JP7022611B2 - 露光装置の制御方法、露光装置、及び物品製造方法 - Google Patents

露光装置の制御方法、露光装置、及び物品製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、露光装置の制御方法、露光装置、及び物品製造方法に関する。
基板をショット領域毎に露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査露光装置は、先のショット領域の露光を終えた後、次のショット領域まで基板ステージをX方向(非走査方向)及びY方向(走査方向)にステップ移動する。走査露光装置は、次のショット領域の露光を開始する位置まで基板ステージを移動させ、その後、基板ステージをY方向に走査しながら次のショット領域を露光する。
特許文献1は、基板の露光位置の下地のフォーカス位置を、当該下地が露光位置に到達する前に先読みする技術を開示している。特許文献1では、露光対象領域を露光するのに先んじて、露光対象領域のフォーカス位置すなわち基板の表面形状を計測し、露光対象領域が露光位置に到達するまでに露光対象領域のフォーカス位置を調整する。
特許文献2は、走査露光を行うショット領域を変更するために基板ステージを曲線的に移動している間にフォーカス位置の先読みを実施しスループットを向上させる技術を開示している。
特開2000-003869号公報 特開2014-029956号公報
特許文献2の技術では、X方向の移動を伴ってショット領域間をステップ移動する場合、次のショット領域におけるフォーカス位置の先読み開始位置を複数のショット領域間で共通にしていた。フォーカス位置の先読み開始位置を複数のショット領域間で共通にできる理由は、基板のパターン段差が小さく、前後の各ショットにおいてフォーカス計測誤差が許容できるためである。
しかし、近年、ICの多層化が進み、その影響で基板内のショット間のパターンの段差、つまりZ方向段差(高低差)が大きくなっている。Z方向段差の大きな基板でフォーカス計測、先読み(先先読み)計測を実施しようとした場合、通常の斜入射計測では、先読み計測位置と、スリット計測位置(本読み計測位置)がX方向に大きく離れる(以下、このX方向距離を「X方向ずれ量」という。)ことで、両計測位置で計測されるZ方向段差が更に大きくなりフォーカス精度が悪化する。Z方向段差は、レジストの塗布むらと多層に積層したパターンの影響によって、ショット領域毎にばらつきうる。このZ方向段差のばらつきは、図10(a)において、基板中心に近いショット領域401から外周部のショット領域402に行くほど大きくなる。断面形状で表した場合、ショット領域401に示す部分では理想形に近い図10(b-1)のようになっている。それに対し、ショット領域402付近では図10(b-2)のようにZ方向の段差量のばらつきが大きくなる。したがって、フォーカス計測の開始位置はX方向に対し大きなZ方向段差に掛からないようにX方向ずれ量を最小化する必要がある。しかしその場合には、Y方向に余裕を持たせた駆動距離を設定することになり、ショット領域によっては過剰にフォーカス計測に入るまでの距離が長くなり、これがスループット低下の要因となりうる。
本発明は、例えば、フォーカス精度とスループットの両立に有利な露光装置の制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面によれば、基板を保持して移動するステージと、走査方向に沿って配置され、前記ステージに保持された前記基板の面位置を計測する複数の計測器とを含み、前記ステージに保持された前記基板をショット領域毎に走査しながら露光する露光装置の制御方法であって、前記ステージが曲線状に移動する第1移動の間に、前記複数の計測器のうちの第1計測器を用いて計測点の面位置を計測する第1計測を行い、前記第1移動の後、前記ステージが前記走査方向に沿って直線的に移動する第2移動の間に、前記複数の計測器のうち前記第1計測器とは異なる第2計測器を用いて前記計測点の面位置を計測する第2計測を行う計測工程と、前記第1計測による計測結果と前記第2計測による計測結果とに基づいて、露光時における前記第1移動の軌跡を決定する決定工程とを有することを特徴とする制御方法が提供される。
本発明によれば、例えば、フォーカス精度とスループットの両立に有利な露光装置の制御方法を提供することができる。
