ジヨードパーフルオロヘキサン、2-ヨードパーフルオロプロパンを用いるのが好ましい。
共重合体(III)の重合においては、連鎖移動剤として、たとえばマロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、コハク酸ジメチルなどのエステル類のほか、イソペンタン、メタン、エタン、プロパン、イソプロパノール、アセトン、各種メルカプタン、四塩化炭素、シクロヘキサンなどを使用することもできる。
共重合体の重合において、重合温度、重合圧力及び重合時間は、溶媒や重合開始剤の種類によって異なるが、-15~150℃、大気圧~6.5MPa、1~24時間であってよい。特に、溶液重合において重合開始剤としてフッ素原子を含有する油溶性ラジカル重合開始剤を使用する場合、重合温度が-15~50℃であることが好ましく、10~35℃であることがより好ましい。乳化重合及び懸濁重合においてフッ素原子を含有する油溶性ラジカル重合開始剤を使用する場合、重合温度が30~95℃であることが好ましい。重合開始剤として水溶性ラジカル重合開始剤を使用する場合、重合温度が0~100℃であることが好ましく、10~95℃であることがより好ましい。重合圧力は、重合速度が上昇し、生産性が向上するため、1.0MPa以上が好ましく、2.0MPa以上がより好ましく、3.0MPa以上が更に好ましく、4.5MPa以上が最も好ましい。
上記共重合体は、水性分散液、粉末等のいかなる形態であってもよい。共重合体の粉末は、乳化重合の場合、重合上がりの分散液を凝析させ、水洗し、脱水し、乾燥することによって得ることができる。凝析は、硫酸アルミニウム等の無機塩又は無機酸を添加するか、機械的な剪断力を与えるか、分散液を凍結させることによって行うことができる。懸濁重合の場合は、重合上がりの分散液から回収し、乾燥することにより得ることができる。溶液重合の場合は、含フッ素ポリマーを含む溶液をそのまま乾燥させて得ることができるし、貧溶媒を滴下して精製することによっても得ることができる。
共重合体としては、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。特に、分子構造の異なる2種類の共重合体を併用する形態であってもよい。上記分子構造の異なる2種類の共重合体を併用する形態としては、分子構造の異なる共重合体(I)を2種類用いる形態、分子構造の異なる共重合体(II)を2種類用いる形態、分子構造の異なる共重合体(III)を2種類用いる形態、1種類の共重合体(I)と1種類の共重合体(II)を併用する形態、1種類の共重合体(I)と1種類の共重合体(III)を併用する形態、1種類の共重合体(II)と1種類の共重合体(III)を併用する形態が挙げられる。
上述のように、2種類の含フッ素エラストマーを併用する場合には、1種類が分岐型含フッ素エラストマーであり、もう1種類が直鎖型含フッ素エラストマーであることが好ましい。より好ましくは、国際公開第2009/119409号パンフレットに記載されている、1種類が(A)パーオキサイド架橋可能な架橋部位を有し、数平均分子量が1,000~300,000の範囲にあり、かつ絶対重量分子量および固有粘度を横軸が絶対重量分子量で縦軸が固有粘度であるマーク-ハウィンプロットにプロットしたときのマーク-ハウィン勾配aが0.6未満である分岐型含フッ素ポリマーであり、もう1種類が(B)数平均分子量が1,000~250,000の範囲にあり、かつ絶対重量分子量および固有粘度を横軸が絶対重量分子量で縦軸が固有粘度であるマーク-ハウィンプロットにプロットしたときのマーク-ハウィン勾配aが0.6以上である直鎖型含フッ素ポリマーである形態、又は、1種類が(A)少なくとも1種のフルオロオレフィンを含むエチレン性不飽和化合物と、一般式:
CY =CYRf
(式中、Y、Yはフッ素原子、水素原子または-CH;Rfはエーテル結合性酸素原子を有していてもよく水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状の含フッ素アルキレン基;Xはヨウ素原子または臭素原子)で示される化合物とを共重合させる際に、上記一般式で示される化合物の添加を、重合開始剤添加後に重合系内に添加されるエチレン性不飽和化合物の全添加量の0~10質量%添加した時期に開始することを特徴とする製造方法によって得られた分岐型含フッ素エラストマーであり、もう1種類が(B)数平均分子量が1,000~250,000の範囲にあり、かつ絶対重量分子量および固有粘度を横軸が絶対重量分子量で縦軸が固有粘度であるマーク-ハウィンプロットにプロットしたときのマーク-ハウィン勾配aが0.6以上である直鎖型含フッ素エラストマーである形態である。このように、本発明における含フッ素エラストマーとしては、1種類が共重合体(II)若しくは共重合体(III)であって、パーオキサイド架橋可能な架橋部位を有し、数平均分子量が1,000~300,000の範囲にあり、かつ絶対重量分子量および固有粘度を横軸が絶対重量分子量で縦軸が固有粘度であるマーク-ハウィンプロットにプロットしたときのマーク-ハウィン勾配aが0.6未満である分岐型含フッ素エラストマーであるか、又は、少なくとも1種のフルオロオレフィンを含むエチレン性不飽和化合物と、一般式:
