JP7013814B2 - 制御装置、制御方法、および制御プログラム - Google Patents

制御装置、制御方法、および制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、プラント等の装置を制御する制御装置、制御方法、および制御プログラムに関する。
温調制御装置や、PLC(Programmable Logic Controller)、DCS(Distributed Control System)等の制御装置、パーソナルコンピュータ、または組込み制御機器上で実装される制御装置が、産業上広く利用されている。
関連する技術として、制御対象の目標値追従を目的とする制御方式として、PID(Proportional Integral Differential)制御、モデル予測制御、内部モデル制御、LQG(Linear-Quadratic-Gaussian)制御、H2制御、H∞制御等の制御方式が用いられている。
また、関連する技術として、制御性能評価指数の計算に、任意の期間における目標値の平均値および制御偏差の標準偏差に基づく制御性指標を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、関連する技術として、現在に至るまでの過去の操作量の変化に応じた制御量の収束値の予測値と、目標値との差である補正目標偏差に基づいて新たな操作量を決定する制御装置が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
また、関連する技術として、目標偏差の現在値と操作量の変化量との関係を示す制御用論理式が成立する領域をグラフ上に表示する設計支援装置が提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
また、関連する技術として、駆動部での制約条件を満たす時系列データが駆動部へ入力可能となる初期状態変数集合に、従動部での状態変数が含まれる駆動モード切替条件を用いた駆動モード切替を行う制御装置が提案されている(例えば、特許文献4を参照)。
特開2000-305624号公報 国際公開第2016/092872号 国際公開第2015/060149号 特開2016-51298号公報
制御対象の装置であるプラントの制御ゲインを事前に調整したのち、運用時にプラントの特性が変動したり、外乱が加わったりするなどして、性能が事前に想定したものと異なる場合があるが、そのまま放置しておくと制御性能の低下につながるため、望ましくない。
例えば、特許文献1に開示されている制御性能の自動監視方法が考案されているが、制御偏差に基づく波形は、プラント伝達関数に大きく依存し、オーバーシュートや遅れが発生する場合がある。そして、オーバーシュートや遅れが、プラントの特性によるものなのか、事前に想定したプラントモデルと実際のプラントの誤差によるものなのか、区別することが困難である。
そこで、1つの側面として、本発明は、プラント伝達関数や応答特性によらず、統一された方法によって時系列としての制御性能を監視することができる制御装置を提供することを目的とする。
1つの態様では、制御対象装置から制御量を取得し、前記制御量に基づいて算出した操作量を前記制御対象装置に出力して、前記制御量を目標値に追従させる制御装置であって、前記制御量の目標値と前記制御量との差分を目標偏差現在値として算出する目標偏差算出部と、前記制御対象装置の応答モデルと、過去の前記操作量とに基づいて、前記制御量の収束値の予測値である終端応答補正値を算出し、前記目標偏差現在値と前記終端応答補正値との差分を補正目標偏差として算出する補正目標偏差算出部と、前記補正目標偏差に基づいて、新たな前記操作量を算出する操作量算出部と、所定時間毎の前記補正目標偏差を示す補正目標偏差時系列を生成し、該補正目標偏差時系列の、該補正目標偏差時系列の初期値に対する比率を変換補正目標偏差時系列として算出し、該変換補正目標偏差時系列を示すグラフを表示装置に表示させると共に、開始時刻がそれぞれ異なる複数の前記変換補正目標偏差時系列を前記グラフ上に同時に表示する制御応答監視部と、を含む。
1つの側面によれば、プラント伝達関数や応答特性によらず、統一された方法によって時系列としての制御性能を監視することができる。
第1の実施形態のシステムの全体構成を示す図である。 制御量および操作量の変化を示す図である。 補正目標偏差算出部の算出処理を示す図である。 操作変化量と補正目標偏差との関係を示す図である。 第1の実施形態における制御応答監視部の構成を示す図である。 第1の実施形態における制御装置の処理を示すフローチャートである。 制御装置の制御を伝達関数によるブロック線図を用いて近似的に表した図である。 第2の実施形態におけるシステムの全体構成を示す図である。 第2の実施形態における制御応答監視部の構成を示す図である。 第2の実施形態における制御装置の処理を示すフローチャートである。 第1の実施例におけるプラント応答モデルを示す図である。 第1の実施例における応答制約情報を示す図である。 第1の実施例における補正目標偏差と操作変化量との関係を示す図である。 第1の実施例の制御に関する各値の関係を示す図である。 第1の実施例における補正目標偏差時系列1を示す図である。 第1の実施例における補正目標偏差時系列2を示す図である。 第1の実施例における補正目標偏差時系列3を示す図である。 第1の実施例における収束率監視グラフを示す図である。 第2の実施例における、実際のプラントと、設計時に想定していたプラント応答モデルのそれぞれのステップ応答を示す図である。 第2の実施例の制御に関する各値の関係を示す図である。 第2の実施例における収束率監視グラフを示す図である。 第3の実施例におけるプラント応答モデルを示す図である。 第3の実施例における応答制約情報を示す図である。 第3の実施例における補正目標偏差と操作変化量との関係を示す図である。 第3の実施例の制御に関する各値の関係を示す図である。 第3の実施例における収束率監視グラフを示す図である。
