JP6988382B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関するものである。
従来、成層燃焼に際して、燃料噴射装置によって噴射された燃料を、タンブル流を利用して点火プラグ近傍に導く筒内噴射式火花点火内燃機関が知られている(例えば、特許文献1)。このような、内燃機関では、運転領域に関わらず、点火時期に点火プラグ近傍において可燃混合気が存在することが望ましい。そこで、特許文献1の内燃機関では、運転領域によって燃料を噴射する方向を異ならせる、又は気流(タンブル流)の流速を調整することにより、点火時期に点火プラグ近傍において可燃混合気が存在するようにし、着火性を向上させていた。
特開2004−176604号公報
ところで、筒内噴射式火花点火内燃機関には、燃料を複数回に分けて噴射するものが存在する。例えば、吸気行程において燃料を噴射して、燃焼室内に均質な混合気を形成させ、圧縮行程において燃料を噴射して、着火安定性を向上させている内燃機関が存在する。
しかしながら、1燃焼サイクル(吸気行程→圧縮行程→膨張行程→排気行程)において噴射される燃料の総量は、内燃機関などの状態などによって予め決定されている。このため、上記のように分割噴射を行う場合、分割噴射を行わない場合と比較して、1回あたりの燃料噴射量(燃料の質量)が少なくなり、燃料噴流の勢い(貫徹力若しくは運動量ともいう)が弱くなる傾向がある。これにより、燃焼室内における気流(タンブル流など)の勢い(流動強度若しくは運動量ともいう)に燃料噴流が押し負けて、気流に燃料をうまく乗せる(混合させる)ことができないことが考えられる。つまり、燃料がシリンダ壁面付近に分散し、点火時期に点火プラグ近傍において所望の空燃比となった混合気を存在させることができない可能性がある。
本発明は、上記実情に鑑み、点火時期に点火プラグ近傍において所望の空燃比となった混合気を存在させることができる内燃機関の制御装置を提供することを主たる目的とする。
上記課題を解決するため、内燃機関の制御装置は、燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁を備える内燃機関に適用され、内燃機関の1燃焼サイクルでの燃料噴射を、吸気行程噴射と圧縮行程噴射とに分割して実行させる内燃機関の制御装置であって、圧縮行程での前記燃焼室内の流体流動の強さを推測する流動推測部と、前記流動推測部により推測された前記流体流動の強さに基づいて、前記圧縮行程における燃料噴流の貫徹力を調整する調整部と、を備えることを要旨とする。
内燃機関の1燃焼サイクルにおいて吸気行程噴射と圧縮行程噴射とがそれぞれ実施される場合には、吸気行程噴射により筒内に均質混合気が形成される一方で、圧縮行程噴射により好適なる燃料着火が実現される。ただし、こうした分割噴射の実施時には、圧縮行程噴射での噴射量が少なくなるため、筒内が高流動となるような運転領域において燃料噴流が押し負けて、流体(気流)に燃料をうまく乗せる(混合させる)ことができない可能性が高くなる。つまり、燃料がシリンダ壁面付近に分散し、点火時期に点火プラグ近傍において所望の空燃比となった混合気を存在させることができない可能性が高くなる。
この点、上記構成では、圧縮行程での前記燃焼室内の流体流動の強さを推測し、推測された流体流動の強さに基づいて、圧縮行程における燃料噴流の貫徹力が調整される。このため、流体流動の強さと、燃料噴流の貫徹力とが対応するように調整することでき、点火時期に点火プラグ近傍において所望の空燃比となった混合気を好適に存在させることができる。
エンジン制御システムの概略を示す図。 燃料の流れを示す模式図。 制御処理を示すフローチャート。 (a)及び(b)は、タンブル流の中心位置と、燃料の流れの関係を示す図。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、車両に搭載される筒内噴射式の多気筒4サイクルガソリンエンジン(内燃機関)を制御対象とし、当該エンジンにおける各種アクチュエータの電子制御を実施するものとしている。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一又は均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
