JP7013787B2 - 風力発電用風車の状態監視装置、状態監視方法、及び状態監視システム - Google Patents

風力発電用風車の状態監視装置、状態監視方法、及び状態監視システム Download PDF

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Description

本発明は、風力発電用風車の状態監視装置、状態監視方法、及び状態監視システムに関し、より詳細には、風力発電用風車の異常、ならびに異常を引き起こす運転状態を事前に検出して、風車の重大破損を未然に防止することができる風力発電用風車の状態監視装置、状態監視方法、及び状態監視システムに関する。
従来、風力発電用風車の損傷を早期に検出して重大破損を未然に防止すべく、風車の状態監視が行われている。特に、軸受やギヤといった、比較的容易に補修が可能なものに対しての異常診断が行われており、その多くは、計測が容易な振動データを統計処理して経時変化を監視し、処理値が予め設定した閾値を超えた際に警告を出すといった手法がとられている。また、該処理値が予め設定された閾値を超えた際、FFTなどによる解析を行って損傷部位を特定する詳細診断を行うものもある(例えば、特許文献1~3参照。)。
特開2017-32520号公報 国際公開第2015/015987号公報 国際公開第2015/198793号公報
しかしながら、特定部位を対象とした振動には、風況の変化による荷重変動の影響が大きく含まれるため、閾値を適切な値に設定し難い問題がある。特許文献1に記載の状態監視装置及び状態監視方法では、軸受の異常の有無、損傷部位の特定、及び損傷の程度の検知を対象としているが、風況の変化や風車構造の劣化による荷重変動や残存寿命は算出できなかった。
特許文献2に記載の技術では、動力学解析を用いることで、風車全体構造を考慮した振動解析において軸受の損傷信号を模擬して、判定のための閾値を精度よく設定可能としている。しかし、実測時の外乱が過大である場合は効果が限定的になる虞がある。
また、特許文献3に記載の技術では、ナセル静止中に判定を行うことで、ナセルのヨー制御のための回転に伴う振動(外乱)によって判定精度が低下するのを防止している。しかしながら、ナセル静止中でも風況による影響は受けるため、全ての外乱の影響を除去することはできず、改善の余地があった。さらに、特許文献1~3は、いずれも風車毎に異なる風況の影響を理論的に考慮しておらず、監視される統計値に変化が起こるまでは補修計画を立てることができない問題があった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ウィンドファーム内の一機毎の風力発電用風車について、実際の風況による運転状態を把握し、その情報に基づいて設計寿命との差異を評価することで適切な補修計画を可能とすると共に、状態監視精度を向上させて的確な診断を可能とする風力発電用風車の状態監視装置、状態監視方法、及び状態監視システムを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 静止部材に対して相対的に回転する回転部品を有する風力発電用風車の状態監視装置であって、
前記静止部材又は前記回転部品に固定される第1の振動センサと、
前記風力発電用風車のナセルに固定される第2の振動センサと、
前記第1の振動センサにより検出された信号の波形を複数の損傷フィルタ周波数帯域に分割して抽出するフィルタ処理部と、
前記フィルタ処理部から転送されたフィルタ処理後の波形を周波数分析し、スペクトルデータを得る周波数分析部と、
前記抽出された損傷フィルタ周波数帯域において、前記回転部品の回転速度信号に基づいて算出した前記回転部品の損傷に起因する理論損傷周波数と、前記周波数分析部で得られたスペクトルデータに含まれる周波数成分とを比較し、前記回転部品の異常の有無及び異常の部位を特定する精密診断部と、
前記損傷フィルタ周波数帯域毎に算出される周波数帯域別診断値に基づいて、前記部位の損傷の程度を診断する損傷レベル診断部と、
前記異常の部位、該部位の損傷の程度、及び前記回転部品の運転環境から前記異常の部位の残存寿命を予測する残存寿命予測部と、
前記第2の振動センサにより検出された前記ナセルの振動の統計値に基づいて前記残存寿命を補正する残存寿命補正部と、
を備えることを特徴とする風力発電用風車の状態監視装置。
(2) 前記残存寿命補正部は、予め設定された前記ナセルの振動と前記回転部品の荷重との相関関係に基づいて、前記ナセルの振動の統計値の経時変化から前記回転部品の荷重を求め、前記経時変化後の前記回転部品の荷重により前記残存寿命を補正することを特徴とする(1)に記載の風力発電用風車の状態監視装置。
(3) 静止部材に対して相対的に回転する回転部品を有する風力発電用風車の状態を監視する風力発電用風車の状態監視方法であって、
前記静止部材又は前記回転部品に固定される第1の振動センサから信号を検出する第1の検出工程と、
前記風力発電用風車のナセルに固定される第2の振動センサから該ナセルの振動を検出する第2の検出工程と、
前記第1の振動センサにより検出された信号の波形を複数の損傷フィルタ周波数帯域に分割して抽出するフィルタ処理工程と、
前記フィルタ処理工程から転送されたフィルタ処理後の波形を周波数分析し、スペクトルデータを得る周波数分析工程と、
前記抽出された損傷フィルタ周波数帯域において、前記回転部品の回転速度信号に基づいて算出した前記回転部品の損傷に起因する理論損傷周波数と、前記周波数分析工程で得られたスペクトルデータに含まれる周波数成分とを比較し、前記回転部品の異常の有無及び異常の部位を特定する精密診断工程と、
前記損傷フィルタ周波数帯域毎に算出される周波数帯域別診断値に基づいて、前記部位の損傷の程度を診断する損傷レベル診断工程と、
前記異常の部位、該部位の損傷の程度、及び前記回転部品の運転環境から前記異常の部位の残存寿命を予測する残存寿命予測工程と、
