JP6993437B2 - 刺繍要素を組み込むフットウェア物品および関連製造方法 - Google Patents

刺繍要素を組み込むフットウェア物品および関連製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、概して、フットウェアテキスタイルの分野に関し、より具体的には、刺繍部分を組み込むフットウェア物品の部分およびそのような刺繍部分の製造に関するシステムおよび方法に関する。刺繍部分は、例えば、靴のアッパーの構成要素において支持および弾性の選択的領域を作成する際に有益であり得る。
テキスタイルの異なる領域における異なる構造性質を有するテキスタイルの組み込みが、いくつかの産業および製品において重要であり得る。例えば、フットウェア、より具体的には、競技用フットウェアは、多くの場合、アッパーの異なる領域において要求される異なる伸縮および支持特性を伴うアッパーを含む。伝統的に、競技用フットウェアのためのアッパーは、複数の異なる材料部分から形成され、それらの部分は、フットウェアのアッパーの異なる領域内に設置される、および/またはフットウェアのある領域内で相互にわたって層状にされ、靴に関する所望の構造および性能特性を提供する。しかしながら、これらの複数の材料部分からフットウェアを形成することは、人手がかかることおよび高価であることの両方である一方、また、潜在的に、重量およびフットウェアの構造および性能能力への他のネガティブな構造的限界を追加し得る。
伝統的方法を通した複雑かつ様々な構造性質を有するテキスタイル要素の形成と関連付けられる複雑性、費用、および構造的限界を前提として、改良された、ある実施形態では、自動化および/またはカスタマイズ可能な方法およびシステムを通して、フットウェア上の複雑な構造的および/または装飾的特徴の提供を可能にする、標準的テキスタイルのための改良された方法および処理を提供することが、望ましい。故に、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、例えば、フットウェア物品のためのアッパーの形成において使用するためのファブリック要素上およびその中の一意の構造的および審美的特徴を作成するための革新的方法を提供する。
本発明の第1の側面は、アッパーと、アッパーに固着されるソール構造とを有する、フットウェア物品を含む。アッパーは、第1のアッパー要素を含み、該第1のアッパー要素は、基層を含み、該基層は、内面と、対向する外面とを有し、内面は、フットウェア物品の内部に面する。第1のアッパー要素はさらに、基層の外面上に刺繍される少なくとも1つの第1の繊維を含む、第1の構造層を含み、少なくとも1つの第1の繊維は、基層の外面にわたって延在する複数の第1の伸長構造要素を形成し、離散局所化構造支持を基層に提供する。第1の伸長構造要素は、それぞれ、縦方向と、横方向幅と、ステッチ密度と、縦方向に対するステッチ角度とを含み、第1の伸長構造要素のうちの少なくとも1つにおける縦方向軸、横方向幅、ステッチ密度、およびステッチ角度のうちの少なくとも1つは、第1の伸長構造要素の長さにわたって変動する。
一実施形態では、第1の伸長構造要素の第1の群の少なくとも一部の縦方向および横方向幅は、それらの第1の伸長構造要素の長さにわたって変動する。一実施形態では、縦方向および横方向幅のうちの少なくとも1つは、第1の伸長構造要素の第1の群の長さの区分にわたって平滑に変動する。複数の第1の伸長構造要素の縦方向は、それらの隣接する第1の伸長構造要素のものと異なることができる。第1の構造層は、基層のその部分にわたって延在する第1の伸長構造要素の縦方向と実質的に整合される方向における基層の一部の伸縮を低減させることができる。基層の一部の伸縮の低減の量は、基層のその部分にわたって延在する第1の伸長構造要素の横方向幅に対して正の関係があってもよい。
基層の外面上に刺繍される少なくとも1つの第1の繊維の少なくとも一部は、少なくとも部分的に、熱および圧力のうちの少なくとも1つの印加を通して基層の外面に融合されてもよい。各伸長構造要素は、異なる第1の繊維部分から形成される、または同一の第1の繊維部分の異なる領域から形成されてもよい。第1の繊維は、糸、フィラメント、コード、レース、ストランド、リボン、およびバンドのうちの少なくとも1つを含む、または本質的にそれから成ってもよい。第1の繊維は、例えば、熱可塑性ポリウレタン、ポリエステル、ナイロン、および/または天然繊維を含む、または本質的にそれから成ってもよい。第1の繊維は、基層に機械で刺繍される、または手動で刺繍されてもよい。一実施形態では、第1の繊維は、第1の繊維に隣接する基層の内面上に延在する少なくとも1つの下糸によって基層に確実に刺繍され、下糸は、熱可塑性ポリウレタン、ポリエステル、ナイロン、および天然繊維から成る群から選択される材料を含む、または本質的にそれから成ってもよい。下糸は、少なくとも部分的に、熱および圧力のうちの少なくとも1つの印加を通して基層の内面に融合されてもよい。
一実施形態では、複数の第1の伸長構造要素の少なくとも一部は、最終フットウェア物品が第1の競技運動の間に受けるであろう歪みの少なくとも1つの優勢方向に略平行な方向に延在する。ステッチ密度は、1センチメートルあたり10~30ステッチである、または1センチメートルあたり15~25ステッチである、または1センチメートルあたり約20ステッチであってもよい。ステッチ角度は、縦方向から30~60度であり、例えば、縦方向から約45度であってもよい。
フットウェア物品はさらに、基層の外面上に刺繍される少なくとも1つの第2の繊維を含む、第2の構造層を含み、少なくとも1つの第2の繊維は、基層の外面にわたって延在する複数の第2の伸長構造要素を形成し、局所化構造支持を基層に提供することができる。第2の伸長構造要素は、それぞれ、縦方向と、横方向幅と、ステッチ密度と、縦方向に対するステッチ角度とを備えることができ、第2の伸長構造要素のうちの少なくとも1つにおける縦方向軸、横方向幅、ステッチ密度、およびステッチ角度のうちの少なくとも1つは、第2の伸長構造要素の長さにわたって変動することができる。第2の伸長構造要素の配列は、第1の伸長構造要素の配列と異なることができる。
第2の伸長構造要素の第1の群の少なくとも一部の縦方向および横方向幅は、それらの第2の伸長構造要素の長さにわたって変動することができる。縦方向および横方向幅のうちの少なくとも1つは、第2の伸長構造要素の第1の群の長さの区分にわたって平滑に変動することができる。複数の第2の伸長構造要素の縦方向は、それらの隣接する第2の伸長構造要素のものと異なることができる。第2の構造層は、基層のその部分にわたって延在する第2の伸長構造要素の縦方向と実質的に整合される方向における基層の一部の伸縮を低減させることができる。基層の一部の伸縮の低減の量は、基層のその部分にわたって延在する第2の伸長構造要素の横方向幅に対して正の関係があってもよい。
一実施形態では、基層の外面上に刺繍される少なくとも1つの第2の繊維の少なくとも一部は、少なくとも部分的に、熱および圧力のうちの少なくとも1つの印加を通して基層の外面に融合される。各伸長構造要素は、異なる第2の繊維部分である、または単一の繊維の異なる領域から形成されることができる。第2の繊維は、糸、フィラメント、コード、レース、ストランド、リボン、およびバンドのうちの少なくとも1つを含む、または本質的にそれから成ることができる。第2の繊維は、第1の繊維と同一の材料または異なる材料であり得る。複数の第2の伸長構造要素の少なくとも一部は、最終フットウェア物品が第2の競技運動の間に受けるであろう歪みの少なくとも1つの二次方向に略平行な方向に延在することができる。第1の繊維の色、材料、および直径のうちの少なくとも1つは、第2の繊維のものと異なることができる。第2の構造層は、基層の外面および第1の構造層の少なくとも一部にわたって延在する第1の領域を含むことができる。第2の構造層はさらに、その上に第1の構造層が不在である、基層の外面の一部にわたって延在する第2の領域を含むことができる。第1の構造層はまた、その上に第2の構造層が不在である、基層の外面の一部にわたって延在する領域を含むことができる。
フットウェア物品は、一実施形態では、内面と、対向する外面とを有する、内部ライナを含むことができ、内部ライナの外面は、基層の内面に隣接して位置付けられ、内部ライナの内面は、その中にフットウェア物品の装着者の足が位置付けられ得る隙間を封入する。フットウェア物品は、第1の構造層にわたる基層の外面上に刺繍される少なくとも1つの第3の繊維を有する、第3の構造層を含み、少なくとも1つの第3の繊維は、少なくとも1つのレース孔の境界および識別印のうちの少なくとも1つを形成することができる。
本発明の別の側面は、フットウェア物品のためのアッパーの少なくとも一部を形成する方法を含む。本方法は、内面と、対向する外面とを有する、基層を提供するステップと、フットウェア物品への組み込みに応じて、基層が第1の競技運動の間に受けるであろう歪みの少なくとも1つの第1の方向を識別するステップとを含む。本方法はさらに、基層の外面上に少なくとも1つの第1の繊維を含む第1の構造層を刺繍するステップを含み、少なくとも1つの第1の繊維は、基層の外面にわたって延在し、歪みの少なくとも1つの第1の方向に略平行な方向に延在する、複数の第1の伸長構造要素を形成し、局所化構造支持を基層に提供する。第1の伸長構造要素は、それぞれ、縦方向と、横方向幅と、ステッチ密度と、縦方向に対するステッチ角度とを含むことができ、第1の伸長構造要素のうちの少なくとも1つにおける縦方向軸、横方向幅、ステッチ密度、およびステッチ角度のうちの少なくとも1つは、第1の伸長構造要素の長さにわたって変動することができる。本方法はさらに、基層および刺繍された第1の構造層をフットウェア物品のアッパーに組み込むステップを含む。
一実施形態では、本方法はまた、フットウェア物品への組み込みに応じて、基層が第2の競技運動の間に受けるであろう歪みの少なくとも1つの第2の方向を識別するステップと、基層の外面上に少なくとも1つの第2の繊維を含む第2の構造層を刺繍するステップであって、少なくとも1つの第2の繊維は、歪みの少なくとも1つの第2の方向に略平行な方向において基層の外面にわたって延在する、複数の第2の伸長構造要素を形成し、局所化構造支持を基層に提供する、ステップとを含む。第2の伸長構造要素は、それぞれ、縦方向と、横方向幅と、ステッチ密度と、縦方向に対するステッチ角度とを含むことができ、第2の伸長構造要素のうちの少なくとも1つにおける縦方向軸、横方向幅、ステッチ密度、およびステッチ角度のうちの少なくとも1つは、第2の伸長構造要素の長さにわたって変動することができる。加えて、第2の伸長構造要素の配列は、第1の伸長構造要素の配列と異なることができる。
一実施形態では、歪みの第1の方向を識別するステップは、第1の競技運動の間のフットウェア物品上(および、例えば、フットウェア物品の外面上)の複数の場所における実験的歪みデータの分析を含む。基層上の所与の場所における第1および第2の伸長構造要素の横方向幅は、その場所における歪みの大きさに実質的に関連することができる。
本発明の別の側面は、アッパーと、アッパーに固着されるソール構造とを有する、フットウェア物品に関する。アッパーは、第1のアッパー要素を含み、該第1のアッパー要素は、基層を含み、該基層は、内面と、対向する外面とを有し、内面は、フットウェア物品の内部に面する。第1のアッパー要素はさらに、基層の外面の少なくとも一部にわたって延在する複数の第1の刺繍された伸長要素を含む、第1の構造層を含み、第1の刺繍された伸長要素は、それぞれ、縦方向と、横方向幅と、ステッチ密度と、縦方向に対するステッチ角度とを含む。第1の刺繍された伸長要素のうちの少なくとも1つにおける縦方向軸および横方向幅のうちの少なくとも1つは、第1の刺繍された伸長要素の長さにわたって変動する。少なくとも1つの第1の刺繍された伸長要素の少なくとも一部は、少なくとも部分的に、熱および圧力のうちの少なくとも1つの印加を通して基層の外面に融合される。複数の第1の刺繍された伸長要素の少なくとも一部は、最終フットウェア物品が第1の競技運動の間に受けるであろう歪みの少なくとも1つの優勢方向に略平行な方向に延在する。
第1のアッパー要素はさらに、基層の外面の少なくとも一部にわたって延在する複数の第2の刺繍された伸長要素を含む、第2の構造層を含み、第2の刺繍された伸長要素は、それぞれ、縦方向と、横方向幅と、ステッチ密度と、縦方向に対するステッチ角度とを含む。第2の刺繍された伸長要素のうちの少なくとも1つにおける縦方向軸および横方向幅のうちの少なくとも1つは、第2の刺繍された伸長要素の長さにわたって変動する。少なくとも1つの第2の刺繍された伸長要素の少なくとも一部は、少なくとも部分的に、熱および圧力のうちの少なくとも1つの印加を通して基層の外面に融合される。複数の第2の刺繍された伸長要素の少なくとも一部は、最終フットウェア物品が第2の競技運動の間に受けるであろう歪みの少なくとも1つの二次方向に略平行な方向に延在する。加えて、第2の刺繍された伸長要素の配列は、第1の刺繍された伸長要素の配列と異なる。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
フットウェア物品であって、前記フットウェア物品は、アッパーと、前記アッパーに固着されるソール構造とを有し、前記アッパーは、第1のアッパー要素を備え、前記第1のアッパー要素は、
