JP7009354B2 - 車両用空気清浄化システムおよび車両用空気清浄化システムの制御方法 - Google Patents

車両用空気清浄化システムおよび車両用空気清浄化システムの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両用空気清浄化システムおよび車両用空気清浄化システムおよび車両用空気清浄化システムの制御方法に関する。
車両に搭載された空調システムには、車外から取り入れた空気の温度を調整して車室内に送出する外気導入モードと、車室内の空気を循環させながら温度を調整する内気循環モードとが設定されている。冬期に車両が利用される場合において、外気導入モードで車室内を暖める暖房運転を行う場合、空調システムは、外気の温度と設定された車室内の温度とに大きな差があるため、より多くのエネルギーを使用して取り入れた外気の温度を上昇させる必要がある。エネルギー消費の問題は、電気自動車などの電動車両において、走行可能距離に影響するため、より大きな問題となる。
近年の空調システムでは、外気導入モードで運転する場合においても、取り込んだ外気に予め定めた割合の内気を混合させる構成が検討され、実用化されている。この構成の空調システムでは、外気よりも高い温度の内気によって、外気の温度と設定された車室内の温度との差が縮められる(緩和される)ため、車室内に送出する空気の温度の調整に使用するエネルギーの量、つまり、バッテリの電力の消費量を抑えることができる。
ところで、車室内の空気(内気)は、車両の運転者や搭乗者など、つまり、車両を使用する使用者(ユーザー)の呼吸や代謝によって生理的に排出する二酸化炭素や水蒸気などを、車外の空気(外気)よりも多く含む。このため、例えば、冬期に車両が利用される場合において、内気循環モードで車室内を暖める暖房運転を行うことが、空調システムが温度を調整して車室内に送出する空気に含まれる水蒸気が車両の窓を曇らせてしまう要因となり得る。さらに、空調システムが車室内に送出する空気に含まれる二酸化炭素は、その量が多くなると、車両の使用者(ユーザー)の体調に影響を与える場合がある。
これらに関連し、特許文献1には、ビークル(車両)の乗客キャビン(車室)の空気、つまり、内気の二酸化炭素を除去するためのシステムおよびプロセスに関する技術が開示されている。このシステムは、再生可能な二酸化炭素収着剤と、二酸化炭素除去導管と、再生導管とを含む二酸化炭素除去アセンブリを備えている。そして、乗客キャビンの内部からの空気(内気)を再生可能な二酸化炭素収着剤の上に流し、処理された空気を二酸化炭素除去導管によって乗客キャビンに戻すとともに、ヒーターによって加熱した脱離ガスを再生可能な二酸化炭素収着剤の上に流して二酸化炭素を二酸化炭素収着剤から脱着し、脱着された二酸化炭素を再生導管によって乗客キャビン外の位置で排出する。
特表2017-528316号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術において採用されているような再生可能な二酸化炭素収着剤では、二酸化炭素を脱着する状態から二酸化炭素を吸着する状態に切り替えたとしても、しばらくの間は、二酸化炭素を脱着する状態が継続される。これは、再生可能な二酸化炭素収着剤は、所定温度以上であれば吸着している二酸化炭素を脱着する特性を有するからである。このため、特許文献1に記載の技術では、制御によって二酸化炭素を脱着する状態が終了した後も、二酸化炭素収着剤が所定温度以上である状態が継続し、脱着した浄化対象物質が車室内に戻されてしまう場合があった。
本発明は、上記の課題認識に基づいてなされたものであり、浄化できていない空気が車室内に流れるのを抑制することができる車両用空気清浄化システムおよび車両用空気清浄化システムの制御方法を提供することを目的としている。
(1):上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る車両用空気清浄化システムは、車両の車室と連通する第1流路と、前記車室と連通する第2流路と、前記車室から前記第1流路および前記第2流路に向けて空気を流通させる送風機と、前記車室から流れる空気を前記第1流路の一端と前記第2流路の一端とに分配して送出する空気分配機構と、前記第1流路の他端に接続され、前記車室に連通する第1-1流路と、前記第1流路の他端に接続され、前記車室の外部に連通する第1-2流路と、前記第1流路に配置され、前記第1流路の内部の空気を加熱する加熱装置である第1加熱装置と、前記第1流路に配置され、前記第1流路の内部の空気に含まれる少なくとも二酸化炭素と水蒸気とを浄化対象物質として吸着するとともに、前記第1加熱装置によって加熱された前記空気を通過させる際に、前記浄化対象物質を脱着する吸着ブロックである第1吸着ブロックと、前記第1流路に配置され、前記第1吸着ブロックを通過した空気を、前記第1-1流路または前記第1-2流路のいずれかに優勢的に流す流路切り替え機構である第1流路切り替え機構と、前記第2流路の他端に接続され、前記車室に連通する第2-1流路と、前記第2流路の他端に接続され、前記車室の外部に連通する第2-2流路と、前記第2流路に配置され、前記第2流路の内部の空気を加熱する加熱装置である第2加熱装置と、前記第2流路に配置され、前記第2流路の内部の空気に含まれる前記浄化対象物質を吸着するとともに、前記第2加熱装置によって加熱された前記空気を通過させる際に、前記浄化対象物質を脱着する吸着ブロックである第2吸着ブロックと、前記第2流路に配置され、前記第2吸着ブロックを通過した空気を、前記第2-1流路または前記第2-2流路のいずれかに優勢的に流す流路切り替え機構である第2流路切り替え機構と、前記第1加熱装置を作動させず、前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-1流路に優勢的に流すとともに、前記第2加熱装置を作動させて、前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-2流路に優勢的に流す第1の状態と、前記第1加熱装置を作動させて、前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-2流路に優勢的に流すとともに、前記第2加熱装置を作動させず、前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-1流路に優勢的に流す第2の状態と、を交互に実現する制御装置と、を備える車両用空気清浄化システムであって、前記制御装置は、前記第1の状態と前記第2の状態とを切り替える際に、前記第1流路と前記第2流路のうち前記浄化対象物質を脱着している側の流路から前記車室に空気が流れるのを抑制可能なタイミングで、それぞれの構成要素を制御する。
(2):上記(1)の態様において、前記制御装置は、前記第1の状態から前記第2の状態に切り替える際に、前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-2流路に優勢的に流す状態から、前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-1流路に優勢的に流す状態に切り替えるよりも前に、作動している前記第2加熱装置を停止させ、前記第2の状態から前記第1の状態に切り替える際に、前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-2流路に優勢的に流す状態から、前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-1流路に優勢的に流す状態に切り替えるよりも前に、作動している前記第1加熱装置を停止させるものである。
(3):上記(2)の態様において、前記制御装置は、前記第1流路切り替え機構による以前の流路の切り替え、および前記第2流路切り替え機構による以前の流路の切り替えからタイマーによって計時し、所定の時間で、前記いずれかの加熱装置を停止させるものである。
(4):上記(2)または(3)の態様において、前記制御装置は、前記いずれかの加熱装置を停止させるのに連動して、前記空気分配機構により前記浄化対象物質を脱着している側の流路に分配して送出する前記空気の割合を、前記いずれかの加熱装置を停止させる前に比して高くするものである。
(5):上記(1)~(4)の態様において、前記制御装置は、前記第1の状態から前記第2の状態に切り替える際に、前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-2流路に優勢的に流す状態から、前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-1流路に優勢的に流す状態への切り替えを遅らせ、前記第2の状態から前記第1の状態に切り替える際に、前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-2流路に優勢的に流す状態から、前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-1流路に優勢的に流す状態への切り替えを遅らせるものである。
(6):上記(5)の態様において、前記制御装置は、前記第1の状態から前記第2の状態への切り替え、および前記第2の状態から前記第1の状態への切り替えからタイマーによって計時し、所定の時間まで、前記いずれかの流路切り替え機構による空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせるものである。
(7):上記(5)または(6)の態様において、前記制御装置は、前記第1の状態から前記第2の状態への切り替え、および前記第2の状態から前記第1の状態への切り替えから、温度センサーによって検出した、前記浄化対象物質を吸着する側の流路に配置された前記いずれかの吸着ブロックの温度を監視し、監視した温度が予め定めた温度の閾値以下になるまで、前記いずれかの流路切り替え機構による空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせるものである。
(8):上記(5)~(7)の態様において、前記制御装置は、前記第1の状態から前記第2の状態への切り替え、および前記第2の状態から前記第1の状態への切り替えから、温度センサーによって検出した、前記浄化対象物質を吸着する側の流路から優勢的に流された空気の温度を監視し、監視した温度が予め定めた温度の閾値以下になるまで、前記いずれかの流路切り替え機構による空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせるものである。
(9):上記(5)~(8)の態様において、前記制御装置は、前記第1の状態から前記第2の状態への切り替え、および前記第2の状態から前記第1の状態への切り替えから、濃度センサーによって検出した、前記浄化対象物質を吸着する側の流路から優勢的に流された空気に含まれる前記浄化対象物質の濃度を監視し、監視した濃度が予め定めた濃度の閾値以下になるまで、前記いずれかの流路切り替え機構による空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせるものである。
(10):上記(5)~(9)の態様において、前記制御装置は、前記いずれかの流路切り替え機構により空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせるのに連動して、前記第1の状態から前記第2の状態に切り替える際に、前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-1流路に優勢的に流す状態から、前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-2流路に優勢的に流す状態への切り替えを遅らせ、前記第2の状態から前記第1の状態に切り替える際に、前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-1流路に優勢的に流す状態から、前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-2流路に優勢的に流す状態への切り替えを遅らせるものである。