CY =CYRf
(式中、Y、Yはフッ素原子、水素原子または-CH;Rfはエーテル結合性酸素原子を有していてもよく水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状の含フッ素アルキレン基;Xはヨウ素原子または臭素原子)で示される化合物とを共重合させる際に、上記一般式で示される化合物の添加を、重合開始剤添加後に重合系内に添加されるエチレン性不飽和化合物の全添加量の0~10質量%添加した時期に開始することを特徴とする製造方法によって得られた分岐型含フッ素エラストマーであり、もう1種類が共重合体(I)、共重合体(II)又は共重合体(III)であって、数平均分子量が1,000~250,000の範囲にあり、かつ絶対重量分子量および固有粘度を横軸が絶対重量分子量で縦軸が固有粘度であるマーク-ハウィンプロットにプロットしたときのマーク-ハウィン勾配aが0.6以上である直鎖型含フッ素エラストマーである形態も好ましい形態である。
本発明で使用する架橋剤の配合量は特に限定されないが、含フッ素エラストマー100質量部に対して0.01~10質量部が好ましく、0.1~5質量部がより好ましい。架橋剤が、0.01質量部より少ないと、架橋度が不足する傾向があり、10質量部をこえると、架橋密度が高くなりすぎるため架橋時間が長くなることに加え、経済的にも好ましくない。
架橋剤としては、ポリアミン架橋、ポリオール架橋及びパーオキサイド架橋で通常使用される架橋剤であれば特に限定されないが、ポリアミン化合物、ポリヒドロキシ化合物及び有機過酸化物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
ポリアミン化合物としては、たとえば、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、N,N’-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサメチレンジアミン、4,4’-ビス(アミノシクロヘキシル)メタンカルバメートなどがあげられる。これらの中でも、N,N’-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサメチレンジアミンが好ましい。
ポリヒドロキシ化合物としては、耐熱性に優れる点からポリヒドロキシ芳香族化合物が好適に用いられる。ポリヒドロキシ芳香族化合物としては、特に限定されず、たとえば、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAという)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン(以下、ビスフェノールAFという)、レゾルシン、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、4,4’―ジヒドロキシジフェニル、4,4’-ジヒドロキシスチルベン、2,6-ジヒドロキシアントラセン、ヒドロキノン、カテコール、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン(以下、ビスフェノールBという)、4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)吉草酸、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)テトラフルオロジクロロプロパン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルケトン、トリ(4-ヒドロキシフェニル)メタン、3,3’,5,5’-テトラクロロビスフェノールA、3,3’,5,5’-テトラブロモビスフェノールAなどがあげられる。これらのポリヒドロキシ芳香族化合物は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などであってもよいが、酸を用いて共重合体を凝析した場合は、上記金属塩は用いないことが好ましい。
架橋剤がポリヒドロキシ化合物である場合、架橋促進剤を含むことが好ましい。架橋促進剤は、含フッ素ポリマー主鎖の脱フッ酸反応における分子内二重結合の生成と、生成した二重結合へのポリヒドロキシ化合物の付加を促進する。