基層であって、前記基層は、内面と、対向する外面とを有し、前記内面は、前記フットウェア物品の内部に面する、基層と、
第1の構造層であって、前記第1の構造層は、前記基層の外面上に刺繍される少なくとも1つの第1の繊維を備え、前記少なくとも1つの第1の繊維は、前記基層の外面にわたって延在する複数の第1の伸長構造要素を形成し、離散局所化構造支持を前記基層に提供し、前記第1の伸長構造要素のそれぞれは、縦方向と、横方向幅と、ステッチ密度と、前記縦方向に対するステッチ角度とを備え、前記第1の伸長構造要素のうちの少なくとも1つにおける縦方向軸、前記横方向幅、前記ステッチ密度、および前記ステッチ角度のうちの少なくとも1つは、前記第1の伸長構造要素の長さにわたって変動する、第1の構造層と
を備える、フットウェア物品。
(項目2)
前記第1の伸長構造要素の第1の群の少なくとも一部の前記縦方向および前記横方向幅は、前記第1の伸長構造要素の第1の群の長さにわたって変動する、項目1に記載のフットウェア物品。
(項目3)
前記縦方向および前記横方向幅のうちの少なくとも1つは、前記第1の伸長構造要素の第1の群の長さの区分にわたって平滑に変動する、項目2に記載のフットウェア物品。
(項目4)
複数の第1の伸長構造要素の前記縦方向は、それらの隣接する第1の伸長構造要素のものと異なる、項目1に記載のフットウェア物品。
(項目5)
前記第1の構造層は、前記基層の一部の伸縮を、前記基層のその部分にわたって延在する前記第1の伸長構造要素の縦方向と実質的に整合される方向において低減させる、項目1に記載のフットウェア物品。
(項目6)
前記基層の一部の伸縮の低減の量は、前記基層のその部分にわたって延在する前記第1の伸長構造要素の横方向幅に対して正の関係がある、項目5に記載のフットウェア物品。
(項目7)
前記基層の外面上に刺繍される前記少なくとも1つの第1の繊維の少なくとも一部は、少なくとも部分的に、熱および圧力のうちの少なくとも1つの印加を通して前記基層の外面に融合される、項目1に記載のフットウェア物品。
(項目8)
各第1の伸長構造要素は、異なる第1の繊維部分を備える、項目1に記載のフットウェア物品。
(項目9)
前記第1の繊維は、糸、フィラメント、コード、レース、ストランド、リボン、およびバンドのうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載のフットウェア物品。
(項目10)
前記第1の繊維は、熱可塑性ポリウレタン、ポリエステル、ナイロン、および天然繊維から成る群から選択される材料を含む、項目1に記載のフットウェア物品。
(項目11)
前記複数の第1の伸長構造要素の少なくとも一部は、最終フットウェア物品が第1の競技運動の間に受けるであろう歪みの少なくとも1つの優勢方向に略平行な方向に延在する、項目1に記載のフットウェア物品。
(項目12)
前記ステッチ密度は、1センチメートルあたり10~30ステッチである、項目1に記載のフットウェア物品。
(項目13)
前記ステッチ密度は、1センチメートルあたり15~25ステッチである、項目12に記載のフットウェア物品。
(項目14)
前記ステッチ角度は、前記縦方向から30~60度である、項目1に記載のフットウェア物品。
(項目15)
第2の構造層をさらに備え、前記第2の構造層は、前記基層の外面上に刺繍される少なくとも1つの第2の繊維を備え、前記少なくとも1つの第2の繊維は、前記基層の外面にわたって延在する複数の第2の伸長構造要素を形成し、局所化構造支持を前記基層に提供し、前記第2の伸長構造要素のそれぞれは、縦方向と、横方向幅と、ステッチ密度と、前記縦方向に対するステッチ角度とを備え、前記第2の伸長構造要素のうちの少なくとも1つにおける縦方向軸、前記横方向幅、前記ステッチ密度、および前記ステッチ角度のうちの少なくとも1つは、前記第2の伸長構造要素の長さにわたって変動し、前記第2の伸長構造要素の配列は、前記第1の伸長構造要素の配列と異なる、項目1に記載のフットウェア物品。
(項目16)
前記第2の伸長構造要素の第1の群の少なくとも一部の前記縦方向および前記横方向幅は、前記第2の伸長構造要素の第1の群の長さにわたって変動する、項目15に記載のフットウェア物品。
(項目17)
前記縦方向および前記横方向幅のうちの少なくとも1つは、前記第2の伸長構造要素の第1の群の長さの区分にわたって平滑に変動する、項目15に記載のフットウェア物品。
(項目18)
複数の第2の伸長構造要素の前記縦方向は、それらの隣接する第2の伸長構造要素のものと異なる、項目15に記載のフットウェア物品。
(項目19)
前記第2の構造層は、前記基層の一部の伸縮を、前記基層のその部分にわたって延在する前記第2の伸長構造要素の縦方向と実質的に整合される方向において低減させる、項目15に記載のフットウェア物品。
(項目20)
前記基層の一部の伸縮の低減の量は、前記基層のその部分にわたって延在する前記第2の伸長構造要素の横方向幅に対して正の関係がある、項目19に記載のフットウェア物品。
(項目21)
前記基層の外面上に刺繍される前記少なくとも1つの第2の繊維の少なくとも一部は、少なくとも部分的に、熱および圧力のうちの少なくとも1つの印加を通して前記基層の外面に融合される、項目15に記載のフットウェア物品。
(項目22)
各第2の伸長構造要素は、異なる第2の繊維部分を備える、項目15に記載のフットウェア物品。
(項目23)
前記第2の繊維は、糸、フィラメント、コード、レース、ストランド、リボン、およびバンドのうちの少なくとも1つを含む、項目15に記載のフットウェア物品。
(項目24)
前記第2の繊維は、前記第1の繊維と同一の材料を含む、項目15に記載のフットウェア物品。
(項目25)
前記複数の第2の伸長構造要素の少なくとも一部は、最終フットウェア物品が第2の競技運動の間に受けるであろう歪みの少なくとも1つの二次方向に略平行な方向に延在する、項目15に記載のフットウェア物品。
(項目26)
前記第1の繊維の色、材料、および直径のうちの少なくとも1つは、前記第2の繊維のものと異なる、項目15に記載のフットウェア物品。
(項目27)
前記第2の構造層は、前記基層の外面および前記第1の構造層の少なくとも一部にわたって延在する第1の領域を備える、項目15に記載のフットウェア物品。
(項目28)
前記第2の構造層はさらに、前記基層の外面の一部にわたって延在する第2の領域を備え、前記第2の領域上に前記第1の構造層が不在である、項目27に記載のフットウェア物品。
(項目29)
前記第1の構造層はさらに、その上に前記第2の構造層が不在である、前記基層の外面の一部にわたって延在する領域を備える、項目27に記載のフットウェア物品。
(項目30)
前記第1の構造層にわたる前記基層の外面上に刺繍される少なくとも1つの第3の繊維を備える第3の構造層をさらに備え、前記少なくとも1つの第3の繊維は、少なくとも1つのレース孔の境界および識別印のうちの少なくとも1つを形成する、項目1に記載のフットウェア物品。
(項目31)
フットウェア物品のためのアッパーの少なくとも一部を形成する方法であって、前記方法は、
基層を提供するステップであって、前記基層は、内面と、対向する外面とを有する、ステップと、
フットウェア物品への組み込みに応じて、前記基層が第1の競技運動の間に受けるであろう歪みの少なくとも1つの第1の方向を識別するステップと、
第1の構造層を刺繍するステップであって、前記第1の構造層は、前記基層の外面上に少なくとも1つの第1の繊維を備え、前記少なくとも1つの第1の繊維は、前記基層の外面にわたって延在し、前記歪みの少なくとも1つの第1の方向に略平行な方向に延在する、複数の第1の伸長構造要素を形成し、局所化構造支持を前記基層に提供し、前記第1の伸長構造要素のそれぞれは、縦方向と、横方向幅と、ステッチ密度と、前記縦方向に対するステッチ角度とを備え、前記第1の伸長構造要素のうちの少なくとも1つにおける前記縦方向軸、前記横方向幅、前記ステッチ密度、および前記ステッチ角度のうちの少なくとも1つは、前記第1の伸長構造要素の長さにわたって変動する、ステップと、
前記基層および刺繍された第1の構造層を前記フットウェア物品のアッパーに組み込むステップと
を含む、方法。
(項目32)
前記フットウェア物品への組み込みに応じて、前記基層が第2の競技運動の間に受けるであろう歪みの少なくとも1つの第2の方向を識別するステップと、
第2の構造層を刺繍するステップであって、前記第2の構造層は、前記基層の外面上に少なくとも1つの第2の繊維を備え、前記少なくとも1つの第2の繊維は、前記歪みの少なくとも1つの第2の方向に略平行な方向において前記基層の外面にわたって延在する、複数の第2の伸長構造要素を形成し、局所化構造支持を前記基層に提供し、前記第2の伸長構造要素のそれぞれは、縦方向と、横方向幅と、ステッチ密度と、前記縦方向に対するステッチ角度とを備え、前記第2の伸長構造要素のうちの少なくとも1つにおける前記縦方向軸、前記横方向幅、前記ステッチ密度、および前記ステッチ角度のうちの少なくとも1つは、前記第2の伸長構造要素の長さにわたって変動し、前記第2の伸長構造要素の配列は、前記第1の伸長構造要素の配列と異なる、ステップと
をさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記歪みの第1の方向を識別するステップは、第1の競技運動の間のフットウェア物品の前記外面上の複数の場所における実験的歪みデータの分析を含む、項目31に記載の方法。
(項目34)
前記基層上の所与の場所における前記第1および第2の伸長構造要素の横方向幅は、その場所における歪みの大きさに実質的に関連する、項目31に記載の方法。
(項目35)
フットウェア物品であって、前記フットウェア物品は、アッパーと、前記アッパーに固着されるソール構造とを有し、前記アッパーは、第1のアッパー要素を備え、前記第1のアッパー要素は、
基層であって、前記基層は、内面と、対向する外面とを有し、前記内面は、前記フットウェア物品の内部に面する、基層と、
第1の構造層であって、前記第1の構造層は、前記基層の外面の少なくとも一部にわたって延在する複数の第1の刺繍された伸長要素を備え、前記第1の刺繍された伸長要素のそれぞれは、縦方向と、横方向幅と、ステッチ密度と、前記縦方向に対するステッチ角度とを備え、(i)前記第1の刺繍された伸長要素のうちの少なくとも1つにおける前記縦方向軸および前記横方向幅のうちの少なくとも1つは、前記第1の刺繍された伸長要素の長さにわたって変動し、(ii)少なくとも1つの第1の刺繍された伸長要素の少なくとも一部は、少なくとも部分的に、熱および圧力のうちの少なくとも1つの印加を通して前記基層の外面に融合され、(iii)前記複数の第1の刺繍された伸長要素の少なくとも一部は、最終フットウェア物品が第1の競技運動の間に受けるであろう歪みの少なくとも1つの優勢方向に略平行な方向に延在する、第1の構造層と、
第2の構造層であって、前記第2の構造層は、前記基層の外面の少なくとも一部にわたって延在する複数の第2の刺繍された伸長要素を備え、前記第2の刺繍された伸長要素のそれぞれは、縦方向と、横方向幅と、ステッチ密度と、前記縦方向に対するステッチ角度とを備え、(i)前記第2の刺繍された伸長要素のうちの少なくとも1つにおける前記縦方向軸および前記横方向幅のうちの少なくとも1つは、前記第2の刺繍された伸長要素の長さにわたって変動し、(ii)少なくとも1つの第2の刺繍された伸長要素の少なくとも一部は、少なくとも部分的に、熱および圧力のうちの少なくとも1つの印加を通して前記基層の外面に融合され、(iii)前記複数の第2の刺繍された伸長要素の少なくとも一部は、最終フットウェア物品が第2の競技運動の間に受けるであろう歪みの少なくとも1つの二次方向に略平行な方向に延在し、(iv)前記第2の刺繍された伸長要素の配列は、前記第1の刺繍された伸長要素の配列と異なる、第2の構造層と
を備える、フットウェア物品。
図面では、同様の参照文字は、概して、異なる図全体を通して同一の部分を指す。また、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、概して、本発明の原理を例証することに重点が置かれる。以下の説明では、本発明の種々の実施形態が、説明される。
図1A-1Cは、本発明のいくつかの実施形態による、例示的伸長刺繍要素の概略図である。
図2Aは、本発明のいくつかの実施形態による、別の例示的伸長刺繍要素の概略図である。
図2Bは、刺繍糸を基部材料に融合した後の図2Aの伸長刺繍要素の概略図である。
図3Aは、本発明のいくつかの実施形態による、別の例示的伸長刺繍要素の概略図である。
図3Bは、刺繍糸を基部材料に融合した後の図3Aの伸長刺繍要素の概略図である。
図4Aは、本発明のいくつかの実施形態による、別の例示的伸長刺繍要素の概略図である。
図4Bは、刺繍糸を基部材料に融合した後の図4Aの伸長刺繍要素の概略図である。
図5Aは、本発明のいくつかの実施形態による、複数の伸長刺繍要素を組み込む材料の概略図である。
図5Bは、本発明のいくつかの実施形態による、複数の伸長刺繍要素を組み込む別の材料の概略図である。
図6Aは、本発明のいくつかの実施形態による、複数の伸長刺繍要素を組み込む材料のいくつかの試験見本の概略図である。
図6Bは、実験室条件下の図6Aの試験見本の伸縮に対する抵抗を示す、チャートである。
