JP7020907B2 - 両面粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、高い粘着力を持ちながらも、被着体を損傷せずに剥離することができる両面粘着テープに関する。
画像表示装置又は入力装置を搭載した携帯電子機器(例えば、携帯電話、携帯情報端末等)においては、組み立てのために両面粘着テープが用いられている。具体的には、例えば、携帯電子機器の表面を保護するためのカバーパネルをタッチパネルモジュール又はディスプレイパネルモジュールに接着したり、タッチパネルモジュールとディスプレイパネルモジュールとを接着したり、センサーや電池パックを固定したりするために両面粘着テープが用いられている(例えば、特許文献1、2)。また、車輌部品(例えば、車載用パネル)を車両本体に固定する用途にも両面粘着テープが用いられている。
特開2009-242541号公報 特開2009-258274号公報
従来、廃棄された電子機器は、最終的な処分を行う前にセンサーや電池パックといった再利用可能な部品が取り出され、リサイクルが行われている。しかしながら、回収したい部品が両面粘着テープによって固定されていた場合、両面粘着テープから剥離して回収しようとすると部品が損傷してしまうことがあるという問題があった。
例えば、両面粘着テープによって基板に固定された部品を回収する場合、通常、図1(a)左図のように部品の端部を持ち上げて両面粘着テープから剥離する。しかし、近年の小型化、薄化された部品でこのような剥離方法を行うと、図1(a)右図のように剥離の際の力に耐えられず部品が損傷してしまうことがあるという問題があった。この問題を解決するために、図1(b)のように両面粘着テープを水平方向に引っ張って剥離することも考えられたが、従来の両面粘着テープでは図1(c)のように両面粘着テープが水平方向の力に耐えきれずに千切れてしまい、部品に残ってしまったり、両面粘着テープの一部だけがとれてしまったりすることがあるという問題があった。特に、部品の固定に用いられる両面粘着テープは、部品を確実に固定する必要があることから粘着力が高く、より両面粘着テープが千切れやすくなっていた。
本発明は、上記現状に鑑み、高い粘着力を持ちながらも、被着体を損傷せずに剥離することができる両面粘着テープを提供することを目的とする。
本発明は、基材層の両面に粘着剤層を有する両面粘着テープであって、前記両面粘着テープの引張破断強度が10MPa以上であり、前記両面粘着テープの引張破断伸度が1000%以上であり、前記両面粘着テープの引張破断強度は、2枚のステンレス板に挟まれた前記両面粘着テープを折り曲げずに接着面と水平な方向へ引き剥がす0°剥離強度より高く、前記0°剥離強度は前記ステンレス板に対する180°剥離強度より低い、両面粘着テープである。
以下に本発明を詳述する。
本発明の両面粘着テープは、基材層の両面に粘着剤層を有する。
基材層の両面に存在する2つの粘着剤層は同じ粘着剤からなっていてもよく異なる粘着剤からなっていてもよい。
本発明の両面粘着テープは、引張破断強度が10MPa以上である。
両面粘着テープの引張破断強度が10MPa以上であることで、両面粘着テープを接着面と水平な方向に引っ張って剥離した場合であっても、両面テープの千切れを抑止できる。両面テープの千切れをさらに抑制できる観点から、上記引張破断強度の好ましい下限は12MPa、より好ましい下限は15MPaである。上記引張破断強度の上限は特に限定されないが、50MPaであることが好ましい。上記引張破断強度は、基材の種類によって調節することができる。なお、上記引張破断強度は、JIS K7161に準拠して、引張試験機を用い、測定温度23℃湿度50%、サンプルのチャック間距離5mm、速度300mm/minの条件で引張試験を行うことにより測定することができる。
本発明の両面粘着テープは、引張破断伸度が1000%以上である。
