JP7011899B2 - 難燃性熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

難燃性熱可塑性エラストマー組成物 Download PDF

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Description

本発明は、電子材料、家電、電気機器、医療用具、包装資材、文具・雑貨用品等の各種成形品に有用な難燃性熱可塑性エラストマー組成物、及び該組成物による難燃性成形体に関する。
特許文献1には、ポリエステル系エラストマー樹脂と変性ポリスチレン系エラストマー樹脂に、メラミンシアヌレートとリン系酸化防止剤を併用する、絶縁電線に適する樹脂組成物が開示されているが、メラミンシアヌレートと金属水和物とを併用することの開示はない。また、ベースポリマー100重量部に対するメラミンシアヌレートの配合量は3.0~10.0重量部であり、メラミンシアヌレートの量を過大にすると成形体の機械的特性が低下することが開示されている。
特許文献2には、難燃ポリエステル系化粧シート用組成物として、特定のポリエチレンテレフタレート系樹脂に用いることのできる無機水和物として水酸化アルミニウムが例示されており、所望によりメラミンシアヌレートを適宜配合することができることが開示されているが、水酸化アルミニウムを熱分解温度に基づいて選択することは記載も示唆もなく、具体的に開示されているのは分解温度が200℃以下のものしかない。さらに、具体的に水酸化アルミニウムとメラミンシアヌレートとを併用する態様の開示もない。
特開2008-143962号公報 特開2005-298715号公報
熱可塑性ポリエステル系エラストマーは、本質的に可燃性であるため難燃性を付与するには難燃剤を併用する必要がある。しかし、難燃剤の配合により、機械的強度や柔軟性が低下する課題がある。
本発明の課題は、難燃性と柔軟性及び機械的強度とのバランスに優れる難燃性熱可塑性エラストマー組成物、及び該組成物による難燃性成形体を提供することにある。
本発明は、
〔1〕 熱可塑性ポリエステル系エラストマーA、該熱可塑性ポリエステル系エラストマーA 100質量部に対して、1~40質量部のトリアジン系化合物B、及び5質量%加熱減量温度が220~300℃の金属水和物Cを含有してなる難燃性熱可塑性エラストマー組成物、並びに
〔2〕 前記〔1〕記載の難燃性熱可塑性エラストマー組成物を成形して得られる難燃性成形体
に関する。
本発明の難燃性熱可塑性エラストマー組成物は、難燃性と柔軟性及び機械的強度とのバランスに優れるという効果を奏するものである。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、熱可塑性ポリエステル系エラストマーA、
トリアジン系化合物B、及び5質量%加熱減量温度が220~300℃の金属水和物Cを含有するものである。
一般的なポリエステル系エラストマーは350℃付近で熱分解を始めるため、ポリエステル系エラストマーとの併用に適した難燃剤として、ポリエステル系エラストマーと同程度の温度で分解するメラミンシアヌレート等のトリアジン系化合物がある。しかしながら、トリアジン系化合物を使用すると、難燃化と同時に柔軟性や機械的強度が低下するという課題がある。これに対し、本発明者らは、トリアジン系化合物に特定の熱分解温度を有する金属水和物を組み合わせることより、メラミンシアヌレートの量を低減しても、柔軟性及び機械的強度を損なうことなく、難燃性を維持することができるという驚くべき知見を見出し、本発明を完成するに至った。
金属水和物の作用効果は、燃焼の初期に熱可塑性ポリエステル系エラストマーよりも先に分解して吸熱することにあると推定され、分解温度が高すぎても低すぎても十分な難燃効果は得られない。例えば、一般的な水酸化アルミニウムの5質量%分解温度は200℃以下であり、ポリエステル系エラストマーよりもはるかに低い温度で分解が始まる。そのため、一般的な水酸化アルミニウムを用いると難燃効果が低下するだけでなく、熱可塑性材料としての成形温度(170℃~200℃)において熱分解が始まるため、成形機内での発泡により、得られるエラストマー組成物の機械的強度が低下する場合があるが、適切な分解温度を有する金属水和物を選択することで、難燃効果が得られるだけでなく、機械的強度に対する課題も解決することができる。
熱可塑性ポリエステル系エラストマーAは、柔軟性及び成形性の観点から、ハードセグメントとソフトセグメントとを含有する熱可塑性ポリエステル系エラストマーである。
熱可塑性ポリエステル系エラストマーのハードセグメントとしては、芳香族ポリエステルブロックが好ましい。
