JP6989926B2 - 乾燥装置及びそれを備えるインクジェット印刷装置 - Google Patents
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Description
かかる印刷は、一般に、被印刷体に、着色剤と、水系溶媒とを含むインクを付与し、印刷体とするものである。そのため、印刷直後の印刷体は、水系溶媒を含むウェットの状態であり、印刷体から当該水系溶媒を除去する必要がある。
そして、乾燥機の設定温度を極めて高温とした場合、印刷体は十分に乾燥されるものの、印刷体の温度が急激に上昇することから、印刷体自体がカールしたり、印刷体にシワやカックルが生じる恐れがある。なお、カックルとは、印刷体が波を打ったように湾曲した状態になることをいう。
そして、第1加熱ロール部及び第1加熱部、並びに、第2加熱ロール部及び第2加熱部を備えるものとし、印刷体を段階的に加熱する構成とすることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、(4)第1熱風吹付装置が、第1チャンバーに支持され、第2熱風吹付装置が、第2チャンバーに支持され、第1チャンバー及び第2チャンバーには、それぞれ、印刷体の搬送を妨げないように角部に開口部を有している上記(2)又は(3)に記載の乾燥装置に存する。
本発明は、(7)第1チャンバーは、その壁面に、複数の排気口が設けられており、排気口は、それぞれ、第1チャンバーの外側に配置された排気用送風機に連通しており、排気用送風機を稼動させることにより、第1チャンバー内のエアは、排気口を介して、外部の排気ダクトから排気される上記(1)~(6)のいずれか1つに記載の乾燥装置に存する。
本発明は、(9)急冷ロールが、中空円柱状のドラムと、該ドラムの中空部に内蔵された円筒部と、該ドラムの一端に取り付けられたロータリージョイントと、該ロータリージョイントに取り付けられた往路管及び復路管とを有し、冷却水が、往路管からロータリージョイントを介して円筒部の内部流路に流入され、ドラムの他端に衝突すると、円筒部の外部流路に案内され、該外部流路からロータリージョイントを介して復路管に流出されるようになっている上記(1)~(8)のいずれか1つに記載の乾燥装置に存する。
また、第1加熱ロール部及び第1加熱部、並びに、第2加熱ロール部及び第2加熱部、で印刷体の両側を加熱することにより、効率良く印刷体を乾燥させることができる。
このように、本発明の乾燥装置においては、印刷直後のウェットの印刷体を段階的に加熱することができるので、印刷体を確実に乾燥することができると共に、印刷体自体がカールしたり、印刷体にシワやカックルが生じることを抑制することができる。
これにより、印刷体を巻取り等で回収する場合は、巻き取る際の印刷体の寸法変化を極力抑制することができる。
また、巻取りに限らず、後処理機を接続した場合、後処理機への影響が少ない。
また、印刷体の温度を乾燥前の状態に戻すことにより、当該印刷体の裏面に、別途印刷することも可能となる。
また、下流側のローラの膨張等の弊害を抑制することもできる。
本発明に係る乾燥装置は、印刷部により、被印刷体にインクが付与された長尺状の印刷体を搬送しながら乾燥するための装置である。
乾燥装置は、印刷装置に搭載して用いることも、印刷装置に並設して連続的に用いることも可能である。
ここで、上記被印刷体としては、長尺状の紙、フィルム、布帛等が採用できる。
上記インクとしては、特に限定されないが、染料、顔料等の着色剤と、水系溶媒と、必要に応じて添加される公知の添加剤とを含むものが用いられる。
上記印刷装置としては、インクジェット印刷装置、オフセット印刷装置、グラビア印刷装置、フレキソ印刷装置、スクリーン印刷装置等が採用できる。
なお、本明細書において、「上流側」とは印刷体の搬送経路における上流側を意味し、「下流側」とは印刷体の搬送経路における下流側を意味する。すなわち、第1加熱ロール部側を上流側とし、第2加熱ロール部側を下流側としている。
また、「印刷面」とは、印刷体のインクが付与されている側の面を意味し、「裏面」は、印刷面の反対側の面を意味する。
また、「幅方向」とは、印刷体における搬送方向に直交する方向を意味する。
