JP7017540B2 - 建具 - Google Patents
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Description
この本発明の建具によれば、下框に設けられてパネル材の荷重を受ける框補強材は不燃性とされる。従って、火災時の輻射熱によって外障子の下框が室外側から溶融しても、框補強材の支持片によってパネル材を継続して支持でき、框組みに嵌め込まれたパネル材が下框の呑込部分から外れることがなく、パネル材の脱落を防止できる。
また、建具として、窓枠と、この窓枠内に固定される外障子と、窓枠内に上下スライド開閉する内障子とを備えた上げ下げ窓とすることができ、防火戸として利用可能な上げ下げ窓を提供できる。
加えて、前述した固定補強板をビス止めすることで、外障子が固定装置に移動不能に支持される。
この本発明の建具によれば、下框に設けられてパネル材の荷重を受ける框補強材は不燃性とされる。従って、火災時の輻射熱によって外障子の下框が室外側から溶融しても、窓枠に固定された框補強材によってパネル材を継続して支持でき、框組みに嵌め込まれたパネル材が下框の呑込部分から外れることがなく、パネル材の脱落を防止できる。
また、建具として、窓枠と、この窓枠内に固定される外障子と、窓枠内に上下スライド開閉する内障子とを備えた上げ下げ窓とすることができ、防火戸として利用可能な上げ下げ窓を提供できる。
加えて、前述した固定補強板をビス止めすることで、外障子が固定装置に移動不能に支持される。
このような構成によれば、框補強材が保持用開口部の下面と面接触することで、パネル材を安定して支持でき、パネル材の脱落をより確実に防止できる。
このような構成によれば、パネル材を保持する保持材と框補強材とが連結されるので、下框が溶融した際には、パネル材を保持材ごと框補強材にて確実に支持でき、保持状態をより良好に維持できる。従って、パネル材をほぼ通常の位置で支持でき、パネル材の位置ずれによる開口部分を一層生じにくくできる。
また、本発明の建具では、前記保持材および前記框補強材の連結位置は、前記室外側のガラス板の下方であり、前記框補強材のうち前記見込み片側で、前記下框と前記固定装置とが固定されていてもよい。
加えて、本発明の建具では、前記框補強材の前記見込み片は水平な片であってもよい。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1~図4において、上げ下げ窓1は、戸建て住宅等の建物の外壁開口部に設けられて建物の室内空間と室外空間とを仕切る本実施形態に係る建具であって、上枠11、下枠12、および左右の縦枠13を四周枠組みした窓枠10と、この窓枠10の内側に支持された上部障子20(外障子)および下部障子30(内障子)とを備えて構成されている。
上部障子20は、上框21、下框22(外召合せ框)、および左右の縦框23を四周框組みした内部に、複層のガラスパネル24(パネル材)を嵌め込んで構成されている。上框21および左右の縦框23は、室外側に位置するアルミ製の押出し形材と室内側に位置する樹脂製材料とが組み合わされた複合体によって形成されており、下框22は、アルミ製の押出し形材によって形成されている。
下部障子30は、上框31(内召合せ框)、下框32、および左右の縦框33を四周框組みした内部に、複層のガラスパネル34を嵌め込んで構成されている。上框31、下框32および左右の縦框33は、室外側に位置するアルミ製の押出し形材と室内側に位置する樹脂製材料とが組み合わされた複合体によって形成されている。
下部障子30は、窓枠10の縦枠13に案内され、上部障子20の室内側に沿って上下スライド開閉可能に支持された可動障子である。
これらの上部障子20の下框22(外召合せ框)と下部障子30の上框31(内召合せ框)とが見込み方向に重なると、上げ下げ窓1が閉じられるようになっている。
下部障子30の上框31の略中央部にはクレセント錠35が設けられ、上部障子20の下框22には錠受け25が設けられており、上部障子20および下部障子30を閉じた状態でクレセント錠35を錠受け25に係合させることで、上げ下げ窓1が施錠されるようになっている。
なお、本実施形態での室内側見付け片132は、樹脂製材料によって形成され、見込み片部131および室外側見付け片134がアルミ製の押出形材の一部、中間見付け片133がアルミ製の押出形材と樹脂製材料の組み合せとして形成されている。
上部障子20は、縦枠13の中間部見付け片133および室外側見付け片134間に設けられる固定装置50によって、下辺両端部である下框22の端部および縦框23の下端部が支持されるとともに、上辺両端部である上框21の端部および縦框23の上端部に取り付けた位置決め部材60が上枠11によって位置決めされることで窓枠10に固定されている。下框22には、室内側から上方に延出した延出片22A(図1,6)が設けられている。