芳香族ポリエステルブロックは、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4-又は2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、4,4’-ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’-ジフェニルスルホンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、そのアルキルエステル、及び無水物の1種又は2種以上と、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール等の炭素数2~6のアルキレングリコールの1種又は2種以上との重縮合体である結晶性ポリエステルブロックであることが好ましい。
熱可塑性ポリエステル系エラストマーのソフトセグメントとしては、ポリエステル型ポリマーブロック、ポリエーテル型ポリマーブロック、ポリカーボネート型ポリマーブロック等が挙げられ、これらの中では、柔軟性の観点から、ポリエーテル型ポリマーブロックが好ましい。
ポリエステル型ポリマーブロックとしては、ポリカプロラクトン、ポリエナンラクトン、ポリカプリロラクトン、脂肪族ジカルボン酸化合物と脂肪族ジオールの縮合反応等より形成されたポリアルキレンエステル等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸化合物と脂肪族ジオールの縮合反応等より形成されたポリアルキレンエステルとしては、ポリブチレンアジペート等が挙げられる。
ポリエーテル型ポリマーブロックは、脂肪族ポリエーテルブロックが好ましく、主としてポリアルキレンエーテルグリコールからなるものがより好ましい。
熱可塑性ポリエステル系エラストマーAにおけるハードセグメントとソフトセグメントの質量比(ハードセグメント/ソフトセグメント)は、柔軟性の観点から、好ましくは10/90~40/60、より好ましくは15/85~30/70である。
熱可塑性ポリエステル系エラストマーAのD硬度は、熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性の観点から、好ましくは15~90、より好ましくは20~85、さらに好ましくは25~80である。
熱可塑性ポリエステル系エラストマーAのA硬度は、熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性の観点から、好ましくは60~99、より好ましくは65~99、さらに好ましくは70~99である。
熱可塑性ポリエステル系エラストマーAの融点は、耐熱性の観点から、好ましくは130~240℃、より好ましくは140~230℃、さらに好ましくは150~225℃である。
熱可塑性ポリエステル系エラストマーAの市販品としては、「Keyflex(登録商標)」(LGケミカル社製、商品名)、「ペルプレン(登録商標)P」及び「ペルプレンS」(東洋紡績(株)製、商品名)、「ハイトレル(登録商標)」(東レ・デュポン(株)製、商品名)、「フレクマー(登録商標)」(日本合成化学工業(株)製、商品名)「ローモッド(登録商標)」(日本ジーイープラスチック(株)製、商品名)、「ニチゴーポリエスター(登録商標)」(日本合成化学工業(株)製、商品名)、「ヌーベラン(登録商標)」(帝人化成(株)製、商品名)、「アーニテル(登録商標)」(ディーエスエムエンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名)等がある。
本発明の組成物中の熱可塑性ポリエステル系エラストマーAの含有量は、好ましくは40~80質量%、より好ましくは60~75質量%である。
トリアジン系化合物Bとしては、メラミン、メラミンシアヌレート等のトリアジン基を有する化合物等が好ましく、本発明においては、メラミンシアヌレートが好ましい。
メラミンシアヌレートは、シアヌール酸とメラミンの混合物を水スラリーとし、充分混合して両者の塩を微粒子状に形成させた後、このスラリーを濾過、乾燥して得られる粉末であり、単なる混合物とは異なる。メラミンシアヌレートの形態としては特に制限はないが、本発明の組成物から得られる成型体の機械的強度や表面性の観点から、微細な粉末として得られたものが好ましい。具体的には、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した粉末の像を、イメージアナライザーで分析した粉末の体積中位粒径(D50)が0.5~20μmであるものが好ましく、1~15μmであるものがより好ましい。さらに、メラミンシアヌレートは、粒子の表面特性を調整し、マトリックスとの親和性を変化させて粒子の凝集を押さえる、又はマトリックス中への分散性を高める目的で有機もしくは無機系の化合物で表面をコーティングされたものが好ましい。メラミンシアヌレートをコーティングする化合物としては、ポリビニルアルコール系化合物、シリコーン系化合物等が挙げられる。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積基準粒度分布でのメジアン径を意味する。
