JP6989863B2 - 大腸癌の診断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、piRNAおよびmiRNAをバイオマーカーとして使用する、体液サンプルからの大腸癌の診断方法に関する。
大腸癌(CRC)は全ての癌のうち9.7%を占め、世界で3番目に多い癌である。CRCは、癌に関連する死因としては4番目に多く、全ての癌による死因の13%以上を占めており、先進国における悪性の死因の中では2番目に多い。早期に診断された患者の生存率は、顕著に良好である。CRCに対する生存率は、診断時における疾患のステージと密接に関連しており、診断が早ければ早いほど、生存の可能性が高くなる。例えば、疾患の進行の末期(ステージIV)に診断された場合、5年生存率は20%未満である。これに対して、初期(ステージI)に診断された場合は、5年生存率は90%を超える。早期診断によって、しばしば、治癒的な外科的介入の可能性が生まれてくる。この外科的介入は、疾患が原発腫瘍および所属リンパ節に限定されている患者にのみ実行できる。
ほとんどの大腸癌は、緩やかに展開する。小型の良性大腸腺腫として始まった後、数十年かけて進行し、大きく形成異常性の高い病変となり、最終的には悪性となる。進行がこのように緩やかであるため、予防および介入の機会が複数存在する。早期診断により、治癒的処置のための最良の機会が得られる。それゆえ、早期の外科的治療が有効であるから、早期発見によりCRC患者は大いに利益を得るであろう。
しかし残念ながら、依然として、ほとんどのCRCの症例は、既に進行したステージにおいて診断されている。このステージにおいては、治癒的な外科的処置は不可能であり、コストが高く望ましくない副作用があるにもかかわらず、化学療法が唯一の選択肢である。CRCの効果的な診断方法が存在しないので、大腸新生物の患者は、効果的な早期診断CRC試験から最も利益を得るであろう。この試験とは、初期ステージのCRCを発見でき、これによりは予防的介入を可能にするような試験である。
大腸癌のリスクは、50歳以降に上昇し始める。その後もリスクは上昇を続け、10年ごとに約2倍になる。リスクの上昇は、女性の方が遅い。75歳以下の女性は、男性よりもCRCの発生率が低い。
現時点で利用できる、最も一般的かつ迅速なCRCの検出手順は、以下の通りである。
(i)便潜血試験(FOBT):この試験は、「癌とは出血するものであり、それゆえ化学的アッセイまたは免疫学的アッセイによって便中から検出できる」「通常は、顕著な大きさの腫瘍は、大便中に血液が検出される前に存在しているはずである」という仮定に基づいている;
(ii)画像法(仮想結腸内視鏡検査など);および、
(iii)肉眼的異常を同定する侵襲的方法(S状結腸内視鏡検査または結腸内視鏡検査など)。
FOBTは、最も広範に使用されており、臨床的に有用なCRCに関する試験である。FOBTには、ヘモグロビン中のヘムのペルオキシダーゼ様活性に関する粗試験(グアヤック検査)、または、ヘモグロビンに対する特異的抗体に関する粗試験(糞便免疫化学試験;FIT)が含まれる。しかし、このスクリーニング技術は、いくつかの短所に悩まされている。最大の短所は、感度が約50%にとどまっており、腺腫に関しては感度が20%しかないことである(腺腫が大きければ、10例のうち1例は癌へと発展する)。このことは、「腺腫およびCRCの全てが出血するわけではない」という事実に起因している。この試験はまた、あまり特異的ではない。というのも、便中に出現する血液は、非腫瘍状態(例えば、潰瘍性大腸炎、痔核、瘻孔など)にも関連しうるためである。したがって、結腸内視鏡検査も実施しなければならないが、これには次のような短所がある。
コンピュータ断層撮影コロノグラフィ(CTC)、すなわち仮想結腸内視鏡検査は、結腸を画像化する最近の非侵襲的技術である。CTCに関しては、アッセイの性能特性が著しく異なっていることが報告されている(特異度:39%~94%)。このことは、主として、患者の準備や、分析に使用するハードウェアおよびソフトウェアにおける、技術上の差異に起因している。CTCの他の制約としては、偽陽性の読取りが高い点、平坦な腺腫を検出できない点、ポリープを除去できない点、反復的かつ累積的な放射線照射、コストなどが挙げられる。
肉眼的異常を同定するための侵襲的方法としては、S状結腸内視鏡検査および結腸内視鏡検査が挙げられる。結腸内視鏡検査は、一般的には、CRC、腺腫性ポリープまたは他の素因疾患(炎症性腸疾患など)の既往歴を有している、50歳超の平均的個人および高リスク個人をスクリーニングするための好ましい方法である。結腸内視鏡検査は、依然として、ポリープおよびCRCの有無に関する標準的な検査である。しかし、直径1cm超の病変の15%までを見逃すことがある。結腸内視鏡検査に伴う合併症には、穿孔、出血、呼吸の低下、不整脈、感染などがある。1,000人に約1人が穿孔を患い、1,000人に3人が出血を経験する。この手順によって、10,000回の検査あたり1~3人が死亡している。また、他の欠点のために、結腸内視鏡検査は、一般集団のためのルーティン的なCRCスクリーニング法になれないかもしれない(訓練された要員の不足、患者の不快感、高コスト、結腸内視鏡検査に関するコンプライアンスの低さ(約2%)など)。大部分の散発性CRCは、良性腺腫から発展すると考えられており、そのうちのごく少数が悪性腫瘍にまで発展する。良性腺腫から悪性に発展する期間が5~10年であることを考慮すると、結腸内視鏡検査による一般集団を対象とした腺腫の検出は、患者に対して著しく過剰な治療を必要とし、費用がかかり、潜在的には有害である。結腸内視鏡検査は、FOBTで陽性となった後の次の検査であるが、偽陽性率が60%ある。それゆえ、不必要なリスクを課すこととなり、これは改善が必要である。
したがって、早期診断を(好ましくは、予後の予測も)可能とし、さらに、後には患者の進行および治療に対する応答の正確なモニタリングを可能とするバイオマーカーが、強く求められている。低侵襲性または非侵襲性の方法によって患者から得られるサンプル(血液サンプルなど)中に存在するバイオマーカーは、集団スクリーニングにおいて使用できるので好ましい。
