以下、本発明に係る撮像装置の実施形態について図1から図15を参照して詳細に説明する。なお、図1から図15において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、図1から図15においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や一部の構成要素が省略されている場合がある。
図1は本発明に係る小型電子機器の一例としてのスマートフォン1を示す背面斜視図である。図1に示すように、スマートフォン1には、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置2が組み込まれている。
図2は、撮像装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。図1及び図2に示すように、この撮像装置2は、スマートフォン1の背面に埋設されたカメラモジュール4と、ディスプレイ7と、ディスプレイ7への出力を制御するディスプレイ制御部130と、タッチパネル5と、タッチパネル5への入力を制御するタッチパネル制御部131と、撮像装置2の動作を制御する主制御部3と、撮像された画像のデータ等を保存するメモリ6とを含んでいる。このメモリ6は、例えばフラッシュメモリから構成される。
なお、本発明に係る小型電子機器は、本実施形態に述べるようなスマートフォンに限られるものではなく、スマートフォン以外のフィーチャーフォン、タブレットコンピュータ、ドローンなどの各種小型電子機器に対しても本発明を適用することができる。
図2に示すように、撮像装置2の主制御部3は、CPU(Central Processing Unit)10と、ROM(Read Only Memory)13と、RAM(Random Access Memory)14とを備えている。ROM13は、本発明に係る撮像処理を撮像装置2に実行させるためのプログラムを格納している。CPU10は、ROM13に格納されているプログラムを読み出し、本発明に係る撮像処理を実行する。RAM14は、CPU10のワークエリアである。すなわち、この主制御部3はプログラムを実行するためのコンピュータとしての機能を有する。
ここで、図3はカメラモジュール4の一例を模式的に示す分解斜視図である。図1から図3に示すように、撮像装置2のカメラモジュール4は、レンズユニット21と、撮像素子22と、レンズユニット21の絞りを調整する絞り機構23と、レンズユニット21及び絞り機構23に取り付けられるストッパ26とを含んでいる。
レンズユニット21は、1枚以上のレンズ25等からなる光学系で構成されており、レンズ25等を介して被写体からの光を撮像素子22の撮像面に結像させる。
撮像素子22は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)等として構成されており、被写体からの光が結像される撮像面を有している。この撮像素子22は、被写体からの光が上記撮像面に結像された際に生じる電荷から信号を生成して主制御部3に送信する。
図4は、上記絞り機構23を示す分解斜視図である。図4に示すように、絞り機構23は、撮像装置2の絞りを調整するために移動される1対の羽根部材50,60と、羽根部材50,60を駆動させる小型アクチュエータの一例であるボイスコイルモータ(VCM)90と、ボイスコイルモータ90の駆動を制御するフレキシブルプリント基板33とを含んでいる。このフレキシブルプリント基板33は、ボイスコイルモータ90を駆動させるモータドライバ35を有している。絞り機構23は、このような構成により、主制御部3からの指令によって羽根部材50,60を駆動させ、撮像装置2の絞り開口の大きさ(絞り値)を調整できるようになっている。以下、この絞り機構23について詳細に説明する。
図3に示すように、絞り機構23は、内部に羽根部材が収容された挿入部27を有しており、この挿入部27はレンズユニット21の内部に挿入されるようになっている。この挿入部27には、レンズ25を透過した光を通過させる絞り開口23Aが形成されている。本明細書においては、レンズユニット21の光軸(X軸)に沿って被写体側(-X方向側)を「前」又は「前方」、撮像素子22の撮像面側(+X方向側)を「後」又は「後方」ということがある。
図4に示すように、この絞り機構23は、地板部30と、地板部30の前方に位置する2枚の羽根部材50,60(第1の羽根部材50,第2の羽根部材60)を移動させる駆動部材80と、羽根部材50,60の前方で羽根部材50,60を覆うカバー部70とを備えている。
地板部30は、ベース部材31と、2つのヨーク41,41と、2つのコイルパターン43A,43Aが基板の内層に印刷された基板コイル43と、ベース部材31の前面に取り付けられる羽根押さえ32と、ベース部材31の後面に配置されるフレキシブルプリント基板33とを含んでいる。
