JP6996296B2 - ゴルフボール - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフボールに関し、特にカバーの樹脂成分としてアイオノマー樹脂を含有するゴルフボールの打撃耐久性の改良技術に関する。
従来、カバー層(最外層カバー、内層カバー)に硬度の高いアイオノマー樹脂を用いることにより、高反発化・低スピン化が実現され、その結果ドライバーショット等の飛距離が大きくなることが知られている。しかし、その反面打球感が悪くなると言う問題点もあった。一方、打球感を向上させる目的で軟質樹脂(軟質アイオノマーや軟質エラストマー等)を配合する試みもなされている。
例えば、特許文献1には、(a)α-オレフィン-不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂および、(b)芳香族ビニル化合物からなる重合体ブロックAを1個以上および、共役ジエン化合物からなり、該共役ジエン化合物に由来する炭素-炭素二重結合の70%以上が水素添加された重合体ブロックBを1個以上有し、かつ末端に水酸基を有するブロック共重合体からなり、両者の重量比が(a)/(b)=98/2~50/50であることを特徴とするゴルフボールカバー用樹脂組成物が記載されている(特許文献1(請求項1、段落0021)参照)。
また、特許文献2には、コアとカバーとの間に中間層が介在しているゴルフボールにおいて、前記中間層は、(a)芳香族ビニル化合物からなる重合体ブロックAを少なくとも1個及び共役ジエン化合物からなる重合体ブロックBを少なくとも1個有するブロック共重合体又はその水素添加物と、(b)アイオノマーとの混合物をポリマー成分とする熱可塑性樹脂組成物の硬化体であることを特徴とするゴルフボールが記載されている(特許文献2(請求項1、段落0032、0042、0046)参照)。
特開平10-57527号公報 特開2000-185114号公報
硬度の高いアイオノマー樹脂を配合するカバー材料に、軟質樹脂を配合すると、打撃耐久性は改善されるものの、反発性が低下するという問題がある。従って、アイオノマー配合系における従来技術では、高飛距離化と打撃耐久性は相反する要求特性であった。
ここで、特許文献1、2には、アイオノマー樹脂に軟質なブロック共重合体又はその水素添加物を配合する技術が記載されている。しかし、これらの技術は柔軟性を追求したものであり、これらの技術を採用すると、カバー材料の反発性が低下し、結果として飛距離が落ちると考えられる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、反発性能および打撃耐久性に優れたゴルフボールを提供することを目的とする。
上記課題を解決することができた本発明のゴルフボールは、球状コアと、前記球状コアを被覆する少なくとも1層のカバーとを有し、前記カバーの少なくとも一層が、樹脂成分として、(A)オレフィン系アイオノマー樹脂、および、(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物を含有するカバー用樹脂組成物から形成されており、前記(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物が、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を有するブロックと、共役ジエン化合物に由来する構造単位を有するブロックとを有し、分子末端にヒドロキシ基を有する共重合体および/またはその水素添加物であり、前記樹脂成分中の前記(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物の含有量が、前記(A)オレフィン系アイオノマー樹脂100質量部に対して0.1質量部~20質量部であり、前記カバー用樹脂組成物のスラブ硬度が、ショアD硬度で57以上であることを特徴とする。
本発明のゴルフボールは、反発性能および打撃耐久性に優れる。
本発明の一実施形態に係るゴルフボールが示された一部切り欠き断面図。 本発明の他の実施形態に係るゴルフボールが示された一部切り欠き断面図。
本発明のゴルフボールは、球状コアと、前記球状コアを被覆する少なくとも1層のカバーとを有する。そして、前記カバーの少なくとも一層が、樹脂成分として、(A)オレフィン系アイオノマー樹脂、および、(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物を含有するカバー用樹脂組成物から形成されており、前記(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物が、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を有するブロックと、共役ジエン化合物に由来する構造単位を有するブロックとを有し、分子末端にヒドロキシ基を有する共重合体および/またはその水素添加物であり、前記樹脂成分中の前記(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物の含有量が、前記(A)オレフィン系アイオノマー樹脂100質量部に対して0.1質量部~20質量部であり、前記カバー用樹脂組成物のスラブ硬度が、ショアD硬度で57以上であることを特徴とする。
前記カバー用樹脂組成物について説明する。前記カバー用樹脂組成物は、樹脂成分として、(A)オレフィン系アイオノマー樹脂、および、(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物を含有する。
((A)オレフィン系アイオノマー樹脂)
前記(A)オレフィン系アイオノマー樹脂は、オレフィンおよび不飽和カルボン酸の共重合体をベースポリマーとし、この共重合体が有するカルボキシ基の少なくとも一部が金属イオンにより中和されたアイオノマー樹脂である。なお、前記共重合体は、オレフィンおよび不飽和カルボン酸以外の他の単量体成分を含有してもよい。前記(A)オレフィン系アイオノマー樹脂は、熱可塑性であることが好ましい。前記(A)オレフィン系アイオノマー樹脂は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(A)オレフィン系アイオノマー樹脂としては、(a1)オレフィンと、炭素数3~8個のα,β-不飽和カルボン酸との二元共重合体の金属イオン中和物(以下、「(a1)二元系アイオノマー樹脂」と称する場合がある。)、および/または、(a2)オレフィンと、炭素数3~8個のα,β-不飽和カルボン酸と、α,β-不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の金属イオン中和物(以下、「(a2)三元系アイオノマー樹脂」と称する場合がある。)が好ましい。
前記オレフィンとしては、炭素数が2~8個のオレフィンが好ましく、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等を挙げることができ、特にエチレンであることが好ましい。
前記炭素数3~8個のα,β-不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げられ、特にアクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。
