JP7012110B2 - 模様付き珪藻土プレート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、模様付き珪藻土プレート及びその製造方法に関する。なお、本発明において、模様とは、絵、柄、図形、文字、記号又は色彩あるいはこれらの結合を意味する。
足拭きマットとして珪藻土を含むプレートが使用されている。特許文献1には珪藻土が原材料の一つとして使用された足拭きマット及びその製造方法が開示されている。
特開2010-184108号公報
近年、商品を購入する際、その商品の性能に加え、意匠性に着目する消費者が増えている。従来の珪藻土プレートは、珪藻土の色である白色又は灰色のものが多かった。プレートの意匠性を高めるため、表面に凹凸や溝によって模様を付したり、プレート全体を淡い色に着色するなどの工夫がなされてきた。これらの工夫は、珪藻土プレートの吸水性能をなるべく低下させないことを前提としてなされてきた。
珪藻土プレートの意匠性をより一層高めるため、本発明者は、表面に絵や柄を描いたり、色彩を施した珪藻土プレートを試作した。その結果、珪藻土プレートの吸水性能を維持しながら、意匠性を高めることは必ずしも容易ではないことを見出した。
本発明は、意匠性に優れる模様付き珪藻土プレートであり且つ模様が付される前と比較して吸水性能が向上又は十分に維持されている珪藻土プレート及びその製造方法を提供する。
本発明の第一の態様に係る模様付き珪藻土プレートの製造方法は以下の工程をこの順序で含む。
(A1)模様を付すべき珪藻土プレートの表面に、第一のペースト材料によって上記模様に対応する第一の模様を形成する工程。
(B1)珪藻土プレートの少なくとも上記表面を、染料を含む染料液に浸す工程。
(C1)表面に付着している第一のペースト材料を洗い流す工程。
(D1)珪藻土プレートを乾燥させる工程。
本発明者は、珪藻土プレートを着色する材料として、種々の染料及び顔料を試した。その結果、顔料を使用した場合、着色が不十分であり、また顔料と樹脂とを含む塗膜材を使用した場合、珪藻土プレートの着色された領域の吸水性能が著しく低下した。一方、染料を使用することで、十分な着色がされるともに着色された領域の吸水性能が十分に維持されることが判明した。なお、(D1)工程(珪藻土プレートの乾燥工程)を経ることで、珪藻土プレートの含水率が低下し、(A1)工程前の珪藻土プレートよりも吸水性能が向上する場合あることも判明した。
(A1)工程で使用する第一のペースト材料(例えば、餅糊を水で溶いたもの)は、マスクの役割を果たすものである。第一のペースト材料によって第一の模様が形成された領域は、(B1)工程で使用する染料が珪藻土プレートに浸入しないため、着色されない。他方、これ以外の領域は染料の浸入によって着色される。
(B1)工程は以下のステップをこの順序で含むことが好ましい。
(b1)容器に収容された上記染料液に珪藻土プレートを浸した状態で珪藻土プレートを5~20秒間にわたって水平方向に揺らすこと。
(b2)容器内において、1~5分にわたって珪藻土プレートを上記染料液に浸すこと。
上記のようにして(B1)工程を実施することで、色ムラを抑制できるとともに、珪藻土プレートの十分な深さにまで染料を染み込ませることができる。使用による色落ちを抑制する観点から、(D1)工程後において、珪藻土プレートの表面から200~800μmの深さにまで染料が染み込んでいることが好ましい。
(D1)工程は以下のステップをこの順序で含むことが好ましい。
(d1)上記(C1)工程後の珪藻土プレートを12時間以上にわたって大気下において乾燥させること。
(d2)珪藻土プレートを乾燥炉で乾燥させること。
上記のようにして(D1)工程を実施することで、珪藻土プレートの割れを抑制できるとともに、珪藻土プレートの本来の吸水性能を発現させることができる。
(A1)工程で使用する第一のペースト材料は染料液と異なる色の第一の染料を含んでもよい。これにより、第一のペースト材料に含まれる染料(第一の染料)と、染料液に含まれる染料との二色の染料を珪藻土プレートに染み込ませることができる。珪藻土プレートに三色の染料を染み込ませるには、(B1)工程を実施する前に、第一の染料と異なる色の第二の染料を含む第二のペースト材料によって模様に対応する第二の模様を形成する工程を実施すればよい。色の異なる染料を使用してこの工程を繰り返すことで珪藻土プレートに四色以上の染料を染み込ませてもよい。