図7Aは、本発明のいくつかの実施形態による、例示的伸長刺繍要素の経路および輪郭の概略図である。
図7Bおよび図7Cは、図7Aの経路および輪郭を辿る例示的伸長刺繍要素である。 図7Bおよび図7Cは、図7Aの経路および輪郭を辿る例示的伸長刺繍要素である。
図8Aは、本発明のいくつかの実施形態による、別の例示的伸長刺繍要素の経路および輪郭の概略図である。
図8Bは、図8Aの経路および輪郭を辿る例示的伸長刺繍要素である。
図9は、本発明のいくつかの実施形態による、レーシング要素のための刺繍アイレットの概略図である。
図10は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的伸長刺繍要素の概略図である。
図11は、本発明のいくつかの実施形態による、別の例示的伸長刺繍要素の概略図である。
図12は、本発明のいくつかの実施形態による、複数の刺繍パターンを組み込む材料の概略図である。
図13は、本発明のいくつかの実施形態による、複数の刺繍パターンを組み込むフットウェア物品の側面図である。
図14および15は、本発明のいくつかの実施形態による、複数の刺繍パターンを組み込む別のフットウェア物品の内側および外側側面図である。 図14および15は、本発明のいくつかの実施形態による、複数の刺繍パターンを組み込む別のフットウェア物品の内側および外側側面図である。
図16A-16Dは、本発明のいくつかの実施形態による、刺繍パターンを作成する方法を表す。
図17Aは、本発明のいくつかの実施形態による、第1の刺繍パターンを組み込むアッパーの上面図である。
図17Bは、本発明のいくつかの実施形態による、第2の刺繍パターンを組み込むアッパーの上面図である。
図17Cは、図17Aおよび17Bの刺繍パターンを組み込む靴の上面図である。
図18Aは、本発明のいくつかの実施形態による、第1の刺繍パターンを組み込む別のアッパーの上面図である。
図18Bは、本発明のいくつかの実施形態による、第2の刺繍パターンを組み込む別のアッパーの上面図である。
図18Cは、図18Aおよび18Bの刺繍パターンを組み込む靴の上面図である。
図19A-21Bは、本発明のいくつかの実施形態による、実験データに基づいてフットウェアアッパーに関する複数の刺繍パターンを決定する方法を示す。 図19A-21Bは、本発明のいくつかの実施形態による、実験データに基づいてフットウェアアッパーに関する複数の刺繍パターンを決定する方法を示す。 図19A-21Bは、本発明のいくつかの実施形態による、実験データに基づいてフットウェアアッパーに関する複数の刺繍パターンを決定する方法を示す。
図22Aは、本発明のいくつかの実施形態による、2つの刺繍パターンを組み込むフットウェアアッパーシェルの上面図である。
図22Bは、本発明のいくつかの実施形態による、2つの刺繍パターンを組み込む別のフットウェアアッパーシェルの上面図である。
図22Cは、本発明のいくつかの実施形態による、2つの刺繍パターンを組み込む別のフットウェアアッパーシェルの上面図である。
図22Dは、本発明のいくつかの実施形態による、2つの刺繍パターンを組み込む別のフットウェアアッパーシェルの上面図である。
図23A-23Dは、本発明のいくつかの実施形態による、多層刺繍フットウェアアッパーシェルの複数の層の上面図である。 図23A-23Dは、本発明のいくつかの実施形態による、多層刺繍フットウェアアッパーシェルの複数の層の上面図である。 図23A-23Dは、本発明のいくつかの実施形態による、多層刺繍フットウェアアッパーシェルの複数の層の上面図である。 図23A-23Dは、本発明のいくつかの実施形態による、多層刺繍フットウェアアッパーシェルの複数の層の上面図である。
図23Eは、図23A-23Dの層を組み込む組み立てられた多層刺繍フットウェアアッパーシェルの上面図である。
図24は、図23Eの多層刺繍フットウェアアッパーシェルを組み込むフットウェア物品の斜視図である。
これらおよび他の目的は、本明細書に開示される本発明の利点および特徴とともに、以下の説明、付随の図面、および請求項の参照を通してより明白となるであろう。さらに、本明細書に説明される種々の実施形態の特徴は、相互に排他的ではなく、種々の組み合わせおよび順列で存在し得ることを理解されたい。
本明細書に説明される本発明は、一般に、改良された性能および/または審美的特性を有するファブリックをもたらすための方法およびシステム、およびそのようなファブリックを組み込む製品に関する。より具体的には、本明細書に説明される本発明は、例えば、競技用フットウェアにおいて使用するためのファブリックに構造的および/または審美的利益を提供するために刺繍された構造要素を有する、ファブリック材料部分に関する。
本発明は、所望の構造的および/または審美的性質をもたらすために、複数の付加的材料をそれらのテキスタイルの形成の間にテキスタイルに組み込む必要性なく、および他の材料をテキスタイルに縫付または接合する必要性なく、刺繍糸の適用を通してファブリック/テキスタイル(例えば、標準的編成、織成、非織成テキスタイル、メッシュ、シート、ラミネート等)の処理を可能にする。むしろ、本明細書に説明される方法は、それによって標準的な未処理の既製ファブリックが、種々の複雑な構造性質を有する最終材料要素をもたらすためにカスタマイズされ、それによって、材料費用を削減し、製造プロセスを簡略化し得る方法を提供する。本明細書によって作成される工学設計材料は、限定ではないが、フットウェア(および、例えば、競技用フットウェア)、アパレル、スポーツ用品(例えば、ラクロススティックネット、保護用スポーツ用具等)、および複雑なテキスタイル構造を要求する他の商品を含む、任意の数の製品および産業において利用されることができる。競技およびファッション産業内での使用に加えて、そのような構造は、例えば、自動車、航空宇宙、および消費財産業においても有用であり得る。
より具体的には、本明細書に説明される方法およびシステムは、ファブリック/テキスタイルに適用され得、非刺繍領域内のテキスタイルの性質を実質的に変化させることなく、刺繍面積内のテキスタイルの1つ以上の性質を選択的かつ離散的に変化させ得る、1つ以上の刺繍パターンを提供する。その結果、単一のテキスタイルが、最小限の追加された刺繍糸を用いて種々の複雑な構造性質を提供するために修正されることができる(それによって、材料の付加的重量を限定し、要求される複雑な構造性質を作成するために必要な製造ステップおよび労力を削減する)。動作時、靴アッパーの1つ以上の基部材料上への伸長刺繍要素(すなわち、その幅よりも実質的に長い長さを有する刺繍要素)の追加は、限定された付加的重量を伴って、かつ刺繍要素から離れた、または刺繍要素の縦方向と実質的に異なる方向における基部材料の構造性質に実質的に影響を及ぼすことなく、刺繍が追加される領域において、かつ刺繍された伸長要素が基部材料を横断する縦方向において、基部材料に構造安定性、低減された伸縮、増加された堅性、増加された強度、および他の構造的利益を提供することができる。これは、基部材料上に付加的材料または構造要素を追加する必要性なく、基部材料に制御された構造的利益を追加するための機構を提供する。
刺繍プロセスは、手動で実行される、または好ましくは、機械的刺繍機械を使用して実行されることができる。機械化刺繍プロセスを使用することは、自動化様式で構造要素の効率的かつ正確な刺繍を可能にする。刺繍は、適宜、標準的刺繍プロセスを使用して実行されることができる。一実施形態では、刺繍は、刺繍糸を定位置に確実に保持するために、第1の繊維に隣接する基層の内面上に延在する下糸を利用する機械刺繍プロセスを使用して実施される。下糸は、熱可塑性ポリウレタン、ポリエステル、ナイロン、および/または天然繊維等の材料を含む、または本質的にそれから成ることができる。一実施形態では、下糸は、少なくとも部分的に、熱および圧力のうちの少なくとも1つの印加を通して(外面を通して間接的にか、または内面に直接のいずれかにおいて)基層の内面に融合されることができる。これは、例えば、基層の内側上により平滑な表面を提供し、刺繍のためのより確実かつ安定したステッチを提供する際に有益であり得る。
種々の実施形態では、基層のための材料は、テキスタイルまたは編成材料、織成材料、非織成材料、スクリム、または任意の他の適切なファブリック材料等の他のファブリックを含む、または本質的にそれから成ることができる。代替として、基層は、フィルムまたはシートまたはポリマー基板(例えば、TPUフィルム)または構造安定性を刺繍糸に提供することが可能な任意の他の材料から形成されることができる。ある実施形態では、基部材料は、材料の複数の層から形成されることができる。基層または複数の層は、限定ではないが、ポリエステル、ナイロン、スパンデックスまたは他の弾性材料、天然繊維(例えば、綿またはウール)、天然または合成皮革、それらの配合物、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、またはフットウェアアッパーの構築において使用するための任意の他の適切な材料等の材料から作製されることができる。ある実施形態では、材料の層が、刺繍部分の下の基層に加えて、またはその代わりに、刺繍層またはその一部にわたって位置付けられることができる。被覆層または複数の層は、刺繍繊維が被覆層の下方で可視であることが所望されるかどうかに応じて、(基層材料と同一である、または異なり得る)透明または不透明材料から形成されることができる。
一実施形態では、アッパーはさらに、基層の内面と靴の装着者の足との間に位置付けられる1つ以上の内部ライナ層を含むことができる。本内部ライナは、基層に完全に取り付けられる(例えば、接合される、縫い付けられる等)、明確に異なる位置においてそれに局所的に取り付けられる、またはそれに取り付けられない場合がある。加えて、1つ以上の被覆層は、アッパーの外面上の基層および刺繍層にわたって同様に位置付けられることができる。
一実施形態では、刺繍部分は、サッカーまたはフットボールブーツ等の滑り止めフットウェアに組み込まれることができる。代替実施形態では、トラックスパイク、トレイルシューズ、ランニングシューズ、トレーニングシューズ、テニスシューズ、ゴルフシューズ等の他のタイプの競技用フットウェアも、1つ以上の刺繍部分を組み込むことができる。さらなる代替実施形態では、安全フットウェア、ファッションフットウェア等の他のタイプのフットウェアも、少なくとも部分的に、刺繍構造から形成されることができる。
糸は、これが平坦または実質的に平坦に保持されながら基層上に刺繍されてもよく、その後、刺繍材料は、フットウェア物品または他の構造に組み込まれることができる。例えば、1つ以上の糸が、刺繍プロセスの間に刺繍機械内に堅く保持される材料のシート上に刺繍されることができる。要求されるパターンをシート上に刺繍した後、フットウェアシェルパターンまたはその一部が、フットウェア物品への組み込みのためにシートから切断されることができる。代替として、材料基層は、フットウェアラストまたは他の3次元搭載要素上に可撤式に設置され、糸は、その後、搭載要素上の成形された材料上に直接刺繍されることができる。
図1A-1Cは、伸長軸「x」に沿って延在する糸15から形成される伸長刺繍要素10を示す。糸15は、ジグザグステッチにおいて基部材料(図示せず)上に刺繍され、第1の複数のステッチ20が、横方向軸「y」に対する第1の角度(α)において伸長刺繍要素10の横方向幅「w」を横断して延在し、第2の複数のステッチ25が、横方向軸「y」に対する第2の角度(α)において伸長刺繍要素10の幅「w」を横断して戻るように延在する。ある実施形態では、伸長刺繍要素10の伸長軸に沿った所与の位置において横方向軸「y」に対する刺繍縫付の角度を定義するために使用され得る、各ジグザグステッチの平均角度(α)は、したがって、(α+α)/2である。代替実施形態では、第1のステッチ20の角度(α)または第2のステッチ25の角度(α)は、伸長刺繍要素10の伸長軸に沿った所与の位置において伸長軸「x」または横方向軸「y」に対する刺繍縫付の一般角を定義するために使用されることができる。角度は、適宜、横方向軸「y」または伸長軸「x」に対して計算されることができる。
伸長刺繍要素10は、ジグザグパターンにおいて幅「w」を横断して及ぶ複数の第1のステッチ20および第2のステッチ25から形成され、幅「w」は、所与の場所における伸長刺繍要素10の縦方向伸長軸「x」に垂直な方向において決定される。結果として生じる伸長刺繍要素10の構造性質は、伸長軸「x」に対する刺繍縫付の角度(α、α、α)、縫付の幅「w」、(第1の角度(α)と第2の角度(α)との間の差異によって制御され、例えば、1センチメートルあたりのステッチの数によって定義され得る)ステッチの密度、および伸長刺繍要素10を形成するために使用される糸15または複数の糸の構造および性能性質を含む、刺繍縫付と関連付けられるいくつかのパラメータの選択を通して制御されることができる。