図1に示すように、本実施形態に係る乾燥装置Hは、印刷体Xを案内すると共に、該印刷体Xを加熱可能な加熱ロール部10(以下「第1加熱ロール部」という。)及び加熱ロール部20(以下「第2加熱ロール部」という。)と、第1加熱ロール部10の外周面に対向するように設けられた加熱部11(以下「第1加熱部」という。)と、第2加熱ロール部20の外周面に対向するように設けられた加熱部21(以下「第2加熱部」という。)と、第1加熱ロール部10及び第1加熱部11が収容されたチャンバー15(以下「第1チャンバー」という。)と、第2加熱ロール部20及び第2加熱部21が収容されたチャンバー25(以下「第2チャンバー」という。)と、印刷体Xの裏面が第1加熱ロール部10に接する位置よりも上流側に設けられた補助加熱部50と、印刷体Xを案内すると共に、該印刷体Xを冷却可能な急冷ロール30と、印刷体Xを案内すると共に、該印刷体Xを冷却可能な冷却ロール40とを備える。
乾燥装置Hにおいて、印刷体Xは、これらに案内されながら、第1加熱ロール部10及び第1加熱部11、並びに、第2加熱ロール部20及び第2加熱部21により加熱され、急冷ロール30及び冷却ロール40により冷却される。
また、第1加熱ロール部10及び第1加熱部11、並びに、第2加熱ロール部20及び第2加熱部21、で印刷体Xの両側を加熱することにより、効率良く印刷体Xを乾燥させることができる。
乾燥装置Hにおいて、補助加熱部50は、印刷体Xの裏面が第1加熱ロール部10に接する位置よりも上流側の印刷体Xの印刷面側に、当該印刷体Xに沿うように設けられる。
乾燥装置Hにおいては、インクが付与された印刷体Xが第1加熱ロール部10に到達する前に、当該印刷体Xの裏面よりウェットな印刷面が、補助加熱部50により予め加熱される。これにより、印刷体Xは、後述する第1加熱ロール部10及び第1加熱部11、並びに、第2加熱ロール部20及び第2加熱部21において、印刷体Xの印刷面及び裏面における乾燥速度の差を極力小さくすることができる。その結果、印刷体X全体をより均一に効率良く乾燥することが可能となる。
補助熱風吹付装置51は、印刷体Xに対して熱風を吹き付け可能となっている。すなわち、印刷体Xの印刷面と補助熱風吹付装置51との間には隙間があり、補助熱風吹付装置51が印刷体Xの印刷面に向けて熱風を吹き付け可能となっている。
補助熱風吹付装置51は、後述するサーモスタットや熱電対と同等のものが取り付けられていてもよい。
補助熱風吹付装置51の設定温度は、100~140℃であることが好ましい。
補助熱風吹付装置51の構造は、後述する第1加熱部11の熱風吹付装置14の構造と同じであるので、その他の詳細な説明は省略する(図3(A)、図3(B)、図3(C)及び図3(D)参照)。なお、補助熱風吹付装置51は、3基の吹付けユニット14aからなっている(図3(A)参照)。
このとき、加熱ロール部10に対する印刷体Xの巻き付き角度θ、すなわち、第1加熱ロール部10の側面において、印刷体Xが第1加熱ロール部10に最初に接する点と、第1加熱ロール部10の軸中心とを結ぶ第1線、及び、印刷体Xが第1加熱ロール部10に最後に接する点と、第1加熱ロール部10の軸中心とを結ぶ第2線、のなす角度θが、180度以上であることが好ましく、270度以上であることがより好ましい。この場合、乾燥時間を十分に長くできるため、比較的低温で印刷体を乾燥させることができる。
図2に示すように、第1加熱ロール部10は、中空円柱状のドラム12と、ドラム12を加熱するためのバンドヒーター13と、ドラム12の両側が取り付け固定された軸芯16とを有する。
また、ドラム12は、その外周面にサンドブラスト、ショットブラスト、ビーズブラスト等による凹凸加工が施されている。これにより、印刷体Xの裏面と第1加熱ロール部10(ドラム12)の外周面とが接する際に、これらの間に仮に空気が入り込んだとしても、その空気を凹凸面による隙間から逃がすことができ、さらに、グリップを高めることでドラムへの密着性も向上する。その結果、印刷体Xの乾燥効率が低下することを抑制できる。
また、バンドヒーター13は、ドラム12の幅方向に対して3基が並設されている。