前記第2の振動センサにより検出された前記ナセルの振動の統計値に基づいて前記残存寿命予測工程による前記残存寿命を補正する残存寿命補正工程と、
を備えることを特徴とする風力発電用風車の状態監視方法。
(4) 前記残存寿命補正工程は、予め設定された前記ナセルの振動と前記回転部品の荷重との相関関係に基づいて、前記ナセルの振動の統計値の経時変化から前記回転部品の荷重を求め、前記経時変化後の前記回転部品の荷重により前記残存寿命を補正することを特徴とする(3)に記載の風力発電用風車の状態監視方法。
(5) 静止部材に対して相対的に回転する回転部品を有する風力発電用風車の状態監視装置であって、
前記静止部材又は前記回転部品に固定される第1の振動センサと、
前記風力発電用風車のナセルに固定される第2の振動センサと、
前記第1の振動センサにより検出された信号の波形に基づいて前記回転部品の状態監視を行う演算処理部と、
を備え、
前記第2の振動センサが検出した前記ナセルの振動の統計値を風向ごとに比較して前記統計値または前記統計値の変動が低い風向を決定し、
前記演算処理部は、前記ナセルが前記風向に正対しているときに前記第1の振動センサにより検出された信号の波形に基づいて前記回転部品の状態監視を行うことを特徴とする風力発電用風車の状態監視装置。
(6) 前記第1の振動センサにより検出された信号の波形から所定の損傷フィルタ周波数帯域を抽出するフィルタ処理部をさらに備え、
前記演算処理部は、
前記フィルタ処理部から転送されたフィルタ処理後の波形を周波数分析し、スペクトルデータを得る周波数分析部と、
前記抽出された損傷フィルタ周波数帯域において、前記回転部品の回転速度信号に基づいて算出した前記回転部品の損傷に起因する理論損傷周波数と、前記周波数分析部で得られたスペクトルデータに含まれる周波数成分とを比較し、前記回転部品の異常の有無及び異常の部位を特定する精密診断部と、
を備えることを特徴とする(5)に記載の風力発電用風車の状態監視装置。
(7) 静止部材に対して相対的に回転する回転部品を有する風力発電用風車の状態を監視する風力発電用風車の状態監視方法であって、
前記静止部材又は前記回転部品に固定される第1の振動センサから信号を検出する第1の検出工程と、
前記風力発電用風車のナセルに固定される第2の振動センサから該ナセルの振動を検出する第2の検出工程と、
前記第1の振動センサにより検出された信号の波形に基づいて前記回転部品の状態監視を行う状態監視工程と、
前記第2の振動センサが検出した前記ナセルの振動の統計値を風向ごとに比較して前記統計値または前記統計値の変動が低い風向を決定する工程と、
を備え、
前記状態監視工程は、前記ナセルが前記風向に正対しているときに前記第1の振動センサにより検出された信号の波形に基づいて前記回転部品の状態監視を行うことを特徴とする風力発電用風車の状態監視方法。
(8) 前記第1の振動センサにより検出された信号の波形から所定の損傷フィルタ周波数帯域を抽出するフィルタ処理工程、
をさらに備え、
前記状態監視工程は、
前記フィルタ処理工程から転送されたフィルタ処理後の波形を周波数分析し、スペクトルデータを得る周波数分析工程と、
前記抽出された損傷フィルタ周波数帯域において、前記回転部品の回転速度信号に基づいて算出した前記回転部品の損傷に起因する理論損傷周波数と、前記周波数分析工程で得られたスペクトルデータに含まれる周波数成分とを比較し、前記回転部品の異常の有無及び異常の部位を特定する精密診断工程と、
を備えることを特徴とする(7)に記載の風力発電用風車の状態監視方法。
(9) 静止部材、又は該静止部材に対して相対的に回転する回転部品に固定される第1の振動センサ、及び、風力発電用風車のナセルに固定される第2の振動センサをそれぞれ有する複数の風力発電用風車と、
前記第1の振動センサにより検出された信号の波形に基づいて前記回転部品の状態監視を行う演算処理部と、
を有する複数の風力発電用風車の状態監視システムであって、
前記第2の振動センサが検出した前記各風力発電用風車の前記ナセルの振動の統計値を比較し、前記各風力発電用風車における風況の影響度合いを求めることを特徴とする複数の風力発電用風車の状態監視システム。
(10) 静止部材、又は該静止部材に対して相対的に回転する回転部品に固定される第1の振動センサから信号を検出する第1の検出工程と、
風力発電用風車のナセルに固定される第2の振動センサから該ナセルの振動を検出する第2の検出工程と、
前記第1の振動センサにより検出された信号の波形に基づいて前記回転部品の状態監視を行う状態監視工程と、
をそれぞれ行う複数の風力発電用風車の状態監視方法であって、
前記第2の振動センサが検出した前記各風力発電用風車の前記ナセルの振動の統計値を比較し、前記各風力発電用風車における風況の影響度合いを求めることを特徴とする複数の風力発電用風車の状態監視方法。
本発明の風力発電用風車の状態監視装置、及び状態監視方法によれば、風力発電用風車に組み込まれた回転部品に対し、異常の有無、異常の部位の特定及び損傷の程度を精度良く判断することができると共に、風況の影響を考慮した異常の部位の残存寿命を予測することができる。
また、本発明の風力発電用風車の状態監視装置、及び状態監視方法によれば、ナセルが、風況の影響が少ない方位に向いているときに回転部品の状態監視を行い、高い精度で風力発電用風車を監視することができる。
また、本発明の風力発電用風車の状態監視システム、及び状態監視方法によれば、風況の影響度合いを考慮しながら、複数の風力発電用風車の状態監視することができる。
本発明の実施形態に係る複数の風力発電用風車が設置されたウィンドファームの斜視図である。 本発明の実施形態に係る風力発電用風車、及びその状態監視装置の概略構成を示すブロック図である。 図2に示す演算処理器の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る状態監視装置の動作手順を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態に係る転がり軸受の傷の部位と、傷に起因して発生する振動周波数の関係を示す表である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る風力発電用風車の状態監視装置、状態監視方法、及び状態監視システムについて、図1~図5を参照しながら説明する。
