JP7003294B2 - 電動機およびそれを搭載した空気調和機 - Google Patents

電動機およびそれを搭載した空気調和機 Download PDF

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Description

本発明は、回転子を備えた電動機およびそれを搭載した空気調和機に関する。
従来、電動機の駆動にインバータを用いた電動機が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、インバータのスイッチング素子にプレーナMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を用いた電動機が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2では、スイッチング素子の損失を低減するために、プレーナMOSFETの代わりにスーパージャンクションMOSFETを用いることが提案されている。
特開2010-17044号公報 特開2014-87199号公報
インバータのスイッチング素子として、プレーナMOSFETの代わりにスーパージャンクションMOSFETを用いることで、スイッチの定常損失は低減する。しかし、スーパージャンクションMOSFETは、プレーナMOSFETに比べてスイッチング損失が大きいため、回路全体の電力損失が大きくなってしまうおそれがある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、スーパージャンクションMOSFETを用いた回路全体の電力損失を抑制した電動機およびそれを搭載した空気調和機を提供するものである。
本発明に係る電動機は、回転軸が挿入された回転子と、前記回転子の外周に設けられ、3相の巻線を備えた固定子と、前記3相に対応する3組の上アームスイッチおよび下アームスイッチと、前記3組の上アームスイッチおよび下アームスイッチの各スイッチに並列接続された還流ダイオードとを含むインバータと、一定のキャリア周波数で前記3組の上アームスイッチおよび下アームスイッチを非相補スイッチングでパルス幅変調を行うコントローラと、を有し、前記3組の上アームスイッチおよび下アームスイッチの各スイッチはスーパージャンクション電界効果トランジスタであり、前記コントローラは、前記上アームスイッチおよび前記下アームスイッチが相補スイッチングで動作する場合における前記上アームスイッチのオン時間よりも長いオン時間のデューティ比で前記パルス幅変調を行うものである。
本発明に係る空気調和機は、負荷側送風機を含む室内機と、熱源側送風機を含む室外機と、前記負荷側送風機および前記熱源側送風機のうち、少なくとも一方の駆動源として設けられた上記の電動機と、を有するものである。
本発明によれば、上アームスイッチおよび下アームスイッチに非相補スイッチングを行うことでスイッチング損失の発生を抑えるとともに、上アームスイッチを高デューティ比でパルス幅変調することで、還流ダイオードに電流が流れる時間が短くなる。そのため、回路全体の電力損失を抑制できる。
本発明の実施の形態1に係る電動機の一構成例を示す外観図である。 図1に示す内蔵基板の一構成例を示す外観図である。 図1に示した内蔵基板の別の構成例を示す外観図である。 図2に示したコントローラおよびパワーICの一構成例を示すブロック図である。 図4に示した上アームスイッチおよび下アームスイッチに用いられるパワーMOSFETの一構成例を示す図である。 比較例のMOSFETの構成例を示す図である。 図1に示した磁気センサがホールICである場合の一例を示すブロック図である。 比較例のPWM制御として、各相の上アームスイッチおよび下アームスイッチに対して相補スイッチングを行う場合を示すタイミングチャートである。 図8に示す2本の破線で挟まれた範囲における、U相およびV相の上アームスイッチおよび下アームスイッチの動作手順を示す図である。 図8に示す2本の破線で挟まれた範囲における、U相およびV相の上アームスイッチおよび下アームスイッチの動作手順を示す図である。 図8に示す2本の破線で挟まれた範囲における、U相およびV相の上アームスイッチおよび下アームスイッチの動作手順を示す図である。 図9~図11におけるU相の上アームスイッチおよび下アームスイッチの動作を示す拡大図である。 図4に示したコントローラが各相の上アームスイッチおよび下アームスイッチに対して非相補スイッチングを行う場合を示すタイミングチャートである。 図13に示す2本の破線で挟まれた範囲における、U相およびV相の上アームスイッチおよび下アームスイッチの動作手順を示す図である。 図13に示す2本の破線で挟まれた範囲における、U相およびV相の上アームスイッチおよび下アームスイッチの動作手順を示す図である。 図14および図15におけるU相の上アームスイッチおよび下アームスイッチの動作を示す拡大図である。 比較例のPWM制御におけるデューティ比と本実施の形態1のPWM制御におけるデューティ比とを比較するための図である。 本発明の実施の形態2に係る空気調和機の一構成例を示す外観図である。 図18に示した空気調和機の一構成例を示す冷媒回路図である。 図18に示した室内機の一構成例を示す側面透視図である。 比較例の室内機の一構成例を示す側面透視図である。
実施の形態1.