各バンドヒーター13においては、それぞれ、電源端子13aと、バンドヒーター13の温度を測定するための熱電対13bと、異常加熱時にヒーターへの電源供給を遮断するためのサーモスタット13cとが内周面に取り付けられている。
また、例えば、印刷体Xの幅が小さい場合は、使用しないバンドヒーター13の電源をOFFにすることも可能である。
また、軸芯16は、一端に電源用ロータリーコネクタ16aが取り付けられており、他端に信号用ロータリーコネクタ16bが取り付けられている。
そして、上述した各電源端子13aは、ケーブルを介して、電源用ロータリーコネクタ16aに接続されており、上述した各熱電対13bは、ケーブルを介して、信号用ロータリーコネクタ16bに接続されている。
したがって、印刷体Xは、裏面が第1加熱ロール部10により加熱され、印刷面が第1加熱部11により加熱されることになる。
第1熱風吹付装置14は、印刷体Xに対して熱風を吹き付け可能となっている。すなわち、印刷体Xの印刷面と第1熱風吹付装置14との間には隙間があり、第1熱風吹付装置14が印刷体Xの印刷面に向けて熱風を吹き付け可能となっている。これにより、印刷体Xに対し、ムラなく熱風を吹き付けることができる。また、印刷体Xは、部分的に乾燥速度の差が生じることを抑制でき、より均一に乾燥されることになる。
かかる最短距離H1が5mm未満であると、最短距離H1が上記範囲内にある場合と比較して、印刷体Xが第1熱風吹付装置14(底板14a4)に接触する恐れがあり、最短距離H1が10mmを超えると、最短距離H1が上記範囲内にある場合比較して、第1熱風吹付装置14による乾燥効率が急激に低下する傾向がある。
図3(A)に示すように、第1熱風吹付装置14は、2基の吹付けユニット14aからなる。
また、各吹付けユニット14aは、第1加熱ロール部10の幅に略一致するように、第1加熱ロール部10の幅方向に延びる中空角柱状となっている。このため、第1熱風吹付装置14から吹き付けられる熱風は、第1加熱ロール部10の全幅に及ぶことになる。
シーズヒータ14a1は、螺旋状のリブ部Rを有しているため、その表面積が大きくなっている。これにより、シーズヒータ14a1の周辺において、比較的広範囲でエアを加熱することが可能となっている。
そして、ノズルパイプ14a2は、その両側のシーズヒータ14a1の間の上方に設けられている。
また、ノズルパイプ14a2は、内部を圧縮されたエアが流通可能となっており、ノズルパイプ14a2の下側に、両側のシーズヒータ14a1に向けて設けられた一対のノズル穴Nを有している。なお、かかるノズル穴Nは、ノズルパイプ14a2の長さ方向に沿って複数設けられている(図3(A)参照)。このため、ノズル穴Nから吹き付けられるエアは、シーズヒータ14a1により加熱されることになる。
そして、底板14a4には、スリットSが設けられており、加熱されたエア、すなわち、熱風が当該スリットSから印刷体Xに吹き付けられることになる。
なお、かかるスリットSの幅H2は、吹付け幅及びエア圧の観点から、0.5mm~1.0mmであることが好ましい。
また、第1熱風吹付装置14の設定温度は、第1加熱ロール部10の設定温度以上であることが好ましく、具体的には、第1加熱ロール部10の設定温度に0~20℃足した温度であることが好ましい。
第1チャンバー15は、前面(図1の紙面手前側の面)及び後面(図1の紙面奥側の面)にドラム12に対応する穴を有する箱状であり、第1加熱ロール部10及び第1加熱部11と干渉しないように、且つ、これらを覆うように設けられている。
また、第1チャンバー15は、印刷体Xの搬送を妨げないように角部に開口部を有している。
乾燥装置Hにおいては、仮に、第1加熱ロール部10及び第1加熱部11による加熱により、印刷体Xの水系溶媒が気化したとしても、それを第1チャンバー15内に十分に閉じ込めることができる。
また、レール部Lは、筐体部HAの内部から、筐体部HAに設けられた切り欠き部Kを介して筐体部HAの後方(図1の紙面奥側)に、第1加熱ロール部10の軸芯方向(幅方向)に平行となるように延びている。このため、第1チャンバー15は、スライド部Pを介して、レール部Lに沿って、筐体部HAの内部から、切り欠き部Kを通過して、筐体部HAの後方にスライド可能となっている。なお、このとき、第1チャンバー15の前面の穴がドラム12を通過する。