例えば、伸長軸「x」および横方向軸「y」に対する刺繍縫付のステッチ角度(α、α、α)の変化は、伸長刺繍要素10の審美的および/または構造性質の両方を変化させ、刺繍縫付の平均角度の増加は、結果として生じる伸長刺繍要素10における糸材料の密度を変化させることができる。例えば、図2Aは、0°のステッチ角度αを有する伸長刺繍要素10の一部を示す一方、図3Aは、55°のステッチ角度αを有する伸長刺繍要素10の一部を示す(但し、各第1のステッチ20および第2のステッチ25の間の距離は、同一のままである)。代替実施形態では、0°~最大75°またはそれを上回る、または約20°~約70°、または約30°~約60°、または約40°~約50°、または、例えば、45°の角度(α、α、またはα)等の任意の適切な刺繍角度が、利用されてもよい。任意の他の適切な角度または角度の範囲が、要求される具体的構造および審美的性質に応じて利用されてもよい。
図3Aのステッチ構成は、図2Aと比較すると、刺繍要素の所与の面積に組み込まれたより多くの糸材料を伴うより密集して縫い付けられた伸長刺繍要素10をもたらす、伸長刺繍要素10の幅「w」を横断してより長いステッチ長をもたらす。これは、ひいては、下層基部材料に対する伸長刺繍要素10の構造効果を増加させる一方、また、異なる審美的外見を伸長刺繍要素10に提供するであろう。
一実施形態では、糸15の寸法を変化させることは、結果として生じる伸長刺繍要素10の構造および/または審美的性質を変化させ、より大きい糸直径は、結果として生じる伸長刺繍要素10における糸材料の密度の増加をもたらすことができる。図4Aは、例えば、図3Aと類似する刺繍パターンを示すが、糸15は、図3Aの糸15のものの2倍の直径を有し、それによって、より密接した、または連続的な材料外見および構造を有する伸長刺繍要素10をもたらす。
伸長刺繍要素10を形成するために使用される糸15または複数の糸は、モノフィラメントタイプ糸、マルチフィラメント糸、巻回多構成要素糸(例えば、非融合可能ストランドで巻回される融合可能ストランドを伴う)、および/またはコーティングされた糸であり得る。糸のために使用され得る例示的材料は、限定ではないが、天然繊維、合成繊維、および/または熱可塑性物質(例えば、TPU、ポリエステル、ナイロン等)を含む。一実施形態では、糸は、TPUモノフィラメントまたはマルチフィラメント糸である。別の実施形態では、糸は、熱可塑性(例えば、TPU)コーティングによってコーティング、シース化、または別様に囲繞されるモノフィラメントまたはマルチフィラメントコアとして形成される。
一実施形態では、糸を基部材料に縫い付ける刺繍に応じて、糸は、糸を基部材料に融合または部分的に融合させるために熱処理されてもよい。糸が基部材料に融合される程度は、融合の間に糸に適用される温度、暴露の時間、および圧力の選択を通して制御されることができる。基部材料への糸の融合は、熱および圧力を基層全体またはその一部に印加する板または他の要素を通して適用されることができる。代替として、糸は、例えば、融合要素が縫付の直後または実質的に直後に糸を基部材料に融合させるためにステッチヘッドの後を辿るように、刺繍機械と関連付けられ得る局所化熱/圧力印加機構の使用を通して基層に融合されることができる。糸が熱可塑性モノフィラメントまたはマルチフィラメント糸を含む、または本質的にそれから成る場合、糸材料は、融解し、基部材料に接合し、最終伸長刺繍要素を形成するであろう。一実施形態では、糸が熱可塑性コーティングによって囲繞される内側コアを備える、または本質的にそれから成る場合、糸は、基部材料に刺繍された伸長糸として内側コアを実質的に変化させないままにし、外側コーティングが融解し、固化し、基部材料の表面上の定位置に糸を保持する保護カバーを刺繍コアにわたって形成するような方法で熱融合されることができる。一実施形態では、基部材料は、印加に応じて基部材料に刺繍糸を接合または別様に接着させるように適合される材料または処理を含んでもよい。一実施形態では、外皮が、刺繍および基部材料にわたって敷設され(および、例えば、それにわたって接合または別様に積層され)、刺繍のための保護カバーを提供することができる。
印加において、糸15を融解する熱は、例えば、糸を基部材料にさらに固着させる際、摩滅を通した刺繍への損傷を低減させるために保護カバーを糸にわたって提供する際、伸長刺繍要素10に関するより均一な構造をもたらすために隣接する糸をともに接合する際、および/または刺繍糸の審美性を修正する際に有益であり得る。一実施形態では、刺繍糸全体が、基部材料に融合される、または部分的に融合されることができる。代替実施形態では、糸の選択的部分のみが、基層に融合される、または部分的に融合される。
糸直径およびステッチ角度の選択とともに、糸の融合融解を制御することは、開けた明確に縫い付けられたものから、部分的に融合された刺繍パターンを通して、材料の完全に閉鎖された/連続的ブロックに及ぶ、広い範囲の構造特性および審美的外見を作成することができる。例えば、図2Bは、糸15を基部材料に融合させるための熱および圧力の印加後の図2Aの伸長刺繍要素10を示す。本実施形態では、融合された糸15の第1のステッチ20および第2のステッチ25によって作成される刺繍パターンは、依然として明確に可視である。
図3Bは、糸15を基部材料に融合させるための熱および圧力の印加後の図3Aの伸長刺繍要素10を示す。本実施形態では、増加されたステッチ角度(α=55)の効果は、接合に応じて、第1のステッチ20および第2のステッチ25が部分的にともに配合されるように、効果的に第1のステッチ20および第2のステッチ25をともにより近接させることである。
図4Bは、糸30を基部材料に融合させるための熱および圧力の印加後の図4Aの伸長刺繍要素37を示す。本実施形態では、ステッチ角度(α)および糸厚さの効果は、接合に応じて、第1のステッチ20および第2のステッチ25がともに実質的に完全に配合され、外観において実質的に均一である伸長要素37を形成するように、効果的に第1のステッチ20および第2のステッチ25をともに十分に近接させることである。糸が完全に融解可能かつ融合可能材料から形成される実施形態では、本伸長要素37の構造は、形態において均質または実質的に均質であり得る。糸がコア(これが外側コーティングを融解させるために必要な温度において融解しないような融点を有する)を囲繞する融解可能かつ融合可能材料の外側コーティングから形成される実施形態では、結果として生じる伸長要素37は、均質または実質的に均質な構造の外側外観を有するが、糸15のコアは、均質な外側層内の刺繍パターンに従って配向されるであろう。
代替実施形態では、刺繍材料は、インクまたは材料に純粋に審美的処理を提供するための他の処理と置換されることができる。別の実施形態では、刺繍材料は、レイドファイバ、フィルム、フォーム(パフ)プリント、ラミネート、または材料に構造的および審美的処理の両方を提供するための他の構造材料と置換されることができる。
本発明による刺繍材料の構造性質は、個々の伸長刺繍要素自体の性質および基部材料上の相互に対する伸長刺繍要素の群の配列および密度の両方によって制御されることができる。例えば、隣接する伸長刺繍要素10の間の距離または間隙(「g」)を減少させること、したがって、刺繍材料の設定面積内の伸長刺繍要素10の密度を増加させることは、刺繍材料の性質に対する伸長刺繍要素10の群の効果を増加させるであろう。実施例として、図5Aの基部材料40は、幅「w」および間隙「g」を有する複数の離散的な別個の伸長刺繍要素10を組み込み、それによって、所与の面積内に4つの別個の離間された伸長刺繍要素10を有する刺繍材料45をもたらす(離間された伸長刺繍要素10はそれぞれ、定義されたステッチ角度およびステッチ長を有するジグザグタイプステッチパターンを有し、それによって、明確に異なる幅を有する刺繍要素を作成する)一方、図5Bの基部材料40は、幅「w」および間隙「g」を有する複数の伸長刺繍要素10を組み込み(gは、gを上回る)、それによって、同一の面積内に2つのみの伸長刺繍要素10を有する刺繍材料55をもたらす。その結果、各離散的な個々の伸長刺繍要素10の性質は、同一であり、図5Aの刺繍材料45は、図5Bの刺繍材料55よりもx軸に沿って、伸縮に対してより抵抗力があり、潜在的に、屈曲に対してより抵抗力があるであろう。しかしながら、図5Aの刺繍材料45および図5Bの刺繍材料55の両方は、その軸に沿った伸長を制限する連続的要素が存在せず、むしろ、その間に修正されない弾性基部材料を伴う複数の離散要素が存在するという事実に起因して、y軸に沿って(すなわち、伸長刺繍要素10の伸長方向に略垂直な角度において)妥当な程度の伸縮および可撓性を留保するであろう。y軸に沿った伸縮度のいかなる低減も、伸長刺繍要素10のそれぞれの密度、幅「w」、ステッチ角度、および材料性質のうちの少なくとも1つに依存するであろう。一実施形態では、x軸とy軸との間の角度における刺繍材料の伸縮に対する抵抗は、(x軸に沿った)伸縮に対する最大抵抗から(y軸に沿った)伸縮に対する最小抵抗まで平滑に変動し、任意の所与の角度における伸縮に対する具体的抵抗は、基部材料自体の伸縮性質とともに、伸長刺繍要素10の密度、幅「w」、ステッチ角度、および材料性質のうちの少なくとも1つに依存するであろう。種々の実施形態では、伸長構造要素は、幅、ステッチ角度、糸性質、および/またはステッチ密度等の因子に応じて、伸長軸に対する種々の方向において伸縮を異なる程度に低減させるように適合されることができる。
一実施形態では、基部材料は、刺繍に先立って、これが全ての方向において伸縮に対する同一または実質的に同一の抵抗を有するように製造されてもよい。したがって、刺繍材料の伸縮に対する抵抗の変動は、完全に、または実質的に完全に、伸長刺繍要素10の性質に依存する。代替実施形態では、基部材料またはその一部は、これが異なる角度において伸縮に対する異なる抵抗を有し、基部材料上への伸長刺繍要素10の刺繍が、要求に応じて伸縮に対する抵抗のそれらの変動を修正するように製造されることができる。
基部材料上に伸長刺繍要素10を位置付ける効果の実施例が、図6Aおよび6Bに見られることができる。図6Aは、刺繍材料の試験サンプルの3つの変形例(「A」、「B」、および「C」)を示し、各試験サンプルは、その上にTPU糸の4つの伸長刺繍要素10が距離「g」だけ離れて刺繍されている基部材料40(この場合、合成皮革材料)から形成される。伸長刺繍要素10はそれぞれ、1センチメートルあたり20ステッチのステッチ密度および横方向軸に対して45度のステッチ角度(α)を有する。サンプル「A」の伸長刺繍要素10は、1.5mmの幅「w」を有し、サンプル「B」の伸長刺繍要素10は、4mmの幅「w」を有し、サンプル「C」の伸長刺繍要素10は、8mmの幅「w」を有する。
図6Bは、試験サンプル(「A」、「B」、および「C」)のそれぞれに関する、および加えて、非刺繍基部材料のサンプルに関する、それらの非伸縮長さにわたって20%だけ試験サンプルを伸縮させるために必要とされる平均力(ポンド単位)のグラフ60を示す。分かり得るように、任意の幅の伸長刺繍要素10を基部材料に追加することは、非刺繍材料の同等のサンプルと比較して、刺繍材料の伸縮に対する抵抗を有意に増加させる。加えて、全ての他の因子が一定のままであると、刺繍材料の伸縮に対する抵抗は、伸長刺繍要素10の幅「w」に直接関連し、幅「w」の増加は、伸縮に対する抵抗の増加と相関する。示される実施形態では、伸長刺繍要素幅と伸縮に対する刺繍材料抵抗との間の関係は、形態においていくぶん対数的/ほぼ対数的であり、刺繍要素の単一層によって被覆される基部材料に関する伸縮に対する抵抗は、各刺繍要素の幅「w」が要素の間の間隙「g」に等しい場合に最大に到達する(それによって、刺繍材料全体が刺繍において被覆されることをもたらす)。ある実施形態では、刺繍材料の伸縮に対する抵抗は、隣接する刺繍要素を重複させるために、刺繍の付加的層を追加することによって、および/または幅「w」を増加させることによって、および/または間隙「g」を減少させることによって、さらに増加されることができる。
一実施形態では、図6Aに示されるように、刺繍材料は、その上に複数の伸長刺繍要素10が規則的に分散された配列における直線平行要素として刺繍される、1つ以上の基層から形成され、それによって、刺繍材料の面積全体を横断する設定方向において一貫した、または実質的に一貫した性質を有する刺繍材料を作成することができる。代替実施形態では、刺繍材料の異なる部分の伸縮性質は、それらの長さに沿った単一の離散伸長刺繍要素10の性質を変動させることによって、および/または刺繍材料の異なる領域内の隣接する伸長刺繍要素10の間の関係を変動させることによって、制御および区別されることができる。
一実施形態では、図7A-7Bに示されるように、伸長刺繍要素100が、その長さに沿って方向を変化させ、それによって、要素の長さに沿って伸縮に対する抵抗の一次方向を変化させる伸長軸を用いて形成されることができる。図7Aは、一次伸長軸105と、第1の側縁110と、第2の側縁115とを有する、伸長刺繍要素100の寸法概略表現を示す。刺繍のステッチ角度(α)は、刺繍ステッチ120の方向と伸長軸105に沿った各場所における横方向軸の方向との間の角度として局所的に計算される。図7Aおよび図7Bの実施形態では、一次伸長軸105の方向は、伸長刺繍要素100の長さに沿って平滑に変化する。これは、例えば、(短い距離にわたる伸縮の急激な変化からもたらされ得る)材料内の高応力および/または歪み点を防止する際に有利であり得、刺繍プロセスが製造の間に(方向の急激な変化を考慮するために刺繍機械を急速に再配向することと関連付けられる時間遅延を伴わずに)より急速に実行されることを可能にすることができる。代替実施形態では、方向の急激な変化が構造的および/または審美的理由から有益であり得る場合、ある点(または非常に短い距離)における方向の1つ以上の急激な/著しい変化が、一次伸長軸105の方向の平滑な変化に加えて、またはその代わりに、伸長刺繍要素100に組み込まれることができる。
