JP7005705B2 - 微細泡飲料およびその製造方法 - Google Patents

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Description

関連出願の参照
本願は、先行する日本国出願である特願2016-137250(出願日:2016年7月12日)の優先権の利益を享受するものであり、その開示内容全体は引用することにより本明細書の一部とされる。
本発明は新規な微細泡飲料およびその製造方法に関する。
清涼飲料やアルコール飲料においては、飲用者が泡の感触を楽しむことができるものが市場において好まれている。代表的なものとしては炭酸飲料が挙げられ、これらは飲用時に二酸化炭素の気泡に伴う刺激的な感触を楽しむことができる。
一方で、各種の起泡剤の添加や、窒素ガスと飲料液の混合により滑らかな感触の起泡の飲料を提供することが試みられている。このような飲料はいずれも液面上に形成された泡(フォーム)の大きさを細かくすることによってより滑らかな泡の飲料を提供しようとしている(特許文献1)。しかし、液面のみならず飲料全体が微細な泡を含む溶液から構成された飲料はこれまで知られていなかった。
特開2016-59372号公報
本発明者らは今般、飲料における泡の感触は、液面に形成された泡のみならず、液中に形成された気泡も重要な役割を果たしていることを新たに見出した。すなわち、飲料全体が微細な泡で構成されるように混合処理して得られた飲料が、従来の飲料では実現されたことがない「泡融け感」を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明はこれまで実現されたことがない「泡融け感」が付与された新規な微細泡飲料とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]ゾル比重が0.85以下であり、かつ、分離速度が0.7mm/秒以下である、微細泡飲料(ここで、「ゾル比重」は一定容量の非微細泡飲料の質量に対する一定容量の微細泡飲料の質量の比率をいい、「分離速度」は微細泡飲料を評価用容器に注いだときの、容器満注時から100秒後の容器底から微細な泡の最も低い位置までの垂直距離(mm)から容器満注時の容器底から微細な泡の最も低い位置までの垂直距離(mm)を引いた値を100秒(s)で除した値をいう)。
[2]液粘度が2.5mPa・s以下である、上記[1]に記載の微細泡飲料。
[3]飲料が清涼飲料である、上記[1]または[2]に記載の微細泡飲料。
[4]飲料液を3000~50000rpm、1秒~60分の条件で混合する工程を含んでなる、微細泡飲料の製造方法。
[5]製造された飲料のゾル比重(ここで、ゾル比重は上記[1]で定義された内容と同義である)が0.85以下である、上記[4]に記載の製造方法。
[6]製造された飲料の分離速度(ここで、分離速度は上記[1]で定義された内容と同義である)が0.7mm/秒以下である、上記[4]または[5]に記載の製造方法。
[7]製造された飲料の液粘度が2.5mPa・s以下である、上記[4]~[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]窒素を含有する気体の存在下で混合を行う、上記[4]~[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]飲料が清涼飲料である、上記[4]~[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10]上記[4]~[9]のいずれかに記載の製造方法により製造された、微細泡飲料。
本発明の微細泡飲料は飲料全体が微細な泡を含む溶液で構成され、飲用者はこれまで経験したことがない「泡融け感」を楽しむことができる。すなわち、本発明は従来にはない飲用感を有する飲料を提供するものであり、消費者の新たな嗜好やニーズに応えることができる点で有利である。