本実施の形態1の電動機の構成を説明する。本実施の形態1では、電動機がブラシレスDCモータの場合である。図1は、本発明の実施の形態1に係る電動機の一構成例を示す外観図である。図1では、電動機の構成の説明のために、一部を断面構造で示している。図1は、ラジアルギャップ形ブラシレスDCモータを示しているが、本実施の形態1の電動機はラジアルギャップ形に限らない。図2は、図1に示す内蔵基板の一構成例を示す外観図である。
図1に示すように、電動機1は、回転軸31が挿入された回転子30と、回転子30の外周に設けられた固定子20と、回転子30の駆動を制御する回路が搭載された内蔵基板11とを有する。固定子20および内蔵基板11は、モールド固定子10で一体に成型されている。モールド固定子10は凹部が形成されたモールド樹脂12を有し、凹部に回転子30が収納されている。
回転軸31の一端には、回転する回転軸31を支持する出力側軸受33が設けられている。回転軸31の他端には、回転する回転軸31を支持する反出力側軸受34が設けられている。反出力側軸受34は、導電性のブラケット60で覆われている。反出力側軸受34の外輪がブラケット60の内側に嵌め込まれている。ブラケット60がモールド固定子10の凹部の開口部を塞ぐように、ブラケット60の圧入部61がモールド固定子10の内周部に嵌め込まれている。
固定子20は、回転軸31を中心に放射状に配置された複数の固定子鉄心21と、複数の固定子鉄心21と一体成型されたインシュレータ23とを有する。各固定子鉄心21は、複数の電磁鋼板が積層された構成である。各固定子鉄心21には、磁束を発生させる巻線22が巻きつけられている。巻線22は、銅およびアルミなどの導電性線材で構成される。インシュレータ23は、固定子鉄心21と巻線22とを絶縁する役目を果たす。
図1に示すように、内蔵基板11は、出力側軸受33と固定子20との間に配置され、インシュレータ23に固定されている。図2に示すように、内蔵基板11の形状は、中心に貫通穴35が形成された円板である。回転軸31は、貫通穴35を貫通して配置される。内蔵基板11は、円板に平行な面が回転軸31の軸線方向(Z軸矢印方向)に対して垂直になるように電動機1の内部に配置されている。図2に示すように、内蔵基板11は、巻線22に電力を供給するパワーIC(Integrated Circuit)80と、パワーIC80を制御するコントローラ70と、回転子30の磁極位置を検出する磁気センサ50とを有する。図2に示す構成例では、3つの磁気センサ50が内蔵基板11に設けられている。磁気センサ50は、例えば、ホールICである。
図1に示すように、回転子30は、回転軸31と、回転軸31に固定されたロータマグネット40とを有する。ロータマグネット40は、円柱状の永久磁石で構成される。モールド固定子10の内側に配置された複数の固定子鉄心21と対向して配置されている。ロータマグネット40は、例えば、フェライト磁石または希土類磁石を熱可塑性の樹脂材料と混合して作製されるボンド磁石を射出成形することで作製される。ロータマグネット40の射出成形用の金型には磁石が組み込まれており、ロータマグネット40の成形は、配向をかけながら行われる。
図1に示す構成において、ロータマグネット40は、回転軸31の軸線方向に、磁気センサ50に近い部分であるセンサマグネット部と、センサマグネット部以外の部分であるメインマグネット部とを有する。センサマグネット部は磁気センサ50に回転子30の位置を検知させる役目を果たす。メインマグネット部は巻線22が発生する磁束にしたがって回転子30に回転力を生じさせる役目を果たす。ロータマグネット40を、回転軸31を中心軸とする円柱と考えると、センサマグネット部の直径はメインマグネット部の直径よりも小さい。この構成により、センサマグネット部の磁極から磁束が磁気センサ50に流入しやすくなる。図1に示す構成例では、ロータマグネット40に設けられた段差によって、センサマグネット部とメインマグネット部とを区別できる。
磁気センサ50は、固定子20の巻線22が発生する磁束の影響を極力受けないようにするために、内蔵基板11において、図1に示した巻線22から離れた位置に配置される。つまり、3つの磁気センサ50は、図2に示す内蔵基板11において、図1に示した回転軸31に近い位置に配置されている。
内蔵基板11のパワーIC80と巻線22とは、図に示さない巻線端子を介して配線で接続される。内蔵基板11には、電動機1が搭載される上位装置と接続されるリード線13を電動機1の内部に取り込むためのリード口出し部14が設けられている。電動機1が搭載される上位装置とは、例えば、空気調和機である。上位装置が空気調和機である場合、空気調和機の制御装置とリード線13を介してコントローラ70と電気的に接続される。
内蔵基板11のステータ面には、コントローラ70と、磁気センサ50と、図に示さない抵抗およびコンデンサ等の受動部品とが配置される。パワーIC80がリードタイプである場合、パワーIC80のみ反ステータ面に配置される。この場合、内蔵基板11の製造工程において、電子部品の端子を内蔵基板11のプリント配線にハンダで接合する際、片面フロー工程でパワーIC80を内蔵基板11に実装できる。パワーIC80が面実装タイプである場合、パワーIC80もステータ面に配置される。この場合、電子部品の端子を内蔵基板11のプリント配線にハンダで接合する際、片面リフロー工程でパワーIC80を内蔵基板11に実装できる。
なお、図2は、コントローラ70およびパワーIC80が別々のICで構成される場合を示しているが、コントローラ70およびパワーIC80が1つのICで構成されていてもよい。図3は、図1に示した内蔵基板の別の構成例を示す外観図である。図3に示す内蔵基板11aは、内蔵基板11を円板としたとき、図2に示した内蔵基板11において、中心角が約90度の部分に相当する。内蔵基板11aの切り欠き部36は、貫通穴35の円周の一部に相当する。モジュール79は、コントローラ70およびパワーIC80のそれぞれの機能を実行する電子回路を備えている。
