JP7002626B1 - 交流回転機の制御装置 - Google Patents

交流回転機の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7002626B1
JP7002626B1 JP2020192175A JP2020192175A JP7002626B1 JP 7002626 B1 JP7002626 B1 JP 7002626B1 JP 2020192175 A JP2020192175 A JP 2020192175A JP 2020192175 A JP2020192175 A JP 2020192175A JP 7002626 B1 JP7002626 B1 JP 7002626B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
current
mode
electric angle
armature winding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020192175A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022080948A (ja
Inventor
晃 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2020192175A priority Critical patent/JP7002626B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7002626B1 publication Critical patent/JP7002626B1/ja
Publication of JP2022080948A publication Critical patent/JP2022080948A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Eletrric Generators (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)

Abstract

【課題】オルタ発電制御を実行する場合において、回転速度の変動、又は巻線電流の挙動の変化に対して、同期整流を行うタイミングの設定精度を向上させることができる交流回転機の制御装置を提供する。【解決手段】各組について、誘起電圧により発電を行わせる際に、各相について、ゼロオンモードとハイオンモードとローオンモードとの切り替えを判定し、切り替えるオルタ発電制御を実行し、各組について、第1組及び第2組の3相の巻線電流の検出値に基づいて、電気角で位相をγだけ進めた各相の巻線電流の予測値を算出し、各相の巻線電流の予測値に基づいて、ゼロオンモード、ハイオンモード、及びローオンモードの切り替えを判定する流回転機の制御装置。【選択図】図3

Description

本願は、交流回転機の制御装置に関するものである。
ステータの電機子巻線に生じた誘起電圧により、交流回転機及びインバータに整流発電を行わせる際に、電流が流れるダイオードが逆並列接続されたスイッチング素子をオンさせることで、発電効率を向上させ、素子の発熱を低減させるオルタ発電制御を行う技術が知られている。
特許文献1の技術では、制御回路により、各相の巻線電流が0Aにクロスしたゼロクロス時点を検出し、ゼロクロス時点を基準に、スイッチング素子をオン又はオフしている。
特許文献2の技術では、交流電力の周期毎にダイオードの導通時間から同期整流可能な時間を得て、高電位側及び低電位側のスイッチング素子のオン及びオフするタイミングを決定している。
特開2011-135695号公報 特開2009-284564号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、制御回路により、電流が0Aにクロスしたゼロクロス時点を連続的に検出し、ゼロクロス時点を基準に、スイッチング素子をオン又はオフしているので、制御周期ごとにオルタ発電制御を行う制御装置において生じる制御周期による遅れの影響が考慮されていない。また、特許文献1の技術では、制御周期による遅れの影響が考量されていないため、巻線電流の検出値と0Aとを比較すること以外は考慮されていない。さらに、制御回路を実装する必要があるため、電機子巻線の相数が増えるほど実装面積が大きくなるため、車両用発電機を小型化するのは難しい。
特許文献2の技術では、一定の回転速度であれば、交流電力の周期毎に決定したスイッチング素子のオンおよびオフするタイミングで所望の動作を行うことが可能である。しかし、回転速度が変動する場合には、ダイオード整流を行うべき区間において、スイッチング素子がオンして電流が乱れたり、同期整流を行える区間において、スイッチング素子がオフして発熱量が増加したりする。また、ロータに界磁巻線を備える発電電動機では、界磁電流の変化により界磁磁束が変化する。界磁磁束が変化すると誘起電圧が変化し、巻線電流の振幅などが変化するため、交流電流の周期毎の判定では巻線電流の挙動の変化に対応するのが難しい。
そこで、本願は、オルタ発電制御を実行する場合において、回転速度の変動、又は巻線電流の挙動の変化に対して、同期整流を行うタイミングの設定精度を向上させることができる交流回転機の制御装置を提供することを目的とする。
本願に係る交流回転機の制御装置は、ロータと、第1組の3相の電機子巻線及び第2組の3相の電機子巻線を有するステータとを設けた交流回転機を、インバータを介して制御する交流回転機の制御装置であって、
前記インバータは、各組の各相について、直流電源の高電位側に接続される高電位側のスイッチング素子と前記直流電源の低電位側に接続される低電位側のスイッチング素子とが直列接続され、直列接続の接続点が対応する相の前記電機子巻線に接続される直列回路を設け、前記スイッチング素子は、逆並列接続されたダイオードの機能を有し、
前記第1組の3相の電機子巻線に対する前記第2組の3相の電機子巻線の電気角での位相差は、-π/6であり、
前記交流回転機の制御装置は、
各組について、3相の前記電機子巻線に生じた誘起電圧により前記交流回転機に発電を行わせる際に、各相について、高電位側及び低電位側の前記スイッチング素子をオフするゼロオンモードと、高電位側の前記スイッチング素子をオンすると共に低電位側の前記スイッチング素子をオフするハイオンモードと、高電位側の前記スイッチング素子をオフすると共に低電位側の前記スイッチング素子をオンするローオンモードと、の切り替えを判定し、切り替えるオルタ発電制御を実行し、
各組について、第1組及び第2組の3相の前記電機子巻線の電流の検出値に基づいて、電気角で位相をγだけ進めた各相の前記電機子巻線の電流の予測値を算出し、各相の前記電機子巻線の電流の予測値に基づいて、前記ゼロオンモード、前記ハイオンモード、及び前記ローオンモードの切り替えを判定するものである。
オルタ発電制御の実行時の各組の各相の巻線電流には、電気角1次成分だけでなく、電気角5次成分が含まれる。本願に係る交流回転機の制御装置によれば、第1組の3相の電機子巻線と第2組の3相の電機子巻線との位相差がπ/6であることを利用し、各組について、第1組及び第2組の3相の巻線電流の検出値に基づいて、電気角1次成分の位相だけでなく、電気角5次成分の位相も、γだけ進めた各相の巻線電流の予測値を算出することができる。よって、精度よく推定された各相の巻線電流の予測値に基づいて、ゼロオンモード、ハイオンモード、及びローオンモードの切り替えが判定されるので、モードを適切に切り替えることができる。よって、回転速度の変動、又は巻線電流の挙動の変化に対して、各モードを行うタイミングの設定精度を向上させることができる。
実施の形態1に係る交流回転機及び交流回転機の制御装置の概略構成図である。 実施の形態1に係る電機子巻線の位相を説明する図である。 実施の形態1に係る制御装置の概略ブロック図である。 実施の形態1に係る制御装置のハードウェア構成図である。 実施の形態1に係るオルタ発電制御の実行時の各組の巻線電流の挙動を説明するタイムチャートである。 実施の形態1に係る図5の時刻t2aにおける第1組のインバータの電流挙動を説明する図である。 実施の形態1に係るオルタ発電制御の実行時の制御タイミングを説明するタイムチャートである。 実施の形態1に係るモード切り替え判定処理を説明するフローチャートである。 実施の形態1に係る車両用の発電電動機とされた交流回転機の模式図である。 実施の形態1に係るコンバータのスイッチング素子のオンオフ制御挙動を説明するタイムチャートである。