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態のシステムの全体構成を示す図である。実施形態のシステムは、制御装置1と、制御装置1の制御対象であるプラント2と表示装置3とを含む。制御装置1は、コンピュータの一例である。制御装置1の制御対象の装置はプラントには限られず、例えば、空気調和機等の単体の装置であってもよい。
制御装置1は、タイマ11と計測部12と差分器13と操作量更新部14と制御応答監視部18とを含む。操作量更新部14は、補正目標偏差算出部15と操作変化量算出部16と加算器17とを含む。
タイマ11は、制御周期Tcを取得し、取得した制御周期Tcに基づく制御信号を計測部12と操作量更新部14とに出力する。
計測部12は、制御周期Tc毎に、制御対象のプラント2の制御量yを計測する。制御量yは、例えば、プラント2の温度である。計測部12は、取得した制御量yの最新の値を、プラント2の制御量現在値y0(t)として差分器13に出力する。また、計測部12は、操作量uを取得し、取得した制御量uの最新の値を、操作量現在値u0(t)として差分器13に出力する。
差分器13は、下記の式(1)に示すように、制御量の目標値rと制御量現在値y0(t)との差分を目標偏差現在値e0(t)として算出し、操作量更新部14の補正目標偏差算出部15に出力する。差分器13は、目標偏差算出部の一例である。
0(t)=r-y0(t) (1)
補正目標偏差算出部15は、制御対象のプラント2の応答モデルであるプラント応答モデルS(t)と、目標偏差現在値e0(t)と、過去の操作変化量の時系列{du(t)}に基づいて、補正目標偏差e*(t)を算出する。補正目標偏差e*(t)の算出方法の詳細は後述する。
操作変化量算出部16は、補正目標偏差e*(t)に基づいて、制御周期Tc毎に、操作変化量du(t)を算出する。操作変化量算出部16は、例えば、du(t-3Tc),du(t-2Tc),du(t-Tc)という順序でdu(t)を算出し、出力する。
加算器17は、制御量現在値u0と操作変化量duを加算して、新たな操作量uとして、プラント2に出力する。操作量uは例えば、プラント2における冷却水配管のバルブの操作量である。操作変化量duは、サンプリング時刻間の操作量uの変化量である。操作変化量算出部16および加算器17は、操作量算出部の一例である。
制御応答監視部18は、補正目標偏差e*(t)の時系列を収集し、サンプリング時刻{t1,t2,...tn}を取得し、時系列の初期値からの比率を変換補正目標偏差として算出する。また、制御応答監視部18は、変換補正目標偏差の時系列を示すグラフ(収束率監視グラフ)を表示装置3に表示させる。収束率監視グラフの生成について、詳細は後述する。
記憶部19は、制御装置1の制御に用いる各種情報を記憶する。制御装置1は、応答制約情報、サンプリング時刻、プラント応答モデル及び目標値を外部の情報処理装置等から取得してもよいし、予め記憶部19に記憶していてもよい。
プラント2は、操作量uに基づいて動作し、制御量yを計測部12に出力する。操作量uと制御量yとの関係は、プラント2に作用する外乱vの影響を受ける。
次に、補正目標偏差算出部15が、目標偏差現在値e0(t)と、操作変化量の時系列{u(t)}を用いて、補正目標偏差e*(t)を算出する際の計算手順を説明する。
制御装置1は、例えば、パーソナルコンピュータ、またはPLC(Programmable Logic Controller)等により実現される。制御装置1は、プロセッサが、メモリに展開した制御プログラムを実行することにより、実施形態の処理を実現する。制御装置1は、非一時的な記憶媒体であり、上記メモリに展開する制御プログラムを記憶する補助記憶装置を有していてもよい。
図2は、制御量および操作量の変化を示す図である。図2(a)は、測定値PV(Process Variable)を制御量yとしたときの時間変化を示す図である。図2(a)に示すように、現在時刻tに至るまでの過去の操作によって、制御量yは時々刻々と変化していく。図2(a)において、未来の操作変化がないと仮定した場合、現在時刻tに至るまでの操作によって、制御量が最終的に収束する値をy0+ynとする。
図2(b)は、操作量MV(Manipulative Variable)を操作量uとしたときの時間変化を示す図である。図2(c)は、操作量の変化量dMVを操作量duとしたときの時間変化を示す図である。図2(b)に示すように、操作量uは、操作量duに応じて、制御周期Tc毎に変動する。
図3は、補正目標偏差算出部15の算出処理を示す図である。
補正目標偏差算出部15は、補正目標偏差e*(t)の算出に、プラント応答モデルS(t)を用いる。プラント応答モデルS(t)は、例えば、制御対象のプラント2のステップ応答(単位ステップ入力に対する応答)の実測データに基づいて生成されたモデルあってもよい。プラント応答モデルS(t)は、単位ステップ入力に限らず、インパルス入力やランプ入力など他の形状の操作入力に対する応答から、適切な変換によって求めたものでもよいし、伝達関数や状態空間モデルなどの数式モデルであってもよい。