現在、初期のCRCを検出する血清学的スクリーニング検査または特異的診断試験は存在していない。最近では、大腸癌に対する感度が高く特異的な血液検査として、セプチンの9メチル化が報告されている(Warren et al (BMC Med 9 (2011) 133))。商用化されている検査もあるが、この検査は労働集約的で高価であるため、ルーティン的なスクリーニングには用いられていない。
近年、いわゆるCRC特異的遺伝子が多数報告されている。これに該当する研究論文または特許出願の大多数は、結腸癌組織におけるRNA発現パターンと、異なる組織(隣接する正常組織または健常な結腸組織)におけるRNA発現パターンとの比較分析によって得られたデータに基づいている。このようなアプローチは、差異のあるmRNAを表示する技術として要約できる。しかし、mRNAのレベルの差は、対応するタンパク質のレベルには必ずしも反映されない。少量のmRNAにコードされているタンパク質が、非常に多量に発見される場合がある。その一方で、多量のmRNAにコードされているタンパク質でも、発見することが全く困難な場合もある。mRNAレベルとタンパク質レベルとの間の相関の欠如は、mRNAの安定性、翻訳の効率、タンパク質の安定性などの理由による。
また、最新のアプローチでは、異なる組織間(または、健常組織と疾患組織との間)のタンパク質パターンの差異を探求することによって、CRCの診断に使える可能性がある候補マーカー分子を同定する。隣接する正常組織よりもCRC組織において多く存在すると思われる、7種類の核マトリクスタンパク質が同定されている(Bruenagel et al. (Cancer Research 62 (2002) 2437-2442))。さらに、国際公開第2010/061996号は、複数のタンパク質バイオマーカーを開示しており、当該バイオマーカーのうちのいくつかは、CRC患者の血清中で検出されうる。
大腸癌の分子マーカーとして知られている他の代表例には、以下がある。国際公開第2005/015224号は、タンパク質RLA-0(60S酸性リボソームタンパク質P0)に対する抗体を使用して、大腸癌を診断する方法を開示している。国際公開第2004/079368号は、HSP90が大腸癌において多く発現することを開示している。国際公開第2004/071267号は、便サンプル中のNNMT(ニコチンアミドN-メチルトランスフェラーゼ)を測定することによる、初期大腸癌の診断方法を開示している。国際公開第2005/015234号は、SAHH(S-アデノシルホモシステインヒドロラーゼ)タンパク質が大腸癌の診断に利用できるを開示している。さらに、米国特許第7,501,243号は、結腸癌マーカーとしてTTK(チロシントレオニンキナーゼ)を開示している。
しかし、候補タンパク質マーカーは提案されてはいるものの、今日まで、それらの臨床的有用性/診断的有用性は実証されていない。理想的には、単一マーカーである新規な診断マーカーは、単独で(または、1つ以上の他のマーカーと組合せて使用される場合に)、現在使用されている診断方法と比較して、診断の感度および/または特異度が進歩しているはずである。現在では、例えば、癌胎児性抗原(CEA)またはCA19-9の検出に基づく診断血液試験が、CRC分野における診断補助に利用できる。最初の血清癌胎児性抗原(CEA)アッセイの開発(1965年)により、血液中でのスクリーニング検査の可能性について、かなりの期待がもたらされた。しかし、その後の研究が示したところによると、浸潤癌を有する個体におけるCEAの感度は、35%未満であった。また、CEAは初期形態を検出できず、CEAの特異度は不充分であった。これは、CEAの血清レベルは、いくつかの病理において増加するためである。より最近になって紹介されたCA19-9抗原の限界も、CEAの限界と同じようなものである。現在、これら2種類の分子は、治療後の観察に限定して使用されている。さらに、これらのバイオマーカーは、他の種類の癌によっても発現するし、良性病理においても発現する。以上に挙げた全てのことにもかかわらず、他の腫瘍マーカーとCEAとを組合せることによって、特異度を失うことなく感度を増加させることができる。
昨今報告されたところによると、循環しているmiRNAの特徴的なパネルによれば、患者の体液(とりわけ血清)から、結腸癌の非侵襲的な早期の検出および予後の予測が可能となる(Vychytilova-Faltejskova et al., Carcinogenesis, 2016, 941-950)。診断パネルには、miR-23a-3p、miR-27a-3p、miR-142-5pおよびmiR-276c-3pが含まれており、独立した検証によって、感度:89%、特異度:81%を示した。予後パネルには、miR-23a-3pおよびmiR-276c-3pが含まれていた。しかしながら、この診断および予後パネルの一部のメンバーは、大腸癌以外の他の固形癌に関与していると記載されている。したがって、集団スクリーニングにおける特異度は、低くなる可能性がある。
総合すると、上述の診断アプローチは、大腸癌の初期ステージ(IおよびII)を検出する際の感度が低い。また、血液サンプルからCRCを検出するための、信頼性をもって使用できる明確なバイオマーカーは、今日まで同定されていない。したがって、非侵襲的な様式で検査でき、CRCを早期に検出する特定のバイオマーカーの同定に対する臨床的な要望が存在している。
本発明の目的は、スクリーニング検査において使用でき、また疾患の初期ステージとも関連性がある、CRCの診断および予後の予測に好適な体液バイオマーカーを同定することによって、生存率を増加させることにある。望ましい検査には、以下の特徴のうち、可能な限り多くが含まれるであろう:平均並みのリスク、無症状の個体、高感度、非侵襲的、低リスク、費用効果が良い、大規模集団に容易に適用できる。
本発明は、新規に同定されたpiRNAを提供し、これは大腸癌バイオマーカーとして有用である。piRNA(PIWI相互作用性RNA)は、真核細胞において発現する、小型の非コードRNA分子である。piRNAとmiRNAとは、大きさが異なる点(前者が26~31ヌクレオチド、後者が21~24ヌクレオチド)、配列保存性が欠如している点、および複雑性が高い点において区別される。piRNAは、miRNAよりも特異的なマーカーであると見られる。
新規に同定されたpiRNAは、以下の2つである。一つは、piRNA-hsa-5937(配列:TCCCTGGTGGTCTAGTGGTTAGGATTCGGCA(配列番号1))(piR-5937、別名:piR-43771)である。もう一つは、piR-28876(配列:GTTTCCGTAGTGTAGTGGTCATCACGTTCGC(配列番号15))である。これらのpiRNAはいずれも、大腸癌バイオマーカーとして有用であり、癌患者においては下方制御されている。