α,β-不飽和カルボン酸エステルとしては、炭素数が3~8個α,β-不飽和カルボン酸のアルキルエステルが好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸またはマレイン酸のアルキルエステルがより好ましく、特にアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルが好ましい。エステルを構成するアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基などが挙げられる。
前記(a1)二元系アイオノマー樹脂としては、エチレン-(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属イオン中和物が好ましい。前記(a2)三元系アイオノマー樹脂としては、エチレンと(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの三元共重合体の金属イオン中和物が好ましい。ここで、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。
前記(a1)二元系アイオノマー樹脂中の炭素数3~8個のα,β-不飽和カルボン酸成分の含有率は、15質量%以上が好ましく、16質量%以上がより好ましく、17質量%以上がさらに好ましく、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。炭素数3~8個のα,β-不飽和カルボン酸成分の含有率が、15質量%以上であれば、得られるカバー所望の硬度にしやすくなる。また、炭素数3~8個のα,β-不飽和カルボン酸成分の含有率が、30質量%以下であれば、得られるカバーの硬度が高くなり過ぎず、打撃耐久性と打球感が良好になる。
前記(a1)二元系アイオノマー樹脂のカルボキシ基の中和度は、15モル%以上が好ましく、20モル%以上が好ましく、100モル%以下が好ましい。中和度が15モル%以上であれば、得られるカバーの反発性および打撃耐久性が良好になる。なお、アイオノマー樹脂のカルボキシ基の中和度は、下記式で求めることができる。また、理論上のアイオノマー樹脂中のカルボキシ基の中和度が100モル%を超えるように金属成分を含有する場合がある。
アイオノマー樹脂の中和度(モル%)=100×アイオノマー樹脂中の中和されているカルボキシ基のモル数/アイオノマー樹脂中のカルボキシ基の総モル数
前記(a1)二元系アイオノマー樹脂のカルボキシ基の少なくとも一部を中和する金属イオンとしては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどの1価の金属イオン;マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウムなどの2価の金属イオン;アルミニウムなどの3価の金属イオン;錫、ジルコニウムなどのその他のイオンが挙げられる。
前記(a1)二元系アイオノマー樹脂のメルトフローレイト(MFR)(190℃、2.16kg荷重)は、0.1g/10min以上が好ましく、より好ましくは0.5g/10min以上、さらに好ましくは1.0g/10min以上、特に好ましくは3.0g/10min以上であり、30g/10min以下が好ましく、より好ましくは20g/10min以下、さらに好ましくは15g/10min以下である。前記(a1)二元系アイオノマー樹脂のMFR(190℃、2.16kg荷重)が0.1g/10min以上であれば、カバー用樹脂組成物の流動性が良好になり、例えば、薄い層の成形が可能となる。また、前記(a1)二元系アイオノマー樹脂のMFR(190℃、2.16kg荷重)が30g/10min以下であれば、得られるカバーの耐久性がより良好となる。MFRは、フローテスターを用いて、JIS K7210に準じて測定する。
前記(a1)二元系アイオノマー樹脂のスラブ硬度は、ショアD硬度で40以上が好ましく、より好ましくは45以上、さらに好ましくは50以上、特に好ましくは55以上であり、90以下が好ましく、より好ましくは80以下、さらに好ましくは70以下である。前記スラブ硬度が、ショアD硬度で40以上であれば、得られるカバーが、柔らかく成り過ぎず、反発性が良好になる。また、前記スラブ硬度が、ショアD硬度で90以下であれば、得られるカバーが硬くなりすぎず、打撃耐久性がより良好となる。
前記(a2)三元系アイオノマー樹脂中の炭素数3~8個のα,β-不飽和カルボン酸成分の含有率は、2質量%以上が好ましく、より好ましくは3質量%以上であり、30質量%以下が好ましく、より好ましくは25質量%以下である。
前記(a2)三元系アイオノマー樹脂のカルボキシ基の中和度は、20モル%以上が好ましく、より好ましくは30モル%以上であり、100モル%以下が好ましい。中和度が20モル%以上であれば、得られるカバーの反発性および耐久性が良好になる。
前記(a2)三元系アイオノマー樹脂のカルボキシ基の少なくとも一部を中和する金属イオンとしては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどの1価の金属イオン;マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウムなどの2価の金属イオン;アルミニウムなどの3価の金属イオン;錫、ジルコニウムなどのその他のイオンが挙げられる。
前記(a2)三元系アイオノマー樹脂のMFR(190℃、2.16kg荷重)は、0.1g/10min以上が好ましく、より好ましくは0.3g/10min以上、さらに好ましくは0.5g/10min以上であり、20g/10min以下が好ましく、より好ましくは15g/10min以下、さらに好ましくは10g/10min以下である。前記(a3)三元系アイオノマー樹脂のMFR(190℃、2.16kg荷重)が0.1g/10min以上であれば、カバー用樹脂組成物の流動性が良好となり、薄い層の成形が容易になる。また、前記(a2)三元系アイオノマー樹脂のMFR(190℃、2.16kg荷重)が20g/10min以下であれば、得られるカバーの打撃耐久性がより良好となる。
前記(a2)三元系アイオノマー樹脂のスラブ硬度は、ショアD硬度で20以上が好ましく、より好ましくは25以上、さらに好ましくは30以上であり、70以下が好ましく、より好ましくは65以下、さらに好ましくは60以下である。前記スラブ硬度が、ショアD硬度で20以上であれば、得られるカバーが、柔らかく成り過ぎず、反発性が良好になる。また、前記スラブ硬度が、ショアD硬度で70以下であれば、得られるカバーが硬くなりすぎず、打撃耐久性がより良好となる。
前記(a1)二元系アイオノマー樹脂、および、(a2)三元系アイオノマー樹脂は、予め中和されたアイオノマー樹脂を用いてもよいし、オレフィンと、炭素数3~8個のα,β-不飽和カルボン酸との二元共重合体、および/または、オレフィンと炭素数3~8個のα,β-不飽和カルボン酸とα,β-不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体と、金属化合物とを混合して用いてもよい。また、(a1)二元系アイオノマー樹脂および(a2)三元系アイオノマー樹脂は、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(A)オレフィン系アイオノマー樹脂としては、(a1)二元系アイオノマー樹脂が好ましい。特に、1価の金属イオンで中和された二元系アイオノマー樹脂と2価の金属イオンで中和された二元系アイオノマー樹脂を併用することが好ましい。
