JP7013446B2 - Gaba(a)受容体モジュレーター、及び、喘息における気道過敏及び炎症を抑制するための方法 - Google Patents
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Description
本出願は、その全内容が参照により本明細書に援用される2016年8月16日に出願された米国仮特許出願第62/375,694号及び2016年11月29日に出願された米国仮特許出願第62/427,771号の利益を主張するものである。
本発明は、NIH助成金番号R01HL118561、R01MH096463、R01GM065281、及びR01HL122340の下、米国政府の支援によって行われた。米国政府は、本発明に対して一定の権利を有する。
R1は、COOH、カルボン酸エステル、カルボン酸等価体、又はカルボン酸エステル等価体であり;
Xは、C-H、C-F、C-Cl、C-Br、C-I、C-CF3、又はNであり;
R2及びR2’は、各々独立して、H、D、C1-4アルキル、CD3、F、Cl、CF3、CCl3、若しくはシクロプロピルであるか;又はR2及びR2’が一緒になって、所望に応じて置換されていてもよい環を形成し;及び
R3は、H、F、Cl、Br、CF3、CHF2、-OCF3、-OCHF2、CN、OH、-OC1-4アルキル、-C≡CH、又はシクロプロピルである。
R1は、COOH、カルボン酸エステル、カルボン酸等価体、又はカルボン酸エステル等価体であり;
nは、1又は2であり;並びに
R3は、H、F、Cl、Br、CF3、CHF2、-OCF3、-OCHF2、CN、OH、-OC1-4アルキル、-C≡CH、又はシクロプロピルである。
特定の官能基及び化学用語の定義を、以下でより詳細に記載する。本発明の目的のために、化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.の表紙裏の元素周期律表、CASバージョンに従って識別され、特定の官能基については、一般的に、本明細書に記載されるように定義される。加えて、有機化学の一般的原理、さらには特定の官能部分及び反応性については、各々の全内容が参照により本明細書に援用されるOrganic Chemistry, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito, 1999;Smith and March March's Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001;Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989;Carruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されている。
「ハロアルキル」の用語は、本明細書で用いられる場合、1又は複数の水素原子がハロゲンで置き換えられたアルキルを意味し、すべての水素がハロゲンで置き換えられたアルキル部分を含む(例:CF3などのペルフルオロアルキル)。
障害を治療するという意味において、「有効量」の用語は、本明細書で用いられる場合、対象への単一又は複数用量の投与によって、細胞の治療、又は対象の持つ障害の症状の治癒、軽減、緩和、若しくは改善に有効である化合物又は化合物を含む組成物の量を意味する。化合物又は組成物の有効量は、用途に応じて様々であり得る。障害を治療するという意味において、有効量は、疾患の状態、個人の年令、性別、及び体重、並びに化合物が個人に所望される応答を引き起こす能力などの因子に依存し得る。例えば、化合物の有効量は、任意のパラメータに、その化合物で治療されていない細胞(例:細胞の培養物)又は対象などのコントロールと比較して薬理学的に有用な変化を発生させる量である。
第一の態様では、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩が提供される。式(I)の実施形態は、X、R1、R2、R2’、及びR3、並びにこれらのいずれかの組み合わせの以下の記述を含む。
X、R2、R2’、及びR3のある組み合わせでは、Xは、C-H、C-F、C-Cl、C-Br、C-I、又はNであり;R2は、C1-4アルキル、CD3、F、Cl、CF3、CCl3、又はシクロプロピルであり;R2’は、H又はDであり;並びにR3は、H、F、Cl、Br、OH、OCH3、-C≡CH、又はシクロプロピルである。実施形態のいくつかでは、R2は、C1-4アルキル(例:CH3)である。さらなる実施形態では、R3は、H、F、Cl、Br、OH、OCH3、又はシクロプロピルであり、R2は、C1-4アルキルである。上述とのさらなる組み合わせでは、R1は、COOHである。
なおさらなる実施形態及び組み合わせでは、R10、R11、及びR12は、独立して、H、D、C1-6アルキル、又はC3-6シクロアルキルである。
上述によると、カルボン酸エステル等価体としては、
別の態様では、本発明は:
(R)-8-エチニル-6-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸(SH-053-2’F-R-CH3酸);
(R)-8-ブロモ-6-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸(GL-II-93);
(R)-8-シクロプロピル-6-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸(GL-III-43);
(R)-8-クロロ-6-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸(GL-III-54);
(R)-8-ブロモ-4-メチル-6-(ピリジン-2-イル)-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸(GL-II-51);
(R)-8-エチニル-4-メチル-6-(ピリジン-2-イル)-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸(GL-II-30);
(S)-7-メトキシ-1-(1H-テトラゾール-5-イル)-11,12,13,13a-テトラヒドロ-9H-ベンゾ[e]イミダゾ[5,1-c]ピロロ[1,2-a][1,4]ジアゼピン-9-オン(RJ-03-57);
(S)-N,7-ジメトキシ-9-オキソ-11,12,13,13a-テトラヒドロ-9H-ベンゾ[e]イミダゾ[5,1-c]ピロロ[1,2-a][1,4]ジアゼピン-1-カルボキシアミド(MRS-III-87);
(S)-N-シアノ-7-メトキシ-9-オキソ-11,12,13,13a-テトラヒドロ-9H-ベンゾ[e]イミダゾ[5,1-c]ピロロ[1,2-a][1,4]ジアゼピン-1-カルボキシアミド(MRS-III-90);
エチル(S)-7-ヒドロキシ-9-オキソ-11,12,13,13a-テトラヒドロ-9H-ベンゾ[e]イミダゾ[5,1-c]ピロロ[1,2-a][1,4]ジアゼピン-1-カルボキシレート(RJ-02-50);
(S)-7-ヒドロキシ-9-オキソ-11,12,13,13a-テトラヒドロ-9H-ベンゾ[e]イミダゾ[5,1-c]ピロロ[1,2-a][1,4]ジアゼピン-1-カルボン酸(RJ-03-90);
(S)-7-ヒドロキシ-1-(オキサゾール-5-イル)-11,12,13,13a-テトラヒドロ-9H-ベンゾ[e]イミダゾ[5,1-c]ピロロ[1,2-a][1,4]ジアゼピン-9-オン(RJ-03-30);及び
tert-ブチル(S)-7-ヒドロキシ-9-オキソ-11,12,13,13a-テトラヒドロ-9H-ベンゾ[e]イミダゾ[5,1-c]ピロロ[1,2-a][1,4]ジアゼピン-1-カルボキシレート(RJ-02-67);
から成る群より選択される化合物又はその医薬的に許容される塩を提供する。
5-(8-エチニル-6-(ピリジン-2-イル)-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-イル)オキサゾール(KRM-II-81);
5-(8-エチニル-6-フェニル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-イル)オキサゾール(KRM-II-82);
5-(8-エチニル-6-(2-フルオロフェニル)-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-イル)オキサゾール(KRM-II-18B);
メチル(R)-8-エチニル-6-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボキシレート(MP-III-004);
(R)-8-エチニル-6-(2-フルオロフェニル)-N,4-ジメチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボキシアミド(MP-III-022);
エチル-1,1-d28-エチニル-6-(ピリジン-2-イル)-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボキシレート(MP-III-068);
5-(8-エチニル-6-(ピリジン-2-イル)-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-イル)-3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール(MP-III-085);
3-エチル-5-(8-エチニル-6-(ピリジン-2-イル)-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-イル)-1,2,4-オキサジアゾール(MP-III-080);
エチル8-エチニル-6-フェニル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボキシレート(XHe-II-053);
エチル8-エチニル-6-(ピリジン-2-イル)-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボキシレート(HZ-166);及び
エチル8-エチニル-6-(2-フルオロフェニル)-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボキシレート(JY-XHe-053);
から成る群より選択される化合物又はその医薬的に許容される塩を提供する。