さらに、上記のpiRNAは、他のpiRNAまたはmiRNAと組合せたバイオマーカーとして使用される。循環しているpiRNAおよびmiRNAの発現レベルが使用される。また、患者に由来する体液サンプルを使用して、診断方法および/または予後の予測方法を実施する。使用できる体液としては、特に、血液、血清、血漿、尿および唾液が挙げられる。
したがって、本発明の第1の態様では、大腸癌の診断方法が提供される。この方法は、
piRNA-hsa-5937の発現レベルを、体液サンプルにおいて決定する工程と、
その次に、上記サンプルにおけるpiRNA-hsa-5937の発現レベルを、健常なヒトの体液におけるpiRNA-hsa-5937の発現レベルと比較する工程と、
を含み、
上記サンプルにおけるpiRNA-hsa-5937の発現レベルが、健常なヒトの体液におけるpiRNA-hsa-5937の発現レベルよりも低い場合に、サンプルにおいて大腸癌と診断する方法である。
マーカーとしてpiRNA-hsa-5937を使用する、上記大腸癌の診断方法は、
下記から選択される1つ以上のmiRNAの体液サンプルにおける発現レベルを決定する工程と、
miR-23a-3p(配列:AUCACAUUGCCAGGGAUUUCC(配列番号3));
miR-27a-3p(配列:UUCACAGUGGCUAAGUUCCGC(配列番号4));
miR-142-5p(配列:CAUAAAGUAGAAAGCACUACU(配列番号5));
発現レベルを、健常なヒトの体液中における同じmiRNAの発現レベルと比較する工程と、をさらに含み、
上記サンプル中の上記miRNAの発現レベルが、健常なヒトの体液中の上記miRNAの発現レベルよりも高い場合に、サンプルにおいて大腸癌と診断する。
健常なヒトの体液における発現レベルは、大腸癌に罹患していない健常なボランティアから得られる体液サンプルにおける発現レベルを定めることによって得られる。望ましい場合は、公知の統計的手法によって発現の平均レベルを得てもよい。
発現レベルを比較するためには、サンプル中のpiRNA-hsa-5937の含有量を、体液中の含有量が定常的である物質を基準として用いること(すなわち、正規化すること)が有効である。このような物質は、miR-93-5p(配列:CAAAGUGCUGUUCGUGCAGGUAG(配列番号2))であってもよい。
サンプル中における上記のmiRNAの含有量を、体液中における含有量が定常的な物質(すなわち、正規化用のマーカー)を基準とすることもまた、有用である。好ましくは、正規化用のマーカーは、miR-93-5pである。
一実施形態において、診断スコア(Dxスコア)は、バイオマーカーの発現レベルから(または、好ましくは、正規化されたバイオマーカーの発現レベルから)計算できる。診断スコアの値は、その後、大腸癌に罹患している患者と大腸癌に罹患していない患者との分類に使用できる。
Dxスコアがカットオフ値よりも高い場合、サンプルは陽性である(大腸癌と診断される)。Dxスコアがカットオフ値よりも低い場合、サンプルは陰性である(大腸癌と診断されない)。カットオフ値は、公知の方法によって得られる。例えば、健常なボランティア群(統制群)および大腸癌患者群における、正規化された体液レベルの統計解析によって得られる。
Dxスコアを使用することにより、この方法の感度は96.25%、特異度は97.50%にも到達しうる。
一実施形態においては、サンプル中におけるhsa-miR-23aの正規化された血清レベルを、X(miR-23a)=2-(Ct.miR23a-Ct.miR93)で計算する。サンプル中におけるhsa-miR-27aの正規化された血清レベルを、X(miR-27a)=2-(Ct.miR27a-Ct.miR93)で計算する。サンプル中におけるhsa-miR-142-5pの正規化された血清レベルを、X(miR-142-5p)=2-(Ct.miR142-5p-Ct.miR93)で計算する。サンプル中におけるpiRNA-hsa-5937の正規化された血清レベルを、X(piR-5937)=2-(Ct.piR5937-Ct.miR93)で計算する。
また、診断スコア(Dxスコア)の計算には、以下の式が使用できる。
Dxスコア=-0.8895+62.92648×X(miR-23a)-8.08928×X(miR-27a)+73.16745×X(miR-142-5p)-1.6757×X(piR-5937)。
正規化されたバイオマーカーのレベルおよび診断スコア(Dxスコア)を使用することができる。好ましくは、正規化用のマーカーはmiR-93-5pである。正規化されたレベルまたはDxスコアが所定のカットオフ値よりも低い場合、サンプルは陽性である(大腸癌と診断される)。正規化されたレベルまたはDxスコアが所定のカットオフ値よりも高い場合、サンプルは陰性である(大腸癌と診断されない)。所定のカットオフ値および/またはDxスコアは、公知の方法によって得ることができ、決定することができる。例えば、健常なボランティア群(統制群)および大腸癌患者群における、正規化された体液レベルの統計解析によって得ることができ、決定することができる。
さらに、上記の大腸癌の診断方法は、
体液サンプル中における、下記piRNAのうち1つ以上のpiRNAの発現レベルを決定する工程と、
上記発現レベルを、健常なヒトの体液中の同じpiRNAの発現レベルと、それぞれ比較する工程と、
健常なヒトの体液中における同じpiRNAの発現レベルと比較して、上記piRNAの発現レベルが大腸癌に決定的な変化を示す場合に、上記サンプルにおいて大腸癌と診断する工程と、
をさらに含んでもよい。
Figure 0006989863000001
本発明で使用されるmiRNAおよびpiRNAは全て、体液中において含有量が定常的である同じ物質(miR-93-5pなど)を基準とすることができる。
一実施形態において、診断スコア(Dxスコア)は、バイオマーカーの発現レベルから(または、好ましくは、正規化されたバイオマーカーの発現レベルから)計算できる。診断スコアの値は、その後、大腸癌に罹患している患者と、大腸癌に罹患していない患者との分類に使用できる。
