JP7010099B2 - 負極活物質、負極及び非水電解質蓄電素子 - Google Patents

負極活物質、負極及び非水電解質蓄電素子 Download PDF

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Description

本発明は、合金、負極活物質、負極及び非水電解質蓄電素子に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、エネルギー密度の高さから、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車等に多用されている。上記非水電解質二次電池は、一般的には、セパレータで電気的に隔離された一対の電極と、この電極間に介在する非水電解質とを有し、両電極間でイオンの受け渡しを行うことで充放電するよう構成される。また、非水電解質二次電池以外の非水電解質蓄電素子として、リチウムイオンキャパシタや電気二重層キャパシタ等のキャパシタも広く普及している。今後非水電解質蓄電素子は、電気自動車(EV)の電源等の用途に向けてよりいっそうの高容量化が要求される。
従来、非水電解質蓄電素子の負極に含まれる活物質としては、黒鉛等の炭素材料等が用いられており、非水電解質蓄電素子の大容量化等のために高容量を発現する活物質の開発が進められている。例えば、ビスマスは、リチウムがビスマスに対して3モル分の挿入及び脱離が可能な高容量負極活物質として知られている。また、従来技術においては、負極活物質としてビスマスを用いて充放電測定が実施されたことが開示されている(非特許文献1参照)。
C.Park et al,Journal of Power Sources,2009,186,206-210
しかしながら、上記従来技術においては、良好なサイクル性能を得るために負極活物質をナノ粒子化しなければならず、改善の余地がある。今後、ビスマスを負極活物質として用いた非水電解質蓄電素子においても、より充放電サイクルにおける容量維持率の高い非水電解質蓄電素子が求められている。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率を向上できる合金、負極活物質、この負極活物質を有する負極及び非水電解質蓄電素子を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る負極活物質は、遷移金属元素と、ビスマスとを含み、空間群P63/mmc、Fm-3m、又はPnmaに帰属可能な結晶構造を有する合金を含有する負極活物質である。
本発明の他の一態様に係る負極活物質は、遷移金属元素と、ビスマスとを含み、結晶質である合金であって、放電時における上記合金に由来する0.7~0.9V(vs.Li/Li)の電気量Aと、放電時における上記合金に由来する0.0~2.0V(vs.Li/Li)の電気量Bの比(A/B)が60%以下である合金を含有する負極活物質である。
本発明の他の一態様に係る負極は、上記負極活物質を含有する。
本発明の他の一態様に係る非水電解質蓄電素子は、上記負極を備える。
本発明の他の一態様に係る合金は、ニッケルと、ビスマスとを含み、空間群P63/mmc又は空間群Fm-3mに帰属可能であり、上記ニッケルと上記ビスマスとの含有割合が原子比で2:1~9:1である合金である。
本発明によれば、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率を向上できる負極活物質、この負極活物質を有する負極及び非水電解質蓄電素子、並びに非水電解質の負極活物質に用いた場合に、この非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率を向上できる合金を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池を示す外観斜視図である。 本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池を複数個集合して構成した蓄電装置を示す概略図である。 実施例2~3、5~9の合金のX線回折図である。 実施例1の合金の充放電サイクル前後のX線回折図である。 実施例9の合金の充放電サイクル前後のX線回折図である。
本発明の一態様に係る負極活物質は、遷移金属元素と、ビスマスとを含み、空間群P63/mmc、Fm-3m、又はPnmaに帰属可能な結晶構造を有する合金を含有する負極活物質である。当該負極活物質は、遷移金属元素と、ビスマスとを含み、上記結晶構造を有する合金を含有するため、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率を向上できる。この理由は定かではないが、当該負極活物質が含有する合金が遷移金属元素と、ビスマスとを含み、空間群P63/mmc、Fm-3m、又はPnmaに帰属可能な結晶構造を有することで、ナノ粒子とせずとも、可逆的にリチウムの合金化・脱合金化反応が進行することによると推測される。
上記遷移金属元素としては、ロジウム、パラジウム、銀、イリジウム、白金及び金を除く周期表の第3族~第11族の元素が好ましい。遷移金属元素が、上記元素であることで、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率をより向上できる。この理由としては定かではないが、これらの遷移金属元素は、リチウムと合金化し難く、負極として動作しない金属元素であることによると推測される。すなわち、上記合金が遷移金属元素を含有することで、充放電に伴うリチウム原子の脱離及び挿入の際、結晶構造への負荷が低減され、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率の低下が抑えられると推測される。また、これらの遷移金属元素の中でも、クロム、ニッケル、銅は不燃性であり、ビスマスとの合金も不燃性となるため、安全性を向上させることができる。
上記遷移金属元素としては、ニッケルが好ましい。遷移金属元素が、ニッケルであることで、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率をより向上できるとともに、ビスマスとの合金が不燃性となるため安全性をより高めることができる。