(11):上記(5)~(10)の態様において、前記制御装置は、前記いずれかの流路切り替え機構により空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせている間、前記送風機により前記第1流路および前記第2流路に向けて流通させる空気の量を、前記いずれかの流路切り替え機構により空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせる前に比して多くし、前記空気分配機構により前記浄化対象物質を吸着する側の流路に分配して送出する前記空気の割合を、前記いずれかの流路切り替え機構により空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせる前に比して高くするものである。
(12):上記(5)~(10)の態様において、前記制御装置は、前記いずれかの流路切り替え機構により空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせている間、前記送風機により前記第1流路および前記第2流路に向けて流通させる空気の量を、前記いずれかの流路切り替え機構により空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせる前に比して少なくし、前記空気分配機構により前記浄化対象物質を吸着する側の流路に分配して送出する前記空気の割合を、前記いずれかの流路切り替え機構により空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせる前に比して低くするものである。
(13)また、本発明の一態様に係る車両用空気清浄化システムの制御方法は、車両の車室と連通する第1流路と、前記車室と連通する第2流路と、前記車室から前記第1流路および前記第2流路に向けて空気を流通させる送風機と、前記車室から流れる空気を前記第1流路の一端と前記第2流路の一端とに分配して送出する空気分配機構と、前記第1流路の他端に接続され、前記車室に連通する第1-1流路と、前記第1流路の他端に接続され、前記車室の外部に連通する第1-2流路と、前記第1流路に配置され、前記第1流路の内部の空気を加熱する加熱装置である第1加熱装置と、前記第1流路に配置され、前記第1流路の内部の空気に含まれる少なくとも二酸化炭素と水蒸気とを浄化対象物質として吸着するとともに、前記第1加熱装置によって加熱された前記空気を通過させる際に、前記浄化対象物質を脱着する吸着ブロックである第1吸着ブロックと、前記第1流路に配置され、前記第1吸着ブロックを通過した空気を、前記第1-1流路または前記第1-2流路のいずれかに優勢的に流す流路切り替え機構である第1流路切り替え機構と、前記第2流路の他端に接続され、前記車室に連通する第2-1流路と、前記第2流路の他端に接続され、前記車室の外部に連通する第2-2流路と、前記第2流路に配置され、前記第2流路の内部の空気を加熱する加熱装置である第2加熱装置と、前記第2流路に配置され、前記第2流路の内部の空気に含まれる前記浄化対象物質を吸着するとともに、前記第2加熱装置によって加熱された前記空気を通過させる際に、前記浄化対象物質を脱着する吸着ブロックである第2吸着ブロックと、前記第2流路に配置され、前記第2吸着ブロックを通過した空気を、前記第2-1流路または前記第2-2流路のいずれかに優勢的に流す流路切り替え機構である第2流路切り替え機構と、それぞれの構成要素を制御する制御装置と、を備える車両用空気清浄化システムの制御方法であって、前記制御装置が、前記第1加熱装置を作動させず、前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-1流路に優勢的に流すとともに、前記第2加熱装置を作動させて、前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-2流路に優勢的に流す第1の状態と、前記第1加熱装置を作動させて、前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-2流路に優勢的に流すとともに、前記第2加熱装置を作動させず、前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-1流路に優勢的に流す第2の状態と、を交互に実現し、前記第1の状態と前記第2の状態とを切り替える際に、前記第1流路と前記第2流路のうち前記浄化対象物質を脱着している側の流路から前記車室に空気が流れるのを抑制可能なタイミングで、それぞれの構成要素を制御する。
上述した(1)~(13)の構成によれば、第1流路と第2流路のうち浄化対象物質を脱着している側の流路から車室に空気が流れるのを抑制可能なタイミングでそれぞれの構成要素を制御するため、いずれか一方の吸着ブロックが浄化対象物質を吸着して浄化した空気を車両の車室に戻す動作と、他方の吸着ブロックが浄化対象物質を脱着した空気を車室の外部に排気する動作とを同時期に実現するとともに、浄化できていない空気が車室内に流れるのを抑制することができる。
本実施形態の車両用空気清浄化システムの概略構成を示すブロック図である。 空気清浄化の様子の一例を模式的に示す図である。 比較例の車両用空気清浄化システムにおける動作を示す図である。 車両用空気清浄化システムにおける第1の制御方法を示す図である。 車両用空気清浄化システムにおける第2の制御方法を示す図である。 車両用空気清浄化システムにおける第3の制御方法を示す図である。 車両用空気清浄化システムにおける第4の制御方法を示す図である。 車両用空気清浄化システムにおける第5の制御方法を示す図である。 車両用空気清浄化システムにおける第6の制御方法を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明においては、本実施形態の車両用空気清浄化システムを、バッテリ(電池)から供給される電力によって駆動される電動モータによって走行する電気自動車などの四輪の電動車両に搭載したものとする。
(全体構成)
図1は、本実施形態の車両用空気清浄化システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示す車両用空気清浄化システム1は、車両用空気清浄化装置10と制御装置20とを含む。
車両用空気清浄化装置10は、電動車両の車室内の空気(以下、「内気」という)を吸入して浄化する空気浄化装置である。車両用空気清浄化装置10は、吸入した内気に含まれる少なくとも二酸化炭素と水蒸気との浄化対象物質を除去する機能を有している。車両用空気清浄化装置10は、吸入した内気が通過する流路が、分岐箇所以降において、例えば、筐体(ハウジング)内の仕切り壁10aによって2つの流路に分岐している。以下の説明においては、分岐箇所よりも車室側の流路を「入口流路」といい、仕切り壁10aによって分岐した一方の流路を「第1流路」といい、他方の流路を「第2流路」という。
車両用空気清浄化装置10は、電動車両の車室に連通する上流側のダクトに接続された吸入口101から、電動車両の車室内の内気を吸入する。そして、車両用空気清浄化装置10は、吸入した内気を第1流路または第2流路を通過させることによって浄化対象物質が除去された内気、つまり、浄化対象物質が除去されて浄化された空気(以下、「浄化空気」という)を、電動車両の車室に連通する下流側のダクトに接続された第1排気口105から排気する。これにより、車両用空気清浄化装置10が浄化した浄化空気が、電動車両の車室内に戻される。また、車両用空気清浄化装置10は、吸入した内気を第1流路または第2流路を通過させた際に除去した浄化対象物質を排出するための空気、つまり、以前に除去した浄化対象物質を含む空気(以下、「除去物質空気」という)を、電動車両の車外(車室の外部)に連通する下流側のダクトに接続された第2排気口106から排気する。これにより、車両用空気清浄化装置10が内気から以前に除去した浄化対象物質が、電動車両の車外に排気される。以下の説明においては、第1流路から浄化空気を電動車両の車室内に戻す流路を「第1-1流路」といい、除去物質空気を電動車両の車外に排気する流路を「第1-2流路」という。また、第2流路から浄化空気を電動車両の車室内に戻す流路を「第2-1流路」といい、除去物質空気を電動車両の車外に排気する流路を「第2-2流路」という。
車両用空気清浄化装置10は、基本的な浄化の動作として、浄化空気を電動車両の車室内に戻す動作と、除去物質空気を電動車両の車外に排気する動作とを同時期に行う。このため、車両用空気清浄化装置10では、浄化空気を電動車両の車室内に戻す流路が、制御装置20によって第1-1流路と第2-1流路との間で交互に切り替えられる。また、車両用空気清浄化装置10では、除去物質空気を電動車両の車外に排気する流路が、制御装置20によって第1-2流路と第2-2流路との間で交互に切り替えられる。より具体的には、車両用空気清浄化装置10では、制御装置20が、第1流路から浄化空気を第1-1流路に流すとともに、第2流路から除去物質空気を第2-2流路に流す第1の状態と、第1流路から除去物質空気を第1-2流路に流すとともに、第2流路から浄化空気を第2-1流路に流す第2の状態とを交互に切り替える。
なお、図1に示した車両用空気清浄化装置10では、第1流路と第2流路とのそれぞれの流路に、浄化空気を流す第1排気口105と除去物質空気を流す第2排気口106とが組になって設けられている。以下の説明においては、第1流路から第1-1流路に浄化空気を流す第1排気口105を「第1-1排気口105-1」といい、第1-2流路に除去物質空気を流す第2排気口106を「第1-2排気口106-1」という。また、第2流路から第2-1流路に浄化空気を流す第1排気口105を「第2-1排気口105-2」といい、第2-2流路に除去物質空気を流す第2排気口106を「第2-2排気口106-2」という。
なお、図1に示した車両用空気清浄化装置10では、第1排気口105と第2排気口106との構造を理解しやすくするために、第1流路と第2流路とのそれぞれの流路に、第1排気口105と第2排気口106とが組になって設けられている構成を示したが、車両用空気清浄化装置10における第1排気口105と第2排気口106との構造は、図1に示した構造に限定されるものではない。例えば、車両用空気清浄化装置10では、第1流路と第2流路とのそれぞれの流路に対応する第1排気口105が共通の排気口で構成され、第1流路と第2流路とのそれぞれの流路に対応する第2排気口106が共通の排気口で構成されてもよい。
車両用空気清浄化装置10は、送風機110と、空気分配機構120と、1対の加熱装置130と、1対の吸着ブロック140と、1対の流路切り替え機構150とを含んで構成される。車両用空気清浄化装置10では、1対の加熱装置130と、吸着ブロック140と、流路切り替え機構150とのそれぞれの一方が第1流路側に配置され、他方が第2流路側に配置されている。以下の説明においては、第1流路側に配置されている加熱装置130を「第1加熱装置130-1」、吸着ブロック140を「第1吸着ブロック140-1」、流路切り替え機構150を「第1流路切り替え機構150-1」という。また、第2流路側に配置されている加熱装置130を「第2加熱装置130-2」、吸着ブロック140を「第2吸着ブロック140-2」、流路切り替え機構150を「第2流路切り替え機構150-2」という。
送風機110は、制御装置20からの制御に応じて、上流側のダクトに接続された吸入口101から電動車両の車室内の内気を吸入して流通させるためのファンである。送風機110は、吸入口101から吸入した内気を、入口流路に流して空気室102に送出する。
空気分配機構120は、制御装置20からの制御に応じて、送風機110によって空気室102に送出された内気を、第1流路および第2流路に分配する機構である。空気分配機構120は、内気を第1流路および第2流路に分配するために回転する開閉ドア121と、制御装置20からの制御に応じて開閉ドア121が回転する方向および回転量を制御する不図示の制御機能(例えば、アクチュエータなど)とを含んで構成される。空気分配機構120によって分配された空気室102内の内気は、第1空気室103-1側から第1空気室104-1側に向かう第1流路と、第2空気室103-2側から第2空気室104-2側に向かう第2流路とのそれぞれに送出される。なお、以下の説明において第1流路を構成する第1空気室103-1と第2流路を構成する第2空気室103-2とのそれぞれを区別せずに表すときには、第1流路または第2流路を示すために符号として含まれる「-」とそれに続く数字を示さず、単に「空気室103」という。同様に、第1流路を構成する第1空気室104-1と第2流路を構成する第2空気室104-2とのそれぞれを区別せずに表すときにも、単に「空気室104」という。