架橋促進剤としては、オニウム化合物があげられ、オニウム化合物のなかでも、第4級アンモニウム塩等のアンモニウム化合物、第4級ホスホニウム塩等のホスホニウム化合物、オキソニウム化合物、スルホニウム化合物、環状アミン、及び、1官能性アミン化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、第4級アンモニウム塩及び第4級ホスホニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
第4級アンモニウム塩としては特に限定されず、たとえば、8-メチル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムクロライド、8-メチル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムアイオダイド、8-メチル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムハイドロキサイド、8-メチル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムメチルスルフェート、8-エチル-1,8―ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムブロミド、8-プロピル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムブロミド、8-ドデシル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムクロライド、8-ドデシル-1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセニウムハイドロキサイド、8-エイコシル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムクロライド、8-テトラコシル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムクロライド、8-ベンジル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムクロライド(以下、DBU-Bとする)、8-ベンジル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムハイドロキサイド、8-フェネチル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7―ウンデセニウムクロライド、8-(3-フェニルプロピル)-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムクロライドなどがあげられる。これらの中でも、架橋性及び諸物性が優れる点から、DBU-Bが好ましい。
第4級ホスホニウム塩としては特に限定されず、たとえば、テトラブチルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(以下、BTPPCとする)、ベンジルトリメチルホスホニウムクロライド、ベンジルトリブチルホスホニウムクロライド、トリブチルアリルホスホニウムクロライド、トリブチル-2-メトキシプロピルホスホニウムクロライド、ベンジルフェニル(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロライドなどをあげることができ、これらの中でも、架橋性及び諸物性が優れる点から、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(BTPPC)が好ましい。
架橋促進剤として、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩とビスフェノールAFの固溶体、特開平11-147891号公報に開示されている塩素フリー架橋促進剤を用いることもできる。
架橋促進剤の配合量は特に限定されないが、含フッ素エラストマー100質量部に対して、0.01~8質量部が好ましく、0.02~5質量部がより好ましい。架橋促進剤が、0.01質量部未満であると、含フッ素ポリマーの架橋が充分に進行せず、得られる構成要素の耐薬品性、耐油性、耐熱性が低下する傾向があり、8質量部をこえると、架橋性組成物の成形加工性が低下する傾向がある。