式(I)及び(II)の化合物は、市販の出発物質を用いて合成され得る。例示的な合成は、スキーム1~5、及び(Cook, J.M., Zhou, H., Huang S., Sarma, P.V.V.S., Zhang, C., 2009. Stereospecific anxiolytic and anticonvulsant agents with reduced muscle-relaxant, sedative hypnotic and ataxic effects、PCT国際公開第2006/004945(A1)号、米国特許第7,618,958号)にまとめて示される。
化合物は、受容体結合実験及び生体内法を含む数多くの方法を用いて分析することができる。。
別の態様では、本発明は、医薬的に許容されるキャリアと共に本発明の1又は複数の化合物を含む医薬組成物を提供する。そのような組成物は、経口、非経口、鼻腔内、舌下、若しくは直腸内投与用、又は吸入若しくは吹込による投与用の錠剤、丸剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、滅菌非経口溶液剤若しくは懸濁剤、定量エアロゾル若しくは液体噴霧剤、ドロップ剤、アンプル剤、自動インジェクタ装置、又は坐剤などの単位剤形であってよい。化合物が、薬物の適切な量を連続的に送達するように設計された経皮パッチに組み込まれてよいことも想定される。錠剤などの固体組成物を作製する場合、主活性成分が、トウモロコシデンプン、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、又はガムなどの従来の打錠成分を例とする医薬キャリア、及び水を例とする他の医薬希釈剤と混合されて、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩の均質な混合物を含有する固体予備調合組成物が形成される。これらの予備調合組成物が均質であると称される場合、それは、活性成分が組成物全体に均一に分散されており、それによって、組成物が、錠剤、丸剤、及びカプセル剤などの同等に有効である単位剤形に容易に細分割することができることを意味する。次に、この固体予備調合組成物は、本発明の活性成分の0.1~約500mgを含有している上記で述べた種類の単位剤形に細分割される。典型的な単位剤形は、1、2、5、10、25、50、又は100mgを例とする1~100mgの活性成分を含有している。新規な組成物の錠剤又は丸剤は、剤形に持続的な作用という利点を付与するために、コーティング、又はそうでなければ配合されてよい。例えば、錠剤又は丸剤は、内部用量成分及び外部用量成分を含んでいてよく、後者は、前者の上のエンベロープの形態である。これら2つの成分は、胃での崩壊に耐えるように作用し、内部成分が十二指腸へ無傷で送られるか、又は内部成分の放出が遅延されることを可能とする腸溶層によって分離されていてよい。そのような腸溶層又はコーティングには、様々な材料が用いられてよく、そのような材料としては、いくつかのポリマー酸、並びにポリマー酸とシェラック、セチルアルコール、及び酢酸セルロースなどの材料との混合物が挙げられる。
使用方法
本発明は、式(I)若しくは(II)の化合物又は組成物、又はその塩の有効量を投与することを含む、気道狭窄を低減する方法を提供する。ある実施形態では、式(I)又は(II)の化合物は、治療用量でのジアゼパムと比較して、対象におけるベンゾジアゼピン型CNS作用を低減した。ある実施形態では、気道狭窄は麻酔中に発生する。
実施例
例1.(R)-8-エチニル-6-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸(SH-053-2’F-R-CH3-酸)の合成
化合物7(2.0g、5.16mmol)をエタノール(100mL)中で撹拌し、3Mの水酸化ナトリウム(20mL、60mmol)を添加し、この溶液を加熱して1時間還流した。次に、反応溶液を室温まで冷却し、水(100mL)で希釈した。溶液を、溶媒の残りが半分となるまで減圧下に置いた。残った反応混合物を室温で撹拌し、塩酸(1M)を、生成物が析出するまで室温で滴下した。生成物をろ過し、水でリンスし、乾燥して、純粋な酸SH-053-2’F-R-CH3-酸を白色固体として得た(収率81%)。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 8.42(s,1H),7.94(d,1H,J=8.4Hz),7.82(d,1H,J=8.2Hz),7.56(dt,2H,J=7.8,6.5Hz),7.33(t,1H,J=7.4Hz),7.22(t,2H,J=9.3Hz),6.53(d,1H,J=7.1Hz),2.51(s,1H),1.16(d,3H,J=6.8Hz);13C NMR(75MHz,DMSO-d6)δ 164.76,162.81,158.19,140.57,136.57,135.54,134.74,133.18,132.65,131.88,129.88,129.35,125.17,123.98,121.09,116.53,116.25,83.42,82.01,49.79,15.08;HRMS(LCMS-IT-TOF)C21H14FN3O2に対する計算値(M+H)+ 360.1143,実測値 360.1140。
化合物4(5.1g、11.5mmol)をEtOH(150mL)に溶解し、その後、固体NaOH(0.9g、23mmol)を溶液に添加した。この反応混合物を、70℃に1時間加熱し、EtOHを減圧除去した。残った水溶液を、0℃で10分間にわたって撹拌し、次に10%のHCl水溶液を、pHが5(pH試験紙)となるまで溶液に滴下した。形成した淡白色の析出物を、溶液中に10分間放置し、次にろ過によって回収した。この固体を冷水で洗浄し、水層も室温で10時間放置して、追加の酸を得た。1つにまとめた固体を、真空オーブン中、80℃で7時間乾燥して、純粋なGL-II-93を白色粉末として得た(4g、9.7mmol、85.2%)。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.12(s,1H),7.73(d,J=7.6Hz,1H),7.63(s,1H),7.55(d,J=8.3Hz,1H),7.50-7.37(m,2H),7.25(t,J=7.3Hz,1H),7.07-6.99(m,1H),6.78(q,J=7.2Hz,1H),1.27(d,J=6.3Hz,3H);13C NMR(126MHz,CDCl3):δ 164.94,162.87,161.09,159.09,141.28,135.04,134.91,133.59,133.08,132.51,132.12,131.34,131.11,129.38,128.16,124.57,123.91,120.40,116.30,116.13,49.83,14.91;HRMS(LCMS-IT-TOF)C19H13N3O2FBrに対する計算値(M+H)+ 414.0248,実測値 414.0235。
化合物4(2.1g、4.8mmol)をトルエン(20mL)に溶解した。シクロプロピルボロン酸(1.0g、12.0mmol)及び水(1.5mL)をこの混合物に添加した。還流冷却管を取り付け、混合物を、真空下、アルゴンで脱気し、このプロセスを4回繰り返した。ビス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(II)アセテート(0.72g、0.96mmol)及びK3PO4を反応混合物に添加し、アルゴン/真空による脱気をさらに4回行った。次に、反応混合物を、アルゴン下で加熱して還流し、3時間撹拌した。反応混合物を、冷水を添加することによって反応停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層を1つにまとめ、塩水(2×150mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、溶媒を減圧除去して、褐色固体を得た。この粗固体を、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン 5:5)で精製して、純粋な化合物5をオフホワイト色固体として得た(1.2g、3.0mmol、65%)。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.88(s,1H),7.55(t,J=7.1Hz,1H),7.44(d,J=8.3Hz,1H),7.39(dd,J=13.3,5.8Hz,1H),7.19(dd,J=12.9,6.1Hz,2H),6.98(dd,J=18.9,9.9Hz,2H),6.64(q,J=7.2Hz,1H),4.45-4.25(m,2H),1.91-1.78(m,1H),1.38(t,J=7.1Hz,3H),1.24(d,J=7.3Hz,3H),1.04-0.88(m,2H),0.59(m,2H);13C NMR(126MHz,CDCl3):δ 164.17,163.12,161.12,159.12,143.88,141.58,134.85,132.09,131.65,131.21,129.16,129.04,128.47,127.87,124.33,121.95,116.08,115.91,60.59,50.05,15.04,14.64,14.44,9.91,9.89;HRMS(LCMS-IT-TOF)C24H22N3O2Fに対する計算値(M+H)+ 404.1769,実測値404.1763。
GL-III-54を、上記で報告した一般手順に従って化合物8から作製し、白色固体として得た(0.93g、2.5mmol、85%)。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 8.41(s,1H),7.97(d,J=8.4Hz,1H),7.84(t,J=10.0Hz,1H),7.65-7.52(m,2H),7.34(t,J=7.4Hz,1H),7.27-7.14(m,2H),6.56(q,J=7.0Hz,1H),1.17(d,J=6.9Hz,3H);HRMS(LCMS-IT-TOF)C19H13N3O2FClに対する計算値(M+H)+ 370.0753,実測値370.0752。
GL-II-51を、上記で報告した一般手順に従って化合物9から作製し、白色固体として得た(0.87g、2.2mmol、62%)。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 8.51(s,1H),8.38(s,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.98-7.89(m,2H),7.84(d,J=7.6Hz,1H),7.47(m,2H),6.54(d,J=5.3Hz,1H),1.17(d,J=6.4Hz,3H);HRMS(LCMS-IT-TOF)C18H13N4O2Brに対する計算値(M+H)+ 397.0295,実測値397.0299。