ベース部材31の前面には、カバー部70を固定するための固定軸31Aと、駆動部材80を回動させるための回動軸31Bと、第1の羽根部材50をZ方向に移動させるためのガイド軸31Cと、第2の羽根部材60をZ方向に移動させるためのガイド軸31Dとが形成されている。これらの軸31A~31Dはいずれもベース部材31の前面から前方に延びている。
フレキシブルプリント基板33の端部33Aは上方(+Z方向)に折り曲げられ、この折り曲げられた端部33Aがベース部材31の下部に形成された切欠き31Sを通ってベース部材31の前面側に配置される。このフレキシブルプリント基板33は主制御部3に接続されており、主制御部3からの駆動信号はフレキシブルプリント基板33を介してモータドライバ35に受信される。
地板部30の基板コイル43には、ベース部材31の回動軸31Bが挿通される貫通孔43Bが形成されている。基板コイル43の後方にはヨーク41が配置されており、基板コイル43のコイルパターン43Aは上述のフレキシブルプリント基板33に接続されている。
地板部30の羽根押さえ32には、上述した絞り開口23A(図3参照)を構成する円形開口32Sが形成されている。また、羽根押さえ32には、ベース部材31の軸31A~31Dが挿通される貫通孔32A~32Dが形成されている。さらに、羽根押さえ32の+Y方向側かつ-Z方向側の端部近傍と-Y方向側かつ-Z方向側の端部近傍には、それぞれ長孔32E,32Fが形成されている。
駆動部材80は、基板コイル43と羽根押さえ32との間に配置されており、本体部81と、本体部81に取り付けられる2つのマグネット82とを含んでいる。駆動部材80の2つのマグネット82は、基板コイル43のコイルパターン43Aとともにボイスコイルモータ(VCM)90を構成するものである。本体部81は、本体部81の+Y方向側の端部近傍から前方に延びる第1の駆動ピン(駆動部)85と、本体部81の-Y方向側の端部近傍から前方に延びる第2の駆動ピン(駆動部)86とを有している。駆動部材80のY方向の略中央には、ベース部材31の回動軸31Bが挿通される貫通孔83が形成されている。
本実施形態における絞り機構23は、上記ボイスコイルモータ90をアクチュエータとして駆動部材80を回動軸31B周りに回転させるように構成されている。すなわち、主制御部3から駆動信号がフレキシブルプリント基板33を介してモータドライバ35に受信されることにより、ボイスコイルモータ90が駆動し、これに伴い駆動部材80が回転するように構成されている。
カバー部70は、正面視において地板部30と略同一の外形及び寸法に形成されており、側板71とカバー本体72とを含んでいる。側板71には、羽根押さえ32の円形開口32Sの径よりも小さな径の円形開口71Sと、ベース部材31の軸31A,31Bが挿通される貫通孔71A,71Bと、羽根押さえ32の長孔32E,32Fに対応する長孔71E,71Fとが形成されている。また、カバー本体72には、ベース部材31の軸31A,31Bが嵌合する嵌合孔72A,72Bと、羽根押さえ32の長孔32E,32Fに対応する長孔72E,72Fとが形成されている。
第1の羽根部材50及び第2の羽根部材60は、略線対称の変形U字形状に形成されており、第1の羽根部材50が後方(地板部30に近い側)、第2の羽根部材60が前方(地板部30から遠い側)に位置している。上述した羽根押さえ32の前面及び側板71の後面には、それぞれ凹部が形成されており、羽根押さえ32と側板71とを重ね合わせると、羽根押さえ32と側板71との間に羽根収容空間が形成されるようになっている。羽根部材50,60はこの羽根収容空間に収容される。
第1の羽根部材50には、ベース部材31のガイド軸31Cが挿通される2つのガイド溝55と、駆動部材80の第1の駆動ピン85が係合する係合孔58と、羽根押さえ32の円形開口32S及び側板71の円形開口71Sに連通可能な絞り孔57とが形成されている。ガイド溝55は、Z方向に延びる長孔として形成されており、係合孔58は、駆動部材80の第1の駆動ピン85の移動を許容する大きさで形成されている。絞り孔57は、羽根押さえ32の円形開口32Sよりも少し大きな径の円形部57Aと、円形部57Aの-Z方向側の縁部から-Z方向に延出する延長部57Bとを含んでいる。
第2の羽根部材60には、ベース部材31のガイド軸31Dが挿通される2つのガイド溝66と、駆動部材80の第2の駆動ピン86が係合する係合孔68とが形成されている。また、羽根押さえ32の円形開口32Sと、側板71の円形開口71Sと、第1の羽根部材50の絞り孔57とに連通可能な絞り孔67が形成されている。ガイド溝66は、Z方向に延びる長孔として形成されており、係合孔68は、駆動部材80の第2の駆動ピン86の移動を許容する大きさで形成されている。絞り孔67は、羽根押さえ32の円形開口32Sよりも少し大きな径の円形部67Aと、円形部67Aの+Z方向側の縁部から+Z方向に延出する延長部67Bとを含んでいる。