図1に示すように、ウィンドファームFは、風力を用いて発電する複数の風力発電用風車50(50A~50D)により構成されている。各風力発電用風車50A~50Dは、略同等の高さを有し、ウィンドファームF内において、例えば、数百メートルの間隔をあけて設置されている。また、各風力発電用風車50A~50Dは、周辺の地形などによって変化する局所的な風況による外乱下において運転される。該外乱は、一般的にウィンドシアや乱流と言われるものであり、風力発電用風車50の発電効率を低下させる要因となる。このため、各風力発電用風車50A~50Dは、風況の影響が少なくなるように、後述するブレード52が風向に正対するようにナセル61の向きが制御されて発電する。ここで、ウィンドシアとは、風車の鉛直方向における風速の分布である。
図2に示すように、各風力発電用風車50は、主軸51と、ブレード52と、増速機53と、発電機54と、主軸受55とを主に備え、ブレード52を除く各部材がタワー60によって支持されるナセル61内に格納されている。ブレード52及びナセル61は、タワー60上に回動自在に支持され、風向に応じてヨー角が制御される。
主軸51の先端に設けられたブレード52は、風力を回転トルクに変換して主軸51に伝達する。主軸51は、主軸受55によって回転自在に支持され、風力を受けたブレード52が発生する回転トルクを、増速機53の入力軸へ伝達する。増速機53は、主軸51の回転速度を増速して発電機54へ出力する。増速機53は、例えば、それぞれ軸受により回転自在に支持された複数の軸を有する歯車増速機構によって構成される。
発電機54は、増速機53の出力軸に接続され、増速機53から受ける回転トルクによって発電する。発電機54は、例えば、誘導発電機によって構成され、不図示のロータが軸受により回転自在に支持されている。
主軸受55、増速機53及び発電機54内に配設される軸受は、例えば、自動調芯ころ軸受、円すいころ軸受、円筒ころ軸受、玉軸受等の転がり軸受で構成される。転がり軸受(図示せず)は、風力発電用風車50の回転軸に外嵌される内輪と、ハウジング等に内嵌される外輪と、内輪及び外輪との間で転動可能に配置された複数の転動体と、転動体を転動自在に保持する保持器と、を有する。
図2に示すように、本実施形態の風力発電用風車の状態監視装置10は、風力発電用風車50に組み込まれた回転部品である不図示の転がり軸受の異常を診断するものであり、転がり軸受から発生する振動(信号)を検出する第1の振動センサとしての軸受用振動センサ11と、ナセル61に設置されてナセル61の振動(信号)を検出する第2の振動センサとしてのナセル用振動センサ12と、風況計測部13と、転がり軸受の回転速度を検出する回転センサ(図示せず)と、風況判定部14と、軸受用振動センサ11、ナセル用振動センサ12、風況計測部13、及び回転センサで検出した信号を、データ伝送手段(伝送手段)15を介して受信し、信号処理を行って転がり軸受の異常の有無の診断、異常の部位の特定、及び損傷の程度又は損傷の進展状況の診断、及び異常の部位の残存寿命の予測をリアルタイムで行う演算処理器21(演算処理部)、及び風力発電用風車50を駆動制御する制御装置22からなる制御器20と、制御器20からの信号をデータ伝送手段31を介して受信する、モニタや警報機等からなる出力装置30を備えている。
軸受用振動センサ11、及びナセル用振動センサ12としては、加速度センサが一般的であるが、AE(アコーステックエミッション)センサ、超音波センサ、ショックパルスセンサ、あるいは速度、歪み、応力、変位型センサなど、振動を電気信号に変換できるものであれば特に限定されない。ノイズが多い機械に取り付ける場合には、絶縁型を使用したほうがノイズの影響を受けることが少ないので好ましい。
軸受用振動センサ11は、転がり軸受の固定輪である外輪のハウジング負荷圏に固定される。軸受用振動センサ11の固定方法には、ボルト固定、接着、ボルト固定と接着の併用、及び樹脂材による埋め込み等がある。軸受用振動センサ11を転がり軸受の回転輪である内輪に固定する場合には、側面に固定したり、スリップリングを用いて内径面に固定してもよい。
なお、ボルト固定の場合には、回り止め機能を備えるようにしてもよい。また、軸受用振動センサ11を樹脂材によってモールドすることで、水分の浸入を防止することができ、さらに外部からの加振に対する防振性が向上するため、センサ自体の信頼性を飛躍的に向上することができる。
ナセル用振動センサ12は、ナセル61の外殻に設置されて、ナセル61の振動を検出する。なお、ナセル用振動センサ12は、ナセル61の外殻の内部壁面や、内部の梁や柱に設置されてもよい。
風況計測部13は、風向、風速などの風況を計測するものであり、ナセル61に設けられた風向・風速計などが利用可能である。また、風況計測部13は、計測対象の移動速度を計測できる気象レーダ(ドップラーライダ)を風況計測器として利用することもでき、風車に近い地面に設置して、高度毎の風向・風速を計測するようにしてもよい。
風況判定部14は、風況計測部13によってリアルタイムで得られる風況に基づいて、例えば、風速風向出現頻度分布、乱れ度分布、風力、吹上角、ウィンドシア等の風況値を算出する。
制御装置22は、演算処理器21で得られた診断結果を、運転条件にフィードバック(回転数を落とすなど)するように、風力発電用風車50を駆動制御する。また、制御器20は、マイクロコンピュータ(ICチップ、CPU、MPU、DSP等)により構成されている。このため、後述する各処理をこのマイクロコンピュータのプログラムにより実行することができるので、装置を簡素化、小型化かつ安価に構成することができる。