トリアジン系化合物Bの含有量は、難燃性の観点から、熱可塑性ポリエステル系エラストマーA 100質量部に対して、1~40質量部であり、好ましくは2~25質量部、より好ましくは10~20質量部である。本発明においては、トリアジン系化合物が比較的少ない量でも難燃性を維持することができる。
また、本発明の組成物中のトリアジン系化合物Bの含有量は、好ましくは3~23質量%、より好ましくは7~20質量%である。
金属水和物Cとしては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水和珪酸アルミニウム、水和珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等が挙げられ、これらの中から5質量%加熱減量温度が220~300℃のものが選択される。本発明においては、難燃性及び機械的強度をより向上させる観点から、水酸化アルミニウムが好ましい。
本発明に用いられる一般の水酸化アルミニウムよりも分解温度の高い水酸化アルミニウムは、例えば、水酸化アルミニウムとベーマイト化を遅延させる反応遅延剤とを混合した原料に水を加えることなく、圧力容器内で170~300℃の温度で加熱する工程を含む方法により得ることができる。このような方法で得られる水酸化アルミニウムは、5質量%加熱減量温度が適度に高く、機械的強度をより向上させることができる。上記方法により製造された水酸化アルミニウムの市販品としては、河合石灰工業(株)製の水酸化アルミニウム「ALH-3L」や「ALH-F」等が挙げられる。
金属水和物Cの5質量%加熱減量温度は、好ましくは225~290℃、より好ましくは230~280℃である。
金属水和物の体積中位粒径(D50)は、難燃性の観点から、好ましくは0.5~20μm、より好ましくは1~15μm、さらに好ましくは2~10μmである。
金属水和物Cの含有量は、難燃性及び機械的強度の観点から、熱可塑性ポリエステル系エラストマーA 100質量部に対して、好ましくは1~100質量部、より好ましくは2~50質量部、さらに好ましくは3~30質量部である。
また、本発明の組成物中の金属水和物Cの含有量は、好ましくは1~30質量%、より好ましくは3~25質量%である。
本発明の組成物において、トリアジン系化合物Bと金属水和物Cの質量比(トリアジン系化合物B/金属水和物C)は、好ましくは1/100~45/1、より好ましくは10/100~40/1である。
本発明の組成物は、さらに、有機酸化合物Dを含有していてもよい。有機酸化合物Dの配合により、トリアジン系化合物B及び金属水和物Cが熱可塑性ポリエステル系エラストマーA中により均一に分散し、機械的強度が向上する。
有機酸化合物Dとしては、機械的強度の観点から、酸変性水添熱可塑性スチレン系エラストマーD1及び酸変性オレフィン系熱可塑性エラストマーD2の1種又は2種以上が好ましい。
酸変性水添熱可塑性スチレン系エラストマーD1としては、スチレン系単量体からなる重合体のスチレンブロック単位と、共役ジエンからなる重合体の共役ジエンブロック単位とからなるブロック共重合体の水素添加物を酸変性させたものが好ましい。
スチレンブロック単位を構成するスチレン系単量体としては、スチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、1,3-ジメチルスチレン、α-メチルスチレン等が挙げられる。
共役ジエンブロック単位を構成する共役ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン等が挙げられる。
ブロック共重合体は、スチレンブロック単位からなるハードセグメントと、共役ジエンブロック単位とからなるソフトセグメントとからなり、全体の物性を決定する観点から、ブロック共重合体におけるスチレン系単量体単位の含有量は、好ましくは5~70質量%、より好ましくは10~60質量%、さらに好ましくは20~50質量%である。
ブロック共重合体の水素添加は、一部であっても、全部であってもよいが、水素添加することにより不飽和結合が減少し、耐熱性、耐候性及び機械的強度が得られる。それらの観点から、水素添加率は、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。水素添加率は、ブロック共重合体中の共役ジエン化合物に由来する炭素-炭素二重結合の含有量を、水素添加の前後において、1H-NMRスペクトルによって測定し、該測定値から求めることができる。
