(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1において、1は第1装置としての掃除機である。掃除機1は、第2装置としてのダストステーション2とともに掃除装置3を構成している。
掃除機1は、被掃除面である床面の塵埃を掃除する。本実施形態において、掃除機1は、床面上を自律走行しつつ床面を掃除する、自律走行式のロボットクリーナを例に挙げて説明する。
図1ないし図4(a)に示す掃除機1は、本体4を備えている。また、掃除機1は、本体4を走行させる走行手段5を備えている。さらに、掃除機1は、塵埃を溜める第1集塵部6を備えている。また、掃除機1は、塵埃を第1集塵部6に吸い込む第1電動送風機7を備えている。さらに、掃除機1は、ダストステーション2と通信可能な第1通信手段8を備えている。また、掃除機1は、第1電動送風機7を動作させる第1吸引制御手段9を備えている。さらに、掃除機1は、例えば走行障害等、本体4の走行や掃除をサポートする各種の情報を検出する検出手段10を備えていてもよい。また、掃除機1は、コントローラである第1制御手段11を備えていてもよい。さらに、掃除機1は、電源部として二次電池を備えていてもよい。また、掃除機1は、他に、ユーザによる外部入力を受け付けるスイッチやタッチパネル等の設定手段としての入力部を備えていてもよい。そして、掃除機1は、概略として、走行手段5により本体4を走行させつつ、第1吸引制御手段9により動作された第1電動送風機7の吸引力によって床面の塵埃を第1集塵部6に吸い込んで掃除をし、所定の範囲の床面の掃除が終了すると、走行手段5により本体4を走行させてダストステーション2へと帰還し、第1集塵部6内の塵埃をダストステーション2側へと移送する。また、本体4の走行方向に沿った方向を前後方向(図1等に示す矢印FR,RR方向)とし、前後方向に対して交差(直交)する左右方向を幅方向として説明する。
本体4は、本実施形態において平面視で円形状に形成されているが、この形状に限定されない。本体4は、集塵口である吸込口13を下部に備えている。さらに、本体4は、第1集塵部6の塵埃を排出する塵埃排出口14を備えている。また、本体4は、第1電動送風機7からの排気風を本体4の外部に排出する排気口15を備えている。
吸込口13は、第1電動送風機7の動作により生じる負圧を床面に作用させる開口部である。吸込口13は、幅方向に長手状に形成されている。吸込口13は、本実施形態において本体4の下部の中央部に配置されているが、この配置に限定されない。吸込口13には、回転清掃体としての回転ブラシ16が回転可能に配置されていてもよい。回転ブラシ16は、図示しないブラシ用モータによって回転駆動される。なお、回転ブラシ16およびブラシ用モータは、必須の構成ではない。
塵埃排出口14は、本実施形態において本体4の下部に配置されているが、この配置に限定されない。また、塵埃排出口14は、例えば本体4の後部寄りに配置されていてもよい。さらに、塵埃排出口14は、蓋体18により開閉可能に閉塞されている。
排気口15は、第1電動送風機7から排出された空気を本体4の外部に排出する開口部である。排気口15は、本実施形態において本体4の下部に配置されているが、この配置に限定されない。
走行手段5は、例えば被駆動部としての駆動輪21を駆動する駆動手段としてのモータ22を制御する走行制御手段23等を備えている。走行手段5は、本実施形態においてさらに旋回輪24を備えているが、旋回輪24は必須の構成ではない。
駆動輪21は、本体4を床面上で前進方向および後退方向に走行させるものである。本実施形態において、駆動輪21は、例えば本体4の左右に一対設けられているが、この配置や個数に限定されるものではない。各駆動輪21は、モータ22により駆動される。なお、駆動輪21に代えて、被駆動部としての無限軌道等を用いることもできる。
走行制御手段23は、モータ22と電気的に接続され、モータ22を制御することで駆動輪21の駆動を制御する。走行制御手段23は、後述する記憶手段としてのメモリ26に記憶された地図に基づいて走行ルートを設定するように構成してもよい。また、走行制御手段23は、検出手段10により検出された走行障害に応じて走行ルートを随時変更してもよい。なお、走行制御手段23は、本実施形態において、第1制御手段11と一体的に設けられているが、第1制御手段11とは別個に設けられていてもよい。
第1集塵部6は、第1電動送風機7の動作により吸込口13を介して吸い込まれた含塵空気から、塵埃を分離して捕集する。第1集塵部6としては、例えばフィルタ、又は、サイクロン分離装置、又は、それらの組み合わせ等、既知の構成が用いられる。第1集塵部6は、吸込口13と連通している。また、第1集塵部6は、塵埃排出口14と連通し、塵埃排出口14を介して、内部に溜められた塵埃を排出可能となっている。なお、第1集塵部6は、例えば本体4に対して着脱可能に設けられていてもよい。