実施形態における露光装置の構成概略図。 実施形態におけるフォーカスの計測方法を説明する図。 従来の駆動プロファイルを示す図。 実施形態における駆動プロファイルを示す図。 実施形態におけるフォーカスの先読み開始位置を決定する処理を説明する図。 実施形態におけるフォーカスの先読み開始タイミングを決定する処理を示すフローチャート。 フォーカスの先読み開始タイミングを決定する処理の変形例を示すフローチャート。 フォーカスの先読み開始タイミングを決定する処理の変形例を示すフローチャート。 フォーカスの先読み開始タイミングを決定する処理の変形例を示すフローチャート。 多層基板のZ方向段差を説明する図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態は本発明の実施の具体例を示すにすぎないものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、以下の実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の課題解決のために必須のものであるとは限らない。
<第1実施形態>
[露光装置の構成]
まず、本実施形態におけるリソグラフィー装置の構成について説明する。本実施形態における計測器は、例えば、半導体デバイスや液晶表示デバイスなどの物品の製造工程におけるリソグラフィー工程で用いられるリソグラフィー装置に採用されるものであり、被処理基板(被計測物)の表面位置または傾きを計測し得る。以下、一例として、本実施形態における計測器は、半導体デバイスの製造工程におけるリソグラフィー工程で用いられるパターン転写装置としての露光装置に採用されるものとして説明する。本実施形態では、ステージに保持された基板をショット領域毎に走査しながら露光する露光装置によって行われる露光方法が説明される。
図1(a)に、本実施形態に係る露光装置100の概略構成を示す。露光装置100は、例えば、スキャン・アンド・リピート方式にて、原版であるレチクルRに形成されているパターンの像を基板W上(基板上)に露光(転写)する投影型露光装置である。なお、図1(a)では、投影光学系101の光軸と平行な方向にZ軸をとり、Z軸に垂直な同一平面内で、露光時のレチクルRおよび基板Wの走査方向にY軸をとりY軸に直交する非走査方向にX軸をとっている。
露光装置100は、照明系106と、レチクルステージ103と、投影光学系101と、基板ステージ105と、計測器102と、制御部104とを備える。照明系106は、不図示のエキシマレーザー等のパルス光を発生する光源から放出された光を調整し、レチクルRを照明する。レチクルRは、基板W上に転写されるべきパターン(例えば回路パターン)が形成されている、例えば石英ガラス製の原版である。レチクルステージ103は、レチクルRを保持し、少なくともX、Yの各軸方向に移動可能である。レチクルステージ103は、露光の際には、投影光学系101の光軸AXと垂直な面内で、Y軸方向(紙面に対して垂直な方向)に一定速度で走査するとともに、目標位置を維持して走査するよう、適宜X軸方向に補正移動する。レチクルステージ103の各軸方向の位置情報は、レチクルステージ103に設置されているバーミラー120と、レチクルステージ用の第1干渉計121を用いて計測される。投影光学系101は、レチクルRを通過した光を所定の倍率(例えば1/2倍)で基板W上に投影する。ここで、投影光学系101の像面は、Z軸方向に対して垂直となる関係にある。基板Wは、表面上にレジスト(感光剤)が塗布された、例えば単結晶シリコンからなる基板である。基板ステージ105は、不図示のチャックを介して基板Wを保持し、X,Y,Zの各軸方向に移動可能であり、かつ、各軸の回転方向であるθx,θy,θz方向に回転可能である。基板ステージ105の各軸方向の位置情報は、基板ステージ105に設置されているバーミラー123と、基板ステージ用の第2干渉計124を用いて計測される。
