JP7015054B2 - 電力変換装置、及び、折返しダイポールアンテナ - Google Patents

電力変換装置、及び、折返しダイポールアンテナ Download PDF

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Description

本発明は、電力変換装置、及び、折返しダイポールアンテナに関する。
従来より、基板の一主面上に、平衡二線型のアンテナと、平衡二線線路と、整流回路と、直流出力端子とを備え、前記平衡二線型のアンテナによりマイクロ波を受信し、このマイクロ波に基づき前記直流出力端子に直流電力を出力する平衡二線線路式レクテナがある。
前記平衡二線型のアンテナは、前記基板の一主面上に相対向する一対のアンテナ素子を有し、前記平衡二線線路は、前記基板の一主面上で前記各アンテナ素子の中央側端部に接続されそれらの各アンテナ素子の対向方向と直交する方向に延びる互いに平行な一対の線路を有する。
前記整流回路は、直流遮断用キャパシタと、前記一対の線路間に配置されたショットキーバリアダイオードと、このショットキーバリアダイオードの後段でこのショットキーバリアダイオードから所定間隔だけ離れて前記一対の線路間の配置された平滑用キャパシタとを有する。
前記直流出力端子は、前記平滑用キャパシタの後段で前記一対の線路のそれぞれに接続されており、前記マイクロ波の波長をλgとして、前記所定間隔をλg/22.5からλg/14の範囲に設定したことを特徴とする。
前記平衡二線線路式レクテナは、さらに入力フィルタを備え、この入力フィルタは、前記平衡二線型のアンテナと前記ショットキーバリアダイオードとの間の前記一対の線路に設けられたことを特徴とする(例えば、特許文献1参照)。
特開2007-116515号公報
従来の平衡二線線路式レクテナ(電力変換装置)は、平衡二線型のアンテナ(アンテナ)と整流回路との間に入力フィルタ(フィルタ)を設けている。これは、フィルタの誘導性成分で整流回路の容量性成分を相殺して、アンテナと整流回路とのインピーダンス整合を取るためである。
ところで、従来の電力変換装置は、フィルタにおける電力の損失が生じるため、損失が大きいという課題がある。
そこで、損失を低減した電力変換装置、及び、折返しダイポールアンテナを提供することを目的とする。
本発明の実施の形態の電力変換装置は、受信する電波の周波数における自由空間波長における半波長に対応する長さを有する第1導体と、第1給電点から前記第1導体に沿って第1端部まで延在する第1素子と、前記第1給電点と平衡端子を構成する第2給電点から前記第1導体に沿って第2端部まで延在する第2素子とを有し、前記第1導体と折返しダイポールアンテナを構成する第2導体と、前記第1給電点及び前記第2給電点に接続される整流回路とを含み、前記第1導体の幅は、前記第2導体の幅よりも広く、前記第1端部と前記第2端部との間の長さは、前記周波数における波長の電気長をλeとすると、0.6λe~0.8λeに対応する長さである。
損失を低減した電力変換装置、及び、折返しダイポールアンテナを提供することができる。
実施の形態の折返しダイポールアンテナ100を含む電力変換装置300を示す図である。 図1の一部を拡大して示す図である。 折返しダイポールアンテナ100のシミュレーションモデルを示す図である。 折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスの周波数特性を示すスミスチャートである。 折返しダイポールアンテナ100のシミュレーションモデルを示す図である。 折返しダイポールアンテナ100側から見た整流回路200のインピーダンスの周波数特性を示すスミスチャートである。 折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスの周波数特性を示すスミスチャートである。 実施の形態の変形例の折返しダイポールアンテナ100Mを示す図である。 折返しダイポールアンテナ100Mのインピーダンスの周波数特性を示すスミスチャートである。 長さLfが異なるシミュレーションモデルで得られたスミスチャートを示す図である。 長さLfが異なるシミュレーションモデルで得られたスミスチャートを示す図である。 折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスを示すスミスチャートである。 折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスを示すスミスチャートである。 折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスを示すスミスチャートである。 折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスを示すスミスチャートである。 折返しダイポールアンテナ100のシミュレーションモデルを示す図である。 折返しダイポールアンテナ100のシミュレーションモデルを示す図である。 折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスの周波数特性を示すスミスチャートである。 折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスの周波数特性を示すスミスチャートである。 エレメント110及び120の断面を示す図である。 エレメント110及び120の等価半径を説明する図である。
以下、本発明の電力変換装置、及び、折返しダイポールアンテナを適用した実施の形態について説明する。
<実施の形態>
図1は、実施の形態の折返しダイポールアンテナ100を含む電力変換装置300を示す図である。以下では、XYZ座標系を用いて説明する。