加熱装置Hにおいては、第1チャンバー15を筐体部HAの後方にスライドさせることにより、メンテナンスが容易となるという利点がある。
図4に示すように、第1チャンバー15は、その壁面に、複数の排気口15aが設けられている。そして、各排気口15aは、第1チャンバー15の外側に配置された排気用送風機D1に連通している。したがって、排気用送風機D1を稼動させることにより、第1チャンバー15内のエアは、排気口15aを介して、外部の図示しない排気ダクトから排気することが可能となっている。これにより、第1チャンバー15内において、水系溶媒が気化して浮遊していたとしてもこれを除去できるので、浮遊する水系溶媒が結露して印刷体Xに再付着したり、乾燥装置H内に付着して汚染することを防止することができる。
また、第1チャンバー15内において、上述した第1加熱部11にエアを供給するための供給用送風機D2は、排気用送風機D1に並設されている。なお、第1チャンバー15には、第1加熱部11にエアを供給するための供給口も設けられているが、供給口の位置と、第1加熱部11の位置とが重なるため、図示していない。
第2加熱ロール部20は、中空円柱状であり、その外周面が加熱されるようになっている。このため、印刷体Xは、第2加熱ロール部20の外周面に接することにより加熱される。なお、印刷体Xが擦れることによる印刷面の画質低下を防止するため、第2加熱ロール部20は、印刷体Xの裏面が接するように配置することが好ましい。
なお、第2加熱ロール部20は、ブラケットB2に支持されており、当該ブラケットB2は、フレームを介して乾燥装置Hの筐体部HAに取り付けられている。
また、第2加熱ロール部20の構造は、上述した第1加熱ロール部10の構造と同じであるので、その他の詳細な説明は省略する(図2参照)。
なお、第2加熱ロール部20の設定温度は、100~140℃であることが好ましい。
したがって、印刷体Xは、裏面が第2加熱ロール部20により加熱され、印刷面が第2加熱部21により加熱されることになる。
第2熱風吹付装置24は、印刷体Xに対して熱風を吹き付け可能となっている。すなわち、印刷体Xの印刷面と第2熱風吹付装置24との間には隙間があり、第2熱風吹付装置24が印刷体Xの印刷面に向けて熱風を吹き付け可能となっている。これにより、印刷体Xに対し、ムラなく熱風を吹き付けることができる。また、印刷体Xは、部分的に乾燥速度の差が生じることを抑制でき、より均一に乾燥されることになる。
第2熱風吹付装置24は、上述したサーモスタットや熱電対と同等のものが取り付けられていてもよい。
第2熱風吹付装置24の設定温度は、第2加熱ロール部20の設定温度以上であることが好ましく、具体的には、第2加熱ロール部20の設定温度に0~20℃足した温度であることが好ましい。
なお、第2熱風吹付装置24の構造は、上述した第1加熱部11の第1熱風吹付装置14の構造と同じであるので、その他の詳細な説明は省略する(図3(A)、図3(B)、図3(C)及び図3(D)参照)。
第2チャンバー25は、前面(図1の紙面手前側の面)及び後面(図1の紙面奥側の面)にドラム12に対応する穴を有する箱状であり、第2加熱ロール部20及び第2加熱部21と干渉しないように、且つ、これらを覆うように設けられている。
また、第2チャンバー25は、印刷体Xの搬送を妨げないように角部に開口部を有している。
乾燥装置Hにおいては、第2加熱ロール部20及び第2加熱部21による加熱により、印刷体Xの水系溶媒が気化しても、それを第2チャンバー25内に十分に閉じ込めることができる。
また、レール部Lは、筐体部HAの内部から、筐体部HAに設けられた切り欠き部Kを介して筐体部HAの後方(図1の紙面奥側)に、第2加熱ロール部20の軸芯方向(幅方向)に平行となるように延びている。このため、第2チャンバー25は、スライド部Pを介して、レール部Lに沿って、筐体部HAの内部から、切り欠き部Kを通過して、筐体部HAの後方にスライド可能となっている。なお、このとき、第2チャンバー25の前面の穴がドラム12を通過する。
加熱装置Hにおいては、第2チャンバー25を筐体部HAの後方にスライドさせることにより、メンテナンスが容易となるという利点がある。