加熱装置130は、空気分配機構120によって分配された流路の内部の空気を、制御装置20からの制御に応じて加熱するヒーターである。加熱装置130は、配置されている流路に送出された内気を通過させる際に、制御装置20からの制御に応じて、通過させる内気を加熱する。第1流路に配置された第1加熱装置130-1は、第1流路に送出されてきた内気を、加熱または加熱せずにそのまま第1吸着ブロック140-1の方向に通過させる。また、第2流路に配置された第2加熱装置130-2は、第2流路に送出されてきた内気を、加熱または加熱せずにそのまま第2吸着ブロック140-2の方向に通過させる。
吸着ブロック140は、対応する加熱装置130を通過して配置されている流路に流された内気を通過させる際に、内気に含まれる浄化対象物質を吸着、または吸着した浄化対象物質を脱着する吸着材層が配置された吸着材である。吸着ブロック140は、加熱されずにそのまま対応する加熱装置130を通過してきた内気を通過させる際に、内気に含まれる浄化対象物質を吸着して対応する空気室104に送出する。より具体的には、第1流路に配置された第1吸着ブロック140-1は、第1加熱装置130-1によって加熱されずに第1流路に流された内気に含まれる浄化対象物質を吸着した浄化空気を、第1空気室104-1に送出する。また、第2流路に配置された第2吸着ブロック140-2は、第2加熱装置130-2によって加熱されずに第2流路に流された内気に含まれる浄化対象物質を吸着した浄化空気を、第2空気室104-2に送出する。
また、吸着ブロック140は、対応する加熱装置130によって加熱されて通過してきた内気を通過させる際に、以前に吸着した浄化対象物質を脱着することによって、浄化対象物質を吸着していない状態に再生される。これにより、吸着ブロック140の再生に用いられた加熱された内気、つまり、一度吸着された浄化対象物質を含む除去物質空気が、対応する空気室104に送出される。より具体的には、第1流路に配置された第1吸着ブロック140-1は、第1加熱装置130-1によって加熱されることによって再生に用いられた除去物質空気を、第1空気室104-1に送出する。また、第2流路に配置された第2吸着ブロック140-2は、第2加熱装置130-2によって加熱されることによって再生に用いられた除去物質空気を、第2空気室104-2に送出する。
なお、吸着ブロック140が吸着または脱着する浄化対象物質には、少なくとも二酸化炭素と水蒸気とが含まれている。このため、吸着ブロック140に配置される吸着材層の吸着材料としては、例えば、二酸化炭素や、水蒸気、揮発性有機化合物(VOC)などを吸着することができゼオライトなどが考えられる。ここで、吸着ブロック140に配置される吸着材層の構造としては、例えば、ゼオライトなどの吸着材料を、吸着ブロック140の基材に担持または含浸させた構造などが考えられる。しかし、本発明においては、吸着ブロック140における吸着材層の構造に関しては特に規定しない。
流路切り替え機構150は、制御装置20からの制御に応じて、配置されている流路の空気室104に送出された空気を優勢的に流す排気口を、第1排気口105または第2排気口106のいずれか一方の排気口に切り替える機構である。流路切り替え機構150は、排気口を切り替えるために回転する開閉ドア151と、制御装置20からの制御に応じて開閉ドア151が回転する方向を制御する不図示の制御機能(例えば、アクチュエータなど)とを含んで構成される。空気室104内の空気は、開状態となっている第1排気口105または第2排気口106のいずれか一方の排気口から排気される。
より具体的には、第1流路に配置された第1流路切り替え機構150-1を構成する第1開閉ドア151-1によって第1-1排気口105-1が開状態となり、第1-2排気口106-1が閉状態となった場合、第1空気室104-1内の浄化空気は、第1-1排気口105-1から排気されて第1-1流路に優勢的に流され、第1-1排気口105-1に接続された下流側のダクトを通って電動車両の車室内に戻される。一方、第1流路切り替え機構150-1を構成する第1開閉ドア151-1によって第1-1排気口105-1が閉状態となり、第1-2排気口106-1が開状態となった場合、第1空気室104-1内の空気は、第1-2排気口106-1から排気されて第1-2流路に優勢的に流され、第1-2排気口106-1に接続された下流側のダクトを通って電動車両の車外に排気される。また、第2流路に配置された第2流路切り替え機構150-2を構成する第2開閉ドア151-2によって第2-1排気口105-2が開状態となり、第2-2排気口106-2が閉状態となった場合、第2空気室104-2内の浄化空気は、第2-1排気口105-2から排気されて第2-1流路に優勢的に流され、第2-1排気口105-2に接続された下流側のダクトを通って電動車両の車室内に戻される。一方、第2流路切り替え機構150-2を構成する第2開閉ドア151-2によって第2-1排気口105-2が閉状態となり、第2-2排気口106-2が開状態となった場合、第2空気室104-2内の空気は、第2-2排気口106-2から排気されて第2-2流路に優勢的に流され、第2-2排気口106-2に接続された下流側のダクトを通って電動車両の車外に排気される。
制御装置20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、プログラムを記憶した記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)とを備え、プロセッサがプログラム実行することで各種機能を実現する。また、制御装置20は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
なお、制御装置20は、車両用空気清浄化システム1に備えた単独の構成要素に限定されるものではない。例えば、上述したような制御装置20における車両用空気清浄化装置10に備えたそれぞれの構成要素を制御する機能は、電動車両の全体の電気的な制御を行うECU(電子制御ユニット:Electric Control Unit)が実現する機能であってもよい。つまり、電動車両に備えたECUが車両用空気清浄化システム1における制御装置20であってもよい。
制御装置20は、車両用空気清浄化装置10に備えた送風機110、空気分配機構120、加熱装置130、および流路切り替え機構150の動作を制御する。制御装置20は、送風機110、空気分配機構120、加熱装置130、および流路切り替え機構150の動作を制御するための制御信号を、それぞれの構成要素に出力する。
より具体的には、制御装置20は、送風機110が吸入口101から吸入する際のファンの回転速度を制御するための制御信号を、送風機110に出力する。これにより、送風機110は、制御装置20から出力された制御信号が表す回転速度でファンを回転させ、ファンの回転速度に応じた風量で、吸入口101から吸入した内気を入口流路に流す。
また、制御装置20は、空気分配機構120が空気室102に送出された内気を第1流路および第2流路に分配する割合に応じて、空気分配機構120を構成する開閉ドア121の回転方向および回転量を制御するための制御信号を、空気分配機構120を構成する不図示の制御機能に出力する。これにより、空気分配機構120は、不図示の制御機能が、制御装置20から出力された制御信号が表す回転方向および回転量で開閉ドア121を回転させ、制御装置20から制御された割合で、入口流路に流れた内気を第1流路と第2流路とに分配する。
また、制御装置20は、加熱装置130の作動(オン)と停止(オフ)とを制御するための制御信号を、それぞれの加熱装置130に出力する。これにより、制御装置20によってオン状態に制御された加熱装置130は、配置されている流路に流れている内気を加熱して、対応する吸着ブロック140の方向に通過させる。また、制御装置20によってオフ状態に制御された加熱装置130は、配置されている流路に流れている内気を加熱せずにそのまま、対応する吸着ブロック140の方向に通過させる。
また、制御装置20は、吸着ブロック140を通過した空気を電動車両の車室内に戻す流路と、電動車両の車外に排気する流路とを切り替えるときに、流路切り替え機構150を構成する開閉ドア151の回転方向を制御するための制御信号を、流路切り替え機構150を構成する不図示の制御機能に出力する。より具体的には、制御装置20は、吸着ブロック140を通過した空気を電動車両の車室内に戻す流路の開閉ドア151の回転方向を制御して第1排気口105を開状態、第2排気口106を閉状態にし、吸着ブロック140を通過した除去物質空気を電動車両の車外に排気する流路の開閉ドア151の回転方向を制御して第1排気口105を閉状態、第2排気口106を開状態に制御する。これにより、流路切り替え機構150は、不図示の制御機能が、制御装置20から出力された制御信号が表す回転方向に開閉ドア151を回転させ、対応する空気室104に送出された浄化空気を排気する排気口を、第1排気口105または第2排気口106のいずれか一方の排気口に切り替える。
なお、上述したように、車両用空気清浄化システム1では、車両用空気清浄化装置10による浄化空気を電動車両の車室内に戻す動作と、除去物質空気を電動車両の車外に排気する動作とを同時期に行う。このため、制御装置20は、流路切り替え機構150に対する基本的な制御として、第1流路に空気を優勢的に流す排気口と、第2流路に空気を優勢的に流す排気口とが逆になるように、それぞれの流路切り替え機構150を構成する開閉ドア151の回転方向を制御する。
このように、制御装置20は、車両用空気清浄化装置10に備えた送風機110、空気分配機構120、加熱装置130、および流路切り替え機構150の動作を制御することによって、車両用空気清浄化装置10に備えたそれぞれの吸着ブロック140によって浄化対象物質を吸着させた浄化空気を電動車両の車室内に戻す流路と、吸着ブロック140に吸着されている浄化対象物質の脱着に用いられた除去物質空気を電動車両の車外に排気する流路とを切り替える。言い換えれば、制御装置20は、吸着ブロック140によって電動車両の車室内の内気に含まれる浄化対象物質(二酸化炭素および水蒸気)を吸着する流路と、以前に吸着した浄化対象物質を脱着する流路とを切り替える。このとき、制御装置20は、第1流路または第2流路のいずれか一方の流路を、浄化空気を電動車両の車室内に戻す流路とし、他方の流路を、除去物質空気を電動車両の車外に排気する流路とする。これにより、車両用空気清浄化システム1では、車両用空気清浄化装置10において、いずれか一方の吸着ブロック140が浄化対象物質を吸着している間に、他方の吸着ブロック140が浄化対象物質を脱着して再生される。つまり、車両用空気清浄化システム1では、車両用空気清浄化装置10における浄化空気を電動車両の車室内に戻す動作と、除去物質空気を電動車両の車外に排気する動作とが同時期に行われる。そして、制御装置20は、浄化空気を電動車両の車室内に戻す流路と、除去物質空気を電動車両の車外に排気する流路との切り替えを、例えば、2~5分間隔など、第1流路と第2流路のうち浄化対象物質を脱着している側の流路から車室に空気が流れるのを抑制可能な所定のタイミングごとに繰り返す。これにより、車両用空気清浄化システム1では、車両用空気清浄化装置10による浄化空気の車室内への送出と、除去物質空気の車外への送出(排気)とが連続して行われる。
なお、制御装置20が流路を切り替えるタイミングは、車両用空気清浄化装置10に備えたそれぞれの吸着ブロック140における浄化性能に基づいて決定する。このとき、制御装置20が流路を切り替えるタイミングを、吸着ブロック140に配置される吸着材層が有する吸着材料の容量などによって変わってくる、吸着ブロック140が浄化対象物質を吸着し続けることができる時間や、吸着することができる浄化対象物質の容量などに基づいて決定してもよい。これにより、車両用空気清浄化システム1では、制御装置20が流路を切り替えるタイミングを、吸着ブロック140の浄化性能に応じた最適な時間間隔にすることができる。そして、車両用空気清浄化システム1では、例えば、タイマーなどによって、制御装置20が流路を切り替えたタイミングから決定した時間を計時することにより、容易に同じ時間間隔で流路を切り替えることができる。
ここで、車両用空気清浄化システム1において二酸化炭素や水蒸気を除去する動作について説明する。図2は、車両用空気清浄化システム1における空気清浄化の様子の一例を模式的に示す図である。図2には、第1流路によって二酸化炭素や水蒸気を除去した浄化空気を電動車両の車室内に戻し、第2流路によって以前に除去した二酸化炭素や水蒸気を脱着して電動車両の車外に排気している様子を模式的に示している。