前記(a1)二元系アイオノマー樹脂としては、ハイミラン(登録商標)1555(Na)、1557(Zn)、1605(Na)、1706(Zn)、1707(Na)、AM7311(Mg)、AM7329(Zn)(三井・デュポン・ポリケミカル社製);サーリン(登録商標)8945(Na)、9945(Zn)、8140(Na)、8150(Na)、9120(Zn)、9150(Zn)、6910(Mg)、6120(Mg)、7930(Li)、7940(Li)、AD8546(Li)(デュポン社製);アイオテック(登録商標)8000(Na)、8030(Na)、7010(Zn)、7030(Zn)(エクソンモービル化学社製)などが挙げられる。
前記(a2)三元系アイオノマー樹脂としては、ハイミランAM7327(Zn)、1855(Zn)、1856(Na)、AM7331(Na)(三井・デュポン・ポリケミカル社製);サーリン6320(Mg)、8120(Na)、8320(Na)、9320(Zn)、9320W(Zn)、HPF1000(Mg)、HPF2000(Mg)(デュポン社製);アイオテック7510(Zn)、7520(Zn)(エクソンモービル化学社製)などが挙げられる。前記商品名の後の括弧内に記載したNa、Zn、Li、Mgなどは、これらの中和金属イオンの金属種を示している。
前記二元共重合体としては、ニュクレル(登録商標)N1050H、N2050H、N1110H、N0200H、N1560、N2060(三井・デュポン・ポリケミカル社製);プリマコール(登録商標)5980I(ダウ・ケミカル社製)などが挙げられる。前記三元共重合体としては、ニュクレルAN4318、AN4319(三井・デュポン・ポリケミカル社製)、プリマコールAT310、AT320(ダウ・ケミカル社製)などが挙げられる。
((B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物)
前記(B)ブロック共重合体は、(b1)芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を有するブロック(以下、「(b1)ブロック」と称する場合がある。)と、(b2)共役ジエン化合物に由来する構造単位を有するブロック(以下、「(b1)ブロック」と称する場合がある。)とを有し、分子末端にヒドロキシ基を有する。
前記(B)成分を構成するブロック共重合体の構成は、線状(b1-b2型、b1-b2-b1型、マルチブロック型)、分岐状(T字型、星型など)、あるいはこれらの任意の組合せで結合したものが挙げられる。
前記(b1)ブロックを構成する芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α-メチルスチレン、4-プロピルスチレン、1,3-ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられ、スチレン、α-メチルスチレンが好ましい。これらの芳香族ビニル化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、結晶性を高めるためにホモポリマーのブロックであることが好ましく、特にポリスチレンまたはポリ(α-メチルスチレン)であることが好ましい。
(B)ブロック共重合体中の前記(b1)ブロックの含有率は、5質量%以上が好ましく、より好ましくは10質量%以上であり、75質量%以下が好ましく、より好ましくは65質量%以下である。
前記(b2)ブロックを構成する共役ジエン化合物としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられ、1,3-ブタジエン、イソプレンが好ましい。これらの共役ジエン化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。1,3-ブタジエンを重合させる場合、1,4-重合物、1,2-重合物、または、1,4-結合と1,2-結合が混在したもののいずれでもよい。前記(b2)ブロックは、ポリブタジエン、イソプレンとブタジエンとのランダム共重合体が好ましい。
前記(B)ブロック共重合体の水素添加物は、(b2)ブロックが有する炭素-炭素二重結合の少なくとも一部が水素添加される。そのため、水素添加後の(b2)ブロックは、ポリエチレンブロックまたはエチレン・プロピレンランダム共重合体ブロックとなる。
前記(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物は、分子鎖の末端にヒドロキシ基を有する。分子末端にヒドロキシ基が結合しているブロック共重合体は、ヒドロキシ基が結合していないブロック共重合体と比べて軟らかいにも拘わらず、破断強度、破断伸度が大きく、また反発性が高いという特徴を有している。
ヒドロキシ基は(b1)ブロック、(b2)ブロックのいずれに導入されていてもよいが、(b1)ブロックの末端に付加されていることが好ましく、ポリスチレンブロックの末端に付加されていることがより好ましい。よって、好ましい(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物としては、ポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレン-OH、ポリスチレン-ポリイソプレン-ポリスチレン-OH、ポリスチレン-ブタジエン/イソプレンランダムポリマーブロック-ポリスチレン-OH、および、これらの水素添加物が挙げられ、最も好ましいのは、ポリスチレン-ブタジエン/イソプレンランダムポリマーブロック-ポリスチレン-OHの水素添加物、および、ポリスチレン-ポリイソプレン-ポリスチレン-OHの水素添加物である。
(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物におけるヒドロキシ基の含有量は、(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物の1分子あたり、0.5個以上が好ましく、より好ましくは0.6個以上である。
前記(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物の数平均分子量は特に限定されないが、30,000以上が好ましく、より好ましくは40,000以上であり、1,000,000以下が好ましく、より好ましくは300,000以下である。
前記(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物のスラブ硬度は、ショアA硬度で、5以上が好ましく、より好ましくは10以上、さらに好ましくは15以上、特に好ましくは50以上であり、97以下が好ましく、より好ましくは95以下、さらに好ましくは90以下である。(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物のスラブ硬度は、シートを作製し、このシートを測定基板などの影響が出ないように重ねた状態で、自動硬度計を用いて測定すればよい。
前記(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物のMFR(230℃、2.16kg)は、0.1g/10min以上が好ましく、より好ましくは0.5g/10min以上、さらに好ましくは1.0g/10min以上、特に好ましくは10.0g/10min以上であり、100g/10min以下が好ましく、より好ましくは90g/10min以下、さらに好ましくは80g/10min以下である。
(カバー用樹脂組成物)
前記樹脂成分中の前記(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物の含有量は、前記(A)オレフィン系アイオノマー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.2質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上、特に好ましくは1.0質量部以上であり、20質量部以下が好ましく、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。前記(B)成分の含有量が0.1質量部以上であればゴルフボールの打撃耐久性が向上し、20質量部以下であれば樹脂組成物が柔らかくなり過ぎず、カバーの反発性の低下を抑制できる。