ベース部材31の固定軸31Aは、羽根押さえ32の貫通孔32A及び側板71の貫通孔71Aに挿通され、カバー本体72の嵌合孔72Aに嵌合される。また、ベース部材31の回動軸31Bは、基板コイル43の貫通孔43B、駆動部材80の貫通孔83、羽根押さえ32の貫通孔32B、及び側板71の貫通孔71Bに挿通され、カバー本体72の嵌合孔72Bに嵌合される。これにより、羽根押さえ32と側板71との間に羽根部材50,60が収容された状態で、カバー部70が地板部30に固定される。
図5は、図4に示す絞り機構23からカバー部70を取り除いた状態を示している。図5に示すように、ベース部材31のガイド軸31Cは、羽根押さえ32の貫通孔32C及び第1の羽根部材50のガイド溝55に挿通され、第1の羽根部材50のガイド溝55に係合するようになっている。また、ベース部材31のガイド軸31Dは、羽根押さえ32の貫通孔32D及び第2の羽根部材60のガイド溝66に挿通され、第2の羽根部材60のガイド溝66に係合するようになっている。
駆動部材80の第1の駆動ピン85は、羽根押さえ32の長孔32E、第1の羽根部材50の係合孔58、側板71の長孔71E、及びカバー本体72の長孔72Eに挿通されている。この第1の駆動ピン85は、第1の羽根部材50の係合孔58に係合している。また、駆動部材80の第2の駆動ピン86は、羽根押さえ32の長孔32F、第2の羽根部材60の係合孔68、側板71の長孔71F、及びカバー本体72の長孔72Fに挿通されている。この第2の駆動ピン86は、第2の羽根部材60の係合孔68に係合している。
図5に示すように、第1の羽根部材50のガイド溝55は、それぞれZ方向に延びており、Y方向の幅がベース部材31のガイド軸31Cの外径と略等しくなるように形成されている。このガイド軸31Cとガイド溝55との係合によって、第1の羽根部材50はZ方向に移動できるようになっている。同様に、第2の羽根部材60のガイド溝66は、それぞれZ方向に延びており、Y方向の長さがベース部材31のガイド軸31Dの外径と略等しくなるように形成されている。このガイド軸31Dとガイド溝66との係合によって、第2の羽根部材60はZ方向に移動できるようになっている。
上述したように、駆動部材80の第1の駆動ピン85は第1の羽根部材50の係合孔58に係合しているので、第1の羽根部材50は、駆動部材80の駆動による第1の駆動ピン85の回動軸31B周りの回転に伴って地板部30に対して+Z方向に移動するようになっている。同様に、駆動部材80の第2の駆動ピン86は第2の羽根部材60の係合孔68に係合しているので、第2の羽根部材60は、駆動部材80の駆動による第2の駆動ピン86の回動軸31B周りの回転に伴って地板部30に対して-Z方向に移動するようになっている。
ところで、図5の状態は、第1の羽根部材50の絞り孔57の円形部57Aと、第2の羽根部材60の絞り孔67の円形部67Aとが羽根押さえ32の円形開口32S及び側板71の円形開口71Sに連通している状態であり、絞り機構23の絞り開口23Aの面積が最大(すなわち、絞り値が最小)となっている全開状態である。この図5の状態において、主制御部3からフレキシブルプリント基板33を介して所定の駆動信号が基板コイル43に送られると、コイルパターン43Aに所定の電流が流れて磁界を生じ、この磁界と駆動部材80のマグネット82との相互作用によって駆動部材80が反時計回りに回転する。これに伴い、第1の駆動ピン85が回動軸31Bを中心として反時計回りに回転し、その結果、上述したガイド軸31Cとガイド溝55との係合によって第1の羽根部材50が+Z方向に移動する。また、第2の駆動ピン86が回動軸31Bを中心として反時計回りに回転し、上述したガイド軸31Dとガイド溝66との係合によって第2の羽根部材60が-Z方向に移動する。そして、最終的には、絞り孔57の延長部57Bと、絞り孔67の延長部67Bとが羽根押さえ32の円形開口32S及び側板71の円形開口71Sに連通して図6の状態となる。すなわち、絞り機構23の絞り開口23Aの面積が最小(すなわち、絞り値が最大)となった小絞り状態となる。
一方、小絞り状態にあるときに絞り機構23が所定の駆動信号を受信したときは、全開状態になるように駆動部材80が時計回りに回転することは言うまでもない。
以上のように、本実施形態における絞り機構23は、撮像装置2の絞り開口23Aの大きさ(すなわち、絞り値)を、主制御部3からの駆動信号に基づいて全開状態から小絞り状態の間で自由に変更できるように構成されている。また、この絞り機構23は、上述のように、ボイスコイルモータ90のような小型アクチュエータを使用できるように構成されているため、このような小型アクチュエータを使用することで薄型化・小型化され、その結果、スマートフォン1のような小型電子機器にも搭載することが可能となる(図1参照)。