1.実施の形態1
実施の形態1に係る交流回転機の制御装置11(以下、単に、制御装置11と称す)について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る交流回転機1、インバータ、及び制御装置11の概略構成図である。
1-1.交流回転機1
交流回転機1は、ステータ18と、ステータ18の径方向内側に配置されたロータ14と、を備えている。ステータ18の鉄心に、第1組の3相の電機子巻線及び第2組の3相の電機子巻線が巻装されている。ロータ14の鉄心に界磁巻線4が巻装されており、電磁石が設けられている。ステータ18には、第1組のU1相、V1相、W1相の3相の電機子巻線Cu1、Cv1、Cw1と、第2組のU2相、V2相、W2相の3相の電機子巻線Cu2、Cv2、Cw2とが設けられている。各組の3相の電機子巻線は、スター結線とされてもよいし、デルタ結線とされてもよい。
本実施の形態では、図2に模式図を示すように、第1組の3相の電機子巻線Cu1、Cv1、Cw1の位置に対する第2組の3相の電機子巻線Cu2、Cv2、Cw2の位置の電気角での位相差Δθは、Δθ=-π/6(-30度)に設定されている。なお、電気角は、ロータ14の機械角に磁石の極対数を乗算した角度になる。
ロータ14には、ロータ14の回転角度(回転角度)を検出する回転センサ15が設けられている。回転センサ15の出力信号は、制御装置11に入力される。回転センサ15には、ホール素子、レゾルバ、又はエンコーダ等の各種のセンサが用いられる。回転センサ15が設けられず、後述する電流指令値に高調波成分を重畳することによって得られる電流情報等に基づいて、回転角度(磁極位置)を推定するように構成されてもよい(いわゆる、センサレス方式)。
1-2.直流電源2
直流電源2は、第1組のインバータ5a、第2組のインバータ5b、及びコンバータ9に直流電圧Vdcを出力する。直流電源2として、バッテリー、DC-DCコンバータ、ダイオード整流器、PWM整流器等、直流電圧を出力する任意の機器が用いられる。直流電源2には、平滑コンデンサ3が並列接続されている。
1-3.インバータ
第1組のインバータ5aは、直流電源2と第1組の3相の電機子巻線との間で電力変換を行う。第2組のインバータ5bは、直流電源2と第2組の3相の電機子巻線との間で電力変換を行う。
第1組のインバータ5aは、直流電源2の高電位側に接続される高電位側のスイッチング素子SP1と、直流電源2の低電位側に接続される低電位側のスイッチング素子SN1と、が直列接続された直列回路を、第1組の3相各相の電機子巻線に対応して3つ設けている。各直列回路における2つのスイッチング素子の接続点が、第1組の対応する相の電機子巻線に接続される。
具体的には、第1組のU1相の直列回路では、U1相の高電位側のスイッチング素子SPu1とU1相の低電位側のスイッチング素子SNu1とが直列接続され、2つのスイッチング素子の接続点が第1組のU1相の電機子巻線Cu1に接続されている。第1組のV1相の直列回路では、V1相の高電位側のスイッチング素子SPv1とV1相の低電位側のスイッチング素子SNv1とが直列接続され、2つのスイッチング素子の接続点が第1組のV1相の電機子巻線Cv1に接続されている。第1組のW1相の直列回路では、Wの高電位側のスイッチング素子SPw1とW1相の低電位側のスイッチング素子SNw1とが直列接続され、2つのスイッチング素子の接続点が第1組のW1相の電機子巻線Cw1に接続されている。
第2組のインバータ5bは、直流電源2の高電位側に接続される高電位側のスイッチング素子SP2と、直流電源2の低電位側に接続される低電位側のスイッチング素子SN2と、が直列接続された直列回路を、第2組の3相各相の電機子巻線に対応して3つ設けている。各直列回路における2つのスイッチング素子の接続点が、第2組の対応する相の電機子巻線に接続される。
具体的には、第2組のU2相の直列回路では、U2相の高電位側のスイッチング素子SPu2とU2相の低電位側のスイッチング素子SNu2とが直列接続され、2つのスイッチング素子の接続点が第2組のU2相の電機子巻線Cu2に接続されている。第2組のV2相の直列回路では、V2相の高電位側のスイッチング素子SPv2とV2相の低電位側のスイッチング素子SNv2とが直列接続され、2つのスイッチング素子の接続点が第2組のV2相の電機子巻線Cv2に接続されている。第2組のW2相の直列回路では、Wの高電位側のスイッチング素子SPw2とW2相の低電位側のスイッチング素子SNw2とが直列接続され、2つのスイッチング素子の接続点が第2組のW2相の電機子巻線Cw2に接続されている。
各組のインバータの各スイッチング素子は、逆並列接続されたダイオードの機能を有している。例えば、各スイッチング素子には、ダイオードが逆並列接続されたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、ダイオードが逆並列接続されたバイポーラトランジスタ、逆並列接続された寄生ダイオードを有するMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等が用いられる。各スイッチング素子のゲート端子は、ゲート駆動回路等を介して、制御装置11に接続されている。よって、各スイッチング素子は、制御装置11から出力されるスイッチング信号によりオン又はオフされる。
第1組の電機子電流センサ8aは、第1組の各相の電機子巻線Cu1、Cv1、Cw1に流れる電流を検出する電流検出回路である。第2組の電機子電流センサ8bは、第2組の各相の電機子巻線Cu2、Cv2、Cw2に流れる電流を検出する電流検出回路である。本実施の形態では、各組の電機子電流センサ8a、8bは、各相のスイッチング素子の直列回路と電機子巻線とをつなぐ電線上に備えられている。各組の各相の電機子電流センサ8a、8bの出力信号は、制御装置11に入力される。電機子電流センサは、ホール素子、シャント抵抗等の電流センサとされている。なお、電機子電流センサは、各組の各相のスイッチング素子の直列回路に直列接続されてもよい。
1-4.コンバータ9
コンバータ9は、スイッチング素子を有し、直流電源2と界磁巻線4との間で電力変換を行う。本実施の形態では、コンバータ9は、直流電源2の高電位側に接続される高電位側のスイッチング素子SPと直流電源2の低電位側に接続される低電位側のスイッチング素子SNとが直列接続された直列回路を2組設けたHブリッジ回路とされている。第1組の直列回路28における高電位側のスイッチング素子SP1と低電位側のスイッチング素子SN1との接続点が、界磁巻線4の一端に接続され、第2組の直列回路29における高電位側のスイッチング素子SP2と低電位側のスイッチング素子SN2との接続点が、界磁巻線4の他端に接続される。
コンバータ9のスイッチング素子には、ダイオードが逆並列接続されたIGBT、ダイオードが逆並列接続されたバイポーラトランジスタ、MOSFET等が用いられる。各スイッチング素子のゲート端子は、ゲート駆動回路等を介して、制御装置11に接続されている。よって、各スイッチング素子は、制御装置11から出力されるスイッチング信号によりオン又はオフされる。
なお、第1組の直列回路28の低電位側のスイッチング素子SN1をダイオードに置き換えたり、第2組の直列回路29の高電位側のスイッチング素子SP2をダイオードに置き換えたりする等、コンバータ9を他の構成としてもよい。
界磁電流センサ6は、界磁巻線4を流れる電流である界磁電流ifを検出する電流検出回路である。本実施の形態では、界磁電流センサ6は、界磁巻線4とコンバータ9とをつなぐ電線上に設けられている。界磁電流センサ6は、界磁電流ifを検出可能な他の個所に設けられてもよい。界磁電流センサ6の出力信号は、制御装置11に入力される。界磁電流センサ6は、ホール素子、シャント抵抗等の電流センサとされている。
1-5.制御装置11
