JP6994467B2 - 累進屈折力レンズ対、累進屈折力レンズ対の設計方法および累進屈折力レンズ対の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の第2の態様によると、累進屈折力レンズ対の設計方法は、遠方視に適した遠用部と、前記遠用部とは異なる位置に配置され近方視に適した近用部と、前記遠用部および前記近用部の間で屈折力が連続的に変化する累進部とを備えた左右の累進屈折力レンズ対の設計方法であって、装用者の処方情報を取得することと、前記累進屈折力レンズ対のうち、右眼用レンズの処方加入度と左眼用レンズの処方加入度とが等しく、かつ、前記累進屈折力レンズ対の処方情報において、前記右眼用レンズの光学中心における上下方向の度数SVRと前記左眼用レンズの光学中心における上下方向の度数SVLとが異なるか、または、前記累進屈折力レンズ対の処方情報において、前記右眼用レンズの球面度数SRと前記左眼用レンズの球面度数SLとが異なるか、前記右眼用レンズの乱視度数CRと前記左眼用レンズの乱視度数CLとが異なるか、または、前記右眼用レンズの乱視軸の角度AxRと前記左眼用レンズの乱視軸の角度AxLとが異なる場合、右眼用レンズにおける物体側面の面加入度をADDR1、眼球側面の面加入度をADDR2とし、左眼用レンズにおける物体側面の面加入度をADDL1、眼球側面の面加入度をADDL2としたとき、前記右眼用レンズのSVRを、SVR=SR+CR×(sin(AxR))^2とし、前記左眼用レンズのSVLを、SVL=SL+CL×(sin(AxL))^2としたとき、前記右眼用レンズの球面度数SRと前記左眼用レンズの球面度数SLとについてSL<SRのとき、もしくはSL+CL/2<SR+CR/2のとき、または指標SVL<指標SVRのときは、ADDR1<ADDL1と、SR<SLのとき、もしくはSR+CR/2<SL+CL/2のとき、または指標SVR<指標SVLのときはADDL1<ADDR1とし、ADDR1-ADDR2とADDL1-ADDL2とを異ならせるように設計パラメータを設定することとを含む。
本発明の第3の態様によると、累進屈折力レンズ対の製造方法は、第2の態様の設計方法により前記累進屈折力レンズ対を設計することと、前記設計方法により設計された前記累進屈折力レンズ対を製造することとを含む。
なお、遠用部Fに適した視距離は、近用部Nで適した視距離よりも全体的に長い距離であれば、特に限定されない。
SL < SRのときはADDR1 < ADDL1、
SR < SLのときはADDL1 < ADDR1
の条件を満たすことが好ましい。これにより、球面度数の違いから生じる左右のレンズの光学特性の差異、特に偏角量(プリズム量とも呼ぶ)の左右のズレをさらに良好に補正することができる。
SL + CL / 2 < SR + CR / 2のときはADDR1 < ADDL1、
SR + CR / 2 < SL + CL / 2のときはADDL1 < ADDR1
の条件を満たすことが好ましい。これにより、等価球面度数の違いから生じる左右のレンズの光学特性の差異、特に偏角量の左右のズレを良好に補正することができる。
SVR=SR + CR×(sin(AxR))^2
とし、
左眼用レンズ10Lの上下方向の屈折力の指標SVLを、
SVL=SL + CL×(sin(AxL))^2
としたとき、
SVL < SVRのときはADDR1 < ADDL1、
SVR < SVLのときはADDL1 < ADDR1
の条件を満たすことが好ましい。これにより、眼鏡の上下方向の屈折力の違いから生じる左右のレンズの光学特性の差異、特に偏角量の左右のズレを良好に補正することができる。
0 <|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)|≦4・・・(1)
の条件を満たすように異ならせたものであることが好ましい。これにより、左眼用レンズと右眼用レンズとで加入度の配分が著しく異なることが原因で起きる、見栄えの悪さや当該累進屈折力レンズ10への順応の難しさを防ぐことができる。また、同様の観点から、上記(1)式の最右辺のパラメータの値は、3以下であることがより好ましく、2以下であることがさらに好ましい。
0 <|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)| / |SR-SL|≦16・・・(2)
