JP7009281B2 - 珪藻土を含む複合材、濾材及び当該濾材を有してなるカートリッジフィルター - Google Patents

珪藻土を含む複合材、濾材及び当該濾材を有してなるカートリッジフィルター Download PDF

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Description

本発明は、細胞培養液の清澄化工程において用いられる複合材、濾材及びカートリッジフィルターに関する。
近年、従来からの低分子医薬品と比較し、高い薬効と副作用の少なさから、疾病の治療のために抗体医薬が広く用いられている。その需要に応えるために、抗体の培養製造技術は向上し、この数十年で、抗体の産生量は、バッチ培養あたり数百mg/Lから、現在ではg/Lオーダーへ飛躍的に向上した(非特許文献1)。他方で、抗体の産生効率の向上に伴って細胞培養液の濃度が上昇した結果、抗体の精製工程前にあたる清澄化工程において、種々の技術的課題が浮上している。
これまで、細胞培養工程後に行われる清澄化工程では、抗体を含む細胞培養液を遠心分離処理し、次いでフィルター濾過することで、夾雑物を除去し、抗体を含んだ清澄化培養液を得ることが行われてきた。しかしながら、遠心分離処理を行う場合、使用後の機材の厳密な洗浄が必要であるため、抗体医薬製造の関係者からは省略したいとの声が多い。他方で、フィルターのみを用いて細胞培養液の清澄化を行う場合、高濃度の細胞培養液のためにフィルターが目詰まりを起こすことが問題となっている。この問題に対して、フィルターの使用数を増やすなどの対応がなされているが、濾過操作が煩雑となり、コストが増大するなどの問題が新たに生じている。
従来、フィルターの中では比較的濾過容量が大きいデプスフィルターを用いて、細胞培養液の清澄化が行われてきた。清澄化に広く用いられているデプスフィルターの濾材として、セルロース繊維と珪藻土とを混ぜ合わせた複合材が公知である。このデプスフィルターでは、培養液中に含まれる夾雑物を珪藻土が吸着することで、清澄化がなされる。このデプスフィルターの濾材であるセルロース繊維及び珪藻土の複合化は、湿式法といわれる紙漉き様の製法によって行われる。
しかしながら、湿式法にてセルロース繊維と珪藻土とを複合化する場合、濾材の肉厚化が難しく、そのため一定面積での濾過容量の拡大が難しい。また、様々な形状への成形加工も困難である。さらに、濾材の単位容量あたりの吸着量を増やすためには、濾材に含まれる珪藻土の含有量を増やせばよいが、セルロース繊維が減ることで珪藻土が濾材から脱落しやすくなり、かつ加工成形が困難となる。そこで、珪藻土の脱落防止と成形加工性を得るため、珪藻土とセルロース繊維を結合させる機能を果たす糊やバインダが使用される。しかしながら、糊やバインダは、珪藻土とセルロース繊維とを結合すると同時に、珪藻土とセルロース繊維との間の空隙や珪藻土の細孔を塞ぐため、濾材としての空隙率の減少や珪藻土の吸着容量の減少を生じ、濾過時の圧力が上昇する結果となる。
また、湿式法で繊維と珪藻土を混合する場合、重量方向に水を抜いて濾材が製造されるため、濾材の下方に珪藻土が沈降し集積する傾向にある。そのため、細胞培養液の清澄濾過を試みる際、濾材の下方にある珪藻土によって集中的に夾雑物が捕捉され、濾過時の圧力が上昇し、濾過速度が低下しやすくなる傾向にある。濾過圧力の上昇は細胞を破壊し、細胞が破壊されると細胞内の微小な生体物質が放出され、タンパク質分解酵素なども放出されるため、貴重な最終目的物である抗体を破壊する恐れがある。また、清澄化工程の効率を上げるために、濾過速度を上げることは、濾過圧力の上昇に繋がるため、濾過工程を実施する上で悩ましい状況である。
また一方で、セルロース繊維に代替するものとして、オレフィン樹脂または繊維を結合剤として用いることも提案されている(特許文献1)。特許文献1の発明では、珪藻土とポリエチレン極細繊維との混合物を成形加工するため、繊維を溶融させている。しかしながら、単一の樹脂からなる繊維を用いた場合、繊維の全体が溶融することで繊維骨格が崩れる。その結果、濾材中の空隙を維持することができず、かつ、溶融した繊維が珪藻土の孔も塞ぐため、濾材の性能を十分に向上させることが難しい。
前記以外の他の樹脂繊維を用いることも公知であるが、その製造方法は湿式法による(特許文献2)。そのため濾材の形状は限定され、濾材の肉厚化も難しく、かつ珪藻土などの吸着剤を均一に分散することが困難である。さらに、湿式法では、水などの溶媒に濾材の構成要素を分散させてスラリー化し、次いで水を排出させるため、濾材中での吸着剤の局在が生じやすい。その結果、湿式法にて製造された濾材を清澄化工程で用いた場合、吸着剤が多く存在する層で培養液中の夾雑物が集中して捕捉されるため、ろ過圧力が高くなり、目詰まりしやすいという課題がある。
また、抗体医薬の清澄化工程では、細胞培養液のコンディション(例えば、培養液の濃度や含まれる夾雑物のサイズ)に応じて、適した細孔径を有する吸着剤を含むカートリッジフィルターを複数段重ねて使用することもある。しかしながらこの方法では、液に最初に接液するカートリッジでは繊維層も濾過の機能を果たすが、前段のカートリッジにおいて粗いサイズの夾雑物はほぼ捕捉されるため、より精密な濾過を目的とする後の段階のカートリッジでは、繊維層の果たすべき役割は小さく、濾材全体でみると全体が合理的に構成されているとはいえない。すなわち、従来の清澄化フィルターでは濾材全体で以ってして、細胞培養液の清澄濾過がなされていない。細胞培養液はさらに高濃度化しており、従来の清澄化フィルターでは濾過圧力の上昇かつ濾過目詰まりが早期に生じるため、抗体医薬製造業者を悩ませているのが現状である。
特開2007-216224号公報 特表2016-530993号公報
生物工学 2013年第91巻、511~513頁、抗体医薬品生産培養技術の課題と展開;金子佳寛
上記の通り、抗体医薬製造業者が、抗体を含む細胞培養液の清澄化を行うにあたり、満足な性能を有するフィルターが存在しないという現状がある。この状況に鑑み、本発明は、細胞培養液の清澄化にあたり、目詰まりを生じ難く、大量の培養液の処理が可能であり、低濾過圧力かつ速い濾過速度を可能とするフィルターを提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、融点の異なる少なくとも2成分の樹脂からなる熱可塑性複合繊維と珪藻土とを複合化した複合材によって、上述の課題が解決されることを見出した。さらに、前記の複合材にさらに不織布層を設けて濾材とすること、あるいは、前記の複合材を中間層とし、中間層の両側に表層及び内層をそれぞれ設けた濾材とすること、さらにそれらを有してなるカートリッジフィルターとすることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
[1]融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性複合繊維と、珪藻土と、が一体化されてなる複合材。
[2]前記融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン及びポリエチレンである、[1]に記載の複合材。
[3]前記熱可塑性複合繊維をバインダとして、前記珪藻土が前記複合材中に保持されてなる、[1]又は[2]に記載の複合材。
[4][1]~[3]のいずれか1項に記載の複合材を含む、濾材。
[5]前記複合材が、熱可塑性繊維を含む不織布で覆われてなる、[4]に記載の濾材。
[6]前記複合材が中間層であり、さらに、
前記中間層の一方側に、第一の熱可塑性繊維を含む表層、及び、
前記中間層の他方側に、第二の熱可塑性繊維を含む内層、
が積層されてなる、[4]又は[5]に記載の濾材。
[7]前記第二の熱可塑性繊維が、2以上の熱可塑性樹脂を含んでなる、[6]に記載の濾材。
[8]前記第二の熱可塑性繊維が、熱可塑性複合繊維を含む、[6]又は[7]に記載の濾材。
[9]前記第一の熱可塑性繊維が、2以上の熱可塑性樹脂を含んでなる、[6]~[8]のいずれか1項に記載の濾材。
[10]前記第一の熱可塑性繊維が、熱可塑性複合繊維を含む、[6]~[9]のいずれか1項に記載の濾材。
[11]細胞培養液の清澄化工程において使用される濾材である、[4]~[10]のいずれか1項に記載の濾材。
[12][4]~[11]のいずれか1項に記載の濾材を有してなる、カートリッジフィルター。
本発明の複合材ないし濾材は、濾過機能を担う珪藻土が、糊などの結合剤を用いずに熱可塑性複合繊維によって保持されていることを特徴とする。複合材において、熱可塑性複合繊維の低融点成分によって繊維同士ないし繊維と珪藻土とが融着され、また熱可塑性複合繊維の高融点成分によって複合材の構造が維持されるため、複合材中の空隙が維持されるとともに、珪藻土の細孔が溶融した繊維によって閉塞されてしまうことがなく、珪藻土の本来有する濾過性能が損なわれない。また、この構成によれば、複合材ないし濾材中に保持できる珪藻土の割合を多くすることが可能である。このため濾材の濾過容量を向上させることができる。また本発明の複合材ないし濾材は、肉厚な形態に成形が可能であるため、濾過処理能力の大容量化も行うことができる。さらに、吸着能を有する珪藻土が、濾材全体において均一に分散されており、かつ珪藻土の種類や含有率の異なる複合材同士を、空隙を維持しつつ接着することも可能であるため、濾材に適切な傾斜構造を付与することもできる。その結果、濾材全体で以ってして、濾過対象物を含む液の濾過がなされ、より高い濾過効率を得ることができる。
以上で述べた特性を有しているため、本発明の複合材から、細胞培養液の清澄化工程において、目詰まりを生じにくく、より多量の細胞培養液の処理が可能であり、低濾過圧力かつ濾過速度の速い濾材が得られる。
また、フィルターカートリッジを積み重ねて使用する場合でも、濾材全体に吸着剤が均一に分散された、任意の吸着能を有するフィルターカートリッジを下位の段階に配置できるため、効率的な濾過がなされる。そのため、本発明の濾材が搭載されたフィルターカートリッジを組み合わせても、細胞培養液を効率的に清澄化することができる。