所定のカットオフ値および/またはDxスコアは、公知の方法によって得ることができ、決定することができる。例えば、健常なボランティア群(統制群)および大腸癌患者群における正規化された体液レベルの統計解析によって得ることができ、決定することができる。
本発明の診断方法によれば、たとえ最初期のステージ(臨床ステージIおよび臨床ステージII)であったとしても、大腸癌の診断が可能となる。このことによって、患者の治療が成功する可能性が著しく増加する。この診断方法は、1つのpiRNAのみを用いて実施できる。そして、その感度および特異度は、さらなるマーカーを追加することによって、より改善されうる。初期ステージのサンプルに関して達成された感度および特異度が示すところによると、この診断方法は、集団のスクリーニングにおける使用に非常に好適である。臨床現場で現在使用されている診断方法とは異なり、本発明の方法は非侵襲的であり、患者の快適さを増大させ、患者からサンプルを採取するための複雑な装置を必要としない。これらの利益によって、スクリーニングに参加する意思のある人が増加するであろう。また、大腸癌が早期に検出されるようになり、患者の回復および完治の可能性が大幅に向上するであろう。
本発明のCRC特異的バイオマーカーは、循環しているpiRNAおよびmiRNAである。すなわち、体液中におけるこれらのレベルが、CRCの診断および予後を示している。これらのバイオマーカーに基づく検査は、一般大衆に広く受け容れられる余地がある。なぜならば、侵襲性が最小限であり、従来のスクリーニング方法に頼る前に(または、従来のスクリーニング方法と組合せて)疾患に対する個人の感受性のモニタリングに使用できるからである。このことは、CRCのリスク、予防および治療を管理する上で、極めて有益である。
以上の観点から、小型の非コードRNA(マイクロRNAおよびPIWI相互作用性RNA)の検出によって、非常に有望な診断アプローチを提供される。
マイクロRNA(miRNA)は、遺伝子発現の重要な調節因子であり、多様なクラスの小型の内因性非コードRNAが含まれている(長さ:18~25ヌクレオチド)。マイクロRNAは、mRNA分解を促進させるたり、タンパク質翻訳を減衰させたりできる。バイオインフォマティクス研究によると、miRNAは全てのヒト遺伝子のうちの50%超を調節しており、それぞれのmiRNAは数百もの遺伝子標的を制御できると推定されている。いくつかのmiRNAは、細胞特異的、組織特異的および/または発生段階特異的に発現する。一方、他のmiRNAは、遍在的に発現する。検証されたmiRNAの数は、増加し続けている。webベースのデータベース「miRBase」の最新バージョンでは、ヒトゲノム中の1800超の前駆配列および2342超の成熟配列がアノテーションされている。miRNAのゲノム位置に関するアノテーションによると、miRNAの大部分は、遺伝子間の領域(アノテーションされている遺伝子または予想される遺伝子から1kb超離れている領域)に位置していることが示されている。このため、大部分のmiRNA遺伝子は、自律転写単位として転写されると仮定されている。
miRNAは、多くの基本的な生物学的プロセスの主要調節因子として働くことがあり(胚発生、器官形成、細胞分化、増殖、アポトーシスなど)、幹細胞性や免疫などの主要な生物学的システムに影響を及ぼしている。
mRNAと比較すると、マイクロRNAは、より好ましいバイオマーカーである。miRNAは半減期が長く、RNA分解酵素への曝露、極端なpH、長期保存、複数回の凍結融解サイクルなどの条件下における安定性が高いからである。
PIWI相互作用性RNA(piRNA)は、動物細胞において発現する小型の非コードRNA分子のうち、最大のクラスである。piRNAは、PIWIタンパク質との相互作用を介して、RNA-タンパク質複合体を形成する。piRNAとmiRNAとでは、大きさが異なっており(前者が26~31ntであり、後者が21~24ntである)、また、配列保存性が欠如している点、および複雑性が増加している点においても異なっている。これらの小型RNAは、転写レベルおよび転写後レベルにおいて遺伝子発現を調節している。その他に、これらの小型RNAは、転移因子であるLINEおよびSINEのサイレンシングに優先的に関与しており、したがってゲノムの安定性に寄与している。さらに、piRNAは、他の重要な生物学的プロセスにも関与している(配偶子形成、染色体の分離、幹細胞の自己再生など)。当初、piRNAの発現は、生殖細胞系の細胞において記録された。しかし、piRNAは全ての種類の組織に存在し、その発現は高度に組織特異的であることが判っている。さらに、腫瘍組織においては、piRNAの発現の調節が失われていることが記録されている。それにもかかわらず、これらの分子の癌発生における正確な機能は知られていない。近年では、遊離循環しているpiRNAが体液中に安定に存在することが報告されている。
本発明の第2の態様では、患者の全生存予後の予測方法が提供される。この方法は、
piRNA-hsa-5937の発現レベルを、体液サンプル中において決定する工程と、
その次に、piRNA-hsa-5937の発現レベルを、基準発現レベルと比較する工程と、を含み、
上記サンプル中におけるpiRNA-hsa-5937の発現レベルが、上記基準発現レベルよりも高い場合には、良好な全生存予後が予測され、
上記サンプル中におけるpiRNA-hsa-5937の発現レベルが、上記基準発現レベルよりも低い場合は、不良な全生存予後が予測される。
基準発現レベルは、良好な全生存期間(例えば、診断から少なくとも3年超)を有する大腸癌患者群に由来するサンプルと、不良な全生存期間(例えば、診断から3年未満)を有する大腸癌患者群に由来するサンプルとを統計解析することにより得られる。データの取得方法、評価方法および統計解析手法は、当業者に知られている。例えば、受信者動作特性解析(ROC解析)を使用して、基準発現レベルを特定してもよい。
良好な全生存予後は、所定の年数以上(または、月数以上)の全生存の予後を意味する。例えば、診断から20ヶ月以上、24ヶ月以上、26ヶ月以上、26ヶ月以上または3年以上の全生存の予後を意味する。
不良な全生存予後は、所定の年数未満(または、月数未満)の全生存の予後を意味する。例えば、診断から20ヶ月未満、24ヶ月未満、26ヶ月未満または3年未満の全生存の予後を意味する。