この場合、制御装置20は、送風機110に、吸入口101から吸入した二酸化炭素や水蒸気を含む内気を、所定の風量で入口流路に流して空気室102に送出させる。そして、制御装置20は、空気分配機構120に、入口流路に流れる内気を、第1流路および第2流路に分配させる。このとき、制御装置20は、第1流路に流れる内気の風量と第2流路に流れる内気の風量との割合を、例えば、第1流路:第2流路=3:1にする。これにより、送風機110が入口流路に流して空気室102に送出した内気の75%が第1空気室103-1に送出され、残りの25%が第2空気室103-2に送出される。
そして、制御装置20は、第1流路に配置された第1加熱装置130-1をオフ状態にする。また、制御装置20は、第1流路切り替え機構150-1に、第1-1排気口105-1を開状態にさせ、第1-2排気口106-1を閉状態にさせる。これにより、第1空気室103-1に送出された内気は、第1加熱装置130-1によって加熱されずにそのまま第1吸着ブロック140-1の方向に通過し、第1吸着ブロック140-1によって二酸化炭素と水蒸気とが吸着された浄化空気が、第1空気室104-1に送出される。図2には、第1吸着ブロック140-1によって二酸化炭素と水蒸気とが吸着された浄化空気が、第1-1排気口105-1から送出されている状態を模式的に示している。ここで、第1-1排気口105-1から送出された浄化空気は、第1-1流路に流れて、電動車両の車室内に戻される。
一方、制御装置20は、第2流路に配置された第2加熱装置130-2をオン状態にする。また、制御装置20は、第2流路切り替え機構150-2に、第2-1排気口105-2を閉状態にさせ、第2-2排気口106-2を開状態にさせる。これにより、第2空気室103-2に送出された内気は、第2加熱装置130-2によって加熱されて第2吸着ブロック140-2の方向に通過し、第2吸着ブロック140-2は、以前に吸着した二酸化炭素と水蒸気とを脱着して再生される。そして、第2吸着ブロック140-2が二酸化炭素と水蒸気とを脱着した除去物質空気は、第2空気室104-2に送出され、第2-2排気口106-2から、電動車両の車外に排気される。図2には、第2吸着ブロック140-2に吸着されていた二酸化炭素と水蒸気とが脱着された除去物質空気が、第2-2排気口106-2から送出されている状態を模式的に示している。ここで、第2-2排気口106-2から送出された除去物質空気は、第2-2流路に流れて、電動車両の車外(車室の外部)に排気される。
このように、車両用空気清浄化システム1では、制御装置20が、第1流路によって浄化空気を電動車両の車室内に戻す動作と、第2流路によって除去物質空気を電動車両の車外に排気する動作とを同時期に並列に行わせる。その後、制御装置20は、所定のタイミングのとき(例えば、5分など、所定時間が経過したタイミングのとき)に、第2流路によって浄化空気を電動車両の車室内に戻し、第1流路によって除去物質空気を電動車両の車外に排気させるように流路を切り替える。なお、このときの制御装置20による制御は、図2に示した状態とするために行ったそれぞれの構成要素の制御を逆にするのみで容易に考えることができるため、詳細な説明は省略する。
以降、制御装置20は、所定のタイミングごとに周期的に、第1流路と第2流路との切り替えを繰り返す。これにより、車両用空気清浄化システム1では、車両用空気清浄化装置10による浄化空気の車室内への送出と、除去物質空気の車外への送出(排気)とを連続して行うことができる。
次に、制御装置20による車両用空気清浄化装置10に備えたそれぞれの構成要素の詳細な制御方法にいついて説明する。まず、制御装置20による車両用空気清浄化装置10の制御を理解するため、二酸化炭素や水蒸気を除去した浄化空気を電動車両の車室内に戻す流路と、以前に除去した二酸化炭素や水蒸気を脱着して電動車両の車外に排気する流路とを単純に周期的に切り替える場合の動作を、比較例として説明する。なお、以下の説明においては、説明を容易にするため、車両用空気清浄化装置10によって内気から水蒸気を除去する場合について説明する。
図3は、比較例の車両用空気清浄化システムにおける動作を示す図である。図3には、制御装置20が、流路を単純に切り替える比較例の車両用空気清浄化システムと同様に、車両用空気清浄化装置10に備えたそれぞれの構成要素の動作を制御する場合を示している。また、図3には、制御装置20の制御によって流路を切り替える4周期分の浄化期間における車両用空気清浄化装置10に備えたそれぞれの構成要素の状態の変化を示している。より具体的には、図3には、第1空気室103-1に流れる、つまり、第1流路に流れる内気の風量と、第2空気室103-2に流れる、つまり、第2流路に流れる内気の風量とのそれぞれを示している。また、図3には、第1加熱装置130-1および第2加熱装置130-2のそれぞれのオンとオフの状態を示している。また、図3には、第1流路切り替え機構150-1および第2流路切り替え機構150-2のそれぞれが、対応する空気室104に送出された空気を排気する排気口を切り替えている状態を示している。
また、図3には、車両用空気清浄化装置10が吸入口101から吸入した内気と、第1排気口105から排気する浄化空気と、第2排気口106から排気する除去物質空気とのそれぞれの空気に含まれる水蒸気の量の変化の一例を、絶対湿度の変化として示している。なお、図3に示した絶対湿度の変化では、絶対湿度が内気の絶対湿度よりも低いときが、吸着ブロック140が内気に含まれる水蒸気を吸着している状態であり、絶対湿度が内気の絶対湿度以上であるときが、吸着ブロック140が吸着した水蒸気を着脱している、つまり、吸着ブロック140を再生している状態である。
まず、制御装置20が、浄化期間P1において、第1流路を、水蒸気を除去した浄化空気を電動車両の車室内に戻す第1の状態にし、第2流路を、第2吸着ブロック140-2を再生した除去物質空気を電動車両の車外に排気する第2の状態にするように、車両用空気清浄化装置10に備えたそれぞれの構成要素を制御する。
より具体的には、制御装置20は、送風機110を制御して、吸入口101から予め定めた一定の風量の内気を吸入して空気室102に送出させる。そして、制御装置20は、空気分配機構120を制御して、空気室102に送出された内気を分配させる。なお、上述したように、制御装置20は、水蒸気を除去した浄化空気を電動車両の車室内に戻す流路、つまり、吸着ブロック140によって水蒸気を吸着させる流路に流れる内気の風量を高くし、吸着した水蒸気を脱着して電動車両の車外に排気する流路、つまり、吸着ブロック140を再生させる流路に流れる内気の風量を高くする。このため、制御装置20は、浄化期間P1では、第1吸着ブロック140-1に水蒸気を吸着させる第1流路の風量を高くし、第2吸着ブロック140-2を再生させる第2流路の風量を低くする。また、制御装置20は、第1吸着ブロック140-1に水蒸気を吸着させる第1流路に配置された第1加熱装置130-1をオフ状態にし、第2吸着ブロック140-2を再生させる第2流路に配置された第2加熱装置130-2をオン状態にする。また、制御装置20は、第1流路切り替え機構150-1を制御して、第1流路に浄化空気を優勢的に流す排気口を第1-1排気口105-1に切り替え、第2流路切り替え機構150-2を制御して、第2流路に除去物質空気を優勢的に流す排気口を第2-2排気口106-2に切り替えさせる。
これにより、浄化期間P1では、絶対湿度の変化で示したように、第1吸着ブロック140-1によって水蒸気が除去された浄化空気が、第1流路から電動車両の車室内に戻され、第2吸着ブロック140-2を再生した除去物質空気が、第2流路から電動車両の車外に排気される。
続いて、制御装置20は、浄化期間P2において、第1流路と第2流路とを、浄化期間P1とは逆の状態に切り替える。つまり、制御装置20は、第1流路を、第1吸着ブロック140-1を再生した除去物質空気を電動車両の車外に排気する第2の状態にし、第2流路を、水蒸気を除去した浄化空気を電動車両の車室内に戻す第1の状態にするように、車両用空気清浄化装置10に備えたそれぞれの構成要素を制御する。
より具体的には、制御装置20は、浄化期間P2においても、送風機110に、吸入口101から予め定めた一定の風量の内気を吸入して空気室102に送出させる。そして、制御装置20は、浄化期間P2では、第1吸着ブロック140-1を再生させる第1流路の風量を低くし、第2吸着ブロック140-2に水蒸気を吸着させる第2流路の風量を高くする。また、制御装置20は、第1吸着ブロック140-1を再生させる第1流路に配置された第1加熱装置130-1をオン状態にし、第2吸着ブロック140-2に水蒸気を吸着させる第2流路に配置された第2加熱装置130-2をオフ状態にする。また、制御装置20は、第1流路切り替え機構150-1を制御して、第1流路に除去物質空気を優勢的に流す排気する排気口を第1-2排気口106-1に切り替え、第2流路切り替え機構150-2を制御して、第2流路に浄化空気を優勢的に流す排気口を第2-1排気口105-2に切り替えさせる。
これにより、浄化期間P2では、絶対湿度の変化で示したように、第2吸着ブロック140-2によって水蒸気が除去された浄化空気が、第2流路から電動車両の車室内に戻され、第1吸着ブロック140-1を再生した除去物質空気が、第1流路から電動車両の車外に排気される。
以降、同様に、制御装置20は、それぞれの浄化期間Pにおいて、第1流路と第2流路とを逆の状態に切り替える制御を繰り返す。
このように、比較例の車両用空気清浄化システムでは、制御装置20が、それぞれの浄化期間Pにおいて、第1流路と第2流路との状態を逆にして、内気に含まれる水蒸気の除去を第1吸着ブロック140-1と第2吸着ブロック140-2とのそれぞれに交互に行わせるとともに、第1吸着ブロック140-1と第2吸着ブロック140-2とのそれぞれが吸着した水蒸気を交互に脱着させて再生させる。
ここで、比較例の車両用空気清浄化システムでは、単純に流路を切り替えているため、図3に示した絶対湿度の変化を見てわかるように、制御装置20が流路を切り替えてからしばらくの間(図3に示した期間Pの間)、浄化空気の絶対湿度が内気の絶対湿度よりも高くなってしまっている。これは、水蒸気を除去する流路に流れる内気が、その前に吸着ブロック140を再生するためにオン状態にしていた加熱装置130の余熱によって加熱され、吸着ブロック140が以前に吸着した水蒸気を脱着する状態になっていることによるものである。つまり、吸着ブロック140は、通過させる内気が水蒸気を吸着する温度に冷えるまで、吸着した水蒸気を脱着して再生される状態が継続されていることによるものである。この場合、期間Pにおいて脱着された水蒸気が、制御装置20によって切り替えられた流路によって、電動車両の車室内に戻されてしまう。すると、脱着された水蒸気を含む浄化空気は、車両の窓を曇らせてしまう要因となり得る。
そこで、車両用空気清浄化システム1では、制御装置20が、上述したような流路を切り替えるときの浄化空気の状況を考慮し、以下に説明するいくつかの制御方法のうち一つまたは複数を採用して、車両用空気清浄化装置10に備えたそれぞれの構成要素を制御する。図4~図9は、車両用空気清浄化システムにおける制御方法を示す図である。
なお、以下に説明するそれぞれの制御方法においても、制御装置20は、二酸化炭素や水蒸気を除去した浄化空気を電動車両の車室内に戻す流路と、以前に除去した二酸化炭素や水蒸気を脱着して電動車両の車外に排気する流路とを周期的に切り替える。これにより、以下に説明するそれぞれの制御方法でも、比較例と同様に、二酸化炭素や水蒸気が除去された浄化空気が電動車両の車室内に戻され、吸着ブロック140を再生した除去物質空気が電動車両の車外に排気される。以下の説明においても、説明を容易にするため、比較例と同様に、車両用空気清浄化装置10によって内気から水蒸気を除去する場合について説明する。
図4~図9には、図3と同様に、制御装置20の制御によって流路を切り替える4周期分の浄化期間における車両用空気清浄化装置10に備えたそれぞれの構成要素の状態の変化を示している。より具体的には、図4~図9にも、第1空気室103-1(第1流路)に流れる内気の風量、および第2空気室103-2(第2流路)に流れる内気の風量と、第1加熱装置130-1および第2加熱装置130-2のそれぞれのオンとオフの状態と、第1流路切り替え機構150-1および第2流路切り替え機構150-2のそれぞれが対応する空気室104に送出された空気を排気する排気口を切り替えている状態とを示している。