本発明の実施例の複合材の模式図を示す。 本発明の実施例の複合材の模式図を示す。 本発明の実施例の複合材の模式図を示す。 本発明の実施例の複合材の模式図を示す。 本発明の実施例の複合材の模式図を示す。 本発明の実施例の濾材の模式図を示す。 本発明の実施例の濾材の模式図を示す。 本発明の実施例の濾材の模式図を示す。 本発明の実施例の濾材の模式図を示す。 本発明の実施例の濾材の模式図を示す。 本発明の実施例の濾材の模式図を示す。 本発明の実施例の濾材の模式図を示す。 本発明の実施例の濾材の模式図を示す。 本発明の実施例の濾材の模式図を示す。 本発明の実施例の濾材の模式図を示す。
<複合材>
本発明の濾材は、融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性複合繊維と、珪藻土とが一体化されてなる複合材を含むことを特徴とする。複合材に含まれる熱可塑性複合繊維と珪藻土との混合比は、重量比で3:1~1:8が利用でき、2:1~1:7が好ましく、1:1~1:6がさらに好ましい。つまり、複合材中の珪藻土の重量割合は、25~89%(w/w)とすることができ、33~88%(w/w)が好ましく、50~86%(w/w)がさらに好ましい。通常、珪藻土は粉体で用いられることから、この範囲とすることで、珪藻土の粉末と熱可塑性複合繊維とが均一に分散され、さらに熱可塑性複合繊維によって空隙が得られることから、濾過時の目詰まりの抑制、通液性が確保され、複合材全体で吸着が行われるため、濾過圧力の上昇を抑えつつ、大きな濾過容量が得られる。さらには、親水性を有する珪藻土を高含有化かつ複合材中で均一に分散できるため、湿潤強化樹脂などを使用することなしに、水溶液などのろ過の際、高い流速を実現することができる。また、軽量化が図れるため、使用時においてハンドリング性に優れる点からも好ましい。珪藻土の比率が多い場合、吸着容量が大きくなるが、通液性および加工成形性は劣る。そのため、ろ過対象物を含む溶液のコンディションを想定し、珪藻土の含有量を決定することができる。
複合材は、1層からなるものでもよいし、複数の層からなるものとしてもよい。複数の層からなる場合、層の数は目的の性能に応じて適宜選択すればよく、特に制限されないが、例えば2~7層とすることができ、2~5層であればより好ましく、2~3層であればよりいっそう好ましい。複合材が複数の層からなる場合、各層において異なる粒径の珪藻土を含んでいてもよく、珪藻土の含有率についても、清澄化に有効な範囲にすることで、高い清澄度を達成することができる。また層の厚みについて、層ごとで厚みが異なっていても良い。
複合材が複数の層からなる場合、層の配列に特に制限はないが、傾斜構造を有するものとすることも好ましい。傾斜構造としては例えば、上流側から下流側の方向へ、段階的又は連続的に、珪藻土の含有率を増やす、珪藻土の粒径を小さくする、あるいは、珪藻土の含有率及び粒径を変化させる等が挙げられる。このような傾斜構造によって、通液性を確保し、かつ濾過圧力の上昇を抑えつつ、濾材の濾過容量を向上させることができる。
複合材が複数の層からなる場合、各層が密に接触または接着していることが好ましい。層間の接着は、複合材に含まれる熱可塑性複合繊維のうち低融点の樹脂のみが溶ける温度で加熱することで、層間の空隙構造を維持しつつ、接着することができる。層間の接着方法は、各層を積層する毎に端面を加熱してもよいし、各層を積層させてから全体を加熱してもよい。本発明によれば、粗濾過用、標準濾過用、精密濾過用あるいは清澄濾過用等、濾過特性の異なる珪藻土を任意の含有量で含み、また任意の厚みである複合材を、複数組み合わせて一体化することができるので、様々な濾過液に対して所望の清澄度を得ることができる。この点は、従来の珪藻土を含むフィルター用の濾材では実現されていない、本発明の新規な特徴である。
なお、本明細書において、珪藻土は、もっとも微細な物質を捕捉できる珪藻土を清澄濾過用とし、次点が精密濾過用、さらに次が標準濾過用、粒子径の大きい物質の除去に対しては粗濾過用と定義する。
複合材が複数の層からなる場合、各層の間に不織布等の熱可塑性繊維を含む繊維構造物を挿入してもよい。複合材の層間に不織布等が配置されていることにより、積層成形中における珪藻土の脱落を防止することができる。また、不織布等が適度な空隙を作り出すことにより、各層の表面同士の過度な圧着による空隙の減少を防ぐこともできる。その結果、濾過圧力の上昇を抑制することにも繋がる。
また、各層において、珪藻土の粒径または含有量の異なる複合材を組み合わせて用いることができる。その際は、粗い珪藻土を含む複合材は上流側に、より細かい珪藻土を含む複合材は下流側に配置することで、効果的にろ過が行われる。各層における、珪藻土複合材の厚みは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
複合材中では、熱可塑性複合繊維がバインダとなって珪藻土を保持している。具体的には、複合材中で、熱可塑性複合繊維が形成する立体網状構造の空隙に珪藻土粉末が存在し、また、熱可塑性複合繊維と珪藻土との接点において熱可塑性複合繊維が珪藻土に溶着しており、または3次元的に接着した熱可塑性複合繊維の間に珪藻土が強固に挟まれているため、珪藻土が脱落することなく保持されている。
複合材の厚みは、特に制限されるものではないが、細胞培養液の清澄化工程におけるフィルターとして用いる場合、例えば0.5~50mmとすることができ、1.0~40mmの範囲であればより好ましい。薄いものから肉厚な形状のものまで成形加工が可能であることが、本発明に用いる複合材の特徴である。複合材の形状は、平板状、円筒状、円柱や角柱等の塊状等の任意の形状に成形することができ、種々のアプリケーションに対応するデプスフィルターの濾材として用いられるのに好適である。
複合材に含まれる珪藻土は、淡水産または海水産の珪藻土が利用可能であり、酸洗浄されているものが好ましい。珪藻土としては、焼成品または融剤焼成品が利用可能である。珪藻土の粒度分布に特に制限はないが、分級されていることが好ましい。珪藻土の粒径は、約0.01μmから約1mmが利用でき、0.1μm~100μmが好ましく、0.5μm~50μmがより好ましく、1μm~30μmが特に好ましい。前述のとおり、複合材において、粒径の異なる複数種類の珪藻土を併用することも好ましい。具体的な珪藻土としては、市販品をそのまま、又は、適切な処理をした後に用いることができ、例えば、土田食品工業株式会社製の融剤焼成品である濾過一番1号、濾過一番C、濾過一番4号、濾過一番R、濾過一番白及び濾過一番白2号の各種グレードや、焼成品である濾過一番2号、濾過一番赤、濾過一番3号および濾過一番6号(商品名)が例示される。
珪藻土は、市販品を加工、例えば、ふるい分けまたは分類を行って、粒子をより狭い粒径分布の画分にサイズ分けすることができる。一般に、濾過助剤粒子に使用される珪藻土のサイズは、約0.01μmから約5mm、好ましくはいくつかの実施形態において約10μmから約500μm、他の実施形態において約40μmから約200μm、また他の実施形態において約0.1μmから約50μmの範囲でありうる。また他の実施形態において約0.01μmから約50μmの範囲であり得る。粗ろ過の場合、比較的中位径の大きい珪藻土が用いられ、精密にろ過する場合は、より微小な珪藻土が用いられる。
複合材には、融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性複合繊維が含まれる。複合繊維の複合形態は特に制限されず、鞘芯型複合繊維、並列型複合繊維、海島型複合繊維等が例示できる。融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂の組み合わせとしては、具体的に、ポリプロピレンとポリエステル、ポリプロピレンとポリエチレンの組み合わせが例示でき、特に、軽量性、耐薬品性および熱接着性に優れている点から、ポリプロピレンとポリエチレンの組み合わせが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが例示できる。また、ポリプロピレンとしては、プロピレンを主体するエチレンまたはαオレフィンとプロピレンとの共重合体、プロピレンの単独重合体などが例示できる。また、ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が例示できる。2種類の樹脂の融点の差は、20℃以上であることが好ましく、30℃以上であればより好ましい。
熱可塑性複合繊維の繊度は、特に限定されないが、1.1~110dtexの範囲が利用でき、1.65~65dtexの範囲が好ましく、1.65~40dtexの範囲がより好ましい。また、熱可塑性複合繊維は、長繊維であっても短繊維であってもよいが、繊維を0.1~20mm程度の長さに裁断したものを用いることができ、0.5~10mm程度であればより好ましい。この範囲の繊度ないし長さを有する短繊維を使用することで、珪藻土と複合化する際に、適切な大きさの空隙が形成され、濾過する液体と珪藻土とが充分に接触して珪藻土の吸着効果が発揮される。また、熱可塑性複合繊維がバインダの役割をすることによって珪藻土の脱落が防止される。
<複合材を含む濾材>
本発明の濾材は、複合材に含まれる珪藻土の脱落を防止し、充分な強度や耐久性を確保するために、複合材の層を中間層とし、さらに繊維層及び/又は不織布層と組み合わされていることが好ましい。具体的には、前述の複合材が熱可塑性繊維を含む不織布で覆われてなる濾材であることが好ましい。また、前述の複合材が中間層として含まれ、その層の両側に、それぞれ表層と内層とが形成された3層構造を有する濾材であることも好ましい。また、複合材を肉厚に成形し、あるいは、複数層が積層された複合材として、濾材とすることもできる。いずれも、デプスフィルターの濾材として好適である。