その長さに沿った伸長刺繍要素100の方向の変動の結果として、刺繍材料の具体的部分における伸縮に対する抵抗の一次方向は、その中に刺繍材料が組み込まれる物体(例えば、靴アッパー)の異なる部分において標的化およびカスタマイズされた構造性質を提供するために制御されることができる。加えて、伸縮に対する抵抗の量は、伸長軸に沿った異なる場所における刺繍の幅「w」を変化させることによって、伸長刺繍要素100の長さに沿って変動されることができる。例えば、図7Bに示されるように、伸長刺繍要素100は、第1の伸縮度を提供する比較的に狭い部分120と、第2の伸縮度を提供する比較的に広い部分125とを有する刺繍パターンを有することができ、第2の伸縮度は、第1の伸縮度を下回り、幅、したがって、伸縮度は、比較的に狭い部分120から比較的に広い部分125まで平滑に変動する。一実施形態では、比較的に狭い部分120は、約4mmを下回るまたはさらには約2mmを下回る幅「w」を有することができる一方、比較的に広い部分125は、約4mmを上回る幅を有することができる。ある実施形態では、比較的に狭い部分120は、比較的に広い部分125の幅「w」の約75%を下回る、または約50%を下回る、またはさらには約30%を下回る幅「w」を有することができる。
一次伸長軸105の方向および伸長刺繍要素100の幅「w」の変化に加えて、伸長刺繍要素100の他の物理的性質も、材料の構造および審美的性質を局所的に変化させるために、伸長刺繍要素100の長さに沿って変動されることができる。例えば、図7Cは、第1のステッチ密度を有する(および比較的に狭い部分120を含む)第1および第3の領域(102および103)と、第1のステッチ密度を上回る第2のステッチ密度を有する(および比較的に広い部分125を含む)第2の領域104とを有する、伸長刺繍要素100を示す。第1の領域102および第3の領域103内の低減されたステッチ密度の効果は、伸縮に対するそれらの領域の抵抗を、低減された幅「w」によって提供されるものを上回る程度まで低減させ、それによって、一方の第1の領域102および第3の領域103と他方の第2の領域104との間の伸縮抵抗の差異を増加させることである。
図8Aおよび8Bの実施形態では、伸長刺繍要素100は、領域毎にステッチ角度を変化させるように構成される。本実施形態では、伸長刺繍要素100は、第1のより低いステッチ角度「αlow」を有する比較的に狭い部分106と、第2のより高いステッチ角度「αhigh」を有する比較的に広い部分107とを含み、ステッチ角度は、遷移領域108内で「αlow」と「αhigh」との間で平滑に遷移する。ステッチ角度の本変動の効果は、領域毎の伸縮に対する抵抗を、一実施形態では、一次伸長軸105の方向に向かうステッチ角度の増加とともに、幅「w」のみの変動によって提供されるものを上回る程度までさらに変動させ、それによって、糸を一次伸長軸105とさらなる程度まで整合させ、より高いステッチ角度の領域内の一次伸長軸105に沿った伸縮に対する抵抗を増加させることである。
伸長刺繍要素100の方向、幅、ステッチ密度、および/またはステッチ角度の注意深い選択、および伸長刺繍要素100の長さに沿ったこれらの構造特徴のうちの1つ以上のものの変動を通して、刺繍材料の局所化強度、伸縮抵抗、摩滅特性(すなわち、ある領域内のより多い刺繍材料は、その領域内の材料に関するさらなる摩滅抵抗に寄与する)、および審美的性質は、一意の構造性質を有する材料を提供するために注意深く制御および適合されることができる。これらの構造特徴は、材料の各領域の具体的構造要件に応じて、領域毎に平滑に修正されることができる、または1つの場所から次の場所まで急激に変化することができる。基部材料上の刺繍パターンの注意深い選択を通して材料の性能特性を修正および制御する能力はまた、付加的な複雑、高コスト、かつ時間のかかる製造ステップの必要性なく、単一の刺繍プロセスにおいて効率的かつ迅速に一意の工学設計材料の製造を可能にする。刺繍は、最終材料の広い領域の構造性質に影響を及ぼすために、基部材料の大部分にわたって適用される、および/または具体的局所化構造利益を提供するために、基部材料の限定された領域に局所的に適用されることができる。図9は、例えば、それを通してレーシング要素が位置し得るアイレットを形成するための閉ループとして形成される刺繍要素150を示し、伸長刺繍要素100は、引締されるときにレーシング要素が材料を断裂させることを防止するために、アイレットに強度を提供する。
伸長刺繍要素100の異なる領域内のステッチ性質の間の急激な変化を有する例示的伸長刺繍要素100が、図10に示される。本実施形態では、伸長刺繍要素100は、第1の幅、第1のステッチ角度、および第1のステッチ密度を有する第1の領域160と、第2の幅、第2のステッチ角度、および第2のステッチ密度を有する第2の領域165と、第3の幅、第3のステッチ角度、および第3のステッチ密度を有する第3の領域170とを含む。代替実施形態では、ステッチ性質および糸の任意の適切なセットが、伸長刺繍要素100の任意の局所化部分において使用されることができ、要求に応じて、領域間の急激または平滑な遷移を伴う。
伸長刺繍要素100のステッチ配列および性質を変動させることに加えて、基部材料上に縫い付けられている刺繍糸は、刺繍材料の構造および/または審美的性質を変化させるために、伸長刺繍要素100の長さに沿って変動されることができる。一実施形態では、伸長刺繍要素100の異なる領域は、異なる色の糸を使用することができる。図8Bは、例えば、異なるステッチ角度に対応する異なる糸色を伴う伸長刺繍要素100を示す(高ステッチ角度「αhigh」領域107は、第1の色130を有し、低ステッチ角度「αlow」領域106は、第2の色135を有し、遷移領域108は、第3の色140を有する)。種々の実施形態では、異なる糸色は、異なる構造特徴と関連付けられる、および/または単純に、刺繍材料に関する一意の審美性を作成するために使用されることができる。さらなる実施形態では、異なる材料および/または構造性質を有する糸は、異なる色を有することができる。
糸は、刺繍に先立って、適切な色に染色または別様に処理されることができる。代替として、糸は、基部材料上に刺繍され、その後、最終色パターンを作成するために染色、スクリーン印刷、または別様に着色されることができる。例えば、ある着色材料(例えば、あるタイプの染料または顔料)を受け取るように適合される糸が、刺繍後、あるパターンが基部材料自体の色に影響を及ぼすことなく刺繍糸上に作成され得るように、その着色材料によって影響を受けない基部材料上に刺繍されることができる。
一実施形態では、伸長刺繍要素172は、最終構造を作成するために相互にわたって刺繍される2つ以上の糸から形成されることができる。これらの2つ以上の糸は、(層状刺繍領域に関する一意の審美的および/または構造効果を作成するために)同一の色、糸材料および性質、および/またはステッチ性質を有する、または異なる色、糸材料および性質、および/または異なるステッチ性質を有することができる。図11は、例えば、平滑に変化する一次伸長軸および平滑に変動するステッチ幅を伴う第1のステッチ角度およびステッチ密度を有する第1の糸175を有する、伸長刺繍要素172を示す。第2の糸180が、本第1の糸175にわたって刺繍され、第2の糸180は、同一の一次伸長軸105を辿り、同一の平滑に変動するステッチ幅を有するが、異なる色、ステッチ角度、およびステッチ密度を有する。層状刺繍糸から刺繍要素を形成することは、例えば、最終伸長刺繍要素100の強度および他の構造性質を増加させる一方、また、最終刺繍に関する一意の審美性を提供することができる。
本発明の一実施形態は、2つ以上の異なる刺繍パターンを組み込む刺繍材料を含み、各刺繍パターンは、1つ以上の明確に異なる別個の伸長刺繍要素を含む。これらの異なる刺繍パターンは、後続パターンが多要素刺繍材料を作成するために下層パターンにわたって刺繍されるように、一度に1つのパターンずつ別個に敷設される、または1つ以上の刺繍機械ヘッドを使用して同時に刺繍されることができる。2つ以上の刺繍パターンを使用して刺繍材料を作成することは、所与の場所において、複数の方向における局所化指向性構造性質(例えば、伸縮に対する抵抗)を有し、各方向において異なる抵抗性質を伴う材料の形成を可能にする。これは、材料の表面平面に沿った任意の所与の方向において伸縮力を受けるとき、材料上の異なる場所において異なる方法で伸縮する材料の形成を可能にすることができる。
複数の刺繍パターンを組み込む一例示的刺繍材料が、図12に見られることができる。本実施形態では、刺繍材料200は、その上に第1の刺繍パターン210(複数の第1の伸長刺繍要素215を含む)および第2の刺繍パターン220(複数の第2の伸長刺繍要素225を含む)が追加される基層205を含む。第1の刺繍パターン210は、それらの一次伸長軸の厳密な経路およびそれらの経路の長さにわたる幅の変動の観点から相互に対して異なるが、概して、第1の一次方向230に配向され、概して、形態において隣接する伸長刺繍要素215に関連する、第1の伸長刺繍要素215を含む。同様に、第2の刺繍パターン220は、それらの一次伸長軸の厳密な経路およびそれらの経路の長さにわたる幅の変動の観点から相互に対して異なるが、概して、第2の一次方向235に配向され、概して、伸長刺繍要素225に隣接する形態において関連する、第2の伸長刺繍要素225を含む。図12の第2の伸長刺繍要素225は、第1の伸長刺繍要素215を横切り、それらが隣接する第1の伸長刺繍要素215を横断する際、相互に対してが発散する。
代替実施形態では、第1の刺繍パターン210および第2の刺繍パターン220はそれぞれ、伸長刺繍要素の任意の適切な配列および配向を含み、各離散伸長刺繍要素の物理的性質(例えば、糸材料、糸色、一次伸長軸の方向、ステッチ角度、ステッチ密度、およびステッチ幅)および隣接する伸長刺繍要素の間の関係は、刺繍材料の具体的性能要件に応じて変動することができる。例えば、基部材料の所与の領域内の伸長刺繍要素の群の密度(隣接する伸長刺繍要素の間の間隙のサイズに反比例する)は、構造性質のより大きい変化(伸縮に対する抵抗の増加等)が要求される領域内で(すなわち、隣接する要素の間の間隙/空間を縮小することによって)増加されることができる。逆に、伸長刺繍要素は、構造特性のより小さい変化が要求される領域内でさらに離間されることができる。
本発明の一実施形態では、刺繍材料は、競技用靴等のフットウェア物品のためのアッパーに組み込まれ、少なくともその一部を形成し、刺繍の具体的構造および配列は、靴を装着する競技者に利益をもたらすように適合されることができる。例えば、刺繍アッパー要素は、ランニングシューズ(トラックシューズ、ロードランニングシューズ、またはクロスカントリーランニングシューズ等)および/または実施される具体的タイプの競技活動(例えば、短距離走、中距離走、長距離走、オフロードランニング等)のための適切な構造および性能性質および利益を提供するように具体的に構成されることができる。刺繍アッパーは、主に直線的な競技活動および運動(例えば、ランニング)および/または有意なカッティングまたは他の競技運動を要求する競技活動(例えば、バスケットボール、野球、ソフトボール、サッカー、アメリカンフットボール、フィールドホッケー、アイスホッケー、アイススケート、スピードスケート、ラグビー、テニス、スカッシュ、ラケットボール、スケートボード、サイクリング等)のための標的化支援を提供するように適合されることができる。跳躍、蹲踞、蹴上、投擲、方向転換、旋回等の他の競技運動もまた、具体的競技者および/または活動の性能特性の一意の組み合わせを強化または支援する刺繍アッパーを作成する際に考慮されることができる。加えて、刺繍アッパーは、個々の競技者または競技者のサブセット(例えば、サッカーにおけるディフェンダ、ミッドフィルダ、またはアタッカ、または野球に関する投手、捕手、または野手等のスポーツの具体的ポジションと関連付けられる競技者、または体重等の共通の身体的特性を有する競技者)と具体的に関連付けられる支援および他の性能利益を提供するようにカスタマイズされることができる。
刺繍アッパー部分310を組み込む、例示的競技用靴300、この場合では、サッカースパイクシューズが、図13に示される。靴300は、アッパー315を含み、ソール320が、その底部部分325に取り付けられる。靴300は、前足領域330と、中足領域335と、踵領域340と、その中に足が受容され得る開口部345とを含む。靴はさらに、外側350と、内側(図示せず)とを含む。ソール320は、滑り止め静止摩擦要素355の配列を含む弾性板(例えば、TPU、ナイロン、および/またはEVA板)を含む。代替実施形態では、ソール320は、適切な性能、静止摩擦、摩耗、および耐久性特性を有し、これが靴ソールの接地面として使用されることを可能にする材料(例えば、接地EVA)から形成されるミッドソールを含み得る。代替実施形態では、1つ以上のアウトソール要素(例えば、ゴムアウトソール要素)が、ミッドソールの下側面に取り付けられ、靴300に関する適切な接地特性を提供してもよい。