前記カバー用樹脂組成物は、樹脂成分として、(A)成分と(B)成分以外の樹脂成分を含有しても良い。この場合、樹脂成分中の(A)成分と(B)成分との合計含有率は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。前記カバー用樹脂組成物は、樹脂成分として、(A)成分と(B)成分のみを含有することも好ましい。
前記他の樹脂成分としては、熱可塑性樹脂が挙げられ、例えば、熱可塑性ポリウレタン樹脂、熱可塑性ポリアミド樹脂、熱可塑性スチレン系樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂を挙げることができる。熱可塑性樹脂の中でも、ゴム弾性を有する熱可塑性エラストマーが好ましい。前記熱可塑性エラストマーとしては、例えば、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性アクリル系エラストマーなどを挙げることができる。
熱可塑性ポリウレタン樹脂および熱可塑性ポリウレタンエラストマーとしては、分子の主鎖にウレタン結合を複数有する熱可塑性樹脂および熱可塑性エラストマーを挙げることができる。前記ポリウレタンは、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを反応させて得られるものが好ましい。前記熱可塑性ポリウレタンエラストマーとしては、例えば、BASFジャパン(株)社製の商品名「エラストラン(登録商標)XNY85A」、「エラストランXNY90A」、「エラストランXNY97A」、「エラストランET885」、「エラストランET890」などが挙げられる。
前記熱可塑性ポリアミドとしては、分子の主鎖中にアミド結合(-NH-CO-)を複数有する熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、例えば、ラクタムを開環重合させたり、ジアミン成分とジカルボン酸成分とを反応させたりすることによって、アミド結合が分子内に形成された生成物が挙げられる。
前記ポリアミド樹脂としては、例えば、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド9T、ポリアミドM5T、ポリアミド612などの脂肪族系ポリアミド;ポリ-p-フェニレンテレフタルアミド、ポリ-m-フェニレンイソフタルアミドなどの芳香族系ポリアミドが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12などの脂肪族系ポリアミドが好適である。
前記ポリアミド樹脂の具体例を商品名で示すと、例えば、アルケマ社から市販されている「リルサン(登録商標)B(例えば、リルサンBESN TL、リルサンBESN P20 TL、リルサンBESN P40 TL、リルサンMB3610、リルサンBMF O、リルサンBMN O、リルサンBMN O TLD、リルサンBMN BK TLD、リルサンBMN P20 D、リルサンBMN P40 Dなど)」などが挙げられる。
ポリアミドエラストマーは、ポリアミド成分からなるハードセグメント部分とソフトセグメント部分とを有する。ポリアミドエラストマーのソフトセグメント部分としては、例えば、ポリエーテルエステル成分またはポリエーテル成分を挙げることができる。前記ポリアミドエラストマーとしては、例えば、ポリアミド成分(ハードセグメント成分)と、ポリオキシアルキレングリコールおよびジカルボン酸からなるポリエーテルエステル成分(ソフトセグメント成分)との反応で得られるポリエーテルエステルアミド;ポリアミド成分(ハードセグメント成分)と、ポリオキシアルキレングリコールの両末端をアミノ化またはカルボキシル化したものとジカルボン酸またはジアミンとからなるポリエーテル(ソフトセグメント成分)との反応で得られるポリエーテルアミドが例示される。
前記ポリアミドエラストマーとして、例えば、アルケマ社製の「ペバックス(PEBAX)(登録商標)2533」、「ペバックス3533」、「ペバックス4033」、「ペバックス5533」などを挙げることができる。
前記カバー用樹脂組成物は、さらに、白色顔料(例えば、酸化チタン)、青色顔料などの顔料成分、重量調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などの添加剤を含有することができる。前記重量調整剤としては、例えば、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タングステン粉末、モリブデン粉末などの無機充填剤を挙げることができる。
前記白色顔料(例えば、酸化チタン)の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましい。白色顔料の含有量を0.5質量部以上とすることによって、得られるカバーに隠蔽性を付与することができる。また、白色顔料の含有量が10質量部超になると、得られるカバーの耐久性が低下する場合がある。
前記カバー用樹脂組成物は、例えば、(A)成分、(B)成分、および必要に応じてその他の添加剤などを、ドライブレンドすることにより得られる。また、ドライブレンドした混合物を、押出してペレット化してもよい。ドライブレンドには、例えば、ペレット状の原料を配合できる混合機を用いるのが好ましく、より好ましくはタンブラー型混合機を用いる。押出は、一軸押出機、二軸押出機、二軸一軸押出機など公知の押出機を使用することができる。
前記カバー用樹脂組成物のスラブ硬度は、ショアD硬度で、57以上、61以上が好ましく、より好ましくは63以上、さらに好ましくは65以上であり、90以下が好ましく、85以下がより好ましい。カバー用樹脂組成物のスラブ硬度が、ショアD硬度で、57以上であれば、得られるカバーが柔らかく成り過ぎず、ゴルフボールの反発性が良好になる。また、カバー用樹脂組成物のスラブ硬度が、ショアD硬度で、90以下であれば、得られるカバーが硬くなりすぎず、ゴルフボールの打球感がより良好となる。
前記カバー用樹脂組成物の曲げ弾性率は、100MPa以上が好ましく、より好ましくは110MPa以上、さらに好ましくは120MPa以上、特に好ましくは300MPa以上であり、2000MPa以下が好ましく、より好ましくは1900MPa以下、さらに好ましくは1800MPa以下である。曲げ弾性率が100MPa以上であればゴルフボールの反発が良好になり、2000MPa以下であれば得られるカバーが硬くなり過ぎず、ゴルフボールの打球感がより良好となる。曲げ弾性率は、ISO178(2001)に準じて測定する。
前記カバー用樹脂組成物のMFR(190℃、2.16kg)は、0.1g/10min以上が好ましく、より好ましくは0.2g/10min以上、さらに好ましくは0.5g/10min以上、特に好ましくは3.0g/10min以上であり、100g/10min以下が好ましく、より好ましくは90g/10min以下、さらに好ましくは80g/10min以下である。MFRが0.1g/10min以上であれば成型性が良好となり、100g/10min以下であればゴルフボールの打撃耐久性が低下しない。
(ゴルフボール)