発現レベルを比較するために、サンプル中のpiRNA-hsa-5937の含有量は、体液中における含有量が定常的な物質(miR-93-5pなど)を基準とすることが有用である。
[バイオマーカーの検出]
本発明のpiRNAバイオマーカーおよびmiRNAバイオマーカーの検出は、公知の方法によって実施してもよい(リアルタイムPCRアッセイ、マイクロアレイアッセイ、組織化学アッセイ、免疫学的アッセイ、シーケンシングアッセイなど)。
miRNAおよびpiRNAは、いずれも、病院レベルの実験室医学部門で利用可能な、標準的なリアルタイムRTPCR(逆転写PCR)技術によって検出できる。血清学的試験と比較したときの、リアルタイムRT-PCRの主な利点は、感度、信頼性および特異度が高い点である。今日では、PCRを用いた個別のmiRNA/piRNAアッセイにかかるコストは、充分に低い。そのため、スクリーニングプログラムにおいて、集団全体にわたる運用が可能である。市販のアッセイを利用して、リアルタイムRT-PCRによってmiRNA/piRNAを検出することができる(例えば、Thermo Fischer Scientific)。
RT-PCT法においては、最初に逆転写(RT)を利用して、標的RNAをcDNAに変換する。次に、いくつかある従来のPCR法のうちの一つによって、cDNAを増幅および定量する。しかし、これらの方法をmiRNA/piRNAへと単純に転用することは、標的のサイズが短いために困難である。というのも、通常のPCR工程において使用されるプライマーの長さは、成熟miRNA/成熟piRNA自体と同じ長さなのでである。短鎖プライマーは、通常は有用でない。なぜならば、短鎖プライマーとmiRNA/piRNAとの間の2本鎖は融解温度が低く、したがって信号バイアスが入り込む可能性があるためである。これらの問題を回避するために、本研究者らは、従来のプライマー(または、成熟miRNA/piRNA用の全く新規なプライマー)の酵素修飾に基づく、いくつかの創造的アプローチを開発した。現在のところ、miRNA/piRNAの定量的PCRには、2つの主要な方法がある(ステム-ループRTに基づく方法、および、ポリデニル化(polydenylation)に基づく方法)。
[統計的手法]
受信者動作特性曲線(ROC曲線)は、診断試験を評価するための、標準的な分析ツールである。バイオマーカーの診断精度は、最も一般的には、感度および特異度を計算することによって測られる。感度とは、真に疾患を有している患者のうち、「疾患を有している」と正しく分類された患者の割合である。同様に、特異度とは、真に疾患を有していない全ての患者のうち、「疾患を有していない」と正しく分類された患者の割合である。ほとんどの診断バイオマーカーの結果は、連続的なスケールによって提供される。そのため、試験の感度および特異度は、選択した特定の閾値に依存する。ROC解析は、このような特定の閾値を同定するための統計的手法である。ROC曲線下面積(AUC)は、特異度の範囲全体にわたる、バイオマーカーの平均感度である。一般的に、AUCは、バイオマーカーの全体的な性能を表す要約統計量として使用される。予測に関与しないバイオマーカーのAUCは、0.5である(この線は、上向きの対角線(偶然線)によって表される)。一方、疾患を完全に予測できるバイオマーカーのAUCは、1である。
血清中におけるpiR-5937(A、B)およびpiR-28876(C、D)の、大腸癌における診断バイオマーカーとしての検証。A、CはMann-Whitney検定であり、B、DはROC解析である。 piR-5937の血清レベルは、大腸癌患者の全生存と強く相関している(ログ・ランク検定、P<0.0001)。 大腸癌患者(全ての臨床ステージ、TNM:I~IV)および健常なコントロールにおける、miRNAレベルおよびpiRNAレベル(***は、P<0.0001を表す)。 大腸癌患者(初期ステージ、TNM:I~II)および健常なコントロールにおける、miRNAレベルおよびpiRNAレベル。 血清中のmiR-23a-3pレベル、miR-27a-3pレベル、miR-142-5pレベルおよびpiR-5937レベルに基づく、Dxスコア1の検証。全てのステージの大腸癌患者(A、C)におけるものと、および初期ステージの大腸癌患者(B、D)におけるもの。 血清中のmiR-23a-3pレベルおよびpiR-5937レベルに基づく、Dxスコア2の検証。全てのステージの大腸癌患者(A、C)におけるものと、および初期ステージの大腸癌患者(B、D)におけるもの。
〔患者および方法〕
[患者]
血清サンプルは、piRNAプロファイリング研究に参加した、144例の大腸癌症例(TNMステージIの患者:36人、TNMステージIIの患者:36人、TNMステージIIIの患者:36人、TNMステージIVの患者:36人。男性:82人、女性:62人。平均年齢:65歳)およびコントロール96人(男性:48人、女性:48人;平均年齢62歳)から収集した。候補piRNAを、独立して検証するために、さらに80例(TNM臨床ステージIの患者:19人、TNM臨床ステージIIの患者:21人、TNM臨床ステージIIIの患者:21人、TNM臨床ステージIVの:患者19人。男性:44人、女性:36人。平均年齢65歳)およびコントロール80人(男性:47人、女性:33人。平均年齢:60歳)が参加した。また、疾患が初期ステージにある、さらに90例の大腸癌症例(TNMステージ1の患者:40人、TNMステージ2の患者:50人。男性:50人、女性:40人。平均年齢:61歳)およびコントロール100人(男性:52人、女性:48人。平均年齢:59歳)を利用して、同定されたmiRNA/piRNAバイオマーカーおよびモデルを評価した。研究に登録された全ての被験者は、同じ民族的背景を有しており(ヨーロッパ系)、大腸癌患者は、ネオアジュバント治療を全く受けなかった。溶血はいくつかのmiRNAの発現に影響を及ぼしうるので、溶血している血清サンプルは研究から除外した。全ての参加者(患者および健常なドナー)から書面によるインフォームドコンセントを得た。この研究は、Masaryk Memorial Cancer Instituteの地域倫理委員会によって承認された。
[RNAの抽出]