の条件を満たすことが好ましい。これにより、左右の球面度数の差異の程度により許容される加入度の配分の差の変化を考慮しながら、見栄えの悪さや当該累進屈折力レンズ10への順応の難しさを防ぐことができる。また、同様の観点から、上記(2)式の最右辺のパラメータの値は、12以下であることがより好ましく、8以下であることがさらに好ましい。
0 <|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)| / |(SR + CR / 2)-(SL + CL / 2)|≦32・・・(3)
の条件を満たすことが好ましい。これにより、左右の等価球面度数の差異の程度により許容される加入度の配分の差の変化を考慮しながら、見栄えの悪さや当該累進屈折力レンズ10への順応の難しさを防ぐことができる。また、同様の観点から、上記(3)式の最右辺のパラメータの値は、24以下であることがより好ましく、16以下であることがさらに好ましい。
0<|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)| / |SVR-SVL|≦16・・・(4)
の条件を満たす。これにより、左右の累進屈折レンズ10の上下方向の屈折力の違いにより許容される加入度の配分の差の変化を考慮しながら、見栄えの悪さや当該累進屈折力レンズ10への順応の難しさを防ぐことができる。また、同様の観点から、上記(4)式の最右辺のパラメータの値は、12以下であることがより好ましく8以下であることがさらに好ましい。
0≦|(SAG1R(xtR,ytR)-SAG1R(xbR,ybR))-(SAG1L(xtL,ytL)- SAG1L(xbL,ybL))|≦4・・
・(5)
の条件を満たす場合、単位をディオプタとして、次式(1)
0 <|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)|≦4・・・(1)
の条件を満たす。これにより、光軸の傾きのずれや、左右のレンズにおけるフレームの上端および下端でのサグ量の差の違いから生じる左右のレンズの光学特性の差異、特に偏角量の左右のズレを良好に補正することができる。
前記左眼用レンズがフレーム枠に収まった時にレンズ光軸の位置から上下方向に直線を引いた時のフレーム上端の座標を(xtL, ytL)、フレーム下端の座標を(xbL, ybL)とすると、
単位をミリメートルとして、次式(6)
0≦|SAG1R(xbR,ybR))-SAG1L(xbL,ybL)|≦4・・・(6)
の条件を満たす場合、 単位をディオプタとして、次式(1)
0 <|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)|≦4・・・(1)
の条件を満たす。これにより、光軸の傾きのずれや、左右のレンズにおけるフレームの下端でのサグ量の違いから生じる左右のレンズの光学特性の差異、特に偏角量の左右のズレを良好に補正することができる。
角度θR = atan((SAG1R(xtR,ytR)-SAG1R(xbR,ybR)) / (ytR-ybR))
角度θL = atan((SAG1L(xtL,ytL)-SAG1L(xbL,ybL)) / (ytL-ybL))
とすると、単位を度として、次式(7)
0≦|θR-θL|≦5・・・(7)
の条件を満たす場合、単位をディオプタとして、次式(1)
0<|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)|≦4・・・(1)
の条件を満たす。これにより、光軸の傾きのずれや、左右のレンズにおけるフレームの上下方向の傾きの違いから生じる左右のレンズの光学特性の差異、特に偏角量の左右のズレを良好に補正することができる。
右眼用レンズ10Rのサグ量SAG1R(x,y)、左眼用レンズ10Lのサグ量SAG1L(x’,y’)に対しフレーム周上において、単位をミリメートルとして、次式(8)
0≦|SAG1R(x,y)-SAG1L(x’,y’)|≦4・・・(8)
の条件を満たす場合、単位をディオプタとして、次式(1)
0 <|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)|≦4・・・(1)
の条件を満たす。これにより、光軸の傾きのずれや、左右のレンズにおけるフレーム枠上におけるサグ量の違いから生じる左右のレンズの光学特性の差異、特に偏角量の左右のズレを良好に補正することができる。