上記合金の上記ニッケルと上記ビスマスとの含有割合としては、原子比で1:1~9:1であることが好ましい。上記合金の上記ニッケルと上記ビスマスとの含有割合が上記範囲であることで、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率をより向上できる。
上記結晶構造が空間群P63/mmcに帰属可能であり、格子定数としては、3.9Å≦a≦4.3Å、5.1Å≦c≦5.6Åであることが好ましい。上記結晶構造が空間群P63/mmcに帰属可能である場合における格子定数が上記範囲であることで、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率をより向上できる。なお、1Å=0.1nm=10-10mである。
上記結晶構造が空間群Fm-3mに帰属可能であり、格子定数としては、3.4Å≦a≦3.8Åであることが好ましい。上記結晶構造が空間群Fm-3mに帰属可能である場合における格子定数が上記範囲であることで、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率をより向上できる。
本発明の他の一態様に係る負極活物質は、遷移金属元素と、ビスマスとを含み、結晶質である合金であって、放電時における上記合金に由来する0.7~0.9V(vs.Li/Li)の電気量Aと、放電時における上記合金に由来する0.0~2.0V(vs.Li/Li)の電気量Bの比(A/B)が60%以下である合金を含有する負極活物質である。上記合金における電気量Aと電気量Bの比(A/B)が上記範囲であることによって、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率及び充放電効率を向上できる。この理由は定かではないが、上記合金において、遷移金属とビスマスが固溶し、遷移金属が、ビスマスの第一近接または第二近接等、ビスマスの電子状態に影響を与え得る位置に配置されていることにより、上記合金におけるビスマスの電子状態が適切なものとなるため、充放電サイクルにおける容量維持率がより向上し、充放電効率が向上するものと推測される。
本発明の他の一態様に係る負極は、当該負極活物質を含有する負極である。従って、当該負極は、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率を向上できる。
本発明の他の一態様に係る非水電解質蓄電素子は、当該負極を備える。従って、当該非水電解質蓄電素子は、充放電サイクルにおける容量維持率が優れる。
本発明の他の一態様に係る合金は、ニッケルと、ビスマスとを含み、空間群P63/mmc又は空間群Fm-3mに帰属可能であり、上記ニッケルと上記ビスマスとの含有割合が原子比で2:1~9:1である合金である。当該合金を非水電解質蓄電素子の負極活物質に用いた場合、この非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率及び充放電効率を向上できる。
以下、本発明の一実施形態に係る合金、負極活物質、負極、非水電解質蓄電素子について、詳説する。
<負極活物質>
本発明の一態様に係る負極活物質は、遷移金属元素と、ビスマスとを含み、空間群P63/mmc、Fm-3m、又はPnmaに帰属可能な結晶構造を有する合金を含有する負極活物質(以下、「負極活物質」ともいう。)である。当該負極活物質は、上記合金を含有するため、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率を向上できる。
(遷移金属元素)
上記遷移金属元素としては、ロジウム、パラジウム、銀、イリジウム、白金及び金を除く周期表の第3族~第11族の元素が好ましい。負極活物質が含有する合金が含む遷移金属元素として、これらの元素を用いることで、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率を高めることができる。これらの遷移金属元素は、リチウムと合金化し難く、負極として動作しない金属元素であることで、充放電に伴うリチウム原子の脱離及び挿入の際、結晶構造への負荷が低減され、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率の低下が抑えられると推測される。
上記遷移金属元素の中では、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率を高める観点から、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、モリブデン(Mo)がより好ましい。また、上記容量維持率を高めるとともに、合金化することでビスマスの燃性を抑制して安全性を向上させる観点から、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、クロム(Cr)がさらに好ましく、ニッケル(Ni)が特に好ましい。
上記合金において、放電時における合金に由来する0.7~0.9V(vs.Li/Li)の電気量Aと、放電時における上記合金に由来する0.0~2.0V(vs.Li/Li)の電気量Bとの比(A/B)の上限としては、70%が好ましく、60%がより好ましく、50%が好ましいこともある。放電時における上記合金に由来する0.7~0.9V(vs.Li/Li)の電気量Aと、放電時における上記合金に由来する0.0~2.0V(vs.Li/Li)の電気量Bとの比(A/B)が上記範囲であることで、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率をより向上でき、充放電サイクルにおける充放電効率を優れたものとすることができる。上記比(A/B)の下限としては、特に限定されないが、10%が好ましく、20%が好ましいこともある。
ここで、放電時における上記合金に由来する0.7~0.9V(vs.Li/Li)の電気量A及び0.0~2.0V(vs.Li/Li)の電気量Bは、以下の方法によって測定される値である。まず、上記合金を含む作用極(負極)と金属Li対極を備えた非水電解質蓄電素子を組み立て、合金の質量に対して50mA/gの電流で0.0V(vs.Li/Li)まで充電し、3時間の定電位充電を行う。10分間の休止の後、合金の質量に対して50mA/gの電流で2.0V(vs.Li/Li)まで放電し、0.0~2.0V(vs.Li/Li)の範囲での放電容量から電気量Bを、0.7~0.9V(vs.Li/Li)の範囲での放電容量から電気量Aを算出する。なお、上記作用極が、上記合金以外に0.0~2.0V(vs.Li/Li)の範囲で容量を発現する物質を含む場合、その物質に起因する放電容量を減じることによって、電気量A及び電気量Bを算出する。本明細書において、上記合金は負極活物質として作用するものであり、負極活物質にリチウムイオン等が吸蔵される還元反応を「充電」、負極活物質からリチウムイオン等が放出される酸化反応を「放電」という。