有機過酸化物としては、熱や酸化還元系の存在下で容易にラジカルを発生し得る有機過酸化物であればよく、たとえば1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α-ビス(t-ブチルパーオキシ)-p-ジイソプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)-ヘキシン-3、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゼン、t-ブチルパーオキシマレイン酸、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルパーオキシベンゾエイトなどをあげることができる。これらの中でも、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)-ヘキシン-3が好ましい。
架橋剤が有機過酸化物である場合、架橋助剤を含むことが好ましい。架橋助剤としては、例えば、トリアリルシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N′-m-フェニレンビスマレイミド、ジプロパギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタレートアミド、トリアリルホスフェート、ビスマレイミド、フッ素化トリアリルイソシアヌレート(1,3,5-トリス(2,3,3-トリフルオロ-2-プロペニル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリオン)、トリス(ジアリルアミン)-S-トリアジン、亜リン酸トリアリル、N,N-ジアリルアクリルアミド、1,6-ジビニルドデカフルオロヘキサン、ヘキサアリルホスホルアミド、N,N,N′,N′-テトラアリルフタルアミド、N,N,N′,N′-テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6-トリビニルメチルトリシロキサン、トリ(5-ノルボルネン-2-メチレン)シアヌレート、トリアリルホスファイトなどがあげられる。これらの中でも、架橋性及び諸物性が優れる点から、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
架橋助剤の配合量は特に限定されないが、含フッ素エラストマー100質量部に対して0.01~10質量部が好ましく、0.1~5.0質量部がより好ましい。架橋助剤が、0.01質量部より少ないと、架橋時間が実用に耐えないほど長くなる傾向があり、10質量部をこえると、架橋時間が速くなり過ぎることに加え、構成要素の圧縮永久歪も低下する傾向がある。
架橋剤としてポリアミン化合物を使用するポリアミン架橋は、従来と同様に行うことができる。たとえば、含フッ素エラストマーと架橋剤、要すれば架橋促進剤、さらには適宜混合可能な他の添加剤とをロール練り後金型に入れ加圧して1次架橋し、ついで2次架橋する方法があげられる。一般に1次架橋の条件は、温度100~200℃で、時間5~120分間、圧力2~10MPa程度の範囲から採用され、2次架橋の条件は温度150~300℃で、時間30分間~30時間程度の範囲から採用される。
架橋剤としてポリヒドロキシ化合物を使用するポリオール架橋は、従来と同様に行うことができる。たとえば、含フッ素エラストマーと架橋剤、要すれば架橋促進剤、さらには適宜混合可能な他の添加剤とをロール練り後金型に入れ加圧して1次架橋し、ついで2次架橋する方法があげられる。混練はインターナルミキサー、バンバリーミキサーなどが好ましく使用できる。一般に1次架橋は、2~10MPa、100~200℃で5~60分間行うことができ、2次架橋は150~300℃で30分間~30時間行うことができる。
架橋剤として有機過酸化物を使用するパーオキサイド架橋は、従来と同様に行うことができる。たとえば、含フッ素エラストマーと架橋剤、要すれば架橋促進剤、さらには適宜混合可能な他の添加剤とをロール練り後金型に入れ加圧して1次架橋し、ついで2次架橋する方法があげられる。一般に1次架橋は、2~10MPa、100~200℃で5~60分間行うことができ、2次架橋は150~300℃で30分間~30時間行うことができる。
含フッ素エラストマーが共重合体(III)である場合、ヨウ素原子及び臭素原子の少なくとも一方を有し、その含有量の合計が0.001~10質量%であるため、ヨウ素末端又は臭素末端が架橋点(架橋部位)となり、架橋密度を更に高めることができる。
含フッ素エラストマーが共重合体(III)である場合、含フッ素エラストマー組成物は、架橋剤として有機過酸化物を含むことがより好ましい。共重合体(III)は、ヨウ素原子及び臭素原子の少なくとも一方を有し、その含有量の合計が0.001~10質量%であるため、有機過酸化物を含むことで、パーオキサイド架橋をより容易に行うことが可能になる。有機過酸化物としては、上述したものが挙げられ、中でも、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン及び2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)-ヘキシン-3の少なくとも1種の化合物であることが好ましい。また、含フッ素エラストマー組成物は架橋助剤を含むことが好ましく、架橋助剤としては上述したものが挙げられ、中でも、架橋性及び成形品の物性が優れる点から、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