図1Aは混合処理前のコーヒー飲料を容器に満注した写真である。 図1Bは気体との混合処理後のコーヒー飲料を容器に満注した後、容器満注時から数秒後の試験区1の飲料の写真である。 図1Cは気体との混合処理後のコーヒー飲料を容器に満注した後、容器満注時から100秒経過後の試験区1の飲料の写真である。
発明の具体的説明
本発明の微細泡飲料は、飲料中に微細な泡が形成されてなる飲料である。飲料中に微細な泡が形成されることにより、後述するような「泡融け感」が飲料に付与されることから、本発明の飲料は所定量の気泡を含むことを特徴とし、飲料中の気泡量は脱泡処理に付されて微細な泡が消失した脱泡処理後の微細泡飲料(非微細泡飲料)に対する本発明の飲料の比重(ゾル比重)により特定することができる。
本発明において「ゾル比重」とは、一定容量の非微細泡飲料の質量(g)に対する一定容量の微細泡飲料の質量(g)の比率をいう。ゾル比重は同一体積で比較した場合にどの程度気泡を含む飲料であるかを示す指標ということができ、ゾル比重が小さい微細泡飲料はより多量の気泡を含む飲料ということができる。本発明の微細泡飲料のゾル比重は0.85以下とすることができ、好ましくは0.80以下、より好ましくは0.40~0.80、さらに好ましくは0.50~0.80である。
本発明の微細泡飲料においてゾル比重を算出する場合には、まず、微細泡飲料の製造完了後、直ちに一定容量当たりの質量を測定し、次いで、微細泡飲料を適切な方法で脱泡処理に付し、脱泡後の飲料(非微細泡飲料)の一定容量当たりの質量を測定し、これらの測定値に基づいてゾル比重を算出することができる。脱泡処理は、例えば減圧脱泡や遠心エバポレーター、真空撹拌脱泡装置などを使用することができる。
本発明の微細泡飲料は、飲料中に微細な泡を形成させることにより飲料中に気体を含有する飲料である。微細な泡を構成する気体としては窒素を含有する気体(例えば、空気)および窒素ガスが挙げられ、好ましくは窒素を含有する気体であり、より好ましくは空気である。
本発明の微細泡飲料は、製造直後は飲料のほぼ全体が微細な泡から構成されているが、時間が経過するにつれ、微細な泡から構成される部分と微細な泡を含まない部分の二つの部分に徐々に分離する。このため本発明の飲料は微細な泡から構成される部分が微細な泡を含まない部分に分離する速度(分離速度)により特定することができる。
本発明において「分離速度」(mm/秒)とは本発明の微細泡飲料を評価用容器に注いだときの、容器満注時から100秒後の容器底から微細泡の最も低い位置までの垂直距離(mm)から容器満注時の容器底から微細な泡の最も低い位置までの垂直距離を引いた値を100秒(s)で除した値をいう。分離速度を測定する際には本発明の微細泡飲料を製造完了後、直ちに空の評価用容器に注いで、容器が満量になった時点と容器満注から100秒後の微細泡の最低位置を容器底から計測する。容器に既に飲料が存在する場合には、該飲料を除いてから計測を行うことはいうまでもないが、仮に該飲料が存在したまま計測を行う場合には、該飲料の液面から微細泡の最も低い位置までの距離を計測する。また、製造完了時にすべての原料飲料液が微細な泡に変化せず、該飲料液が残存していることがあり、該飲料液が評価用容器に注がれることがあるが、このような場合には製造完了時に残存している原料飲料液のうち評価容器に注がれた飲料液の体積分を垂直距離から差し引くことで、分離速度をより正確に算出することができる。