両面粘着テープの引張破断伸度が1000%以上であることで、両面粘着テープを接着面と水平な方向に引っ張って剥離した場合であっても、両面テープの千切れを抑止できる。両面テープの千切れをさらに抑制できる観点から、上記引張破断伸度の好ましい下限は1200%、より好ましい下限は1400%である。上記引張破断伸度の上限は特に限定されないが、4000%であることが好ましい。上記引張破断伸度は、基材の種類によって調節することができる。なお、上記引張破断伸度は、JIS K7161-2に準拠して、引張試験機を用い、測定温度23℃湿度50%、サンプルのチャック間距離5mm、速度300mm/minの条件で引張試験を行うことにより測定することができる。
本発明の両面粘着テープは、引張破断強度が2枚のステンレス板に挟まれた両面粘着テープを折り曲げずに接着面と水平な方向へ引き剥がす0°剥離強度より高い。
両面粘着テープの引張破断強度が0°剥離強度より高いことで、両面粘着テープを接着面と水平な方向に引っ張って剥離した場合であっても、両面テープの千切れを抑止できる。なお、上記0°剥離強度は以下の方法で測定することができる。
まず、両面粘着テープを25mm×30mmにカットする。次いで、図2に示すようにカットした両面粘着テープ4の一方の短辺からもう一方の短辺へ向かって10mmまでの部分をJIS G4305及びJIS B0601に準拠した2枚のステンレス板5(SUS304、表面仕上げBA、表面粗さ50nm、サイズ50mm×125mm)に指で軽く仮圧着する。仮圧着後、試験片上に300mm/分の速度で2kgのゴムローラーを2往復させることにより、0°剥離強度評価用試験サンプルにする。更に両ステンレス板5の両面粘着テープを挟み込んだ辺とは反対側の辺をチャック6によって挟む。その後、温度23℃湿度50%下で両面粘着テープ4を折り曲げずに接着面と水平な方向へ剥離速度300mm/minで引っ張り、剥離に要する力を測定する。
本発明の両面粘着テープは、上記0°剥離強度が上記ステンレス板に対する180°剥離強度より低い。
上記0°剥離強度が上記0°剥離強度の測定に用いたステンレス板に対する180°剥離強度より低いことで、両面粘着テープを剥離するまでの間は確実に被着体を固定できるとともに、両面粘着テープを接着面と水平な方向に引っ張って剥離した場合であっても、両面テープの千切れを抑止できる。上記180°剥離強度は、図3に示すように、ステンレス板5に両面粘着テープ4を貼り付け、両面粘着テープ4の端部を180°折り曲げて引っ張り、剥離するのに要した力を測定することで決定することができる。より具体的には以下の方法で測定することができる。
両面粘着テープを24mm幅の短冊状に裁断して試験片を作製する。次いで、試験片をJIS G4305及びJIS B0601に準拠したステンレス板(SUS304、表面仕上げBA、表面粗さ50nm、サイズ50mm×125mm)上に、粘着剤層がステンレス板と対向した状態となるように載せる。その後、試験片上に300mm/分の速度で2kgのゴムローラーを一往復させることにより、試験片とステンレス板とを貼り合わせる。更に、JIS Z0237に準じて、試験片に厚さ25μmのJIS C2318に規定するポリエチレンテレフタレートフィルムを重ね、フィルム上に300mm/分の速度で2kgのゴムローラーをもう一往復させることにより、180°剥離強度評価用試験サンプルにする。その後、温度23℃湿度50%で24時間静置し、JIS Z0237に準じて、剥離速度300mm/分で180°方向の引張試験を行い、180°剥離強度(N/25mm)を測定する。
上記基材層の原料は、上記引張破断強度及び上記引張破断伸度を満たしていれば特に限定されない。上記引張破断強度及び上記引張破断伸度を満たす基材原料としては、例えば、ポリエチレン、α-オレフィン共重合体、ポリウレタン、スチレン系エラストマー等が挙げられる。なかでも、より引張破断強度及び引張破断伸度に優れた両面粘着テープとなることから、基材層の原料は、ポリエチレン、α-オレフィン共重合体及びポリウレタンからなる群より選択される少なくとも1種以上を含むことが好ましく、α-オレフィン共重合体であることがより好ましい。上記基材層の原料は、1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