なお、本発明では、複合材の具体的な形状に応じて表層及び内層の具体的な位置や形状が変更可能であるが、本明細書においては、その具体的な位置や形状に関わらず、複合材からみて濾過液の上流側に位置する層を表層、複合材からみて濾過液の下流側に位置する内層と称する。つまり、表層は、円筒状の複合材の外周表面に位置する層であってもよく、平面状の複合材の上面に位置する層であってもよい。同様に、内層は、円筒状の複合材の内周表面に位置する層であってもよく、平面状の複合材の下面に位置する層であってもよい。
表層及び内層は、いずれも、単一の層からなるものであってもよく、同一又は異なる繊維層及び/又は不織布層が積層されてなるものであってもよい。
<表層>
本発明の濾材において、複合材が表層によって包摂される場合、表層は、1層又は複数層の不織布の層であることが好ましい。表層は繊維径の異なる不織布が複数枚重ねられていてもよい。その場合、最表面の層から複合材の層に近づくほど、不織布が細かくなる構造をとることが好ましい。表層は、ろ過液に含まれる粗大な夾雑物を捕捉する機能を有するため、厚みがあり空隙の大きな層であることが好ましい。また、ろ過操作時、ろ過圧力が高くなった場合においても、空隙を維持できることが好ましい。
表層は、第一の熱可塑性繊維を含む層であり、好ましくは第一の熱可塑性繊維を含む不織布の層である。表層は、複合材に含まれる珪藻土の脱落を抑える機能を有する必要があることから、複合材との接着性に優れることが好ましい。そのため、第一の熱可塑性繊維は、複合材に含まれる熱可塑性複合繊維と同種の熱可塑性樹脂を含む、熱可塑性繊維であることが好ましい。第一の熱可塑性繊維を構成する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等が利用できる。なかでも、耐熱性と耐薬品性の点からはポリプロピレンが好ましく、低温での接着性の点からはポリエチレンが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが例示できる。また、ポリプロピレンとしては、プロピレンを主体とし、エチレンまたはαオレフィンとプロピレンとの共重合体、プロピレンの単独重合体などが例示できる。また、ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が例示できる。表層は、前記のうち1種類の熱可塑性樹脂を含んでなる熱可塑性繊維であってもよく、2種類以上の熱可塑性樹脂を含んでなる熱可塑性繊維であることが好ましい。2種類以上の熱可塑性樹脂を含んでなる熱可塑性繊維である場合、混繊であっても複合繊維であってもよく、2種類以上の熱可塑性を含む複合繊維であることがより好ましい。
表層に用いる不織布は、短繊維から製造してもよいが、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、エアースルー不織布等を利用してもよい。第一の熱可塑性繊維の繊度は、特に限定されないが、0.5~30dtexの範囲が利用でき、0.5~10dtexの範囲が好ましく、0.5~6dtexの範囲がより好ましい。また、1種類の樹脂からなっていても、2種以上の熱可塑性樹脂が混繊された混繊不織布であってよい。
表層に用いる不織布の目付としては、10~100g/mの範囲であることが好ましく、25~75g/mがより好ましく、30~50g/mが特に好ましい。この範囲であれば、通液性に優れるため好ましい。また、表層に用いる不織布の通気度としては、1~50cm/cm/secの範囲であることが好ましく、5~30cm/cm/secがより好ましく、10~20cm/cm/secが特に好ましい。円筒形カートリッジフィルターの場合、表層は、中間層(複合材)の表面上にこれらの不織布を巻き付け、溶着することによって形成されるが、巻き付けの数は特に制限されず、一重であってもよいし、二重以上であってもよい。例えば、2~3回巻き付けることができる。
<内層>
本発明の濾材において、内層は、第二の熱可塑性繊維を含む層である。濾材が円筒形である場合、内層は円筒状成形体であり、濾材が平面状の濾材である場合、内層はシート状成形体であることが好ましい。内層は、公称3μm以上の異物を捕集する濾過性能を有することが好ましい。また、内層は、複合材からの珪藻土の流出を防ぐ機能を有する。また、内層を形成する繊維の強度によってろ過時の圧力による変形を防止する機能を有する。
第二の熱可塑性繊維としては、単一成分からなる繊維であっても、融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂からなる複合繊維であってもよい。熱可塑性複合繊維としては、複合材に含まれる熱可塑性複合繊維として例示したものと同様の繊維を用いることができる。第二の熱可塑性繊維として、複合材に含まれる熱可塑性複合繊維と同種の成分を有する繊維を用いると、複合材と内層との接着性が良好となるため好ましい。また、第二の熱可塑性繊維は、第一の熱可塑性繊維と同一であってもよいし、互いに異なる繊維であってもよい。また、内層が2種類以上の熱可塑性樹脂を含んでなる熱可塑性繊維の場合、複合繊維であっても、混繊であってもよい。
第二の熱可塑性繊維が複合繊維である場合、鞘芯型複合繊維、並列型複合繊維、海島型複合繊維等が例示できるが、嵩高くするために、並列型複合繊維を用いることが好ましい。融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂の組み合わせとしては、具体的に、ポリプロピレンとポリエステル、ポリプロピレンとポリエチレンの組み合わせが例示でき、特に、軽量性、耐薬品性および熱接着性に優れている点から、ポリプロピレンとポリエチレンの組み合わせが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが例示できる。また、ポリプロピレンとしては、プロピレンを主体するエチレンまたはαオレフィンとプロピレンとの共重合体、プロピレンの単独重合体などが例示できる。また、ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が例示できる。なお、これらの樹脂は、複合繊維として含まれる態様だけでなく、2種類以上の熱可塑性繊維の混繊として含まれていてもよい。
内層の厚みは、濾材が円筒形の濾材である場合、例えば0.1~10mmとすることができ、0.5~7mmであればより好ましい。内層は、珪藻土の脱落防止とともに、濾過時にかかる圧力に対し、濾材の変形防止にも効果がある。濾材が平面状の濾材である場合、内層の厚みは例えば0.1~5mmとすることができ、0.2~1mmであればより好ましい。
本発明に用いる熱可塑性複合繊維、第一の熱可塑性繊維及び第二の熱可塑性繊維には、本発明の効果を妨げない範囲で、各種の添加剤、例えば、着色剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、造核剤、滑剤、抗菌剤、難燃剤、可塑剤及び他の熱可塑性樹脂等が添加されていてもよい。
また、本発明の濾材は、前述の中間層、表層及び内層に加えて、これら以外の任意の層をさらに有することもできる。例えば、最表層として保護ネットを有してもよいし、内層と中間層との間に、さらなる濾過層や間隙層を設けることもできる。また、前記の各層は、その表面が各種の仕上げ剤で処理されていてもよく、これによって撥水性、制電性、表面平滑性、耐摩耗性などの機能が付与されていてもよい。
<カートリッジフィルター>
本発明はまた、前述の濾材を有してなるカートリッジフィルターに関する。カートリッジフィルターの形状は特に制限されないが、一つの例として、例えば長さ246mm~254mmの円筒形フィルターを挙げることができる。長さは248~252mmの範囲であればより好ましい。フィルターカートリッジの両端はシール剤を用いてエンドキャップが取り付けられていることが好ましい。シール剤及びエンドキャップとしては、公知の素材及び構成のものを適宜選択して用いればよい。例えば、エンドキャップとしてポリプロピレン製成形体を用いることができ、シール剤としてエポキシ系接着剤を用いることができる。
また、樹脂製または金属製のコア部材を備えていてもよい。本発明品は、複合材それ自体が高い耐圧性を有しており、さらには、熱可塑性繊維または熱可塑性多成分繊維、特には、熱可塑性複合繊維からなる内層が配置されるため、ろ過圧力に対して、非常に優れた耐圧性をもつ。そのため、コア部材を備えていなくてもよいが、任意でコア部材を搭載してもよい。
もう一つの例として、平板状の層を積層した、積層型カートリッジフィルターも挙げることができる。本発明の積層型カートリッジフィルターの大きさは、特に制限されないが、例えば、濾過面積が20~13000cmの範囲であれば好ましい。厚みは特に制限されないが、1.0~50mmとすることができ、1.0~40mmの範囲であればより好ましい。フィルターカートリッジは、公知の素材及び構成のものを適宜選択して用いればよいが、ポリオレフィン系であることが好ましい。フィルターカートリッジの接合部を加熱し、濾材の端部と咬合させることで、カートリッジと濾材とを一体化することができる。
本発明の円筒形または積層型カートリッジフィルターは、外側から内側に、或いは上方から下方に、液体を通過させることで使用される。カートリッジフィルターに流入した液体は、まず表層で粗大な夾雑物が取り除かれ、続いて、複合材(中間層)において、珪藻土によって生物由来の夾雑物が吸着除去され、次いで、内層で夾雑物が取り除かれてから流出する。本発明のカートリッジフィルターは単独で使用されてもよいし、一連の生体分子精製システムの一部分として組み込まれて使用されてもよい。
<濾材の製造方法>