第1電動送風機7は、空気を吸い込み排出するものである。第1電動送風機7は、本体4に内蔵されている。第1電動送風機7は、吸気側が第1集塵部6と連通している。また、第1電動送風機7は、排気側が排気口15と連通している。
第1通信手段8は、ダストステーション2等と相互通信可能なものである。第1通信手段8は、ダストステーション2に対し、例えば端子等を備えて有線通信するように構成されていてもよいし、赤外線や電波等を用いて無線通信するように構成されていてもよい。また、第1通信手段8は、例えば赤外線等を介してリモコン等の設定手段と無線通信可能としてもよい。本実施形態において、第1通信手段8は、無線通信手段である。さらに、第1通信手段8は、例えばスマートフォン等の外部機器に対して直接、又は、図示しないホームゲートウェイおよびインターネット等のネットワークを介してサーバ経由で、相互通信可能としてもよい。第1通信手段8は、ダストステーション2に対して、例えば第1集塵部6内の塵埃の移送の開始を指示する吸引指示信号等、種々の信号を出力可能となっている。また、第1通信手段8は、本実施形態において、ダストステーション2側との通信に基づき、掃除機1がダストステーション2に帰還したか否かを確認する帰還確認手段の機能を兼ねている。帰還確認手段は、第1通信手段8とは別個に設けられていてもよい。
第1吸引制御手段9は、リモコン、又は、スマートフォン等の外部機器、又は、入力部等の設定手段を介してユーザにより設定された動作モードに第1電動送風機7の駆動力を設定する第1駆動制御手段である。ここで、第1電動送風機7の駆動力とは、第1電動送風機7の吸引力を意味し、第1電動送風機7は駆動力が大きいほど動作音が大きくなる。第1電動送風機7の動作モードとしては、予め定められた通常の駆動力に設定される通常の動作モードの他に、例えばマナーモード等、通常の動作モードの駆動力よりも相対的に小さい所定の駆動力に設定されて動作音が低減された静音設定の動作モード等がある。第1吸引制御手段9は、これら2つ以上の動作モードから、第1電動送風機7の駆動力を選択的に設定する。なお、第1吸引制御手段9は、本実施形態において、第1制御手段11と一体的に設けられているが、第1制御手段11とは別個に設けられていてもよい。
検出手段10は、本体4の走行方向の前方の壁や柱等、あるいは本体4の下方の段差等の走行障害を検出する障害物センサを備えている。また、検出手段10は、例えば吸込口13から第1集塵部6に捕集される床面の塵埃量を検出する塵埃量検出手段(ごみセンサ)等、他の任意のセンサ類を備えていてもよい。なお、例えば走行手段5が本体4を予め定められた所定の走行ルートに沿って走行させる場合には、検出手段10による情報の検出が不要な場合もあるため、検出手段10は、必須の構成ではない。
障害物センサとしては、例えば赤外線センサや超音波センサを用いてもよいし、1つ以上のカメラにより撮像された画像を用いるセンサ等を用いてもよいし、接触により物体や段差を検出するセンサを用いてもよいし、これらを任意に組み合わせて用いてもよい。
第1制御手段11は、例えばCPUやROMおよびRAM等を備えるマイコンが用いられる。第1制御手段11は、図4(a)に示すように、メモリ26を備えていてもよい。また、第1制御手段11は、検出処理手段27を備えている。さらに、第1制御手段11は、地図作成手段および自己位置推定手段の機能を有する処理手段28を備えていてもよい。また、第1制御手段11は、二次電池と電気的に接続されているため、二次電池の充電を制御する充電制御手段を備えていてもよい。そして、本実施形態において、第1制御手段11には、走行制御手段23、および、第1吸引制御手段9等が一体的に組み込まれている。
メモリ26は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性のものが用いられる。メモリ26には、走行制御手段23、第1吸引制御手段9、検出処理手段27、又は処理手段28等により参照される各種データが記憶されている。例えば、メモリ26には、掃除対象領域を示す地図データが記憶されていてもよい。地図データは、処理手段28により作成されてもよいし、ユーザにより第1通信手段8や入力部を介して入力されてもよい。
検出処理手段27は、検出手段10と電気的に接続されている。検出処理手段27は、検出手段10による検出結果を取得し、走行制御手段23、および、処理手段28等に出力可能となっている。なお、検出処理手段27は、検出手段10を備えない構成の場合には不要となるので、必須の構成ではない。