本発明の第二の態様に係る模様付き珪藻土プレートの製造方法は以下の工程をこの順序で含む。
(A2)模様を付すべき珪藻土プレートの表面に、第一の染料を含む第一のペースト材料によって上記模様に対応する第一の模様を形成する工程。
(B2)第一の染料を珪藻土プレートに染み込ませる工程。
(C2)表面に付着している第一のペースト材料を洗い流す工程。
(D2)珪藻土プレートを乾燥させる工程。
第二の態様に係る製造方法は、珪藻土プレートを染料液に浸す工程を必須としない点において、上述の第一の態様に係る製造方法と相違する。第二の態様に係る製造方法は、二色の染料を珪藻土プレートに染み込ませるため、(C2)工程を実施する前に以下の工程を更に含んでもよい。
(X)第一の染料と異なる色の第二の染料を含む第二のペースト材料によって上記模様に対応する第二の模様を形成する工程。
(Y)第二の染料を珪藻土プレートに染み込ませる工程。
上記の(X)工程及び(Y)工程の一連の工程を異なる色の染料を含むペースト材料を使用して二回以上繰り返すことによって、珪藻土プレートに計三色以上の染料を染み込ませてもよい。
本発明は模様付き珪藻土プレートを提供する。この模様付き珪藻土プレートは、染料が染み込んでいる領域と、染料が染み込んでいない領域とによって模様が描かれている表面を有する。種々の模様がそれぞれ描かれた珪藻土プレートを準備することで、消費者の購買意欲を高めることができる。
上記模様付き珪藻土プレートは、染料による着色によって模様が形成されているため、模様が付される前と比較して吸水性能が向上又は十分に維持されている。珪藻土プレートの吸水性能は、所定量(15cc)の水が吸収されるのに要する時間で評価することができる。模様付き珪藻土プレートがその表面から15ccの水を吸収するのに要する時間は60秒未満であることが好ましい。
使用による色落ちを抑制する観点から、模様付き珪藻土プレートにおける着色されている領域は、表面から200~800μmの深さにまで染料が染み込んでいることが好ましい。上記模様は、一色の染料によって描かれていてもよいし、二色以上の染料によって描かれていてもよい。
本発明によれば、意匠性に優れる模様付き珪藻土プレートであり且つ模様が付される前と比較して吸水性能が向上又は十分に維持されている珪藻土プレート及びその製造方法が提供される。
図1は本発明に係る模様付き珪藻土プレートの一実施形態を示す写真である。 図2は図1に示す模様付き珪藻土プレートの表面近傍の構成を拡大して示す模式断面図である。 図3(a)~図3(c)は、図1に示す模様付き珪藻土プレートの製造過程を示す模式断面図である。 図4(a)~図4(c)は、本発明に係る模様付き珪藻土プレートの製造方法の他の実施形態を示す模式断面図である。 図5(a)~図5(d)は模様のバリエーションを示す写真である。 図6(a)~図6(d)は模様のバリエーションを示す写真である。 図7(a)~図7(d)は模様のバリエーションを示す写真である。
以下、必要に応じて図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<模様付き珪藻土プレート>
図1は本実施形態に係る模様付き珪藻土プレートの上面を示す写真である。図2は図1に示す模様付き珪藻土プレート10の表面近傍の構成を拡大して示す模式断面図である。模様付き珪藻土プレート10(以下、場合により単に「プレート10」という。)の用途は、足拭きマット(バスマット)である。この場合、プレート10の平面視における形状は、例えば、一辺の長さが250~1000mmの長方形である。プレート10のサイズは家庭用か大型施設用かによって適宜設定すればよい。プレート10の厚さは、強度の観点から、6~15mm程度であればよい。