まず、図1によりエンジン制御システムの全体概略構成を説明する。図1に示す筒内噴射エンジン(以下、エンジン10という)において、吸気通路としての吸気管11の上流部には吸入空気量を検出するためのエアフロメータ12が設けられている。エアフロメータ12の下流側には、DCモータ等のスロットルアクチュエータ13によって開度調節されるスロットルバルブ14が設けられており、該スロットルバルブ14の開度(スロットル開度)は、スロットルアクチュエータ13に内蔵されたスロットル開度センサにより検出される。スロットルバルブ14の下流側にはサージタンク16が設けられ、このサージタンク16には吸気管圧力を検出するための吸気管圧力センサ17が設けられている。サージタンク16には、エンジン10の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド18が接続されている。
吸気マニホールド18の出口(エンジン10の吸気ポートであって、後述するインジェクタ21の上流側)には、吸気通路を上下に仕切る仕切板50が気筒毎に設けられ、この仕切板50によって上側通路51と下側通路52とが形成されている。各気筒の下側通路52の入口部には、下側通路52を開閉するタンブル制御弁(TCV)53がそれぞれ配置されている。TCV53は、モータ等からなるアクチュエータにより電気的に開閉駆動されることで、エンジン10の気筒内における気流の強さ(流体流動の強さ)を調整する気流制御弁である。このTCV53によれば、気筒内において縦方向の吸気旋回流(タンブル流)を発生させ、また、その旋回位置を調整できる。
シリンダブロック20には気筒ごとに電磁駆動式のインジェクタ21が設けられている。シリンダ内壁とピストン22の上面(頂部)とにより区画形成される燃焼室23内には、インジェクタ21から燃料が直接噴射される。インジェクタ21が筒内噴射用の燃料噴射弁に相当する。インジェクタ21に対しては、高圧ポンプ26を有してなる高圧燃料システムから高圧燃料が供給されるようになっている。
高圧燃料システムについて簡単に説明する。本システムは、燃料タンク24内の燃料をくみ上げる低圧ポンプ25と、この低圧ポンプ25にてくみ上げられた低圧燃料を高圧化する高圧ポンプ26と、高圧ポンプ26から吐出される高圧燃料を蓄える蓄圧室を構成するデリバリパイプ27とを有している。デリバリパイプ27には、各気筒のインジェクタ21がそれぞれ接続されている。高圧ポンプ26により高圧化されデリバリパイプ27内に蓄えられた高圧燃料は、インジェクタ21により燃焼室23内(気筒内)に噴射される。また、高圧ポンプ26とデリバリパイプ27とを接続する高圧燃料配管28、又はデリバリパイプ27には、燃料圧力(燃圧)を検出する燃圧センサ29が設けられている。
高圧ポンプ26は、機械式の燃料ポンプであり、エンジン10のカム軸の回転により駆動される。高圧ポンプ26の燃料吐出量は、高圧ポンプ26に設けられた燃圧制御弁26aの開度により制御され、デリバリパイプ27内の燃圧が例えば最大20MPa程度に高圧化される。燃圧制御弁26aは、高圧ポンプ26の燃料加圧室に吸入される燃料の量を調整する吸入調量弁、又は燃料加圧室から吐出される燃料の量を調節する吐出調量弁よりなり、燃圧制御弁26aの開度調整によりデリバリパイプ27内の燃圧が可変に制御される。
また、エンジン10の吸気ポート及び排気ポートには、それぞれ図示しないカム軸の回転に応じて開閉動作する吸気弁31及び排気弁32が設けられている。吸気弁31の開動作により吸入空気が燃焼室23内に導入され、排気弁32の開動作により燃焼後の排気が排気管33に排出される。吸気弁31及び排気弁32には、それら各弁の開閉タイミングを可変とする可変動弁機構31A,32Aが設けられている。可変動弁機構31A,32Aは、エンジン10のクランク軸と吸気カム軸との相対回転位相を調整するものであり、所定の基準位置に対して進角側及び遅角側への位相調整が可能となっている。可変動弁機構31A,32Aとしては、油圧駆動式又は電動式の可変動弁機構が用いられる。