含フッ素エラストマーが共重合体(III)である場合、含フッ素エラストマー組成物の架橋助剤の配合量は、含フッ素エラストマー100質量部に対して0.01~10質量部が好ましく、0.1~5.0質量部がより好ましい。架橋助剤が、0.01質量部より少ないと、架橋時間が実用に耐えないほど長くなる傾向があり、10質量部をこえると、架橋時間が速くなり過ぎることに加え、構成要素の圧縮永久歪も低下する傾向がある。
含フッ素エラストマーが共重合体(III)である場合、含フッ素エラストマー組成物の架橋条件は、使用する架橋剤などの種類により適宜決めればよいが、通常、150~300℃の温度で、1分~24時間焼成する。また、常圧、加圧、減圧下においても、また、空気中においても、架橋することができる。
含フッ素エラストマーが共重合体(III)である場合、含フッ素エラストマー組成物は、架橋剤として有機過酸化物を含み、パーオキサイド架橋により架橋するものであることが好ましい。架橋剤として有機過酸化物を使用するパーオキサイド架橋は、従来と同様に行うことができる。たとえば、共重合体(III)と架橋剤、要すれば架橋促進剤、さらには適宜混合可能な他の添加剤とをロール練り後金型に入れ加圧して1次架橋し、ついで2次架橋する方法があげられる。一般に1次架橋は、2~10MPa、100~200℃で5~60分間行うことができ、2次架橋は150~300℃で30分間~30時間行うことができる。
また、本発明で使用する含フッ素エラストマー組成物は、必要に応じて含フッ素エラストマー組成物に配合される通常の添加物、たとえば充填剤(カーボンブラック、硫酸バリウム等)、受酸剤、加工助剤(ワックス等)、可塑剤、着色剤、安定剤、接着助剤、離型剤、導電性付与剤、熱伝導性付与剤、表面非粘着剤、柔軟性付与剤、耐熱性改善剤、難燃剤などの各種添加剤を配合することができ、前記のものとは異なる常用の架橋剤、架橋促進剤を1種またはそれ以上配合してもよい。カーボンブラックなどの充填剤の含有量としては、特に限定されるものではないが、含フッ素エラストマー100質量部に対して0~150質量部であることが好ましく、1~100質量部であることがより好ましく、2~50質量部であることが更に好ましい。また、ワックス等の加工助剤の含有量としては、パーオキサイド架橋可能な含フッ素エラストマー100質量部に対して0~10質量部であることが好ましい。
本発明の構成要素は、前記含フッ素エラストマー組成物を成形し、架橋することにより製造することもでき、また、成形と架橋とを同時に行うことによって製造することもできる。本発明の構成要素は耐水蒸気性および耐酸性を有したうえで、アルカリに対しても膨潤や収縮が少なく、充填剤の溶出も生じにくいため、食品産業、化粧品産業、医療産業、製薬産業で使用される器具の一部、または、製造ラインなどに好適に使用することができる。
架橋は、使用する架橋剤などの種類により適宜決めればよいが、通常、150~300℃の温度で、1分~24時間焼成する。また、常圧、加圧、減圧下においても、また、空気中においても、架橋することができる。
架橋方法としては、特に限定されず、スチーム架橋、加圧成形法、加熱により架橋反応が開始される通常の方法が採用でき、常温常圧での放射線架橋法であってもよい。最初の架橋処理(1次架橋という)を施した後に2次架橋と称される後処理工程を施してもよい。
成形方法は、特に限定されず、例えば、圧縮成形、押出し成形、トランスファー成形、射出成形等が挙げられる。
本発明の構成要素は、アルカリ溶液に接触される表面を有するものであればよく、例えばアルカリ洗浄を必要とする器具や部品などに好適に使用することができる。また、製造ラインの一部を構成する部品であっても良い。使用される分野は特に限定されないが、食品産業、化粧品産業、医療産業、製薬産業などが挙げられる。
例えば食品産業では、食品プラント機器、食品製造装置、梱包機器、混合機器、攪拌機器、造粒機器、醸造装置、加工処理機器、印刷機器、熱交換器、充填装置、洗浄装置、滅菌装置、殺菌装置、貯蔵機器、コンベヤ、サニタリー配管(ジョイント部含む)、送液ポンプ、ポンプ、家庭用品を含む食品器具、オーブンレンジやジャーポット等の家電器具が挙げられる。
例えば医療産業では、医療品製造装置、医療器具、医療機器、滅菌装置、殺菌装置、洗浄装置、培養機器、送液ポンプ、コンベヤ、サニタリー配管(ジョイント部含む)、分析機器、理化学機器などや内視鏡機器、シリンジ、カテーテル、移送チューブ、超音波プローブ、医療・介護ロボット、吸引器、加圧器などが挙げられる。