左眼用レンズ10Lにおける遠用参照点FVを通る透過光線の最大屈折力をDFL_max、最小屈折力をDFL_min、平均屈折力をDFL=( DFL_max+ DFL_min)/2、近用参照点NVを通る透過光線の最大屈折力をDNL_max、最小屈折力をDNL_min、平均屈折力をDNL=( DNL_max+ DNL_min)/2、遠用参照点FVと近用参照点NVでの平均屈折力差である装用加入度をADDL=DNL-DFL、インセット角θInsL、外径DLとすると、累進屈折力レンズ対1のうち、右眼用レンズ10Rの装用加入度ADDRと左眼用レンズ10Lの装用加入度ADDLとが等しく、かつ、右眼用レンズ10Rの情報DFR_max、DFR_min、DFR、DNR_max、DNR_min、DNR、ADDR、θInsR、DRのうち少なくとも一つに基づいて算出される比較パラメータと、左眼用レンズ10Lの情報DFL_max、DFL_min、DFL、DNL_max、DNL_min、DNL、ADDL、θInsL、DLのうち少なくとも一つに基づいて算出される比較パラメータとの値が異なる場合、右眼用レンズ10Rにおける物体側面の面加入度をADDR1、眼球側面の面加入度をADDR2とし、左眼用レンズ10Lにおける物体側面の面加入度をADDL1、眼球側面の面加入度をADDL2としたとき、ADDR1-ADDR2とADDL1-ADDL2とを異ならせたものとなっている。これにより、加入度以外の点において、左眼用レンズ10Lと右眼用レンズ10Rで非対称であったり、異なる点がある場合に生じる左右のレンズの光学特性の差異、特に偏角量の左右のズレを良好に補正することができる。
SVR=SR + CR×(sin(AxR))^2
SVL=SL + CL×(sin(AxL))^2
で表される。これにより、両眼の処方球面度数、処方乱視度数、処方された乱視軸の角度、または処方された上下方向の度数等の違いから生じる左右のレンズの光学特性の差異、特に偏角量の左右のズレを良好に補正することができる。
なお、後述の通信部53が入力データを受信し、制御部60に出力する構成にすることもできる。
(変形例1)
上述の実施形態においては、右眼用レンズ10Rと左眼用レンズ10Lとで加入度の配分パラメータを異ならせる構成とした。さらに、遠用部Fのベースカーブを左眼用レンズと右眼用レンズとで異ならせる構成としてもよい。
累進屈折力レンズ対1の設計方法において、装用者が、右眼用レンズの加入度の配分パラメータADDR1-ADDR2の値と左眼用レンズの加入度の配分パラメータADDL1-ADDL2の値とが等しい基準累進屈折力レンズ対を装用して検出した視線情報に基づいて、(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)の値を設定することもできる。これにより、左眼用レンズ10Lと右眼用レンズ10Rとにおけるそれぞれの加入度の配分を変える前の視線情報に基づいて、左右のレンズの光学特性の差異、特に偏角量の左右のズレを良好に補正することができる。
累進屈折力レンズ対1の設計方法において、装用者が、右眼用レンズの加入度の配分パラメータADDR1-ADDR2の値と左眼用レンズの加入度の配分パラメータADDL1-ADDL2の値とが等しい基準累進屈折力レンズ対を装用して検出した、当該右眼用レンズと当該左眼用レンズとの近用参照点NVにおける物体の見える位置のずれに基づいて、累進屈折力レンズ対1の右眼用レンズ10Rと左眼用レンズ10Lのそれぞれにおける加入度の配分パラメータの差(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)の値を設定してもよい。これにより、左眼用レンズ10Lと右眼用レンズ10Rとにおけるそれぞれの加入度の配分を変えない場合の視線のズレ量に基づいて、左右のレンズの光学特性の差異、特に偏角量の左右のズレを良好に補正することができる。
表1の処方値に対し、表2のように物体側面の面加入度、眼球側面の面加入度、物体側面の遠用ベースカーブとを設定した。
|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)|=1であるため、式(1)を満たす。
|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)| / |SR-SL|=1であるため、式(2)を満たす。