本発明の濾材に含まれる複合材は、熱可塑性複合繊維と珪藻土とを所定の混合比で混合した混合物を、所要形状の成形型内に充填し、熱可塑性複合繊維の表面が溶融する温度に加熱することによって珪藻土と熱可塑性複合繊維の表面とを熱接着させ、冷却後、成形型から取り出すことによって製造されうる。成形型及び加熱装置としては公知のものを用いることができ、例えば、円筒状または平皿の金型を用いて、電気炉で加熱することができる。加熱の温度及び時間は、特に制限されないが、例えば140~160℃で数分~数時間加熱を行うことができる。
熱可塑性複合繊維として、融点の異なる2種類の熱可塑性樹脂からなる繊維を用い、加熱温度として、2種類の樹脂の融点の間の温度、すなわち、低融点の樹脂は溶融し、かつ高融点の樹脂は溶融しない温度で加熱することによって、熱可塑性複合繊維が形成する立体網状構造の中に珪藻土粒子が保持される形態を保持しつつ、繊維と珪藻土とを接着することができる。このようにして製造した複合材をそのまま、或いは、表層や内層等のさらなる層と組み合わせて、濾材とする。
<カートリッジフィルターの製造方法>
本発明のカートリッジフィルターが円筒形カートリッジフィルターである場合、概略的には、予め中間層(複合材)と内層とをそれぞれ成形しておき、中間層に内層を挿入し、次いで、中間層の表面に表層として不織布を1周するように巻きつけ、表層の不織布が溶融する温度まで加熱して、一体化を行う。このようにして得られる成形体の両端に、エンドキャップ部材をシール剤で接着させることで、カートリッジフィルターを製造することができる。また、積層型カートリッジフィルターである場合、予め中間層(複合材)、表層及び内層をそれぞれ成形しておき、中間層の表面を加熱し、中間層の上下に表層及び内層を重ね合わせ、一定圧力でプレスすることで、一体化して製造することができる。あるいは、中間層(複合材)、表層および内層を重ね合わせて、重りなどで荷重をかけつつ、オーブン内で加熱することで、一体化することもできる。このようにして得られた、積層体型カートリッジフィルターの端に、接合部を加熱したフィルターカートリッジを咬合させることで、フィルターカートリッジと濾材を一体化することができる。
<円筒形カートリッジフィルターの製造方法>
カートリッジフィルターが円筒形カートリッジフィルターである場合、濾材の内層である円筒状成形体は、第一の熱可塑性繊維、例えば並列型複合繊維を不織布とした後、加熱したステンレス製の芯棒に多層に巻きつけることで所望の厚みの成形体を製造することができる。内径は、用いたステンレス製の芯棒の径となる。
具体的には、例えば、並列型口金を用いて、融点の異なる2種類類の熱可塑性樹脂を、280℃で複合比50/50で紡糸することで、並列型複合繊維の未延伸糸を得ることができる。該未延伸糸は、110℃で4倍に延伸し、機械捲縮をかけ、所定長に切断することで短繊維が得られる。短繊維(並列型複合繊維。カット長51mm、繊度22.22dtex(約20d/f)を、カード機にて目付30g/mのウェブとし、これを135℃で加熱し、直径が41.5mmの鉄芯に外径が42mmになるまで巻き付け、その後、鉄芯を抜いて内層を製造することができる。
濾材の表層に用いる不織布は、混繊メルトブロー用紡糸口金を用いて、融点の異なる2種類の熱可塑性樹脂を、熱可塑性樹脂が充分に溶融する温度で特定の混繊比で紡糸し、融点以上に加熱された加熱空気を特定の圧力でブローし、サクションコンベアネットに捕集させることで、製造することができる。具体的には、例えば、高融点成分としてポリプロピレン、低融点成分としてプロピレン/エチレン/ブテン-1三元系共重合体を、それぞれ紡糸温度290℃、混繊比50:50で紡糸し、380℃の加熱空気を圧力0.08MPaでブローし、直接サクションコンベアネットに捕集させ、混繊メルトブロー不織布を製造することができる。
濾材の表層に用いる不織布は、内層に中間層を挿入して一体化した後に、中間層の外側に表層の不織布を巻き付けて中間層と表層を一体化してもよいし、まず中間層の外側に表層を一体化し、次いで中間層を挿入することもできる。中間層と表層との接着のためには、公知の加熱装置を用いることができ、例えば、電気ヒーター、赤外線加熱機等を用いることができる。
円筒形カートリッジフィルターの別の製造法として、国際公開第98/013123の実施例1に記載の方法を参照して、不織布からなる円筒状成形体を作製し、任意の径で中間層を繰り抜き、内層と表層を得ることもできる。
<積層型カートリッジフィルターの製造方法>
カートリッジフィルターが積層型カートリッジフィルターである場合、濾材の表層として、混繊メルトブロー用紡糸口金を用いて、融点の異なる2種類の熱可塑性樹脂を、熱可塑性樹脂が充分に溶融する温度で特定の混繊比で紡糸し、融点以上に加熱された加熱空気を特定の圧力でブローし、サクションコンベアネットに捕集させることで、表層に用いる不織布を製造することができる。具体的には、例えば、高融点成分としてポリプロピレン、低融点成分としてプロピレン/エチレン/ブテン-1三元系共重合体を、それぞれ紡糸温度290℃、混繊比50:50で紡糸し、380℃の加熱空気を圧力0.08MPaでブローし、直接サクションコンベアネットに捕集させ、混繊メルトブロー不織布を製造することができる。
または、濾材の表層として、第一の熱可塑性繊維、例えば並列型複合繊維からなる不織布を製造することができる。具体的には、例えば、並列型口金を用いて、融点の異なる2種類類の熱可塑性樹脂を、280℃で複合比50/50で紡糸することで、並列型複合繊維の未延伸糸を得ることができる。該未延伸糸は、110℃で4倍に延伸し、機械捲縮をかけ、所定長に切断することで短繊維が得られる。短繊維(並列型複合繊維。カット長51mm、繊度22.22dtex(約20d/f)を、カード機にて目付30g/mのウェブとすることで、表層用の不織布を製造することができる。
濾材の内層として、第二の熱可塑性繊維、例えば並列型複合繊維からなる不織布を製造することができる。また、混繊メルトブロー用紡糸口金を用いて、融点の異なる2種類の熱可塑性樹脂を、熱可塑性樹脂が充分に溶融する温度で特定の混繊比で紡糸し、融点以上に加熱された加熱空気を特定の圧力でブローし、サクションコンベアネットに捕集させた不織布を製造することができる。
濾材の積層化は、公知の方法で行うことができ、例えば、各層を積層する毎に端面を加熱し、表面の熱可塑性樹脂を融着させることで積層してもよいし、各層を積層させてから全体を加熱し、熱可塑性繊維を融着させることができる。
なお、上記の製造方法は工程の概要を示しており、必要に応じて公知の各種の工程、すなわち、表面処理、洗浄、裁断、成形、滅菌、包装等の任意の工程を含むことができる。
下記の実施例は、例示を目的としたものに過ぎない。本発明の範囲は、本実施例に限定されない。実施例中で用いた測定方法及び材料を以下に示す。
[フィルター材料]
実施例、比較例において、下記の材料を用いた。高密度ポリエチレンの融点は130℃、結晶性ポリプロピレンの融点は168℃、プロピレン/エチレン/ブテン-1三元系共重合体の融点は138℃であった。
・熱可塑性繊維A(珪藻土と複合化用):高密度ポリエチレンと結晶性ポリプロピレンとからなる並列型複合繊維(繊度33.33dtex(約30d/f)、カット長3mm)。
・熱可塑性繊維B(内層用及び/又は表層用):高密度ポリエチレンと結晶性ポリプロピレンとからなる並列型複合繊維(繊度22.22dtex(約20d/f)、カット長51mm)、カード機にて目付30g/mのウェブとした。
・表層:高融点成分として結晶性ポリプロピレン、低融点成分としてプロピレン/エチレン/ブテン-1三元系共重合体を、それぞれ紡糸温度290℃、混繊比50:50で紡糸し、380℃の加熱空気を圧力0.08MPaでブローし、直接サクションコンベアネットに捕集させ、目付40g/mの混繊メルトブロー不織布を製造した。
・珪藻土:土田食品工業株式会社製の酸洗浄した珪藻土、各種品々を用いた。
<<平板型のフィルター作製>>
[実施例1]
・珪藻土および熱可塑性繊維Aからなる平板状複合材であるフィルター材料の作製
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番1号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号を重量比30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、円盤状の複合材1を製造した。
厚みは0.75cmであった。
[実施例2]
・実施例1で作製した複合材1の厚み違い
複合材の厚みを1.5cm、電気焼結炉での加熱を150℃、50分とした以外は、実施例1と同様の製造手順にて、厚みが1.5cmである円盤状の複合材2を製造した。
[実施例3]
・粒度の異なる珪藻土を含む複数の複合材を積層した多層複合材
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番1号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号を重量比30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(26℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.4cmである円盤状の複合材3を製造した。
さらに、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番3号(土田食品工業株式会社製)を重量比30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.35cmである円盤状の複合材4を製造した。
複合材3と複合材4とを熱接着機にて接着し、厚み0.75cmの多層化した複合材5を得た。
[実施例4]
・粒度の異なる珪藻土を含む複数の複合材を積層した肉厚な多層複合材(厚み違い)
熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番3号(土田食品工業株式会社製)を、重量比30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.75cmである円盤状の複合材6を製造した。