なお、上述のボイスコイルモータ以外の小型アクチュエータの例として、タブレット端末、ノートPC、スマートフォンなどの携帯端末に利用されるアクチュエータが挙げられる。より具体的には、たとえば以下のような電磁アクチュエータが挙げられる。すなわち、マグネットロータと、コイルが磁性体に巻回された電磁石とを含み、該電磁石が上記マグネットロータの回転軸に対して垂直または軸方向に配置された電磁アクチュエータなどがボイスコイルモータ以外の小型アクチュエータの例として挙げられる。
次に、撮像装置2の主制御部3の機能構成の一例について、図7に示すブロック図を参照して説明する。撮像装置2のディスプレイ制御部130は、主制御部3からの指令に基づいて、撮像装置2の種々の設定画面や撮像された被写体などをディスプレイ7に表示させる。タッチパネル制御部131は、ディスプレイ7上のタッチパネル5に対するユーザ操作を検出し、検出したユーザ操作を主制御部3に伝達する。
主制御部3は、ROM13(図2参照)などに格納されたプログラムに基づいて、所定の目標露出値で被写体が撮像されるように撮像装置2を制御する。撮像装置2にこのような処理を行わせるために、主制御部3は、露出値記憶部132と、輝度算出部133と、絞り値算出部134と、モータ制御部135と、ISO感度処理部137とを含んでいる。
本実施形態の例では、主制御部3に含まれるCPU10がROM13に格納されたプログラムを実行することで、主制御部3(コンピュータ)が、露出値記憶部132、輝度算出部133、絞り値算出部134、モータ制御部135、及びISO感度処理部137として機能する。後述する第2ないし第4の実施形態においても、同様に、主制御部に含まれるCPUがROMに格納されたプログラムを実行することで、主制御部(コンピュータ)が、露出値記憶部、輝度算出部、絞り値算出部、モータ制御部、及びISO感度処理部などとして機能する。
主制御部3の露出値記憶部132は、被写体を撮像する際の所定の目標露出値をRAM14(図2参照)などに格納し、この目標露出値のデータを絞り値算出部134に送信する。なお、この目標露出値は、上述したように、撮像装置2に適正露出値として予め設定されたものであってもよいし、ユーザ所望の露出値として例えばタッチパネル5を介して入力されたものであってもよい。
主制御部3の輝度算出部133は、カメラモジュール4の撮像素子22からの信号を受信すると、被写体画像の輝度を所定のアルゴリズムに基づいて算出するとともに、その輝度データを絞り値算出部134に送信する。
主制御部3の絞り値算出部134は、輝度算出部133から送信された輝度データ及び露出値記憶部132から送信された目標露出値データを受信し、上記目標露出値を得るのに適した絞り値を基準絞り値として所定のアルゴリズムに従って算出する。また、この絞り値算出部134は、上記基準絞り値のデータをモータ制御部135に送信する。
主制御部3のモータ制御部135(アクチュエータ制御部)は、絞り値算出部134から送信された基準絞り値データを受信すると、絞り機構23のアクチュエータとしてのボイスコイルモータ90を駆動させる駆動信号を生成し、この駆動信号をカメラモジュール4の絞り機構23のモータドライバ35に送信する。
主制御部3のISO感度処理部137は、種々のISO感度をRAM14などに格納する。すなわち、所定のISO感度(設定ISO感度)をRAM14などに格納しており、カメラモジュール4の撮像素子22からの信号を受信できるように構成されている。そして、このISO感度処理部137は、撮像素子22からの信号を設定ISO感度で画像に変換し、この画像をディスプレイ制御部130に送信する。
なお、上述の機能構成の説明では、理解を容易にするために、データ処理における動作を表す語として「送信」及び「受信」という語を用いたが、データが実際に「送信」又は「受信」されないようなデータ処理を行ってもよいことは言うまでもない。例えば、CPU10が露出値記憶部132及び絞り値算出部134として機能する場合、プログラムの処理に従って、露出値記憶部132として機能するときは目標露出値データをRAM14に格納し、一方、絞り値算出部134として機能するときはRAM14から目標露出値データを読み出すことになる。このようなデータ処理を行ってもよいことは言うまでもない。後述する第2ないし第4の実施形態においても同様である。
このような撮像装置2によれば、ISO感度が設定ISO感度に設定された場合において、例えば図8に示すフローチャートのように撮像装置2が制御されることにより、適正露出値(目標露出値)が維持される。なお、上述のように、設定ISO感度のデータはISO感度処理部137によってRAM14等に格納されており、目標露出値のデータは露出値記憶部132によってRAM14等に格納されている。
ユーザがレンズ25を被写体に向けると、被写体からの光が撮像素子22の撮像面に結像され、これにより被写体の画像が取得される(ステップS1)。そして、図7に示すように、撮像素子22は、撮像面に生じた電荷から信号を生成して主制御部3の輝度算出部133に送信する。