GL-II-30を、上記で報告した一般手順に従って化合物10から作製し、白色固体として得た(1.06g、3.1mmol、60%)。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 8.57(d,J=3.8Hz,1H),8.02(dd,J=27.8,13.9Hz,2H),7.84(t,J=6.6Hz,1H),7.69(d,J=8.0Hz,1H),7.57(d,J=8.2Hz,1H),7.42(s,1H),7.40-7.31(m,1H),6.72(q,J=7.0Hz,1H),3.15(s,1H),1.25(d,J=7.0Hz,3H);HRMS(LCMS-IT-TOF)C20H14N4O2に対する計算値(M+H)+ 343.1190,実測値343.1188。
DIBAL-H(1.2M、6.2mL、7.4mmol)を、20mLの乾燥テトラヒドロフラン中のナトリウムtert-ブトキシド(0.76g、7.9mmol)の溶液へ、0℃で添加した。得られた混合物を、アルゴン雰囲気下、室温で1時間撹拌した。次に、化合物15(1.5g、4.4mmol)を、0℃で上記溶液に添加し、アルゴン雰囲気下、室温で3時間(又は15が完全に消費されるまで)撹拌した。その後、濃NH3(28%、20mL)及びI2(4.57g、18.0mmol)を0℃で添加し、得られた混合物を、室温で3時間撹拌した。アルデヒド中間体が完全に消滅した後、反応混合物を、チオ硫酸ナトリウムの飽和溶液(約10mL)で処理し、酢酸エチルで抽出した(3×30mL)。1つにまとめた有機層を塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィ(70%、ヘキサン中の酢酸エチル)で精製して、ニトリル17を白色固体、1.225g、95%として得た。この時点で、30mLのテトラヒドロフラン中のニトリル17(0.295g、1.0mmol)の溶液へ、ZnBr2(0.34g、1.50mmol)及びNaN3(78mg、1.20mmol)を添加し、この混合物を、36時間(又は17が完全に消費されるまで)加熱して還流した。この溶液を、1MのHClで処理して、固体物質を溶解し、溶液のpHを1とした。溶液を酢酸エチルで抽出した(4×40mL)。溶媒を減圧蒸発させ、残渣を、ジクロロメタン中の7%メタノールでシリカの短パッドに通して、196mgのRJ-03-57、58%を得た。1H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ 1.96-2.14(m,2H),2.23-2.40(m,1H),3.40-3.50(m,1H),3.5-3.66(m,1H),3.89(s,3H),3.96-4.10(m,1H),4.95(d,1H,J=8.34Hz),7.31-7.38(m,1H),7.43(d,1H,J=2.8Hz),7.69(d,1H,J=8.8Hz),8.60(s,1H);13C NMR(75MHz,DMSO-d6):δ 24.7,27.9,46.6,52.3,56.3,115.1,119.2,123.5,126.0,126.5,130.9,137.7,155.4,159.3,163.3;HRMS(ESI)(M-H)C16H16N7O2に対する計算値336.1360;実測値336.1357。
化合物16(0.15g)、塩化チオニル(1mL)、及び乾燥CH2Cl2(8mL)の混合物を、オーブン乾燥した丸底フラスコにアルゴン下で投入した。この懸濁液を、アルゴン雰囲気下、52℃(外側のオイルバス温度は60℃であった)で1時間還流させた。溶液は黄色透明となった。出発物質が存在しないことを、薄層クロマトグラフィ(TLC)(シリカゲル)で溶液を調べることによって確認した。有機溶媒及び過剰の塩化チオニルを減圧除去した。乾燥ジクロロメタン(5mL)によるこのフラッシュ蒸発を2回繰り返して、過剰の塩化チオニル及びいずれのHClをも除去した。得られた黄色残渣を乾燥CH2Cl2(10mL)に溶解し、アルゴン下で10分間0℃に冷却した。次に、メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(2.5当量)、続いてトリエチルアミン(5当量)を、0℃で反応混合物に添加し、次にこの混合物を室温に戻し、4時間撹拌した。反応の完了後(TLC、シリカゲル)、溶媒を減圧除去し、アセトン(4mL)を残渣に添加した。ろ過によって塩を除去し、溶媒を減圧除去して、MRS-III-87を収率70%で得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.14-2.22(m,2H),2.30-2.39(m,1H),3.08-3.10(m,1H),3.51-3.57(m,1H),3.75-3.80(m,1H),3.88(s,3H),3.91(s,3H),4.72(d,1H,J=8.0Hz),7.14(dd,1H,J=8.8Hz,2.7Hz),7.28(d,1H,J=8.8Hz),7.58(d,1H,J=2.7Hz),7.69(s,1H),9.84(bs,1H);LCMS(ESI,m/z,相対強度(ESI),C17H17N4O4に対する計算値(M-H)+ 341.35;実測値 341.00。
化合物16(0.15g)、塩化チオニル(1mL)、及び乾燥CH2Cl2(8mL)の混合物を、オーブン乾燥した丸底フラスコにアルゴン下で投入した。この懸濁液を、アルゴン雰囲気下、52℃(外側のオイルバス温度は60℃であった)で1時間還流させた。溶液は黄色透明となった。出発物質が存在しないことを、TLC(シリカゲル)で溶液を調べることによって確認した。有機溶媒及び過剰の塩化チオニルを減圧除去した。乾燥CH2Cl2(5mL)によるこの蒸発を数回繰り返して、過剰の塩化チオニル及びいずれのHClをも除去した。得られた黄色残渣を乾燥CH2Cl2(10mL)に溶解し、アルゴン下で10分間0℃に冷却した。メチルシアナミド(2.5当量)、続いてトリエチルアミン(5当量)を、0℃で反応混合物に添加し、次にこの混合物を室温に戻し、5時間撹拌した。反応の完了後(TLC、シリカゲル)、溶媒を減圧除去し、アセトン(4mL)を残渣に添加した。ろ過によって塩を除去し、溶媒を減圧除去して、MRS-III-90を収率70%で得た。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 2.10-2.13(m,2H),3.34-3.58(m,3H),3.88(s,3H),3.91(s,3H),4.73(d,1H,J=7.5Hz,メジャー回転異性体83%),4.84(d,J=7.5Hz,マイナー回転異性体,17%),7.27-7.29(m,1H,メジャー回転異性体),7.31-7.33(m,マイナー回転異性体),7.38(d,1H,J=2.0Hz,メジャー回転異性体),7.41(d,J=2.5Hz,マイナー回転異性体),7.57(d,1H,J=8.5Hz,メジャー回転異性体),7.64(d,J=9.0Hz,マイナー回転異性体),8.00(s,1H,メジャー回転異性体),8.21(s,マイナー回転異性体),9.49-10.11(bs,1H);LCMS(ESI,m/z,相対強度(ESI),C17H14N5O3に対する計算値(M-H)+ 336.33;実測値 336.00。
オーブン乾燥した丸底フラスコに、乾燥CH2Cl2(50ml)を投入し、0℃に冷却した。次に、AlCl3(3g、22.8mmol)及びエタンチオール(4.5ml、60.8mmol)を、上記フラスコに0℃でゆっくり添加した。アイスバスを取り外し、反応液を室温まで戻した。AlCl3が完全に溶解した後、エステル15(2.6g、7.62mmol)を室温でこの混合物に添加し、Ar下で24~36時間撹拌した。反応の完了後(TLC、シリカゲル)、溶液を氷上に注ぎ、2NのHCl水溶液を用いて酸性化した。溶液を、CH2Cl2で5~7回、酢酸エチルで3~4回、別々に抽出した。1つにまとめた有機層を塩水で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧除去し、残渣を、[シリカゲル、CH2Cl2中の4%メタノール]でのフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して、RJ-02-50を固体(2.1g)として収率84%で得た。融点=>260℃(分解):1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.44(t,3H,J=7.1Hz),2.19-2.42(m,3H),3.55-3.64(m,2H),3.81-3.89(m,1H),4.42(q,2H,J=7.1Hz),4.82(d,1H,J=7.3Hz),7.13(dd,1H,J=8.7Hz,2.6Hz),7.27-7.31(m,1H),7.85(s,1H),7.91(d,1H,J=2.6Hz),9.22(s,1H);13CNMR(75MHz,CDCl3)δ 14.3,24.4,28.4,46.9,53.8,61.2,117.5,120.8,124.9,125.2,127.7,129.5,136.0,137.2,157.6,162.8,164.6;HRMS(ESI)(M+H)+ C17H18N3O4に対する計算値328.1292;実測値328.1293。
RJ-02-50(1.52g,4.6mmol)を、エタノール(4mL)及びH2O(3mL)の混合物に溶解し、その後、固体NaOH(1.0g、25.0mmol)をこの溶液に添加した。この反応混合物を、50℃に15分間加熱し、エタノールを減圧除去した。残った水溶液を、0℃で10分間にわたって撹拌し、次に濃HClを、pHが3~4(pH試験紙)となるまで溶液に滴下した。形成された淡黄色析出物を溶液中に残したままとし、この混合物を、室温で2時間撹拌した。析出物を、ろ過によって回収し、冷水(2~5mL)で洗浄し、水層も室温で10時間放置して、追加のRJ-03-90を得た。1つにまとめた固体を、真空オーブン中、80℃で7時間乾燥して、純粋なRJ-03-90を収率65%で得た。1H NMR(300MHz,CD3OD):δ 2.14-2.29(m,3H),3.50-3.63(m,2H),3.70-3.78(m,1H),4.95(d,1H,溶媒ピークと重複),7.15(d,1H,J=8.7Hz,3.0Hz),7.38-7.43(m,1H),7.53(d,1H,J=8.76Hz),8.48(m,1H);13C NMR(75MHz,CD3OD)δ 24.0,27.7,46.2,53.4,116.2,119.8,124.5,125.4,128.4,130.2,136.2,137.5,158.2,162.5,164.4;HRMS(ESI)(M+H)+ C15H14N3O4に対する計算値300.0979;実測値300.0990。