また、第2チャンバー25内において、上述した第2加熱部21にエアを供給するための供給用送風機D2は、排気用送風機D1に並設されている。なお、第2チャンバー25には、第2加熱部21にエアを供給するための供給口も設けられているが、供給口の位置と、第2加熱部21の位置とが重なるため、図示していない。
このとき、印刷体Xは、第2加熱ロール部20及び第2加熱部24により加熱された状態から、急冷ロールにより急激に冷却される。これにより、印刷体Xにおける水系溶媒の気化が強制的に停止されるので、気化した水系溶媒が第2チャンバー25の外に放出されることを抑制することができる。
なお、急冷ロール30は、乾燥装置Hの筐体部HAに取り付けられたフレームに支持される。
図5に示すように、急冷ロール30は、中空円柱状のドラム31と、当該ドラム31の中空部31aに内蔵された円筒部31bと、当該ドラム31の一端に取り付けられたロータリージョイント32と、当該ロータリージョイント32に取り付けられた往路管32a及び復路管32bとを有する。
急冷ロール30においては、ドラム31の中空部31aと、ロータリージョイント32、往路管32a及び復路管32bの内部とが連通している。
具体的には、急冷ロール30において、冷却水は、往路管32aからロータリージョイント32を介して円筒部31bの内部流路31b1に流入され、ドラム31の他端に衝突すると、円筒部31bの外部流路31b2に案内され、当該外部流路31b2からロータリージョイント32を介して復路管32bに流出されるようになっている。これにより、急冷ロール30は、十分に冷却されることになる。
冷却ロール40は、上下方向に一対設けられている。各冷却ロール40は、それぞれ、中空円柱状であり、その外周面が冷却されるようになっている。このため、印刷体Xは、冷却ロール40の外周面に接することにより更に冷却される。
なお、冷却ロール40は、乾燥装置Hの筐体部HAに取り付けられたフレームに支持される。
図6に示すように、冷却ロール40は、いずれも、中空円柱状のドラム41と、当該ドラム41の中空部41aに内蔵された円柱部41bと、当該ドラム41の両端にそれぞれ取り付けられたロータリージョイント42と、一端側のロータリージョイント42に取り付けられた往路管42aと、他端側のロータリージョイント42に取り付けられた復路管42bとを有する。
冷却ロール40においては、ドラム41の中空部41aと、両端のロータリージョイント42、往路管42a及び復路管42bの内部とが連通している。
具体的には、冷却ロール40において、冷却水は、往路管42aから一端側のロータリージョイント42を介して中空部41aの円柱部41bの外部流路41b2に案内され、当該外部流路41b2から他端側のロータリージョイント42を介して復路管42bに流出されるようになっている。これにより、冷却ロール40は、十分に冷却されることになる。
また、印刷体Xは、急冷ロール30及び冷却ロール40により十分に冷却されるので、印刷体Xを巻取り等で回収する場合は、巻き取る際の印刷体Xの寸法変化を極力抑制することができる。
さらに、印刷体Xの温度を乾燥前の状態に戻すことにより、当該印刷体の裏面に、別途印刷することも可能となる。
図7は、本発明に係るインクジェット印刷装置の一実施形態を示す透視側面図である。
図7に示すように、本実施形態に係るインクジェット印刷装置Iは、被印刷体X1を供給するための給紙部61と、被印刷体X1を搬送しながら印刷するための印刷部62と、該印刷部62により印刷された長尺状の印刷体Xを搬送しながら乾燥するための乾燥装置Hと、乾燥された印刷体Xを回収するための回収部63とを備える。
また、各インクジェット印刷用ヘッドには、上述したインクが、YMCK等の色毎に充填される。
また、印刷体Xのテンションは、ロードセル等を用いた図示しないテンションセンサが取り付けられたテンションローラ71によって検知され、目標のテンションとなるように、サーボモータにより、プルローラ70の回転量を調整することが可能となっている。
また、印刷部62下方の印刷体Xの搬送経路はアーチ状となっている。これにより、印刷体Xのバタつきを抑えることができる。
また、凹凸加工の代わりに、ドラム12の表面に細溝を設けてもよい。