処理手段28は、検出された障害物や段差の配置等を認識し、本体4が走行可能な走行領域(掃除対象領域)の地図データの作成および自己位置推定をするものである。地図データの作成および自己位置推定は、既知のSLAM(simultaneous localization and mapping)技術等を用いることができるので、詳細については省略する。なお、処理手段28は、必須の構成ではない。
二次電池は、走行手段5のモータ22や走行制御手段23、第1電動送風機7、第1通信手段8、第1吸引制御手段9、検出手段10、ブラシ用モータ、および、第1制御手段11等に給電するものである。本実施形態では、本体4に、二次電池を充電するための充電端子29が配置されている。充電端子29は、例えば本体4の下部に配置されている。
一方、図1および図2に示すように、ダストステーション2は、掃除領域等に設置され、掃除機1の第1集塵部6に溜められた塵埃を移送する機能を備えている。ダストステーション2は、第2装置本体であるステーション本体31を備えている。また、ダストステーション2は、塵埃を溜める第2集塵部32を備えている。さらに、ダストステーション2は、塵埃を第2集塵部32に移送する第2電動送風機33を備えている。また、ダストステーション2は、掃除機1と通信可能な第2通信手段34を備えている。さらに、ダストステーション2は、第2電動送風機33を動作させる第2吸引制御手段35を備えている。また、ダストステーション2は、掃除機1の帰還を確認する帰還確認手段36を備えている。さらに、ダストステーション2は、ステーションコントローラである第2制御手段37を備えていてもよい。また、ダストステーション2は、図示しない商用交流電源等の外部電源から電源を取るための電源コード38を備えていてもよい。さらに、ダストステーション2は、掃除機1の充電端子29と電気的に接続されて掃除機1の二次電池を充電する、又は、掃除機1の二次電池の充電を補助する充電用端子39を備えている。そして、ダストステーション2は、概略として、帰還した掃除機1の第1集塵部6に捕集された塵埃を第2吸引制御手段35により動作された第2電動送風機33の吸引力によって第2集塵部32へと移送させるとともに、掃除機1の二次電池を充電する。ダストステーション2には、図2に示すように、帰還した掃除機1が接続される。以下、掃除機1がダストステーション2に接続されるとは、ダストステーション2に対して掃除機1が所定位置に停止して、第1集塵部6から第2集塵部32へと塵埃を移送可能な状態となることをいうものとする。
ステーション本体31は、ダストステーション2に帰還した掃除機1が乗り上げる載置部40を備えている。また、ステーション本体31は、ダストステーション2に対して接続された掃除機1の塵埃排出口14と接続される塵埃吸込口41を備えている。さらに、ステーション本体31は、掃除機1の蓋体18を開閉するための蓋体開閉部42を備えている。また、ステーション本体31は、図示しない排気開口を備えている。
塵埃吸込口41は、ダストステーション2に接続された掃除機1の第1集塵部6から第2集塵部32へと塵埃を移送させる開口部である。塵埃吸込口41は、例えば載置部40に形成されている。塵埃吸込口41は、第2集塵部32と連通しているとともに、掃除機1がダストステーション2に接続された状態で掃除機1の塵埃排出口14と連通する。塵埃吸込口41の外縁部には、塵埃排出口14と気密に接続するためのシール部材44が取り付けられていてもよい。
蓋体開閉部42は、掃除機1がダストステーション2に対して接続される際に蓋体18を開き、掃除機1がダストステーション2から離脱する際に蓋体18を閉じるものである。蓋体開閉部42は、塵埃吸込口41に配置されている。蓋体開閉部42は、ステーション本体31に対して下端部が回動可能に支持され、上端部が塵埃吸込口41から外側に延出しているとともに、下端部から上端部に向かって傾斜している。
第2集塵部32は、掃除機1の第1集塵部6内に溜められた塵埃を内部に移送して収容する集塵ボックスである。第2集塵部32は、ダストステーション2に接続された掃除機1の第1集塵部6と塵埃吸込口41を介して連通する。第2集塵部32としては、例えばフィルタ、又は、サイクロン分離装置、又は、それらの組み合わせ等、既知の構成が用いられる。また、第2集塵部32は、掃除機1の第1集塵部6よりも容積が大きく設定されている。第2集塵部32は、ステーション本体31に対して着脱可能でもよい。また、第2集塵部32は、ステーション本体31に装着された状態で、塵埃吸込口41と連通している。