計測器102は、基板ステージ105に保持されている基板Wの表面のZ軸方向における位置または傾き(以下、これらを総称して「面位置」という。)を計測するものであり、投光系と受光系とを含む。まず、基板Wに計測用の光束を投光する投光系について説明する。計測用光源110は、ランプや発光ダイオードなどの光源である。コリメータレンズ111は、計測用光源110から放射された光束を断面の強度分布がほほ均一となる平行光束に変換して射出する。スリット部材112は、一対のプリズムを互いの斜面が相対するように貼り合わせたものであり、貼り合わせ面には、複数の開口(例えば9つのピンホール)を有するクロム等で形成された遮光膜が設置されている。投光側光学系113は、両テレセントリック系の光学系であり、スリット部材112に形成されている複数のピンホールを個別に通過した9つの光束を、投光側ミラー114を介して基板W上の9つの計測点に導光する。ここで、ピンホールを有する平面と基板Wの表面を含む平面とは、投光側光学系113に対してシャインプルーフの条件を満足する。本実施形態では、投光系からの各光束が基板W上へ入射するときの入射角Φ(光軸となす角)は、70°以上である。また、以下に示す受光系が9つの計測点を基板W内で互いに独立して観察可能となるように、投光系からの各光束は、Y軸方向からXY平面内でθ°(例えば22.5°)回転した方向から基板W上へ入射する。
次に、投光系により投光されて基板Wで反射した光束(反射光束)を受光する受光系について説明する。受光側光学系116は、両テレセントリック系の光学系であり、受光側ミラー115を介して基板Wからの9つの反射光束を受光する。また、受光側光学系116は、不図示のストッパー絞りを有する。ストッパー絞りは、9つの各計測点に対して共通し、基板W上にすでに存在しているパターンにより発生する高次の回折光(ノイズ光)をカットする。補正光学系118は、9つの個別の補正レンズを含み、受光側光学系116を通過して光軸が互いに平行となっている光束を、後段側の光電変換器119の計測面に対して、互いに同一の大きさを有したスポット光となるように結像する。光電変換器119は、例えば、9つの1次元CCDラインセンサを含み、検出面に入射した光束の強度(光強度)を検出し、演算回路126へ出力する。ただし、光電変換器119として、2次元の位置計測素子を複数配置したものを採用してもよい。ここで、受光側光学系116、補正光学系118および光電変換器119には、基板W上の各計測点と光電変換器119の検出面とが互いに共役となるように、予め倒れ補正が行われている。そのため、各計測点の局所的な傾きに起因して発生する検出面でのピンホール像の位置変化はなく、各計測点の光軸方向AXでの高さ変化に応答して、検出面上でピンホール像が変化する。
制御部104(処理部)は、主制御部127と、レチクル位置制御系122と、基板位置制御系125と、演算回路126とを含む。なお、制御部104は、露光装置100の他の部分と共に一体で(共通の筐体内に)構成されてもよいし、露光装置100の他の部分とは別体で(別の筐体内に)構成されてもよい。主制御部127は、例えばプロセッサやメモリを含むコンピュータなどで構成され、露光装置100の各構成要素(これらを制御する制御系等)に回線を介して接続されて、プログラムなどに従って各構成要素の動作を統括する。レチクル位置制御系122は、主制御部127からの駆動指令に基づいて、レチクルステージ103の動作を制御する。基板位置制御系125は、主制御部127からの駆動指令に基づいて、基板ステージ105の動作を制御する。演算回路126は、光電変換器119から得られた検出結果に基づいて光強度の値を算出する。特に、主制御部127は、レチクルRのスリット像を基板Wの所定領域に結像させるよう、XY面内の位置(X,Yの各軸方向の位置およびZ軸に対する回転θ)と、Z軸方向の位置(X,Yの各軸に対する回転α,βおよびZ軸上の高さZ)を調整しうる。そして、主制御部127は、レチクル位置制御系122および基板位置制御系125に対し、レチクルステージ103と基板ステージ105とを同期走査させつつ、レチクルR上のパターンを基板W上に投影する走査露光を行わせる。このとき、主制御部127は、レチクルステージ103をY方向に走査させる場合には、基板ステージ105をY方向に投影光学系101の縮小倍率分だけ補正した速度で走査させる。また、レチクルステージ103の走査速度は、照明系106内における不図示のマスキングブレードの走査方向の幅と、基板Wの表面に塗布されたレジストとの感度に基づいて、装置生産性が有利となるように予め決定される。