靴300はまた、複数のレース孔339を通して延在するレーシング要素338を含む、甲337の上部における中足領域335内に靴閉鎖システム332を含む。代替実施形態では、限定ではないが、フックおよびループ閉鎖システム、ストラップタイプ閉鎖システム、または当技術分野で公知であるような任意の他の適切なフットウェア閉鎖システム等の任意の適切な靴閉鎖システムが、利用されてもよい。一実施形態では、アッパー315は、スリップオン構造であってもよく、例えば、別個の閉鎖システムの必要性なく靴内に足を保持するために、靴の中足領域335内で装着者の中足の上部にわたって弾性的に延在する、ブーティタイプ構造を含んでもよい。
ここでは、刺繍アッパー部分310は、競技用靴300のアッパー315の中足領域335の局所化部分を形成し、残りのアッパー315は、刺繍がない。代替実施形態では、アッパー315は、靴300の任意の適切な部分内に1つ以上の局所化刺繍アッパー部分310を有する、またはアッパー315の全て、実質的に全て、または大部分を被覆する刺繍アッパー部分310を有することができる。刺繍アッパー部分310は、第1の刺繍パターン360と、第2の刺繍パターン365とを含む。第1の刺繍パターン360は、アッパー315の底部部分325に近接する領域から靴閉鎖システム332に近接する領域まで平滑に湾曲する一次伸長軸に沿って延在する4つの伸長刺繍要素370を含み、それによって、中足335の周囲のアッパーに関する付加的強度および伸縮に対する抵抗を提供し、足に対する靴300の引締に応じて、その領域内のアッパーに関する緊密かつ安定したフィットを確実にする。第2の刺繍パターン365は、第1の刺繍パターン360を横断し、靴300の前足330から踵340まで実質的に延在する方向において発散パターンで中足領域335を通して延在する、5つの伸長刺繍要素375を含み、これらの伸長刺繍要素375は、実質的に靴の縦方向軸の方向においてアッパーに関する支持および伸縮に対する抵抗を提供する。
図13の実施形態では、刺繍アッパー部分310は、アッパー315の縁まで延在しない(すなわち、これは、ソール320に近接するアッパーの底部部分325における下側縁380および靴閉鎖システム332および足開口部345に近接する上側縁385の両方から離れたアッパー315の領域内に局所化される)。代替実施形態では、1つ以上の刺繍パターンは、アッパー310の1つ以上の縁まで延在する1つ以上の伸長刺繍要素を含むことができ、ある実施形態では、1つ以上の刺繍パターンにおける伸長刺繍要素はそれぞれ、アッパー315の縁において終端する一方または両方の遠位端390を含むことができる。
図13の靴300は、アッパー315の基部材料395上に、一度に1つの層ずつ上置配列において刺繍される、2つの刺繍パターン360、365を含む。代替実施形態では、刺繍アッパーは、単一の刺繍パターンのみを含む、または相互にわたって上置される3つ以上の刺繍パターンを含む、またはアッパー315の異なる領域に位置し、相互に部分的に上置するか、または分離され、相互に上置しないかのいずれかの複数の異なる刺繍パターンを含むことができる。
アッパー315の基層395上に上置され、アッパー315の実質的に全てにわたって延在する、第1の刺繍パターン405および第2の刺繍パターン410を有する例示的靴400が、図14および15に示される。本実施形態では、靴400は、脚開口部領域345内のブーティタイプカラー415にわたって延在するレース338を含む、靴閉鎖システム332を含む。ブーティタイプカラー415は、弾性または非弾性材料から形成されることができ、例えば、伸縮可能編成材料または合成皮革材料から形成されることができる。
第1の刺繍パターン405は、アッパー315の下側縁380から上に延在し、靴閉鎖システム332および足開口部345(踵領域340または中足領域335の後部部分内)に近接する上側縁385(アッパー315の主要本体とブーティタイプカラー415との間)まで上に延在するか、または靴400の上部にわたって延在し、したがって、内側425上の下側縁380から外側430上の下側縁380(中足領域335の前部部分および前足領域330内)まで単一の要素として延在するかのいずれかである、複数の第1の伸長刺繍要素420を含む。第1の伸長刺繍要素420はそれぞれ、概して、靴400の縦方向軸432に略垂直に配向され、各第1の伸長刺繍要素420の一次伸長軸の具体的方向は、その長さに沿って平滑に変化する。各第1の伸長刺繍要素420の局所幅「w」もまた、その長さに沿って平滑に変動する。各第1の伸長刺繍要素420の一次伸長軸の厳密な方向は、刺繍パターン405が離散伸長刺繍要素420の順序付けられた群を形成するが、異なる構造性質がアッパー315の異なる領域内の刺繍によって作成されるように、各隣接する第1の伸長刺繍要素420の間で異なる。
一実施形態では、1つ以上の刺繍パターンは、ブーティタイプカラー415の少なくとも一部の中に延在することができる。ある実施形態では、基部材料は、単一の一体型材料片から形成されることができる。代替実施形態では、基部材料は、縫い付けられる、接合される、または別様にともに接続される複数の材料部分から形成され、刺繍は、複数の材料部分の少なくともいくつかにわたって延在することができる。
第2の刺繍パターン410は、アッパー315にわたって、異なるパターンおよび方向において第1の刺繍パターン405に延在する、複数の第2の伸長刺繍要素435を含む。より具体的には、第2の刺繍パターン410は、靴400の上部にわたって延在し、したがって、内側上425上の下側縁380から外側430上の下側縁380(中足領域335の前部部分および前足領域330内)まで単一の要素として延在する、いくつかの第2の伸長刺繍要素435と、アッパー315の縁まで延在することなく、閉ループにおいてアッパー315の周囲に延在するいくつかの第2の伸長刺繍要素440とを含む。代替実施形態では、アッパーの1つ以上の縁まで延在する、または延在しない閉ループ伸長要素および開ループ要素の任意の組み合わせが、使用されることができる。
第2の伸長刺繍要素440は、踵領域340内で靴400の縦方向軸に略平行な経路において延在し、それによって、踵の周囲にその方向における伸縮に対する抵抗を提供する。一方、第2の伸長刺繍要素435は、靴400の上部にわたってより垂直に延在し、それによって、靴400の確実なフィットを補助するために、中足領域335の周囲に伸縮に対する抵抗を提供する。
第2の伸長刺繍要素435は、第1の伸長刺繍要素420の平均幅よりも小さい平均幅を有し、第1の伸長刺繍要素420の最大幅よりも小さい最大幅を有する。その結果、第2の刺繍パターン410は、第1の刺繍パターン405よりもアッパー315の伸縮性質に対してより小さい効果を有する。
代替実施形態では、刺繍パターンにおける伸長刺繍要素のうちの1つ以上のものは、それらの一次伸長軸の少なくとも一部に沿って湾曲してもよい一方、刺繍要素のうちの1つ以上のものは、その一次伸長軸の全長に沿って直線または略直線であってもよい。一実施形態では、ある隣接する、または隣接しない伸長刺繍要素は、それらの長さまたはその一部に沿ったそれらの一次伸長軸の同一の方向を有する一方、刺繍パターン内の他の伸長刺繍要素は、異なる一次伸長軸方向を有することができる。
靴400はまた、アッパー315の中足領域335内の外側430上に第3の刺繍パターン450を含む。より具体的には、第3の刺繍パターン450は、局所化ブランドロゴ/識別印である。代替実施形態では、任意のグラフィカルおよび/または英数字ブランド識別マーク、審美的特徴、および/または他の構造要素が、アッパー315上の刺繍パターンから形成されてもよい。
そのそれぞれが、潜在的にその長さに沿って変動する方向、潜在的に変動する幅、および一貫した、または潜在的に変動するステッチ密度およびステッチ角度を有する一次伸長軸を含む定義された構造を有する、複数の離散的な別個の離間された伸長要素から刺繍パターンを形成することによって、刺繍パターンは、伸縮の異なる方向において、かつ材料の異なる部分において、アッパー材料の構造性質を実質的に変化させることなく、高度に指向性かつ高度に局所化された構造支持および弾性を靴アッパーに提供するように構成されることができる。対照的に、伝統的な刺繍は、材料への一意の審美性および/または材料に関するより包括的な構造支持を提供するために使用されるかどうかにかかわらず、本明細書に説明される1つ以上の刺繍パターンの適用を通して達成可能であるカスタマイズされ、一意に局所化された構造的利益を提供することができない。
一実施形態では、1つ以上の刺繍パターンは、具体的競技運動の間にフットウェア物品の1つ以上の構造および/または性能特性と整合させる、それを支援する、および/またはそれを安定化させるためにパターン化されてもよい。フットウェア物品のアッパー上で2つ以上の明確に異なる刺繍パターンを利用することによって、アッパーは、したがって、最小限の追加された材料を伴って、刺繍パターンによって標的化されるもの以外の領域および方向における材料の伸縮および可撓性を実質的に制限することなく、2つ以上の具体的競技運動を支援するように構成されることができる。例えば、具体的競技運動の間の靴アッパーの種々の部分における応力および/または歪みの物理的および/または光学測定が、離散刺繍要素のパターン等の材料部分の位置付けおよび配向に関する最適な領域および方向を決定するために使用され、アッパーの各部分において測定される力の方向および大きさは、一次伸長軸の方向、各刺繍要素の幅、(隣接する要素の間の間隙によって制御される)領域内の離散刺繍要素の群の密度、およびさらにはアッパーの各局所化領域におけるステッチ角度およびステッチ密度を決定することができる。
図16A-16Dは、具体的物理的作用を受けているとき(靴のためのアッパー材料の一部が競技運動の間に応力/歪みを受けている等)、材料に関する実験または理論的にモデル化された力または歪みデータに基づいて、刺繍パターンを識別および設計する例示的方法を示す。図16Aは、材料部分をマッピングするグリッド500を示し、グリッド500上にマッピングされる測定または計算された力ベクトル505は、グリッド500内の各位置において物理的事象の間に材料に印加される力または歪みの大きさ(ベクトル505の長さによって示される)および方向(ベクトル505の方向によって示される)を識別する。力ベクトルは、モデル化される結果の具体的要件に応じて、ある時間周期にわたる力、単一の時点における単一の力値、またはある時間周期にわたる具体的サンプル(例えば、測定された最大力と関連付けられるサンプル)の大きさおよび方向の平均を表し得る。
力ベクトル505の本マップは、次いで、図16Bに示されるように、複数の離散輪郭線510に関するマップを計算および作成するために使用され、輪郭線510は、グリッド500にわたる力ベクトル505の経路を辿ることができる。その長さに沿った具体的場所における輪郭線510の厚さは、輪郭線510に近接する力ベクトルの大きさに対して較正され、より広い/より厚い輪郭線510は、輪郭線510に沿った具体的領域に近接するより大きい力ベクトル505に対応し、より狭い/より薄い輪郭線510は、輪郭線510に沿った他の具体的領域に近接するより小さい輪郭線510に対応することができる。加えて、所与の領域内の輪郭線510の密度(または所与の領域内の隣接する輪郭線510の間の間隙)もまた、それらの輪郭線510に近接する力ベクトル505の大きさによって制御され、輪郭線510のより高い密度(すなわち、輪郭線510の間により小さい間隙を伴う)は、より大きい力ベクトル505の大きさの領域に対応することができる。
いったん適切な輪郭線510が測定または計算された力ベクトル505に基づいて作成されると、刺繍パターン515が、生成された輪郭線510にマッピングされる離散伸長刺繍要素520とともに設計および製造されることができる。基部材料525に適用されるとき、本刺繍パターン515は、精密に標的化された性能性質(例えば、構造支持および伸縮に対する抵抗)を最終刺繍材料に提供し、これは、最小限の付加的材料を伴って、材料の他の方向および他の面積における材料の性質に悪影響を及ぼすことなく、要求される方向における支持および伸縮抵抗を提供するように最適化される。種々の実施形態では、任意の適切な実験データセットおよび/または理論的にモデル化されたデータセットが、刺繍パターン515を形成する離散伸長刺繍要素520の性質を決定し、具体的スポーツ、競技運動、および/または競技者(または競技者の群)のためにカスタマイズされた材料を形成するために使用されることができる。競技用靴に組み込むための刺繍材料に関する最適化された構造および性能特性を生成する際に使用するためのデータを捕捉および処理する例示的方法が、米国特許公開第US 2014-0182170号および第US 2015-0351493号(その開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されている。