ブロック共重合体の水素添加物の具体例としては、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-エチレン-エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、ピリジン-ブタジエンゴム、スチレン-イソプレンゴム、スチレン-エチレン共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、ポリ(α-メチルスチレン)-ポリブタジエン-ポリ(α-メチルスチレン)、ポリ(α-メチルスチレン)-ポリイソプレン-ポリ(α-メチルスチレン)、エチレン-プロピレン共重合体、スチレン-クロロプレンゴム等が挙げられる。これらは、単独であっても、2種以上の混合物であってもよいが、原料調製及び作業性の観点から、スチレン-エチレン・ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-エチレン-エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)、及びスチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体(SIBS)からなる群より選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
ブロック共重合体の水素添加物の酸変性は、特に限定されるものではないが、例えば、水素添加物にカルボキシル基又は酸無水物基を導入することによって行うことができる。上記のカルボキシル基又は酸無水物基の導入は、それ自体公知の方法に従って行うことができる。具体的には、例えば、水素添加物と、アクリル酸、メタクリル酸等で例示される不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマール酸、ハイミック酸、イタコン酸等で例示される不飽和ジカルボン酸;無水マレイン酸、無水ハイミック酸、無水イタコン酸等で例示される不飽和ジカルボン酸の無水物とを、有機過酸化物の存在下に、溶媒の存在下又は非存在下に加熱して、グラフト反応させることにより得ることができる。また、商業的に入手することもできる。
酸変性水添熱可塑性スチレン系エラストマーD1の酸価は、トリアジン系化合物Bや金属水和物Cの熱可塑性エラストマー組成物中での分散性の観点から、好ましくは0.1~50mgKOH/g、より好ましくは0.2~40mgKOH/g、さらに好ましくは0.5~30mgKOH/gである。
酸変性水添熱可塑性スチレン系エラストマーD1の230℃、2.16kgでのメルトマスフローレイト(MFR)は、熱可塑性エラストマー組成物での相溶性の観点から、好ましくは0.1~100g/10min、より好ましくは0.2~80g/10min、さらに好ましくは0.5~50g/10minである。
酸変性水添熱可塑性スチレン系エラストマーD1の酸変性量は、相溶性及び作業性の観点から、好ましくは0.1~10質量%、より好ましくは0.3~5.0質量%、さらに好ましくは0.5~3.0質量%である。
酸変性オレフィン系熱可塑性エラストマーD2としては、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン等のα-オレフィン共重合体エラストマー、これらと非共役ジエンとの共重合エラストマー、これらの2種以上の混合物等の少なくとも一部が酸成分により酸変性されたものが挙げられる。酸成分としては、不飽和カルボン酸、その無水物等が挙げられる。該不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、そのアルキルエステル等が挙げられる。酸成分としては、共重合しやすい観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/又は(無水)マレイン酸が好ましく、酸成分は、ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればその形態は限定されるものではなく、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等のいずれであってもよい。
酸変性オレフィン系熱可塑性エラストマーD2としてより好ましいのは、エチレンとアクリル酸アルキルエステル(アクリル酸メチル又はアクリル酸エチル)と無水マレイン酸とからなる三元共重合体、好ましくは三元ブロック共重合体であり、アクリル酸アルキルエステルは、その一部がアクリル酸であってもよい。
酸変性オレフィン系熱可塑性エラストマーD2の酸変性量は、相溶性及び作業性の観点から、好ましくは0.1~10質量%、より好ましくは0.3~5.0質量%である。
酸変性オレフィン系熱可塑性エラストマーD2の190℃、2.16kgでのメルトマスフローレイト(MFR)は、熱可塑性組成物中での相溶性の観点から、好ましくは0.5~200g/10min、より好ましくは1~150g/10min、さらに好ましくは2~100g/10minである。