輝度算出部133は、撮像素子22からの信号を受信すると、この信号から被写体の画像の輝度を算出する(ステップS2)。また、図7に示すように、輝度算出部133は、この輝度データを絞り値算出部134に送信する。
絞り値算出部134は、輝度算出部133からの輝度データを受信すると、露出値記憶部132から目標露出値データを読み出す。そして、輝度算出部133からの輝度データに基づいて目標露出値を得るのに適した絞り値を基準絞り値として算出する(ステップS3)。また、絞り値算出部134は、図7に示すように、この基準絞り値データをモータ制御部135に送信する。
図7に示すように、モータ制御部135は、絞り値算出部から基準絞り値データを受信すると、このデータから対応する駆動信号を生成してカメラモジュール4の絞り機構23のフレキシブルプリント基板33に送信する。そして、フレキシブルプリント基板33を介して駆動信号がモータドライバ35に受信されると、絞り機構23のボイスコイルモータ90が駆動し、絞り開口23Aの絞り値が上記基準絞り値になるまで羽根部材50,60(図5及び図6参照)が移動する(ステップS4)。
上記ステップS4の後にユーザがレンズユニット21のレンズ25を被写体に向けると、上記基準絞り値の状態で被写体からの光が撮像素子22の撮像面に結像する。図7に示すように、撮像素子22は、撮像面に生じた電荷から信号を生成してISO感度処理部137に送信する。ISO感度処理部137は、撮像素子22からの信号を受信すると、該信号を設定ISO感度の画像に変換してディスプレイ制御部130に送信する。そして、ディスプレイ制御部130は、受信した画像を処理してディスプレイ7に表示する(ステップS5)。このようにして、被写体が撮像装置2によって撮像される。なお、上記設定ISO感度は、撮像装置2に予め定められたISO感度であってもよいし、ユーザが別途設定したISO感度であってもよい。
ユーザはステップ5においてディスプレイ7に表示された被写体画像をみて被写体を撮影する(ステップS6)。なお、図7に示すように、撮影された被写体の画像は主制御部3を介して撮像装置2のメモリ6などに保存される。
以上のように、本実施形態に係る撮像装置2の絞り機構23は、ボイスコイルモータ90をアクチュエータとすることで小型化・薄型化されているため、スマートフォン1のような小型電子機器であっても搭載することができる。そして、このような撮像装置2を搭載したスマートフォン1によれば、ISO感度が例えば上記設定ISO感度に設定(変更)された場合において、絞りが目標露出値を得るのに適した基準絞り値に調整されるため、目標露出値が効果的に維持される。
なお、上述の第1の実施形態では、目標露出値を維持するために絞りのみが調整される例を説明したが、目標露出値を維持するために絞りの調整とともにISO感度の変更を行うように構成してもよい(第2の実施形態)。
ここで、図9は、本発明の第2の実施形態における撮像装置202の機能構成の一例を示すブロック図である。図9に示すように、撮像装置202は、カメラモジュール4と、ディスプレイ7と、ディスプレイ制御部130と、タッチパネル5と、タッチパネル制御部131と、主制御部203と、メモリ6とを含んでいる。
撮像装置202の主制御部203は、モータ制御部135と、露出値記憶部232と、輝度算出部233と、絞り値算出部234と、ISO感度算出部236と、ISO感度処理部237とを含んでいる。
図9に示すように、主制御部203の露出値記憶部232は、目標露出値をRAM14などに格納し、目標露出値データを絞り値算出部234及びISO感度算出部236に送信する。
輝度算出部233は、カメラモジュール4の撮像素子22からの信号を受信して輝度を算出するともに、この輝度データを絞り値算出部234及びISO感度算出部236に送信する。
ISO感度算出部236は、露出値記憶部232及び輝度算出部233のそれぞれからデータを受信して目標露出値を得るのに適したISO感度を基準ISO感度として算出し、この基準ISO感度データを絞り値算出部234及びISO感度処理部237に送信する。
絞り値算出部234は、露出値記憶部232、輝度算出部233、及びISO感度算出部236のそれぞれからデータを受信して目標露出値を得るのに適した絞り値を基準絞り値として算出し、この基準絞り値データをモータ制御部135に送信する。
ISO感度処理部237は、種々のISO感度をデータ化してRAM14などに格納する。すなわち、このISO感度処理部237は、ISO感度算出部236から基準ISO感度データを受信すると、このデータをRAM14などに格納する。
このような撮像装置202によれば、例えば、図10に示すフローチャートのように撮像装置202が制御される。まず、第1の実施形態と同様にステップS1→ステップS2を行う。その後、輝度算出部233は、算出した輝度の輝度データを絞り値算出部234及びISO感度算出部236に送信する。