電力変換装置300は、折返しダイポールアンテナ100と整流回路200とを含む。電力変換装置300は、折返しダイポールアンテナ100が受信した電波の高周波電力を整流回路200で直流電力に変換して出力する。ここでは、一例として、電波の周波数が540MHzである場合について説明する。
折返しダイポールアンテナ100は、誘導性のインピーダンス特性を有する。このため、電力変換装置300は、折返しダイポールアンテナ100、及び整流回路200の他にフィルタを含まなくても、容量性のインピーダンスを示す整流回路200と折返しダイポールアンテナ100とのインピーダンス整合を取ることができる。以下、この詳細について説明する。
折返しダイポールアンテナ100は、基板101と、エレメント110及び120とを有する。基板101は、例えば、テフロン(登録商標)基板又はPPE(Polyphenylene Ether: ポリフェニレンエーテル)基板のように誘電体損失の低い基板である。また、基板101は、テフロン基板又はPPE基板に限らず、例えばFR-4(Flame Retardant type 4)規格の配線基板やその他の形式の基板やフレキシブル基板であってもよい。
折返しダイポールアンテナ100は、例えば、基板101の表面に設けられた銅箔をパターニングすることによって作製することができる。しかしながら、折返しダイポールアンテナ100は、銅以外の金属製であってもよい。
エレメント110は、端部111、112を有し、基板101の表面に設けられる。エレメント110は、第1導体の一例である。エレメント110は、端部111及び112を両端として、X軸に沿って延在している。エレメント110は、エレメント120と平行に配置されている。
エレメント110の長さ(端部111と112との間の長さ)は、折返しダイポールアンテナ100が受信する電波の自由空間波長λの約半波長(約λ/2)に対応する長さに設定される。これは、エレメント110が折返しダイポールアンテナ100の全長(X軸方向の端から端までの長さ)に対応する部分だからである。
ここで、電波の自由空間波長λの半波長(λ/2)に対応する長さとは、厳密に電波の自由空間波長λの半波長(λ/2)には限らず、折返しダイポールアンテナ100として機能させるための調整において、半波長(λ/2)よりも少し短くされる場合の長さを含む意味である。ここでは、エレメント110の長さは、一例として、半波長(λ/2)に対応する長さとして、540MHzにおける0.44λに相当する244mmである。
また、エレメント110の素子幅(Y軸方向の幅)は、エレメント120の素子幅よりも太くされている。折返しダイポールアンテナ100では、エレメント120の素子幅に対するエレメント110の素子幅でインピーダンスが決まる。エレメント120の素子幅よりもエレメント110の素子幅を太くすることにより、折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスを増大させることができる。
エレメント120は、エレメント120A及び120Bを有し、基板101の表面に設けられる。エレメント120は、第2導体の一例である。
エレメント120Aは、給電点121A及び端部122Aを有する。エレメント120Aは、第1素子の一例である。給電点121Aは、第1給電点の一例である。端部122Aは、第1端部の一例である。エレメント120Aは、給電点121Aと端部122Aとの間でX軸に沿って延在しており、エレメント110に平行である。給電点121Aは、整流回路200の端子201に接続される。
端部122Aと、給電点121A及び121Bの中間点との間の長さLaは、折返しダイポールアンテナ100が受信する540MHzの電波の電気長λeの0.3倍~0.4倍の長さ(0.3λe~0.4λe)に設定されている。
ここで、電気長λeは、基板101に設けられるエレメント120Aのような伝送媒体中を伝送される電磁波の波長であり、基板101の比誘電率等によって短縮率が異なる。この短縮率によって電波の電気長λeの0.3倍~0.4倍の長さ(0.3λe~0.4λe)は短縮される。
エレメント120Bは、給電点121B及び端部122Bを有する。エレメント120Bは、第2素子の一例である。給電点121Bは、第2給電点の一例であり、エレメント110のX軸方向の中央を通りY軸方向に伸延する軸を対称軸として、給電点121Aと点対称になる位置に配置されている。このため、端部122Bと、給電点121A及び121Bの中間点との間の長さもLaである。また、端部122Bは、第2端部の一例である。
給電点121A及び121Bは、平衡端子の一例である。給電点121A及び121Bには、整流回路200の端子201、202が接続される。給電点121A及び121Bと整流回路200の端子201、202との間は、例えば、最短距離で銅箔パターンにより接続すればよい。図1では、給電点121A及び121Bと整流回路200の端子201、202との接続部を2本の破線で示す。
エレメント120Bは、給電点121Bと端部122Bとの間でX軸に沿って延在しており、エレメント110に平行である。給電点121Bは、整流回路200の端子202に接続される。
エレメント120Bは、平面視において、エレメント110のX軸方向の中央を通りY軸方向に伸延する軸を対称軸として、エレメント120Aと線対称になるように配置されている。
エレメント120BのX軸方向の長さは、エレメント120AのX軸方向の長さと等しい。すなわち、端部122Bと、給電点121A及び121Bの中間点との間の長さは、電気長λeの0.3倍~0.4倍の長さ(0.3λe~0.4λe)に設定されている。