火炎乾燥した丸底フラスコに、乾燥テトラヒドロフラン(30mL)を投入し、リチウム棒(過剰量、小片に切断)を添加した。乾燥tert-ブタノール(2.6mL、27.1mmol)を、室温で上記フラスコに添加し、得られた混合物を、Ar下、tert-ブタノールが完全に反応するまで45~50℃に加熱した。この調製したばかりのリチウムtert-ブトキシド溶液を、RJ-02-50(1.0g、2.71mmol)を投入した別の火炎乾燥した丸底フラスコに、カニューレを用いて注意深く移し、Ar下、50℃で30分間撹拌した。反応の完了後(TLC、シリカゲル)、フラスコを室温まで冷却し、テトラヒドロフランを減圧除去した。氷水(10mL)を残渣に添加し、次にこれを酢酸エチルで抽出した。有機層を、水(2×10mL)及び塩水(15mL)で洗浄した。溶媒を減圧除去し、残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィ[シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン(7:3)]によって精製して、RJ-02-67を固体(0.72g)として収率65%で得た。融点=174~175℃:1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.63(s,9H),2.09-2.34(m,3H),3.50-3.62(m,2H),3.77-3.85(m,1H),4.79(d,1H,J=7.1Hz),7.10(dd,1H,J=8.6Hz,2.2Hz),7.23-7.28(m,1H),7.77(bs,1H),7.85(s,1H),9.75(bs,1H);13C NMR(75MHz,CDCl3)δ 24.4,28.2,28.3,46.9,53.7,82.0,117.4,120.7,124.9,125.1,129.1,129.6,135.8,136.2,157.7,162.3,164.6;HRMS(ESI)(M+H)+ C19H22N3O4に対する計算値356.1605;実測値356.1615。
DIBAL-H(1M、20.4mL、20.4mmol)を、30mLの乾燥テトラヒドロフラン中のナトリウムtert-ブトキシド(2.02g、21.02mmol)の溶液へ、0℃で添加した。得られた混合物を、アルゴン雰囲気下、室温で1時間撹拌した。次に、化合物15(4g、11.72mmol)を、0℃で上記溶液に添加し、アルゴン雰囲気下、室温で3時間(又は15が完全に消費されるまで)撹拌した。反応の完了後、メタノール(約15mL)、続いて5%HCl水溶液(20~30mL)を0℃で注意深く添加することによって過剰のDIBAL-Hを失活させた。この後、得られた混合物を室温に戻した。水層をCH2Cl2で抽出した(2×50mL)。1つにまとめた有機層を塩水で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧除去して、粗アルデヒドを得た。この残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(2:1 酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、純粋なジアゼピンアルデヒド18を白色固体として得た(3.325g、93%)。
α4及びα5-GABAARに対して選択的活性バイアスを有する化合物を識別することができる。パッチクランプアッセイを用いて、単一のα-サブユニットを含有するGABAARのアゴニズムに起因する塩化物イオン流に誘導される内向き電流を定量する。これらの結果から、GABAAR受容体-リガンド相互作用の機能的活性を微細に区別可能であることを実証することができる。アフリカツメガエル卵母細胞を用いた電気生理学実験では(Ramerstorfer et al. European journal of pharmacology 2010, 636, 8-27)、成体の雌アフリカツメガエル(Nasco、フォートアトキンソン、ウィスコンシン州、米国)を、氷冷した0.17%のTricain(エチル-m-アミノベンゾエート)バス中で麻酔し、その後、断頭し、このカエルの卵巣をND96培地(96mMのNaCl、2mMのKCl、1mMのMgCl2、5mMのHEPES;pH7.5)に移した。1mg/mlのコラゲナーゼ(Sigma-Aldrich、セントルイス、ミズーリ州、米国)中で30分間のインキュベーションに続いて、ステージ5から6の卵母細胞を卵巣から選び出し、白金ワイヤループを用いて濾胞除去した。卵母細胞を、100U・mL-1のペニシリン、100μg・mL-1のストレプトマイシン、及び2.5mMのピルビン酸塩を添加したNDE培地(96mMのNaCl、2mMのKCl、1mMのMgCl2、5mMのHEPES、1.8mMのCaCl2;pH7.5)中に18℃で保存し、インキュベートした。卵母細胞にmRNAの水溶液を注入した。卵母細胞あたり合計で2.5ngのmRNAを注入した。サブユニット比は、αxβ3γ2(x=1、2、3、5)受容体の場合は1:1:5、α4β3γ2受容体の場合は3:1:5であった。注入された卵母細胞は、電気生理学記録の前に、少なくとも36時間インキュベートした。卵母細胞を、NDE培地のバス中のナイロングリッド上に置いた。電流測定のために、2MのKClを充填した2つのマイクロ電極(2~3MΩ)を卵母細胞に刺入した。卵母細胞を、GABA及び/又は薬物を含有するNDEに切り替え可能である6mL・分-1のNDE流によって洗浄し続けた。薬物は、ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液からNDE中に希釈し、0.1%DMSOの最終濃度とした。mRNA注入卵母細胞で測定された最大電流は、すべての受容体サブタイプにおいてマイクロアンペアの範囲であった。化合物によるGABA誘導電流の変化を試験するために、個々の卵母細胞の対応する最大GABA誘導電流の3~5%(EC3~5)を引き起こすように滴定されたGABA濃度を、様々な濃度の試験化合物と一緒に細胞に適用した。記録はすべて、Warner OC-725C TEV(Warner Instrument、ハムデン、コネチカット州、米国)、又はDagan CA-1B Oocyte Clamp、又はDagan TEV-200A TEV(Dagan Corporation、ミネアポリス、ミネソタ州、米国)を用い、-60mVの保持電位において室温で行った。データは、Digidata 1322A又は1550データ取得システム(Axon Instruments、ユニオンシティ、カリフォルニア州、米国)を用いてデジタル化し、Clampex 10.5ソフトウェアを用いて記録し(Molecular Devices、サニーベール、カリフォルニア州、米国)、Clampfit 10.5及びGraphPad Prism 6.0(ラホヤ、カリフォルニア州、米国)を用いて分析した。濃度-応答データを、Hill方程式を用いてフィッティングした。データは、2つのバッチの少なくとも3つの卵母細胞から、平均±SEMで得られる。別の選択肢として、化合物のα4及びα5-GABAARに対する選択性は、自動パッチクランプアッセイによって識別することもできる。したがって、パッチクランプアッセイでは:α1β3γ2 GABAAR又はα4β3γ2を安定に発現するHEK293Tを、10%(体積/体積)のウシ胎仔血清及び1%のペニシリン/ストレプトマイシンを添加したL-グルタミンを含むRPMI1640培地で維持した(Forkuo et al., Molecular Pharmaceutics 2016, 13, 2026-38)。簡潔に述べると、IonFluxのプレートレイアウトは、12ウェルのユニットから成り、2つのウェルは、細胞内液(ICS、140mMのCsCl、1mMのCaCl2、1mMのMgCl2、11mMのEGTA、10mMのHEPESを含有、CsOHによりpH7.2)を含有し、1つのウェルは、細胞外液(ECS、140mMのNaCl、5.4mMのKCl、1mMのCaCl2、10mMのD-グルコース一水和物、及び10mMのHEPESを含有、NaOHによりpH7.4)に希釈した細胞を含有し、8つのウェルは、0.1%DMSOでのGABA(EC20濃度)の存在下、異なる濃度の1を含有する。ウェル1は、廃液回収用である。細胞は、陰圧を掛けることによって、懸濁液からアンサンブル記録アレイの微細チャネルに捕捉される。アレイがすべて占有されると、掛けられた陰圧が捕捉した細胞の膜を破壊し、ホールセル電圧固定が確立される。化合物の適用については、適切な化合物ウェルに圧力が掛けられ、それが、細胞上を高速で流れている細胞外液中に化合物を導入する。GABAAR誘導電流の記録については、細胞アレイを、-80mVの過分極保持電位で電圧固定した。自動パッチクランプでの使用の前に、細胞を380gで5分間遠心分離し、ECSに緩やかに再懸濁させた。これをさらに2回繰り返した後、細胞をプレートに分配した。化合物の適用はすべて3秒間で行い、続いて5秒間の洗浄を行った。
生体外細胞毒性アッセイを用いて、増加した細胞毒性を有する化合物を識別することができる。したがって、ヒト胚性腎293T(HEK293T)細胞株を購入し(ATCC)、75cm2フラスコ(CellStar)で培養した。細胞を、非必須アミノ酸(Hyclone、#SH30238.01)、10mMのHEPES(Hyclone、#SH302237.01)、5×106ユニットのペニシリン及びストレプトマイシン(Hyclone、#SV30010)、並びに10%の熱失活ウシ胎仔血清(Gibco、#10082147)を添加したDMEM/高グルコース(Hyclone、#SH3024301)培地で増殖させた。0.05%のトリプシン(Hyclone、#SH3023601)を用いて細胞を回収した。細胞生存アッセイは、ルシフェラーゼ及びATP以外のそのすべての基質を含有するCellTiter-Glo(商標)発光細胞生存アッセイキット(Promega、マジソン、ウィスコンシン州)を用いて評価した。用いた細胞毒性アッセイのコントロールは、(E)-10-(ブロモトリフェニルホスホラニル)デシル4-(4-(tert-ブチル)フェニル)-4-オキソブタ-2-エノエート(DMSO中の400μM、ポジティブコントロール)及びDMSO(ネガティブコントロール)とした。発光の読み取りはすべて、Tecan Infinite M1000プレートリーダーを用いて行った。少量の移送は、100nLピンツール移送装置(V&P Scientific)を有するTecan Freedom EVOリキッドハンドリングシステムで行った。96ウェルポリプロピレンプレート(Corning,#3365)で段階希釈を行い、アッセイは、384ウェル白色オプティカルボトムプレートで行った。アッセイは、4つの反復サンプルで、3回の独立した実験で行った。データは、コントロールに対して標準化し、可能である場合は、非線形回帰によって分析した(GraphPad Prism)。