エンジン10のシリンダヘッドには各気筒に点火プラグ34が取り付けられており、点火プラグ34には、図示しない点火コイル等を通じて、所望とする点火時期において高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ34の対向電極間に火花放電が発生し、燃焼室23内において燃料が着火されて燃焼に供される。
排気管33には、排気を浄化するための浄化装置35が設けられている。浄化装置35としては、例えば選択還元触媒コンバータ(SCR触媒コンバータ)、NOx吸蔵還元型触媒、三元触媒等である。また、排気管33において浄化装置35の上流側には、排気を検出対象として混合気の空燃比を検出する空燃比センサ36が設けられている。
その他に、シリンダブロック20には、エンジン水温(エンジン温度に相当)を検出する水温センサ37や、エンジン10の所定クランク角ごとに(例えば10°CA周期で)、矩形状のクランク角信号を出力するクランク角度センサ38が取り付けられている。また、図示しないが、排気管33には、NOxセンサや、PMセンサなどが設けられている。
上述した各種センサの出力は、エンジン制御を司る制御装置としての電子制御ユニット(以下、ECU40という)に入力される。ECU40は、CPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータを有して構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じてインジェクタ21の燃料噴射量を制御したり、点火プラグ34の点火時期等を制御したり、燃圧制御を実施したりする。
たとえば、ECU40は、高圧ポンプ26の駆動を制御することで、デリバリパイプ27内の燃圧、すなわち噴射圧を所望の圧力に維持するよう燃圧制御を実施する。具体的には、ECU40は、目標燃圧を設定するとともに、その目標燃圧と燃圧センサ29により検出される実燃圧との偏差に基づいて燃圧フィードバック制御を実施する。
ここで、燃料噴射の基本制御について説明する。ECU40は、エンジン負荷(例えば吸入空気量)とエンジン回転速度とをパラメータとし、これらに基づいて基本噴射量を算出する。そして、ECU40は、その基本噴射量に対して水温補正や空燃比補正等を適宜実施して最終の燃料噴射量(全噴射量)を算出する。そして、ECU40は、噴射時期において、噴射信号を生成し、その噴射信号によりインジェクタ21を駆動制御する。
そして、本実施形態では、吸気行程及び圧縮行程においてそれぞれ燃料を噴射させている。すなわち、ECU40は、吸気行程において燃料を噴射して(吸気行程噴射によって)、燃焼室23内に均質な混合気を形成させている。そして、ECU40は、圧縮行程において燃料を噴射して(圧縮行程噴射によって)、着火安定性を向上させている。
ところで、着火安定性を好適に向上させるためには、点火時期に点火プラグ34近傍において所望の空燃比となった混合気を存在させるように、圧縮行程噴射を実行させる必要がある。しかしながら、分割噴射を行う場合、分割噴射を行わない場合と比較して、圧縮行程において噴射される噴射量は少なくなり、燃料噴流の貫徹力は弱くなる傾向がある。
このため、圧縮行程において、燃焼室23内の流体流動の強さと燃料噴流の貫徹力とが対応しなくなる場合がある。この場合、図2に示すように、圧縮行程において、流体流動の勢いに燃料噴流が押し負けて、流体(気流)に燃料をうまく乗せる(混合させる)ことができない可能性が高くなる。つまり、燃料が燃焼室23の壁面付近に分散し、点火時期に点火プラグ34近傍において、所望の空燃比となった混合気を好適に存在させることができない可能性が高くなる。したがって、点火時期に点火プラグ34近傍において所望の空燃比となった混合気を好適に存在させるためには、圧縮行程における燃焼室23内の流体流動の強さ(以下、単に圧縮流動の強さと示す)を推測し、圧縮流動の強さに応じた貫徹力で燃料を噴射させる必要がある。
そこで、ECU40は、点火時期に点火プラグ34近傍において所望の空燃比となった混合気を好適に存在させるため、以下の噴射制御に関わる制御処理を実行している。この制御処理は、ECU40により、1燃焼サイクルごとに実行される。