前記複合材1と複合材6とを熱接着機にて接着し、厚み1.5cmの多層化した複合材7を得た。
[実施例5]
・粒度の異なる珪藻土を含む複数の複合材を積層した極肉厚な多層複合材(3層構造)
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番1号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号を重量比30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて155℃、120分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、60分の冷却を行い、厚みが1.5cmである円盤状の複合材8を製造した。
さらに、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番3号(土田食品工業株式会社製)を重量比30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて155℃、120分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、60分の冷却を行い、厚みが1.5cmである円盤状の複合材9を製造した。
複合材8と複合材9とを熱接着機にて接着し、厚み3.0cmの多層化した複合材10を得た。
図1に複合材10の模式図を示す。図1中、11は複合材8(標準濾過層)、12は複合材9(清澄濾過層)を示す。
[実施例6]
・粒度の異なる珪藻土を含む複数の複合材を積層した肉厚な多層複合材(3層構造)
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番1号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号を重量比30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.5cmである円盤状の複合材11を製造した。
次いで、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番2号(土田食品工業株式会社製)を重量比
30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.5cmである円盤状の複合材12を製造した。
さらに、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番6号(土田食品工業株式会社製)を重量比
30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて155℃、1時間分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.5cmである円盤状の複合材13を製造した。
複合材11、複合材12及び複合材13を熱接着機にて接着し、厚み1.5cmの多層化した複合材14を得た。
[実施例7]
・粒度の異なる珪藻土を含む複数の複合材を積層した肉厚な多層複合材(4層構造)
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番1号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号を重量比50:50で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.3cmである円盤状の複合材15を製造した。
次いで、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号(土田食品工業株式会社製)を重量比
20:80で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.3cmである円盤状の複合材16を製造した。
さらに、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番6号(土田食品工業株式会社製)を重量比
30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.4cmである円盤状の複合材17を製造した。
複合材15、複合材16、実施例6で作製した複合材12及び複合材17を熱接着機にて接着し、厚み1.5cmの多層化した複合材18を得た。
図2に複合材18の模式図を示す。図2中、21は複合材15(標準濾過層)、22は複合材16(標準濾過層)、23は複合材12(精密濾過層)、24は複合材17(清澄濾過層)を示す。
[実施例8]
・粒度の異なる珪藻土を含む複数の複合材を積層した極肉厚な多層複合材(3層構造)
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番1号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号を重量比40:60で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて155℃、120分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、60分の冷却を行い、厚みが1.0cmである円盤状の複合材19を製造した。
次いで、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番2号(土田食品工業株式会社製)を重量比
30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて155℃、120分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、60分の冷却を行い、厚みが1.0cmである円盤状の複合材20を製造した。
さらに、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番6号(土田食品工業株式会社製)を重量比
30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて155℃、120分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、60分の冷却を行い、厚みが1.0cmである円盤状の複合材21を製造した。
複合材19、複合材20、及び複合材21を熱接着機にて接着し、厚み3.0cmの多層化した複合材22を得た。
図3に複合材22の模式図を示す。図3中、31は複合材19(標準濾過層)、32は複合材20(精密濾過層)、33は複合材21(清澄濾過層)を示す。
[実施例9]
・粒度の異なる珪藻土を含む複数の複合材を積層した極肉厚な多層複合材(4層構造)
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番4号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番4号を重量比20:80で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.7cmである円盤状の複合材23を製造した。
次いで、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号(土田食品工業株式会社製)を重量比
30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.7cmである円盤状の複合材24を製造した。
さらに、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番6号(土田食品工業株式会社製)を重量比
30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて155℃、120分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、60分の冷却を行い、厚みが0.8cmである円盤状の複合材25を製造した。
複合材23、複合材24、実施例8で作製した複合材20及び複合材25を熱接着機にて接着し、厚み3.2cmの多層化した複合材26を得た。
図4に複合材26の模式図を示す。図4中、41は複合材23(粗濾過層)、42は複合材24(標準濾過層)、43は複合材20(精密濾過層)、44は複合材25(清澄濾過層)を示す。
[実施例10]
・粒度の異なる珪藻土を含む複数の複合材を積層した極肉厚な多層複合材(3層構造)
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番4号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号を重量比20:80で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて155℃、120分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、60分の冷却を行い、厚みが1.0cmである円盤状の複合材27を製造した。
複合材27、複合材19、及び複合材21を熱接着機にて接着し、厚み3.0cmの多層化した複合材28を得た。
[実施例11]
・粒度の異なる珪藻土を含む複数の複合材を積層した極肉厚な多層複合材(3層構造)
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番4号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号を重量比20:80で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて155℃、120分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、60分の冷却を行い、厚みが2.0cmである円盤状の複合材29を製造した。