放電時における上記合金に由来する0.7~0.9V(vs.Li/Li)の電気量Aと、放電時における上記合金に由来する0.0~2.0V(vs.Li/Li)の電気量Bとの比(A/B)が上記範囲であることで、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率及び充放電効率を向上できる理由は定かではないが、次のように考えられる。合金の反応電位は、酸化還元反応に寄与するビスマスの電子状態と相関があると考えられることから、放電時における上記合金に由来する0.7~0.9V(vs.Li/Li)の電気量Aと、放電時における上記合金に由来する0.0~2.0V(vs.Li/Li)の電気量Bとの比(A/B)は、ビスマスの電子状態に対応して変化する。上記合金において、遷移金属とビスマスが固溶し、遷移金属が、ビスマスの第一近接または第二近接等、ビスマスの電子状態に影響を与え得る位置に配置されていることにより、上記合金におけるビスマスの電子状態が適切なものとなるため、充放電サイクルにおける容量維持率がより向上し、充放電効率が向上するものと推測される。
(空間群P63/mmc)
空間群P63/mmcに帰属可能な結晶構造とは、X線回折図において、空間群P63/mmcに帰属可能なピークを有することをいう。
上記結晶構造が空間群P63/mmcに帰属可能な場合の格子定数の下限としては、a=3.9Å、c=5.1Åが好ましく、a=4.0Å、c=5.2Åがより好ましい。また、この上限としては、a=4.3Å、c=5.6Åが好ましく、a=4.2Å、c=5.5Åがより好ましい。上記格子定数が上記範囲であることで、当該負極活物質を用いた非水電解質蓄電素子の容量維持率をより高めることができる。
上記空間群P63/mmcに帰属可能な結晶構造を有する合金としては、例えばNiBi、NiBi、NiBi、NiBi、MnBi等が挙げられる。
また、上記合金としては、CuZn、NiTi、NiZr、CrTi、及びCrZrのうちのいずれかと、Biとで構成され、かつBiの含有割合が原子比で20%未満である合金であって、空間群P63/mmcに帰属可能な結晶構造を有する合金も非水電解質蓄電素子の容量維持率を高める観点から用いることができる。
(空間群Fm-3m)
空間群Fm-3mに帰属可能な結晶構造とは、X線回折図において、空間群Fm-3mに帰属可能なピークを有することをいう。なお、空間群「Fm-3m」における「-3」は3回回反軸の対象要素を表し、本来「3」の上にバー「-」を付して表記する。
上記結晶構造が空間群Fm-3mに帰属可能な場合の格子定数の下限としては、a=3.4Åが好ましく、a=3.5Åがより好ましい。また、この上限としては、a=3.8Åが好ましく、a=3.7Åがより好ましい。上記格子定数が上記範囲であることで、当該負極活物質を用いた非水電解質蓄電素子の容量維持率をより高めることができる。
上記空間群Fm-3mに帰属可能な結晶構造を有する合金としては、例えばNiBi、NiBi、NiBi、NiBi、MnNiBi等が挙げられる。
また、上記合金としては、Ni、Cu、FeNi、NiCu、CuNiZn、CrNi、CuZn、FeCu、CuMo及び、Cu3.8Niのうちのいずれかと、Biとで構成され、かつBiの含有割合が原子比で20%未満である合金であって、空間群Fm-3mに帰属可能な結晶構造を有する合金も非水電解質蓄電素子の容量維持率を高める観点から用いることができる。
(空間群Pnma)
空間群Pnmaに帰属可能な結晶構造とは、X線回折図において、空間群Pnmaに帰属可能なピークを有することをいう。
上記空間群Pnmaに帰属可能な結晶構造を有する合金としては、例えばNiBi等が挙げられる。
上記合金のX線回折測定は、X線回折装置Rigaku社の「MiniFlex II」を用いた粉末X線回折測定によって、線源はCuKα線、管電圧は30kV、管電流は15mAとして行うことができる。このとき、回折X線は、厚み30μmのKβフィルターを通り、高速一次元検出器D/teX Ultra 2にて検出される。また、サンプリング幅は0.01°、スキャンスピードは5°/min、発散スリット幅は0.625°、受光スリット幅は13mm(OPEN)、散乱スリット幅は8mmとする。得られるX線回折データに基づいて、「Rietan2000」プログラム(F.Izumi and T.Ikeda,Mater.Sci.Forum,198(2000).)を用いたリートベルト解析により、結晶構造を解析することができる。空間群及び格子定数は、総合粉末X線解析ソフトウェア「PDXL」(Rigaku社製)を用いても同じ結果が得られる。
ピークの半値幅及び結晶子サイズは次の方法で求められる。得られるX線回折データを分割型擬Voido関数でフィッティングし、ピークの半値幅を算出する。ピークの半値幅と、次のシェラーの式から合金の結晶子サイズが得られる。
D=Kλ/βcos(θ)
D:結晶子サイズ
K:シェラー定数(K=0.94)
λ:CuKα1線の波長
β:FWHM (ラジアン単位)
θ:回折線のブラッグ角
上記空間群としては、非水電解質蓄電素子の容量維持率向上の観点から、P63/mmc、Fm-3m及びPnmaの中ではP63/mmc及びFm-3mが好ましく、Fm-3mがより好ましい。上記空間群の中でP63/mmc及びFm-3mが好ましい理由は定かではないが、上記合金の充放電に伴う結晶構造の変化が可逆的となり、充放電サイクル後においても、その結晶構造が維持されている。このような結晶構造の安定性の差異が非水電解質蓄電素子の容量維持率に影響しているものと推測される。
上記合金の結晶子サイズの下限は、20Åが好ましく、30Åがより好ましく、40Åがさらに好ましい。また、上記合金の結晶子サイズの上限は、700Åが好ましく、600Åがより好ましく、300Åがさらに好ましく、200Åがよりさらに好ましい。結晶子サイズが上記範囲であることによって、高い放電容量と優れた充放電サイクル性能を備えた負極活物質が得られる。