図3に示す内蔵基板11aでは、図2に示した構成に比べて、基板に実装される電子部品が少なくなるため、電子部品の実装面積が低減する。その結果、内蔵基板11aの基板面積を小さくすることができる。図3に示す内蔵基板11aのように、基板への電子部品のレイアウトを工夫し、貫通穴35の形状の一部も有効に用いることで、基板面積の縮小化を図れる。
また、ロータマグネット40について、図1を参照して、メインマグネット部およびセンサマグネット部が1つのマグネットに構成される場合を説明したが、メインマグネット部とセンサマグネット部とが別々のマグネットで構成されてもよい。
次に、図2に示したコントローラ70およびパワーIC80の構成を説明する。図4は、図2に示したコントローラおよびパワーICの一構成例を示すブロック図である。パワーIC80は、インバータ81と、ゲート駆動回路82と、保護回路83とを有する。コントローラ70およびパワーIC80と接地(アース)との間には、過電流検出抵抗71が接続されている。
インバータ81は、入力される直流電圧Eを、U相、V相およびW相からなる3相の交流電圧に変換する。インバータ81は、U相の上アームスイッチ84tおよび下アームスイッチ94tと、V相の上アームスイッチ85tおよび下アームスイッチ95tと、W相の上アームスイッチ86tおよび下アームスイッチ96tとを有する。上アームスイッチ84tに還流ダイオード84dが並列に接続されている。下アームスイッチ94tに還流ダイオード94dが並列に接続されている。上アームスイッチ85tに還流ダイオード85dが並列に接続されている。下アームスイッチ95tに還流ダイオード95dが並列に接続されている。上アームスイッチ86tに還流ダイオード86dが並列に接続されている。下アームスイッチ96tに還流ダイオード96dが並列に接続されている。
図1に示した電動機1は、巻線22として、図4に示すように、U相巻線22u、V相巻線22vおよびW相巻線22wを有する。U相巻線22uは上アームスイッチ84tと下アームスイッチ94tとの間に接続されている。V相巻線22vは上アームスイッチ85tと下アームスイッチ95tとの間に接続されている。W相巻線22wは上アームスイッチ86tと下アームスイッチ96tとの間に接続されている。
ゲート駆動回路82は、コントローラ70から受信するスイッチング信号にしたがって上アームスイッチ84t~86tおよび下アームスイッチ94t~96tのオンおよびオフを制御する。具体的には、ゲート駆動回路82は、スイッチをオン状態にするとき、閾値電圧よりも高い電圧Highをゲート電極に印加し、スイッチをオフ状態にするとき、閾値電圧よりも低い電圧Lowをゲート電極に印加する。保護回路83は、インバータ81およびゲート駆動回路82を保護する役目を果たす。例えば、保護回路83は、接地側から高い電流がゲート駆動回路82に逆流することを防止する。また、インバータ81およびゲート駆動回路82が高温になったとき、保護回路83は、インバータ81のすべてのトランジスタをオフして高温による素子破壊を抑制する。
コントローラ70は、例えば、マイクロコンピュータである。コントローラ70は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の専用ICであってもよい。コントローラ70は、プログラムを記憶するメモリと、プログラムにしたがって処理を実行するCPU(Central Processing Unit)とを有する構成であってもよい。
コントローラ70は、電動機1を搭載する上位装置から受信する速度指令信号にしたがって、一定のキャリア周波数で上アームスイッチ84t~86tおよび下アームスイッチ94t~96tの各スイッチのオンおよびオフを制御するスイッチング信号を生成する。コントローラ70は、ゲート駆動回路82にスイッチング信号を出力することで、上アームスイッチ84t~86tおよび下アームスイッチ94t~96tに対してパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)制御を行う。コントローラ70は、磁気センサ50から入力される磁極位置信号を基に回転子30の磁極位置を推測し、推測する磁気位置から回転子30の回転数を算出する。コントローラ70は、算出した回転数を示す回転数信号を上位装置に出力する。
コントローラ70は、過電流検出抵抗71の両端の電圧が一定電圧以上になったとき、上アームスイッチ84t~86tおよび下アームスイッチ94t~96tを強制的にオフ状態する。これにより、巻線22に過電流が流れることが防止される。過電流検出抵抗71の両端の電圧が一定電圧以上になることが、過電流検出抵抗71からコントローラ70に入力される過電流検出信号に相当する。また、図に示さない感温素子が、例えば、内蔵基板11に設けられていてもよい。この場合、コントローラ70は、異常高温であることを示す信号を感温素子から受信すると、上アームスイッチ84t~86tおよび下アームスイッチ94t~96tを強制的にオフ状態にする。このようにして、巻線22に過電流が流れることを防止してもよい。
次に、図4に示した上アームスイッチ84t~86tおよび下アームスイッチ94t~96tについて説明する。上アームスイッチ84t~86tおよび下アームスイッチ94t~96tは、例えば、パワーMOSFETである。本実施の形態1では、これらのスイッチに用いられるパワーMOSFETは、スーパージャンクションMOSFETである。以下では、スーパージャンクションMOSFETをSJ-MOSFETと表記する。
図5は、図4に示した上アームスイッチおよび下アームスイッチに用いられるパワーMOSFETの一構成例を示す図である。SJ-MOSFET120は、ゲート電極121、ドレイン電極122およびソース電極123を有する。SJ-MOSFET120は、酸化膜127、n+拡散層126およびp拡散層124がn-半導体基板125に形成された構成である。n-半導体基板125は、N型導電性不純物が低濃度に拡散された半導体基板である。n+拡散層126はN型導電性不純物が高濃度に拡散された領域である。p拡散層124はP型導電性不純物が拡散された領域である。p拡散層124の底面は、ドレイン電極122のn+拡散層126に近い深さの位置まで伸びている。