分離速度の測定に使用する評価用容器は、容器の材質や口径による測定値のぶれを防ぐため、分離速度評価用ガラス(容量300mL、φ52mm、高さ140mm)を使用する。上記の分離速度評価用ガラス以外の容器を使用して分離速度を測定した場合には、得られた分離速度を該容器の口径と高さに基づいて分離速度評価用ガラスでの測定値に換算することができる。分離速度を測定する場合にはまた、容器内で最も低い位置に存在する微細泡の位置を正確に測定するため、色評価用蛍光ランプなどの照明装置を使用することが好ましい。分離速度は一定時間内にどの程度の速さで微細泡飲料から微細泡を含まない飲料液に変化するかを示す指標ということができ、分離速度が小さい飲料は微細泡飲料の状態をより長く維持できる飲料ということができる。本発明の微細泡飲料の分離速度は0.7mm/秒以下とすることができ、好ましくは0.68mm/秒以下、より好ましくは0.6mm/秒以下である。また、本発明の微細泡飲料の分離速度は0.05mm/秒以上とすることができ、好ましくは0.1mm/秒以上である。本発明の微細泡飲料の分離速度は、0.05~0.7mm/秒とすることができ、好ましくは0.1~0.6mm/秒である。
本発明の微細泡飲料は、微細泡飲料を評価用容器に注いだときの、容器満注時から100秒後の容器底から微細な泡の最も低い位置までの垂直距離を90mm以下とすることができ、好ましくは70mm、より好ましくは50mmとすることができる。
本発明の微細泡飲料は、市販の炭酸飲料などと比較すると微細な泡が消失しにくい飲料ということができる。飲料中に消泡効果を有する成分が含まれていると、微細な泡が消失する速度が速くなることから、本発明の微細泡飲料は消泡成分の含有量が0.01%以下、好ましくは0.001%以下の飲料とすることができ、より好ましくは消泡成分を実質的に含まない飲料である。ここで、消泡成分としては、乳化剤、シリコーン系消泡剤、液状油が挙げられる。
本発明の微細泡飲料において分離速度を算出する場合には、微細泡飲料を製造後、直ちに透明または半透明の容器に注ぎ、製造完了時から100秒後の容器底から微細な泡の最も低い位置までの距離を目視で測定し、その距離(mm)を100秒で割ることにより分離速度を算出することができる。
本発明の微細泡飲料はまた、液粘度により特定することができる。本発明の微細泡飲料において液粘度を算出する場合には、微細泡飲料を適切な方法で脱泡処理に付し、脱泡後の飲料(非微細泡飲料)について液粘度を測定することができる。脱泡処理は、例えば減圧脱泡や遠心エバポレーター、真空撹拌脱泡装置などを使用することができる。液粘度は例えば落球式粘度測定法により測定することができ、落球式マイクロ粘度計(アントンパール社製)などの市販の測定機器を用いて測定をすることができる。本発明の微細泡飲料の液粘度は2.5mPa・s以下とすることができ、好ましくは2.2mPa・s以下、より好ましくは0.7~2.2mPa・sである。
本発明の微細泡飲料は上記のように2.5mPa・s以下の液粘度をとることができるが、市販のスムージー飲料などと比較すると粘度が十分低い飲料ということができる。本発明の微細泡飲料はまた、流動性を十分に持ち、飲用に適した液性を有する。
本発明の微細泡飲料のベースとなる飲料液は微細な泡を形成させることができる限り、特に限定されるものではなく、清涼飲料、アルコール飲料、果汁飲料、乳飲料、野菜汁飲料などが挙げられる。清涼飲料としては、コーヒー飲料、緑茶飲料、紅茶飲料、酸性飲料、炭酸飲料、乳清飲料などが挙げられ、好ましくは、ビールテイスト飲料を除くものである。アルコール飲料は好ましくは、麦汁を含有するビールテイスト飲料を除くものである。
本発明の微細泡飲料は従来の飲料では実現されたことがない「泡融け感」を有する。すなわち、本発明の飲料を摂取した場合には以下の3つの飲用感が得られる。
(A)口腔内に十分な気泡が含有された飲料を含むことで、さらさらとした溶液が気泡を含んで軽くエアリーな食感が得られる。含んだ気泡は弾性がなく柔らかい。
(B)口腔内に含んだ気泡は、飲用中に発泡し弾けることなく口腔内で静かに消失し、溶液としての流動性を十分に感じることができる。
(C)嚥下後に口腔内での後残りがなく、優しく、刺激が少ないためごくごくと飲用できる。
本発明の微細泡飲料はまた、時間が経過するとともに微細な泡を含む飲料液と微細な泡が消失した飲料液とに徐々に分離するという特徴を有する(図1Bおよび図1C参照)。本発明の微細泡飲料は、飲料全体が微細な泡を含む溶液で構成された飲料のみならず、時間経過により微細な泡を含む飲料液と微細な泡が消失した飲料液とを含む飲料も包含するものとする。