制御装置11は、第1組及び第2組のインバータ5a、5b、及びコンバータ9を介して、交流回転機1を制御する。制御装置11は、図3に示すように、回転検出部31、電機子電流検出部32、インバータ制御部33、界磁電流検出部34、及びコンバータ制御部35等の機能部を備えている。制御装置11の各機能は、制御装置11が備えた処理回路により実現される。具体的には、制御装置11は、図4に示すように、処理回路として、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置90(コンピュータ)、演算処理装置90とデータのやり取りする記憶装置91、演算処理装置90に外部の信号を入力する入力回路92、演算処理装置90から外部に信号を出力する出力回路93、及び外部装置とデータ通信を行う通信回路94等を備えている。
演算処理装置90として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、IC(Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、各種の論理回路、及び各種の信号処理回路等が備えられてもよい。また、演算処理装置90として、同じ種類のもの又は異なる種類のものが複数備えられ、各処理が分担して実行されてもよい。記憶装置91として、演算処理装置90からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(Random Access Memory)、及び演算処理装置90からデータを読み出し可能に構成されたROM(Read Only Memory)等が備えられている。入力回路92は、回転センサ15、各組の各相の磁気センサ8a、8b、界磁電流センサ6等の各種のセンサが接続され、これらセンサの出力信号を演算処理装置90に入力するA/D変換器等を備えている。出力回路93は、第1組及び第2組のインバータ5a、5b、及びコンバータ9のスイッチング素子をオンオフ駆動するゲート駆動回路等の電気負荷が接続され、これら電気負荷に演算処理装置90から制御信号を出力する駆動回路等を備えている。通信回路94は、外部装置と通信を行う。
そして、制御装置11が備える各制御部31~35等の各機能は、演算処理装置90が、ROM等の記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置91、入力回路92、及び出力回路93等の制御装置11の他のハードウェアと協働することにより実現される。なお、各制御部31~35等が用いる各種の設定データは、ソフトウェア(プログラム)の一部として、ROM等の記憶装置91に記憶されている。以下、制御装置11の各機能について詳細に説明する。
回転検出部31は、電気角でのロータの磁極位置θ(ロータの回転角度θ)及び回転角速度ωを検出する。本実施の形態では、回転検出部31は、回転センサ15の出力信号に基づいて、電気角での磁極位置θ(回転角度θ)及び回転角速度ωを検出する。磁極位置は、ロータに設けられた電磁石のN極の向きに設定される。本実施の形態では、磁極位置θ(回転角度θ)は、第1組のU1相の電機子巻線を基準にした、電気角での磁極(N極)の位置(角度)である。図2に示した第1組の電機子巻線と第2組の電機子巻線との位相差π/6から、第2組のU2相の電機子巻線を基準にした、電気角での磁極(N極)の位置(角度)は、θ-π/6になる。
なお、回転検出部31は、電流指令値に高調波成分を重畳することによって得られる電流情報等に基づいて、回転センサを用いずに、回転角度(磁極位置)を推定するように構成されてもよい(いわゆる、センサレス方式)。
電機子電流検出部32は、第1組の電機子電流センサ8aの出力信号に基づいて、第1組の3相の電機子巻線に流れる巻線電流iu1s、iv1s、iw1sを検出する。ここで、iu1sが、第1組のU1相の巻線電流iu1の検出値であり、iv1sが、第1組のV1相の巻線電流iv1の検出値であり、iw1sが、第1組のW1相の巻線電流iw1の検出値である。また、電機子電流検出部32は、第2組の電機子電流センサ8bの出力信号に基づいて、第2組の3相の電機子巻線に流れる巻線電流iu2s、iv2s、iw2sを検出する。ここで、iu2sが、第2組のU2相の巻線電流iu2の検出値であり、iv2sが、第2組のV2相の巻線電流iv2の検出値であり、iw2sが、第2組のW2相の巻線電流iw2の検出値である。なお、各組について、電機子電流センサが2相の巻線電流を検出するように構成され、残りの1相の巻線電流が、2相の巻線電流の検出値に基づいて算出されてもよい。各組の各相の巻線電流は、後述する制御周期Tc2ごとのタイミングで同時期に検出される。なお、検出タイミングのずれが制御周期Tc2に対して十分小さい、例えばTc2/10未満の場合には、同様の効果が得られる。
1-5-1.インバータ制御部33
<誘起電圧による発電>
各組について、インバータの全てのスイッチング素子をオフした状態で、各相について、ロータの回転により生じた電機子巻線の誘起電圧が、直流電源の高電位側の電圧を上回ると、電機子巻線から直流電源の高電位側に、高電位側のスイッチング素子の逆並列ダイオードを通って電流が流れる。一方、電機子巻線の誘起電圧が、直流電源の低電位側の電圧を下回ると、直流電源の低電位側から電機子巻線に、低電位側のスイッチング素子の逆並列ダイオードを通って電流が流れる。このように、回転により生じた電機子巻線の誘起電圧が、直流電源の高電位側の電圧を上回り、直流電源の低電位側の電圧を下回る状態になると、インバータは整流器として機能し、交流回転機が発生した交流電力を直流電力に整流して、直流電源に供給する。すなわち、3相の電機子巻線に生じた誘起電圧により、交流回転機が発電を行う。このような、ダイオードによる整流を、ダイオード整流という。
<同期整流>
ダイオードを電流が流れると、電力損失が大きいため、発熱量が大きくなる。そこで、誘起電圧によりダイオードを電流が流れるときに、ダイオードのスイッチング素子をオンすれば、ダイオードに代えてスイッチング素子を電流が流れるので、電力損失を低減し、発熱量を低減することができる。このようなスイッチング素子をオンする整流を、同期整流という。
例えば、図5に、誘起電圧による発電時の第1組の3相の巻線電流iu1、iv1、iw1、第2組の3相の巻線電流iu2、iv2、iw2を示している。図5には、電気角1次及び5次成分の波形を示している。
<巻線電流に応じた同期整流>
時刻t2aにおいて、第1組のインバータ5a内を電流は図6のように流れる。時刻t2aでは、U1相の巻線電流は正であり、同期整流を行わない場合はU1相の低電位側のダイオードを電流が流れるため、U1相の低電位側のスイッチング素子SNu1をオンすることで、発熱量を低減できる。同様に、時刻t2aでは、V1相の電流は負であり、V1相の高電位側のダイオードを電流が流れるため、V1相の高電位側のスイッチング素子SPv1をオンすることで、発熱量を低減する。時刻t2aでは、W1相の電流は正であり、W1相の低電位側のダイオードを電流が流れるため、W1相の低電位側のスイッチング素子SNw1をオンすることで、発熱量を低減する。よって、同期整流では、各相について、誘起電圧によって発生する巻線電流が負の場合に、高電位側のスイッチング素子SPをオンし、低電位側のスイッチング素子SNをオフし、巻線電流が正の場合に、高電位側のスイッチング素子SPをオフし、低電位側のスイッチング素子SNをオンする。
<0A付近でのダイオード整流の実施>
一方、時刻t6aでは、W1相の巻線電流iw1は正値ではあるが、0A付近である。W1相の巻線電流の検出値iw1sには検出誤差が含まれるため、巻線電流iw1が正値であっても、巻線電流の検出値iw1sが負値になることがある。誤って、ダイオードが通電していない逆側のスイッチング素子がオンされると、誤ってオンされた逆側のスイッチング素子を電流が流れ、発電効率が低下する。また、0A付近では、ダイオードを電流が流れても発熱量は大きくならない。そのため、電流の検出誤差を考慮して、0A付近では、高電位側及び低電位側のスイッチング素子の双方をオフして、ダイオード整流を行い、誤って逆側のスイッチング素子がオンされないようにすることが考えられる。