図3に示すように、ECU40は、エンジン運転状態に基づいて、圧縮流動の強さを算出するための基本となるベース値、及び燃焼室23内に発生する渦流の旋回位置を算出する(ステップS101)。ベース値は、TCV53による気流制御が行われないと仮定した場合に、燃焼室23内で生じる流体流動の強さに対応する値であり、エンジン運転状態によって算出される値である。このベース値は、後述する気流制御を実行する際にどのように制御を行うかを決定するための基本となる値でもある。
燃焼室23内に発生する渦流の旋回位置とは、具体的には、タンブル流の中心位置Kのことである。ステップS101において推測されるタンブル流の中心位置Kは、TCV53による気流制御が行われないと仮定した場合に、エンジン運転状態に基づき推測されるタンブル流の中心位置Kである。
ステップS101において、ECU40は、エンジン回転速度及びエンジン負荷に基づき、ベース値、及びタンブル流の中心位置Kを算出する。具体的には、エンジン回転速度及びエンジン負荷に応じたベース値、及びエンジン回転速度及びエンジン負荷に応じたタンブル流の中心位置Kを予め適合試験により取得してマップ化して記憶しておく。そして、当該マップを用いてベース値及びタンブル流の中心位置Kを推定(算出)する。ステップS101により、ECU40は、燃焼室23内における渦流の旋回位置(タンブル流の中心位置K)を推定する位置推定部としての機能を備えることとなる。
次に、ECU40は、最終的な燃圧を算出するための基礎とする目標燃圧を算出し、また、各行程における基本噴射量を算出する(ステップS102)。ステップS102において、ECU40は、エンジン運転状態(エンジン回転速度及びエンジン負荷)に基づいて、最終的な燃圧を算出するための基礎とする目標燃圧を算出する。
また、ステップS102において、ECU40は、エンジン運転状態(エンジン回転速度及びエンジン負荷)に基づいて、全噴射量を算出し、全噴射量を分割して吸気行程及び圧縮行程における各基本噴射量を決定する。なお、各行程における基本噴射量は、各行程において噴射可能な噴射量の範囲が定められており、各範囲内で分割されるように構成されている。なお、各行程において噴射可能な噴射量の範囲は、エミッション要求や着火安定性の観点等に基づき、適合試験などによって設定される。
次に、ECU40は、ステップS101にて算出されたベース値が、予め決められた閾値Th以上であるか否かを判定する(ステップS103)。ベース値が予め決められた閾値Th以上である場合(ステップS103:YES)、ECU40は、タンブル流の中心位置Kが、燃料噴射位置(方向)よりも下側となるように、気流制御を実施する(ステップS104)。具体的には、TCV53の開度調整により、吸気流を制御して、タンブル流の中心位置Kが燃料噴射位置(方向)よりも下側となるように調整する。TCV53の制御量は、ステップS101で推定されたベース値、タンブル流の中心位置Kなどに基づき決定される。
図4(a)に示すように、タンブル流の中心位置Kが、燃料噴射位置(方向)よりも下側となった場合、燃焼室23内を一周して点火プラグ34近傍に到達する。なお、燃料噴射方向は、インジェクタ21の軸線方向である。このため、流体流動が強く、燃焼室23内のタンブル流の速度が速い場合、燃料噴射位置よりも中心位置Kを下側にして、燃料(混合気)がタンブル流に乗って移動する距離を長くする。これにより、点火時期に混合気が点火プラグ34近傍に好適に存在させることができる。
一方、ベース値が予め決められた閾値Thよりも小さい場合(ステップS103:NO)、ECU40は、推定されたタンブル流の中心位置Kが、燃料噴射位置よりも上側となるように、吸気流を制御する(ステップS105)。TCV53の制御量は、ステップS104と同様に決定される。
タンブル流の中心位置Kが、燃料噴射位置(方向)よりも上側となった場合(中心位置Kよりも燃料噴射位置が下側となった場合)、図4(b)に示すように、燃焼室23内を一周する前に点火プラグ34近傍に到達する。このため、流体流動が弱く、燃焼室23内のタンブル流の速度が遅い場合、燃料噴射位置よりも中心位置Kを上側にして、燃料(混合気)がタンブル流に乗って移動する距離を短くする。これにより、点火時期に混合気が点火プラグ34近傍に好適に存在させることができる。