次に、レチクルRに形成されているパターンの位置合わせの際の制御部104による制御について説明する。主制御部127は、XY面内については、第1干渉計121および第2干渉計124から得られる各ステージ103、105の位置データ、および、不図示のアライメント顕微鏡から得られる基板Wの位置データに基づいて制御データを求める。そして、主制御部127は、求めた制御データに基づいて、レチクル位置制御系122および基板位置制御系125に駆動指令を送信し、適宜レチクルステージ103と基板ステージ105との位置を所望の位置に変化させる。一方、主制御部127は、Z軸方向については、フォーカス動作の制御として、演算回路126から得られた光強度の値に基づいて、基板位置制御系125に駆動指令を送信し、適宜基板ステージ105の位置(または姿勢)を所望の位置に変化させる。具体的には、主制御部127は、走査方向に対して露光スリット近傍に配置された計測器102(演算回路126)からの計測結果に基づいてZ軸方向の位置を求める。そして、主制御部127は、露光位置で最適像面位置となるように、求められたZ軸方向の位置に基づいて基板ステージ105を制御する。
図1(b)に露光装置100の上面図(要部のみ)を示す。図1(b)に示されるように、本実施形態においては、露光装置100は、計測器102(フォーカスセンサ)を2系統有する。具体的には、計測器102は、走査方向(Y方向)に沿って配置された第1計測器と第2計測器を含む。ここで、第1計測器と第2計測器のうち走査方向に関して前方に位置する計測器が先読みセンサとして機能し、後方に位置する計測器が本読みセンサとして機能する。
本実施形態においては、図2に示すように、走査方向に関して前方に配置された第1計測器(先読みセンサ)で、Xステップしながら斜めに駆動しつつ、先読み計測を実施する。露光開始直前には、スキャン方向に関して後方に配置された第2計測器(スリットセンサ(本読みセンサ))で計測を行いフォーカス精度を確認する。
[基板ステージの駆動プロファイル]
図3(a)に、先のショット領域の走査露光を終えた後、走査露光の対象を変更して次のショット領域に移るステップ移動、及び、次のショット領域のスキャン駆動の速度プロファイルを示す。ここでは、先のショット領域と次のショット領域とは、図3(b)に示されるように、第1方向(Y方向)の位置を同じくして第1方向に直交する第2方向(X方向)に沿って隣り合って配置されている。露光動作の間、固定された露光スリットに対して基板ステージ105が移動するが、図3(b)では、基板ステージ105に対する露光スリットの相対的な位置の変化(軌跡)が示されている。なお、レチクルステージ103も、基板ステージ105と同期して駆動されるので基板ステージ105のプロファイルと同様のプロファイルに従って駆動される。
図3(a)において、Vy(t)は、時刻tにおける、Y方向の基板ステージ105の速度を、Vx(t)は、X方向の基板ステージ105の速度を示す。また、X方向及びY方向の速度プロファイルを規定する各時刻を以下のように表現する。
・走査露光の開始時刻:Texpo、
・走査露光の終了時刻:Te、
・フォーカス位置の先読みの開始時刻:Tp、
・Y方向の速度がゼロとなる時刻:To、
・X方向のステップ移動の開始時刻:Txs、
・X方向のステップ移動の終了時刻:Txe
基板ステージ105は、ショット領域の走査露光の間、すなわち時刻Texpoから時刻Teの間、Y方向に沿って直線的に移動する。基板ステージ105は、ステップ移動の間のうち、Te~Txs,Txe~Texpoの間はY方向に沿って直線的に移動する(第2移動)。しかし、基板ステージ105は、ステップ移動の間のうちのTxs~Txeの間、X,Yの双方向に移動して曲線状の軌跡に沿って移動する(第1移動)。
X方向の移動の開始時刻Txsは、走査露光の開始時刻Texpoに基づいて決定される。例えば、X方向の移動の開始時刻Txsは、先のショット領域の走査露光の終了時刻Teより後で、かつ、次のショット領域の走査露光の開始時刻Texpoの指定時間Tinだけ前となるように決定される。すなわち、X方向の移動の開始時刻Txsは、以下の式1、式2の両式を満たすように決定される。
Txs≧Te ・・・(1)
Txs=Texpo―Tin・・・(2)