第2電動送風機33は、空気を吸い込み排出するものである。第2電動送風機33は、ステーション本体31に内蔵されている。第2電動送風機33は、吸気側が第2集塵部32と連通している。また、第2電動送風機33は、排気側が排気開口と連通している。そして、第2電動送風機33は、ダストステーション2に接続された掃除機1の第1集塵部6内の塵埃を第2集塵部32に移送させる。また、第2電動送風機33としては、掃除機1の第1電動送風機7よりも吸引力が大きいものが用いられる。
第2通信手段34は、掃除機1の第1通信手段8等と相互通信可能なものである。第2通信手段34は、掃除機1の第1通信手段8に対し、例えば端子等を備えて有線通信するように構成されていてもよいし、赤外線や電波等を用いて無線通信するように構成されていてもよい。本実施形態において、第2通信手段34は、無線通信手段である。また、第2通信手段34は、例えば赤外線等を介してリモコン等の設定手段と無線通信可能としてもよい。さらに、第2通信手段34は、例えばスマートフォン等の外部機器に対して直接、又は、図示しないホームゲートウェイおよびインターネット等のネットワークを介してサーバ経由で、相互通信可能としてもよい。また、第2通信手段34は、例えば掃除機1をダストステーション2に誘導するための誘導信号を出力するように構成されていてもよい。
第2吸引制御手段35は、掃除機1に対してユーザにより設定された第1電動送風機7の動作モードに対応して、第2電動送風機33の駆動力を設定する第2駆動制御手段である。ここで、第2電動送風機33の駆動力とは、第2電動送風機33の吸引力を意味し、第2電動送風機33は駆動力が大きいほど動作音が大きくなる。そして、第2吸引制御手段35は、第2電動送風機33の駆動力を、掃除機1の第1吸引制御手段9で設定される動作モードのうち少なくとも2つに応じた駆動力とする。例えば第2吸引制御手段35は、第1電動送風機7の動作モードが、所定の動作モードである強モードや通常動作モードに対して駆動力が相対的に小さい弱モードや静音設定モードである場合に、第2電動送風機33の駆動力を相対的に小さい駆動力に設定する。第2電動送風機33の駆動力を小さい駆動力に設定する状態には停止状態が含まれている。また、例えば第2吸引制御手段35は、第1電動送風機7の動作モードが静音設定モード以外のモードである場合に、第2電動送風機33の駆動力を、第1電動送風機7の動作モードが静音設定モードである場合よりも相対的に大きい駆動力に設定してもよい。このとき、例えば第2吸引制御手段35は、第1電動送風機7の動作モードが静音設定モードを除く複数の動作モードである場合に、第1電動送風機7の動作モードが静音設定モードである場合よりも相対的に大きい一定の駆動力に設定してもよいし、複数の動作モードに対応してそれぞれ異なる駆動力に設定してもよい。このとき、ユーザの要望を考慮すれば、第1電動送風機7の動作モードでの駆動力が大きいほど第2吸引制御手段35が第2電動送風機33の駆動力を大きく又は等しく設定することが好ましいものの、第1電動送風機7の駆動力と第2電動送風機33の駆動力との大小関係は必ずしも一致していなくてもよい。また、第2吸引制御手段35は、本実施形態において、例えば第2通信手段34と掃除機1の第1通信手段8との通信により第1電動送風機7の動作モードを取得し、取得された動作モードに基づいて第2電動送風機33の動作を設定する。なお、第2吸引制御手段35は、本実施形態において、第2制御手段37と一体的に設けられているが、第2制御手段37とは別個に設けられていてもよい。
帰還確認手段36は、例えば可視光や赤外線を利用して掃除機1との相対距離を検出することにより、掃除機1の帰還を確認することが可能となっている。帰還確認手段36は、例えばステーション本体31の前部に配置されている。帰還確認手段36は、例えば第2通信手段34と電気的に接続され、掃除機1の帰還を確認すると第2通信手段34から掃除機1のダストステーション2への帰還を確認したことを示す帰還確認信号を出力させることで、掃除機1側にダストステーション2への帰還を通信するようにしてもよい。
第2制御手段37は、例えばCPUやROMおよびRAM等を備えるマイコンが用いられる。第2制御手段37は、二次電池の充電を制御する充電制御手段を備えていてもよい。そして、本実施形態において、第2制御手段37には、図4(b)に示すように、第2吸引制御手段35等が一体的に組み込まれている。
電源コード38は、例えば壁面等に設けられたコンセントに接続されることで電源を第2電動送風機33、第2吸引制御手段35、帰還確認手段36、および、第2制御手段37等に供給するものである。
充電用端子39は、ダストステーション2に帰還した掃除機1の充電端子29と機械的および電気的に接続されて、掃除機1の二次電池の充電を可能とするものである。充電用端子39は、例えばステーション本体31の載置部40に設けられている。なお、掃除機1が二次電池を備えない場合、および、ダストステーション2が掃除機1の二次電池の充電機能を備えない場合、充電用端子39は不要である。