また、特許文献1では、電流が0Aにクロスしたゼロクロス時点を連続的に検出し、ゼロクロス時点を基準に、スイッチング素子をオン又はオフしているので、制御周期による遅れの影響が考慮されていない。しかし、本実施の形態では、後述するように、制御周期Tc2ごとに電流が検出され、スイッチング素子がオン又はオフされるので、制御周期による遅れの影響を考える必要がある。
<オルタ発電制御>
そこで、インバータ制御部33は、各組について、3相の電機子巻線に生じた誘起電圧により交流回転機に発電を行わせる際に、各相について、ゼロオンモードとハイオンモードとローオンモードとの切り替えを判定し、切り替えるオルタ発電制御を実行する。ゼロオンモードは、高電位側のスイッチング素子及び低電位側のスイッチング素子をオフするモードである。ハイオンモードは、高電位側のスイッチング素子をオンすると共に低電位側のスイッチング素子をオフするモードである。ローオンモードは、高電位側のスイッチング素子をオフすると共に低電位側の前記スイッチング素子をオンするモードである。本実施の形態では、モードの切り替え判定及び切り替えは、制御周期Tc2ごとに実行される。
この構成によれば、高電位側及び低電位側のスイッチング素子の双方がオフされるゼロオンモードに切り替えられるので、電流の検出誤差、及び制御周期による遅れが生じても、0A付近で、誤って、ダイオードが通電していない逆側のスイッチング素子がオンされることを抑制し、発電効率が低下することを抑制できる。
<制御タイミング>
図7に、第1組の制御挙動を示す。オルタ発電制御の実行時は、制御周期Tc2で振動する三角波のキャリア信号C2の山の頂点で、第1組の3相の巻線電流iu1s、iv1s、iw1sが検出される。巻線電流の検出後、各相の巻線電流の検出値に基づいたゼロオンモード、ハイオンモード、及びローオンモードの切り替え判定処理が行われ、次のキャリア信号C2の谷の頂点で、切り替えの判定結果に基づいて、第1組のインバータ5aの各スイッチング素子のスイッチング信号のオン又はオフの設定が更新され、更新されたオン又はオフの設定は、次の次のキャリア信号C2の谷の頂点まで保持される。第2組についても同様である。
1-5-1-1.切り替え判定
インバータ制御部33は、各組について、電気角で位相をγだけ進めた各相の巻線電流の予測値に基づいて、ゼロオンモード、ハイオンモード、及びローオンモードの切り替えを判定する。巻線電流の予測値の算出方法については後述する。
本実施の形態では、以下で説明する切り替え判定が、各組について実行される。インバータ制御部33は、各相について、現在、ローオンモードであり、電気角で位相をγだけ進めた巻線電流の予測値が、ローゼロ判定値IthL0より小さくなった場合に、ゼロオンモードに切り替える。また、インバータ制御部33は、各相について、現在、ハイオンモードであり、電気角で位相をγだけ進めた巻線電流の予測値が、ハイゼロ判定値IthH0より大きくなった場合に、ゼロオンモードに切り替える。ここで、γは、次回オンオフ時間Tnxtの予測時間Teに対応する位相に設定されている。このように、現在、ハイオンモード又はローオンモードである場合は、γに対応する予測時間Teが、今回の電流の検出時点から、次回の電流の検出時点で検出した巻線電流の検出値に基づいて判定した切り替え判定結果によりスイッチング素子をオンオフする時点までの期間である次回オンオフ時間Tnxtに設定されている。
ローゼロ判定値IthL0は、電流検出誤差及び予測誤差を考慮して予め設定されたオフセット値αL0の正値に設定され、ハイゼロ判定値IthH0は、電流検出誤差及び予測誤差を考慮して予め設定されたオフセット値αH0の負値に設定されればよい。
ローオンモード又はハイオンモードからゼロオンモードへの切り替えの場合は、今回の巻線電流の検出値及び予測値によるオンオフ時点から次回の巻線電流の検出値及び予測値によるオンオフ時点までの期間において、0Aを跨ぐ可能性がある場合は、ゼロオンモードに切り替え、0A付近で、誤って、ダイオードが通電していない逆側のスイッチング素子がオンされることを抑制し、発電効率が低下することを抑制したい。上記の構成によれば、次回オンオフ時間Tnxt先の巻線電流の予測値に基づいて、ローオンモード又はハイオンモードからゼロオンモードへの切り替えが判定されるため、次回オンオフ時間Tnxt先になる、次回の巻線電流の検出値及び予測値によるオンオフ時点までの期間において、巻線電流が0Aを跨ぐか否かを判定し、0Aを跨ぐ場合に、ゼロオンモードに切り替えることができ、0A付近で、誤って、ダイオードが通電していない逆側のスイッチング素子がオンされることを抑制し、発電効率が低下することを抑制できる。
インバータ制御部33は、各相について、現在、ゼロオンモードであり、電気角で位相をγだけ進めた巻線電流の予測値が、0よりも大きい値に設定されたゼロロー判定値Ith0L以上になった場合に、ローオンモードに切り替える。また、インバータ制御部33は、各相について、現在、ゼロオンモードであり、電気角で位相をγだけ進めた巻線電流の予測値が、0よりも小さい値に設定されたゼロハイ判定値Ith0H以下になった場合に、ハイオンモードに切り替える。ここで、γは、オンオフ遅れ時間Tdlyの予測時間Teに対応する位相に設定されている。このように、現在、ゼロオンモードである場合は、γに対応する予測時間Teが、今回の電流の検出時点から、今回の電流の検出時点で検出した巻線電流の検出値に基づいて判定した切り替え判定結果によりスイッチング素子をオンオフする時点までの期間であるオンオフ遅れ時間Tdlyに設定されている。
ゼロロー判定値Ith0Lは、電流検出誤差及び予測誤差を考慮して予め設定されたオフセット値α0Lの正値に設定され、ゼロハイ判定値Ith0Hは、電流検出誤差及び予測誤差を考慮して予め設定されたオフセット値α0Hの負値に設定されればよい。
ゼロオンモードからローオンモード又はハイオンモードへの切り替えの場合は、今回の巻線電流の検出値及び予測値によるオンオフ時点から次回の巻線電流の検出値及び予測値によるオンオフ時点までの期間において、0Aを跨ぐ可能性がない場合は、ローオンモード又はハイオンモードを設定し、発電効率を向上させたい。上記の構成によれば、オンオフ遅れ時間Tdly先の巻線電流の予測値に基づいて、ゼロオンモードからローオンモード又はハイオンモードへの切り替えが判定されるため、オンオフ遅れ時間Tdly先になる今回の巻線電流の検出値及び予測値によるオンオフ時点において、既に0Aを跨ぎ終わっているか否かを判定し、0Aを跨ぎ終わっている場合に、今回の巻線電流の検出値及び予測値によるオンオフ時点から次回の巻線電流の検出値及び予測値によるオンオフ時点までの期間において、早期にローオンモード又はハイオンモードに切り替えることができ、同期整流の期間を増加させ、発電効率を向上させることができる。
<フローチャート>
この各組の切り替え判定処理を、図8に示すフローチャートのように構成できる。図8の判定処理は、各組について、3相の巻線電流の検出が行われた後、各相について実行される。ステップS150で、インバータ制御部33は、現在、ローオンモードであるか否かを判定し、ローオンモードである場合は、ステップS151に進み、ローオンモードでない場合は、ステップS154に進む。ステップS151で、インバータ制御部33は、後述する方法で第1組及び第2組の3相の巻線電流の検出値に基づいて、電気角で位相をγだけ進めた巻線電流の予測値を算出する。ここで、γは、次回オンオフ時間Tnxtに対応する位相に設定されている。インバータ制御部33は、巻線電流の予測値が、ローゼロ判定値IthL0より小さいか否かを判定し、ローゼロ判定値IthL0未満である場合は、ステップS152に進み、ゼロオンモードに切り替えると判定し、ローゼロ判定値IthL0未満でない場合は、ステップS153に進み、ローオンモードに維持すると判定する。
一方、ステップS154で、インバータ制御部33は、現在、ハイオンモードであるか否かを判定し、ハイオンモードである場合は、ステップS155に進み、ハイオンモードでない場合は、ステップS158に進む。ステップS155で、インバータ制御部33は、後述する方法で第1組及び第2組の3相の巻線電流の検出値に基づいて、電気角で位相をγだけ進めた巻線電流の予測値を算出する。ここで、γは、次回オンオフ時間Tnxtに対応する位相に設定されている。インバータ制御部33は、巻線電流の予測値が、ハイゼロ判定値IthH0より大きいか否かを判定し、ハイゼロ判定値IthH0より大きい場合は、ステップS156に進み、ゼロオンモードに切り替えると判定し、ハイゼロ判定値IthH0より大きくない場合は、ステップS157に進み、ハイオンモードに維持すると判定する。