このため、エレメント120の端部122Aから端部122Bまでの長さは、電気長λeの0.6倍~0.8倍の長さ(0.6λe~0.8λe)である。なお、給電点121Aと給電点121Bとは、実際には、図1に示すよりも近接して配置される。
整流回路200は、インピーダンスが高いため、整流回路200の容量性のインピーダンスと、折返しダイポールアンテナ100の誘導性のインピーダンスとを整合させるには、折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスを高くする必要がある。
このため、エレメント110の素子幅(Y軸方向の幅)が、エレメント120の素子幅よりも太くなるようにしている。折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスと、整流回路200のインピーダンスとを共役整合させることにより、整流回路200での整流効率を増大させることができる。
整流回路200は、端子201、202、キャパシタ211、212、213、214、ダイオード221、222、223、224、及び出力端子231、232を含む。整流回路200は、一例として、コッククロフト・ウォルトン型の整流回路である。
端子201には、キャパシタ211、212が直列に接続されており、端子202には、キャパシタ213、214が直列に接続されている。また、ダイオード221、222、223、224は、図1に示すように、キャパシタ211、212、213、214の間でたすき掛け状に接続されている。
整流回路200は、折返しダイポールアンテナ100から入力される高周波電力を直流電圧に変換して、出力端子231、232から出力する。このような整流回路200のインピーダンスはダイオード221、222、223、224の端子間容量の影響で容量性である。
ここで、図2を用いて、以後の説明で用いる各部の寸法の名称について説明する。図2は、図1の一部を拡大して示す図である。以下の説明では、上述した長さLa、Lbに加えて、幅Wa、Wbと間隔dを用いる。
幅Waは、エレメント120の幅(Y軸方向の幅)であり、一例として0.2mmである。幅Wbは、エレメント110の幅(Y軸方向の幅)であり、一例として8.0mmである。間隔dは、エレメント110と120のY軸方向の間隔である。また、給電点121A及び121Bの間隔は、一例として2mmである。
図3は、折返しダイポールアンテナ100のシミュレーションモデル100A1~100F1を示す図である。図3では、各部の符号を省略する。
図3(A)~(F)に示すシミュレーションモデル100A1~100F1では、長さLaは、それぞれ、0.1λe、0.2λe、0.3λe、0.4λe、0.5λe、0.6λeに設定されている。シミュレーションモデル100D1~100F1では、基板のX軸方向の長さが図1に示す基板101よりも長くなっている。
なお、基板101の誘電率εrは3.4、高さ(Z軸方向の厚さ)hは0.75mm、エレメント110と120のY軸方向の間隔dは4mm、エレメント110のX軸方向の長さLbは244mmである。244mmは、折返しダイポールアンテナ100が受信する540MHzの電波の自由空間波長λの0.44倍の長さである。
図4は、折返しダイポールアンテナ100が受信する電波の周波数を変化させた場合のインピーダンスを示すスミスチャートである。図4に示すスミスチャートでは、横軸の中心(スミスチャートの中心点)における抵抗値は2kΩである。これは以下で示す他のスミスチャートにおいても同一である。
図4(A)~(F)には、それぞれ、長さLaを0.1λe、0.2λe、0.3λe、0.4λe、0.5λe、0.6λeに設定し、電波の周波数を400MHzから700MHzまで変化させた場合のスミスチャートを示す。
図4(A)に示す長さLaが0.1λeの場合は、周波数の増大に伴って、短絡点(横軸の左端)を通る等抵抗円の約-135度から約-160度まで移動する軌跡が得られた。
図4(B)に示す長さLaが0.2λeの場合は、周波数の増大に伴って、短絡点を通る等抵抗円の約-166度から約173度まで移動する軌跡が得られた。周波数の増大に伴って、少しずつ短絡点を通る等抵抗円の内側に入る軌跡であった。
図4(C)に示す長さLaが0.3λeの場合は、周波数の増大に伴って、短絡点を通る等抵抗円の約180度から約140度まで移動する軌跡が得られた。周波数の増大に伴って、少しずつ短絡点を通る等抵抗円の内側に入る軌跡であった。
図4(D)に示す長さLaが0.4λeの場合は、周波数の増大に伴って、短絡点を通る等抵抗円の少し内側において、約165度から約180度まで円弧を描いた後に、約180度から約35度まで移動する軌跡が得られた。
図4(E)に示す長さLaが0.5λeの場合は、周波数の増大に伴って、図4(D)に示す軌跡よりもさらに内側において、約-160度から約-130度まで円を描くような軌跡が得られた。
図4(F)に示す長さLaが0.6λeの場合は、図4(E)に示す軌跡をさらに内側に小さく収縮させて1回転するような軌跡が得られた。
以上の結果より、図4(C)、(D)に示す長さLaが0.3λe、0.4λeの場合に、スミスチャートの円の上半分の領域で、時計回りに回転し、誘導性を表す軌跡が得られた。このことから、折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスを誘導性にするには、長さLaは、0.3λe~0.4λeが適切な範囲であることが分かった。
図5は、折返しダイポールアンテナ100のシミュレーションモデル100A2~100E2を示す図である。図5では、各部の符号を省略する。
図5(A)~(E)に示すシミュレーションモデル100A2~100E2では、長さLaは、それぞれ、0.32λe、0.34λe、0.36λe、0.38λeに設定されている。