図9及び図10に示すように、ISO感度算出部236は、輝度算出部233からのデータを受信すると、露出値記憶部232から目標露出値データを読み出す。そして、輝度算出部233からの輝度データに基づいて目標露出値を得るのに適したISO感度を基準ISO感度として算出する(ステップS23)。また、ISO感度算出部236は、この基準ISO感度データを絞り値算出部234及びISO感度処理部237に送信する。
ISO感度処理部237は、ISO感度算出部236からの基準ISO感度データを受信すると、このデータをRAM14等に格納する。
絞り値算出部234は、ISO感度算出部236から基準ISO感度データを受信すると、露出値記憶部232から目標露出値データを読み出す。そして、輝度算出部233からの輝度データ及びISO感度算出部236からの基準ISO感度データに基づいて目標露出値を得るのに適した絞り値を基準絞り値として算出する(ステップS24)。また、絞り値算出部234は、図9に示すように、算出した基準絞り値データをモータ制御部135に送信する。
モータ制御部135は、絞り値算出部234からの基準絞り値データに基づいて駆動信号を生成する。図9に示すように、この駆動信号はフレキシブルプリント基板33を介してモータドライバ35に送信される。その結果、ボイスコイルモータ90が駆動して絞り開口23Aの絞り値が基準絞り値になるまで羽根部材50,60が移動する(ステップS25)。
上記ステップS25の後にユーザがレンズユニット21のレンズ25を被写体に向けると、上記基準絞り値の状態で被写体からの光が撮像素子22の撮像面に結像する。図9に示すように、撮像素子22は、撮像面に生じた電荷から信号を生成し、この信号をISO感度処理部237に送信する。ISO感度処理部237は、この信号を基準ISO感度で画像に変換し、この画像をディスプレイ制御部130に送信する。そして、ディスプレイ制御部130は、受信した画像を処理してディスプレイ7に表示する(ステップS26)。そして、ユーザは、この被写体画像をみて被写体を撮影する(ステップS6)。
以上のように、本発明における第2の実施形態によれば、ISO感度を目標露出値を得るのに適した基準ISO感度に変更した上でさらに絞り値を調整できるため、目標露出値をより効果的に維持することができる。
なお、この第2の実施形態では、基準ISO感度が変更される範囲が事前に定められていてもよい。
また、以下に説明する第3の実施形態における撮像装置302を構成してもよい。図11は、撮像装置302の機能構成の一例を示すブロック図である。図11に示すように、撮像装置302は、カメラモジュール4と、ディスプレイ7と、ディスプレイ制御部130と、タッチパネル5と、タッチパネル制御部131と、主制御部303と、メモリ6とを含んでいる。
撮像装置302の主制御部303は、モータ制御部135と、露出値記憶部232と、輝度算出部233と、絞り値算出部334と、ISO感度算出部336と、ISO感度処理部237とを含んでいる。
図11に示すように、主制御部303の絞り値算出部334は、露出値記憶部232及び輝度算出部233のそれぞれからデータを受信して目標露出値を得るのに適した絞り値を基準絞り値として算出し、該基準絞り値データをISO感度算出部336及びモータ制御部135に送信する。
ISO感度算出部336は、露出値記憶部232、輝度算出部233、及び絞り値算出部334のそれぞれからデータを受信して目標露出値を得るのに適したISO感度を基準ISO感度として算出し、この基準ISO感度データをISO感度処理部237に送信する。
このような撮像装置302によれば、例えば、図12に示すフローチャートのように撮像装置202が制御される。まず、第1の実施形態と同様にステップS1→ステップS2を行う。その後、輝度算出部233は、輝度データを絞り値算出部334及びISO感度算出部336に送信する。
図11及び図12に示すように、絞り値算出部334は、輝度算出部233から輝度データを受信すると、露出値記憶部232から目標露出値データを読み出す。そして、輝度算出部233からの輝度データに基づいて基準絞り値を算出する(ステップS33)。また、この基準絞り値データをモータ制御部135及びISO感度算出部336に送信する。
モータ制御部135は、絞り値算出部334からの基準絞り値データを受信すると、このデータから駆動信号を生成する。そして、この駆動信号はフレキシブルプリント基板33を介してモータドライバ35に送信され、その結果、絞り機構23のボイスコイルモータ90が駆動して絞り開口23Aの絞り値が基準絞り値になるまで羽根部材50,60が移動する(ステップS34)。
一方、ISO感度算出部336は、輝度算出部233からの輝度データ及び絞り値算出部334からの基準絞り値データを受信すると、露出値記憶部232から目標露出値データを読み出す。そして、輝度算出部233からの輝度データ及び絞り値算出部334からの基準絞り値データに基づいて基準ISO感度を算出する(ステップS35)。この基準ISO感度データは、ISO感度処理部237に送信され、RAM14などに格納される。