また、図4~図9にも、図3と同様に、車両用空気清浄化装置10が吸入口101から吸入した内気と、第1排気口105から排気する浄化空気と、第2排気口106から排気する除去物質空気とのそれぞれの空気に含まれる水蒸気の量の変化の一例を、絶対湿度の変化として示している。なお、図4~図9に示した絶対湿度の変化も、図3と同様に、絶対湿度が内気の絶対湿度よりも低いときが、吸着ブロック140が内気に含まれる水蒸気を吸着している状態であり、絶対湿度が内気の絶対湿度以上であるときが、吸着ブロック140が吸着した水蒸気を着脱している(吸着ブロック140を再生している)状態である。
(第1の制御方法)
図4を参照して、車両用空気清浄化システム1における第1の制御方法について説明する。図4に示した第1の制御方法は、制御装置20が、加熱装置130をオフ状態にするタイミングを変更することによって、流路を切り替えた後の浄化空気に吸着ブロック140から脱着された水蒸気が含まれてしまうのを抑制する制御方法である。
より具体的には、第1の制御方法では、図4に示したそれぞれの浄化期間Pにおいて破線の丸で囲んで示した加熱装置130の制御のように、制御装置20が、次の浄化期間Pが始まる時間よりも所定時間(例えば、30[sec]~1[min]程度)だけ前のタイミングのときに、吸着ブロック140を再生させる流路に配置された加熱装置130をオフ状態にする。例えば、浄化期間P1では、制御装置20が、浄化期間P2が始まる時間よりも前の時刻T1のときに、第2吸着ブロック140-2を再生させる第2流路に配置された第2加熱装置130-2をオフ状態にする。なお、制御装置20が第2加熱装置130-2をオフ状態にする時刻T1のタイミングは、流路を切り替えた後に水蒸気を除去する内気が、第2加熱装置130-2の余熱によって加熱されず、浄化期間P2が始まったときには、第2吸着ブロック140-2が内気に含まれる水蒸気を除去する状態になっているようにするために必要な時間を確保するタイミングである。例えば、制御装置20が第2加熱装置130-2をオフ状態にする時刻T1のタイミングは、浄化期間P2が始まるタイミングよりも、少なくとも、比較例における期間Pの間に相当する時間だけ前のタイミングである。
これにより、第1の制御方法では、図4において期間Pで示した、吸着ブロック140が吸着した水蒸気を脱着して再生される状態が継続している期間(比較例における期間Pに相当する期間)が前倒しされる。言い換えれば、第1の制御方法では、期間Pで示した期間が、それぞれの浄化期間Pの期間内になる。これにより、吸着ブロック140は、次の浄化期間Pが始まるタイミングのときには、すでに水蒸気を吸着することができる状態になっている。
このように、第1の制御方法では、制御装置20が、それぞれの浄化期間Pが始まる時間よりも所定時間だけ前のタイミングのときに、以前に除去した水蒸気を脱着して電動車両の車外に排気する流路に配置されている加熱装置130をオフ状態にすることによって、次の浄化期間Pが開始されるときには、吸着ブロック140を通過させる内気が、吸着ブロック140が水蒸気を吸着することができる状態の温度にまで冷えているようにする。この結果、第1の制御方法では、制御装置20が流路を切り替えた後のしばらくの間、脱着された水蒸気を含む浄化空気が電動車両の車室内に戻され、車両の窓を曇らせてしまうのを抑制することができる。さらに、加熱装置のオン状態を短縮することにより、使用電力量の低減を図ることができる。
なお、図4において示した時刻T1、時刻T2、時刻T3、時刻T4のタイミングは、流路を切り替えた後に水蒸気を除去する内気が、加熱装置130の余熱によって加熱されず、次の浄化期間Pが始まったときには、吸着ブロック140が内気に含まれる水蒸気を除去する状態になっているようにするために必要な時間を確保するタイミングであればよい。このため、時刻T1、時刻T2、時刻T3、時刻T4のタイミングは、吸着ブロック140の温度や、浄化空気の温度、浄化空気に含まれる浄化対象物質の濃度などを監視した結果に基づいて調整されたタイミングであってもよい。
(第2の制御方法)
図5を参照して、車両用空気清浄化システム1における第2の制御方法について説明する。図5に示した第2の制御方法は、制御装置20が、第1の制御方法における加熱装置130をオフ状態にするタイミングで、空気室103に送出される内気の風量を制御することによって、流路を切り替えた後の浄化空気に吸着ブロック140から脱着された水蒸気が含まれてしまうのを抑制する制御方法である。
より具体的には、第2の制御方法では、図5に示したそれぞれの浄化期間Pにおいて破線の丸で囲んで示した空気室103の制御のように、制御装置20が空気分配機構120を制御して、次の浄化期間Pが始まる時間よりも所定時間だけ前のタイミングのときに、吸着ブロック140を再生させる流路に配置された空気室103に分配する内気の割合を、予め定めた割合だけ高くする。例えば、浄化期間P1では、制御装置20が、浄化期間P2が始まる時間よりも前の時刻T1のときから、つまり、浄化期間P1において第2加熱装置130-2をオフ状態にしている間、内気に含まれる水蒸気を第2吸着ブロック140-2に吸着させる第2流路に流れる内気の風量を高くする。これにより、第2の制御方法では、それぞれの浄化期間Pにおいて、水蒸気を除去した浄化空気を電動車両の車室内に戻すときよりは低いものの、加熱装置130をオフ状態にしている間、吸着ブロック140を再生させる流路に配置された空気室103に流れる内気の風量が高くなる。なお、第2の制御方法では、制御装置20が空気室103に分配する内気の割合を高くしたことに伴って、吸着ブロック140に水蒸気を吸着させる流路に配置された空気室103に流れる内気の風量は低くなる。
これにより、第2の制御方法では、第1の制御方法の状態に加えて、再生させている吸着ブロック140を通過する内気の量が多くなる。これにより、再生させている吸着ブロック140は、より早く冷やされ、次の浄化期間Pが始まるタイミングのときには、第1の制御方法の場合よりもより確実に水蒸気を吸着することができる状態になっている。
このように、第2の制御方法でも、制御装置20が、第1の制御方法と同様に、それぞれの浄化期間Pが始まる時間よりも所定時間だけ前のタイミングのときに、以前に除去した水蒸気を脱着して電動車両の車外に排気する流路に配置されている加熱装置130をオフ状態にする。さらに、第2の制御方法では、それぞれの浄化期間Pにおいて制御装置20が、加熱装置130をオフ状態にするタイミングに連動して、以前に除去した水蒸気を脱着して電動車両の車外に排気する流路に流す内気の割合を高くする。これらによって、次の浄化期間Pが開始されるときには、吸着ブロック140を通過させる内気が、吸着ブロック140が水蒸気を吸着することができる状態の温度にまで、より確実に冷えているようにする。この結果、第2の制御方法でも、第1の制御方法と同様に、制御装置20が流路を切り替えた後のしばらくの間、脱着された水蒸気を含む浄化空気が電動車両の車室内に戻され、車両の窓を曇らせてしまうのを抑制することができる。
なお、第2の制御方法では、以前に除去した二酸化炭素や水蒸気を脱着して電動車両の車外に排気する流路に流す内気の割合を高くすることにより再生した吸着ブロック140が、第1の制御方法よりも早く水蒸気を吸着することができる状態になる。このため、第2の制御方法では、加熱装置130をオフ状態にするタイミングを、第1の制御方法よりも後にすることもできる。つまり、図5において示した時刻T1、時刻T2、時刻T3、時刻T4のタイミングを、第1の制御方法における時刻T1、時刻T2、時刻T3、時刻T4のタイミングよりも、後のタイミングにすることができる。このことにより、第2の制御方法では、吸着ブロック140を再生するために用いる時間を、第1の制御方法よりも多く確保することができる。
(第3の制御方法)
図6を参照して、車両用空気清浄化システム1における第3の制御方法について説明する。図6に示した第3の制御方法は、制御装置20が、流路切り替え機構150によってそれぞれの流路に空気を優勢的に流す排気口を切り替えるタイミングを変更することによって、流路を切り替えた後の浄化空気に吸着ブロック140から脱着された水蒸気が含まれてしまうのを抑制する制御方法である。
より具体的には、第3の制御方法では、図6に示したそれぞれの浄化期間Pにおいて破線の丸で囲んで示した流路切り替え機構150の制御のように、制御装置20が、それぞれの浄化期間Pが始まる最初の時間から所定時間(例えば、30[sec]~1[min]程度)の間、流路切り替え機構150による第2排気口106から第1排気口105への排気口の切り替えを遅らせる。例えば、浄化期間P2では、制御装置20が、浄化期間P2が始まる最初の時間から時刻T11までの間、第2流路切り替え機構150-2による第2-2排気口106-2から第2-1排気口105-2への排気口の切り替えを遅らせる。つまり、制御装置20は、浄化期間P1において第2流路切り替え機構150-2が第2空気室104-2に送出された空気(除去物質空気)を排気するための排気口として第2-2排気口106-2に切り替えていた状態を継続させる。その後、制御装置20は、時刻T11のときに、第2流路切り替え機構150-2を制御して、第2空気室104-2に送出された空気(浄化空気)を排気するための排気口を、第2-1排気口105-2に切り替えさせる。なお、制御装置20が第2空気室104-2に送出された空気の排気口を切り替える時刻T11のタイミングは、流路を切り替えた後に水蒸気を除去する内気に対する第2加熱装置130-2の余熱による加熱が収まり、第2吸着ブロック140-2が内気に含まれる水蒸気を除去する状態になっているようにするために必要な時間を確保するタイミングである。例えば、制御装置20が第2流路切り替え機構150-2に排気口を切り替えさせる時刻T11のタイミングは、浄化期間P2が始まるタイミングから、少なくとも、比較例における期間Pの期間に相当する時間だけ後のタイミングである。
これにより、第3の制御方法では、図6において期間Pで示した、吸着ブロック140が吸着した水蒸気を脱着して再生される状態が継続している期間(比較例における期間Pに相当する期間)が終了した後に、空気室104に送出された浄化空気が第1排気口105から排気されて、電動車両の車室内に戻される。言い換えれば、第3の制御方法では、前の浄化期間Pにおいて吸着ブロック140を再生するためにオン状態にしていた加熱装置130の余熱によって加熱され、現在の浄化期間Pにおいても吸着ブロック140が以前に吸着した水蒸気を脱着してしまっている状態の浄化空気を、除去物質空気として第2排気口106から電動車両の車外に排気する。
このように、第3の制御方法では、制御装置20が、それぞれの浄化期間Pが始まる最初の時間から所定時間だけ後のタイミングまで、流路切り替え機構150による空気室104に送出された空気を排気する排気口の切り替えを遅らせることによって、この間に、前の浄化期間Pにおいてオン状態にしていた加熱装置130の余熱によって加熱されていることにより吸着ブロック140が以前に吸着した水蒸気を脱着してしまっている状態の浄化空気を、除去物質空気として電動車両の車外に排気する。この結果、第3の制御方法でも、第1の制御方法や第2の制御方法と同様に、制御装置20が流路を切り替えた後のしばらくの間、脱着された水蒸気を含む浄化空気が電動車両の車室内に戻され、車両の窓を曇らせてしまうのを抑制することができる。
なお、図6において示した時刻T11、時刻T12、時刻T13、時刻T14のタイミングは、流路を切り替えた後に水蒸気を除去する内気に対する加熱装置130の余熱による加熱が収まり、吸着ブロック140が内気に含まれる水蒸気を除去する状態になっているようにするために必要な時間を確保するタイミングであればよい。このため、時刻T11、時刻T12、時刻T13、時刻T14のタイミングは、吸着ブロック140の温度や、第1排気口105から排気される浄化空気の温度、浄化空気に含まれる浄化対象物質の濃度などを監視した結果に基づいて調整されたタイミングであってもよい。例えば、温度センサーなどによって検出した吸着ブロック140の温度や浄化空気の温度を監視し、監視した温度が予め定めた温度の閾値以下となったときを、時刻T11、時刻T12、時刻T13、時刻T14のタイミングとしてもよい。また、例えば、濃度センサーなどによって検出した浄化空気に含まれる浄化対象物質の濃度を監視し、監視した濃度が予め定めた濃度の閾値以下となったときを時刻T11、時刻T12、時刻T13、時刻T14のタイミングとしてもよい。
(第4の制御方法)