本発明の微細泡飲料の製造方法は、原料となる飲料液に微細泡を形成させることができれば特に限定されないが、例えば、気体と飲料液とを混合することにより製造することができる。すなわち、飲料液を準備し、容器中で3000~50000rpm、1秒~60分の条件で混合し、飲料液中に微細泡を形成させて気体を飲料液中に取り込ませることで本発明の微細泡飲料を製造することができる。気体としては、窒素を含有する気体(例えば、空気)および窒素ガスが挙げられ、好ましくは窒素を含有する気体であり、より好ましくは空気である。
飲料液の混合は容器中で行うことができる。微細泡を構成する気体が空気である場合、容器中で飲料液を混合することにより本発明の微細泡飲料を製造することができる。容器中で上記の混合強度および混合時間で飲料液を混合する場合には、攪拌機や混合容器、気液混合機を用いて混合を行うことができる。具体的には、攪拌機としてはジューサーミキサー、ミキサー、フードプロセッサー、ブレンダ―、高速分散機を用いることができ、混合容器としてはシェーカー、気体混合用加圧容器を用いることができ、気液混合機としてはスプレーガン、二流体ノズル、エアーストーンを用いることができる。
製造された微細泡飲料はグラスやコップなどの容器に注がれ、飲用者に提供することができる。本発明の微細泡飲料は時間が経過すると、微細な泡から構成される部分と微細な泡を含まない部分に分離することから、上記(A)、(B)および(C)の作用効果をよりよく発揮させるために、製造完了後、直ちに容器に注ぎ、飲用者に提供することが望ましい。ここで、本発明の微細泡飲料を気体と飲料液とを混合することにより製造する場合は、原料飲料液の全量について混合が完了したことをもって製造完了とみなすことができる。
本発明の微細泡飲料は、製造完了時にすべての原料飲料液が微細な泡に変化せず、原料飲料液が残存していることがあるが、このような飲料も上記(A)、(B)および(C)の作用効果を発揮する限り本発明の微細泡飲料に包含される。
以下の例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
例1:微細泡飲料の製造および各種物性値の分析(1)
(1)飲料の調製
コーヒー飲料をベースとする微細泡飲料を調製した。具体的には、コーヒー豆(キリマンジャロ)をコーヒーミルで中挽きに粉砕し、ペーパーフィルターに粉砕したコーヒー豆100gを入れ、95℃の熱水で抽出した。ろ液1000gを採取したところで抽出を止め、1000gのコーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液を20℃まで冷却して、該抽出液のpHが6.5になるように調製しながら炭酸水素ナトリウムを加え、イオン交換水を用いて全量を2000gとした(コーヒー調合液)。コーヒー調合液を90℃に加温し、飲料用スチール缶に190gを充填後、121℃、5分間でレトルト殺菌処理してブラックコーヒー飲料ベース(以下、「コーヒー飲料ベース1」ということがある)を調製した。
上記のようにして調製したコーヒー飲料ベース1をあらかじめ液温が5℃になるように準備した。内径110mm、高さ130mmの円柱状のステンレス容器にコーヒー飲料ベース330gを入れ、液温が5℃~10℃を保つよう保冷した。ハンディーフードプロセッサー(バーミックスM300、エスゲー社)にアタッチメント(ウイスク、エスゲー社)を装着し、アタッチメント先端をステンレス容器底部につけて「低速」で30秒間混合処理してコールドタイプの微細泡飲料(試験区1)を調製した。製造完了時にコーヒー飲料液のすべてが微細な泡が形成された飲料に変化していることを目視で確認した。