本発明の一実施形態では、図17A-17Cに示されるように、競技靴600が、最終アッパー605を形成するために基層610上に刺繍される2つの別個の刺繍パターンを伴う基層610を有するアッパー605を用いて形成されることができる。図17Aに示されるように、第1の刺繍パターン615は、第1の競技運動、この場合では、競技者が、自身の足を下ろし、自身の足を下ろすことに先立って競技者の方向と実質的に、または少なくとも部分的に対向する方向に立ち去ることによって、実質的に横に移動し、方向を急速に変化させるカッティング運動に関する力/応力/歪みデータから計算および設計される。第1の刺繍パターン615は、靴600の縦方向軸640に略垂直な方向において、内側630および外側635の両方の上の靴600の中足部分625において延在する、複数の平滑に湾曲する伸長刺繍要素620を含み、それによって、靴600のレーシング領域643のための構造安定性および支持を提供する。第1の刺繍パターン615はさらに、内側630および外側635の両方の上の靴600の踵部分650内およびその周囲に延在する、複数の平滑に湾曲する伸長刺繍要素645を含み、伸長刺繍要素645のうちの少なくとも1つは、踵部分650の周囲に延在し、踵部分650のための支持を提供する。第1の刺繍パターン615はさらに、内側630および外側635の両方の上の靴600の前足部分660内に延在する、複数の平滑に湾曲する伸長刺繍要素655を含み、伸長刺繍要素655のうちの少なくとも1つは、アッパー605の外側縁665から両方の端部662に延在し、前足伸長刺繍要素655は、前足領域660上に支持および伸縮に対する指向性抵抗を提供するように適合される。
伸長刺繍要素の平均および最大幅は、前足領域660、中足領域625、および踵領域650の間で異なり、最も大きい最大幅および最も大きい平均幅は、中足領域625において見出される。代替実施形態では、内側および/または外側前足領域、中足領域、および/または踵領域のうちのいずれか1つ以上のものが、アッパーの他の領域内のものを上回る平均および/または最大幅を有する伸長刺繍要素を組み込むことができる。加えて、ある実施形態は、アッパーの内側縁から外側縁まで、またはアッパーの内側縁または外側縁からレーシング/足開口部縁まで延在する、または内側縁、外側縁、前足縁、または踵縁のいずれかまで延在する両方の端部を有する、1つ以上の伸長刺繍要素を含むことができる。ある伸長刺繍要素はまた、アッパーの縁まで延在する、または延在しない開または閉ループにおいて延在することができる。一実施形態では、刺繍パターンにおける離散伸長刺繍要素はそれぞれ、分離され、横断しない、または別様に触れない。代替実施形態では、伸長刺繍要素のうちの2つ以上のものは、単一の伸長刺繍要素から離れて分岐し、分岐するウェブ様構造を形成することができる。
靴600はさらに、図17Bに示されるように、第2の刺繍パターン670を含む。第2の刺繍パターン670は、第1の競技運動と異なる第2の競技運動、この場合では、競技者が短距離走において実質的に前方に移動し、自身の足を下ろし、急速に停止する直線ランニングの間のブレーキング運動に関する力/応力/歪みデータから計算および設計される。第2の刺繍パターン670は、第2の刺繍パターン670によって考慮される力/応力/歪みの差異に起因して、第1の刺繍パターン615の伸長刺繍要素とそれらの配列および物理的性質において異なる、複数の平滑に湾曲する伸長刺繍要素675を含む。種々の実施形態では、具体的スポーツ、競技運動、競技者(または競技者の群)等に応じて、任意の2つ以上の競技運動が、2つ以上の明確に異なる刺繍パターンによって支援されることができる。
第1の刺繍パターン615および第2の刺繍パターン670は、最終靴600を形成するためにアッパー605上で組み合わせられ、第1の刺繍パターン615および第2の刺繍パターン670の一方が、最初に敷設され、他方のパターンが、それにわたって刺繍される。代替実施形態では、第1の刺繍パターン615および第2の刺繍パターン670は、2つの刺繍ヘッドを使用して、または単一のウェブ様構造としての2つのパターンの形成を可能にする組み合わせられたパターンを作成することによってのいずれかで、同時に刺繍されることができる。
一実施形態では、1つ以上の第1の刺繍パターンは、靴アッパーの限定された領域または複数の限定された領域内にのみ形成されることができる一方、1つ以上の第2の刺繍パターンは、第1の刺繍パターンと重複する、または重複しない、またはアッパー全体または実質的にアッパー全体にわたって延在する、または延在しない異なる領域内に形成される。例えば、図18A-18Cは、内側中足領域720および外側中足領域725内に位置付けられる複数の第1の伸長刺繍要素715から形成される第1の刺繍パターン710と、アッパー705の実質的に全てにわたって位置付けられる複数の第2の伸長刺繍要素735から形成される第2の刺繍パターン730とを含む、例示的靴700のアッパー705を示す。結果として生じる靴700は、それによって、第2の刺繍パターン730によって提供される全体的に指向性のカスタマイズされた支持を有し、第1の刺繍パターン710によって提供されるような靴700の中足における付加的標的化支持を伴うアッパー705を提供する。
その上に複数の明確に異なる指向性刺繍パターンを有する靴を形成するための例示的システムが、図19A-21Bに示される。本実施形態では、実験データが、高度なデータ収集技法および機器を使用して、試験靴を履く競技者から収集される。データは、例えば、動的競技活動の間に靴アッパーの材料および構成要素挙動を捕捉および分析するために使用され得る、デジタル画像相関システム(例えば、Plymouth Meeting, PA, U.S.A.のTrilion Quality Systems LLCによって提供されるARAMIS(R) Digital Image Correlation System)等の3D測定ツールによって捕捉されることができる。デジタル画像相関システムは、高分解能画像および構成要素の3D形状についての高度に正確な情報、および荷重または力を受ける試験物品に関する歪みおよび変形応答を提供する非接触および材料非依存測定システムであり、検査されている材料に関する歪みおよび変形情報の輪郭マップを提供する。代替実施形態では、実験データは、歪みゲージ、伸び計、加速度計、LVDTS、レーザトラッカ、レーザ走査装置、走査レーザ振動計、および/または他の変形ツールによって捕捉されることができる。
動作時、競技者は、第1の競技運動(例えば、カッティング運動)を実施し、実験データが、競技運動の間に競技者の試験靴の表面にわたる歪みの大きさおよび方向のマップをもたらすために捕捉および分析される。図19Aは、靴800の内側805上の歪みの大きさおよび方向の輪郭およびベクトルマップを示す一方、図19Bは、同一の運動の間に靴800の外側810に関して捕捉されるデータを示す。データは、靴800上の全ての測定された場所における測定された歪みの大きさを示す色スケール815を含み、最も高い大きさは、第1の色802(例えば、赤色)によって示され、最も低い大きさは、第2の色803(例えば、青色)によって示され、その間に異なる色および濃淡の範囲を伴う。加えて、ベクトル820は、靴800にわたる場所のグリッド(規則的または不規則的グリッドのいずれか)における測定された歪みの方向を示す。内側805および外側810に関するデータは、次いで、第1の競技運動の間に測定されるような歪みの大きさおよび方向の完全データマップ825を与えるために組み合わせられることができる。
同様に、第2の競技運動(例えば、ブレーキング運動、すなわち、競技者が前方に走っているときに迅速に停止するために自身の足を下ろす運動)の間の競技者の試験靴の表面にわたる歪みの大きさおよび方向のデータマップ830が、(図20Aに示されるような)靴800の内側805および(図20Bに示されるような)靴800の外側810上の歪みの大きさおよび方向の輪郭およびベクトルマップから生成され、結果として生じるデータマップ830は、第2の競技運動の間に測定されるような歪みの大きさおよび方向のインジケーションを提供することができる。種々の実施形態では、データは、単一の代表的データサンプルから、または平均化または別様に処理されたサンプルの群から処理されることができる。加えて、データは、単一の競技者または競技者の群に関して捕捉および処理されることができる。
いったんデータマップが両方の競技運動に関して計算されると、これらのマップは、具体的スポーツまたは他の競技活動に関する代表的競技運動の間に靴に印加される歪みの大きさおよび方向の全体的マップ836を提供するために(図21Aに示されるように)組み合わせられることができる。図21Bに示されるように、2つの別個の輪郭マップ825、830は、次いで、靴800に関する明確に異なる上置される刺繍パターンを作成するために使用され、第1の刺繍パターン840が、第1のデータマップ825に基づいて作成され、第2の刺繍パターン845が、第2のデータマップ830に基づいて形成されることができる。レースループ支持孔850等の他の構造要素もまた、設計され、靴800のアッパーの中に刺繍されることができる。
種々の実施形態では、パターン化刺繍要素の層または複数の層によって考慮され、支援される具体的競技運動または複数の運動は、任意の特定のスポーツまたは複数のスポーツの間に競技者によって実行される最も重要な、および/または最も衝撃が強い運動を表すように選択されることができる。これらの運動は、種々のカッティング運動、ブレーキング運動、加速/立ち去り運動、方向転換運動、足下ろし運動、跳躍運動、または1つ以上のスポーツにおいて主に使用される他の運動を含んでもよい。所与の靴上の結果として生じる刺繍のパターンは、したがって、潜在的に、所与のスポーツに関して捕捉された具体的データに応じて大幅に変動するであろう。
異なるスポーツのための適切な刺繍パターンの例示的配列が、図22A-22Dに見られ、図22Aは、第1の刺繍パターン965(第1の色を有する)および第2の刺繍パターン970(第2の色を有する)を含むアッパー960に関するシェルを示し、図22Aは、フットボールのための例示的刺繍配列を示し、図22Bは、テニスのための例示的刺繍配列を示し、図22Cは、トレーニングシューズのための例示的刺繍配列を示すことができる。図22Bおよび22Cに見られ得るように、対処される特定のスポーツおよび競技運動に応じて、ある刺繍配列は、アッパー960の大部分に及ぶが、ある領域(例えば、つま先領域980の後方の中心前足領域975)を実質的に刺繍がないままにするパターン965、970を有することができる。図22Dは、トレイルランニングシューズのための刺繍配列を示し、第1の刺繍パターン965は、第1の競技運動(この場合では、トレイルランニングの間の足の打ち付け)に対処し、第2の刺繍パターン970は、レースループ支持を提供する。
異なる競技運動(カッティングおよびブレーキング)と関連付けられる複数の刺繍パターンを組み込むサッカースパイクシューズのための例示的アッパー構造が、図23A-23Eに示される。アッパー構造は、その上に第1の刺繍パターン1005が縫い付けられる基層シェル1000を含む。異なる構成を有する第2の刺繍パターン1010もまた、基層シェル1000に追加され、複数のレースアイレット支持孔1015を備える第3の刺繍パターンもまた、追加されることができる。内側1035および外側1040を有する結果として生じるアッパーシェル1020が、図23Eに示される。第1の刺繍パターン1005および第2の刺繍パターン1010はそれぞれ、離散的な単一の伸長刺繍要素1025と、分岐する伸長刺繍要素1030とを含む。アッパーシェル1020を組み込む靴1050が、図24に示される。
本発明は、その精神または不可欠な特性から逸脱することなく、他の具体的形態において具現化されてもよい。前述の実施形態は、したがって、本明細書に説明される本発明に対する限定ではなく、あらゆる点で例証的であると見なされるものである。本発明の範囲は、したがって、前述の説明ではなく、添付される請求項によって示され、請求項の均等性の意味および範囲内に該当する全ての変更は、その中に包含されることを意図している。

Claims (34)

  1. フットウェア物品であって、前記フットウェア物品は、アッパーと、前記アッパーに固着されているソール構造とを有し、前記アッパーは、第1のアッパー要素を備え
    前記第1のアッパー要素は、
    基層であって、前記基層は、内面と、対向する外面とを有し、前記内面は、前記フットウェア物品の内部に面する、基層と、
    第1の構造層であって、前記第1の構造層は、前記基層の外面上に刺繍されている少なくとも1つの第1の繊維を備え、前記少なくとも1つの第1の繊維は、前記基層の外面にわたって延在する離散的な別個の複数の第1の伸長構造要素を各隣接する伸長構造要素の間に間隙を伴うように形成することにより、離散的な局所化構造支持を前記基層に提供し、前記複数の第1の伸長構造要素のそれぞれは、(i)前記第1の伸長構造要素の縦方向を横断するように延在する複数のジグザグステッチであって、各ジグザグステッチの径間は、前記第1の伸長構造要素の横方向幅を画定する、複数のジグザグステッチと、(ii)ジグザグステッチ密度と、(iii)前記第1の伸長構造要素の前記縦方向に対する各ジグザグステッチのためのステッチ角度とを備え、前記複数の第1の伸長構造要素のうちの少なくとも1つにおける前記縦方向、前記横方向幅、前記ステッチ密度前記ステッチ角度のうちの少なくとも1つは、前記第1の伸長構造要素の少なくとも第1の群のそれぞれの長さの少なくとも1つの区分にわたって変動し、