図6は、比較例のMOSFETの構成例を示す図である。図6に示すように、プレーナMOSFET130は、ゲート電極121、ドレイン電極122およびソース電極123を有する。プレーナMOSFET130は、酸化膜127、n+拡散層126およびp拡散層131がn-半導体基板125に形成された構成である。p拡散層131はP型導電性不純物が拡散された領域である。p拡散層131の底面は、n+拡散層126の底面よりも深い位置にあるが、n-半導体基板125の上面に近い位置にある。
図5に示すSJ-MOSFET120と図6に示すプレーナMOSFET130とを比べると、p拡散層124の底面は、p拡散層131の底面に比べて、ドレイン電極122のn+拡散層126により近い位置まで伸びている。図5に示す構成により、SJ-MOSFET120は、プレーナMOSFET130よりもオン抵抗が小さくなる。そのため、SJ-MOSFET120は、プレーナMOSFET130よりも、スイッチの定常損失Pi[J]が小さくなる。その結果、電動機1の電力の高効率化を図ることができる。
ただし、SJ-MOSFET120は、n-半導体基板125に対するp拡散層124の接合部であるPN接合部の面積が大きいので、スイッチング損失Plsw[J]が大きくなる傾向がある。そのため、キャリア周波数が高いなど、スイッチングの頻度が高い場合、SJ-MOSFET120の損失(定常損失+スイッチング損失)の改善効果が期待できないおそれがある。本実施の形態1の電動機1では、後述する制御を行うことで、スイッチング損失Plswの改善を図っている。
なお、図4に示した、6個のスイッチ、ゲート駆動回路82、および6個の還流ダイオード等の電子部品は、1つの半導体チップに形成されていてもよく、別々の部品で構成されてもよい。
また、本実施の形態1では、コントローラ70が、磁気センサ50が検出する磁極位置信号にしたがって電動機1の回転を制御する場合で説明するが、磁気センサ50を用いた制御に限らない。コントローラ70は、巻線22に流れる電流、巻線22に印加する電圧および巻線22に発生する電圧に基づいてロータマグネット40の磁極位置を推測して電動機1の回転を制御するセンサレス制御を行ってもよい。
また、本実施の形態1では、コントローラ70を含む電子部品を電動機1の内部に設けられる内蔵基板11に搭載する場合で説明したが、このような構成に限らない。例えば、磁気センサ50と抵抗およびコンデンサ等の受動部品を内蔵基板11に実装し、コントローラ70およびパワーIC80をモールド固定子10の外に配置してもよい。
また、磁気センサ50は、出力信号がデジタル信号のホールICであってもよく、出力信号がアナログ信号であるホール素子であってもよい。図7は、図1に示した磁気センサがホールICである場合の一例を示すブロック図である。
図7に示すように、磁気センサ50は、センサ部51および増幅部52を有する。増幅部52は、増幅器53、トランジスタ54および抵抗素子55を有する。トランジスタ54のコレクタ電極と抵抗素子55との間に出力端子56が接続されている。センサ部51は、基準電圧v0と、検出する磁極に対応した検知電圧vrとを増幅器53に出力する。増幅器53は、センサ部51から入力される基準電圧v0と検知電圧vrとの電圧差vsを増幅してトランジスタ54のベース電極に出力する。抵抗素子55は、一定の電圧をトランジスタ54のコレクタ電極に印加する。増幅された電圧差vsがトランジスタ54のベース電極に入力されることで、磁気位置信号が出力端子56から出力される。
図7に示す磁気センサ50において、センサ部51と増幅部52とが別々の半導体チップで構成される場合について説明する。センサ部51はシリコン以外の半導体である非シリコン半導体に形成され、増幅部52はシリコン半導体に形成される。このような磁気センサ50を非シリコン型ホールICと称する。非シリコン型ホールICは、2つの半導体チップを有する構成なので、センサ中心位置がICボディの中心とは異なった位置に配置される。非シリコン型ホールICのセンサ部51の基体には、アンチモン化インジウム(InSb)などの非シリコン半導体が用いられる。このような非シリコン半導体は、シリコン半導体と比べ、感度が良く、応力歪みによるオフセットが小さいなどの長所がある。ここでは、磁気センサ50が非シリコン型ホールICの場合で説明したが、センサ部51および増幅部52がシリコン半導体に形成され、センサ部51および増幅部52が1つの半導体チップで構成されてもよい。
次に、本実施の形態1の電動機1の動作を説明する。はじめに、回転子30の磁気位置に基づく、回転子30の回転制御について説明する。磁気センサ50は磁極位置信号をコントローラ70に出力する。コントローラ70は、磁気センサ50から入力される磁極位置信号を基に回転子30の磁極位置を推測する。コントローラ70は、推測した磁極位置と図に示さない上位装置から受信する速度指令信号とに対応して、スイッチング信号を生成する。コントローラ70は、生成したスイッチング信号をパワーIC80に出力する。ゲート駆動回路82は、コントローラ70から受信するスイッチング信号にしたがって上アームスイッチ84t~86tおよび下アームスイッチ94t~96tのオンおよびオフを制御する。このようにして、コントローラ70が回転子30のロータマグネット40の磁極位置に応じて、インバータ81内の6つのパワーMOSFETを適切なタイミングでスイッチングすることで、回転子30が駆動力を得て回転する。
次に、図4に示したコントローラ70がインバータ81に対して行うPWM制御について説明する。コントローラ70は、PWM制御のデューティ比Drを変えることで、速度指令信号に対応するスイッチングを行う。デューティ比Drは、キャリア周波数の周期Tに対するオン時間の割合である通電率を意味する。巻線22に印加される電圧であるモータ電圧をVmとすると、デューティ比Drが大きいほど、モータ電圧Vmが大きくなる。