本実施形態では、基板ステージが曲線状に移動する第1移動の間に、計測点の計測位置に先に到達する第1計測器(先読みセンサ)を用いて面位置を計測する第1計測を行う。図3(b)の例においては、基板ステージが曲線状に移動する第1移動の間の時刻Tpで、先読みセンサとして機能するフォーカスセンサによって第1計測が行われる。第1移動の後、基板ステージが走査方向に沿って直線的に移動する第2移動の間に、第1計測器とは異なる第2計測器を用いて同じ計測点の面位置を計測する第2計測を行う(計測工程)。その後、第1計測による計測結果と第2計測による計測結果とに基づいて、露光時における第1移動の軌跡を決定する(決定工程)。本実施形態では、X方向の移動を伴ってフォーカス計測する際に、必要とする露光精度から事前にX方向ずれ許容値を決定することを、ショット領域毎に行う。本実施形態では、このX方向ずれ許容値を満足するように先読みの開始タイミングTpが決定される。この先読みの開始タイミングTpは、上記した軌跡を特定するパラメータとなりうる。
なお、図2では先読みセンサおよびスリットセンサのそれぞれにより計測される計測点を3点ずつ示したが、図3(b)では、簡略化して中央の1点(中心ch)のみを示している。後述する図4(b)および図5も同様である。
[フォーカス計測方法]
図4および図5は、本実施形態に係るフォーカス計測方法を説明する図である。また、図6は、フォーカスの先読みの開始タイミングTpを決定する処理を示すフローチャートである。主制御部127は、図5に示すように、スリット計測位置(本読み計測位置)に対してX方向にずれた複数点(例えば図中A,B,C点)の各点でのX方向差(X方向ずれ量)およびZ方向段差(露光位置に対する高低差)のデータを取得する(S202)。A,B,C点はそれぞれ、複数の軌跡の候補を代表する点である。取得されたデータは、主制御部127のメモリに保存される。
X方向ずれ量およびZ方向段差量は、第1計測器で計測された面位置の第2計測器で計測された面位置に対する差分(誤差)として求められる。図5において、主制御部127は、A,B,Cの各点におけるZ方向段差のデータ(ΔZA,ΔZB,ΔZC)を取得し、Z方向段差の規定値ZLIM(フォーカス精度を表す)に対して、
ZLIM > ΔZ・・・(3)
となる点(すなわち誤差が許容範囲内となる点)をΔZA,ΔZB,ΔZCから判定する(S203)。ここで、フォーカス精度を満足するフォーカス計測開始位置を選択する。図5ではA点に対するΔZが図示されている。X位置(各計測開始位置)でのフォーカス計測開始タイミングは、図4(a)に示すように、それぞれTpA,TpB,TpCとなる。
フォーカス精度ZLIMの値からフォーカス先読みタイミングTpを求める際に、第1計測器と第2計測器の計測結果の差分で算出するだけでなく、X方向ずれ量に対するZ方向段差量の絶対量、追従性、リニアリティ等も保存してもよい。そして、そのデータを用いてフォーカス先読みタイミングTpを判定してもよい。
ΔZがZLIMより小さい場合、そのX方向ずれ量はフォーカス精度を満足すると判定され、そのΔZに対応するフォーカス先読み開始位置を確定しTpが決定される。このように、TpA,TpB,TpCから最適なTpが選定される。
X方向ずれ量に対するZ方向段差ΔZとこのZ方向段差を複数回計測した結果の再現性から、Tpがフォーカス精度に対して許容できるかどうかを判定する。再現性の確認は、初回は全てのショット領域に対して規定する回数で再現性の量を確認するが、過去の結果から学習させ、計測回数や計測ショット領域の数を減らしてもよい。
Tpの具体的な決定の流れを説明する。本実施形態では、複数の軌跡の候補から、ΔZが許容範囲内にあり(すなわち、ΔZ<ZLIM)、かつ、移動経路が短くなるものを選択する。ここでは例えば、複数の軌跡の候補から、ΔZが許容範囲内で最大となるものを求める。上記のとおり、ΔZがZLIMより小さい場合、第1計測器で計測された面位置の第2計測器で計測された面位置に対する誤差は許容範囲内にある。そこで、第1計測器の計測位置と第2計測器の計測位置との距離を拡大する(X方向ずれ量を拡大する)(S205-1)。これは、次のショット領域へ移動する際の軌跡を小回りにすることであり、これによりY方向の駆動量が縮小されることになる。例えば、フォーカス計測開始位置を図中B点からA点に変更する。これは、露光終了時刻TeからYスキャンの減速するタイミングTyを早めTyAとすることにより実現される。こうして、ΔZAとなるTpAが先読み開始タイミングとなる。