プレート10は、花、葉及び茎によって構成される絵1と、幾何学的な地柄2との組合せの模様が表面10Fに描かれている。この模様は、染料が染み込んでいる領域Rと、染料が染み込んでいない領域Rとによって描かれている(図2参照)。この模様は単色であり、一種類の染料によって色付けされたものである。珪藻土プレートは、自然物である珪藻土が原料に使用されており、表面に鉱物や石灰だまりなどの色ムラが生じ得る。珪藻土プレートの表面に模様(特に幾何学的な地柄)を付すことで、珪藻土プレートの色ムラを目立たなくさせることができる。
プレート10の領域Rにおいて、染料が染み込んでいる深さ(図2における深さD)は、好ましくは200~800μmであり、より好ましくは300~800μmである。この深さが200μm以上であることで、使用による色落ちを抑制することができ、十分に長期にわたってプレート10が着色された状態を維持できる傾向にある。他方、この深さが800μm以下であることで、染料による着色に要する時間を短くできる傾向にある。本発明者らの検討によると、プレート10に染料を染み込ませた場合、着色した領域において染料が十分に均一の深さで染み込んでいるのに対し、顔料を染み込ませた場合、着色した領域において顔料が染み込んでいる深さにばらつきがあった。
プレート10は、染料による着色によって模様が形成されているため、模様が付される前と比較して吸水性能が向上又は十分に維持されている。プレート10の表面10Fから、15ccの水が吸収されるのに要する時間は好ましくは60秒未満であり、より好ましくは50秒未満であり、更に好ましくは40秒未満である。この時間は以下の吸水性試験によって求められるものである。
(吸水性試験)
プレート表面の上方約30mmの位置から水15cc(大さじ1杯)を滴下させる。水滴がプレート表面に達したときから、その水滴をプレートが吸収して水による反射が消えるまでの時間を測定する。
<模様付き珪藻土プレートの製造方法>
次に、図3(a)~図3(c)を参照しながら、プレート10の製造方法について説明する。プレート10の製造方法は以下の工程をこの順序で含む。
(A1)模様を付すべき珪藻土プレート5の表面5Fに、図1に示す模様に対応する模様をペースト材料6によって形成する工程(図3(a)参照)。
(B1)染料を含む染料液Lに珪藻土プレート5を浸す工程(図3(b)参照)。
(C1)珪藻土プレート5の表面に残存しているペースト材料6を水で洗い流す工程(図3(c)参照)。
(D1)水洗後の珪藻土プレート5を乾燥させる工程。
図3(a)は、珪藻土プレート5の表面5F上に配置されたスクリーン8の開口部8aにペースト材料6が充填された状態を示す模式断面図である。図3(b)は珪藻土プレート5が染料液Lに浸漬された状態を示す模式断面図である。図3(c)は珪藻土プレート5の表面に残存しているペースト材料6を水で洗い流した後の状態を示す模式断面図である。(D1)工程における乾燥処理を経てプレート10が製造される。以下、(A1)~(D1)の各工程について説明する。
(A1)工程は、図1に示す模様に対応する模様を珪藻土プレート5の表面5Fにペースト材料6によって形成する工程である。珪藻土プレート5は、十分な吸水性を有することが好ましく、珪藻土タイルの乾燥時の質量を100質量部とすると、80質量部以上(より好ましくは90質量部以上)の水を吸収できることが好ましい。珪藻土プレート5の水を吸収できる量(珪藻土プレートの乾燥時の質量基準)の上限値は、材料費等の観点から、例えば、107質量部であり、100質量部であってもよい。かかる珪藻土プレートは、宇部興産建材株式会社から購入することができる。ペースト材料6として、例えば、餅糊を水で溶いたものを使用できる。
(A1)工程は、例えば、以下の工程を含む。
(a1)図1に示す模様に対応する開口部8aを有するスクリーン8を表面5F上に配置すること。
(a2)スクリーン8の上面及び開口部8aに露出している表面5Fにペースト材料6をスクージー(ワイパー)で塗布すること。
(a3)表面5Fからスクリーン8を外すこと。
(a4)表面5F上のペースト材料6を自然乾燥させること。
スクリーン8は、ポリエステルなどの合成繊維からなり、アルミニウム製の枠に張られた状態で珪藻土プレート5の表面5F上に配置される。珪藻土プレート5は水を速やかに吸収するため、スクリーン8を外した後、1分程度の自然乾燥でペースト材料6は十分に乾燥した状態となる。