血液脳関門を透過して、マウスの感覚運動技能を調節するCNS作用を誘導する能力を有する化合物を、ロータロッドを用いて識別することができる。雌のスイスウェブスターマウスを、ロータロッド装置(Omnitech Electronics Inc.、ノバスコシア、カナダ)上で15rpmの一定速度でバランスを保つように、マウスが3回の連続する時間点で3分間行うことができるまで訓練した。マウスの別々の群に、媒体(10%DMSO、40%プロピレングリコール、及び50%PBS)中の化合物の腹腔内(i.p.)注射、又は媒体(2%ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び2.5%ポリエチレングリコール)中での強制経口投与(p.o.)を、適切な体積である100μlで施した。各注射の10分後、30分後、及び60分後に、マウスを3分間ロータロッドに置いた。3分間の前にマウスがロータロッドから落下した場合は、その時間を記録し、マウスの群で平均した。独立t検定(GraphPad Prism)を用いて、*p<0.05、**p<0.01、及び***p<0.001における有意差を判定した。図2は、感覚運動協調に対する化合物の効果を示す。スイスウェブスターマウスを、化合物曝露の10分後、30分後、及び60分後に、15rpmで3分間のロータロッドで試験した。マウス(N=10)に、試験化合物の単一注射(i.p.又はp.o.)を施した。3分までに落下した場合は、落下時間を記録した。データは、平均±SEM(N=10)で表す。スチューデントt検定を用いて、有意差:媒体処理マウスと比較した有意差*(p<0.05)、**(p<0.01)、又は***(p<0.001)、を算出した。調べた化合物はいずれも、試験した濃度において感覚運動障害をまったく誘導しなかった。
生体内での化合物の代謝安定性を、肝臓ミクロソームの存在下での化合物の安定性によって推定することができる。したがって、最終濃度10μMの試験化合物の1mM DMSO溶液の4μLを、デジタルヒーティングシェイキングドライバス(Fischer scientific、ピッツバーグ、ペンシルベニア州)上において、282μLの水、80μLのリン酸緩衝液(0.5M、pH 7.4)、20μLのNADPH Regenerating System Solution A(BD Bioscience、サンノゼ、カリフォルニア州)、及び4μLのNADPH Regenerating System Solution B(BD Bioscience、サンノゼ、カリフォルニア州)を含有する混合物中の合計体積391.2μLで、37℃で5分間予備インキュベートした。予備インキュベーションの後、0.5mg/mLのタンパク質濃度のヒト肝臓ミクロソーム(BD Gentest、サンノゼ、カリフォルニア州)又はマウス肝臓ミクロソーム(Life technologies、ロックフォード、イリノイ州)のいずれかの8.8μLを添加することによって反応を開始した。0分(ミクロソームなし)、10分、20分、30分、40分、50分、及び60分の時間間隔で50μLのアリコートを取った。各アリコートを、1μMのベラパミルHClを内標準として含有する100μLの冷アセトニトリル溶液に添加した。続いて、10秒間の超音波処理、及び10000rpmで5分間の遠心分離を行った。上澄の100μLをSpin-X HPLCフィルターチューブ(Corning Incorporated、ニューヨーク州)に移し、13000rpmで5分間遠心分離した。ろ液を、100倍に希釈し、続いて、Shimadzu LCMS 8040(Shimadzu Scientific Instruments、コロンビア、メリーランド州)を用いたLC-MS/MSによって分析した。内標準及び試験化合物のピーク面積比を、すべての時間点で算出し、その比の自然対数を時間に対してプロットして、直線の傾き(k)を特定した。代謝速度(k*C0/C)、半減期(0.693/k)、及び内部クリアランス(V*k)を算出し、ここで、kは、傾き、C0は、試験化合物の初期濃度、Cは、ミクロソームの濃度、及びVは、mg単位のミクロソームタンパク質あたりのμL単位のインキュベーション体積である。実験はすべて、3つの反復サンプルで2回繰り返した。
すべての実験は、コロンビア大学IACUCの承認後に行った。成体の雄ハートレーモルモットを、腹腔内ペントバルビタール投与(100mg/kg)によって安楽死させた。気管を外科切除し、2つの軟骨輪を含有する断面に切断した。軟骨輪を、少なくとも5回緩衝液を交換して1時間にわたって洗浄し、ペントバルビタールをすべて除去する。上皮をコットンスワブで除去した後、軟骨輪を4mLのジャケット付きオルガンバス(Radnoti Glass Technology)に2本のシルク糸で吊るし、筋張力を連続的にデジタル記録するために、一方の糸を、Biopacハードウェア及びAcknowledge7.3.3ソフトウェア(Biopac Systems)を介してコンピュータと結合されたGrass FT03力変換器(Grass-Telefactor)に取り付けた。軟骨輪を、10μMのインドメタシン(DMSO媒体最終濃度0.01%)を含む4mlのKH緩衝溶液(mM単位での組成:118 NaCl、5.6 KCl、0.5 CaCl2、0.2 MgSO4、25 NaHCO3、1.3 NaH2PO4、5.6 D-グルコース)に浸漬し、pH7.4、37℃で、95%O2及び5%CO2によって連続的にバブリングした。軟骨輪を、新しいKH緩衝液を15分毎に添加しながら、1gの等張性張力で1時間平衡化した。すべての軟骨輪を、10μMのN-バニリルノナンアミド(カプサイシン類似体)により、次に累積的に増加する濃度のアセチルコリン(0.1~100μM)のサイクル2回を、サイクル間及び2サイクル後に充分に緩衝液洗浄し静止張力を1.0gにリセットして行うことにより、予備収縮させた。テトロドトキシン(1μM)及びピリラミン(10μM)をバス中の緩衝液に添加して、気道神経及びヒスタミン受容体の交絡的影響を除去した。1.0gの静止張力での安定なベースラインが確立された後、気管軟骨輪を1μMの物質Pで収縮させた。ピーク収縮に到達した後、示した濃度の化合物又は媒体(0.1% DMSO)をバスに添加した。化合物曝露後の示した時間点で残留する初期収縮のパーセントを、媒体処理組織での残留収縮力のパーセントとして表し、群間で比較した。図3A~3Cは、モルモットの気管軟骨輪における気道平滑筋の収縮力を示す。気管軟骨輪を1mMの物質Pで収縮させ、次に50mMの化合物又は媒体コントロール(0.1%DMSO)で処理した。残留収縮力のパーセントを様々な時間点で測定し、初期物質P誘導収縮力に対するパーセントとして表した。(N>6)2元配置ANOVAを用いて、*(p<0.05)、**(p<0.01)、又は***(p<0.001)での有意差を算出した。p-値は各条件に対して与えられる。RJ-03-57以外の調べた化合物はすべて、15分後に、少なくとも60分間にわたって気道平滑筋の狭窄を低減した。
ヒト気道平滑筋条片を、肺移植に伴う健康なドナー肺から得たヒト気管から切除した。実験は、コロンビア大学治験審査委員会(IRB)によるレビューを受け、ヒトを対象とする研究ではないと見なされた。条片を、上記のように、酸素添加KH緩衝液中、37℃、静止張力1.5gでオルガンバスに吊るした。15分毎に緩衝液を交換しながらの1時間の平衡化後、条片を、増加する濃度のアセチルコリン(100nM~1mM)のサイクルを3回、これらの予備収縮チャレンジの間及び後の充分な緩衝液交換と共に行うことで収縮させた。MK571(10μM)、ピリルアミン(10μM)、及びテトロドトキシン(1μM)を緩衝液に添加し、その後、各条片を、その個々に算出したアセチルコリンのEC50濃度に対して収縮させた。収縮力の増加が横ばい状態に達した時点で(典型的には15分)、100μMの化合物又はその媒体(0.2% エタノール)を緩衝液に添加し、収縮力の維持を1時間にわたって連続的に測定した。15分、30分、45分、及び60分での残留収縮力を、初期アセチルコリン誘導収縮力に対するパーセントとして表した。図4は、ヒト気道平滑筋における気道平滑筋収縮力を示す。ヒト気管気道平滑筋条片を、EC50濃度のアセチルコリン(Ach)で収縮させ、続いて100μMのSH-053-2F’F-R-CH3-酸又は媒体0.2%のエタノールで処理した。筋力は、化合物の添加後15分、30分、45分、及び60分に測定した。データは、初期Ach誘導収縮力に対するパーセントとして表す。少なくとも7人のヒトからの個々の筋肉条片を用いた。2元配置ANOVAを用いて、*(p<0.05)、**(p<0.01)、又は***(p<0.001)での有意差を算出した。p-値は各条件に対して与えられる。SH-053-2F’F-R-CH3-酸は、15分後に、少なくとも60分間にわたってヒト気道平滑筋の狭窄を低減した。
薬物処理プロトコル:2%のヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液(Sigma-Aldrich、セントルイス、ミズーリ州)及び2.5%のポリエチレングリコール(Sigma-Aldrich、セントルイス、ミズーリ州)中の化合物の経口投与用滅菌溶液を、生物学的安全キャビネットで調製した。この混合物を乳鉢と乳棒を用いて粉砕することによって、微細な懸濁液を得た。薬物を、20G強制経口投与針(Kent Scientific Corporation、トリントン、コネチカット州)を用いた強制経口投与(200ul)によって、ova s/c BALB/cの群に、ovaチャレンジ期間の5日間にわたり1日2回、個々に100mg/kgで投与した。マウスは、気道パラメータ測定の直前に、化合物の単一のp.o.投与を受けた。10%のDMSO、40%のプロピレングリコール、及び50%のPBS中のi.p.注射用の化合物を調製し、100ul注射として与えた。薬物投与後、マウスを毎日モニタリングした。気道過敏の評価:意識があり自発的に呼吸している動物におけるメタコリンに対する気道過敏を、DSIのBuxco(登録商標)FinePointe Non-Invasive Airway Mechanics(NAM)測定器によって測定した。測定を行う前に、マウスを、毎日15分間、5日間にわたってチャンバーに順応させた。加えて、卵白アルブミン感作及びチャレンジプロトコルは、2mgのミョウバン(Imject Alum;Thermo Scientific、Pierce、ロックフォード、イリノイ州)に乳化させた卵白アルブミン(Ova)(Sigma-Aldrich、セントルイス、ミズーリ州)の2mg/kg/日の腹腔内(i.p.)注射により、第0、7、及び14日に合計100μLの体積で3回感作された無作為化雄BALB/cマウスから成る。次に、マウスを、第23~27日の5日間にわたって1mg/kg/日のOvaによって鼻腔内(i.n.)チャレンジした。コントロールマウスは、Ovaで感作し、生理食塩水によってチャレンジした。データ収集の前には、チャンバーの校正も毎回行った。簡潔に述べると、胸部チャンバーと組み合わされた鼻部チャンバーにより、特異的気道抵抗(sRaw)の計算が可能となる。FinePointeソフトウェアは、NAM分析器によって得られた他のすべての呼吸パラメータを用いて、特異的気道抵抗(sRaw)の計算を行う。マウスを、エアロゾル化されたPBS(ベースライン測定のため)又はメタコリン(1.5625~12.5mg/mL)に1分間曝露し、各噴霧後の3分間にわたって値を読み取り、平均した。得られたデータを、エアロゾル生成に用いたメタコリン濃度(mg/mL)に対するsRawとして示した。図5A~5Fは、気道過敏に対する化合物の効果を示す。特異的気道抵抗(sRaw)を、DSIのBuxco FinePointe non-invasive airway mechanics測定器により、増加する用量のメタコリンで測定した。Ova s/c BALB/cマウスに、強制経口投与を介して、100mg/kgのすべての化合物を、1日2回、5日間にわたって投与した。データは、各群の10体のマウスからの平均±SEMを表す。*、**、及び***は、それぞれ、媒体処理したova s/c BALB/cマウスと比較した、p<0.05、p<0.01、p<0.001での有意差を示す。化合物RJ-03-57、RJ-03-30、及びGL-III-43は、気道過敏を軽減することができなかった。しかし、化合物SH-053-2F’F-R-CH3-酸、GL-II-93、及びRJ-02-50は、1又は複数の濃度のメタコリンでの気道過敏を低減した。