上記基材層の上記基材の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は10μm、より好ましい下限は20μmである。上記基材の厚みが上記下限以上であることで、得られる両面粘着テープ充分の強度が向上し、剥離の際に千切れ難くなる。上記基材層の厚みの上限は特に限定されないが、1mm以下であることが好ましい。上記基材の厚みが上記上限以下であることで、上記両面粘着テープを含む電子部品を軽量化でき、さらに柔軟性と取り扱い性に優れた両面粘着テープとすることができる。
上記粘着剤層を構成する粘着剤は、上記0°剥離強度及び上記180°剥離強度を満たしていれば特に限定されない。上記0°剥離強度及び上記180°剥離強度を満たす粘着剤としては、例えば、スチレン系エラストマー、ウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤等が挙げられる。なかでも、剥離の際の基材の延伸に追随し、糊残りなく両面粘着テープを剥離できることからスチレン系エラストマーを含有することが好ましい。
上記スチレン系エラストマーとしては特に限定されず、例えば、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)、水添スチレンブタジエンゴム(HSBR)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレンエチレンブチレンブロック共重合体(SEB)、スチレン-イソプレンブロック共重合体(SI)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-ブタジエンブロック共重合体(SB)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)等が挙げられる。なかでも、後述するスチレンセグメントの形状が球状になりやすいことから、SEPS、SEBSが特に好適である。
上記スチレン系エラストマーは、分子内相分離による直径5nm以上の球状のスチレンセグメントを有することが好ましい。
スチレン系エラストマーは、ゴム弾性を示すゴムセグメントと、ゴムセグメントの擬似架橋点となるスチレンセグメントからなっており、ゴムセグメントとスチレンセグメントは相溶性が低いことから、分子内でゴムセグメントとスチレンセグメントが分離して存在する不均一な相分離構造となっている。このスチレンセグメントが球状であり、かつ、直径が5nm以上であると、SP値の低い基材材料に対しては、ゴムセグメントが基材と相互作用し、またSP値の高い基材材料に対しては、スチレンセグメントが基材と相互作用するため、粘着剤層と基材層との間の接着力を向上させることができる。その結果、基材層から粘着剤層が剥離し難くなり、被着体へ糊残りしにくくなる。基材からの粘着剤層の剥離の抑制及び被着体への糊残りの更なる抑制の観点から、上記直径のより好ましい下限は6nmである。上記直径の上限は特に限定されないが、球状構造の安定性の観点から100nm程度が限度である。
上記スチレン系エラストマーは、被着体への汚染をさらに抑制できる観点から、水素添加率が95%以上であることが好ましく、96%以上であることがより好ましい。スチレン系エラストマーの水素添加率が上記下限以上とすることで、被着体への汚染をさらに抑制することができる。上記スチレン系エラストマーの水素添加率は、通常100%以下である。
上記スチレン系エラストマーは、スチレン含有量が5重量%以上40重量%以下であることが好ましい。
スチレン系エラストマーに含まれるスチレンの含有量が上記範囲であることで、充分な量のスチレンセグメントの相分離構造を形成することができ、基材層から粘着剤層をより剥離し難くすることができる。また、上記範囲のスチレン含有量であることで、十分な粘着力を発現することができる。更に上記範囲のスチレン含有量であることで、相分離構造の形状を球状にしやすくすることができる。スチレンセグメントの相分離構造の形成の更なる促進及び基材層からの粘着剤層の剥離の更なる抑制の観点から、上記スチレン系エラストマーのスチレン含有量のより好ましい下限は7重量%、より好ましい上限は35重量%である。
