JP6994100B2 - コンクリート剥落防止方法 - Google Patents
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Description
前記導水フィルム付きコンクリート剥落防止材は、
繊維強化樹脂である補強筋を格子状に配置して形成されたFRP格子筋と、
前記FRP格子筋の一側に設けられた、前記FRP格子筋の升目より小さい升目を有した網状物と、
前記網状物の、前記FRP格子筋とは反対側の面に設けられた厚さが0.01~0.1mmとされるポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、PET樹脂、塩化ビニール樹脂、ウレタン樹脂から選択される樹脂フィルムである導水フィルムと、
を有しており、
前記導水フィルム付きコンクリート剥落防止材を前記導水フィルム側が前記コンクリート面に対面するようにしてアンカーボルトを打ち込み、前記コンクリート面に前記導水フィルム付きコンクリート剥落防止材を密着して固定し、コンクリート面からの漏水を前記コンクリート面と前記導水フィルムとの間に形成された空隙を通って下方へと導水することを特徴とするコンクリート剥落防止方法が提供される。
(導水フィルム付きコンクリート剥落防止材及の全体構成)
図1に示す本発明の導水フィルム付きコンクリート剥落防止材10は、基本的には、図2に示すような上記特許文献4に記載のコンクリート剥落防止材10Aを改良したものである。つまり、本発明の導水フィルム付きコンクリート剥落防止材10は、繊維強化樹脂である補強筋を格子状に配置して形成されたFRP格子筋100と、該FRP格子筋100の升目より小さい升目を有した網状物3が一体化されたコンクリート剥落防止材10Aを改良することにより、コンクリート剥落防止材10Aが有する、本来の大きなコンクリート剥落防止効果、圧倒的に軽量、良好な作業性などの特長を有しており、更に、漏水個所への施工が可能となり、漏水をトンネル壁面に沿って下部まで導水が可能とされる。
(1)可搬性、施工性の点から軽量であること、
(2)耐久性の点から、即ち、コンクリート構造物からのアルカリ性の漏水に対する耐アルカリ性、及び、外気に対する耐紫外線性を有すること、
(3)コンクリート片などの落石により、或いは、施工時のボルト定着の際の穿孔により裂けることを回避するに十分な靭性を有していること、
(4)補修後のコンクリート面におけるひび割れの進展、剥落状況、更には漏水個所や経時変化などの確認のために透明性を有していること、
などが要求される。
次に、図6、図7を参照して、本発明の導水フィルム付きコンクリート剥落防止材10の製造方法について説明する。
図6(a)には、図5を参照して説明したような既製のコンクリート剥落防止材10Aを使用して本発明の導水フィルム付きコンクリート剥落防止材10を製造する方法を示す。即ち、繊維強化樹脂である補強筋を格子状に配置して形成されたFRP格子筋100の一側に網状物3を一体に固着して作製されたコンクリート剥落防止材10Aに対して、網状物3のFRP格子筋100とは反対側の面に導水フィルム4を固着材5にて一体に固着する。固着材は、網状物3に塗布しても良く、導水フィルム4側に塗布しても良く、導水フィルム4を網状物3に押圧することにより、導水フィルム4がコンクリート剥落防止材10Aに一体に固着され、導水フィルム付きコンクリート剥落防止材10が作製される(図6(b))。
上記第1の製造例は、既製のコンクリート剥落防止材10Aを使用して本発明の導水フィルム付きコンクリート剥落防止材10を製造する方法について説明した。
次に、上記構成の本発明に係る導水フィルム付きコンクリート剥落防止材10を使用したコンクリート剥落防止方法について説明する。
次に、本発明の導水フィルム付きコンクリート剥落防止材10の導水効果の立証、並びに、自己消火性及び発生ガスの安全性について行った実験例について説明する。
本実験例にて使用した試験体は、図2で示すような、FRP格子筋100に網状物3が一体に形成された既存のコンクリート剥落防止材10Aに、図1に示すように、導水フィルム4を固着材5として粘着剤を使用して一体に固着した導水フィルム付きコンクリート剥落防止材10を使用した。
・FRP格子筋100
FRP格子筋100は、ガラス繊維ロービングを一方向に並べてビニルエステル樹脂を含浸させた縦補強筋101と横補強筋102を複数積層し、硬化して形成したものであり、樹脂含浸量は、50%(体積)である。補強筋幅(w)は10mm、厚さ(t)が3mm、格子間距離(W1)は45mmである。各補強筋101、102は互いに直交して配置したものである。
・網状物3