|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)| / |(SR + CR / 2)-(SL + CL / 2)|=0.89であるため、式(3)を満たす。
|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)| / |SVR-SVL|=1.18であるため、式(4)を満たす
。
光学中心を通る上下方向の直線とフレームとの交点の座標(x, y)は左右レンズ共に、上端が(0, 12)、下端が(0, -20)である。それぞれの点における1面のサグ量は以下の値であ
る。
右眼上端:SAG1R(0, 12) = 0.277
右眼下端:SAG1R(0, -20) = 1.080
左眼上端:SAG1L(0, 12) = 0.276
左眼下端:SAG1L(0, -20) = 0.999
これらの値から、
|(SAG1R(xtR,ytR)-SAG1R(xbR,ybR))-(SAG1L(xtL,ytL)- SAG1L(xbL,ybL))|=0.08であるため、式(5)を満たす。
|SAG1R(xbR,ybR))-SAG1L(xbL,ybL)|=0.081であるため、式(6)を満たす。
角度θR = atan((SAG1R(0, 12)-SAG1R(0, -20)) / (12-(-20))) = -1.44 (deg)
角度θL = atan((SAG1L(0, 12)-SAG1L(0, -20)) / (12-(-20))) = -1.29 (deg)
から、
|θR-θL|=0.15であるため、式(7)を満たす。
フレーム周上の各点で、
|SAG1R(x,y)-SAG1L(x’,y’)|の値を求めると、最大値は0.17mm、最小値は0.00085mmと
なり、式(8)を満たす。
比較例1では、上述の表1で示された処方値に対し、以下の表3の物体側面の加入度、眼球側面の加入度、物体側面の遠用ベースカーブを設定した。
100×(比較例1での左右レンズ偏角量差-実施例1での左右レンズ偏角量差) / 比較例1での左右レンズ偏角量差・・・(10)
表7の処方値に対し、表8のように物体側面の面加入度、眼球側面の面加入度、物体側面の遠用ベースカーブとを設定した。
|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)|=1であるため、式(1)を満たす。
|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)| / |SR-SL|=1であるため、式(2)を満たす。
|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)| / |(SR + CR / 2)-(SL + CL / 2)|=0.89であるた
め、式(3)を満たす。
|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)| / |SVR-SVL|=1.18であるため、式(4)を満たす。
光学中心を通る鉛直方向の直線とフレームとの交点の座標(x, y)は左右レンズ共に、上端が(0, 12)、下端が(0, -20)である。それぞれの点における1面のサグ量は以下の値である。
右眼上端:SAG1R(0, 12) = 0.481
右眼下端:SAG1R(0, -20) = 1.652
左眼上端:SAG1L(0, 12) = 0.276
左眼下端:SAG1L(0, -20) = 0.999
これらの値から、
|(SAG1R(xtR,ytR)-SAG1R(xbR,ybR))-(SAG1L(xtL,ytL)- SAG1L(xbL,ybL))|=0.448であるため、式(5)を満たす。
|SAG1R(xbR,ybR))-SAG1L(xbL,ybL)|=0.653であるため、式(6)を満たす。
角度θR = atan((SAG1R(0, 12)-SAG1R(0, -20)) / (12-(-20))) = -2.10 (deg)
角度θL = atan((SAG1L(0, 12)-SAG1L(0, -20)) / (12-(-20))) = -1.29 (deg)
から、
|θR-θL|=0.81であるため、式(7)を満たす。
フレーム周上の各点で、
|SAG1R(x,y)-SAG1L(x’,y’)|の値を求めると、最大値は1.915mm、最小値は0.178mmとなり、式(8)を満たす。