ΔZがZLIM以上である場合、そのX方向ずれ量は許容範囲外である。この場合、X方向ずれ量が許容範囲内になるまでX方向ずれ量を小さくする(S205-2)。具体的には、第1計測器の計測位置と第2計測器の計測位置との距離を縮小することにより、Y方向の駆動量を拡大する。例えば、フォーカス先読み開始位置を図中B点からC点に変更する。これは、露光終了時刻TeからYスキャンの減速するタイミングTyを遅らせてTyCとすることにより実現される。こうして、ΔZCとなるTpCが先読み開始タイミングとなる。
このように、目標とするX方向ずれ量でフォーカス先読みが開始できるようY方向駆動量を調整する。こうして、フォーカス精度が許容範囲内か許容範囲外かに応じてX方向ずれ量を変化させて最適なTpを決定することが本実施形態の特徴である。これにより、過剰とならない第1移動におけるY方向の駆動量が決定されTpが決定されることで、第1移動の軌跡が決定される。こうして決定されたフォーカス先読み開始タイミングTpに従いフォーカス計測が行われる(S206)。以上の処理(S202~S206)を各ショット領域に対して繰り返す。その後、決定された軌跡に従って、基板ステージを移動させて複数のショット領域のそれぞれを走査露光する露光工程が実施される(S207)。
最適なTpを決定しフォーカス計測開始位置を最適化するためにX方向のずれ量やY方向の駆動量が変更されるが、これを実現するためには、駆動軌跡、駆動タイミング、駆動パラメータ、計測ポジションを変えればよい。また、これら複数のパラメータを組み合わせて決定してもよい。
図7に、図6の変形例を示す。図7の例では、X方向ずれ量の初期値を、必ず許容範囲外となり得る値にしている。したがって、S203でZ方向段差量が許容範囲外と判定された場合には、S305でX方向ずれ量を縮小していく。そして、S203でZ方向段差量が許容範囲内と判定された時点でS206に進み、その時のX方向ずれ量に対応するフォーカス先読み開始タイミングTpが決定される。
図8に、フォーカスの先読み開始タイミングを決定する処理の別の変形例を示す。図8の例では、S202でX方向ずれ量とZ方向段差量のデータを取得した後、Z方向段差量の範囲毎にショット領域をグルーピングする(S801)。各グループに対して、代表とする1つのショット領域で図6または図7に示したS203以降の処理を行って最適なフォーカス先読み開始タイミングTpを決定する。そして、同一グループ内のショット領域には、その決定されたフォーカス先読み開始タイミングTpが適用される。これにより、フォーカス先読み開始タイミングTpを決定する処理を全てのショット領域に対して行う必要がなくなり、計算負荷を軽減でき、スループットを向上させることができる。
図9に、図8の変形例を示す。図9の例では、S202でX方向ずれ量とZ方向段差量のデータを取得した後、Z方向段差量の範囲毎にショット領域をグルーピングする(S801)。次に、S901で、フォーカス先読み開始タイミングTpを決定する処理を行うグループの順序を決定する。例えば、移動距離が短いショット優先で処理するグループの順序を決めてもよい。あるいは、Z方向段差量が近いグループ優先で処理するグループの順序を決めてもよい。また、もとよりZ方向段差量が許容範囲内にあるグループについては、フォーカス先読み開始タイミングTpを決定する処理(条件出し)を省略し、無条件にTpを所定値に決定してもよい。それにより、処理時間が短縮され、スループットを向上させることができる。
<物品製造方法の実施形態>
本発明の実施形態に係る物品製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品製造方法は、基板に塗布された感光剤に上記の露光装置を用いて潜像パターンを形成する工程(基板を露光する工程)と、かかる工程で潜像パターンが形成された基板を現像する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
<他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100:露光装置、101:投影光学系、102:計測器、103:レチクルステージ、104:制御部、105:基板ステージ、106:照明系、126:演算回路、127:主制御部

Claims (10)