網状物3としては、ガラス繊維を使用した網目(升目)3aが一辺3mmの正方形とされるガラス繊維ネット3が使用されている。
・導水フィルム4
本試験の試験体である導水フィルム付きコンクリート剥落防止材10は、図7を参照して説明したように、導水フィルム4として厚さが0.03mmのポリエチレン樹脂フィルムを使用し、表面処理を施した後、フィルム表面に固着材5としてアクリル系樹脂粘着剤を塗布し、上記コンクリート剥落防止材10Aに一体に接着して作製した。粘着剤層の厚さは、0.03mm程度であった。
発生ガスの安全性を試験するためのガス有害性試験は、旧建設省告示昭和51年第1231号の第4ガス有害性試験装置及び測定方法に準拠した試験を実施した。
延焼性・自己消火性を試験するための延焼性・自己消火性試験は、旧建設省告示昭和51年第1231号の試験法738に準拠した試験を実施した。
試験用トンネル(略半径3m程度)に、図10、図11に示すように、上記構成の試験体をアンカーボルト1、ワッシャー2、止水パッキン5を使用して施工した。なお、導水フィルム付きコンクリート剥落防止材10をトンネルの壁面7Aにアンカーボルト1により密着して固定するに際して、導水フィルム4が裂けるようなことはなく、極めて容易に作業を行うことができた。
2 ワッシャー
3 網状物
4 導水フィルム
5 止水パッキン
10 導水フィルム付きコンクリート剥落防止材
10A コンクリート剥落防止材
20 継手用フィルム
30 止水パッキン手段
31 止水スポンジ
100 FRP格子筋
101 FRP縦補強筋
102 FRP横補強筋
Claims (6)
- 導水フィルム付きコンクリート剥落防止材をコンクリート面に固定してコンクリート面からのコンクリートの剥落を防止すると共に、コンクリート面からの漏水を下方へと導水するコンクリート剥落防止方法であって、
前記導水フィルム付きコンクリート剥落防止材は、
繊維強化樹脂である補強筋を格子状に配置して形成されたFRP格子筋と、
前記FRP格子筋の一側に設けられた、前記FRP格子筋の升目より小さい升目を有した網状物と、
前記網状物の、前記FRP格子筋とは反対側の面に設けられた厚さが0.01~0.1mmとされるポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、PET樹脂、塩化ビニール樹脂、ウレタン樹脂から選択される樹脂フィルムである導水フィルムと、
を有しており、
前記導水フィルム付きコンクリート剥落防止材を前記導水フィルム側が前記コンクリート面に対面するようにしてアンカーボルトを打ち込み、前記コンクリート面に前記導水フィルム付きコンクリート剥落防止材を密着して固定し、コンクリート面からの漏水を前記コンクリート面と前記導水フィルムとの間に形成された空隙を通って下方へと導水することを特徴とするコンクリート剥落防止方法。 - 前記アンカーボルトは、ワッシャ―及び止水パッキンを介して前記導水フィルム付きコンクリート剥落防止材を前記コンクリート面に固定することを特徴とする請求項1に記載のコンクリート剥落防止方法。
- 前記導水フィルム付きコンクリート剥落防止材は、長手方向の少なくとも一側の端部に継手用の厚さが0.01~0.1mmとされる樹脂フィルムが固着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート剥落防止方法。
- 前記補強筋は、幅が3~10mm、厚さが1~5mmとされることを特徴とする請求項1~3のいずれかの項に記載のコンクリート剥落防止方法。
- 前記補強筋は、強化繊維にマトリクス樹脂を含浸して形成され、前記強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維等の無機繊維;ボロン、チタン、スチール等の金属繊維;アラミド、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン、PBО、高強度ポリプロピレン等の有機繊維;から選択されるいずれかの繊維であるか、或いは、前記繊維を複数種混入したハイブリッドタイプとされ、また、前記マトリクス樹脂は、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、又は、MMA樹脂を少なくとも一種以上含むことを特徴とする請求項1~4のいずれかの項に記載のコンクリート剥落防止方法。
- 前記補強筋の升目は、一辺が30~150mmの長方形又は正方形であり、前記網状物の升目は、一辺が1~25mmの長方形又は正方形であることを特徴とする請求項1~5のいずれかの項に記載のコンクリート剥落防止方法。
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