比較例2では、上述の表7で示された処方値に対し、上記の表3の物体側面の加入度、眼球側面の加入度、物体側面の遠用ベースカーブを設定した。
100×(比較例2での左右レンズ偏角量差-実施例2での左右レンズ偏角量差) / 比較例2での左右レンズ偏角量差・・・(11)
日本国特許出願2016年第213629号(2016年10月31日出願)
Claims (16)
- 遠方視に適した遠用部と、前記遠用部とは異なる位置に配置され近方視に適した屈折力を有する近用部と、前記遠用部および前記近用部の間で屈折力が連続的に変化する累進部とを備えた左右の累進屈折力レンズ対であって、
前記累進屈折力レンズ対のうち、右眼用レンズの処方加入度と左眼用レンズの処方加入度とが等しく、かつ、前記累進屈折力レンズ対の処方情報において、
右眼用レンズの上下方向の屈折力の指標SVRと、左眼用レンズの上下方向の屈折力の指標SVLとが異なるか、または、
前記累進屈折力レンズ対の処方情報において、
前記右眼用レンズの球面度数SRと前記左眼用レンズの球面度数SLとが異なるか、
前記右眼用レンズの乱視度数CRと前記左眼用レンズの乱視度数CLとが異なるか、または、
前記右眼用レンズの乱視軸の角度AxRと前記左眼用レンズの乱視軸の角度AxLとが異なる場合、
前記右眼用レンズにおける物体側面の面加入度をADDR1、眼球側面の面加入度をADDR2とし、
前記左眼用レンズにおける物体側面の面加入度をADDL1、眼球側面の面加入度をADDL2とし、
前記右眼用レンズのSVRを、
SVR=SR+CR×(sin(AxR))^2
とし、
前記左眼用レンズのSVLを、
SVL=SL+CL×(sin(AxL))^2
としたとき、
前記右眼用レンズの球面度数SRと前記左眼用レンズの球面度数SLとについてSL<SRのとき、もしくはSL+CL/2<SR+CR/2のとき、または指標SVL<指標SVRのときは、ADDR1<ADDL1と、
SR<SLのとき、もしくはSR+CR/2<SL+CL/2のとき、または指標SVR<指標SVLのときはADDL1<ADDR1とし、
前記右眼用レンズ及び前記左眼用レンズは、ADDR1-ADDR2とADDL1-ADDL2とが異なるように、前記物体側面及び前記眼球側面が設けられる累進屈折力レンズ対。 - 請求項1に記載の累進屈折力レンズ対において、
前記右眼用レンズにおける物体側面の遠用ベースカーブをBCRfとし、
前記左眼用レンズにおける物体側面の遠用ベースカーブをBCLfとし、
前記右眼用レンズの球面度数SRと前記左眼用レンズの球面度数SLとが異なるか、または、
前記右眼用レンズの等価球面度数SR+CR/2と前記左眼用レンズの等価球面度数SL+CL/2とが異なる場合、
BCRfとBCLfとを異ならせた累進屈折力レンズ対。 - 請求項1または2に記載の累進屈折力レンズ対において、
単位をディオプタとし、次式(1)
0<|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)|≦4・・・(1)
の条件を満たす累進屈折力レンズ対。 - 請求項1から3までのいずれか一項に記載の累進屈折力レンズ対において、
前記右眼用レンズの球面度数SRと前記左眼用レンズの球面度数SLとが異なる場合、次式(2)
0<|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)|/|SR-SL|≦16・・・(2)
の条件を満たす累進屈折力レンズ対。 - 請求項1から4までのいずれか一項に記載の累進屈折力レンズ対において、
前記右眼用レンズの等価球面度数SR+CR/2と前記左眼用レンズの等価球面度数SL+CL/2との値が異なる場合、次式(3)
0<|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)|/|(SR+CR/2)-(SL+CL/2)|≦32・・・(3)
の条件を満たす累進屈折力レンズ対。 - 請求項1から5までのいずれか一項に記載の累進屈折力レンズ対において、
前記右眼用レンズのSVRを、
SVR=SR+CR×(sin(AxR))^2
とし、
と前記左眼用レンズのSVLを、
SVL=SL+CL×(sin(AxL))^2
としたとき、
SVRとSVLとが異なり、次式(4)
0<|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)|/|SVR-SVL|≦16・・・(4)