表面5Fにおけるペースト材料6が配置された領域は、染料が染み込まないため、染色されない。すなわち、当該領域がプレート10における領域Rとなる。他方、表面5Fにおけるペースト材料6が配置されていない領域は、表面5Fが露出しているため、染料が染み込んで染色される。すなわち、当該領域がプレート10における領域Rとなる。上記のようにして(A1)工程を実施することで、表面5F上にペースト材料6を効率的に配置することができる。これはプレート10の量産化に寄与する。
(B1)工程は、(A1)工程後の珪藻土プレート5を染料液に浸す工程である。染料液は、水に対して所望の色の染料を溶かした水溶液である。一種の染料を単独で使用してもよいし、二種以上の染料を併用して色調を調整してもよい。色調として、例えば、アクアブルー、ローズピンク、クリーンティ、グレー、ブラウン、ハニーゴールド、さくら色及びパープルが挙げられる。染料液は、清水10Lに対し、例えば、0.5~10g程度の染料を配合することによって調製すればよい。染料の濃度は、珪藻土プレート5の物性や染料の種類に応じて調整すればよい。濃度が異なる複数種類の染料液を準備し、これらの染料液に珪藻土プレートの試験片をそれぞれ浸漬し、適した濃度を選択する工程を事前に実施してもよい。
(B1)工程は、例えば、以下の工程を含む。
(b1)容器に収容された染料液に珪藻土プレート5を浸した状態で珪藻土プレート5を5~20秒間にわたって水平方向に揺らすこと。
(b2)容器内において、1~5分にわたって珪藻土プレート5を染料液に浸すこと。
このようにして(B1)工程を実施することで、色ムラを抑制できるとともに、表面5Fから、十分な深さにまで染料を染み込ませることができる。
(C1)工程は、珪藻土プレート5の表面5F上に残存しているペースト材料6を水で洗い流す工程である。表面5F上に残存するペースト材料6は、例えば、ブラシを使用して洗い流すことができる。
(D1)工程は、水洗後の珪藻土プレート5を乾燥させる工程である。(D1)工程は、例えば、以下の工程を含む。
(d1)水洗後の珪藻土プレート5を12時間以上にわたって大気下において乾燥させること。
(d2)上記乾燥後の珪藻土プレート5を乾燥炉で乾燥させること。
(d1)工程における乾燥時間は季節(温度及び湿度)に応じて設定すればよく、上限は例えば、一週間程度であってもよいし、四日又は三日程度であってもよい。(d1)工程から(d2)工程に移行するタイミングは、例えば、珪藻土プレート5の含水率に基づいて決定すればよい。(d2)工程における乾燥炉の設定温度及び乾燥時間は、珪藻土プレート5の含水率又は吸水性能に基づいて決定すればよい。このようにして(D1)工程を実施することで、珪藻土プレート5の割れを抑制できるとともに、珪藻土プレート5と同等の吸水性能を有するプレート10を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、模様付き珪藻土プレートの用途として、足拭きマットを挙げたが、例えば、コースター、キッチン用水切りプレート及び靴用除湿プレートに模様付き珪藻土プレートを適用してもよい。模様付き珪藻土プレートの形状及びサイズは用途に応じて適宜設定すればよい。
上記実施形態においては、珪藻土プレートに単色の模様を付す場合を例示したが、二種以上の染料を使用して珪藻土プレートに多色の模様を付してもよい。例えば、(A1)工程で使用するペースト材料6は染料液Lと異なる色の染料を含んでもよい。これにより、ペースト材料6に含まれる染料と、染料液Lに含まれる染料との二色の染料を珪藻土プレート5に染み込ませることができる。なお、珪藻土プレート5に三色の染料を染み込ませるには、(B1)工程を実施する前に、ペースト材料6に含まれる染料と異なる色の染料を含む第二のペースト材料によって模様に対応する第二の模様を珪藻土プレート5に形成する工程を実施すればよい。色の異なる染料を使用してこの工程を繰り返すことで珪藻土プレート5に四色以上の染料を染み込ませてもよい。