酸変性水添熱可塑性スチレン系エラストマーD1及び酸変性オレフィン系熱可塑性エラストマーD2以外の有機酸化合物Dとしては、酸化ポリオレフィンワックスや有機酸等が挙げられる。酸化ポリオレフィンワックスは、酸素酸化、化学薬品酸化等の方法により、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等のポリオレフィンワックスを酸化処理したものであり、ヒドロキシ基、アルデヒド基、カルボキシ基、カルボニル基、エステル基、ヒドロ過酸化物基等の官能基をポリオレフィン骨格中に含有するものである。有機酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられ、好ましくは炭素数が10以上30以下の飽和又は不飽和脂肪酸である。
酸化ポリオレフィンワックスの酸価は、トリアジン系化合物Bや金属水和物Cの熱可塑性組成物中での分散性の観点から、好ましくは0.1~200mgKOH/g、より好ましくは0.5~100mgKOH/g、さらに好ましくは1~50mgKOH/gである。
有機酸化合物Dの含有量は、熱可塑性ポリエステル系エラストマーA 100質量部に対して、好ましくは0.1~25質量部、より好ましくは0.2~10質量部である。
また、本発明の組成物中の有機酸化合物Dの含有量は、好ましくは0.5~20質量%、より好ましくは1~5質量%である。
本発明の組成物は、さらに、エポキシ系架橋剤Eを含有していてもよい。エポキシ系架橋剤の配合により、本発明の組成物の製造及び成形加工の加熱溶融過程において熱可塑性ポリエステル系エラストマーA分子の加水分解による機械的強度の低下が抑制される。即ち、加水分解したポリエステル分子末端のカルボン酸基や水酸基とエポキシ系架橋剤のエポキシ基との反応により、見掛けの分子量低下が抑制される。
エポキシ系架橋剤Eとしては、骨格にスチレン構造を有する重合体であるエポキシ化合物が好ましい。
エポキシ系架橋剤の市販品としては、東亞合成(株)製のアルフォンUGシリーズ、日油(株)製のブレンマーCPシリーズ、マープルーフGシリーズ、BASF社製のジョンクリルADRシリーズ等が挙げられる。
エポキシ系架橋剤Eの重量平均分子量は、熱可塑性エラストマー組成物の成形性の観点から、好ましくは3,000~30,000、より好ましくは5,000~15,000である。
エポキシ系架橋剤Eのエポキシ価は、熱可塑性ポリエステル系エラストマーAとの反応性の観点から、好ましくは0.2~5meq/g、より好ましくは0.3~3meq/gである。
エポキシ系架橋剤Eの含有量は、熱可塑性ポリエステル系エラストマーA 100質量部に対して、好ましくは0.1~10質量部、より好ましくは0.2~7質量部である。
また、本発明の組成物中のエポキシ系架橋剤Eの含有量は、好ましくは0.05~5質量%、より好ましくは0.1~3質量%である。
本発明の組成物は、さらに、難燃性向上の観点から、リン系難燃剤Fを含有していてもよい。
リン系難燃剤としては、赤リン等の無機系と、有機リン系とが知られているが、本発明におけるリン系難燃剤Fとしては、分散性が良く、分解温度を選択することができる有機リン系が好ましく、ホスフィン酸の金属塩、ホスフィン酸誘導体の金属塩、及びリン酸と含窒素化合物の塩が好ましい。ホスフィン酸誘導体としては、ジエチルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸等が挙げられ、金属塩としては、Al、Ti、Zn、Sn等の塩が挙げられる。また、リン酸と含窒素化合物の塩としては、無機リン酸(メタリン酸、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等)と、窒素含有化合物(アンモニア、メラミン、トリアジン誘導体、ジアミン類等)との塩が挙げられる。
リン系難燃剤F中のリン含有量は、好ましくは1~40質量%、より好ましくは2~30質量%、さらに好ましくは5~25質量%である。
リン系難燃剤Fの5質量%加熱減量温度は、好ましくは220~600℃、より好ましくは230~500℃、さらに好ましくは240~400℃である。
リン系難燃剤Fの含有量は、熱可塑性ポリエステル系エラストマーA 100質量部に対して、好ましくは0.1~50質量部、より好ましくは0.5~10質量部である。
また、本発明の組成物中のリン系難燃剤Fの含有量は、好ましくは0.1~5質量%、より好ましくは0.5~2質量%である。
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーを含有していてもよい。なかでも極性エラストマーは、組成物の極性樹脂への融着性を向上させることができる。極性エラストマーとしては、特に制限されないが、例えばNBR(ニトリルゴム)、ポリウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、アクリル系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