なお、基板101の誘電率εrは3.4、高さ(Z軸方向の厚さ)hは0.75mm、エレメント110と120のY軸方向の間隔dは4mm、エレメント110のX軸方向の長さLbは244mmである。244mmは、折返しダイポールアンテナ100が受信する540MHzの電波の自由空間波長λの0.44倍の長さである。
ここで、図6を用いて、整流回路200のインピーダンスの周波数特性を示すスミスチャートについて説明する。図6は、折返しダイポールアンテナ100側から見た整流回路200のインピーダンスの周波数特性を示すスミスチャートである。図6には、電波の周波数を400MHzから700MHzまで変化させた場合のスミスチャートを示す。
図6に示すように、整流回路200のインピーダンスは、約-140度から約-153度まで移動する軌跡であり、容量性のインピーダンスを示すことが確認できた。
ここでは、図6に示すような周波数特性を示す容量性のインピーダンスを有する整流回路200と共役整合する誘導性のインピーダンスを有する折返しダイポールアンテナ100を実現することにより、整流回路200での整流効率を増大させる。なお、ここでいう共役整合とは、整流回路200のインピーダンスの容量性の成分と、折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスの誘導性の成分とが複素共役の関係になることによって、相殺されることをいう。
図7は、折返しダイポールアンテナ100が受信する電波の周波数を変化させた場合のインピーダンスを示すスミスチャートである。図7(A)~(E)には、それぞれ、長さLaを0.32λe、0.34λe、0.35λe、0.36λe、0.38λeに設定し、電波の周波数を400MHzから700MHzまで変化させた場合のスミスチャートを示す。また、図7(F)には、長さLaが0.4λeのシミュレーションモデル100D1(図3(D)参照)のスミスチャートを示す。これは、図4(D)に示すものと同一である。
図7(A)に示す長さLaが0.32λeの場合は、周波数の増大に伴って、短絡点の近傍から、短絡点を通る等抵抗円の約180度から約170度まで少し内側に入った後に、短絡点を通る等抵抗円に沿って約120度まで移動した。周波数の増大に伴って、少しずつ短絡点を通る等抵抗円の内側に入る軌跡であった。
図7(B)に示す長さLaが0.34λeの場合は、周波数の増大に伴って、短絡点の近くの約175度の点から、約170度でキンク頂点を形成した後に、短絡点を通る等抵抗円に沿って約165度から約100度まで移動する軌跡が得られた。周波数の増大に伴って、少しずつ短絡点を通る等抵抗円の内側に入る軌跡であった。
図7(C)に示す長さLaが0.35λeの場合は、周波数の増大に伴って、短絡点の近くの約175度の点から、約170度でキンク頂点を形成した後に、短絡点を通る等抵抗円に沿って約160度から約95度まで移動する軌跡が得られた。周波数の増大に伴って、少しずつ短絡点を通る等抵抗円の内側に入る軌跡であった。キンク頂点は、長さLaが0.34λeの場合よりも大きかった。
図7(D)に示す長さLaが0.36λeの場合は、周波数の増大に伴って、短絡点の近くの約175度の点から、約170度でキンク頂点を形成した後に、短絡点を通る等抵抗円に沿って約160度から約85度まで移動する軌跡が得られた。周波数の増大に伴って、少しずつ短絡点を通る等抵抗円の内側に入る軌跡であった。キンク頂点は、長さLaが0.34λe、0.35λeの場合よりも大きかった。
図7(E)に示す長さLaが0.38λeの場合は、周波数の増大に伴って、約170度の点から、キンク頂点を形成した後に、短絡点を通る等抵抗円に沿って約160度から約65度まで移動する軌跡が得られた。周波数の増大に伴って、少しずつ短絡点を通る等抵抗円の内側に入る軌跡であった。
図7(F)に示す長さLaが0.40λeの場合は、図7(E)に示す長さLaが0.38λeの軌跡と比べると、最初に描くキンクの軌跡がさらに広がり、周波数の増大に伴って、約165度の点から、キンク頂点を形成した後に、短絡点を通る等抵抗円に沿って約160度から約35度まで移動する軌跡が得られた。周波数の増大に伴って、少しずつ短絡点を通る等抵抗円の内側に入る軌跡であった。
以上の結果より、図7(A)~(F)のすべての軌跡が、スミスチャートの円の上半分の領域で、時計回りに回転し、キンク頂点を有し、誘導性を示す軌跡である。例えば、周波数帯が広い通信への用途を考えると、スミスチャートの円の上半分の領域でキンク頂点を有するインピーダンス特性が有効的である。しかしながら、図6に示すような周波数特性を示す整流回路200の容量性インピーダンスと広帯域で共役整合が取れるという見地からは、これらの中では、図7(B)、(C)、(D)に示す長さLaが0.34λe~0.36λeの場合が特に良好であることが分かった。
以上より、長さLaが0.32λe~0.4λeの範囲では、長さLaが0.34λe~0.36λeが特に良いことが分かった。
以上、実施の形態の折返しダイポールアンテナ100は、誘導性のインピーダンスを有するため、折返しダイポールアンテナ100の誘導性のインピーダンスが整流回路200の容量性のインピーダンスと整合するように調節すれば、電力変換装置300がローパスフィルタを含まなく済む。換言すれば、折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスと、整流回路200のインピーダンスとが共役の関係になるようにすればよい。
電力変換装置300は、折返しダイポールアンテナ100と整流回路200との間にローパスフィルタを含まないため、損失を低減することができる。すなわち、実施の形態によれば、損失を低減した折返しダイポールアンテナ100及び電力変換装置300を提供することができる。