例えば化粧品産業では、化粧品製造装置、混合機器、造粒機器、打錠機器、成形機器、コンベヤ、サニタリー配管(ジョイント部含む)、シリンジ、滅菌装置、殺菌装置、洗浄装置、分析機器、理化学機器、貯槽、ポンプ、ミル機、充填装置、印刷機器、梱包機器なども挙げられる。
例えば製薬産業では、医薬品製造装置、混合機器、造粒機器、打錠機器、成形機器、培養機器、ポンプ、サニタリー配管(ジョイント部含む)、アンプル、バイアル、シリンジ、分析機器、理化学機器、充填装置、印刷機器、梱包機器などが挙げられる。
また本発明の構成要素は、CIP洗浄やCOP洗浄、その他洗浄殺菌方法などアルカリ接触する部分に使用でき、特に分野は限定されないが、上記産業を例に使用される器具の一部であっても、製造ラインの一部を構成するものであっても良い。さらに具体的な使用形態としては、これらの一部として使用されるシール材、ガスケット材、パッキン、Oリング、ヘルール、栓、セプタム、フレキシブル材、ボール、チューブ、ホース、パイプ、タンク、容器(ボトル・バッグ含む)、膜、シート、バルブ、ダイアフラム、スリーブ、ステータ、ベルト、ロール、被覆材などが挙げられる。
また、本発明の構成要素は、架橋して架橋ゴム成形品として使用する以外にも、種々の分野において各種部品として使用することもできる。そこで次に、本発明の構成要素の用途について説明する。
本発明の構成要素は、金属、ゴム、プラスチック、ガラスなどの表面改質材;メタルガスケット、オイルシールなど、耐熱性、耐薬品性、耐油性、非粘着性が要求されるシール材および被覆材;OA機器用ロール、OA機器用ベルトなどの非粘着被覆材、またはブリードバリヤー;織布製シートおよびベルトへの含浸、焼付による塗布などに用いることができる。
本発明の構成要素は、高粘度、高濃度にすることによって、通常の用法により複雑な形状のシール材、ライニング、シーラントとして用いることができ、低粘度にすることによって、数ミクロンの薄膜フィルムの形成に用いることができ、また中粘度にすることによりプレコートメタル、O-リング、ダイアフラム、リードバルブの塗布に用いることができる。
さらに、織布や紙葉の搬送ロールまたはベルト、印刷用ベルト、耐薬品性チューブ、薬栓、燃料ホースなどの塗布にも用いることができる。
本発明の構成要素は、被覆材としても使用でき、被覆する対象としては鉄、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、炭素鋼、真鍮などの金属類;ガラス板、ガラス繊維の織布及び不織布などのガラス製品;ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトンなどの汎用および耐熱性樹脂の成形品および被覆物;SBR、ブチルゴム、NBR、EPDMなどの汎用ゴム、およびシリコーンゴム、フッ素ゴムなどの耐熱性ゴムの成形品および被覆物;天然繊維および合成繊維の織布および不織布;などを使用することができる。
本発明の構成要素はまた、溶剤に溶解し、塗料、接着剤として使用できる。また、乳化分散液(ラテックス)として、塗料としても使用できる。
上記組成物は、各種装置、配管等のシール材やライニング、金属、セラミックス、ガラス、石、コンクリート、プラスチック、ゴム、木材、紙、繊維等の無機及び有機基材からなる構造物の表面処理剤等として使用される。
上記組成物は、ディスペンサー方式塗装やスクリーン印刷塗装により基材等に塗布することができる。
本発明の構成要素は、フィルムを流延、またはファブリック、プラスチック、金属、またはエラストマーのような基材を浸漬してできる構成要素でもよい。
特に、本発明の構成要素は、ラテックスの形態として、被覆ファブリック、保護手袋、含浸繊維、O-リング被覆、燃料系クイック連結O-リング用被覆、燃料系シール用被覆、燃料タンクロールオーバーバルブダイヤフラム用被覆、燃料タンク圧力センサーダイヤフラム用被覆、オイルフィルターおよび燃料フィルターシール用被覆、燃料タンクセンダーシールおよびセンダーヘッドフィッテングシール用被覆、複写機定着機構ロール用被覆、並びにポリマー塗料組成物を製造するために使用されてもよい。
それらはシリコーンラバー、ニトリルラバー、および他のエラストマーの被覆に有用である。その熱安定性と同様に基材エラストマーの耐透過性および耐薬品性の両方を高める目的のために、それらはそのようなエラストマーから製造される部品の被覆にも有用である。他の用途は、熱交換器、エキスパンジョンジョイント、バット、タンク、ファン、煙道ダクトおよび他の管路、並びに収納構造体、例えばコンクリート収納構造体用の被覆を含む。上記組成物は、多層部品構造の露出した断面に、例えばホース構造およびダイアフラムの製造方法において塗布されてもよい。接続部および結合部におけるシーリング部材は、硬質材料からしばしば成り、そして本発明の構成要素は、改良された摩擦性界面、シーリング面に沿って低減された微量の漏れを伴う高められた寸法締りばめを提供する。そのラテックスは、種々の自動車システム用途におけるシール耐久性を高める。