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
一般に、掃除装置3は、掃除機1によって掃除をする掃除作業と、掃除機1の第1集塵部6に溜められた塵埃をダストステーション2の第2集塵部32に移送する移送作業とを備える。掃除機1の電源が二次電池である場合には、掃除装置3は二次電池を充電する充電作業をさらに備える。
まず、掃除作業において、掃除の開始から終了までの概略を説明する。掃除機1は、例えばダストステーション2に接続された位置等の所定位置から掃除を開始する。掃除の開始は、例えばリモコンやスマートフォン等の外部機器により出力されたユーザから掃除開始を指示する掃除開始指示信号が第1通信手段8により受信されたとき、又は、掃除機1の入力部に掃除開始指示が入力されたとき、又は、所定の掃除開始時刻となったとき等とする。
メモリ26に掃除対象領域の地図データが保持されていない場合、掃除機1は例えば予め地図データ作成動作を行い、作成された地図データに基づいて走行制御手段23が走行ルートを設定する。また、メモリ26に掃除対象領域の地図データが保持されている場合、掃除機1は走行制御手段23が地図データに基づいて走行ルートを設定する。そして、掃除機1は、設定された走行ルートに沿って走行手段5により本体4を走行させながら、第1電動送風機7の吸引動作や回転ブラシ16の回転等により床面の塵埃を掃除し、第1集塵部6に塵埃を溜める。
このとき、第1吸引制御手段9は、例えばリモコン、又は、スマートフォン等の外部機器、又は、入力部等を介してユーザにより設定された動作モードで第1電動送風機7を動作させる。第1電動送風機7の動作モードは、例えば掃除開始前に予め設定されてもよいし、掃除開始後に任意に切り換えられてもよい。
そして、掃除が終了すると、掃除機1は、ダストステーション2へと帰還した後、所定のタイミングで第1集塵部6の塵埃を第2集塵部32に移送する移送作業に移行する。また、ダストステーション2が二次電池を充電する機能を備えている場合、所定のタイミングで二次電池の充電作業に移行する。
ダストステーション2への帰還は、メモリ26に保持された地図データにしたがって、又は、ダストステーション2の第2通信手段34から出力される誘導信号にしたがって、走行手段5がダストステーション2に向かって本体4を走行させる。このように掃除を終了してダストステーション2へと走行する際、掃除機1は掃除機能を停止させていることが好ましい。
掃除機1は、ダストステーション2の近傍まで接近すると、例えば走行手段5が本体4の後部をダストステーション2に向けて後進させる。そして、駆動輪21が載置部40へと乗り上げた状態で走行手段5が本体4をさらに後進させると、蓋体開閉部42の上端部が蓋体18に引っ掛かり、この状態で、走行手段5が本体4をさらに後進させると、蓋体開閉部42が蓋体18に引っ掛かったまま下方へと回動することで蓋体18を下方へと回動させていく。この後、走行手段5が本体4を最後部まで後進させることで、蓋体18が開いて露出した塵埃排出口14と塵埃吸込口41とが上下に対向する位置となって気密に接続されるとともに、充電端子29がダストステーション2の充電用端子39と機械的および電気的に接続される。帰還確認手段36は、掃除機1がダストステーション2に帰還するまでの間、ダストステーション2に対する掃除機1の距離を監視しており、その距離が予め定められた閾値以下になると、掃除機1がダストステーション2に帰還したと判断する。そして、帰還確認手段36により掃除機1がダストステーション2に帰還したと判断されると、例えば第2通信手段34から帰還確認信号が出力され、掃除機1では、出力された帰還確認信号が第1通信手段8により受信されると、走行手段5が本体4の走行を停止させる。
次いで、掃除機1は、ダストステーション2に接続されたことを確認すると、第1通信手段8により吸引指示信号を出力する。そして、ダストステーション2では、第2通信手段34により吸引指示信号が受信されると、掃除機1の第1電動送風機7の動作モードに応じて第2吸引制御手段35により第2電動送風機33の動作を設定する。例えば、第1電動送風機7の動作モードが通常の動作モードである場合、第2吸引制御手段35は第2電動送風機33を通常の動作状態とする。一方、第1電動送風機7の動作モードが静音設定の動作モードである場合、第2吸引制御手段35は第2電動送風機33を、駆動力を小さく設定して動作音を抑制した動作状態とする。