また、本実施形態の場合、演算処理器21及び制御装置22を含む制御器20は、複数の風力発電用風車50A~50D毎に1台ずつ設けられてもよいし、複数の風力発電用風車50A~50Dに対して1台で構成されてもよい。或いは、制御器20は、複数の風力発電用風車50A~50D毎に1台ずつ設けられると共に、各制御器20のデータを送受信する別の制御器20をさらに有する構成であってもよい。
図3は、本実施形態に係る演算処理器21の主要な機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、演算処理器21は、データ収集・分配部211、回転分析部212、フィルタ処理部213、周波数分析部214、比較判定部215及び内部メモリ216を有して構成される。
なお、この演算処理器21は、前述した通りマイクロコンピュータで構成されており、即ち、このマイクロコンピュータ内に記録保持されたプログラムが実行されることにより、データ収集・分配部211等の各処理部は以下のような各処理を実行することになる。
データ収集・分配部211は、軸受用振動センサ11から送られる信号をA/D変換器によってデジタル信号に変換するとともに、回転速度に関する信号も同時に収集して一時的に蓄積し、信号の種類に応じて回転分析部212、フィルタ処理部213のいずれかに振り分ける。
なお、A/D変換器を軸受用振動センサ11に一体化される構成とし、前述のデータ伝送手段15を介してデジタル信号を受信するようにしてもよい。
回転分析部212は、回転センサから出力される信号を基にして内輪の回転速度を算出し、算出した回転速度を比較判定部215に出力する。
なお、回転速度検出手段が、内輪に取り付けられたエンコーダと、外輪に取り付けられた磁石または磁気検出素子と、により構成される場合は、出力信号がエンコーダの形状と回転速度に応じたパルス信号となる。このため、回転分析部212は、エンコーダの形状に応じた所定の変換関数、又は変換テーブルを有し、パルス信号から内輪の回転速度を算出する。
フィルタ処理部213は、バンドパスフィルタの機能を有し、軸受用振動センサ11の出力信号を、複数の損傷フィルタ周波数帯域に分割して抽出し、それ以外の不要な周波数帯域を除去する。損傷フィルタ周波数帯域は各軸受装置における固有振動数帯域に応じて設定される。この固有振動数は、インパルスハンマ等を用いた打撃法により被測定物を加振し、被測定物に取付けた振動検出器、又は打撃により発生した音響を周波数分析することにより容易に求めることができる。
なお、被測定物が転がり軸受の場合には、内輪、外輪、転動体、ハウジング等のいずれかに起因する固有振動数が与えられることになる。一般的に、機械部品の固有振動数は複数存在し、固有振動数における振幅レベルは高くなるので測定の感度がよい。
また、本実施形態のフィルタ処理部213は、該振動センサにより検出された信号の波形から、周波数分析される複数の損傷フィルタ周波数帯域を抽出するものであればよく、アナログフィルタとデジタルフィルタの少なくとも一方で構成されればよい。
周波数分析部214は、軸受用振動センサ11からの出力信号(実測データ)を基にして、転がり軸受から発生した振動信号の周波数分析を行う。この周波数分析部214は、振動信号の周波数スペクトルを算出するFFT演算部であり、FFTアルゴリズム及びエンベロープ分析に基づいて振動信号の周波数スペクトルを算出する。算出された周波数スペクトルは、スペクトルデータとして比較判定部215に出力される。
なお、周波数分析部214は、FFTを行う前処理として、絶対値化処理やエンベロープ処理を行い、異常の診断に必要な周波数成分のみに変換してもよい。また、必要に応じて、エンベロープ処理後のスペクトルデータ(エンベロープ周波数スペクトル)も併せて比較判定部215に出力する。
比較判定部215は、測定された転がり軸受の振動及び回転速度により、定期的に転がり軸受の状態監視を行う。具体的に、比較判定部215は、以下に示す簡易診断部、精密診断部、損傷レベル診断部、残存寿命予測部、及び残存寿命補正部を構成している。
簡易診断部は、軸受用振動センサ11により検出された信号の波形から得られる実効値、ピーク値、波高率の少なくとも一つの簡易診断値を算出して、各閾値と比較する。そして、「実効値、ピーク値、波高率>各閾値」であるときに、転がり軸受の異常有りと簡易診断する。
精密診断部は、簡易診断部にて異常ありと診断された場合に、図5に示す所定の関係式を用いて、転がり軸受の部位ごとの損傷に起因する理論損傷周波数を予め計算し、周波数分析部214で出力されたスペクトルデータを対象に、理論損傷周波数ごとの照合(「ピーク周波数=理論損傷周波数」の成否)により、軸受の傷などの異常の発生有無とその部位を特定する。
なお、理論損傷周波数の算出は、以前に同様の診断を行っている場合は、内部メモリ216に記憶しておいた過去のデータを用いてもよい。
損傷レベル診断部は、損傷部位の特定時又は特定後、損傷フィルタ周波数帯域毎に算出される周波数帯域別診断値に基づいて、部位の損傷の程度(損傷の程度:初期/進展期/末期)を診断する。なお、損傷の程度の診断手法としては、例えば、以下の2つが挙げられる。
(1)周波数帯域別診断値を振動実効値とし、損傷レベル診断部は、損傷フィルタ周波数帯域毎に算出される振動実効値を、正常品又は正常時の値とそれぞれ比較する。そして、正常品又は正常時の値に対する振動実効値の比の値を損傷フィルタ周波数帯域毎に判断することで、回転部品の損傷の程度又は損傷の進展状況を診断する。
(2)周波数帯域別診断値を周波数分析部214で得られたスペクトルデータから算出されたエンベロープ振動実効値とし、損傷レベル診断部は、損傷フィルタ周波数帯域毎に算出されるエンベロープ振動実効値を、正常品又は正常時の値と比較することで、回転部品の損傷の程度又は損傷の進展状況を診断する。
次に、残存寿命予測部では、異常の部位、該部位の損傷の程度、及び回転部品の運転環境から異常の部位の残存寿命を予測する。具体的には、損傷の程度の判別結果を基にした、損傷部の拡大予測解析を用いて、回転部品の残存寿命を求めている。