補正目標偏差算出部15は、プラント応答モデルS(t)と、過去の操作量uとに基づいて、制御量の収束値の予測値である終端応答補正値ynを算出する。そして、補正目標偏差算出部15は、下記の式(2)のように、目標偏差現在値e0(t)と終端応答補正値yn(t)との差分を、補正目標偏差e*(t)として算出する。
*(t)=e0(t)-yn(t) (2)
補正目標偏差算出部15は、補正目標偏差e*(t)の算出の前に、下記の式(3)のように、終端応答予測値ynA(t)と、自由応答予測値ynB(t)との差分を終端応答補正値yn(t)として算出する。
n(t)=ynA(t)-ynB(t) (3)
終端応答予測値ynA(t)は、過去の操作変化量duによる制御量yの十分未来における予測値である。補正目標偏差算出部15は、プラント応答モデルS(t)が示すステップ応答の収束値である終端ゲインS(∞)を算出する。そして、補正目標偏差算出部15は、モデル区間Aにおける終端応答予測値ynA(t)を、終端ゲインS(∞)を用いて、以下の式(4)のように算出する。
Figure 0007013814000001
kは、モデル区間Aにおける制御周期Tcの発生回数を示す。
自由応答予測値ynB(t)は、過去の操作量(操作変化量du)に基づく制御量yの予測値である。補正目標偏差算出部15は、モデル区間Aにおける自由応答予測値ynB(t)を、以下の式(5)のように、プラント応答モデルS(t)を用いて算出する。
Figure 0007013814000002
補正目標偏差算出部15が、例えば、ynA(t)およびynB(t)を記憶部19に記憶する。補正目標偏差算出部15は、終端応答補正値を予測するため、終端応答予測値ynA(t)として、1つの値を記憶すればよい。一方、補正目標偏差算出部15は、自由応答予測値ynB(t)として時系列を記憶するため、十分な大きさの記憶領域を確保する。
すなわち、補正目標偏差算出部15が、現在時刻をtとした場合、自由応答予測値ynB(t)の時系列データを記憶する。自由応答予測値ynB(t)の時系列データは、ynB(t-Δt)、ynB(t)、ynB(t+Δt)、ynB(t+2Δt)、…、ynB(T)という複数の値を含む。
自由応答予測値ynB(t)の時系列データのうち、現在の自由応答予測値は、時刻tにおけるynB(t)である。なお、上記Δtは、例えば制御周期Tcであるが、制御周期Tc以外の値であってもよい。
上記終端応答予測値ynA(t)と自由応答予測値ynB(t)は、新たな操作変化量du(t)が出力されるたびに更新される。
なお、補正目標偏差算出部15は、現在時刻より前のynB(t-Δt)、ynB(t-2Δt)、ynB(t-3Δt)、…等については、以降の計算に不要のため消去しても構わない。よって、補正目標偏差算出部15は、長さT分のバッファを用意しておき、適宜不要分の消去と新規分の更新を行うリングバッファ方式を用いることができる。
なお、記憶部19における自由応答予測値ynB(t)の記憶領域を節約するため、補正目標偏差算出部15は、自由応答予測値ynB(t)を、ARMA(Autoregressive moving average:移動平均自己回帰)モデルや状態空間モデルなどを用いて近似して計算しても構わない。ARMAモデルや状態空間モデルなどを用いて計算することにより、自由応答予測値ynB(t)の記憶容量を少なくすることができる。一例として、状態空間モデルでの計算を用いた場合、補正目標偏差算出部15は、自由応答予測値ynB(t)を、下記の(5’)のように計算する。
Figure 0007013814000003
図4は、操作変化量と補正目標偏差との関係を示す図である。図4は、補正目標偏差e*(t)と操作変化量duとの関係を、一次関数(du=a・e*+b)の形で示している。また、図4は、予め定められた、操作変化量duの上限値du_maxおよび下限値du_minを、示している。
なお、補正目標偏差e*(t)と操作変化量duとの関係は、一次関数に限られるものではなく、二次関数等の非線形関数でもよいし、予め量子化されたステップ状関数でもよいし、その他、制御上妥当な様々な関数を適用することができる。
例えば、特許文献3に開示されている方法では、目標偏差eと操作変化量duとの関係を将来の予測区間における目標偏差の予測値がある上下限範囲に収まるという条件を満たすような関係式が、論理式で求められる。結果として、目標偏差eと操作変化量duとの関係は2次元の領域で表されるため、その領域の範囲であれば、任意の関数を適用することができる。このように求めた制御関数を補正目標偏差e*(t)と操作変化量duとの関係に対しても適用することができる。
次に、制御応答監視部18の構成および動作の詳細を説明する。
図5は、第1の実施形態における制御応答監視部18の構成を示す図である。制御応答監視部18は、時系列生成部31と、時系列変換部32と、グラフ生成部33とを含む。
時系列生成部31は、補正目標偏差e*(t1)とサンプリング時刻{t1,...,tn}とを取得する。そして、時系列生成部31は、サンプリング時刻のうちの所定時刻を起点として、所定時間毎の補正目標偏差を示す補正目標偏差時系列を生成する。
例えば、時刻t1を起点とした補正目標偏差時系列である補正目標偏差時系列1は、{e*(t1),e*(t1+Δt1),e*(t1+Δt2),...,e*(t1+Δtn)}と表される。Δt1,...,Δtnは、所定時間の一例である。なお、Δt1は、所定時刻(例えば、00:00:00)からt1までの時間である。Δt2,...,Δtnに関しても同様である。