ここで、第1電動送風機7の動作モードは、本実施形態において、掃除機1の第1通信手段8とダストステーション2の第2通信手段34との通信によって第2吸引制御手段35により取得される。具体的に、掃除機1の第1通信手段8から、第1電動送風機7の動作モードを示す信号が出力されると、ダストステーション2の第2通信手段34により信号が受信され、受信された信号が第2通信手段34から第2吸引制御手段35へと出力されることで、第1電動送風機7の動作モードをダストステーション2の第2吸引制御手段35により取得可能である。
第1電動送風機7の動作モードの取得のタイミングは、掃除終了時、又は、掃除開始時、又は、掃除中のいずれかとすることができる。
例えば、第1電動送風機7の動作モードを掃除終了時に取得する場合には、図5のフローチャートに示すように、まず、掃除機1のダストステーション2への帰還を確認する(ステップS1)。次いで、第1吸引制御手段9では、第1電動送風機7の動作モードが静音設定であるか否かを判断する(ステップS2)。ステップS2において、静音設定でないと判断されると、掃除機1では、通常の吸引指示信号が第1通信手段8から出力される(ステップS3)。一方、ステップS2において、静音設定であると判断されると、掃除機1では、静音用の吸引指示信号が第1通信手段8から出力される(ステップS4)。
そして、第2通信手段34により受信された吸引指示信号の種類に応じた動作状態で第2吸引制御手段35が第2電動送風機33を動作させる。具体的に、第2吸引制御手段35は、通常の吸引指示信号が第2通信手段34により受信された場合、第2電動送風機33を予め定められた通常の駆動力となるように動作させる。また、第2吸引制御手段35は、静音用の吸引指示信号が第2通信手段34により受信された場合、第2電動送風機33を通常よりも駆動力を小さく設定し、動作音を抑制した状態で動作させる。
また、例えば第1電動送風機7の動作モードを掃除開始時に取得する場合には、図6のフローチャートに示すように、まず、第1通信手段8により掃除開始指示信号が受信されると(ステップS5)、掃除機1のダストステーション2への接続を確認する(ステップS6)。第1吸引制御手段9では、第1電動送風機7の動作モードが静音設定であるか否かを判断する(ステップS7)。ステップS7において、静音設定でないと判断されると、掃除機1では、通常の動作設定信号が第1通信手段8から出力される(ステップS8)。通常の動作設定信号とは、第2吸引制御手段35により第2電動送風機33を動作させる際の第2電動送風機33を通常動作とする信号である。一方、ステップS7において、静音設定であると判断されると、掃除機1では、静音用の動作設定信号が第1通信手段8から出力される(ステップS9)。静音用の動作設定信号とは、第2吸引制御手段35により第2電動送風機33を動作させる際の第2電動送風機33を、動作音を抑制した動作とする信号である。ダストステーション2では、掃除機1の第1通信手段8から出力された動作設定信号が第2通信手段34により受信されると、受信された動作設定信号に応じて、第2吸引制御手段35により第2電動送風機33を動作させる際の第2電動送風機33の動作状態が設定される。
そして、掃除機1がダストステーション2に帰還して接続された状態で、第1通信手段8から吸引指示信号が出力され、第2通信手段34により吸引指示信号が受信されると、動作設定信号により予め設定されている動作状態で第2吸引制御手段35が第2電動送風機33を動作させる。
さらに、第1電動送風機7の動作モードを掃除中に取得する場合には、図7のフローチャートに示すように、掃除機1は、第1吸引制御手段9において、第1電動送風機7の動作モードが静音設定であるか否かを判断する(ステップS10)。ステップS10において、静音設定でないと判断すると、掃除機1では、通常の動作設定信号が第1通信手段8から出力される(ステップS11)。一方、ステップS10において、静音設定であると判断すると、掃除機1では、静音用の動作設定信号が第1通信手段8から出力される(ステップS12)。なお、第1通信手段8からは、一定時間毎に動作設定信号が出力されてもよいし、リモコン等により動作モードが設定される毎に、その設定された動作モードに応じた動作設定信号が出力されてもよい。ダストステーション2では、掃除機1の第1通信手段8から出力された動作設定信号が第2通信手段34により受信されると、受信された動作設定信号に応じて、第2吸引制御手段35により第2電動送風機33を動作させる際の第2電動送風機33の動作状態が設定される。
そして、掃除機1がダストステーション2に帰還して接続された状態で、第1通信手段8から吸引指示信号が出力され、第2通信手段34により吸引指示信号が受信されると、動作設定信号により予め設定されている動作状態で第2吸引制御手段35が第2電動送風機33を動作させる。