本発明のゴルフボールは、カバーの少なくとも1層が前記カバー用樹脂組成物から形成されていれば、その構造は特に限定されない。ゴルフボールの構造としては、例えば、コアと、前記コアを被覆するように配設されたカバーとを有するゴルフボール;コアと前記コアを被覆するように配設された単層の内層カバーと、前記内層カバーを被覆するように配設された外層カバーとを有するゴルフボール;または、コアと前記コアを被覆するように配設された1以上の内層カバーと、前記内層カバーを被覆するように配設された最外層カバーを有するマルチピースゴルフボール(前記スリーピースゴルフボールを含む)を挙げることができる。なお、コアの構造としては、単層コア、多層コアのいずれであってもよい。
前記ゴルフボールの態様としては、最外層カバーが、前記カバー用樹脂組成物から形成されている態様(第1態様);カバーが少なくとも2層であり、最外層カバー以外のカバーの少なくとも1層が、前記カバー用樹脂組成物から形成されている態様(第2態様)が挙げられる。前記第1態様としては、コアと、前記コアを被覆するように配設された単層カバーとを有するゴルフボールにおいて、前記カバーが、前記カバー用樹脂組成物から形成されている態様が好ましい。第2態様としては、コアと前記コアを被覆するように配設された一以上の内層カバーと、前記内層カバーを被覆するように配設された最外層カバーを有するマルチピースゴルフボールにおいて、内層カバーの最も外側に配置される層が、前記カバー用樹脂組成物から形成されている態様が好ましい。
前記ゴルフボールは、前記カバー用樹脂組成物から成形されたカバー以外の部分は、従来公知の材料を用いることができる。
前記コアには、公知のゴム組成物(以下、単に「コア用ゴム組成物」という場合がある)を用いることができ、例えば、基材ゴム、共架橋剤および架橋開始剤を含むゴム組成物を加熱プレスして成形することができる。
前記基材ゴムとしては、特に、反発に有利なシス結合が40質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上のハイシスポリブタジエンを用いることが好ましい。前記共架橋剤としては、炭素数が3~8個のα,β-不飽和カルボン酸またはその金属塩が好ましく、アクリル酸の金属塩またはメタクリル酸の金属塩がより好ましい。金属塩の金属としては、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ナトリウムが好ましく、より好ましくは亜鉛である。共架橋剤の使用量は、基材ゴム100質量部に対して20質量部以上50質量部以下が好ましい。架橋開始剤としては、有機過酸化物が好ましく用いられる。具体的には、ジクミルパーオキサイド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ-t-ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられ、これらのうちジクミルパーオキサイドが好ましく用いられる。架橋開始剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.2質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上であって、5質量部以下が好ましく、より好ましくは3質量部以下である。
また、前記コア用ゴム組成物は、さらに、有機硫黄化合物を含有してもよい。前記有機硫黄化合物としては、ジフェニルジスルフィド類、チオフェノール類、チオナフトール類を好適に使用することができる。有機硫黄化合物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上であって、5.0質量部以下が好ましく、より好ましくは3.0質量部以下である。前記コア用ゴム組成物は、さらにカルボン酸および/またはその塩を含有してもよい。カルボン酸および/またはその塩としては、炭素数が1~30のカルボン酸および/またはその塩が好ましい。前記カルボン酸としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸(安息香酸など)のいずれも使用できる。カルボン酸および/またはその塩の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、1質量部以上、40質量部以下である。
前記コア用ゴム組成物には、基材ゴム、共架橋剤、架橋開始剤、有機硫黄化合物に加えて、さらに、酸化亜鉛や硫酸バリウムなどの重量調整剤、老化防止剤、色粉などを適宜配合することができる。前記コア用ゴム組成物の加熱プレス成型条件は、ゴム組成に応じて適宜設定すればよいが、通常、130℃~200℃で10分間~60分間加熱するか、あるいは130℃~150℃で20分間~40分間加熱した後、160℃~180℃で5分間~15分間と2段階加熱することが好ましい。
前記球状コアの直径は、34.8mm以上が好ましく、より好ましくは36.8mm以上、さらに好ましくは38.8mm以上であり、42.2mm以下が好ましく、41.8mm以下がより好ましく、さらに好ましくは41.2mm以下であり、最も好ましくは40.8mm以下である。前記球状コアの直径が34.8mm以上であれば、カバーの厚みが厚くなり過ぎず、反発性がより良好となる。一方、球状コアの直径が42.2mm以下であれば、カバーが薄くなり過ぎず、カバーの機能がより発揮される。
前記球状コアは、直径34.8mm~42.2mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にセンターが縮む量)が、1.90mm以上が好ましく、より好ましくは2.00mm以上、さらに好ましくは2.10mm以上であり、5.00mm以下が好ましく、より好ましくは4.80mm以下、さらに好ましくは4.60mm以下である。前記圧縮変形量が、1.90mm以上であれば打球感がより良好となり、5.00mm以下であれば、反発性がより良好となる。
前記球状コアの表面硬度Hsと中心硬度Hoとの硬度差(Hs-Ho)は、ショアD硬度で、5以上が好ましく、より好ましくは8以上、さらに好ましくは10以上であり、50以下が好ましく、45以下がより好ましく、40以下がさらに好ましい。前記硬度差が大きいと、高打出角および低スピンの飛距離が大きいゴルフボールが得られる。
前記球状コアの中心硬度Hoは、ショアD硬度で、5以上が好ましく、より好ましくは10以上、さらに好ましくは15以上である。球状コアの中心硬度HoがショアD硬度で10以上であれば、軟らかくなりすぎず、反発性が良好となる。また、球状コアの中心硬度Hoは、ショアD硬度で70以下が好ましく、より好ましくは60以下であり、さらに好ましくは50以下である。前記中心硬度HoがショアD硬度で70以下であれば、硬くなり過ぎず、打球感が良好となる。
前記球状コアの表面硬度Hsは、ショアD硬度で、15以上が好ましく、より好ましくは25以上、さらに好ましくは35以上であり、90以下が好ましく、より好ましくは80以下、さらに好ましくは70以下である。前記球状コアの表面硬度を、ショアD硬度で15以上とすることにより、球状コアが軟らかくなり過ぎることがなく、良好な反発性が得られる。また、前記球状コアの表面硬度をショアD硬度で90以下とすることにより、球状コアが硬くなり過ぎず、良好な打球感が得られる。