また、例えば、時刻t2を起点とした補正目標偏差時系列である補正目標偏差時系列2は、{e*(t2),e*(t2+Δt1),e*(t2+Δt2),...,e*(t2+Δtn)}と表される。
また、例えば、時刻t3を起点とした補正目標偏差時系列である補正目標偏差時系列3は、{e*(t3),e*(t3+Δt1),e*(t3+Δt2),...,e*(t3+Δtn)}と表される。
時系列変換部32は、補正目標偏差時系列の、該補正目標偏差時系列の初期値からの比率を変換補正目標偏差時系列として算出する。
補正目標偏差時系列1を初期値からの比率に変換した時系列である変換補正目標偏差時系列1は、{1,e*(t1+Δt1)/e*(t1),e*(t1+Δt2)/e*(t1),...,e*(t1+Δtn)/e*(t1)}と表される。
補正目標偏差時系列2を初期値からの比率に変換した時系列である変換補正目標偏差時系列2は、{1,e*(t2+Δt1)/e*(t2),e*(t2+Δt2)/e*(t2),...,e*(t2+Δtn)/e*(t2)}と表される。
補正目標偏差時系列3を初期値からの比率に変換した時系列である変換補正目標偏差時系列3は、{1,e*(t3+Δt1)/e*(t3),e*(t3+Δt2)/e*(t3),...,e*(t3+Δtn)/e*(t3)}と表される。
なお、各々の補正目標偏差時系列は、時刻が重なっていても構わない。例えば、時刻t1を00:00:00、時刻t2を00:00:30とし、サンプリング時刻を{00:00:10,00:00:20,00:00:30,…,00:01:00}とした場合、e*(00:00:30),e*(00:00:40),e*(00:00:50),e*(00:01:00)は、補正目標偏差時系列1にも補正目標偏差時系列2にも含まれる。
グラフ生成部33は、変換補正目標偏差の時系列を示す収束率監視グラフを生成する。グラフ生成部33は、上記のように求めた変換補正目標偏差時系列1~3をプロットすることにより、収束率監視グラフを生成する。上記では、補正目標偏差時系列および変換補正目標偏差時系列として、それぞれ3つを算出の例を示したが、補正目標偏差時系列および変換補正目標偏差時系列の数は、任意の数として構わない。
グラフ生成部33は、生成した補正目標偏差時系列および変換補正目標偏差時系列および収束率監視グラフを記憶部19に記憶するとともに、収束率監視グラフを表示装置3に表示させる。制御応答監視部は、例えば、開始時刻がそれぞれ異なる複数の変換補正目標偏差の時系列(例えば、上記変換補正目標偏差時系列1~3)をグラフ上に同時に表示する。制御応答監視部18は、補正目標偏差時系列および変換補正目標偏差時系列が所定の数に達した場合、古い時系列から削除してもよい。なお、グラフ生成部33が生成するグラフの具体例については、後述する。
図6は、第1の実施形態における制御装置1の処理を示すフローチャートである。計測部12は、制御周期Tc毎に、制御対象のプラント2の制御量yを計測する(ステップS101)。差分器13は、制御量の目標値rと制御量現在値y0(t)との差分を目標偏差現在値e0(t)として算出する(ステップS102)。
補正目標偏差算出部15は、プラント応答モデルS(t)が示すステップ応答の収束値である終端ゲインS(∞)に基づいて、制御量の未来における予測値である終端応答予測値ynA(t)を算出する(ステップS103)。補正目標偏差算出部15は、過去の操作量に基づく制御量の予測値である自由応答予測値ynB(t)を、プラント応答モデルS(t)に基づいて算出する(ステップS104)。
補正目標偏差算出部15は、終端応答予測値ynA(t)と、自由応答予測値ynB(t)との差分を終端応答補正値yn(t)として算出する(ステップS105)。補正目標偏差算出部15は、目標偏差現在値e0(t)と終端応答補正値yn(t)との差分を、補正目標偏差e*(t)として算出する(ステップS106)。
操作変化量算出部16は、補正目標偏差e*(t)に基づいて、制御周期Tc毎の操作変化量du(t)を算出する(ステップS107)。加算器17は、操作変化量du(t)と制御量現在値u0とを加算して、新たな操作量uとして、プラント2に出力する(ステップS108)。
制御応答監視部18は、所定時間毎の補正目標偏差e*(t)を示す補正目標偏差時系列を生成し、補正目標偏差時系列の、該時系列の初期値に対する比率を変換補正目標偏差として算出し、変換補正目標偏差の時系列を示すグラフ(収束率監視グラフ)を表示装置3に表示させる(ステップS109)。
制御装置1は、所定の終了条件が成立した場合(ステップS110でYES)、プラント2に対する制御を終了する。制御装置1は、所定の終了条件が成立していない場合(ステップS109でNO)、ステップS101の処理に戻る。すなわち、制御装置1は、所定の終了条件が成立するまで、ステップS101~S109の処理を繰り返す。
所定の終了条件とは、例えば、ユーザから終了指示が入力された場合、または制御対象のプラント2から停止指示を受信した場合等である。
図7は、制御装置の制御を伝達関数によるブロック線図を用いて近似的に表した図である。なお、制御器22(K(s))は、例えば、図1における操作変化量算出部16と加算器17との組み合わせに相当する。
差分器21は、目標値r(t)と加算器27の加算結果との差分を、補正目標偏差e*(t)として制御器22に出力する。なお、目標値r(t)は、時間とともに変換しない固定値(目標値r)であってもよい。