本発明の組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、カーボンブラック、シリカ、炭素繊維、ガラス繊維等の補強剤、無機充填剤、絶縁性熱伝導性フィラー、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の外滑剤、顔料、帯電防止剤、粘着付与剤、架橋助剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、シール性改良剤、離型剤、着色剤、香料等の各種添加剤を含有していてもよい。
本発明の組成物は、例えば、熱可塑性ポリエステル系エラストマーA、トリアジン系化合物B、及び金属水和物C、さらに必要に応じて、有機酸化合物D、エポキシ系架橋剤E、リン系難燃剤F等の添加剤等を含む原料を混合し、冷却により固化させて得られる。
本発明でいう「混合」とは、各種成分が良好に混合される方法であれば特に限定されず、各種成分を溶解可能な有機溶媒中に溶解させて混合してもよいし、溶融混練によって混合してもよい。
溶融混合する場合には、ニーダーや一般的な溶融押出機を用いることができ、混練状態の向上のため、単軸の押出機を使用することが好ましい。押出機への供給は、各種成分を直接押出機に供給しても良く、予めヘンシェルミキサー等の混合装置を用いて各種成分を混合したものを一つのホッパーから供してもよいし、二つのホッパーにそれぞれの成分を仕込みホッパー下のスクリュー等で定量しながら供してもよい。
熱可塑性エラストマー組成物は、溶融混合して得たものを直接成形体に成形して利用する他に、用途に応じて、最終製品として利用される成形体にする前に、いったんペレット、粉体、シート等の中間製品とすることができる。例えば、押出機によって溶融混合してストランドに押出し、冷水中で冷却しつつカッターによって円柱状や米粒状等のペレットに切断される。得られたペレットは、通常、射出成形、押出成形、プレス成形等の成形方法によって所定のシート状成形品や金型成形品とすることができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物のA硬度は、柔軟性の観点から、好ましくは99以下、より好ましくは97以下、さらに好ましくは95以下である。また、好ましくは60以上、より好ましくは65以上、さらに好ましくは70以上である。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物のD硬度は、柔軟性の観点から、好ましくは70以下、より好ましくは60以下、さらに好ましくは50以下である。また、好ましくは15以上、より好ましくは20以上、さらに好ましくは25以上である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を、常法に従って、適宜加熱成形することにより、難燃性成形体が得られる。本発明の熱可塑性エラストマー組成物を加熱成形して得られる難燃性成形体の用途は、特に限定されるものではなく一般的なスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、アクリル系エラストマーやポリエステル系エラストマー等が用いられる分野に用いることができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を用いた難燃性成形体の製造に用いられる装置は、成形材料を溶融できる任意の成形機を用いることができる。例えば、ニーダー、押出成形機、射出成形機、プレス成形機、ブロー成形機、ミキシングロール等が挙げられる。
本発明の難燃性成形体は、試験片厚さ2mmでの燃焼性UL94V規格でV-0、V-1及びV-2のいずれかに適合する難燃性を有することが好ましい。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。実施例及び比較例で使用した原料の各種物性は、以下の方法により測定した。
<成分A(熱可塑性ポリエステル系エラストマー)>
〔ハードセグメント/ソフトセグメント(質量比)〕
ハードセグメントとソフトセグメントの質量比は、核磁気共鳴装置(ドイツ国BRUKER社製、DPX-400)を用いて、重クロロホルム溶媒中、3~5vol%濃度、25℃でプロトンNMR測定を行い、分子構造中の各種酸素に隣接するメチレンピークのシグナル強度比から算出する。
〔A硬度〕
JIS K 6253 タイプAにて測定する。
〔D硬度〕
JIS K 6253 タイプDにて測定する。
〔融点〕
示差走査熱量測定(DSC)装置を用い、JIS K 7121で規定される方法に準拠して10℃/minで昇温して得られる融解ピークの温度を融点とする。融解ピークが複数表れる場合は、より低い温度で表れる融解ピークを融点とする。
<成分B(トリアジン系化合物)>
〔体積中位粒径(D50)〕