また、上記実施形態において、珪藻土プレートを染料液に浸漬することによって珪藻土プレートを着色する場合を例示したが、染料を含むペースト材料(例えば、色糊)のみで珪藻土プレートを着色してもよい。ペースト材料に含まれる染料を珪藻土プレートに移行させてもよい。この態様の製造方法は、以下の工程をこの順序で含む。
(A2)珪藻土プレート5の表面に、染料を含むペースト材料7によって模様に対応する模様を形成する工程。
(B2)ペースト材料7に含まれている染料を珪藻土プレート5に染み込ませる工程。
(C2)表面に付着しているペースト材料7を洗い流す工程。
(D2)珪藻土プレート5を乾燥させる工程。
図4(a)は、珪藻土プレート5の表面5F上に配置されたスクリーン9の開口部9aに、染料を含むペースト材料7が充填された状態を示す模式断面図である。図4(b)は、ペースト材料7に含まれる染料を珪藻土プレート5に染み込ませている状態を示す模式断面図である。図4(c)は珪藻土プレート5の表面に付着しているペースト材料7を水で洗い流した後の状態を示す模式断面図である。
(A2)工程は、例えば、以下の工程を含む。
(a1)描くべき模様に対応する開口部9aを有するスクリーン9を表面5F上に配置すること。
(a2)スクリーン9の上面及び開口部9aに露出している表面5Fにペースト材料7をスクージー(ワイパー)で塗布すること。
(a3)表面5Fからスクリーン9を外すこと。
(B2)工程において、ペースト材料7を重ね塗りすることで染料の浸透深さを調整することができる。表面5Fにおけるペースト材料7が配置された領域は、染料が染み込んで染色される。すなわち、当該領域がプレート20における領域Rとなる。他方、表面5Fにおけるペースト材料7が配置されていない領域は染色されない。すなわち、当該領域がプレート20における領域Rとなる。ここでは、スクリーン9を使用して染色する場合を例示したが、スクリーン9を使用せずに、筆や刷毛で表面5F上にペースト材料7を塗ってもよい。なお、(C2)工程及び(D2)工程は、染料液を使用する場合の(C1)工程及び(D1)工程と同様にして実施すればよい。
珪藻土プレート5に二色の染料を染み込ませるため、(C2)工程を実施する前に以下の工程を更に含んでもよい。
(X)ペースト材料7に含まれる染料と異なる色の第二の染料を含む第二のペースト材料によって模様に対応する第二の模様を珪藻土プレート5に形成する工程。
(Y)第二の染料を珪藻土プレート5に染み込ませる工程。
(X)工程及び(Y)工程の一連の工程を異なる色の染料を含むペースト材料を使用して二回以上繰り返すことによって、珪藻土プレート5に計三色以上の染料を染み込ませてもよい。
上述の染料液を使用して模様を付す態様と、染料を含むペースト材料を使用して模様を付す態様とを組み合わせることによって、珪藻土プレート5に多色の模様を描いてもよい。最初の染色に染料液を使用して地柄を描き、二色目以降の染色に染料を含むペースト材料を使用して絵を描くことが好ましい。
珪藻土プレート5に描く模様は図1に示したものに限定されず、図5~図7に示すような種々の模様が挙げられる。
以下、本発明について実施例によって説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の材料を準備した。
・珪藻土プレート:足快バスマットコンパクト(サイズ:340mm×430mm、宇部興産建材株式会社製)
・染料の色調:パープル
・染料液:10リットルの清水に5gの上記染料を加えて調製した水溶液
・ペースト材料:防染糊(餅糊を水で溶いたもの)
・スクリーン型:ポリエステル製スクリーンと、スクリーンを保持するアルミニウム製とによって構成されており、スクリーンは珪藻土プレートの全体に幾何学的な地柄を付すための開口部を有するものを使用した。
(実施例)