図5は、上部障子20の下辺部を支持する固定装置50を室外側から示す断面図である。図6は、上部障子20の下框22を示す縦断面図である。
図1~図3、図5、図6に示すように、固定装置50は、縦枠13の見込み片部131に固定される受け材51と、この受け材51に対して着脱自在かつ固着可能に設けられるとともに上部障子20の下辺部を支持可能な固定材52と、固定材52を覆う樹脂製(ASA)の固定材カバー53(図1,2)とを備えて構成され、固定材カバー53を除いて不燃性を有している。
方向内側にコ字形に突出する固着部512とを有して形成されている。そして、受け材51は、縦枠13の見付け方向外側から螺合されるビス513によって縦枠13の見込み片部131に固定されるようになっている。また、固着部512には、固定材52を螺合するための2つのビス孔が設けられている。
ここで、下框22は、鉛直な室内側面部221および室外側面部222と、これらを連結する仕切り片28とを有している。下框22における仕切り片28の上方の空間は、各側面部221,222の上側部分と当該仕切り片28とで区画され、上方に開口してガラスパネル24の下端縁を保持する保持用開口部26になっている。下框22における仕切り片28の下方の空間は、各側面部221,222の下側部分と当該仕切り片28とで区画された中空部27になっている。上方の保持用開口部26内には、ガラスパネル24の下端縁の他、この下端縁をガスケット241を介して保持する断面コ字形の保持材242が配置されている。保持材242もスチール等の金属製であり、不燃性を有している。下方の中空部27内には、框補強材70が挿入されている。
なお、図8では、框補強材70の上下の高さ寸法を中空部27の中空部27と略同じにすることで、框補強材70の上端を仕切り片28の下面28Aと線接触させている。
以下、本実施形態に係る上げ下げ窓1の作用について説明する。例えば、室外側において火災が発生した場合は次の通りである。
室外側での火災時、上げ下げ窓1は、室外から輻射熱を受けて次第に温度上昇する。特に室外側に配置された上部障子20への熱影響が大きく、上部障子20の下框22を形成している室外側面部222の温度がアルミの溶融温度(615℃~655℃)に達すると、この鉛直な室外側面部222が溶融し、図7に示すように、落下してしまうことがある。
この際、下框22の内部には不燃性を有する框補強材70が設けられ、その長手方向の両側が固定装置50に連結され、固定装置50を介して縦枠13に固定されている。すなわち、框補強材70は、下框22の室外側面部222が溶融落下しても、下框22の仕切り片28および保持材242を介してガラスパネル24の下端縁を支持することとなり、ガラスパネル24が上部障子20から脱落するのを防止する。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)上げ下げ窓1の上部障子20においては、下框22に設けられてガラスパネル24の加重を受ける框補強材70は不燃性とされ、同様に不燃性を有する固定装置50を介して窓枠10の左右の縦枠13に固定されている。従って、火災時の輻射熱によって上部障子20の下框22を形成している室外側面部222が溶融落下しても、窓枠10に固定された框補強材70によってガラスパネル24を継続して支持でき、框組みに嵌め込まれたガラスパネル24が下框22の呑込部分から外れることがなく、ガラスパネル24の脱落を防止できる。これにより、上げ下げ窓1を耐火戸として用いることができる。
図8には、本発明の第2実施形態として、断面L字形の框補強材70を用いた例が示されている。
本実施形態の框補強材70は、固定装置50に連結される水平な連結片73と、連結片の室外側端に連続して設けられるとともに上方に向けて鉛直に立設された支持片74とを有し、断面L字形に形成されている。支持片74の上端は、室外側面部222の内面に当接するように室外側に位置している。ただし、支持片74は、ビス243によって仕切り片28および保持材242とは連結されていない。その他の構成は第1実施形態と同じである。
また、支持片74が室外側に設けられていることで、第1実施形態の(4)の効果も同様に得ることができる。さらに、框補強材70の形状を単純化して材料コストを抑えることができる。
なお、本発明は以上の各実施形態で説明した構成のものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形例は、本発明に含まれる。
例えば、前記各実施形態では、断面柄杓形あるいは断面L字形の長尺の一本の框補強材70が框内に連続して用いられていたが、框補強材は框の両端部にそれぞれ短尺のものが設けられてもよく、また、その断面形状は任意であり、各実施形態の形状に限定されない。