上記ステップS35の後にユーザがレンズユニット21のレンズ25を被写体に向けると、上記基準絞り値の状態で被写体からの光が撮像素子22の撮像面に結像する。撮像素子22は、撮像面に生じた電荷から信号を生成して該信号をISO感度処理部237に送信する。そして、この信号は基準ISO感度で画像に変換されてディスプレイ7に表示される(ステップS36)。そして、ユーザは、この被写体画像をみて被写体を撮影する(ステップS6)。
このような制御によっても、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上述の第3の実施形態では、ボイスコイルモータ90を駆動させるステップ(ステップS34)の後に、基準ISO感度を算出するステップ(ステップS35)を行う例を説明したが、基準ISO感度を算出するステップの後にボイスコイルモータ90を駆動させるステップを行ってもよいし、あるいは、基準ISO感度を算出するステップとボイスコイルモータ90を駆動させるステップとを同時に行ってもよい。
次に、第4の実施形態における撮像装置402について説明する。この撮像装置402によれば、タッチパネル5に対するユーザのスライド操作によって画像の露出を調整することができる。
ここで、図13は、本発明の第4の実施形態における撮像装置402の機能構成の一例を示すブロック図である。図13に示す撮像装置402は、上述の第2の実施形態におけるステップS26(図10参照)で表示された画像(以下、「目標露出画像」という。)の露出をさらに調整できるように構成されている。より具体的には、ユーザが目標露出画像を表示するディスプレイ7上のタッチパネル5に対して図14に示すスライド操作を行うことにより、目標露出画像の露出をさらに調整できるように構成されている。
図13に示すように、この撮像装置402は、タッチパネル5と、タッチパネル制御部131と、ディスプレイ7と、ディスプレイ制御部130と、主制御部403と、メモリ6と、カメラモジュール4とを含んでいる。
図13に示すように、撮像装置402の主制御部403は、第1のモータ制御部135(第2のアクチュエータ制御部)と、露出値記憶部232と、輝度算出部233と、絞り値算出部234と、ISO感度算出部236と、スライド操作検出部431と、所望値特定部432と、第2のモータ制御部433(第1のアクチュエータ制御部)と、ISO感度処理部437とを含んでいる。
主制御部403のスライド操作検出部431は、タッチパネル制御部131に接続されており、タッチパネル5に対するユーザのスライド操作を検出するとともに検出したスライド操作を所望値特定部432に伝達する。
主制御部403の所望値特定部432は、上述したスライド操作検出部431から伝達されたユーザのスライド操作に基づいて、ユーザが所望する絞り値(所望絞り値)及びISO感度(所望ISO感度)を特定する。また、所望絞り値データを第2のモータ制御部433に送信するとともに、所望ISO感度データをISO感度処理部437に送信する。
主制御部403の第2のモータ制御部433は、所望値特定部432からの所望絞り値データを受信すると、このデータから対応する駆動信号を生成してカメラモジュール4の絞り機構23のモータドライバ35に送信する。
主制御部403のISO感度処理部437は、種々のISO感度のデータをRAM14などに格納する。すなわち、ISO感度処理部437は、所望値特定部432からの所望ISO感度データを受信すると、このデータをRAM14などに格納する。
このような主制御部403の機能構成によれば、例えば、図15に示すフローチャートのように撮像装置402が制御される。まず、撮像装置202と同様にステップS1~ステップS26が実行される。すなわち、ISO感度算出部236が輝度算出部233からの輝度データに基づき基準ISO感度を算出し(ステップS23)、その後、絞り値算出部234が輝度算出部233からの輝度データ及びISO感度算出部236からの基準ISO感度データに基づいて基準絞り値を算出する(ステップS24)。そして、この基準絞り値になるまでボイスコイルモータ90が駆動して絞り値が調整された上(ステップS25)、被写体画像(目標露出画像)がディスプレイ7に表示される(ステップS26)。
ステップS26の後、ユーザが被写体画像(目標露出画像)の露出をさらに調整したい場合には、目標露出画像を表示するディスプレイ7上のタッチパネル5に対して例えば図14に示すようなスライド操作Tを行う(ステップS41)。図13に示すように、このスライド操作Tは、主制御部403のスライド操作検出部431によって検出されて所望値特定部432に伝達される。