「損傷の拡大」は、疑似的に「き裂の損傷」とみなすことで、破壊力学的手法による予測を行うことが可能である。金属材料の疲労寿命においては、小き裂が疲労のごく初期段階で発生し、繰り返し作用する応力よって小き裂が進展する過程が大部分を占めており、この現象をモデルとして軸受の損傷拡大予測を行う。疲労現象におけるき裂進展挙動は、き裂長さとき裂に働く応力で表される線形破壊力学パラメータK(応力拡大係数)に支配され、き裂が安定して進展する領域では、Kの変動範囲ΔK(応力拡大係数範囲)とき裂進展速度da/dN(応力1サイクルあたりのき裂進展量)は両対数直線関係となることがParis則として知られている(式(1))。
Figure 0007013787000001
式(1)の関係は、疲労き裂進展特性を表す重要なデータであり、構造材料の疲労寿命設計の基礎となるものである。転がり軸受で見られる転動疲労き裂の進展は、モードIIによることが特徴的であり、例えば、下記非特許文献(1)~(3)などに記載のデータが有効である。また、モードIIの応力拡大係数は、岡崎らによって以下の式(2)のように表されることが明らかになっている(下記非特許文献(4))。
非特許文献(1):材料,vol.51,No.8(2002),pp.918-925,“ModeII疲労き裂進展下限界値ΔKIIthの測定”
非特許文献(2):材料,vol.50,No.10(2001),pp.1108-1113,“高硬度材料のモードII疲労き裂進展特性を求めるための新試験法”
非特許文献(3):材料,vol.54,No.12(2005),pp.1295-1300,“モードII疲労き裂進展特性とき裂駆動力の実験的評価”
非特許文献(4):Theoretical and Applied Fracture Mechanics, vol.73(2014), pp.161-169
Figure 0007013787000002
式(2)において、τはき裂に作用するせん断応力であり、Fは形状や材料のポアソン比によって決まる係数である。√(area)は、無限体中に依存する楕円状き裂の面積の平方根であり、即ち、前述の損傷部判定で判別される欠陥部面積を表すパラメータとみなすことができる。転がり軸受において、損傷欠陥は接触圧力によって生じるせん断応力によって軌道面と平行な方向(軌道輪円周方向)に進展する。このとき、損傷欠陥の軸方向の大きさは、軌道面に接触する転動体長さによって決まる定数とみなすことができるので、欠陥部面積パラメータ√(area)は、実質的に円周方向長さのみの関数とみなせる。従って、欠陥部面積パラメータ√(area)は、円周方向欠陥長さ2aを用いて以下の式(3)のように表わせる。
Figure 0007013787000003
式(3)において、C´は軸受の寸法諸元によって決まる係数である。
せん断応力τは、転動面に対して平行な面(すなわち、欠陥面に対しても平行)に作用する欠陥の遠方のせん断応力である。このせん断応力は、LundbergやHansonらの厳密解によって、最大接触面圧Pmaxに比例する応力として求めることができ、ここではその最大値を用いる。
転がり接触疲労の場合は、転動体の通過に伴って両振りのせん断応力が生じる。その振幅を公称せん断応力振幅τとすると、せん断応力範囲はΔτ=2τであるので、モードII応力拡大係数範囲ΔKIIは、式(3)も用いると以下の式(4)で表される。
Figure 0007013787000004
式(4)を用いると、き裂進展速度式(1)は次式(5)のように、欠陥長さaの関数として表すことができる。
Figure 0007013787000005
転がり疲労き裂進展速度式から疲労寿命Nを求めるには、き裂進展速度の逆数(dN/da)を、初期き裂長さaから疲労破壊時の最終き裂長さaまでの範囲において、き裂長さaで積分することにより得られる。すなわち、以下の式(6)のように求められる。
Figure 0007013787000006
ここで、初期き裂長さaは、損傷診断によって得られた損傷部の大きさ(サイズ)と考えることができ、最終き裂長さaは、運転上許容できる最大のサイズ(許容限界サイズ)を意味する。運転上許容できる最大のサイズとは、例えば音響性能の限界値に達する損傷部サイズ、もしくは軸受の回転トルクの許容限界値に達する損傷部サイズなどである。いずれの場合も対象にしても、任意の損傷部サイズをaとすることができる。
以上のように、損傷診断データから得られる損傷部サイズを基にして、損傷診断時から損傷部が許容限界サイズまで進展するまでのサイクル(すなわち、残存寿命)を求めることができる。加えて、該当軸受の回転速度n(min-1)と軸1回転当りの応力繰り返し数e(cycle/rev)を使うことによって、以下の式(7)のように簡単に残存寿命(日)を算出することができる。
Figure 0007013787000007
ウィンドシアや乱流の下では、風力発電用風車50のブレード52が受ける風のバランスにより、転がり軸受に作用する荷重(せん断応力τ)が異なり、風車内設備の支持構造に、設計条件から外れた荷重を受けることがあり、転がり軸受の残存寿命の予測に大きな影響を及ぼす。
前述したように、風力発電用風車50は、風況の影響が少ない方向に向くようにヨー角が制御されているが、風況の影響を完全に排除することは困難である。このため、風況によっては残存寿命の予測に補正が必要となる場合がある。また、風車構造の劣化によっても残存寿命に影響を及ぼす場合があり、残存寿命の予測に補正が必要となる。
残存寿命補正部では、ナセル用振動センサ12が検出したナセル61の振動の統計値の経時変化を求め、振動の統計値の経時変化を、風況の変化や風車構造の劣化として捉えることで残存寿命の補正を行う。即ち、ナセル61の振動の統計値の経時変化に上昇が見られた場合は、風車構造の劣化が懸念される。