ところで、ステップS104、S105において、TCV53による気流制御が実施されると、圧縮流動の強さにも影響を与える。つまり、圧縮流動の強さは、気流制御後の吸気流に依存するものと考えられるため、ベース値(ステップS101で推定される強さ)を補正する必要がある。
そこで、ECU40は、ベース値を補正して、圧縮流動の強さを推測する(ステップS106)。すなわち、ステップS106では、ステップS104,105に基づく気流制御(吸気流の制御)が実施された場合における圧縮流動の強さを推測する。
具体的には、TCV53の制御量に基づきベース値の補正量を予め適合試験により取得してマップ化して記憶しておく。そして、ECU40は、当該マップを参照して、ステップS104,S105において決定されたTCV53の制御量に基づきベース値を補正して、圧縮流動の強さを推測する。
ステップS101,S106の処理を実行することにより、ECU40は、エンジン運転状態(エンジン回転速度及びエンジン負荷)、及びTCV53の制御状態に基づき、圧縮流動の強さを推測している。つまり、ECU40は、エンジン運転状態に基づきベース値を算出し、算出したベース値を、TCV53の制御状態に基づき補正することにより、圧縮流動の強さを推測している。ステップS101,S106の処理を実行することにより、ECU40は、圧縮行程での燃焼室23内の流体流動の強さを推測する流動推測部41としての機能を備えることとなる。
次に、ECU40は、ステップS106で推測された圧縮流動の強さに基づき、圧縮行程において要求される燃料噴流の貫徹力(要求貫徹力)を算出する(ステップS107)。
そして、ECU40は、圧縮行程における燃料噴流の貫徹力が要求貫徹力を満たすように、圧縮行程における基本噴射量を変更(補正)して、圧縮行程噴射での噴射量を決定し、圧縮行程における燃料噴流の貫徹力を調整する(ステップS108)。具体的には、ECU40は、圧縮流動の強さが大きい場合に、小さい場合に比べて圧縮行程噴射での噴射量を多くすることにより、貫徹力を調整する。なお、圧縮行程における噴射量を多くする場合、その分、吸気行程における噴射量が少なくする必要がある。
また、前述したように、各行程において噴射可能な噴射量は、予め範囲が定められているため、各行程の噴射量が各範囲内に収まるように、圧縮行程での噴射量を決定(変更)する。このため、圧縮行程での噴射量の範囲内において、圧縮行程における燃料噴流の貫徹力が要求貫徹力を満たすように、噴射量を決定することができない場合(要求貫徹力に満たない場合)には、圧縮行程において噴射可能な範囲内における上限値が噴射量として決定される。
次に、ECU40は、圧縮行程における燃料噴流の貫徹力が、要求貫徹力を満たすように、燃圧(噴射圧)を変更することで貫徹力を調整する(ステップS109)。例えば、ECU40は、圧縮流動の強さが大きい場合に、小さい場合に比べてインジェクタ21から噴射される燃圧を高くすることにより、貫徹力を調整する。ステップS109では、ステップS108で設定された噴射量で燃料を噴射することを前提として、圧縮行程における燃料噴流の貫徹力が、要求貫徹力を満たすように、燃圧(噴射圧)を変更している。
具体的には、ECU40は、ステップS108で設定された噴射量で燃料を噴射する場合に、圧縮行程における燃料噴流の貫徹力が要求貫徹力を満たすように、ステップS102で算出された基礎となる目標燃圧を補正(変更)する。そして、補正後の目標燃圧と燃圧センサ29により検出される実燃圧との偏差に基づいて燃圧フィードバック制御を実施する。そして、制御処理を終了する。
ステップS108、S109の処理を実行することにより、ECU40は、圧縮流動の強さに基づいて、圧縮行程における燃料噴流の貫徹力を調整する調整部42としての機能を備えることとなる。また、ステップS108の処理を実行することにより、ECU40は、圧縮行程噴射での噴射量を変更することで貫徹力を調整する第1調整部としての機能を備えることとなる。また、ステップS109の処理を実行することにより、ECU40は、インジェクタ21から噴射される燃料の圧力である噴射圧を変更することで、貫徹力を調整する第2調整部としての機能を備えることとなる。