所望値特定部432は、例えば以下のようにして上記所望ISO感度及び上記所望絞り値を特定する(ステップS42)。図14に示すように、目標露出画像を表示するディスプレイ7上のタッチパネル5に対して、ユーザが指8をスタート位置P1からエンド位置P2までスライド操作Tを行ったとする。なお、この例において、スタート位置P1のY方向における位置は上述の基準ISO感度の値に対応しており、Z方向における位置は上述の基準絞り値に対応している。
所望値特定部432は、スライド操作Tにおけるスタート位置P1からエンド位置P2までのY方向の距離t1を算出し、この距離t1に基づいてエンド位置P2におけるISO感度の値を特定する。より具体的には、所定のアルゴリズムに従って算出された距離t1に対応するISO感度の値を、スタート位置P1のISO感度の値(すなわち、基準ISO感度)から加減することにより、エンド位置P2におけるISO感度の値(所望ISO感度)を特定する。そして、所望値特定部432は、この所望ISO感度データをISO感度処理部437に送信する。ISO感度処理部437は、この所望ISO感度データをRAM14などに格納する。
また、所望値特定部432は、スライド操作Tにおけるスタート位置P1からエンド位置P2までのZ方向の距離t2を算出し、この距離t2に基づいてエンド位置P2における絞り値を特定する。より具体的には、所定のアルゴリズムに従って算出された距離t2に対応する絞り値を、スタート位置P1の絞り値(すなわち、基準絞り値)から加減することにより、エンド位置P2における絞り値(所望絞り値)を特定する。そして、所望値特定部432は、この所望絞り値データを第2のモータ制御部433に送信する。
図13及び図15に示すように、第2のモータ制御部433は、所望値特定部432からの所望絞り値データを受信すると、このデータから対応する駆動信号を生成してカメラモジュール4の絞り機構23のフレキシブルプリント基板33に送信する。そして、フレキシブルプリント基板33を介して駆動信号がモータドライバ35に受信されると、ボイスコイルモータ90が駆動し、絞り開口23Aが所望絞り値になるまで羽根部材50,60が移動する(ステップS43)。
上記ステップS43の後にユーザがレンズ25を被写体に向けると、上記所望絞り値の状態で被写体からの光が撮像素子22の撮像面に結像する。撮像素子22は、撮像面に生じた電荷を信号に変換して、該信号をISO感度処理部437に送信する。ISO感度処理部437は、この信号を所望ISO感度で画像に変換し、この画像をディスプレイ制御部130に送信する。その結果、スライド操作Tによって露出値が調整された画像がディスプレイ7に表示される(ステップS44)。このようにして、露出値が調整された状態で被写体が撮像装置402によって撮像される。そして、ユーザは、ディスプレイに表示された画像をみて被写体を撮影する(ステップS6)。
なお、上述した第4の実施形態では、スライド操作TのY方向の距離t1から所望ISO感度を算出し、Z方向の距離t2から所望絞り値を算出した例を説明したが、その他種々の基準に基づき所望ISO感度及び所望絞り値を算出してもよい。例えば、スライド操作TのY方向の距離t1から所望絞り値を算出し、Z方向の距離t2から所望ISO感度を算出してもよい。
また、上記第4の実施形態は、第2の実施形態に対してだけでなく、第1及び第3の実施形態にも適用できることは言うまでもない。
なお、上述の第1ないし第4の実施形態では、理解を容易にするために、撮像装置のシャッタスピードについての説明を省略しているが、絞り値の調整及びISO感度の変更に加えてシャッタスピードを変更することで、さらに細やかな露出調整が可能となることは言うまでもない。
また、主制御部がCPUに加えて他のプロセッサを含むように構成してもよい。この場合、当該他のプロセッサが、上記機能構成(すなわち、露出値記憶部、輝度算出部、絞り値算出部、モータ制御部、及びISO感度処理部等)の一部または全てとして機能するようにしてもよい。
また、ROM13等に記憶されているプログラムは、データ配信用のサーバのHDD(Hard Disk Drive)に記憶され、ネットワークを介してスマートフォンなどの電子機器に配信されてもよい。また、CD,DVD,BD(Blu-Ray Disk)などの光学ディスク、USBメモリおよびメモリカードなどの記憶媒体にプログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。そして、上記したサーバや記憶媒体などを通じてダウンロードされたプログラムが本実施例と同等の構成の電子機器にインストールされた場合、上述の実施形態と同等の効果が得られる。
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
なお、本明細書において使用した用語「上」、「上方」、その他の位置関係を示す用語は、図示した実施形態との関連において使用されているのであり、装置の相対的な位置関係によって変化するものである。