上記合金の遷移金属とビスマスとの含有割合の下限としては、原子比で1:3が好ましく、1:1がより好ましく、2:1がさらに好ましく、4:1がよりさらに好ましいこともある。上記合金の遷移金属とビスマスとの含有割合が上記範囲であることで、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率をより向上できる。また、上記合金の遷移金属とビスマスとの含有割合の上限としては、原子比で9:1が好ましく、8:1がより好ましい。上記合金の遷移金属とビスマスとの含有割合が上記範囲であることで、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける放電容量をより向上できる。
なお、遷移金属として複数の元素が含まれる場合は、複数の遷移金属元素の合計量とビスマスの含有割合が上記範囲であることが好ましい。
本発明の一態様に係る負極活物質は、遷移金属元素と、ビスマスとを含み、結晶質である合金であって、放電時における上記合金に由来する0.7~0.9V(vs.Li/Li)の電気量Aと、放電時における上記合金に由来する0.0~2.0V(vs.Li/Li)の電気量Bの比(A/B)が60%以下である合金を含有する負極活物質である。放電時における上記合金に由来する0.7~0.9V(vs.Li/Li)の電気量Aと、放電時における上記合金に由来する0.0~2.0V(vs.Li/Li)の電気量Bとの比(A/B)が上記範囲であることで、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率及び充放電効率を優れたものとすることができる。ここで、放電時における上記合金に由来する0.7~0.9V(vs.Li/Li)の電気量A及び0.0~2.0V(vs.Li/Li)の電気量Bは、前述の方法によって測定される値である。
上記合金が結晶質であるとは、上記粉末X線回折測定によって得られるX線回折図に、合金に由来するX線回折ピークが複数本観測され、それらのピークが7つの結晶形のいずれかに帰属可能であることをいう。上記合金が有する結晶構造は、空間群P63/mmc、Fm-3m、又はPnmaに帰属可能であることが好ましい。
放電時における上記合金に由来する0.7~0.9V(vs.Li/Li)の電気量Aと、放電時における上記合金に由来する0.0~2.0V(vs.Li/Li)の電気量Bとの比(A/B)が上記範囲であることで、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率及び充放電効率を向上できる理由は定かではないが、次のように考えられる。合金の反応電位は、酸化還元反応に寄与するビスマスの電子状態と相関があると考えられることから、放電時における上記合金に由来する0.7~0.9V(vs.Li/Li)の電気量Aと、放電時における上記合金に由来する0.0~2.0V(vs.Li/Li)の電気量Bとの比(A/B)は、ビスマスの電子状態に対応して変化する。上記合金において、遷移金属とビスマスが固溶し、遷移金属が、ビスマスの第一近接または第二近接等、ビスマスの電子状態に影響を与え得る位置に配置されていることにより、上記合金におけるビスマスの電子状態が適切なものとなるため、充放電サイクルにおける容量維持率がより向上し、充放電効率が向上するものと推測される。
上記合金は、遷移金属元素及びビスマス以外の他の元素が、本発明の作用効果に影響を与えない範囲で含有されていてもよい。このような他の任意元素としては、亜鉛、スズ、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム等の金属元素が挙げられる。
当該負極活物質は、上記合金のみから形成されていてもよいが、上記合金以外の他の負極活物質が含まれていてもよい。他の負極活物質としては、例えばSi、Sn等の金属又は半金属;Si酸化物、Sn酸化物等の金属酸化物又は半金属酸化物;ポリリン酸化合物;黒鉛(グラファイト)、非黒鉛質炭素(易黒鉛化性炭素又は難黒鉛化性炭素)等の炭素材料などが挙げられる。
当該負極活物質における上記合金の含有率としては、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。上記合金の含有率を高めることで、非水電解質蓄電素子の容量維持率を十分に向上できる。
<合金>
本発明の一実施形態に係る合金は、ニッケルと、ビスマスとを含み、空間群P63/mmc又は空間群Fm-3mに帰属可能であり、上記ニッケルと上記ビスマスとの含有割合が原子比で2:1~9:1である合金である。当該合金は、非水電解質蓄電素子の負極活物質に用いた場合に、この非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率及び充放電効率を向上できる。
<負極>
本発明の一実施形態に係る負極は、当該上記負極活物質を含有する。当該負極は、当該負極活物質を含有するため、非水電解質蓄電素子の充放電サイクルにおける容量維持率を向上できる。
上記負極は、負極基材及びこの負極基材に直接又は中間層を介して配される負極活物質層を有する。
上記負極基材は、導電性を有する。負極基材の材質としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼、アルミニウム等の金属又はそれらの合金が用いられ、銅又は銅合金が好ましい。また、負極基材の形成形態としては、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの面から箔が好ましい。つまり、負極基材としては銅箔が好ましい。銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が例示される。
中間層は、負極基材の表面の被覆層であり、炭素粒子等の導電性粒子を含むことで負極基材と負極活物質層との接触抵抗を低減する。中間層の構成は特に限定されず、例えば樹脂バインダー及び導電性粒子を含有する組成物により形成できる。なお、「導電性」を有するとは、JIS-H-0505(1975年)に準拠して測定される体積抵抗率が10Ω・cm以下であることを意味し、「非導電性」とは、上記体積抵抗率が10Ω・cm超であることを意味する。
負極活物質層は、負極活物質を含むいわゆる負極合材から形成される。また、負極活物質層を形成する負極合材は、必要に応じて導電剤、バインダー(結着剤)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。
上記負極活物質として、上述した負極活物質が用いられる。上記負極活物質層における負極活物質の含有量としては、例えば50質量%以上99質量%以下とすることができる。