上記粘着剤層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、より好ましい下限は10μmであり、好ましい上限は800μm、より好ましい上限は500μmである。上記粘着剤層の厚さがこの範囲内であると、上記両面粘着テープを含む電子部品を軽量化することができ、また充分な粘着力と取り扱い性を持つ両面粘着テープとすることができる。
本発明の好適な実施態様においては、上記粘着剤層は、石油系、テルペン系、テルペンフェノール系又はロジン系からなり、水素添加率が好ましくは95%以上、より好ましくは96%以上であるタッキーファイヤーを含有する。
粘着剤層に上記種類と水素添加率を満たすタッキーファイヤーを含有させることで、両面粘着テープの粘着力をより向上させることができる。なお、上記水素添加率の上限値は、通常100%以下である。
上記粘着剤層は、必要に応じて更に軟化剤、酸化防止剤、接着昂進防止剤、離型剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の両面粘着テープの製造方法は特に限定されないが、共押出ラミ法によって製造することが好ましい。共押出ラミ法は、基材樹脂と粘着剤樹脂を共押し出し機によって押出すことで基材層と粘着剤層を同時に形成する製造法であり、溶剤を用いないことから残留溶剤による被着体の汚染がなく、また、1つの工程で両面粘着テープを製造できるためコストも低い。
なお、共押出ラミ法によって両面粘着テープを製造すると、上記基材層と上記粘着剤層の間に移行層が形成される。上記移行層とは、基材層側から粘着剤層側へ進むにつれて基材層の成分と粘着剤層の成分が徐々に入れ替わっていく層のことを指す。上記移行層の存在は、ミクロトームを用いて、両面粘着テープの断面を切り出し、観察用の試験サンプルにし、走査プローブ顕微鏡(SPM)で基材層と粘着剤層との界面における硬さの変化を観察し、硬さが連続的に変化することによって確認することができる。また、透過型電子顕微鏡(TEM)で基材層と粘着剤層との界面の相分離構造の変化を観察することによっても確認することができる。例えば、粘着剤層がスチレン系エラストマーを含有し、分子内に球状のスチレンセグメントを有する相分離構造を有する場合、移行層が存在すると、粘着剤層中の球状のスチレンセグメントは基材層に近づくにつれてサイズが小さくなったり、球状のスチレンセグメントの密度が低くなったりする。
本発明の両面粘着テープの用途は特に限定されないが、両面粘着テープを接着面と水平な方向に引っ張ることで、被着体を損傷することなく剥離できるため、センサーや電池パック等のリサイクル可能な電子機器の部品を固定する用途に好適に用いることができる。
本発明の両面粘着テープを有する電子部品もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、高い粘着力を持ちながらも、被着体を損傷せずに剥離することができる両面粘着テープを提供することができる。
(a)両面粘着テープから部品を剥離する様子を示した模式図である。(b)両面粘着テープを水平方向に引っ張って剥離する様子を示した模式図である。(c)従来の両面粘着テープを水平方向に引っ張って剥離する様子を示した模式図である。 0°剥離強度の測定の様子を示した模式図である。 180°剥離強度の測定の様子を示した模式図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(1)粘着剤層のベース樹脂
粘着剤層のベース樹脂として以下の方法で合成した樹脂及び市販品を用いた。
(合成例1)
窒素置換された反応容器に、脱気、脱水されたシクロヘキサン500重量部、スチレン10重量部及びテトラヒドロフラン5重量部を仕込み、重合開始温度の40℃にてn-ブチルリチウム0.13重量部を添加して、昇温重合を行い、芳香族アルケニル重合体ブロックを得た。
芳香族アルケニル重合体ブロックの重合転化率が略100%に達した後、反応液を15℃に冷却し、次いで、共役ジエン化合物として1,3-ブタジエン90重量部を加え、更に昇温重合を行い、共役ジエン重合体ブロックを得た。