また、金属板材の曲げ加工等で一体成形される框補強材に限らず、溶接等により一体に接合される複数部材で框補強材を構成してもよい。
Claims (7)
- 窓枠内に固定された外障子と、前記外障子の室内側に沿って上下にスライドすることにより開閉可能な内障子とを備える建具であって、
前記外障子は、下框を有して框組みされた内部にパネル材を嵌め込んで構成されるとともに、前記窓枠の左右の縦枠と前記下框との間に設けられる不燃性の固定装置を介して当該窓枠に固定され、
前記固定装置は、前記下框の底面部にビス止めされる水平支持片部と、前記水平支持片部に連続していると共に前記縦枠側にビス止めされる鉛直支持片部とを有した金属板材によって形成された固定補強板を備え、
前記パネル材の重心は、当該パネル材のうち見込み方向における中央よりも室外側に位置し、
前記外障子の前記下框は、前記内障子の内召合せ框の室外側に位置する外召合せ框であり、
前記下框は、前記パネル材を保持する保持用開口部と、前記保持用開口部に対して下方に位置する中空部とを仕切る仕切り片を備え、
前記中空部には、前記パネル材の荷重を支持可能に少なくとも一部が前記水平支持片部に対して上方に配置された不燃性の框補強材が設けられ、
前記框補強材は、見込み方向に延びる見込み片と、前記見込み片の室外側端に連続して設けられて上方に突出するとともに下方に向けてコ字形に開口した支持片とを有し、
前記固定装置は、前記下框の端部にビスによって固定され、
前記パネル材は、室内側のガラス板と、前記室内側のガラス板よりも板厚が厚く重量の大きい室外側のガラス板とを有した複層のガラスパネルによって構成され、
前記ビスの中心は、前記パネル材の見込み方向における中央と前記室内側のガラス板の室外面との間における見込み範囲内に納まっている
ことを特徴とする建具。 - 窓枠内に固定された外障子と、前記外障子の室内側に沿って上下にスライドすることにより開閉可能な内障子とを備える建具であって、
前記外障子は、下框を有して框組みされた内部にパネル材を嵌め込んで構成されるとともに、前記窓枠の左右の縦枠と前記下框とに取り付けられる不燃性の固定装置を介して前記窓枠に固定され、
前記固定装置は、前記下框の底面部にビス止めされる水平支持片部と、前記水平支持片部に連続していると共に前記縦枠側にビス止めされる鉛直支持片部とを有した金属板材によって形成された固定補強板を備え、
前記パネル材の重心は、当該パネル材のうち見込み方向における中央よりも室外側に位置し、
前記外障子の前記下框は、前記内障子の内召合せ框の室外側に位置する外召合せ框であり、
前記下框は、前記パネル材を保持する保持用開口部と、前記保持用開口部に対して下方に位置する中空部とを仕切る仕切り片を備え、
前記保持用開口部には、前記パネル材の下端縁を保持する不燃性の保持材が配置され、
前記中空部には、前記パネル材の荷重を支持可能に少なくとも一部が前記水平支持片部に対して上方に配置された不燃性の框補強材が設けられ、
前記框補強材は、前記パネル材の見込み方向における中央よりも室外側の下方位置で前記仕切り片を介して前記保持材と連結され、
前記固定装置は、前記下框の端部にビスによって固定され、
前記パネル材は、室内側のガラス板と、前記室内側のガラス板よりも板厚が厚く重量の大きい室外側のガラス板とを有した複層のガラスパネルによって構成され、
前記ビスの中心は、前記パネル材の見込み方向における中央と前記室内側のガラス板の室外面との間における見込み範囲内に納まっている
ことを特徴とする建具。 - 請求項1または請求項2に記載の建具において、
前記框補強材は、前記保持用開口部の下面と面接触する
ことを特徴とする建具。 - 請求項1に記載の建具において、
前記下框は、前記パネル材の下端縁を保持する不燃性の保持材を備え、
前記框補強材は、前記保持材と連結される
ことを特徴とする建具。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の建具において、
前記室外側のガラス板、前記仕切り片および前記框補強材が上下に重なって配置される
ことを特徴とする建具。 - 請求項4に記載の建具において、
前記保持材および前記框補強材の連結位置は、前記室外側のガラス板の下方であり、
前記框補強材のうち前記見込み片側で、前記下框と前記固定装置とが固定される
ことを特徴とする建具。 - 請求項1、請求項4または請求項6に記載の建具において、
前記框補強材の前記見込み片は水平な片である
ことを特徴とする建具。
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「三協アルミ 防火サッシF型 片上げ下げ窓 シングルハング アルミ樹脂複合タイプ 面格子付片上げ下げ窓Low-Eガラス仕様 施工要領書」第2版(2013年6月修正) |
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