制御器22は、補正目標偏差e*(t)を入力し、K(s)を作用させ、新たな操作量u(t)を算出し、出力する。すなわち、制御器22は、操作変化量を毎回加算する。K(s)は、以下の式(6)のように、積分器で近似することができる。なお、kIは、積分ゲインである。
Figure 0007013814000004
この操作量u(t)は、制御器23(P*(s))、制御器24(P(s))、及び制御器25(P(0))に入力される。P*(s)は、制御対象のプラント2に対応するプラント伝達関数であり、P(s)は、プラントモデルであり、P(0)は、定常ゲインである。
制御器23は、操作量u(t)を入力し、プラント伝達関数P*(s)を用いて、制御量y(t)を算出し、出力する。制御量y(t)の最新の値が、制御量現在値y0となる。制御器24は、操作量u(t)を入力し、プラントモデルP(s)を用いて、自由応答予測値ynB(t)を算出し、出力する。算出器25は、定常ゲインP(0)を用いて、終端応答予測値ynA(t)を算出し、出力する。
差分器26は、制御量y(t)と自由応答予測値ynB(t)との差分v(t)を算出し、出力する。加算器27は、差分v(t)を終端応答予測値ynA(t)に加算する。差分器21は、目標値r(t)と加算器27の加算結果との差分を、新たな補正目標偏差e*(t)として制御器22に出力する。
制御装置1が実行する制御は、実プラント伝達関数P*(s)の出力値とプラントモデルP(s)の出力値との差分を計算する点で、内部モデル制御(IMC)と共通するが、定常ゲインP(0)による、目標偏差へのフィードバックがある点で異なっている。
制御装置1は、一般的なPID制御やモデル予測制御のように、目標偏差現在値e(t)に対して操作量を決定するのではなく、補正目標偏差e*(t)に対して操作量を決定する。これにより、余分な操作を行うことなく、制御量を目標値に収束させることができる。
一般的なPID制御やモデル予測制御を用いた場合、目標偏差現在値e(t)が0でなければ、操作変化を継続させるため、比例ゲインや積分時定数や微分時定数や重みなどの制御パラメータによっては、大きくオーバーシュートを起こす場合がある。一方、制御装置1は、例えば、補正目標偏差e*(t)が0であるならば、目標偏差現在値e(t)が大きい値であったとしても、操作変化量は0に保ったままであるので、オーバーシュートを抑制することができる。
また、補正目標偏差e*は、目標値r、および制御量y(t)と自由応答予測値ynB(t)との差分v、を用いると、以下の式(7)のように表される。
Figure 0007013814000005
また、式(7)を変形することにより、補正目標偏差e*は、以下の式(8)のように表される。
Figure 0007013814000006
プラント伝達関数P*(s)とプラントモデルP(s)が一致し、目標値r(t)が高さaのステップ関数であると仮定すると、vおよびr(s)は、以下の式(9)、(10)のように定義される。
Figure 0007013814000007
Figure 0007013814000008
また、補正目標偏差e*は、式(8)~(10)により、下記の式(11)のように表される。
Figure 0007013814000009
式(11)を、ラプラス逆変換することにより、下記の式(12)が得られる。
Figure 0007013814000010
よって、変換補正目標偏差時系列は、下記の式(13)のように表される。
Figure 0007013814000011
すなわち、変換補正目標偏差時系列は、時定数を(P(0)kI-1とする1次遅れ応答となる。P(0)は終端ゲイン、kIは積分ゲイン、Δtnはサンプリング時刻と所定時刻との差分であり、いずれも既知の値である。
以上のように、上記の理想条件(v=0)の仮定のもと、変換補正目標偏差時系列は、指数関数で近似される。
なお、本実施形態の制御装置1は、プラント伝達関数P*(s)の形式として、例えば、むだ時間系、一次遅れ系、二次遅れ系、振動系、その他任意の伝達関数を適用することができる。制御装置1は、プラント伝達関数P*(s)の形式に関わらず、変換補正目標偏差時系列を指数関数で近似できるため、同一の方法によって監視することができる。なお、本実施形態の制御装置1は、目標偏差の収束の遅さの観点から、時系列としての制御性能を監視することができる。
一方、目標偏差を単に監視するような一般的な方法では、制御量の波形は、プラント伝達関数に大きく依存し、オーバーシュートや遅れが発生する場合がある。よって、監視している制御量の波形にオーバーシュートや遅れがあった場合、プラントの特性によるものなのか、事前に想定したプラントモデルと実際のプラントの誤差によるものなのか、区別することが困難である。
<第2の実施形態>
図8は、第2の実施形態におけるシステムの全体構成を示す。第2の実施形態の制御装置1は、制御応答監視部18が応答制約情報を取得し、応答制約情報を収束率監視グラフの生成に用いる点で、第1の実施形態と異なる。制御応答監視部18は、応答制約情報を外部の情報処理装置等から取得してもよいし、予め記憶部19に応答制約情報が記憶されている場合、記憶部19の応答制約情報を取得してもよい。
応答制約情報は、プラント応答モデルから事前に想定される、変換補正目標偏差時系列の上限を表した応答上限制約時系列α(t)と、変換補正目標偏差時系列の下限を表した応答下限制約時系列β(t)とを含む。
制御応答監視部18は、変換補正目標偏差時系列とともに、応答上限制約時系列α(t)と応答下限制約時系列β(t)とを表示装置3に表示させる。