なお、第2加熱ロール部20のドラムについても同様である。
なぜなら、チャンバーは浮遊する水系溶媒を閉じ込め除去するために用いるところ、第1加熱ロール部10及び第1加熱部11の設定温度は、水系溶媒を積極的に気化させる温度ではないためである。
また、同様の理由で、乾燥装置Hにおいては、第1加熱ロール部10には、近設する急冷ロールが設けられていない。
なお、水系溶媒が浮遊するのを確実に防止するため、第1チャンバー15を設け、且つ、第1加熱ロール部10に近設する急冷ロールを設けることも当然可能である。
本発明のインクジェット印刷装置は、被印刷体にインクを付与することにより、文字や図柄を印刷するための装置として利用できる。かかるインクジェット印刷装置によれば、上記乾燥装置を備えるため、印刷体を乾燥することができると共に、印刷体自体がカールしたり、印刷体にシワやカックルが生じることを十分に抑制することができる。
11・・・第1加熱部(加熱部)
12,31,41・・・ドラム
13・・・バンドヒーター
13a・・・電源端子
13b・・・熱電対
13c・・・サーモスタット
14・・・第1熱風吹付装置(熱風吹付装置)
14a・・・吹付けユニット
14a1・・・シーズヒータ
14a2・・・ノズルパイプ
14a3・・・ヒータカバー
14a4・・・底板
15・・・第1チャンバー(チャンバー)
15a・・・排気口
16・・・軸芯
16a・・・電源用ロータリーコネクタ
16b・・・信号用ロータリーコネクタ
20・・・第2加熱ロール部(加熱ロール部)
21・・・第2加熱部(加熱部)
24・・・第2熱風吹付装置(熱風吹付装置)
25・・・第2チャンバー(チャンバー)
30・・・急冷ロール
31,41・・・ドラム
31a,41a・・・中空部
31b・・・円筒部
31b1・・・内部流路
31b2,41b2・・・外部流路
32,42・・・ロータリージョイント
32a,42a・・・往路管
32b,42b・・・復路管
40・・・冷却ロール
41b・・・円柱部
50・・・補助加熱部
51・・・補助熱風吹付装置
61・・・給紙部
62・・・印刷部
63・・・回収部
70・・・プルローラ
71・・・テンションローラ
B1,B2・・・ブラケット
D1・・・排気用送風機
D2・・・供給用送風機
F1・・・フレーム
H・・・乾燥装置
HA・・・筐体部
H1・・・最短距離
H2・・・幅
I・・・インクジェット印刷装置
K・・・切り欠き部
L・・・レール部
N・・・ノズル穴
P・・・スライド部
R・・・リブ部
S・・・スリット
T・・・隙間
X・・・印刷体
X1・・・被印刷体
Claims (11)
- 印刷部によりインクが付与された長尺状の印刷体を搬送しながら乾燥するための乾燥装置において、
印刷体を案内すると共に、該印刷体を加熱可能な第1加熱ロール部及び第2加熱ロール部と、
前記第1加熱ロール部の外周面に対向するように設けられた第1加熱部と、
前記第2加熱ロール部の外周面に対向するように設けられた第2加熱部と、
前記印刷体を案内すると共に、該印刷体を冷却可能な急冷ロールと、
を備え、
前記印刷体が上流側の前記第1加熱ロール部に案内された後、下流側の前記第2加熱ロール部に案内されるものであり、
前記第2加熱ロール部の設定温度が前記第1加熱ロール部の設定温度よりも高く、
前記第1加熱ロール部及び前記第1加熱部が、排気口が設けられた第1チャンバーに収容されており、
前記第2加熱ロール部及び前記第2加熱部が、排気口が設けられた第2チャンバーに収容されており、
前記急冷ロールが、前記第2加熱ロール部に近設され、
前記第2チャンバーの外に出た前記印刷体が、前記第2加熱ロール部から前記急冷ロールに直接案内されるようになっており、
前記第1加熱ロール部及び前記第2加熱ロール部には前記印刷体の裏面が接し、前記急冷ロールには前記印刷体の印刷面が接するようになっている乾燥装置。 - 前記第1加熱部が、前記第1加熱ロール部の周方向に沿って並設された複数の第1熱風吹付装置からなり、
前記第2加熱部が、前記第2加熱ロール部の周方向に沿って並設された複数の第2熱風吹付装置からなり、
前記印刷体の印刷面と前記第1熱風吹付装置との間、及び、前記印刷体の印刷面と前記第2熱風吹付装置との間、には隙間があり、