なお、以上では、整流回路200がコッククロフト・ウォルトン型の整流回路である形態について説明したが、整流回路200はコッククロフト・ウォルトン型に限られるものではない。折返しダイポールアンテナ100から出力される高周波電力を直流電力に整流できる整流回路であれば、どのような形式のものであってもよい。
また、以上では、一例として、折返しダイポールアンテナ100が540MHzの電波を受信する形態について説明したが、周波数は540MHzに限られず、所望の周波数に応じて、折返しダイポールアンテナ100の誘導性のインピーダンスを調整すればよい。このような調整は、主に、エレメント110、120の長さや間隔を設計段階で設定することによって行うことができる。
図8は、実施の形態の変形例の折返しダイポールアンテナ100Mを示す図である。折返しダイポールアンテナ100Mは、基板101Mと、エレメント110及び120Mとを有する。ここでは、図1に示す折返しダイポールアンテナ100の構成要素と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
基板101Mは、図1に示す基板101よりもY軸方向の幅が広い。これは、エレメント120Mに対応したものである。
エレメント120Mは、エレメント120MA及び120MBを有し、基板101Mの表面に設けられる。エレメント120Mは、第2導体の一例である。
エレメント120MA及び120MBは、それぞれ、図1に示すエレメント120A及び120Bに、延長部123A、123Bを追加したものである。延長部123A、123Bは、それぞれ、給電点121A、121Bに接続され、Y軸負方向側の端子123A1、123B1まで延在する。延長部123A、123Bは、互いに平行であり、Y軸に平行である。延長部123A、123Bは、平衡線路である。延長部123A、123Bの長さをLfとする。延長部123A、123Bは、それぞれ、第1延長線路、第2延長線路の一例である。
端子123A1、123B1は、基板101MのY軸負方向側でX軸方向に延在する長辺の手前に位置する。一例として、長さLaは0.35λeであり、延長部123A、123Bの長さは、20mmである。端子123A1、123B1は、整流回路200の端子201、202に接続される。
図9は、折返しダイポールアンテナ100Mが受信する電波の周波数を変化させた場合のインピーダンスの周波数特性を示すスミスチャートである。図9(A)には、折返しダイポールアンテナ100Mが受信する電波の周波数を400MHzから700MHzまで変化させた場合のインピーダンスの周波数特性を示す。また、図9(B)には、シミュレーションモデル100C2(図5(C)参照)のインピーダンスの周波数特性を示す。これは、図7(C)に示すものと同一である。
図9(A)に示す折返しダイポールアンテナ100Mの軌跡は、周波数の増大に伴って、短絡点の近くの約170度の点から、約165度でキンク頂点を形成した後に、短絡点を通る等抵抗円に沿って約160度から約-110度まで移動する軌跡が得られた。周波数の増大に伴って、少しずつ短絡点を通る等抵抗円の内側に入る軌跡であった。キンク頂点は、図9(B)に示すシミュレーションモデル100C2の軌跡よりも少し上側にシフトし、大きなキンク頂点が得られた。これは、折返しダイポールアンテナ100Mのキンク頂点は、シミュレーションモデル100C2のキンク頂点よりもさらに誘導性が強いことを表している。図9(B)に示すシミュレーションモデル100C2の軌跡の方が、図9(A)に示す折返しダイポールアンテナ100Mよりも整流回路200の入力インピーダンスと、より上手く共役整合が取れているが、図9(A)に示す折返しダイポールアンテナ100Mでも、十分に良好な軌跡が得られることが分かった。
従って、損失を低減した電力変換装置、及び、折返しダイポールアンテナ100Mを提供することができる。
図10及び図11は、延長部123A、123Bの長さLfが異なる折返しダイポールアンテナ100Mのシミュレーションモデルで電波の周波数を400MHzから700MHzまで変化させた場合のインピーダンスの周波数特性を示すスミスチャートである。具体的には、長さLfがλe/50からλe/6のシミュレーションモデルのスミスチャートを求めた。
シミュレーションモデルの長さLaは、0.35λeであり、基板101の誘電率εrは3.4、高さ(Z軸方向の厚さ)hは0.75mm、エレメント110と120のY軸方向の間隔dは4mm、エレメント110のX軸方向の長さLbは244mmである。244mmは、540MHzの電波の自由空間波長λの0.44倍の長さである。なお、電気長λeと自由空間波長λは、540MHzにおける値である。
また、図10(A)には、延長部123A、123Bを有さないシミュレーションモデル100C2(図5(C)参照)のインピーダンスの周波数特性(図7(C)と同一)を示す。ここでは説明の便宜上、シミュレーションモデル100C2(図5(C)参照)を長さLfが0mmのシミュレーションモデルとして示す。
図10(B)に示す長さLfがλe/50の場合は、周波数の増大に伴って、短絡点の近くの約170度の点から、約168度でキンク頂点を形成した後に、短絡点を通る等抵抗円に沿って約160度から約-40度まで移動する軌跡が得られた。周波数の増大に伴って、少しずつ短絡点を通る等抵抗円の内側に入る軌跡であった。キンク頂点は、長さLfが0mmの場合よりも大きかった。
図10(C)~(F)に示す長さLfがλe/40、λe/30、λe/20、λe/18の場合は、周波数の増大に伴って、短絡点の近くの約170度の点から、約165度でキンク頂点を形成した後に、短絡点を通る等抵抗円に沿って約160度から約-70度、約-105度、約-138度、約-145度まで移動する軌跡が得られた。周波数の増大に伴って、少しずつ短絡点を通る等抵抗円の内側に入る軌跡であった。キンク頂点は、長さLfが長くなるにつれて、徐々に等抵抗円に沿って横軸よりも上側に移動し、誘導性が強くなる傾向を示した。