走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した粉末の像を、イメージアナライザーで任意に100個抽出し、その長径と短径の平均値を粒径として粒度分布を解析し、体積基準のメジアン径を粒径の体積中位粒径(D50)とする。
<成分C(金属水和物)>
〔5質量%加熱減量温度〕
熱重量・示差熱測定(TG-DTA)装置を用い、JIS K7120で規定される方法に準拠して10℃/minで昇温して得られる重量減少率を測定し、所定の減少率(5質量%)に到達した温度を計測する。
〔体積中位粒径(D50)〕
成分Bと同様にして、体積基準のメジアン径を粒径の体積中位粒径(D50)とする。
<成分D(有機酸化合物)>
〔組成比〕
核磁気共鳴装置(ドイツ国BRUKER社製、DPX-400)を用いて、重クロロホルム溶媒中、3~5vol%濃度、25℃でプロトンNMR測定を行い、分子構造中の各種プロトンピークのシグナル強度比から算出する。
〔酸価〕
試料0.2gを枝付き三角フラスコ内に精秤し、ベンジルアルコール10mLを加え、窒素雰囲気下として230℃のヒーターにて15分加熱して試料を溶解させた。室温まで放冷後、ベンジルアルコール10mL、クロロホルム20mL、及びフェノールフタレイン溶液数滴を加え、0.02規定のKOH溶液にて滴定して酸価を決定する。
〔メルトマスフローレイト(MFR)〕
ASTM D1238に準拠して、190℃又は230℃で、公称荷重2.16kgの条件で測定する。また、酸化ポリオレフィンワックスのように、溶融流動性が高すぎるためにMFR測定を適用するのが一般的でない場合は、溶融粘度等の周知の方法で溶融流動性を評価する。
〔酸変性量〕
変性する前のベース材料と有機酸のブレンド物を0.1mmのスペーサーを用いてプレスしIRを測定し、特徴的なカルボニル(1600~1900cm-1)の吸収量と有機酸の仕込量から検量線を作成し、酸変性体のプレス板のIR測定(IR測定器:堀場製作所製FT-210)を行い、変性量(酸含有量)を決定する。
<成分E(エポキシ系架橋剤)>
〔重量平均分子量(Mw)〕
テトロヒドロフランを溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定(GPC)装置を用い、JIS K7252で規定される方法に準拠して測定し、ポリスチレン換算で分子量を計測する。
〔エポキシ価〕
JIS K 7236に準拠した方法により測定する。
<成分F(リン系難燃剤)>
〔リン含有量〕
試料0.5gを硝酸と硫酸の混酸(濃硝酸/濃硫酸(体積比):1/3)で加熱分解して水溶液としたものに塩酸を加え、セイコーインスツルメント社製のSPS1500VR型ICP発光分析装置を用いて測定する。
〔5質量%加熱減量温度〕
熱重量・示差熱測定(TG-DTA)装置を用い、JIS K7120で規定される方法に準拠して10℃/minで昇温して得られる重量減少率を測定し、所定の減少率(5質量%)に到達した温度を計測する。
実施例1~18及び比較例1~7
表9、10に示す配合(質量比)で原料成分をミキサーに投入し、ドライブレンドした。
実施例及び比較例で使用した表9、10に記載の原料の詳細は以下の通り。
Figure 0007011899000001
Figure 0007011899000002
Figure 0007011899000003
Figure 0007011899000004
Figure 0007011899000005
Figure 0007011899000006
Figure 0007011899000007
Figure 0007011899000008
その後、得られた混合物を下記の条件で押出機(連続式混練機)で溶融混練して、熱可塑性組成物のペレットを製造した。
〔溶融混練条件〕
押出機:KZW32TW-60MG-NH((株)テクノベル製)
シリンダー温度:180~260℃
スクリュー回転数:200~650r/min
ペレットを、下記の条件で射出成形し、厚さ2mm×幅125mm×長さ125mmのプレスシートを作製した。
〔射出成形条件〕
射出成形機:100MSIII-10E(商品名、三菱重工業(株)製)
射出成形温度:200℃
射出圧力:30%
射出時間:3sec
金型温度:40℃
実施例及び比較例で得られた組成物について、下記の評価を行った。なお、結果を表9~11に示す。
〔柔軟性(A硬度)〕
プレスシートを恒温恒湿室(温度23℃、相対湿度50%)に24時間以上静置し、シートの状態を安定させた。2mm厚さのプレスシートを3枚重ね、JIS K7215「プラスチックのデュロメータ硬さ試験法」に準じて、A硬度を測定した。
〔柔軟性(D硬度)〕
プレスシートを恒温恒湿室(温度23℃、相対湿度50%)に24時間以上静置し、シートの状態を安定させた。2mm厚さのプレスシートを3枚重ね、JIS K7215「プラスチックのデュロメータ硬さ試験法」に準じて、D硬度を測定した。
〔機械的強度(引張破壊応力)〕