それらは、ホースおよびチューブが別の部品に接続されるいかなる結合部の製造においても使用されることもできる。上記構成要素のさらなる有用性は、多層ホースのような多層ラバー構造における、製造欠陥(および使用に起因する損傷)の補修においてである。上記構成要素は、塗料が塗布される前または後に、形成され、またはエンボス加工され得る薄鋼板の塗布にも有用である。例えば、被覆された鋼の多数の層は組み立てられて、2つの剛性金属部材の間にガスケットを作ることもできる。シーリング効果は、その層の間に本発明の構成要素を塗布することにより得られる。
本発明の構成要素は、その他、コーティング剤;金属、セラミック等の無機材料を含む基材にディスペンサー成形してなる基材一体型ガスケット、パッキン類;金属、セラミック等の無機材料を含む基材にコーティングしてなる複層品などとしても使用することができる。
本発明の構成要素は、軽くて曲げられるフレキシブルな材料としても好適で、公知の器具やその一部に使用することができる。例えば、CMOS電子回路、トランジスタ、集積回路、有機トランジスタ、発光素子、電極、アクチュエータ、メモリ、センサ、コイル、コンデンサー、抵抗等の電子部品が挙げられる。これらは、電池、ロボット、ディスプレイ、電子人工皮膚、人工筋肉、シート型スキャナー、点字ディスプレイ、ワイヤレス電力伝送シート等の機器への使用も考えられる。
また、本発明は、
ビニリデンフルオライド、下記一般式(1):
CH=CFRf (1)
(式中、Rfは炭素数1~12で直鎖又は分岐していてもよく水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたフルオロアルキル基である。)
で表される含フッ素単量体、及び、これらと共重合可能な他の単量体からなる共重合体であり、ビニリデンフルオライド単位/上記式(1)で表される含フッ素単量体単位のモル比が87/13~20/80であり、他の単量体単位が全単量体単位の0~50モル%であり、ガラス転移温度が25℃以下である非晶質の含フッ素エラストマーの架橋物の、pH8.0以上の溶液に接触する表面を提供するための使用に関する。
上記使用は、表面が、食品産業、化粧品産業、医療産業、または、製薬産業で使用される器具の表面である使用であることが好ましい。
つぎに本発明を、実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例および比較例で使用した材料を以下に示す。
含フッ素エラストマー(1):VdF/2,3,3,3-テトラフルオロプロペン=77/23モル%、ガラス転移温度-13℃、ヨウ素含有量0.12質量%
含フッ素エラストマー(2):VdF/2,3,3,3-テトラフルオロプロペン/TFE=77/18/5モル%、ガラス転移温度-19℃、ヨウ素含有量0.16質量%
含フッ素エラストマー(3):VdF/2,3,3,3-テトラフルオロプロペン=77/23モル%、パーフルオロ-6,6-ジハイドロ-6-ヨード-3-オキサ-1-ヘキセンを0.02モル%含有、ガラス転移温度-14℃、ヨウ素含有量0.23質量%
含フッ素エラストマー(4):三元フッ素ゴム(VdF/HFP/TFE=50/30/20モル%)、ガラス転移温度-5℃、ヨウ素含有量0.23質量%
含フッ素エラストマー(5):二元フッ素ゴム(VdF/HFP=78/22モル%)、ガラス転移温度-20℃、ヨウ素含有量0.18質量%
含フッ素エラストマー(6):三元フッ素ゴム(VdF/HFP/TFE=61/18/21モル%)のプレコンパウンド、ガラス転移温度-15℃
カーボンブラック:N990
TAIC:トリアリルイソシアヌレート
パーヘキサ25B:(2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン
実施例1~3および比較例1~2
表1に示した各成分を表1に記載した配合量で配合し、8インチオープンロールを用いて通常の方法で混練し、含フッ素エラストマー組成物を調製した。得られた含フッ素ゴムエラストマー組成物をプレス架橋成型して一次架橋を行い、その後、熱オーブンを用いて、二次架橋を行った。一次架橋の条件は、160℃、10分、二次架橋の条件は、180℃、4時間とした。得られた成形品を用いて以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例3