図11(A)~(C)に示す長さLfがλe/16、λe/14、λe/12の場合は、周波数の増大に伴って、短絡点の近くの約165度の点から、約165度でキンク頂点を形成した後に、短絡点を通る等抵抗円に沿って約160度から約-150度、約-155度、約-165度まで移動する軌跡が得られた。周波数の増大に伴って、キンク頂点を描いた後の円弧状の軌跡が小さくなる傾向を示した。
図11(D)~(F)に示す長さLfがλe/10、λe/8、λe/6の場合は、周波数の増大に伴って、短絡点の近くの約160度の点から、横軸の近くでキンク頂点が得られたものの、はっきりと誘導性を示す軌跡は得られなかった。
以上より、延長部123A、123Bを取り付ける場合には、長さLfがλe/20以下であることが好ましいことが分かった。
図12乃至図15は、折返しダイポールアンテナ100が受信する電波の周波数を変化させた場合のインピーダンスの周波数特性を示すスミスチャートである。図12乃至図15には、エレメント110と120のY軸方向の間隔dをλe/10からλe/6000に設定し、電波の周波数を400MHzから700MHzまで変化させた場合のインピーダンスの周波数特性を示すスミスチャートである。
なお、基板101の誘電率εrは3.4、高さ(Z軸方向の厚さ)hは0.75mm、長さLaは0.35λe、Lbは244mm(0.44λ)である。なお、λe/100は5.56mmであり、λe/200は2.78mmであるため、間隔dが4mmになるのは、約λe/139である。
図12(A)~(C)に示す間隔dがλe/10、λe/20、λe/30の場合は、周波数の増大に伴って、約175度から短絡点を通る等抵抗円に沿って約-50度、約-25度、約0度まで移動する軌跡が得られた。周波数が400MHzから増大する際に、誘導性を示して内側に入る軌跡であるが、キンク頂点が得られなかった。
図12(D)~(F)に示す間隔dがλe/40、λe/50、λe/60の場合は、周波数の増大に伴って、短絡点の近くの約175度の点から、約165度でキンク頂点を形成した後に、短絡点を通る等抵抗円に沿って約160度から約20度、約35度、約45度まで移動する軌跡が得られた。周波数の増大に伴って、少しずつ短絡点を通る等抵抗円の内側に入る軌跡であった。
図13(A)~(F)に示す間隔dがλe/70、λe/80、λe/90、λe/100、λe/200、λe/300の場合は、周波数の増大に伴って、短絡点の近くの約175度の点から、約165度でキンク頂点を形成した後に、短絡点を通る等抵抗円に沿って約160度から約55度、約60度、約67度、約72度、約95度、約104度まで移動する軌跡が得られた。周波数の増大に伴って、少しずつ短絡点を通る等抵抗円の内側に入る軌跡であった。
図14(A)~(F)に示す間隔dがλe/400、λe/500、λe/600、λe/700、λe/800、λe/900の場合は、周波数の増大に伴って、短絡点の近くの約175度の点からキンク頂点を形成した後に、短絡点を通る等抵抗円に沿って約110度、約113度、約115度、約118度、約118度、約123度まで移動する軌跡が得られた。周波数の増大に伴って、少しずつ短絡点を通る等抵抗円の内側に入る軌跡であった。
図15(A)~(F)に示す間隔dがλe/1000、λe/2000、λe/3000、λe/4000、λe/5000、λe/6000の場合は、周波数の増大に伴って、短絡点の近くの約175度の点からキンク頂点を形成した後に、短絡点を通る等抵抗円に沿って約125度、約135度、約142度、約128度、約150度、約152度まで移動する軌跡が得られた。周波数の増大に伴って、少しずつ短絡点を通る等抵抗円の内側に入る軌跡であった。
以上より、間隔dがλe/40以下では、キンク頂点が得られ、かつ、誘導性の軌跡が得られていることが分かる。また、間隔dがλe/40からλe/1000あたりまでは、キンク頂点が得られ、かつ、はっきりと誘導性の軌跡が得られているため、特に良いことが分かる。また、λe/1000は0.56mmであり、λe/6000は0.09mmである。
間隔dは、λe/1000でもよいが、例えば、エレメント110及び120をエッチング処理で作製する場合には、エッチング処理の限界との関係で間隔dを設定すればよい。
図16及び図17は、折返しダイポールアンテナ100のシミュレーションモデル100A3~100F3及び100A4~100F4を示す図である。図16では、各部の符号を省略する。
図16(A)~(E)及び図17(A)~(F)に示すシミュレーションモデル100A3~100F3及び100A4~100F4は、エレメント120の少なくとも一部がメアンダ形状になっている。
図16(A)に示すシミュレーションモデル100A3では、エレメント120の全体がメアンダ形状を有するメアンダ部になっており、長さLaは0.41λeである。メアンダ部は、X軸方向に6mm、Y軸方向に4mmであり、メアンダ部の周期数は、エレメント120A、120Bともに10である。
図16(B)~図16(F)及び図17(A)~(F)に示すシミュレーションモデル100B3~100F3及び100A4~100F4では、エレメント120の両端がメアンダ形状を有するメアンダ部になっている。エレメント120のうち、X軸方向においてエレメント110と平行な区間は直線状であり、X軸方向においてエレメント110よりも外側の区間がメアンダ形状になっている。
