JP7017798B2 - ベルト角度制限装置、背負ベルト、背鐶、及びランドセル - Google Patents
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Description
近年では、背負ったランドセルが下方に垂れ下がり重く感じることを軽減するため、背負ベルトの上部が上方に若干立ち上げられるよう背鐶の構造を工夫したものが普及してきている。
また、同時に、出荷時やロッカーへの収納時等、よりコンパクトにランドセルを収納するために、必要時には直立状態を解除して前後に傾倒可能であることも必要である。
なお、以下の実施形態において、上下、左右、前後の表現は、使用者がランドセルを背中に担いだ状態を基準にしたものである。また、各図において、適宜、ランドセルの前方(つまり使用者の背中に接触する側)を矢印FW、後方(つまりランドセル本体側)を矢印BWでそれぞれ示す。なお、各図では、簡単のため、一部の構成を適宜省略する。
まず、図1を用いて、実施形態に係る制限装置10が装着されたランドセル100について概説する。
図1は実施形態に係る制限装置10を備えるランドセル100を背板12側からみた図である。
ランドセル100では、図1に示されるように、皮革製又は合成樹脂製等の有蓋有底角筒状のランドセル本体13の背板12上辺に冠(かぶせ)14の端辺が縫合される。冠14はランドセル本体13の開口部を覆って、ランドセル本体13の底部外面で施錠される。背板12の左右中心線C上の上部には、実施形態に係る背鐶50が配設される。背鐶50は、左右一対の背負ベルト15の各長手方向上端部を揺動可能に固定するものである。
次に、図2~図4を用いて、第1実施形態に係る制限装置10を備える背鐶50について説明する。
図2(A)は第1実施形態に係る制限装置10周辺部を表側からみた部分正面図、図2(B)は図2(A)の制限装置10周辺部の側面図である。
なお、背鐶50において、背板12に接触する面を裏面、使用者の背中に向かい合う面を表面と呼ぶ。また、以下では「側面断面図」とは、図2(A)のI-I線に沿って切断したときの側面断面図を指す。
キャップ23は、図2(C)に示されるように、フランジ部分で装置本体11の内壁に掛けられて、平坦な頭頂面を有するその頭頂部が装置本体11の突出孔から突出する。装置本体11内部では、固定板26によって一端が固定されたバネ(伸縮部)27がキャップ23に当接されている。キャップ23は、このバネ27によって、スリーブ19に向けて弾性的に押し出されている。
つまり、制限装置10は、背負い時には図3(B)に示されるような直立状態が好ましい一方で、背負ベルト15を冠14側に巻き回す際には、適度な力で冠14側に傾倒可能であることが望ましい。
アーム18の形状、制限装置10の形状、及びこれらの配置関係は、図2に示した例に限定されない。既知のランドセルには多様な背鐶形状又はベルト形状が用いられている。よって、ランドセルの背負いやすさや、既存部品の形状を考慮し、これら制限装置10の形状等には当然に多少の変形が加えられうる。
背鐶50aの左右のアーム18aは、図5(A)に示されるように、それぞれ左右外側に向けて屈曲していてもよい。このように左右のアーム18aがそれぞれ外側に屈曲することで、左右のスリーブ上端面19aが左右外側を向き、左右の背負ベルト15が左右外側に膨らむようにランドセル100に接続されることになる。
図5(B)に示されるように、アーム18及びこのアーム18のスリーブ19は、左右中心線Cに平行に延び、背負ベルト15a及び装置本体11aを左右外側に向けて屈曲させてもよい。この場合も、制限装置10aの機能を維持したまま、背負ベルト15aは左右外側に膨らませることができる。
背鐶50bのアーム18は、図6に示されるように、スリーブ19Aのスリーブ上端面19bが予め前方に傾斜していてもよい。この場合、背負ベルト15はアーム18との当接部分において前傾することになる。
なお、図2(D)又は図6等のスリーブ19の断面形状は一例であり、キャップ23の弾性を有した当接により背負ベルト15の回転を制限可能な形状であれば自由にこの断面形状を設計できる。
よって、収納時又は伏せ置き時に背負ベルト15に折り曲げ負荷をかけずに、ランドセル100の背負い時には軽い体感で使用者の負担を軽減することができる。
図7(A),(B)は、第2実施形態に係る制限装置10周辺部の側面断面図である。
図7(A)は、制限装置10のキャップ23が縁部32を越えた状態を示す側面断面図、図7(B)は、縁部32内にキャップ23が嵌め込まれた状態を示す側面断面図である。
第2実施形態では、縁部32がスリーブ上端面19aの前後端部又は四方に形成されて、キャップ23を嵌め込む凹部33が形成されたとみることもできる。
なお、縁部32はスリーブ上端面19aの前端又は後端のいずれかのみであってもよい。
図8(A)~(D)は、第3実施形態に係る制限装置10b周辺部の概略構成図である。
図8(A)は制限装置10b周辺部を表側からみた部分正面図、図8(B)は制限装置10b周辺部を裏側からみた部分裏面図、図8(C)は制限装置10b周辺部を側面からみた部分側面図、図8(D)は、図8(C)の背鐶50周辺部分の側面断面図である。
例えば、制限装置10bは、図8(A)~(D)に示されるように、背負ベルト15の片面に取り付けられる。
制限装置10bは、図8(B)に示されるように、リベット孔を有する取付板11b(11)に、バネ27を収納するボックス形状の装置本体11c(11)が一体形成されて構成される。制限装置10bを冠14側に設けると、図8(A)に示されるように、背板12側からランドセル100を見た場合に制限装置10bの装着感が軽減される。また、第3実施形態に係る制限装置10bでは、制限装置10bの装着を想定していなかった既成のランドセル100にも、リベット17等による後付けで装着することができる。
これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
Claims (7)
- ランドセルの背負ベルトと背鐶の鐶との接続部に設けられるベルト角度制限装置であって、
前記接続部に外設される装置本体と、
前記装置本体から突出するキャップと、
前記キャップに当接されて前記キャップを前記背鐶の本体と前記鐶とを接続するアーム端部のスリーブへ当接状態に維持させる伸縮部と、を備えることを特徴とするベルト角度制限装置。 - 前記装置本体は前記背負ベルトの表裏を外側から挟み込んで前記背負ベルトに固定される請求項1に記載のベルト角度制限装置。
- 前記装置本体は前記背負ベルトの一面に固定される請求項1又は請求項2に記載のベルト角度制限装置。
- 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のベルト角度制限装置を備える背負ベルト。
- 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のベルト角度制限装置と、
前記スリーブが形成された前記アームと、
前記鐶と、を備える背鐶。 - 前記スリーブには前記キャップの頭頂部を嵌め込む凹部が設けられる請求項5に記載の背鐶。
- 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のベルト角度制限装置を備えるランドセル。
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