複合材29、複合材24、及び複合材13を熱接着機にて接着し、厚み3.1cmの多層化した複合材30を得た。
表1に、上記実施例1~11において用いた複合材の構成をまとめて示す。
Figure 0007009281000001
[実施例12]
・複合材1を不織布で覆った濾材
表層として、目付30g/mの混繊メルトブロー不織布を用い、実施例1で作製した複合材1と熱接着機によって接着させることにより、濾材1を製造した。試料の厚みは0.76cmであった。
図5に濾材1の模式図を示す。図5中、51は複合材1(標準濾過層)、52は不織布を示す。
[実施例13]
・複合材2を不織布で覆った濾材
表層として、目付30g/mの混繊メルトブロー不織布を用い、実施例2で作製した複合材2と熱接着機によって接着させることにより、濾材2を製造した。試料の厚みは1.51cmであった。
[実施例14]
・多層化した複合材5を不織布で覆った濾材
表層として、目付30g/mの混繊メルトブロー不織布を用い、実施例3で作製した複合材5と熱接着機によって接着させることにより、濾材3を製造した。試料の厚みは0.76cmであった。
[実施例15]
・多層化した複合材7を不織布で覆った濾材
表層として、目付30g/mの混繊メルトブロー不織布を用い、実施例4で作製した複合材7(複合材1と複合材6の積層体)と熱接着機によって接着させることにより、濾材4を製造した。試料寸法は、23cm、厚みは1.51cmであった。
図6に濾材4の模式図を示す。図6中、61は複合材1(標準濾過層)、62は複合材6(清澄濾過層)、63は不織布を示す。
[実施例16]
表層として、目付30g/mの混繊メルトブロー不織布を用い、実施例5で作製した複合材9と熱接着機によって接着させることにより、濾材5を製造した。試料寸法は、23cm、厚みは1.51cmであった。
[実施例17]
表層として、目付30g/mの混繊メルトブロー不織布を用い、実施例8で作製した複合材21と熱接着機によって接着させることにより、濾材6を製造した。試料寸法は、23cm、厚みは1.01cmであった。
[実施例18]
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材1、内層に不織布を配置した積層体
表層として、目付け30g/mの熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例1で作製した複合材1、内層として目付30g/mの混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、濾材7を製造した。
図7に濾材7の模式図を示す。図7中、71は熱可塑性繊維B層、72は複合材1(標準濾過層)、73は不織布を示す。
[実施例19]
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材2、内層に不織布を配置した積層体
表層として目付け30g/mの熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例2で作製した複合材2、内層として目付30g/mの混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、肉厚型の濾材8を製造した。
[実施例20]
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材5、内層に不織布を配置した積層体
表層として目付け30g/mの熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例3で作製した複合材5、内層として目付30g/mの混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、濾材9を製造した。
[実施例21]
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材7、内層に不織布を配置したフィルター濾材
表層として目付30g/mの熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例4で作製した複合材7、内層として目付30g/mの混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、肉厚型の濾材10を製造した。
[実施例22]
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材10、内層に不織布を配置した積層体
表層として目付け30g/mの熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例5で作製した複合材10(複合材8と複合材9の積層体)、内層として目付30g/mの混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、肉厚型の濾材11を製造した。
図8に濾材11の模式図を示す。図8中、81は熱可塑性繊維B層、82は複合材8(標準濾過層)、83は複合材9(清澄濾過層)、84は不織布を示す。
[実施例23]
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材14、内層に不織布を配置した積層体
表層として目付け30g/mの熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例6で作製した複合材14、内層として目付30g/mの混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、肉厚型の濾材12を製造した。
[実施例24]
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材18、内層に不織布を配置した積層体
表層として目付け30g/mの熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例7で作製した複合材18、内層として目付30g/mの混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、肉厚型の濾材13を製造した。
[実施例25]
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材22、内層に不織布を配置した積層体
表層として目付け30g/mの熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例8で作製した複合材22(複合材19、複合材20、複合材21の積層体)、内層として目付30g/mの混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、極肉厚型の濾材14を製造した。
図9に濾材14の模式図を示す。図9中、91は熱可塑性不織布B層、92は複合材19(標準濾過層)、93は複合材20(精密濾過層)、94は複合材21(清澄濾過層)、95は不織布を示す。
[実施例26]
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材26、内層に不織布を配置した積層体
表層として目付け30g/mの熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例9で作製した複合材26(複合材20、複合材23、複合材24、複合材25の積層体)、内層として目付30g/mの混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、極肉厚型の濾材15を製造した。
図10に濾材15の模式図を示す。図10中、101は熱可塑性繊維B層、102は複合材20(粗濾過層)、103は複合材23(標準濾過層)、104は複合材24(精密濾過層)、105は複合材25(清澄濾過層)、106は不織布を示す。
[実施例27]
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材28、内層に不織布を配置した積層体
表層として目付け30g/mの熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例10で作製した複合材28、内層として目付30g/mの混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、極肉厚型の濾材16を製造した。
[実施例28]
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材30、内層に不織布を配置した積層体
表層として目付け30g/mの熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例11で作製した複合材30、内層として目付30g/mの混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、極肉厚型の濾材17を製造した。
<<円筒形フィルターの作製>>
[実施例29]
第二の熱可塑性繊維として熱可塑性繊維Bを用い、カード機にて目付30g/mのウェブとし、これを135℃で加熱し、直径が30mmの鉄芯に外径が42mmになるまで巻き付け、その後、鉄芯を抜いて内層を製造した。