上記導電剤としては、電池性能に悪影響を与えない導電性材料であれば特に限定されない。このような導電剤としては、天然又は人造の黒鉛、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、金属、導電性セラミックスなどが挙げられる。導電剤の形状としては、粉状、繊維状等が挙げられる。
上記バインダー(結着剤)としては、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等の熱可塑性樹脂;エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のエラストマー;多糖類高分子などが挙げられる。
上記増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース等の多糖類高分子が挙げられる。また、増粘剤がリチウムと反応する官能基を有する場合、予めメチル化等によりこの官能基を失活させておくことが好ましい。
上記フィラーとしては、電池性能に悪影響を与えないものであれば特に限定されない。フィラーの主成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス、炭素などが挙げられる。
<非水電解質蓄電素子>
本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子は、正極、負極及び非水電解質を有する。以下、蓄電素子の一例として、非水電解質二次電池について説明する。上記正極及び負極は、通常、セパレータを介して積層又は巻回により交互に重畳された電極体を形成する。この電極体はケースに収納され、このケース内に非水電解質が充填される。上記非水電解質は、正極と負極との間に介在する。また、上記ケースとしては、非水電解質二次電池のケースとして通常用いられる公知の金属製ケース等を用いることができる。
当該非水電解質二次電池(蓄電素子)によれば、当該負極活物質を含有する負極を備えるため、充放電サイクルにおける容量維持率が優れる。
(負極)
当該負極は、上述したように、本発明の一実施形態に係る上記負極が用いられる。負極の詳細は上述した通りである。
(正極)
上記正極は、正極基材及びこの正極基材に直接又は中間層を介して配される正極活物質層を有する。上記中間層は負極の中間層と同様の構成とすることができる。
上記正極基材は、負極基材と同様の構成とすることができるが、材質としては、アルミニウム、チタン、タンタル、ステンレス鋼等の金属又はそれらの合金が用いられる。これらの中でも、耐電位性、導電性の高さ及びコストのバランスからアルミニウム及びアルミニウム合金が好ましい。また、正極基材の形成形態としては、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの面から箔が好ましい。つまり、正極基材としてはアルミニウム箔が好ましい。なお、アルミニウム又はアルミニウム合金としては、JIS-H-4000(2014年)に規定されるA1085P、A3003P等が例示できる。
正極活物質層は、正極活物質を含むいわゆる正極合材から形成される。また、正極活物質層を形成する正極合材は、必要に応じて導電剤、バインダー(結着剤)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。
上記正極活物質としては、例えばLiMO(Mは少なくとも一種の遷移金属を表す)で表される複合酸化物(層状のα-NaFeO型結晶構造を有するLiCoO,LiNiO,LiMnO,LiNiαCo(1-α),LiNiαMnβCo(1-α-β)等、スピネル型結晶構造を有するLiMn,LiNiαMn(2-α)等)、LiMe(XO(Meは少なくとも一種の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、V等を表す)で表されるポリアニオン化合物(LiFePO,LiMnPO,LiNiPO,LiCoPO,Li(PO,LiMnSiO,LiCoPOF等)が挙げられる。これらの化合物中の元素又はポリアニオンは、他の元素又はアニオン種で一部が置換されていてもよい。正極活物質層においては、これら化合物の1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記導電剤としては、電池性能に悪影響を与えない導電性材料であれば特に限定されない。このような導電剤としては、天然又は人造の黒鉛、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、金属、導電性セラミックス等が挙げられる。導電剤の形状としては、粉状、繊維状等が挙げられる。
上記バインダー(結着剤)としては、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等の熱可塑性樹脂;エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のエラストマー;多糖類高分子等が挙げられる。
上記増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース等の多糖類高分子が挙げられる。また、増粘剤がリチウムと反応する官能基を有する場合、予めメチル化等によりこの官能基を失活させておくことが好ましい。
上記フィラーとしては、電池性能に悪影響を与えないものであれば特に限定されない。フィラーの主成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス、炭素等が挙げられる。
(セパレータ)
上記セパレータの材質としては、例えば織布、不織布、多孔質樹脂フィルム等が用いられる。これらの中でも、強度の観点から多孔質樹脂フィルムが好ましく、非水電解質の保液性の観点から不織布が好ましい。上記セパレータの主成分としては、強度の観点から例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましく、耐酸化分解性の観点から例えばポリイミドやアラミド等が好ましい。また、これらの樹脂を複合してもよい。
(非水電解質)
上記非水電解質としては、非水電解質二次電池に通常用いられる公知の電解質が使用でき、非水溶媒に電解質塩が溶解されたものを用いることができる。