重合転化率がほぼ100%に達した後、反応容器内に、カップリング剤として(クロロメチル)トリクロロシラン0.03重量部を加えて、カップリング反応を行った。カップリング反応が完結した後、水素ガスを0.4MPa-Gaugeの圧力で供給しながら10分間放置し、スチレン系エラストマーを得た。一部取り出したスチレン系エラストマーをGPC分析したところ、重量平均分子量は約12万であり、分散度は1.4であり、カップリング率(共重合体全体のうちのカップリングした共重合体の含有量)は60%であった。また、一部取り出したポリマーの赤外吸収スペクトルを測定し、モレロ法により算出したところ、ビニル結合含有率は80モル%であった。
その後、反応容器内に、ジエチルアルミニウムクロライド0.03重量部及びビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフルフリルオキシクロライド0.06重量部を加え、撹拌した。水素ガス供給圧0.7MPa-Gauge、反応温度80℃で水素添加反応を開始し、水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻し、反応容器から抜き出すことにより、水素添加のラジアル型スチレン系エラストマーを得た。赤外吸収スペクトルによって水素添加率を測定したところ98%であった。
(合成例2)
窒素置換された反応容器に、脱気、脱水されたシクロヘキサン500重量部、スチレン20重量部及びテトラヒドロフラン5重量部を仕込み、重合開始温度の40℃にてn-ブチルリチウム0.13重量部を添加して、昇温重合を行い、芳香族アルケニル重合体ブロックを得た。
芳香族アルケニル重合体ブロックの重合転化率が略100%に達した後、反応液を15℃に冷却し、次いで、共役ジエン化合物として1,3-ブタジエン65重量部及びスチレン15重量部を加え、更に昇温重合を行い、共役ジエン重合体ブロックを得た。
重合転化率がほぼ100%に達した後、反応容器内に、カップリング剤としてメチルジクロロシラン0.06重量部を加えて、カップリング反応を行った。カップリング反応が完結した後、水素ガスを0.4MPa-Gaugeの圧力で供給しながら10分間放置し、スチレン系エラストマーを得た。一部取り出したスチレン系エラストマーをGPC分析したところ、重量平均分子量は約11万であり、分散度は1.4であり、カップリング率(共重合体全体のうちのカップリングした共重合体の含有量)は60%であった。また、一部取り出したポリマーの赤外吸収スペクトルを測定し、モレロ法により算出したところ、ビニル結合含有率は80モル%であった。
その後、反応容器内に、ジエチルアルミニウムクロライド0.03重量部及びビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフルフリルオキシクロライド0.06重量部を加え、撹拌した。水素ガス供給圧0.7MPa-Gauge、反応温度80℃で水素添加反応を開始し、水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻し、反応容器から抜き出すことにより、水素添加のトリブロック型スチレン系エラストマーを得た。赤外吸収スペクトルによって水素添加率を測定したところ98%であった。
(市販品1及び2)
市販品1及び2として、以下のものを用いた。
・市販品1:HSBR、DYNARON1321P、JSR社製
・市販品2:SEBS、DYNARON9901P、JSR社製
(2)基材層のベース樹脂
基材層のベース樹脂として以下のものを用いた。
・α-ポリオレフィン樹脂:タフマーPN-2060、三井化学社製
・低密度ポリエチレン樹脂:エボリューSP0540、プライムポリマー社製
・高密度ポリエチレン樹脂:A140、旭化成社製
・ポリプロピレン樹脂:J715、プライムポリマー社製
・ポリブチレンテレフタレート樹脂:700FP、Polyplastics社製
・ポリウレタン樹脂:エラストランS80A、BASF社製
(3)粘着付与剤(タッキーファイヤー)
粘着剤層に配合する粘着付与剤は以下のものを用いた。
・テルペンフェノール系粘着付与剤:YSポリスターUH115、ヤスハラケミカル社製
・石油系粘着付与剤:アルコン P-125、荒川化学社製
・ロジン系粘着付与剤:KE-359、荒川化学社製