次に、コーヒー飲料ベース1をあらかじめ液温が70℃になるように準備した。内径110mm、高さ130mmの円柱状のステンレス容器にコーヒー飲料ベース330gを入れ、液温が65℃~70℃を保つよう保温した。ハンディーフードプロセッサー(バーミックスM300、エスゲー社)にアタッチメント(ウイスク、エスゲー社)を装着し、アタッチメント先端をステンレス容器底部につけて「高速」で30秒間混合処理してホットタイプの微細泡飲料(試験区2)を調製した。製造完了時にコーヒー飲料液のすべてが微細な泡が形成された飲料に変化していることを目視で確認した。
また、比較対照品として市販のビール飲料(ギネス、キリンビール社)(試験区3)、スムージー飲料(黒ゴマ豆乳バナナスムージー、ユニマットリケン社)(試験区4)、コーラ飲料(メッツコーラ、キリンビバレッジ社)(試験区5)、コーヒー飲料(振って泡立つプレミアム、ダイドードリンコ社)(試験区6)を準備した。
(2)飲料の分析
各試験区の飲料は以下の手順でゾル比重、分離速度、液粘度を測定した。
ア ゾル比重
微細泡飲料を製造完了後、直ちにプラスチック製カップ(容量150mL、旭化成社製、プロマックスEI-150D)に満量となるまで注ぎ、満注容量の質量を測定した。次に、微細泡飲料を遠心エバポレーター(Genevac社製)を用いて脱泡処理に付し、脱泡後の飲料(非微細泡飲料)の満注容量の質量を微細泡飲料と同様に測定した。
ゾル比重は下記数式(I)に基づいて算出した。
Figure 0007005705000001
イ 分離速度
微細泡飲料を製造完了後、直ちに分離速度評価用ガラス(容量300mL、φ52mm、高さ140mm)に満量となるまで注ぎ、容器満注時と容器満注時から100秒後に容器内で最も低い位置に存在する微細泡の位置を、底部からの距離(mm)として測定した。微細泡の有無は、色評価用蛍光ランプを用いて2000±500luxとなる環境下に分離速度評価用ガラスを設置し、目視によって判定した。容器満注時から数秒後の試験区1の飲料と容器満注時から100秒経過後の試験区1の飲料はそれぞれ図1Bおよび図1Cに示される通りである。なお、試験区1および2の飲料は、容器満注時に飲料ベースのすべてが微細な泡が形成された飲料となっていることを目視で確認した(下記数式(II)においてY=0(mm))。
分離速度は下記数式(II)に基づいて算出した。
Figure 0007005705000002
X=容器満注時から100秒後の容器底から微細な泡の最も低い位置までの垂直距離(mm)
Y=容器満注時の容器底から微細な泡の最も低い位置までの垂直距離(mm)
ウ 液粘度
微細泡飲料は遠心エバポレーター(Genevac社製)を用いて脱泡処理に供し、脱泡後の溶液について液粘度を測定した。液粘度の測定は落球式マイクロ粘度計(アントンパール社製)により実施した。測定時の溶液温度は20℃とし、対象の液粘度に応じてキャピラリーおよびボールを、該粘度計指定の方法に従って選択して測定を行った。
(3)官能評価
各試験区の飲料は、さらに官能評価に供した。官能評価は訓練されたパネリスト6名により実施した。具体的には、各試験区の飲料について、以下の4項目を評価し、最も得票数が多かった評価点を採用した。ただし、得票数が同数の場合は、より低い評価点を採用した。
(a)飲用直後
A:口腔内に含んだ溶液がさらさらとして、気泡を含んで軽くエアリーな食感が得られ、且つ、含んだ気泡は弾性がなく柔らかい。
B:口腔内に含んだ溶液が気泡を含んで少しエアリーな食感が得られ、且つ、含んだ気泡が柔らかい。
C:口腔内に含んだ溶液が気泡を含んでいることは感じられるが、エアリーではない。
D:口腔内に含んだ溶液に気泡を感じられない。
(b)飲用中
A:口腔内に含んだ気泡が弾けることなく静かに、次々に消失し、溶液としての流動性が十分に感じられる。
B:口腔内に含んだ気泡の一部が弾けることなく消失し、溶液としての流動性が感じられる。
C:口腔内に含んだ気泡が少し消失した感覚があるものの、溶液としての流動性が得られにくい。
D:口腔内に含んだ気泡がとどまり続け、嚥下に少し抵抗感がある。
(c)嚥下後
A:口腔内での後残りがなく、キレがとても良く感じられる。
B:口腔内での後残りが少なく、キレが良く感じられる。