上記非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等の環状カーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状カーボネートなどを挙げることができる。
電解質塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、オニウム塩等を挙げることができるが、リチウム塩が好ましい。上記リチウム塩としては、LiPF、LiPO、LiBF、LiClO、LiN(SOF)等の無機リチウム塩、LiSOCF、LiN(SOCF、LiN(SO、LiN(SOCF)(SO)、LiC(SOCF、LiC(SO等のフッ化炭化水素基を有するリチウム塩などを挙げることができる。
非水電解質として、常温溶融塩、イオン液体、ポリマー固体電解質などを用いることもできる。
[非水電解質蓄電素子の製造方法]
当該非水電解質蓄電素子の製造方法としては、特に限定されない。負極が含有する負極活物質として、当該負極活物質を用いる。上記製造方法は、例えば、正極及び負極(電極体)をケースに収容する工程及び上記ケースに上記非水電解質を注入する工程を備える。
当該負極活物質の製造方法としては、例えば遷移金属元素及びビスマスを含む材料を焼成又はメカノケミカル法による処理を用いることができる。焼成又はメカノケミカル法により活物質用材料を処理することにより、空間群P63/mmc、Fm-3m、又はPnmaに帰属可能な結晶構造を有する合金を得ることができる。
上記焼成処理は、通常、不活性ガス雰囲気下又は還元性ガス雰囲気下にて行われる。焼成温度の下限としては、600℃が好ましく、700℃がより好ましい。上記焼成温度を上記範囲とすることで、焼成が十分に進行し、不純物の少ない合金を合成することができる。一方、上記焼成温度の上限は、1200℃が好ましく、1000℃がより好ましい。上記焼成温度を上記範囲とすることで、合金粉末の過度な粒子成長を抑制することができ、適切な粒子径とすることができる。なお、焼成処理後、焼成物を粉砕する粉砕処理を行ってもよい。
メカノケミカル法(メカノケミカル処理などともいう)とは、メカノケミカル反応を利用した合成法をいう。メカノケミカル反応とは、固体物質の破砕過程での摩擦、圧縮等の機械エネルギーにより局部的に生じる高いエネルギーを利用する結晶化反応、固溶反応、相転移反応等の化学反応をいう。メカノケミカル法を行う装置としては、ボールミル、ビーズミル、振動ミル、ターボミル、メカノフュージョン、ディスクミルなどの粉砕・分散機が挙げられる。これらの中でもボールミルが好ましい。
上記注入は、公知の方法により行うことができる。注入後、注入口を封止することにより非水電解質二次電池を得ることができる。上記製造方法によって得られる非水電解質二次電池を構成する各要素についての詳細は上述したとおりである。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、非水電解質蓄電素子が非水電解質二次電池である形態を中心に説明したが、その他の蓄電素子であってもよい。その他の蓄電素子としては、キャパシタ(電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ)等が挙げられる。
図1に、本発明に係る非水電解質蓄電素子の一実施形態である矩形状の非水電解質二次電池1の概略図を示す。なお、同図は、容器内部を透視した図としている。図1に示す非水電解質二次電池1は、電極体2が電池容器3に収納されている。電極体2は、正極活物質を備える正極と、負極活物質を備える負極とが、セパレータを介して捲回されることにより形成されている。正極は、正極リード4’を介して正極端子4と電気的に接続され、負極は、負極リード5’を介して負極端子5と電気的に接続されている。また、電池容器3内に、非水電解質が注入されている。
本発明に係る非水電解質蓄電素子の構成については特に限定されるものではなく、円筒型電池、角型電池(矩形状の電池)、扁平型電池等が一例として挙げられる。本発明は、上記の非水電解質蓄電素子を複数備える蓄電装置としても実現することができる。蓄電装置の一実施形態を図2に示す。図2において、蓄電装置30は、複数の蓄電ユニット20を備えている。それぞれの蓄電ユニット20は、複数の非水電解質二次電池1を備えている。上記蓄電装置30は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源として搭載することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<負極活物質の作成>
[実施例1]
Bi(高純度化学社製)、NiO(高純度化学社製)及び還元剤としてのCをモル比Bi:NiO:C=2:4:5となるように秤取して混合した後、窒素雰囲気下で、10時間で常温から800℃まで昇温し、この温度で4時間保持した後、室温まで自然冷却した。
実施例1の反応式は下記の通りである。
2Bi+4NiO+5C→4NiBi+5CO
焼成後、メノウ乳鉢で10分程度粉砕し、組成式NiBiで表されるニッケルビスマス合金を含有する実施例1の負極活物質を作製した。
[比較例1]
Bi(高純度化学社製)及び還元剤としてのCをモル比Bi:C=2:3となるように秤取して混合した後、窒素雰囲気下で、10時間で常温から600℃まで昇温し、この温度で4時間保持した後、室温まで自然冷却した。
比較例1の反応式は下記の通りである。
2Bi+3C→4Bi+3CO
焼成後、メノウ乳鉢で10分程度粉砕し、組成式Biで表されるビスマス金属を含有する比較例1の負極活物質を作製した。
[実施例2]
Ni(ニラコ社製)及び実施例1で合成したNiBiを、Ni:NiBiのモル比が1:1となるように秤取した。これらを直径5mmのタングステンカーバイド製ボールが250g(約250個)入った内容積80mLのタングステンカーバイド製ポットに投入し、アルゴン雰囲気を維持したグローブボックス中で蓋をした。これを遊星型ボールミル(FRITSCH社の「pulverisette 5」)にセットし、公転回転数400rpmで10分混合した後に5分間の休止を入れる操作を計12回繰り返した。
実施例2の反応式は下記の通りである。
Ni+NiBi→NiBi
このようにして、組成式NiBiで表されるニッケルビスマス合金を含有する実施例2の負極活物質を作製した。
[実施例3~実施例9]
下記表1に示される出発物質を下記表1に示されるそれぞれのモル比となるように秤取した。次に、遊星型ボールミルを用いて実施例2と同様の操作を行った。このようにして、下記表1に示される組成式で表される合金を含有する実施例3~実施例9の負極活物質を作製した。