珪藻土プレートを60℃の環境下で3日間乾燥させた後、23℃、50%RHに調整した恒温恒湿機に入れ、重量が安定するまで静置した。珪藻土プレートの含水率は1.4%であった。この珪藻土プレートの表面にスクリーンを配置した状態で、スクージーを使用してペースト材料を塗った。スクリーンを外した後、珪藻土プレート上のペースト材料を1分間程度で自然乾燥させた。次いで、染料液に珪藻土プレートを浸した状態で10秒間にわたって水平方向に揺らした後、静止した状態で3分間浸した。染料液から引き上げた珪藻土プレート上に残存しているペースト材料を洗い流した後、直射日光が当たらない場所で2日間養生した。その後、設定温度100℃の乾燥炉で5時間乾燥させた。これらの工程をそれぞれ経て実施例に係る模様付き珪藻土プレートを4枚作製した。模様付き珪藻土プレートの断面を拡大して観察したところ、染料が十分に均一の深さで染み込んでいた。任意の5箇所で染料の染み込んだ深さを測定した結果、その平均値は730μmであった。
(比較例)
珪藻土プレートを60℃の環境下で3日間乾燥させた後、23℃、50%RHに調整した恒温恒湿機に入れ、重量が安定するまで静置した。これにより、比較例に係る珪藻土プレートを3枚準備した。珪藻土プレートの含水率は1.4%であった。
(吸水性評価)
実施例に係る模様付き珪藻土プレート及び比較例に係る珪藻土プレートの吸水性を以下のようにして評価した。すなわち、プレート表面の上方約30mmの位置から水15cc(大さじ1杯)を滴下させた。水滴がプレート表面に達したときから、その水滴をプレートが吸収して水による反射が消えるまでの時間(吸水時間)を測定した。実施例の模様付き珪藻土プレートの吸水時間の平均値は26.8秒であった。一方、比較例の珪藻土プレートの吸水時間の平均値は26.3秒であった。実施例の模様付き珪藻土プレートの吸水性能は、比較例の珪藻土プレートと比較して全く遜色がないものであった。
1…絵、2…地柄、5…珪藻土プレート、5F…珪藻土プレートの表面、6,7…ペースト材料、8,9…スクリーン、8a,9a…開口部、10,20…模様付き珪藻土プレート、10F…模様付き珪藻土プレートの表面、D…深さ、L…染料液、R…染料が染み込んでいる領域、R…染料が染み込んでいない領域

Claims (7)

  1. (A1)模様を付すべき珪藻土プレートの表面に、第一のペースト材料によって前記模様に対応する第一の模様を形成する工程と、
    (B1)前記珪藻土プレートの少なくとも前記表面を、染料を含む染料液に浸す工程と、
    (C1)前記表面に付着している前記第一のペースト材料を洗い流す工程と、
    (D1)前記珪藻土プレートを乾燥させる工程と、
    をこの順序で含み、
    (B1)工程は、
    (b1)容器に収容された前記染料液に前記珪藻土プレートを浸した状態で前記珪藻土プレートを5~20秒間にわたって水平方向に揺らすこと、
    (b2)前記容器内において、1~5分にわたって前記珪藻土プレートを前記染料液に浸すこと、
    をこの順序で含み、
    (D1)工程は、
    (d1)(C1)工程後の前記珪藻土プレートを12時間以上にわたって大気下において乾燥させること、
    (d2)前記珪藻土プレートを乾燥炉で乾燥させること、
    をこの順序で含む、模様付き珪藻土プレートの製造方法。
  2. (D1)工程後において、前記表面から200~800μmの深さにまで前記染料液の前記染料が染み込んでいる、請求項1に記載の模様付き珪藻土プレートの製造方法。
  3. 前記第一のペースト材料が前記染料液の前記染料と異なる色の第一の染料を含む、請求項1又は2に記載の模様付き珪藻土プレートの製造方法。
  4. (B1)工程を実施する前に、
    前記第一の染料と異なる色の第二の染料を含む第二のペースト材料によって前記模様に対応する第二の模様を形成する工程を更に含む、請求項3に記載の模様付き珪藻土プレートの製造方法。
  5. 染料が染み込んでいる領域と、染料が染み込んでいない領域とによって模様が描かれている表面を有し、
    前記表面から200~800μmの深さにまで前記染料が染み込んでいる、模様付き珪藻土プレート。
  6. 二色以上の染料によって前記模様が描かれている、請求項5に記載の模様付き珪藻土プレート。
  7. 前記表面が15ccの水を吸収するのに要する時間が60秒未満である、請求項5又は6に記載の模様付き珪藻土プレート。
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