RNA抽出の前に、全てのサンプルの溶血を確認した。この確認には、3点における(380nm、415nmおよび450nm)Allen補正法によってヘモグロビン濃度を定量化する、Harboeの分光光度法を利用した。ヘモグロビン濃度が5mg・dL-1よりも低いサンプルのみを、研究において使用した。血清から、小型RNAを多く含んでいる全RNAを単離した。この単離にはQiagen miRNeasy Serum/Plasma Kit(Qiagen, GmbH, Hilden, Germany)を用い、製造者のプロトコルを改変したものに従った。簡潔に述べると、250μLの血清を氷上で解凍し、4℃、14000×gにて5分間遠心分離して、細胞残渣を除去した。次に、200μLの上清を、1mLのQIAzol Lysis Reagentで溶解させた。各サンプルに、1.25μLの0.8 μg・μl-1 MS2 RNA carrier(cat. no. 10165948001, Roche, Basel, Switzerland)を、1mLのQIAzol溶液に添加した。抽出したRNAを、2×20μLの予熱したElution Solutionで溶出させた。ライブラリを作製するために、RNAは常に、12個のサンプルから別々に単離した(12×250μL。結腸癌患者の場合、12人の患者は全員同じステージであった)。相分離の後、12個のサンプルの全てから上層の水相を集め、1.5容量の100%エタノールと混合し、1個のRNeasy MinElute spin columnにピペットで移した。溶出には、14μLの予熱したElution Solutionを用いた。RNAの濃度および純度は、光学密度(A260/280>2.0;A260/230>1.8)を測定することによって、分光光度法で測定した。測定には、NanoDrop ND-1000分光光度計(Thermo Fisher Scientific, Wilmington, DE, USA)を用いた。また、NGS用にプールしておいたサンプルのRNA濃度および品質は、Qubit 2.0蛍光光度計(Thermo Fisher Scientific)およびAgilent 2100バイオアナライザ(Agilent Technologies, Santa Clara, CA, USA)を用いて測定した。サンプルは、-80℃にて保存するか、またはさらなる処理に供した。
[小型RNAライブラリの構築およびシーケンシング]
全てのライブラリは、Illumina TruSeq Small RNA protocol(Illumina, San Diego, CA, USA)を使用して、製造者の説明書に従って調製した。簡潔に述べると、小型RNAを多く含んでいる全RNAを1μg以上使用して、一対のアダプタをpiRNAの3’末端および5’末端に連結した。次に、固有のバーコードで標識した増幅プライマーを用いて、PCRにより13サイクル増幅させた。次に、6%ネイティブ-ポリアクリルアミドゲル上で、サイズによる選抜を行った。次に、piRNAの集合に対応している145~160bpのcDNA断片を、ゲルから切り出し、溶出させ、エタノール沈澱によって沈澱させた。最終的に得られたcDNAペレットを風乾させ、ヌクレアーゼを含まない水8μL中で再懸濁した。調製したライブラリの濃度を、High Sensitivity DNA chipおよびAgilent 2100バイオアナライザ(Agilent Technologies, Santa Clara, CA, USA)を用いて測定した。各ライブラリを等モル量ずつ、cDNAの最終濃度が2nMとなるようにプールした。次に、サンプルをフローセル上でシーケンシングした。シーケンシングには、MiSeqシーケンサ(Illumina, San Diego, CA, USA)を使用し、50bpのsingle-end readでリードした。
[シーケンシングデータの処理および差異のあるpiRNAの分析]
数基準のmiRNA発現データを、fastqファイルから、Chimira toolによって生成した。全ての配列からアダプタをトリミングし、piRBase上にマッピングした。このとき、1配列当たり2個までのミスマッチを許容した。次に、R/Bioconductorパッケージを用いてさらに分析を行った。プールされている17個超のサンプルにおいて、100万回当たり1回未満しかリードされなかったpiRNAを除外した。edgeRパッケージで正規化因子を加えることにより、リード回数を予め正規化した。さらに、LIMMAパッケージで、voom関数によってサンプル間での正規化を施した。正規化された発現レベルを決定した後、大腸癌患者と健常なコントロールとの間での発現に差異があるpiRNAをスクリーニングした。スクリーニングには、線形モデルフィッティングおよびBayes approachを適用した。多重検定のために、得られたP値をBenjamini-Hochberg法で調整した。
[逆転写リアルタイムPCRおよび定量リアルタイムPCR]
TaqMan MicroRNA Assayプロトコル(Applied Biosystems, Foster City, CA, USA)に従って、遺伝子特異的プライマーを用いて、全RNAから相補的DNAを合成した。逆転写酵素反応には、以下を使用した:10ngのRNAサンプル、50nMのステム-ループRTプライマー(miR-23a-3p、miR-27a-3p、miR-142-5pおよびpiR-5937由来のもの;Applied Biosystems, Thermo Fisher, USA)、1×RT緩衝液、0.25mMずつのdNTP、3.33U・μL-1のMultiScribe逆転写酵素、および0.25U・μL-1のRNA分解酵素阻害剤(全てTaqMan MicroRNA Reverse Transcription kitのもの;Applied Biosystems, Foster City, CA, USA)。反応混合物(10μL)を16℃にて30分間、42℃にて30分間、85℃にて5分間インキュベートし、その後、4℃にて保持した(T100TM Thermal Cycler; Bio-Rad, Hercules, CA, USA)。QuantStudio 12K Flex Real-Time PCRシステム(Applied Biosystems, Foster City, CA, USA)を用いて、リアルタイムPCRを行った。20μLのPCR反応混合物には、以下が含まれていた:1.33μLのRT産物、1×TaqMan (NoUmpErase UNG) Universal PCR Master Mix、1μLのプライマー(miR-23a-3pアッセイ、miR-27a-3pアッセイ、miR-142-5pアッセイおよびpiR-5937アッセイのもの)、および、TaqMan MicroRNA Assay kit(Applied Biosystems, Foster City, CA, USA)のプローブミックス。96ウェル光学プレート中において、95℃にて10分間インキュベートした。次に、95℃にて15秒間および60℃にて1分間を、40サイクルインキュベートして、反応させた。