(4)アクリル系1及び2、並びにPVB系(両面粘着テープ)
アクリル系1及び2、並びにPVB系として、以下のものを用いた。
・アクリル系1:アクリル系高透明両面テープ、SSVK1-175、厚み175μm、積水化学工業社製
・アクリル系2:アクリル系LCD部材固定用両面テープ、3810BWH、厚み100μm、積水化学工業社製
・PVB系:PVB通常中間膜、S-LEC Clear Film、厚み380μm、積水化学工業社製
(実施例1)
合成例1で得られたスチレン系エラストマー100重量部、テルペンフェノール系粘着付与剤40重量部、酸化防止剤(IRGANOX 1010、BASF社製)1重量部を混合し、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物を得た。基材層の原料として上記α―ポリオレフィン樹脂を用い、粘着剤層の原料として上記で得られた粘着剤組成物を用い、Tダイ法により共押出成形することで厚さ33.3μmの基材層の両面に厚さ33.3μmの粘着剤層を有する総厚み100μmの両面粘着テープを得た。また、巻き取る前に両面に離型処理されたPETセパレーターをラミし、巻き取り、ロール状の両面粘着テープを得た。
実施例2、3、5~7、比較例1~4、参考例1
粘着剤層の配合及び基材のベース樹脂を表1、2の通りとした以外は実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
(比較例5)
合成例1で得られたスチレン系エラストマーを押出成形することで厚さ100μmのノンサポートタイプの両面粘着テープを得た。得られた両面粘着テープは使用時まで両面を軽剥離タイプの離型PETフィルムで保護した。
(比較例6)
アクリル系1(両面粘着テープ)を用いた。
(比較例7)
PVB系(両面粘着テープ)を用いた。
(比較例8)
アクリル系2(両面粘着テープ)を用いた。
<物性の測定>
実施例及び比較例で得られた両面粘着テープについて以下の物性を測定した。結果を表1、2に示した。
(引張破断強度及び引張破断伸度の測定)
得られた両面粘着テープをそれぞれ、幅10mmにカットして試験片を作成した。得られた試験片について、引張試験機(RTG1310、AND社製)を用いて、23℃湿度50%、サンプルのチャック間距離5mm、速度300mm/minの条件で引張試験を行うことにより引張破断強度及び引張破断伸度を測定した。
(0°剥離強度の測定)
得られた両面粘着テープを25mm×30mmにカットした。次いで、図2に示すようにカットした両面粘着テープ4の一方の短辺からもう一方の短辺へ向かって10mmまでの部分をJIS G4305及びJIS B0601に準拠した2枚のステンレス板5(SUS304、表面仕上げBA、表面粗さ50nm、サイズ50mm×125mm)に指で軽く仮圧着した。仮圧着後、試験片上に300mm/分の速度で2kgのゴムローラーを2往復させることにより、0°剥離強度評価用試験片を作成した。更に両ステンレス板5の両面粘着テープを挟み込んだ辺とは反対側の辺をチャック6によって挟んだ。その後、引張試験機(RTG1250A、AND社製)を用いて、温度23℃湿度50%下で両面粘着テープ4を折り曲げずに接着面と水平な方向へ剥離速度300mm/minで引っ張り、0°剥離強度(N/25mm)を測定した。
(180°剥離強度の測定)
得られた両面粘着テープを24mm幅の短冊状に裁断して試験片を作製した。試験片をJIS G4305及びJIS B0601に準拠したステンレス板(SUS304、表面仕上げBA、表面粗さ50nm、サイズ50mm×125mm)上に、粘着剤層がステンレス板と対向した状態となるように載せた。次いで、試験片上に300mm/分の速度で2kgのゴムローラーを一往復させることにより、試験片とステンレス板とを貼り合わせた。更に、JIS Z0237に準じて、試験片に呼ぶ厚さ25μmのJIS C2318に規定するポリエチレンテレフタレートフィルムを重ね、フィルム上に300mm/分の速度で2kgのゴムローラーをもう一往復させることにより、180°剥離強度評価用試験サンプルとした。その後、引張試験機(RTG1250A、AND社製)を用いて、温度23℃、湿度50%で24時間静置し、JIS Z0237に準じて、剥離速度300mm/分で180°方向の引張試験を行い、180°剥離強度(N/25mm)を測定した。