図9は、第2の実施形態における制御応答監視部18の構成を示す図である。図9に示すように、第2の実施形態における制御応答監視部18は、グラフ生成部33が応答制約情報α(t)およびβ(t)を取得する点で図5に示す第1の実施形態における制御応答監視部18と異なる。
グラフ生成部33は、変換補正目標偏差時系列とともに応答制約情報(応答上限制約時系列α(t)および応答下限制約時系列β(t))を可視化した収束率監視グラフを生成する。
制御応答監視部18は、例えば、上記の変換補正目標偏差時系列(式(13))を応答上限制約時系列α(t)に用いる。すなわち、応答上限制約時系列α(t)は、例えば、プラント2への外乱が0である場合の変換補正目標偏差時系列である。また、応答下限制約時系列β(t)は、理想的には0なので、制御応答監視部18は、応答下限制約時系列β(t)を全時刻において0としてもよい。
例えば、プラント伝達関数P*(s)とプラントモデルP(s)が一致しない場合には、上記の理想条件(v=0)が成立しない。この場合、実際の変換補正目標偏差時系列が応答上限制約時系列α(t)と応答下限制約時系列β(t)に収まらない場合がある。よって、応答上限制約時系列α(t)と応答下限制約時系列β(t)を示したグラフを実際のプラントとプラントモデルの一致性の判断に用いることができる。
応答制約情報の別の算出方法として、特許文献3に開示されている方法を用いてもよい。特許文献3に開示された方法では、目標偏差eと操作変化量duとの関係が、将来の予測区間における目標偏差の予測値がある上下限範囲に収まるという条件を満たすような関係式を、論理式で求めることができる。
したがって、実際に設定された操作変化量算出部16のゲイン、すなわちkIが、論理式が成り立つ領域で設定されているのであれば、条件として与えた、将来の予測区間における補正目標偏差の予測値の上下限時系列を、そのまま、応答制約情報として用いることができる。
図10は、第2の実施形態における制御装置1の処理を示すフローチャートである。図10に示すフローチャートは、ステップS109’以外の処理は、図6に示す第1の実施形態のフローチャートと同様であるため、同様の部分については、説明を省略する。
制御応答監視部18は、所定時間毎の補正目標偏差e*(t)を示す補正目標偏差時系列を生成し、補正目標偏差時系列の、該時系列の初期値に対する比率を変換補正目標偏差として算出する。そして、制御応答監視部18は、変換補正目標偏差時系列を、応答制約情報(応答上限制約時系列α(t)と応答下限制約時系列β(t))とともに収束率監視グラフとして表示装置3に表示させる(ステップS109’)。
以上のように、本実施形態の制御応答監視部18は、変換補正目標偏差時系列とともに応答制約情報を可視化した収束率監視グラフを生成し表示する。よって、想定される範囲に実際の変換補正目標偏差時系列が収まっているか、または逸脱しているかをユーザが視覚的に認識することができるので、制御性能を容易に監視することができる。また、第1の実施形態と同様に、本実施形態の制御装置1は、プラント伝達関数や応答特性によらず、統一された方法で、時系列としての制御性能を監視することができる。
なお、目標値rが一定で、目標偏差現在値e0(t)が0に収束している場合には、変換補正目標偏差時系列は0に収束しているので、収束率監視グラフ上での制御性能の良否判断が困難である。したがって、制御性能をチェックする目的で、わざと目標値rをステップ状に変化させ、そのタイミングで、変換補正目標偏差時系列を取得し、収束率監視グラフを生成しても構わない。
なお、変換補正目標偏差時系列が、応答上限制約時系列α(t)を上回ったり、応答加減制約時系列β(t)を下回ったりした場合に、制御応答監視部18は、表示装置3に警告を表示させても構わない。
<第1の実施例>
図11は、第1の実施例におけるプラント応答モデルS(t)を示す図である。図11に示す例は、実際に制御対象のプラントに対して単位ステップ操作を行った際の制御量y(t)の応答波形を示している。
図12は、第1の実施例における応答制約情報を示す図である。図12に示す応答制約情報は、特許文献3の方法を用いて予め設定した、将来の予測区間における変換補正目標偏差時系列の上下限時系列である。
図13は、第1の実施例における補正目標偏差と操作変化量との関係を示す図である。第1の実施例では、特許文献3に開示されている方法を用いて得られたプラントゲインの実行可能領域を示している。第1の実施例では、図13の実行可能領域に基づいて、補正目標偏差と操作変化量との関係を、下記の式(14)のように定める。
du(t)=Ke*(t) (K=0.715) (14)
なお、操作変化量du(t)の上限は0.5であり、下限は-0.5であるとする。
図14は、第1の実施例の制御に関する各値の関係を示す図である。図14(a)は、目標値r(t)、制御量y(t)、補正目標偏差e*(t)を示すグラフである。図14(b)は、操作量u(t)、操作変化量du(t)を示すグラフである。
図14(a)、(b)に示すように、時刻0で目標値がステップ状に変化した場合、目標値r(t)の変化に応じて操作変化量du(t)が増加し、結果として制御量y(t)が目標値r(t)に収束している。また、補正目標偏差e*(t)が0に収束している。
図15~図17は、第1の実施例における補正目標偏差時系列1~3を示す図である。第1の実施例において、サンプリング時刻は、{1.2,2.4,3.6}であるとする。そして、補正目標偏差時系列1は時刻0を起点とし、補正目標偏差時系列2は時刻1.2を起点とし、補正目標偏差時系列3は時刻2.4を、起点としている。