ここで、本実施の形態1のコントローラ70が実行するPWM制御をわかり易く説明するために、比較例のPWM制御について説明する。PWM制御は、120度通電方式で、キャリア周波数が可聴周波数以上の場合であるものとする。可聴周波数とは、例えば、16kHzの周波数である。
図8は、比較例のPWM制御として、各相の上アームスイッチおよび下アームスイッチに対して相補スイッチングを行う場合を示すタイミングチャートである。図8の縦軸は各スイッチのゲート電極のオンおよびオフを示し、図8の横軸は電気角である。図8に示す区間Int1は、デューティ比Dr0のPWM制御にしたがってスイッチングする部分である。図8に示す区間Int2は、区間Int1のPWM制御の反転信号でスイッチングする部分である。
次に、図8に示す2本の破線で挟まれた範囲における、一部のスイッチのオンおよびオフのタイミングと巻線およびスイッチに流れる電流との関係について説明する。説明をわかり易くするため、U相巻線22uからV相巻線22vに電流を流す場合を説明する。
図9~図11は、図8に示す2本の破線で挟まれた範囲における、U相およびV相の上アームスイッチおよび下アームスイッチの動作手順を示す図である。図12は、図9~図11におけるU相の上アームスイッチおよび下アームスイッチの動作を示す拡大図である。
図9に示すように、U相の上アームスイッチ84tがオン状態になり、V相の下アームスイッチ95tがオン状態になる。これにより、インバータ81からU相巻線22uを介してV相巻線22vに電流が流れる。
図10に示すように、スイッチング信号に対応するデューティ比Dr0にしたがって、デッドタイムtdの間に、U相の上アームスイッチ84tがオン状態からオフ状態に切り替わる。このとき、巻線22のインダクタ成分により電流が流れ続けようとするため、U相の下アームスイッチ94tの還流ダイオード94dに電流が流れる。デッドタイムtdは、上アームスイッチ84tと下アームスイッチ94tとが短絡することを防止するための時間である。また、キャリア周波数の周期Tにおいて、上アームスイッチ84tのオフ時間をtoffとする。
デッドタイムtdが経過した後、図11に示すように、U相の下アームスイッチ94tがオン状態になる。図12に示すように、上アームスイッチ84tがオン状態からオフ状態に切り替わってからデッドタイムtdが経過した後、下アームスイッチ94tがオン状態になる。これにより、U相の還流ダイオード94dに流れていた電流が下アームスイッチ94tに流れる。下アームスイッチ94tがオン状態で電流が流れることに起因するスイッチ定常損失をPi[J]とする。スイッチ定常損失Piは、スイッチ定常損失電力をwi[W]とすると、Pi=wi×(toff-td)[J]で表される。
また、還流ダイオード94dに電流が流れることに起因する定常損失をPd[J]とする。還流ダイオードの定常損失電力をwd[W]とすると、還流ダイオード94dの定常損失Pdは、Pd=wd×(toff-td)[J]で表される。下アームスイッチ94tはSJ-MOSFET120なので、還流ダイオード94dの定常損失Pdよりも下アームスイッチ94tのスイッチ定常損失Piが小さい。そのため、回路全体の電力損失を低く抑えることができる。
一方、図11に示す動作の際、スイッチング損失Plswが発生する。スイッチング損失Plswは、Δtをスイッチング時間とすると、電圧E×電流I×Δtに比例する値である。電流Iはスイッチングするスイッチに流れる電流である。SJ-MOSFET120はプレーナMOSFET130に比べてスイッチング損失が大きいため、電力損失が大きくなるおそれがある。図9~図11に示す動作がキャリア周波数の周期T毎に行われる。
次に、本実施の形態1のコントローラ70が実行するPWM制御について説明する。PWM制御は、120度通電方式で、キャリア周波数が可聴周波数以上であるものとする。図13は、図4に示したコントローラが各相の上アームスイッチおよび下アームスイッチに対して非相補スイッチングを行う場合を示すタイミングチャートである。図13の縦軸は各スイッチのゲート電極のオンおよびオフを示し、図13の横軸は電気角である。図13に示す区間Int1は、デューティ比Dr1のPWM制御にしたがってスイッチングする部分である。
次に、図13に示す2本の破線で挟まれた範囲における、一部のスイッチのオンおよびオフのタイミングと巻線およびスイッチに流れる電流との関係について説明する。説明をわかり易くするため、U相巻線22uからV相巻線22vに電流を流す場合を説明する。
図14および図15は、図13に示す2本の破線で挟まれた範囲における、U相およびV相の上アームスイッチおよび下アームスイッチの動作手順を示す図である。図16は、図14および図15におけるU相の上アームスイッチおよび下アームスイッチの動作を示す拡大図である。
図14に示すように、コントローラ70は、U相上アームスイッチをオン状態にし、V相下アームスイッチをオン状態にする。これにより、インバータ81からU相巻線22uを経由してV相巻線22vに電流が流れる。
図15に示すように、コントローラ70は、デューティ比Dr1にしたがって、U相の上アームスイッチ84tをオン状態からオフ状態に切り替える。デューティ比Dr1は、後で詳しく説明する。本実施の形態1では、図16に示すように、コントローラ70は、下アームスイッチ94tをオン状態にしない。図15に示す動作では、巻線22のインダクタ成分により電流が流れ続けようとするため、U相の下アームスイッチ94tの還流ダイオード94dに電流が流れる。このときに発生する損失は、還流ダイオード94dの定常損失Pdである。図14および図15に示す動作がキャリア周波数の周期T毎に行われる。
図14および図15に示す制御では、コントローラ70は、U相の下アームスイッチ94tをスイッチングしないため、スイッチング損失Plswが発生しない。各スイッチがスイッチング損失の大きいSJ-MOSFET120である場合、本実施の形態1の制御の方が比較例のPWM制御に比べて、回路全体の電力損失が小さくなる。