C:嚥下後も口腔内に少し溶液が感じられ、キレが悪い。
D:嚥下後も口腔内に残液感がある。
(d)総合評価
A:飲料全体における「泡融け感」を十分に感じる。
B:飲料全体における「泡融け感」を感じる。
C:飲料全体における「泡融け感」があまり感じられない。
D:飲料全体における「泡融け感」が感じられない。
(4)結果
各試験区の飲料の液粘度、ゾル比重、分離速度、官能評価結果は表1に示される通りであった。
Figure 0007005705000003
表1の結果から、ゾル比重、分離速度および液粘度が特定の範囲に含まれる微細泡飲料が官能評価項目(a)、(b)、(c)および(d)において望ましい評価結果を示し、これまでにない泡融け感を有する飲料であることが判明した。一方で、ゾル比重が大きい試験区3においては嚥下後のキレの良さは感じられたものの、気泡含有による柔らかさやエアリーな食感は感じられず、泡融け感は有していなかった。液粘度が大きい試験区4においては、気泡を含んだエアリーで柔らかい食感が得られたものの、口腔内でも気泡が十分に保持され、消失感や流動性が感じられなかった。また、嚥下後ももったりとした飲料液が口腔内に残存する感覚があり、泡融け感は有していなかった。分離速度が大きい試験区5においては嚥下後のキレの良さは感じられたものの、気泡含有による柔らかさやエアリーな食感は感じられず、泡融け感は有していなかった。ゾル比重、分離速度および液粘度のすべてが大きい試験区6においては、気泡によるエアリーな食感や口腔内での消失感が得られず、嚥下後ももったりとした飲料液が口腔内に残存し、泡融け感は有していなかった。
例2:微細泡飲料の製造および各種物性値の分析(2)
表2に従って試験用飲料ベースを調製し、該飲料ベースと気体との混合処理を行い、微細泡飲料(試験区7~19)を調製した。製造完了時に試験用飲料ベースのすべてが微細な泡が形成された飲料に変化していることを目視で確認した。
Figure 0007005705000004
各試験区の飲料について、例1(2)および(3)に記載された手順に従ってゾル比重、分離速度、液粘度を測定するとともに、官能評価を行った。なお、分離速度の測定にあたっては、容器満注時に試験用飲料ベースのすべてが微細な泡が形成された飲料となっていることを目視で確認した(前記数式(II)においてY=0(mm))。
各試験区の飲料の液粘度、ゾル比重、分離速度、官能評価結果は表3に示される通りであった。
Figure 0007005705000005
表3の結果から、飲料のゾル比重を0.85以下となるように調整し、かつ、分離速度を0.7mm/秒以下となるように調整し、かつ、液粘度を2.5mPa・s以下となるように調整することにより、官能評価項目(a)、(b)、(c)および(d)において好ましい結果を有する微細泡飲料が得られることが明らかとなった。
試験区7、8、14、19においては、分離速度および液粘度が同程度であり、かつ、ゾル比重が異なる飲料が調製され、試験区7、8は十分な泡融け感を有していた。一方で、試験区19では嚥下後のキレの良さは感じられたものの、気泡含有による柔らかさやエアリーな食感は感じられず、泡融け感は有していなかった。
試験区8、9、10、11、12、14、15においては、ゾル比重および液粘度が同程度であり、かつ、分離速度が異なる飲料が調製され、試験区8、9、10、11は十分な泡融け感を有していた。一方で試験区12、15では嚥下後のキレの良さは感じられたものの、気泡含有による柔らかさやエアリーな食感が不足していると感じられ、口腔内での気泡の消失感も感じられず、泡融け感は有していなかった。
試験区10、16、17、18においては、ゾル比重および分離速度が同程度であり、かつ、液粘度が異なる飲料が調製され、試験区10、16は十分な泡融け感を有していた。一方で、試験区18では気泡を含んだエアリーで柔らかい食感が得られたものの、口腔内でも気泡が保持され、消失感や流動性が感じられなかった。また、嚥下後ももったりとした飲料液が口腔内に残存する感覚があり、泡融け感は有していなかった。