一方、ステップS158で、現在、ゼロオンモードであるので、インバータ制御部33は、後述する方法で第1組及び第2組の3相の巻線電流の検出値に基づいて、電気角で位相をγだけ進めた巻線電流の予測値を算出する。ここで、γは、オンオフ遅れ時間Tdlyに対応する位相に設定されている。インバータ制御部33は、巻線電流の予測値が、ゼロロー判定値Ith0L以上であるか否かを判定し、ゼロロー判定値Ith0L以上である場合は、ステップS159に進み、ローオンモードに切り替えると判定し、ゼロロー判定値Ith0L以上でない場合は、ステップS160に進む。ステップS160で、インバータ制御部33は、巻線電流の予測値が、ゼロハイ判定値Ith0H以下であるか否かを判定し、ゼロハイ判定値Ith0H以下である場合は、ステップS161に進み、ハイオンモードに切り替えると判定し、ゼロハイ判定値Ith0H以下でない場合は、ステップS162に進み、ゼロオンモードに維持すると判定する。各相の判定結果は、次のキャリア信号C2の谷の頂点でスイッチング信号の設定に反映される。
<予測処理の簡略化>
次回オンオフ時間Tnxt先の巻線電流の予測値と、オンオフ遅れ時間Tdly先の巻線電流の予測値との双方を算出すると処理負荷が増加するので、オンオフ遅れ時間Tdly先の巻線電流の予測値の代わりに、巻線電流の検出値を用いて判定することにより、処理負荷を低減する。
すなわち、インバータ制御部33は、各相について、現在、ゼロオンモードであり、電機子巻線の電流の検出値が、0よりも大きい値に設定されたゼロロー判定値Ith0L以上になった場合に、ローオンモードに切り替えてもよく。インバータ制御部33は、各相について、現在、ゼロオンモードであり、電機子巻線の電流の検出値が、0よりも小さい値に設定されたゼロハイ判定値Ith0H以下になった場合に、ハイオンモードに切り替えてもよい。
この構成によれば、オンオフ遅れ時間Tdly先の巻線電流の予測値を用いる場合よりも、第2制御周期Tc2分、ローオンモード又はハイオンモードに設定される期間が短くなる場合がある。しかし、電流の検出時点において、既に0Aを跨ぎ終わっているか否かを判定し、0Aを跨ぎ終わっている場合に、ローオンモード又はハイオンモードに切り替えることができるので、0Aを跨ぐ可能性がある場合に、誤って、ローオンモード又はハイオンモードに切り替えられることを抑制し、発電効率が低下することを抑制できる。
<ゼロオンモードによるデッドタイムの代替>
ここで、各相において、ローオンモードからハイオンモードに切り替える場合、及びハイオンモードからローオンモードに切り替える場合は、高電位側のスイッチング素子と低電位側のスイッチング素子とが同時にオンにならないように、高電位側のスイッチング素子と低電位側のスイッチング素子の双方をオフにするデッドタイムを設けることを考慮する必要がある。このデッドタイムは、ゼロオンモードと同じ状態である。上記の巻線電流の検出値に基づいた切り替え判定処理によれば、ハイオンモードとローオンモードとの切り替え間に、ゼロオンモードに切り替えられるので、デッドタイムの代わりになる。
インバータ制御部33は、ゼロオンモードからハイオンモード又はローオンモードへの切り替え、及びハイオンモード又はローオンモードからゼロオンモードへの切り替えは行うが、ハイオンモードからローオンモードへの切り替え及びローオンモードからハイオンモードへの切り替えは行わないように構成される。
<制御周期Tc2の設定>
制御周期Tc2は、電気角1周期よりも短い周期に設定されている。例えば、制御周期Tc2は、少なくとも、交流回転機の最大の回転速度における電気角1周期の1/4以下に設定されればよい。電気角1周期の間に、ゼロオンモード、ハイオンモード、ローオンモードを適切に切り替えることができる。
1-5-1-2.巻線電流の予測値の算出方法
以下で、電気角で位相をγだけ進めた巻線電流の予測値の算出方法について説明する。
誘起発電を行っているときの、各組の各相の巻線電流は、多くの場合、電気角1次成分だけでなく、電気角5次成分を含むため、近似的に次式で表せる。
Figure 0007002626000002
ここで、ωは、電気角での回転角速度であり、I1は、各組の電気角1次成分の電流振幅であり、δ1は、各組の電気角1次成分の位相であり、I5は、各組の電気角5次成分の電流振幅であり、δ5は、各組の電気角5次成分の位相である。図2に示した第1組の電機子巻線と第2組の電機子巻線との位相差π/6から、第2組の3相の巻線電流は、第1組の3相の巻線電流に対して、位相差π/6だけ遅れている。
<電気角1次及び5次成分の予測値の算出>
位相をγだけ進めたU1相の巻線電流の予測値iu1eを、今回及び過去のU1相の電流検出値iu1s、iu1s_oldを用いて、例えば、式(2)によって算出する場合には、電気角1次成分は近似誤差があるものの推定できるが、電気角5次成分の位相を正しく進められない。
Figure 0007002626000003
そこで、本実施の形態では、第1組の3相の電機子巻線と第2組の3相の電機子巻線との位相差が、π/6であることから、各組の各相の電流検出値を利用して、電気角1次成分の位相をγだけ進めるだけでなく、電気角5次成分の位相を5γだけ進める。式(1)に示したように、U1相はW1相に対して、V1相はU1相に対して、W1相はV1相に対して、U2相はW2相に対して、V2相はU2相に対して、W2相はV2相に対して、電気角1次成分の位相が2/3πだけ遅れ、電気角5次成分の位相が2/3πだけ進んでいる。また、U1相はW2相に対して、V1相はU2相に対して、W1相はV2相に対して、電気角1次成分の位相がπ/2だけ遅れ、電気角5次成分の位相がπ/2だけ遅れている。したがって、インバータ制御部33は、U1相の電気角1次成分iu1_1f、V1相の電気角1次成分iv1_1f、W1相の電気角1次成分iw1_1f、U2相の電気角1次成分iu2_1f、V1相の電気角1次成分iv2_1f、W2相の電気角1次成分iw2_1fを、式(3)を用い、各組の各相の電流検出値に基づいて算出できる。
Figure 0007002626000004
また、インバータ制御部33は、U1相の電気角5次成分iu1_5f、V1相の電気角5次成分iv1_5f、W1相の電気角5次成分iw1_5f、U2相の電気角5次成分iu2_5f、V1相の電気角5次成分iv2_5f、W2相の電気角5次成分iw2_5fを、式(4)を用い、各組の各相の電流検出値に基づいて算出できる。
Figure 0007002626000005
したがって、位相がγ進んだU1相の電流は、式(5)のように、U1相の電気角1次成分及び5次成分と、U1相と位相がπ/2異なるW2相の電気角1次成分及び5次成分と、に基づいて算出することができる。
Figure 0007002626000006
他相についても同様に考えられるので、インバータ制御部33は、電気角で位相をγだけ進めた各組の各相の巻線電流の予測値を、式(6)を用い、各組の各相の電気角1次成分及び5次成分に基づいて算出できる。
Figure 0007002626000007
式(6)のように、インバータ制御部33は、各組の各相の電気角1次成分に対して、sin(γ)又はcos(γ)を乗算した値、及び各組の各相の電気角5次成分に対して、sin(5×γ)又はcos(5×γ)を乗算した値に基づいて、電気角で位相をγだけ進めた各組の各相の巻線電流の予測値を算出することができる。
詳細には、U1相の巻線電流の予測値iu1eは、U1相の電気角1次成分iu1_1f及び電気角5次成分iu1_5f、及びU1相の電機子巻線と電気角で位相がπ/2異なるW2相(図2参照)の電気角1次成分iw2_1f及び電気角5次成分iw2_5fに基づいて算出されている。また、V2相の電気角1次成分iv2_1f及び電気角5次成分iv2_5f、及びV2相の電機子巻線と電気角で位相がπ/2異なるW1相(図2参照)の電気角1次成分iw1_1f及び電気角5次成分iw1_5fに基づいて算出されている。このように、インバータ制御部33は、第1組及び第2組の一方の組の第m相の巻線電流の予測値を、第m相の電気角1次成分及び電気角5次成分、及び第m相の電機子巻線と電気角で位相がπ/2異なる他方の組の第n相の電気角1次成分及び電気角5次成分に基づいて算出することができる。