なお、ステップS108は、ステップS109よりも前において実行されるため、流体流動の強さに基づいて貫徹力を調整する場合に、第1調整部と第2調整部とのうち第1調整部による調整を優先的に実施しているといえる。
また、ステップS108では、圧縮行程での噴射量の範囲内において、圧縮行程における燃料噴流の貫徹力が要求貫徹力を満たすように、噴射量を決定(変更)することができない場合には、圧縮行程において噴射可能な範囲内における上限値が噴射量として決定される。このため、ECU40は、噴射量による調整を実施している場合において、その調整量が所定の上限になったことに基づいて、噴射圧による調整を実施していることとなる。
以上詳述した本実施形態によれば、次の優れた効果が得られる。
1燃焼サイクルにおいて吸気行程噴射と圧縮行程噴射とがそれぞれ実施される場合には、吸気行程噴射により筒内に均質混合気が形成される一方で、圧縮行程噴射により好適なる燃料着火が実現される。ただし、こうした分割噴射の実施時には、圧縮行程噴射での噴射量が少なくなるため、燃焼室23内が高流動となるような状態において燃料噴流が押し負けて、流体(気流)に燃料をうまく乗せる(混合させる)ことができない可能性が高くなる。つまり、燃料が燃焼室23の壁面付近に分散し、点火時期に点火プラグ34近傍において、所望の空燃比となった混合気を存在させることができない可能性が高くなる。
この点、上記構成では、圧縮行程での燃焼室23内の流体流動の強さを推測し、推測された流体流動(圧縮流動)の強さに基づいて、圧縮行程における燃料噴流の貫徹力が調整される。このため、圧縮流動の強さに対応するように、燃料噴流の貫徹力に調整することでき、点火時期に点火プラグ34近傍において所望の空燃比となった混合気を好適に存在させることができる。
燃料の噴射量を増やすことで燃料噴流の貫徹力が大きくなることが考えられる。これを利用して、燃焼室23内の流体流動の強さが大きい場合に、小さい場合に比べて圧縮行程における噴射量を多くした。これにより、燃焼室23内の流体流動(圧縮流動)の強さが大きい状態下にあっても、点火時期に点火プラグ34近傍において所望の空燃比となった混合気を好適に存在させることができる。
インジェクタ21の噴射圧(燃圧)を高くすることで燃料噴流の貫徹力が大きくなることが考えられる。これを利用して、燃焼室23内の流体流動(圧縮流動)の強さが大きい場合に、小さい場合に比べて噴射圧を大きくした。これにより、燃焼室23内の流体流動の強さが大きい状態下にあっても、点火時期に点火プラグ34近傍において所望の空燃比となった混合気を好適に存在させることができる。
上記構成では、噴射量と噴射圧を変更することにより、貫徹力を調整している。このため、いずれか一方又は両方において設定可能な範囲に制限があったとしても、調整の自由度を向上することができる。
なお、噴射圧(燃圧)を高くする際、エンジン10の出力が利用されるため、燃費が悪くなる。そこで、要求貫徹力に応じて、貫徹力を調整する場合、噴射量を優先的に変更することにより、燃費への影響を低減している。また、上記実施形態では、ECU40は、噴射量が所定の上限となった場合、ステップS109において、噴射圧(燃圧)を変更している。このため、燃圧の変更を最小限にすることができ、燃費への影響を最小限にすることができる。
点火時期に混合気が点火プラグ34の近傍に好適に存在させるためにタンブル流の中心位置Kを調整すべく、気流制御弁としてのTCV53による気流制御(吸気流の制御)が行われる。具体的には、ベース値が強い場合、燃料噴射位置よりもタンブル流の中心位置Kが下側となるように、TCV53の開度調整が行われる。一方、ベース値が弱い場合、燃料噴射位置よりもタンブル流の中心位置Kが上側となるように、TCV53の開度調整が行われる。