ただし、上記のように、第1電動送風機7の動作モードの取得のタイミングが掃除開始時や掃除中である場合、掃除終了時には、第1電動送風機7の動作モードが静音設定でないモードに切り換わっていることも想定される。そのため、掃除終了時に第1電動送風機7の動作モードが静音設定であるか否かを確認することが好ましい。第1電動送風機7の動作モードの確認は、掃除機1の第1通信手段8とダストステーション2の第2通信手段34との通信により実施可能である。このように、第1電動送風機7の動作モードは、本実施形態において、掃除機1の第1通信手段8を経由してダストステーション2側で取得される。
そして、第2吸引制御手段35により第2電動送風機33が動作されることにより、塵埃排出口14および塵埃吸込口41を介して、第1集塵部6内に溜められた塵埃が第2集塵部32へと移送される。第2吸引制御手段35が第2電動送風機33を動作させる時間は、例えば第2吸引制御手段35により設定された第2電動送風機33の駆動力に応じて異なって設定されてもよいし、第2吸引制御手段35により設定された第2電動送風機33の駆動力に拘らず一定の時間でもよい。
そして、掃除装置3は、塵埃の移送が終了すると、所定のタイミングで掃除機1の二次電池の充電作業に移行する。なお、掃除機1がダストステーション2に接続された時点で二次電池の残量が充分にある場合には、充電作業を実施しなくてもよい。
上述したように、上記第1の実施形態によれば、ダストステーション2の第2吸引制御手段35が、第2電動送風機33の駆動力を第1吸引制御手段9で設定される動作モードに応じた駆動力とすることにより、掃除機1に設定された動作モードに応じてダストステーション2への塵埃の移送の制御を変更可能となる。したがって、掃除機1が例えば静音設定モードを使用して掃除する場合、ユーザが重視していると想定される掃除時の静音性を、掃除機1からダストステーション2側への塵埃の移送の際にも実施できるので、ユーザのニーズに応えた掃除装置3を提供できる。
具体的に、掃除機1の第1電動送風機7の動作モードが、第1電動送風機7の駆動力が相対的に小さいマナーモード等の場合、第2吸引制御手段35がダストステーション2の第2電動送風機33の駆動力を相対的に小さく設定するので、掃除機1の第1電動送風機7の動作モードが静音設定である場合、ダストステーション2の第2電動送風機33も動作音を抑制した動作状態とすることができる。したがって、第1電動送風機7と第2電動送風機33との動作を連動させ、掃除機1とダストステーション2とを連動させて静音性を保つことができる。
さらに、掃除機1とダストステーション2との接続時に、第1吸引制御手段9で設定された動作モードを示す情報を第2吸引制御手段35が掃除機1から受信する場合には、例えば掃除の開始時や終了時など、掃除機1とダストステーション2とが接続されているタイミングを利用して動作モードを示す情報を第2吸引制御手段35が取得できる。
また、第2吸引制御手段35が、掃除を終了した掃除機1がダストステーション2に接続された状態での第1通信手段8と第2通信手段34との通信に基づき動作モードを取得するので、取得された時点での第1電動送風機7の動作モードと、掃除を終了する時点での第1電動送風機7の動作モードとのマッチング等が不要で、掃除機1の第1電動送風機7の動作モードの設定に、ダストステーション2の第2電動送風機33の吸引動作を、より確実に連動させることができる。
さらに、掃除を終了した掃除機1がダストステーション2に接続されると、移送作業に移行するために第1通信手段8から吸引指示信号が出力されるので、その吸引指示信号を利用して、第1電動送風機7の動作モードに応じて吸引指示信号の種類を変えることで、第2吸引制御手段35に第1電動送風機7の動作モードを取得させるための専用の信号が不要となる。
一方、第1吸引制御手段9で設定された動作モードを示す情報を掃除機1およびダストステーション2に備えられた第1通信手段8および第2通信手段34によって第2吸引制御手段35が掃除機1から受信する場合には、掃除の最中など、掃除を完了したとき以外のタイミングでも第2吸引制御手段35が動作モードを取得することができるので、動作モードの通信タイミングを任意に選択できる。
特に、自律走行式の電気掃除機の場合には、掃除機1と、ダストステーション2とに、互いに無線通信する第1通信手段8と、第2通信手段34とが予め備えられていることが多いため、専用の構成を追加することなく、予め備えられた第1通信手段8と第2通信手段34とを利用して安価に製造することができる。
なお、上記第1の実施形態において、例えば、第1電動送風機7の動作モードを設定する際に、例えばユーザがリモコン又はマートフォン等の外部機器から動作モードを設定するための動作モード設定信号を出力する場合には、動作モード設定信号をダストステーション2の第2通信手段34により同時に受信するように構成することで、掃除機1の第1通信手段8を経由することなくダストステーション2の第2吸引制御手段35に第1電動送風機7の動作モードを取得させるようにしてもよい。