マウスでの薬物動態パラメータの特定.雌のスイスウェブスターマウスに、2%ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液及び2.5%ポリエチレングリコールに調合した媒体又は化合物の胃内強制投与を25mg/kgの用量で施した。10分、20分、40分 60分、120分、240分、480分、及び1440分に、血液(ヘパリン処理チューブに採取)、肺、及び脳を採取し、サンプルは、分析まで液体窒素中に保存した。サンプル調製及びLC/MS:血液サンプルを氷上で解凍し、10秒間ボルテックス撹拌し、100μLのアリコートを取り、[100nM 4,5-ジフェニルイミダゾール、100nM HZ-166、RJ-02-50、又はSH-053-2’RCH3-酸]内標準(I.S.)を含有する400μLの冷アセトニトリルに添加した。サンプルを30秒間ボルテックス撹拌し、10000RPMで10分間遠心分離した。次に、上澄層を清浄なチューブに移し、Speedvac濃縮装置を用いて蒸発させた。残渣を400μLの移動相で再構成し、0.22μmのナイロン遠心フィルターユニット(Costar)を通してスピンろ過した。再構成後、サンプルを適切に希釈し、ベラパミル又は4,5-ジフェニルイミダゾールを添加し、サンプルの5μLをLC-MS/MSに注入した。脳及び肺組織のサンプルを解凍し、秤量し、Cole Palmer LabGen 7Bホモジナイザーを用いて、I.S.を含有する400μLのアセトニトリル中に直接ホモジナイズした。サンプルを、10000RPMで10分間遠心分離した。次に、上澄を回収し、血液サンプルと同様にしてLC-MS/MS分析用に調製した。高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を、Shimadzu Nexera X2 LC30ADシリーズポンプ(島津製作所、京都、日本)を用いて行った。分析物を、Restek Pinnacle II C18カラム(2.1mm×100mm、粒子サイズ5μm、Restek、カリフォルニア州、米国)により、0.5mL/分(SH-053-2’R-CH3-酸)、0.4mL/分(RJ-02-50)、及び0.6mL/分(RJ-03-57及びGL-II-93)の流速での勾配溶出下で分離した。移動相は、アセトニトリル又はメタノール及び水(いずれも0.1%ギ酸を含有)とした。時間プログラム:カラム温度:40℃で、20%B→70%B(3分間)→99%B(5分間)、99%Bで保持(8分間)、10%Bに戻す(9分間)、保持(9.5分間)(SH-053-2’R-酸)、70%B→70%B(6分間)(SH-053-2’F-R-CH3-酸に対して定組成)、20%B→70%B(2分間)→99%B(4分間)、99%Bで保持(4.5分間)、20%Bに戻す(4.75分間)、保持(5分間)(RJ-03-57)、及び20%B→70%B(2分間)→99%B(5分間)、99%Bで保持(5.5分間)、20%Bに戻す(5.75分間)、保持(6分間)(GL-II-93)。分析物は、ポジティブモード下、Shimadzu 8040三連四重極型質量分析計(島津製作所、京都、日本)により、エレクトロスプレーイオン化及び大気圧イオン化をデュアル(DUIS)モードで行ってモニタリングした。多重反応モニタリング(MRM)モードで以下のトランジションをモニタリングする。RJ-02-50に対するイオン対は、m/z 327.85>281.95、m/z 327.85>264.05、m/z 327.85>254.10、m/z 327.85>236.80、及びm/z 327.85>212.75である。SH-053-2’F-R-CH3-酸に対するトランジションイオン対は、m/z 360.0>342.10、m/z 360.0>316.00、m/z 360.0>301.10、m/z 360.0>249.05、及びm/z 360.0>219.90である。HZ-166に対するトランジション対は、m/z 356.90>311.15、m/z 356.90>283.15、及びm/z 356.90>282.15である。4,5-ジフェニルイミダゾールに対するトランジション対は、m/z 220.80>193、m/z 220.80>167、m/z 220.80>151.95、及びm/z 220.80>115であり、ベラパミル(内標準)に対するトランジション対は、m/z 454.70>165.05、m/z 454.70>150、及びm/z 454.70>303.0である。RJ-03-57に対するトランジション対は、m/z 337.85>265.95、m/z 337.85>252.05、m/z 337.85>238.0、337.83>224.95、及びm/z 337.85>209.85である。GL-II-93に対するトランジション対は、m/z 413.90>396、m/z 413.90>368、m/z 413.90>355.05、m/z 413.90>302.95、m/z 413.90>326.80、m/z 413.90>276.05、及びm/z 413.90>248.20である。衝突エネルギーを各トランジションに対して最適化して、最適感度を得る。質量分析計は、ヒートブロック温度を400℃、乾燥ガス流量を15L/分、脱溶媒管温度を250℃、霧化ガス流量を1.5L/分、並びに針電圧及びインターフェイス電圧をいずれも4.5kVとして運転した。応答の取得は、LabSolutionsソフトウェアを用いて行った。標準曲線を、線形回帰によってフィッティングし、確認サンプルは、その日の検量線から逆算した。平均及び変動係数(CV)を、それに応じて算出した。精度を、算出濃度を対応する公称値と比較することによって算出した。薬物動態パラメータを、PK solutions software2.0を用いて算出し、以下の式に当てはめた:c=A・e-at+B・e-bt+C・e-ct。図6A~6Dは、マウスの血液、肺、及び脳における化合物の薬物動態プロファイルを示す。強制経口投与を介して25mg/kgで投与された化合物の時間依存的全身分布。RJ-02-50、SH-053-2F’F-R-CH3-酸、及びGL-II-93は、マウスにおける非常に優れた生体利用度を呈するが、一方RJ-03-57は、中程度の吸収及び素早いクリアランスを有する。
化合物の抗炎症特性の特定について、アレルゲン誘導マウス喘息モデルで調べた。分析の当日に、気管支肺胞洗浄(BAL)を、1mLのCa2+及びMg2+を含まないPBSで行った。赤血球(RBC)を、BD赤血球溶解緩衝液(BD Pharmingen、サンノゼ、カリフォルニア州)を用いて溶解した。BALFを4つの異なるチューブに分け、Fc受容体との非特異的結合のブロックを、6μg/mLの2.4G2 mouse BD Fc Block(商標)(BD Pharmingen、サンノゼ、カリフォルニア州)を用いて5分間行った。BALF細胞の染色を、最終濃度の以下の抗体:抗マウスCD45 APC(1:1000、30-F11、Affymetrix eBiosciences、サンディエゴ、カリフォルニア州)、FITCラット抗マウスCD4(1:500、RM4-5、BD Pharmingen、サンノゼ、カリフォルニア州)、PEラット抗マウスSiglec F(1:500、E50-2440、BD Pharmingen、サンノゼ、カリフォルニア州)、及びマウスCCR3 PE-結合抗体(1:40、83101、R&D systems Inc、ミネアポリス、ミネソタ州)、を含有する100μLのBSA染色緩衝液(BD Pharmingen、サンノゼ、カリフォルニア州)を用い、暗所において4℃で30分間行った。フローサイトメトリー実験を、BD FACS Calibur(BD Pharmingen、サンノゼ、カリフォルニア州)を用いて行い、続いて、Cell Quest proソフトウェア(BD Pharmingen、サンノゼ、カリフォルニア州)を用いてデータ分析を行った。続いて、免疫細胞に対する一般的なゲーティングを行った。合計炎症細胞カウントを、すべてのサンプルを高流量(60μL/分)で180秒間分析することによって得た。第四チャネル(FL4)におけるゲーティングした抗マウスCD45陽性イベントを用いて、合計炎症細胞カウントを細胞/mLで算出した。対応するゲートにおける好酸球の定量に用いられるCCR3+/Siglec Fの頻度及びCD4+T細胞数のためのCD4+の頻度を、合計炎症細胞カウント(細胞/mL)と掛け合わせて、分画細胞数を得た。統計分析:データを、GraphPad Prism 4(GraphPad Software、サンディエゴ、カリフォルニア州)を用いて分析し、平均±SEMとして表した。複数群の統計的差異のために、ダネットの事後検定を伴う1元配置分散分析(ANOVA)又はボンフェローニの事後検定を伴う2元配置ANOVAを行った。図7A~7Cは、炎症細胞に対する化合物の効果を示す。10体のova s/c BALB/cマウスの群に、化合物を、100mg/kgで1日2回、5日間にわたって投与した。BALFを各動物から採取し、(A)合計炎症細胞;(B)好酸球;(C)CD4+T細胞の定量に用いた。細胞を、マウスCD45+APC抗体で染色し、サンプルを、BD FACS Caliburを用いて、高流量(60μL/分)で180秒間分析した。第四チャネル(FL4)におけるゲーティングした陽性イベントを用いて、合計炎症細胞カウントを細胞/mlで算出した。特定の白血球集団の定量では、(B)好酸球(C)CD4+T細胞集団を、特異的抗体で染色し、フローサイトメトリーで検出した。データは、各群の10体のマウスからの平均±SEMを表す。*、**、及び***は、 それぞれ、媒体処理したova s/c BALB/cマウスと比較した、p<0.05、p<0.01、及びp<0.001での有意差を示す。化合物GL-II-43、RJ-03-30、RJ-03-90は、炎症細胞の数を調節しなかった。しかし、RJ-02-50及びGL-II-93は、喘息マウスの肺において、好酸球及びCD4+T細胞の数を減少させた。SH-053-2F’F-R-CH3-酸は、好酸球の数を減少させたが、CD4+T細胞の数は減少させなかった。