残存寿命補正は、ナセル61の振動と転がり軸受の荷重(せん断応力τ)との相関関係を予め構造解析などの数値解析手段により求めておき、ナセル用振動センサ12が検出したナセル61の振動から転がり軸受の荷重を求める。そして、前述した残存寿命の予測手順に従って残存寿命の再計算を行って補正する。これにより風況の影響を考慮した精度の高い残存寿命の予測が可能となる。
このようにして判定された転がり軸受の診断結果は、内部メモリ216に記憶すると共に、風力発電用風車50の動作を制御する制御装置22へ出力され、診断結果に応じた制御信号をフィードバックする。制御装置22は、軸受に異常が発生したと診断された時には、軸受が組み込まれたアプリケーションの運転条件にフィードバック(負荷荷重を下げる、回転数を落とすなど)して、希望寿命に達するよう運転環境の調整を自動もしくは手動で行う。さらに、診断結果は、有線又はネットワークを考慮した無線を利用したデータ伝送手段31により出力装置30に送る。出力装置30は、遠隔地であってもよい。
内部メモリ216は、例えばメモリ又はHDD等により構成され、理論損傷周波数の算出に用いる各回転部品の設計諸元データと、比較判定部215により判定された転がり軸受の異常の有無の診断、異常の部位特定、異常部位の残存寿命に関する各データを記憶する。
出力装置30は、転がり軸受の診断結果をモニタ等にリアルタイムで表示する。また、軸受に異常が発生したと診断された時には、その警告とともに残存寿命(補正後の残存寿命も含む)の予測値を知らせる。警告および残存寿命予測値の告知方法は、軸受ユニットもしくはそれらが組み込まれたアプリケーションに備え付けられた表示灯や表示モニタに直接表示する他、ライトやブザー等の警報機を用いて使用者に異常であることの注意を促すようにしてもよい。
また、信号のデータ伝送手段31は、的確に信号を送受信可能であればよいので、有線でも良いし、ネットワークを考慮した無線を利用してもよい。
次に、このように構成された状態監視装置10の動作について説明する。図4は、状態監視装置10の動作手順を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1において、軸受用振動センサ11により転がり軸受から発生する振動及び回転センサにより転がり軸受の回転速度が検出され、この検出された振動信号及び回転速度信号は、データ伝送手段15を介して演算処理器21のデータ収集・分配部211に入力される。
なお、データ収集・分配部211では、入力されたアナログの振動信号を必要に応じて増幅し、A/D変換器によりデジタル信号に変換する。
次に、ステップS2において、データ収集・分配部211及び内部メモリ216に記憶されたデータをもとに、以降の診断に使用される診断パラメータを算出する。具体的に、診断パラメータとして、簡易診断に用いられる実効値(RMS)、ピーク値(PEAK)、波高率(CF)の少なくとも一つの簡易診断値の閾値、理論損傷周波数、損傷フィルタ周波数帯域が算出される。
次に、ステップS3において、軸受用振動センサ11により検出された信号の波形から得られる実効値(RMS)、ピーク値(PEAK)、波高率(CF)を各閾値と比較する簡易診断を行う。「実効値(RMS)、ピーク値(PEAK)、波高率(CF)>各閾値」であるときには、転がり軸受の異常有りとして、ステップS4に進み、各値が閾値以下である場合には、異常なしとして、ステップS1に戻り、次のタイミングでステップS1を実行する。
ステップS4では、演算処理器21にて、ステップS2で算出された損傷フィルタ周波数帯域毎に、軸受用振動センサ11により検出された信号の波形を分割して抽出する。
さらに、ステップS5では、演算処理器21にて、フィルタ処理部213から転送されたフィルタ処理後の波形をエンベロープ処理及び周波数分析を行い、スペクトルデータを得る。
そして、ステップS6では、比較判定部215にて、抽出された損傷フィルタ周波数帯域において、転がり軸受の回転速度信号に基づいて算出した転がり軸受の損傷に起因する理論損傷周波数と、演算処理部で得られたスペクトルデータに含まれる周波数成分とを比較し、ステップS7にて、転がり軸受の異常の部位を特定する。
つまり、転がり軸受の理論損傷周波数成分には、軸受傷成分Sx、即ち、内輪傷成分Si、外輪傷成分So、転動体傷成分Sb及び保持器成分Scがあり、この周波数成分それぞれのレベルを抽出することになる。そして、異常の部位が、内輪、外輪、転動体、保持器のいずれかであるかを特定する。
次に、ステップS8では、損傷フィルタ周波数帯域毎に算出される、上述した周波数帯域別診断値を用いたいずれかの手法により、部位の損傷の程度を診断する。
さらに、ステップS9では、異常の部位、該部位の損傷の程度、及び回転部品の運転環境から異常の部位の残存寿命を予測する。
また、ステップS10では、風況の変化に応じて、ナセル用振動センサ12が検出したナセル61の振動の統計値の経時変化から転がり軸受の荷重を求め、残存寿命の補正を行う。なお、統計値の経時変化が小さい場合には、残存寿命補正を省略することもできる。
このような手順を経て、回転部品である転がり軸受における異常の有無の診断、異常の部位の特定、部位の損傷の程度の診断、及び異常の部位の残存寿命の予測を行うことができる。
このように実施された診断の結果は、風力発電用風車50の動作を制御する制御装置22へ出力し、ステップS11では、診断結果に応じた制御信号をフィードバックする。さらに、有線またはネットワークを考慮した無線を利用したデータ伝送手段31によって出力装置30に送る。