図15~図17に示すように、補正目標偏差e*(t)は、操作量(t)の増加に応じて減少し、0に収束している。
図18は、第1の実施例における収束率監視グラフを示す。図18には、補正目標偏差時系列1~3を変換した変換補正目標偏差時系列1~3がプロットされている。また、応答上限制約時系列α(t)および応答下限制約時系列β(t)が示されている。
図18に示す例では、各変換補正目標偏差時系列は、応答上限制約時系列α(t)と応答下限制約時系列β(t)との間に位置している。
第1の実施例に示すように、変換補正目標偏差時系列を、応答上限制約時系列α(t)および応答下限制約時系列β(t)とともに示すことにより、ユーザが容易に制御性能の監視を行うことができる。
<第2の実施例>
第2の実施例では、事前に想定していたプラントモデルと、実際のプラントとの間にずれがあり、その影響を収束率監視グラフによって監視できることを示す。
図19は、第2の実施例における、実際のプラントと、設計時に想定していたプラント応答モデルのそれぞれのステップ応答を示す図である。
事前に想定したプラント応答モデルは図11に示した第1の実施例の応答モデルと同一である。第2の実施例では、実際のプラントの特性が変化し、プラント応答モデルに対して、およそ10%のずれが生じている。
第2の実施例において、応答制約情報は、図12に示す例と同一である。また、第2の実施例において、補正目標偏差と操作変化量との関係は、図13に示す例と同一である。
図20は、第2の実施例の実際のプラントに対する制御に関する各値の関係を示す図である。図20(a)は、目標値r(t)、制御量y(t)、補正目標偏差e*(t)を示すグラフである。図20(b)は、操作量u(t)、操作変化量du(t)を示すグラフである。図20(a)に示すように、制御量y(t)は最終的に目標値に収束しているものの、第1の実施例の図14(a)における制御量y(t)と比較すると、制御量y(t)の目標値r(t)への収束が遅い。
また、補正目標偏差e*(t)は、オーバーシュートが発生しており、0への収束が図14(a)の例と比べると遅い。それに伴い、操作変化量du(t)の収束にも遅れが生じている。
図21は、第2の実施例における収束率監視グラフを示す図である。図21に示すように、変換補正目標偏差時系列は収束傾向にあるものの、図18に示す第1の実施例の収束率監視グラフと比較すると、オーバーシュートや収束の遅れが生じていることが分かる。
また、変換補正目標偏差時系列のうちいくつかは、応答上限制約時系列α(t)を超えており、全ての変換補正目標偏差時系列は、少なくとも一部の時間帯で、応答下限制約時系列β(t)を下回っている。
以上のように、本実施形態の制御装置1は、収束率監視グラフを出力することにより、事前に想定したプラントモデルと実際のプラントが異なることによる影響度合いをより明確にすることができる。
<第3の実施例>
第3の実施例では、プラント応答モデルにオーバーシュートがあり、制御応答にもオーバーシュートが生じる場合に、本実施形態の収束率監視グラフによって、統一された方法で、時系列としての制御性能を監視することができることを示す。
図22は、第3の実施例におけるプラント応答モデルを示す図である。第3の実施例では、実際にプラントに対して単位ステップ操作を行った際の応答波形を用いている。
第1の実施例における図11のモデルと比較すると、単位ステップ応答にオーバーシュートがあり、最大で終端ゲインの1.5倍の値がピークとなっている。
図23は、第3の実施例における応答制約情報を示す図である。図23に示す応答制約情報は、特許文献3の方法を用いて予め設定した、将来の予測区間における変換補正目標偏差時系列の上下限時系列である。
図24は、第3の実施例における補正目標偏差と操作変化量との関係を示す図である。第3の実施例では、特許文献3に開示されている方法を用いて得られたプラントゲインの実行可能領域を示している。第3の実施例では、図24の実行可能領域に基づいて、補正目標偏差と操作変化量との関係を、下記の式(15)のように定める。
du(t)=Ke*(t) (K=0.3) (15)
なお、操作変化量du(t)の上限は0.5であり、下限は-0.5であるとする。
図25は、第3の実施例の制御に関する各値の関係を示す図である。図25(a)は、目標値r(t)、制御量y(t)、補正目標偏差e*(t)を示すグラフである。図25(b)は、操作量u(t)、操作変化量du(t)を示すグラフである。
図25(a)、(b)に示すように、時刻0で目標値がステップ状に変化した場合、目標値r(t)の変化に応じて操作変化量du(t)が増加し、結果として制御量y(t)が目標値r(t)に収束している。また、補正目標偏差e*(t)が0に収束している。
第1の実施例における図14のグラフと比較すると、一旦、制御量y(t)が目標値の1.27倍程度までオーバーシュートしている点が異なる。制御量y(t)のオーバーシュートは、プラントの応答特性によるものであると考えられる。
図26は、第3の実施例における収束率監視グラフを示す図である。図26には、補正目標偏差時系列1~3を変換した変換補正目標偏差時系列1~3がプロットされている。また、応答上限制約時系列α(t)および応答下限制約時系列β(t)が示されている。