リンパ球に対する化合物の効果を特定するために、Ova S/CマウスからのCD4+T細胞を単離し、化合物とのその相互作用を、自動パッチクランプによって測定した。ova s/c BALB/cマウスからの脾細胞を、マウス脾細胞の調製のためのBD Biosciencesの説明書に従って調製し、赤血球は、BD Pharm Lyse(商標)溶解液(BD Biosciences、サンノゼ、カリフォルニア州)を用いて溶解した。細胞を、100μg/mLの卵白アルブミンの存在下又は非存在下で、10%(体積/体積)のウシ胎仔血清、10μMの2-メルカプトエタノール、及び1%のペニシリン/ストレプトマイシンを添加したL-グルタミンを含むRPMI1640培地(Thermo Fisher Scientific Inc.、ロックフォード、イリノイ州)中に懸濁して維持した。細胞を、5%のCO2、95%の加湿空気中、37℃で48時間維持した。IonFluxのプレートレイアウトは、12ウェルのユニットから成り、2つのウェルは、細胞内液(ICS、346mM CsCl、1mM CaCl2、1mM MgCl2、11mM EGTA、10mM HEPESを含有、CsOHによりpH7.2)を含有し、1つのウェルは、細胞外液(ECS、140mM NaCl、5mM 349 KCl、2mM CaCl2、1mM MgCl2、5mM D-グルコース一水和物、及び10mM HEPESを含有、NaOHによりpH7.4)に希釈した細胞を含有し、8つのウェルは、ECSに希釈した対象の化合物を含有し、1つのウェルは、廃液回収用である。細胞は、陰圧を掛けることによって、懸濁液からアンサンブル記録アレイの微細チャネルに捕捉される。アレイがすべて占有されると、掛けられた陰圧が捕捉した細胞の膜を破壊し、ホールセル電圧固定が確立される。化合物の適用については、適切な化合物ウェルに圧力が掛けられ、それが、細胞上を高速で流れている細胞外液中に化合物を導入する。GABAAR誘導電流の記録については、細胞アレイを、-50mVの過分極保持電位で電圧固定した。自動パッチクランプでの使用の前に、細胞を380gで5分間遠心分離し、ECSに緩やかに再懸濁させた。これをさらに2回繰り返した後、細胞をプレートに分配した。GABA及びムシモールをECS中に適切な濃度に希釈した後、適用及びデータ記録を行った。図8は、600nMのGABA及び一緒に3秒間適用された濃度を増加させた化合物の存在下、ova s/c BALB/cマウスの脾臓から単離したCD4+T細胞を用いた電流測定を示す。600nMのGABA及び濃度を増加させた化合物の存在下でのCD4+T細胞の濃度依存定電流応答を、N数16で行い、600nMのGABAの電流応答に対して標準化した。化合物RJ-02-50は、SH-053-2F’F-R-CH3-酸よりもGABA誘導膜電流を増強した。重要なことには、GL-II-93及びRJ-03-30は、非常に顕著なGABA誘導膜電流を引き起こした。
サイトカイン産生に関する化合物の抗炎症特性を、AHR測定後、処理及び未処理Ova S/Cマウス(N=10)の肺を採取することによって調べた。全肺を、1×プロテアーゼ阻害剤カクテルを含有する200μLのT-PER(登録商標)組織タンパク質抽出試薬(Thermo Fisher Scientific Inc.、ロックフォード、イリノイ州)中に、ハンドヘルド組織ホモジナイザーを用いてホモジナイズした。ホモジナイズした肺サンプルを、10000RPMで5分間遠心分離して、細胞/組織デブリをペレット化した。組織上澄を回収し、BDサイトメトリックビーズアレイマウスTh1/Th2/Th17サイトカインキット(BD Biosciences、サンノゼ、カリフォルニア州)を製造元の説明書に従って用いてサイトカイン分析した。データを、GraphPad Prism 4(GraphPad Software、サンディエゴ、カリフォルニア州)を用いて分析し、平均±SEMとして表した。複数群の統計的差異のために、ダネットの事後検定を伴う1元配置分散分析(ANOVA)を行った。図9は、マウス肺におけるサイトカインレベルの定量を示す。試験したサイトカインの中でも、IL-10、IL-17A、TNF-α、及びIL-4が、正常BALB/cマウスと比較して、ova s/cマウスの肺では著しく高く発現された。データは、各群の10体のマウスからの平均±SEMを表す。*、**、及び***は、p<0.05、p<0.01、及びp<0.001での有意差を示す。ova s/cマウスは、正常マウスと比較して、IFN-γ、IL-6、及びIL-2をより高いレベルで発現したが、その変化は有意ではなかった。GL-II-93で処理したova s/cマウスは、マウスの肺におけるIL-17、TNFα、及びIL-4のレベルの低下を呈した。
粘膜産生に関する化合物の薬力学的効果を、AHR測定後、処理及び未処理Ova S/Cマウスの肺を採取し、続いてホルマリン固定及びパラフィン包埋することによって調べた。切片を、1つの肺葉(大気道及び小気道を含む)から調製し、標準的なH&E染色(一般的な組織病理学及び炎症のため)及びPAS染色(粘液細胞のため;基底膜の細胞/mmとして)用に処理した。図10A~10Bは、ムチン産生に対する化合物の効果を示す:(A)ムチン体積密度の形態計測定量及び(B)過ヨウ素酸蛍光シッフ染色による気道上皮(緑色)中のムチン(赤色)の例示的画像。Balb/cマウスに、100mg/kgで5日間に2回化合物を投与した。データは、各群の5~7体のマウスからの平均±SEMを表す。スケールバーは、100μmを表す。GL-II-93、RJ-02-50、及びSH-053-2’F-R-CH3酸は、ムチンの産生を変化させなかった。
ASM過形成を、新たに形成された細胞のDNAにEdUを組込むことによって特定した。ここで、卵白アルブミン感作及びチャレンジプロトコルの終了後、マウスに、100mg/kgの用量でEdU(Invitrogen、カールズバッド、カリフォルニア州)の単一のi.p.注射を施した。マウスを注射の4時間後に安楽死させ、肺をホルマリン固定し、採取し、パラフィン包埋した。ホルマリン固定し、パラリン包埋した肺切片の6μm切片を、Fisherスーパーフロストプラススライドグラス上に載せた。EdUの染色を、Click-iT(商標)EdUイメージングキット(Invitrogen、カールズバッド、カリフォルニア州)を用い、製造元の説明書に従って行った。簡潔に述べると、肺をhistoclearで脱パラフィン処理し、段階的エタノールで再水和した。組織切片を、PBS中3%のウシ血清アルブミン(BSA)で2回洗浄し、PBS中0.5%のTriton X-100で20分間透過処理した。切片を再度PBS中3%のBSAで2回洗浄し、次にClick-iT(商標)反応緩衝液、CuSO4、Alexa Fluor(登録商標)488アジド、及び反応緩衝添加剤を含有するClick-iT(商標)反応カクテルと共に、暗所で30分間インキュベートした。切片をPBS中3%のBSAでさらに1回洗浄した。DNA染色については、切片をPBSで1回洗浄し、次に5μg/mLのHoechst33342と共に30分間インキュベートした。次に、スライドグラスをPBSで2回洗浄し、Permountマウント媒体でカバーグラスをかぶせた。工程はすべて室温で行った。図11は、肺細胞の増殖を示す。未処理及びGL-II-93処理Ova s/cマウスの肺切片を、蛍光アジドによるクリックケミストリー後に可視化可能であるチミジン類似体、EdUの組み込みについて分析した。ネガティブコントロールについては、EdUの注射を行わず、視認可能な蛍光が見られない結果となった。未処理Ova S/Cマウスは、GL-II-93処理動物と比較して、高い増殖率を示した。核特異的Hoechst33342染色により、図11で比較される2つの切片間の細胞密度が同様であることが確認される。
慢性肺疾患におけるGABAAR化合物の有効性を、ウィルス誘導喘息モデルで実験する。C57BL/6マウス(6~20週齢;10体の群)に、2×105pfuのSeV(菌株52;ATCC)又はUV不活化SeV(UV-SeV)(69)を、第0日に鼻腔内接種する。マウスを、体重及び活動について毎日モニタリングし、接種後(P-I)第49日までに、慢性疾患が充分に発症する。4つの実験群を準備し、試験化合物(又は媒体)を、第49~56日P-Iの間にi.p.投与する。予防実験では、治療剤を第13~21日の間に投与し、続いて疾患測定を第49~56日に行って、RSV曝露後の小児治療に対応する投与レジメンの模擬実験とする(したがって、ウィルス感染後の初期の、又は感染後急性期の間の免疫調節が、その後の炎症性肺疾患の発症に影響を与え得るかどうかを調べる)。第13、49、及び56日PIに、すべての群において、メタコリンに応答する連続的な非侵襲的AHR測定(sRAW)を行う。第56日のAHR測定後、動物を安楽死させ、BALF、血液、及び組織サンプルを採取する。BALFは、1mlのPBS中に採取し、遠心分離し、細胞上澄を採取して、上記のようにサイトカイン分析を行う。細胞ペレットは、RPMIに再懸濁させ、分画細胞カウント(Diff-Quik)及びフローサイトメトリー用のサンプルを取る。フローサイトメトリーについては、細胞製剤を、M2マクロファージの場合はCD1d(Invitrogen)及びMac-3(BD)に対する、又はNKT細胞の場合はCD3及びNK1.1(いずれもInvitrogen)に対するフルオロフォア標識モノクローナル抗体で染色する。抗体標識細胞を、FACS Calibur測定器(BD Biosciences)を用いて試験し、データ分析は、FlowJoソフトウェア(Tree Star、アッシュランド、オレゴン州)(69、70、84)を用いて行う。他のすべての肺組織及び生化学的試験、並びにデータ分析は、OVAモデルの場合と同様に行う。