プレスシートから、型抜機を用いてJIS K7113に記載の3号試験片(長さ20mm)を作製し、(株)島津製作所製の引張試験機(オートグラフ AG-50kND型)を用いて、23℃の温度環境下、200mm/minの速度で試験片を引っ張った。試験片破断時の応力(MPa)を引張破壊応力として記録した。
〔難燃性〕
UL94V(米国Under Writers Laboratories Incで定められた規格)の方法を用いて、1サンプル当たりそれぞれ5本ずつ測定を行った。試験片(長さ127mm、幅12.7mm、厚み2.0mm)は熱プレスを用いて成形した。試験片を垂直に保ち、下端にバーナーの火を10秒間接炎させた後で炎を取り除き、試験片に着火した火が消える時間を測定した。次に、火が消えたらさらに2回目の接炎を10秒間行い、1回目と同様にして着火した火が消える時間を測定した。また、落下する火種により試験片の下の綿が着火するか否かについても同時に評価し、着火したものを有炎滴下「有」とした。5本のサンプルの1回目と2回目の燃焼時間の合計を総燃焼時間とし、綿着火の有無等からUL-94V規格に従って燃焼ランクをつけた。燃焼ランクはV-0が最高のものであり、V-1、V-2となるにしたがって難燃性は低下する。実施例3、17、18の組成物については、厚み1.0mmの試験片についても難燃性を測定した。
難燃等級には、UL94V垂直燃焼試験によって分類される難燃性のクラスを示した。ただし、全てのサンプルで試験は5本行い判定した。分類方法の概要は以下の通りである。その他詳細はUL94V規格に準じる。
V-0:総燃焼時間50秒以下、1本あたりの最大燃焼時間10秒未満、有炎滴下なし
V-1:総燃焼時間250秒以下、1本あたりの最大燃焼時間30秒未満、有炎滴下なし
V-2:総燃焼時間250秒以下、1本あたりの最大燃焼時間30秒未満、有炎滴下あり
Figure 0007011899000009
Figure 0007011899000010
Figure 0007011899000011
以上の結果より、実施例1~18の難燃性熱可塑性エラストマー組成物は、比較例1~7のものと対比して、柔軟性、機械的強度、及び難燃性のいずれにも優れていることが分かる。
特に、実施例1と比較例3の対比より、一般的な金属水和物では、トリアジン系化合物の配合による機械的強度の低下を補うことができず、難燃性も低下することが分かる。
また、実施例3と実施例17、18の対比から明らかなように、リン系難燃剤の配合により、柔軟性及び難燃性が向上する一方で、実施例17と比較例7の対比から、耐熱性の水酸化アルミニウムを用いた方が難燃性に優れていることが分かる。
本発明の難燃性熱可塑性エラストマー組成物は、電子材料、家電、電気機器、医療用具、包装資材、文具・雑貨用品等の各種成形品に用いられる。

Claims (6)

  1. D硬度が15~80、A硬度が60~99であり、芳香族ポリエステルブロックであるハードセグメントと、ポリエステル型ポリマーブロック、ポリエーテル型ポリマーブロック、及びポリカーボネート型ポリマーブロックからなる群より選ばれた少なくとも1種のソフトセグメントとを、10/90~40/60の質量比(ハードセグメント/ソフトセグメント)で含有する熱可塑性ポリエステル系エラストマーA、該熱可塑性ポリエステル系エラストマーA 100質量部に対して、1~40質量部のトリアジン系化合物B、及び5質量%加熱減量温度が220~300℃の水酸化アルミニウムを含有してなり、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマーAの含有量が60~75質量%、前記トリアジン系化合物Bの含有量が7~20質量%、前記水酸化アルミニウムの含有量が3~25質量%であり、D硬度が25~70、A硬度が60~99である難燃性熱可塑性エラストマー組成物。
  2. トリアジン系化合物Bがメラミンシアヌレートを含有する、請求項1記載の難燃性熱可塑性エラストマー組成物。
  3. さらに、熱可塑性ポリエステル系エラストマーA 100質量部に対して、1~50質量部の有機酸化合物Dを含有してなる、請求項1又は2記載の難燃性熱可塑性エラストマー組成物。
  4. さらに、熱可塑性ポリエステル系エラストマーA 100質量部に対して、0.1~10質量部のエポキシ系架橋剤Eを含有してなる、請求項1~いずれか記載の難燃性熱可塑性エラストマー組成物。
  5. さらに、熱可塑性ポリエステル系エラストマーA 100質量部に対して、1~50質量部のリン系難燃剤Fを含有してなる、請求項1~いずれか記載の難燃性熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 請求項1~いずれか記載の難燃性熱可塑性エラストマー組成物を成形して得られる難燃性成形体。
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