表1に示した各成分を表1に記載した配合量で配合し、8インチオープンロールを用いて通常の方法で混練し、含フッ素エラストマー組成物を調製した。得られた含フッ素ゴムエラストマー組成物をプレス架橋成型して一次架橋を行い、その後、熱オーブンを用いて、二次架橋を行った。一次架橋の条件は、170℃、10分、二次架橋の条件は、230℃、24時間とした。得られた成形品を用いて以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
<引張物性>
JIS K6251に準じて、100%モデュラス(M100)、引張破断強度(Tb)および引張破断伸び(Eb)を測定した。
<硬度(Hs〔Shore A,peak〕)>
JIS K6253に準じ、デュロメータ タイプAにて測定した(ピーク値)。
<酸浸漬試験>
5質量%硝酸水溶液を用いて、90℃で72時間浸漬試験を行った。浸漬試験後の100%モデュラス(M100)、引張破断強度(Tb)、引張破断伸び(Eb)、硬度(Hs〔Shore A,peak〕)、体積膨潤率(ΔV)を測定し、浸漬前の値に対する変化率を求めた。ΔVは、試料片を所定の条件で浸漬した後の体積の変化率(膨潤の程度を表す。)であり、試料片の元の体積をVo、試験後の体積をVとしたとき、ΔV=(V-Vo)/Vo×100(%)で表される。体積は空気中の重さと、水中での重さから計算する。
<アルカリ浸漬試験>
30質量%水酸化ナトリウム水溶液(pH約14)を用いて、90℃で72時間浸漬試験を行った。浸漬試験後の100%モデュラス(M100)、引張破断強度(Tb)、引張破断伸び(Eb)、硬度(Hs〔Shore A,peak〕)、体積膨潤率(ΔV)を測定し、浸漬前の値に対する変化率を求めた。ΔVは、試料片を所定の条件で浸漬した後の体積の変化率(膨潤の程度を表す。)であり、試料片の元の体積をVo、試験後の体積をVとしたとき、ΔV=(V-Vo)/Vo×100(%)で表される。体積は空気中の重さと、水中での重さから計算する。
<水蒸気曝露試験>
200℃の水蒸気中で72時間曝露した。曝露試験後の100%モデュラス(M100)、引張破断強度(Tb)、引張破断伸び(Eb)、硬度(Hs〔Shore A,peak〕)、体積膨潤率(ΔV)を測定し、曝露前の値に対する変化率を求めた。ΔVは、試料片を所定の条件で曝露した後の体積の変化率(膨潤の程度を表す。)であり、試料片の元の体積をVo、試験後の体積をVとしたとき、ΔV=(V-Vo)/Vo×100(%)で表される。体積は空気中の重さと、水中での重さから計算する。
Figure 0007023217000001
実施例1で作製した構成要素については、昭和34年厚生省告示第370号に規定する食品、添加物等の規格基準に基づく検査を、一般社団法人日本食品分析センターに分析依頼した。その結果、材質試験におけるカドミウムおよび鉛に関して適正であり、溶出試験におけるフェノール、ホルムアルデヒド、亜鉛、重金属に関して適正であり、20%エタノール、水、4%酢酸に対する蒸発残留分も5μg/ml以下の限度内であった。よって、このような食品等に関係する器具や製造ラインにも好適に使用することができる。
本発明の構成要素は、特にアルカリ耐性が高いため、食品産業、化粧品産業、医療産業、製薬産業などで使用される器具やその一部、または、製造ラインなどに好適に適用することができる。

Claims (2)

  1. アルカリ溶液により洗浄殺菌される器具または製造ラインの一部として使用される構成要素であって、
    前記洗浄殺菌に使用されるpH8.0以上の溶液に接触する表面が
    ビニリデンフルオライド、下記一般式(1):
    CH=CFRf (1)
    (式中、Rfは炭素数1~12で直鎖又は分岐していてもよく水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたフルオロアルキル基である。)
    で表される含フッ素単量体、及び、これらと共重合可能な他の単量体からなる共重合体であり、ビニリデンフルオライド単位/上記式(1)で表される含フッ素単量体単位のモル比が87/13~20/80であり、他の単量体単位が全単量体単位の0~50モル%であり、ガラス転移温度が25℃以下である非晶質の含フッ素エラストマーの架橋物からなり、
    前記器具または製造ラインの一部は、シール材、ガスケット材、パッキン、Oリング、ヘルール、栓、セプタム、フレキシブル材、ボール、チューブ、ホース、パイプ、タンク、容器、膜、シート、バルブ、ダイアフラム、スリーブ、ステータ、ベルト、ロール及び被覆材からなる群より選択される少なくとも1種である構成要素。
  2. 食品産業、化粧品産業、医療産業、または、製薬産業で使用される器具に使用される請求項1に記載の構成要素。
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