実施例3~実施例9の反応式は下記の通りである。
(実施例3)
3Ni+NiBi→NiBi
(実施例4)
4Ni+Bi→NiBi
(実施例5)
4Ni+NiBi→NiBi
(実施例6)
5Ni+NiBi→NiBi
(実施例7)
6Ni+NiBi→NiBi
(実施例8)
7Ni+NiBi→NiBi
(実施例9)
8Ni+NiBi→NiBi
[実施例10]
Bi(高純度化学社製)、NiO(高純度化学社製)及び還元剤としてのCをモル比Bi:NiO:C=6:4:11となるように秤取して混合した後、窒素雰囲気下で、10時間で常温から800℃まで昇温し、この温度で4時間保持した後、室温まで自然冷却した。
実施例10の反応式は下記の通りである。
6Bi+4NiO+11C→4NiBi+11CO
焼成後、メノウ乳鉢で10分程度粉砕し、組成式NiBiで表されるニッケルビスマス合金を含有する実施例10の負極活物質を作製した。
[比較例2]
Bi(高純度化学社製)、CuO(高純度化学社製)及び還元剤としてのCをモル比Bi:CuO:C=2:4:5となるように秤取して混合した後、窒素雰囲気下で、10時間で常温から600℃まで昇温し、この温度で4時間保持した後、室温まで自然冷却した。これを直径5mmのタングステンカーバイド製ボールが250g(約250個入った内容積80mLのタングステンカーバイド製ポットに投入し、アルゴン雰囲気を維持したグローブボックス中で蓋をした。これを遊星型ボールミル(FRITSCH社の「pulverisette 5」)にセットし、公転回転数400rpmで10分混合した後に5分間の休止を入れる操作を計12回繰り返した。
比較例2の反応式は下記の通りである。
2Bi+4CuO+5C→4Bi+4Cu+5CO
Bi+Cu→CuBi
組成式CuBiで表される銅ビスマス合金を含有する比較例2の負極活物質を作製した。
Figure 0007010099000001
[合金の解析]
実施例1~実施例10及び比較例1~比較例2のニッケルビスマス合金、ビスマス及び銅ビスマス合金について、以下の方法にて解析を行った。X線回折装置(Rigaku社の「MiniFlexII」)を用いて粉末X線回折測定を行った。線源はCuKα線、管電圧は30kV、管電流は15mAとし、回折X線は厚み30μmのKβフィルターを通し高速一次元検出器(Rigaku社のD/teX Ultra2)にて検出した。サンプリング幅は0.01°、スキャンスピードは5°/min、発散スリット幅は0.625°、受光スリット幅は13mm(OPEN)、散乱スリット幅は8mmとした。実施例2~実施例3及び実施例5~実施例9の合金について、得られたX線回折図を図3に示す。そして、得られたX線回折データについて、上記「PDXL」プログラムを用いてプロファイルフィッティングを実施した。また、実施例1~実施例10及び比較例1~比較例2について、上記の方法でピークの半値幅及び合金の結晶子サイズを算出した。上記プロファイルフィッティングによって得られた各合金の結晶構造が帰属する空間群、格子定数、ピークの位置及び半値幅、結晶子サイズ、並びに遷移金属元素と、ビスマスとの合計含有量に対する上記遷移金属元素の含有量の割合を下記表2に示す。
<二次電池(試験電池)の作製>
実施例1~実施例10及び比較例1~比較例2で得られた各合金を負極活物質として用い、以下の要領で二次電池を作製した。合成した各合金の粉末とアセチレンブラック(AB)とを質量比65:20でそれぞれ秤取し、メノウ乳鉢にて5分間混合した。この混合粉体、PVDF及びNMPを所定のプラスチック容器に入れ、撹拌脱泡装置(シンキー社の「あわとり練太郎」)にセットし、2000rpmで十分に混練することで、N-メチルピロリドン(NMP)を分散媒とするスラリーを調整した。スラリー中の負極活物質、AB及びPVDFの質量比は65:20:15である。このスラリーを厚さ20μmの銅箔基材の片面に塗布した。これを80℃のホットプレート上で60分乾燥して分散媒を蒸発させた後、ロールプレスを行うことで負極合剤層を形成し、負極を得た。
上記負極を作用極として試験電池を組立て、負極としての挙動を評価した。単独挙動を正確に観察する目的のため、対極には金属リチウムをニッケル箔基材に密着させたものを用いた。ここで、試験電池の容量が対極によって制限されないように、十分な量の金属リチウムを配置した。電解質として、エチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC):ジメチルカーボネート(DMC)が体積比6:7:7である混合溶媒に濃度が1mol/LとなるようにLiPFを溶解させた溶液を用いた。セパレータとして、ポリアクリレートで表面改質したポリプロピレン製の微孔膜を用いた。外装体には、ポリエチレンテレフタレート(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ50μm)/金属接着性ポリプロピレンフィルム(厚さ50μm)からなる金属樹脂複合フィルムを用い、作用極(負極)端子及び対極端子の開放端部が外部露出するように電極を収納した。次いで、上記金属樹脂複合フィルムの内面同士が向かい合った融着代を注液孔となる部分を除いて気密封止し、上記電解液を注液後、注液孔を封止した。
<評価>
[充放電試験(0.0-2.0V)]
得られた二次電池を25℃に設定した恒温槽内で充放電した。充電は定電流定電圧(CCCV)充電とし、充電下限電位は0.0V(vs.Li/Li)、充電終止条件は、充電下限電位に到達してから3時間を経過した時点とした。放電は定電流(CC)放電とし、放電終止電位は2.0V(vs.Li/Li)とした。充電及び放電の定電流値は、負極が含有する負極活物質の質量に対して50mA/gとした。各サイクルにおいて、充電後及び放電後に10分間の休止時間を設定した。このサイクルを実施例1、実施例10、比較例1及び比較例2については8サイクル、実施例2~9については45サイクル実施した。
この充放電サイクル試験における2サイクル後の放電容量に対する6サイクル後の放電容量、2サイクル後の放電容量に対する8サイクル後の放電容量、及び2サイクル後の放電容量に対する45サイクル後の放電容量の比を充放電サイクルにおける容量維持率(%)として表2に示す。
[放電時における0.7-0.9V(vs.Li/Li)の電気量Aと放電時における0.0-2.0V(vs.Li/Li)の電気量Bの比(A/B)]