以上説明したように、このような本実施形態に係る状態監視装置10、及び状態監視方法によれば、転がり軸受に固定される軸受用振動センサ11と、風力発電用風車50のナセル61に固定されるナセル用振動センサ12と、軸受用振動センサ11により検出された信号の波形を複数の損傷フィルタ周波数帯域に分割して抽出するフィルタ処理部213と、フィルタ処理部213から転送されたフィルタ処理後の波形を周波数分析し、スペクトルデータを得る周波数分析部214と、抽出された損傷フィルタ周波数帯域において、転がり軸受の回転速度信号に基づいて算出した転がり軸受の損傷に起因する理論損傷周波数と、周波数分析部214で得られたスペクトルデータに含まれる周波数成分とを比較し、転がり軸受の異常の有無及び異常の部位を特定する精密診断部と、損傷フィルタ周波数帯域毎に算出される周波数帯域別診断値に基づいて、部位の損傷の程度を診断する損傷レベル診断部と、異常の部位、該部位の損傷の程度、及び転がり軸受の運転環境から異常の部位の残存寿命を予測する残存寿命予測部と、ナセル用振動センサ12により検出されたナセル61の振動の統計値に基づいて予測された残存寿命を補正する残存寿命補正部と、を備える。これにより、風力発電用風車50に組み込まれた転がり軸受に対し、異常の有無、異常の部位の特定及び損傷の程度を精度良く判断することができると共に、風況の影響を考慮した異常の部位の残存寿命を予測することができる。
また、残存寿命補正部は、予め設定されたナセル61の振動と転がり軸受の荷重との相関関係に基づいて、ナセル61の振動の統計値の経時変化から転がり軸受の荷重を求め、経時変化後の転がり軸受の荷重により残存寿命を補正するので、風況の影響を考慮して異常の部位の残存寿命を補正することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る状態監視装置及び状態監視方法について、第1実施形態の状態監視装置10を参照して説明する。
第2実施形態では、各風力発電用風車50に設置された、ナセル用振動センサ12によりナセル61の振動を検出し、検出された信号の波形から実効値、ピーク値、波高率の少なくとも一つの統計値を算出して該統計値を風向ごとに比較する。そして、該統計値または該統計値の変動が低い風向を風況の影響が少ない風向として、この風向にブレード52が正対するようにナセル61の向きが制御された時に、軸受用振動センサ11で検出された信号に基づいて転がり軸受の状態監視を行う。あるいは、ナセル61が、該統計値または該統計値の変動が低い風向にブレード52が正対しているときの状態監視結果を有効にする。これにより、風況の影響を低減した高精度の状態監視を行うことができる。
このように、本実施形態に係る状態監視装置10、及び状態監視方法によれば、転がり軸受に固定される軸受用振動センサ11と、風力発電用風車50のナセル61に固定されるナセル用振動センサ12と、軸受用振動センサ11により検出された信号の波形に基づいて転がり軸受の状態監視を行う演算処理部21と、を備え、ナセル用振動センサ12が検出したナセル61の振動の統計値を風向ごとに比較して統計値または該統計値の変動が低い風向を決定し、ナセル61が該風向に正対しているときに演算処理部21が転がり軸受の状態監視を行うので、高い精度で風力発電用風車50を監視することができる。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
なお、本実施形態における軸受用振動センサ11により検出された信号の波形に基づいて転がり軸受の状態監視を行う状態監視工程は、第1実施形態のような、損傷の程度や、異常の部位の残存寿命まで特定するものに限定されず、簡易診断による異常の有無や、精密診断による部位の特定までを行うものであってもよい。
例えば、精密診断によって部位の特定まで行うのであれば、フィルタ処理部213は、軸受用振動センサ11により検出された信号の波形から所定の損傷フィルタ周波数帯域を抽出し、周波数分析部214は、フィルタ処理部213から転送されたフィルタ処理後の波形を周波数分析し、スペクトルデータを得る。そして、精密診断部が、抽出された損傷フィルタ周波数帯域において、転がり軸受の回転速度信号に基づいて算出した転がり軸受の損傷に起因する理論損傷周波数と、周波数分析部で得られたスペクトルデータに含まれる周波数成分とを比較し、転がり軸受の異常の有無及び異常の部位を特定すればよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る状態監視システム及び状態監視方法について、第1実施形態の状態監視装置10を参照して説明する。
第3実施形態では、図1に示すように、複数の風力発電用風車50A~50Dが設置されたウィンドファームFにおいて、各ナセル61の振動の統計値(実効値、ピーク値、波高率など)をナセル用振動センサ12によって検出する。そして、各ナセル61の振動の統計値を各風力発電用風車50A~50D間で比較することで、風況の影響度合いを風力発電用風車50A~50Dごとに求める。
即ち、ナセル用振動センサ12が検出したナセル61の振動の統計値を、同一ウィンドファームF内の他の風力発電用風車50の数値と比較し、数値の大小、経時変化の大小などをデータベース化して、同一ウィンドファームF内の各風力発電用風車50A~50Dに対し風況の影響度合いに関するランク付けを行う。そして、ウィンドファームF内の1つの風力発電用風車50に異常が発見された際には、このランク付けに基づいて補修計画を作成する。例えば、異常が発見された風力発電用風車50よりも風況の影響を受けやすい風車に対して、該異常が発生された風車の異常個所と同じ補修機材の手配計画を立てるなどして、損傷未検知の風力発電用風車50も含めた、ウィンドファームF全体の補修計画を最適化する。
このように、本実施形態に係る状態監視システム及び状態監視方法によれば、複数の風力発電用風車50A~50Dは、転がり軸受に固定される軸受用振動センサ11、及び、風力発電用風車50のナセル61に固定されるナセル用振動センサ12をそれぞれ有するとともに、軸受用振動センサ11により検出された信号の波形に基づいて転がり軸受の状態監視を行う演算処理器21をさらに備え、ナセル用振動センサ12が検出した各風力発電用風車50A~50Bのナセル61の振動の統計値を比較し、各風力発電用風車50A~50Bにおける風況の影響度合いを求めるので、ウィンドファームF内の複数の風力発電用風車50A~50Bを効率よく、高精度で監視して管理することができる。