[データの正規化および統計解析]
Ct値のデータは、QuantStudio 12K Flexソフトウェア(Applied Biosystems, Foster City, CA, USA)によって計算した。リアルタイムPCR反応は全て、3組ずつ行った。測定されたmiRNAの平均発現レベルは全て、miR-93-5p(Assay No. 001090; Applied Biosystems, Foster City, CA, USA)によって正規化した後、2-ΔCt方法によって分析した。標準的なgeNormおよびNormFinderアルゴリズムの組合せを通して、miR-93-5pを内因性コントロールとして選択した(Vychytilova-Faltejskova et al, 2016を参照)。結腸癌患者の血清サンプル中における分析されたmiRNAのレベルと、健常なドナーの血清サンプル中における分析されたmiRNAのレベルとの間の統計的差異を、両側ノンパラメトリックMann-Whitney検定で評価した。手術前後の対になったサンプルを、対になったサンプル関して、両側ノンパラメトリックWilcoxon検定で分析した。Kaplan-Meier生存曲線およびログ・ランク検定の分析をって、piR-5937による予後予測能力を評価した。全ての計算には、GraphPad Prism version 5.00(GraphPad Software, La Jolla, CA, USA)およびR environment(R Development koa Team)を用いた。P値が0.05未満であるときに、統計的に有意であるとみなした。
〔実施例1〕大腸癌患者および健常なドナーの体液中における、異なるレベルのPIWI相互作用性RNA
144人の大腸癌患者および96人の健常なコントロールの血清サンプルから精製したRNAの小型RNAを、MiSeqシーケンサ(Illumina)でシーケンシングした。合計20個の小型RNAライブラリを作製してシーケンシングした(結腸癌患者に対して12個のライブラリ、および、健常なコントロールに対して8個のライブラリ。各ライブラリには、12人の患者/健常ドナーからのRNAサンプルが含まれる)。平均すると、リードの96%超について、Qスコアが30超であった。それゆえ、得られたデータは高品質であると考えられた。シーケンシングされたサンプルは、平均して8,925,000±2,139,597のリードを含んでおり、8,219,664±1,954,177のリードがフィルタを通過した。合計すると、大腸癌患者においては470のpiRNAが、健常なドナーにおいては453のpiRNAが、それぞれ検出可能であった(リード100万回当たり50コピー超)。このことから、健常なドナーと比較すると、大腸癌患者の血清サンプル中においては、39個のmiRNAが有意に異なるレベルであることが判った(10個は上方制御、29個は下方制御;表1;調整P値<0.005)。
Figure 0006989863000002
Figure 0006989863000003
[患者およびコントロールの独立したコホートにおける、候補piRNAの検証]
合計で、80人の大腸癌患者および80人の健常なドナーに由来する血清サンプルを、研究の検証フェーズに使用した。小型RNAのシーケンシングによって同定された、健常なコントロールと比較すると大腸癌患者の血清中におけるレベルが有意に低い39個のpiRNAのうち、piR-5937およびpiR-28876を独立検証にとって最も有望なものとして選択した。これらのpiRNAはいずれも、健常なドナーと比較すると、大腸癌患者の血清中において有意に減少することが示された。piR-5937は、P<0.0001、AUC:0.916、感度:92.5%、特異度:82.5%であった。piR-28876は、P<0.0001、AUC:0.896、感度:92.5%、特異度:72.5%であった。さらに、血清中のpiR-5937レベルの高値は、このレベルの低値と比較して、良好な生存と有意に関連していた(P<0.0001、HR:0.09、CI:0.02~0.036、図2)。このことは、piR-5937レベルによる予後予測効果を示している。
〔実施例2〕血清中のpiRNAレベルおよびmiRNAレベルの組合せに基づく、大腸癌診断モデル(Dxスコア)の開発および検証
血清中のpiRNA/miRNAレベルに基づく大腸癌診断モデル(Dxスコア)を、(診断用の)ロジスティック回帰によって開発した。診断に関連するシグネチャーを生成するために、piR-5937、piR-28876、および、Vychytilova-Faltejskova et al.の研究(2016年、背景技術欄に記載)において同定された上位4個のmiRNA(miR-23a-3p、miR-27a-3-p、miR-142-5p、miR-376c-3p)を、サンプルの訓練用データセットとして、双方向ステップワイズロジスティック回帰モデルに導入した。最終的なモデルは、Akaike情報基準を最大化するモデルとした。Dxスコアをさらに分析するために、ROC曲線(受信者動作特性曲線)を作成した。最大Youden指数を利用して、健常なドナーと結腸癌患者とを識別するための最適なカットオフ値を得た。次に、サンプルの各セットについてROC曲線分析を行い、Dxスコアの感度および特異度を計算した。得られたモデルおよびカットオフ値の検証を、疾患の初期ステージにあるサンプルの独立した検証用データセットで実行した。
このアプローチにより、2つの効果的な診断モデルが確立された。(i)4つのバイオマーカー(miR-23a-3p、miR-27a-3p、miR-142-5pおよびpiR-5937)の発現に基づく診断モデル(Dxスコア1)。(ii)2つのバイオマーカー(miR-23a-3pおよびpiR-5937)の発現に基づく診断モデル(Dxスコア2)。いずれの診断モデルも、血清検体による大腸癌の診断において、非常に高い感度および特異度を特徴としていた。