このような吸気流の制御が行われた場合、エンジン運転状態のみからでは、圧縮行程における流体流動の強さを推測することは難しい。そこで、ECU40は、エンジン運転状態と、TCV53の制御状態に基づき、圧縮行程における流体流動の強さを推測することとした。より詳しくは、ECU40は、エンジン運転状態に基づき、ベース値を推定し、TCV53の制御量に基づき、ベース値を補正して、圧縮流動の強さを推測することとした。これにより、TCV53によって吸気流が制御されても、圧縮行程における流体流動の強さを適切に推測することができる。
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されず、例えば以下のように実施してもよい。
上記実施形態では、TCV53の開度調整により、タンブル流の中心位置Kを調整したが、吸気弁31のプロフィール(開弁時期、リフト量など)を調整して、タンブル流の中心位置Kを調整してもよい。この場合、吸気弁31が気流制御弁に相当する。
上記実施形態では、タンブル流の中心位置Kを調整したが、気流制御の代わりに、又は気流制御と共に、インジェクタ21の噴射方向を変更可能に構成し、タンブル流の中心位置Kに応じて、噴射方向を変更してもよい。これにより、気流制御によって、タンブル流の中心位置Kを調整する必要がなくなる。インジェクタ21の噴射方向を変更可能するためには、例えば、インジェクタ21を回動可能に構成することにより、変更可能となる。また、例えば、噴射角度が異なる複数のインジェクタ21を備えて、噴射角度に応じて噴射させるインジェクタ21を選択してもよい。また、噴射角度が異なる複数の噴射孔をインジェクタ21に備えて、噴射孔を選択してもよい。
上記実施形態において、ECU40は、圧縮流動の強さ及びタンブル流の中心位置Kに基づいて、貫徹力を調整してもよい。例えば、圧縮流動の強さが閾値以上であって、タンブル流の中心位置が燃料噴射位置よりも下側となる場合には、圧縮行程における燃料噴流の貫徹力が大きくなるように調整してもよい。一方、圧縮流動の強さが閾値よりも小さい場合又はタンブル流の中心位置が燃料噴射位置よりも上側となる場合には、圧縮行程における燃料噴流の貫徹力が小さくなるように調整してもよい。これにより、点火時期に点火プラグ34近傍において所望の空燃比となった混合気をより好適に存在させることができる。
上記実施形態では、圧縮行程における燃料噴流の貫徹力を調整する際、噴射圧及び噴射量を共に変更可能に構成したが、いずれか一方のみ変更可能に構成してもよい。
上記実施形態では、圧縮行程における燃料噴流の貫徹力を調整する際、噴射量を優先的に変更したが、噴射圧(燃圧)を優先的に変更してもよい。
上記実施形態では、タンブル流の中心位置Kを調整しなくてもよい。
10…エンジン、21…インジェクタ、23…燃焼室、40…ECU、41…流動推測部、42…調整部。

Claims (2)

  1. 燃焼室(23)内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁(21)を備える内燃機関(10)に適用され、内燃機関の1燃焼サイクルでの燃料噴射を、吸気行程噴射と圧縮行程噴射とに分割して実行させる内燃機関の制御装置(40)において、
    圧縮行程での前記燃焼室内の流体流動の強さを推測する流動推測部(41)と、
    前記流動推測部により推測された前記流体流動の強さに基づいて、前記圧縮行程における燃料噴流の貫徹力を調整する調整部(42)と、
    を備え
    前記調整部は、
    前記圧縮行程噴射での噴射量を変更することで前記貫徹力を調整する第1調整部(40)と、
    前記燃料噴射弁から噴射される燃料の圧力である噴射圧を変更することで前記貫徹力を調整する第2調整部(40)と、を備えており、
    前記流体流動の強さに基づいて前記貫徹力を調整する場合に、前記第1調整部と前記第2調整部とのうち前記第1調整部による調整を優先的に実施する内燃機関の制御装置。
  2. 前記調整部は、前記第1調整部と前記第2調整部とのうち前記第1調整部による調整を実施している場合において、その調整量が所定の上限になったことに基づいて、前記第2調整部による調整を実施する請求項に記載の内燃機関の制御装置。
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