図17は、比較例のPWM制御におけるデューティ比と本実施の形態1のPWM制御におけるデューティ比とを比較するための図である。比較例の相補スイッチングの上アームスイッチ84tのオン時間をton0とし、本実施の形態1の非相補スイッチングの上アームスイッチ84tのオン時間をton1とする。デューティ比Dr0は、Dr0=(ton0/T)で表される。デューティ比Dr1は、Dr1=(ton1/T)で表される。図17から、Dr0<Dr1の関係になることがわかる。
図17において、比較例のU相の上アームスイッチ84tは、オン時間ton0に、V相の還流ダイオード95dに電流が流れるため、定常損失は低減する。しかし、上アームスイッチ84tがオフ状態からオン状態に切り替わる際に、スイッチング損失Plswが発生する。これに対して、本実施の形態1のU相の上アームスイッチ84tは、オン時間ton1がオン時間ton0よりも長く、スイッチの切り替えがない。そのため、スイッチング損失Plswが発生しない。また、本実施の形態1のU相の上アームスイッチ84tは、オン時間ton1が長くなる分、オフ時間が短くなるため、還流ダイオード94dに電流が流れる時間が短くなる。そのため、電力損失が抑制される。
図9~図11を参照して説明した比較例のPWM制御では、キャリア周波数の周期Tにおける電力損失はPlsw+Piとなる。一方、図13および図14を参照して説明したPWM制御では、キャリア周波数の周期Tにおける電力損失はPdとなる。これらの内容から、Plsw+Pi>Pdの条件を満たさなければ、各スイッチにSJ-MOSFET120を適用することによる電力損失低減の効果が得られない。そこで、本実施の形態1では、コントローラ70は、Plsw+Pi>Pdの条件を満たすデューティ比Dr1でPWM制御を行う。還流ダイオードの定常損失Pdとスイッチ定常損失Piとの損失差をPdiとすると、損失差Pdiは、Pdi=Pd-Piで算出される。つまり、コントローラ70は、Plsw>Pdiの条件を満たすデューティ比Dr1でPWM制御を行う。
スイッチの定常損失Piは(オン抵抗×電流)に比例し、還流ダイオードの定常損失Pdは(順方向電圧×電流)に比例するが、上述したように、スイッチの定常損失Piが還流ダイオードの定常損失Pdよりも小さい。そのため、相補スイッチングの場合、上アームスイッチのオン時間とオフ時間では損失差が大きい。特に、SJ-MOSFET120はオン抵抗が小さいため、相補スイッチングで上アームスイッチのオン状態とオフ状態の損失差は顕著となる。そのため、スイッチがSJ-MOSFET120の場合、上アームスイッチおよび下アームスイッチを相補スイッチングで制御するよりも、上アームスイッチを高デューティ比で非相補スイッチングした方が、電動機の出力が同じでも、電力損失が抑制される。その結果、電力効率が向上する。
回転子30の回転によって巻線22に生じる誘起電圧の係数である誘起電圧定数をKeとし、回転数をNとし、巻線抵抗により発生する電圧をVrとし、巻線インダクタンスにより発生する電圧をVlとすると、モータ電圧Vmは、次の式(1)で表される。
Vm=Ke×N+Vr+Vl ・・・(1)
モータ電圧Vmは、(電圧E×デューティ比Dr)に比例する値なので、デューティ比Drに比例する。式(1)から、デューティ比Drを大きくするためのパラメータがいくつか考えられる。右辺第1項の誘起電圧定数Keがデューティ比Drに影響を与えるパラメータの1つである。電動機1の誘起電圧定数Keが大きいほど、デューティ比Drが大きくなり、回路全体の電力損失を低減できる。
また、誘起電圧定数Keは巻線22のターン数に比例する。そのため、巻線22のターン数を増やすことで、電力効率が向上する。また、誘起電圧定数Keは、回転子30のメインマグネット部の磁力に比例する。そのため、メインマグネット部の磁力を上げることで、電力効率が向上する。巻線22のターン数を多くすることで、誘起電圧定数Keが大きくなる。その結果、モータ電圧Vmが大きくなり、デューティ比Drも大きくなる。
特に、巻線22のターン数を増加する分、巻線の線径を細くすることにより、同じ巻線重量で、より電力効率の向上を図ることができる。巻線重量が同じであれば、材料単価の高い巻線にかかる費用は変わらないので、電動機1の製造コストが高くなることを抑制できる。
なお、本実施の形態1では、キャリア周波数が可聴周波数以上の場合で説明したが、可聴周波数未満であってもよい。電動機1が空気調和機のファンモータである場合、ファンモータおよびファンは風路に設置されているため、モータの駆動によって発生する音の対策が困難である。そのため、キャリア周波数は可聴周波数以上であることが望ましい。ただし、電動機1が圧縮機に用いられる場合など、電動機1を防音材などで覆うことができる場合、キャリア周波数を可聴周波数より小さい値にしてもよい。この場合、スイッチング損失Plswを低減することができる。
本実施の形態1の電動機1は、回転子30と、固定子20と、3組の上アームスイッチおよび下アームスイッチと、一定のキャリア周波数で3組の上アームスイッチおよび下アームスイッチを非相補スイッチングでパルス幅変調を行うコントローラ70とを有する。3組の上アームスイッチおよび下アームスイッチはSJ-MOSFETである。コントローラ70は、上アームスイッチおよび下アームスイッチが相補スイッチングで動作する場合における、上アームスイッチのオン時間よりも長いオン時間のデューティ比でパルス幅変調を行う。
本実施の形態1では、コントローラ70がインバータ81の上アームスイッチおよび下アームスイッチを非相補スイッチングで動作させるため、下アームスイッチのスイッチング動作に起因するスイッチング損失Plswが発生しない。また、コントローラ70は、相補スイッチングの場合に比べて上アームスイッチのオン時間を長くした高デューティ比Dr1でパルス幅変調を行うことで、スイッチ定常損失Piよりも損失が大きい還流ダイオードに電流の流れる時間が短くなる。そのため、上アームスイッチおよび下アームスイッチにSJ-MOSFET120を用いても、インバータ81を含む回路全体の電力損失を抑制できる。
本実施の形態1において、コントローラ70は、Plsw>Pdiの条件を満たすデューティ比Dr1でPWM制御を行ってもよい。この場合、回路全体の電力損失が低減し、電力効率が向上する。
実施の形態2.