Dxスコアに含まれているmiRNA/piRNAは全て、大腸癌患者および健常なドナーの血清中において、有意に異なるレベルを示した。いずれの検証コホートにおいても(第1コホート:全TNMステージ、第2コホート:初期TNMステージ)、患者の血清中では、miRNAのレベルはより高く、piRNAのレベルはより低かった(図3および4)。
分析能が最も良かったのは、4つのバイオマーカー(miR-23a-3p、miR-27a-3p、miR-142-5pおよびpiR-5937)(Dxスコア1)に基づくモデルであった。この診断スコアは、以下の式により計算した。
Dxスコア1=-0.8895+(62.92648×miR-23a)-(8.08928×miR-27a)+(73.16745×miR-142-5p)-(1.6757×piR-5937)。
Dxスコア1は、全てのTNMステージにある患者コホートに対して、感度99%、特異度90%で大腸癌を同定できた(図5A、C)。同じDxスコア1およびカットオフ値を、疾患の初期TNMステージにある患者の独立した検証コホートに対して適用したところ、感度は84%、特異度は83%であった(図5B、D)。この値は、現在使用されている大腸癌の診断アプローチを、顕著に上回っている(表2に要約した)。
Figure 0006989863000004
2つのバイオマーカー(miR-23a-3pおよびpiR-5937)(Dxスコア2)に基づくモデルは、Dxスコア1よりも僅かに低い分析能を示した。
この診断スコアは、以下の式により計算した。
Dxスコア2=-0.64243+(39.96723×miR-23a-3p)-(1.62861×piR-5937)。
Dxスコア2は、全てのTNMステージにある患者コホートに対して、感度94%、特異度90%で大腸癌を同定できた(図6A、C)。同じDxスコア2およびカットオフ値を、疾患の初期TNMステージにある患者の独立した検証コホートに対して適用したところ、感度は82%、特異度は75%であった(図6B、D)。この値は、現在使用されている大腸癌の診断アプローチと比較した場合、依然として満足のいく性能である(表3に要約した)。
Figure 0006989863000005

Claims (8)

  1. (1)piRNA-hsa-5937(配列:TCCCTGGTGGTCTAGTGGTTAGGATTCGGCA(配列番号1))の発現レベルと、
    下記から選択される1つ以上のmiRNAの、体液サンプル中における発現レベルと、
    miR-23a-3p(配列:AUCACAUUGCCAGGGAUUUCC(配列番号3));
    miR-27a-3p(配列:UUCACAGUGGCUAAGUUCCGC(配列番号4));および、
    miR-142-5p(配列:CAUAAAGUAGAAAGCACUACU(配列番号5));
    を、体液サンプル中において決定する工程と、
    (2)その次に、上記サンプル中におけるpiRNA-hsa-5937および上記1つ以上のmiRNAの発現レベルを、健常なヒトの体液中におけるpiRNA-hsa-5937および上記1つ以上のmiRNAの発現レベルと比較する工程と、
    (3)上記サンプル中におけるpiRNA-hsa-5937の発現レベルが健常なヒトの体液中におけるpiRNA-hsa-5937の発現レベルよりも低く、かつ、上記サンプル中における上記1つ以上のmiRNAの発現レベルが健常なヒトの体液中における上記miRNAの発現レベルよりも高い場合に、上記サンプルにおいて大腸癌と同定する工程と、
    を含むことを特徴とする、大腸癌の診断補助方法。
  2. piRNA-hsa-5937、miR-23a-3p、miR-27a-3pおよびmiR-142-5pの全ての発現レベルを、体液サンプル中において決定する、請求項1に記載の方法。
  3. 上記体液サンプル中における、下記piRNAのうち1つ以上の発現レベルを決定する工程と、
    上記発現レベルを、健常なヒトの体液中における同じpiRNAの発現レベルと、それぞれ比較する工程と、
    健常なヒトの体液中における同じpiRNAの発現レベルと比較して、上記piRNAの発現レベルが大腸癌に決定的な変化を示す場合に、サンプルにおいて大腸癌と同定する工程と、
    をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
    Figure 0006989863000006
  4. サンプル中における診断マーカーである、下記(i)および(ii)からなる群より選択される1つ以上の発現レベルを、体液中における含有量が定常的な物質によって正規化する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法:
    (i)piRNA-hsa-5937;
    (ii)miR-23a-3p、miR-27a-3pおよびmiR-142-5p。
  5. 上記体液中における含有量が定常的な物質は、miR-93-5p(配列:CAAAGUGCUGUUCGUGCAGGUAG(配列番号2))である、請求項4に記載の方法。
  6. サンプル中における診断マーカーである、下記(i)および(ii)からなる群より選択される1つ以上の発現レベルを、所定のカットオフ値と比較する工程を含む、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の方法:
    (i)piRNA-hsa-5937;
    (ii)miR-23a-3p、miR-27a-3pおよびmiR-142-5p。
  7. サンプル中における診断マーカーである、piRNA-hsa-5937、miR-23a-3p、miR-27a-3pおよびmiR-142-5pの発現レベルを用いて、診断スコアを計算する工程と、
    その次に、上記診断スコアを、所定のカットオフ値と比較する工程と、
    を含む、
    請求項2~6のいずれか1項に記載の方法
  8. 上記体液は、血液、血清、血漿、尿および唾液から選択される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。

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