なお、本実施形態の状態監視システムでは、演算処理器21は、複数の風力発電用風車50に対して共有されるもので、各風力発電用風車50A~50Dの各ナセル用振動センサ12が検出した各ナセル61の振動の統計値をデータ伝送手段15を介して取得し、各統計値を比較して、各風力発電用風車50A~50Dにおける風況の影響度合いを求めている。
したがって、外部に設けられた1台の演算処理部21によって、各風力発電用風車50A~50Dの軸受用振動センサ11により検出された信号の波形に基づいて、各転がり軸受の状態監視を行ってもよい。
その他の構成及び作用については、第1及び第2実施形態のものと同様である。
なお、本発明の状態監視装置、状態監視方法及び状態監視システムは、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、本発明の残存寿命を予測する手法は、本実施形態のものに限定されるものではない。その場合、異常の部位の残存寿命を求めるためのパラメータである、異常の部位の損傷の程度について説明する。転がり軸受の転がり疲れ寿命を判断する場合、表面もしくはその近傍を起点としたはく離寿命を用いる場合が多い。これを例に取ると、転がり軸受の異常初期は表面に摩耗が生じたり、混入異物による圧痕生成や金属組織の変化によって、局所的な応力集中が起こる。応力集中部が繰り返し応力を受けるとはく離に至り、転がり軸受の異常が進行する。
また、転がり軸受の取り付け場所は用途により異なるため、運転環境は良好な潤滑状態であったり、劣悪な潤滑状態であったり様々である。劣悪な潤滑状態とは、例えば、希薄な潤滑状態、異物が混入した潤滑状態、水が混入した潤滑状態、高温の潤滑状態があり、本発明では特に限定するものではない。
10 風力発電用風車の状態監視装置
11 軸受用振動センサ(第1の振動センサ)
12 ナセル用振動センサ(第2の振動センサ)
21 演算処理器(演算処理部)
50,50A-50D 風力発電用風車
61 ナセル
213 フィルタ処理部
F ウィンドファーム
Sb 転動体傷成分(軸受損傷周波数)
Sc 保持器成分(軸受損傷周波数)
Si 内輪傷成分(軸受損傷周波数)
So 外輪傷成分(軸受損傷周波数)

Claims (4)

  1. 静止部材に対して相対的に回転する回転部品を有する風力発電用風車の状態監視装置であって、
    前記静止部材又は前記回転部品に固定される第1の振動センサと、
    前記風力発電用風車のナセルに固定される第2の振動センサと、
    前記第1の振動センサにより検出された信号の波形を複数の損傷フィルタ周波数帯域に分割して抽出するフィルタ処理部と、
    前記フィルタ処理部から転送されたフィルタ処理後の波形を周波数分析し、スペクトルデータを得る周波数分析部と、
    前記抽出された損傷フィルタ周波数帯域において、前記回転部品の回転速度信号に基づいて算出した前記回転部品の損傷に起因する理論損傷周波数と、前記周波数分析部で得られたスペクトルデータに含まれる周波数成分とを比較し、前記回転部品の異常の有無及び異常の部位を特定する精密診断部と、
    前記損傷フィルタ周波数帯域毎に算出される周波数帯域別診断値に基づいて、前記部位の損傷の程度を診断する損傷レベル診断部と、
    前記異常の部位、該部位の損傷の程度、及び前記回転部品の運転環境から前記異常の部位の残存寿命を予測する残存寿命予測部と、
    前記第2の振動センサにより検出された前記ナセルの振動の実効値、ピーク値、波高率の少なくとも一つの統計値に基づいて前記残存寿命を補正する残存寿命補正部と、
    を備えることを特徴とする風力発電用風車の状態監視装置。
  2. 前記残存寿命補正部は、予め設定された前記ナセルの振動と前記回転部品の荷重との相関関係に基づいて、前記ナセルの振動の統計値の経時変化から前記回転部品の荷重を求め、前記経時変化後の前記回転部品の荷重により前記残存寿命を補正することを特徴とする請求項1に記載の風力発電用風車の状態監視装置。
  3. 静止部材に対して相対的に回転する回転部品を有する風力発電用風車の状態を監視する風力発電用風車の状態監視方法であって、
    前記静止部材又は前記回転部品に固定される第1の振動センサから信号を検出する第1の検出工程と、
    前記風力発電用風車のナセルに固定される第2の振動センサから該ナセルの振動を検出する第2の検出工程と、
    前記第1の振動センサにより検出された信号の波形を複数の損傷フィルタ周波数帯域に分割して抽出するフィルタ処理工程と、
    前記フィルタ処理工程から転送されたフィルタ処理後の波形を周波数分析し、スペクトルデータを得る周波数分析工程と、
    前記抽出された損傷フィルタ周波数帯域において、前記回転部品の回転速度信号に基づいて算出した前記回転部品の損傷に起因する理論損傷周波数と、前記周波数分析工程で得られたスペクトルデータに含まれる周波数成分とを比較し、前記回転部品の異常の有無及び異常の部位を特定する精密診断工程と、
    前記損傷フィルタ周波数帯域毎に算出される周波数帯域別診断値に基づいて、前記部位の損傷の程度を診断する損傷レベル診断工程と、
    前記異常の部位、該部位の損傷の程度、及び前記回転部品の運転環境から前記異常の部位の残存寿命を予測する残存寿命予測工程と、
    前記第2の振動センサにより検出された前記ナセルの振動の実効値、ピーク値、波高率の少なくとも一つの統計値に基づいて前記残存寿命予測工程による前記残存寿命を補正する残存寿命補正工程と、
    を備えることを特徴とする風力発電用風車の状態監視方法。
  4. 前記残存寿命補正工程は、予め設定された前記ナセルの振動と前記回転部品の荷重との相関関係に基づいて、前記ナセルの振動の統計値の経時変化から前記回転部品の荷重を求め、前記経時変化後の前記回転部品の荷重により前記残存寿命を補正することを特徴とする請求項3に記載の風力発電用風車の状態監視方法。
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