γが微小な場合には、式(6)において、cosγ=1、cos5γ=1に近似できるので、電気角で位相をγだけ進めた各組の各相の巻線電流の予測値は、式(7)を用い、算出されてもよい。
Figure 0007002626000008
γが微小な場合には、さらに、式(7)において、sinγ=γ、sin5γ=5γに近似できるので、電気角で位相をγだけ進めた各組の各相の巻線電流の予測値は、式(7)を用い、算出されてもよい。
Figure 0007002626000009
各組について、3相の巻線電流の予測値の和が0になることを利用し、各組について、いずれか2相の巻線電流の予測値が算出され、算出された2相の巻線電流の予測値に基づいて、残りの1相の巻線電流の予測値が算出されてもよい。例えば、式(9)に示すように、W1相とV2相の巻線電流の予測値が、他の2相の巻線電流の予測値に基づいて、算出されてよい。
Figure 0007002626000010
演算処理負荷を低減できれば、制御周期Tc2を短くすることが可能となり、同期整流が実行される期間を増加できる。そこで、式(3)及び式(4)を式(6)に代入し、式(10)を用いて整理すると、式(11)を得る。式(3)及び式(4)の電気角1次成分および5次成分を算出することなく、巻線電流の予測値を算出できるため、演算処理負荷を低減できる。電気角で位相をγだけ進めた各組の各相の巻線電流の予測値は、式(11)を用い、算出されてもよい。特に、制御周期Tc2が一定の場合には、各電流検出値に掛ける換算係数は予め準備しておくとよい。
Figure 0007002626000011
Figure 0007002626000012
式(11)のように、インバータ制御部33は、第1組の3相の内の2相の巻線電流の検出値及び第2組の3相の内の2相の巻線電流の検出値のそれぞれに、個別の換算係数を乗算した値の和により、各組の各相の巻線電流の予測値を算出することができる。インバータ制御部33は、sin(γ)、cos(γ)、sin(5×γ)、及びcos(5×γ)を用いて、個別の換算係数を算出する。
ここで、γが微小な場合には、式(12)などの近似式で簡素化してもよい。
Figure 0007002626000013
なお、各判定値は、検出誤差、演算時の近似誤差、および電気角1次および5次以外の例えば7次、11次、13次などの高調波成分による予測誤差を鑑みて、決定すればよい。
<γの設定>
インバータ制御部33は、式(13)に示すように、各組の各相について、予測時間Teに、電気角での回転角速度ωを乗算した値を、γとして設定する。
Figure 0007002626000014
上述したように、インバータ制御部33は、各組の各相について、現在、ハイオンモード又はローオンモードである場合は、予測時間Teを、今回の電流検出時点から、次回の電流検出時点の電流の検出値に基づいて判定した切り替え判定結果に基づいてスイッチング素子をオンオフする時点までの期間である次回オンオフ時間Tnxtに設定する。
上述したように、インバータ制御部33は、各組の各相について、現在、ゼロオンモードである場合は、予測時間Teを、今回の電流の検出時点から、今回の電流の検出時点で検出した巻線電流の検出値に基づいて判定した切り替え判定結果によりスイッチング素子をオンオフする時点までの期間であるオンオフ遅れ時間Tdlyに設定する。
Figure 0007002626000015
<車両の発電電動機として用いられる場合>
本実施の形態の交流回転機の制御装置を、車両用の発電電動機に使用する場合、図9のような構成となる。交流回転機1のロータの回転軸は、プーリ及びベルト機構101を介して、内燃機関100のクランク軸に連結されている。交流回転機1の回転軸は、内燃機関100及び変速装置102を介して車輪103に連結される。交流回転機1は、電動機として機能し、内燃機関100の補機として、車輪103の駆動力源となると共に、発電機として機能し、内燃機関100の回転を利用して発電を行う。交流回転機1は内燃機関100と接続されていることから、内燃機関100のイナーシャにより回転変動は緩やかなものとなるため、第2制御周期Tc2でオルタ発電制御を実施する際には回転変動の影響を小さくすることができ、巻線電流の予測値の予測精度を向上させることができる。また、車両用の発電機であっても同様の効果を得ることが可能である。
1-5-2.コンバータ制御部35
界磁電流検出部34は、界磁電流センサ6の出力信号に基づいて、界磁巻線4に流れる電流である界磁電流ifsを検出する。ここで、ifsは、界磁電流ifの検出値である。
コンバータ制御部35は、界磁電流の検出値ifsが界磁電流指令値ifoに近づくように、界磁電流指令値ifoと界磁電流の検出値ifsとの偏差Δifに対して比例積分制御を行って、界磁電圧指令値Vfを算出し、界磁電圧指令値Vfに基づいて、界磁巻線4に電圧を印加する。
本実施の形態では、図3に示すように、コンバータ制御部35は、電流指令値算出部351、電圧指令値算出部352、及びPWM制御部353を備えている。
電流指令値算出部351は、界磁電流指令値ifoを設定する。例えば、インバータ制御の実行時には、電流指令値算出部351は、トルク指令値To等に基づいて、界磁電流指令値ifoを設定する。オルタ発電制御の実行時は、電流指令値算出部351は、直流電圧Vdcが目標電圧に近づくように、界磁電流指令値ifoを変化させる。
そして、電圧指令値算出部352は、界磁電流指令値ifoと界磁電流の検出値ifsとの偏差に対して比例積分制御を行って、界磁電圧指令値Vfを算出する。
PWM制御部353は、界磁電圧指令値Vfに基づいて、PWM制御によりコンバータ9の複数のスイッチング素子をオンオフ制御する。
例えば、図10に示すように、PWM制御部353は、界磁電圧指令値Vfと、界磁制御周期Tsfで振動する界磁キャリア信号Cfとを比較することにより、複数のスイッチング素子をオンオフ制御する。界磁キャリア信号Cfは、界磁制御周期Tsfで-1×直流電圧Vdcから直流電圧Vdcの間を振動する三角波とされている。直流電圧Vdcは、電圧センサにより検出されてもよい。
PWM制御部353は、界磁キャリア信号Cfが界磁電圧指令値Vfを下回った場合は、第1組の高電位側のスイッチング素子SP1のスイッチング信号QP1をオン(本例では、1)し、第1組の低電位側のスイッチング素子SN1のスイッチング信号QN1をオフ(本例では、0)し、第2組の高電位側のスイッチング素子SP2のスイッチング信号QP2をオフ(0)し、第2組の低電位側のスイッチング素子SN2のスイッチング信号QN2をオン(1)する。
一方、PWM制御部353は、界磁キャリア信号Cfが界磁電圧指令値Vfを上回った場合は、第1組の高電位側のスイッチング信号QP1をオフ(0)し、第1組の低電位側のスイッチング信号QN1をオン(1)し、第2組の高電位側のスイッチング信号QP2をオン(1)し、第2組の低電位側のスイッチング信号QN2をオフ(0)する。なお、各組について、高電位側のスイッチング素子のオン期間と低電位側のスイッチング素子のオン期間との間には、正極側及び低電位側のスイッチング素子の双方をオフにする短絡防止期間(デッドタイム)が設けられてもよい。
また、界磁巻線の電流方向を変化させる必要がない場合は、第2組の高電位側のスイッチング信号QP2を常時オフしてもよく、第1組の低電位側のスイッチング信号QN1を常時オフしてもよい。界磁巻線のインダクタンスは、多くの場合において電機子巻線のインダクタンスより大きいため、オルタ発電制御時の第2制御周期Tc2の間の界磁電流の変動は小さい上、界磁磁束を直接変化させることが可能なため、オルタ発電制御に好適である。
<転用例>
(1)上記の実施の形態1では、交流回転機は、車両用の発電電動機である場合を例に説明した。しかし、交流回転電機は、車両以外の各種の装置の駆動力源に用いられてもよい。