図26に示す例では、各変換補正目標偏差時系列は、応答上限制約時系列α(t)と応答下限制約時系列β(t)との間に位置している。すなわち、図25(a)に示すように制御量y(t)はオーバーシュートを起こしているものの、変換補正目標偏差時系列には、オーバーシュートの影響が表れない。第3の実施例のようなケースでは、変換補正目標偏差時系列を監視することにより、事前に想定したプラントモデルと実際のプラントの誤差を適切に監視することができる。
以上のように、本実施形態の制御装置1は、変換補正目標偏差時系列による収束率監視グラフを表示することで、プラント伝達関数や応答モデルの特性によらず、事前に設定した応答制約情報と比較することができる、統一された監視方法を提供することができる。
1 制御装置
2 プラント
3 表示装置
11 タイマ
12 計測部
13 差分器
14 操作量更新部
15 補正目標偏差算出部
16 操作変化量算出部
17 加算器
18 制御応答監視部
19 記憶部
31 時系列生成部
32 時系列変換部
33 グラフ生成部

Claims (7)

  1. 制御対象装置から制御量を取得し、前記制御量に基づいて算出した操作量を前記制御対象装置に出力して、前記制御量を目標値に追従させる制御装置であって、
    前記制御量の目標値と前記制御量との差分を目標偏差現在値として算出する目標偏差算出部と、
    前記制御対象装置の応答モデルと、過去の前記操作量とに基づいて、前記制御量の収束値の予測値である終端応答補正値を算出し、前記目標偏差現在値と前記終端応答補正値との差分を補正目標偏差として算出する補正目標偏差算出部と、
    前記補正目標偏差に基づいて、新たな前記操作量を算出する操作量算出部と、
    所定時間毎の前記補正目標偏差を示す補正目標偏差時系列を生成し、該補正目標偏差時系列の、該補正目標偏差時系列の初期値に対する比率を変換補正目標偏差時系列として算出し、該変換補正目標偏差時系列を示すグラフを表示装置に表示させると共に、開始時刻がそれぞれ異なる複数の前記変換補正目標偏差時系列を前記グラフ上に同時に表示する制御応答監視部と、
    を備えることを特徴とする制御装置。
  2. 前記制御応答監視部は、
    前記変換補正目標偏差時系列とともに、前記応答モデルに基づいて事前に想定される、前記変換補正目標偏差時系列の上限を表した応答上限制約時系列と、前記変換補正目標偏差時系列の下限を表した応答下限制約時系列とを表示する
    ことを特徴とする請求項1記載の制御装置。
  3. 前記応答上限制約時系列は、前記制御対象装置への外乱が0である場合の前記変換補正目標偏差時系列であり、
    前記応答下限制約時系列は、全時間帯において0である
    ことを特徴とする請求項2記載の制御装置。
  4. 前記応答モデルは、予め前記制御対象装置を用いて実測されたステップ応答に基づいて生成されたモデルである
    ことを特徴とする請求項1乃至のうち何れか1項に記載の制御装置。
  5. 前記補正目標偏差算出部は、
    前記ステップ応答の収束値である終端ゲインに基づいて、前記制御量の未来における予測値である終端応答予測値を算出し、
    前記応答モデルに基づいて、過去の前記操作量に基づく前記制御量の予測値である自由応答予測値を算出し、
    前記終端応答予測値と自由応答予測値との差分を前記終端応答補正値として算出する、
    ことを特徴とする請求項に記載の制御装置。
  6. 制御対象装置から制御量を取得し、前記制御量に基づいて算出した操作量を前記制御対象装置に出力して、前記制御量を目標値に追従させる処理をコンピュータに実行させる制御プログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記制御量の目標値と前記制御量との差分を目標偏差現在値として算出し、
    前記制御対象装置の応答モデルと、過去の前記操作量とに基づいて、前記制御量の収束値の予測値である終端応答補正値を算出し、前記目標偏差現在値と前記終端応答補正値との差分を補正目標偏差として算出し、
    前記補正目標偏差に基づいて、新たな前記操作量を算出し、
    所定時間毎の前記補正目標偏差を示す補正目標偏差時系列を生成し、該補正目標偏差時系列の、該補正目標偏差時系列の初期値に対する比率を変換補正目標偏差時系列として算出し、該変換補正目標偏差時系列を示すグラフを表示装置に表示させると共に、開始時刻がそれぞれ異なる複数の前記変換補正目標偏差時系列を前記グラフ上に同時に表示する
    処理を実行させるための制御プログラム。
  7. 制御対象装置から制御量を取得し、前記制御量に基づいて算出した操作量を前記制御対象装置に出力して、前記制御量を目標値に追従させる処理をコンピュータが実行する制御方法であって、
    前記コンピュータが、
    前記制御量の目標値と前記制御量との差分を目標偏差現在値として算出し、
    前記制御対象装置の応答モデルと、過去の前記操作量とに基づいて、前記制御量の収束値の予測値である終端応答補正値を算出し、前記目標偏差現在値と前記終端応答補正値との差分を補正目標偏差として算出し、
    前記補正目標偏差に基づいて、新たな前記操作量を算出し、
    所定時間毎の前記補正目標偏差を示す補正目標偏差時系列を生成し、該補正目標偏差時系列の、該補正目標偏差時系列の初期値に対する比率を変換補正目標偏差時系列として算出し、該変換補正目標偏差時系列を示すグラフを表示装置に表示させると共に、開始時刻がそれぞれ異なる複数の前記変換補正目標偏差時系列を前記グラフ上に同時に表示する
    処理を実行することを特徴とする制御方法。
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