ヒトCOPDのモデルとして、マウスにおけるリポ多糖(LPS)肺チャレンジによって、GABAAR化合物の有効性を実験する。LPSは、煙草の煙、大気汚染、及び有機ダスト中の汚染物として存在する炎症誘発性刺激物質である。ヒトの場合、LPSを伴うダストへの慢性的な曝露は、肺機能の低下をもたらす結果となる。急性モデルでは、LPSは、気管支肺胞液中における好中球の増加、並びに腫瘍壊死因子(TNF)、IL-1、及び他のメディエーターの増加を伴う混合炎症反応を誘導する。投与の前に、各試験化合物を、緩衝溶液媒体(リン酸緩衝生理食塩水、pH7.4)で希釈し、滅菌ろ過する。試験化合物を、示した日の各々に(したがって、3回投与)、100ulの合計体積でi.p.投与する。最終i.p.化合物投与のおよそ1時間後、マウスに、非外科的手順を用いてLPSを気管内投与する。ケタミン塩酸塩及びキシラジン塩酸塩溶液(カタログ番号K113;Sigma;50mg/kg ケタミンHCl)での皮下(s.c.)注射によって、マウスをまず麻酔する。50μLの滅菌0.9% NaClに溶解したLPS(カタログ番号L2880;Sigma、タイプO55:B5)を、カニューレ及びシリンジ(2×25μl)を介して気管内(i.t.)に滴下注入(20μg LPS/マウス)し、続いて100μlの空気を注入する。シャム処理マウスには、50μLの滅菌0.9% NaClをi.t.で滴下注入する。i.t.処理の後、マウスを10分間直立姿勢に維持して、液体が肺全体に広がるようにする。マウスを麻酔から覚めさせ、24時間後に頸部CO2窒息(cervical CO2 asphyxiation)を用いて屠殺する。血液を、心臓穿刺によってEDTA含有チューブに採取し、直ちに遠心分離し(2000×g、10分間、4℃)、血漿を-80℃で保存した。肺組織を取り出し、RNA単離及びMPO分析のために急速冷凍する。免疫組織化学的分析については、肺組織を、10%のリン酸緩衝ホルマリン(pH7.4)中に入れる。
8~10体の8~10週齢雄DBA/1jマウスの群(Jackson Laboratories、バーハーバー、メイン州、米国)を、50%のフロイント完全アジュバント中の200mgのウシII型コラーゲン(bCII、Chondrex、レッドモンド、ワシントン州、米国)で、尾の付け根に皮内で免疫化する。21日後に、フロイント不完全アジュバント中の100mgのbCIIでマウスを同様に追加免疫する。コントロールマウスの群は、bCIIを含まないシャム免疫で処理する。餌及び水の消費、体重、さらには臨床的に観察可能な関節炎を、処理の期間を通して測定する。最初の免疫化後に開始して、本発明のGABAA受容体剤を、週3回、8週間にわたってマウスに投与する。化合物用量は、例22に記載のようにして決定する。個々のコントロール及び実験マウスにおける血清コラーゲン特異的IgG、IgG1、及びIgG2a抗体を、最終免疫化の8週間後に、マイクロタイタープレートELISAによって特徴付ける。ELISAでは、bCIIを、プレートウェルコーティングのための抗原として用い、アイソタイプ特異的フルオロフォア結合ウサギ抗マウス抗体を、一次抗体結合の定量に用いる。ELISAプレートのウェルは、標準的な蛍光プレートリーダーを用いて読み取る。化合物の有効性は、コントロールマウスと比較した処理マウスにおける臨床的関節炎の低減及び/又はbCIIに対するIgG抗体力価の減少によって裏付けられる。
非肥満糖尿病(NOD)マウスは、糖尿病の実験に30年間使用されてきた。NODマウスは、膵島炎、膵島の白血球浸潤を特徴とする。膵インスリン含量の低下は、雌の場合は約12週齢で、雄の場合は数週間後に自然に発生する。糖尿病マウスは、低インスリン血及び高グルカゴン血であり、このことは、膵島ベータ細胞の選択的な破壊を示している。本発明の化合物を、投与経路(PO、IP、IM、SC)のうちの1つを介して、QD又はBIDで28日間にわたって投与し、コントロールマウスは、同様にして媒体の投与を受ける。用量は、例22に記載のようにして決定する。群あたり8~10体のマウスを割り当てる。動物を、体重、餌の消費、水の摂取、及び血中又は尿中グルコースについて週2回モニタリングし、測定する。尿中グルコースは、一般的に入手可能な試験紙を用いて特定することができる(Bayer Diastix)。化合物の有効性は、コントロール群に対する処理群におけるこれらの臨床マーカーのうちの1又は複数での減少によって裏付けられる。
Claims (28)
- 式(I):
R1は、COOHであり;
Xは、C-H、C-F、C-Cl、C-Br、C-I、C-CF3、又はNであり;
R2及びR2’は、各々独立して、H、D、C1-4アルキル、CD3、F、Cl、CF3、CCl3、若しくはシクロプロピルであるか;又はR2及びR2’が一緒になって、置換されていてもよい環を形成し;並びに
R3は、H、F、Cl、Br、CF3、CHF2、-OCF3、-OCHF2、CN、OH、-OC1-4アルキル、又はシクロプロピルであり;
但し、
Xは、C-H、C-F、C-Br、又はC-Iであり、及びR3は、H、F、Cl、又はBrである場合、R2及びR2’の両方が同時にHにはならない]
の化合物又はその医薬的に許容される塩。 - Xが、C-H、C-F、C-Cl、C-Br、C-I、又はNである、請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
- Xが、C-H、C-F、C-Cl、C-Br、又はNである、請求項2に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
- R2及びR2’が、各々独立して、H、C1-4アルキル、F、Cl、CF3、CCl3、若しくはシクロプロピルであるか;又はR2及びR2’が一緒になって環を形成する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
- R2及びR2’が、各々独立して、H、C1-4アルキル、F、Cl、CF3、若しくはCCl3であるか;又はR2及びR2’が一緒になって環を形成する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
- R2及びR2’が、各々独立して、H、D、CH3、CD3、CF3、若しくはシクロプロピルであるか;又はR2及びR2’が一緒になって、C3-6シクロアルキルを形成する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
- R3が、H、F、Cl、Br、OH、OCH3、又はシクロプロピルである、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
- R3が、OHである、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
- R3が、H、F、Cl、又はOCH3である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
- R2が、D、CH3、CD3、CF3、又はシクロプロピルである、請求項10に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
- R2’が、D、CH3、CD3、CF3、又はシクロプロピルである、請求項12に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
- Xが、C-H、C-F、C-Cl、C-Br、C-I、又はNであり;
R2が、C1-4アルキル、CD3、F、Cl、CF3、CCl3、又はシクロプロピルであり;
R2’が、H又はDであり;及び
R3が、H、F、Cl、Br、OH、OCH3、又はシクロプロピルである、
請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。 - R2が、C1-4アルキルである、請求項15に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
- (R)-8-エチニル-6-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸;
(R)-8-ブロモ-6-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸;
(R)-8-シクロプロピル-6-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸;
(R)-8-クロロ-6-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸;
(R)-8-ブロモ-4-メチル-6-(ピリジン-2-イル)-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸;及び
(R)-8-エチニル-4-メチル-6-(ピリジン-2-イル)-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸;
から成る群より選択される化合物又はその医薬的に許容される塩。 - (R)-8-ブロモ-6-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸、である、請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
- (R)-8-シクロプロピル-6-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸、である、請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
- (R)-8-クロロ-6-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸、である、請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
- (R)-8-ブロモ-4-メチル-6-(ピリジン-2-イル)-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸、である、請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
- 請求項1乃至21のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩、及び医薬的に許容されるキャリアを含む医薬組成物。
- 気道狭窄を低減するための、請求項22に記載の医薬組成物。
- 肺炎症を低減するための、請求項22に記載の医薬組成物。
- 肺炎症に関連するリスク因子を有する対象における疾患の発症を低減するための、請求項22に記載の医薬組成物。
- 肺疾患を治療するための、請求項22に記載の医薬組成物。
- 気道狭窄の低減、肺炎症の低減、肺炎症に関連するリスク因子の発現の低減、又は肺疾患の治療のための医薬の製造に使用するための、請求項1乃至22のいずれか一項に記載の化合物若しくは医薬組成物、又は前記化合物の医薬的に許容される塩。
- 気道狭窄の低減、肺炎症の低減、肺炎症に関連するリスク因子の発現の低減、又は肺疾患の治療に使用するための、請求項1乃至22のいずれか一項に記載の化合物若しくは医薬組成物、又は前記化合物の医薬的に許容される塩。
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