ゾル比重および分離速度が大きい試験区13においては、嚥下後のキレの良さは感じられたものの、気泡含有による柔らかさやエアリーな食感は感じられず、泡融け感は有していなかった。
例3:微細泡飲料の製造および各種物性値の分析(3)
表4に従って試験用飲料ベースを調製し、該飲料ベースと気体との混合処理を行い、微細泡飲料(試験区20~30)を調製した。製造完了時に試験用飲料ベースのすべてが微細な泡が形成された飲料に変化していることを目視で確認した。
Figure 0007005705000006
各試験区の飲料について、例1(2)および(3)に記載された手順に従ってゾル比重、分離速度、液粘度を測定するとともに、官能評価を行った。なお、分離速度の測定にあたっては、容器満注時に試験用飲料ベースのすべてが微細な泡が形成された飲料となっていることを目視で確認した(前記数式(II)においてY=0(mm))。
各試験区の飲料の液粘度、ゾル比重、分離速度、官能評価結果は表5に示される通りであった。
Figure 0007005705000007
表5の結果から、飲料のゾル比重を0.85以下となるように調整し、かつ、分離速度を0.7mm/秒以下となるように調整し、かつ、液粘度を2.5mPa・s以下となるように調整することにより、官能評価項目(a)、(b)、(c)および(d)において好ましい結果を有する微細泡飲料が得られることが明らかとなった。
試験区20、25においては、分離速度および液粘度が同程度であり、かつ、ゾル比重が異なる飲料が調製され、試験区25は十分な泡融け感を有していた。一方で、試験区20では嚥下後のキレの良さは感じられたものの、気泡含有による柔らかさやエアリーな食感は感じられず、泡融け感は有していなかった。
試験区21、23、24においては、ゾル比重および分離速度が同程度であり、かつ、液粘度が異なる飲料が調製され、試験区23、24は十分な泡融け感を有していた。一方で、試験区21では気泡を含んだエアリーで柔らかい食感が得られたものの、嚥下後ももったりとした飲料液が口腔内に残存する感覚があり、泡融け感は有していなかった。

Claims (7)

  1. ゾル比重が0.85以下であり、分離速度が0.7mm/秒以下であり、かつ、液粘度が2.5mPa・s以下である、微細泡飲料(ここで、「ゾル比重」は一定容量の非微細泡飲料の質量に対する一定容量の微細泡飲料の質量の比率をいい、「分離速度」は微細泡飲料を分離速度評価用ガラス(容量300mL、φ52mm、高さ140mm)に注いだときの、容器満注時から100秒後の容器底から微細な泡の最も低い位置までの垂直距離(mm)(垂直距離A)から容器満注時の容器底から微細な泡の最も低い位置までの垂直距離(mm)を引いた値を100秒で除した値をいう)であって、前記垂直距離Aが90mm以下である、微細泡飲料。
  2. 飲料のほぼ全体が微細な泡から構成される、請求項1に記載の微細泡飲料。
  3. 飲料が清涼飲料である、請求項1または2に記載の微細泡飲料。
  4. 飲料液を6000~50000rpm、30秒~60分の条件で混合する工程を含んでなる、微細泡飲料の製造方法であって、製造された飲料のゾル比重が0.85以下であり、分離速度が0.7mm/秒以下であり、かつ、液粘度が2.5mPa・s以下であり(ここで、ゾル比重および分離速度は請求項1で定義された内容と同義である)、かつ、製造された飲料の垂直距離A(ここで、垂直距離Aは請求項1で定義された内容と同義である)が90mm以下である方法。
  5. 窒素を含有する気体の存在下で混合を行う、請求項4に記載の製造方法。
  6. 製造された飲料が、飲料のほぼ全体が微細な泡から構成されるものである、請求項4または5に記載の製造方法。
  7. 飲料が清涼飲料である、請求項4~6のいずれか一項に記載の製造方法。
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