上記充放電試験の2サイクル目の放電における0.7-0.9V(vs.Li/Li)の放電容量、及び2サイクル目の放電における0.0-2.0V(vs.Li/Li)の放電容量をそれぞれ算出した。
上記実施例及び比較例に係る作用極(負極)は、アセチレンブラック(AB)を含有している。従って、観測される充放電挙動はABの寄与分を含むため、その寄与分を考慮する必要がある。そこで、ニッケルビスマス合金に代えて電気化学的に不活性なAlを用いたこと以外は実施例1と同様の手順で試験電池(以下、「AB電池」という。)を作製し、同様の条件にて充放電試験を行った。AB電池における2サイクル目の放電時における0.7-0.9V(vs.Li/Li)の電気量は、Al質量当たり5mAh/gであり、0.0-2.0V(vs.Li/Li)の電気量は、Al質量当たり72mAh/gであった。上記した、放電における0.7-0.9V(vs.Li/Li)の放電容量、及び2サイクル目の放電における0.0-2.0V(vs.Li/Li)の放電容量から、ABの寄与分であるAB電池のAl質量当たりの放電容量を差し引いた値を、ABの寄与を除いた放電容量として求め、それぞれ電気量A及び電気量Bとした。電気量Aを電気量Bで除することにより、比(A/B)を算出した。放電時における0.7~0.9V(vs.Li/Li)の電気量A、放電時における0.0-2.0V(vs.Li/Li)の電気量B及び比(A/B)を表2に示す。
Figure 0007010099000002
表2に示されるように、遷移金属元素Niと、ビスマスとを含み、空間群P63/mmc、Fm-3m、又はPnmaに帰属可能な結晶構造を有する合金を含有する実施例1~実施例10の負極活物質を含有する二次電池は、負極活物質が空間群R-3mに帰属可能な結晶構造を有する合金を含有する比較例1~比較例2の負極活物質を含有する負極を備える二次電池と比べて充放電サイクルにおける容量維持率が優れていた。また、負極活物質が、遷移金属元素Niと、ビスマスとを含み、結晶質であり、放電時における上記合金に由来する0.7~0.9V(vs.Li/Li)の電気量Aと、放電時における0.0-2.0V(vs.Li/Li)の電気量Bの比(A/B)が60%以下の合金を含有する実施例5~実施例9の二次電池は、充放電サイクルにおける容量維持率が特に優れていた。
[充放電サイクル試験後の粉末X線回折測定]
実施例1及び実施例9の各合金を用いた二次電池について、10サイクルの充放電試験後に、負極合剤の粉末X線回折測定を行った。実施例1に係る二次電池から負極を取り出してDMCで洗浄し、乾燥した後、負極合剤層を銅箔基材から剥離した。剥離した負極合剤層を、アルゴン雰囲気を維持するための専用の装置(汎用雰囲気セパレータ)(Rigaku社製)に設置し、スキャンスピードを2°/minとしたこと以外は、上記[合金の解析]と同様にして、粉末X線回折測定を行った。実施例9に係る二次電池から負極を取り出してDMCで洗浄し、乾燥した後、負極合剤層を銅箔基材から剥離した。剥離した負極合剤層を、ガラスホルダーに設置し、スキャンスピードを2°/minとしたこと以外は、上記[合金の解析]と同様にして、粉末X線回折測定を行った。実施例1の充放電試験前及び10サイクル後のX線回折図を図4に示し、実施例9の充放電試験前及び10サイクル後のX線回折図を図5に示す。
粉末X線回折測定の結果から、実施例1及び実施例9のいずれの合金においても、充放電試験後に結晶構造が維持されることがわかった。負極活物質が遷移金属元素Niと、ビスマスとを含み、空間群P63/mmc、Fm-3m、又はPnmaに帰属可能な結晶構造を有する合金を含有する実施例の二次電池は、充放電試験後にも結晶構造が維持されることによって、負極活物質が空間群R-3mに帰属可能な結晶構造を有する合金を含有する比較例の二次電池と比べて充放電サイクルにおける容量維持率が優れるものと推測される。
本発明は、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車などの電源として使用される非水電解質蓄電素子、及びこれに備わる電極、負極活物質などに適用できる。
1 非水電解質二次電池
2 電極体
3 電池容器
4 正極端子
4’ 正極リード
5 負極端子
5’ 負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置

Claims (9)

  1. 遷移金属元素と、ビスマスとを含み、空間群P63/mmc又はFm-3mに帰属可能な結晶構造を有する合金を含有し、
    上記遷移金属元素が、ロジウム、パラジウム、銀、イリジウム、白金及び金を除く周期表の第3族~第11族の元素である負極活物質。
  2. 上記遷移金属元素がニッケルである請求項1の負極活物質。
  3. 上記合金の上記ニッケルと上記ビスマスとの含有割合が原子比で1:1~9:1である請求項の負極活物質。
  4. 上記結晶構造が空間群P63/mmcに帰属可能であり、
    格子定数が3.9Å≦a≦4.3Å、5.1Å≦c≦5.6Åである請求項1から請求項のいずれか1項の負極活物質。
  5. 上記結晶構造が空間群Fm-3mに帰属可能であり、
    格子定数が3.4Å≦a≦3.8Åである請求項1から請求項のいずれか1項の負極活物質。
  6. 遷移金属元素と、ビスマスとを含み、結晶質である合金であって、放電時における上記合金に由来する0.7~0.9V(vs.Li/Li)の電気量Aと、放電時における上記合金に由来する0.0~2.0V(vs.Li/Li)の電気量Bの比(A/B)が60%以下である合金を含有し、
    上記遷移金属元素が、ロジウム、パラジウム、銀、イリジウム、白金及び金を除く周期表の第3族~第11族の元素であり、
    上記合金の上記遷移金属元素と上記ビスマスとの含有割合が、上記ビスマスに対する上記遷移金属の原子比で5以上である負極活物質。
  7. ニッケルと、ビスマスとを含み、空間群P63/mmc又は空間群Fm-3mに帰属可能であり、上記ニッケルと上記ビスマスとの含有割合が原子比で2:1~9:1である合金を含有する負極活物質
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項の負極活物質を含有する負極。
  9. 請求項8に記載の負極を備える非水電解質蓄電素子。
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