本実施の形態2は、実施の形態1で説明した電動機を搭載する空気調和機である。本実施の形態2では、実施の形態1で説明した構成については同一の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本発明の実施の形態2に係る空気調和機の構成を説明する。図18は、本発明の実施の形態2に係る空気調和機の一構成例を示す外観図である。空気調和機200は、室内機210と、室内機210と冷媒配管251で接続される室外機220とを有する。室外機220は、熱源側送風機223を有する。
図19は、図18に示した空気調和機の一構成例を示す冷媒回路図である。室外機220は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機221と、冷媒の流通方向を切り替える四方弁226と、冷媒を外気と熱交換させる熱源側熱交換器222と、外気を熱源側熱交換器222に供給する熱源側送風機223とを有する。熱源側送風機223には、ファンの駆動源として電動機224が接続されている。
室内機210は、高圧の冷媒を減圧して膨張させる絞り装置211と、冷媒を空調対象空間の空気と熱交換させる負荷側熱交換器212と、空調対象空間の空気を負荷側熱交換器212に供給する負荷側送風機213とを有する。負荷側送風機213には、ファンの駆動源として電動機214が接続されている。電動機214および224には、実施の形態1で説明した電動機1が用いられている。
圧縮機221、熱源側熱交換器222、絞り装置211および負荷側熱交換器212が冷媒配管251で接続され、冷媒が循環する冷媒回路250が構成される。図19に示す構成例では、室内機210が空気調和機200の冷凍サイクルを制御する制御装置215を有しているが、制御装置215は室外機220に設けられていてもよい。制御装置215は、図1に示したリード線13で内蔵基板11と接続されている。
図20は、図18に示した室内機の一構成例を示す側面透視図である。図21は、比較例の室内機の一構成例を示す側面透視図である。図20および図21では、説明のために、室内機の主要構成を示し、他の構成を図に示すことを省略している。
図20では、室内機210が壁300に取り付けられた場合を示す。負荷側送風機213が回転することで、空調対象空間である室内の空気が室内機210に吸い込まれ、負荷側熱交換器212において冷媒と熱交換を行った後、吹き出し口230から室内に吹き出される。
図21に示すように、比較例の室内機310は壁300に取り付けられている。室内機310は、負荷側熱交換器312と、負荷側送風機313とを有する。負荷側送風機313が回転することで、室内の空気が室内機310に吸い込まれ、負荷側熱交換器312において冷媒と熱交換を行った後、吹き出し口330から室内に吹き出される。
図20および図21に示すように、本実施の形態2の空気調和機200の室内機210は、比較例の室内機310と比べて、筐体およびファンの直径が大きい。そのため、負荷側送風機213は、低い回転数で、より多くの風量の空気を吹き出すことができる。その結果、負荷側送風機213は、比較例の室内機310の負荷側送風機313と比べて、最大回転数が低くなる。
実施の形態1で説明した式(1)を参照すると、右辺第1項に回転数Nが含まれるため、誘起電圧定数Keが大きくなると最大回転数が低くなってしまう。これに対して、本実施の形態2のように、最大回転数が低い負荷側送風機213であれば、このデメリットの影響は小さい。室内機210の筐体およびファンの直径を大きくすることで、空気調和機200全体として、電力効率の向上を図ることができる。また、負荷側送風機213が回転することで、2以上の物が擦れ合う摺動部があっても、送風機の回転数が低い方が摺動部で発生する騒音が小さくなる。その結果、風量の大きさに比例して発生する騒音が小さくなるというメリットもある。
また、空気調和機は、一般的には、最大回転数とは別に定格運転の回転数が設定されている。定格運転は、暖房運転、冷房運転および除湿運転の各運転モードで回転数が異なる場合がある。例えば、暖房運転、冷房運転および除湿運転の運転モード毎に異なる回転数が設定される。温度は空気密度に比例するため、送風機の回転数が同じでも、送風機の回転数に対するトルクが異なることがある。このような場合、必要なトルクに対応して、送風機の電動機のインバータを異なるデューティ比Drで制御する必要がある。特に室外機の場合、暖房運転時の外気温度と冷房運転時の外気温度とは温度差が大きいため、必要なトルクの差は顕著である。定格運転の効率は、市場で空気調和機が使われているときの電力効率に影響し、その結果、電気代にも大きく影響する。
近年、空気調和機は、ファンの直径を大きくして空力効率を向上させているため、送風機は、低回転、かつ高トルクの運転になる傾向がある。本実施の形態2では、実施の形態1で説明した電動機1を送風機モータに適用することで、ファンの負荷を軽減し、電力消費効率を向上させた空気調和機を実現できる。