シミュレーションモデル100B3~100F3のメアンダ部は、X軸方向に4mm、Y軸方向に2mmであり、メアンダ部の周期数は、それぞれ、エレメント120A、120Bともに、5、6、7、8、9である。シミュレーションモデル100B3~100F3の長さLaは、それぞれ、0.369λe、0.393λe、0.418λe、0.443λe、0.467λeである。
また、シミュレーションモデル100A4~100F4のメアンダ部は、X軸方向に4mm、Y軸方向に2mmであり、メアンダ部の周期数は、それぞれ、エレメント120A、120Bともに、10、11、12、13、14、15である。シミュレーションモデル100A4~100F4の長さLaは、それぞれ、0.492λe、0.516λe、0.541λe、0.566λe、0.590λe、0.615λeである。
なお、基板101の誘電率εrは3.4、高さ(Z軸方向の厚さ)hは0.75mm、エレメント110と120のY軸方向の間隔dは4mm、エレメント110のX軸方向の長さLbは244mm(0.44λ)である。
図18及び図19は、折返しダイポールアンテナ100が受信する電波の周波数を変化させた場合のインピーダンスの周波数特性を示すスミスチャートである。図18(A)~(F)及び図19(A)~(F)には、それぞれ、シミュレーションモデル100A3~100F3及び100A4~100F4において、電波の周波数を400MHzから700MHzまで変化させた場合のインピーダンスの周波数特性を示す。
図18(A)に示すシミュレーションモデル100A3のスミスチャートでは、周波数の増大に伴って、短絡点の近傍から、短絡点を通る等抵抗円の約180度から、短絡点を通る等抵抗円に沿って約30度まで移動する軌跡が得られた。周波数の増大に伴って、誘導性を示す軌跡であるが、キンク頂点を有さない軌跡であった。
図18(B)、(C)に示すシミュレーションモデル100B3、100C3のスミスチャートでは、周波数の増大に伴って、短絡点を通る等抵抗円の約180度から、少し内側に入るがキンク頂点を形成せずに、短絡点を通る等抵抗円に沿って約116度、約106まで移動する軌跡が得られた。
図18(D)、(E)、(F)に示すシミュレーションモデル100D3、100E3、100F3のスミスチャートでは、周波数の増大に伴って、短絡点の近くの約175度の点からキンク頂点を形成した後に、短絡点を通る等抵抗円に沿って約160度から約95度、約80度、約65度まで移動する軌跡が得られた。周波数の増大に伴って、少しずつ短絡点を通る等抵抗円の内側に入る軌跡であった。
図19(A)、(B)に示すシミュレーションモデル100A4、100B4のスミスチャートでは、周波数の増大に伴って、短絡点の近くの約170度の点からキンク頂点を形成した後に、短絡点を通る等抵抗円に沿って約45度、約25度まで移動する軌跡が得られた。周波数の増大に伴って、少しずつ短絡点を通る等抵抗円の内側に入る軌跡であった。
図19(C)、(D)、(E)、(F)に示すシミュレーションモデル100C4、100D4、100E4、100F4のスミスチャートでは、周波数の増大に伴って、短絡点の近くの約175度付近でキンク頂点を形成し、短絡点を通る等抵抗円に沿って約0度、約-30度、約-55度、約-80度まで移動する軌跡が得られた。周波数の増大に伴って、少しずつ短絡点を通る等抵抗円の内側に入る軌跡であった。
以上より、図18(D)~(F)に示すシミュレーションモデル100D3、100E3、100F3と、図19(A)、(B)に示すシミュレーションモデル100A4、100B4とが、所望の周波数においてキンク頂点を有し、かつ、誘導性の軌跡を示すことが分かった。
これらのシミュレーションモデル100D3、100E3、100F3、100A4、100B4の長さLaは、0.418λe~0.516λeであるため、エレメント110の両端にメアンダ部を設ける場合には、長さLaを約0.42λe~0.52λeに設定することが良いことが分かった。また、メアンダ部を設けることにより、同じ効果を得るために必要な基板のX方向の長さを短くできるため、折返しダイポールアンテナおよびそれを用いた電力変換装置のX方向の寸法を小さくすることができる。
次に、図20及び図21を用いて、エレメント110と120における表皮効果と等価半径について説明する。
図20は、エレメント110及び120の断面を示す図である。図20(A)、(B)には、Y軸に沿って得られるエレメント110及び120の断面を示す。図20(A)、(B)には、折返しダイポールアンテナ100を搭載する基板101を示す。また、図20(A)、(B)では、高周波の電流がエレメント110及び120に流れる部分をグレーで示す。グレーで示す部分には、一例として、540MHzの電流が表皮効果によって流れる。
図20(A)では、エレメント120の厚さをt1、素子幅をw1、エレメント110の厚さをt1、素子幅をw2とする。図20(B)では、エレメント120の厚さをt2、素子幅をw1、エレメント110の厚さをt2、素子幅をw2とする。厚さt1は、厚さt2よりも厚い。
一例として、図20(A)に示すエレメント120の厚さt1は18μm、素子幅w1は0.1mm~0.5mm、エレメント110の厚さをt1は18μm、素子幅w2は、2mm~8mmである。また、図20(B)に示すエレメント120の厚さt2は表皮深さの2倍、素子幅w1は0.1mm~0.5mm、エレメント110の厚さをt2は表皮深さの2倍、素子幅w2は、2mm~8mmである。また、折返しダイポールアンテナ100が受信する電磁波の周波数が540MHzである場合に、表皮深さは3μmであり、2.4GHzである場合には、表皮深さは1μmである。