(2)上記の実施の形態1では、界磁巻線式の交流回転機を例として説明した。しかし、交流回転機は、永久磁石式の交流回転機とされてもよい。
(3)上記の実施の形態1では、インバータ制御部33は、オルタ発電制御を実行する場合を例として説明した。しかし、インバータ制御部33は、オルタ発電制御と他の制御とを切り替えて実行してもよい。例えば、他の制御として、各組について、3相の電圧指令値に基づいて、インバータのスイッチング素子をPWM制御によりオンオフするインバータ制御が実行される。インバータ制御では、d軸及びq軸の回転座標系上で電流を制御する公知のベクトル制御などが用いられる。
(4)インバータ制御部33は、各組の各相について、電気角で位相をγだけ進めた巻線電流の予測値が、0よりも大きい値に設定されたローオン判定値IthL以上である場合は、ローオンモードに切り替えると判定し、電気角で位相をγだけ進めた巻線電流の予測値が、0よりも小さい値に設定されたハイオン判定値以下である場合に、ハイオンモードに切り替えると判定し、電気角で位相をγだけ進めた巻線電流の予測値が、ローオン判定値より小さく、且つハイオン判定値より大きい場合に、ゼロオンモードに切り替えると判定するように構成されてもよい。γは、次回オンオフ時間Tnxtに対応する位相に設定される。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 交流回転機、2 直流電源、4 界磁巻線、11 交流回転機の制御装置、14 ロータ、18 ステータ、Tnxt 次回オンオフ時間、Tdly オンオフ遅れ時間

Claims (16)

  1. ロータと、第1組の3相の電機子巻線及び第2組の3相の電機子巻線を有するステータとを設けた交流回転機を、インバータを介して制御する交流回転機の制御装置であって、
    前記インバータは、各組の各相について、直流電源の高電位側に接続される高電位側のスイッチング素子と前記直流電源の低電位側に接続される低電位側のスイッチング素子とが直列接続され、直列接続の接続点が対応する相の前記電機子巻線に接続される直列回路を設け、前記スイッチング素子は、逆並列接続されたダイオードの機能を有し、
    前記第1組の3相の電機子巻線に対する前記第2組の3相の電機子巻線の電気角での位相差は、-π/6であり、
    前記交流回転機の制御装置は、
    各組について、3相の前記電機子巻線に生じた誘起電圧により前記交流回転機に発電を行わせる際に、各相について、高電位側及び低電位側の前記スイッチング素子をオフするゼロオンモードと、高電位側の前記スイッチング素子をオンすると共に低電位側の前記スイッチング素子をオフするハイオンモードと、高電位側の前記スイッチング素子をオフすると共に低電位側の前記スイッチング素子をオンするローオンモードと、の切り替えを判定し、切り替えるオルタ発電制御を実行し、
    各組について、第1組及び第2組の3相の前記電機子巻線の電流の検出値に基づいて、電気角で位相をγだけ進めた各相の前記電機子巻線の電流の予測値を算出し、各相の前記電機子巻線の電流の予測値に基づいて、前記ゼロオンモード、前記ハイオンモード、及び前記ローオンモードの切り替えを判定する交流回転機の制御装置。
  2. 各組について、第1組及び第2組の3相の前記電機子巻線の電流検出値に基づいて、各相の前記電機子巻線の電流に含まれる電気角1次の成分及び電気角5次の成分を算出し、
    各組の各相の前記電気角1次の成分に対して、sin(γ)又はcos(γ)を乗算した値、及び各組の各相の前記電気角5次の成分に対して、sin(5×γ)又はcos(5×γ)を乗算した値に基づいて、各組の各相の前記電機子巻線の電流の予測値を算出する請求項1に記載の交流回転機の制御装置。
  3. 各組について、第1組及び第2組の3相の前記電機子巻線の電流検出値に基づいて、各相の前記電機子巻線の電流に含まれる電気角1次の成分及び電気角5次の成分を算出し、
    第1組及び第2組の一方の組の第m相の前記電機子巻線の電流の予測値を、前記第m相の前記電機子巻線の電流に含まれる前記電気角1次の成分及び前記電気角5次の成分、及び前記第m相の前記電機子巻線と電気角で位相がπ/2異なる他方の組の第n相の前記電機子巻線の電流に含まれる前記電気角1次の成分及び前記電気角5次の成分に基づいて算出する請求項1又は2に記載の交流回転機の制御装置。
  4. 第1組の第1相、第2相、及び第3相の前記電機子巻線の電流の予測値を、それぞれ、iu1e、iv1e、iw1eとし、
    第2組の第1相、第2相、及び第3相の前記電機子巻線の電流の予測値を、それぞれ、iu2e、iv2e、iw2eとし、
    第1組の第1相の前記電機子巻線の電流に含まれる電気角1次の成分及び電気角5次の成分を、それぞれ、iu1_1f、iu1_5fとし、
    第1組の第2相の前記電機子巻線の電流に含まれる電気角1次の成分及び電気角5次の成分を、それぞれ、iv1_1f、iv1_5fとし、
    第1組の第3相の前記電機子巻線の電流に含まれる電気角1次の成分及び電気角5次の成分を、それぞれ、iw1_1f、iw1_5fとし、
    第2組の第1相の前記電機子巻線の電流に含まれる電気角1次の成分及び電気角5次の成分を、それぞれ、iu2_1f、iu2_5fとし、
    第2組の第2相の前記電機子巻線の電流に含まれる電気角1次の成分及び電気角5次の成分を、それぞれ、iv2_1f、iv2_5fとし、
    第2組の第3相の前記電機子巻線の電流に含まれる電気角1次の成分及び電気角5次の成分を、それぞれ、iw2_1f、iw2_5fとし、
    Figure 0007002626000016
    の算出式により、各組の各相の前記電機子巻線の電流の予測値を算出する請求項3に記載の交流回転機の制御装置。
  5. 第1組の第1相、第2相、及び第3相の前記電機子巻線の電流検出値を、それぞれ、iu1s、iv1s、iw1sとし、
    第2組の第1相、第2相、及び第3相の前記電機子巻線の電流検出値を、それぞれ、iu2s、iv2s、iw2sとし、
    Figure 0007002626000017
    の算出式により、各組の各相の前記電機子巻線の電流に含まれる前記電気角1次の成分を算出する請求項4に記載の交流回転機の制御装置。
  6. 第1組の第1相、第2相、及び第3相の前記電機子巻線の電流検出値を、それぞれ、iu1s、iv1s、iw1sとし、
    第2組の第1相、第2相、及び第3相の前記電機子巻線の電流検出値を、それぞれ、iu2s、iv2s、iw2sとし、
    Figure 0007002626000018
    の算出式により、各組の各相の前記電機子巻線の電流に含まれる前記電気角5次の成分を算出する請求項4又は5に記載の交流回転機の制御装置。
  7. 第1組の3相の内の2相の前記電機子巻線の電流検出値及び第2組の3相の内の2相の前記電機子巻線の電流検出値のそれぞれに、個別の換算係数を乗算した値の和により、各組の各相の前記電機子巻線の電流の予測値を算出し、
    sin(γ)、cos(γ)、sin(5×γ)、及びcos(5×γ)を用いて、前記個別の換算係数を算出する請求項1に記載の交流回転機の制御装置。
  8. 第1組の第1相、第2相、及び第3相の前記電機子巻線の電流の予測値を、それぞれ、iu1e、iv1e、iw1eとし、
    第2組の第1相、第2相、及び第3相の前記電機子巻線の電流の予測値を、それぞれ、iu2e、iv2e、iw2eとし、
    第1組の第1相、第2相、及び第3相の前記電機子巻線の電流検出値を、それぞれ、iu1s、iv1s、iw1sとし、
    第2組の第1相、第2相、及び第3相の前記電機子巻線の電流検出値を、それぞれ、iu2s、iv2s、iw2sとし、
    Figure 0007002626000019
    の算出式により、各組の各相の前記電機子巻線の電流の予測値を算出する請求項7に記載の交流回転機の制御装置。
  9. 電気角1周期よりも短い制御周期で、前記ゼロオンモード、前記ハイオンモード、及び前記ローオンモードの切り替えを実行する請求項1から8のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