の条件を満たす累進屈折力レンズ対。 - 請求項1から6までのいずれか一項に記載の累進屈折力レンズ対において、
前記右眼用レンズの物体側頂点を通り、前記右眼用レンズの光軸に垂直な面上の座標(x,y)における前記右眼用レンズの光軸方向のサグ量をSAG1R(x,y)、
前記左眼用レンズの物体側頂点を通り、前記左眼用レンズの光軸に垂直な面上の座標(x,y)における前記左眼用レンズの光軸方向のサグ量をSAG1L(x,y)としたとき、
前記右眼用レンズがフレーム枠に収まった時に前記右眼用レンズの光軸の位置から上下方向に直線を引いた時のフレーム上端の座標を(xtR,ytR)、フレーム下端の座標を(xbR,ybR)、
前記左眼用レンズがフレーム枠に収まった時にレンズ光軸の位置から上下方向に直線を引いた時のフレーム上端の座標を(xtL,ytL)、フレーム下端の座標を(xbL,ybL)とすると、
単位をミリメートルとして、次式(5)
0≦|(SAG1R(xtR,ytR)-SAG1R(xbR,ybR))-(SAG1L(xtL,ytL)-SAG1L(xbL,ybL))|≦4・・・(5)
の条件を満たす場合、単位をディオプタとして、次式(1)
0<|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)|≦4・・・(1)
の条件を満たす累進屈折力レンズ対。 - 請求項1から7までのいずれか一項に記載の累進屈折力レンズ対において、
前記右眼用レンズの物体側頂点を通り、前記右眼用レンズの光軸に垂直な面上の座標(x,y)における前記右眼用レンズの光軸方向のサグ量をSAG1R(x,y)、
前記左眼用レンズの物体側頂点を通り、前記左眼用レンズの光軸に垂直な面上の座標(x,y)における前記左眼用レンズの光軸方向のサグ量をSAG1L(x,y)としたとき、
前記右眼用レンズがフレーム枠に収まった時に前記右眼用レンズの光軸の位置から上下方向に直線を引いた時のフレーム下端の座標を(xbR,ybR)、
前記左眼用レンズがフレーム枠に収まった時にレンズ光軸の位置から上下方向に直線を引いた時の、フレーム下端の座標を(xbL,ybL)とすると、
単位をミリメートルとして、次式(7)
0≦|SAG1R(xbR,ybR))-SAG1L(xbL,ybL)|≦4・・・(6)
の条件を満たす場合、単位をディオプタとして、次式(1)
0<|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)|≦4・・・(1)
の条件を満たす累進屈折力レンズ対。 - 請求項1から8までのいずれか一項に記載の累進屈折力レンズ対において、
前記右眼用レンズの物体側頂点を通り、前記右眼用レンズの光軸に垂直な面上の座標(x,y)における前記右眼用レンズの光軸方向のサグ量をSAG1R(x,y)、
前記左眼用レンズの物体側頂点を通り、前記左眼用レンズの光軸に垂直な面上の座標(x,y)における前記左眼用レンズの光軸方向のサグ量をSAG1L(x,y)としたとき、
前記右眼用レンズがフレーム枠に収まった時に前記右眼用レンズの光軸の位置から上下方向に直線を引いた時のフレーム上端の座標を(xtR,ytR)、フレーム下端の座標を(xbR,ybR)、
前記左眼用レンズがフレーム枠に収まった時にレンズ光軸の位置から上下方向に直線を引いた時のフレーム上端の座標を(xtL,ytL)、フレーム下端の座標を(xbL,ybL)とし、
角度θR=atan((SAG1R(xtR,ytR)-SAG1R(xbR,ybR))/(ytR-ybR))
角度θL=atan((SAG1L(xtL,ytL)-SAG1L(xbL,ybL))/(ytL-ybL))
とすると、単位を度として、次式(7)
0≦|θR-θL|≦5・・・(7)
の条件を満たす場合、単位をディオプタとして、次式(1)
0<|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)|≦4・・・(1)
の条件を満たす累進屈折力レンズ対。 - 請求項1から9までのいずれか一項に記載の累進屈折力レンズ対において、
前記右眼用レンズの物体側頂点を通り、前記右眼用レンズの光軸に垂直な面上の座標(x,y)における前記右眼用レンズの光軸方向のサグ量をSAG1R(x,y)、