前記カバー用樹脂組成物以外のカバー材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂;スチレンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマーなどの熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。ここで、アイオノマー樹脂としては、例えば、エチレンとα,β-不飽和カルボン酸との共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したもの、またはエチレンとα,β-不飽和カルボン酸とα,β-不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したものが挙げられる。前記内層カバーには、さらに、硫酸バリウム、タングステンなどの重量調整剤、老化防止剤、顔料などが配合されていてもよい。
内層カバーを形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、カバー用樹脂組成物を予め半球殻状のハーフシェルに成形し、それを2枚用いて球体を包み、加圧成形する方法、または、カバー用樹脂組成物を直接球体上に射出成形して球体を包み込む方法などを挙げることができる。
カバー用樹脂組成物を球体上に射出成形して内層カバーを成形する場合、成形用上下金型としては、半球状キャビティを有しているものを使用することが好ましい。射出成形による内層カバーの成形は、ホールドピンを突き出し、被覆球体を投入してホールドさせた後、加熱溶融されたカバー用樹脂組成物を注入して、冷却することにより内層カバーを成形することができる。
圧縮成形法により内層カバーを成形する場合、ハーフシェルの成形は、圧縮成形法または射出成形法のいずれの方法によっても行うことができるが、圧縮成形法が好適である。カバー用樹脂組成物を圧縮成形してハーフシェルに成形する条件としては、例えば、1MPa以上、20MPa以下の圧力で、カバー用樹脂組成物の流動開始温度に対して、-20℃以上、+70℃以下の成形温度を挙げることができる。前記成形条件とすることによって、均一な厚みをもつハーフシェルを成形できる。ハーフシェルを用いて内層カバーを成形する方法としては、例えば、球体を2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法を挙げることができる。ハーフシェルを圧縮成形して内層カバーに成形する条件としては、例えば、0.5MPa以上、25MPa以下の成形圧力で、カバー用樹脂組成物の流動開始温度に対して、-20℃以上、+70℃以下の成形温度を挙げることができる。前記成形条件とすることによって、均一な厚みを有する中間層を成形できる。
なお、成形温度とは、型締めから型開きの間に、下型の凹部の表面が到達する最高温度を意味する。また組成物の流動開始温度は、島津製作所の「フローテスター CFT-500」を用いて、ペレット状のカバー用樹脂組成物を、プランジャー面積:1cm2、DIE LENGTH:1mm、DIE DIA:1mm、荷重:588.399N、開始温度:30℃、昇温速度:3℃/分の条件で測定することができる。
カバー用組成物を用いて最外層カバーを成形する態様は、特に限定されないが、カバー用組成物を球状コア上または内層カバーに直接射出成形する態様、あるいは、カバー用組成物から中空殻状のシェルを成形し、球状コアまたは内層カバーを形成した球体を複数のシェルで被覆して圧縮成形する態様(好ましくは、カバー用組成物から中空殻状のハーフシェルを成形し、球状コアを2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法)を挙げることができる。最外層カバーが成形されたゴルフボール本体は、金型から取り出し、必要に応じて、バリ取り、洗浄、サンドブラストなどの表面処理を行うことが好ましい。また、所望により、マークを形成することもできる。
カバーに形成されるディンプルの総数は、200個以上500個以下が好ましい。ディンプルの総数が200個未満では、ディンプルの効果が得られにくい。また、ディンプルの総数が500個を超えると、個々のディンプルのサイズが小さくなり、ディンプルの効果が得られにくい。形成されるディンプルの形状(平面視形状)は、特に限定されるものではなく、円形;略三角形、略四角形、略五角形、略六角形などの多角形;その他不定形状;を単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。
カバーが成形されたゴルフボールは、金型から取り出し、必要に応じて、バリ取り、洗浄、サンドブラストなどの表面処理を行うことが好ましい。また、所望により、塗膜やマークを形成することもできる。前記塗膜の膜厚は、特に限定されないが、5μm以上が好ましく、7μm以上がより好ましく、50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましい。膜厚が5μm未満になると継続的な使用により塗膜が摩耗消失しやすくなり、膜厚が50μmを超えるとディンプルの効果が低下してゴルフボールの飛行性能が低下するからである。
本発明のゴルフボールの直径は、40mmから45mmが好ましい。米国ゴルフ協会(USGA)の規格が満たされるとの観点から、直径は42.67mm以上が特に好ましい。空気抵抗抑制の観点から、直径は44mm以下がより好ましく、42.80mm以下が特に好ましい。また、ゴルフボールの質量は、40g以上50g以下が好ましい。大きな慣性が得られるとの観点から、質量は44g以上がより好ましく、45.00g以上が特に好ましい。USGAの規格が満たされるとの観点から、質量は45.93g以下が特に好ましい。
本発明のゴルフボールは、直径40mm~45mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときの圧縮変形量(圧縮方向にゴルフボールの縮む量)は、2.0mm以上であることが好ましく、より好ましくは2.4mm以上であり、さらに好ましくは2.5mm以上であり、最も好ましくは2.8mm以上であり、5.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは4.5mm以下である。前記圧縮変形量が2.0mm以上のゴルフボールは、硬くなり過ぎず、打球感が良い。一方、圧縮変形量を5.0mm以下にすることにより、反発性が高くなる。
前記第1態様において、最外層カバーを形成するカバー用樹脂組成物のスラブ硬度は、ショアD硬度で、57以上が好ましく、より好ましくは61以上、さらに好ましくは63以上であり、90以下が好ましく、85以下がより好ましい。カバー用樹脂組成物のスラブ硬度が、ショアD硬度で、57以上であればドライバーショットおよびアイアンショットにおいて、高打出角で低スピンのゴルフボールが得られ、飛距離が大きくなり、90以下であれば打撃耐久性に優れたゴルフボールが得られる。
前記第1態様において、最外層カバーの厚さは、0.3mm以上が好ましく、より好ましくは0.5mm以上、さらに好ましくは1.0mm以上であり、4.0mm以下が好ましく、より好ましくは3.5mm以下、さらに好ましくは3.0mm以下である。最外層カバーの厚さが0.3mm以上であればカバーの打撃耐久性や耐摩耗性が向上し、4.0mm以下であれば得られるゴルフボールの反発性や打球感がより良好となる。
前記第2態様において、内層カバーを形成するカバー用樹脂組成物のスラブ硬度Hmは、ショアD硬度で、57以上が好ましく、より好ましくは63以上、さらに好ましくは65以上であり、90以下が好ましく、85以下がより好ましい。カバー用樹脂組成物のスラブ硬度が、ショアD硬度で、57以上であればゴルフボールの外剛内柔構造の度合を大きくすることに寄与するため、高打出角、低スピンとなり高飛距離化が達成され、90以下であれば打球感が向上する。