図7を参照して、車両用空気清浄化システム1における第4の制御方法について説明する。図7に示した第4の制御方法は、制御装置20が、流路切り替え機構150によってそれぞれの流路に空気を優勢的に流す排気口を切り替えるタイミングを変更することによって、流路を切り替えた後の浄化空気に吸着ブロック140から脱着された水蒸気が含まれてしまうのを抑制する別の制御方法である。第4の制御方法では、流路切り替え機構150によって空気を排気する排気口を切り替えるタイミングが、第3の制御方法と異なっている。
より具体的には、第4の制御方法では、図7に示したそれぞれの浄化期間Pにおいて破線の丸で囲んで示した流路切り替え機構150の制御のように、制御装置20が、それぞれの浄化期間Pが始まる最初の時間から所定時間(例えば、30[sec]~1[min]程度)の間、それぞれの流路切り替え機構150による排気口の切り替えを遅らせる。例えば、浄化期間P2では、制御装置20が、浄化期間P2が始まる最初の時間から時刻T11までの間、第2流路切り替え機構150-2による第2-2排気口106-2から第2-1排気口105-2への排気口の切り替えと、第1流路切り替え機構150-1による第1-1排気口105-1から第1-2排気口106-1への排気口の切り替えとの両方を遅らせる。つまり、第4の制御方法では、制御装置20が、第3の制御方法において第2流路切り替え機構150-2によって排気口を切り替えるタイミングを遅らせるのに加えて、第1流路切り替え機構150-1によって排気口を切り替えるタイミングも遅らせる。なお、制御装置20が第1流路切り替え機構150-1および第2流路切り替え機構150-2に空気室104に送出された空気の排気口を切り替えさせる時刻T11のタイミングは、第3の制御方法と同様の考え方に基づいたタイミングである。
これにより、第4の制御方法でも、第3の制御方法と同様に、前の浄化期間Pにおいて吸着ブロック140を再生するためにオン状態にしていた加熱装置130の余熱によって加熱され、現在の浄化期間Pにおいても吸着ブロック140が以前に吸着した水蒸気を脱着してしまっている状態の浄化空気を、除去物質空気として第2排気口106から電動車両の車外に排気する。さらに、第4の制御方法では、図7において期間Pで示した、絶対湿度が内気の絶対湿度よりも低くなっている除去物質空気、つまり、それぞれの浄化期間Pにおいて吸着ブロック140が吸着した水蒸気を着脱する状態の温度にまで加熱されておらず、吸着ブロック140によって水蒸気が吸着されている状態となっている内気が、浄化空気として流路切り替え機構150から電動車両の車室内に戻される。
このように、第4の制御方法では、制御装置20が、それぞれの浄化期間Pが始まる最初の時間から所定時間だけ後のタイミングまで、流路切り替え機構150による空気室104に送出された空気を排気する排気口の切り替えを遅らせる。これにより、第4の制御方法でも、第3の制御方法と同様に、前の浄化期間Pにおいてオン状態にしていた加熱装置130の余熱によって加熱されていることにより吸着ブロック140が以前に吸着した水蒸気を脱着してしまっている状態の浄化空気を、除去物質空気として電動車両の車外に排気する。この結果、第4の制御方法では、第1の制御方法~第3の制御方法と同様に、制御装置20が流路を切り替えた後のしばらくの間、脱着された水蒸気を含む浄化空気が電動車両の車室内に戻され、車両の窓を曇らせてしまうのを抑制することができる。
さらに、第4の制御方法では、制御装置20が、それぞれの浄化期間Pにおいて流路切り替え機構150に排気口の切り替えを遅らせている間に、現在の浄化期間Pにおいて吸着ブロック140が水蒸気を吸着している状態の除去物質空気を、浄化空気として電動車両の車室内に戻す。この結果、第4の制御方法では、図7において絶対湿度の変化で示した、水蒸気が除去された除去物質空気が電動車両の車外に排気されることなく、浄化空気として有効に利用することができる。
(第5の制御方法)
図8を参照して、車両用空気清浄化システム1における第5の制御方法について説明する。図8に示した第5の制御方法は、制御装置20が、第3の制御方法における流路切り替え機構150によってそれぞれの流路に空気を優勢的に流す排気口を切り替えるタイミングの変更と併せて、空気室103に送出される内気の風量を制御することによって、流路を切り替えた後の浄化空気に吸着ブロック140から脱着された水蒸気が含まれてしまうのを抑制する制御方法である。
より具体的には、第5の制御方法では、図8に示したそれぞれの浄化期間Pにおいて破線の丸で囲んで示した空気室103の制御のように、制御装置20が、それぞれの流路切り替え機構150に排気口の切り替えを遅らせている間、送風機110を制御して、吸入口101から吸入して空気室102に送出させる内気の風量を高くし、空気分配機構120を制御して、吸着ブロック140に内気に含まれる水蒸気を吸着させる側の流路に分配する内気の割合を予め定めた割合だけ高くする。例えば、浄化期間P1では、制御装置20が、浄化期間P2が始まる最初の時間から時刻T11までの間、送風機110を制御して、吸入口101から吸入して空気室102に送出させる内気の風量を高くし、空気分配機構120を制御して、第2空気室103-2に分配する内気の割合を高くすることによって、内気に含まれる水蒸気を第2吸着ブロック140-2に吸着させる第2流路に流れる内気の風量を高くする。これにより、第5の制御方法では、それぞれの浄化期間Pにおいて流路切り替え機構150に排気口の切り替えを遅らせている間、水蒸気を吸着ブロック140に吸着させる側の流路に配置された空気室103に流れる内気の風量が高くなる。なお、第5の制御方法では、制御装置20が、それぞれの浄化期間Pにおいて流路切り替え機構150に排気口の切り替えを遅らせている間、吸着ブロック140を再生させる側の流路に分配する内気の割合を低くするように空気分配機構120を制御することによって、吸着ブロック140を再生させる流路に配置された空気室103に流れる内気の風量が変わらないようにする。
これにより、第5の制御方法では、第3の制御方法の状態に加えて、水蒸気を吸着させる吸着ブロック140を通過する内気の量が多くなる。これにより、現在の浄化期間Pにおいて水蒸気を吸着させる吸着ブロック140、つまり、前の浄化期間Pにおいて加熱装置130によって加熱された内気が通過しており、現在の浄化期間Pにおいても以前に吸着した水蒸気を脱着してしまっている状態の吸着ブロック140は、より早く冷やされ、流路切り替え機構150によって排気口を切り替えるときまでには、水蒸気を吸着することができる状態になっている。
このように、第5の制御方法でも、制御装置20が、第3の制御方法と同様に、それぞれの浄化期間Pにおいて、流路切り替え機構150による空気室104に送出された空気を排気する排気口の切り替えを遅らせることによって、この間に、前の浄化期間Pにおいてオン状態にしていた加熱装置130の余熱によって加熱されていることにより吸着ブロック140が以前に吸着した水蒸気を脱着してしまっている状態の浄化空気を、除去物質空気として電動車両の車外に排気する。この結果、第5の制御方法でも、第1の制御方法~第4の制御方法と同様に、制御装置20が流路を切り替えた後のしばらくの間、脱着された水蒸気を含む浄化空気が電動車両の車室内に戻され、車両の窓を曇らせてしまうのを抑制することができる。
さらに、第5の制御方法では、それぞれの浄化期間Pにおいて制御装置20が、流路切り替え機構150に排気口の切り替えを遅らせている間に、これから水蒸気を除去した浄化空気を電動車両の車室内に戻す流路に流す内気の風量を高くする。この結果、第5の制御方法では、水蒸気を除去する吸着ブロック140が、水蒸気を吸着することができる状態の温度にまで、より早く冷やされる。
なお、第5の制御方法では、第3の制御方法に対して空気室103に送出される内気の風量の制御を追加した場合について説明した。しかし、第5の制御方法における空気室103に送出される内気の風量の制御を追加する考え方は、第3の制御方法に対する適用に限定されるものではなく、第4の制御方法に適用してもよい。つまり、第4の制御方法に対して空気室103に送出される内気の風量の制御を追加してもよい。この場合の制御方法では、第4の制御方法における効果に加えて、水蒸気を除去する吸着ブロック140が、水蒸気を吸着することができる状態の温度にまでより早く冷やされるという、第5の制御方法における効果を同時に得ることができる。
(第6の制御方法)
図9を参照して、車両用空気清浄化システム1における第6の制御方法について説明する。図9に示した第6の制御方法は、制御装置20が、第3の制御方法における流路切り替え機構150によってそれぞれの流路に空気を優勢的に流す排気口を切り替えるタイミングの変更と併せて、空気室103に送出される内気の風量を制御することによって、流路を切り替えた後の浄化空気に吸着ブロック140から脱着された水蒸気が含まれてしまうのを抑制する別の制御方法である。第6の制御方法では、空気室103に送出される内気の風量の制御が、第5の制御方法と異なっている。
より具体的には、第5の制御方法では、図8に示したそれぞれの浄化期間Pにおいて破線の丸で囲んで示した空気室103の制御のように、制御装置20が、それぞれの流路切り替え機構150に排気口の切り替えを遅らせている間、送風機110を制御して、吸入口101から吸入して空気室102に送出させる内気の風量を低くし、空気分配機構120を制御して、吸着ブロック140に内気に含まれる水蒸気を吸着させる側の流路に分配する内気の割合を予め定めた割合だけ低くする。例えば、浄化期間P1では、制御装置20が、浄化期間P2が始まる最初の時間から時刻T21までの間、送風機110を制御して、吸入口101から吸入して空気室102に送出させる内気の風量を低くし、空気分配機構120を制御して、第2空気室103-2に分配する内気の割合を低くすることによって、内気に含まれる水蒸気を第2吸着ブロック140-2に吸着させる第2流路に流れる内気の風量を低くする。これにより、第6の制御方法では、それぞれの浄化期間Pにおいて流路切り替え機構150に排気口の切り替えを遅らせている間、水蒸気を吸着ブロック140に吸着させる側の流路に配置された空気室103に流れる内気の風量が低くなる。なお、第6の制御方法では、制御装置20が、それぞれの浄化期間Pにおいて流路切り替え機構150に排気口の切り替えを遅らせている間、吸着ブロック140を再生させる側の流路に分配する内気の割合を低くするように空気分配機構120を制御することによって、吸着ブロック140を再生させる流路に配置された空気室103に流れる内気の風量が変わらないようにする。
これにより、第6の制御方法でも、第3の制御方法と同様に、前の浄化期間Pのときに吸着ブロック140を再生するためにオン状態にしていた加熱装置130の余熱によって加熱され、現在の浄化期間Pにおいても吸着ブロック140が以前に吸着した水蒸気を脱着してしまっている状態の浄化空気を、除去物質空気として第2排気口106から電動車両の車外に排気する。ここで、除去物質空気として第2排気口106から電動車両の車外に排気する浄化空気は、現在の浄化期間Pにおいても吸着ブロック140が以前に吸着した水蒸気を脱着してしまっている状態ではあるものの、加熱装置130の余熱によって加熱されている空気であるため、そのエネルギー(例えば、熱エネルギーなど)を有効に活用することができる。つまり、活用することができるエネルギーをもっている浄化空気を電動車両の車外に排気するということは、車両用空気清浄化装置10においてエネルギーをロスしまっているとも考えられる。このため、第6の制御方法では、現在の浄化期間Pにおいて流路切り替え機構150に排気口の切り替えを遅らせている間、水蒸気を吸着させる吸着ブロック140を通過する内気の量を少なくする。この結果、第6の制御方法では、水蒸気を吸着させる吸着ブロック140冷やすとともに、除去物質空気として第2排気口106から電動車両の車外に排気する浄化空気の量が抑制され、車両用空気清浄化装置10におけるエネルギーロスを少なくすることができる。
このように、第6の制御方法でも、制御装置20が、第3の制御方法と同様に、それぞれの浄化期間Pにおいて、流路切り替え機構150による空気室104に送出された空気を排気する排気口の切り替えを遅らせるとともに、この間に水蒸気を吸着させる吸着ブロック140を通過する内気の量を少なくする。この結果、第6の制御方法では、第1の制御方法~第5の制御方法と同様に、制御装置20が流路を切り替えた後のしばらくの間、脱着された水蒸気を含む浄化空気が電動車両の車室内に戻され、車両の窓を曇らせてしまうのを抑制することができるとともに、この間に除去物質空気として電動車両の車外に排気する浄化空気の量を少なくし、車両用空気清浄化装置10におけるエネルギーロスを少なくすることができる。