第一の熱可塑性繊維として熱可塑性繊維Aを用い、珪藻土としてろ過一番2号;土田食品工業株式会社製を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番2号とを、重量比30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて焼結することで中間層用の複合材35を製造した。寸法は、外径65mm、内径42mmであった。加熱は165℃、2時間行った。加熱後、室温(26℃)で、15分の冷却を行った後、238mm長に切断した。得られた成形体(中間層)に、予め238mm長にカットした内層を挿入する。内層の寸法は、外径42mm、内径30mmである。
その後、得られた成形体の表面に、目付け30g/mの熱可塑性繊維Bを用いた表層を巻きつけ、熱接着機によって接着させることで、円筒型の濾材18を得た。外径70mmであった。
さらに、得られた筒状の成形体の上下の端面部分を覆うように、樹脂成形品を接着し、カートリッジフィルターの形状とした。カートリッジフィルターの全長は、250mmである。
図11にカートリッジフィルターの模式図を示す。図11中、111は熱可塑性繊維B層、112は複合材35(清澄濾過層)、113は熱可塑性繊維B層を示す。
[実施例30]
実施例29において、中間層、内層および表層を一体化した成形体をカッターで、1cmの幅で切断した。次いで、得られた筒状の成形体の上下の端面部分を覆うように、樹脂成形品を接着し、カートリッジフィルターの形状とした。
<<複合材を2層配置する円筒型フィルターの作製>>
[実施例31]
第二の熱可塑性繊維として熱可塑性繊維Bを用い、カード機にて目付30g/mのウェブとし、これを135℃で加熱し、直径が30mmの鉄芯に外径が42mmになるまで巻き付け、その後、鉄芯を抜いて内層を製造した。
第一の熱可塑性繊維として熱可塑性繊維Aを用い、珪藻土としてろ過一番6号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番6号とを、重量比40:60で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて焼結することで中間層用の複合材36を製造した。寸法は、外径55mm、内径42mmであった。加熱は165℃、1時間行った。
さらに、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号とを、重量比30:70で混合し、外枠の金型と内側の複合材36との間に充填した後、電気焼結炉にて焼結することで、中間層用の複合材37を製造した。寸法は、外径65mm、内径55mmであった。加熱は165℃、1時間行った。加熱後、室温(26℃)で、15分の冷却を行った後、238mm長に切断した。得られた成形体(中間層)に、予め238mm長にカットした内層を挿入する。内層の寸法は、外径42mm、内径30mmである。
その後、得られた成形体の表面に、目付け30g/mの熱可塑性繊維Bを用いた表層を巻きつけ、熱接着機によって接着させることで、円筒型の濾材19を得た。外径70mmであった。
さらに、得られた筒状の成形体の上下の端面部分を覆うように、樹脂成形品を接着し、カートリッジフィルターの形状とした。カートリッジフィルターの全長は、250mmである。
図12にカートリッジフィルターの模式図を示す。図12中、121は熱可塑性繊維B層、122は複合材36(清澄濾過層)、123は複合材37(標準濾過層)、124は熱可塑性繊維B層を示す。
[比較例1]
比較として、メルクミリポア社製のMillistak+(登録商標)DOHCを用いた。
表2に、上記の実施例及び比較例の複合材、濾材ないしカートリッジフィルターの構成をまとめて示す。
Figure 0007009281000002
<<非清澄化、非発現細胞培養液(CCF)の調製>>
非発現チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株由来の細胞を1.4Lの動物細胞培養装置(バイオット社)を用いて、2~3×10細胞/mLの密度まで増殖させ、70~90%の生存度で収集した。清澄化されていない細胞培養液のpHは7.1であった。
<<粗濾過用の珪藻土を含有する円筒形フィルターの作製>>
[実施例100]
第二の熱可塑性繊維として、熱可塑性繊維Bを用い、国際公開第98/013123の実施例1に記載の方法を参照して、不織布層を製造した。この不織布を巻いて得られた円筒形の濾材を長さ10mmに切断し、さらに表層の濾材内径が60mmになるようにカッターナイフで切り抜き、表層をつくった。
第一の熱可塑性繊維として熱可塑性繊維Aを用い、珪藻土としてろ過一番4号;土田食品工業株式会社製を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番4号とを、重量比15:85で混合した。珪藻土の脱落防止のため、濾材の内径に接触する金型の円柱に第二の熱可塑繊維として、並列型複合繊維からなる不織布(カット長51mm、繊度22.22dtex(約20d/f)を、カード機にて目付30g/mウェブ)を巻きつけ、そこに熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番4号の混合物を充填し、これを電気焼結炉にて焼結することで複合材100を製造した。寸法は、外径60mm、内径28mmであった。加熱は150℃、2時間行った。加熱後、室温(20℃)で、30分の冷却を行った後、複合材100を金型から取り出した。
その後、不織布からなる表層に、得られた複合材100をはめ込むことで、濾材100を得た。さらに、得られた筒状の成形体の上下の端面部分を覆うように、樹脂成形品を接着し、円筒型のカートリッジフィルターの形状とした。本発明の円筒型カートリッジフィルターの1次側の表面積は21cmであった。
図13に円筒形フィルター濾材の模式図を示す。図13中、131は熱可塑性繊維B層、132は複合材100(粗濾過層)、133は熱可塑性繊維B層を示す。
<<精密濾過用の珪藻土を含有する円筒形フィルターの作製>>
[実施例200]
第二の熱可塑性繊維として、熱可塑性繊維Bを用い、国際公開第98/013123の実施例1に記載の方法を参照に、不織布層を製造した。この不織布を巻いて得られた円筒形の濾材を長さ10mmに切断し、さらに表層の濾材内径が60mmになるようにカッターナイフで切り抜き、表層をつくった。
第一の熱可塑性繊維として熱可塑性繊維Aを用い、珪藻土としてろ過一番2号;土田食品工業株式会社製を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番2号とを、重量比15:85で混合した。珪藻土の脱落防止のため、金型の円柱に第二の熱可塑繊維として、並列型複合繊維からなる不織布(カット長51mm、繊度22.22dtex(約20d/f)を、カード機にて目付30g/mのウェブ)を巻きつけ、そこに熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番2号の混合物を充填し、これを電気焼結炉にて焼結することで複合材200を製造した。寸法は、外径60mm、内径28mmであった。加熱は150℃、2時間行った。加熱後、室温(26℃)で、30分の冷却を行った後、複合材200を金型から取り出した。
その後、不織布からなる表層に、得られた複合材200をはめ込むことで、濾材200を得た。さらに、得られた筒状の成形体の上下の端面部分を覆うように、樹脂成形品を接着し、円筒型のカートリッジフィルターの形状とした。本発明の円筒型カートリッジフィルターの1次側の表面積は21cmであった。
図13に円筒形フィルター濾材の模式図を示す。図2中、134は熱可塑性繊維B層、135は複合材200(精密濾過層)、136は熱可塑性繊維B層を示す。
<<清澄ろ過用の珪藻土を含有する円筒型フィルターの作製>>
[実施例300]
第二の熱可塑性繊維として、熱可塑性繊維Bを用い、国際公開第98/013123の実施例1に記載の方法を参照に、不織布層を製造した。この不織布を巻いて得られた円筒形の濾材を長さ10mmに切断し、さらに表層の濾材内径が60mmになるようにカッターナイフで切り抜き、表層をつくった。
第一の熱可塑性繊維として熱可塑性繊維Aを用い、珪藻土としてろ過一番3号;土田食品工業株式会社製を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番3号とを、重量比15:85で混合した。珪藻土の脱落防止のため、金型の円柱に第二の熱可塑繊維として、並列型複合繊維からなる不織布(カット長51mm、繊度22.22dtex(約20d/f)を、カード機にて目付30g/mのウェブ)を巻きつけ、そこに熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番3号の混合物を充填し、これを電気焼結炉にて焼結することで複合材300を製造した。寸法は、外径60mm、内径28mmであった。加熱は150℃、2時間行った。加熱後、室温(26℃)で、30分の冷却を行った後、複合材300を金型から取り出した。
その後、不織布からなる表層に、得られた複合材300をはめ込むことで、濾材300を得た。さらに、得られた筒状の成形体の上下の端面部分を覆うように、樹脂成形品を接着し、円筒型のカートリッジフィルターの形状とした。本発明の円筒型カートリッジフィルターの1次側の表面積は21cmであった。
図13に円筒形フィルター濾材の模式図を示す。図3中、137は熱可塑性繊維B層、138は複合材300(清澄濾過層)、139は熱可塑性繊維B層を示す。
<<平板型のフィルター濾材の作製>>
[実施例400]
・珪藻土および熱可塑性繊維Aからなる平板状複合材であるフィルター材料の作製
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番4号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番4号を重量比30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、30分の冷却を行い、円盤状の複合材400を製造した。厚みは13mmであった。