前記第1加熱ロール部の外周面と、第1熱風吹付装置との最短距離が、5mm~10mmであり、
前記第2加熱ロール部の外周面と、第2熱風吹付装置との最短距離が、5mm~10mmであり、
前記第1熱風吹付装置及び前記第2熱風吹付装置がそれぞれ前記印刷体の印刷面に向けて熱風を吹き付け可能となっている請求項1記載の乾燥装置。 - 隣合う前記第1熱風吹付装置同士の間には隙間が設けられており、
隣合う前記第2熱風吹付装置同士の間には隙間が設けられており、
前記第1熱風吹付装置及び前記第2熱風吹付装置は、いずれも、2基の吹付けユニットからなり、
前記吹付けユニットが、底板と、底板上に配置され熱源となるシーズヒータと、当該シーズヒータに向けてエアを吹き付け可能なノズルパイプと、シーズヒータ及びノズルパイプを覆うように設けられたヒータカバーとからなり、
前記シーズヒータが、上面視でU字状に屈曲し、螺旋状のリブ部を有しており、
前記底板に設けられたスリットから前記印刷体に熱風が吹き付けられる請求項2記載の乾燥装置。 - 前記第1熱風吹付装置が、第1チャンバーに支持され、
前記第2熱風吹付装置が、第2チャンバーに支持され、
前記第1チャンバー及び前記第2チャンバーには、それぞれ、前記印刷体の搬送を妨げないように角部に開口部を有している請求項2又は3に記載の乾燥装置。 - 前記印刷体の裏面が前記第1加熱ロール部に接する位置よりも上流側に設けられた補助加熱部を更に備え、
前記補助加熱部が、前記印刷体の搬送経路に沿って設けられた補助熱風吹付装置からなり、
前記印刷体の印刷面と前記補助熱風吹付装置との間には隙間があり、
前記補助熱風吹付装置が前記印刷体の印刷面に向けて熱風を吹き付け可能となっている請求項1~4のいずれか1項に記載の乾燥装置。 - 前記第1チャンバーは、上流側及び下流側の外側側面に、それぞれ、スライド部が設けられ、乾燥装置の筐体部に設けられたレール部に、前記スライド部を介して支持されており、
前記レール部は、前記筐体部の内部から、前記筐体部に設けられた切り欠き部を介して前記筐体部の後方に、前記第1加熱ロール部の軸芯方向に平行となるように延びており、
前記第1チャンバーは、前記スライド部を介して、前記レール部に沿って、前記筐体部の内部から、前記切り欠き部を通過して、前記筐体部の後方にスライド可能となっている請求項1~5のいずれか1項に記載の乾燥装置。 - 前記第1チャンバーは、その壁面に、複数の前記排気口が設けられており、
前記排気口は、それぞれ、前記第1チャンバーの外側に配置された排気用送風機に連通しており、
前記排気用送風機を稼動させることにより、前記第1チャンバー内のエアは、前記排気口を介して、外部の排気ダクトから排気される請求項1~6のいずれか1項に記載の乾燥装置。 - 前記第1加熱ロール部は、その外周面にサンドブラスト、ショットブラスト又はビーズブラストによる凹凸加工が施されている請求項1~7のいずれか1項に記載の乾燥装置。
- 前記急冷ロールが、中空円柱状のドラムと、該ドラムの中空部に内蔵された円筒部と、該ドラムの一端に取り付けられたロータリージョイントと、該ロータリージョイントに取り付けられた往路管及び復路管とを有し、
冷却水が、前記往路管からロータリージョイントを介して前記円筒部の内部流路に流入され、前記ドラムの他端に衝突すると、前記円筒部の外部流路に案内され、該外部流路からロータリージョイントを介して前記復路管に流出されるようになっている請求項1~8のいずれか1項に記載の乾燥装置。 - 前記印刷体を案内すると共に、該印刷体を冷却可能な冷却ロールを更に備え、
該冷却ロールが、前記急冷ロールの下流側に配設され、且つ、
前記印刷体が前記急冷ロールに案内された後、前記冷却ロールに案内されるものである請求項1~9のいずれか1項に記載の乾燥装置。 - 被印刷体を搬送しながら印刷するための印刷部と、
該印刷部により印刷された長尺状の印刷体を搬送しながら乾燥するための請求項1~10のいずれか1項に記載の乾燥装置と、
を備え、
前記印刷部が、複数のインクジェット印刷用ヘッドからなるものであるインクジェット印刷装置。
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