なお、図9において示した時刻T21、時刻T22、時刻T23、時刻T24のタイミングは、第3の制御方法~第5の制御方法と同様に、流路を切り替えた後に水蒸気を除去する内気に対する加熱装置130の余熱による加熱が収まり、吸着ブロック140が内気に含まれる水蒸気を除去する状態になっているようにするために必要な時間を確保するタイミングであればよい。このため、時刻T21、時刻T22、時刻T23、時刻T24のタイミングは、例えば、温度センサーなどによって検出した吸着ブロック140の温度や、第1排気口105から排気される浄化空気の温度、例えば、濃度センサーなどによって検出した浄化空気に含まれる浄化対象物質の濃度などを監視した結果に基づいて調整されたタイミングであってもよい。
なお、第6の制御方法でも、第5の制御方法と同様に、第3の制御方法に対して空気室103に送出される内気の風量の制御を追加した場合について説明した。しかし、第6の制御方法における空気室103に送出される内気の風量の制御を追加する考え方も、第5の制御方法と同様に、第3の制御方法に対する適用に限定されるものではなく、第4の制御方法に適用してもよい。この場合の制御方法では、第4の制御方法における効果に加えて、吸着ブロック140を水蒸気を吸着することができる状態の温度にまで冷やしている間に、車両用空気清浄化装置10におけるエネルギーロスを少なくするという、第6の制御方法における効果を同時に得ることができる。
このような制御方法によって、制御装置20は、車両用空気清浄化装置10に備えた送風機110、空気分配機構120、加熱装置130、および流路切り替え機構150の動作を制御することによって、車両用空気清浄化装置10におけるそれぞれの流路に配置された吸着ブロック140による電動車両の車室内の内気からの水蒸気の吸着と、以前に吸着した水蒸気の脱着とを切り替える。言い換えれば、制御装置20は、吸着ブロック140によって水蒸気を吸着させた浄化空気を電動車両の車室内に戻す流路と、吸着ブロック140に吸着されている水蒸気の脱着に用いられた除去物質空気を電動車両の車外に排気する流路とを切り替える。このとき、制御装置20は、いずれか一方の吸着ブロック140の流路を、浄化空気を電動車両の車室内に戻す流路とし、他方の吸着ブロック140の流路を、除去物質空気を電動車両の車外に排気する流路とするように切り替える。これにより、車両用空気清浄化システム1では、車両用空気清浄化装置10において、いずれか一方の流路に配置された吸着ブロック140が水蒸気を吸着している間に、他方の流路に配置された吸着ブロック140が以前に吸着した水蒸気を脱着して再生される。つまり、車両用空気清浄化システム1では、車両用空気清浄化装置10によって電動車両の車室内の内気から水蒸気を除去した浄化空気を電動車両の車室内に戻す動作と、以前に除去した水蒸気を電動車両の車外に排出するために用いられた除去物質空気を電動車両の車外に排気する動作とを同時期に行う。そして、制御装置20は、浄化空気を電動車両の車室内に戻す流路と、除去物質空気を電動車両の車外に排気する流路との切り替えを、所定のタイミングごとに繰り返す。これにより、車両用空気清浄化システム1では、車両用空気清浄化装置10による浄化空気の車室内への送出と、除去物質空気の車外への送出(排気)とを連続して行う。
なお、第1の制御方法~第6の制御方法は、上述したように、車両用空気清浄化システム1において制御装置20が排他的に行う制御方法ではなく、制御装置20は、第1の制御方法から第6の制御方法の内、複数の方法を組み合わせて、浄化空気を電動車両の車室内に戻す流路と、除去物質空気を電動車両の車外に排気する流路との切り替えを行ってもよい。
なお、第1の制御方法~第6の制御方法では、車両用空気清浄化装置10によって内気から水蒸気を除去する場合について説明した。しかし、上述したように、車両用空気清浄化装置10においてそれぞれの流路に配置された吸着ブロック140は、少なくとも二酸化炭素と水蒸気とを吸着し、再生によって吸着した二酸化炭素と水蒸気とを着脱する。しかし、車両用空気清浄化装置10においてそれぞれの流路に配置された吸着ブロック140が二酸化炭素を除去する場合の制御装置20による制御は、上述した水蒸気を二酸化炭素に置き換えることによって、同様に考えることができる。従って、車両用空気清浄化装置10が二酸化炭素を除去する場合における制御装置20の制御に関する詳細な説明は省略する。
上記に述べたとおり、本発明を実施するための形態によれば、制御装置20が、車両用空気清浄化装置10に備えた送風機110、空気分配機構120、加熱装置130、および流路切り替え機構150の動作を制御することによって、車両用空気清浄化装置10が有するいずれか一方の流路を、吸着ブロック140が浄化対象物質を除去した内気(浄化空気)を電動車両の車室内に戻す流路とし、他方の流路を、吸着ブロック140が以前に吸着した浄化対象物質を脱着して再生した空気(除去物質空気)を電動車両の車外に排気する流路とする流路の切り替えを、所定のタイミングごとに繰り返す。これにより、本発明を実施するための形態では、車両用空気清浄化装置10によって浄化空気を電動車両の車室内に戻す動作と、除去物質空気を電動車両の車外に排気する動作とが同時期に行われ、車両用空気清浄化装置10において、いずれか一方の流路に配置された吸着ブロック140が浄化対象物質を吸着している間に、他方の流路に配置された吸着ブロック140が浄化対象物質を脱着して再生される。
これにより、本発明を実施するための形態の車両用空気清浄化システム1を搭載した電動車両では、空調システムを、車室内の空気を循環させながら温度を調整する内気循環モードで運転した場合でも、車両用空気清浄化システム1によって車室内の内気から浄化対象物質が除去された浄化空気が循環させることになる。このため、本発明を実施するための形態の車両用空気清浄化システム1を搭載した電動車両を、例えば、冬期に利用する場合において、空調システムを内気循環モードで運転した場合でも、車両用空気清浄化装置10が電動車両の車室内に戻した浄化空気が、電動車両の窓を曇らせてしまう要因や、車両の使用者(ユーザー)の体調に影響を与える要因となることはない。これは、本発明を実施するための形態の車両用空気清浄化システム1を搭載した電動車両の空調システムが、車外の空気(外気)を取り込む外気導入モードで運転する場合において、電動車両の駆動源であるバッテリの電力の消費量を抑えるために、取り込んだ外気に予め定めた割合で内気を混合させる構成である場合でも、同様である。
しかも、本発明を実施するための形態では、車両用空気清浄化システム1を構成する車両用空気清浄化装置10が、浄化対象物質を除去して内気を浄化する2つの流路を有し、車両用空気清浄化システム1を構成する制御装置20が、流路を交互に切り替えて、浄化空気の車室内への送出と、除去物質空気の車外への送出(排気)とを連続して行う。そして、本発明を実施するための形態では、車両用空気清浄化装置10を連続して動作させる場合でも、車両用空気清浄化装置10においてそれぞれの流路に配置する吸着ブロック140における浄化性能に基づいて、浄化空気を電動車両の車室内に戻す流路と、除去物質空気を電動車両の車外に排気する流路とを交互に切り替える時間間隔を決定することができる。これにより、本発明を実施するための形態では、吸着ブロック140における浄化性能を高くするために、より多くの容量の吸着材料を含む吸着ブロック140を車両用空気清浄化装置10のそれぞれの流路に配置しなくても、浄化対象物質(二酸化炭素や水蒸気)を除去する動作を長い時間継続することができる。このことにより、本発明を実施するための形態では、内気から浄化対象物質を長時間除去し続ける構成でありながら、車両用空気清浄化システム1を構成する車両用空気清浄化装置10の小型化を容易に実現することができる。
なお、本発明を実施するための形態では、車両用空気清浄化システム1を搭載する車両が、バッテリから供給される電力を利用して走行する電動車両である場合の例を説明した。しかしながら、車両用空気清浄化システム1におけるバッテリの電力の消費量を抑えることができるという効果は、主に電動車両に対して有効ではあるものの、車両用空気清浄化システム1における浄化対象物質を長時間除去し続けることができるという効果に関しては、電動車両に対してのみに有効な効果ではない。つまり、車両用空気清浄化システム1における浄化対象物質を長時間除去し続けることができるという効果は、例えば、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関による駆動によって走行する自動車などの四輪の車両においても有効な効果である。従って、車両用空気清浄化システム1を搭載する車両としては、電動車両に限定されるものではなく、空調システムによって空気の温度を調整する車室を備えている車両であれば、内燃機関による駆動によって走行する車両や、バッテリ(電池)と内燃機関とを組み合わせた駆動によって走行するハイブリッド車両など、車両の全般が含まれる。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。
1・・・車両用空気清浄化システム
10・・・車両用空気清浄化装置
10a・・・仕切り壁
101・・・吸入口
102・・・空気室
103・・・空気室
103-1・・・第1空気室
103-2・・・第2空気室
104・・・空気室
104-1・・・第1空気室
104-2・・・第2空気室
105・・・第1排気口
105-1・・・第1-1排気口
105-2・・・第2-1排気口
106・・・第2排気口
106-1・・・第1-2排気口
106-2・・・第2-2排気口
110・・・送風機
120・・・空気分配機構
121・・・開閉ドア
130・・・加熱装置
130-1・・・第1加熱装置
130-2・・・第2加熱装置
140・・・吸着ブロック
140-1・・・第1吸着ブロック
140-2・・・第2吸着ブロック
150・・・流路切り替え機構
150-1・・・第1流路切り替え機構
150-2・・・第2流路切り替え機構
151・・・開閉ドア
151-1・・・第1開閉ドア
151-2・・・第2開閉ドア
20・・・制御装置

Claims (11)

  1. 車両の車室と連通する第1流路と、
    前記車室と連通する第2流路と、
    前記車室から前記第1流路および前記第2流路に向けて空気を流通させる送風機と、
    前記車室から流れる空気を前記第1流路の一端と前記第2流路の一端とに分配して送出する空気分配機構と、
    前記第1流路の他端に接続され、前記車室に連通する第1-1流路と、
    前記第1流路の他端に接続され、前記車室の外部に連通する第1-2流路と、
    前記第1流路に配置され、前記第1流路の内部の空気を加熱する加熱装置である第1加熱装置と、
    前記第1流路に配置され、前記第1流路の内部の空気に含まれる少なくとも二酸化炭素と水蒸気とを浄化対象物質として吸着するとともに、前記第1加熱装置によって加熱された前記空気を通過させる際に、前記浄化対象物質を脱着する吸着ブロックである第1吸着ブロックと、
    前記第1流路に配置され、前記第1吸着ブロックを通過した空気を、前記第1-1流路または前記第1-2流路のいずれかに優勢的に流す流路切り替え機構である第1流路切り替え機構と、
    前記第2流路の他端に接続され、前記車室に連通する第2-1流路と、
    前記第2流路の他端に接続され、前記車室の外部に連通する第2-2流路と、
    前記第2流路に配置され、前記第2流路の内部の空気を加熱する加熱装置である第2加熱装置と、
    前記第2流路に配置され、前記第2流路の内部の空気に含まれる前記浄化対象物質を吸着するとともに、前記第2加熱装置によって加熱された前記空気を通過させる際に、前記浄化対象物質を脱着する吸着ブロックである第2吸着ブロックと、
    前記第2流路に配置され、前記第2吸着ブロックを通過した空気を、前記第2-1流路または前記第2-2流路のいずれかに優勢的に流す流路切り替え機構である第2流路切り替え機構と、