得られた複合材400を熱可塑性繊維B(第二の熱可塑繊維である、並列型複合繊維からなる不織布(カット長51mm、繊度22.22dtex(約20d/f)を、カード機にて目付30g/mのウェブ)にて濾材全体を覆うように熱圧着させた。次いで、濾材の円周部に対し、ポリエチレンフィルムを熱で溶解させながら巻きつけた。
さらに、第二の熱可塑性繊維として、熱可塑性繊維Bを用い、国際公開第98/013123に記載の実施例1の方法を参照に不織布を製造した。
得られた不織布を複合材400の上流側に積層し、熱圧着させた。積層した不織布層の厚みは4~5mmであり、円盤状の複合材400の円周部に沿うように耳切りすることで、濾材400を得た。
図14に平板型フィルター濾材の模式図を示す。図14中、141は熱可塑性繊維B層、142は複合材400(粗濾過層)、143は熱可塑性繊維Bを示す。
このようにして得られた濾材400は、1次側の表面積が23cmとなるようにポリプロピレン製のカプセルに組み立てた。
[実施例500]
・珪藻土および熱可塑性繊維Aからなる平板状複合材を積層したフィルター材料の作製
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番4号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番4号を重量比40:60で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、30分の冷却を行い、円盤状の複合材500を製造した。厚みは2.5mmであった。
次いで、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番4号の重量比を15:85とし、上記同様の作製法にて、複合材600を製造した。厚みは10.5mmであった。
複合材500を上流側に位置するように複合材600と重ね合わせ、金型に入れ電気焼結炉にて150℃、15分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、30分の冷却を行い、積層型の円盤状の複合材700を製造した。
得られた複合材700を熱可塑性繊維B((第二の熱可塑繊維である、並列型複合繊維からなる不織布(カット長51mm、繊度22.22dtex(約20d/f)を、カード機にて目付30g/mのウェブ))にて濾材全体を覆うように熱圧着させた。次いで、濾材の円周部に対し、ポリエチレンフィルムを熱で溶解させながら巻きつけた。
さらに、第二の熱可塑性繊維として、熱可塑性繊維Bを用い、国際公開第98/013123に記載の実施例1の方法で不織布を製造した。
得られた不織布を複合材700の上流側に積層し、熱圧着させた。積層した不織布層のこの不織布層の厚みは4~5mmであり、円盤状の複合材料700の円周部に沿うように耳切りすることで、濾材500を得た。
図15に円盤状フィルター濾材の模式図を示す。図15中、151は熱可塑性繊維B層、152は複合材500(粗濾過層)、153は複合材600(粗濾過層)、154は熱可塑性繊維Bを示す。
このようにして得られた濾材500は、1次側の表面積が23cm となるようにポリプロピレン製のカプセルに組み立てた。
[比較例100、比較例200]
比較例として、メルクミリポア社製のMillistak+(登録商標)DOHC23CL(比較例100)およびCOHC23CL(比較例200)を用いた。
表3に、上記の実施例の複合材料の構成をまとめて示す。
Figure 0007009281000003
表4に、上記の実施例の濾材ないしフィルターの構成をまとめて示す。
Figure 0007009281000004
上記の実施例100、400、500及び比較例100の濾材を用いて、ろ過圧力がおよそ140Kpaに到達するまで、細胞培養液を濾過し、通液量(mL)及び濾液の濁度(OD600)を測定することで、濾過性能の評価を行った。結果を表5に示す。なお、評価に供した細胞培養液の濃度は、3.12×10cells/mL、細胞の生存率は86.2%であった。
また、各濾材を用いて得た濾液をシリンジフィルター(ポリエーテルスルホン製、粒子捕捉性能0.2μm、膜面積5.1cm)に通液させ、シリンジフィルターが詰まりを生じるまでの通液重量(g)及びシリンジフィルター通過後の濾液の濁度(OD600)を測定した。通液重量は、一次清澄ろ過した濾液について、次工程への負担軽減の効果を表す指標となる。
Figure 0007009281000005
表5に示されたように、濾材100、400及び500は、比較例100のミリスタック(登録商標)DOHCに対して通液量が多く、より多量の細胞培養液を濾過することができた。また、濾材100、400及び500を用いた濾液は、比較例100の濾液に対して濁度(OD600)が極めて低く、清澄化性能が大きく優れるものであった。
さらに、各実施例の濾液は、シリンジフィルターにおける通液量が多く、シリンジフィルター通過後の濁度も低かった。
また、上記の実施例200及び比較例300の濾材を用いて、ろ過圧力がおよそ140Kpaに到達するまで、細胞培養液を濾過し、通液量(mL)及び濾液の濁度(OD600)を測定することで、濾過性能の評価を行った。結果を表6に示す。評価に供した細胞培養液の濃度は、3.30×10cells/mL、細胞の生存率は75.7%であった。
また、各濾材を用いて得た濾液をシリンジフィルター(ポリエーテルスルホン製、粒子捕捉性能0.2μm、膜面積5.1cm)に通液させ、シリンジフィルターが詰まりを生じるまでの通液重量(g)及びシリンジフィルター通過後の濾液の濁度(OD600)を測定した。通液重量は、一次清澄ろ過した濾液について、次工程への負担軽減の効果を表す指標となる。
Figure 0007009281000006
表6に示されたように、濾材200及び300は、比較例200のミリスタック(登録商標)COHCに対して通液量が多く、より多量の細胞培養液を濾過することができた。また、濾材200及び300を用いた濾液は、比較例200の濾液に対して濁度(OD600)が低く、清澄化性能が優れるものであった。
さらに、各実施例の濾液は、シリンジフィルターにおける通液量が多く、シリンジフィルター通過後の濁度も低かった。
本発明の複合材、濾材ないしフィルターは、濾過容量が大きく、低濾過圧力かつ濾過速度が高く、濾過性能に優れる。また、肉厚な濾材に成形することや、珪藻土の種類や含有率の異なる複合材同士を、空隙を維持しつつ接着することも可能であるため、濾材に適切な傾斜構造を付与することもでき、様々なコンディションの細胞培養液に対し、より高い濾過効率を得ることができる。本発明の複合材、濾材ないしフィルターは細胞培養液の清澄化工程において特に好適に用いられる。
11,21,22,31,42,51,61,72,82,92,103,123 複合材(標準濾過層)
23,32,43,93,104 複合材(精密濾過層)
12,24,33,44,62,83,94,105,112,12 複合材(清澄濾過層)
41,102 複合材(粗濾過層)
52,63,73,84,95,106 不織布層
71,81,91,101,111,113、121,124 熱可塑性繊維層
131,134,137,133,136,139,141,143,151,154 熱可塑性繊維層
132,142,152,153 複合材(粗濾過層)
135 複合材(精密濾過層)
137 複合材(清澄濾過層)

Claims (12)

  1. 融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性複合繊維と、珪藻土とを混合した混合物を成形型内に充填し、前記熱可塑性樹脂複合繊維の表面が溶融する温度に加熱することにより、前記珪藻土を熱可塑性複合繊維に保持させ、前記熱可塑性複合繊維と前記珪藻土とが一体化されてなる複合材であって、
    前記熱可塑性複合繊維と珪藻土との混合比が、重量比で1:1~1:6であり、
    前記珪藻土の粒径は0.5μm~50μmである、複合材。
  2. 前記融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン及びポリエチレンである、請求項1に記載の複合材。
  3. 請求項1又は2のいずれか1項に記載の複合材を含む、濾材。
  4. 前記複合材が、熱可塑性複合繊維を含む不織布で覆われてなる、請求項に記載の濾材。
  5. 前記複合材が中間層であり、さらに、
    前記中間層の一方側に、第一の熱可塑性繊維を含む表層、及び、
    前記中間層の他方側に、第二の熱可塑性繊維を含む内層、
    が積層されてなる、請求項又はのいずれか1項に記載の濾材。
  6. 前記第二の熱可塑性繊維が、2以上の熱可塑性樹脂を含んでなる、請求項に記載の濾材。
  7. 前記第二の熱可塑性繊維が、熱可塑性複合繊維を含む、請求項又はに記載の濾材。
  8. 前記第一の熱可塑性繊維が、2以上の熱可塑性樹脂を含んでなる、請求項のいずれか1項に記載の濾材。
  9. 前記第一の熱可塑性繊維が、熱可塑性複合繊維を含む、請求項のいずれか1項に記載の濾材。
  10. 細胞培養液の清澄化工程において使用される濾材である、請求項のいずれか1項に記載の濾材。
  11. 請求項10のいずれか1項に記載の濾材を有してなる、カートリッジフィルター。
  12. 融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性複合繊維と粒径が0.5μm~50μmである珪藻土とを、重量比が1:1~1:6となる混合比で前記珪藻土が均一に分散されるように混合した混合物を成形型内に充填し、前記熱可塑性樹脂複合繊維の表面が溶融する温度に加熱することによって前記珪藻土と前記熱可塑性複合繊維の表面とを熱接着させ、成形型内で冷却する、
    複合材の製造方法。
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