(相分離構造)
得られた両面粘着テープの粘着剤層を透過電子顕微鏡JEM-2100(日本電子社製)で観察することにより相分離構造の形状の確認を行った。相分離構造の形状が球状であった場合はそのサイズを測定した。
(移行層の有無)
得られた両面粘着テープをクライオミクロトーム(ULTRACUT、LEICA社製)を用いて、両面粘着テープの断面を切り出し、観察用の試験サンプルにした。走査プローブ顕微鏡(SPM:Dimension、Bruker社製)で基材層と粘着剤層との界面の硬さ変化を観察することによって、移行層の有無を調べた。
<評価>
実施例及び比較例で得られた粘着テープについて、以下の方法により評価を行った。
結果を表1、2に示した。
(1)剥離性の評価
表面がSUSであるスマートフォンの筐体(以下、筐体という)の上に得られた両面粘着テープを介してラミネート型リチウムイオン電池パック(以下、電池パックという)を貼り付けた。次いで、図1(b)左図のように、筐体及び電池パックを側面で固定しながら、両面粘着テープを、接着面と平行な方向にずらすようにして剥離した。10個のサンプルを用いて、この操作を10回繰り返し、剥離性の試験を行った。剥離後の電池パックを目視にて観察し、損傷がなく、両面粘着テープも千切れず剥離できたものが10回であった場合を「S」、9回であった場合を「A」、8回であった場合を「B」、1~7回であった場合を「C」、両面粘着テープが千切れて、筐体及び電池パックに残っていたものしかなかった場合を「D」として剥離性を評価した。
(2)残留溶剤の評価
水素炎イオン化法(FID法)を用いて堀場製作所社製のFV-250で残留溶剤の量を測定した。残留溶剤が検出されなかった(1ppm未満)場合を「〇」、残留溶剤が検出された場合を「×」として残留溶剤を評価した。
(3)糊残りの評価
剥離性の評価後の筐体を光学顕微鏡にて観察し、糊残りがなかった場合を「〇」、糊残りがあった場合を「×」として糊残りを評価した。
Figure 0007020907000001
Figure 0007020907000002
本発明によれば、高い粘着力を持ちながらも、被着体を損傷せずに剥離することができる両面粘着テープを提供することができる。
1 両面粘着テープ
2 部品
3 基板
4 両面粘着テープ
5 ステンレス板
6 チャック

Claims (6)

  1. 基材層の両面に粘着剤層を有する両面粘着テープであって、
    前記両面粘着テープの引張破断強度が10MPa以上であり、
    前記両面粘着テープの引張破断伸度が1000%以上であり、
    前記両面粘着テープの引張破断強度は、2枚のステンレス板に挟まれた前記両面粘着テープを折り曲げずに接着面と水平な方向へ引き剥がす0°剥離強度より高く、
    前記0°剥離強度は前記ステンレス板に対する180°剥離強度より低く、
    前記基材層は、α-オレフィン共重合体及びポリウレタンからなる群より選択される少なくとも1種以上を含み、
    前記粘着剤層は、スチレン系エラストマーを含有し、前記スチレン系エラストマーは分子内相分離による直径5nm以上の球状のスチレンセグメントを有する、両面粘着テープ。
  2. 基材層は、α-オレフィン共重合体を含む、請求項1記載の両面粘着テープ。
  3. スチレン系エラストマーは、水素添加率が95%以上であり、スチレン含有量が5重量%以上40重量%以下である、請求項1又は2記載の両面粘着テープ。
  4. 粘着剤層は、石油系、テルペン系、テルペンフェノール系又はロジン系からなり、水素添加率が95%以上であるタッキーファイヤーを含有する、請求項1、2又は3記載の両面粘着テープ。
  5. 基材層と粘着剤層の間に移行層を有する、請求項1、2、3又は4記載の両面粘着テープ。
  6. 請求項1、2、3、4又は5記載の両面粘着テープを有する電子部品。
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