    前記第1加熱装置を作動させず、前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-1流路に優勢的に流すとともに、前記第2加熱装置を作動させて、前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-2流路に優勢的に流す第1の状態と、前記第1加熱装置を作動させて、前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-2流路に優勢的に流すとともに、前記第2加熱装置を作動させず、前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-1流路に優勢的に流す第2の状態と、を交互に実現する制御装置と、
    を備える車両用空気清浄化システムであって、
    前記制御装置は、
    前記第1の状態と前記第2の状態とを切り替える際に、前記第1流路と前記第2流路のうち前記浄化対象物質を脱着している側の流路から前記車室に空気が流れるのを抑制可能なタイミングで、それぞれの構成要素を制御し、
    前記第1の状態から前記第2の状態に切り替える際には、
    前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-2流路に優勢的に流す状態から、前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-1流路に優勢的に流す状態に切り替えるよりも前に、作動している前記第2加熱装置を停止させ、
    前記第2の状態から前記第1の状態に切り替える際には、
    前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-2流路に優勢的に流す状態から、前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-1流路に優勢的に流す状態に切り替えるよりも前に、作動している前記第1加熱装置を停止させ、
    前記いずれかの加熱装置を停止させるのに連動して、前記空気分配機構により前記浄化対象物質を脱着している側の流路に分配して送出する前記空気の割合を、前記いずれかの加熱装置を停止させる前に比して高くする、
    車両用空気清浄化システム。
  2. 前記制御装置は、
    前記第1流路切り替え機構による以前の流路の切り替え、および前記第2流路切り替え機構による以前の流路の切り替えからタイマーによって計時し、所定の時間で、前記いずれかの加熱装置を停止させる、
    請求項に記載の車両用空気清浄化システム。
  3. 前記制御装置は、
    前記第1の状態から前記第2の状態に切り替える際に、
    前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-2流路に優勢的に流す状態から、前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-1流路に優勢的に流す状態への切り替えを遅らせ、
    前記第2の状態から前記第1の状態に切り替える際に、
    前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-2流路に優勢的に流す状態から、前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-1流路に優勢的に流す状態への切り替えを遅らせる、
    請求項1または請求項に記載の車両用空気清浄化システム。
  4. 前記制御装置は、
    前記第1の状態から前記第2の状態への切り替え、および前記第2の状態から前記第1の状態への切り替えからタイマーによって計時し、所定の時間まで、前記いずれかの流路切り替え機構による空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせる、
    請求項に記載の車両用空気清浄化システム。
  5. 前記制御装置は、
    前記第1の状態から前記第2の状態への切り替え、および前記第2の状態から前記第1の状態への切り替えから、温度センサーによって検出した、前記浄化対象物質を吸着する側の流路に配置された前記いずれかの吸着ブロックの温度を監視し、監視した温度が予め定めた温度の閾値以下になるまで、前記いずれかの流路切り替え機構による空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせる、
    請求項または請求項に記載の車両用空気清浄化システム。
  6. 前記制御装置は、
    前記第1の状態から前記第2の状態への切り替え、および前記第2の状態から前記第1の状態への切り替えから、温度センサーによって検出した、前記浄化対象物質を吸着する側の流路から優勢的に流された空気の温度を監視し、監視した温度が予め定めた温度の閾値以下になるまで、前記いずれかの流路切り替え機構による空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせる、
    請求項から請求項のいずれか1項に記載の車両用空気清浄化システム。
  7. 前記制御装置は、
    前記第1の状態から前記第2の状態への切り替え、および前記第2の状態から前記第1の状態への切り替えから、濃度センサーによって検出した、前記浄化対象物質を吸着する側の流路から優勢的に流された空気に含まれる前記浄化対象物質の濃度を監視し、監視した濃度が予め定めた濃度の閾値以下になるまで、前記いずれかの流路切り替え機構による空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせる、
    請求項から請求項のいずれか1項に記載の車両用空気清浄化システム。
  8. 前記制御装置は、
    前記いずれかの流路切り替え機構により空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせるのに連動して、
    前記第1の状態から前記第2の状態に切り替える際に、
    前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-1流路に優勢的に流す状態から、前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-2流路に優勢的に流す状態への切り替えを遅らせ、
    前記第2の状態から前記第1の状態に切り替える際に、
    前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-1流路に優勢的に流す状態から、前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-2流路に優勢的に流す状態への切り替えを遅らせる、
    請求項から請求項のいずれか1項に記載の車両用空気清浄化システム。
  9. 前記制御装置は、
    前記いずれかの流路切り替え機構により空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせている間、前記送風機により前記第1流路および前記第2流路に向けて流通させる空気の量を、前記いずれかの流路切り替え機構により空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせる前に比して多くし、前記空気分配機構により前記浄化対象物質を吸着する側の流路に分配して送出する前記空気の割合を、前記いずれかの流路切り替え機構により空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせる前に比して高くする、
    請求項から請求項のいずれか1項に記載の車両用空気清浄化システム。
  10. 前記制御装置は、
    前記いずれかの流路切り替え機構により空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせている間、前記送風機により前記第1流路および前記第2流路に向けて流通させる空気の量を、前記いずれかの流路切り替え機構により空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせる前に比して少なくし、前記空気分配機構により前記浄化対象物質を吸着する側の流路に分配して送出する前記空気の割合を、前記いずれかの流路切り替え機構により空気を優勢的に流す状態の切り替えを遅らせる前に比して低くする、
    請求項から請求項のいずれか1項に記載の車両用空気清浄化システム。
  11. 車両の車室と連通する第1流路と、
    前記車室と連通する第2流路と、
    前記車室から前記第1流路および前記第2流路に向けて空気を流通させる送風機と、
    前記車室から流れる空気を前記第1流路の一端と前記第2流路の一端とに分配して送出する空気分配機構と、
    前記第1流路の他端に接続され、前記車室に連通する第1-1流路と、
    前記第1流路の他端に接続され、前記車室の外部に連通する第1-2流路と、
    前記第1流路に配置され、前記第1流路の内部の空気を加熱する加熱装置である第1加熱装置と、
    前記第1流路に配置され、前記第1流路の内部の空気に含まれる少なくとも二酸化炭素と水蒸気とを浄化対象物質として吸着するとともに、前記第1加熱装置によって加熱された前記空気を通過させる際に、前記浄化対象物質を脱着する吸着ブロックである第1吸着ブロックと、
    前記第1流路に配置され、前記第1吸着ブロックを通過した空気を、前記第1-1流路または前記第1-2流路のいずれかに優勢的に流す流路切り替え機構である第1流路切り替え機構と、
    前記第2流路の他端に接続され、前記車室に連通する第2-1流路と、
    前記第2流路の他端に接続され、前記車室の外部に連通する第2-2流路と、
    前記第2流路に配置され、前記第2流路の内部の空気を加熱する加熱装置である第2加熱装置と、
    前記第2流路に配置され、前記第2流路の内部の空気に含まれる前記浄化対象物質を吸着するとともに、前記第2加熱装置によって加熱された前記空気を通過させる際に、前記浄化対象物質を脱着する吸着ブロックである第2吸着ブロックと、
    前記第2流路に配置され、前記第2吸着ブロックを通過した空気を、前記第2-1流路または前記第2-2流路のいずれかに優勢的に流す流路切り替え機構である第2流路切り替え機構と、
    それぞれの構成要素を制御する制御装置と、
    を備える車両用空気清浄化システムの制御方法であって、
    前記制御装置が、
    前記第1加熱装置を作動させず、前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-1流路に優勢的に流すとともに、前記第2加熱装置を作動させて、前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-2流路に優勢的に流す第1の状態と、前記第1加熱装置を作動させて、前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-2流路に優勢的に流すとともに、前記第2加熱装置を作動させず、前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-1流路に優勢的に流す第2の状態と、を交互に実現し、
    前記第1の状態と前記第2の状態とを切り替える際に、前記第1流路と前記第2流路のうち前記浄化対象物質を脱着している側の流路から前記車室に空気が流れるのを抑制可能なタイミングで、それぞれの構成要素を制御し、
    前記第1の状態から前記第2の状態に切り替える際には、
    前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-2流路に優勢的に流す状態から、前記第2流路切り替え機構により前記第2吸着ブロックを通過した空気を前記第2-1流路に優勢的に流す状態に切り替えるよりも前に、作動している前記第2加熱装置を停止させ、
    前記第2の状態から前記第1の状態に切り替える際には、
    前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-2流路に優勢的に流す状態から、前記第1流路切り替え機構により前記第1吸着ブロックを通過した空気を前記第1-1流路に優勢的に流す状態に切り替えるよりも前に、作動している前記第1加熱装置を停止させ、
    前記いずれかの加熱装置を停止させるのに連動して、前記空気分配機構により前記浄化対象物質を脱着している側の流路に分配して送出する前記空気の割合を、前記いずれかの加熱装置を停止させる前に比して高くする、
    車両用空気清浄化システムの制御方法。
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