(第2の実施形態)
次に、図8を参照して第2の実施形態を説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態において、第2吸引制御手段35は、第1電動送風機7に設定された動作モードが、第1電動送風機7の駆動力が相対的に小さい静音設定のモードである場合、第2電動送風機33を動作させない状態とするものである。
第1電動送風機7の動作モードは、本実施形態において、例えば掃除機1の第1通信手段8とダストステーション2の第2通信手段34との吸引指示信号の通信の有無により取得される。より詳細に、掃除機1は、ダストステーション2に接続されたことを確認すると、第1電動送風機7の動作モードが静音設定でない場合に吸引指示信号を出力し、第1電動送風機7の動作モードが静音設定である場合に吸引指示信号を出力しない。
例えば図8のフローチャートに示すように、ステップS1の後、ステップS2において、静音設定でないと判断すると、吸引指示信号を第1通信手段8から出力する(ステップS15)。一方、ステップS2において、静音設定であると判断すると、吸引指示信号を第1通信手段8から出力せずにそのまま移送作業を実施しない。
そして、ダストステーション2の第2通信手段34により吸引指示信号が受信されると、第2吸引制御手段35により第2電動送風機33を通常の動作状態で動作させる。このため、第2吸引制御手段35は、第2通信手段34により吸引指示信号が受信されない場合、第2電動送風機33を動作させない。
このように、掃除機1の第1電動送風機7の動作モードが静音設定である場合、ダストステーション2の第2電動送風機33を動作させないので、掃除機1とダストステーション2とを連動させて静音性を保つことができる。
なお、上記第2の実施形態において、掃除機1の第1電動送風機7の動作モードが静音設定である場合、第2電動送風機33は、少なくとも次回の掃除終了時まで動作させないようにしてもよいし、例えばユーザにより動作を指示する動作指示信号が入力されたとき等、次回の掃除開始時までの任意のタイミングで動作させるようにしてもよい。
(第3の実施形態)
次に、図9を参照して第3の実施形態を説明する。なお、上記各実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の掃除機1が、二次電池を駆動源とする非自律走行式の電気掃除機である。掃除機1には、本体4に対して、ホース体51、延長管52、図示しない吸込口体等が接続されている。また、掃除機1は、ユーザが第1電動送風機7の動作モードを設定する設定手段として、図示しない設定ボタンをホース体51の先端側に備えている。そして、掃除機1としては、設定ボタンにより設定された動作モードとなるように第1吸引制御手段9により第1電動送風機7の駆動力が設定され、ホース体51を介して本体4を床面上でユーザが引っ張って走行させながら吸込口体等により床面を掃除する、キャニスタ型の電気掃除機を例に挙げて説明する。
掃除機1は、掃除が終了すると、ユーザによりダストステーション2に接続されて収納される。このとき、上記各実施形態と同様に、掃除機1の第1通信手段8から、第1電動送風機7の動作モードを示す信号が出力されると、ダストステーション2の第2通信手段34により信号が受信され、受信された信号が第2通信手段34から第2吸引制御手段35へと出力されることで、第1電動送風機7の動作モードがダストステーション2の第2吸引制御手段35により取得され、取得された動作モードに応じて第2電動送風機33の駆動力が設定される。この結果、上記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記第3の実施形態において、第1電動送風機7の動作モードを示す信号については、掃除終了時以外でも、掃除終了から所定時間後等とすることができる。
さらに、掃除機1とダストステーション2とは、無線通信手段により通信してもよい。この場合には、掃除機1とダストステーション2との接続時以外、例えば掃除中等でも、ダストステーション2の第2吸引制御手段35で動作モードを示す情報を取得することが可能になる。
また、上記各実施形態において、掃除機1は、自走式のロボットクリーナやキャニスタ型のものに限らず、スティック型、アップライト型、ハンディ型等、ダストステーション2に収納される任意の掃除機1について適用することが可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。