  1. 基板を保持して移動するステージと、走査方向に沿って配置され、前記ステージに保持された前記基板の面位置を計測する複数の計測器とを含み、前記ステージに保持された前記基板をショット領域毎に走査しながら露光する露光装置の制御方法であって、
    前記ステージが曲線状に移動する第1移動の間に、前記複数の計測器のうちの第1計測器を用いて計測点の面位置を計測する第1計測を行い、前記第1移動の後、前記ステージが前記走査方向に沿って直線的に移動する第2移動の間に、前記複数の計測器のうち前記第1計測器とは異なる第2計測器を用いて前記計測点の面位置を計測する第2計測を行う計測工程と、
    前記第1計測による計測結果と前記第2計測による計測結果とに基づいて、露光時における前記第1移動の軌跡を決定する決定工程と、
    を有することを特徴とする制御方法。
  2. 前記決定工程で決定された前記軌跡に従って前記ステージを移動させて複数のショット領域のそれぞれを露光する露光工程を更に有することを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
  3. 前記露光工程の前に、前記計測工程および前記決定工程がショット領域毎に行われることを特徴とする請求項2に記載の制御方法。
  4. 前記決定工程は、前記第1計測で計測された面位置の前記第2計測で計測された面位置に対する誤差が許容範囲内になるように前記軌跡を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御方法。
  5. 複数の軌跡の候補のそれぞれに対して前記計測工程を行い、
    前記決定工程は、前記複数の軌跡の候補から前記誤差が前記許容範囲内となるものを選択することにより前記軌跡を決定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の制御方法。
  6. 前記決定工程は、前記複数の軌跡の候補から、前記誤差が前記許容範囲内にあり、かつ、移動経路が短くなるものを選択することにより、前記軌跡を決定することを特徴とする請求項5に記載の制御方法。
  7. 前記決定工程は、前記複数の軌跡の候補から、前記誤差が前記許容範囲内で最大となるものを選択することにより前記軌跡を決定することを特徴とする請求項5に記載の制御方法。
  8. 複数のショット領域のそれぞれに前記計測工程を行い、
    前記決定工程は、
    前記第1計測で計測された面位置の前記第2計測で計測された面位置に対する誤差に基づいて、前記複数のショット領域をグルーピングし、
    各グループに対して、代表とする1つのショット領域に関して前記誤差が許容範囲内になるように前記軌跡を決定する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の制御方法。
  9. 基板をショット領域毎に走査しながら露光する露光装置であって、
    前記基板を保持して移動するステージと、
    走査方向に沿って配置され、前記ステージに保持された前記基板の面位置を計測する複数の計測器と、
    前記ステージを駆動して前記基板のショット領域における同じ計測点の面位置を前記複数の計測器のそれぞれで計測する処理部と、を有し、
    前記処理部は、
    前記ステージが曲線状に移動する第1移動の間に、前記複数の計測器のうちの第1計測器を用いて前記計測点の面位置を計測する第1計測を行い、
    前記第1移動の後、前記ステージが前記走査方向に沿って直線的に移動する第2移動の間に、前記複数の計測器のうち前記第1計測器とは異なる第2計測器を用いて前記計測点の面位置を計測する第2計測を行い、
    前記第1計測による計測結果と前記第2計測による計測結果とに基づいて、露光時における前記第1移動の軌跡を決定する
    ことを特徴とする露光装置。
  10. 請求項9に記載の露光装置を用いて前記決定された前記軌跡に従って前記ステージを移動させて基板上の複数のショット領域のそれぞれを露光する工程と、
    前記工程で露光された前記基板を現像する工程と、
    を有し、前記現像された基板から物品を製造することを特徴とする物品製造方法。
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