    少なくとも2つの隣接する伸長構造要素の前記縦方向は、それらの長さの第1の部分に対して平行な方向に延在し、かつ、それらの長さの第2の部分に対して平行ではない方向に延在し、
    前記複数の第1の伸長構造要素のうちの少なくとも1つは、第1の遠位端と第2の遠位端とを含み、前記第1の遠位端および前記第2の遠位端のそれぞれは、前記アッパーの下側縁まで延在する、第1の構造層と
    を備える、フットウェア物品。
  2. 前記複数の第1の伸長構造要素の第1の群の少なくとも一部の前記縦方向および前記横方向幅は、前記複数の第1の伸長構造要素の前記第1の群の長さにわたって変動する、請求項1に記載のフットウェア物品。
  3. 前記縦方向および前記横方向幅のうちの少なくとも1つは、前記複数の第1の伸長構造要素の前記第1の群の長さの区分にわたって平滑に変動する、請求項2に記載のフットウェア物品。
  4. 前記第1の構造層は、前記基層の一部の伸縮を、前記基層のその一部にわたって延在する前記複数の第1の伸長構造要素の前記縦方向実質的に整合される方向において低減させる、請求項1に記載のフットウェア物品。
  5. 前記基層の一部の伸縮の低減の量は、前記基層のその一部にわたって延在する前記第1の伸長構造要素の前記横方向幅に対して正の関係がある、請求項に記載のフットウェア物品。
  6. 前記基層の前記外面上に刺繍されている前記少なくとも1つの第1の繊維の少なくとも一部は熱および圧力のうちの少なくとも1つの印加を通して前記基層の前記外面に少なくとも部分的に融合されている、請求項1に記載のフットウェア物品。
  7. 各第1の伸長構造要素は、異なる第1の繊維部分を備える、請求項1に記載のフットウェア物品。
  8. 前記第1の繊維は、糸、フィラメント、コード、レース、ストランド、リボンバンドのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のフットウェア物品。
  9. 前記第1の繊維は、熱可塑性ポリウレタン、ポリエステル、ナイロン天然繊維から成る群から選択される材料を含む、請求項1に記載のフットウェア物品。
  10. 前記複数の第1の伸長構造要素の少なくとも一部は、最終フットウェア物品が第1の競技運動の間に受けるであろう歪みの少なくとも1つの優勢方向に略平行な方向に延在する、請求項1に記載のフットウェア物品。
  11. 前記ステッチ密度は、1センチメートルあたり10ステッチ~30ステッチである、請求項1に記載のフットウェア物品。
  12. 前記ステッチ密度は、1センチメートルあたり15ステッチ~25ステッチである、請求項11に記載のフットウェア物品。
  13. 前記ステッチ角度は、前記縦方向から30~60度である、請求項1に記載のフットウェア物品。
  14. 前記フットウェア物品は、第2の構造層をさらに備え、前記第2の構造層は、前記基層の前記外面上に刺繍されている少なくとも1つの第2の繊維を備え、前記少なくとも1つの第2の繊維は、前記基層の前記外面にわたって延在する複数の第2の伸長構造要素を形成することにより、局所化構造支持を前記基層に提供し、前記第2の伸長構造要素のそれぞれは、縦方向と、横方向幅と、ステッチ密度と、前記縦方向に対するステッチ角度とを備え、前記第2の伸長構造要素のうちの少なくとも1つにおける前記縦方向、前記横方向幅、前記ステッチ密度前記ステッチ角度のうちの少なくとも1つは、前記第2の伸長構造要素の長さにわたって変動し、前記第2の伸長構造要素の配列は、前記第1の伸長構造要素の配列と異なる、請求項1に記載のフットウェア物品。
  15. 前記第2の伸長構造要素の第1の群の少なくとも一部の前記縦方向および前記横方向幅は、前記第2の伸長構造要素の第1の群の長さにわたって変動する、請求項14に記載のフットウェア物品。
  16. 前記縦方向および前記横方向幅のうちの少なくとも1つは、前記第2の伸長構造要素の第1の群の長さの区分にわたって平滑に変動する、請求項14に記載のフットウェア物品。
  17. 複数の第2の伸長構造要素の前記縦方向は、それらの隣接する第2の伸長構造要素のものと異なる、請求項14に記載のフットウェア物品。
  18. 前記第2の構造層は、前記基層の一部の伸縮を、前記基層のその一部にわたって延在する前記第2の伸長構造要素の前記縦方向実質的に整合される方向において低減させる、請求項14に記載のフットウェア物品。
  19. 前記基層の一部の伸縮の低減の量は、前記基層のその一部にわたって延在する前記第2の伸長構造要素の前記横方向幅に対して正の関係がある、請求項18に記載のフットウェア物品。
  20. 前記基層の外面上に刺繍される前記少なくとも1つの第2の繊維の少なくとも一部は熱および圧力のうちの少なくとも1つの印加を通して前記基層の前記外面に少なくとも部分的に融合されている、請求項14に記載のフットウェア物品。
  21. 各第2の伸長構造要素は、異なる第2の繊維部分を備える、請求項14に記載のフットウェア物品。
  22. 前記第2の繊維は、糸、フィラメント、コード、レース、ストランド、リボンバンドのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のフットウェア物品。
  23. 前記第2の繊維は、前記第1の繊維と同一の材料を含む、請求項14に記載のフットウェア物品。
  24. 前記複数の第2の伸長構造要素の少なくとも一部は、最終フットウェア物品が第2の競技運動の間に受けるであろう歪みの少なくとも1つの二次方向に略平行な方向に延在する、請求項14に記載のフットウェア物品。
  25. 前記第1の繊維の色、材料直径のうちの少なくとも1つは、前記第2の繊維のものと異なる、請求項14に記載のフットウェア物品。
  26. 前記第2の構造層は、前記基層の前記外面および前記第1の構造層の少なくとも一部にわたって延在する第1の領域を備える、請求項14に記載のフットウェア物品。
  27. 前記第2の構造層は前記基層の前記外面の一部にわたって延在する第2の領域をさらに備え、前記第2の領域上に前記第1の構造層が不在である、請求項26に記載のフットウェア物品。
  28. 前記第1の構造層は前記基層の前記外面の一部にわたって延在する領域をさらに備え、前記領域の上に前記第2の構造層が不在である、請求項26に記載のフットウェア物品。
  29. 前記フットウェア物品は、前記第1の構造層にわたる前記基層の前記外面上に刺繍されている少なくとも1つの第3の繊維を備える第3の構造層をさらに備え、前記少なくとも1つの第3の繊維は、少なくとも1つのレース孔の境界および識別印のうちの少なくとも1つを形成する、請求項1に記載のフットウェア物品。
  30. フットウェア物品のためのアッパーの少なくとも一部を形成する方法であって、前記方法は、
    基層を提供することであって、前記基層は、内面と、対向する外面とを有する、ことと、
    フットウェア物品への組み込みに応じて、前記基層が第1の競技運動の間に受けるであろう歪みの少なくとも1つの第1の方向を識別することと、
    第1の構造層を刺繍することであって、前記第1の構造層は、前記基層の前記外面上に少なくとも1つの第1の繊維を備え、前記少なくとも1つの第1の繊維は、前記基層の前記外面にわたって各隣接する伸長構造要素の間に間隙を伴うように延在し、前記歪みの少なくとも1つの第1の方向に略平行な方向に延在する、離散的な別個の複数の第1の伸長構造要素を形成することにより、局所化構造支持を前記基層に提供し、前記複数の第1の伸長構造要素のそれぞれは、(i)前記第1の伸長構造要素の縦方向を横断するように延在する複数のジグザグステッチであって、各ジグザグステッチの径間は、前記第1の伸長構造要素の横方向幅を画定する、複数のジグザグステッチと、(ii)ジグザグステッチ密度と、(iii)前記第1の伸長構造要素の前記縦方向に対する各ジグザグステッチのためのおステッチ角度とを備え、前記複数の第1の伸長構造要素のうちの少なくとも1つにおける前記縦方向、前記横方向幅、前記ステッチ密度、前記ステッチ角度のうちの少なくとも1つは、前記第1の伸長構造要素の少なくとも第1の群のそれぞれの長さの少なくとも1つの区分にわたって変動し、少なくとも2つの隣接する伸長構造要素の前記縦方向は、それらの長さの第1の部分に対して平行な方向に延在し、かつ、それらの長さの第2の部分に対して平行ではない方向に延在し、前記複数の第1の伸長構造要素のうちの少なくとも1つは、第1の遠位端と第2の遠位端とを含み、前記第1の遠位端および前記第2の遠位端のそれぞれは、前記アッパーの下側縁まで延在する、ことと、
    前記基層および刺繍された第1の構造層を前記フットウェア物品のアッパーに組み込むこと
    を含む、方法。
  31. 前記フットウェア物品への組み込みに応じて、前記基層が第2の競技運動の間に受けるであろう歪みの少なくとも1つの第2の方向を識別するステップと、
    第2の構造層を刺繍するステップであって、前記第2の構造層は、前記基層の前記外面上に少なくとも1つの第2の繊維を備え、前記少なくとも1つの第2の繊維は、前記歪みの少なくとも1つの第2の方向に略平行な方向において前記基層の外面にわたって延在する、複数の第2の伸長構造要素を形成することにより、局所化構造支持を前記基層に提供し、前記複数の第2の伸長構造要素のそれぞれは、縦方向と、横方向幅と、ステッチ密度と、前記縦方向に対するステッチ角度とを備え、前記第2の伸長構造要素のうちの少なくとも1つにおける前記縦方向、前記横方向幅、前記ステッチ密度、および前記ステッチ角度のうちの少なくとも1つは、前記第2の伸長構造要素の長さにわたって変動し、前記第2の伸長構造要素の配列は、前記第1の伸長構造要素の配列と異なる、ステップと
    をさらに含む、請求項30に記載の方法。
  32. 前記歪みの第1の方向を識別することは、第1の競技運動の間のフットウェア物品の前記外面上の複数の場所における実験的歪みデータの分析を含む、請求項30に記載の方法。
  33. 前記基層上の所与の場所における前記第1の伸長構造要素および前記第2の伸長構造要素の前記横方向幅は、その場所における歪みの大きさに実質的に関連する、請求項30記載の方法。
  34. フットウェア物品であって、前記フットウェア物品は、アッパーと、前記アッパーに固着されているソール構造とを有し、前記アッパーは、第1のアッパー要素を備え
    前記第1のアッパー要素は、
    基層であって、前記基層は、内面と、対向する外面とを有し、前記内面は、前記フットウェア物品の内部に面する、基層と、
    第1の構造層であって、前記第1の構造層は、前記基層の前記外面の少なくとも一部にわたって延在する離散的な別個の複数の第1の刺繍されている伸長要素を各隣接する伸長構造要素の間に間隙を伴うように備え、少なくとも1つの第1の刺繍されている伸長要素の少なくとも一部は、熱および圧力のうちの少なくとも1つの印加を通して前記基層の前記外面に少なくとも部分的に融合されており、前記複数の第1の刺繍されている伸長要素のそれぞれは、(i)前記第1の伸長構造要素の縦方向を横断するように延在する複数のジグザグステッチであって、各ジグザグステッチの径間は、前記第1の伸長構造要素の横方向幅を画定する、複数のジグザグステッチと、(ii)ジグザグステッチ密度と、(iii)前記第1の伸長構造要素の前記縦方向に対する各ジグザグステッチのためのステッチ角度とを備え、前記複数の第1の伸長構造要素のうちの少なくとも1つにおける前記縦方向、前記横方向幅、前記ステッチ密度、前記ステッチ角度のうちの少なくとも1つは、前記第1の伸長構造要素の少なくとも第1の群のそれぞれの長さの少なくとも1つの区分にわたって変動し、少なくとも2つの隣接する伸長構造要素の前記縦方向は、それらの長さの第1の部分に対して平行な方向に延在し、かつ、それらの長さの第2の部分に対して平行ではない方向に延在し、前記複数の第1の伸長構造要素のうちの少なくとも1つは、第1の遠位端と第2の遠位端とを含み、前記第1の遠位端および前記第2の遠位端のそれぞれは、前記アッパーの下側縁まで延在する、第1の構造層と、
    第2の構造層であって、前記第2の構造層は、前記基層の前記外面の少なくとも一部にわたって延在する複数の第2の刺繍されている伸長要素を備え、前記複数の第2の刺繍されている伸長要素のそれぞれは、縦方向と、横方向幅と、ステッチ密度と、前記縦方向に対するステッチ角度とを備え、(i)前記複数の第2の刺繍されている伸長要素のうちの少なくとも1つにおける前記縦方向および前記横方向幅のうちの少なくとも1つは、前記第2の刺繍された伸長要素の長さにわたって変動し、(ii)少なくとも1つの第2の刺繍された伸長要素の少なくとも一部は熱および圧力のうちの少なくとも1つの印加を通して前記基層の前記外面に少なくとも部分的に融合されており、(iii)前記複数の第2の刺繍されている伸長要素の少なくとも一部は、最終フットウェア物品が第2の競技運動の間に受けるであろう歪みの少なくとも1つの二次方向に略平行な方向に延在し、(iv)前記第2の刺繍されている伸長要素の配列は、前記第1の刺繍されている伸長要素の配列と異なる、第2の構造層と
    を備える、フットウェア物品。
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