エレメント110及び120は、基板101の表面に形成された銅箔をウェットエッチングのようなエッチング処理によってパターニングすることによって作製される。エッチング処理では、エレメント110及び120の上面はマスクによって保護されるため、平滑であるが、エレメント110及び120の側面は、エッチング処理で削られているため、上面に比べると平滑性が低く、表面が粗い。このため、エレメント110及び120の側面は、上面よりも高周波抵抗が増えるので損失が増える。
図20(A)に示すように、エレメント110及び120を厚くすると、図20(B)に示すようにエレメント110及び120を薄くした場合に比べて、エレメント110及び120の側面を流れる電流の割合が増える。特に、素子幅が狭いエレメント120では、この傾向が顕著である。
図21は、エレメント110及び120の等価半径を説明する図である。ここで、エレメント120の等価半径をr1、エレメント110の等価半径をr2とし、エレメント110と120との間の間隔(エレメント110及び120の素子幅の中央同士の間隔)をd1とする。なお、エレメント120の厚さはt1、素子幅はw1、エレメント110の厚さはt1、素子幅はw2である。
等価半径r1、r2は、式(1)、(2)でそれぞれ表すことができ、インピーダンスのステップアップ比(n)は、式(3)で表すことができる。
Figure 0007015054000001
Figure 0007015054000002
Figure 0007015054000003
エレメント120の側面を流れる電流を低減して損失を減らすためには、側面を流れる電流が全体の20%未満であることが望ましい。式(1)で得られるエレメント120の等価半径r1について、側面を流れる電流との比を求めると、(0.34t1)/(0.34t1+0.25w1)<0.2を満たすことが望ましい。
なお、ここでは、エレメント110と120の等価半径について説明したが、エレメント120と120は等しいサイズを有し、平面視で線対称に配置されるので、エレメント120の等価半径は、エレメント120の等価半径と等しい。
以上、本発明の例示的な実施の形態の電力変換装置、及び、折返しダイポールアンテナについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
100、100M 折返しダイポールアンテナ
101、101M 基板
110、120、120A、120B、120M、120MA、120MB エレメント
111、112 端部
121A、121B 給電点
122A、122B 端部
123A、123B 延長部
123A1、123B1 端子
200 整流回路
300 電力変換装置

Claims (11)

  1. 受信する電波の周波数における自由空間波長における半波長に対応する長さを有する第1導体と、
    第1給電点から前記第1導体に沿って第1端部まで延在する第1素子と、前記第1給電点と平衡端子を構成する第2給電点から前記第1導体に沿って第2端部まで延在する第2素子とを有し、前記第1導体と折返しダイポールアンテナを構成する第2導体と、
    前記第1給電点及び前記第2給電点に接続される整流回路と
    を含み、
    前記第1導体の幅は、前記第2導体の幅よりも広く、
    前記第1端部と前記第2端部との間の長さは、前記周波数における波長の電気長をλeとすると、0.6λe~0.8λeである、電力変換装置。
  2. 前記第1導体と前記第2導体との間隔は、前記波長の電気長λeの1/40以下である、請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記第1給電点及び前記第2給電点にそれぞれ接続され、平面視で前記第2導体から離間する方向に延在する第1延長線路及び第2延長線路をさらに含む、請求項1又は2記載の電力変換装置。
  4. 前記第1延長線路及び前記第2延長線路の長さは、前記波長の電気長λeの1/20以下である、請求項3記載の電力変換装置。
  5. 前記第2導体は、メアンダ部を有する、請求項1乃至4のいずれか一項記載の電力変換装置。
  6. 前記第2導体は、両端にメアンダ部を有する、請求項1乃至4のいずれか一項記載の電力変換装置。
  7. 前記第1導体及び前記第2導体によって構成される折返しダイポールアンテナのインピーダンスは誘導性である、請求項1乃至6のいずれか一項記載の電力変換装置。
  8. 前記折返しダイポールアンテナのインピーダンスと、前記整流回路のインピーダンスとは、共役の関係にある、請求項1乃至7のいずれか一項記載の電力変換装置。
  9. 前記折返しダイポールアンテナのインピーダンスは、スミスチャートでキンク形状を有する、請求項1乃至8のいずれか一項記載の電力変換装置。
  10. 前記第1素子及び前記第2素子の厚さをt、前記第1素子及び前記第2素子の素子幅をwとすると、前記厚さt及び前記素子幅wは、(0.34t)/(0.34t+0.25w)<0.2を満たし、かつ、前記厚さtは、前記電波の周波数における表皮深さの2倍以上である、請求項1乃至9のいずれか一項記載の電力変換装置。
  11. 受信する電波の周波数における自由空間波長における半波長に対応する長さを有する第1導体と、
    第1給電点から前記第1導体に沿って第1端部まで延在する第1素子と、前記第1給電点と平衡端子を構成する第2給電点から前記第1導体に沿って第2端部まで延在する第2素子とを有し、前記第1導体と折返しダイポールアンテナを構成する第2導体と
    を含み、
    前記第1導体の幅は、前記第2導体の幅よりも広く、
    前記第1端部と前記第2端部との間の長さは、前記周波数における波長の電気長をλeとすると、0.6λe~0.8λeである、折返しダイポールアンテナ。
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