  10. 各組の各相について、予測時間に、前記ロータの電気角での回転角速度を乗算した値を、γとして設定し、
    各組の各相について、現在、前記ハイオンモード又は前記ローオンモードである場合は、前記予測時間を、今回の電流検出時点から、次回の電流検出時点の電流の検出値に基づいて判定した切り替え判定結果に基づいてスイッチング素子をオンオフする時点までの期間に設定する請求項1から9のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
  11. 各組の各相について、現在、前記ハイオンモードであり、前記電機子巻線の電流の予測値が、ハイゼロ判定値より大きくなった場合に、前記ゼロオンモードに切り替える請求項1から10のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
  12. 各組の各相について、現在、前記ローオンモードであり、前記電機子巻線の電流の予測値が、ローゼロ判定値より小さくなった場合に、前記ゼロオンモードに切り替える請求項1から11のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
  13. 各組の各相について、予測時間に、前記ロータの電気角での回転角速度を乗算した値を、γとして設定し、
    各組の各相について、現在、前記ゼロオンモードである場合は、前記予測時間を、今回の電流検出時点から、今回の電流検出時点の電流の検出値に基づいて判定した切り替え判定結果に基づいてスイッチング素子をオンオフする時点までの期間に設定する請求項1から12のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
  14. 各組の各相について、現在、前記ゼロオンモードであり、前記電機子巻線の電流の予測値が、ゼロハイ判定値以下になった場合に、前記ハイオンモードに切り替え、
    現在、前記ゼロオンモードであり、前記電機子巻線の電流の予測値が、ゼロロー判定値以上になった場合に、前記ローオンモードに切り替える請求項1から13のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
  15. 各組の各相について、現在、前記ゼロオンモードであり、前記電機子巻線の電流検出値が、ゼロハイ判定値以下になった場合に、前記ハイオンモードに切り替え、
    現在、前記ゼロオンモードであり、前記電機子巻線の電流検出値が、ゼロロー判定値以上になった場合に、前記ローオンモードに切り替える請求項1から12のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
  16. 前記交流回転機は、車両用の発電機または発電電動機である請求項1から15のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
JP2020192175A 2020-11-19 2020-11-19 交流回転機の制御装置 Active JP7002626B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020192175A JP7002626B1 (ja) 2020-11-19 2020-11-19 交流回転機の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020192175A JP7002626B1 (ja) 2020-11-19 2020-11-19 交流回転機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7002626B1 true JP7002626B1 (ja) 2022-01-20
JP2022080948A JP2022080948A (ja) 2022-05-31

Family

ID=80560858

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020192175A Active JP7002626B1 (ja) 2020-11-19 2020-11-19 交流回転機の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7002626B1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017201858A (ja) 2016-05-06 2017-11-09 株式会社デンソー 回転電機の制御装置
JP2017201859A (ja) 2016-05-06 2017-11-09 株式会社デンソー 回転電機の制御装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017201858A (ja) 2016-05-06 2017-11-09 株式会社デンソー 回転電機の制御装置
JP2017201859A (ja) 2016-05-06 2017-11-09 株式会社デンソー 回転電機の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022080948A (ja) 2022-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5504878B2 (ja) 車両用発電機
US9246422B2 (en) Motor control device and motor control method
JP6685452B1 (ja) 回転電機の制御装置
Shin et al. Fault diagnosis method for power transistors in switched reluctance machine drive system
CN114731114A (zh) 电动机控制装置
JP7002626B1 (ja) 交流回転機の制御装置
JP6348779B2 (ja) 同期電動機の駆動システム
JP7191074B2 (ja) 交流回転機の制御装置
JP7109519B2 (ja) 交流回転機の制御装置
JP7002625B1 (ja) 交流回転機の制御装置
JP5923437B2 (ja) 同期電動機駆動システム
JP2017034767A (ja) 3相ブラシレスモータのセンサレス駆動方法
Chen et al. Torque ripple reduction of brushless DC motor on current prediction and overlapping commutation
Kumar et al. Multi Quadrant Operation of Brushless Direct Current Motor Drive with PI and Fuzzy Logic Controllers.
JP6681266B2 (ja) 電動機の制御装置及びそれを備えた電動車両
JP6884193B2 (ja) 交流回転機の制御装置
JP7309002B1 (ja) 電力変換装置
US11323056B2 (en) Controller for AC rotary electric machine
JP5153241B2 (ja) 整流回路
JP7507985B2 (ja) 交流回転機の制御装置、車両用駆動装置、及び電動パワーステアリング装置
JP6991282B1 (ja) 回転機の制御装置
WO2023209803A1 (ja) 交流回転機の制御装置
JP2023183491A (ja) 交流回転機の制御装置、及び車両用発電電動機装置
WO2022054232A1 (ja) 回転機の制御装置
JP2023183492A (ja) 交流回転機の制御装置、及び車両用発電電動機装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211227

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7002626

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111