前記左眼用レンズの物体側頂点を通り、前記左眼用レンズの光軸に垂直な面上の座標(x,y)における前記左眼用レンズの光軸方向のサグ量をSAG1L(x,y)としたとき、
右眼用フレーム枠の座標(x,y)に対し左眼用フレーム枠で対称になる位置の座標を(x’,y’)とすると、
前記右眼用レンズのサグ量SAG1R(x,y)、前記左眼用レンズのサグ量SAG1L(x’,y’)に対しフレーム周上において、単位をミリメートルとして、次式(8)
0≦|SAG1R(x,y)-SAG1L(x’,y’)|≦4・・・(8)
の条件を満たす場合、単位をディオプタとして、次式(1)
0<|(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)|≦4・・・(1)
の条件を満たす累進屈折力レンズ対。 - 請求項1から10までのいずれか一項に記載の累進屈折力レンズ対において、
前記右眼用レンズの偏角量と前記左眼用レンズの偏角量の差を減少させるためにADDR1-ADDR2とADDL1-ADDL2とを異ならせた累進屈折力レンズ対。 - 遠方視に適した遠用部と、前記遠用部とは異なる位置に配置され近方視に適した近用部と、前記遠用部および前記近用部の間で屈折力が連続的に変化する累進部とを備えた左右の累進屈折力レンズ対の設計方法であって、
装用者の処方情報を取得することと、
前記累進屈折力レンズ対のうち、右眼用レンズの処方加入度と左眼用レンズの処方加入度とが等しく、かつ、前記累進屈折力レンズ対の処方情報において、
前記右眼用レンズの光学中心における上下方向の度数SVRと前記左眼用レンズの光学中心における上下方向の度数SVLとが異なるか、または、
前記累進屈折力レンズ対の処方情報において、
前記右眼用レンズの球面度数SRと前記左眼用レンズの球面度数SLとが異なるか、
前記右眼用レンズの乱視度数CRと前記左眼用レンズの乱視度数CLとが異なるか、または、
前記右眼用レンズの乱視軸の角度AxRと前記左眼用レンズの乱視軸の角度AxLとが異なる場合、
右眼用レンズにおける物体側面の面加入度をADDR1、眼球側面の面加入度をADDR2とし、
左眼用レンズにおける物体側面の面加入度をADDL1、眼球側面の面加入度をADDL2としたとき、
前記右眼用レンズのSVRを、
SVR=SR+CR×(sin(AxR))^2
とし、
前記左眼用レンズのSVLを、
SVL=SL+CL×(sin(AxL))^2
としたとき、
前記右眼用レンズの球面度数SRと前記左眼用レンズの球面度数SLとについてSL<SRのとき、もしくはSL+CL/2<SR+CR/2のとき、または指標SVL<指標SVRのときは、ADDR1<ADDL1と、
SR<SLのとき、もしくはSR+CR/2<SL+CL/2のとき、または指標SVR<指標SVLのときはADDL1<ADDR1とし、
ADDR1-ADDR2とADDL1-ADDL2とを異ならせるように設計パラメータを設定することとを含む累進屈折力レンズ対の設計方法。 - 請求項12に記載の累進屈折力レンズ対の設計方法において、
装用者が、ADDR1-ADDR2の値とADDL1-ADDL2の値とが等しい基準累進屈折力レンズ対を装用して検出した視線情報に基づいて、
(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)の値を設定する累進屈折力レンズ対の設計方法。 - 請求項12または13に記載の累進屈折力レンズ対の設計方法において、
装用者が、ADDR1-ADDR2の値とADDL1-ADDL2の値とが等しい基準累進屈折力レンズ対を装用して検出した、前記右眼用レンズと前記左眼用レンズとの近用参照点における物体の見える位置のずれに基づいて、
(ADDR1-ADDR2)-(ADDL1-ADDL2)の値を設定する累進屈折力レンズ対の設計方法。 - 請求項12から14までのいずれか一項に記載の累進屈折力レンズ対の設計方法において、
前記設計パラメータの設計において、前記右眼用レンズの偏角量と前記左眼用レンズの偏角量の差を減少させるためにADDR1-ADDR2とADDL1-ADDL2とを異ならせる累進屈折力レンズ対の設計方法。 - 請求項12から15までのいずれか一項に記載の設計方法により前記累進屈折力レンズ対を設計することと、
前記設計方法により設計された前記累進屈折力レンズ対を製造することとを含む累進屈折力レンズ対の製造方法。
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