前記第2態様において、内層カバーを形成するカバー用樹脂組成物のスラブ硬度Hmと、前記球状コアの中心硬度Hoとの硬度差(Hm-Ho)は、ショアD硬度で、5以上が好ましく、より好ましくは10以上であり、50以下が好ましく、より好ましくは45以下である。また、前記第2態様において、内層カバーを形成するカバー用樹脂組成物のスラブ硬度Hmと、前記球状コアの表面硬度Hsとの硬度差(Hm-Hs)は、ショアD硬度で、1以上が好ましく、より好ましくは3以上であり、25以下が好ましく、より好ましくは20以下である。
前記第2態様において、前記カバー用樹脂組成物から形成される内層カバーの厚さは、0.3mm以上が好ましく、より好ましくは0.4mm以上、さらに好ましくは0.5mm以上であり、2.5mm以下が好ましく、より好ましくは2.4mm以下、さらに好ましくは2.3mm以下である。
前記第2態様において、前記カバー用樹脂組成物から形成される内層カバーの厚さ(Tm)と最外層カバーの厚さ(Tc)との比(Tm/Tc)は、0.5以上が好ましく、より好ましくは1.0以上、さらに好ましくは1.5以上であり、5以下が好ましく、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下である。
前記第2態様において、最外層カバーを形成する樹脂組成物のスラブ硬度Hcは、ショアD硬度で、20以上が好ましく、より好ましくは25以上であり、50以下が好ましく、より好ましくは40以下、さらに好ましくは35以下である。
前記第2態様において、内層カバーを形成するカバー用樹脂組成物のスラブ硬度Hmと、前記最外層カバーを形成する樹脂組成物のスラブ硬度Hcとの硬度差(Hm-Hc)は、ショアD硬度で、10以上が好ましく、より好ましくは20以上であり、60以下が好ましく、より好ましくは50以下である。
前記第2態様において、最外層カバーは、熱可塑性ポリウレタン樹脂を含有する樹脂組成物から形成されていることが好ましい。この樹脂組成物中の樹脂成分中の熱可塑性ポリウレタン樹脂の含有率は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボール1が示された一部切り欠き断面図である。ゴルフボール1は、球状コア2と、球状コア2を被覆するカバー4とを有する。このカバー4の表面には、多数のディンプル41が形成されている。このゴルフボールの表面のうち、ディンプル41以外の部分は、ランド42である。そして、前記カバー4が前記カバー用樹脂組成物から形成されている。
図2は、本発明の他の実施形態に係るゴルフボール1が示された一部切り欠き断面図である。ゴルフボール1は、球状コア2と、球状コア2を被覆する内層カバー3と、前記内層カバー3を被覆する最外層カバー4とを有する。この最外層カバー4の表面には、多数のディンプル41が形成されている。このゴルフボールの表面のうち、ディンプル41以外の部分は、ランド42である。そして、前記内層カバー3が前記カバー用樹脂組成物から形成されている。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
[評価方法]
(1)コア硬度(ショアD硬度)
コアの表面部において測定した硬度をコア表面硬度とした。また、コアを半球状に切断し、切断面の中心において硬度を測定した。なお、表面硬度は、コア表面の4点で硬度を測定して、これらを平均することにより算出した。硬度は、自動硬度計(H.バーレイス社製、デジテストII)を用いて測定した。検出器は、「Shore D」を用いた。
(2)圧縮変形量(mm)
コアまたはゴルフボールに初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮方向の変形量(圧縮方向にコアまたはゴルフボールが縮む量)を測定した。
(3)スラブ硬度(ショアD硬度)
カバー用樹脂組成物を用いて、射出成形により、厚み約2mmのシートを作製し、23℃で2週間保存した。このシートを、測定基板などの影響が出ないように3枚以上重ねた状態で、自動硬度計(H.バーレイス社製、デジテストII)を用いて硬度を測定した。検出器は、「Shore D」を用いた。
(4)反発係数
各ゴルフボールに198.4gの金属製円筒物を40m/秒の速度で衝突させ、衝突前後の前記円筒物およびゴルフボールの速度を測定し、それぞれの速度および質量から各ゴルフボールの反発係数を算出した。測定は各ゴルフボールについて12個ずつ行って、その平均値をそのゴルフボールの反発係数とした。なお、反発係数は、ゴルフボールNo.1~9については、ゴルフボールNo.1の反発係数を100として、指数化した値で示した。ゴルフボールNo.10~18については、ゴルフボールNo.10の反発係数を100として、指数化した値で示した。
(5)耐久性
各ゴルフボールを12個ずつ、エアガンを用いて金属板に45m/秒の速度で衝突させて、ゴルフボールが壊れるまでの繰返し回数を測定した。なお、耐久性は、ゴルフボールNo.1~9については、ゴルフボールNo.1の耐久性を100として、指数化した値で示した。ゴルフボールNo.10~18については、ゴルフボールNo.10の耐久性を100として、指数化した値で示した。
[ツーピースゴルフボールNo.1~9の作製]
(1)球状コアの作製
表1に示す配合のコアNo.Aのゴム組成物を混練し、半球状キャビティを有する上下金型内で170℃、20分間加熱プレスすることにより、直径39.8mmの球状コアを得た。
Figure 0006996296000001
ポリブタジエンゴム:JSR(株)製、「BR730(ハイシスポリブタジエン)」
アクリル酸亜鉛:日触テクノファインケミカル社製、「ZN-DA90S」
酸化亜鉛:東邦亜鉛社製、「銀嶺R」
硫酸バリウム:堺化学社製、「硫酸バリウムBD」
ジフェニルジスルフィド:住友精化社製、ジフェニルジスルフィド
ジクミルパーオキサイド:日油社製、「パークミル(登録商標)D(ジクミルパーオキサイド)」
(2)カバーの作製
表2に示した配合材料を、二軸混練型押出機によりミキシングして、ペレット状のカバー用組成物を調製した。押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は、押出機のダイの位置で160~230℃に加熱された。球状コア上に前記カバー用組成物を射出成形することにより、コアを被覆するカバー(厚さ1.5mm)を形成した。カバー用組成物は、射出装置のシリンダー部分で200℃~260℃に加熱され、15MPaの圧力で型締めした金型に射出され、30秒間冷却して型開きしてカバーが形成されたゴルフボールを取り出した。
Figure 0006996296000002
サーリン(登録商標)8150:デュポン社製、ナトリウムイオン中和エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂(MFR(190℃、2.16kg荷重):4.5g/10min)
サーリン9150:デュポン社製、亜鉛イオン中和エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂(MFR(190℃、2.16kg荷重):4.5g/10min)
ハイミラン(登録商標)1605:三井・デュポン・ポリケミカル社製、ナトリウムイオン中和エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂(MFR(190℃、2.16kg荷重):2.8g/10min)
ハイミランAM7329:三井・デュポン・ポリケミカル社製、亜鉛イオン中和エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂(MFR(190℃、2.16kg荷重):4.0g/10min)