また、送風機モータのように、キャリア周波数が高く、かつ巻線に流れる電流が小さいモータのインバータのスイッチング素子にSJ-MOSFETを用いると、スイッチング損失が大きくなり、回路全体の電力損失の低減を図れない。これに対して、本実施の形態2では、電動機1をファンモータの駆動源に用いても、上述したように、プレーナMOSFETに比べて、回路全体の電力損失を低減できる。
なお、本実施の形態2では、電動機1が空気調和機200に搭載される場合で説明したが、電動機1が搭載される装置は空気調和機200に限らない。電動機1は、例えば、換気扇、家電機器および工作機などの他の装置に搭載されてもよい。これらの装置に電動機1が搭載されても、本実施の形態2と同様な効果が得られる。
1 電動機、10 モールド固定子、11、11a 内蔵基板、12 モールド樹脂、13 リード線、14 リード口出し部、20 固定子、21 固定子鉄心、22 巻線、22u U相巻線、22v V相巻線、22w W相巻線、23 インシュレータ、30 回転子、31 回転軸、33 出力側軸受、34 反出力側軸受、35 貫通穴、36 切り欠き部、40 ロータマグネット、50 磁気センサ、51 センサ部、52 増幅部、53 増幅器、54 トランジスタ、55 抵抗素子、56 出力端子、60 ブラケット、61 圧入部、70 コントローラ、71 過電流検出抵抗、79 モジュール、80 パワーIC、81 インバータ、82 ゲート駆動回路、83 保護回路、84d~86d 還流ダイオード、84t~86t 上アームスイッチ、94d~96d 還流ダイオード、94t~96t 下アームスイッチ、120 SJ-MOSFET、121 ゲート電極、122 ドレイン電極、123 ソース電極、124 p拡散層、125 n-半導体基板、126 n+拡散層、127 酸化膜、130 プレーナMOSFET、131 p拡散層、200 空気調和機、210 室内機、211 絞り装置、212 負荷側熱交換器、213 負荷側送風機、214 電動機、215 制御装置、220 室外機、221 圧縮機、222 熱源側熱交換器、223 熱源側送風機、224 電動機、226 四方弁、230 吹き出し口、250 冷媒回路、251 冷媒配管、300 壁、310 室内機、312 負荷側熱交換器、313 負荷側送風機、330 吹き出し口。

Claims (7)

  1. 回転軸が挿入された回転子と、
    前記回転子の外周に設けられ、3相の巻線を備えた固定子と、
    前記3相に対応する3組の上アームスイッチおよび下アームスイッチと、前記3組の上アームスイッチおよび下アームスイッチの各スイッチに並列接続された還流ダイオードとを含むインバータと、
    一定のキャリア周波数で前記3組の上アームスイッチおよび下アームスイッチを非相補スイッチングでパルス幅変調を行うコントローラと、を有し、
    前記3組の上アームスイッチおよび下アームスイッチの各スイッチはスーパージャンクション電界効果トランジスタであり、
    前記コントローラは、前記上アームスイッチおよび前記下アームスイッチが相補スイッチングで動作する場合における前記上アームスイッチのオン時間よりも長いオン時間のデューティ比で前記パルス幅変調を行う
    電動機。
  2. 前記上アームスイッチおよび前記下アームスイッチが前記相補スイッチングで動作する場合のスイッチング損失をPlswとし、前記還流ダイオードの定常損失をPdとし、前記下アームスイッチの定常損失をPiとするとき、
    前記コントローラは、Plsw>Pd-Piの条件を満たすデューティ比で前記パルス幅変調を行う、請求項1に記載の電動機。
  3. 前記還流ダイオードの定常損失電力をwdとし、前記下アームスイッチの定常損失電力をwiとし、前記キャリア周波数の周期に対する、前記相補スイッチングの前記上アームスイッチのオフ時間をtoffとし、前記相補スイッチングにおいて前記上アームスイッチがオフしてから前記下アームスイッチがオンするまでのデッドタイムをtdとするとき、
    前記還流ダイオードの定常損失Pd=wd×(toff-td)であり、
    前記下アームスイッチの定常損失Pi=wi×(toff-td)である、
    請求項2に記載の電動機。
  4. 前記条件を満たす前記デューティ比は、前記回転子の回転によって前記巻線に生じる誘起電圧の係数である誘起電圧定数に比例する、請求項2または3に記載の電動機。
  5. 前記巻線は、前記誘起電圧定数となる巻線ターン数である、請求項4に記載の電動機。
  6. 前記コントローラは、可聴周波数以上の前記キャリア周波数で前記パルス幅変調を行う、請求項1~5のいずれか1項に記載の電動機。
  7. 負荷側送風機を含む室内機と、
    熱源側送風機を含む室外機と、
    前記負荷側送風機および前記熱源側送風機のうち、少なくとも一方の駆動源として設けられた、請求項1~6のいずれか1項に記載の電動機と、
    を有する空気調和機。
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