ハイミランAM7327:三井・デュポン・ポリケミカル社製、亜鉛イオン中和エチレン-メタクリル酸-アクリル酸エステル共重合体アイオノマー樹脂(MFR(190℃、2.16kg荷重):3.2g/10min)
セプトン(登録商標)HG252:クラレ社製、ポリスチレンブロック-イソプレン/ブタジエンのランダムポリマーブロック-ポリスチレンブロック共重合体の水素添加物であり、分子の末端にヒドロキシ基を有するブロック共重合体(ショアA硬度:80、スチレン含有量:28質量%、水素添加率:90%以上、メルトフローレイト(230℃、2.16kg):26g/10min)
エラストラン(登録商標)XNY80A:BASFジャパン社製、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(ショアA硬度:80)
ゴルフボールNo.2~5、8は、カバー用樹脂組成物が(A)オレフィン系アイオノマー樹脂と所定量の(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物を含有し、カバー用樹脂組成物のスラブ硬度がショアD硬度で57以上である。これらのゴルフボールNo.2~5、8は、カバー用樹脂組成物が(B)成分を含有しないゴルフボールNo.1、7に比べて、反発性を維持しつつ、耐久性が向上している。
ゴルフボールNo.6は、カバー用樹脂組成物が所定量を超える(B)成分を含有する。このゴルフボールNo.6は、反発性が低下し、かつ、耐久性も大きく低下している。
ゴルフボールNo.9は、カバー用樹脂組成物が(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物に代えて、ポリウレタンエラストマーを含有する。このゴルフボールNo.9は、反発性は維持されているものの、耐久性が大きく低下している。
[スリーピースゴルフボールNo.10~18の作製]
(1)コアの作製
表1に示した配合のコアNo.Bのゴム組成物を混練し、半球状キャビティを有する上下金型内で170℃、20分間加熱プレスすることにより、直径39.7mmの球状コアを得た。
(2)カバー用組成物の調製
表3、4に示した配合材料を、二軸混練型押出機によりミキシングして、ペレット状のカバー用組成物を調製した。押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は、押出機のダイの位置で160~230℃に加熱された。
Figure 0006996296000003
エラストランXNY82A:BASFジャパン社製、熱可塑性ポリウレタンエラストマー
酸化チタン:石原産業社製、A220
(3)内層カバーの作製
球状コア上に表4に示したカバー用組成物を射出成形することにより、コアを被覆する内層カバー(厚さ1.0mm)を形成した。カバー用組成物は、射出装置のシリンダー部分で200℃~260℃に加熱され、15MPaの圧力で型締めした金型に射出され、30秒間冷却して型開きして内層カバーが形成された球体を取り出した。
(4)外層カバーの作製
外層カバー成形時には、ホールドピンを突き出し、内層カバーが形成された球体を投入後ホールドさせ、80トンの圧力で型締めした金型に260℃に加熱したカバー用組成物を0.3秒で注入し、30秒間冷却して型開きしてゴルフボールを取り出した。得られたゴルフボール本体の表面をサンドブラスト処理して、マーキングを施した後、クリアーペイントを塗布し、40℃のオーブンで塗料を乾燥させ、直径42.7mmのゴルフボールを得た。
Figure 0006996296000004
ゴルフボールNo.11~14、17は、内層カバー用樹脂組成物が(A)オレフィン系アイオノマー樹脂と所定量の(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物を含有し、内層カバー用樹脂組成物のスラブ硬度がショアD硬度で57以上である。これらのゴルフボールNo.11~14、17は、カバー用樹脂組成物が(B)成分を含有しないゴルフボールNo.10、16に比べて、反発性を維持しつつ、耐久性が向上している。
ゴルフボールNo.15は、内層カバー用樹脂組成物が所定量を超える(B)成分を含有する。このゴルフボールNo.15は、反発性が低下し、かつ、耐久性も大きく低下している。
ゴルフボールNo.18は、カバー用樹脂組成物が(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物に代えて、ポリウレタンエラストマーを含有する。このゴルフボールNo.18は、反発性は維持されているものの、耐久性が大きく低下している。
1:ゴルフボール、2:球状コア、3:内層カバー、4:カバー(最外層カバー)、41:ディンプル、42:ランド

Claims (7)

  1. 球状コアと、前記球状コアを被覆する少なくとも1層のカバーとを有し、
    前記カバーの少なくとも一層が、樹脂成分として、(A)オレフィン系アイオノマー樹脂、および、(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物を含有するカバー用樹脂組成物から形成されており、
    前記(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物が、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を有するブロックと、共役ジエン化合物に由来する構造単位を有するブロックとを有し、分子末端にヒドロキシ基を有する共重合体および/またはその水素添加物であり、
    前記樹脂成分中の前記(B)ブロック共重合体および/またはその水素添加物の含有量が、前記(A)オレフィン系アイオノマー樹脂100質量部に対して、0.1質量部~20質量部であり、
    前記カバー用樹脂組成物のスラブ硬度が、ショアD硬度で、57以上であり、
    前記カバー用樹脂組成物の曲げ弾性率が300MPa~2000MPaであることを特徴とするゴルフボール。
  2. 前記カバー用樹脂組成物のスラブ硬度が、ショアD硬度で、61以上である請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 前記(A)オレフィン系アイオノマー樹脂が、(a1)オレフィンと、炭素数3~8個のα,β-不飽和カルボン酸との二元共重合体の金属イオン中和物、および/または、(a2)オレフィンと、炭素数3~8個のα,β-不飽和カルボン酸と、α,β-不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の金属イオン中和物である請求項1または2に記載のゴルフボール。
  4. 最外層カバーが、前記カバー用樹脂組成物から形成されている請求項1~3のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  5. 前記カバーが少なくとも2層であり、
    最外層カバー以外のカバーの少なくとも1層が、前記カバー用樹脂組成物から形成されている請求項1~3のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  6. 前記最外層カバーを形成する樹脂組成物のスラブ硬度が、ショアD硬度で、20~50である請求項5に記載のゴルフボール。
  7. 前記カバー用樹脂組成物のスラブ硬度Hmと、前記最外層カバーを形成する樹脂組成物のスラブ硬度Hcとの硬度差(Hm-Hc)が、ショアD硬度で、10~60である請求項5または6に記載のゴルフボール。
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